説明

ビデオレターの作成方法

【課題】背景映像やBGMが追加され、必要に応じてメッセージが挿入された高画質のビデオレターを、短時間かつ安価に作成する方法を提供する。
【解決手段】最初に、ユーザは端末を用いて、ビデオレターの基となる未処理のビデオデータをウェブサーバにアップロードする。次にウェブサーバは、インストールされたビデオレター作成ソフトを用い、前記未処理のビデオデータに、データベースサーバに格納された背景映像およびBGMのうちユーザにより選択された背景映像および/またはBGMを付加してビデオレターを作成する。次にユーザは、端末からウェブサーバにアクセスして、DBサーバに格納された作成済のビデオレターを視聴する。最後に、サイト運営者は、視聴により内容が確認されたビデオレターのデータを記録媒体に記録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像および音声、更にはテキストのデータを含むビデオレターの作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットを利用してビデオレターを送り、それを再生することで、近況などを知らせる方法が一般化している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一方、このビデオレターを、結婚式や還暦等のお祝いのメッセージを贈るために使いたい人もいるが、以下の理由により普及が妨げられている。
【0004】
第1に、ビデオレターの基となる映像と音声を含むビデオデータ(以降、「未処理ビデオデータ」という)の大半は、市販のビデオ撮影機やデジタルスチルカメラを用いて一般の人が撮影したものであり、そのままでは、贈り物として使うにはふさわしくない。第2に、インターネットを介して送られるビデオレターは、ネットワーク上の制約から解像度が低く、画質があまり良くない。
【0005】
そのため、ビデオ撮影機等で撮影した未処理ビデオデータに背景映像やBGM(Back Ground Music)、更にはテロップ等のメッセージを加え、贈り物としてふさわしい内容に仕上げたいという要望がある。また画質を確保するため、インターネットを介さずに、ビデオレターをDVD−R等の高画質の記録媒体に書き込んで贈りたいという要望も強い。
【0006】
上述の要望を満たすビデオレターの編集方法として、インターネットを介してビデオの編集を専門業者に依頼し、また作成されたビデオレターを光ディスク等の記録媒体に記録する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−78901号公報
【特許文献2】特開2001−325472号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献2に記載の方法は、ビデオ編集のプロによってビデオレターの作成が行われるため、贈り物としてふさわしい内容のビデオが得られるが、作成に時間がかかり、また費用も高額になる。
【0009】
そこで、ビデオ編集のプロが作成したものに比較しレベル的には劣るが、贈り物として満足できる画質および体裁を確保しつつ、短時間で、かつ比較的安い費用でビデオレターを作成する方法が望まれている。
【0010】
本発明はこのような要望に応えるためになされたもので、背景映像やBGMが追加され、更には、必要に応じてメッセージが挿入された高画質のビデオレターを、短時間かつ安価に作成できる方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明にかかるビデオレターの作成方法の第1の形態は、ユーザが使用する端末と、ウェブサーバおよびデータベースサーバを含む、サイト運営者が運営するサーバ装置とを備え、前記端末と前記サーバ装置がネットワークを介して接続された環境下で行われるビデオレターの作成方法であって、以下の各ステップを含むことを特徴とする。
ユーザが、前記端末を用いて未処理ビデオデータを前記ウェブサーバにアップロードする第1のステップ、
前記ウェブサーバが、インストールされたビデオレター作成ソフトを用い、前記未処理ビデオデータに、前記データベースサーバに格納された背景映像およびBGMのうちユーザにより選択された背景映像および/またはBGMを付加してビデオレターを作成する第2のステップ、
作成済の前記ビデオレターを前記データベースサーバに格納する第3のステップ、
ユーザが、前記端末から前記ウェブサーバにアクセスし、前記データベースサーバに格納されたビデオレターを読み出して視聴する第4のステップ、
サイト運営者が、視聴により内容が確認された前記ビデオレターのデータを記録媒体に記録する第5のステップ。
