ビデオ・ゲーム装置,その制御方法および制御ディバイス
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】
【技術分野】この発明は,プレイヤの代わりにプレイヤ・キャラクタがビデオ画面上で敵キャラクタと戦闘を繰返す形式のロール・プレイング・ゲーム(RPG)を実現するためのビデオ・ゲーム装置,その制御方法および制御ディバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のロール・プレイング・ゲームまたは戦闘ゲームはターン方式のものであった。プレイヤ・キャラクタと敵キャラクタとが表示装置(たとえばテレビジョン受像機)の表示画面上に表示される。プレイヤは表示画面に表示されたプレイヤ・キャラクタの複数種類の攻撃(武器,魔法を含む)の中から所望のものを選択し,コントローラと呼ばれる入力装置を通して指定する(コマンドの入力)。一方,敵キャラクタの攻撃はあらかじめ定まっている。コマンドの入力が完了すると戦闘が始まり,あらかじめ定められた順序にしたがってプレイヤ・キャラクタと敵キャラクタが相互に攻撃する。相手の攻撃を受けることによって各キャラクタの生じるダメージが,たとえば減点法などによりカウントされる。コマンドの入力,およびプレイヤ・キャラクタと敵キャラクタとの戦闘が繰返されることによりゲームが進行し,プレイヤ・キャラクタが所定の目的の達成する(たとえば宝物を捜し出す,女王を助ける等)ようにプレイヤは操作を続ける。
【0003】このようなターン方式のビデオ・ゲームにおいては,プレイヤがプレイヤ・キャラクタに対するコマンドの入力を完了するまで敵キャラクタは攻撃を仕掛けることはない。また,攻撃はあらかじめ定められた順番にしたがってのみ行われ,この順番が雌雄を決する重要なファイタとなる。したがって,ターン方式はいわば静的なゲームであり,臨場感に乏しい。
【0004】
【発明の概要】この発明は,実際の戦闘により近く,動的で臨場感にあふれるビデオ・ゲーム装置,その制御方法,および制御ディバイスを提供するものである。
【0005】この発明によるビデオ・ゲーム装置の制御方法は,プレイヤ・キャラクタと敵キャラクタとを表示装置の表示画面上に表示し,入力された動作指令またはあらかじめ定められた動作指令に応じて,プレイヤ・キャラクタと敵キャラクタとに相互に動作を行わせるものにおいて,キャラクタごとにそれぞれ計時手段を用意し,キャラクタの動作に関連する処理に応答して,そのキャラクタに対応する上記計時手段にキャラクタに対応する時間を設定して上記計時手段の動作を開始させ,上記計時手段が設定された時間を計時し終えたときに上記計時手段から発生する信号に応答して,上記計時手段に対応するキャラクタについて次の動作に関連する処理に移るように制御し,キャラクタの次の動作に関連する処理が終了したとき,そのキャラクタに対応する上記計時手段にキャラクタに対応する時間を再び設定して,上記計時手段の動作を再び開始させるものである。
【0006】この発明によるビデオ・ゲーム装置の制御方法は,入力された動作指令に応答して動作を行うプレイヤ・キャラクタと,あらかじめ定められた動作指令に応答して動作を行う敵キャラクタとを表示装置の表示画面に表示してゲームを進行させるものにおいて,キャラクタごとにそれぞれ計時手段を用意し,少なくとも敵キャラクタについては,プレイヤ・キャラクタのための動作指令の入力に関係なく,キャラクタの動作時点からキャラクタごとに定められた時間をそのキャラクタに対応する上記計時手段に計時させ,上記計時手段が上記時間を計時し終えたときにそのキャラクタについて次の動作を開始するための処理に移るよう制御し,次の動作の時点からそのキャラクタに対応する上記計時手段に再び計時動作させるものである。
【0007】この発明によるビデオ・ゲーム装置は,制御装置と表示装置と入力装置とから構成され,プレイヤ・キャラクタと敵キャラクタとを上記表示装置の表示画面上に表示し,上記入力装置から入力された動作指令またはあらかじめ定められた動作指令に応じて,プレイヤ・キャラクタと敵キャラクタとに相互に動作を行わせるものにおいて,上記制御装置が,キャラクタごとに設けられた計時手段,キャラクタの動作に関連する処理を表わす信号に応答して,そのキャラクタに対応する上記計時手段にキャラクタに対応する時間を設定して上記計時手段に計時動作を開始させる計時制御手段,および上記計時手段が上記時間を計時し終えたときに上記計時手段から発生する信号に応答して,上記計時手段に対応するキャラクタについて次の動作に関連する処理に移るように制御し,次の動作に関連する処理を表わす信号を上記計時制御手段に与えるキャラクタ制御手段を備えていることを特徴とする。
【0008】この発明はまた,プログラムにしたがう処理を実行するCPUと,このCPUがプログラム実行において使用するメモリと,ビデオ画面を表示する表示装置と,上記CPUの制御の下で上記表示装置における表示のための処理を行う表示処理装置と,動作指令の入力装置とを含むビデオ・ゲーム装置をプログラム制御するためのディバイスを提供している。
【0009】このビデオ・ゲーム装置の制御ディバイスは,プレイヤ・キャラクタおよび敵キャラクタを上記表示装置の表示画面に表示させ,プレイヤ・キャラクタについては上記入力装置から与えられる動作指令に応答して指令された動作を実行させ,敵キャラクタについてはあらかじめ定められた動作を実行させ,各キャラクタの動作時点からキャラクタに対応する時間をそれぞれ計時させ,上記時間が経過したときにそのキャラクタについて次の動作に関連する処理に移るよう制御するものである。
【0010】
【0011】
【0012】この発明の一実施態様においては,プレイヤ・キャラクタに関する次の動作に関連する処理が,動作指令を入力するよう要求する画面の表示,この表示にしたがって入力された動作指令に応答して動作の種類に応じた動作準備のための時間を計時すること,および動作準備時間が経過したときに,指令された動作を開始することを含んでいる。
【0013】また,敵キャラクタに関する次の動作に関連する処理は,あらかじめ定められた動作指令に応答して動作の種類に応じた動作準備のための時間を計時すること,および動作準備時間が経過したときに,指令された動作を開始することを含んでいる。
【0014】この発明によると,キャラクタの動作の時点でキャラクタに対応する時間の計時が開始し,この時間が経過するとそのキャラクタは再び動作のための処理に移る。プレイヤ・キャラクタを動作させるためのプレイヤによるコマンド入力の有無に関係なく敵キャラクタは何らかの動作(たとえば攻撃)を仕掛けてくることになる。実際の戦闘形態に似ているので臨場感とスリルにあふれ,スピーディなゲーム展開を楽しむことができる。
【0015】この発明の他の実施態様においては,アクティブ・モードとウエイト・モードとが設けられている。アクティブ・モードが選択されたときには上述したように計時処理が停止することなく続行される。ウエイト・モードが選択されたときには,プレイヤによるコマンド入力のための時間帯の少なくとも一部において計時処理が停止する。したがって,ゲームに不慣れなプレイヤはウエイト・モードを選択して,従来のターン方式に似た遊び方にしたがってプレイすることができる。
【0016】この発明のさらに他の実施態様においては,時間の流れの速さの指定入力に応答して,計時処理における計時の速さが実質的に変更される。したがってプレイヤは自分の能力に合った時間の流れの速さを選定することができるので,ゲームの楽しみが倍増する。
【0017】
【実施例の説明】図1はビデオ・ゲームのためのシステムの全体を示している。
【0018】このシステムは,いわゆるスーパ・ファミコンと呼ばれるゲーム・プロセッサ(ゲーム機本体)10,このゲーム・プロセッサ10に着脱自在に接続される入力装置または操作器としてのコントローラ20,ゲーム・プロセッサ10に着脱自在に装着されるメモリ・カートリッジ(またはメモリ・カセット)30,およびゲーム・プロセッサ10が着脱自在に接続され,ゲームのためのビデオ画面を表わすCRT表示装置(たとえばテレビジョン受像機またはモニタ表示装置)から構成されている。
【0019】ゲーム・プロセッサ10にはその上面中央部にメモリ・カートリッジ30が着脱自在に装着される挿入口12があけられており,この挿入口12の奥には,メモリ・カートリッジ30のピン、導体パターンまたは電極が接続されるコネクタ56(図2参照)が設けられている。この挿入口12の手前には,パワー・スイッチ13,リセット・スイッチ14およびメモリ・カートリッジ30を放出するためのエジェクト・ボタン15が設けられている。さらに,前端面にはコントローラ20を着脱自在に接続するためのコネクタ16が設けられている。
【0020】コントローラ20には,意志決定のためのAボタン21,キャンセルのためのBボタン22,メニュー表示を選択するためのXボタン23.,Yボタン24,スタート・ボタン25,セレクト・ボタン26および表示画面上でカーソルを上下,左右に移動させるためのジョイ・パッド(またはジョイ・スティック)27,その他のボタン(図示略)が設けられている。この実施例では,Aボタン21,Bボタン22,Xボタン23およびジョイ・パッド27が各種入力操作のために使用される。
