説明

ビピリジンカルボキサミドオレキシン受容体アンタゴニスト

本発明はオレキシン受容体のアンタゴニストであり、オレキシン受容体が関与する神経性および精神医学性の障害および疾患の治療または予防に有用なビピリジルカルボキサミド化合物を目的とする。本発明はまた、これらの化合物を含む医薬組成物、オレキシン受容体が関与する疾患の予防または治療におけるこれらの化合物および組成物の使用を目的とする。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
オレキシン(ヒポクレチン)は視床下部で産生される2つのニューロペプチド、オレキシンA(OX−A)(33アミノ酸ペプチド)およびオレキシンB(OX−B)(28アミノ酸ペプチド)を含む(Sakurai T.ら,Cell,1998,92,573−585)。オレキシンはラットの食物消費を刺激することが知見され、これらのペプチドが摂食行動を調節する中枢フィードバックメカニズムでメディエーターとして生理的役割を有していると示唆されていた(Sakurai T.ら,Cell,1998,92,573−585)。オレキシンは睡眠および覚醒の状態を調節し、ナルコレプシー患者または不眠症患者に対する新規な治療方法の可能性を開く(Chemelli R.M.ら,Cell,1999,98,437−451)。オレキシンが覚醒、報償、学習および記憶に役割を果たすことも示唆された(Harrisら,Trends Neurosci.,2006,29(10),571−577)。哺乳類の2つのオレキシン受容体がクローニングされ特性決定された。それらはGタンパク質共役型受容体のスーパーファミリーに所属する(Sakurai T.ら,Cell,1998,92,573−585)。オレキシン−1受容体(OXまたはOX1R)はOX−Aに選択的であり、オレキシン−2受容体)(OX2またはOX2R)はOX−AおよびOX−Bの両方に結合できる。オレキシンの関与が推測される生理作用はオレキシン受容体の2つのサブタイプすなわちOX1受容体およびOX2受容体の一方または両方を介して発現されると考えられている。
【0002】
オレキシン受容体は哺乳類の脳で発見され、以下のような病理に様々に関与する:抑鬱;不安症;依存症;強迫性障害;感情型神経症;抑鬱性神経症;不安神経症;胸腺機能不全異常症;行動障害;気分障害;性機能不全;心理的性機能不全;性的異常症;統合失調症;躁鬱;妄想;認知症;ハンチントン病およびトゥレット症候群のような重篤な精神薄弱およびジスキネジー;食欲不振、過食症、悪液質および肥満のような摂食障害;嗜癖性摂食行動;過食性/下痢性摂食行動;心血管疾患;糖尿病;食欲/味覚異常症;嘔吐、吐き気、悪心;喘息;癌;パーキンソン病;クッシング症候群/病;好塩基性腺腫;プロラクチン産生腫瘍;高プロラクチン血症;下垂体腫瘍/腺腫;視床下部疾患;炎症性腸疾患;胃ジスキネジー;胃潰瘍;フレーリッヒ症候群;副腎下垂体疾患;下垂体疾患;副腎下垂体機能不全;副腎下垂体機能亢進;視床下部的性機能低下;コールマン症候群(無嗅覚症、嗅覚減退症);機能性または心理的無月経;下垂体機能低下;視床下部性甲状腺機能低下;視床下部−副腎機能不全;特発性高プロラクチン血症;視床下部性成長ホルモン欠損異常症;特発性成長障害;小人症;巨人症;末端肥大症;生物リズムおよび概日リズムの混乱;神経障害、神経障害痛および脚不穏症候群のような疾患に付随する睡眠障害;心肺疾患、急性およびうっ血性心不全;低血圧;高血圧;尿閉;骨粗鬆症;狭心症;心筋梗塞;虚血性または出血性卒中;くも膜下出血;潰瘍;アレルギー;良性前立腺過形成;慢性腎不全;腎疾患;耐糖能低下;偏頭痛;痛覚過敏;疼痛;痛覚過敏、灼熱痛および異疼痛のような疼痛に対する増強または誇張された感受性;急性痛;火傷痛;異型顔面痛;神経障害痛;背痛;複合局部痛症候群IおよびII;関節炎痛;スポーツ傷害痛;HIVのような感染症関連痛;化学療法後痛;卒中後痛;術後痛;神経痛;嘔吐、悪心、吐き気;炎症性腸症候群および狭心症のような内臓痛に付随する状態;切迫尿失禁のような尿失禁;麻酔薬耐性または麻酔薬禁断;睡眠障害;睡眠時無呼吸;ナルコレプシー;不眠症;睡眠様昏睡;時差ぼけ症候群;脱抑制−認知症−パーキンソン症−筋萎縮症候群のような疾病分類を含む神経変性障害;淡蒼球−脳核−黒質変性;癲癇;発作性障害およびオレキシン系機能不全全般に関する他の疾患。
【0003】
いくつかのオレキシン受容体アンタゴニストが、PCT特許公開WO99/09024、WO 99/58533、WO 00/47576、WO 00/47577、WO 00/47580、WO 01/68609、WO 01/85693、WO 2002/051232、WO 2002/051838、WO 2003/002559、WO 2003/002561、WO 2003/032991、WO 2003/037847、WO 2003/041711、WO 2003/051872、WO 2003/051873、WO 2004/004733、WO 2004/033418、WO 2004/083218、WO 2004/085403、WO 2005/060959、WO2005/118548に開示されている。2−アミノ−メチルピペリジン誘導体(WO 01/96302)、3−アミノメチルモルホリン誘導体(WO 02/44172)およびN−アロイル環状アミン(WO 02/090355、WO 02/089800およびWO 03/051368)がオレキシン受容体アンタゴニストとして開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第99/09024号
【特許文献2】国際公開第99/58533号
