説明

ビデオゲーム処理装置、およびビデオゲーム処理プログラム

【課題】プレイヤにとってのコマンドの入力操作の困難性を維持したまま容易に入力操作可能となるようなコマンドの入力要求及び入力完了判定を行うことができるようにして、ゲームの趣向性を向上させる。
【解決手段】ビデオゲーム処理装置100が、あらかじめ定められた所定時間を計時し、計時している計時時間に対応する計時時間ポイントを示す計時時間ポイント報知オブジェクト201を表示し、所定時間を計時しているときに、所定コマンドが所定回数以上有効に受け付けられたか否かを判定し、計時している計時時間の経過に応じて有効受付上限回数を初期回数から所定回数まで段階的に増加させて有効受付上限回数を更新し、所定コマンドを所定回数以上有効に受け付けたと判定したことに応じて特定処理を実行し、所定コマンドを受け付けたとき有効受付上限回数に達していない場合に所定コマンドが有効に受け付けられたと判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビデオゲームの進行を制御するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、RPG(ロールプレイングゲーム:プレイヤがゲームの世界の中であるキャラクタの役割を演じ、様々な経験を通じて成長していく過程を楽しみながら、所定の目的を達成していくことを遊戯するゲーム)と呼ばれるビデオゲームやシミュレーションゲームなどの各種のビデオゲームが提供されている。
【0003】
このようなビデオゲームを行うためのビデオゲーム処理装置には、所定時間内に所定の操作入力を受け付けたことに応じて、特定の効果を発生させるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−161602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような従来のビデオゲーム装置において、例えば、戦闘シーン等において、時間経過に従って表示ポイントが増加していくゲージが示す所定期間内に、複数回のコマンド入力をプレイヤに要求するようなものがある。
【0006】
このような場合、コマンドの入力操作に慣れているプレイヤにとっては容易に操作可能であるものの、コマンドの入力操作に不慣れなプレイヤにとっては操作が困難となり要求されたコマンド入力を所定時間内に完了させることが困難となる。このため、コマンドの入力操作に不慣れなプレイヤにとっては、コマンドの入力操作に慣れているプレイヤとの実力差を感じてしまう一因となり、ビデオゲームに対する興味を低下させてしまうことになっている。このような事態となるため、コマンドの入力操作に不慣れなプレイヤであっても、コマンドの入力操作に慣れているプレイヤとの実力差を感じることなく、ビデオゲームを進行することが可能なコマンドの入力要求を行うことが求められている。
【0007】
一方、簡単なコマンド入力を要求することとすると、コマンドの入力操作に慣れているプレイヤにとってビデオゲームに対する興味を低下させてしまうことになるおそれがある。
【0008】
すなわち、コマンドの入力操作に慣れているプレイヤにとっての入力操作の困難性を維持したまま、コマンドの入力操作に不慣れなプレイヤが入力操作を容易に完了することが可能となるようなコマンドの入力要求及び入力完了判定を行うビデオゲーム装置の提供が求められている。
【0009】
本発明は、上記の問題を解決すべく、プレイヤにとってのコマンドの入力操作の困難性を維持したまま容易に入力操作可能となるようなコマンドの入力要求及び入力完了判定を行うことができるようにして、ゲームの趣向性を向上させることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のビデオゲーム処理装置は、表示装置の表示画面にゲーム画面を表示してビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置であって、プレイヤの操作により入力されたコマンドを受け付けるコマンド受付手段と、前記ビデオゲームにおいて計時開始条件が成立したときから、あらかじめ定められた所定時間を計時する計時手段と、該計時手段により計時されている計時時間に対応する計時時間ポイントを示す計時時間ポイント報知オブジェクトを前記表示画面に表示するオブジェクト表示手段と、前記計時手段によって所定時間が計時されているときに、前記コマンド受付手段によって所定コマンドが所定回数以上有効に受け付けられたか否かを判定するコマンド受付回数判定手段と、前記計時手段により計時されている計時時間の経過に応じて、有効受付上限回数を初期回数から前記所定回数まで段階的に増加させて当該有効受付上限回数を更新する有効受付上限回数更新手段と、前記コマンド受付回数判定手段により所定コマンドが所定回数以上有効に受け付けられたと判定されたことに応じて、前記所定コマンドを所定回数有効に受け付けたことに応じた特定処理を実行する特定処理実行手段とを含み、前記コマンド受付回数判定手段は、前記コマンド受付手段によって所定コマンドが受け付けられたときに、所定コマンドを有効に受け付けた回数を示す有効受付回数が前記有効受付上限回数に達しているか否か確認し、前記有効受付上限回数に達していない場合に前記コマンド受付手段によって所定コマンドが有効に受け付けられたと判定することを特徴とする。
【0011】
上記の構成としたことで、プレイヤにとってのコマンドの入力操作の困難性を維持したまま容易に入力操作可能となるようなコマンドの入力要求及び入力完了判定を行うことができるようにして、ゲームの趣向性を向上させることができるようになる。
【0012】
前記有効受付上限回数更新手段は、前記計時手段によって計時されている計時時間が前記所定時間より前の特定時間に到達したときに、前記有効受付上限回数を前記所定回数に設定する構成とされていてもよい。
【0013】
前記有効受付上限回数更新手段は、前記計時手段によって計時されている計時時間が前記特定時間に到達するまでの既定時間毎に前記有効受付上限回数を増加させる構成とされていてもよい。
【0014】
前記計時時間ポイント報知オブジェクトは、前記分割時間に応じた領域を有し、前記所定時間の残存量を示す円形のゲージである構成とされていてもよい。
【0015】
前記コマンド受付手段は、複数のプレイヤそれぞれからコマンドを受け付け、前記特定処理実行手段は、前記複数のプレイヤのうち、前記コマンド受付判定手段により他のプレイヤよりも早く前記所定コマンドが所定回数以上有効に受け付けられたと判定された少なくとも1人のプレイヤを特定するプレイヤ特定手段を有し、該プレイヤ特定手段により特定されたプレイヤが操作するキャラクタに対して特定処理を実行する構成とされていてもよい。
【0016】