【0021】図2は主にゲーム・プロセッサ10の電気的構成の概要を示している。ゲーム・プロセッサ10はCPU(中央処理装置)50を含み,このCPU50がビデオ・ゲームの動作全体を制御する。CPU50の実行プログラムはメモリ・カートリッジ30に内蔵されたROM31にあらかじめ格納されている。このROM31には表示装置40に表示される画像を表わすデータも格納されている。ROM31は,メモリ・カートリッジ30がゲーム・プロセッサ10に接続されたときにコネクタ56を介してシステム・バス(データ・バス,アドレス・バスおよびコトンロール・ラインを含む)によりCPU50と接続される。好ましくはメモリ・カートリッジ31には,後述するプレイヤ・キャラクタの生命力の最大値(MAX値)や現在値(ヒット・ポイント)等のデータをセーブして,今回の続きを次回行えるようにするためのRAMおよびそのデータ・バックアップのためのバッテリィが設けられる。
【0022】ゲーム・プロセッサ10において,CPU50にはさらに,ゲームの進行において各種データを記憶したりカウンタとして用いられるワークRAM51,表示のためにROM31から読出された画像データを記憶し,必要な加工等を行うためのビデオRAM52,およびビデオRAM52の画像データに基づいて表示のためのビデオ信号を作成する画像処理装置53がシステム・バスにより接続されている。画像処理装置53から出力されるビデオ信号はさらに変調回路54で表示装置40に供給するのに適した信号,たとえばNTSC方式のテレビジョン信号に変換されたのち表示装置40に与えられる。
【0023】ゲーム・プロセッサ10には1個(1人でプレイする場合)または2個(2人でプレイする場合)のコントローラ20が接続され,コントローラ20からの各種信号はインタフェース55を介してCPU50に入力する。
【0024】表示装置40の画面上には1または複数人のプレイヤ・キャラクタおよび敵キャラクタが登場する。プレイヤ・キャラクタはコントローラ20を通してプレイヤによって与えられる動作指令にしたがって動作する。具体的には,表示装置40の画面に表示される攻撃等の種類をプレイヤが選択すること(これをコマンドの入力という)に応答して,その選択された攻撃等の動作を行う。敵キャラクタはあらかじめ定められた動作指令(行動の決定)にしたがって動作する。
【0025】このようなプレイヤ・キャラクタと敵キャラクタの動作すなわち戦闘行為は,中断することなく一定の速さで時間が流れている状態で繰返し実行される。これをアクティブ・タイム・バトル(Active Time Battle)という。
【0026】図3はアクティブ・タイム・バトルにおけるプレイヤ・キャラクタと敵キャラクタの動作態様を示している。一例として2名ずつのプレイヤ・キャラクタP1,P2と敵キャラクタM1,M2の動作態様が示されている。
【0027】プレイヤ・キャラクタP1,P2につて説明すると,ゲームの開始または攻撃等の戦闘行為が終了したのち,キャラクタごとに定まっている待機時間に入る。待機時間はキャラクタの素早さを表わしている。この待機時間が経過するとコマンドの入力が許可される。この時点でプレイヤは表示されている戦闘行為を選択することができる(コマンド入力)。コマンドが入力されるとそれに対応する処理が行われ(コマンド決定),コマンド実行のための動作準備時間に入る。この動作準備時間は指定された動作に特有の時間であって,動作ごとに定まっている。この動作準備時間が経過すると,指定された戦闘行為が行われ,再び待機時間に入る。
【0028】敵キャラクタM1,M2の場合にはコマンドの入力が不要である。敵キャラクタごとに定められ,その素早さを表わす待機時間が経過すると,その行動が決定される。敵キャラクタの戦闘行為の種類はあらかじめ定められているが,後述するように状況に応じて変わる場合がある。決定された行動についての動作準備時間が経過すると決定された戦闘動作が行われ,この後再び待機時間に入る。敵キャラクタについては上記の処理が繰返される。
【0029】図3から分るように,アクティブ・タイム・バトルにおいては,プレイヤ・キャラクタP1,P2についてのプレイヤによるコマンド入力中の時間帯(プレイヤ・キャラクタにどのような戦闘行為を行わせるかをプレイヤが考えている時間帯)においても,敵キャラクタM1,M2の待機時間および動作準備時間は刻々と経過している(これらの時間の計時が停止することなく続いている)。したがって,プレイヤ・キャラクタはコマンド入力中においても敵キャラクタから攻撃を受ける場合がある。このようにして,実際の戦闘に似た形態で臨場感とスリルにあふれたゲームがスピーディに進行していくことになる。
【0030】原理的には敵キャラクタには待機時間および動作準備時間の少なくともいずれか一方を設定しておけば充分である。しかしながら,敵キャラクタの戦闘行為(動作または行動)の種類がプログラムにしたがって状況に応じて変化する場合には上記の両方の時間を設けることが好ましい。
【0031】図11は表示装置40に表示されるメニュー画面の一例を示している。このメニュー画面はコントローラ20のXボタン23を押すことにより呼出すことができる。メニュー画面のみならず他の画面においても,手で指さす表現のカーソル(またはポインタ)CUが表示される。このカーソルCUの画面上の位置はコントローラ20のジョイ・パッド27によって動かすことができる。カーソルCUを所望の位置に移動させたのち,Aボタン21を押せば,カーソルCUによって指されている表示によって表わされるものが選択入力される。
【0032】メニュー画面においてはバトル・モードとバトル・スピードを選択することができる。
【0033】バトル・モードにはウエイト・モードとアクティブ・モードがある。ウエイト・モードは,コマンド入力中における特定のコマンド入力について(この実施例では「まほう(魔法)」または「アイテム」が選択された場合)時間の流れが止まる(計時動作が停止する)ものである。もちろん,すべてのコマンド入力について時間の流れを停止させてもよい。
【0034】アクティブ・モードは上述したように常に(コマンド入力中の時間においても)時間が流れている(計時動作が続行している)ものである。
【0035】バトル・スピードとはゲームにおける時間の流れの速さを意味する。具体的には,すべてのキャラクタについて待機時間および動作準備時間を比例的に増減することである。このバトル・スピードはこの実施例では5段階に設定可能である。
【0036】図12は初期画面の一例を示している。これはゲームが開始されるときに表示される。この表示例では,3種類3名のプレイヤ・キャラクタaaa,bbbおよびccc,ならびに1種類3匹の敵キャラクタAAA1,AAA2およびAAA3が示されている。表示画面の下半分には2つのウインドウW1,W2が設けられている。ウインドウW1はプレイヤ・キャラクタに関するものであり,プレイヤ・キャラクタごとにそれらの生命力のMAX値を表わす数字(分母)と現在の生命力(ヒット・ポイント=HP)を表わす数字(分子)が表示される。ヒット・ポイントは敵キャラクタから攻撃を受けるたびに受けた攻撃の種類に応じて減点される。ウインドウW2にはAAAという種類の敵キャラクタが3匹現われていることが示されている。
【0037】図4から図6はゲーム・プロセッサ10のW−RAM51に設定される各種のエリアを示している。これらのエリアはゲームの開始にあたってメモリ・カートリッジ30のROM31に格納されているプログラムまたはデータにしたがって設定または作成されたり,メモリ・カートリッジ30のRAMにセーブされていたデータがロードされることにより作成される。
【0038】図4(A) はカウンタとフラグの対として用いられるエリアを示している。待機時間カウンタと動作準備時間カウンタとが各キャラクタごとに設けられ,かつ各カウンタにフラグが付随している。これらのカウンタには待機時間または動作準備時間を表わすデータがロードされ,一定時間の経過ごとにカウンタの値がデクレメントされていく。カウンタの値が零になると,対応するフラグがオンとなる。各キャラクタに対してさらに多くのカウンタを設けてもよい。
【0039】図4(B) はプレイヤ・キャラクタについて入力されたコマンドを記憶するエリアを示している。
【0040】図5(A) はフラグ・エリアを示している。このフラグ・エリアには,設定されたモード(アクティブ・モードかウエイト・モードか)を記憶するアクティブ/ウエイト・モード・フラグ,プレイヤによって「まほう」または「アイテム」が入力されたときにオンとなるフラグ,プレイヤにコマンド入力を許可したとき(待機時間が経過したとき)オンとなるコマンド入力許可フラグ,プレイヤがコマンドを入力したことを表わすコマンド入力済フラグが設けられている。
【0041】図5(B) はキャラクタごとに生命力のMAX値とヒット・ポイントを記憶するエリアを示している。プレイヤ・キャラクタのみならず敵キャラクタにもMAX値とヒット・ポイントが用意される。敵キャラクタについてこれらの値は画面には表示されない。ヒット・ポイントが零になると,プレイヤ・キャラクタについては気絶し,敵キャラクタについては画面から消える。
【0042】図6(A) は待機時間に関するデータのエリアを示している。上述したように待機時間はキャラクタの素早さを表わしており,キャラクタごとに定まっている。この実施例では,全キャラクタに共通の素早さ(待機時間)の基本値と,各キャラクタごとに定められた素早さ係数とが設定されている。各キャラクタの待機時間カウンタに初期設定される値は,基本値にそのキャラクタの係数を乗じることにより求められる。
【0043】図6(B) は動作準備時間に関するデータ・エリアを示してる。動作準備時間は動作(攻撃等)の種類に応じて定められている。動作準備時間基本値と動作の種類ごとの動作準備時間係数とが定められており,これらの積を求めることにより動作の種類ごとの動作準備時間が算出され,動作準備時間カウンタにプリセットされる。