【0012】
また本発明にかかるビデオレターの作成方法の第2の形態は、ユーザが使用する第1の端末と、ウェブサーバおよびデータベースサーバ)を含み、サイト運営者が運営するサーバ装置と、ビデオレターを作成する者が使用する第2の端末とを備え、前記第1の端末、前記第2の端末および前記サーバ装置がネットワークを介して接続された環境下で行われるビデオレターの作成方法であって、以下の各ステップを含むことを特徴とする。
ユーザが、前記第1の端末を用いて未処理ビデオデータを前記ウェブサーバにアップロードする第1のステップ、
サイト運営者が、前記ウェブサーバにアップロードされた前記未処理ビデオデータを前記第2の端末にダウンロードする第2のステップ、
ビデオレターの作成者が、前記第2の端末にインストールされたビデオレター作成ソフトを用い、前記第2の端末にダウンロードされた前記未処理ビデオデータに、前記第2の端末の記憶装置に格納された背景映像およびBGMのうちユーザにより選択された背景映像および/またはBGMを付加してビデオレターを作成する第3のステップ、
作成済の前記ビデオレターを前記ウェブサーバにアップロードする第4のステップ、
前記ウェブサーバにアップロードされたビデオレターを前記データベースサーバに格納する第5のステップ、
ユーザが、前記第1の端末から前記ウェブサーバにアクセスし、前記データベースサーバに格納されたビデオレターを読み出して視聴する第6のステップ、
サイト運営者が、視聴により内容が確認された前記ビデオレターのデータを記録媒体に記録する第7のステップ。
【0013】
本発明の第1または第2の形態において、前記ビデオレターの作成では、背景映像および/またはBGMの付加に加えて、映像中にメッセージを挿入することが好ましい。また前記記録媒体は光ディスクまたはメモリーカードであることが好ましい。
【0014】
またサイト運営者は、ユーザのメッセージが印刷されたパッケージに前記記録媒体を収納し、これを「ムービー電報」として、ユーザから指定された宛て先に郵送することが好ましい。
【0015】
また本発明の第2の形態において、ユーザが作成されたビデオレターの内容に満足できない場合、前記ビデオレターの作成者はサイト運営者の指示に従い、前記第2の端末にインストールされたビデオ編集ソフトおよびビデオレター作成ソフトを用いて、ビデオレターを修正することが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明にかかるビデオレターの作成方法によれば、ネットワーク環境を活用して、贈り物としてふさわしい内容に加工された高画質のビデオレターを、短時間かつ安価に作成できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態1にかかるビデオレターの作成方法を実現するシステムの構成を示す図である。
【図2】実施の形態1にかかるビデオレターの作成方法の処理を示すフローチャートである。
【図3】実施の形態1におけるビデオレター作成サービスの申込みページの画面の一例を示す図である。
【図4】背景映像およびBGMを選択するページの画面の一例を示す図である。
【図5】完成したビデオレターのパッケージの外観を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態2にかかるビデオレターの作成方法を実現するシステムの構成を示す図である。
【図7】実施の形態2にかかるビデオレターの作成方法の処理(前半)を示すフローチャートである。
【図8】実施の形態2にかかるビデオレターの作成方法の処理(後半)を示すフローチャートである。
【図9】実施の形態2におけるビデオレター作成サービスの申込みページの画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態にかかるビデオレターの作成方法について、図面を参照して説明する。
【0019】
(実施の形態1)
<システムの構成と機能>
図1に、本発明の実施の形態1にかかるビデオレターの作成方法を実行するシステムの構成を示す。本実施の形態にかかるシステムは、インターネット2に接続されたサーバ装置1と複数のユーザ端末3とで構成されている。サーバ装置1と複数のユーザ端末3は、ネットワークの代表例として示したインターネット2を介して相互に通信が可能である。
【0020】
サーバ装置1は、ウェブサーバ10およびデータベースサーバ(以降、「DBサーバ」という)20で構成され、通常は、ビデオレター作成のウェブサイトを運営する会社(以降、「サイト運営者」という)内に設置される。
【0021】