さらに、本発明のビデオゲーム処理プログラムは、表示装置の表示画面にゲーム画面を表示してビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置に動作制御させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、前記ビデオゲーム処理装置に、プレイヤの操作により入力されたコマンドを受け付けるコマンド受付処理と、前記ビデオゲームにおいて計時開始条件が成立したときから、あらかじめ定められた所定時間を計時する計時処理と、該計時処理にて計時している計時時間に対応する計時時間ポイントを示す計時時間ポイント報知オブジェクトを前記表示画面に表示するオブジェクト表示処理と、前記計時処理にて所定時間を計時しているときに、前記コマンド受付処理にて所定コマンドを所定回数以上有効に受け付けたか否かを判定するコマンド受付回数判定処理と、前記計時処理にて計時している計時時間の経過に応じて、有効受付上限回数を初期回数から前記所定回数まで段階的に増加させて当該有効受付上限回数を更新する有効受付上限回数更新処理と、前記コマンド受付回数判定処理にて所定コマンドを所定回数以上有効に受け付けたと判定したことに応じて、前記所定コマンドを所定回数有効に受け付けたことに応じた特定処理を実行する特定処理実行処理とを実行させ、前記コマンド受付回数判定処理において、前記コマンド受付処理にて所定コマンドを受け付けたときに、所定コマンドを有効に受け付けた回数を示す有効受付回数が前記有効受付上限回数に達しているか否か確認し、前記有効受付上限回数に達していない場合に前記コマンド受付処理にて所定コマンドが有効に受け付けられたと判定する処理を実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、プレイヤにとってのコマンドの入力操作の困難性を維持したまま容易に入力操作可能となるようなコマンドの入力要求及び入力完了判定を行うことができるようにして、ゲームの趣向性を向上させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】ビデオゲーム処理装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】特定処理情報の格納状態の例を示す説明図である。
【図3】コマンド受付回数情報の格納状態の例を示す説明図である。
【図4】ビデオゲームの進行に応じたコマンド受付回数管理テーブルの状態について説明するための説明図である。
【図5】計時オブジェクトの例について説明するための説明図である。
【図6】バトル処理の例を示すフローチャートである。
【図7】戦闘画面の例を示す説明図である。
【図8】コマンド受付回数判定処理の例を示すフローチャートである。
【図9】計時オブジェクトが表示された戦闘画面の例を示す説明図である。
【図10】第2の実施形態におけるビデオゲーム処理装置の構成例を示すブロック図である。
【図11】第2の実施形態における特定処理情報の格納状態の例を示す説明図である。
【図12】第2の実施形態におけるコマンド受付回数情報の格納状態の例を示す説明図である。
【図13】第2の実施形態におけるビデオゲームの進行に応じたコマンド受付回数管理テーブルの状態について説明するための説明図である。
【図14】第2の実施形態におけるコマンド受付回数判定処理の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<第1の実施の形態>
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0020】
図1は、本発明の第1の実施の形態を示すビデオゲーム処理装置100の構成例を示すブロック図である。図1に示すように、ビデオゲーム処理装置100は、ゲームプログラム読取部10、制御部11、記憶部12、表示部13、音声出力部14、およびプレイヤ操作受付部15を含む。
【0021】
ゲームプログラム読取部10は、ゲームプログラムが格納された記憶媒体を内蔵するゲームカートリッジ20を着脱可能に受け付ける。ゲームプログラム読取部10は、挿入されたゲームカートリッジ20の記憶媒体から必要なゲームプログラムを読み出す。なお、本実施形態では、ゲームカートリッジ20に内蔵される記憶媒体には、RPGに分類されるビデオゲームプログラムが記憶されているものとする。ただし、ゲームカートリッジ20に内蔵される記憶媒体に記憶されるビデオゲームプログラムが属するジャンルはRPGに限定されず、プレイヤに対して所定時間内に所定のコマンド入力が要求されるものであれば、種々のジャンルのものに適用できる。
【0022】
制御部11は、プログラム読取部10により読み取られ記憶部12に格納されたゲームプログラムを実行し、プレイヤの操作に応じてビデオゲームを進行するための各種の制御を実行する機能を有する。
【0023】
特に、制御部11は、ビデオゲーム処理装置100に、プレイヤの操作により入力されたコマンドを受け付けるコマンド受付処理と、ビデオゲームにおいて計時開始条件が成立したときから、あらかじめ定められた所定時間を計時する計時処理と、計時処理にて計時している計時時間に対応する計時時間ポイントを示す計時時間ポイント報知オブジェクトを表示画面に表示するオブジェクト表示処理と、計時処理にて所定時間を計時しているときに、コマンド受付処理にて所定コマンドを所定回数以上有効に受け付けたか否かを判定するコマンド受付回数判定処理と、計時処理にて計時している計時時間の経過に応じて、有効受付上限回数を初期回数から所定回数まで段階的に増加させて有効受付上限回数を更新する有効受付上限回数更新処理と、コマンド受付回数判定処理にて所定コマンドを所定回数以上有効に受け付けたと判定したことに応じて、所定コマンドを所定回数有効に受け付けたことに応じた特定処理を実行する特定処理実行処理とを実行させ、コマンド受付回数判定処理において、コマンド受付処理にて所定コマンドを受け付けたときに、所定コマンドを有効に受け付けた回数を示す有効受付回数が有効受付上限回数に達しているか否か確認し、有効受付上限回数に達していない場合にコマンド受付処理にて所定コマンドが有効に受け付けられたと判定する処理を実行させるために必要な制御を行う。なお、本発明に関わる主な処理については、後で詳しく説明する。
【0024】
記憶部12は、ビデオゲームを進行する際に必要なゲームプログラムや各種のデータを記憶する記憶媒体である。記憶部12は、例えばRAMなどの不揮発性のメモリによって構成される。記憶部12には、ゲームの進行に従って登録・更新される各種の情報や、ゲームカートリッジ20に内蔵される記憶媒体から読み出されたゲームにおいて使用される各種の情報が格納される。
【0025】
本例においては、記憶部12は、特定処理情報記憶部12aと、コマンド受付回数管理テーブル12bと、ポイント報知オブジェクト情報記憶部12cとを含む。
【0026】
特定処理情報記憶部12aは、ビデオゲームの進行状況等に応じて、プレイヤ操作受付部15を介し、所定コマンドの入力を所定回数受け付けたことに応じて制御部11が実行する特定の処理(以下「特定処理」という。)に関する情報である特定処理情報を記憶する記憶媒体である。
【0027】