【0044】設定されたバトル・スピードに応じて待機時間基本値および動作準備時間基本値を変えることにより,カウンタをデクレメントする時間間隔が一定であっても,時間の流れの速さを変えることができる。もちろん,バトル・スピードの変更は,カウンタの減算処理の速度の変更,上記係数の変更等によっても実現できる。
【0045】図7はメモリ・カートリッジ30に内蔵されたROM31に記憶されたプログラムにしたがうCPU50の処理のうち,主にカウンタの減算処理に関する部分を示している。
【0046】図4(A) に示すカウンタに付随するフラグのすべてがオフとされる(初期化)(ステップ101 )。キャラクタごとに,設定されたバトル・スピードに応じて,待機時間基本値と素早さ係数とを用いて待機時間を表わす値が算出され,この値が対応する待機時間カウンタにセットされる(ステップ102 )。
【0047】図5(A) に示すフラグ・エリアをみて,「まほう」もしくは「アイテム」が設定されていないか(ステップ103 でNO),またはこれらが設定されていてもウエイト・モードでなければ(ステップ104 でNO),待機時間カウンタに付随するフラグがオフである限り(ステップ105 でNO),待機時間カウンタの値がデクレメントされる(ステップ106 )。この処理は,待機時間カウンタの値が0になるまで,すべての待機時間カウンタについて行われる(ステップ109 )。
【0048】待機時間カウンタの値が0になると,対応するフラグがオンとされる(ステップ107 ,108 )。
【0049】「まほう」または「アイテム」が選択されていて,かつウエイト・モードが設定されている場合(ステップ103 ,104 でともにYES )には,ステップ105 〜108 の処理がスキップされる。このようにして,ウエイト・モードにおいて特定の場合には時間の経過が停止する。
【0050】ステップ103 〜109 の処理は待機時間カウンタのみならず動作準備時間カウンタについても行われる。すなわち,ステップ109 の全カウンタとは待機時間カウンタおよび動作準備時間カウンタのすべてを指す。もっとも,初期値がプリセットされてなければ減算処理は実質的に意味がない。1つのキャラクタについて待機時間カウンタと動作準備時間カウンタの両方が同時に動作する必要はないので,1つのカウンタ・エリアを交互に待機時間カウンタ,動作準備時間カウンタとして用いるようにすることができる。図7のカウンタ減算処理は一定時間ごとの割込による処理として実行することもできる。
【0051】図8はCPU50による主にフラグ判断の処理手順を示している。
【0052】カウンタに付随するいずれかのフラグがオンとなると(ステップ111 ),そのフラグが待機時間カウンタに付随するものか,動作準備時間カウンタに付随するものかが判断される(ステップ112 )。
【0053】待機時間カウンタに関係するものであれば待機時間が経過したのである。プレイヤ・キャラクタの待機時間が経過したのか,敵キャラクタの待機時間が経過したのかが判定される(ステップ113 )。プレイヤ・キャラクタの待機時間が経過した場合には,入力許可フラグの状態をみてこのフラグがまだオフであれば(ステップ114 でNO),コマンドの入力を要求する画面を表示するとともに,入力許可フラグをオンとする(ステップ118 )。
【0054】コマンドの入力を要求する画面の一例が図13に示されている。この表示例はプレイヤ・キャラクタbbbの待機時間が経過した場合のものである。プレイヤ・キャラクタbbbの表示が特殊な形態(色が変る,点滅する,発光する等,図13ではハッチングで示す)に変化し,かつウインドウW1におけるプレイヤ・キャラクタの文字bbbも特殊な形態(色が変る,点滅する等,図13ではハッチングで示す)に変化する。また,ウインドウW2の位置に,ウインドウW3が開きコマンドの種類が表示されるとともにカーソルCUが現われる。ここで「たたかう」は通常の最も一般的な敵キャラクタに対する攻撃を示す。「アイテム」はさらに攻撃の特殊な形態を選択することができる。この他にも数多くのコマンドの種類がある。
【0055】図15はプレイヤ・キャラクタcccについての待機時間が経過したときの表示例を示している。ここではウインドウW3に表示されるコマンドとして「まほう」が追加されている。このようにキャラクタによって利用できる攻撃の種類が異なる。
【0056】図19もプレイヤ・キャラクタcccについての待機時間が経過したときに表示される例を示している。プレイヤ・キャラクタが「アイテム」を選択すると,表示は図20に示すように変化し,さらに特殊な攻撃または防御の形態を選択することができる。アイテムの選択のためのウインドウW4が開き,「かいふく(回復)」,「ふっき(復帰)」等が表示される。「かいふく」はそのプレイヤ・キャラクタcccの生命力をMAX値まで回復することができるものである。「ふっき」は,ヒット・ポイントが零になって気絶した他のプレイヤ・キャラクタを再び戦闘に参加させることができるものである。「99」,「26」等の数字は,これらのコマンドを使うことのできる回数を示す。ウインドウW4の右側の上,下に向う矢印はさらにウインドウW4を上,下に開いて他のアイテムを選択できることを示す。
【0057】このようなアイテムが選択されたときには,もしウエイト・モードであればカウンタの計数動作が停止するのは上述した通りである。「まほう」が選択されたときにも同じである。
【0058】図8にもどって,コマンド入力許可済であれば(ステップ114 でYES ),コマンドが入力済かどうかが判定される(ステップ115 )。ウインドウW3またはW4の中の1つが選択されれば(「アイテム」および「まほう」を除く)コマンド入力済となる。コマンドの入力は,カーソルCUをジョイ・パッド27を用いて所望のコマンドの位置に移動させ,Aボタン21を押すことにより行われる。
【0059】コマンドが入力されると,そのコマンドが解析される(ステップ116 )。たとえば「アイテム」や「まほう」が選択されたときには,さらに特定のコマンドを選択させるために図20のような表示に切変わる。他のコマンドの場合には,そのコマンドに応じた動作準備時間が図6(B) に示すデータを用いて算出され,そのキャラクタの動作準備時間カウンタにプリセットされる(ステップ117 )。この動作準備時間カウンタは図7に示す処理により減算されていく。コマンドが入力されると,たとえば図13から図14に示すような表示に変化する。プレイヤ・キャラクタbbbは戦いの準備をしている形態となる。また,どの敵キャラクタに対して攻撃するかを選択させるためにカーソルCUが表示される。プレイヤはカーソルを所望の敵キャラクタの位置に移動させ,Aボタン21を押してその攻撃すべき敵キャラクタを指定することができる。
【0060】敵キャラクタについての待機時間が経過した場合には(ステップ113 でNO),その敵キャラクタの動作(攻撃)が決定される(ステップ119 ),決定された動作のための動作準備時間がその敵キャラクタの動作準備時間カウンタにプリセットされる(ステップ120 )。一般に敵キャラクタの動作は敵キャラクタの種類によって決っているが,敵キャラクタの数が少くなってしまった等の変化があると,より強力な攻撃を行う動作が設定される。
【0061】オンとなったフラグが動作準備時間カウンタに付随するものである場合には(ステップ112 ),図9に示す動作実行処理に移る。
【0062】図9において,動作実行処理では,表示画面処理,ヒット・ポイント計算(減算),コマンド入力済フラグのオフ等の処理が行われる。たとえば,プレイヤ・キャラクタbbbによって敵キャラクタAAA2が攻撃されたので,図15に示すように敵キャラクタAAA2が1470点減点される。敵キャラクタAAA2のヒット・ポイントはこの減点により0(またはマイナス)になってしまったので図16に示すようにこの敵キャラクAAA2は画面から消える。また敵キャラクタAAA1がプレイヤ・キャラクタbbbに攻撃をした場合には,図17に示すように,敵キャラクタAAA1が光り,かつダメージを受けたプレイヤ・キャラクタbbbは340 点減点される。この結果,図18に示すようにプレイヤ・キャラクタbbbのヒット・ポイントは2420−340 =2080となる。
【0063】この後,動作を実行した(攻撃等を行った)キャラクタについての待機時間カウンタにそのキャラクタの待機時間がプリセットされる(ステップ122 )。
【0064】図10は,プレイヤがコマンドを入力したときに実行される割込処理を示している。コマンド入力許可フラグがオンであることを確認したのち(ステップ131 ),コマンド入力処理に進む(ステップ132 )。
【0065】たとえば「たたかう」などの,「アイテム」と「まほう」以外のコマンド入力のときには,そのコマンドが入力コマンド・エリア(図4(B) )に記憶されるとともに,コマンド入力許可フラグがオフとされかつコマンド入力済フラグがオンされる。
【0066】「アイテム」,「まほう」の入力の場合にはその旨のフラグがオンとされる。この後,「アイテム」,「まほう」の具体的なコマンドが入力されると,入力許可フラグおよび「まほう」または「アイテム」フラグがオフとされ,入力されたコマンドが記憶され,コマンド入力済フラグがオンとされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ビデオ・ゲーム・システムの全体を示す斜視図である。
【図2】ゲーム・プロセッサの電気的構成を示すブロック図である。
【図3】アクティブ・タイム・バトルの概念を示す。
【図4】(A) および(B) はワークRAMの内容の一部を示す。
【図5】(A) および(B) はワークRAMの内容の一部を示す。
【図6】(A) および(B) はワークRAMの内容の一部を示す。
【図7】カウンタ減算処理を示すフロー・チャートである。