ウェブサーバ10はWWW(World Wide Web)サーバとして機能するコンピュータであり、処理部11、記憶装置12、入力部13およびディスプレイ14を含む。処理部11は、記憶装置12に格納されたオペレーティングシステムや処理プログラム、データに基づいて各種の処理を行う。記憶装置12には、通常、大容量データの記憶が可能なハードディスクドライブが用いられる。入力部13は、サイト運営者の担当者が必要なデータの入力を行うために用いられる。ディスプレイ14は、各種の情報を表示するために用いられる。
【0022】
ウェブサーバ10の記憶装置12に格納された各種ソフトウェア(プログラム)について説明する。処理部11は、記憶装置12から読み出したソフトウェアに基づいてサーバ装置1の各種機能を実現する。記憶装置12には、ウェブサーバソフト、ユーザ管理ソフト、画面処理ソフトおよびビデオレター作成用のソフトウェア(以降、「ビデオレター作成ソフト」と略記する)が格納されている。
【0023】
ウェブサーバソフトは、ユーザ端末3から要求があった時にハイパーテキストデータを送信する機能を実現する。ユーザ管理ソフトは、ユーザ端末3から送信されるデータに基づいてビデオレター作成のサービスを希望するユーザを管理する機能を実現する。
【0024】
画面処理ソフトは、ユーザ端末3のディスプレイに表示される1ページ分の画面データを記憶装置12から読み出し、その画面データに必要なデータを組み込み、ページ上に適切に表示できるように編集して画面情報を生成する機能を実現する。
【0025】
ビデオレター作成ソフトは、ユーザ端末3からアップロードされた未処理ビデオデータに、後述するDBサーバ20に格納された背景映像やBGMを組み込んだり、ビデオデータの途中にテロップを挿入する等の編集を施すことによってビデオレターを作成する機能を実現する。
【0026】
DBサーバ20は、制御部21と各種のDBを蓄積した記憶装置22とを含む。制御部21は、ウェブサーバ10からのデータ登録や検索の要求に応えて、記憶装置22内のDBにデータを登録し、もしくは記憶装置22内のDBからデータを読み出す。記憶装置22には、記憶装置12と同様に、通常、ハードディスクドライブが用いられる。
【0027】
記憶装置22にはユーザ管理DB、ページ情報DBおよびビデオ情報DBが格納されている。ユーザ管理DBは、ビデオレター作成のサービスを希望するユーザに関する各種情報を記録・管理するものである。ユーザ管理DBには、氏名、電話番号、メールアドレス等の一般的な情報のほか、必要に応じてユーザ認証に必要なユーザIDやパスワードが含まれている。これらの情報は、ユーザ端末3から送信されたデータより取得される。
【0028】
ページ情報DBには、ウェブブラウザで処理可能なHTMLやXMLで記述された、各種ページの生成に必要な情報が格納されている。ビデオ情報DBには、ビデオレターの作成の際に用いられる背景映像とBGMのデータ、および作成済ビデオレターのデータが格納される。
【0029】
本発明におけるウェブサーバ10の役割について説明する。ウェブサーバ10はユーザ端末3から送信されたビデオレター作成の申込み情報を受け取り、申込み毎の識別情報を作成してDBサーバ20の記憶装置22に格納する。申し込み毎の識別情報は、申込み者および申込み内容を識別するための情報であり、申込み毎に作成される。
【0030】
またウェブサーバ10は、ユーザ端末3からアップロードされた未処理ビデオデータに、ユーザによって選択された背景映像やBGMを組み込み、更にはビデオデータにメッセージを挿入してビデオレターを作成し、作成済のビデオレターのデータをDBサーバ20の記憶装置22に格納する。ビデオレターの作成やデータの格納は、サイト運営者の指示を受けることなく、ビデオレター作成ソフトによって自動的に行われる。
【0031】
次に、ユーザ端末3の構成と役割について説明する。ユーザ端末3は、ビデオレター作成のサービスを希望するユーザが、ビデオレターの基となる未処理ビデオデータをウェブサーバ10にアップロードするために用いられる。またユーザ端末3は、ウェブサーバ10で作成されDBサーバ20に格納されたビデオレターを、ダウンロードして視聴するために用いられる。
【0032】
ユーザ端末3は、図示しないが、各種処理を実施する処理部、オペレーティングシステムや各種ソフトウェア、データを格納する記憶装置、利用者がデータを入力する入力部および情報を表示するディスプレイを備えている。ユーザ端末3は、通常、ユーザが所有するパーソナルコンピュータ(以降、「PC」という)によって実現される。
【0033】
