説明

ビデオプリンタ

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビデオカメラやVTR再生画などの出力をハードコピーする装置に係り、特に入力画像を縮小して多数メモリし、あるいは同一画を縮小多分割してプリントするに好適なビデオプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の装置は、特開昭56−64884号公報に記載のように、入力画像をメモリに一旦保持した後、そのままの画像配列で1個のプリントを得る装置となっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、メモリした画像を縮小して多分割状態で同時にプリントする点については考慮されておらず、小さい画像のプリントを多種類多数得たい場合には、ビデオカメラで被写体を小さく撮像した後、複数枚プリントせざるを得なく、コスト的、時間的に問題があった。また、VTRやTV放送の画像を小さくしてプリントしたい場合には不可能であった。
【0004】本発明の目的は、複数の縮小画像をプリントするにあたり、縮小画像間の境界部に画枠を設けることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、入力画像データを記憶するメモリ手段と、該メモリ手段から読み出した画像データを画像として出力する出力手段と、前記メモリ手段から読み出した画像データを印刷して複数の縮小画像を出力するプリント手段を有するビデオプリンタにおいて、縮小画像間の境界部に画枠を付ける画枠信号発生手段を設けた。
【0006】さらに、本発明は、入力画像データを記憶するメモリ手段と、該メモリ手段から読み出した画像データを画像として出力する出力手段と、前記メモリ手段から読み出した画像データを印刷して複数の縮小画像を出力するプリント手段を有するビデオプリンタにおいて、前記メモリ手段は、1/Nに縮小した入力画像データを保持するバッファメモリと、これを制御するバッファメモリ制御手段と、前記バッファメモリに保持された縮小画像データを指定された位置に保持するフィールドメモリと、これを制御するフィールドメモリ制御手段とを有しており、前記バッファメモリに保持される縮小画像間の画枠領域を検出する枠エリア検出手段と、画枠信号発生手段を備え、前記枠エリア検出手段により検出された領域に前記画枠信号発生手段の出力を切替え挿入するようにした。
【0007】また、本発明は、上記ビデオプリンタにおいて、画枠信号発生手段の出力を断続するスイッチ手段を有するようにした。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の前提となるビデオプリンタの構成を図1〜図7を用いて説明する。図1において、1は磁気記録再生装置やビデオカメラあるいはテレビ放送受信機などの信号源、2はアナログ信号処理を施こすデコード処理手段、3はフレームメモリなどのメモリ手段、4はエンコード処理手段、5はモニタ、6はメモリ部3のメモリ情報をハードコピーするプリント手段、7はシステムコントローラ(以下シスコンと略称する)である。
【0009】次に、動作を説明する。本システムは、第1のモードとして、信号源1からの映像信号を順次縮小しメモリ手段3にマルチ状に保持し、これをモニタ5で確認し、プリント手段6でプリントするものである(図2R>2)。また、本システムは、第2のモ−ドとして、例えば信号源1がビデオフロッピやVTRなどの磁気記録再生装置の場合には、信号源1とシスコン7を連動させて、ビデオフロッピの内容(例えば50フィールド画面)を順次縮小してメモリ手段3に25画面/フィールドつまり多画面メモリとして保持した後、プリントするものである(図3)。さらに、本システムは、第3のモードとして、信号源1からの映像信号を縮小しない標準の大きさのままでメモリ手段3に保持した後、プリント手段6において図4の多分割マルチ画(例えば1/Nに圧縮して1枚のプリント上に同一画をN画面配置)のプリントをするものである。
【0010】本発明の前提となるビデオプリンタの構成例を図5に示す。同図は図2のプリント画を実現するものである。図5において、301はバッファメモリ、302はフィールドメモリ、303はバッファメモリ制御手段、304はフィールドメモリ制御手段である。また、バッファメモリ制御手段303は、W/R制御手段331、垂直アドレス手段332、水平アドレス手段333、2N分周器334、2N分周器335、クロックスイッチ336,337で構成され、フィールドメモリ制御手段304は、W/R制御手段341、Wゲート手段342、一致検出手段343,344、エリアアドレス手段345、垂直アドレス手段346、水平アドレス手段347で構成される。