【特許文献3】国際公開第00/47576号
【特許文献4】国際公開第00/47577号
【特許文献5】国際公開第00/47580号
【特許文献6】国際公開第01/68609号
【特許文献7】国際公開第01/85693号
【特許文献8】国際公開第2002/051232号
【特許文献9】国際公開第2002/051838号
【特許文献10】国際公開第2003/002559号
【特許文献11】国際公開第2003/002561号
【特許文献12】国際公開第2003/032991号
【特許文献13】国際公開第2003/037847号
【特許文献14】国際公開第2003/041711号
【特許文献15】国際公開第2003/051872号
【特許文献16】国際公開第2003/051873号
【特許文献17】国際公開第2004/004733号
【特許文献18】国際公開第2004/033418号
【特許文献19】国際公開第2004/083218号
【特許文献20】国際公開第2004/085403号
【特許文献21】国際公開第2005/060959号
【特許文献22】国際公開第2005/118548号
【特許文献23】国際公開第01/96302号
【特許文献24】国際公開第02/44172号
【特許文献25】国際公開第02/090355号
【特許文献26】国際公開第02/089800号
【特許文献27】国際公開第03/051368号
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Sakurai T.ら,Cell,1998,92,573−585
【非特許文献2】Chemelli R.M.ら,Cell,1999,98,437−451
【非特許文献3】Harrisら,Trends Neurosci.,2006,29(10),571−577
【発明の概要】
【0006】
本発明は、オレキシン受容体のアンタゴニストであり、オレキシン受容体が関与する神経性および精神医学性の障害および疾患の治療または予防に有用なビピリジルカルボキサミド化合物を目的とする。本発明はまた、これらの化合物を含む医薬組成物、ならびに、オレキシン受容体が関与するこのような疾患の予防または治療におけるこれらの化合物および組成物の使用を目的とする。
【0007】
本発明は、式I:
【0008】
【化1】

の化合物または医薬的に許容されるそれらの塩を目的とする。式中の、
はフェニル、ナフチルおよびヘテロアリールから成るグループから選択され;
はフェニル、ナフチルおよびヘテロアリールから成るグループから選択され;
1a、R1bおよびR1cは、Aの原子価がこのような置換を許容しない場合には存在せず、また、独立に、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)−(C=O)−O−C1−6アルキル{ここにmは0または1であり、nは0または1であり(mが0またはnが0ならば結合が存在する)、アルキルは未置換であるかまたはR13から選択された1つ以上の置換基で置換されている}、
(5)−(C=O)−O−C3−6シクロアルキル{ここにシクロアルキルは未置換であるかまたはR13から選択された1つ以上の置換基で置換されている}、
(6)−(C=O)−C2−4アルケニル{ここにアルケニルは未置換であるかまたはR13から選択された1つ以上の置換基で置換されている}、
(7)−(C=O)−C2−4アルキニル{ここにアルキニルは未置換であるかまたはR13から選択された1つ以上の置換基で置換されている}、
(8)−(C=O)−O−フェニルまたは−(C=O)−O−ナフチル{ここにフェニルまたはナフチルは未置換であるかまたはR13から選択された1つ以上の置換基で置換されている}、
(9)−(C=O)−O−複素環{ここに複素環は未置換であるかまたはR13から選択された1つ以上の置換基で置換されている}、
(10)−(C=O)−NR1011{ここにR10およびR11は独立に、
(a)水素、
(b)未置換であるかまたはR13で置換されたC1−6アルキル、
(c)未置換であるかまたはR13で置換されたC3−6アルケニル、
(d)未置換であるかまたはR13で置換されたC3−6アルキニル、
(e)未置換であるかまたはR13で置換されたC3−6シクロアルキル、
(f)未置換であるかまたはR13で置換されたフェニル、および、
(g)未置換であるかまたはR13で置換された複素環
から成るグループから選択されている}、
(11)−S(O)−NR1011
(12)−S(O)−R12{ここにqは0、1または2であり、R12はR10およびR11の定義から選択されている}、
(13)−COH、
(14)−CN、および、
(15)−NO
から成るグループから選択され、
2a、R2bおよびR2cは、Aの原子価がこのような置換を許容しない場合には存在せず、また、独立に、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)−(C=O)−O−C1−6アルキル{ここに、アルキルは未置換であるかまたはR13から選択された1つ以上の置換基で置換されている}、
(5)−(C=O)−O−C3−6シクロアルキル{ここにシクロアルキルは未置換であるかまたはR13から選択された1つ以上の置換基で置換されている}、
(6)−(C=O)−C2−4アルケニル{ここにアルケニルは未置換であるかまたはR13から選択された1つ以上の置換基で置換されている}、
(7)−(C=O)−C2−4アルキニル{ここにアルキニルは未置換であるかまたはR13から選択された1つ以上の置換基で置換されている}、
