説明

ビデオゲームプログラム、ビデオゲーム装置及びビデオゲーム制御方法

【課題】第1キャラクタに対する駆け引きを考慮しながら第2キャラクタを動作させることができるようにする。
【解決手段】本ゲームプログラムでは、第1キャラクタ70に動作を開始させるための動作開始命令が制御部1に認識されたか否かが制御部1により判断される。また、第2キャラクタ72を動作させるための第1入力信号が制御部1に認識されたか否かが制御部1により判断される。そして、第1キャラクタ70に動作を開始させるための動作開始命令が制御部1に認識されていないと制御部1に判断され、第2キャラクタ72を動作させるための第1入力信号が制御部1に認識されたと制御部1に判断された場合に、第2キャラクタ72の動作命令が制御部1から発行される。すると、制御部1から発行された動作命令に基づいて、第2キャラクタ72の動作状態が画像データを用いて画像表示部3に表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビデオゲームプログラム、特に、画像表示部に表示された第1キャラクタの動作開始前にコントローラを操作することによって第1キャラクタの動作開始後に第2キャラクタを動作させるビデオゲームをコンピュータに実現させるためのビデオゲームプログラムに関する。また、このビデオゲームプログラムにより実現されるビデオゲームを実行可能なビデオゲーム装置、およびこのビデオゲームプログラムにより実現されるビデオゲームをコンピュータにより制御可能なビデオゲーム制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から様々なビデオゲームが提案されている。これらビデオゲームは、ゲーム装置において実行されるようになっている。たとえば、一般的なゲーム装置は、モニタと、モニタとは別体のゲーム機本体と、ゲーム機本体とは別体の入力部たとえばコントローラとを有している。コントローラには、入力部たとえば複数の入力釦が配置されている。このようなゲーム装置においては、入力釦を操作することにより、モニタに表示されたキャラクタを動作させることができるようになっている。
【0003】
このようなゲーム装置において、対戦ゲームたとえば野球ゲームが実行される場合を考える。この野球ゲームでは、コントローラの入力釦を操作することにより、走者キャラクタを走塁させることができるようになっている(非特許文献1を参照)。この野球ゲームにおいて、たとえば1塁の走者キャラクタに盗塁指示をする場合、投手が投球モーションに入ったときに、盗塁用ボタンたとえば十字方向キーの上方向キーおよび四角印付きボタンを操作することにより、走者キャラクタを1塁から2塁に向けて盗塁スタートさせることができる。すると、走者キャラクタが2塁に向けて走塁する状態がモニタに表示される。また、盗塁用ボタンたとえば十字方向キーの上方向キーおよび四角印付きボタンを操作した後に帰塁用ボタンたとえば十字方向キーの右方向キーおよびX印付きボタンを操作すると、1塁から2塁に向けて走塁している走者キャラクタを1塁へと帰塁させることができる。このときは、2塁に向けて走塁している走者キャラクタが走塁方向を反転させて1塁に帰塁する状態がモニタに表示される。
【非特許文献1】実況パワフルプロ野球9 決定版、コナミ株式会社、PS2版
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の野球ゲームでは、プレイヤが走者キャラクタに盗塁指示をする場合、投手キャラクタが投球モーションに入ったときに盗塁用ボタンを押すことにより、走者キャラクタに盗塁のスタートをきらせることができるようになっていた。すなわち、投手キャラクタが投球モーションに入った後に、走者キャラクタへの盗塁指示が認識され実行されるようになっていた。このような野球ゲームにおいて極力早いタイミングで走者キャラクタに盗塁指示をするためには、投手キャラクタが投球モーションに入る前から盗塁用ボタンを押した状態にしておけば、投手キャラクタが投球モーションに入ったときに最適なタイミングで走者キャラクタに盗塁スタートをきらせることができる。すなわち、常に最適なタイミングで走者キャラクタに盗塁スタートをきらせることができる。
【0005】
一方で、実際の野球では、走者は投手の投球タイミングをはかりながら盗塁のスタートをきっている。このため、走者の盗塁スタートが良好なタイミングで行われた場合は盗塁が成功しやすくなり、走者の盗塁スタートが遅かった場合は盗塁が失敗しやすくなる。また、走者の盗塁スタートが早すぎた場合は、投手が投球モーションに入る前に走者が飛び出しスタートしてしまい牽制球でアウトになってしまう確率が高くなる。
【0006】
このような盗塁時の醍醐味を従来の野球ゲームにおいてプレイヤに体験させることは現実的には困難であった。この理由は、走者キャラクタを操作するプレイヤは、投手キャラクタとの駆け引きをしなくても、投手キャラクタが投球モーションに入る前から盗塁用ボタンを押した状態にしておきさえすれば、上記のように常に最適なタイミングで走者キャラクタに盗塁スタートをきらせることができるためである。
【0007】
本発明の目的は、第1キャラクタに対する駆け引きを考慮しながら第2キャラクタを動作させるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係るビデオゲームプログラムは、第1キャラクタを画像表示部に表示しコントローラを操作することによって第2キャラクタを動作させるビデオゲームを実現可能なコンピュータに、以下の機能を実現させる。
(1)第1キャラクタを第1キャラクタに対応する画像データを用いて画像表示部に表示する第1キャラクタ用表示機能。
(2)コントローラからの入力信号を制御部に認識させる入力信号認識機能。
(3)第1キャラクタに動作を開始させるための動作開始命令が制御部に認識されたか否かを制御部に判断させる第1キャラクタ動作開始命令認識機能。
(4)第2キャラクタを動作させるための第1入力信号が制御部に認識されたか否かを制御部に判断させる第1入力信号判断機能。
(5)第1キャラクタに動作を開始させるための動作開始命令が制御部に認識されていないと制御部に判断され、第2キャラクタを動作させるための第1入力信号が制御部に認識されたと制御部に判断された場合に、第2キャラクタの動作命令を制御部に発行させる第2キャラクタ用第1動作命令機能。
(6)制御部から発行された動作命令に基づいて、第2キャラクタの動作状態を画像データを用いて画像表示部に表示する第2キャラクタ用動作状態表示機能。
【0009】
このプログラムによって実現されるゲームでは、第1キャラクタ用表示機能において、第1キャラクタに対応する画像データを用いて第1キャラクタが画像表示部に表示される。入力信号認識機能においては、コントローラからの入力信号が制御部により認識される。第1キャラクタ動作開始命令認識機能においては、第1キャラクタに動作を開始させるための動作開始命令が制御部に認識されたか否かが制御部により判断される。第1入力信号判断機能においては、第2キャラクタを動作させるための第1入力信号が制御部に認識されたか否かが制御部により判断される。第2キャラクタ用第1動作命令機能においては、第1キャラクタに動作を開始させるための動作開始命令が制御部に認識されていないと制御部に判断され、第2キャラクタを動作させるための第1入力信号が制御部に認識されたと制御部に判断された場合に、第2キャラクタの動作命令が制御部から発行される。第2キャラクタ用動作状態表示機能においては、制御部から発行された動作命令に基づいて、第2キャラクタの動作状態が画像データを用いて画像表示部に表示される。
【0010】
このゲームプログラムによって実現される野球ゲームを例にすると、投手キャラクタに対応する画像データを用いて投手キャラクタが画像表示部に表示される。そして、投手キャラクタに動作を開始させるための動作開始命令が制御部に認識されたか否かが制御部により判断される。そして、走者キャラクタを動作させるための第1入力信号が制御部に認識されたか否かが制御部により判断される。すると、投手キャラクタに動作を開始させるための動作開始命令が制御部に認識されていないと制御部に判断され、走者キャラクタを動作させるための第1入力信号が制御部に認識されたと制御部に判断された場合に、走者キャラクタの動作命令が制御部から発行される。すると、制御部から発行された動作命令に基づいて、走者キャラクタの動作状態が画像データを用いて画像表示部に表示される。
【0011】
このゲームプログラムでは、投手キャラクタの動作開始命令が制御部に認識されていないときに、走者キャラクタを動作させるための第1入力信号が制御部に認識された場合、走者キャラクタの動作命令が制御部から発行され、走者キャラクタの動作状態が画像表示部に表示される。具体的には、投手キャラクタが動作を開始する前たとえばセットポジションのときに走者キャラクタを盗塁させるための信号が入力されると、走者キャラクタに盗塁させるための命令が発行され、走者キャラクタの盗塁状態が画像表示部に表示される。これにより、投手キャラクタが投球動作を開始する前にプレイヤが盗塁用ボタンを押すと走者キャラクタに盗塁のスタートをきらせることができ、投手キャラクタの投球動作開始前において、プレイヤは投手キャラクタとの駆け引きを考慮しながら走者キャラクタに対する盗塁指示を出さなければならなくなる。すなわち、本発明では、投手キャラクタの投球動作開始前において、投手キャラクタに対する駆け引きを考慮しながら走者キャラクタを動作させることができる。
【0012】
請求項2に係るビデオゲームプログラムは、請求項1に記載のビデオゲームプログラムにおいて、コンピュータに以下の機能をさらに実現させるためのプログラムである。
