説明

ビデオゲーム装置およびビデオゲーム制御方法

【課題】 プレイヤーがより直感的に擬似的な仮想の三次元空間並びに立体的な音場空間を認識・体感でき、また、プレイヤーが想定するプレイ領域を規定するカメラの画角の外に出てしまうことを防止することができるビデオゲーム装置およびビデオゲーム制御方法を提供する。
【解決手段】 ゲーム制御部が、仮想カメラの視点から見た三次元の画像を生成する三次元画像生成手段と、頭部検出手段により検出されたプレイヤーの頭部の位置情報の変化方向及び変化量に追従して三次元画像生成手段の仮想カメラの視点を移動させる視点変更手段と、頭部検出手段により検出されたプレイヤー頭部の位置情報に基づいてモニタに対峙するプレイヤーの影絵を生成して三次元画像生成手段が生成する画像に反映させる影絵生成手段と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビデオゲーム装置およびビデオゲーム制御方法に関し、特に、仮想カメラの視点から見た三次元の画像をビデオゲームのプレイヤーの視点に連動させるために、プレイヤーの頭部の動きを検出するカメラ等の検出手段を設ける遊技機等を含むビデオゲーム装置およびビデオゲーム制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオゲーム機、遊技機、バーチャルリアリティ装置、等においては、プレイヤー(使用者、遊技者)の視点に連動させた三次元画像を表示させる、等の手段により、プレイヤーにできるだけリアルな臨場感のある仮想体験をできるように努力が払われている。具体的には、対話型ビデオゲーム装置において、プレイヤーの頭部の動きを検出するカメラ等の検出手段を設け、プレイヤーの頭部の動きを仮想カメラの視点の動きに連動させ、仮想カメラの視点から見た三次元画像を生成して表示する、等の制御が行なわれている。
【0003】
例えば、リアルな体験を提供する試みの1つにモニタ画面にプレイヤーのキャラクター及び敵キャラクター等を表示するゲーム機において、プレイヤーの足元の動きを検出し、検出した動きに対応させてモニタ画面内のプレイヤーキャラクターを動かすようにしたゲームなどが提案されている。また、カーシートに着座したプレイヤーの前面に配置されたモニタ画面に擬似3次元のカーレース画像を表示するとともに、プレイヤーの上半身左右への傾き姿勢、前屈み姿勢に応じてカメラ視点を予め設定された位置に変更させていくようにした視点変更技術が提案されている。それによれば、例えばプレイヤーの上半身の左右への傾きを画像の回転に反映させている。
【0004】
また、従来には、ビデオクリップのシーンにより対話型のユーザ制御を処理する方法であって、前記ビデオクリップの前記シーンと対話するユーザの頭部を特定する段階と、前記ビデオクリップの表示中に前記ユーザの前記特定された頭部をトラッキングして、前記ユーザの前記頭部の位置の変化を検出する段階と、を含み、前記トラッキングにより、前記ビデオクリップのフレーム内で検索領域を特定して、前記検索領域内の値とテンプレート値とを比較し、前記ユーザの前記頭部の位置の前記変化に従って視錐台を調整する方法がある(特許文献1)。
【0005】
また、従来には、ゲーム機筐体の所定高さ位置に設けられた画像を表示するモニタと、ゲーム進行を制御するゲーム制御部と、擬似カメラの視点からの3次元画像を作成し、前記モニタ画面に表示する表示制御部とを備えた3Dビデオゲーム装置において、前記モニタ画面の前方のプレイ領域に位置するプレイヤーの頭部の空間上での少なくとも一次元方向に対する位置を検出する頭部検出手段と、検出された頭部の位置の変化方向及び変化量に追従して前記擬似カメラの視点を移動させる視点変更手段とを備えたことを特徴とする3Dビデオゲーム装置がある(特許文献2)。
【0006】
【特許文献1】特表2007−506186号公報 (第1図〜第12図)
【特許文献1】特開2003−199972号公報 (第1図〜第16図)
【0007】
しかしながら、従来技術のビデオゲーム装置およびビデオゲーム制御方法において、カメラ等の検出手段を設けてプレイヤーの頭部の動きを検出し、これを三次元画像に反映しようとする際に、プレイヤーが自らの動きの変化と、三次元画像の視点の動きの変化と、の間に違和感を覚える場合があるという問題がある。つまり、カメラによって撮影した画像が表示されるモニタの正面以外の位置にプレイヤーが動いた場合に、検出したプレイヤーの動きに伴って三次元画像の視点を動かしたとしても、仮想的なゲーム空間内ではプレイヤーの視点が変わるに過ぎず、表示される画像からはプレイヤー自らの動きを認識しにくいという問題がある。特にカメラによってプレイヤーのプレイ領域内での相対位置を検出する場合には、プレイヤーの視点が連動する三次元画像を表示するのみでは、プレイヤー自らの相対位置がわかりにくいので、プレイヤーの動きが大きくなって想定するプレイ領域内から出てしまった場合には、ゲーム上でエラーを生じる場合がある、という問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記の従来技術が有する問題を解決するためになされたものであり、その目的は、ビデオゲーム装置およびビデオゲーム制御方法に関し、仮想カメラの視点から見た三次元の画像をビデオゲームのプレイヤーの視点に連動させるために、プレイヤーの頭部の動きを検出するカメラ等の検出手段を設ける場合に、プレイヤーがより直感的に擬似的な仮想の三次元空間並びに立体的な音場空間を認識・体感でき、また、プレイヤーが想定するプレイ領域を規定するカメラの画角の外