(8)−(C=O)−O−フェニルまたは−(C=O)−O−ナフチル{ここにフェニルまたはナフチルは未置換であるかまたはR13から選択された1つ以上の置換基で置換されている}、
(9)−(C=O)−O−複素環{ここに複素環は未置換であるかまたはR13から選択された1つ以上の置換基で置換されている}、
(10)−(C=O)−NR1011
(11)−S(O)−NR1011
(12)−S(O)−R12
(13)−COH、
(14)−CN、および、
(15)−NO
から成るグループから選択され、
は、未置換であるかまたはR13から選択された1つ以上の置換基で置換された水素、C1−6アルキルまたはC3−6シクロアルキルであり、
およびRは独立に、未置換であるかもしくはR13から選択された1つ以上の置換基で置換された水素およびC1−6アルキルから選択されるか、または、RとRとはそれらが付着している炭素と共にC3−6シクロアルキルを形成し、このシクロアルキルは未置換であるかまたはR13から選択された1つ以上の置換基で置換されており、
13は、
(1)ハロゲン、
(2)ヒドロキシル、
(3)−(C=O)−O−C1−6アルキル{ここに、アルキルは未置換であるかまたはR14から選択された1つ以上の置換基で置換されている}、
(4)−O−(C1−3)ペルフルオロアルキル、
(5)−(C=O)−O−C3−6シクロアルキル{ここにシクロアルキルは未置換であるかまたはR14から選択された1つ以上の置換基で置換されている}、
(6)−(C=O)−C2−4アルケニル{ここにアルケニルは未置換であるかまたはR14から選択された1つ以上の置換基で置換されている}、
(7)−(C=O)−C2−4アルキニル{ここにアルキニルは未置換であるかまたはR14から選択された1つ以上の置換基で置換されている}、
(8)−(C=O)−O−フェニルまたは−(C=O)−O−ナフチル{ここにフェニルまたはナフチルは未置換であるかまたはR14から選択された1つ以上の置換基で置換されている}、
(9)−(C=O)−O−複素環{ここに複素環は未置換であるかまたはR14から選択された1つ以上の置換基で置換されている}、
(10)−(C=O)−NR1011
(11)−S(O)−NR1011
(12)−S(O)−R12
(13)−COH、
(14)−CN、および、
(15)−NO
から成るグループから選択され、
14は、
(1)ヒドロキシル、
(2)ハロゲン、
(3)C1−6アルキル、
(4)C3−6シクロアルキル、
(5)−O−C1−6アルキル、
(6)−O(C=O)−C1−6アルキル、
(7)−NH−C1−6アルキル、
(8)フェニル、
(9)複素環、
(10)−COH、および、
(11)−CN
から成るグループから選択される。
【0009】
本発明の1つの実施態様は式Ia:
【0010】
【化2】

[式中のA、A、R1a、R1b、R1c、R2a、R2b、R2cおよびRはこの文中に定義されている]の化合物または医薬的に許容されるそれらの塩を含む。
【0011】
本発明の1つの実施態様は式Ib:
【0012】
【化3】

[式中のA、A、R1a、R1b、R1c、R2a、R2bおよびR2cはこの文中に定義されている]の化合物または医薬的に許容されるそれらの塩を含む。
【0013】
本発明の1つの実施態様は式Ic:
【0014】
【化4】

[式中のA、R1a、R1b、R1c、R2a、R2bおよびR2cはこの文中に定義されている]の化合物または医薬的に許容されるそれらの塩を含む。
【0015】
本発明の1つの実施態様は式Id:
【0016】
【化5】

[式中のR1a、R1b、R1c、R2a、R2bおよびR2cはこの文中に定義されている]の化合物または医薬的に許容されるそれらの塩を含む。
【0017】
本発明の1つの実施態様は式Ie:
【0018】
【化6】

[式中のR1a、R1b、R2aおよびR2bはこの文中に定義されている]の化合物または医薬的に許容されるそれらの塩を含む。
【0019】
本発明の1つの実施態様はAがフェニルである化合物を含む。本発明の1つの実施態様はAがヘテロアリールである化合物を含む。本発明の1つの実施態様はAがフェニルである化合物を含む。本発明の1つの実施態様はAがナフチルである化合物を含む。本発明の1つの実施態様はAがヘテロアリールである化合物を含む。本発明の1つの実施態様はAがキノキサリニルである化合物を含む。本発明の1つの実施態様はAがインドリルである化合物を含む。本発明の1つの実施態様はAがジヒドロインドリルである化合物を含む。
【0020】
本発明の1つの実施態様は、R1a、R1bおよびR1cが独立に、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)未置換であるかまたはハロゲン、ヒドロキシル、フェニルもしくはナフチルで置換されたC1−6アルキル、
(5)未置換であるかまたはハロゲン、ヒドロキシルもしくはフェニルで置換された−O−C1−6アルキル、
(6)ピロリル、イミダゾリル、インドリル、ピリジルおよびピリミジニルから選択され、未置換であるかまたはハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキルもしくはNOで置換されたヘテロアリール、
(7)未置換であるかまたはハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキルもしくはNOで置換されたフェニル、
(8)未置換であるかまたはハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキルもしくはNOで置換された−O−フェニル、および、