【0011】以上において、エリアアドレス手段345は、図2及び図3における縮小エリア(図2のA,B,C,D……)のアドレス番号を供給するものである。また、バッファメモリ301は、説明を簡単にするために4つのバッファメモリを有するものとする。
【0012】次に動作を説明する。まず、デコード処理手段2からは図2のように連続フィールド映像のディジタル画像が順次メモリ手段3に入力される。この人力ディジタル画像は、垂直/水平方向に間引きされて、図2の縮小画像を構成するデータのみがバッファメモリ301に書き込まれる。つまり、図2における画像「A」が、1フィールド期間にバッファメモリA1/B1に縮小されて書き込まれる。
【0013】次のフィールド期間(図2の画像「B」の期間)には、バッファメモリA1/B1の内容は連続的に繰り返し読み出されるとともに、他方のバッファメモリA2/B2には、画像「B」が縮小されて書き込まれる。以降画像「C」「D」……も順次縮小されバッファメモリA1/B1とA2/B2に書き込まれ、読み出される。
【0014】さて、ここで入力画像「A」を2つのバッファメモリA1/B1に書き込む時は、水平走査(あるいは水平周期)毎に切り換えてバッファメモリA1とB1に交互に書き込む。
【0015】その後読み出す時は、2つのバッファメモリA1/B1を同時に読み出し、次段のフィールドメモリA/B302の書き込みエリア(図2の縮小区画)にタイミングを合わせて同時に書き込む。
【0016】以下、順次A,B,C,D,……あるいは1,2,3,……と書き込まれ、Pあるいは25で連続縮小画像のフィールドメモリ302への書き込みを完了する。
【0017】その後、フィールドメモリ302は連続的に読み出され、モニタ(図示せず)上に図2の画像を映し出すとともに、プリント手段6によりモニタ画と同一プリントをプリントする。
【0018】次に、バッファメモリ制御手段303とフィールドメモリ制御手段304の詳細動作を説明する。まず、バッファメモリ制御手段303では、書き込み時に図6のように必要データのみをバッファメモリ301に取り込む。まず水平方向では、入力データの転送周期(入力クロックCLKと同じでありTCLKとする)に対して、水平アドレス手段333のアドレス変化は2N・TCLKである。つまり2N分周器335により水平アドレス手段333のクロック周期は2N倍になっている。
【0019】図6は、N=2の16分割状態で示してある。したがって、同一アドレスには、例えば図6(a)に示す1−1,1−2,1−3,1−4の4個の連続データが書き込まれるが、最終的には最後に書き込む1−4のデータのみが保持される。その後、次のアドレスには、次の4個のデータ(1−5〜1−8)のうち1−8のデータのみが保持され、この結果、1水平走査では512個のデータのうち、その1/4の128個のデータのみがバッファメモリA1に書き込まれる(まず最初の水平走査期間はバッファメモリ301のA1メモリに書き込まれる。)。その後、次にバッファメモリ301に取り込むべき水平走査期間では、同様にして128個のデータがフィールドメモリB1に書き込まれる。その後、フィールドメモリA1/B1は交互にデータが書き込まれる。
【0020】さて、次に垂直アドレス手段332の動作であるが、書き込み時には、入力クロックとして2N分周された水平同期信号HDが入力される(本実施例の説明では上述のようにN=2とした)。したがって、バッファメモリ301の垂直アドレスは、4水平周期で1つ移動することとなり、図6に示した各バッファメモリに割当てられた行のデータが書き込まれる。したがって、最初の2行目の水平期間データはバッファメモリA1に保持され、さらに2行後の水平期間データはバッファメモリB1に保持され、以降これを繰り返して、1フィールド期間(256行データ)から128行のデータを半分づつバッファメモリA1/B1に保持する。この結果、最終的にバッファメモリ301には、水平方向データのうち4n(n=1〜128)番目のデータのみが保持され、かつ垂直方向では、バッファメモリA1には(4m−2)行目、バッファメモリB1には4m行目のデータ(m=1〜64)のみが保持される。この結果、バッファメモリA1/B1には図6(b)に示すデータが保持される。なおバッファメモリ301の書き込み時のA/B切り替えは、W/R制御手段331により実施される。