(7)第2キャラクタの動作を変更するための第2入力信号が制御部に認識されたか否かを制御部に判断させる第2入力信号判断機能。
(8)第2キャラクタの動作命令が制御部により発行された後に、第2キャラクタの動作を変更するための第2入力信号が制御部に認識されたと制御部に判断された場合に、第2キャラクタの動作変更命令を制御部に発行させる第2キャラクタ動作変更命令機能。
(9)制御部から発行された動作変更命令に基づいて、変更された第2キャラクタの動作状態を画像データを用いて画像表示部に表示する第2キャラクタ用動作変更状態表示機能。
【0013】
このプログラムによって実現されるゲームでは、第2入力信号判断機能において、第2キャラクタの動作を変更するための第2入力信号が制御部に認識されたか否かが制御部により判断される。第2キャラクタ動作変更命令機能においては、第2キャラクタの動作命令が制御部により発行された後に、第2キャラクタの動作を変更するための第2入力信号が制御部に認識されたと制御部に判断された場合に、第2キャラクタの動作変更命令が制御部により発行される。第2キャラクタ用動作変更状態表示機能においては、制御部から発行された動作変更命令に基づいて、変更された第2キャラクタの動作状態が画像データを用いて画像表示部に表示される。
【0014】
このゲームプログラムによって実現される野球ゲームを例にすると、走者キャラクタの動作を変更するための第2入力信号が制御部に認識されたか否かが制御部により判断される。そして、走者キャラクタの動作命令が制御部により発行された後に、走者キャラクタの動作を変更するための第2入力信号が制御部に認識されたと制御部に判断された場合に、走者キャラクタの動作変更命令が制御部により発行される。すると、制御部から発行された動作変更命令に基づいて、変更された走者キャラクタの動作状態が画像データを用いて画像表示部に表示される。
【0015】
このゲームプログラムでは、走者キャラクタの動作命令が制御部により発行された後に、走者キャラクタの動作を変更するための第2入力信号が制御部に認識された場合、走者キャラクタの動作変更命令が制御部から発行され、変更された走者キャラクタの動作状態が画像表示部に表示される。具体的には、走者キャラクタが盗塁をスタートした後に走者キャラクタを帰塁させるための信号が制御部に認識された場合、走者キャラクタの帰塁命令が制御部から発行され、走者キャラクタの帰塁状態が画像表示部に表示される。これにより、投手キャラクタの投球動作開始前において走者キャラクタに盗塁のスタートをきらせた後に走者キャラクタを帰塁させることもでき、投手キャラクタに対する駆け引きの幅を広くすることができる。すなわち、本発明では、投手キャラクタの投球動作開始前において、投手キャラクタに対する駆け引きの幅を広くすることができるとともに、投手キャラクタに対する駆け引きを考慮しながら走者キャラクタを動作させることができる。
【0016】
請求項3に係るビデオゲームプログラムは、請求項1又は2に記載のビデオゲームプログラムにおいて、コンピュータに以下の機能をさらに実現させるためのプログラムである。
(10)第2キャラクタの動作を規制するための動作規制命令が制御部に認識されたか否かを制御部に判断させる動作規制命令認識機能。
(11)第2キャラクタの動作命令が制御部により発行された後に、第2キャラクタの動作を規制するための動作規制命令が制御部に認識されたと制御部に判断された場合に、動作規制命令に基づいて、第2キャラクタの動作を規制する第1キャラクタの動作状態を、画像データを用いて画像表示部に表示する第1キャラクタ用規制状態表示機能。
【0017】
このプログラムによって実現されるゲームでは、動作規制命令認識機能において、第2キャラクタの動作を規制するための動作規制命令が制御部に認識されたか否かが制御部により判断される。第1キャラクタ用規制状態表示機能においては、第2キャラクタの動作命令が制御部により発行された後に、第2キャラクタの動作を規制するための動作規制命令が制御部に認識されたと制御部に判断された場合に、動作規制命令に基づいて、第2キャラクタの動作を規制する第1キャラクタの動作状態が、画像データを用いて画像表示部に表示される。
【0018】
このゲームプログラムによって実現される野球ゲームを例にすると、走者キャラクタの動作を規制するための動作規制命令が制御部に認識されたか否かが制御部により判断される。そして、走者キャラクタの動作命令が制御部により発行された後に、走者キャラクタの動作を規制するための動作規制命令が制御部に認識されたと制御部に判断された場合に、動作規制命令に基づいて、走者キャラクタの動作を規制する第1キャラクタの動作状態が、画像データを用いて画像表示部に表示される。
【0019】
このゲームプログラムでは、走者キャラクタの動作命令が制御部により発行された後に、走者キャラクタの動作規制命令が制御部に認識された場合、走者キャラクタの動作を規制する投手キャラクタの動作状態が画像表示部に表示される。具体的には、走者キャラクタが盗塁をスタートした後に走者キャラクタを規制する規制命令が制御部に認識された場合、走者キャラクタの盗塁を規制する規制命令が制御部から発行され、投手キャラクタの規制状態が画像表示部に表示される。これにより、投手キャラクタの投球動作開始前において走者キャラクタに盗塁のスタートをきらせた後に走者キャラクタは投手キャラクタに規制されることがあるため、走者キャラクタと投手キャラクタとの間の駆け引きの幅が広くなる。すなわち、本発明では、投手キャラクタの投球動作開始前において、走者キャラクタと投手キャラクタとの間の駆け引きの幅を広くすることができるとともに、投手キャラクタに対する駆け引きを考慮しながら走者キャラクタを動作させることができる。
【0020】
請求項4に係るビデオゲームプログラムでは、請求項3に記載のビデオゲームプログラムにおいて、第2キャラクタの動作を第1キャラクタにより間接的に規制させる第1動作規制命令および第2キャラクタの動作を第1キャラクタにより直接的に規制させる第2動作規制命令の少なくともいずれか一方の命令からなる動作規制命令が制御部に認識されたか否かが制御部により判断される。この機能は、動作規制命令認識機能において実現される。
【0021】
この場合、第2キャラクタの動作を第1キャラクタにより間接的に規制させたり、第2キャラクタの動作を第1キャラクタにより直接的に規制させたりすることができる。たとえば野球ゲームでは、走者キャラクタが盗塁したときに、投手キャラクタに牽制球を投げさせることができる(間接的規制)。また、走者キャラクタが盗塁したときに、ボールを持った状態の投手キャラクタを走者キャラクタの走塁方向に移動させ、走者キャラクタを塁間で挟んだ状態で走者キャラクタを追い込んでいくことができる(直接的規制)。これにより、本発明では、走者キャラクタと投手キャラクタとの間の駆け引きの幅が広くなるとともに、投手キャラクタに対する駆け引きを考慮しながら走者キャラクタを動作させることができる。
【0022】
請求項5に係るビデオゲームプログラムでは、請求項1から4のいずれかに記載のビデオゲームプログラムにおいて、制御部から発行された動作命令に基づいて、第2キャラクタの動作を開始した状態が、第2キャラクタの動作開始を表現する記号データを用いて画像表示部に表示される。この機能は、第2キャラクタ用動作状態表示機能において実現される。
【0023】
この場合、第2キャラクタが動作を開始した状態を、第2キャラクタの動作開始を表現する記号データを用いて画像表示部に表示することができる。たとえば野球ゲームでは、走者キャラクタが盗塁のスタートをきったときに、走者キャラクタが盗塁のスタートをきったことを報知する記号を画像表示部に表示することができる。
【0024】
請求項6に係るビデオゲームプログラムでは、請求項1から5のいずれかに記載のビデオゲームプログラムにおいて、制御部から発行された動作命令に基づいて、第2キャラクタが動作している状態が、第2キャラクタに対応する画像データを用いて画像表示部に表示される。この機能は、第2キャラクタ用動作状態表示機能において実現される。
【0025】
この場合、第2キャラクタが動作している状態を、第2キャラクタに対応する画像データを用いて画像表示部に表示することができる。たとえば野球ゲームでは、走者キャラクタが盗塁をしている状態を、走者キャラクタの画像データを用いて画像表示部に連続的に表示することができる
請求項7に係るビデオゲームプログラムは、請求項1から6のいずれかに記載のビデオゲームプログラムにおいて、コンピュータに以下の機能をさらに実現させるためのプログラムである。
(12)第1キャラクタに動作を開始させるための動作開始命令が制御部に認識されたと制御部に判断され、第2キャラクタを動作させるための第1入力信号が制御部に認識されたと制御部に判断された場合に、第2キャラクタの動作命令を制御部に発行させる第2キャラクタ用第2動作命令機能。
【0026】
このプログラムによって実現されるゲームでは、第2キャラクタ用第2動作命令機能において、第1キャラクタに動作を開始させるための動作開始命令が制御部に認識されたと制御部に判断され、第2キャラクタを動作させるための第1入力信号が制御部に認識されたと制御部に判断された場合に、第2キャラクタの動作命令が制御部から発行される。
【0027】
このゲームプログラムによって実現される野球ゲームを例にすると、投手キャラクタに動作を開始させるための動作開始命令が制御部に認識されたと制御部に判断され、走者キャラクタを動作させるための第1入力信号が制御部に認識されたと制御部に判断された場合に、走者キャラクタの動作命令が制御部から発行される。すると、制御部から発行された動作命令に基づいて、走者キャラクタの動作状態が画像データを用いて画像表示部に表示される。