【図8】フラグ制御処理を示すフロー・チャートである。
【図9】動作実行処理を示すフロー・チャートである。
【図10】コマンド入力割込処理を示すフロー・チャートである。
【図11】表示装置に表示される表示画面の例を示す。
【図12】表示装置に表示される表示画面の例を示す。
【図13】表示装置に表示される表示画面の例を示す。
【図14】表示装置に表示される表示画面の例を示す。
【図15】表示装置に表示される表示画面の例を示す。
【図16】表示装置に表示される表示画面の例を示す。
【図17】表示装置に表示される表示画面の例を示す。
【図18】表示装置に表示される表示画面の例を示す。
【図19】表示装置に表示される表示画面の例を示す。
【図20】表示装置に表示される表示画面の例を示す。
【符号の説明】
10 ゲーム・プロセッサ
20 コントローラ
30 メモリ・カートリッジ
40 表示装置
【0001】
【発明の背景】
【技術分野】この発明は,プレイヤの代わりにプレイヤ・キャラクタがビデオ画面上で敵キャラクタと戦闘を繰返す形式のロール・プレイング・ゲーム(RPG)を実現するためのビデオ・ゲーム装置,その制御方法および制御ディバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のロール・プレイング・ゲームまたは戦闘ゲームはターン方式のものであった。プレイヤ・キャラクタと敵キャラクタとが表示装置(たとえばテレビジョン受像機)の表示画面上に表示される。プレイヤは表示画面に表示されたプレイヤ・キャラクタの複数種類の攻撃(武器,魔法を含む)の中から所望のものを選択し,コントローラと呼ばれる入力装置を通して指定する(コマンドの入力)。一方,敵キャラクタの攻撃はあらかじめ定まっている。コマンドの入力が完了すると戦闘が始まり,あらかじめ定められた順序にしたがってプレイヤ・キャラクタと敵キャラクタが相互に攻撃する。相手の攻撃を受けることによって各キャラクタの生じるダメージが,たとえば減点法などによりカウントされる。コマンドの入力,およびプレイヤ・キャラクタと敵キャラクタとの戦闘が繰返されることによりゲームが進行し,プレイヤ・キャラクタが所定の目的の達成する(たとえば宝物を捜し出す,女王を助ける等)ようにプレイヤは操作を続ける。
【0003】このようなターン方式のビデオ・ゲームにおいては,プレイヤがプレイヤ・キャラクタに対するコマンドの入力を完了するまで敵キャラクタは攻撃を仕掛けることはない。また,攻撃はあらかじめ定められた順番にしたがってのみ行われ,この順番が雌雄を決する重要なファイタとなる。したがって,ターン方式はいわば静的なゲームであり,臨場感に乏しい。
【0004】
【発明の概要】この発明は,実際の戦闘により近く,動的で臨場感にあふれるビデオ・ゲーム装置,その制御方法,および制御ディバイスを提供するものである。
【0005】この発明によるビデオ・ゲーム装置の制御方法は,プレイヤ・キャラクタと敵キャラクタとを表示装置の表示画面上に表示し,入力された動作指令またはあらかじめ定められた動作指令に応じて,プレイヤ・キャラクタと敵キャラクタとに相互に動作を行わせるものにおいて,キャラクタごとにそれぞれ計時手段を用意し,キャラクタの動作に関連する処理に応答して,そのキャラクタに対応する上記計時手段にキャラクタに対応する時間を設定して上記計時手段の動作を開始させ,上記計時手段が設定された時間を計時し終えたときに上記計時手段から発生する信号に応答して,上記計時手段に対応するキャラクタについて次の動作に関連する処理に移るように制御し,キャラクタの次の動作に関連する処理が終了したとき,そのキャラクタに対応する上記計時手段にキャラクタに対応する時間を再び設定して,上記計時手段の動作を再び開始させるものである。
【0006】この発明によるビデオ・ゲーム装置の制御方法は,入力された動作指令に応答して動作を行うプレイヤ・キャラクタと,あらかじめ定められた動作指令に応答して動作を行う敵キャラクタとを表示装置の表示画面に表示してゲームを進行させるものにおいて,キャラクタごとにそれぞれ計時手段を用意し,少なくとも敵キャラクタについては,プレイヤ・キャラクタのための動作指令の入力に関係なく,キャラクタの動作時点からキャラクタごとに定められた時間をそのキャラクタに対応する上記計時手段に計時させ,上記計時手段が上記時間を計時し終えたときにそのキャラクタについて次の動作を開始するための処理に移るよう制御し,次の動作の時点からそのキャラクタに対応する上記計時手段に再び計時動作させるものである。
【0007】この発明によるビデオ・ゲーム装置は,制御装置と表示装置と入力装置とから構成され,プレイヤ・キャラクタと敵キャラクタとを上記表示装置の表示画面上に表示し,上記入力装置から入力された動作指令またはあらかじめ定められた動作指令に応じて,プレイヤ・キャラクタと敵キャラクタとに相互に動作を行わせるものにおいて,上記制御装置が,キャラクタごとに設けられた計時手段,キャラクタの動作に関連する処理を表わす信号に応答して,そのキャラクタに対応する上記計時手段にキャラクタに対応する時間を設定して上記計時手段に計時動作を開始させる計時制御手段,および上記計時手段が上記時間を計時し終えたときに上記計時手段から発生する信号に応答して,上記計時手段に対応するキャラクタについて次の動作に関連する処理に移るように制御し,次の動作に関連する処理を表わす信号を上記計時制御手段に与えるキャラクタ制御手段を備えていることを特徴とする。
【0008】この発明はまた,プログラムにしたがう処理を実行するCPUと,このCPUがプログラム実行において使用するメモリと,ビデオ画面を表示する表示装置と,上記CPUの制御の下で上記表示装置における表示のための処理を行う表示処理装置と,動作指令の入力装置とを含むビデオ・ゲーム装置をプログラム制御するためのディバイスを提供している。
【0009】このビデオ・ゲーム装置の制御ディバイスは,プレイヤ・キャラクタおよび敵キャラクタを上記表示装置の表示画面に表示させ,プレイヤ・キャラクタについては上記入力装置から与えられる動作指令に応答して指令された動作を実行させ,敵キャラクタについてはあらかじめ定められた動作を実行させ,各キャラクタの動作時点からキャラクタに対応する時間をそれぞれ計時させ,上記時間が経過したときにそのキャラクタについて次の動作に関連する処理に移るよう制御するものである。
【0010】
【0011】
【0012】この発明の一実施態様においては,プレイヤ・キャラクタに関する次の動作に関連する処理が,動作指令を入力するよう要求する画面の表示,この表示にしたがって入力された動作指令に応答して動作の種類に応じた動作準備のための時間を計時すること,および動作準備時間が経過したときに,指令された動作を開始することを含んでいる。
【0013】また,敵キャラクタに関する次の動作に関連する処理は,あらかじめ定められた動作指令に応答して動作の種類に応じた動作準備のための時間を計時すること,および動作準備時間が経過したときに,指令された動作を開始することを含んでいる。
【0014】この発明によると,キャラクタの動作の時点でキャラクタに対応する時間の計時が開始し,この時間が経過するとそのキャラクタは再び動作のための処理に移る。プレイヤ・キャラクタを動作させるためのプレイヤによるコマンド入力の有無に関係なく敵キャラクタは何らかの動作(たとえば攻撃)を仕掛けてくることになる。実際の戦闘形態に似ているので臨場感とスリルにあふれ,スピーディなゲーム展開を楽しむことができる。
【0015】この発明の他の実施態様においては,アクティブ・モードとウエイト・モードとが設けられている。アクティブ・モードが選択されたときには上述したように計時処理が停止することなく続行される。ウエイト・モードが選択されたときには,プレイヤによるコマンド入力のための時間帯の少なくとも一部において計時処理が停止する。したがって,ゲームに不慣れなプレイヤはウエイト・モードを選択して,従来のターン方式に似た遊び方にしたがってプレイすることができる。
【0016】この発明のさらに他の実施態様においては,時間の流れの速さの指定入力に応答して,計時処理における計時の速さが実質的に変更される。したがってプレイヤは自分の能力に合った時間の流れの速さを選定することができるので,ゲームの楽しみが倍増する。
【0017】
【実施例の説明】図1はビデオ・ゲームのためのシステムの全体を示している。
【0018】このシステムは,いわゆるスーパ・ファミコンと呼ばれるゲーム・プロセッサ(ゲーム機本体)10,このゲーム・プロセッサ10に着脱自在に接続される入力装置または操作器としてのコントローラ20,ゲーム・プロセッサ10に着脱自在に装着されるメモリ・カートリッジ(またはメモリ・カセット)30,およびゲーム・プロセッサ10が着脱自在に接続され,ゲームのためのビデオ画面を表わすCRT表示装置(たとえばテレビジョン受像機またはモニタ表示装置)から構成されている。
【0019】ゲーム・プロセッサ10にはその上面中央部にメモリ・カートリッジ30が着脱自在に装着される挿入口12があけられており,この挿入口12の奥には,メモリ・カートリッジ30のピン、導体パターンまたは電極が接続されるコネクタ56(図2参照)が設けられている。この挿入口12の手前には,パワー・スイッチ13,リセット・スイッチ14およびメモリ・カートリッジ30を放出するためのエジェクト・ボタン15が設けられている。さらに,前端面にはコントローラ20を着脱自在に接続するためのコネクタ16が設けられている。