(9)未置換であるかまたはハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキルもしくはNOで置換された−NH−C1−6アルキルまたは−N(C1−6アルキル)(C1−6アルキル)
から成るグループから選択される化合物を含む。
【0021】
本発明の1つの実施態様は、R1a、R1bおよびR1cが独立に、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)未置換であるかまたはハロゲン、ヒドロキシル、フェニルもしくはナフチルで置換されたC1−6アルキル、および、
(5)未置換であるかまたはハロゲン、ヒドロキシルもしくはフェニルで置換された−O−C1−6アルキル
から成るグループから選択される化合物を含む。
【0022】
本発明の1つの実施態様は、R1a、R1bおよびR1cが独立に、
(1)水素、
(2)ハロゲン、および、
(3)C1−6アルキル
から成るグループから選択される化合物を含む。
【0023】
本発明の1つの実施態様は、R1a、R1bおよびR1cが独立に、
(1)水素、
(2)クロロ、
(3)フルオロ、および、
(4)メチル
から成るグループから選択される化合物を含む。
【0024】
本発明の1つの実施態様は、R2a、R2bおよびR2cが独立に、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)未置換であるかまたはハロゲン、ヒドロキシル、フェニルもしくはナフチルで置換されたC1−6アルキル、
(5)未置換であるかまたはハロゲン、ヒドロキシルもしくはフェニルで置換された−O−C1−6アルキル、
(6)ピロリル、イミダゾリル、インドリル、ピリジルおよびピリミジニルから選択され、未置換であるかまたはハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキルもしくはNOで置換されたヘテロアリール、
(7)未置換であるかまたはハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキルもしくはNOで置換されたフェニル、
(8)未置換であるかまたはハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキルもしくはNOで置換された−O−フェニル、および、
(9)未置換であるかまたはハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキルもしくはNOで置換された−NH−C1−6アルキルまたは−N(C1−6アルキル)(C1−6アルキル)
から成るグループから選択される化合物を含む。
【0025】
本発明の1つの実施態様は、R2a、R2bおよびR2cが独立に、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)未置換であるかまたはハロゲン、ヒドロキシルもしくはフェニルで置換されたC1−6アルキル、
(5)未置換であるかまたはハロゲン、ヒドロキシルもしくはフェニルで置換された−O−C1−6アルキル、および、
(6)未置換であるかまたはハロゲンで置換された−NH−C1−6アルキルまたは−N(C1−6アルキル)(C1−6アルキル)
から成るグループから選択される化合物を含む。
【0026】
本発明の1つの実施態様は、R2a、R2bおよびR2cが独立に、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)未置換であるかまたはハロゲンで置換されたC1−6アルキル、
(4)未置換であるかまたはハロゲンで置換された−O−C1−6アルキル、および、
(5)未置換であるかまたはハロゲンで置換された−NH−C1−6アルキルまたは−N(C1−6アルキル)(C1−6アルキル)
から成るグループから選択される化合物を含む。
【0027】
本発明の1つの実施態様は、R2a、R2bおよびR2cが独立に、
(1)水素、
(2)クロロ、
(3)フルオロ、
(4)ブロモ、
(5)メトキシ、
(6)t−ブトキシ、
(7)ジフルオロメチル、および、
(8)トリフルオロメチル、
(9)−N(CH
から成るグループから選択される化合物を含む。
【0028】
本発明の1つの実施態様はRが水素、C1−6アルキルまたはC3−6シクロアルキルである化合物を含む。本発明の1つの実施態様はRがC1−6アルキルである化合物を含む。本発明の1つの実施態様はRがC3−6シクロアルキルである化合物を含む。本発明の1つの実施態様はRが水素、メチルまたはエチルである化合物を含む。本発明の1つの実施態様はRが水素である化合物を含む。
【0029】
本発明の1つの実施態様はRが水素またはC1−6アルキルである化合物を含む。本発明の1つの実施態様はRが水素またはメチルである化合物を含む。本発明の1つの実施態様はRが水素である化合物を含む。本発明の1つの実施態様はRが水素またはC1−6アルキルである化合物を含む。本発明の1つの実施態様はRが水素またはメチルである化合物を含む。本発明の1つの実施態様はRが水素である化合物を含む。
【0030】
本発明の具体的実施態様は、この文中の実施例の主題化合物または医薬的に許容されるそれらの塩から成るグループから選択される化合物を含む。
【0031】
本発明の化合物は1つ以上の非対称中心を含有でき、従って、ラセミ体およびラセミ混合物、単一鏡像異性体、ジアステレオマー混合物および個別のジアステレオマーとして存在できる。分子の様々な置換基の種類次第では追加の非対称中心が存在し得る。このような非対称中心のおのおのは独立に2つの光学異性体を生成し、混合物および精製もしくは部分精製化合物の形態の可能な光学異性体およびジアステレオマーのすべてが本発明の範囲に包含されることとする。本発明はこれらの化合物のこのような異性形態すべてを含意する。式Iは具体的な立体化学を伴うことなく化合物クラスの構造を示す。