図2は、特定処理情報記憶部12aに記憶された特定処理情報の格納状態の例を示す説明図である。図2に示すように、特定処理情報は、特定処理名と、計時開始条件と、対応コマンドと、必要入力回数と、制限時間と、制限解除時間と、制限解除ルールと、処理内容とを含む。なお、本例においては、所定時間内に所定コマンドの入力が所定回数以上受け付けられた場合に実行される特定処理が1つだけ記憶された場合について説明するが、特定処理情報記憶部12aには、複数種類の特定処理に関する情報が含まれる構成としてもよい。
【0028】
ここで、「計時開始条件」とは、特定処理に対応する所定コマンドの受付を行う時間の計時を開始する条件を意味する。本例においては、「敵キャラクタとのつばぜり合いの開始。」が設定されている場合を例にして説明を行う。なお、計時開始条件の内容は特に限定されず、例えば、プレイヤによる所定の操作入力を受け付けたときに計時を開始する構成としてもよい。
【0029】
また、「対応コマンド」とは、特定処理の実行要求としてプレイヤに要求するコマンドの内容を意味する。本例においては、特定処理名「特別攻撃」に対応する対応コマンドとして「Xボタンの押下」が設定されている場合を例にして説明を行う。なお、対応コマンドはコントローラを構成するボタンの押下に限定されず、例えば、複数のコマンドの組合せ等であってもよい。
【0030】
また、「必要入力回数」とは、特定処理の実行要求としてプレイヤに要求する対応コマンドの入力回数を意味する。また、「制限時間」とは、プレイヤの操作により入力された対応コマンドを受け付ける時間受け付ける時間を意味する。本例においては、計時開始条件の成立後「8秒」以内に「Xボタンの押下」を「20回」入力することを要求する場合を例にして説明を行う。
【0031】
また、「制限解除時間」とは、プレイヤにより入力されたコマンドを有効に受け付ける回数を示す有効受付回数(または、最大進捗率。)の制限を解除する時間を意味する。すなわち、本例においては、制御部11は、例えばビデオゲーム処理装置100が有する計時機能により計時されている計時時間の経過に応じて、有効受付上限回数を初期回数から所定回数まで段階的に増加させて有効受付上限回数を更新する。そして、計時時間が制限解除時間に達したときに、有効受付上限回数を必要入力回数と同じ(または、以上)にする。本例においては、制限解除時間が「5秒」である場合を例にして説明を行う。
【0032】
また、「制限解除ルール」とは、有効受付回数の制限の解除規則を意味する。本例においては、制限解除ルールとして「1秒あたり4回(20%)ずつ有効受付上限回数(最大進捗率)を増加させ、計時時間が制限解除時間に達したときに有効受付回数(進捗率)の制限を解除する。」ことが設定されている場合を例にして説明を行う。なお、制限解除ルールは、制限時間内に有効受付上限回数を必要入力回数以上にするものであればよく、それ以外については特に制限されない。
【0033】
コマンド受付回数管理テーブル12bは、プレイヤの操作により入力されたコマンドを受け付けた回数に関するコマンド受付回数情報を記憶するための記憶媒体である。
【0034】
図3は、コマンド受付回数管理テーブル12bに記憶されたコマンド受付回数情報の格納状態の例を示す説明図である。図3に示すように、コマンド受付回数情報は、計時条件の成立に応じて計時を開始してからの経過時間(分割時間)と、分割時間毎に制御部11が対応コマンドを受け付けた回数(すなわち、実際にコマンドの入力を受け付けた回数。コマンド受付回数。)と、有効受付上限回数に従って有効にコマンドを受け付けた回数(有効受付回数)と、有効受付上限回数(または、最大進捗率)とを含む。
【0035】
図4は、ビデオゲームの進行に応じたコマンド受付回数管理テーブル12bの状態について説明するための説明図である。図4(A),4(C)に示すように、コマンド受付回数管理テーブル12bには、コマンド受付回数と分割時間とに対応するセルに、プレイヤの操作により入力された対応コマンドを受け付けた回数が登録される。また、有効受付回数と分割時間とに対応するセルに、特定処理情報に従って決定される「計時時間に応じた有効受付回数」が登録される。すなわち、例えば、本例における特定処理情報の場合(図2参照)、計時された時間(計時時間)が「4秒以上5秒未満」のとき、制御部11は、コマンド受付回数管理テーブル12bに、有効受付上限回数として「16」を登録し、プレイヤにより入力されたコマンドを受け付けた回数に応じてコマンド受付回数と有効受付回数を更新する。なお、図4(A)に示す状態からさらにコマンドを受け付けても、有効受付回数は有効受付上限回数である「16」に達しているので、制御部11は、有効受付回数を更新しない。そして、計時時間が「5秒以上」に達したとき、制御部11は、コマンド受付回数管理テーブル12bに、有効受付上限回数として「20」を登録し、プレイヤにより入力されたコマンドを受け付けた回数に応じてコマンド受付回数と有効受付回数を更新する。その結果、有効受付回数が必要入力回数(20回。図2参照。)に達したとき、制御部11は、特定処理名「特別攻撃」に対応する処理内容を実行する。
【0036】
計時時間ポイント報知オブジェクト情報記憶部12cは、計時条件成立後に計時された時間に対応する計時時間ポイントを示す計時時間ポイント報知オブジェクトに関する情報を記憶するための記憶媒体である。本実施形態においては、計時時間ポイント報知オブジェクト(以下適宜「計時オブジェクト」という。)を用いることにより、プレイヤに対して、特定処理の入力時機を報知する。
【0037】
図5は、計時オブジェクトの例について説明するための説明図である。計時オブジェクトとしては、例えば図5(A)に示すような円形ゲージG1や、図5(B)に示すような直線ゲージG2など、計時時間を認識可能であるものであればよい。なお、ゲージG1とゲージG2とにおいては、線分sと線分aとの間の領域(エリアE1)と、線分aと線分cとの間の領域(エリアE2)と、線分cと線分dとの間の領域(エリアE3)と、線分dと線分eとの間の領域(エリアE4)とが、それぞれ特定処理の分割時間に対応することになる。なお、ゲージG1とゲージG2とにおいては、制限時間の消費量(すなわち、入力時間に対する計時時間)に合わせてゲージが満たされていき、制限時間が無くなるとゲージが満たされる。逆に、制限時間の消費量に合わせてゲージが減っていくように設計してもよい。よって、ゲージ自体が、計時時間に対応する計時時間ポイントとなる。
【0038】
なお、計時オブジェクトの構成は図5に示す形態(ゲージG1,G2)に限定されず、例えば、数字や円グラフ、アニメーションなどであってもよい。また、特定処理が複数ある場合には、コマンドの入力判定を行う特定処理に応じて異なる計時オブジェクトを用いる構成としてもよい。
【0039】
また、計時オブジェクトが分割時間に応じた複数のエリアE1〜E4に分かれていることは、ゲーム画面に表示する必要はなく、ビデオゲーム処理装置100における内部処理に利用可能であればよい。
【0040】
表示部13は、制御部11の制御に従って、ビデオゲームの進行やプレイヤ操作に応じたゲーム画面を表示する表示装置である。表示部13は、例えば、液晶表示装置によって構成される。
【0041】