に出てしまうことを防止することができるビデオゲーム装置およびビデオゲーム制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のビデオゲーム装置は、ゲーム進行を制御するゲーム制御部と、ゲーム制御部を内部に含んでプレイヤーに対峙する筐体と、筐体に設けられてゲーム制御部から出力される画像を表示するモニタと、モニタ前の所定のプレイ領域に位置するプレイヤーの頭部のプレイ領域上での位置情報を検出する頭部検出手段と、を備え、ゲーム制御部が、仮想カメラの視点から見た三次元の画像を生成する三次元画像生成手段と、頭部検出手段により検出されたプレイヤーの頭部の位置情報の変化方向及び変化量に追従して三次元画像生成手段の仮想カメラの視点を移動させる視点変更手段と、頭部検出手段により検出されたプレイヤー頭部の位置情報に基づいてモニタに対峙するプレイヤーの影絵を生成して三次元画像生成手段が生成する画像に反映させる影絵生成手段と、を含む。
【0010】
好ましくは、本発明のビデオゲーム装置は、ゲーム制御部の影絵生成手段が、頭部検出手段により検出されたプレイヤーの位置情報に基づいてモニタに対峙するプレイヤーの頭部のモニタに対する相対位置を推測し、プレイヤーの影絵が、頭部の相対位置を反映させて頭部に連なる首部ならびに体幹部を含んで生成される。
【0011】
また、好ましくは、本発明のビデオゲーム装置は、ゲーム制御部の影絵生成手段が、頭部検出手段により検出されたプレイヤーの位置情報に基づいてモニタに対峙するプレイヤーの頭部のモニタに対する傾き角度を推測し、プレイヤーの影絵が、頭部の傾き角度を反映させて頭部に連なる首部ならびに体幹部を含んで生成される。
【0012】
また、好ましくは、本発明のビデオゲーム装置は、頭部検出手段が、プレイヤーに向けてレンズを向けて筐体に取り付けられるカメラであり、カメラのレンズの画角の範囲内にモニタの画面の大きさにほぼ一致して画面に平行な仮想平面を規定し、仮想平面内での少なくとも一次元方向に対するプレイヤーの位置情報を検出する。
【0013】
また、好ましくは、本発明のビデオゲーム装置は、筐体が、プレイヤーに対峙する少なくとも一組の左スピーカーおよび右スピーカーを含み、ゲーム制御部が、ゲーム進行にリンクする音声信号を生成する音声信号生成手段と、頭部検出手段により検出されたプレイヤーの頭部の位置情報の変化方向及び変化量に追従して音声信号の定位を変化させる音声定位変更手段と、音声定位変更手段からの出力を受けて左スピーカーおよび右スピーカーに左チャンネル音声信号または右チャンネル音声信号を出力する音声出力手段と、をさらに含む。
【0014】
また、好ましくは、本発明のビデオゲーム装置は、ゲーム制御部の音声出力手段が、音声定位変更手段からの出力を受けて音声信号を左スピーカーおよび右スピーカーとは異なる位置に音像定位させる仮想音像定位手段と、頭部検出手段により検出されたプレイヤーの頭部の位置情報の変化方向及び変化量に追従して、左チャンネル音声信号または右チャンネル音声信号の出力バランスを調整し、かつ、それぞれの遅延量を調整するオフセット補正手段と、をさらに含む。
【0015】
また、本発明のビデオゲーム制御方法は、ビデオゲーム装置のゲーム進行を制御するゲーム制御ステップと、ゲーム制御ステップを実行するゲーム制御部を内部に含んでプレイヤーに対峙する筐体に設けられたモニタにゲーム制御部から出力される画像を表示するステップと、モニタ前の所定のプレイ領域に位置するプレイヤーの頭部のプレイ領域上での少なくとも一次元方向に対する位置情報を頭部検出手段により検出するステップと、を含み、ゲーム制御ステップが、仮想カメラの視点から見た三次元の画像を三次元画像生成手段により生成するステップと、頭部検出手段により検出されたプレイヤーの頭部の位置情報の変化方向及び変化量に追従して三次元画像生成手段の仮想カメラの視点を視点変更手段により移動させるステップと、頭部検出手段により検出されたプレイヤー頭部の位置情報に基づいてモニタに対峙するプレイヤーの影絵を影絵生成手段により生成するステップと、三次元画像生成手段が生成する画像に反映させるステップと、を含む。
【0016】
以下、本発明の作用について説明する。
【0017】
本発明のビデオゲーム装置は、ゲーム進行を制御するゲーム制御部と、ゲーム制御部を内部に含んでプレイヤーに対峙する筐体と、筐体の所定の高さ位置に設けられてゲーム制御部から出力される画像を表示するモニタと、モニタ前の所定のプレイ領域に位置するプレイヤーの頭部のプレイ領域上での位置情報を検出する頭部検出手段と、を備える。また、本発明のビデオゲーム制御方法は、ビデオゲーム装置のゲーム進行を制御するゲーム制御ステップと、ゲーム制御ステップを実行するゲーム制御部を内部に含んでプレイヤーに対峙する筐体の所定の高さ位置に設けられたモニタにゲーム制御部から出力される画像を表示するステップと、モニタ前の所定のプレイ領域に位置するプレイヤーの頭部のプレイ領域上での少なくとも一次元方向に対する位置情報を頭部検出手段により検出するステップと、を含む。
【0018】
この頭部検出手段は、人間の頭部の位置を検出する何らかのセンサーであればよい。好ましくは、頭部検出手段は、プレイヤーに向けてレンズを向けて筐体に取り付けられるカメラであり、カメラのレンズの画角の範囲内にモニタの画面の大きさにほぼ一致して画面に平行な仮想平面を規定し、仮想平面内での少なくとも一次元方向に対するプレイヤーの位置情報を検出する。また、ゲーム制御部は、仮想カメラの視点から見た三次元の画像を生成する三次元画像生成手段と、頭部検出手段により検出されたプレイヤーの頭部の位置情報の変化方向及び変化量に追従して三次元画像生成手段の仮想カメラの視点を移動させる視点変更手段と、を含む。したがって、本発明のビデオゲーム装置では、プレイヤーの頭部の動きをゲーム進行に反映させることができる。より具体的には、ゲーム制御部の三次元画像生成手段では、プレイヤーの頭部の動きに仮想カメラの視点の動きを連動させ、プレイヤーにとってよりリアルな一体感の高い三次元画像を生成して表示することができる。