【0028】
このゲームプログラムでは、投手キャラクタの動作開始命令が制御部に認識されたときに、走者キャラクタを動作させるための第1入力信号が制御部に認識された場合、走者キャラクタの動作命令が制御部から発行され、走者キャラクタの動作状態が画像表示部に表示される。具体的には、投手キャラクタが動作を開始した後たとえば投手キャラクタが投球動作を開始した後に走者キャラクタを盗塁させるための信号が入力されると、走者キャラクタに盗塁させるための命令が発行され、走者キャラクタの盗塁状態が画像表示部に表示される。これにより、投手キャラクタが投球動作を開始した後にプレイヤが盗塁用ボタンを押すと走者キャラクタに盗塁のスタートをきらせることができ、投手キャラクタの投球動作開始後において、プレイヤは投手キャラクタとの駆け引きを考慮しながら走者キャラクタに対する盗塁指示を出さなければならなくなる。すなわち、本発明では、投手キャラクタの投球動作開始後において、投手キャラクタに対する駆け引きを考慮しながら走者キャラクタを動作させることができる。
【0029】
請求項8に係るビデオゲーム装置は、第1キャラクタを画像表示部に表示しコントローラを操作することによって第2キャラクタを動作させるビデオゲームを実行可能なビデオゲーム装置である。このビデオゲーム装置は、第1キャラクタを第1キャラクタに対応する画像データを用いて画像表示部に表示する第1キャラクタ用表示手段と、コントローラからの入力信号を制御部に認識させる入力信号認識手段と、第1キャラクタに動作を開始させるための動作開始命令が制御部に認識されたか否かを制御部に判断させる第1キャラクタ動作開始命令認識手段と、第2キャラクタを動作させるための第1入力信号が制御部に認識されたか否かを制御部に判断させる第1入力信号判断手段と、第1キャラクタに動作を開始させるための動作開始命令が制御部に認識されていないと制御部に判断され、第2キャラクタを動作させるための第1入力信号が制御部に認識されたと制御部に判断された場合に、第2キャラクタの動作命令を制御部に発行させる第2キャラクタ用第1動作命令手段と、制御部から発行された動作命令に基づいて、第2キャラクタの動作状態を画像データを用いて画像表示部に表示する第2キャラクタ用動作状態表示手段と、を備えている。
【0030】
請求項9に係るビデオゲーム制御方法は、第1キャラクタを画像表示部に表示しコントローラを操作することによって第2キャラクタを動作させるビデオゲームをコンピュータにより制御可能なビデオゲーム制御方法である。このビデオゲーム制御方法は、第1キャラクタを第1キャラクタに対応する画像データを用いて画像表示部に表示する第1キャラクタ用表示ステップと、コントローラからの入力信号を制御部に認識させる入力信号認識ステップと、第1キャラクタに動作を開始させるための動作開始命令が制御部に認識されたか否かを制御部に判断させる第1キャラクタ動作開始命令認識ステップと、第2キャラクタを動作させるための第1入力信号が制御部に認識されたか否かを制御部に判断させる第1入力信号判断ステップと、第1キャラクタに動作を開始させるための動作開始命令が制御部に認識されていないと制御部に判断され、第2キャラクタを動作させるための第1入力信号が制御部に認識されたと制御部に判断された場合に、第2キャラクタの動作命令を制御部に発行させる第2キャラクタ用第1動作命令ステップと、制御部から発行された動作命令に基づいて、第2キャラクタの動作状態を画像データを用いて画像表示部に表示する第2キャラクタ用動作状態表示ステップと、を備えている。
【発明の効果】
【0031】
本発明では、投手キャラクタが投球動作を開始する前後にプレイヤが盗塁用ボタンを押すと走者キャラクタに盗塁のスタートをきらせることができる。これにより、投手キャラクタに対する駆け引きを考慮しながら走者キャラクタを動作させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
〔ゲーム装置の構成と動作〕
図1は、本発明の一実施形態によるゲーム装置の基本構成を示している。ここでは、ビデオゲーム装置の一例として、家庭用ビデオゲーム装置をとりあげて説明を行うこととする。家庭用ビデオゲーム装置は、家庭用ゲーム機本体および家庭用テレビジョンを備える。家庭用ゲーム機本体には、記録媒体10が装填可能となっており、記録媒体10からゲームデータが適宜読み出されてゲームが実行される。このようにして実行されるゲーム内容が家庭用テレビジョンに表示される。
【0033】
家庭用ビデオゲーム装置のゲームシステムは、制御部1と、記憶部2と、画像表示部3と、音声出力部4と、操作入力部5とからなっており、それぞれがバス6を介して接続される。このバス6は、アドレスバス、データバス、およびコントロールバスなどを含んでいる。ここで、制御部1、記憶部2、音声出力部4および操作入力部5は、家庭用ビデオゲーム装置の家庭用ゲーム機本体に含まれており、画像表示部3は家庭用テレビジョンに含まれている。
【0034】
制御部1は、主に、ゲームプログラムに基づいてゲーム全体の進行を制御するために設けられている。制御部1は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)7と、信号処理プロセッサ8と、画像処理プロセッサ9とから構成されている。CPU7と信号処理プロセッサ8と画像処理プロセッサ9とは、それぞれがバス6を介して互いに接続されている。CPU7は、ゲームプログラムからの命令を解釈し、各種のデータ処理や制御を行う。たとえば、CPU7は、信号処理プロセッサ8に対して、画像データを画像処理プロセッサに供給するように命令する。信号処理プロセッサ8は、主に、3次元空間上における計算と、3次元空間上から擬似3次元空間上への位置変換計算と、光源計算処理と、3次元空間上又は擬似3次元空間上で実行された計算結果に基づいた画像および音声データの生成加工処理とを行っている。画像処理プロセッサ9は、主に、信号処理プロセッサ8の計算結果および処理結果に基づいて、描画すべき画像データをRAM12に書き込む処理を行っている。また、CPU7は、信号処理プロセッサ8に対して、各種データを処理するように命令する。信号処理プロセッサ8は、主に、3次元空間上における各種データに対応する計算と、3次元空間上から擬似3次元空間上への位置変換計算とを行っている。
【0035】
記憶部2は、主に、プログラムデータや、プログラムデータで使用される各種データなどを格納しておくために設けられている。記憶部2は、たとえば、記録媒体10と、インターフェース回路11と、RAM(Random Access Memory)12とから構成されている。記録媒体10には、インターフェース回路11が接続されている。そして、インターフェース回路11とRAM12とはバス6を介して接続されている。記録媒体10は、オペレーションシステムのプログラムデータや、画像データ、音声データ並びに各種プログラムデータからなるゲームデータなどを記録するためのものである。この記録媒体10は、たとえば、ROM(Read Only Memory)カセット、光ディスク、およびフレキシブルディスクなどであり、オペレーティングシステムのプログラムデータやゲームデータなどが記憶される。なお、記録媒体10にはカード型メモリも含まれており、このカード型メモリは、主に、ゲームを中断するときに中断時点での各種ゲームパラメータを保存するために用いられる。RAM12は、記録媒体10から読み出された各種データを一時的に格納したり、制御部1からの処理結果を一時的に記録したりするために用いられる。このRAM12には、各種データとともに、各種データの記憶位置を示すアドレスデータが格納されており、任意のアドレスを指定して読み書きすることが可能になっている。
【0036】
画像表示部3は、主に、画像処理プロセッサ9によってRAM12に書き込まれた画像データや、記録媒体10から読み出される画像データなどを画像として出力するために設けられている。この画像表示部3は、たとえば、テレビジョンモニタ20と、インターフェース回路21と、D/Aコンバータ(Digital-To-Analogコンバータ)22とから構成されている。テレビジョンモニタ20にはD/Aコンバータ22が接続されており、D/Aコンバータ22にはインターフェース回路21が接続されている。そして、インターフェース回路21にバス6が接続されている。ここでは、画像データが、インターフェース回路21を介してD/Aコンバータ22に供給され、ここでアナログ画像信号に変換される。そして、アナログ画像信号がテレビジョンモニタ20に画像として出力される。
【0037】
ここで、画像データには、たとえば、ポリゴンデータやテクスチャデータなどがある。ポリゴンデータはポリゴンを構成する頂点の座標データのことである。テクスチャデータは、ポリゴンにテクスチャを設定するためのものであり、テクスチャ指示データとテクスチャカラーデータとからなっている。テクスチャ指示データはポリゴンとテクスチャとを対応づけるためのデータであり、テクスチャカラーデータはテクスチャの色を指定するためのデータである。ここで、ポリゴンデータとテクスチャデータとには、各データの記憶位置を示すポリゴンアドレスデータとテクスチャアドレスデータとが対応づけられている。このような画像データでは、信号処理プロセッサ8により、ポリゴンアドレスデータの示す3次元空間上のポリゴンデータ(3次元ポリゴンデータ)が、画面自体(視点)の移動量データおよび回転量データに基づいて座標変換および透視投影変換されて、2次元空間上のポリゴンデータ(2次元ポリゴンデータ)に置換される。そして、複数の2次元ポリゴンデータでポリゴン外形を構成して、ポリゴンの内部領域にテクスチャアドレスデータが示すテクスチャデータを書き込む。このようにして、各ポリゴンにテクスチャが貼り付けられた物体つまり各種キャラクタを表現することができる。