ユーザ端末3の記憶装置には、インターネットを利用するためのウェブブラウザが格納されている。ウェブブラウザは、処理部にアドレスであるURLが入力された場合、HTTPに従って、URLに含まれるドメイン名により示されるウェブサーバ10のサイトにハイパーテキストデータを要求する。ウェブサーバ10は要求に従い、ハイパーテキストデータをユーザ端末3に送信する。
【0034】
<ビデオレター作成の際の手順>
次に、図2を参照して、ビデオレターを作成する際の手順を説明する。図2は、ウェブサーバ10とユーザ端末3との間で行われる処理を時系列で示したものである。
【0035】
最初に、ユーザは、ユーザ端末3およびインターネット2を介して、サイト運営者がウェブサーバ10に開設しているビデオレター作成サービスのホームページにアクセスする(S11)。ウェブサーバ10はこれに応答してサービス申し込み用のページデータをユーザ端末3に送信すると共に、ビデオレターの基となる未処理ビデオデータの送信を依頼する(ステップS31)。
【0036】
図3に、申込み用フォームを含むページP1のレイアウトの一例を示す。ページP1にはビデオレターの送り先である受取人の住所等に関する情報31、ビデオレターを記録したDVD−Rの収納ケースに印刷するメッセージの文面32、保存メディアの選択情報33、配達希望日34、および注文者であるユーザに関する情報35を入力する欄がある。ページP1には、更に確認用のボタン36とリセット用のボタン37が含まれる。
【0037】
保存メディアの選択情報33に示すように保存メディアは選択できる。本実施の形態では、保存メディア(記録媒体)として光ディスクの一種であるDVD−Rを用いているが、BD−R等の他の光ディスクやSDカード等のメモリーカードを用いることもできる。いずれの保存メディアを用いるかは、記録容量と価格を考慮した上で、ユーザが選択する。
【0038】
ページP1の申込みフォームに必要な情報を入力した後、「確認画面へ」のボタン36をクリックすると、申込み情報の確認画面(図示せず)が表示され、内容に間違いがなければ、確認画面の「送信」のボタンをクリックして、入力された情報をウェブサーバ10に送信する(ステップS12)。
【0039】
ユーザは、申込み情報の送信に続いて、ビデオレターの基礎となる未処理ビデオデータをウェブサーバ10にアップロードする(ステップS13)。ビデオデータのアップロードは、通常、電子メールに添付する形で行われる。アップロードされたビデオデータは、DBサーバ20の記憶装置22に格納される(ステップS32)。
【0040】
なお、ビデオデータのデータ容量が大きい場合には、インターネットの「大容量送信サービス」を利用して送信してもよい。ビデオデータのデータ容量が非常に大きく、「大容量送信サービス」を用いても送れない場合には、データをSDカード等に保存した後、そのSDカード等をサイト運営者に郵送する。
【0041】
次に、ユーザはウェブサーバ10にアクセスして、DBサーバ20に格納された背景映像およびBGMから好みの背景映像および/またはBGMを選択する(ステップS14)。前述したように、ビデオレターの作成は、基となる未処理ビデオデータに背景映像および/またはBGMを組み込むことにより行われる。このためユーザは、ウェブサーバ10にアクセスして、必要な背景映像および/またはBGMのデータを選択する。
【0042】
具体的には、ユーザはウェブサーバ10にアクセスし、図4に示す背景映像とBGMの選択ページP2を開いて、DBサーバ20に格納されたDBから未処理ビデオデータに付加する背景映像とBGMを選択する。
【0043】
背景映像を選択する場合、ユーザがマウスを用いて番号が付された背景映像のアイコン41の一つをクリックすると、その番号の映像が画面に再生される。番号が付された全てのアイコンをクリックして映像を確認した後、選択した背景映像のアイコン41を示した状態で「決定」ボタン43をクリックすると、選択された背景映像の番号がウェブサーバ10に通知される。
【0044】
BGMについても背景画面と同様の処理を行う。ユーザがマウスを用いて番号が付されたBGMのアイコン42の一つをクリックすると、その番号の音声がPC内蔵のスピーカから再生される。番号が付された全てのアイコンをクリックして音声を確認した後、選択したBGMのアイコン42を示した状態で「決定」ボタン43をクリックすると、選択されたBGMの番号がウェブサーバ10に通知される。
【0045】
更に、ユーザはウェブサーバ10のメッセージ挿入用のページ(図示せず)を開き、必要に応じて映像中にメッセージ(最初のタイトル、シーン間のテロップ、最後のエンドメッセージ)を挿入する(ステップS14)。
【0046】