【0019】
さらに、本発明のビデオゲーム装置は、頭部検出手段により検出されたプレイヤー頭部の位置情報に基づいてモニタに対峙するプレイヤーの影絵を生成して三次元画像生成手段が生成する画像に反映させる影絵生成手段を含む。プレイヤーの影絵とは、三次元画像内に実際のプレイヤーの姿を連想させる人型の影あるいは、シルエットのような画像であり、プレイヤーの姿をイメージさせるキャラクター表示であってもよい。また、プレイヤーの影絵は、プレイヤーの頭部の形状だけでなく、頭部に連なる首部ならびに体幹部を含むものであってもよい。あるいは、プレイヤーの影絵は、仮想カメラの視点から、あるいは、仮想カメラの視点の後方からプレイヤーに仮想の光源を当てられたとすると、その場合に仮想カメラの視点の前方側に延びる影のような形をしていてもよい。モニタに対峙するプレイヤーにとっては、プレイヤーの影絵がまるでモニタを鏡面として映すように三次元画像内に反映される。その結果、プレイヤーの頭部の動きと仮想カメラの視点の動きを一致させる場合に、プレイヤーの動きを反映する影絵が三次元画像内に表示されることにより、プレイヤーがより直感的に擬似的な仮想の三次元空間を認識できるようになる。
【0020】
特に、ゲーム制御部の影絵生成手段が、頭部検出手段により検出されたプレイヤーの位置情報に基づいて、モニタに対峙するプレイヤーの頭部のモニタに対する相対位置を推測する場合、あるいは、モニタに対峙するプレイヤーの頭部のモニタに対する傾き角度を推測する場合には、プレイヤーの頭の左右上下方向の動き、もしくは、プレイヤーが頭部をモニタに対して傾けるような動きを、プレイヤーの影絵が鏡に映すように三次元画像内に表現する。したがって、プレイヤーにとっては、ビデオゲーム装置がリアルタイムにプレイヤーの動きを検出していることが直感的に分かりやすくなり、リアルな臨場感のある仮想体験が得られやすくなるという利点がある。
【0021】
また、モニタに対峙するプレイヤーの影絵が、モニタを鏡面として映すように三次元画像内に反映されることで、想定するプレイ領域を規定するカメラの画角の外にプレイヤーが出てしまうことを防止することができる。プレイヤーは、自らの影絵がモニタの三次元画像内に反映されなくなれば、ビデオゲーム装置が想定するプレイ領域を出てしまって、ビデオゲーム装置がプレイヤーを認識しなくなることが直感的に理解できるからである。したがって、プレイヤーの動きが大きくなっても想定するプレイ領域内から出てないように抑制し、ゲーム上でのエラーの発生を防止することができる。
【0022】
なお、本発明のビデオゲーム装置は、筐体が、プレイヤーに対峙する少なくとも一組の左スピーカーおよび右スピーカーを含み、ゲーム制御部が、ゲーム進行にリンクする音声信号を生成する音声信号生成手段と、頭部検出手段により検出されたプレイヤーの頭部の位置情報の変化方向及び変化量に追従して音声信号の定位を変化させる音声定位変更手段と、音声定位変更手段からの出力を受けて左スピーカーおよび右スピーカーに左チャンネル音声信号または右チャンネル音声信号を出力する音声出力手段と、含んでいてもよい。プレイヤーの頭部の動きに仮想カメラの視点の動きを連動させた三次元画像を生成して表示するだけでなく、音声信号の定位をも連動させることで、よりリアルな一体感の高い臨場感のある仮想体験を得ることができる。
【0023】
また、ゲーム制御部の音声出力手段は、音声定位変更手段からの出力を受けて音声信号を左スピーカーおよび右スピーカーとは異なる位置に音像定位させる仮想音像定位手段と、頭部検出手段により検出されたプレイヤーの頭部の位置情報の変化方向及び変化量に追従して、左チャンネル音声信号または右チャンネル音声信号の出力バランスを調整し、かつ、それぞれの遅延量を調整するオフセット補正手段と、をさらに含んでいてもよい。特に、仮想定位手段を用いてプレイヤーに所定の音声信号の定位感を与えようとする場合には、仮想定位手段のみでは左スピーカーおよび右スピーカーの中央付近でしか仮想定位の効果がない場合にも、頭部検出手段と連動するオフセット補正手段を設けることにより、ビデオゲーム装置が想定するプレイ領域内のいずれの位置でも仮想定位手段による定位感が格段に向上するという利点がある。
【発明の効果】
【0024】
本発明のビデオゲーム装置およびビデオゲーム制御方法は、仮想カメラの視点から見た三次元の画像をビデオゲームのプレイヤーの視点に連動させるために、プレイヤーの頭部の動きを検出するカメラ等の検出手段を設ける場合に、プレイヤーがより直感的に擬似的な仮想の三次元空間並びに立体的な音場空間を認識・体感でき、また、プレイヤーが想定するプレイ領域を規定するカメラの画角の外に出てしまうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の好ましい実施形態によるビデオゲーム装置である遊技機1について説明するブロックダイアグラムである。(実施例1)
【図2】本発明の好ましい実施形態による遊技機1について説明する斜視図である。(実施例1)
【図3】本発明の好ましい実施形態による遊技機1の三次元画像を生成する様子を説明する図である。(実施例1)
