説明

ビニールハウス

【課題】保温機能の向上のみならず、部品点数や作業工程等に関する手間やコストを低減する保温機能の向上のみならず、部品点数や作業工程等に関する手間やコストを低減する。
【解決手段】被覆シート6を、前後に並べられる少なくとも2本の支持杆4,5に亘って巻き付けるように被覆して、前記少なくとも2本の支持杆4,5の一端側から他端側まで空間Sを確保した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビニールハウスに関し、詳しくは、保温機能に優れる二重構造のビニールハウスに関する。
【背景技術】
【0002】
本願発明に関連する二重構造のビニールハウスの先行技術文献情報として、たとえば、下記の特許文献1のものが有る。
特許文献1のものは、ア−チ状パイプと橋架パイプとビニールシートから構成され、前記橋架パイプに嵌着させる止め具とアーチ状パイプにフックによりビニールシートを二重又は三重に張設したものである。
【特許文献1】特開平10−337123号公報
【0003】
ところで、前記特許文献1のビニールハウスは、保温機能の向上という点においては有用なものである一方、特許文献1では、部材点数やビニールハウスを組み立てる作業工程等が多く、保温機能的にも組立て作業的にも、その上価格という点でも、さらに有用なビニールハウスが求められていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は、保温機能の向上のみならず、部品点数や作業工程等に関する手間やコストを低減することを課題とし、この課題を解決するビニールハウスの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、前記目的を達成するため、下記の技術的手段を採用した。
その技術的手段は、(第1発明)被覆シートを、前後に並べられる少なくとも2本の支持杆に亘って巻き付けるように被覆して、前記少なくとも2本の支持杆の一端側から他端側まで空間を確保した二重構造にしてなるビニールハウスにしたことである。
また、(第2発明)被覆シートを前後に並べられる少なくとも2本の支持杆に亘って巻き付けるように被覆して、前記少なくとも2本の支持杆の一端側から他端側まで空間を確保した二重構造のハウス構成体を、重ね合わせて並べてなるビニールハウスにしたことである。
また、被覆シートの被覆作業効率を向上させる観点から、(第3発明)前記被覆シートをあらかじめ筒状に形成することが好ましい。
【0006】
本発明でいう被覆シートは、たとえば、ビニールシートや一般的にブルーシートと呼ばれる防水加工された布製シート、あるいは軟質ゴム製シート等が挙げられる。
また、本発明でいう支持杆は、一般的にビニールハウスを構成するのに使用される塩化ビニールパイプやアルミニュウムパイプ、あるいは金属パイプ等が挙げられる。
また、本発明で言う支持杆は、ビニールハウスを構成可能な略コ型や略C型等のアーチ状を呈するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、下記の優れた効果が期待できる。
第1発明によれば、少なくとも2本の支持杆を前後に離間させて被覆シートを張ることによって、二重構造のビニールハウスが構成でき、逆に近接させて被覆シートを折り畳むことによって収納状態にすることができる。
また、少なくとも2本の支持杆と被覆シートのみでビニールハウスを構成することができる。
第2発明によれば、少なくとも2本の支持杆を前後に離間させて被覆シートを張ることによって、二重構造のハウス構成体が構成され、逆に近接させて被覆シートを折り畳むことによって収納状態にすることができる。
その上、前記当該ハウス構成体を任意の数並べることによって、目的の長さのビニールハウスを構成することができる。
また、少なくとも2本の支持杆と被覆シートのみでビニールハウスを構成するハウス構成体を構成できる。
さらに、少なくとも2本の支持杆の間隔を長くすることによって、ハウス構成体1個でビニールハウスを構成できる。
そして、第3発明によれば、被覆シートが筒体であるので、前記少なくとも2本の支持杆に被覆する作業が容易である。
したがって、保温機能の向上のみならず、部品点数や作業工程等に関する手間やコストを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明のビニールハウスを実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
本形態では、複数(図面では2個)のハウス構成体1,2を並べることによってビニールハウスAが構成される構造を例示する。
なお、前記ハウス構成体1,2は、すべて同じ構成であるので、以下ではハウス構成体1の構成を説明することにより、ハウス構成体2の構成についての説明は省略する。
【0009】
ハウス構成体1は、筒状に形成した被覆シート6を、前後に並べられる2本の支持杆4,5に亘って巻き付けるように被覆して、前記2本の支持杆4,5の一端側から他端側まで空間Sを確保した二重構造に構成されている。
前記ハウス構成体1は、支持杆4,5を離間させることによって被覆シート6を張り、近接させることによって被覆シートを折り畳むようにしている。
また、前記ハウス構成体1は、前記支持杆4,5の端部41,51を地面に埋め込むことによって設置される。
前記支持杆4,5は、パイプ材を用いて略アーチ状に形成されている。
【0010】
前記した構成のハウス構成体1,2を用いて構成されるビニールハウスAの設置方法並びに構造を説明する。
前記ビニールハウスAは、前記ハウス構成体1,2を支持杆4と支持杆5とが対面するように前後方向に順次並べることによって構成されている。
具体的には、先ず、ハウス構成体1を設置し、当該ハウス構成体1上にハウス構成体2を重ね合わせるとともに、設置する。
このとき、各ハウス構成体1,2における支持杆4,5部位が各ハウス構成体1,2における被覆シート6に食い込んで密着することによって、隙間なく連続するビニールハウスAが構成される。
【0011】
また、前記ハウス構成体1の設置構造については、図に示すように、土台7上に設けられた嵌合凸部71に支持杆4,5の端部を嵌合することにより設置する構造、あるいは、角材8状に設けられた複数の嵌合凸部81に支持杆4,5の端部を嵌合することにより設置する構造等が挙げられる。
【0012】
なお、前記各ハウス構成体の重合位置を前後にずらすことによって、ビニールハウスの全長を変更することができる。
また、前記各ハウス構成体の数を増減することによってビニールハウスAの全長を変更することができる。
また、単数のハウス構成体でもビニールハウスを構成することができる。
また、本発明は、例示した実施の形態に限定するものでは無く、特許請求の範囲の各項に記載された内容から逸脱しない範囲の構成による実施が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係るビニールハウスを構成するハウス構成体の斜視図。
【図2】図1の(2)‐(2)線断面図。
【図3】本発明に係るビニールハウスの斜視図。
【図4】図3の(4)‐(4)線断面図。
【図5】設置構造の一例を示す。
【図6】設置構造の他の例を示す。
【図7】設置構造の他の例を示す。
【符号の説明】
【0014】
1:ハウス構成体
2:ハウス構成体
A:ビニールハウス
4:支持杆
5:支持杆
6:被覆シート
S:空間
41:端部
51:端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被覆シートを、前後に並べられる少なくとも2本の支持杆に亘って巻き付けるように被覆して、前記少なくとも2本の支持杆の一端側から他端側まで空間を確保した二重構造にしてなるビニールハウス。
【請求項2】
被覆シートを、前後に並べられる少なくとも2本の支持杆に亘って巻き付けるように被覆して、前記少なくとも2本の支持杆の一端側から他端側まで空間を確保した二重構造のハウス構成体を、重ね合わせて並べてなるビニールハウス。
【請求項3】
前記被覆シートが筒状に形成されている請求項1または請求項2に記載のビニールハウス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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