ビデオゲーム処理装置、ビデオゲーム処理方法、およびビデオゲーム処理プログラム
【課題】戦闘場面におけるプレイヤキャラクタの行動パターンを多様化させ、戦闘内容にバリエーションを持たせたバトル制御を行う。
【解決手段】ビデオゲーム処理装置100が、戦闘場面において召喚獣呼出指定を受け付けたことに応じて召喚獣Xを戦闘場面に登場させ、戦闘場面に登場された召喚獣Xを含む各キャラクタの戦闘場面であるノーマルモードでの戦闘を制御し、召喚獣Xが登場している戦闘場面において、プレイヤの操作によるドライブモード移行指定を受け付けたことに応じて、ゲーム画面に表示されている召喚獣Xを変形させてプレイヤキャラクタPCを乗せることが可能な移動体とし、移動体に変形された召喚獣Xを含む各キャラクタの戦闘場面であるドライブモードでの戦闘を制御し、この制御において、移動体に変形された召喚獣Xに乗ったプレイヤキャラクタPCと敵キャラクタとの戦闘を制御する。
【解決手段】ビデオゲーム処理装置100が、戦闘場面において召喚獣呼出指定を受け付けたことに応じて召喚獣Xを戦闘場面に登場させ、戦闘場面に登場された召喚獣Xを含む各キャラクタの戦闘場面であるノーマルモードでの戦闘を制御し、召喚獣Xが登場している戦闘場面において、プレイヤの操作によるドライブモード移行指定を受け付けたことに応じて、ゲーム画面に表示されている召喚獣Xを変形させてプレイヤキャラクタPCを乗せることが可能な移動体とし、移動体に変形された召喚獣Xを含む各キャラクタの戦闘場面であるドライブモードでの戦闘を制御し、この制御において、移動体に変形された召喚獣Xに乗ったプレイヤキャラクタPCと敵キャラクタとの戦闘を制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレイヤが操作するプレイヤキャラクタをゲーム画面に表示してビデオゲームの進行を制御するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、RPG(ロールプレイングゲーム:プレイヤがゲームの世界の中であるキャラクタの役割を演じ、様々な経験を通して成長していく過程を楽しみながら、所定の目的を達成していくことを遊戯するゲーム)と呼ばれるビデオゲームが各種提供されている。
【0003】
このようなビデオゲームでは、一般に、プレイヤによって操作されるプレイヤキャラクタと所定の目的の達成を阻害する敵キャラクタとの戦闘が行われる。RPGの戦闘場面におけるバトル制御においては、例えば、プレイヤキャラクタと敵キャラクタとが交互に攻撃を行う「ターン制」や、予め設定されている待機時間が経過したキャラクタが順次攻撃を行う「アクティブ・タイム・バトル(ATB)」と呼ばれる攻撃ルールに従って制御がなされる。
【0004】
また、特許文献1に開示されているように、プレイヤによる攻撃コマンドの入力をバトル開始前に受け付けておくようなものも提案されている。なお、この特許文献1には、戦闘場面においてミニゲームを提供することも開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2003−19353号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来のビデオゲームでは、戦闘場面のバトル制御において、プレイヤキャラクタに実行させる行動(攻撃、防御など)を指定するためのコマンドのプレイヤによる選択を受け付け、受け付けたコマンドに応じた行動を実行させる制御を行うだけのものであるため、戦闘場面におけるプレイヤキャラクタの行動パターンが限定的になってしまい、戦闘内容にバリエーションを持たせることができないという問題があった。
【0007】
なお、上述したように、戦闘場面においてミニゲームを提供するものも提案されているが、単に先行側を決定するための戦闘内容とは無関係のものであるため、やはり戦闘内容にバリエーションを持たせることができないという問題を含んでいる。
【0008】
本発明は、上記の問題を解決すべく、戦闘場面におけるプレイヤキャラクタの行動パターンを多様化させ、戦闘内容にバリエーションを持たせたバトル制御を行うことが可能なビデオゲームを提供することができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のビデオゲーム処理装置は、プレイヤが操作するプレイヤキャラクタをゲーム画面に表示し、敵キャラクタとのバトルを含むビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置であって、前記プレイヤキャラクタと前記敵キャラクタとのバトルを制御するバトル制御手段を備え、前記バトル制御手段は、一回のバトルの継続中に第一のバトルモードと第二のバトルモードを切り替えるバトルモード切り替え手段を有し、前記第一のバトルモードの戦闘結果と前記第二のバトルモードの戦闘結果を総合判断することにより当該バトルの勝敗を判断することを特徴とする。
【0010】
上記の構成としたことで、1回のバトル中に異なる複数のバトルモードに切り替えてバトル制御を行うことが可能となり、戦闘場面におけるプレイヤキャラクタの行動パターンを多様化させ、戦闘内容にバリエーションを持たせたバトル制御を行うことが可能なビデオゲームを提供することができるようになる。
【0011】
前記第一のバトルモードはプレイヤがプレイヤキャラクタの行動内容について逐次行動コマンドを設定することによって進行し、前記第二のバトルモードは、プレイヤが前記プレイヤキャラクタを前記敵キャラクタに向かって移動させ、前記敵キャラクタに前記プレイヤキャラクタをぶつけることによって攻撃を行うことにより進行する構成とされていてもよい。
【0012】
前記バトルモード切り替え手段は、前記第一のバトルモードにおいてプレイヤが予め規定されたバトルモード切り替え条件をクリアしたと判断した際に、前記第二のバトルモードへの切り替え指示を受け付け可能とすることとし、プレイヤからの前記第二のバトルモードへの切り替え指示を受け付けたことにより前記第二のバトルモードが開始されると、予め規定された第二バトルモード終了条件が満たされるまで前記第二のバトルモードを継続させ、前記第二バトルモード終了条件が満たされたと判断した場合には、前記第二のバトルモードを終了させ、前記第一のバトルモードに切り替える構成とされていてもよい。
【0013】
前記第二のバトルモードへのバトルモード切り替え条件は、例えば、前記第一のバトルモードにおいて前記プレイヤキャラクタが規定のポイントを獲得することである。
【0014】
前記第二バトルモード終了条件は、例えば、前記第二のバトルモードが開始されてからの経過時間が一定時間に達したこと、もしくは前記第二のバトルモードにおいて前記プレイヤキャラクタが消費した第二のポイントが予め設定された値に到達したことである。
【0015】
前記第一のバトルモードにおいて獲得したポイントが多いほど、前記第二のバトルモードの継続可能時間を長くできるように、前記第二バトルモード終了条件を設定する第二バトルモード終了条件設定手段を備える構成とされていてもよい。
【0016】
また、本発明のビデオゲーム処理方法は、プレイヤが操作するプレイヤキャラクタをゲーム画面に表示し、敵キャラクタとのバトルを含むビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理方法であって、前記プレイヤキャラクタと前記敵キャラクタとのバトルを制御するバトル制御処理を含み、前記バトル制御処理では、一回のバトルの継続中に第一のバトルモードと第二のバトルモードを切り替えるバトルモード切り替え処理を実行し、前記第一のバトルモードの戦闘結果と前記第二のバトルモードの戦闘結果を総合判断することにより当該バトルの勝敗を判断することを特徴とする。
【0017】
さらに、本発明のビデオゲーム処理プログラムは、プレイヤが操作するプレイヤキャラクタをゲーム画面に表示し、敵キャラクタとのバトルを含むビデオゲームの進行を制御させるビデオゲーム処理プログラムであって、コンピュータに、前記プレイヤキャラクタと前記敵キャラクタとのバトルを制御するバトル制御処理を実行させ、前記バトル制御処理では、一回のバトルの継続中に第一のバトルモードと第二のバトルモードを切り替えるバトルモード切り替え処理を実行させ、前記第一のバトルモードの戦闘結果と前記第二のバトルモードの戦闘結果を総合判断することにより当該バトルの勝敗を判断する処理を実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、1回のバトル中に異なる複数のバトルモードに切り替えてバトル制御を行うことが可能となり、戦闘場面におけるプレイヤキャラクタの行動パターンを多様化させ、戦闘内容にバリエーションを持たせたバトル制御を行うことが可能なビデオゲームを提供することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0020】
図1は、本発明の一実施の形態を示すビデオゲーム処理装置100の構成例を示すブロック図である。図1に示すように、ビデオゲーム処理装置100は、ゲームプログラム読み取り部10、制御部11、記憶部12、表示部13、音声出力部14、およびプレイヤ操作受付部15を含む。
【0021】
ゲームプログラム読み取り部10は、ゲームプログラムが格納された記憶媒体を内蔵するゲームカートリッジ20を着脱可能に受け付ける。ゲームプログラム読み取り部10は、挿入されたゲームカートリッジ20の記憶媒体から必要なゲームプログラムを読み出す。なお、この実施形態では、ゲームカートリッジ20に内蔵される記憶媒体には、RPGに分類されるビデオゲームプログラムが記憶されているものとする。なお、戦闘場面において、プレイヤキャラクタの魔法(召喚魔法)によって味方キャラクタとして召喚される精霊や魔物を示す召喚獣(幻獣、ガーディアンフォースなどと呼ばれる場合もある)を登場させるようなゲームであれば、どのようなゲームであってもよい。
【0022】
制御部11は、ゲームプログラム読み取り部10により読み取られたゲームプログラムを実行し、プレイヤの操作に応じてビデオゲームを進行するための各種の制御を実行する機能を有する。
【0023】
記憶部12は、ビデオゲームを進行する際に必要なゲームプログラムや各種のデータを記憶する記憶媒体である。記憶部12は、例えばRAMなどの不揮発性のメモリによって構成される。記憶部12には、ゲームの進行に従って登録・更新される各種の情報や、ゲームカートリッジ20に内蔵される記憶媒体から読み出されたゲームにおいて使用される各種の情報が格納される。本例では、記憶部12には、SP初期値管理テーブル12aと、召喚獣情報管理テーブル12bと、SP・DP値管理テーブル12cと、必殺技管理テーブル12dとが格納される。
【0024】
表示部13は、制御部11の制御に従って、ゲーム進行やプレイヤ操作に応じたゲーム画面を表示する表示装置である。表示部13は、例えば、液晶表示装置によって構成される。
【0025】
音声出力部14は、制御部11の制御に従って、ゲーム進行やプレイヤ操作に応じて音声を出力する。プレイヤ操作受付部15は、複数のボタンやマウスなどによって構成されるコントローラからのプレイヤ操作に応じた操作信号を受け付け、その結果を制御部11に通知する。
【0026】
本例のビデオゲーム処理装置100では、ゲームカートリッジ20からゲームプログラムを読み取る方式が採用されている。しかし、ビデオゲーム処理装置100は、例えば、ゲームを配信するゲームサーバから無線または有線でゲームプログラムをダウンロードするように構成してもよい。
【0027】
図2は、SP初期値管理テーブルに格納された各召喚獣毎のSP(Summon Points:召喚ポイント)値の初期値を示すSP初期値情報の例を示す説明図である。「SP値」は、召喚獣が戦闘場面において戦闘フィールドに滞在していられるためのエネルギーもしくは滞在残り時間を示す値である。このSP値は、対応する召喚獣が召喚により戦闘フィールドに登場したときに初期値に設定され、時間経過に従って減少していくものとする。また、本例では、SP値は、対応する召喚獣が敵キャラクタからの攻撃などによってダメージを受けた場合、時間経過に従ったSP値の減少に加えて、ダメージの大きさに合わせて減少するものとする。そして、SP値が0になると、召喚獣は戦闘フィールドから消去される。なお、SP値は、プレイヤキャラクタが敵キャラクタからの攻撃などによってダメージを受けた場合に減少する構成としてもよい。
【0028】
図2に示すように、SP初期値情報は、ビデオゲームにおいて登場可能な各召喚獣X,Y,Z毎に、SP初期値と、召喚したプレイヤキャラクタのレベル(プレイヤキャラクタの成長度を示すものであり、ゲームにおける経験度を示す経験値が蓄積されることによって増加していく)の値とが対応付けされた情報である。本例では、SP初期値は、召喚したプレイヤキャラクタのレベルに応じて異なる値となる。なお、SP初期値は、プレイヤキャラクタのレベルにかかわらず同じ値であるものとしてもよい。
【0029】
図3は、召喚獣情報管理テーブル12bに格納された召喚獣に関する情報を示す召喚獣情報の例を示す説明図である。召喚獣情報は、召喚獣の名称と、該当する召喚獣を一意に特定するためのIDと、該当する召喚獣におけるドライブモード時の変形(変身であってもよい。以下同じ。)状態のキャラクタを示すドライブモード時キャラクタと、該当する召喚獣の登場演出を行うために実行される登場演出プログラムと、該当する召喚獣の退場演出を行うために実行される退場演出プログラムと、該当する召喚獣が登場したあとドライブモードに移行するときに実行されるドライブモード移行演出プログラムと、該当する召喚獣がプレイヤキャラクタを乗せている状態でのみ実行可能な必殺技の名称と、その必殺技を実行するために必要な残存タイム(具体的には、後述するドライブモードタイムの残存タイム)を示す必要残存タイムとが対応付けされた情報である。
【0030】