ウェブサーバ10のビデオレター作成ソフトは、ユーザにより選択された背景映像とBGMを未処理ビデオデータに付加し、更に映像中の指定された箇所にメッセージを挿入して、ビデオレターを自動的に作成する(ステップS33)。
【0047】
作成済のビデオレターはDBサーバ20の記憶装置22に格納される(ステップS34)。ユーザは、ユーザ端末3を介してウェブサーバ10のホームページにアクセスし、DBサーバ20に格納されたビデオレターを読み出してユーザ端末3で視聴し、内容が満足できるものであるかどうかを確認する(ステップS15)。
【0048】
ユーザは、ビデオレターの内容に満足できる場合には(ステップS16でYes)、ステップS17の処理に進む。一方、作成したビデオレターの内容に満足できない場合には(ステップS16でNo)、ステップS14の処理に戻って、再度、背景映像および/またはBGMを選択する。
【0049】
前述したように、ビデオレターはビデオレター作成ソフトにより自動的に作成されるため、背景映像および/またはBGMの選択、更には映像中へのメッセージの挿入を通じて、ユーザは、あたかも自分でビデオレターを作成しているように感じ、また作成したビデオレターの視聴ができる。ユーザは、視聴したビデオレターの内容に満足できるまで、ステップS14とS15の処理を繰り返す。
【0050】
ユーザは視聴したビデオレターの内容に満足できるときは、ユーザ端末3およびウェブサーバ10を介してサイト運営者にOKの旨連絡する(ステップS17)。OKの連絡を受けたサイト運営者は、ウェブサーバ10およびユーザ端末を介してユーザに料金の支払いを依頼し(ステップS35)、ユーザは指定された料金を支払う(ステップS18)。料金の支払い方法には、インターネットバンキングや銀行口座からの引き落としなどがあるが、いずれの方法を用いても良い。
【0051】
サイト運営者は、料金の支払いを確認、例えば指定した銀行の口座に料金が振り込まれたことを確認した後(ステップS36)、記録装置(図示せず)を用いて、DBサーバ20に格納されたビデオレターのデータをDVD−Rに書き込むと共に、DVD−Rを収納するパッケージにユーザのメッセージを印刷して贈答用のビデオレターを完成する(ステップS37)。
【0052】
図5に、DVD−R4を収納したパッケージ5の外観を示す。折り畳みが可能なパッケージの上半分には、注文者であるユーザのメッセージ6が印刷されている。サイト運営者は、DVD−R4が収納されたパッケージ5に、例えば「ムービー電報」(登録商標)という名称を付し、図2に破線の枠で示したように、指定された時間に指定された場所に届くよう、宅配業者に配送を依頼する(ステップS38)。
【0053】
以上説明したように、本実施の形態にかかるビデオレターの作成方法によれば、インターネット環境を活用して、贈り物としてふさわしい内容に編集された高画質のビデオレターを、短時間かつ安価に作成できる。
【0054】
また本実施の形態にかかるビデオレターの作成方法は、ウェブサーバ10にインストールされたビデオレター作成ソフトを用い、ユーザが選択した背景映像およびBGM、更にユーザが作成したメッセージに基いて、ビデオレターが自動的に作成されるため、自分で作成しているのと同様の感覚でビデオレターを作成できる利点がある。
【0055】
なお、本実施の形態では、ユーザ端末にPCを用いたが、これに限定されない。端末として携帯電話機やPDAなどのインターネットに接続可能な他の機器を用いても、PCと同様の機能を実現できる。
【0056】
(実施の形態2)
実施の形態1では、ユーザの指示に従ってウェブサーバ10がビデオレターを作成する方法について説明したが、PCを用いた作業に慣れていないユーザも多い。このようなユーザは、ビデオレターの作成をサイト運営者に依頼したいと考えるのが通常である。本実施の形態は、このようなユーザの要望に応え、サイト運営者側でビデオレターの作成を行う方法について説明する。
【0057】
<システムの構成と機能>
図6に、本実施の形態にかかるビデオレターの作成システムの構成を示す。本実施の形態にかかるシステムは、図1に示した作成システムに編集端末7を加えたものである。図中、図1の構成部材と同一機能を有する部材には同一の符号を付して説明を省略する。
【0058】
編集端末7の構成と役割について説明する。編集端末7は、ユーザ端末3と同様の構成および機能を備えたものであり、通常は高速・高機能のPCによって実現され、予めウェブブラウザがインストールされている。編集端末7は、背景映像やBGMの付加、メッセージの挿入等の処理を行える作業者が、サイト運営者の指示に従い、ウェブサーバ10から転送された未処理ビデオデータを編集してビデオレターを作成するために用いられる。