音声出力部14は、制御部11の制御に従って、ビデオゲームの進行やプレイヤ操作に応じて音声を出力する。
【0042】
プレイヤ操作受付部15は、複数のボタンやマウスなどによって構成されるコントローラからのプレイヤ操作に応じた操作信号を受け付け、その結果を制御部11に通知する。
【0043】
次に、本例のビデオゲーム処理装置100の動作について説明する。
【0044】
図6は、ビデオゲーム処理装置100が実行するバトル処理の例を示すフローチャートである。バトル処理では、コマンド受付回数管理テーブル12bを用いたコマンドの入力判定を含む、プレイヤキャラクタと敵キャラクタとの戦闘を実行するための処理が行われる。なお、本発明に関係しない処理については、その内容を省略している場合がある。
【0045】
バトル処理は、例えば、ビデオゲームの進行に応じてプレイヤキャラクタと敵キャラクタとの戦闘が開始されたときに開始される。以下、ビデオゲーム処理装置100のユーザであるプレイヤAが操作するプレイヤキャラクタPCと、制御部11により制御される敵キャラクタNPCとの戦闘が実行される場合を例にして説明を行う。
【0046】
バトル処理が開始されると、制御部11は、表示部13の表示画面に戦闘画面を表示する(ステップS101)。
【0047】
図7は、戦闘画面の例を示す説明図である。図7に示すように、戦闘画面には、プレイヤキャラクタPCと敵キャラクタNPCとの戦闘場面が描画される戦闘場面表示領域110と、プレイヤキャラクタPCのステータス(本例においては、HP)ゲージ121と敵キャラクタNPCのステータスゲージ122とが表示されるステータス表示領域120とが設けられる。
【0048】
戦闘画面を表示すると、制御部11は、戦闘の進行(または、戦闘状況)に応じて、特定処理情報が示す計時開始条件が成立したか否かを判定する(ステップS102)。ここで、計時開始条件が成立していないと判定すると(ステップS102のN)、制御部11は、敵キャラクタNPCの制御等を含むその他の処理を実行し(ステップS103)、後述するステップS104の処理に移行する。
【0049】
一方、例えば図7に示すようにプレイヤキャラクタPCと敵キャラクタNPCとのつばぜり合いが開始すると、制御部11は、計時開始条件が成立したと判定し(ステップS102のY)、後述するコマンド受付回数判定処理を実行する(ステップS200)。
【0050】
本実施形態において、制御部11は、コマンド受付回数判定処理として、所定時間内に所定コマンドを所定回数以上受け付けたか否かを判定し、判定結果に応じた処理を実行するための処理を実行する。以下、制御部11が、図2に示した特定処理情報を用いてコマンド受付回数判定処理を実行する場合を例にして説明を行う。
【0051】
図8は、ビデオゲーム処理装置100が実行するコマンド受付回数判定処理の例を示すフローチャートである。コマンド受付回数判定処理において、制御部11は、先ず、制限時間(特定処理情報に記憶された制限時間。8秒。)の計時を開始する(ステップS201)。
【0052】
制限時間の計時を開始すると、制御部11は、表示部13の表示画面に計時時間ポイント報知オブジェクト(計時オブジェクト)を表示する(ステップS202)。このとき、制御部11は、所定時間(本例においては、計時する時間。すなわち、制限時間である8秒。)が経過するときにゲージが満たされることとなる計時オブジェクトを表示画面に表示する。
【0053】
図9は、計時オブジェクトが表示された戦闘画面の例を示す説明図である。図9に示すように、戦闘画面には、所定の位置に計時オブジェクト201が表示される。計時オブジェクト201を表示し、計時した時間に応じて計時オブジェクト201の表示形態を変更していくことにより(すなわち、計時時間に応じてゲージを増加させることにより)、特定処理に対応するコマンドの入力時機であること及び入力時間をプレイヤAに対して報知することができる。
【0054】
計時オブジェクト201を表示すると、制御部11は、所定コマンド(特定処理情報が示す対応コマンド。Xボタンの押下。)の受付を開始する(ステップS203)。
【0055】
所定コマンドの受付を開始すると、制御部11は、制限時間が経過したか否かを判定する(ステップS204)。ここで、制限時間が経過したと判定すると(ステップS204のY)、制御部11は、計時オブジェクト201を戦闘画面から消去して対応コマンドの受付を終了してその旨を知らせる音声を出力する等、コマンド入力が不成立であることをプレイヤAに報知するための処理を実行する(ステップS205)。
【0056】
一方、所定時間が経過していないと判定すると(ステップS204のN)、制御部11は、分割時間が経過したか否かを判定する(ステップS206)。ここで、分割時間が経過したと判定すると(ステップS206のY)、制御部11は、特定処理情報が示す制限解除ルールに従って有効受付上限回数を更新し(ステップS207)、ステップS204の処理に移行する。
【0057】
一方、分割時間が経過していないと判定すると(ステップS206のN)、制御部11は、対応コマンドを受け付けたか否かを判定する(ステップS208)。ここで、対応コマンドを受け付けていないと判定すると(ステップS208のN)、制御部11は、ステップS204の処理に移行する。
【0058】
一方、対応コマンドを受け付けたと判定すると(ステップS208のY)、制御部11は、コマンド受付回数管理テーブル12bを参照して、有効受付回数が有効受付上限回数に達しているか否かを判定する(ステップS209)。ここで、有効受付回数が有効受付上限回以上であると判定すると(ステップS209のN)、制御部11は、有効受付回数を更新せずに、コマンド受付回数のみを更新して、ステップS204の処理に移行する。
【0059】
一方、有効受付回数が有効受付上限回よりも少ないと判定すると(ステップS209のY)、制御部11は、有効受付回数を更新(具体的には、有効受付回数に1を加算)する(ステップS210)。
【0060】
有効受付回数を更新すると、制御部11は、更新後の有効受付回数が必要入力回数に達したか否かを判定する(ステップS211)。ここで、更新後の有効受付回数が必要入力回数に達していないと判定すると(ステップS211のN)、制御部11は、ステップS204の処理に移行する。
【0061】
一方、更新後の有効受付回数が必要入力回数と等しいことにより、更新後の有効受付回数が必要入力回数に達したと判定すると(ステップS211のY)、制御部11は、特定処理情報が示す特定処理を実行して(ステップS212)、バトル処理におけるステップS104の処理に移行する(図6参照)。
【0062】
コマンド受付回数判定処理を終えると、制御部11は、所定のバトル終了条件が成立したか否かを判定する(ステップS104)。ここで、バトル終了条件が成立していないと判定すると(ステップS104のN)、制御部11は、ステップS102の処理に移行する。
【0063】
一方、例えば特定処理の実行により敵キャラクタNPCのHPが無くなったことによりバトル終了条件が成立したと判定すると(ステップS104のY)、制御部11は、戦闘画面の消去等を行い、ここでの処理を終了する。