【0032】
これらのジアステレオマーの個別合成またはそれらのクロマトグラフィー分離はこの文中に開示した方法を適宜修正することによって当業界で公知のように行うことができる。それらの絶対的立体化学は、必要ならば既知の絶対的立体配置の非対称中心を有している試薬で誘導体化される結晶質生成物または結晶質中間体のx線結晶学によって決定し得る。必要ならば、化合物のラセミ混合物を分離して個々の鏡像異性体を単離し得る。分離は、化合物のラセミ混合物を鏡像異性的に純粋な化合物にカップリングさせてジアステレオマー混合物を形成し次いで分別結晶化もしくはクロマトグラフィーのような標準方法によって個々のジアステレオマーに分離する当業界で公知の方法によって行うことができる。カップリング反応はしばしば鏡像異性的に純粋な酸または塩基を用いる塩の形成である。次に、付加されたキラル残基の開裂によってジアステレオマー誘導体を純粋な鏡像異性体に変換し得る。また、キラル固定相を利用するクロマトグラフィー方法によって化合物のラセミ混合物を直接分離することもでき、この方法は当業界で公知である。あるいは、光学的に純粋な出発材料または既知の立体配置の試薬を当業界で公知の方法によって使用する立体選択的合成によって化合物の一方の鏡像異性体を得ることもできる。
【0033】
当業者は理解されるであろうが、この文中に使用したハロゲンまたはハロはフルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを含意する。同様に、たとえばC1−6アルキル中のC1−6は1、2、3、4、5または6個の炭素を直鎖状または分枝状配置で有している基を表すと定義される。たとえばC1−8アルキルは具体的に、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル、ペンチルおよびヘキシルを含む。置換基で独立に置換されていると指定された基は多数のこのような置換基で独立に置換され得る。この文中に使用した“複素環”という用語は不飽和および飽和の複素環式部分を含み、不飽和複素環式部分(すなわち“ヘテロアリール”)は、ベンゾイミダゾリル、ベンズイミダゾロニル、ベンゾフラニル、ベンゾフラザニル、ベンゾピラゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンズオキサゼピン、ベンズオキサゾリル、カルバゾリル、カルボリニル、シンノリニル、フラニル、イミダゾリル、インドリニル、インドリル、インドラジニル、インダゾリル、イソベンゾフラニル、イソインドリル、イソキノリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、ナフトピリジニル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、オキサゾリン、イソキサゾリン、オキセタニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドピリジニル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジル、ピロリル、キナゾリニル、キノリル、キノキサリニル、テトラゾリル、テトラゾロピリジル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリルおよびそれらのN−オキシドを含み、飽和複素環式部分は、アゼチジニル、1,4−ジオキサニル、ヘキサヒドロアゼピニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピリジン−2−オニル、ピロリジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、チオモルホリニルおよびそれらのN−オキシドを含む。
【0034】
“医薬的に許容される塩”という用語は、無機または有機の塩基および無機または有機の酸を含む医薬的に許容される無毒性塩基または酸から製造された塩を表す。無機塩基から誘導された塩はアルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、第二マンガン、第一マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛などの塩を含む。特定実施態様は、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウムおよびナトリウムの塩を含む。固体形態の塩は2つ以上の結晶構造で存在でき、また、水和物の形態でもよい。医薬的に許容される無毒性有機塩基から誘導された塩は第一級、第二級および第三級アミン、天然産生置換アミンを含む置換アミン、環状アミンの塩、ならびに、塩基性イオン交換樹脂、たとえば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレン−ジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチル−モルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどを含む。
【0035】