【0021】さて、次にバッファメモリ301の読み出し時には、垂直アドレス手段332および水平アドレス手段333のクロックは、直接HD及びCLKが入力される。したがって、垂直方向では1フィールド期間に同一アドレスが周期的に4回現れ、また、水平方向でも1水平期間に同一アドレスが周期的に4回現れる。つまり、このバッファメモリ301の出力をモニタを介して見た場合、まさに図2右側の16分割状態に再現されている。つまり、縮小された16個のエリアにそれぞれ対応して同一画像が16回現れる。このような画像が、次段フィールドメモリ302に供給される。
【0022】さて、次にフィールドメモリ制御手段304の動作を説明する。フィールドメモリ302の垂直/水平アドレスは、それぞれ垂直アドレス手段346および水平アドレス手段347で制御される。これらのアドレス手段346,347ではVD,HD信号をリセットRとして、HD,CLK信号をクロックCKとして、バッファメモリ制御手段303内の垂直アドレス手段332および水平アドレス手段333の読み出し状態と全く同様にアドレスを発生する。したがって、バッファメモリ301から読み出される縮小エリアと、フィールドメモリ302における縮小エリアとは、完全にタイミングが一致している。
【0023】したがって、エリアアドレス手段345の出力として、フィールドメモリ302に書き込むべき縮小エリアの位置を指定することにより、W/R制御手段341はそのエリア(例えば図2のエリアA)のみに書き込み指令を出力する。このとき、シスコン7からは図2R>2のエリアにおける(第m行,第n行)の指定データとして(m,n)がエリアアドレス手段345に供給される。このとき、エリアアドレス手段345の出力は、垂直方向・水平方向とも(本実施例では)2bitアドレスを出力し、一致検出手段343,344において各アドレスの上位(MSB側)2bitと比較される。
【0024】したがって、1つのエリアデータ(m,n)に対して1つの縮小エリア期間のみ、両一致検出手段343,344は一致信号を出力し、Wゲート手段342において両一致信号の共通期間のみW/R制御手341に一致信号を出力する。このとき、縮小エリア(図2R>2のA〜P)の書き込み順あるいはランダムなエリア指定などは、シスコン7の設計により任意に設定することができる。また、シスコン7よりWゲート手段342に直接信号を送ることにより、同一縮小画像を、例えば16画面フィールドメモリ302に書き込める。
【0025】また、1フィールド毎にエリア番号を切り換えることにより、図2のような連続フィールド画像の16分割連続メモリが可能であり、数フィールドおきにあるいは手動入力により、エリア番号を切り換えることにより間欠的あるいは断続的なフィールドのメモリが可能である。
【0026】以上において、4個のバッファメモリA1/B1,A2/B2のW/R動作とフィールドメモリ302のW/R動作を図7にまとめて示す。フィールドメモリA/B302に同時にデータを書き込むことより連続フィールド書き込みを可能とし、フィールドメモリ302の読み出し時には、フィールド毎にフィールドメモリA/Bを切り換えて出力することにより、通常のモニタで映し出すことができるインタレース信号を再現している。
【0027】図7(5),(6)は、フィールドメモリ302に書き込む縮小エリア番号が順次変化している様子を模式的に書き込みパルスの位相変化で示した。
【0028】なお、図5において、バッファメモリA1/B1とバッファメモリA2/B2との関係は、装置が書き込み状態時には常にW/Rが反対になっている。したがって、バッファメモリA1/B1,A2/B2それぞれに専用の垂直アドレス手段332および水平アドレス手段333が必要であるが、理解しやすいようにそれぞれの配線は省略してある。
【0029】また、図5〜図7の説明においてN=2として16分割を説明してきたが、Nとして他の整数でもよい。例えば、N=1で4分割、N=3で36分割、N=4で64分割などである。
【0030】以上説明したビデオプリンタにおいては、隣接する縮小画像は互いに画面が接している。このような複数枚の画像を切断するときには、隣接する画像間を正確に切断しないと隣の画像の背景が入り込んでしまうおそれがある。この実施の形態は、このような不都合をなくすことができるビデオプリンタに関する。
【0031】図3に示すような奇数分割プリントの一実施例を図8に示す。同図において図5と同一機能を有するものは、同一番号を記した。図8において、305はバッファメモリ制御手段、306は枠データ発生手段、307はデータスイッチである。バッファメモリ制御手段305は、図5のバッファメモリ制御手段304に含まれる手段331〜335の他に、垂直シフト手段351、水平シフト手段352、最終アドレス検出手段353,354、枠エリア検出手段355、ORゲート356,357、及びアドレススイッチ358,359で構成される。