【0064】
以上に説明したように、上述した実施の形態では、表示装置(例えば、表示部13)の表示画面にゲーム画面を表示してビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置100が、プレイヤAの操作により入力されたコマンドを受け付け、ビデオゲームにおいて計時開始条件が成立したときから、あらかじめ定められた所定時間(例えば、特定処理情報が示す制限時間)を計時し、計時している計時時間に対応する計時時間ポイントを示す計時時間ポイント報知オブジェクト201を表示画面に表示し、所定時間を計時しているときに、所定コマンド(例えば、特定処理情報が示す対応コマンド)が所定回数以上(例えば、特定処理情報が示す必要入力回数以上)有効に受け付けられたか否かを判定し、計時している計時時間の経過に応じて、有効受付上限回数を初期回数(例えば、0回。図4参照。)から所定回数(例えば、必要入力回数)まで段階的に増加させて有効受付上限回数を更新し(例えば、1秒あたり4回ずつ増加。図4参照。)、所定コマンドを所定回数以上有効に受け付けたと判定したことに応じて、所定コマンドを所定回数有効に受け付けたことに応じた特定処理(例えば、特定処理情報が示す処理内容)を実行し、所定コマンドを受け付けたときに、所定コマンドを有効に受け付けた回数を示す有効受付回数が有効受付上限回数に達しているか否か確認し、有効受付上限回数に達していない場合に所定コマンドが有効に受け付けられたと判定する(例えば、ステップS209。図8参照。)構成としているので、プレイヤにとってのコマンドの入力操作の困難性を維持したまま容易に入力操作可能となるようなコマンドの入力要求及び入力完了判定を行うことができるようにして、ゲームの趣向性を向上させることができるようになる。
【0065】
すなわち、計時時間ポイント報知オブジェクトによりプレイヤに対して計時時間を報知しつつ、入力されたコマンドを有効に受け付ける場合と有効に受け付けない場合とを設けているので、表示画面上は、計時時間ポイント報知オブジェクトにより常に所定コマンドの入力が要求されているようにプレイヤに認識させ、内部処理上は、計時時間に応じた有効受付上限回数以上は無効なコマンドとするため、特定処理を調整することで、プレイヤにとってのコマンドの入力完了の困難性を維持したまま容易に入力操作可能となるようなコマンドの入力要求及び入力完了判定を行うことができるようになる。
【0066】
よって、上述したビデオゲーム処理装置100の構成とすることにより、コマンド入力に不慣れなプレイヤであっても、コマンド入力に慣れたプレイヤと同様にコマンド入力を成功させることが可能なビデオゲームを提供することができるようになる。
【0067】
また、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100が、計時している計時時間が所定時間(例えば、特定処理情報が示す制限時間)より前の特定時間(例えば、特定処理情報が示す制限解除時間)に到達したときに、有効受付上限回数を所定回数に設定する(すなわち、制限を解除する)構成としているので(例えば、図2における制限解除ルール参照。)、特定処理に対応付けされた特定時間が経過するまで入力の成否をプレイヤが認識できないようにし、計時オブジェクトの表示中にプレイヤが気を抜いてしまうことにより生じるゲームの趣向性の低下を回避することができるようになる。
【0068】
また、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100が、計時手段によって計時している計時時間が特定時間(例えば、特定処理情報が示す制限解除時間)に到達するまでの既定時間(例えば、制限解除ルールによって決定される分割時間。図2,3参照。)毎に有効受付上限回数を増加させる構成としているので、コマンド入力(例えば、ボタンの連打)が早いプレイヤでもすぐに有効受付回数が必要入力回数にならないようにすることができるようになる。
【0069】
また、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100が、分割時間に応じた領域(例えば、エリアE1〜E4)を有し、所定時間の残存量を示す円形のゲージ(例えば、計時オブジェクト201)を表示する構成としているので、プレイヤに対して直感的に経過時間を認識させることができるようになる。
【0070】
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、ビデオゲーム処理装置100が、複数のプレイヤそれぞれからコマンドを受け付け、複数のプレイヤのうち、他のプレイヤよりも所定コマンド(例えば、特定処理情報が示す対応コマンド)が所定回数以上(例えば、特定処理情報が示す必要入力回数以上)有効に受け付けられたと判定された少なくとも1人のプレイヤを特定し、特定したプレイヤが操作するキャラクタに対して特定処理を実行する構成とされていてもよい。このような構成とすることにより、コマンド入力に不慣れなプレイヤとコマンド入力に慣れたプレイヤとが一緒にゲームを行う場合に、2者間のコマンド成功率の不均衡を是正することができるようになる。すなわち、時間の経過に応じて有効受付上限回数を段階的に増加していくビデオゲーム処理装置意100が複数のプレイヤキャラクタを処理対象とする構成とする場合、有効受付回数の制限が解除された後において他のプレイヤよりも早く必要入力回数だけコマンドを入力したプレイヤがコマンド入力を成立させたこととなるので、有効受付回数を制限しない場合と比べると、コマンド入力に不慣れなプレイヤにとって、コマンド入力に慣れたプレイヤよりも早く所定回数のコマンド入力を終えることができる可能性が高くなると考えられる。
【0071】
なお、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100がゲームカートリッジ20から読み取ったゲームプログラムに基づいて上述したゲーム処理などの各種の処理を実行する構成としていたが、ビデオゲーム処理装置100が、インターネットなどの通信ネットワークを介してゲームプログラムを取得するようにしてもよい。また、ビデオゲーム処理装置100がゲームサーバとして機能し、通信ネットワークを介してゲームプログラムをゲーム端末に提供するようにしてもよい。
【0072】
また、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100は、自己が備える記憶装置(記憶部12)に記憶されている各種制御プログラム(例えば、ビデオゲーム処理プログラム)に従って、上述した各種の処理を実行する。
【0073】
<第2の実施の形態>
以下、本発明の第2の実施の形態について図面を参照して説明する。第2の実施の形態では、制御部11が、第1の実施の形態とは異なるコマンド受付回数判定処理を実行する。
【0074】