【0059】
編集端末7には、実施の形態1で説明したビデオレター作成ソフトが予めインストールされている。編集端末7のディスプレイの画面にはビデオ編集用の画面が表示され、作業者がこの画面上で操作を行うことにより、ビデオレターの作成を行う。また編集端末7の記憶装置には、DBサーバ20の記憶装置22に格納された背景映像およびBGMと同じデータが格納されている。
【0060】
編集端末7は、インターネット2を介してウェブサーバ10と接続されていれば、サーバ装置1と同じ建物内に設置されていなくてもよい。ただし、ビデオレターのデータ量が多い場合、同じ建物内にあれば、サーバ装置1と編集端末7との間で、インターネット2を介さずメモリーカード等を用いてデータを移送できるため、作業がしやすくなる。
<ビデオレター作成の際の手順>
次に、図7および図8を参照して、ビデオレターを作成する際の手順を説明する。図7および図8は、ウェブサーバ10、ユーザ端末3および編集端末7の間で行われる処理を時系列で示したもので、図7は前半の処理を示し、図8は後半の処理を示す。
【0061】
最初にユーザは、ユーザ端末3およびインターネット2を介して、サイト運営者がウェブサーバ10に開設しているビデオレター作成サービスのホームページにアクセスする(ステップS51)。ウェブサーバ10はこれに応答して申込み用のページデータをユーザ端末3に送信すると共に、ビデオレターの基となる未処理ビデオデータの送信を依頼する(ステップS71)。
【0062】
図9に、サービス申込み用フォームを含むページP3のレイアウトの一例を示す。ページP3は、図3に示したページP1に背景映像およびBGM(Back Ground Music)の選択に関する情報38、および映像中に挿入するメッセージ(最初のタイトル、シーン間のテロップ、最後のエンドメッセージ)に関する情報39を追加したものである。
【0063】
ページP3に入力する背景映像およびBGMに関する情報38について説明する。実施の形態1で説明したように、ビデオレターを申し込むユーザは、ビデオデータに背景映像とBGMを付加することができる。ユーザがマウス等のデータ入力手段を用いてページP3の「背景映像サンプルを見る」の表示51をクリックすると、前述の図4に示した背景映像とBGMを選択するページにジャンプする。
【0064】
背景映像を選択する場合、ユーザがマウスを用いて番号が付されたアイコンの一つをクリックすると、その番号の映像が再生される。番号が付された全てのアイコンをクリックして映像を確認した後、「閉じる」ボタン44をクリックしてページP3に戻る。ユーザは「背景映像選択」の欄の小ウインド52に表示された番号から選択した背景映像の番号を特定する。
【0065】
BGMについても背景映像と同様の処理を行う。ユーザはマウスを用い、注文情報入力ページP3の表示「BGMサンプルを見る」53をクリックしてページP2にジャンプする。番号が付された全てのアイコンをクリックして音声を確認した後、「閉じる」ボタン44をクリックしてページP3に戻る。ユーザは「BGM選択」の欄の小ウインド54に表示された番号から選択したBGMの番号を特定する。
【0066】
ページP3のサービス申込みフォームに必要な全ての情報を入力した後、「確認画面へ」のボタン36をクリックすると、注文情報の確認画面(図示せず)が表示され、間違いがないことを確認して「送信」のボタンをクリックすると、入力された情報がウェブサーバ10に送信される(ステップS52)。
【0067】
続いてユーザは、未処理ビデオデータをウェブサーバ10にアッップロードする(ステップS53)。実施の形態1と同様に未処理ビデオデータのアップロードは、電子メールに添付する形で行われるが、データの容量が大きい場合には、「大容量送信サービス」を利用して送信してもよい。
【0068】
この際、ユーザは電子メールにより、ビデオレターを作成する際の要望事項をサイト運営者に伝える。例えば、ビデオレターの再生時間を指定したり、また複数のシーンの映像を含む場合には、再生するシーンの順序を指定する等である。
【0069】
ユーザ端末3から送信された申込み情報をウェブサーバ10で受信した後、サイト運営者は、申込み情報の内容を見て必要な情報が揃っていることを確認した後、申込み情報を編集端末7に転送し(ステップS72)、続いてアップロードされた未処理ビデオデータを編集端末7にダウンロードする(ステップS73)。ウェブサーバ10から編集端末7への未処理ビデオデータの転送(ダウンロード)は、上述したユーザ端末3からウェブサーバ10への送信方法と変わらない。
【0070】