【図4】本発明の好ましい実施形態による遊技機1の三次元画像を生成する様子を説明する図である。(実施例1)
【図5】本発明の好ましい実施形態による遊技機1の三次元画像を生成するステップを説明するフローチャートである。(実施例1)
【図6】比較例の遊技機1の三次元画像を生成する様子を説明する図である。(比較例1)
【図7】本発明の好ましい実施形態による遊技機1の三次元画像を生成する様子を説明する図である。(実施例1)
【図8】本発明の好ましい実施形態による遊技機1の仮想音像定位および音場感を説明する図である。(実施例1)
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の好ましい実施形態によるビデオゲーム装置およびビデオゲーム制御方法について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
【実施例1】
【0027】
図1は、本発明の好ましい実施形態によるビデオゲーム装置である遊技機1について説明するブロックダイアグラムである。また、図2は、この遊技機1について説明する斜視図である。具体的には、本実施例の遊技機1は、筐体2の内部にゲーム制御部を構成する制御回路3を備えるスロットマシンである。遊技機1は、筐体2の前面側のプレイヤーが対峙する側に、モニタ4と、カメラ5と、左スピーカー6Lと、右スピーカー6Rと、プレイヤーが操作するスイッチ等を含む操作部7と、スロットゲームの回転リールを含む回転リール部8と、を備えている。なお、後述するように、説明に不要な遊技機1の一部の構造や、内部構造等は、図示ならびに説明を省略する。
【0028】
スロットマシンである遊技機1は、スロットゲームでのビデオ動画を含む映像の演出によるモニタ画像40をモニタ4から再生し、音楽又は効果音等の演出による音声を左右スピーカー6Lおよび6Rから再生する。モニタ4は、約10インチサイズの小型の液晶パネルを含み、制御回路3からの映像出力を再生する。また、カメラ5は、筐体2の何れかの位置に取り付けられる小型カメラであり、本実施例ではモニタ4の上部で筐体2の中央位置に取り付けられて、レンズをプレイヤー9の正面に向けて撮影可能に配置されている。カメラ5で撮影される撮影画像50は、制御回路3に入力される。また、左スピーカー6Lおよび右スピーカー6Rは、プレイヤー9の前方左右に振り分けられて筐体2に取り付けられている。左スピーカー6Lおよび右スピーカー6Rには、制御回路3から左チャンネル音声信号または右チャンネル音声信号が出力される。
【0029】
制御回路3は、スロットゲームの確率抽選を実行する主制御部30を含み、ゲーム進行を制御するゲーム制御部を構成する。制御回路3の主制御部30は、プレイヤー9が操作するスイッチ等を含む操作部7と、スロットゲームの回転リールを含む回転リール部8と、に接続して、遊技機1のスロットゲームでの映像演出、音声演出、動作演出を制御する。本実施例の制御回路3は、主制御部30の他に、後述する仮想カメラ101の視点から見た三次元の画像を生成する三次元画像生成部31と、カメラ5で撮影した撮影画像を用いてプレイヤー9の頭部の位置情報を出力する頭部検出部39と、頭部検出部39からのプレイヤー9の頭部の位置情報の変化方向及び変化量に追従して仮想カメラ101の視点を移動させる視点変更部32と、カメラ5により検出されたプレイヤー9の頭部の位置情報に基づいてモニタ4に対峙するプレイヤー9の影絵9sを生成して三次元画像生成部31が生成するモニタ画像40に反映させる影絵生成部33と、含む。
【0030】
また、制御回路3は、ゲーム進行にリンクする音声信号を生成する音声信号生成部34と、頭部検出手段であるカメラ5により検出されたプレイヤー9の頭部の位置情報の変化方向及び変化量に追従して音声信号の定位を変化させる音声定位変更部35と、音声定位変更部35からの出力を受けて左スピーカー6Lおよび右スピーカー6Rに左チャンネル音声信号または右チャンネル音声信号を出力する音声出力部36と、含む。さらに、音声出力部36は、音声定位変更部35からの出力を受けて音声信号を左スピーカー6Lおよび右スピーカー6Rとは異なる位置に音像定位させる仮想音像定位部37と、頭部検出手段であるカメラ5により検出されたプレイヤー9の頭部の位置情報の変化方向及び変化量に追従して、左チャンネル音声信号または右チャンネル音声信号の出力バランスを調整し、かつ、それぞれの遅延量を調整するオフセット補正部38と、をさらに含む。
【0031】
図3および図4は、本実施例の遊技機1において、モニタ4で再生する三次元画像であるモニタ画像40を生成する様子を説明する図である。具体的には、図3(a)および図4(a)はカメラ5による撮影画像50を説明する図であり、図3(b)および図4(b)は三次元画像生成部31での仮想三次元空間100を説明する図であり、図3(c)および図4(c)はモニタ4で再生するモニタ画像40を説明する図である。また、図5は、遊技機1のモニタ画像40を生成するステップを説明するフローチャートである。本実施例では、カメラ5を用いた頭部検出(顔認識)の結果に基づいて、三次元画像生成部31の仮想カメラ101の視点を移動させ、さらに、三次元画像内のプレイヤー9の影絵9の移動を行う映像演出の動作を示す。なお、プレイヤー9は常に仮想三次元空間100内において原点方向(0,0,0)を向いているとする。
【0032】