なお、以下に述べる第2の実施の形態についての説明では、上述した第1の実施の形態と異なる部分を中心に説明する。よって、第1の実施の形態と同様の構成部分は同じ符号を付してその説明は省略し、特に説明しない限り同じであるものとする。なお、ここでいう構成部分には、ビデオゲーム処理装置の処理動作も含み、第1の実施の形態と同じ処理については説明を省略している場合がある。
【0075】
図10は、本発明の第2の実施の形態を示すビデオゲーム処理装置101の構成例を示すブロック図である。図10に示すように、ビデオゲーム処理装置101の記憶部12は、記憶部12は、特定処理情報記憶部12aと、コマンド受付回数管理テーブル12bと、ポイント報知オブジェクト情報記憶部12cとを含む。
【0076】
特定処理情報記憶部12dは、ビデオゲームの進行状況等に応じて、プレイヤ操作受付部15を介し、所定コマンドの入力を所定回数受け付けたことに応じて制御部11が実行する特定の処理(以下「特定処理」という。)に関する情報である特定処理情報を記憶する記憶媒体である。
【0077】
図11は、特定処理情報記憶部12dに記憶された特定処理情報の格納状態の例を示す説明図である。図11に示すように、特定処理情報は、特定処理名と、計時開始条件と、対応コマンドと、必要入力回数と、入力時間と、分割数と、処理内容とを含む。なお、本例においては、所定時間内に所定コマンドの入力が所定回数以上受け付けられた場合に実行される特定処理が1つだけ記憶された場合について説明するが、特定処理情報記憶部12dには、複数種類の特定処理に関する情報が含まれる構成としてもよい。
【0078】
ここで、「計時開始条件」とは、特定処理に対応する所定コマンドの受付を行う時間の計時を開始する条件を意味する。本例においては、「敵キャラクタとのつばぜり合いの開始。」が設定されている場合を例にして説明を行う。なお、計時開始条件の内容は特に限定されず、例えば、プレイヤによる所定の操作入力を受け付けたときに計時を開始する構成としてもよい。
【0079】
また、「対応コマンド」とは、特定処理の実行要求としてプレイヤに要求するコマンドの内容を意味する。本例においては、特定処理名「特別攻撃」に対応する対応コマンドとして「Xボタンの押下」が設定されている場合を例にして説明を行う。なお、対応コマンドはコントローラを構成するボタンの押下に限定されず、例えば、複数のコマンドの組合せ等であってもよい。
【0080】
また、「必要入力回数」とは、特定処理の実行要求としてプレイヤに要求する対応コマンドの入力回数を意味する。また、「入力時間」とは、特定処理に対応する対応コマンドの入力を受け付ける時間を意味する。本例においては、計時開始条件の成立後「4秒」以内に「Xボタンの押下」を「8回」入力することを要求する場合を例にして説明を行う。
【0081】
また、「分割数」とは、特定処理に対応する必要入力回数と入力時間とを分割する数を意味する。本例においては、必要入力回数と入力時間とを「4つ」に分割する場合を例にして説明を行う。なお、以下、必要入力回数と入力時間とがそれぞれ等分される場合を例にして説明を行うが、必要入力回数と入力時間とは、必ずしも等分する必要はなく、例えば、入力時間の後半に、前半よりも多くの必要入力回数を割り当てる構成としてもよく、また、その逆の構成としてもよい。
【0082】
コマンド受付回数管理テーブル12eは、プレイヤの操作により入力されたコマンドを受け付けた回数に関するコマンド受付回数情報を記憶するための記憶媒体である。
【0083】
図12は、コマンド受付回数管理テーブル12eに記憶されたコマンド受付回数情報の格納状態の例を示す説明図である。図12に示すように、コマンド受付回数情報は、計時条件の成立に応じて計時を開始してからの経過時間(分割時間)と、分割時間毎に割り当てられた対応コマンドの必要入力回数(分割回数)と、実際にコマンドの入力を受け付けた回数(コマンド受付回数)と、分割回数とコマンド受付回数とを比較した判定結果とを含む。
【0084】
図13は、ビデオゲームの進行に応じたコマンド受付回数管理テーブル12eの状態について説明するための説明図である。図13(A)〜13(C)に示すように、コマンド受付回数管理テーブル12eには、コマンド受付回数と分割時間とに対応するセルに、プレイヤの操作により入力された所定コマンドを受け付けた回数が登録される。そして、分割時間毎のコマンド受付回数が、分割時間毎に割り当てられた分割回数以上の場合、判定結果に「1」が登録される。また、分割時間毎のコマンド受付回数が、分割時間毎に割り当てられた分割回数よりも少ない場合、判定結果には「0」が登録される。なお、図13(C)に示すように、判定結果が「0」になった場合、その後は対応コマンドの受付を行わない構成としてもよい。
【0085】
計時時間ポイント報知オブジェクト情報記憶部12fは、計時条件成立後に計時した時間(計時時間)に対応する計時時間ポイントを示す計時時間ポイント報知オブジェクトに関する情報を記憶するための記憶媒体である。本実施形態においては、計時時間ポイント報知オブジェクト(以下適宜「計時オブジェクト」という。)を用いることにより、プレイヤに対して、特定処理の入力時機を報知する。
【0086】
次に、本例のビデオゲーム処理装置101の動作について説明する。
【0087】
図14は、ビデオゲーム処理装置101が実行するコマンド受付回数判定処理の例を示すフローチャートである。すなわち、上述した第1の実施の形態におけるコマンド受付回数判定処理の他の例である。バトル処理(図6参照)からコマンド受付回数判定処理に移行すると、制御部11は、先ず、所定時間(特定処理情報に記憶された入力時間。4秒。)の計時を開始する(ステップS301)。
【0088】
所定時間の計時を開始すると、制御部11は、表示部13の表示画面に計時時間ポイント報知オブジェクト(計時オブジェクト)を表示する(ステップS302)。このとき、制御部11は、計時する時間(すなわち、入力時間である4秒)が経過するときにゲージが満たされることとなる計時オブジェクトを表示画面に表示する。
【0089】
計時オブジェクト201を表示すると(図9参照)、制御部11は、所定コマンド(特定処理情報が示す対応コマンド。Xボタンの押下。)の受付を開始する(ステップS303)。
【0090】
所定コマンドの受付を開始すると、制御部11は、所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS304)。ここで、所定が経過していないと判定すると(ステップS304のN)、制御部11は、所定コマンドの受付を継続する。
【0091】
一方、所定時間が経過したと判定すると(ステップS304のY)、制御部11は、計時オブジェクト201を戦闘画面から消去し、所定コマンドの受付を終了する(ステップS305)。
【0092】
所定コマンドの受付を終了すると、制御部11は、プレイヤAの操作により入力された所定コマンドを受け付けた回数(すなわち、所定コマンドの入力回数)をコマンド受付回数管理テーブル12eに登録する(ステップS306)。このとき、制御部11は、例えば図13に示すように、分割時間毎に受け付けた回数を登録する。
【0093】