本例では、戦闘場面(戦闘モード)において、召喚獣を召喚してバトルを展開する際に、召喚獣に戦闘のサポートを受けながら、一般的なRPGの戦闘場面と同様にコマンドの選択によってバトルが展開される場面を「ノーマルモード」と呼び、プレイヤキャラクタが召喚した召喚獣を何らかの乗り物(馬なども含む)に似た形状に変形させ、変形した召喚獣にプレイヤキャラクタが乗り込んで操縦(ドライブ)し、敵キャラクタに体当たり(この場合、例えば現在位置座標に基づく衝突判定により衝突したか否かを判定する)などすることによって攻撃が実行されることによりバトルが展開される場面を「ドライブモード」と呼ぶ。召喚獣がどのように変形するかについては、召喚獣ごとに、変形後の形態や変形時の演出などが、召喚獣情報管理テーブル12bに予め設定されているものとする。
【0031】
本例では、図3に示すように、各召喚獣X,Y,Zは、それぞれ、馬、バイク(自動二輪車)、オープンカー(自動車)の形状を成すドライブモード時キャラクタに変形される。
【0032】
次に、本例のビデオゲーム処理装置100の動作について説明する。
図4は、ビデオゲーム処理装置100が実行するバトル処理の例を示すフローチャートである。バトル処理は、例えば、ビデオゲームにおいて移動フィールドを移動しているプレイヤキャラクタPCが敵キャラクタに遭遇したことによって、戦闘場面に移行したときに開始される。ここでは、プレイヤキャラクタPCと敵キャラクタNPC1〜NPC3との戦闘場面において、プレイヤキャラクタPCの召喚魔法によって召喚獣Xが召喚されてノーマルモードに移行したあと、ドライブモードに移行される場合の処理を例に説明する。なお、本発明に関係しない処理については、その内容を省略している場合がある。
【0033】
バトル処理において、制御部11は、先ず、バトル制御を実行する(ステップS101)。バトル制御では、プレイヤからのコマンド入力を受け付け、受け付けたコマンドに応じた行動(攻撃、防御、回避、回復など)をプレイヤキャラクタPCに実行させるための制御や、敵キャラクタNPC1〜NPC3を所定のゲームプログラムに従って行動させるための制御や、プレイヤキャラクタPCや敵キャラクタNPC1〜NPC3の行動内容あるいは行動結果に応じてステータス(例えば、各キャラクタのHP(ヒットポイント:生命値)、MP(マジックポイント)、経験値など)を更新する制御などが実行される。
【0034】
図5は、バトル制御が実行されているときに表示部13に表示されるバトル画面の例を示す説明図である。バトル制御が実行されているときのバトル画面には、例えば図5に示すように、プレイヤキャラクタPCと、戦闘相手となる敵キャラクタNPC1〜NPC3と、プレイヤキャラクタPCのHPを表示するHPゲージ101と、プレイヤキャラクタPCが獲得しているTP(召喚獣を呼び出すために蓄積されているポイント。TPは、ゲーム中に獲得できるようにしてあれば、特定の敵キャラクタを倒したときなど、どのような原因によって獲得されるようにしてもよい。)を表示するTPゲージ102と、プレイヤPによって操作されるカーソルKとが表示される他、選択可能なコマンドを表示するコマンド表示領域103が設けられる。ここでは、コマンド表示領域103に、「たたかう」、「にげる」、及び「召喚する」の3つのコマンドが表示されている。すなわち、プレイヤキャラクタは戦闘場面において、いつでも自由に召喚獣を召喚できるのではなく、TP値が予め設定された所定の値を上回らない限り召喚できないこととする。従って、TP値が所定値未満の場合は、コマンド表示領域103においてプレイヤが「召喚する」を選択しても無効になるか、もしくはTP値が設定値に満たない間は、コマンド表示領域103に「召喚する」のコマンドを表示させないか、コマンドの選択が無効であることがプレイヤに分かり易いように、「召喚する」の表示をグレーアウトする等して、他のコマンドと区別して表示するようにしてもよい。
【0035】
制御部11は、バトル制御を実行しているときに、プレイヤPによるコントローラの操作により召喚獣Xを召喚するための召喚獣呼出指定のコマンド(例えば、図5に示されている「召喚する」のコマンド)が選択されたことを受け付けると(ステップS102のY)、召喚獣Xの呼出条件が成立しているか否かを判断する(ステップS103)。召喚獣Xの呼出条件は、本例では、TP値が所定値以上蓄積されているときに成立するものとする。
【0036】
召喚獣Xの呼出条件が成立していると判定した場合には、制御部11は、召喚獣情報管理テーブル12bに格納されている召喚獣Xの登場演出プログラムに従って、召喚獣Xの登場演出を実行する(ステップS104)。ステップS104では、例えば、召喚獣Xが登場してくる様子を表示部13のバトル画面に表示するとともに、その効果音を音声出力部14から音声出力する処理が実行される。
【0037】
次に、制御部11は、SP初期値管理テーブル12aを参照して、召喚獣Xを召喚したプレイヤキャラクタPCの現在のレベルに対応付けされている召喚獣XのSP初期値を特定し、特定したSP初期値を使用するSP値の初期値に決定する(ステップS105)。本例においては、決定されたSP値と後述するDP値は、SP・DP値管理テーブル12cにより管理される。SP・DP値管理テーブル12cについては後で詳しく説明する。
【0038】
また、制御部11は、ドライブ値の初期値を決定する(ステップS106)。本例では、ドライブ値の初期値は、例えば召喚した召喚獣毎にあらかじめ定められているものとする。「ドライブ値:DP値」は、ノーマルモードにおいて戦闘内容(例えば、プレイヤキャラクタの攻撃ヒット回数、倒した敵キャラクタの数、攻撃により低下させた敵キャラクタのHP値、アイテム取得など)に応じて増加させることが可能なポイントであり、プレイヤキャラクタの戦闘内容が良ければ良いほど大きく増加する。本例では、ノーマルモードにおいてより多くのDPを獲得することにより、より長時間ドライブモードを維持することが可能になることとする。具体的には、ドライブモードを維持可能な残り時間を示すドライブモードタイムの初期値を算出する際に、あらかじめ定められている基本時間(ドライブモード基準値が示す時間)に加算されるボーナス時間を定めるためのポイントとして用いられる。従って、ノーマルモードにおいて、より多くのDPを獲得することで、より長い時間ドライブモードを維持させることが可能となる。
【0039】
次いで、制御部11は、召喚獣ノーマルモードバトル制御を実行する(ステップS107)。召喚獣ノーマルモードバトル制御では、プレイヤからのコマンド入力を受け付け、受け付けたコマンドに応じた行動(攻撃、防御、回避、回復など)をプレイヤキャラクタPCに実行させるための制御や、敵キャラクタNPC1〜NPC3を所定のゲームプログラムに従って行動させるための制御や、登場している召喚獣Xを所定のゲームプログラムに従って行動させるための制御や、プレイヤキャラクタPC、登場している召喚獣X、及び敵キャラクタNPC1〜NPC3の行動内容あるいは行動結果に応じてステータス(例えば、各キャラクタのHP、MP、経験値など)を更新する制御などが実行される。
【0040】
図6は、召喚獣ノーマルモードバトル制御が実行されているときに表示部13に表示されるバトル画面の例を示す説明図である。召喚獣ノーマルモードバトル制御が実行されているときのバトル画面には、例えば図6に示すように、プレイヤの操作対象となるプレイヤキャラクタPCと、敵キャラクタNPC1〜NPC3と、登場している召喚獣SC(本例では召喚獣X)と、プレイヤキャラクタPCのHP値を表示するHPゲージ101と、SP値を表示するSPゲージ104と、DP値を表示するDPゲージ105と、プレイヤPによって操作されるカーソルKとが表示される他、選択可能なコマンドを表示するコマンド表示領域106が設けられる。なお、SPゲージ104およびDPゲージ105は、バトル中に召喚獣の召喚に伴いノーマルモードが開始される際に、召喚獣の表示開始とともに表示が開始される。ここでは、コマンド表示領域106に、「たたかう」、「召喚獣を返す」、及び「ドライブモードに移行する」の3つのコマンドが表示されている。
【0041】
制御部11は、召喚獣ノーマルモードバトル制御を実行しているときには、その制御内容(例えば、プレイヤキャラクタPCの攻撃ヒット回数、倒した敵キャラクタの数、攻撃により低下させた敵キャラクタのHP値、アイテム取得など)に応じてドライブ値(DP値)を加算し(ステップS108)、時間経過および敵キャラクタから召喚獣Xが受けたダメージの大きさに従ってSP値を減算していく処理を行う(ステップS109)。ステップS108でのドライブ値を加算するための条件については、上記の例にとどまらず、様々なものがあってもよい。
【0042】
そして、制御部11は、ステップS109にて減算したあとのSP値が0でなく(ステップS110のN)、ドライブモード移行指定のコマンドの選択を受け付けていなければ(ステップS111のN)、ステップS107の処理に戻る。
【0043】
ステップS107〜ステップS111を繰り返し実行することによって、制御部11は、召喚獣ノーマルモードバトル制御を実行しているときに、加算条件が成立する毎にドライブ値を加算していき、減算条件が成立する毎および時間経過に従ってSP値を減算していく処理を実行することになる。
【0044】
SP値が0となる前にドライブモード移行指定のコマンド(例えば、図6に示されている「ドライブモードに移行する」のコマンド)の選択を受け付けた場合には(ステップS111のY)、制御部11は、ステップS113の処理に移行する。すなわち、本例では、プレイヤPは、コントローラを操作して、SP値が0となる前にドライブモード移行指定のコマンドを選択することにより、ノーマルモードからドライブモードに移行させることが可能となる。
【0045】
ノーマルモードであるときにSP値が0となった場合には(ステップS110のY)、制御部11は、召喚獣管理テーブル12bに格納されている召喚獣Xの退場演出プログラムに従って、召喚獣Xの退場演出を実行する(ステップS112)。ステップS112では、例えば、制御部11は、召喚獣Xが退場していく様子を表示部13のバトル画面に表示するとともに、その効果音を音声出力部14から音声出力する処理を実行する。召喚獣Xの退場演出を終えると、制御部11は、ステップS101に移行する。
【0046】
本例では、SP値が0になる直前にドライブモード移行指定のコマンドの選択を受け付けた場合には(ステップS111のY)、制御部11は、それまでに蓄積されているドライブ値に相当する時間分だけドライブモードを実行する。すなわち、減少されていくSP値が0になる前にドライブモード移行指定のコマンドを選択することによって、たとえSP値が残り僅かとなっていても召喚獣Xを退場させることなくノーマルモードからドライブモードに移行することが可能となる。
【0047】
ステップS113では、制御部11は、あらかじめ定められているドライブモード基準値と、ノーマルモードにおいて蓄積されたドライブ値との和を示す値をドライブモードタイムの初期値に決定する。そして、制御部11は、召喚獣情報管理テーブル12bに格納されている召喚獣Xのドライブモード移行演出プログラムに従って、召喚獣Xについてのドライブモード移行演出を実行する(ステップS114)。ステップS114では、例えば、召喚獣Xがドライブモード時キャラクタである「馬」に変形していく様子を表示部13のバトル画面に表示するとともに、その効果音を音声出力部14から音声出力する処理が実行される。
【0048】
次いで、制御部11は、召喚獣ドライブモードバトル制御を実行する(ステップS115)。召喚獣ドライブモードバトル制御では、プレイヤからのコマンド入力を受け付け、敵キャラクタNPC1〜NPC3を所定のゲームプログラムに従って行動させるための制御や、ドライブモード時キャラクタである移動体に変形した召喚獣Xに乗っているプレイヤキャラクタPCをプレイヤPの操作に応じて行動させるための制御や、プレイヤキャラクタPC、プレイヤキャラクタPCが乗った召喚獣X、及び敵キャラクタNPC1〜NPC3の行動内容あるいは行動結果に応じてステータス(例えば、ドライブモードタイムの計測値、各キャラクタのHP、MP、経験値など)を更新する制御などが実行される。
【0049】
図7は、ステップS114において実行された召喚獣ドライブモード移行演出が終了し、召喚獣ドライブモードバトル制御が開始されたときに表示部13に表示されるバトル画面の例を示す説明図である。この場合におけるバトル画面には、例えば図7に示すように、敵キャラクタNPC1〜NPC3と、ドライブモード時キャラクタである移動体に変形している召喚獣SC(本例では召喚獣X)と、召喚獣SCに乗ったプレイヤキャラクタPCと、プレイヤキャラクタPCのHP値を表示するHPゲージ101と、ドライブモードタイムの残存値を表示するドライブモードタイムゲージ107と、プレイヤPによって操作されるカーソルKとが表示される他、選択可能なコマンドを表示するコマンド表示領域108が設けられる。ここでは、コマンド表示領域108に、「ドライブをやめる」、及び「必殺技A」、「必殺技B」の3つのコマンドが表示されている。
【0050】
なお、ドライブモードでは、アクションゲームのように各キャラクタの位置情報が重要となる。従って、ノーマルモード時に各敵キャラクタおよびプレイヤキャラクタがゲーム内の仮想三次元空間上の位置情報(位置座標)を与えられている場合は、制御部11は、当該位置情報をドライブモードに移行する際も継承する処理を行う構成としてもよい。また、ノーマルモード時に、特にターン制(敵キャラクタとプレイヤキャラクタが順番にコマンドを決定してバトルを進行させる方法)をとるRPGで頻繁に見られるように、敵キャラクタとプレイヤキャラクタがそれぞれ一列に並んで向かい合うような表示がされているような場合は、制御部11は、ドライブモード開始時にそれぞれのキャラクタに適当な位置情報を与え、全てのキャラクタが仮想三次元空間上に違和感なく配置されるようにするための処理を行う構成としてもよい。
【0051】