図5のフローチャートに示すように、三次元画像生成部31においてシーン描画の処理が開始されると、最初にカメラ5による撮影画像50中の顔位置座標Pf(cx,cy)を検出する(ステップS1)。カメラ5および頭部検出部39は、撮影画像50を用いてレンズの画角の範囲内にモニタ4の画面の大きさにほぼ一致して画面に平行な仮想平面を規定し、仮想平面内でのx方向およびy方向の二次元方向に対するプレイヤー9の位置情報を検出する。頭部検出手段であるカメラ5および頭部検出部39は、撮影画像50の中に図示する矩形領域fとしてプレイヤー9の顔若しくは頭部の形状を認識し、その中心位置をプレイヤー9の頭部の位置情報とする。図3(a)の場合には、プレイヤー9は、遊技機1のプレイ領域として想定される筐体2の正面側のほぼ中央に位置する。一方、図4(a)の場合には、プレイヤー9は中央から右上側に移動した位置に位置しており、カメラ5および頭部検出部39は、2次元座標Pf(cx,cy)で表されるプレイヤー9の頭部の位置情報を出力する。
【0033】
次に、顔位置座標Pf(cx,cy)から三次元空間100内での仮想カメラ101の仮想カメラ座標Pc(x,y,z)を決定する(ステップS2)。つまり、視点変更部32は、図3(b)の場合から図4(b)の場合に変化するように、カメラ5および頭部検出部39により検出されたプレイヤー9の頭部の位置情報の変化方向及び変化量に追従して、三次元画像生成部31の仮想カメラ101の視点を移動させる。仮想カメラ101の位置が移動して視点が変化することで、三次元画像内に規定されるレンダリング範囲102を仮想カメラ101から見ると、立体的なオブジェクト103ないし104の見え方が変化する。
【0034】
次に、顔位置座標Pf(cx,cy)および仮想カメラ座標Pc(x,y,z)からプレーヤー影絵9sの表示位置Ps(px+dx,py+dy,pz+dz)を決定する(ステップS3)。つまり、プレイヤー9の影絵9sを生成する影絵生成部33は、カメラ5および頭部検出部39により検出されたプレイヤー9の頭部の位置情報に基づいて、モニタ4に対峙するプレイヤー9の影絵9sを生成し、三次元画像生成部31が生成するモニタ画像40に影絵9sを反映させる。プレイヤー9の影絵9sは、仮想三次元空間100内において仮想カメラ座標Pc(x,y,z)と視線方向(0, 0, 0) を結ぶ直線上の座標P( px, py, pz ) に配置されていると仮定し、これに、顔位置座標Pf(cx, cy)に基づいたオフセット値(dx, dy, dz)を加え、プレイヤー9の影絵9sを配置する座標を P’(px+dx,
py+dy, pz+dz) とする。
【0035】
ここで、影絵生成部33が生成するプレイヤー9の影絵9sを説明する。プレイヤー9の影絵9は、図3および図4に示すように、三次元画像内に実際のプレイヤーの姿を連想させる人型の影あるいは、シルエットのような画像、または、オブジェクトである。モニタ4に対峙するプレイヤー9にとっては、その影がまるでモニタ4を鏡面として映すように三次元画像であるモニタ画像40に反映されて表示される。本実施例の影絵9sは、モノトーンの影をイメージしているものであるが、プレイヤー9の姿をイメージさせるキャラクター表示であってもよい。プレイヤー9の影絵9sは、プレイヤー9の頭部の形状だけでなく、頭部に連なる首部ならびに体幹部を含むものであってもよい。あるいは、プレイヤー9の影絵9sは、仮想カメラ101の視点から、あるいは、仮想カメラ101の視点の後方からプレイヤー9に仮想の光源を当てられたとすると、その場合に仮想カメラ100の視点の前方側(視線方向(0, 0, 0))に延びる影のような形をしていてもよい。
【0036】
最後に、三次元空間上のオブジェクトをレンダリングする(ステップS4)。つまり、シーン描画処理を終了する場合(ステップS5:Yes)には、三次元画像生成部31は、三次元空間100内に規定されるレンダリング範囲102を二次元画像にレンダリングして、モニタ画像40としてモニタ4に出力する。また、シーン描画処理を終了しない場合(ステップS5:No)には、ステップS1に戻ってシーン描画処理を繰り返す。したがって、図3(c)に図示するように、プレイヤー9が遊技機1のプレイ領域として想定される筐体2の正面側のほぼ中央に位置する場合には、仮想カメラ101の視点も三次元空間のz軸に沿ったほぼ中央であり、プレイヤー9の影絵9sもモニタ画像40のほぼ中央に位置する。一方で、図4(c)に図示するように、プレイヤー9が遊技機1のプレイ領域として想定される筐体2の正面側の右上側に移動して位置する場合には、仮想カメラ101の視点も三次元空間の位置(x,y,z)へ移動し、プレイヤー9の影絵9sもモニタ画像40の中央から右上側へ移動して位置する。
【0037】
したがって、本実施例の遊技機1では、モニタ4に表示するモニタ画像40が、プレイヤー9の頭部の動きを反映して連動した三次元画像になるので、仮想カメラ101の視点が変化したオブジェクト103ないし104の見え方の変化は、プレイヤー9にとってリアルな一体感の高いものになる。さらに、図3(c)および図4(c)に図示するように、プレイヤー9の動きを反映する影絵9sが三次元画像内に表示されることにより、プレイヤー9は、より直感的に擬似的な仮想の三次元空間100を認識できるようになる。
【0038】
図6は、比較例の遊技機1の三次元画像を生成する様子を説明する図である。この比較例の場合は、本実施例を説明する図4の場合に類似するものの、影絵生成部33での処理において、プレイヤー9の影絵9sがプレイヤー9の動きを反映しないようにしているので、図6(a)に図示するようにプレイヤー9が中央から右上側に移動した位置に位置していても、図6(c)に示すように、プレイヤー9の影絵9sはモニタ画像40のほぼ中央に留まって位置する。