所定コマンドの入力回数を登録すると、制御部11は、分割時間毎の入力判定を行い、判定結果をコマンド受付回数管理テーブル12eに登録する(ステップS307)。ここでは、制御部11は、分割時間毎の分割回数とコマンド受付回数とを比較し、コマンド受付回数が対応する分割回数(例えば図13に示す場合においては、同列に配置された分割回数。)以上である場合には対応するセルに「1」を登録し、コマンド受付回数が対応する分割回数よりも少ない場合には対応するセルに「0」を登録する。
【0094】
分割時間毎の判定結果を登録すると、制御部11は、特定処理の実行条件が成立したか否かを判定する(ステップS308)。ここでは、制御部11は、図13(A)に示すように、判定結果が全て「1」の場合に特定処理の実行条件が成立したと判定するものとする。また、図13(B)に示すように、判定結果に「0」が含まれる場合、制御部11は、特定処理の実行条件が不成立であると判定するものとする。なお、このときコマンド受付回数の総和が必要入力回数以上であっても、制御部11は、特定処理の成立条件が成立したものとは判定しないものとする。
【0095】
なお、特定処理の実行条件はこれに限定されず、例えば、特定処理の実行条件として、判定結果が示す「1」と「0」の割合が設定されている構成としてもよい(すなわち、一部のコマンド入力を失敗していても、特定処理が実行される場合があってもよい。)。また、判定結果が示す「1」と「0」の割合に応じて、実行される特定処理の内容が変わる構成としてもよい。
【0096】
特定処理の実行条件の成立判定において、特定処理の実行条件が成立したと判定すると(ステップS308のY)、制御部11は、成立した実行条件に応じた特定処理を実行して(ステップS309)、バトル処理におけるステップS104の処理に移行する(図6参照)。
【0097】
一方、特定処理の実行条件の成立判定において、特定処理の実行条件が不成立であると判定すると(ステップS308のN)、制御部11は、特定処理に対応するコマンドの入力が不成立(失敗)であることをプレイヤAに報知し(ステップS310)、バトル処理におけるステップS104の処理に移行する(図6参照)。なお、コマンド入力が不成立であることをプレイヤAに報知する方法としては、例えば戦闘画面にその旨を表示したり、音声出力によりその旨を報知したりするなど、種々の方法が考えられる。
【0098】
以上に説明したように、上述した第2の実施の形態では、表示装置(例えば、表示部13)の表示画面にゲーム画面を表示してビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置100が、プレイヤAの操作により入力されたコマンドを受け付け、ビデオゲームにおいて計時開始条件が成立したとき(例えば、キャラクタ同士の戦闘におけるつばぜり合いが開始したとき)から、あらかじめ定められた所定時間(例えば、特定処理情報が示す入力時間)を計時し、計時している計時時間に対応する計時時間ポイントを示す計時時間ポイント報知オブジェクト(例えば、計時オブジェクト201)を表示画面(例えば、戦闘画面の所定の位置)に表示し、所定時間を計時しているときに、所定コマンドの入力を所定回数以上(例えば、特定処理情報が示す必要入力回数以上)受け付けたか否かを判定し、所定コマンドの入力を所定回数以上受け付けたと判定したことに応じて、所定コマンドの入力を所定回数受け付けたことに応じた特定処理を実行し、コマンド受付回数を判定するときに、所定時間を所定数(例えば、4つ)に分割した分割時間毎に(例えば、1秒間毎に)、所定コマンドの入力が所定回数を所定数に分割した分割回数(例えば、必要入力回数である8回を分割数である4つに分割した回数。2回。)以上受け付けたか否か判定する構成としているので、プレイヤにとってのコマンドの入力操作の困難性を維持したまま容易に入力操作可能となるようなコマンドの入力要求及び入力完了判定を行うことができるようにして、ゲームの趣向性を向上させることができるようになる。
【0099】
すなわち、計時時間ポイント報知オブジェクトによりプレイヤに対して計時時間を報知しつつ、分割時間毎にコマンドの入力判定を行うので、表示画面上は、計時時間ポイント報知オブジェクトにより常に所定コマンドの入力が要求されているようにプレイヤに認識させ、内部処理上は、分割時間内に分割回数を超えるコマンドの入力を受け付けても分割回数だけコマンドの入力を受け付けた場合と同等に取り扱うこととなるため、分割時間と分割回数とを調整することで、プレイヤにとってのコマンドの入力完了の困難性を維持したまま容易に入力操作可能となるようなコマンドの入力要求及び入力完了判定を行うことができるようになる。
【0100】
よって、上述したビデオゲーム処理装置101の構成とすることにより、コマンド入力に不慣れなプレイヤであっても、コマンド入力に慣れたプレイヤと同様にコマンド入力を成功させることが可能なビデオゲームを提供することができるようになる。
【0101】
また、上述した第2の実施の形態では、ビデオゲーム処理装置101が、所定時間の計時が終了したとき(例えば、所定時間の計時を開始したときから所定時間が経過したとき)に所定コマンドの入力が所定回数以上受け付けられたか否かの判定を行う構成としているので(例えば、図14におけるステップS308の処理参照。)、特定処理に対応付けされた所定時間(入力時間)が経過するまで入力の成否をプレイヤが認識できないようにし、計時オブジェクトの表示中にプレイヤが気を抜いてしまうことにより生じるゲームの趣向性の低下を回避することができるようになる。
【0102】
なお、上述した第2の実施の形態では、ビデオゲーム処理装置101が、所定時間の計時が終了したときに所定コマンドの入力判定を行う場合について説明したが、所定コマンドの入力判定の時期はこれに限定されず、例えば、ビデオゲーム処理装置101が、分割時間が経過する度に、経過した分割時間に対応付けされた分割回数以上の所定コマンドの入力を受け付けたか否かを判定する構成としてもよい。また、この場合、ビデオゲーム処理装置101が、経過した分割時間に対応付けされた分割回数以上の所定コマンドの入力を受け付けていないと判定したことに応じて、所定時間の計時を終了する構成としてもよい。この場合、例えば図13(C)の状態でコマンド受付回数管理テーブル12eの更新が終了することとなる。このような構成とすることにより、分割時間毎にコマンド入力の成否を判定することができるようになり、コマンド入力の不成立が確定後にも計時を続けることを回避することができるようになる。
【0103】
なお、上述した第2の実施の形態では特に言及していないが、ビデオゲーム処理装置101が、複数のプレイヤそれぞれからコマンドを受け付け、複数のプレイヤのうち、他のプレイヤよりも早く所定コマンドの入力が所定回数以上受け付けられたと判定された少なくとも1人のプレイヤを特定し、特定したプレイヤにあらかじめ対応付けされた特定処理を実行する構成とされていてもよい。このような構成とすることにより、コマンド入力に不慣れなプレイヤとコマンド入力に慣れたプレイヤとが一緒にゲームを行う場合に、2者間のコマンド成功率の不均衡を是正することができるようになる。すなわち、分割時間毎に分割回数だけ所定コマンドの入力を受け付けたか否かを判定するビデオゲーム処理装置意101を上記のような構成とする場合、各分割時機において各プレイヤが分割回数を超える回数のコマンド入力を行っていてもコマンド成功率に影響はなく、最後の分割時間(すなわち、計時開始から最も遠い分割時間)において他のプレイヤよりも早く分割回数だけコマンドを入力したプレイヤがコマンド入力を成立させたこととなるので、入力時間を分割しない場合と比べると、コマンド入力に不慣れなプレイヤにとって、コマンド入力に慣れたプレイヤよりも早く所定回数のコマンド入力を終えることができる可能性が高くなると考えられる。