【0038】
音声出力部4は、主に、記録媒体10から読み出される音声データを音声として出力するために設けられている。音声出力部4は、たとえば、スピーカー13と、増幅回路14と、D/Aコンバータ15と、インターフェース回路16とから構成されている。スピーカー13には増幅回路14が接続されており、増幅回路14にはD/Aコンバータ15が接続されており、D/Aコンバータ15にはインターフェース回路16が接続されている。そして、インターフェース回路16にバス6が接続されている。ここでは、音声データが、インターフェース回路16を介してD/Aコンバータ15に供給され、ここでアナログ音声信号に変換される。このアナログ音声信号が増幅回路14によって増幅され、スピーカー13から音声として出力される。音声データには、たとえば、ADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation)データやPCM(Pulse Code Modulation)データなどがある。ADPCMデータの場合、上述と同様の処理方法で音声をスピーカー13から出力することができる。PCMデータの場合、RAM12においてPCMデータをADPCMデータに変換しておくことで、上述と同様の処理方法で音声をスピーカー13から出力することができる。
【0039】
操作入力部5は、主に、コントローラ17と、操作情報インターフェース回路18と、インターフェース回路19とから構成されている。コントローラ17には、操作情報インターフェース回路18が接続されており、操作情報インターフェース回路18にはインターフェース回路19が接続されている。そして、インターフェース回路19にバス6が接続されている。
【0040】
コントローラ17は、プレイヤが種々の操作命令を入力するために使用する操作装置であり、プレイヤの操作に応じた操作信号をCPU7に送出する。コントローラ17には、第1ボタン17a、第2ボタン17b、第3ボタン17c、第4ボタン17d、上方向キー17U、下方向キー17D、左方向キー17L、右方向キー17R、L1ボタン17L1、L2ボタン17L2、R1ボタン17R1、R2ボタン17R2、スタートボタン17e、セレクトボタン17f、左スティック17SL及び右スティック17SRが設けられている。
【0041】
上方向キー17U、下方向キー17D、左方向キー17L及び右方向キー17Rは、例えば、キャラクタやカーソルをテレビジョンモニタ20の画面上で上下左右に移動させるコマンドをCPU7に与えるために使用される。
【0042】
スタートボタン17eは、記録媒体10からゲームプログラムをロードするようにCPU7に指示するときなどに使用される。
【0043】
セレクトボタン17fは、記録媒体10からロードされたゲームプログラムに対して、各種選択をCPU7に指示するときなどに使用される。
【0044】
左スティック17SL及び右スティック17SRは、いわゆるジョイスティックとほぼ同一構成のスティック型コントローラである。このスティック型コントローラは、直立したスティックを有している。このスティックは、支点を中心として直立位置から前後左右を含む360°方向に亘って、傾倒可能な構成になっている。左スティック17SL及び右スティック17SRは、スティックの傾倒方向及び傾倒角度に応じて、直立位置を原点とするx座標及びy座標の値を、操作信号として操作情報インターフェース回路18とインターフェース回路19とを介してCPU7に送出する。
【0045】
第1ボタン17a、第2ボタン17b、第3ボタン17c、第4ボタン17d、L1ボタン17L1、L2ボタン17L2、R1ボタン17R1及びR2ボタン17R2には、記録媒体10からロードされるゲームプログラムに応じて種々の機能が割り振られている。
【0046】
なお、左スティック17SL及び右スティック17SRを除くコントローラ17の各ボタン及び各キーは、外部からの押圧力によって中立位置から押圧されるとオンになり、押圧力が解除されると中立位置に復帰してオフになるオンオフスイッチになっている。
【0047】
以上のような構成からなる家庭用ビデオゲーム装置の概略動作を、以下に説明する。電源スイッチ(図示省略)がオンにされゲームシステム1に電源が投入されると、CPU7が、記録媒体10に記憶されているオペレーティングシステムに基づいて、記録媒体10から画像データ、音声データ、およびプログラムデータを読み出す。読み出された画像データ、音声データ、およびプログラムデータの一部若しくは全部は、RAM12に格納される。そして、CPU7が、RAM12に格納されたプログラムデータに基づいて、RAM12に格納された画像データや音声データにコマンドを発行する。
【0048】
画像データの場合、CPU7からのコマンドに基づいて、まず、信号処理プロセッサ8が、3次元空間上におけるキャラクタの位置計算および光源計算などを行う。次に、画像処理プロセッサ9が、信号処理プロセッサ8の計算結果に基づいて、描画すべき画像データのRAM12への書き込み処理などを行う。そして、RAM12に書き込まれた画像データが、インターフェース回路13を介してD/Aコンバータ17に供給される。ここで、画像データがD/Aコンバータ17でアナログ映像信号に変換される。そして、画像データはテレビジョンモニタ20に供給され画像として表示される。
【0049】
音声データの場合、まず、信号処理プロセッサ8が、CPU7からのコマンドに基づいて音声データの生成および加工処理を行う。ここでは、音声データに対して、たとえば、ピッチの変換、ノイズの付加、エンベロープの設定、レベルの設定及びリバーブの付加などの処理が施される。次に、音声データは、信号処理プロセッサ8から出力されて、インターフェース回路16を介してD/Aコンバータ15に供給される。ここで、音声データがアナログ音声信号に変換される。そして、音声データは増幅回路14を介してスピーカー13から音声として出力される。
【0050】
〔ゲーム装置における各種処理概要〕
本ゲーム機1において実行されるゲームは、たとえば野球ゲームである。本ゲーム機1は、第1キャラクタたとえば投手キャラクタを画像表示部3たとえばテレビジョンモニタ20に表示し、コントローラを操作することによって第2キャラクタたとえば走者キャラクタを動作させるゲームを実現可能になっている。図2は、本発明で主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図である。
【0051】
入力信号認識手段50は、コントローラからの入力信号を制御部たとえばCPU7に認識させる機能を備えている。入力信号認識手段50では、コントローラからの入力信号がCPU7により認識される。入力信号認識手段50では、コントローラのボタン、キー、およびスティックが操作されると、コントローラからCPU7に入力信号が発行され、この入力信号がCPU7により認識される。
【0052】
キャラクタ表示手段51は、キャラクタをキャラクタに対応する画像データを用いてテレビジョンモニタ20に表示する機能を備えている。キャラクタ表示手段51では、キャラクタが、キャラクタに対応する画像データを用いてテレビジョンモニタ20に表示される。
【0053】
この手段では、RAM13に格納された各キャラクタに対応する画像データが、CPU7からの指示に基づいて、画像処理回路14を介してテレビジョンモニタ20に供給される。そして、画像データが座標データに基づいてテレビジョンモニタ20の所定の位置に表示される。なお、各キャラクタに対応する画像データは、ゲームプログラムのロード時に、記憶部2たとえば記録媒体10からRAM12に供給され、RAM12に格納される。このときに、画像データがCPU7に認識される。また、画像データをテレビジョンモニタ20に表示するための座標データが、記憶部2たとえば記録媒体10からRAM12に供給され、RAM12に格納される。このときに、座標データがCPU7に認識される。
【0054】
第1キャラクタ動作開始命令認識手段52は、第1キャラクタに動作を開始させるための動作開始命令がCPU7に認識されたか否かをCPU7に判断させる機能を備えている。第1キャラクタ動作開始命令認識手段52では、第1キャラクタに動作を開始させるための動作開始命令がCPU7に認識されたか否かがCPU7により判断される。
【0055】
この手段では、投手キャラクタに投球動作を開始させるための動作開始命令がCPU7に認識されたか否かがCPU7により判断される。たとえば、投手キャラクタに球種命令を指示した後にコントローラの第3ボタン17cが押されると、第3ボタン17cからの入力信号がCPU7により認識される。そして、第3ボタン17cに割り当てられた投球開始命令がCPU7に認識される。この投球開始命令が既にCPU7に認識されたか、この投球開始命令が未だCPU7に認識されていないのかがCPU7により判断される。なお、AI(Artificial Intelligence)に基づいて投手キャラクタがCPU7により制御されている場合は、投手キャラクタへの球種命令および投球開始命令は所定のタイミングでCPU7に認識される。
【0056】
第1入力信号判断手段53は、第2キャラクタを動作させるための第1入力信号がCPU7に認識されたか否かをCPU7に判断させる機能を備えている。第1入力信号判断手段53では、第2キャラクタを動作させるための第1入力信号がCPU7に認識されたか否かがCPU7により判断される。
【0057】