【0020】コントローラ20には,意志決定のためのAボタン21,キャンセルのためのBボタン22,メニュー表示を選択するためのXボタン23.,Yボタン24,スタート・ボタン25,セレクト・ボタン26および表示画面上でカーソルを上下,左右に移動させるためのジョイ・パッド(またはジョイ・スティック)27,その他のボタン(図示略)が設けられている。この実施例では,Aボタン21,Bボタン22,Xボタン23およびジョイ・パッド27が各種入力操作のために使用される。
【0021】図2は主にゲーム・プロセッサ10の電気的構成の概要を示している。ゲーム・プロセッサ10はCPU(中央処理装置)50を含み,このCPU50がビデオ・ゲームの動作全体を制御する。CPU50の実行プログラムはメモリ・カートリッジ30に内蔵されたROM31にあらかじめ格納されている。このROM31には表示装置40に表示される画像を表わすデータも格納されている。ROM31は,メモリ・カートリッジ30がゲーム・プロセッサ10に接続されたときにコネクタ56を介してシステム・バス(データ・バス,アドレス・バスおよびコトンロール・ラインを含む)によりCPU50と接続される。好ましくはメモリ・カートリッジ31には,後述するプレイヤ・キャラクタの生命力の最大値(MAX値)や現在値(ヒット・ポイント)等のデータをセーブして,今回の続きを次回行えるようにするためのRAMおよびそのデータ・バックアップのためのバッテリィが設けられる。
【0022】ゲーム・プロセッサ10において,CPU50にはさらに,ゲームの進行において各種データを記憶したりカウンタとして用いられるワークRAM51,表示のためにROM31から読出された画像データを記憶し,必要な加工等を行うためのビデオRAM52,およびビデオRAM52の画像データに基づいて表示のためのビデオ信号を作成する画像処理装置53がシステム・バスにより接続されている。画像処理装置53から出力されるビデオ信号はさらに変調回路54で表示装置40に供給するのに適した信号,たとえばNTSC方式のテレビジョン信号に変換されたのち表示装置40に与えられる。
【0023】ゲーム・プロセッサ10には1個(1人でプレイする場合)または2個(2人でプレイする場合)のコントローラ20が接続され,コントローラ20からの各種信号はインタフェース55を介してCPU50に入力する。
【0024】表示装置40の画面上には1または複数人のプレイヤ・キャラクタおよび敵キャラクタが登場する。プレイヤ・キャラクタはコントローラ20を通してプレイヤによって与えられる動作指令にしたがって動作する。具体的には,表示装置40の画面に表示される攻撃等の種類をプレイヤが選択すること(これをコマンドの入力という)に応答して,その選択された攻撃等の動作を行う。敵キャラクタはあらかじめ定められた動作指令(行動の決定)にしたがって動作する。
【0025】このようなプレイヤ・キャラクタと敵キャラクタの動作すなわち戦闘行為は,中断することなく一定の速さで時間が流れている状態で繰返し実行される。これをアクティブ・タイム・バトル(Active Time Battle)という。
【0026】図3はアクティブ・タイム・バトルにおけるプレイヤ・キャラクタと敵キャラクタの動作態様を示している。一例として2名ずつのプレイヤ・キャラクタP1,P2と敵キャラクタM1,M2の動作態様が示されている。
【0027】プレイヤ・キャラクタP1,P2につて説明すると,ゲームの開始または攻撃等の戦闘行為が終了したのち,キャラクタごとに定まっている待機時間に入る。待機時間はキャラクタの素早さを表わしている。この待機時間が経過するとコマンドの入力が許可される。この時点でプレイヤは表示されている戦闘行為を選択することができる(コマンド入力)。コマンドが入力されるとそれに対応する処理が行われ(コマンド決定),コマンド実行のための動作準備時間に入る。この動作準備時間は指定された動作に特有の時間であって,動作ごとに定まっている。この動作準備時間が経過すると,指定された戦闘行為が行われ,再び待機時間に入る。
【0028】敵キャラクタM1,M2の場合にはコマンドの入力が不要である。敵キャラクタごとに定められ,その素早さを表わす待機時間が経過すると,その行動が決定される。敵キャラクタの戦闘行為の種類はあらかじめ定められているが,後述するように状況に応じて変わる場合がある。決定された行動についての動作準備時間が経過すると決定された戦闘動作が行われ,この後再び待機時間に入る。敵キャラクタについては上記の処理が繰返される。
【0029】図3から分るように,アクティブ・タイム・バトルにおいては,プレイヤ・キャラクタP1,P2についてのプレイヤによるコマンド入力中の時間帯(プレイヤ・キャラクタにどのような戦闘行為を行わせるかをプレイヤが考えている時間帯)においても,敵キャラクタM1,M2の待機時間および動作準備時間は刻々と経過している(これらの時間の計時が停止することなく続いている)。したがって,プレイヤ・キャラクタはコマンド入力中においても敵キャラクタから攻撃を受ける場合がある。このようにして,実際の戦闘に似た形態で臨場感とスリルにあふれたゲームがスピーディに進行していくことになる。
【0030】原理的には敵キャラクタには待機時間および動作準備時間の少なくともいずれか一方を設定しておけば充分である。しかしながら,敵キャラクタの戦闘行為(動作または行動)の種類がプログラムにしたがって状況に応じて変化する場合には上記の両方の時間を設けることが好ましい。
【0031】図11は表示装置40に表示されるメニュー画面の一例を示している。このメニュー画面はコントローラ20のXボタン23を押すことにより呼出すことができる。メニュー画面のみならず他の画面においても,手で指さす表現のカーソル(またはポインタ)CUが表示される。このカーソルCUの画面上の位置はコントローラ20のジョイ・パッド27によって動かすことができる。カーソルCUを所望の位置に移動させたのち,Aボタン21を押せば,カーソルCUによって指されている表示によって表わされるものが選択入力される。
【0032】メニュー画面においてはバトル・モードとバトル・スピードを選択することができる。
【0033】バトル・モードにはウエイト・モードとアクティブ・モードがある。ウエイト・モードは,コマンド入力中における特定のコマンド入力について(この実施例では「まほう(魔法)」または「アイテム」が選択された場合)時間の流れが止まる(計時動作が停止する)ものである。もちろん,すべてのコマンド入力について時間の流れを停止させてもよい。
【0034】アクティブ・モードは上述したように常に(コマンド入力中の時間においても)時間が流れている(計時動作が続行している)ものである。
【0035】バトル・スピードとはゲームにおける時間の流れの速さを意味する。具体的には,すべてのキャラクタについて待機時間および動作準備時間を比例的に増減することである。このバトル・スピードはこの実施例では5段階に設定可能である。
【0036】図12は初期画面の一例を示している。これはゲームが開始されるときに表示される。この表示例では,3種類3名のプレイヤ・キャラクタaaa,bbbおよびccc,ならびに1種類3匹の敵キャラクタAAA1,AAA2およびAAA3が示されている。表示画面の下半分には2つのウインドウW1,W2が設けられている。ウインドウW1はプレイヤ・キャラクタに関するものであり,プレイヤ・キャラクタごとにそれらの生命力のMAX値を表わす数字(分母)と現在の生命力(ヒット・ポイント=HP)を表わす数字(分子)が表示される。ヒット・ポイントは敵キャラクタから攻撃を受けるたびに受けた攻撃の種類に応じて減点される。ウインドウW2にはAAAという種類の敵キャラクタが3匹現われていることが示されている。
【0037】図4から図6はゲーム・プロセッサ10のW−RAM51に設定される各種のエリアを示している。これらのエリアはゲームの開始にあたってメモリ・カートリッジ30のROM31に格納されているプログラムまたはデータにしたがって設定または作成されたり,メモリ・カートリッジ30のRAMにセーブされていたデータがロードされることにより作成される。
【0038】図4(A) はカウンタとフラグの対として用いられるエリアを示している。待機時間カウンタと動作準備時間カウンタとが各キャラクタごとに設けられ,かつ各カウンタにフラグが付随している。これらのカウンタには待機時間または動作準備時間を表わすデータがロードされ,一定時間の経過ごとにカウンタの値がデクレメントされていく。カウンタの値が零になると,対応するフラグがオンとなる。各キャラクタに対してさらに多くのカウンタを設けてもよい。
【0039】図4(B) はプレイヤ・キャラクタについて入力されたコマンドを記憶するエリアを示している。
【0040】図5(A) はフラグ・エリアを示している。このフラグ・エリアには,設定されたモード(アクティブ・モードかウエイト・モードか)を記憶するアクティブ/ウエイト・モード・フラグ,プレイヤによって「まほう」または「アイテム」が入力されたときにオンとなるフラグ,プレイヤにコマンド入力を許可したとき(待機時間が経過したとき)オンとなるコマンド入力許可フラグ,プレイヤがコマンドを入力したことを表わすコマンド入力済フラグが設けられている。
【0041】図5(B) はキャラクタごとに生命力のMAX値とヒット・ポイントを記憶するエリアを示している。プレイヤ・キャラクタのみならず敵キャラクタにもMAX値とヒット・ポイントが用意される。敵キャラクタについてこれらの値は画面には表示されない。ヒット・ポイントが零になると,プレイヤ・キャラクタについては気絶し,敵キャラクタについては画面から消える。