【0032】次に、動作を説明する。説明では図3にあわせて25画面を例にとる。まず、バッファメモリ301への画像書き込みは、図5で説明したように1/4にデータ縮小されて1フィールド分のデータが取り込まれる。また図7(3),(4)のようにバッファメモリA1/B1への書き込みフィールド期間では、バッファメモリA2/B2は読み出し期間に、次のフィールド期間では、反対の状態にある。バッファメモリ301のアドレスは、アドレススイッチ358,359を介して、垂直アドレス手段332及び水平アドレス手段333で制御される。ここで、垂直アドレス手段332は、ライト(Write:W)垂直アドレス手段332aとリード(Read:R)垂直アドレス手段332bで構成され、それぞれアドレススイッチ358a,358bで互いに相反する垂直アドレス手段332の出力が選択され、バッファメモリA1/B1,A2/B2へ供給される。同様に、水平アドレス手段333も、W水平アドレス手段333aおよびR水平アドレス手段333bで構成され、垂直アドレス手段332と同様にバッファメモリ手段301ヘアドレスを供給する。
【0033】まず、W水平アドレス手段333aの動作を図9を用いて説明する。デコード処理手段2からのHD信号により2N分周器335および水平シフト手段352がリセットRされる。このとき、水平シフト手段352の出力は、例えば“H”になり、W水平アドレス手段333aをリセットRする。その後、2N分周器335は、クロック信号CLKを(本説明ではN=2なので)4分周して、次段水平シフト手段352及びW水平アドレス手段333aのクロック入力端CKに4分周CLKを供給する。その後、水平シフト手段352は、所定数(例えは14発)の4分周CLKを計数するとその出力を“L”に反転し、W水平アドレス手段333aのリセットを解除する。この結果、W水平アドレス手段333aは、計数可能となり、4分周CLKの到来毎にアドレス値を更新していく。なお、このアドレス値は128まで達し、それ以降の計数動作は無意味となる。したがって、バッファメモリA/Bには、図9(b)に示すように水平方向では15ライン目以降のデータのみが保持される。
【0034】バッファメモリに保持された50×100個のデータは、次のフィールド期間にR水平アドレス手段333bにより繰り返し読み出されると同時に、次段のデータスイッチ307にそれぞれ送られる。ここで、R水平アドレス手段333は、HD信号によりリセットRされ、その直後よりクロックCLKを計数し始める。最終計数値(例えば100)まで計数が進むと、最終アドレス検出手段354は、最終アドレスとして上記最終計数値を検出し、ORゲート357にリセットパルスを出力する。これにより再びR水平アドレス手段はリセットされ、アドレス0から計数を開始し、この動作が次のHD到来まで繰り返し行なわれる。
【0035】1水平期間にCLKは500発強存在し、したがって、図9(b)の例えば1行目のデータ(8−15)〜(8−114)のデータが5回以上繰り返し読み出されることになる。したがって、各垂直アドレスに対して水平方向に同一データ群(例えは上記の8−15〜8−114)が5回以上読み出される。ここで、最終アドレス100は、512/5以下の整数の一つとして選定したものであり、必ずしもこれに限るものではない。
【0036】次に、垂直アドレス手段332の動作を説明する。水平アドレス手段333の水平方向操作を、垂直方向に置き換えたものが垂直アドレス手段332である。まず、W垂直アドレス手段332aの動作を説明する。デコード処理手段2からのVD信号により2N分周器334と垂直シフト手段351がリセットRされる。このとき、垂直シフト手段351の出力は、例えば“H”となりW垂直アドレス手段332aをリセットRする。その後、2N分周器334は、HD信号を(本実施例ではN=2なので)4分周して、4分周HD信号を次段垂直シフト手段351及びW垂直アドレス手段332aのクロック端子CKに供給する。垂直シフト手段351は、所定数(例えば7)の4分周HD信号を計数すると、その出力を“L”に反転し、Wアドレス手段332aのリセットを解除する。その後、W垂直アドレス手段332aは、4分周HD信号を計数し始め、W垂直アドレスとしてアドレススイッチ358を介してバッファメモリ301に供給する。したがって、バッファメモリA1及びB1には、図9に示すように8行目以降のデータが保持される。このとき、58行目以降のデータ書き込みは任意で良い。