この際、サイト運営者は、ビデオレターを作成する際の要望事項(再生時間や複数のシーンからなる映像の再生順序等)をユーザから指示されている場合には、電子メールにより、その要望事項を併せて担当者に伝える。
【0071】
編集端末7を介して申込み情報と未処理ビデオデータ、更にユーザの要望事項を受け取った編集担当者は、ユーザの要望事項、ならびに申込み情報に含まれる情報(図9参照)のうち、背景映像およびBGM選択に関する情報38、ならびにタイトル、テロップおよびエンドメッセージに関する情報39に基づいて未処理ビデオデータを編集して、ビデオレターを作成する(ステップS91)。ビデオレターの作成方法は、背景映像およびBGMのデータを編集端末7の記憶装置から読み出す点を除き、実施の形態1で説明した方法と変わらないため、説明を省略する。
【0072】
作成したビデオレターは編集端末7を介してウェブサーバ10にアップロードされ(ステップS92)、DBサーバ20の記憶装置22に格納される(ステップS74)。
【0073】
次に、サイト運営者は、ウェブサーバ10およびユーザ端末3を介して、電子メール等によりビデオレターの作成が完了したことをユーザに通知する(ステップS75)。
【0074】
ビデオレターの作成が完了した旨の通知を受けたユーザは、ユーザ端末3を介してウェブサーバ10のホームページにアクセスし、DBサーバ20に格納されたビデオレターを読み出してユーザ端末3で視聴し、ビデオレターの内容が期待通りのものであるかどうかを確認する(ステップS54)。
【0075】
ユーザは、ビデオレターの内容に満足できる場合には(ステップS55でYes)、確認ページ(図示せず)の画面に表示された「同意する」のボタンをクリックして、内容に満足している(すなわちOKである)旨の情報をウェブサーバ10に送信する(ステップS58)。
【0076】
一方、作成されたビデオレターの内容に満足できない場合には(ステップS55でNo)、確認ページ(図示せず)の画面に表示された「同意しない」のボタンをクリックすると共に、具体的な修正内容に関する情報をコメント欄に記入し、その情報をウェブサーバ10に送信して修正を依頼する(ステップS56)。
【0077】
ウェブサーバ10を介し、ビデオレターの修正に関するユーザからの情報を受信したサイト運営者は、修正の指示と共に具体的な修正内容に関する情報を編集端末7に送信する(ステップS76)。
【0078】
編集端末7を介して修正の指示を受け取った編集担当者は、修正内容に関する情報に基づいてビデオレターを修正する(ステップS93)。修正が完了したビデオレターは、編集端末7からウェブサーバ10にアップロードされ(ステップS94)、再度、DBサーバ20の記憶装置22に格納される(ステップS77)。更にサイト運営者は、電子メールによりビデオレターの修正が完了した旨を、ユーザ端末3に通知する(ステップS78)。
【0079】
ビデオレターの修正が完了した旨の通知を受けたユーザは、ステップS54の処理と同様に、ユーザ端末3を介してウェブサーバ10のホームページにアクセスし、DBサーバ20に格納されたビデオレターを読み出してユーザ端末3で視聴し、修正されたビデオレターの内容が満足できるものであるかどうかを確認する(ステップS57)。
【0080】
ユーザは、ビデオレターの内容に満足できる場合には(ステップS55でYes)、前述のステップS58の処理を行い、満足できない場合(ステップS55でNo)は、前述のステップS56の処理を行い、サイト運営者に再度修正を依頼する。
【0081】
再度の修正の指示を受けた場合には、前述と同様の処理(ステップS76、S93、S94、S77およびS78)が行われる。
【0082】
なお、ウェブサーバ10におけるステップS79〜S82の処理およびユーザ端末3におけるステップ59の処理は、図3におけるステップS35〜38の処理およびステップS18の処理と同じであるため、説明を省略する。
【0083】
上述したように、本実施の形態にかかるビデオレターの作成方法は、実施の形態1で説明したビデオレターの作成方法に比較し、追加の時間と費用を要するが、PCでの作業に慣れていない人でも利用できる利点がある。そして贈り物としてふさわしい内容に編集された高画質のビデオレターを、プロのビデオ編集者に依頼した場合に比較して、はるかに短時間かつ安価に作成できる。
【符号の説明】
【0084】
1 サーバ装置
2 インターネット
3 ユーザ端末
7 編集端末
10 ウェブサーバ
11 処理部
12、22 記憶装置
13 入力部
14 ディスプレイ
20 DBサーバ