【0039】
つまり、この比較例の遊技機1では、モニタ4に表示するモニタ画像40が、プレイヤー9の頭部の動きを反映して連動した三次元画像になるものの、プレイヤー9の動きを反映しない影絵9sが三次元画像内の中央に留まっているので、プレイヤー9は、自らの動きが遊技機1の三次元画像処理に反映されているのかわかりにくくなり、違和感を覚えてしまう。仮想カメラ101の視点が変化したオブジェクト103ないし104の見え方の変化は、プレイヤー9にとってリアルな一体感の高いものになっても、仮想の三次元空間100内でのプレイヤー9自身の位置の変化を認識しにくくなるからである。また、プレイヤー9は、自らの影絵の動きがモニタ4の三次元画像内に十分に反映されない場合には、左右に大きく動いても影絵9sがモニタ画像40の中央に居続けるので、その結果、遊技機1のカメラ5の画角内と想定するプレイ領域を出てしまって、ゲーム上でのエラー発生の原因となることがある。なお、遊技機1が影絵生成部33備えていなくて、プレイヤー9の影絵9sが表示されない場合にも、同様のエラーが生じる恐れが高くなる。
【0040】
本実施例の場合には、モニタ4に対峙するプレイヤー9の影絵9sが、モニタ4を鏡面として映すように三次元画像内に反映されるので、想定するプレイ領域を規定するカメラ5の画角の外にプレイヤーが出てしまうことがなくなるという利点がある。プレイヤー9は、自らの影絵9sがモニタ4の三次元画像であるモニタ画像40の内に反映されなくなれば、遊技機1が想定するプレイ領域を出てしまって、遊技機1がプレイヤー9を認識しなくなることが直感的に理解できるからである。したがって、プレイヤー9の動きが大きくなっても想定するプレイ領域内から出てないように抑制し、ゲーム上でのエラーの発生を防止することができる。
【0041】
図7は、遊技機1の三次元画像を生成する様子を説明する図である。すなわち、図7(a)に示すように、頭部検出手段であるカメラ5および頭部検出部39は、撮影画像50の中に図示する矩形領域fとしてプレイヤー9の顔若しくは頭部の形状を認識し、さらに垂線に対する頭部の傾き角度φを検出する。検出した矩形領域fが垂線に対してどの程度傾いているかによって、モニタ4に対峙するプレイヤー9の頭部のモニタ4に対する傾き角度を推測することができる。したがって、図7(b)に示すように、影絵生成部33および三次元画像生成部31は、プレイヤー9が頭部をモニタ4に対して傾けるような動きを、プレイヤー9の影絵9sが鏡に映すようにモニタ画像40に表現する。影絵9sを、プレイヤー9の頭部の形状だけでなく傾いた頭部に連なる傾いた首部ならびに体幹部を含むものにすると、プレイヤー9は、ますます直感的に擬似的な仮想の三次元空間100を認識できるようになる。検出した頭部の傾き角度φに基づいて、モニタ4に対峙するプレイヤー9の首部ならびに体幹部が、垂線に対して角度θで傾いていると推測して描画すればよい。プレイヤー9にとっては、遊技機1がリアルタイムにプレイヤー9の動きを検出していることが分かりやすくなり、リアルな臨場感のある仮想体験が得られやすくなる。
【0042】
なお、頭部検出手段であるカメラ5および頭部検出部39は、撮影画像50の中に図示する矩形領域fとしてプレイヤー9の顔若しくは頭部の形状を認識する場合に、その矩形領域fの大きさに基づいて、遊技機1の筐体2とプレイヤー9との相対距離を検出してもよい。すなわち、撮影画像50に検出する矩形領域fの面積が大きくなる場合には相対的にプレイヤー9が筐体2に近くなり、反対に矩形領域fの面積が小さくなる場合には相対的にプレイヤー9が筐体2に遠くなるので、検出した相対距離を考慮して三次元空間100内での仮想カメラ101の仮想カメラ座標Pc(x,y,z)の位置zを決定する。したがって、三次元画像生成部31は、三次元空間100内における仮想カメラ101の奥行き方向の位置も変更して、視点が変更された三次元画像をモニタ画像40に出力することができる。また、影絵生成部33も同様に、検出した遊技機1の筐体2とプレイヤー9との相対距離に基づいて、プレイヤー9の影絵9sの大きさを変化させてもよい。
【0043】
図8は、遊技機1の仮想音像定位および音場感を説明する図である。具体的には、図8(a1)および図8(b1)は、カメラ5および頭部検出部39が頭部検出する撮影画像50を説明する図であり、図8(a2)および図8(b2)は、遊技機1とプレイヤー9を上面から見て、プレイヤー9にとっての仮想スピーカーVLおよびVRの仮想定位位置を説明する図である。なお、図8(a1)および図8(b1)が、プレイヤー9がモニタ4に対して左右方向において中央の位置c0に位置する場合であり、図8(a2)および図8(b2)が、プレイヤー9がモニタ4に対して移動した位置c1に位置する場合である。
【0044】
上述するように、制御回路3は、ゲーム進行にリンクする音声信号を生成する音声信号生成部34と、頭部検出手段であるカメラ5により検出されたプレイヤー9の頭部の位置情報の変化方向及び変化量に追従して音声信号の定位を変化させる音声定位変更部35と、音声定位変更部35からの出力を受けて左スピーカー6Lおよび右スピーカー6Rに左チャンネル音声信号または右チャンネル音声信号を出力する音声出力部36と、含む。したがって、図8(a1)および図8(b1)のようにプレイヤー9が中央の位置c0に位置する場合でも、図8(a2)および図8(b2)のようにプレイヤー9が中央から少し右の位置c1に位置する場合でも、左右対称に配置された左スピーカー6Lおよび右スピーカー6Rからゲーム進行にリンクする左チャンネル音声信号または右チャンネル音声が再生されて、プレイヤー9は広がり感のある音場感が得られる。音声定位変更部35は、プレイヤー9の頭部の動きに連動して音声信号の定位を変化させるので、モニタ画像40に表現される三次元画像を見る視覚を合わせて、プレイヤー9はリアルな臨場感のある仮想体験が得ることができる。