この手段では、走者キャラクタを盗塁動作させるための第1入力信号がCPU7に認識されたか否かがCPU7により判断される。たとえば、コントローラの十字方向キーの上下左右のいずれかのキーおよび第4ボタン17dが押されると、押されたキーおよびボタンからの第1入力信号がCPU7により認識される。この第1入力信号が既にCPU7に認識されたか、この第1入力信号が未だCPU7に認識されていないのかがCPU7により判断される。
【0058】
第2キャラクタ用第1動作命令手段54は、第1キャラクタに動作を開始させるための動作開始命令がCPU7に認識されていないとCPU7に判断され、第2キャラクタを動作させるための第1入力信号がCPU7に認識されたとCPU7に判断された場合に、第2キャラクタの動作命令をCPU7に発行させる機能を備えている。第2キャラクタ用第1動作命令手段54では、第1キャラクタに動作を開始させるための動作開始命令がCPU7に認識されていないとCPU7に判断され、第2キャラクタを動作させるための第1入力信号がCPU7に認識されたとCPU7に判断された場合に、第2キャラクタの動作命令がCPU7から発行される。
【0059】
この手段では、投手キャラクタに投球動作を開始させるための動作開始命令がCPU7に認識されていないとCPU7に判断され、走者キャラクタを盗塁動作させるための第1入力信号がCPU7に認識されたとCPU7に判断された場合に、走者キャラクタの盗塁動作命令がCPU7から発行される。たとえば、投球開始命令がCPU7に認識されていない状態で、コントローラの十字方向キーの上下左右のいずれかのキーおよびボタン17dからの第1入力信号がCPU7に認識された場合、この第1入力信号に対応する走者キャラクタの盗塁動作命令がCPU7から発行される。
【0060】
第2キャラクタ用動作状態表示手段55は、CPU7から発行された動作命令に基づいて、第2キャラクタの動作状態を画像データを用いてテレビジョンモニタ20に表示する機能を備えている。第2キャラクタ用動作状態表示手段55では、CPU7から発行された動作命令に基づいて、第2キャラクタの動作状態が画像データを用いてテレビジョンモニタ20に表示される。詳細には、第2キャラクタ用動作状態表示手段55では、CPU7から発行された動作命令に基づいて、第2キャラクタが動作を開始した状態が、第2キャラクタの動作開始を表現する記号データを用いてテレビジョンモニタ20に表示される。また、第2キャラクタ用動作状態表示手段55では、CPU7から発行された動作命令に基づいて、第2キャラクタが動作している状態が、第2キャラクタに対応する画像データを用いてテレビジョンモニタ20に表示される。
【0061】
この手段では、CPU7から発行された走者キャラクタの盗塁動作命令に基づいて、走者キャラクタが動作を開始した状態が、走者キャラクタの盗塁動作開始を表現する記号データを用いてテレビジョンモニタ20に表示される。たとえば、走者キャラクタの盗塁動作命令がCPU7から発行されると、走者キャラクタの盗塁動作開始を表現する記号データが、CPU7からの指示に基づいて、RAM13から画像処理回路14を介してテレビジョンモニタ20に供給される。そして、記号データにより規定される記号たとえば「エクスクラメーションマーク(!)」が座標データに基づいてテレビジョンモニタ20の所定の位置に表示される。また、CPU7から発行された走者キャラクタの盗塁動作命令に基づいて、走者キャラクタが動作している状態が、走者キャラクタに対応する画像データを用いてテレビジョンモニタ20に連続的に表示される。たとえば、走者キャラクタの盗塁動作命令がCPU7から発行されると、走者キャラクタに対応する画像データたとえばポリゴンデータが、CPU7からの指示に基づいて、RAM13から画像処理回路14を介してテレビジョンモニタ20に供給される。そして、走者キャラクタが動作している状態が、走者キャラクタに対応するポリゴンデータを座標データに基づいて連続的に移動させることにより、テレビジョンモニタ20に連続的に表示される。なお、記号データおよび画像データは、ゲームプログラムのロード時に、記憶部2たとえば記録媒体10からRAM12に供給され、RAM12に格納される。このときに、画像データがCPU7に認識される。また、記号データおよび画像データをテレビジョンモニタ20に表示するための座標データは、記憶部2たとえば記録媒体10からRAM12に供給され、RAM12に格納される。このときに、座標データがCPU7に認識される。
【0062】
第2入力信号判断手段56は、第2キャラクタの動作を変更するための第2入力信号がCPU7に認識されたか否かをCPU7に判断させる機能を備えている。第2入力信号判断手段56では、第2キャラクタの動作を変更するための第2入力信号がCPU7に認識されたか否かがCPU7により判断される。
【0063】
この手段では、走者キャラクタの盗塁動作を変更するための第2入力信号がCPU7に認識されたか否かがCPU7により判断される。たとえば、コントローラの十字方向キーの上下左右のいずれかのキーおよび第3ボタン17cが押されると、押されたキーおよびボタンからの第2入力信号がCPU7により認識される。この第2入力信号が既にCPU7に認識されたか、この第2入力信号が未だCPU7に認識されていないのかがCPU7により判断される。
【0064】
第2キャラクタ動作変更命令手段57は、第2キャラクタの動作命令がCPU7により発行された後に、第2キャラクタの動作を変更するための第2入力信号がCPU7に認識されたとCPU7に判断された場合に、第2キャラクタの動作変更命令をCPU7に発行させる機能を備えている。第2キャラクタ動作変更命令手段57では、第2キャラクタの動作命令がCPU7により発行された後に、第2キャラクタの動作を変更するための第2入力信号がCPU7に認識されたとCPU7に判断された場合に、第2キャラクタの動作変更命令がCPU7により発行される。
【0065】
この手段では、走者キャラクタの盗塁動作命令がCPU7により発行された後に、走者キャラクタの盗塁動作を変更するための第2入力信号がCPU7に認識されたとCPU7に判断された場合に、走者キャラクタの盗塁動作変更命令がCPU7により発行される。たとえば、走者キャラクタの盗塁動作命令がCPU7により発行された後に、コントローラの十字方向キーの上下左右のいずれかのキーおよび第3ボタン17cからの第2入力信号がCPU7に認識された場合に、走者キャラクタの盗塁動作変更命令がCPU7により発行される。
【0066】
第2キャラクタ用動作変更状態表示手段58は、CPU7から発行された動作変更命令に基づいて、変更された第2キャラクタの動作状態を画像データを用いてテレビジョンモニタ20に表示する機能を備えている。第2キャラクタ用動作変更状態表示手段58では、CPU7から発行された動作変更命令に基づいて、変更された第2キャラクタの動作状態が、画像データを用いてテレビジョンモニタ20に表示される。
【0067】
この手段では、CPU7から発行された走者キャラクタの帰塁動作命令に基づいて、走者キャラクタが帰塁する状態が、画像データを用いてテレビジョンモニタ20に表示される。たとえば、走者キャラクタの帰塁動作命令がCPU7から発行されると、走者キャラクタに対応する画像データたとえばポリゴンデータが、CPU7からの指示に基づいて、RAM13から画像処理回路14を介してテレビジョンモニタ20に供給される。そして、画像データにより規定される走者キャラクタの帰塁動作状態が、走者キャラクタに対応するポリゴンデータを帰塁用座標データに基づいて連続的に移動させることにより、テレビジョンモニタ20に連続的に表示される。なお、画像データは、ゲームプログラムのロード時に、記憶部2たとえば記録媒体10からRAM12に供給され、RAM12に格納される。このときに、画像データがCPU7に認識される。また、画像データをテレビジョンモニタ20に連続的に表示するための座標データは、記憶部2たとえば記録媒体10からRAM12に供給され、RAM12に格納される。このときに、座標データがCPU7に認識される。
【0068】
動作規制命令認識手段59は、第2キャラクタの動作を規制するための動作規制命令がCPU7に認識されたか否かをCPU7に判断させる機能を備えている。動作規制命令認識手段59では、第2キャラクタの動作を規制するための動作規制命令がCPU7に認識されたか否かがCPU7により判断される。詳細には、動作規制命令認識手段59では、第2キャラクタの動作を第1キャラクタにより間接的に規制させる第1動作規制命令および第2キャラクタの動作を第1キャラクタにより直接的に規制させる第2動作規制命令の少なくともいずれか一方の命令からなる動作規制命令がCPU7に認識されたか否かがCPU7により判断される。
【0069】
この手段では、走者キャラクタの動作を投手キャラクタにより間接的に牽制させる第1盗塁動作牽制命令および走者キャラクタの動作を投手キャラクタにより直接的に牽制させる第2盗塁動作牽制命令の少なくともいずれか一方の命令からなる盗塁動作牽制命令がCPU7に認識されたか否かがCPU7により判断される。たとえば、たとえば、コントローラの十字方向キーの上下左右のいずれかのキーおよび第4ボタン17dが押されると、コントローラの十字方向キーの上下左右のいずれかのキーおよび第4ボタン17dからの入力信号がCPU7により認識される。そして、この入力信号に対応する盗塁動作牽制命令がCPU7に認識される。この盗塁動作牽制命令が既にCPU7に認識されたか、この盗塁動作牽制命令が未だCPU7に認識されていないのかがCPU7により判断される。ここで、第1盗塁動作牽制命令は、コントローラ又はAIによって指定された塁に向けて、投手キャラクタに牽制球を投げさせるための命令である。また、第2盗塁動作牽制命令は、ボールを持った状態の投手キャラクタをコントローラ又はAIによって指定された塁に移動させるための命令である。なお、AIに基づいて投手キャラクタがCPU7により制御されている場合は、盗塁動作牽制命令は所定のタイミングでCPU7に認識される。
