説明

ビデオカメラ

【課題】作業を記録するために携帯用ビデオカメラを使用する場合,カメラを手で支えていると本来の作業の遂行に支障を生じたり,作業者の視点とは異なる方向にレンズが向いたり,撮影の機会を逃したりするおそれがある。
【解決手段】ビデオカメラを撮影者の衣服等に連結しやすい形態とすることにより,カメラを手で支えていなくとも作業者の視点に近い場所を撮影でき,さらに大容量の電源部分や記録部分をレンズ部分と分離することで長時間の撮影が容易となり撮影の機会を逃すおそれが少なくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,手ぶらで撮影できることを特徴とする携帯用ビデオカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の携帯用ビデオカメラには,三脚で支えるためのネジ穴を備えているものがある。
【0003】
従来の携帯用ビデオカメラはレンズおよび撮像素子部分と,電源,操作,および記録部分等が一つの塊状に構成されている。
従来の携帯用ビデオカメラは片手で操作し,保持することを想定して手の甲を覆うベルトを備えている。
従来の携帯用ビデオカメラの下部に三脚で支えるためのネジ穴を備えている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の携帯用ビデオカメラでは次のような課題がある。
科学実験や製造等の作業を記録する場合,ビデオカメラを片手に持つと作業の遂行に支障を生じ,または作業を遂行できないために記録すべき事象を撮影できないという問題がある。
作業を遂行するためにカメラを三脚で固定すると,視点が固定されるために動いている作業者の視点から撮影することが困難となる。
動いている作業者に近い視点から撮影するためには,作業者とは別に撮影者が必要となる。
撮影者は作業者の行動を予測できない場合があり,作業者を邪魔して作業の遂行に支障を生じ,または撮影すべき部分とは異なる部分を撮影してしまって記録すべき事象を撮影できないおそれがある。
また記録に値する事象は突発的に発生する場合も多いため,撮影者は撮影の機会を予測できず,必要な記録ができないという問題がある。
【0005】
本発明は,このような従来の構成が有していた問題を解決しようとするものであり,レンズおよび撮像素子を効果的に配置することにより,作業者のほかに撮影者を必要とせず,作業に支障を及ぼすことなく,作業者自身に近い視点から,撮影すべき部分を,撮影の機会を逃すことなく撮影することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ビデオカメラを胸ポケット等に入れて使用することを想定し,ビデオカメラの形状を細長い板状または細長い棒状とし,レンズについては胸ポケット等から露出するようビデオカメラの上部に配置する。
ビデオカメラが胸ポケット等から落下しないようクリップ等で胸ポケット等にはさんで固定することもできる。
【0007】
また第2の解決手段については,レンズおよび撮像素子部分とそれら以外の電源,操作,および記録部分等(以下,本体という)を別の筐体に収め,レンズおよび撮像素子部分をクリップ,ネジ,ひも,またはベルト等により衣服,帽子,ヘアバンドまたはヘルメット等の一部に連結し,本体はポケットやバッグの中等に入れて使用する。
レンズおよび撮像素子部分と本体とは,ケーブルで接続する。
【0008】
第3の解決手段については,第2の解決手段からレンズおよび撮像素子部分と本体とを接続するケーブルを取り除き,代わりにレンズおよび撮像素子部分に無線通信部分および電源部分を追加し,本体とは無線通信で情報をやりとりする。
無線通信の搬送媒体としては電波,赤外線,または音声等を使用することができる。
通信技術としては,電波や赤外線等を搬送媒体として画像情報をやりとりする場合は通常のテレビ技術を使用し,音声等を搬送媒体とする場合はスロー・スキャン・テレビ技術を使用することができる。
【0009】
上記第1の解決手段による作用は,次の通りである。すなわちビデオカメラを撮影者の胸ポケット等に入れることにより撮影者はビデオカメラを支える必要がない。ビデオカメラをそのレンズが撮影者の正面に向くように胸ポケットへ入れておけば,撮影者すなわち作業者が動いた場合であってもカメラの視点は常に撮影者の正面を向いたままとなる。そのため,作業中に体の向きを変えた場合であっても常に作業者に近い視点からの撮影が可能となる。
作業者が座ったり立ち上がったり,撮影対象へ近づいたり離れたり,撮影対象の裏側へ回り込んだりした場合であっても,カメラは作業者とともに移動するため常に作業者に近い視点からの撮影が可能となる。