【0104】
なお、上述した第2の実施の形態では、ビデオゲーム処理装置101は、自己が備える記憶装置(記憶部12)に記憶されている各種制御プログラム(例えば、ビデオゲーム処理プログラム)に従って、上述した各種の処理を実行する。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明は、プレイヤにとってのコマンドの入力操作の困難性を維持したまま容易に入力操作可能となるようなコマンドの入力要求及び入力完了判定を行うことができるようにして、ゲームの趣向性を向上させることができるようにしたビデオゲーム処理装置を提供するのに有用である。
【符号の説明】
【0106】
10 ゲームプログラム読取部
11 制御部
12 記憶部
13 表示部
14 音声出力部
15 プレイヤ操作受付部
20 ゲームカートリッジ
100,101 ビデオゲーム処理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置の表示画面にゲーム画面を表示してビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置であって、
プレイヤの操作により入力されたコマンドを受け付けるコマンド受付手段と、
前記ビデオゲームにおいて計時開始条件が成立したときから、あらかじめ定められた所定時間を計時する計時手段と、
該計時手段により計時されている計時時間に対応する計時時間ポイントを示す計時時間ポイント報知オブジェクトを前記表示画面に表示するオブジェクト表示手段と、
前記計時手段によって所定時間が計時されているときに、前記コマンド受付手段によって所定コマンドが所定回数以上有効に受け付けられたか否かを判定するコマンド受付回数判定手段と、
前記計時手段により計時されている計時時間の経過に応じて、有効受付上限回数を初期回数から前記所定回数まで段階的に増加させて当該有効受付上限回数を更新する有効受付上限回数更新手段と、
前記コマンド受付回数判定手段により所定コマンドが所定回数以上有効に受け付けられたと判定されたことに応じて、前記所定コマンドを所定回数有効に受け付けたことに応じた特定処理を実行する特定処理実行手段とを含み、
前記コマンド受付回数判定手段は、前記コマンド受付手段によって所定コマンドが受け付けられたときに、所定コマンドを有効に受け付けた回数を示す有効受付回数が前記有効受付上限回数に達しているか否か確認し、前記有効受付上限回数に達していない場合に前記コマンド受付手段によって所定コマンドが有効に受け付けられたと判定する
ことを特徴とするビデオゲーム処理装置。
【請求項2】
前記有効受付上限回数更新手段は、前記計時手段によって計時されている計時時間が前記所定時間より前の特定時間に到達したときに、前記有効受付上限回数を前記所定回数に設定する
請求項1記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項3】
前記有効受付上限回数更新手段は、前記計時手段によって計時されている計時時間が前記特定時間に到達するまでの既定時間毎に前記有効受付上限回数を増加させる
請求項2記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項4】
前記計時時間ポイント報知オブジェクトは、
前記分割時間に応じた領域を有し、前記所定時間の残存量を示す円形のゲージである
請求項1から請求項3のうちいずれかに記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項5】
前記コマンド受付手段は、複数のプレイヤそれぞれからコマンドを受け付け、
前記特定処理実行手段は、
前記複数のプレイヤのうち、前記コマンド受付判定手段により他のプレイヤよりも早く前記所定コマンドが所定回数以上有効に受け付けられたと判定された少なくとも1人のプレイヤを特定するプレイヤ特定手段を有し、
該プレイヤ特定手段により特定されたプレイヤが操作するキャラクタに対して特定処理を実行する
請求項1から請求項4のうちいずれかに記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項6】
表示装置の表示画面にゲーム画面を表示してビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置に動作制御させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、
前記ビデオゲーム処理装置に、
プレイヤの操作により入力されたコマンドを受け付けるコマンド受付処理と、
前記ビデオゲームにおいて計時開始条件が成立したときから、あらかじめ定められた所定時間を計時する計時処理と、
該計時処理にて計時している計時時間に対応する計時時間ポイントを示す計時時間ポイント報知オブジェクトを前記表示画面に表示するオブジェクト表示処理と、
前記計時処理にて所定時間を計時しているときに、前記コマンド受付処理にて所定コマンドを所定回数以上有効に受け付けたか否かを判定するコマンド受付回数判定処理と、
前記計時処理にて計時している計時時間の経過に応じて、有効受付上限回数を初期回数から前記所定回数まで段階的に増加させて当該有効受付上限回数を更新する有効受付上限回数更新処理と、
前記コマンド受付回数判定処理にて所定コマンドを所定回数以上有効に受け付けたと判定したことに応じて、前記所定コマンドを所定回数有効に受け付けたことに応じた特定処理を実行する特定処理実行処理とを実行させ、
前記コマンド受付回数判定処理において、前記コマンド受付処理にて所定コマンドを受け付けたときに、所定コマンドを有効に受け付けた回数を示す有効受付回数が前記有効受付上限回数に達しているか否か確認し、前記有効受付上限回数に達していない場合に前記コマンド受付処理にて所定コマンドが有効に受け付けられたと判定する処理を
実行させるためのビデオゲーム処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−59575(P2013−59575A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−201235(P2011−201235)
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(308033283)株式会社スクウェア・エニックス (173)
【Fターム(参考)】