【0045】
また、制御回路3の音声出力部36は、さらに、音声定位変更部35からの出力を受けて音声信号を左スピーカー6Lおよび右スピーカー6Rとは異なる位置に音像定位させる仮想音像定位部37をさらに含む。したがって、図8(a1)および図8(b1)のようにプレイヤー9が中央の位置c0に位置する場合には、実際にはスピーカーが配置されないプレイヤー9の左右方向に、仮想スピーカーVLおよびVRを仮想定位させて、プレイヤー9が包みこまれるような音場感をプレイヤー9に与えることができる。実際に存在する左スピーカー6Lおよび右スピーカー6Rと、仮想スピーカーVLおよびVRとに与える音声信号のバランスとタイミングを変化させることで、モニタ画像40に表現される三次元画像で画像の移動に合わせた音像定位の変化を与えることができる。
【0046】
また、制御回路3の音声出力部36は、さらに、頭部検出手段であるカメラ5および頭部検出部39により検出されたプレイヤー9の頭部の位置情報の変化方向及び変化量に追従して、左チャンネル音声信号または右チャンネル音声信号の出力バランスを調整し、かつ、それぞれの遅延量を調整するオフセット補正部38を含む。図8(a1)および図8(b1)のようにプレイヤー9が中央の位置c0からオフセットした位置c1に動いたとしても、プレイヤー9の頭部の位置変化に応答して左チャンネル音声信号または右チャンネル音声信号の出力バランスと遅延量を常に調整する。具体的には、オフセット補正部38は、左チャンネル音声信号並びに右チャンネル音声信号が共通なモノラル成分に関して、左スピーカー6Lおよび右スピーカー6Rの丁度間に定位するように、相対的な音量レベルと遅延時間を調整する。図8(b2)に図示するように、プレイヤー9にとっては、オフセット補正を施した左スピーカー6L’および右スピーカー6R’が仮想的に配置されることになる。
【0047】
その結果、制御回路3の音声出力部36は、スピーカーが配置されないプレイヤー9の左右方向に仮想スピーカーVL’およびVR’を仮想定位させて、プレイヤー9が包みこまれるような音場感を、プレイヤー9が動いたとしても常に与えることができる。カメラ5および頭部検出部39と連動するオフセット補正手段38を設けることにより、仮想定位部37によって左スピーカー6Lおよび右スピーカー6Rの中央付近以外の領域を含む遊技機1が想定するプレイ領域内のいずれの位置でも、仮想音像定位部37による定位感が格段に向上する。すなわち、本実施例の場合には、モニタ4に対峙するプレイヤー9の影絵9sが、モニタ4を鏡面として映すように三次元画像内に反映されるので、例えば、音像定位する音源のキャラクターがモニタ画像40の内に映し出される場合には、仮想プレイヤー9と音源のキャラクターとの仮想三次元空間100内での相対関係が直感的に分かりやすくなり、結果的に音声信号の音像定位感も向上するという利点がある。
【0048】
なお、本発明のビデオゲーム装置は、上記実施例のような遊技機1に限定されず、アーケードゲームのような他のビデオゲーム装置でもよい。また、ビデオゲーム装置は、以下のようなビデオゲーム制御方法を実行するものであればハードウェアであるか、ソフトウェアであるかを問わない。ビデオゲーム制御方法は、ビデオゲーム装置のゲーム進行を制御するゲーム制御ステップと、ゲーム制御ステップを実行するゲーム制御部を内部に含んでプレイヤーに対峙する筐体に設けられたモニタにゲーム制御部から出力される画像を表示するステップと、モニタ前の所定のプレイ領域に位置するプレイヤーの頭部のプレイ領域上での少なくとも一次元方向に対する位置情報を頭部検出手段により検出するステップと、を含んでいればよい。ゲーム制御ステップは、仮想カメラの視点から見た三次元の画像を三次元画像生成手段により生成するステップと、頭部検出手段により検出されたプレイヤーの頭部の位置情報の変化方向及び変化量に追従して三次元画像生成手段の仮想カメラの視点を視点変更手段により移動させるステップと、頭部検出手段により検出されたプレイヤー頭部の位置情報に基づいてモニタに対峙するプレイヤーの影絵を影絵生成手段により生成するステップと、三次元画像生成手段が生成する画像に反映させるステップと、を含むものであればよい。
【0049】
あるいは、ビデオゲーム装置が備える頭部検出手段は、上記実施例のようなカメラ5に限定されず、例えば、プレイヤー9が頭部に装着するヘルメット等の被検出対象を検出する特定の他のセンサーの組み合わせであってもよい。頭部検出手段により検出した位置情報を使うことで、プレイヤー9の動きを反映する影絵9sを三次元画像内に表示することができるので、プレイヤー9は、より直感的に擬似的な仮想の三次元空間100を認識でき、臨場感を高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明のビデオゲーム装置またはビデオゲーム制御方法は、上記実施例の場合のようなビデオゲームに適用するものに限定されず、三次元の映像と音声とを再生する映像音響機器、あるいは、ドライビングシミュレーター等に代表されるバーチャルリアリティ(VR)再生機器、等にも適用が可能である。
【符号の説明】
【0051】
1 遊技機(ビデオゲーム装置)
2 筐体