【0070】
第1キャラクタ用規制状態表示手段60は、第2キャラクタの動作命令がCPU7により発行された後に、第2キャラクタの動作を規制するための動作規制命令がCPU7に認識されたとCPU7に判断された場合に、動作規制命令に基づいて、第2キャラクタの動作を規制する第1キャラクタの動作状態を、画像データを用いてテレビジョンモニタ20に表示する機能を備えている。第1キャラクタ用規制状態表示手段60では、第2キャラクタの動作命令がCPU7により発行された後に、第2キャラクタの動作を規制するための動作規制命令がCPU7に認識されたとCPU7に判断された場合に、動作規制命令に基づいて、第2キャラクタの動作を規制する第1キャラクタの動作状態が、画像データを用いてテレビジョンモニタ20に表示される。
【0071】
この手段では、走者キャラクタの盗塁動作命令がCPU7により発行された後に、走者キャラクタの盗塁動作を牽制するための動作牽制命令がCPU7に認識されたとCPU7に判断された場合に、盗塁動作牽制命令に基づいて、走者キャラクタの動作を牽制する投手キャラクタの牽制動作状態が、画像データを用いてテレビジョンモニタ20に表示される。たとえば、盗塁動作牽制命令がCPU7に認識されると、投手キャラクタに対応する画像データが、CPU7からの指示に基づいて、RAM13から画像処理回路14を介してテレビジョンモニタ20に供給される。そして、投手キャラクタの牽制動作状態が、座標データに基づいてテレビジョンモニタ20に連続的に表示される。なお、画像データは、ゲームプログラムのロード時に、記憶部2たとえば記録媒体10からRAM12に供給され、RAM12に格納される。このときに、画像データがCPU7に認識される。また、画像データをテレビジョンモニタ20に連続的に表示するための座標データは、記憶部2たとえば記録媒体10からRAM12に供給され、RAM12に格納される。このときに、座標データがCPU7に認識される。ここで、第1盗塁動作牽制命令がCPU7に認識された場合は、コントローラ又はAIによって指定された塁に向けて投手キャラクタが牽制球を投げる状態が、画像データを用いてテレビジョンモニタ20に表示される。また、第2盗塁動作牽制命令がCPU7に認識された場合は、ボールを持った状態の投手キャラクタがコントローラ又はAIによって指定された塁に移動する状態が、画像データを用いてテレビジョンモニタ20に表示される。
【0072】
第2キャラクタ用第2動作命令手段61は、第1キャラクタに動作を開始させるための動作開始命令がCPU7に認識されたとCPU7に判断され、第2キャラクタを動作させるための第1入力信号がCPU7に認識されたとCPU7に判断された場合に、第2キャラクタの動作命令をCPU7に発行させる機能を備えている。第2キャラクタ用第2動作命令手段61では、第1キャラクタに動作を開始させるための動作開始命令がCPU7に認識されたとCPU7に判断され、第2キャラクタを動作させるための第1入力信号がCPU7に認識されたとCPU7に判断された場合に、第2キャラクタの動作命令がCPU7から発行される。
【0073】
この手段では、投手キャラクタに投球動作を開始させるための動作開始命令がCPU7に認識されたとCPU7に判断され、走者キャラクタを盗塁動作させるための第1入力信号がCPU7に認識されたとCPU7に判断された場合に、走者キャラクタの盗塁動作命令がCPU7から発行される。たとえば、投球開始命令がCPU7に認識された状態で、コントローラの十字方向キーの上下左右のいずれかのキーおよびボタン17dからの第1入力信号がCPU7に認識された場合、この第1入力信号に対応する走者キャラクタの盗塁動作命令がCPU7から発行される。
【0074】
〔野球ゲームにおける盗塁関連システムの処理フローと説明〕
次に、野球ゲームにおける盗塁関連システムの具体的な内容について説明する。また、図7に示す盗塁関連システムのフローについても同時に説明する。
【0075】
ここでは、プレイヤが他のプレイヤと対戦する場合の例を示すものとする。プレイヤが1塁の走者キャラクタを操作するときには、図3に示すように、主に、投手キャラクタ70と、打者キャラクタ71と、テレビジョンモニタ20に表示されている(S1)。
【0076】
投手キャラクタ70がセットポジションの状態にあるときに、投手キャラクタ70に投球動作を開始させるための投球動作開始命令がCPU7に認識されたか否かがCPU7により判断される(S2)。たとえば、他のプレイヤがコントローラを操作することにより投球動作開始命令をCPU7に認識させたか否かがCPU7により判断される。そして、投手キャラクタ70に投球動作を開始させるための投球動作開始命令がCPU7に認識されていないとCPU7により判断された場合(S2でNo)、走者キャラクタ72を盗塁動作させるための第1入力信号がCPU7に認識されたか否かがCPU7により判断される。たとえば、コントローラの十字方向キーの上方向キー17Uおよび第4ボタン17dが押されたときの上方向キー17Uおよび第4ボタン17dからの第1入力信号(2塁盗塁対応入力信号)がCPU7に認識されたか否かがCPU7により判断される(S3)。そして、走者キャラクタ72を盗塁動作させるための第1入力信号がCPU7に認識されたとCPU7により判断された場合(S3でYes)、走者キャラクタ72の盗塁動作命令がCPU7から発行される(S4)。すなわち、投球動作開始命令がCPU7に認識されていない状態で、コントローラの上方向キー17Uおよび第4ボタン17dからの2塁盗塁対応入力信号がCPU7に認識された場合、走者キャラクタ72の2塁盗塁動作命令がCPU7から発行される。
【0077】
すると、走者キャラクタ72の2塁盗塁動作開始を表現する記号データが、CPU7からの指示に基づいて、RAM13から画像処理回路14を介してテレビジョンモニタ20に供給される。そして、図4に示すように、記号データにより規定される記号たとえば「エクスクラメーションマーク(!)」80が座標データに基づいてテレビジョンモニタ20の所定の位置に表示される(S5)。そして、走者キャラクタ72に対応する画像データが、CPU7からの指示に基づいて、RAM13から画像処理回路14を介してテレビジョンモニタ20に供給される。すると、図5に示すように、走者キャラクタ72が1塁から2塁へと走塁する状態が、画像データを用いてテレビジョンモニタ20に連続的に表示される(S6)。
【0078】
続いて、走者キャラクタ72の盗塁動作を変更するための第2入力信号がCPU7に認識されたか否かがCPU7により判断される(S7)。たとえば、コントローラの十字方向キーの右方向キー17Rおよび第3ボタン17cが押されたときの右方向キー17Rおよび第3ボタン17cからの第2入力信号(帰塁対応入力信号)がCPU7に認識されたか否かがCPU7により判断される。そして、走者キャラクタ72の盗塁動作を変更するための第2入力信号がCPU7に認識されたとCPU7により判断された場合(S7でYes)、走者キャラクタ72の盗塁動作変更命令がCPU7により発行される(S8)。たとえば、走者キャラクタ72の2塁盗塁動作命令がCPU7により発行された後に、コントローラの十字方向キーの右方向キー17Rおよび第3ボタン17cからの帰塁対応入力信号がCPU7に認識された場合、走者キャラクタ72の帰塁動作命令がCPU7により発行される。すると、1塁に帰塁する走者キャラクタ72に対応する画像データが、CPU7からの指示に基づいて、RAM13から画像処理回路14を介してテレビジョンモニタ20に供給される。すると、走者キャラクタ72が1塁に帰塁する状態が、画像データを用いてテレビジョンモニタ20に連続的に表示される(S9)。
【0079】
このときには、走者キャラクタ72の動作を投手キャラクタ70により牽制させる盗塁動作牽制命令がCPU7に認識されたか否かがCPU7により判断される(S10)。たとえば、他のプレイヤによりコントローラの十字方向キーの右方向キー17Rおよび第4ボタン17dが押された場合、コントローラの十字方向キーの右方向キー17Rおよび第4ボタン17dからの入力信号がCPU7により認識される。そして、この入力信号に対応する1塁牽制命令(第1盗塁動作牽制命令)がCPU7により選択され認識される。第1盗塁動作牽制命令は投手キャラクタ70が走者キャラクタ72を牽制球により牽制する命令であるので、第1盗塁動作牽制命令がCPU7に認識されたとCPU7により判断された場合、投手キャラクタ70が1塁に牽制球を投げる動作が、画像データを用いてテレビジョンモニタ20に表示される(S11)。一方で、他のプレイヤによりコントローラの十字方向キーの右方向キー17Rおよび第4ボタン17dが押されなかった場合、コントローラの十字方向キーの右方向キー17Rおよび第4ボタン17dからの入力信号がCPU7に認識されないので、走者キャラクタ72が1塁に帰塁する状態が、テレビジョンモニタ20に継続的に表示される(S12)。
【0080】
一方で、走者キャラクタ72の盗塁動作を変更するための第2入力信号(帰塁対応入力信号)がCPU7に認識されていないとCPU7により判断された場合(S7でNo)、1塁から2塁に盗塁する走者キャラクタ72に対応する画像データが、CPU7からの指示に基づいて、RAM13から画像処理回路14を介してテレビジョンモニタ20に供給される。そして、図5に示すように、走者キャラクタ72が1塁から2塁へと走塁する状態が、画像データを用いてテレビジョンモニタ20に継続的に表示される(S13)。