【0037】さて、次にR垂直アドレス手段332bの動作を説明する。VD信号によりORゲート356を介してR垂直アドレス手段332bはリセットされ、その直後よりHD信号を計数する。その計数値が最終計数値(例えば50)まで達すると、最終アドレス検出手段353は、最終アドレスとして上記最終計数値を検出し、ORゲート356にリセットパルスを出力する。これにより、再びR垂直アドレス手段332bはリセットされ、再びアドレス0から計数を開始する。この動作は、次のVD信号が到来するまで繰り返し行われる。VD周期中にHD信号は約260発存在し、したがって、図9(b)の例えば8行目から57行目での50行分のデータが垂直方向に5回繰り返し読み出される。
【0038】以上により、垂直アドレス手段332と水平アドレス手段333の読み出し制御により図9(b)の縮小画面が垂直・水平(モニタ上でみると縦・横)方向に5画面づつ計25画面が読み出される。したがって、図5のフィールドメモリ302及びフィールドメモリ制御手段304を用いれば、縮小画像を連続的に25画面メモリでき、さらに同一画を25画面同時にメモリすることもできる。
【0039】以上のようにして、バッファメモリ301より読み出された縮小画像は、データスイッチ307において枠づけが行なわれる。つまり枠エリア検出手段355からの信号により、データスイッチ307は枠データ発生手段306からの枠データを選択し、次段フィールドメモリ302に供給する。ここで、枠データとしては、白、黒、あるいは他の任意の色相に定される。
【0040】さて、枠エリア検出手段355の動作を説明する。枠エリア検出手段355には、R垂直アドレス手段322bからのR垂直アドレスと、R水平アドレス手段333bからのR水平アドレスとが入力されている。枠エリア検出手段355では、各Rアドレスから枠エリアにすべきアドレスを検出して枠エリア信号として上記データスイッチに供給する。枠エリアとしては、図9R>9(b)に示す左右端の例えば2ライン(垂直方向データの15,16及び113,114のライン)分と上下端の例えば2行(水平方向データの8,9及び56,57行)分のアドレスを検出する。この枠検出信号は縮小画像1つに対して上下左右エリアで発生し、これらが、25画面分全てに対して出力される。
【0041】次に、図8におけるバッファメモリ制御手段305の他の一実施例を図10に示す。同図において、図8と同一機能を有するものは、同一番号を記してある。図10ではR垂直アドレス手段322bとR水平アドレス手段333bをプリセットPSタイプとし、また図8における垂直シフト手段351と水平シフト手段352を削除した構成である。垂直アドレス手段332と水平アドレス手段333以外の動作は図8と同様である。
【0042】まず、水平アドレス手段333の動作を説明する。W水平アドレス手段333aは、HD信号によるリセット後、すぐに4分周CLKを計数し始める。したがって、バッファメモリ301には、図9(a)の水平方データが全て書き込まれる。一方、読み出し時では、R水平アドレス手段333bは、HD信号により所定値(例えば15)にプリセットPSされ、その後のCLKによりアドレス値を更新していく。最終計数値(例えば114)までアドレス値が進むと、図8と同様に最終アドレス検出手段354よりプリセットパルスが出力され、ORゲート357を介してR水平アドレス手段333bは再びリセットされる。
【0043】その後、同様にして水平アドレスは繰り返し出力される。したがって、バッファメモリ301からは、図8と同様に図9(b)の縮小画像データが繰り返し出力される。一方、垂直アドレス手段332では、上記水平アドレス手段333の水平方向を垂直方向に置き換えた状態に等しい。つまり、W垂直アドレス手段332aはVD信号によりリセットされ、4分周HD信号を計数する。したがって、バッファメモリ301には、図9R>9に示す水平方向の1行目から全てが書き込まれる。
【0044】読み出し時は、R垂直アドレス手段332bはVD信号により所定値(例えば8)にプリセットPSされ、その後4分周HD信号を計数する。最終アドレス検出手段353は、R垂直アドレス手段332bの最終アドレス(例えば57)を検出すると、プリセットパルスを出力し、ORゲート356を介して再びR垂直アドレス手段332bをプリセットする。以降この動作を繰り返す。したがって、図9(b)の縮小画像が25回連続して読み出される。