本発明の化合物が塩基性であるとき、塩は無機および有機の酸を含む医薬的に許容される無毒性酸から製造され得る。このような酸は、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ショウノウスルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムコ酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸などを含む。特定実施態様は、クエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸、フマル酸および酒石酸を含む。この文中に使用した式Iの化合物という表現が医薬的に許容される塩も含意することは理解されよう。
【0036】
本発明の好適例は実施例およびこの文中に開示された化合物の使用である。本発明の範囲内の具体的化合物は後出の実施例に開示した化合物および医薬的に許容されるそれらの塩とそれらの個々の鏡像異性体またはジアステレオマーから成るグループから選択される化合物を含む。
【0037】
主題化合物は、有効量の化合物を投与する段階を含む、哺乳動物のような要阻害患者のオレキシン受容体活性拮抗方法に有用である。本発明はこの文中に開示した化合物をオレキシン受容体活性のアンタゴニストとして使用することを目的とする。霊長類特にヒトに加えて、様々な他の哺乳類を本発明方法に従って治療できる。本発明は本発明の化合物または医薬的に許容されるその塩を医薬に使用することを目的とする。本発明はさらに、オレキシン受容体活性に拮抗する医薬またはこの文中に示したヒトおよび動物の障害および疾患を治療する医薬を製造するための本発明の化合物または医薬的に許容されるその塩の使用を目的とする。
【0038】
本発明の方法で治療される対象は一般にヒトの男性または女性のような哺乳動物である。“治療有効量”という用語は、組織、系、動物またはヒト体内で研究者、獣医、内科医または他の臨床医が求める生物学的または医学的応答を誘発する主題化合物の量を意味する。当業者が神経性および精神医学性の障害に対して本発明の化合物を有効量で使用することによって現在障害に苦しんでいる患者を治療できることまたは障害に苦しんでいた患者を予防的に治療できることは理解されよう。この文中に使用した“治療”および“治療する”という用語は、この文中に記載した神経性および精神医学性の障害の進行を減速、中断、阻止、制御または停止させ得るすべてのプロセスを表すが、必ずしもすべての障害症状の完全排除を示すものではなく、また、特にこのような疾患または障害の疾病素質をもつ患者に対する上記状態の予防療法を含む。化合物“の投与”および/または“を投与する”という用語は本発明の化合物または本発明の化合物のプロドラッグをその必要がある個体に与えることを意味すると理解されたい。
【0039】
この文中に使用した“組成物”という用語は、特定した成分を特定した量で含む生成物、ならびに、特定した量の特定した成分の組合せから直接または間接に得られる生成物を包含することとする。医薬組成物に関するこのような用語は、(1種以上の)有効成分および担体を構成する(1種以上の)不活性成分を含む生成物、ならびに、いずれか2種以上の成分の組合せ、複合化もしくは凝集、1種以上の成分の解離、または、1種以上の成分の別のタイプの反応もしくは相互作用から直接または間接に得られる生成物を包含することとする。従って本発明の医薬組成物は、本発明の化合物と医薬的に許容される担体とを混合することによって調製されたいかなる組成物も包含する。“医薬的に許容される”という表現は、担体、希釈剤または賦形剤が配合物の他の成分と適合性でなければならないこと、および、そのレシピエントに有害であってはならないことを意味する。
【0040】
オレキシン受容体OX1Rおよび/またはOX2Rとしての本発明の化合物の有効性は“FLIPR Ca2+ Flux Assay”(Okumuraら,Biochem.Biophys.Res.Comm.280:976−981,2001)のような当業界で公知の方法によって過重な実験作業を要することなく容易に測定できる。典型的な実験においては本発明の化合物のOX1およびOX2受容体アンタゴニスト活性を以下の実験方法に従って測定した。細胞内カルシウム測定のためには、ラットのオレキシン1−受容体またはヒトのオレキシン−2受容体を発現しているチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を、2mMのL−グルタミン、0.5g/mlのG418、1%のヒポキサンチン−チミジンサプリメント、100U/mlのペニシリン、100ug/mlのストレプトマイシンおよび10%の熱失活ウシ胎仔血清(FCS)を含有するIscoveの改質DMEMで増殖させる。ポリ−D−リシンをコートしたBecton−Dickinson黒色384−ウェルの透明底滅菌プレートに20,000細胞/ウェルで細胞を播種する。すべての試薬はGIBCO−Invitrogen Corp.から入手した。播種したプレートを37℃および5%COで一夜インキュベートする。アゴニストとしてAla−6,12ヒトオレキシン−Aを1%ウシ血清アルブミン(BSA)中の1mMの予製液として調製し、最終濃度70pMでアッセイに使用するためにアッセイバッファ(20mMのHEPES、0.1%BSAおよび2.5mMのプロペンシドを含有するHBSS,pH7.4)に希釈する。被験化合物はDMSO中の10mMの予製液として調製し、次に384−ウェルプレートに入れ、先ずDMSO、次いでアッセイバッファに希釈する。アッセイ当日に細胞を100ulのアッセイバッファで3回洗浄し、次に1uMのFluo−4AMエステル、0.02%のプルロニック酸および1%のBSAを含有している60ulのアッセイバッファ中で60分間(37℃、5%CO)インキュベートする。