【0081】
このときには、走者キャラクタ72の動作を投手キャラクタ70により牽制させる盗塁動作牽制命令がCPU7に認識されたか否かがCPU7により判断される(S14)。たとえば、他のプレイヤによりコントローラの十字方向キーの右方向キー17Rおよび第4ボタン17dが所定時間の間において押された場合、コントローラの十字方向キーの右方向キー17Rおよび第4ボタン17dからの入力信号がCPU7により認識される。そして、この入力信号に対応する1塁牽制命令(第1盗塁動作牽制命令)がCPU7により選択され認識される。第1盗塁動作牽制命令は投手キャラクタ70が走者キャラクタ72を牽制球により牽制する命令であるので、第1盗塁動作牽制命令がCPU7に認識されたとCPU7により判断された場合(S14でYes)、投手キャラクタ70が1塁に牽制球を投げる動作が、画像データを用いてテレビジョンモニタ20に表示される(S15)。そして、投手キャラクタ70が1塁に牽制球を投げる動作を開始してから所定の時間が経過したとCPU7に認識されたときに、すなわち投手キャラクタ70が牽制球を1塁に投げる直前に、第2盗塁動作牽制命令に対応する1塁牽制命令がCPU7により選択され認識される(S16)。第2盗塁動作牽制命令は、投手キャラクタ70がボールを持った状態で走者キャラクタ72を牽制する命令であるので、第2盗塁動作牽制命令がCPU7に認識されると、投手キャラクタ70がボールを持った状態で走者キャラクタ72を牽制する動作が、画像データを用いてテレビジョンモニタ20に表示される(S17)。たとえば、第2盗塁動作牽制命令がCPU7に認識されると、CPU7から画面切換命令が発行され、この画面切換命令によって図5に示した対戦画面が図6に示すような俯瞰画面に切り換えられる。このときに、他のプレイヤによりコントローラの十字方向キーの上方向キー17Uおよび第4ボタン17dが押されると、投手キャラクタ70がボールを持った状態で2塁の方向に移動する状態が、画像データを用いてテレビジョンモニタ20に連続的に表示される。そして、ボールを持った投手キャラクタ70と1塁の野手キャラクタ(図示しない)との間に走者キャラクタ72が挟まれた状態の画像が、画像データを用いてテレビジョンモニタ20に表示される。これにより、塁間に挟まれた走者キャラクタ72を投手キャラクタ70と1塁の野手キャラクタとによって追い込んでいくことができる。
【0082】
たとえば、他のプレイヤによりコントローラの十字方向キーの右方向キー17Rおよび第4ボタン17dが所定時間の間において押されなかった場合(S14でNo)、第2盗塁動作牽制命令に対応した1塁牽制命令がCPU7により選択され認識される(S16)。第2盗塁動作牽制命令は、投手キャラクタ70がボールを持った状態で走者キャラクタ72を牽制する命令であるので、第2盗塁動作牽制命令がCPU7に認識されると、投手キャラクタ70がボールを持った状態で走者キャラクタ72を牽制する動作が、画像データを用いてテレビジョンモニタ20に表示される(S17)。たとえば、第2盗塁動作牽制命令がCPU7に認識されると、CPU7から画面切換命令が発行され、この画面切換命令によって図5に示した対戦画面が図6に示すような俯瞰画面に切り換えられる。このときに、他のプレイヤによりコントローラの十字方向キーの上方向キー17Uおよび第4ボタン17dが押されると、投手キャラクタ70がボールを持った状態で2塁の方向に移動する状態が、画像データを用いてテレビジョンモニタ20に連続的に表示される。そして、ボールを持った投手キャラクタ70と1塁の野手キャラクタとの間に走者キャラクタ72が挟まれた状態の画像が、画像データを用いてテレビジョンモニタ20に表示される。これにより、塁間に挟まれた走者キャラクタ72を投手キャラクタ70と1塁の野手キャラクタとによって追い込んでいくことができる。
【0083】
一方で、投手キャラクタ70がセットポジションの状態にあるときに、投手キャラクタ70に投球動作を開始させるための投球動作開始命令がCPU7に認識されたとCPU7により判断された場合(S2でYes)は、次のような処理が実行される。たとえば、他のプレイヤにより投手キャラクタ70への球種命令が指示された後にコントローラの第3ボタン17cが押されると、第3ボタン17cからの入力信号がCPU7により認識される。そして、この入力信号に対応する投球動作開始命令がCPU7に認識される。このようにして投手キャラクタ70に投球動作を開始させるための投球動作開始命令がCPU7に認識されたとCPU7により判断された場合(S2でYes)、投手キャラクタ70が投球動作する状態が、画像データを用いてテレビジョンモニタ20に表示される(S18)。このときに、走者キャラクタ72を盗塁動作させるための第1入力信号がCPU7に認識されたか否かがCPU7により判断される(S19)。たとえば、コントローラの十字方向キーの上方向キー17Uおよび第4ボタン17dが押されたときの上方向キー17Uおよび第4ボタン17dからの第1入力信号(2塁盗塁対応入力信号)がCPU7に認識されたか否かがCPU7により判断される。そして、走者キャラクタ72を盗塁動作させるための第1入力信号がCPU7に認識されたとCPU7により判断された場合、走者キャラクタ72の盗塁動作命令がCPU7から発行される(S20)。すなわち、投球動作開始命令がCPU7に認識された状態で、コントローラの上方向キー17Uおよび第4ボタン17dからの2塁盗塁対応入力信号がCPU7に認識された場合、走者キャラクタ72の2塁盗塁動作命令がCPU7から発行される。
【0084】
すると、走者キャラクタ72の2塁盗塁動作開始を表現する記号データが、CPU7からの指示に基づいて、RAM13から画像処理回路14を介してテレビジョンモニタ20に供給される。そして、図4に示すように、記号データにより規定される記号たとえば「エクスクラメーションマーク(!)」80が座標データに基づいてテレビジョンモニタ20の所定の位置に表示される(S21)。また、走者キャラクタ72に対応する画像データが、CPU7からの指示に基づいて、RAM13から画像処理回路14を介してテレビジョンモニタ20に供給される。そして、走者キャラクタ72が1塁から2塁へと走塁する状態が、図5に示すように、画像データを用いてテレビジョンモニタ20に連続的に表示される(S22)。
【0085】
すると、走者キャラクタ72の盗塁動作を変更するための第2入力信号がCPU7に認識されたか否かがCPU7により判断される(S23)。たとえば、コントローラの十字方向キーの右方向キー17Rおよび第3ボタン17cが押されたときの右方向キー17Rおよび第3ボタン17cからの第2入力信号(帰塁対応入力信号)がCPU7に認識されたか否かがCPU7により判断される。そして、走者キャラクタ72の盗塁動作を変更するための第2入力信号がCPU7に認識されたとCPU7により判断された場合(S23でYes)、走者キャラクタ72の盗塁動作変更命令がCPU7により発行される(S24)。たとえば、走者キャラクタ72の2塁盗塁動作命令がCPU7により発行された後に、コントローラの十字方向キーの右方向キー17Rおよび第3ボタン17cが押されたときからの帰塁対応入力信号がCPU7に認識された場合、走者キャラクタ72の帰塁動作命令がCPU7により発行される。すると、1塁に帰塁する走者キャラクタ72に対応する画像データが、CPU7からの指示に基づいて、RAM13から画像処理回路14を介してテレビジョンモニタ20に供給される。そして、走者キャラクタ72が1塁に帰塁する状態が、画像データを用いてテレビジョンモニタ20に連続的に表示される(S25)。
【0086】
このときには、走者キャラクタ72の動作を投手キャラクタ70により牽制させる盗塁動作牽制命令がCPU7に認識されたか否かがCPU7により判断される(S26)。たとえば、他のプレイヤによりコントローラの十字方向キーの右方向キー17Rおよび第4ボタン17dが押された場合、コントローラの十字方向キーの右方向キー17Rおよび第4ボタン17dからの入力信号がCPU7により認識される。そして、この入力信号に対応する1塁牽制命令(第1盗塁動作牽制命令)がCPU7により選択され認識される。第1盗塁動作牽制命令は投手キャラクタ70が走者キャラクタ72を牽制球により牽制する命令であるので、第1盗塁動作牽制命令がCPU7に認識されたとCPU7により判断された場合、投手キャラクタ70が1塁に牽制球を投げる動作が、画像データを用いてテレビジョンモニタ20に表示される(S27)。一方で、他のプレイヤによりコントローラの十字方向キーの右方向キー17Rおよび第4ボタン17dが押されなかった場合、コントローラの十字方向キーの右方向キー17Rおよび第4ボタン17dからの入力信号がCPU7に認識されないので、走者キャラクタ72が1塁に帰塁する状態が、テレビジョンモニタ20に継続的に表示される(S28)。
【0087】
一方で、走者キャラクタ72の盗塁動作を変更するための第2入力信号(帰塁対応入力信号)がCPU7に認識されていないとCPU7により判断された場合(S23でNo)、1塁から2塁に盗塁する走者キャラクタ72に対応する画像データが、CPU7からの指示に基づいて、RAM13から画像処理回路14を介してテレビジョンモニタ20に供給される。そして、図5に示すように、走者キャラクタ72が1塁から2塁へと走塁する状態が、画像データを用いてテレビジョンモニタ20に継続的に表示される(S29)。
【0088】
〔他の実施形態〕