3 制御回路(ゲーム制御部)
30 主制御部
31 三次元画像生成部
32 視点変更部
33 影絵生成部
34 音声信号生成部
35 音声定位変更部
36 音声出力部
37 仮想音像定位部
38 オフセット補正部
39 頭部検出部
4 モニタ
40 モニタ画像
5 カメラ(頭部検出手段)
50 撮影画像
6L 左スピーカー
6R 右スピーカー
7 操作部
8 回転リール部
9 プレイヤー
9s プレイヤー影絵
100 仮想三次元空間
101 仮想カメラ視点
102 レンダリング範囲
103 オブジェクト1
104 オブジェクト2


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム進行を制御するゲーム制御部と、該ゲーム制御部を内部に含んでプレイヤーに対峙する筐体と、該筐体に設けられて該ゲーム制御部から出力される画像を表示するモニタと、該モニタ前の所定のプレイ領域に位置する該プレイヤーの頭部の該プレイ領域上での位置情報を検出する頭部検出手段と、を備え、
該ゲーム制御部が、仮想カメラの視点から見た三次元の該画像を生成する三次元画像生成手段と、該頭部検出手段により検出された該プレイヤーの頭部の該位置情報の変化方向及び変化量に追従して該三次元画像生成手段の該仮想カメラの視点を移動させる視点変更手段と、該頭部検出手段により検出された該プレイヤー頭部の該位置情報に基づいて該モニタに対峙する該プレイヤーの影絵を生成して該三次元画像生成手段が生成する該画像に反映させる影絵生成手段と、を含む、
ビデオゲーム装置。
【請求項2】
前記ゲーム制御部の前記影絵生成手段が、前記頭部検出手段により検出された前記プレイヤーの前記位置情報に基づいて該モニタに対峙する該プレイヤーの前記頭部の該モニタに対する相対位置を推測し、前記プレイヤーの前記影絵が、該頭部の該相対位置を反映させて該頭部に連なる首部ならびに体幹部を含んで生成される、
請求項1に記載のビデオゲーム装置。
【請求項3】
前記ゲーム制御部の前記影絵生成手段が、前記頭部検出手段により検出された前記プレイヤーの前記位置情報に基づいて該モニタに対峙する該プレイヤーの前記頭部の該モニタに対する傾き角度を推測し、前記プレイヤーの前記影絵が、該頭部の該傾き角度を反映させて該頭部に連なる首部ならびに体幹部を含んで生成される、
請求項1または2に記載のビデオゲーム装置。
【請求項4】
前記頭部検出手段が、前記プレイヤーに向けてレンズを向けて前記筐体に取り付けられるカメラであり、該カメラの該レンズの画角の範囲内に前記モニタの画面の大きさにほぼ一致して該画面に平行な仮想平面を規定し、該仮想平面内での少なくとも一次元方向に対する該プレイヤーの前記位置情報を検出する、
請求項1から3のいずれかに記載のビデオゲーム装置。
【請求項5】
前記筐体が、前記プレイヤーに対峙する少なくとも一組の左スピーカーおよび右スピーカーを含み、
前記ゲーム制御部が、前記ゲーム進行にリンクする音声信号を生成する音声信号生成手段と、前記頭部検出手段により検出された該プレイヤーの頭部の前記位置情報の変化方向及び変化量に追従して該音声信号の定位を変化させる音声定位変更手段と、該音声定位変更手段からの出力を受けて該左スピーカーおよび該右スピーカーに左チャンネル音声信号または右チャンネル音声信号を出力する音声出力手段と、をさらに含む、
請求項1から4のいずれかに記載のビデオゲーム装置。
【請求項6】
前記ゲーム制御部の前記音声出力手段が、前記音声定位変更手段からの出力を受けて前記音声信号を前記左スピーカーおよび前記右スピーカーとは異なる位置に音像定位させる仮想音像定位手段と、前記頭部検出手段により検出された前記プレイヤーの頭部の前記位置情報の変化方向及び変化量に追従して、前記左チャンネル音声信号または前記右チャンネル音声信号の出力バランスを調整し、かつ、それぞれの遅延量を調整するオフセット補正手段と、をさらに含む、
請求項1から5のいずれかに記載のビデオゲーム装置。
【請求項7】
ビデオゲーム装置のゲーム進行を制御するゲーム制御ステップと、該ゲーム制御ステップを実行するゲーム制御部を内部に含んでプレイヤーに対峙する筐体の所定の高さ位置に設けられたモニタに該ゲーム制御部から出力される画像を表示するステップと、該モニタ前の所定のプレイ領域に位置する該プレイヤーの頭部の該プレイ領域上での少なくとも一次元方向に対する位置情報を頭部検出手段により検出するステップと、を含み、
該ゲーム制御ステップが、仮想カメラの視点から見た三次元の該画像を三次元画像生成手段により生成するステップと、該頭部検出手段により検出された該プレイヤーの頭部の該位置情報の変化方向及び変化量に追従して該三次元画像生成手段の該仮想カメラの視点を視点変更手段により移動させるステップと、該頭部検出手段により検出された該プレイヤー頭部の該位置情報に基づいて該モニタに対峙する該プレイヤーの影絵を影絵生成手段により生成するステップと、該三次元画像生成手段が生成する該画像に反映させるステップと、を含む、
ビデオゲーム制御方法。


【図1】
image rotate

【図5】
image rotate

【図8】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−223357(P2012−223357A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−93437(P2011−93437)
【出願日】平成23年4月19日(2011.4.19)
【出願人】(710014351)オンキヨー株式会社 (226)
【Fターム(参考)】