【0045】上記の図8から図10の説明においては、N=2として、垂直・水平方向に1/4に縮小し、5×5=25の縮小画面書き込みについて説明したが、これに限るものではない。例えば、3×3=9画面の場合にはN=1として、垂直・水平方向に1/2に縮小(256×256)し、これを2つのバッファメモリ301に書き込む(256×128)。読み出し時には、縮小画像(256×128)のうち(170×85)の部分を繰り返し読み出す。また、7×7=49画面の場合にはN=3として、1/6に圧縮(84×84)し、縮小画像(84×42)をバッファメモリ301に書き込む。そのうち(72×36)の部分を繰り返し読み出す。
【0046】このように垂直水平方向に奇数個(2N+1)の縮小画像をメモリする場合には、1/2Nに縮小した後バッファメモリ301に書き込み、水平方向に512/(2N+1)以下の偶数値垂直方向にその半分の画像を繰り返し読み出して、フィールドメモリ302に書き込めば良い。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、縮小画像の周囲に画枠を設けたので、縮小画像を切断する際、位置合わせを厳密に行わなくても、縮小画面内に隣接する画面の背景が入ることをなくせる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の前提となるビデオプリンタの構成を示すブロック図。
【図2】ビデオプリンタの動作説明のための概念図。
【図3】ビデオプリンタの動作説明のための概念図。
【図4】ビデオプリンタの動作説明のための概念図。
【図5】本発明の前提となるビデオプリンタの構成をより詳細に示すブロック図。
【図6】本発明のビデオプリンタの動作説明のための概念図。
【図7】本発明のビデオプリンタの動作説明のための要部波形図。
【図8】本発明のビデオプリンタの構成を示すブロック図。
【図9】本発明のビデオプリンタの動作説明のための概念図。
【図10】本発明のビデオプリンタのさらに他の実施例の構成を示すブロック図。
【符号の説明】
1 信号源
2 デコード処理手段
3 メモリ手段
4 エンコード処理手段
5 モニタ
6 プリント手段
7 システムコントローラ
301 バッファメモリ
302 フィールドメモリ
303 バッファメモリ制御手段
304 フィールドメモリ制御手段
305 バッファメモリ制御手段
306 枠データ発生手段
355 枠エリア検出手段

【特許請求の範囲】
1.入力画像データを記憶するメモリ手段と、該メモリ手段から読み出した画像データを画像として出力する出力手段と、前記メモリ手段から読み出した画像データを印刷して複数の縮小画像を出力するプリント手段を有するビデオプリンタにおいて、前記メモリ手段が、入力画像データを間引いてメモリ部に記憶させる画像縮小手段と、メモリ部に記憶される縮小画像間の境界部に画枠を付ける画枠信号発生手段を備えたことを特徴とするビデオプリンタ。
2.入力画像データを記憶するメモリ手段と、該メモリ手段から読み出した画像データを画像として出力する出力手段と、前記メモリ手段から読み出した画像データを印刷して複数の縮小画像を出力するプリント手段を有するビデオプリンタにおいて、前記メモリ手段は、画像データを1/Nに縮小する画像縮小手段と、該画像縮小手段からの縮小画像データを順次所定位置に保持するメモリ部と、該メモリ部を制御するメモリ制御手段と、縮小画像間の画枠領域を選定あるいは検出する枠エリア検出手段と、画枠信号発生手段を備え、前記枠エリア検出手段により指示された該縮小画像の領域に前記画枠信号発生手段の出力を切替え挿入することを特徴とするビデオプリンタ。
3.上記画枠信号発生手段の出力を断続するスイッチ手段を有する請求項1または2に記載のビデオプリンタ。

【図1】
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【図3】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【特許番号】特許第3248877号(P3248877)
【登録日】平成13年11月9日(2001.11.9)
【発行日】平成14年1月21日(2002.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平10−255252
【分割の表示】特願昭62−183281の分割
【出願日】昭和62年7月24日(1987.7.24)
【公開番号】特開平11−234617
【公開日】平成11年8月27日(1999.8.27)
【審査請求日】平成10年9月9日(1998.9.9)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【参考文献】
【文献】特開 昭62−147883(JP,A)