【0010】
第2の解決手段による作用は,次の通りである。すなわちレンズおよび撮像素子部分をクリップ等で帽子等に連結することにより撮影者はビデオカメラを支える必要がない。ビデオカメラをそのレンズが撮影者の正面に向くように帽子等へ固定しておけば,撮影者すなわち作業者が動いた場合であってもビデオカメラの視点は撮影者の正面を向いたままとなる。
第2の解決手段がさらに優れている点は,ビデオカメラの視点を撮影者の頭部に対して固定できるため,作業中に頭部の向きを変えた場合であっても作業者に近い視点からの撮影が可能となる。
さらに第2の解決手段によれば,レンズおよび撮像素子部分を本体から分離することにより帽子等へ取付ける部分の小型化が容易となり,装着の自由度が増す。
また電源部分または記録部分をポケットやショルダバッグなど大きさに余裕のある場所に入れて使うことを想定すれば大容量化が容易となり,多くの画素数,コマ数で長時間の記録が容易となる。
大容量の電源部分および大容量の記録部分を使用することにより長時間の記録が容易になるため,ビデオカメラを装着してから取り外すまでの間にわたり連続して撮影することも可能となり,撮影の機会を逃すおそれが無くなる。また節約のための録画のオン・オフや電源のオン・オフが不要となり,作業に集中できる。
同様にして操作部分の面積を確保することにより誤操作を減らすことができる。このことは手袋等を装着した状態での操作が容易になることや,障害を持つ者にとって操作が容易になることでもある。
【0011】
第3の解決手段がさらに優れている点は,激しい動作をする場合や,強い風や水流の中で使用する場合においてもレンズおよび撮像素子部分と本体とを接続するケーブルが体,衣服や装具等にからまるおそれがないため,ビデオカメラを使用中であっても作業に集中できることである。
【発明の効果】
【0012】
上述したように本発明のビデオカメラによれば,作業者のほかに撮影者を必要とせず,作業に支障を及ぼすことなく,作業者自身に近い視点から,撮影すべき部分を,撮影の機会を逃すことなく撮影することが可能となる。
【0013】
また面談の記録などに使用する場合,撮影者はビデオカメラを構える必要がないため自然な身振りで応対することができるから相手方を無用に緊張させることが少ないという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】 第1の解決手段の使用形態を示す外観図。
【図2】 第2の解決手段の使用形態を示す外観図。
【符号の説明】
【0015】
1 レンズ
2 細長い板状に構成したビデオカメラ
3 レンズおよび撮像素子部分
4 ケーブル
5 本体
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は第1の解決手段の使用形態であり,細長い板状に構成した2のビデオカメラを1のレンズが撮影者の正面に向くように,胸ポケットへ入れた様子を示している。
ビデオカメラの視点を撮影者の上半身に対して固定できるため,レンズは常に撮影者の体の正面を向くこととなる。
【0017】
図2は第2の解決手段の使用形態であり,3のレンズおよび撮像素子部分をクリップ等で帽子等に連結するとともに,5の本体をポケットやショルダバッグなど大きさに余裕のある場所に入れておくため,4のケーブルを経由して分離した様子を示している。
ビデオカメラの視点を撮影者の頭部に対して固定できるため,レンズは常に撮影者の顔の正面を向くこととなる。
第3の解決手段では,図2の構成要素のうち4のケーブルを取り除き,代わりに無線通信で情報をやりとりする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影者の胸ポケット等に入れたまま撮影できるよう,ビデオカメラの形状を細長い板状または細長い棒状とし,レンズについては胸ポケット等から露出するようビデオカメラの上部に配置した携帯用ビデオカメラ。
【請求項2】
撮影者の帽子等に連結したまま撮影できるよう,レンズおよび撮像素子部分とそれら以外の電源,操作,および記録部分等(以下,本体という)を別の筐体に配置した携帯用ビデオカメラ。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−166538(P2010−166538A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−30417(P2009−30417)
【出願日】平成21年1月19日(2009.1.19)
【出願人】(595173695)
【Fターム(参考)】