(a) 前記実施形態では、ゲームプログラムを適用しうるコンピュータの一例としての家庭用ビデオゲーム装置を用いた場合の例を示したが、ゲーム装置は、前記実施形態に限定されず、モニタが別体に構成されたゲーム装置、モニタが一体に構成されたゲーム装置、ゲームプログラムを実行することによってゲーム装置として機能するパーソナルコンピュータやワークステーションなどにも同様に適用することができる。
【0089】
(b) 本発明には、前述したようなゲームを実行するプログラムおよびこのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も含まれる。この記録媒体としては、カートリッジ以外に、たとえば、コンピュータ読み取り可能なフレキシブルディスク、半導体メモリ、CD−ROM、DVD、MO、ROMカセット、その他のものが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の一実施形態によるビデオゲーム装置の基本構成図。
【図2】前記ビデオゲーム装置の機能ブロック図。
【図3】野球ゲームのテレビジョンモニタに表示されたキャラクタを説明するための図。
【図4】走者キャラクタの盗塁開始時にテレビジョンモニタに表示される記号を説明するための図(対戦画面)。
【図5】テレビジョンモニタに表示された盗塁中の走者キャラクタを説明するための図(対戦画面)。
【図6】投手キャラクタがボールを持った状態で2塁の方向に移動する状態を説明するための図(俯瞰画面)。
【図7A】盗塁関連システムを説明するためのフローチャート。
【図7B】盗塁関連システムを説明するためのフローチャート。
【図7C】盗塁関連システムを説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
【0091】
1 制御部
7 CPU
17 コントローラ
20 テレビジョンモニタ
50 入力信号認識手段
51 キャラクタ表示手段
52 第1キャラクタ動作開始命令認識手段
53 第1入力信号判断手段
54 第2キャラクタ用第1動作命令手段
55 第2キャラクタ用動作状態表示手段
56 第2入力信号判断手段
57 第2キャラクタ動作変更命令手段
58 第2キャラクタ用動作変更状態表示手段
59 動作規制命令認識手段
60 第1キャラクタ用規制状態表示手段
61 第2キャラクタ用第2動作命令手段
70 投手キャラクタ(第1キャラクタ)
72 走者キャラクタ(第2キャラクタ)
80 エクスクラメーションマーク(記号データに対応する記号)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1キャラクタを画像表示部に表示しコントローラを操作することによって第2キャラクタを動作させるビデオゲームを実現可能なコンピュータに、
前記第1キャラクタを前記第1キャラクタに対応する画像データを用いて画像表示部に表示する第1キャラクタ用表示機能と、
前記コントローラからの入力信号を制御部に認識させる入力信号認識機能と、
前記第1キャラクタに動作を開始させるための動作開始命令が制御部に認識されたか否かを制御部に判断させる第1キャラクタ動作開始命令認識機能と、
前記第2キャラクタを動作させるための第1入力信号が制御部に認識されたか否かを制御部に判断させる第1入力信号判断機能と、
前記第1キャラクタに動作を開始させるための前記動作開始命令が制御部に認識されていないと制御部に判断され、前記第2キャラクタを動作させるための前記第1入力信号が制御部に認識されたと制御部に判断された場合に、前記第2キャラクタの動作命令を制御部に発行させる第2キャラクタ用第1動作命令機能と、
制御部から発行された前記動作命令に基づいて、前記第2キャラクタの動作状態を画像データを用いて画像表示部に表示する第2キャラクタ用動作状態表示機能と、
を実現させるためのビデオゲームプログラム。
【請求項2】
前記コンピュータに、
前記第2キャラクタの動作を変更するための第2入力信号が制御部に認識されたか否かを制御部に判断させる第2入力信号判断機能と、
前記第2キャラクタの動作命令が制御部により発行された後に、前記第2キャラクタの動作を変更するための第2入力信号が制御部に認識されたと制御部に判断された場合に、前記第2キャラクタの動作変更命令を制御部に発行させる第2キャラクタ動作変更命令機能と、
制御部から発行された前記動作変更命令に基づいて、変更された前記第2キャラクタの動作状態を画像データを用いて画像表示部に表示する第2キャラクタ用動作変更状態表示機能と、
をさらに実現させるための請求項1に記載のビデオゲームプログラム。
【請求項3】
前記コンピュータに、
前記第2キャラクタの動作を規制するための動作規制命令が制御部に認識されたか否かを制御部に判断させる動作規制命令認識機能と、
前記第2キャラクタの動作命令が制御部により発行された後に、前記第2キャラクタの動作を規制するための動作規制命令が制御部に認識されたと制御部に判断された場合に、前記動作規制命令に基づいて、前記第2キャラクタの動作を規制する前記第1キャラクタの動作状態を、画像データを用いて画像表示部に表示する第1キャラクタ用規制状態表示機能と、
をさらに実現させるための請求項1又は2に記載のビデオゲームプログラム。
【請求項4】
前記動作規制命令認識機能では、前記第2キャラクタの動作を前記第1キャラクタにより間接的に規制させる第1動作規制命令および前記第2キャラクタの動作を前記第1キャラクタにより直接的に規制させる第2動作規制命令の少なくともいずれか一方の命令からなる動作規制命令が制御部に認識されたか否かが制御部により判断される、
をさらに実現させるための請求項3に記載のビデオゲームプログラム。
【請求項5】
前記第2キャラクタ用動作状態表示機能では、制御部から発行された前記動作命令に基づいて、前記第2キャラクタが動作を開始した状態が、前記第2キャラクタの動作開始を表現する記号データを用いて画像表示部に表示される、
請求項1から4のいずれかに記載のビデオゲームプログラム。
【請求項6】
前記第2キャラクタ用動作状態表示機能では、制御部から発行された前記動作命令に基づいて、前記第2キャラクタが動作している状態が、前記第2キャラクタに対応する画像データを用いて画像表示部に表示される、
請求項1から5のいずれかに記載のビデオゲームプログラム。
【請求項7】
前記コンピュータに、
前記第1キャラクタに動作を開始させるための前記動作開始命令が制御部に認識されたと制御部に判断され、前記第2キャラクタを動作させるための前記第1入力信号が制御部に認識されたと制御部に判断された場合に、前記第2キャラクタの動作命令を制御部に発行させる第2キャラクタ用第2動作命令機能と、
をさらに実現させるための請求項1から6のいずれかに記載のビデオゲームプログラム。
【請求項8】
第1キャラクタを画像表示部に表示しコントローラを操作することによって第2キャラクタを動作させるビデオゲームを実行可能なビデオゲーム装置であって、
前記第1キャラクタを前記第1キャラクタに対応する画像データを用いて画像表示部に表示する第1キャラクタ用表示手段と、
前記コントローラからの入力信号を制御部に認識させる入力信号認識手段と、
前記第1キャラクタに動作を開始させるための動作開始命令が制御部に認識されたか否かを制御部に判断させる第1キャラクタ動作開始命令認識手段と、
前記第2キャラクタを動作させるための第1入力信号が制御部に認識されたか否かを制御部に判断させる第1入力信号判断手段と、
前記第1キャラクタに動作を開始させるための前記動作開始命令が制御部に認識されていないと制御部に判断され、前記第2キャラクタを動作させるための前記第1入力信号が制御部に認識されたと制御部に判断された場合に、前記第2キャラクタの動作命令を制御部に発行させる第2キャラクタ用第1動作命令手段と、
制御部から発行された前記動作命令に基づいて、前記第2キャラクタの動作状態を画像データを用いて画像表示部に表示する第2キャラクタ用動作状態表示手段と、
を備えるビデオゲーム装置。
【請求項9】
第1キャラクタを画像表示部に表示しコントローラを操作することによって第2キャラクタを動作させるビデオゲームをコンピュータにより制御可能なビデオゲーム制御方法であって、
前記第1キャラクタを前記第1キャラクタに対応する画像データを用いて画像表示部に表示する第1キャラクタ用表示ステップと、
前記コントローラからの入力信号を制御部に認識させる入力信号認識ステップと、
前記第1キャラクタに動作を開始させるための動作開始命令が制御部に認識されたか否かを制御部に判断させる第1キャラクタ動作開始命令認識ステップと、
前記第2キャラクタを動作させるための第1入力信号が制御部に認識されたか否かを制御部に判断させる第1入力信号判断ステップと、
前記第1キャラクタに動作を開始させるための前記動作開始命令が制御部に認識されていないと制御部に判断され、前記第2キャラクタを動作させるための前記第1入力信号が制御部に認識されたと制御部に判断された場合に、前記第2キャラクタの動作命令を制御部に発行させる第2キャラクタ用第1動作命令ステップと、
制御部から発行された前記動作命令に基づいて、前記第2キャラクタの動作状態を画像データを用いて画像表示部に表示する第2キャラクタ用動作状態表示ステップと、
を備えるビデオゲーム制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【公開番号】特開2007−181565(P2007−181565A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−1755(P2006−1755)
【出願日】平成18年1月6日(2006.1.6)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】