コマンド表示領域108に表示されているコマンドのうち召喚獣ドライブ終了のコマンド(例えば「ドライブをやめる」)の選択を受け付けた場合には(ステップS116のY)、制御部11は、ステップS107に移行する。このとき、制御部11は、ドライブモードを終了しノーマルモードに戻す制御を行う。このとき、制御部11は、SP・DP値管理テーブル12cに格納されたポイント情報に関して、SP値はドライブモードに移行する直前のものを採用し、DP値については、初期値に設定する。なお、ドライブモード終了演出をこの間に表示する構成としてもよい。また、ノーマルモード復帰時のSP値を初期値に設定したりする構成としてもよい。図8は、SP・DP値管理テーブル12cにおけるポイント情報の格納状態の例を示す説明図である。図8に示すように、ポイント情報は、召喚されてバトル画面に表示されている召喚獣の名称と、SP値と、DP値とが対応付けされた情報である。
【0052】
一方、「ドライブモードをやめる」以外のコマンドの選択を受け付けると(ステップS116のN)、制御部11は、必殺技管理テーブル12dを参照し、選択されたコマンドに基づいて攻撃有効範囲を決定する処理を行う。図9は、必殺技の概要を説明するためのバトル画面の例を示す説明図である。制御部11は、「必殺技A」の選択を受け付けると、図9(a)に示すように、必殺技の種類に応じた攻撃有効範囲を確認する。領域Mは、コマンド「必殺技A」を選択した際の攻撃有効範囲を表すものであり、ここでは説明しやすいように図示しているが、実際にはこの領域Mはバトル画面には表示されず、あくまでも内部的に処理されるものである。一方、図9(b)に表示される半球状の領域Nは、制御部11がコマンド「必殺技B」の選択を受け付けた際の攻撃有効範囲を表すものであり、これも領域Mと同様、バトル画面には表示しないものであるとする。
【0053】
図9(a)と図9(b)を比較すると分かるように、ドライブモードではどのコマンドを選択するかによってプレイヤキャラクタPCが敵キャラクタNPC1〜3に対して行う攻撃の有効範囲が異なる。そのため、プレイヤがどのコマンドを選択するか迷った際の助けとなるように、制御部11が各コマンドにカーソルが合わされたことを認識すると、コマンドの内容について「広い範囲の敵にダメージを与えることが可能」や、「攻撃範囲は小さいが大きなダメージを与えることが可能」といったような説明を表示するような構成としてもよい。
【0054】
図10は、必殺技管理テーブル12dにおける必殺技情報の格納状態の例を示す説明図である。図10に示すように、必殺技情報は、必殺技の種類と、攻撃有効範囲と、相手に与えるダメージと、必要残存タイムとが対応付けされた情報である。
【0055】
次に、制御部11は、攻撃対象キャラクタの選択を受け付ける。なお、バトル画面に敵キャラクタが一体しか表示されていない場合はこの処理はスキップする構成としてもよい。本例では敵キャラクタNPC2を攻撃対象として選択したとして説明を行う。
【0056】
攻撃対象となる敵キャラクタの選択を受け付けると、制御部11は、指定されたコマンドに合わせた必殺技を実行するための処理を行う。本例においては、制御部11は、バトル画面上に、攻撃対象である敵キャラクタNPC2に向かって、プレイヤキャラクタPCが、召喚獣Xが変形したことによって形成された移動体に乗って突進する様子を表示するための処理を行う。なお、必殺技の種類に応じて演出を異ならせるようにするために、必殺技管理テーブル12dに複数の必殺技演出プログラムが格納された構成としてもよい。
【0057】
ここで、必殺技を実行するための処理について説明する。先ず、制御部11は、プレイヤキャラクタPCを、必殺技による攻撃開始時に存在した位置から敵キャラクタNPC2の存在する位置(例えば仮想空間内における所定座標位置)まで、攻撃有効範囲を維持したまま移動する処理を行う。すなわち、この移動経路上で攻撃有効範囲内に存在する敵キャラクタNPCが存在する場合は、それらの敵キャラクタNPCに対してもダメージが与えられることとする。このとき、攻撃有効範囲を複数レイヤーに分けて管理し、例えば図9(a)の場合であれば、「攻撃有効範囲の中心から半径xメートル内であれば100ポイント、それより外側であれば30ポイントのダメージを攻撃対象キャラクタに対して与えることができる」というように設定された構成としてもよい。なお、図9(a)においては領域MとM’間が、図9(b)においては領域NとN’間が攻撃有効範囲の移動経路となる。よって、図9(a)においては、攻撃対象として選択された敵キャラクタNPC2のみダメージが算出され、図9(b)においては攻撃対象として選択された敵キャラクタNPC2だけでなく、移動経路上に位置した敵キャラクタNPC1とNPC3に対してもダメージが算出される。
【0058】
また、本例においては、ドライブモード開始とともに、ドライブモードタイムは時間の経過に従って減少することとしているが、どのコマンドを選択するかによってドライモードタイムの経過時間に対する減算値に変化を与えるようにしてもよい。
【0059】
プレイヤキャラクタPCの位置が攻撃対象となる敵キャラクタNPC2の位置に到達すると、制御部11は、敵キャラクタNPC3および移動経路上に位置した敵キャラクタNPCに与えるダメージを算出し、敵キャラクタNPCのHPから減算する。次に、制御部11は、プレイヤキャラクタPCを必殺技実行選択時に存在した位置に移動し、新たにプレイヤによるコマンド選択を受け付ける。なお、新たなコマンド選択の受け付けをNPC2の位置からスタートするような構成としてもよい。このような場合は、プレイヤが選択するコマンドの内容や、次の攻撃対象キャラクタの位置等に合わせて仮想カメラの位置を調整し、プレイヤキャラクタPCの後方から攻撃対象となる敵キャラクタNPCの方向に向けて仮想カメラをセットすることが理想的である。
【0060】
ドライブモードで使用可能となるコマンドについては、ノーマルモードで使用されるコマンドとは別に図10に示すように専用の管理テーブル(必殺技管理テーブル12d)を用意し、コマンド名、攻撃有効範囲、相手に与えるダメージの大きさ、必要残存タイム等を規定するようにすることが望ましい。
【0061】
なお、ステップS117では、制御部11は、召喚獣ドライブモードバトル制御を実行しているときに、ドライブモードタイムがタイムアップしたか否かを監視する。ドライブモードタイムが未だタイムアップしていない場合には(ステップS117のN)、制御部11は、召喚獣ドライブモードバトル制御を継続する。一方、ドライブモードタイムがタイムアップした場合には(ステップS117のY)、制御部11は、ステップS112に移行して召喚獣退場演出を実行する。なお、ステップS112への移行条件に、必殺技による攻撃の演出が完了したことを含めるようにしてもよい。
【0062】
このようにして、ドライブモードは、ドライブモードタイムが0になるまで、すなわちドライブモードゲージ107が0になるまでは、プレイヤが「ドライブモードを終了する」コマンドを選択しない限り継続され(ステップ117のN)、ドライブモードゲージが0になると(ステップ117のY)召喚獣の退出演出が行われる(ステップS112)。
【0063】
上記のようにして、戦闘場面の制御が開始されたあと、召喚獣が召喚されたことに応じてノーマルモードに移行し、ノーマルモードにおいてプレイヤにより召喚獣ドライブ指定のコマンドが選択されたときにドライブモードへの移行条件が成立していれば、ノーマルモードからドライブモードに移行し、召喚獣ドライブモードバトル制御が実行される。
【0064】
なお、図示しないが、ステップS101からステップS116までの何れかのタイミングで全ての敵キャラクタNPC1〜NPC3が戦闘不能状態(HPが0になった状態)となった時点で、制御部11は、全てのバトル処理を中断し、勝利演出を実行するとともに戦闘場面を終了させる。逆に、ステップS101からS116までの何れかのタイミングで全てのプレイヤキャラクタが戦闘不能状態となった場合は、全てのバトル処理を中断して敗北演出を実行し、コンティニュー画面を表示するなどの処理を行うこととする。
【0065】
また、上述の実施例では、通常ターン制などのコマンド入力形式で進められるRPGのバトルにおいて、特定の条件を満たすことにより、コマンド入力形式とはまったく異なる形式のバトル形式(バトルモード)に切替えが行われる場合について具体的に説明したが、本例以外にもRPG以外のゲームにおいても勿論応用することが可能である。
【0066】
例えば、カーレーシングゲームの途中でシューティングに切替ったり、格闘ゲームの途中で早押しクイズに切替ったり、将棋ゲームの途中でモグラ叩きゲームに切替ったりするようにしてもよい。すなわち、他のキャラクタとの戦闘や対戦を含むゲームであればどのようなものにも応用が可能であり、特定の条件を満たすことによって、それまでのバトル(対戦)システム(バトルモード)が一時的にまったく異なるバトル(対戦)システム(バトルモード)に切替え可能となることによって、一回のバトル内に二種類のまったく異なるタイプのゲームを楽しむことが可能となると同時に、バトル内容が変化に富んだものとなるため、バトルに対してプレイヤが興味を失うことを防ぐことが可能となる。
【0067】
以上に説明したように、上述した一実施の形態では、プレイヤが操作するプレイヤキャラクタをゲーム画面に表示し、敵キャラクタとのバトルを含むビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置100が、プレイヤキャラクタと敵キャラクタとのバトルを制御し、一回のバトルの継続中に第一のバトルモード(ノーマルモード)と第二のバトルモード(ドライブモード)を切り替える処理を行い、第一のバトルモードの戦闘結果と第二のバトルモードの戦闘結果を総合判断することによりそのバトルの勝敗を判断する構成としているので、1回のバトル中に異なる複数のバトルモードに切り替えてバトル制御を行うことが可能となり、戦闘場面におけるプレイヤキャラクタの行動パターンを多様化させ、戦闘内容にバリエーションを持たせたバトル制御を行うことが可能なビデオゲームを提供することができるようになる。
【0068】
また、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100が、第一のバトルモードはプレイヤがプレイヤキャラクタの行動内容について逐次行動コマンドを設定することによって進行し、第二のバトルモードは、プレイヤがプレイヤキャラクタを敵キャラクタに向かって移動させ、敵キャラクタに前記プレイヤキャラクタをぶつける(体当たりする)ことによって攻撃を行うことにより進行する構成としているので、一回のバトル内に二種類のまったく異なるタイプのゲームを楽しむことが可能となり、バトル内容を変化に富んだものとすることができるようになる。
【0069】
なお、上述した実施の形態では、SP値が0になるまではいつでもプレイヤの判断によってドライブモードに移行可能な構成としていたが、例えば、何らかのポイント(例えばドライブ値)が所定値に達した場合にドライブモードに移行可能となる構成としてもよい。また、ドライブモードタイムがタイムアップした場合に、召喚獣を退場させることなくノーマルモードに戻る構成としてもよい。すなわち、ビデオゲーム処理装置100が、第一のバトルモードにおいてプレイヤが予め規定されたバトルモード切り替え条件をクリアしたと判断した際(例えばドライブ値が所定値に達したとき)に、第二のバトルモードへの切り替え指示(例えばドライブモード移行指定)を受け付け可能とし、プレイヤからの第二のバトルモードへの切り替え指示を受け付けたことにより第二のバトルモードが開始されると、予め規定された第二バトルモード終了条件が満たされるまで(例えばドライブモードタイムがタイムアップするまで)第二のバトルモードを継続させ、第二バトルモード終了条件が満たされたと判断した場合には、第二のバトルモードを終了させ、第一のバトルモードに切り替える構成としてもよい。このように構成した場合には、一回のバトル内に二種類のまったく異なるタイプのゲームを関連性を持たせて楽しむことが可能となる。
【0070】
上述した実施の形態では、第二バトルモード終了条件は、第二のバトルモードが開始されてからの経過時間が一定時間に達したこと(ドライブモードタイムがタイムアップしたこと)としているが、第二のバトルモードにおいてプレイヤキャラクタが消費した第二のポイントが予め設定された値に到達したことであるものとしてもよい。
【0071】
また、上述した実施の形態では、第一のバトルモードにおいて獲得したポイント(ドライブ値)が多いほど、第二のバトルモードの継続可能時間(ドライブモードタイム)を長くできるように、第二バトルモード終了条件を設定する構成としているので、一回のバトル内に二種類のまったく異なるタイプのゲームを関連性を持たせて楽しむことが可能となる。
【0072】
また、以上に説明したように、上述した一実施の形態では、プレイヤが操作するプレイヤキャラクタをゲーム画面に表示してビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置100が、プレイヤキャラクタPCと敵キャラクタNPC1〜NPC3との戦闘を制御し(ステップS101)、プレイヤキャラクタPCと敵キャラクタNPC1〜NPC3との戦闘場面において、プレイヤの操作による召喚キャラクタ呼出指定(召喚獣呼出指定)を受け付けたことに応じて(ステップS102のY)、プレイヤキャラクタPCが召喚可能な召喚キャラクタ(召喚獣X)をゲーム画面に表示されている戦闘場面に登場させ(ステップS104)、戦闘場面に登場された召喚キャラクタを含む各キャラクタの戦闘場面であるノーマルモードでの戦闘を制御し(ステップS107〜ステップS111)、召喚キャラクタが登場している戦闘場面において、プレイヤの操作による召喚キャラクタドライブ指定(ドライブモード移行指定)を受け付けたことに応じて(ステップS111のY)、ゲーム画面に表示されている召喚キャラクタを変形させてプレイヤキャラクタPCを乗せることが可能な移動体とし(ステップS114)、移動体に変形された召喚キャラクタを含む各キャラクタの戦闘場面であるドライブモードでの戦闘を制御し(ステップS115)、この制御において、移動体に変形された召喚キャラクタに乗ったプレイヤキャラクタPCと敵キャラクタNPC1〜NPC3との戦闘を制御する(ステップS115)構成としたので、戦闘場面におけるプレイヤキャラクタの行動パターンを多様化させ、戦闘内容にバリエーションを持たせたバトル制御を行うことが可能なビデオゲームを提供することができるようになる。
【0073】