【0042】図6(A) は待機時間に関するデータのエリアを示している。上述したように待機時間はキャラクタの素早さを表わしており,キャラクタごとに定まっている。この実施例では,全キャラクタに共通の素早さ(待機時間)の基本値と,各キャラクタごとに定められた素早さ係数とが設定されている。各キャラクタの待機時間カウンタに初期設定される値は,基本値にそのキャラクタの係数を乗じることにより求められる。
【0043】図6(B) は動作準備時間に関するデータ・エリアを示してる。動作準備時間は動作(攻撃等)の種類に応じて定められている。動作準備時間基本値と動作の種類ごとの動作準備時間係数とが定められており,これらの積を求めることにより動作の種類ごとの動作準備時間が算出され,動作準備時間カウンタにプリセットされる。
【0044】設定されたバトル・スピードに応じて待機時間基本値および動作準備時間基本値を変えることにより,カウンタをデクレメントする時間間隔が一定であっても,時間の流れの速さを変えることができる。もちろん,バトル・スピードの変更は,カウンタの減算処理の速度の変更,上記係数の変更等によっても実現できる。
【0045】図7はメモリ・カートリッジ30に内蔵されたROM31に記憶されたプログラムにしたがうCPU50の処理のうち,主にカウンタの減算処理に関する部分を示している。
【0046】図4(A) に示すカウンタに付随するフラグのすべてがオフとされる(初期化)(ステップ101 )。キャラクタごとに,設定されたバトル・スピードに応じて,待機時間基本値と素早さ係数とを用いて待機時間を表わす値が算出され,この値が対応する待機時間カウンタにセットされる(ステップ102 )。
【0047】図5(A) に示すフラグ・エリアをみて,「まほう」もしくは「アイテム」が設定されていないか(ステップ103 でNO),またはこれらが設定されていてもウエイト・モードでなければ(ステップ104 でNO),待機時間カウンタに付随するフラグがオフである限り(ステップ105 でNO),待機時間カウンタの値がデクレメントされる(ステップ106 )。この処理は,待機時間カウンタの値が0になるまで,すべての待機時間カウンタについて行われる(ステップ109 )。
【0048】待機時間カウンタの値が0になると,対応するフラグがオンとされる(ステップ107 ,108 )。
【0049】「まほう」または「アイテム」が選択されていて,かつウエイト・モードが設定されている場合(ステップ103 ,104 でともにYES )には,ステップ105 〜108 の処理がスキップされる。このようにして,ウエイト・モードにおいて特定の場合には時間の経過が停止する。
【0050】ステップ103 〜109 の処理は待機時間カウンタのみならず動作準備時間カウンタについても行われる。すなわち,ステップ109 の全カウンタとは待機時間カウンタおよび動作準備時間カウンタのすべてを指す。もっとも,初期値がプリセットされてなければ減算処理は実質的に意味がない。1つのキャラクタについて待機時間カウンタと動作準備時間カウンタの両方が同時に動作する必要はないので,1つのカウンタ・エリアを交互に待機時間カウンタ,動作準備時間カウンタとして用いるようにすることができる。図7のカウンタ減算処理は一定時間ごとの割込による処理として実行することもできる。
【0051】図8はCPU50による主にフラグ判断の処理手順を示している。
【0052】カウンタに付随するいずれかのフラグがオンとなると(ステップ111 ),そのフラグが待機時間カウンタに付随するものか,動作準備時間カウンタに付随するものかが判断される(ステップ112 )。
【0053】待機時間カウンタに関係するものであれば待機時間が経過したのである。プレイヤ・キャラクタの待機時間が経過したのか,敵キャラクタの待機時間が経過したのかが判定される(ステップ113 )。プレイヤ・キャラクタの待機時間が経過した場合には,入力許可フラグの状態をみてこのフラグがまだオフであれば(ステップ114 でNO),コマンドの入力を要求する画面を表示するとともに,入力許可フラグをオンとする(ステップ118 )。
【0054】コマンドの入力を要求する画面の一例が図13に示されている。この表示例はプレイヤ・キャラクタbbbの待機時間が経過した場合のものである。プレイヤ・キャラクタbbbの表示が特殊な形態(色が変る,点滅する,発光する等,図13ではハッチングで示す)に変化し,かつウインドウW1におけるプレイヤ・キャラクタの文字bbbも特殊な形態(色が変る,点滅する等,図13ではハッチングで示す)に変化する。また,ウインドウW2の位置に,ウインドウW3が開きコマンドの種類が表示されるとともにカーソルCUが現われる。ここで「たたかう」は通常の最も一般的な敵キャラクタに対する攻撃を示す。「アイテム」はさらに攻撃の特殊な形態を選択することができる。この他にも数多くのコマンドの種類がある。
【0055】図15はプレイヤ・キャラクタcccについての待機時間が経過したときの表示例を示している。ここではウインドウW3に表示されるコマンドとして「まほう」が追加されている。このようにキャラクタによって利用できる攻撃の種類が異なる。
【0056】図19もプレイヤ・キャラクタcccについての待機時間が経過したときに表示される例を示している。プレイヤ・キャラクタが「アイテム」を選択すると,表示は図20に示すように変化し,さらに特殊な攻撃または防御の形態を選択することができる。アイテムの選択のためのウインドウW4が開き,「かいふく(回復)」,「ふっき(復帰)」等が表示される。「かいふく」はそのプレイヤ・キャラクタcccの生命力をMAX値まで回復することができるものである。「ふっき」は,ヒット・ポイントが零になって気絶した他のプレイヤ・キャラクタを再び戦闘に参加させることができるものである。「99」,「26」等の数字は,これらのコマンドを使うことのできる回数を示す。ウインドウW4の右側の上,下に向う矢印はさらにウインドウW4を上,下に開いて他のアイテムを選択できることを示す。
【0057】このようなアイテムが選択されたときには,もしウエイト・モードであればカウンタの計数動作が停止するのは上述した通りである。「まほう」が選択されたときにも同じである。
【0058】図8にもどって,コマンド入力許可済であれば(ステップ114 でYES ),コマンドが入力済かどうかが判定される(ステップ115 )。ウインドウW3またはW4の中の1つが選択されれば(「アイテム」および「まほう」を除く)コマンド入力済となる。コマンドの入力は,カーソルCUをジョイ・パッド27を用いて所望のコマンドの位置に移動させ,Aボタン21を押すことにより行われる。
【0059】コマンドが入力されると,そのコマンドが解析される(ステップ116 )。たとえば「アイテム」や「まほう」が選択されたときには,さらに特定のコマンドを選択させるために図20のような表示に切変わる。他のコマンドの場合には,そのコマンドに応じた動作準備時間が図6(B) に示すデータを用いて算出され,そのキャラクタの動作準備時間カウンタにプリセットされる(ステップ117 )。この動作準備時間カウンタは図7に示す処理により減算されていく。コマンドが入力されると,たとえば図13から図14に示すような表示に変化する。プレイヤ・キャラクタbbbは戦いの準備をしている形態となる。また,どの敵キャラクタに対して攻撃するかを選択させるためにカーソルCUが表示される。プレイヤはカーソルを所望の敵キャラクタの位置に移動させ,Aボタン21を押してその攻撃すべき敵キャラクタを指定することができる。
【0060】敵キャラクタについての待機時間が経過した場合には(ステップ113 でNO),その敵キャラクタの動作(攻撃)が決定される(ステップ119 ),決定された動作のための動作準備時間がその敵キャラクタの動作準備時間カウンタにプリセットされる(ステップ120 )。一般に敵キャラクタの動作は敵キャラクタの種類によって決っているが,敵キャラクタの数が少くなってしまった等の変化があると,より強力な攻撃を行う動作が設定される。
【0061】オンとなったフラグが動作準備時間カウンタに付随するものである場合には(ステップ112 ),図9に示す動作実行処理に移る。
【0062】図9において,動作実行処理では,表示画面処理,ヒット・ポイント計算(減算),コマンド入力済フラグのオフ等の処理が行われる。たとえば,プレイヤ・キャラクタbbbによって敵キャラクタAAA2が攻撃されたので,図15に示すように敵キャラクタAAA2が1470点減点される。敵キャラクタAAA2のヒット・ポイントはこの減点により0(またはマイナス)になってしまったので図16に示すようにこの敵キャラクAAA2は画面から消える。また敵キャラクタAAA1がプレイヤ・キャラクタbbbに攻撃をした場合には,図17に示すように,敵キャラクタAAA1が光り,かつダメージを受けたプレイヤ・キャラクタbbbは340 点減点される。この結果,図18に示すようにプレイヤ・キャラクタbbbのヒット・ポイントは2420−340 =2080となる。
【0063】この後,動作を実行した(攻撃等を行った)キャラクタについての待機時間カウンタにそのキャラクタの待機時間がプリセットされる(ステップ122 )。
【0064】図10は,プレイヤがコマンドを入力したときに実行される割込処理を示している。コマンド入力許可フラグがオンであることを確認したのち(ステップ131 ),コマンド入力処理に進む(ステップ132 )。
【0065】たとえば「たたかう」などの,「アイテム」と「まほう」以外のコマンド入力のときには,そのコマンドが入力コマンド・エリア(図4(B) )に記憶されるとともに,コマンド入力許可フラグがオフとされかつコマンド入力済フラグがオンされる。