次に色素配合溶液を吸引し、細胞を100ulのアッセイバッファで3回洗浄する。30ulの同バッファを各ウェルに残す。Fluorescent Imaging Plate Reader(FLIPR,Molecular Devices)内部で、25ulの量の被験化合物をプレートに加え、5分間インキュベートし、最後に25ulのアゴニストを添加する。各ウェルの蛍光を1秒間隔で5分間測定し、各蛍光ピークの高さを、アンタゴニストの代わりにバッファを用いた70pMのAla−6,12オレキシン−Aによって誘発された蛍光ピークの高さに比較する。各アンタゴニストについて、IC50値(アゴニスト応答の50%阻害に必要な化合物の濃度)を決定する。本発明に使用し得る化合物の固有オレキシン受容体アンタゴニスト活性はこれらのアッセイによって測定できる。
【0041】
特に、後出の化合物は上述のアッセイにおいて一般に約50μM未満のIC50でラットのオレキシン−1受容体および/またはヒトのオレキシン−2受容体に拮抗する活性を有していた。本発明の範囲内の多くの化合物は上述のアッセイにおいて約100nM未満のIC50でラットのオレキシン−1受容体および/またはヒトのオレキシン−2受容体に拮抗する活性を有していた。このような結果は、オレキシン−1受容体および/またはオレキシン−2受容体のアンタゴニストとして使用するときの化合物の固有活性を示す指標となる。本発明はまたその上位概念の範囲内にオレキシン−1受容体および/またはオレキシン−2受容体のアゴニスト活性を有する化合物を包含する。他のピペリジル化合物に比べて本発明の化合物は、高い経口生体内有効性、代謝安定性および/または他の受容体に関する選択性などのような予想外の特性を示す。
【0042】
オレキシン受容体は広範囲の生物機能に関与していた。このことは、これらの受容体がヒトまたは他の種の様々な疾患プロセスに1つの役割を果たす可能性を示唆していた。本発明の化合物は、以下の状態または疾患の1つ以上を含むオレキシン受容体に関連した様々な神経性および精神医学性障害の治療、予防、軽減、管理または危険低下に効用を有している:睡眠異常症、睡眠障害、たとえば、睡眠品質の強化、睡眠品質の改善、睡眠効率の増加、睡眠維持の延長;対象の睡眠時間を対象の睡眠導入時間で除算することによって計算される数値の増加;睡眠開始の改善;睡眠潜伏期または睡眠導入(寝付くまでの所要時間)の短縮;寝付き難さの改善;持続睡眠の増加;睡眠中の覚醒回数の減少;睡眠中の断続的覚醒の減少;夜間覚醒の減少;最初の睡眠導入後の覚醒時間の短縮;睡眠総量の増加;睡眠分断の減少;レム睡眠期間のタイミング、頻度および持続時間の変更;徐波(すなわち、3期または4期)睡眠期間のタイミング、頻度または持続時間の変更;2期睡眠の量およびパーセンテージの増加;徐波睡眠の促進;睡眠中のEEG−デルタ活動の増進;夜間覚醒、特に早朝覚醒の減少;日中注意力の増加;日中眠気の減少;日中の過量睡眠の治療または減少;眠りの深さに関する満足度の増加;睡眠維持の延長;特発性不眠症;睡眠に伴う諸問題;不眠症、睡眠過剰、特発性睡眠過剰、反復睡眠過剰、内因性睡眠過剰、ナルコレプシー、睡眠中断、睡眠時無呼吸、覚醒、夜間ミオクローヌス、レム睡眠中断、時差ぼけ、時間交代制勤務者の睡眠障害、睡眠異常、夜驚、ならびに、抑鬱、情動/気分障害、アルツハイマー病または認識低下に付随する不眠症、ならびに、夜間歩行、夜尿症、ならびに、加齢に伴う睡眠異常症;アルツハイマー徘徊;概日リズム関連状態ならびに時間帯横断旅行および交代勤務制に付随する精神的および身体的障害;副作用としてレム睡眠減少を生じる薬物起因状態;線維筋痛症;非回復性睡眠および筋肉痛によって表れる症候群または睡眠中の呼吸障害に付随する睡眠時無呼吸;睡眠品質低下に起因する状態;学習増加;記憶増加;記憶保持増加;過度の摂食に付随する摂食障害およびこれらに付随する合併症、強迫摂食障害、肥満(遺伝的または環境的な何らかの原因)、過食および神経性過食症を含む肥満関連障害、高血圧、糖尿病、高血漿インスリン濃度およびインスリン抵抗性、異常脂血症、高脂血症、子宮内膜癌、乳癌、前立腺癌および結腸癌、骨関節炎、閉塞性睡眠時無呼吸、胆石症、胆のう結石症、心疾患、異常心拍および不整脈、心筋梗塞、うっ血性心不全、冠動脈性心疾患、突然死、卒中、多嚢胞性卵巣疾患、頭蓋咽頭腫、プレーダー−ウィリィ症候群、フレーリッヒ症候群、GH不足対象、正常変異短躯、ターナー症候群、および、代謝活性低下または無脂肪総体重のパーセンテージとして表される安静時エネルギー消費の減少を示す他の病的状態たとえば急性リンパ芽球白血病の小児、X症候群としても知られる代謝症候群、インスリン抵抗性症候群、生殖ホルモン異常、妊娠力低下、不妊、男性の性機能低下および女性の多毛症のような性機能および生殖機能不全、母体肥満に付随する胎児欠陥、肥満関連胃食道逆流のような胃腸運動障害、肥満−低換気症候群(ピクウィック病)、息切れのような呼吸器障害、心血管障害、脈管系の全身性炎症のような炎症、アテローム性動脈硬化症、高コレステロール血症、高尿酸血症、背下部痛、胆のう病、痛風、腎臓癌、知覚消失危険増加、左心室過形成の危険低下のような肥満の二次結果の危険低下;脳内異常振動性活動が生じる疾患または障害、たとえば、抑鬱、偏頭痛、神経障害痛、パーキンソン病、精神病および統合失調症、ならびに、特に視床経由の活動の異常カップリングが存在する疾患または障害;認識機能増進;記憶増進;記憶保持増加;免疫応答増加;免疫機能増加;ホットフラッシュ;寝汗;生活時間延長;統合失調症;心拍のような神経系によって支配される興奮/弛緩リズムによって制御される筋肉関連疾患および他の心血管系障害