すなわち、召喚キャラクタが登場している戦闘場面において、プレイヤの操作による召喚キャラクタドライブ指定(ドライブモード移行指定)を受け付けたことに応じて(ステップS111のY)、ゲーム画面に表示されている召喚キャラクタを変形させてプレイヤキャラクタPCを乗せることが可能な移動体とし(ステップS114)、移動体に変形された召喚キャラクタを含む各キャラクタの戦闘場面であるドライブモードでの戦闘を制御し(ステップS115)、この制御において、移動体に変形された召喚キャラクタに乗ったプレイヤキャラクタPCと敵キャラクタNPC1〜NPC3との戦闘を制御する(ステップS115)構成としたので、プレイヤキャラクタが召喚キャラクタ(召喚獣)に乗って攻撃などを行うための制御を行うことが可能となり、戦闘場面におけるプレイヤキャラクタの行動パターンを多様化させることができるようになる。よって、戦闘内容にバリエーションを持たせたバトル制御を行うことが可能なビデオゲームを提供することができるようになるのである。
【0074】
また、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100が、ドライブモードでの制御を開始するときに設定したドライブモードタイムが経過したときに、ドライブモードでの制御を終了し、ドライブモードでの制御が終了したこと応じて、召喚キャラクタをゲーム画面に表示されている戦闘場面から退場させる処理を行う構成としているので、限られた時間だけドライブモードでの制御を行うことが可能となり、ドライブモードで制御されていることの価値を高めることができるようになる。
【0075】
また、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100が、ノーマルモードでの戦闘におけるプレイヤキャラクタの行動内容に応じて、ドライブモードタイムの決定基準として用いられるドライブポイント(DP値)を付与し、ノーマルモードでの戦闘において蓄積されたドライブポイントを用いてドライブモードタイムを決定し、決定したドライブモードタイムを設定する構成としているので、ドライブモードでの制御時間をより長くするために、ノーマルモードで制御されているときに如何にしてドライブポイントを獲得するかという新たな面白味をプレイヤに与えることができるようになる。
【0076】
また、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100が、ノーマルモードでの戦闘において蓄積されたドライブポイント(DP値)と、あらかじめ定められた基本ポイント(ドライブモード基準値)とを加算したポイントに応じてドライブモードタイムを決定する構成としているので、ドライブポイントが0であっても基本ポイント分のドライブモードタイムを設定することができるようになり、ドライブモードが極めて短時間で終了されてしまうことを回避することが可能となる。
【0077】
また、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100が、ノーマルモードでの制御を開始するときに、ノーマルモードにおける戦闘の戦闘場面に登場される召喚キャラクタがその戦闘場面での滞在を継続するために必要な召喚キャラクタ滞在継続ポイント(SP値)を設定し、ノーマルモードでの制御が開始されたあと、召喚キャラクタ滞在継続ポイントを時間経過に従って減算し、減算されたことにより召喚キャラクタ滞在継続ポイントが0になったことに基づいて、ノーマルモードでの制御を終了する構成とし、ノーマルモードでの制御が終了したこと応じて、召喚キャラクタをゲーム画面に表示されている戦闘場面から退場させる構成としたので、限られた時間だけノーマルモードでの制御を行うことが可能となり、その限られた時間中にドライブポイントを如何にして多く獲得するかという新たな面白味をプレイヤに与えることができるようになる。
【0078】
また、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100が、移動体に変形された召喚キャラクタにプレイヤキャラクタが乗っているときにプレイヤの操作による特別攻撃実行指定(必殺技の発動指定)を受け付けたことに応じて、移動体に変形された召喚キャラクタにプレイヤキャラクタが乗っているときにのみ実行可能な特別攻撃(必殺技による攻撃)を実行する構成としているので、戦闘場面におけるプレイヤキャラクタの行動パターンを多様化させることができる。
【0079】
なお、上述した実施の形態では、ゲーム画面に表示されている召喚キャラクタを変形させて、自動二輪車、自動車、または馬とするようにしていたが、プレイヤキャラクタを乗せることが可能な移動体であればどのようなものであってもよい。
【0080】
なお、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100がゲームカートリッジ20から読み取ったゲームプログラムに基づいて上述したバトル処理などの各種の処理を実行する構成としていたが、ビデオゲーム処理装置100がゲームサーバとして機能し、通信ネットワークを介してゲームプログラムをゲーム端末に提供するようにしてもよい。
【0081】
また、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100は、自己が備える記憶装置(記憶部12)に記憶されている制御プログラム(ビデオゲーム処理プログラム)に従って、上述した各種の処理を実行する。
【0082】
なお、上述した実施の形態の変形例として、例えば、SP値が0となったあとであっても、所定の期間内にドライブモード移行指定のコマンドを選択することによって、召喚獣Xを退場させることなくノーマルモードからドライブモードに移行することが可能となるようにしてもよい。例えば、SP値が0となったときにドライブ値の減算処理を開始し、ドライブ値が0になる前にドライブモード移行指定のコマンドを選択することによって、ノーマルモードからドライブモードに移行するようにすればよい。
【0083】
この場合、例えば図11に示すように、上述したバトル処理(図4参照)の一部を変更した構成とすればよい。以下、この場合のビデオゲーム処理装置100の動作の例を説明する。
【0084】
図11は、ビデオゲーム処理装置100が実行するバトル処理の例を示すフローチャートであり、図4のフローチャートのステップS110のYとステップS112の間にステップS201〜S203を加えたものである。本例において、ノーマルモードであるときにSP値が0となった場合には(ステップS110のY)、制御部11は、蓄積されているドライブ値を減算し(ステップS201)、減算したあとのドライブ値が0でなく(ステップS202のN)、ドライブモード移行指定のコマンドの選択を受け付けていなければ(ステップS203のN)、ステップS201の処理に戻る。
【0085】
ステップS201〜ステップS203を繰り返し実行することによって、制御部11は、SP値が0となったことを受けてドライブ値を強制的に減算していく処理を実行することになる。
【0086】
減算されたことによりドライブ値が0になった場合には(ステップS202のY)、制御部11は、召喚獣情報管理テーブル12bに格納されている召喚獣Xの退場演出プログラムに従って、召喚獣Xの退場演出を実行する(ステップS112)。召喚獣Xの退場演出を終えると、ステップS101に移行する。
【0087】
本例では、SP値が0となった場合であってもドライブ値が0になる前にドライブモード移行指定のコマンドの選択を受け付けた場合には(ステップS203のY)、制御部11は、ステップS113の処理に移行する。すなわち、本例では、SP値が0となったあとであっても、減少されていくドライブ値が0になる前にドライブモード移行指定のコマンドを選択することによって、召喚獣Xを退場させることなくノーマルモードからドライブモードに移行することが可能となる。
【0088】
このように、上述した実施の形態の変形例では、ビデオゲーム処理装置100が、減算されたことにより召喚キャラクタ滞在継続ポイントが0になったことに応じて、蓄積されていたドライブポイントを時間経過に従って減算し、プレイヤの操作による召喚キャラクタドライブ指定(ドライブモード移行指定)を受け付けたことに応じてドライブポイントの減算を中止し、減算されたことによりドライブポイントが0になったときに、ノーマルモードでの制御を終了する構成としているので、召喚キャラクタ滞在継続ポイントが0になった場合であっても、ドライブポイントが0になる前であればドライブモードへの移行を可能とすることができる。この場合、ドライブポイントが減算していくので、ドライブモードの時間を長くするためには、素早く召喚キャラクタドライブ指定のコマンドを選択する必要が生じる。このような、新たな面白味をプレイヤに与えることができるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明によれば、戦闘場面におけるプレイヤキャラクタの行動パターンを多様化させ、戦闘内容にバリエーションを持たせたバトル制御を行うことが可能なビデオゲームを提供するのに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の一実施形態におけるビデオゲーム処理装置を含むビデオゲーム処理実行システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】SP初期値情報の例を示す説明図である。
【図3】召喚獣情報の例を示す説明図である。
【図4】バトル処理の例を示すフローチャートである。
【図5】バトル画面の例を示す説明図である。
【図6】バトル画面の例を示す説明図である。
【図7】バトル画面の例を示す説明図である。
【図8】ポイント情報の例を示す説明図である。
【図9】バトル画面の例を示す説明図である。
【図10】必殺技情報の例を示す説明図である。
【図11】バトル処理の他の例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0091】
10 ゲームプログラム読み取り部
11 制御部
12 記憶部
13 表示部
14 音声出力部
15 プレイヤ操作受付部
100 ビデオゲーム処理装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレイヤが操作するプレイヤキャラクタをゲーム画面に表示してビデオゲームの進行を制御するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、RPG(ロールプレイングゲーム:プレイヤがゲームの世界の中であるキャラクタの役割を演じ、様々な経験を通して成長していく過程を楽しみながら、所定の目的を達成していくことを遊戯するゲーム)と呼ばれるビデオゲームが各種提供されている。
【0003】
このようなビデオゲームでは、一般に、プレイヤによって操作されるプレイヤキャラクタと所定の目的の達成を阻害する敵キャラクタとの戦闘が行われる。RPGの戦闘場面におけるバトル制御においては、例えば、プレイヤキャラクタと敵キャラクタとが交互に攻撃を行う「ターン制」や、予め設定されている待機時間が経過したキャラクタが順次攻撃を行う「アクティブ・タイム・バトル(ATB)」と呼ばれる攻撃ルールに従って制御がなされる。
【0004】
また、特許文献1に開示されているように、プレイヤによる攻撃コマンドの入力をバトル開始前に受け付けておくようなものも提案されている。なお、この特許文献1には、戦闘場面においてミニゲームを提供することも開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2003−19353号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来のビデオゲームでは、戦闘場面のバトル制御において、プレイヤキャラクタに実行させる行動(攻撃、防御など)を指定するためのコマンドのプレイヤによる選択を受け付け、受け付けたコマンドに応じた行動を実行させる制御を行うだけのものであるため、戦闘場面におけるプレイヤキャラクタの行動パターンが限定的になってしまい、戦闘内容にバリエーションを持たせることができないという問題があった。
【0007】
なお、上述したように、戦闘場面においてミニゲームを提供するものも提案されているが、単に先行側を決定するための戦闘内容とは無関係のものであるため、やはり戦闘内容にバリエーションを持たせることができないという問題を含んでいる。
【0008】
本発明は、上記の問題を解決すべく、戦闘場面におけるプレイヤキャラクタの行動パターンを多様化させ、戦闘内容にバリエーションを持たせたバトル制御を行うことが可能なビデオゲームを提供することができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のビデオゲーム処理装置は、プレイヤが操作するプレイヤキャラクタをゲーム画面に表示し、敵キャラクタとのバトルを含むビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置であって、前記プレイヤキャラクタと前記敵キャラクタとのバトルを制御するバトル制御手段を備え、前記バトル制御手段は、一回のバトルの継続中に第一のバトルモードと第二のバトルモードを切り替えるバトルモード切り替え手段を有し、前記第一のバトルモードの戦闘結果と前記第二のバトルモードの戦闘結果を総合判断することにより当該バトルの勝敗を判断することを特徴とする。
【0010】
上記の構成としたことで、1回のバトル中に異なる複数のバトルモードに切り替えてバトル制御を行うことが可能となり、戦闘場面におけるプレイヤキャラクタの行動パターンを多様化させ、戦闘内容にバリエーションを持たせたバトル制御を行うことが可能なビデオゲームを提供することができるようになる。
【0011】
前記第一のバトルモードはプレイヤがプレイヤキャラクタの行動内容について逐次行動コマンドを設定することによって進行し、前記第二のバトルモードは、プレイヤが前記プレイヤキャラクタを前記敵キャラクタに向かって移動させ、前記敵キャラクタに前記プレイヤキャラクタをぶつけることによって攻撃を行うことにより進行する構成とされていてもよい。