【0066】「アイテム」,「まほう」の入力の場合にはその旨のフラグがオンとされる。この後,「アイテム」,「まほう」の具体的なコマンドが入力されると,入力許可フラグおよび「まほう」または「アイテム」フラグがオフとされ,入力されたコマンドが記憶され,コマンド入力済フラグがオンとされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ビデオ・ゲーム・システムの全体を示す斜視図である。
【図2】ゲーム・プロセッサの電気的構成を示すブロック図である。
【図3】アクティブ・タイム・バトルの概念を示す。
【図4】(A) および(B) はワークRAMの内容の一部を示す。
【図5】(A) および(B) はワークRAMの内容の一部を示す。
【図6】(A) および(B) はワークRAMの内容の一部を示す。
【図7】カウンタ減算処理を示すフロー・チャートである。
【図8】フラグ制御処理を示すフロー・チャートである。
【図9】動作実行処理を示すフロー・チャートである。
【図10】コマンド入力割込処理を示すフロー・チャートである。
【図11】表示装置に表示される表示画面の例を示す。
【図12】表示装置に表示される表示画面の例を示す。
【図13】表示装置に表示される表示画面の例を示す。
【図14】表示装置に表示される表示画面の例を示す。
【図15】表示装置に表示される表示画面の例を示す。
【図16】表示装置に表示される表示画面の例を示す。
【図17】表示装置に表示される表示画面の例を示す。
【図18】表示装置に表示される表示画面の例を示す。
【図19】表示装置に表示される表示画面の例を示す。
【図20】表示装置に表示される表示画面の例を示す。
【符号の説明】
10 ゲーム・プロセッサ
20 コントローラ
30 メモリ・カートリッジ
40 表示装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】 プレイヤ・キャラクタと敵キャラクタとを表示装置の表示画面上に表示し,入力された動作指令またはあらかじめ定められた動作指令に応じて,プレイヤ・キャラクタと敵キャラクタとに相互に動作を行わせるものにおいて,キャラクタごとにそれぞれ計時手段を用意し,キャラクタの動作に関する処理に応答して,そのキャラクタに対応する上記計時手段にキャラクタに対応する時間を設定して上記計時手段の動作を開始させ,上記計時手段が設定された時間を計時し終えたときに上記計時手段から発生する信号に応答して,上記計時手段に対応するキャラクタについて次の動作に関連する処理に移るように制御し,キャラクタの次の動作に関連する処理が終了したとき,そのキャラクタに対応する上記計時手段にキャラクタに対応する時間を再び設定して,上記計時手段の動作を再び開始させる,ビデオ・ゲーム装置の制御方法。
【請求項2】 プレイヤ・キャラクタに関する次の動作に関連する処理が,動作指令を入力するよう要求する画面の表示,この表示にしたがって入力された動作指令に応答して動作の種類に応じた動作準備のための時間を計時すること,および動作準備時間が経過したときに,指令された動作を開始することを含む,請求項1に記載の制御方法。
【請求項3】 敵キャラクタに関する次の動作に関連する処理が,あらかじめ定められた動作指令に応答して動作の種類に応じた動作準備のための時間を計時すること,および動作準備時間が経過したときに,指令された動作を開始することを含む,請求項1に記載の制御方法。
【請求項4】 アクティブ・モードとウエイト・モードとをもち,アクティブ・モードが選択されたときには上記計時手段に計時動作を行なわせ,ウエイト・モードが選択されたときには,動作指令の入力のための時間帯の少なくとも一部において上記の少なくとも一部の計時手段に計時動作を停止させる,請求項1から3のいずれか一項に記載の制御方法。
【請求項5】 時間の流れの速さの指定入力に応答して,上記計時手段における計時の速さを実質的に変更する,請求項1から4のいずれか一項に記載の制御方法。
【請求項6】 入力された動作指令に応答して動作を行うプレイヤ・キャラクタと,あらかじめ定められた動作指令に応答して動作を行う敵キャラクタとを表示装置の表示画面に表示してゲームを進行させるものにおいて,キャラクタごとにそれぞれ計時手段を用意し,少なくとも敵キャラクタについては,プレイヤ・キャラクタのための動作指令の入力に関係なく,キャラクタの動作の時点からキャラクタに対応する時間をそのキャラクタに対応する上記計時手段に計時させ,上記計時手段が上記時間を計時し終えたときにそのキャラクタについて次の動作を開始するための処理に移るよう制御し,次の動作の時点からそのキャラクタに対応する上記計時手段に再び計時動作させる,ビデオ・ゲーム装置の制御方法。
【請求項7】 制御装置と表示装置と入力装置とから構成され,プレイヤ・キャラクタと敵キャラクタとを上記表示装置の表示画面上に表示し,上記入力装置から入力された動作指令またはあらかじめ定められた動作指令に応じて,プレイヤ・キャラクタと敵キャラクタとに相互に動作を行わせるものにおいて,上記制御装置が,キャラクタごとに設けられた計時手段,キャラクタの動作に関連する処理を表わす信号に応答して,そのキャラクタに対応する上記計時手段にキャラクタに対応する時間を設定して上記計時手段に計時動作を開始させる計時制御手段,および上記計時手段が設定された時間を計時し終えたときに上記計時手段から発生する信号に応答して,上記計時手段に対応するキャラクタについて次の動作に関連する処理に移るように制御し,次の動作に関連する処理を表わす信号を上記計時手段に与えるキャラクタ制御手段,を備えたビデオ・ゲーム装置。
【請求項8】 時間の流れの速さの指定入力に応答して,上記計時手段による計時動作を実質的に変更する手段,をさらに備えた請求項7に記載のビデオ・ゲーム装置。
【請求項9】 プログラムにしたがう処理を実行するCPUと,このCPUがプログラム実行において使用するメモリと,ビデオ画面を表示する表示装置と,上記CPUの制御の下で上記表示装置における表示のための処理を行う表示処理装置と,動作指令の入力装置とを含むビデオ・ゲーム装置をプログラム制御するためのディバイスであり,プレイヤ・キャラクタおよび敵キャラクタを上記表示装置の表示画面に表示させ,プレイヤ・キャラクタについては上記入力装置から与えられる動作指令に応答して指令された動作を実行させ,敵キャラクタについてはあらかじめ定められた動作を実行させ,各キャラクタの動作時点からキャラクタに対応する時間をそれぞれ計時させ,上記時間が経過したときにそのキャラクタについて次の動作に関連する処理に移るよう制御する,ビデオ・ゲーム装置の制御ディバイス。
【請求項1】 プレイヤ・キャラクタと敵キャラクタとを表示装置の表示画面上に表示し,入力された動作指令またはあらかじめ定められた動作指令に応じて,プレイヤ・キャラクタと敵キャラクタとに相互に動作を行わせるものにおいて,キャラクタごとにそれぞれ計時手段を用意し,キャラクタの動作に関する処理に応答して,そのキャラクタに対応する上記計時手段にキャラクタに対応する時間を設定して上記計時手段の動作を開始させ,上記計時手段が設定された時間を計時し終えたときに上記計時手段から発生する信号に応答して,上記計時手段に対応するキャラクタについて次の動作に関連する処理に移るように制御し,キャラクタの次の動作に関連する処理が終了したとき,そのキャラクタに対応する上記計時手段にキャラクタに対応する時間を再び設定して,上記計時手段の動作を再び開始させる,ビデオ・ゲーム装置の制御方法。
【請求項2】 プレイヤ・キャラクタに関する次の動作に関連する処理が,動作指令を入力するよう要求する画面の表示,この表示にしたがって入力された動作指令に応答して動作の種類に応じた動作準備のための時間を計時すること,および動作準備時間が経過したときに,指令された動作を開始することを含む,請求項1に記載の制御方法。
【請求項3】 敵キャラクタに関する次の動作に関連する処理が,あらかじめ定められた動作指令に応答して動作の種類に応じた動作準備のための時間を計時すること,および動作準備時間が経過したときに,指令された動作を開始することを含む,請求項1に記載の制御方法。
【請求項4】 アクティブ・モードとウエイト・モードとをもち,アクティブ・モードが選択されたときには上記計時手段に計時動作を行なわせ,ウエイト・モードが選択されたときには,動作指令の入力のための時間帯の少なくとも一部において上記の少なくとも一部の計時手段に計時動作を停止させる,請求項1から3のいずれか一項に記載の制御方法。
【請求項5】 時間の流れの速さの指定入力に応答して,上記計時手段における計時の速さを実質的に変更する,請求項1から4のいずれか一項に記載の制御方法。
【請求項6】 入力された動作指令に応答して動作を行うプレイヤ・キャラクタと,あらかじめ定められた動作指令に応答して動作を行う敵キャラクタとを表示装置の表示画面に表示してゲームを進行させるものにおいて,キャラクタごとにそれぞれ計時手段を用意し,少なくとも敵キャラクタについては,プレイヤ・キャラクタのための動作指令の入力に関係なく,キャラクタの動作の時点からキャラクタに対応する時間をそのキャラクタに対応する上記計時手段に計時させ,上記計時手段が上記時間を計時し終えたときにそのキャラクタについて次の動作を開始するための処理に移るよう制御し,次の動作の時点からそのキャラクタに対応する上記計時手段に再び計時動作させる,ビデオ・ゲーム装置の制御方法。