21 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが使用する端末と、ウェブサーバおよびデータベースサーバを含む、サイト運営者が運営するサーバ装置とを備え、前記端末と前記サーバ装置がネットワークを介して接続された環境下で行われるビデオレターの作成方法であって、以下の各ステップを含むことを特徴とする。
ユーザが、前記端末を用いて未処理ビデオデータを前記ウェブサーバにアップロードする第1のステップ、
前記ウェブサーバが、インストールされたビデオレター作成ソフトを用い、前記未処理ビデオデータに、前記データベースサーバに格納された背景映像およびBGMのうちユーザにより選択された背景映像および/またはBGMを付加してビデオレターを作成する第2のステップ、
作成済の前記ビデオレターを前記データベースサーバに格納する第3のステップ、
ユーザが、前記端末から前記ウェブサーバにアクセスし、前記データベースサーバに格納されたビデオレターを読み出して視聴する第4のステップ、
サイト運営者が、視聴により内容が確認された前記ビデオレターのデータを記録媒体に記録する第5のステップ。
【請求項2】
前記ビデオレターの作成において、前記背景映像および/またはBGMの付加に加えて、映像中にメッセージを挿入することを特徴とする、請求項1に記載のビデオレターの作成方法。
【請求項3】
前記記録媒体は光ディスクまたはメモリーカードであることを特徴とする、請求項1ないし2のいずれかに記載のビデオレターの作成方法。
【請求項4】
サイト運営者は、ユーザのメッセージが印刷されたパッケージに前記記録媒体を収納し、これを「ムービー電報」として、ユーザから指定された宛て先に郵送することを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載のビデオレターの作成方法。
【請求項5】
ユーザが使用する第1の端末と、ウェブサーバおよびデータベースサーバ)を含み、サイト運営者が運営するサーバ装置と、ビデオレターを作成する者が使用する第2の端末とを備え、前記第1の端末、前記第2の端末および前記サーバ装置がネットワークを介して接続された環境下で行われるビデオレターの作成方法であって、以下の各ステップを含むことを特徴とする。
ユーザが、前記第1の端末を用いて未処理ビデオデータを前記ウェブサーバにアップロードする第1のステップ、
サイト運営者が、前記ウェブサーバにアップロードされた前記未処理ビデオデータを前記第2の端末にダウンロードする第2のステップ、
ビデオレターの作成者が、前記第2の端末にインストールされたビデオレター作成ソフトを用い、前記第2の端末にダウンロードされた前記未処理ビデオデータに、前記第2の端末の記憶装置に格納された背景映像およびBGMのうちユーザにより選択された背景映像および/またはBGMを付加してビデオレターを作成する第3のステップ、
作成済の前記ビデオレターを前記ウェブサーバにアップロードする第4のステップ、
前記ウェブサーバにアップロードされたビデオレターを前記データベースサーバに格納する第5のステップ、
ユーザが、前記第1の端末から前記ウェブサーバにアクセスし、前記データベースサーバに格納されたビデオレターを読み出して視聴する第6のステップ、
サイト運営者が、視聴により内容が確認された前記ビデオレターのデータを記録媒体に記録する第7のステップ。
【請求項6】
前記ビデオレターの作成において、背景映像および/またはBGMの付加に加えて、映像中にメッセージを挿入することを特徴とする、請求項5に記載のビデオレターの作成方法。
【請求項7】
ユーザが作成されたビデオレターの内容に満足できない場合、前記ビデオレターの作成者はサイト運営者の指示に従い、前記第2の端末にインストールされたビデオレター作成ソフトを用いて、ビデオレターを修正することを特徴とする、請求項5または6に記載のビデオレターの作成方法。
【請求項8】
前記記録媒体は光ディスクまたはメモリーカードであることを特徴とする、請求項5ないし7のいずれかに記載のビデオレターの作成方法。
【請求項9】
サイト運営者は、ユーザのメッセージが印刷されたパッケージに前記記録媒体を収納し、これを「ムービー電報」として、ユーザから指定された宛て先に郵送することを特徴とする、請求項5ないし8のいずれかに記載のビデオレターの作成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−102333(P2013−102333A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−244494(P2011−244494)
【出願日】平成23年11月8日(2011.11.8)
【出願人】(510311056)
【Fターム(参考)】