【0012】
前記バトルモード切り替え手段は、前記第一のバトルモードにおいてプレイヤが予め規定されたバトルモード切り替え条件をクリアしたと判断した際に、前記第二のバトルモードへの切り替え指示を受け付け可能とすることとし、プレイヤからの前記第二のバトルモードへの切り替え指示を受け付けたことにより前記第二のバトルモードが開始されると、予め規定された第二バトルモード終了条件が満たされるまで前記第二のバトルモードを継続させ、前記第二バトルモード終了条件が満たされたと判断した場合には、前記第二のバトルモードを終了させ、前記第一のバトルモードに切り替える構成とされていてもよい。
【0013】
前記第二のバトルモードへのバトルモード切り替え条件は、例えば、前記第一のバトルモードにおいて前記プレイヤキャラクタが規定のポイントを獲得することである。
【0014】
前記第二バトルモード終了条件は、例えば、前記第二のバトルモードが開始されてからの経過時間が一定時間に達したこと、もしくは前記第二のバトルモードにおいて前記プレイヤキャラクタが消費した第二のポイントが予め設定された値に到達したことである。
【0015】
前記第一のバトルモードにおいて獲得したポイントが多いほど、前記第二のバトルモードの継続可能時間を長くできるように、前記第二バトルモード終了条件を設定する第二バトルモード終了条件設定手段を備える構成とされていてもよい。
【0016】
また、本発明のビデオゲーム処理方法は、プレイヤが操作するプレイヤキャラクタをゲーム画面に表示し、敵キャラクタとのバトルを含むビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理方法であって、前記プレイヤキャラクタと前記敵キャラクタとのバトルを制御するバトル制御処理を含み、前記バトル制御処理では、一回のバトルの継続中に第一のバトルモードと第二のバトルモードを切り替えるバトルモード切り替え処理を実行し、前記第一のバトルモードの戦闘結果と前記第二のバトルモードの戦闘結果を総合判断することにより当該バトルの勝敗を判断することを特徴とする。
【0017】
さらに、本発明のビデオゲーム処理プログラムは、プレイヤが操作するプレイヤキャラクタをゲーム画面に表示し、敵キャラクタとのバトルを含むビデオゲームの進行を制御させるビデオゲーム処理プログラムであって、コンピュータに、前記プレイヤキャラクタと前記敵キャラクタとのバトルを制御するバトル制御処理を実行させ、前記バトル制御処理では、一回のバトルの継続中に第一のバトルモードと第二のバトルモードを切り替えるバトルモード切り替え処理を実行させ、前記第一のバトルモードの戦闘結果と前記第二のバトルモードの戦闘結果を総合判断することにより当該バトルの勝敗を判断する処理を実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、1回のバトル中に異なる複数のバトルモードに切り替えてバトル制御を行うことが可能となり、戦闘場面におけるプレイヤキャラクタの行動パターンを多様化させ、戦闘内容にバリエーションを持たせたバトル制御を行うことが可能なビデオゲームを提供することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0020】
図1は、本発明の一実施の形態を示すビデオゲーム処理装置100の構成例を示すブロック図である。図1に示すように、ビデオゲーム処理装置100は、ゲームプログラム読み取り部10、制御部11、記憶部12、表示部13、音声出力部14、およびプレイヤ操作受付部15を含む。
【0021】
ゲームプログラム読み取り部10は、ゲームプログラムが格納された記憶媒体を内蔵するゲームカートリッジ20を着脱可能に受け付ける。ゲームプログラム読み取り部10は、挿入されたゲームカートリッジ20の記憶媒体から必要なゲームプログラムを読み出す。なお、この実施形態では、ゲームカートリッジ20に内蔵される記憶媒体には、RPGに分類されるビデオゲームプログラムが記憶されているものとする。なお、戦闘場面において、プレイヤキャラクタの魔法(召喚魔法)によって味方キャラクタとして召喚される精霊や魔物を示す召喚獣(幻獣、ガーディアンフォースなどと呼ばれる場合もある)を登場させるようなゲームであれば、どのようなゲームであってもよい。
【0022】
制御部11は、ゲームプログラム読み取り部10により読み取られたゲームプログラムを実行し、プレイヤの操作に応じてビデオゲームを進行するための各種の制御を実行する機能を有する。
【0023】
記憶部12は、ビデオゲームを進行する際に必要なゲームプログラムや各種のデータを記憶する記憶媒体である。記憶部12は、例えばRAMなどの不揮発性のメモリによって構成される。記憶部12には、ゲームの進行に従って登録・更新される各種の情報や、ゲームカートリッジ20に内蔵される記憶媒体から読み出されたゲームにおいて使用される各種の情報が格納される。本例では、記憶部12には、SP初期値管理テーブル12aと、召喚獣情報管理テーブル12bと、SP・DP値管理テーブル12cと、必殺技管理テーブル12dとが格納される。
【0024】
表示部13は、制御部11の制御に従って、ゲーム進行やプレイヤ操作に応じたゲーム画面を表示する表示装置である。表示部13は、例えば、液晶表示装置によって構成される。
【0025】
音声出力部14は、制御部11の制御に従って、ゲーム進行やプレイヤ操作に応じて音声を出力する。プレイヤ操作受付部15は、複数のボタンやマウスなどによって構成されるコントローラからのプレイヤ操作に応じた操作信号を受け付け、その結果を制御部11に通知する。
【0026】
本例のビデオゲーム処理装置100では、ゲームカートリッジ20からゲームプログラムを読み取る方式が採用されている。しかし、ビデオゲーム処理装置100は、例えば、ゲームを配信するゲームサーバから無線または有線でゲームプログラムをダウンロードするように構成してもよい。
【0027】
図2は、SP初期値管理テーブルに格納された各召喚獣毎のSP(Summon Points:召喚ポイント)値の初期値を示すSP初期値情報の例を示す説明図である。「SP値」は、召喚獣が戦闘場面において戦闘フィールドに滞在していられるためのエネルギーもしくは滞在残り時間を示す値である。このSP値は、対応する召喚獣が召喚により戦闘フィールドに登場したときに初期値に設定され、時間経過に従って減少していくものとする。また、本例では、SP値は、対応する召喚獣が敵キャラクタからの攻撃などによってダメージを受けた場合、時間経過に従ったSP値の減少に加えて、ダメージの大きさに合わせて減少するものとする。そして、SP値が0になると、召喚獣は戦闘フィールドから消去される。なお、SP値は、プレイヤキャラクタが敵キャラクタからの攻撃などによってダメージを受けた場合に減少する構成としてもよい。
【0028】
図2に示すように、SP初期値情報は、ビデオゲームにおいて登場可能な各召喚獣X,Y,Z毎に、SP初期値と、召喚したプレイヤキャラクタのレベル(プレイヤキャラクタの成長度を示すものであり、ゲームにおける経験度を示す経験値が蓄積されることによって増加していく)の値とが対応付けされた情報である。本例では、SP初期値は、召喚したプレイヤキャラクタのレベルに応じて異なる値となる。なお、SP初期値は、プレイヤキャラクタのレベルにかかわらず同じ値であるものとしてもよい。
【0029】
図3は、召喚獣情報管理テーブル12bに格納された召喚獣に関する情報を示す召喚獣情報の例を示す説明図である。召喚獣情報は、召喚獣の名称と、該当する召喚獣を一意に特定するためのIDと、該当する召喚獣におけるドライブモード時の変形(変身であってもよい。以下同じ。)状態のキャラクタを示すドライブモード時キャラクタと、該当する召喚獣の登場演出を行うために実行される登場演出プログラムと、該当する召喚獣の退場演出を行うために実行される退場演出プログラムと、該当する召喚獣が登場したあとドライブモードに移行するときに実行されるドライブモード移行演出プログラムと、該当する召喚獣がプレイヤキャラクタを乗せている状態でのみ実行可能な必殺技の名称と、その必殺技を実行するために必要な残存タイム(具体的には、後述するドライブモードタイムの残存タイム)を示す必要残存タイムとが対応付けされた情報である。
【0030】
本例では、戦闘場面(戦闘モード)において、召喚獣を召喚してバトルを展開する際に、召喚獣に戦闘のサポートを受けながら、一般的なRPGの戦闘場面と同様にコマンドの選択によってバトルが展開される場面を「ノーマルモード」と呼び、プレイヤキャラクタが召喚した召喚獣を何らかの乗り物(馬なども含む)に似た形状に変形させ、変形した召喚獣にプレイヤキャラクタが乗り込んで操縦(ドライブ)し、敵キャラクタに体当たり(この場合、例えば現在位置座標に基づく衝突判定により衝突したか否かを判定する)などすることによって攻撃が実行されることによりバトルが展開される場面を「ドライブモード」と呼ぶ。召喚獣がどのように変形するかについては、召喚獣ごとに、変形後の形態や変形時の演出などが、召喚獣情報管理テーブル12bに予め設定されているものとする。
【0031】
本例では、図3に示すように、各召喚獣X,Y,Zは、それぞれ、馬、バイク(自動二輪車)、オープンカー(自動車)の形状を成すドライブモード時キャラクタに変形される。
【0032】
次に、本例のビデオゲーム処理装置100の動作について説明する。
図4は、ビデオゲーム処理装置100が実行するバトル処理の例を示すフローチャートである。バトル処理は、例えば、ビデオゲームにおいて移動フィールドを移動しているプレイヤキャラクタPCが敵キャラクタに遭遇したことによって、戦闘場面に移行したときに開始される。ここでは、プレイヤキャラクタPCと敵キャラクタNPC1〜NPC3との戦闘場面において、プレイヤキャラクタPCの召喚魔法によって召喚獣Xが召喚されてノーマルモードに移行したあと、ドライブモードに移行される場合の処理を例に説明する。なお、本発明に関係しない処理については、その内容を省略している場合がある。
【0033】
バトル処理において、制御部11は、先ず、バトル制御を実行する(ステップS101)。バトル制御では、プレイヤからのコマンド入力を受け付け、受け付けたコマンドに応じた行動(攻撃、防御、回避、回復など)をプレイヤキャラクタPCに実行させるための制御や、敵キャラクタNPC1〜NPC3を所定のゲームプログラムに従って行動させるための制御や、プレイヤキャラクタPCや敵キャラクタNPC1〜NPC3の行動内容あるいは行動結果に応じてステータス(例えば、各キャラクタのHP(ヒットポイント:生命値)、MP(マジックポイント)、経験値など)を更新する制御などが実行される。
【0034】
図5は、バトル制御が実行されているときに表示部13に表示されるバトル画面の例を示す説明図である。バトル制御が実行されているときのバトル画面には、例えば図5に示すように、プレイヤキャラクタPCと、戦闘相手となる敵キャラクタNPC1〜NPC3と、プレイヤキャラクタPCのHPを表示するHPゲージ101と、プレイヤキャラクタPCが獲得しているTP(召喚獣を呼び出すために蓄積されているポイント。TPは、ゲーム中に獲得できるようにしてあれば、特定の敵キャラクタを倒したときなど、どのような原因によって獲得されるようにしてもよい。)を表示するTPゲージ102と、プレイヤPによって操作されるカーソルKとが表示される他、選択可能なコマンドを表示するコマンド表示領域103が設けられる。ここでは、コマンド表示領域103に、「たたかう」、「にげる」、及び「召喚する」の3つのコマンドが表示されている。すなわち、プレイヤキャラクタは戦闘場面において、いつでも自由に召喚獣を召喚できるのではなく、TP値が予め設定された所定の値を上回らない限り召喚できないこととする。従って、TP値が所定値未満の場合は、コマンド表示領域103においてプレイヤが「召喚する」を選択しても無効になるか、もしくはTP値が設定値に満たない間は、コマンド表示領域103に「召喚する」のコマンドを表示させないか、コマンドの選択が無効であることがプレイヤに分かり易いように、「召喚する」の表示をグレーアウトする等して、他のコマンドと区別して表示するようにしてもよい。
【0035】
制御部11は、バトル制御を実行しているときに、プレイヤPによるコントローラの操作により召喚獣Xを召喚するための召喚獣呼出指定のコマンド(例えば、図5に示されている「召喚する」のコマンド)が選択されたことを受け付けると(ステップS102のY)、召喚獣Xの呼出条件が成立しているか否かを判断する(ステップS103)。召喚獣Xの呼出条件は、本例では、TP値が所定値以上蓄積されているときに成立するものとする。
【0036】
召喚獣Xの呼出条件が成立していると判定した場合には、制御部11は、召喚獣情報管理テーブル12bに格納されている召喚獣Xの登場演出プログラムに従って、召喚獣Xの登場演出を実行する(ステップS104)。ステップS104では、例えば、召喚獣Xが登場してくる様子を表示部13のバトル画面に表示するとともに、その効果音を音声出力部14から音声出力する処理が実行される。
【0037】
次に、制御部11は、SP初期値管理テーブル12aを参照して、召喚獣Xを召喚したプレイヤキャラクタPCの現在のレベルに対応付けされている召喚獣XのSP初期値を特定し、特定したSP初期値を使用するSP値の初期値に決定する(ステップS105)。本例においては、決定されたSP値と後述するDP値は、SP・DP値管理テーブル12cにより管理される。SP・DP値管理テーブル12cについては後で詳しく説明する。
【0038】
また、制御部11は、ドライブ値の初期値を決定する(ステップS106)。本例では、ドライブ値の初期値は、例えば召喚した召喚獣毎にあらかじめ定められているものとする。「ドライブ値:DP値」は、ノーマルモードにおいて戦闘内容(例えば、プレイヤキャラクタの攻撃ヒット回数、倒した敵キャラクタの数、攻撃により低下させた敵キャラクタのHP値、アイテム取得など)に応じて増加させることが可能なポイントであり、プレイヤキャラクタの戦闘内容が良ければ良いほど大きく増加する。本例では、ノーマルモードにおいてより多くのDPを獲得することにより、より長時間ドライブモードを維持することが可能になることとする。具体的には、ドライブモードを維持可能な残り時間を示すドライブモードタイムの初期値を算出する際に、あらかじめ定められている基本時間(ドライブモード基準値が示す時間)に加算されるボーナス時間を定めるためのポイントとして用いられる。従って、ノーマルモードにおいて、より多くのDPを獲得することで、より長い時間ドライブモードを維持させることが可能となる。