【請求項7】 制御装置と表示装置と入力装置とから構成され,プレイヤ・キャラクタと敵キャラクタとを上記表示装置の表示画面上に表示し,上記入力装置から入力された動作指令またはあらかじめ定められた動作指令に応じて,プレイヤ・キャラクタと敵キャラクタとに相互に動作を行わせるものにおいて,上記制御装置が,キャラクタごとに設けられた計時手段,キャラクタの動作に関連する処理を表わす信号に応答して,そのキャラクタに対応する上記計時手段にキャラクタに対応する時間を設定して上記計時手段に計時動作を開始させる計時制御手段,および上記計時手段が設定された時間を計時し終えたときに上記計時手段から発生する信号に応答して,上記計時手段に対応するキャラクタについて次の動作に関連する処理に移るように制御し,次の動作に関連する処理を表わす信号を上記計時手段に与えるキャラクタ制御手段,を備えたビデオ・ゲーム装置。
【請求項8】 時間の流れの速さの指定入力に応答して,上記計時手段による計時動作を実質的に変更する手段,をさらに備えた請求項7に記載のビデオ・ゲーム装置。
【請求項9】 プログラムにしたがう処理を実行するCPUと,このCPUがプログラム実行において使用するメモリと,ビデオ画面を表示する表示装置と,上記CPUの制御の下で上記表示装置における表示のための処理を行う表示処理装置と,動作指令の入力装置とを含むビデオ・ゲーム装置をプログラム制御するためのディバイスであり,プレイヤ・キャラクタおよび敵キャラクタを上記表示装置の表示画面に表示させ,プレイヤ・キャラクタについては上記入力装置から与えられる動作指令に応答して指令された動作を実行させ,敵キャラクタについてはあらかじめ定められた動作を実行させ,各キャラクタの動作時点からキャラクタに対応する時間をそれぞれ計時させ,上記時間が経過したときにそのキャラクタについて次の動作に関連する処理に移るよう制御する,ビデオ・ゲーム装置の制御ディバイス。
【図1】
【図9】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図10】
【図6】
【図7】
【図8】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図9】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図10】
【図6】
【図7】
【図8】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【特許番号】第2794230号
【登録日】平成10年(1998)6月26日
【発行日】平成10年(1998)9月3日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平3−199828
【出願日】平成3年(1991)7月16日
【公開番号】特開平6−105959
【公開日】平成6年(1994)4月19日
【審査請求日】平成7年(1995)3月15日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成3年6月14日角川書店発行の「マル勝スーパーファミコンVol.10」平成3年7月12日角川書店発行の「マル勝スーパーファミコンVol.12」
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成3年5月24日株式会社徳間書店発行の「ファミリーコンピュータMagazine No.11 6月7日号」
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成3年6月7日株式会社徳間書店発行の「ファミリーコンピュータMagazine No.12 6月21日号」
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成3年6月21日株式会社徳間書店発行の「ファミリーコンピュータMagazine No.13 7月5日号」
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成3年5月31日ソフトバンク株式会社出版事業部発行の「The スーパーファミコン No.11 6月14日号」
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成3年6月14日ソフトバンク株式会社出版事業部発行の「The スーパーファミコン No.12 6月28日号」
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成3年6月14日NTT出版株式会社発行の「ファイナルファンタジー▲IV▼設定資料編」平成3年5月31日株式会社アスキー発行の「ファミコン通信12 6月14日号
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成3年6月14日株式会社アスキー発行の「ファミコン通信13 6月28日号」平成3年6月28日株式会社アスキー発行の「ファミコン通信13 7月12日号」
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成3年7月12日株式会社アスキー発行の「週刊ファミコン通信7月26日号」平成3年7月1日電波新聞社発行の「マイコンBASIC Magazine第8号」
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成3年6月1日小学館発行の「小学六年生7月号」 平成3年7月1日小学館発行の「小学六年生8月号」
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成3年6月15日株式会社講談社発行の「コミックボンボン7月号」
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成3年7月1日秋田書店発行の「月刊少年チャンピオン8月号」
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成3年7月1日株式会社桃園書房「コミックジャンボ8月号」
【前置審査】 前置審査
【出願人】(391049002)株式会社スクウェア (5)
【登録日】平成10年(1998)6月26日
【発行日】平成10年(1998)9月3日
【国際特許分類】
【出願日】平成3年(1991)7月16日
【公開番号】特開平6−105959
【公開日】平成6年(1994)4月19日
【審査請求日】平成7年(1995)3月15日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成3年6月14日角川書店発行の「マル勝スーパーファミコンVol.10」平成3年7月12日角川書店発行の「マル勝スーパーファミコンVol.12」
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成3年5月24日株式会社徳間書店発行の「ファミリーコンピュータMagazine No.11 6月7日号」
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成3年6月7日株式会社徳間書店発行の「ファミリーコンピュータMagazine No.12 6月21日号」
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成3年6月21日株式会社徳間書店発行の「ファミリーコンピュータMagazine No.13 7月5日号」
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成3年5月31日ソフトバンク株式会社出版事業部発行の「The スーパーファミコン No.11 6月14日号」
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成3年6月14日ソフトバンク株式会社出版事業部発行の「The スーパーファミコン No.12 6月28日号」
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成3年6月14日NTT出版株式会社発行の「ファイナルファンタジー▲IV▼設定資料編」平成3年5月31日株式会社アスキー発行の「ファミコン通信12 6月14日号
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成3年6月14日株式会社アスキー発行の「ファミコン通信13 6月28日号」平成3年6月28日株式会社アスキー発行の「ファミコン通信13 7月12日号」
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成3年7月12日株式会社アスキー発行の「週刊ファミコン通信7月26日号」平成3年7月1日電波新聞社発行の「マイコンBASIC Magazine第8号」
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成3年6月1日小学館発行の「小学六年生7月号」 平成3年7月1日小学館発行の「小学六年生8月号」
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成3年6月15日株式会社講談社発行の「コミックボンボン7月号」
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成3年7月1日秋田書店発行の「月刊少年チャンピオン8月号」
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成3年7月1日株式会社桃園書房「コミックジャンボ8月号」
【前置審査】 前置審査
【出願人】(391049002)株式会社スクウェア (5)
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