【0039】
次いで、制御部11は、召喚獣ノーマルモードバトル制御を実行する(ステップS107)。召喚獣ノーマルモードバトル制御では、プレイヤからのコマンド入力を受け付け、受け付けたコマンドに応じた行動(攻撃、防御、回避、回復など)をプレイヤキャラクタPCに実行させるための制御や、敵キャラクタNPC1〜NPC3を所定のゲームプログラムに従って行動させるための制御や、登場している召喚獣Xを所定のゲームプログラムに従って行動させるための制御や、プレイヤキャラクタPC、登場している召喚獣X、及び敵キャラクタNPC1〜NPC3の行動内容あるいは行動結果に応じてステータス(例えば、各キャラクタのHP、MP、経験値など)を更新する制御などが実行される。
【0040】
図6は、召喚獣ノーマルモードバトル制御が実行されているときに表示部13に表示されるバトル画面の例を示す説明図である。召喚獣ノーマルモードバトル制御が実行されているときのバトル画面には、例えば図6に示すように、プレイヤの操作対象となるプレイヤキャラクタPCと、敵キャラクタNPC1〜NPC3と、登場している召喚獣SC(本例では召喚獣X)と、プレイヤキャラクタPCのHP値を表示するHPゲージ101と、SP値を表示するSPゲージ104と、DP値を表示するDPゲージ105と、プレイヤPによって操作されるカーソルKとが表示される他、選択可能なコマンドを表示するコマンド表示領域106が設けられる。なお、SPゲージ104およびDPゲージ105は、バトル中に召喚獣の召喚に伴いノーマルモードが開始される際に、召喚獣の表示開始とともに表示が開始される。ここでは、コマンド表示領域106に、「たたかう」、「召喚獣を返す」、及び「ドライブモードに移行する」の3つのコマンドが表示されている。
【0041】
制御部11は、召喚獣ノーマルモードバトル制御を実行しているときには、その制御内容(例えば、プレイヤキャラクタPCの攻撃ヒット回数、倒した敵キャラクタの数、攻撃により低下させた敵キャラクタのHP値、アイテム取得など)に応じてドライブ値(DP値)を加算し(ステップS108)、時間経過および敵キャラクタから召喚獣Xが受けたダメージの大きさに従ってSP値を減算していく処理を行う(ステップS109)。ステップS108でのドライブ値を加算するための条件については、上記の例にとどまらず、様々なものがあってもよい。
【0042】
そして、制御部11は、ステップS109にて減算したあとのSP値が0でなく(ステップS110のN)、ドライブモード移行指定のコマンドの選択を受け付けていなければ(ステップS111のN)、ステップS107の処理に戻る。
【0043】
ステップS107〜ステップS111を繰り返し実行することによって、制御部11は、召喚獣ノーマルモードバトル制御を実行しているときに、加算条件が成立する毎にドライブ値を加算していき、減算条件が成立する毎および時間経過に従ってSP値を減算していく処理を実行することになる。
【0044】
SP値が0となる前にドライブモード移行指定のコマンド(例えば、図6に示されている「ドライブモードに移行する」のコマンド)の選択を受け付けた場合には(ステップS111のY)、制御部11は、ステップS113の処理に移行する。すなわち、本例では、プレイヤPは、コントローラを操作して、SP値が0となる前にドライブモード移行指定のコマンドを選択することにより、ノーマルモードからドライブモードに移行させることが可能となる。
【0045】
ノーマルモードであるときにSP値が0となった場合には(ステップS110のY)、制御部11は、召喚獣管理テーブル12bに格納されている召喚獣Xの退場演出プログラムに従って、召喚獣Xの退場演出を実行する(ステップS112)。ステップS112では、例えば、制御部11は、召喚獣Xが退場していく様子を表示部13のバトル画面に表示するとともに、その効果音を音声出力部14から音声出力する処理を実行する。召喚獣Xの退場演出を終えると、制御部11は、ステップS101に移行する。
【0046】
本例では、SP値が0になる直前にドライブモード移行指定のコマンドの選択を受け付けた場合には(ステップS111のY)、制御部11は、それまでに蓄積されているドライブ値に相当する時間分だけドライブモードを実行する。すなわち、減少されていくSP値が0になる前にドライブモード移行指定のコマンドを選択することによって、たとえSP値が残り僅かとなっていても召喚獣Xを退場させることなくノーマルモードからドライブモードに移行することが可能となる。
【0047】
ステップS113では、制御部11は、あらかじめ定められているドライブモード基準値と、ノーマルモードにおいて蓄積されたドライブ値との和を示す値をドライブモードタイムの初期値に決定する。そして、制御部11は、召喚獣情報管理テーブル12bに格納されている召喚獣Xのドライブモード移行演出プログラムに従って、召喚獣Xについてのドライブモード移行演出を実行する(ステップS114)。ステップS114では、例えば、召喚獣Xがドライブモード時キャラクタである「馬」に変形していく様子を表示部13のバトル画面に表示するとともに、その効果音を音声出力部14から音声出力する処理が実行される。
【0048】
次いで、制御部11は、召喚獣ドライブモードバトル制御を実行する(ステップS115)。召喚獣ドライブモードバトル制御では、プレイヤからのコマンド入力を受け付け、敵キャラクタNPC1〜NPC3を所定のゲームプログラムに従って行動させるための制御や、ドライブモード時キャラクタである移動体に変形した召喚獣Xに乗っているプレイヤキャラクタPCをプレイヤPの操作に応じて行動させるための制御や、プレイヤキャラクタPC、プレイヤキャラクタPCが乗った召喚獣X、及び敵キャラクタNPC1〜NPC3の行動内容あるいは行動結果に応じてステータス(例えば、ドライブモードタイムの計測値、各キャラクタのHP、MP、経験値など)を更新する制御などが実行される。
【0049】
図7は、ステップS114において実行された召喚獣ドライブモード移行演出が終了し、召喚獣ドライブモードバトル制御が開始されたときに表示部13に表示されるバトル画面の例を示す説明図である。この場合におけるバトル画面には、例えば図7に示すように、敵キャラクタNPC1〜NPC3と、ドライブモード時キャラクタである移動体に変形している召喚獣SC(本例では召喚獣X)と、召喚獣SCに乗ったプレイヤキャラクタPCと、プレイヤキャラクタPCのHP値を表示するHPゲージ101と、ドライブモードタイムの残存値を表示するドライブモードタイムゲージ107と、プレイヤPによって操作されるカーソルKとが表示される他、選択可能なコマンドを表示するコマンド表示領域108が設けられる。ここでは、コマンド表示領域108に、「ドライブをやめる」、及び「必殺技A」、「必殺技B」の3つのコマンドが表示されている。
【0050】
なお、ドライブモードでは、アクションゲームのように各キャラクタの位置情報が重要となる。従って、ノーマルモード時に各敵キャラクタおよびプレイヤキャラクタがゲーム内の仮想三次元空間上の位置情報(位置座標)を与えられている場合は、制御部11は、当該位置情報をドライブモードに移行する際も継承する処理を行う構成としてもよい。また、ノーマルモード時に、特にターン制(敵キャラクタとプレイヤキャラクタが順番にコマンドを決定してバトルを進行させる方法)をとるRPGで頻繁に見られるように、敵キャラクタとプレイヤキャラクタがそれぞれ一列に並んで向かい合うような表示がされているような場合は、制御部11は、ドライブモード開始時にそれぞれのキャラクタに適当な位置情報を与え、全てのキャラクタが仮想三次元空間上に違和感なく配置されるようにするための処理を行う構成としてもよい。
【0051】
コマンド表示領域108に表示されているコマンドのうち召喚獣ドライブ終了のコマンド(例えば「ドライブをやめる」)の選択を受け付けた場合には(ステップS116のY)、制御部11は、ステップS107に移行する。このとき、制御部11は、ドライブモードを終了しノーマルモードに戻す制御を行う。このとき、制御部11は、SP・DP値管理テーブル12cに格納されたポイント情報に関して、SP値はドライブモードに移行する直前のものを採用し、DP値については、初期値に設定する。なお、ドライブモード終了演出をこの間に表示する構成としてもよい。また、ノーマルモード復帰時のSP値を初期値に設定したりする構成としてもよい。図8は、SP・DP値管理テーブル12cにおけるポイント情報の格納状態の例を示す説明図である。図8に示すように、ポイント情報は、召喚されてバトル画面に表示されている召喚獣の名称と、SP値と、DP値とが対応付けされた情報である。
【0052】
一方、「ドライブモードをやめる」以外のコマンドの選択を受け付けると(ステップS116のN)、制御部11は、必殺技管理テーブル12dを参照し、選択されたコマンドに基づいて攻撃有効範囲を決定する処理を行う。図9は、必殺技の概要を説明するためのバトル画面の例を示す説明図である。制御部11は、「必殺技A」の選択を受け付けると、図9(a)に示すように、必殺技の種類に応じた攻撃有効範囲を確認する。領域Mは、コマンド「必殺技A」を選択した際の攻撃有効範囲を表すものであり、ここでは説明しやすいように図示しているが、実際にはこの領域Mはバトル画面には表示されず、あくまでも内部的に処理されるものである。一方、図9(b)に表示される半球状の領域Nは、制御部11がコマンド「必殺技B」の選択を受け付けた際の攻撃有効範囲を表すものであり、これも領域Mと同様、バトル画面には表示しないものであるとする。
【0053】
図9(a)と図9(b)を比較すると分かるように、ドライブモードではどのコマンドを選択するかによってプレイヤキャラクタPCが敵キャラクタNPC1〜3に対して行う攻撃の有効範囲が異なる。そのため、プレイヤがどのコマンドを選択するか迷った際の助けとなるように、制御部11が各コマンドにカーソルが合わされたことを認識すると、コマンドの内容について「広い範囲の敵にダメージを与えることが可能」や、「攻撃範囲は小さいが大きなダメージを与えることが可能」といったような説明を表示するような構成としてもよい。
【0054】
図10は、必殺技管理テーブル12dにおける必殺技情報の格納状態の例を示す説明図である。図10に示すように、必殺技情報は、必殺技の種類と、攻撃有効範囲と、相手に与えるダメージと、必要残存タイムとが対応付けされた情報である。
【0055】
次に、制御部11は、攻撃対象キャラクタの選択を受け付ける。なお、バトル画面に敵キャラクタが一体しか表示されていない場合はこの処理はスキップする構成としてもよい。本例では敵キャラクタNPC2を攻撃対象として選択したとして説明を行う。
【0056】
攻撃対象となる敵キャラクタの選択を受け付けると、制御部11は、指定されたコマンドに合わせた必殺技を実行するための処理を行う。本例においては、制御部11は、バトル画面上に、攻撃対象である敵キャラクタNPC2に向かって、プレイヤキャラクタPCが、召喚獣Xが変形したことによって形成された移動体に乗って突進する様子を表示するための処理を行う。なお、必殺技の種類に応じて演出を異ならせるようにするために、必殺技管理テーブル12dに複数の必殺技演出プログラムが格納された構成としてもよい。
【0057】
ここで、必殺技を実行するための処理について説明する。先ず、制御部11は、プレイヤキャラクタPCを、必殺技による攻撃開始時に存在した位置から敵キャラクタNPC2の存在する位置(例えば仮想空間内における所定座標位置)まで、攻撃有効範囲を維持したまま移動する処理を行う。すなわち、この移動経路上で攻撃有効範囲内に存在する敵キャラクタNPCが存在する場合は、それらの敵キャラクタNPCに対してもダメージが与えられることとする。このとき、攻撃有効範囲を複数レイヤーに分けて管理し、例えば図9(a)の場合であれば、「攻撃有効範囲の中心から半径xメートル内であれば100ポイント、それより外側であれば30ポイントのダメージを攻撃対象キャラクタに対して与えることができる」というように設定された構成としてもよい。なお、図9(a)においては領域MとM’間が、図9(b)においては領域NとN’間が攻撃有効範囲の移動経路となる。よって、図9(a)においては、攻撃対象として選択された敵キャラクタNPC2のみダメージが算出され、図9(b)においては攻撃対象として選択された敵キャラクタNPC2だけでなく、移動経路上に位置した敵キャラクタNPC1とNPC3に対してもダメージが算出される。
【0058】
また、本例においては、ドライブモード開始とともに、ドライブモードタイムは時間の経過に従って減少することとしているが、どのコマンドを選択するかによってドライモードタイムの経過時間に対する減算値に変化を与えるようにしてもよい。
【0059】
プレイヤキャラクタPCの位置が攻撃対象となる敵キャラクタNPC2の位置に到達すると、制御部11は、敵キャラクタNPC3および移動経路上に位置した敵キャラクタNPCに与えるダメージを算出し、敵キャラクタNPCのHPから減算する。次に、制御部11は、プレイヤキャラクタPCを必殺技実行選択時に存在した位置に移動し、新たにプレイヤによるコマンド選択を受け付ける。なお、新たなコマンド選択の受け付けをNPC2の位置からスタートするような構成としてもよい。このような場合は、プレイヤが選択するコマンドの内容や、次の攻撃対象キャラクタの位置等に合わせて仮想カメラの位置を調整し、プレイヤキャラクタPCの後方から攻撃対象となる敵キャラクタNPCの方向に向けて仮想カメラをセットすることが理想的である。
【0060】
ドライブモードで使用可能となるコマンドについては、ノーマルモードで使用されるコマンドとは別に図10に示すように専用の管理テーブル(必殺技管理テーブル12d)を用意し、コマンド名、攻撃有効範囲、相手に与えるダメージの大きさ、必要残存タイム等を規定するようにすることが望ましい。
【0061】
なお、ステップS117では、制御部11は、召喚獣ドライブモードバトル制御を実行しているときに、ドライブモードタイムがタイムアップしたか否かを監視する。ドライブモードタイムが未だタイムアップしていない場合には(ステップS117のN)、制御部11は、召喚獣ドライブモードバトル制御を継続する。一方、ドライブモードタイムがタイムアップした場合には(ステップS117のY)、制御部11は、ステップS112に移行して召喚獣退場演出を実行する。なお、ステップS112への移行条件に、必殺技による攻撃の演出が完了したことを含めるようにしてもよい。
【0062】
このようにして、ドライブモードは、ドライブモードタイムが0になるまで、すなわちドライブモードゲージ107が0になるまでは、プレイヤが「ドライブモードを終了する」コマンドを選択しない限り継続され(ステップ117のN)、ドライブモードゲージが0になると(ステップ117のY)召喚獣の退出演出が行われる(ステップS112)。
【0063】
上記のようにして、戦闘場面の制御が開始されたあと、召喚獣が召喚されたことに応じてノーマルモードに移行し、ノーマルモードにおいてプレイヤにより召喚獣ドライブ指定のコマンドが選択されたときにドライブモードへの移行条件が成立していれば、ノーマルモードからドライブモードに移行し、召喚獣ドライブモードバトル制御が実行される。
【0064】
なお、図示しないが、ステップS101からステップS116までの何れかのタイミングで全ての敵キャラクタNPC1〜NPC3が戦闘不能状態(HPが0になった状態)となった時点で、制御部11は、全てのバトル処理を中断し、勝利演出を実行するとともに戦闘場面を終了させる。逆に、ステップS101からS116までの何れかのタイミングで全てのプレイヤキャラクタが戦闘不能状態となった場合は、全てのバトル処理を中断して敗北演出を実行し、コンティニュー画面を表示するなどの処理を行うこととする。
【0065】
また、上述の実施例では、通常ターン制などのコマンド入力形式で進められるRPGのバトルにおいて、特定の条件を満たすことにより、コマンド入力形式とはまったく異なる形式のバトル形式(バトルモード)に切替えが行われる場合について具体的に説明したが、本例以外にもRPG以外のゲームにおいても勿論応用することが可能である。
【0066】
例えば、カーレーシングゲームの途中でシューティングに切替ったり、格闘ゲームの途中で早押しクイズに切替ったり、将棋ゲームの途中でモグラ叩きゲームに切替ったりするようにしてもよい。すなわち、他のキャラクタとの戦闘や対戦を含むゲームであればどのようなものにも応用が可能であり、特定の条件を満たすことによって、それまでのバトル(対戦)システム(バトルモード)が一時的にまったく異なるバトル(対戦)システム(バトルモード)に切替え可能となることによって、一回のバトル内に二種類のまったく異なるタイプのゲームを楽しむことが可能となると同時に、バトル内容が変化に富んだものとなるため、バトルに対してプレイヤが興味を失うことを防ぐことが可能となる。
【0067】
以上に説明したように、上述した一実施の形態では、プレイヤが操作するプレイヤキャラクタをゲーム画面に表示し、敵キャラクタとのバトルを含むビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置100が、プレイヤキャラクタと敵キャラクタとのバトルを制御し、一回のバトルの継続中に第一のバトルモード(ノーマルモード)と第二のバトルモード(ドライブモード)を切り替える処理を行い、第一のバトルモードの戦闘結果と第二のバトルモードの戦闘結果を総合判断することによりそのバトルの勝敗を判断する構成としているので、1回のバトル中に異なる複数のバトルモードに切り替えてバトル制御を行うことが可能となり、戦闘場面におけるプレイヤキャラクタの行動パターンを多様化させ、戦闘内容にバリエーションを持たせたバトル制御を行うことが可能なビデオゲームを提供することができるようになる。
【0068】
また、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100が、第一のバトルモードはプレイヤがプレイヤキャラクタの行動内容について逐次行動コマンドを設定することによって進行し、第二のバトルモードは、プレイヤがプレイヤキャラクタを敵キャラクタに向かって移動させ、敵キャラクタに前記プレイヤキャラクタをぶつける(体当たりする)ことによって攻撃を行うことにより進行する構成としているので、一回のバトル内に二種類のまったく異なるタイプのゲームを楽しむことが可能となり、バトル内容を変化に富んだものとすることができるようになる。
【0069】
なお、上述した実施の形態では、SP値が0になるまではいつでもプレイヤの判断によってドライブモードに移行可能な構成としていたが、例えば、何らかのポイント(例えばドライブ値)が所定値に達した場合にドライブモードに移行可能となる構成としてもよい。また、ドライブモードタイムがタイムアップした場合に、召喚獣を退場させることなくノーマルモードに戻る構成としてもよい。すなわち、ビデオゲーム処理装置100が、第一のバトルモードにおいてプレイヤが予め規定されたバトルモード切り替え条件をクリアしたと判断した際(例えばドライブ値が所定値に達したとき)に、第二のバトルモードへの切り替え指示(例えばドライブモード移行指定)を受け付け可能とし、プレイヤからの第二のバトルモードへの切り替え指示を受け付けたことにより第二のバトルモードが開始されると、予め規定された第二バトルモード終了条件が満たされるまで(例えばドライブモードタイムがタイムアップするまで)第二のバトルモードを継続させ、第二バトルモード終了条件が満たされたと判断した場合には、第二のバトルモードを終了させ、第一のバトルモードに切り替える構成としてもよい。このように構成した場合には、一回のバトル内に二種類のまったく異なるタイプのゲームを関連性を持たせて楽しむことが可能となる。
【0070】
上述した実施の形態では、第二バトルモード終了条件は、第二のバトルモードが開始されてからの経過時間が一定時間に達したこと(ドライブモードタイムがタイムアップしたこと)としているが、第二のバトルモードにおいてプレイヤキャラクタが消費した第二のポイントが予め設定された値に到達したことであるものとしてもよい。
【0071】
また、上述した実施の形態では、第一のバトルモードにおいて獲得したポイント(ドライブ値)が多いほど、第二のバトルモードの継続可能時間(ドライブモードタイム)を長くできるように、第二バトルモード終了条件を設定する構成としているので、一回のバトル内に二種類のまったく異なるタイプのゲームを関連性を持たせて楽しむことが可能となる。
【0072】
また、以上に説明したように、上述した一実施の形態では、プレイヤが操作するプレイヤキャラクタをゲーム画面に表示してビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置100が、プレイヤキャラクタPCと敵キャラクタNPC1〜NPC3との戦闘を制御し(ステップS101)、プレイヤキャラクタPCと敵キャラクタNPC1〜NPC3との戦闘場面において、プレイヤの操作による召喚キャラクタ呼出指定(召喚獣呼出指定)を受け付けたことに応じて(ステップS102のY)、プレイヤキャラクタPCが召喚可能な召喚キャラクタ(召喚獣X)をゲーム画面に表示されている戦闘場面に登場させ(ステップS104)、戦闘場面に登場された召喚キャラクタを含む各キャラクタの戦闘場面であるノーマルモードでの戦闘を制御し(ステップS107〜ステップS111)、召喚キャラクタが登場している戦闘場面において、プレイヤの操作による召喚キャラクタドライブ指定(ドライブモード移行指定)を受け付けたことに応じて(ステップS111のY)、ゲーム画面に表示されている召喚キャラクタを変形させてプレイヤキャラクタPCを乗せることが可能な移動体とし(ステップS114)、移動体に変形された召喚キャラクタを含む各キャラクタの戦闘場面であるドライブモードでの戦闘を制御し(ステップS115)、この制御において、移動体に変形された召喚キャラクタに乗ったプレイヤキャラクタPCと敵キャラクタNPC1〜NPC3との戦闘を制御する(ステップS115)構成としたので、戦闘場面におけるプレイヤキャラクタの行動パターンを多様化させ、戦闘内容にバリエーションを持たせたバトル制御を行うことが可能なビデオゲームを提供することができるようになる。
【0073】
すなわち、召喚キャラクタが登場している戦闘場面において、プレイヤの操作による召喚キャラクタドライブ指定(ドライブモード移行指定)を受け付けたことに応じて(ステップS111のY)、ゲーム画面に表示されている召喚キャラクタを変形させてプレイヤキャラクタPCを乗せることが可能な移動体とし(ステップS114)、移動体に変形された召喚キャラクタを含む各キャラクタの戦闘場面であるドライブモードでの戦闘を制御し(ステップS115)、この制御において、移動体に変形された召喚キャラクタに乗ったプレイヤキャラクタPCと敵キャラクタNPC1〜NPC3との戦闘を制御する(ステップS115)構成としたので、プレイヤキャラクタが召喚キャラクタ(召喚獣)に乗って攻撃などを行うための制御を行うことが可能となり、戦闘場面におけるプレイヤキャラクタの行動パターンを多様化させることができるようになる。よって、戦闘内容にバリエーションを持たせたバトル制御を行うことが可能なビデオゲームを提供することができるようになるのである。
【0074】
また、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100が、ドライブモードでの制御を開始するときに設定したドライブモードタイムが経過したときに、ドライブモードでの制御を終了し、ドライブモードでの制御が終了したこと応じて、召喚キャラクタをゲーム画面に表示されている戦闘場面から退場させる処理を行う構成としているので、限られた時間だけドライブモードでの制御を行うことが可能となり、ドライブモードで制御されていることの価値を高めることができるようになる。
【0075】
また、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100が、ノーマルモードでの戦闘におけるプレイヤキャラクタの行動内容に応じて、ドライブモードタイムの決定基準として用いられるドライブポイント(DP値)を付与し、ノーマルモードでの戦闘において蓄積されたドライブポイントを用いてドライブモードタイムを決定し、決定したドライブモードタイムを設定する構成としているので、ドライブモードでの制御時間をより長くするために、ノーマルモードで制御されているときに如何にしてドライブポイントを獲得するかという新たな面白味をプレイヤに与えることができるようになる。
【0076】
また、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100が、ノーマルモードでの戦闘において蓄積されたドライブポイント(DP値)と、あらかじめ定められた基本ポイント(ドライブモード基準値)とを加算したポイントに応じてドライブモードタイムを決定する構成としているので、ドライブポイントが0であっても基本ポイント分のドライブモードタイムを設定することができるようになり、ドライブモードが極めて短時間で終了されてしまうことを回避することが可能となる。
【0077】
また、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100が、ノーマルモードでの制御を開始するときに、ノーマルモードにおける戦闘の戦闘場面に登場される召喚キャラクタがその戦闘場面での滞在を継続するために必要な召喚キャラクタ滞在継続ポイント(SP値)を設定し、ノーマルモードでの制御が開始されたあと、召喚キャラクタ滞在継続ポイントを時間経過に従って減算し、減算されたことにより召喚キャラクタ滞在継続ポイントが0になったことに基づいて、ノーマルモードでの制御を終了する構成とし、ノーマルモードでの制御が終了したこと応じて、召喚キャラクタをゲーム画面に表示されている戦闘場面から退場させる構成としたので、限られた時間だけノーマルモードでの制御を行うことが可能となり、その限られた時間中にドライブポイントを如何にして多く獲得するかという新たな面白味をプレイヤに与えることができるようになる。
【0078】
また、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100が、移動体に変形された召喚キャラクタにプレイヤキャラクタが乗っているときにプレイヤの操作による特別攻撃実行指定(必殺技の発動指定)を受け付けたことに応じて、移動体に変形された召喚キャラクタにプレイヤキャラクタが乗っているときにのみ実行可能な特別攻撃(必殺技による攻撃)を実行する構成としているので、戦闘場面におけるプレイヤキャラクタの行動パターンを多様化させることができる。
【0079】
なお、上述した実施の形態では、ゲーム画面に表示されている召喚キャラクタを変形させて、自動二輪車、自動車、または馬とするようにしていたが、プレイヤキャラクタを乗せることが可能な移動体であればどのようなものであってもよい。
【0080】
なお、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100がゲームカートリッジ20から読み取ったゲームプログラムに基づいて上述したバトル処理などの各種の処理を実行する構成としていたが、ビデオゲーム処理装置100がゲームサーバとして機能し、通信ネットワークを介してゲームプログラムをゲーム端末に提供するようにしてもよい。
【0081】
また、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100は、自己が備える記憶装置(記憶部12)に記憶されている制御プログラム(ビデオゲーム処理プログラム)に従って、上述した各種の処理を実行する。
【0082】
なお、上述した実施の形態の変形例として、例えば、SP値が0となったあとであっても、所定の期間内にドライブモード移行指定のコマンドを選択することによって、召喚獣Xを退場させることなくノーマルモードからドライブモードに移行することが可能となるようにしてもよい。例えば、SP値が0となったときにドライブ値の減算処理を開始し、ドライブ値が0になる前にドライブモード移行指定のコマンドを選択することによって、ノーマルモードからドライブモードに移行するようにすればよい。
【0083】
この場合、例えば図11に示すように、上述したバトル処理(図4参照)の一部を変更した構成とすればよい。以下、この場合のビデオゲーム処理装置100の動作の例を説明する。
【0084】
図11は、ビデオゲーム処理装置100が実行するバトル処理の例を示すフローチャートであり、図4のフローチャートのステップS110のYとステップS112の間にステップS201〜S203を加えたものである。本例において、ノーマルモードであるときにSP値が0となった場合には(ステップS110のY)、制御部11は、蓄積されているドライブ値を減算し(ステップS201)、減算したあとのドライブ値が0でなく(ステップS202のN)、ドライブモード移行指定のコマンドの選択を受け付けていなければ(ステップS203のN)、ステップS201の処理に戻る。
【0085】
ステップS201〜ステップS203を繰り返し実行することによって、制御部11は、SP値が0となったことを受けてドライブ値を強制的に減算していく処理を実行することになる。
【0086】
減算されたことによりドライブ値が0になった場合には(ステップS202のY)、制御部11は、召喚獣情報管理テーブル12bに格納されている召喚獣Xの退場演出プログラムに従って、召喚獣Xの退場演出を実行する(ステップS112)。召喚獣Xの退場演出を終えると、ステップS101に移行する。
【0087】
本例では、SP値が0となった場合であってもドライブ値が0になる前にドライブモード移行指定のコマンドの選択を受け付けた場合には(ステップS203のY)、制御部11は、ステップS113の処理に移行する。すなわち、本例では、SP値が0となったあとであっても、減少されていくドライブ値が0になる前にドライブモード移行指定のコマンドを選択することによって、召喚獣Xを退場させることなくノーマルモードからドライブモードに移行することが可能となる。
【0088】
このように、上述した実施の形態の変形例では、ビデオゲーム処理装置100が、減算されたことにより召喚キャラクタ滞在継続ポイントが0になったことに応じて、蓄積されていたドライブポイントを時間経過に従って減算し、プレイヤの操作による召喚キャラクタドライブ指定(ドライブモード移行指定)を受け付けたことに応じてドライブポイントの減算を中止し、減算されたことによりドライブポイントが0になったときに、ノーマルモードでの制御を終了する構成としているので、召喚キャラクタ滞在継続ポイントが0になった場合であっても、ドライブポイントが0になる前であればドライブモードへの移行を可能とすることができる。この場合、ドライブポイントが減算していくので、ドライブモードの時間を長くするためには、素早く召喚キャラクタドライブ指定のコマンドを選択する必要が生じる。このような、新たな面白味をプレイヤに与えることができるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明によれば、戦闘場面におけるプレイヤキャラクタの行動パターンを多様化させ、戦闘内容にバリエーションを持たせたバトル制御を行うことが可能なビデオゲームを提供するのに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の一実施形態におけるビデオゲーム処理装置を含むビデオゲーム処理実行システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】SP初期値情報の例を示す説明図である。
【図3】召喚獣情報の例を示す説明図である。
【図4】バトル処理の例を示すフローチャートである。
【図5】バトル画面の例を示す説明図である。
【図6】バトル画面の例を示す説明図である。
【図7】バトル画面の例を示す説明図である。
【図8】ポイント情報の例を示す説明図である。
【図9】バトル画面の例を示す説明図である。
【図10】必殺技情報の例を示す説明図である。
【図11】バトル処理の他の例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0091】
10 ゲームプログラム読み取り部
11 制御部
12 記憶部
13 表示部
14 音声出力部
15 プレイヤ操作受付部
100 ビデオゲーム処理装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤが操作するプレイヤキャラクタをゲーム画面に表示し、敵キャラクタとのバトルを含むビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置であって、
前記プレイヤキャラクタと前記敵キャラクタとのバトルを制御するバトル制御手段を備え、
前記バトル制御手段は、
一回のバトルの継続中に第一のバトルモードと第二のバトルモードを切り替えるバトルモード切り替え手段を有し、
前記第一のバトルモードの戦闘結果と前記第二のバトルモードの戦闘結果を総合判断することにより当該バトルの勝敗を判断する
ことを特徴とするビデオゲーム処理装置。
【請求項2】
前記第一のバトルモードはプレイヤがプレイヤキャラクタの行動内容について逐次行動コマンドを設定することによって進行し、
前記第二のバトルモードは、プレイヤが前記プレイヤキャラクタを前記敵キャラクタに向かって移動させ、前記敵キャラクタに前記プレイヤキャラクタをぶつけることによって攻撃を行うことにより進行する
請求項1記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項3】
前記バトルモード切り替え手段は、
前記第一のバトルモードにおいてプレイヤが予め規定されたバトルモード切り替え条件をクリアしたと判断した際に、前記第二のバトルモードへの切り替え指示を受け付け可能とすることとし、
プレイヤからの前記第二のバトルモードへの切り替え指示を受け付けたことにより前記第二のバトルモードが開始されると、予め規定された第二バトルモード終了条件が満たされるまで前記第二のバトルモードを継続させ、
前記第二バトルモード終了条件が満たされたと判断した場合には、前記第二のバトルモードを終了させ、前記第一のバトルモードに切り替える
請求項1または請求項2記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項4】
前記第二のバトルモードへのバトルモード切り替え条件は、前記第一のバトルモードにおいて前記プレイヤキャラクタが規定のポイントを獲得することである
請求項3記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項5】
前記第二バトルモード終了条件は、前記第二のバトルモードが開始されてからの経過時間が一定時間に達したこと、もしくは前記第二のバトルモードにおいて前記プレイヤキャラクタが消費した第二のポイントが予め設定された値に到達したことである
請求項3または請求項4記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項6】
前記第一のバトルモードにおいて獲得したポイントが多いほど、前記第二のバトルモードの継続可能時間を長くできるように、前記第二バトルモード終了条件を設定する第二バトルモード終了条件設定手段を備える
請求項5記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項7】
プレイヤが操作するプレイヤキャラクタをゲーム画面に表示し、敵キャラクタとのバトルを含むビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理方法であって、
前記プレイヤキャラクタと前記敵キャラクタとのバトルを制御するバトル制御処理を含み、
前記バトル制御処理では、
一回のバトルの継続中に第一のバトルモードと第二のバトルモードを切り替えるバトルモード切り替え処理を実行し、
前記第一のバトルモードの戦闘結果と前記第二のバトルモードの戦闘結果を総合判断することにより当該バトルの勝敗を判断する
ことを特徴とするビデオゲーム処理方法。
【請求項8】
プレイヤが操作するプレイヤキャラクタをゲーム画面に表示し、敵キャラクタとのバトルを含むビデオゲームの進行を制御させるビデオゲーム処理プログラムであって、
コンピュータに、
前記プレイヤキャラクタと前記敵キャラクタとのバトルを制御するバトル制御処理を実行させ、
前記バトル制御処理では、
一回のバトルの継続中に第一のバトルモードと第二のバトルモードを切り替えるバトルモード切り替え処理を実行させ、
前記第一のバトルモードの戦闘結果と前記第二のバトルモードの戦闘結果を総合判断することにより当該バトルの勝敗を判断する処理を
実行させるためのビデオゲーム処理プログラム。
【請求項1】
プレイヤが操作するプレイヤキャラクタをゲーム画面に表示し、敵キャラクタとのバトルを含むビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置であって、
前記プレイヤキャラクタと前記敵キャラクタとのバトルを制御するバトル制御手段を備え、
前記バトル制御手段は、
一回のバトルの継続中に第一のバトルモードと第二のバトルモードを切り替えるバトルモード切り替え手段を有し、
前記第一のバトルモードの戦闘結果と前記第二のバトルモードの戦闘結果を総合判断することにより当該バトルの勝敗を判断する
ことを特徴とするビデオゲーム処理装置。
【請求項2】
前記第一のバトルモードはプレイヤがプレイヤキャラクタの行動内容について逐次行動コマンドを設定することによって進行し、
前記第二のバトルモードは、プレイヤが前記プレイヤキャラクタを前記敵キャラクタに向かって移動させ、前記敵キャラクタに前記プレイヤキャラクタをぶつけることによって攻撃を行うことにより進行する
請求項1記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項3】
前記バトルモード切り替え手段は、
前記第一のバトルモードにおいてプレイヤが予め規定されたバトルモード切り替え条件をクリアしたと判断した際に、前記第二のバトルモードへの切り替え指示を受け付け可能とすることとし、
プレイヤからの前記第二のバトルモードへの切り替え指示を受け付けたことにより前記第二のバトルモードが開始されると、予め規定された第二バトルモード終了条件が満たされるまで前記第二のバトルモードを継続させ、
前記第二バトルモード終了条件が満たされたと判断した場合には、前記第二のバトルモードを終了させ、前記第一のバトルモードに切り替える
請求項1または請求項2記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項4】
前記第二のバトルモードへのバトルモード切り替え条件は、前記第一のバトルモードにおいて前記プレイヤキャラクタが規定のポイントを獲得することである
請求項3記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項5】
前記第二バトルモード終了条件は、前記第二のバトルモードが開始されてからの経過時間が一定時間に達したこと、もしくは前記第二のバトルモードにおいて前記プレイヤキャラクタが消費した第二のポイントが予め設定された値に到達したことである
請求項3または請求項4記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項6】
前記第一のバトルモードにおいて獲得したポイントが多いほど、前記第二のバトルモードの継続可能時間を長くできるように、前記第二バトルモード終了条件を設定する第二バトルモード終了条件設定手段を備える
請求項5記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項7】
プレイヤが操作するプレイヤキャラクタをゲーム画面に表示し、敵キャラクタとのバトルを含むビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理方法であって、
前記プレイヤキャラクタと前記敵キャラクタとのバトルを制御するバトル制御処理を含み、
前記バトル制御処理では、
一回のバトルの継続中に第一のバトルモードと第二のバトルモードを切り替えるバトルモード切り替え処理を実行し、
前記第一のバトルモードの戦闘結果と前記第二のバトルモードの戦闘結果を総合判断することにより当該バトルの勝敗を判断する
ことを特徴とするビデオゲーム処理方法。
【請求項8】
プレイヤが操作するプレイヤキャラクタをゲーム画面に表示し、敵キャラクタとのバトルを含むビデオゲームの進行を制御させるビデオゲーム処理プログラムであって、
コンピュータに、
前記プレイヤキャラクタと前記敵キャラクタとのバトルを制御するバトル制御処理を実行させ、
前記バトル制御処理では、
一回のバトルの継続中に第一のバトルモードと第二のバトルモードを切り替えるバトルモード切り替え処理を実行させ、
前記第一のバトルモードの戦闘結果と前記第二のバトルモードの戦闘結果を総合判断することにより当該バトルの勝敗を判断する処理を
実行させるためのビデオゲーム処理プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−136744(P2010−136744A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−312986(P2008−312986)
【出願日】平成20年12月9日(2008.12.9)
【出願人】(308033283)株式会社スクウェア・エニックス (173)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月9日(2008.12.9)
【出願人】(308033283)株式会社スクウェア・エニックス (173)
【Fターム(参考)】
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