;血管拡張または血管収縮および血圧のような細胞の増殖に関連する状態;癌;心不整脈;高血圧;うっ血性心不全;生殖器/泌尿器系の状態;性機能および生殖能力の異常;腎機能の適合;麻酔薬に対する反応性;抑鬱、または、特に抑鬱異常症のような気分障害、たとえば、単一エピソード型もしくは再帰型主要抑鬱異常症および胸腺機能不全異常症またはI型双極性異常症、II型双極性異常症のような双極性異常症および循環気質性異常症、一般内科状態に起因する気分障害、物質誘発気分障害;急性ストレス障害を含む不安障害、広場恐怖症、全般性不安障害、強迫性障害、パニック発作、パニック障害、心的外傷後ストレス障害、隔離不安障害、社会恐怖症、特定恐怖症、物質誘発不安障害および一般内科状態に起因する不安を含む不安障害;心臓バイパス手術および移植後の脳欠陥、卒中、虚血性発作、脳虚血、脊髄外傷、頭部外傷、分娩時低酸素症、心停止、低血糖誘発性神経細胞損傷のような急性の神経性および精神医学性障害;ハンチントン舞踏病;筋萎縮性側索硬化症;多発性硬化症;眼球損傷;網膜障害;認識障害;特発性および薬物誘発パーキンソン病;筋痙攣、および、振戦、癲癇、痙攣を含む筋性痙攣に付随する障害;認知症を含む認識障害(アルツハイマー病、虚血、外傷、血管性問題または卒中、HIV病、パーキンソン病、ハンチントン病、ピック病、クロイツフェルト−ヤコブ病、分娩時低酸素症、他の一般内科状態または物質乱用に付随);妄想、健忘症または加齢関連認識減退;統合失調症、または、統合失調症(妄想型、解体型、緊張型または未分化型)、精神分裂病型異常症、分裂情緒的異常症、妄想性異常症、一時的精神異常症、共有精神異常症、一般内科状態に起因する精神異常症および物質誘発精神異常症を含む精神病;物質感染異常症および嗜癖行為(物質誘発妄想、持続性認知症、持続性健忘症、精神異常症または不安障害;耐性、嗜癖性摂食、アルコール、アンフェタミン、大麻、コカイン、幻覚薬、吸入薬、ニコチン、オピオイド、フェンシクリジン、鎮静薬、催眠薬または不安寛解薬を含む物質依存または禁断を含む);運動異常症、たとえば、失動症および無動−硬直症候群(パーキンソン病、薬物誘発パーキンソン症、脳炎後パーキンソン症、進行性核上麻痺、多系統萎縮症、皮質基底変性、パーキンソン症−ALS認知症症候群および基底結節石灰化を含む)、慢性疲労症候群、パーキンソン疲労、多発性硬化症疲労、睡眠障害または概日リズム異常によって生じた疲労を含む疲労、医薬誘発パーキンソン症(たとえば、神経遮断薬誘発パーキンソン症、神経弛緩性悪性症候群、神経遮断薬誘発急性ジストニー、神経遮断薬誘発急性アカシジア、神経遮断薬誘発遅発性ジスキネジーおよび医薬誘発姿勢振戦)、ジル・ドゥ・ラ・トゥレット症候群、癲癇およびジスキネジー[振戦(たとえば、安静時振戦、本態性振戦、姿勢振戦および意図振戦)]、舞踏病(たとえば、シデナム舞踏病、ハンチントン病、良性遺伝性舞踏病、神経有棘赤血球増加症、症候性舞踏病、薬物誘発舞踏病および片側バリスム)、ミオクローヌス(一般的ミオクローヌスおよび病巣性ミオクローヌスを含む)、チック(単純チック、複合チックおよび症候性チックを含む)、脚不穏症候群およびジストニー(特発性ジストニー、薬物誘発ジストニー、症候性ジストニーおよび発作性ジストニーのような一般的ジストニーならびに眼瞼痙攣、口顎筋ジストニー、痙攣性発声障害、痙攣性斜頚、軸性ジストニー、書痙および片麻痺性ジストニーのような病巣性ジストニー);注意欠陥多動性障害(ADHD);行為障害;偏頭痛(片側性頭痛を含む);尿失禁;物質耐性、物質禁断(アヘン剤、ニコチン、タバコ製品、アルコール、ベンゾジアゼピン、コカイン、鎮静薬、催眠薬などを含む);精神病;統合失調症;不安(全般性不安障害、パニック障害および強迫性障害を含む);気分障害(抑鬱、躁病、双極性異常症を含む);三叉神経痛;聴力喪失;耳鳴り;眼球損傷を含む神経細胞損傷;網膜障害;眼の黄斑変性;嘔吐;脳浮腫;急性および慢性の疼痛状態、重篤な疼痛、難治性疼痛、炎症痛、神経障害痛、外傷後痛、骨関節痛(骨関節炎)、反復運動痛、歯痛、癌痛、筋膜痛(筋肉傷害、線維筋痛症)、手術関連痛(一般外科、婦人科)、慢性痛、神経障害痛、外傷後痛、三叉神経痛、偏頭痛および片側頭痛を含む疼痛。
【0043】
従って、具体的実施態様において本発明は、哺乳類患者の睡眠品質の強化、睡眠維持の延長、レム睡眠の増加、2期睡眠の増加、睡眠パターンの分断減少、不眠症の治療、認識強化、記憶保持の増加、肥満症の治療または管理、抑鬱の治療または管理、不在癲癇を含む癲癇の治療、管理、軽減または危険低下、神経障害痛を含む疼痛の治療または管理、パーキンソン病の治療または管理、精神病の治療または管理、統合失調症の治療、管理、軽減または危険低下などの効果を得るために、本発明の化合物を治療有効量でその必要がある患者に投与する段階を含む方法を提供する。
【0044】
主題化合物はさらに、この文中に示した疾患、障害および状態の予防、治療、管理、軽減または危険低下の方法に有用である。本発明の組成物中の有効成分の薬用量は変更できるが、有効成分の量は適当な剤形が得られるような量でなければならない。有効成分は最適な医薬効能を与えるような薬用量でこのような治療を要する患者(動物およびヒト)に投与され得る。選択される薬用量は、所望の治療効果、投与経路および治療持続期間に従属する。用量は、疾患の種類および重篤度、患者の体重、患者が従っている特殊食、併用医薬、および、当業者にはわかる他の要因次第で患者毎に変更されるであろう。有効なオレキシン受容体拮抗作用を得るためには、一般的に1日あたり体重に対して0.0001から10mg/kgの投薬量レベルが患者たとえばヒトおよび高齢者に投与される。投薬量範囲は一般に1日に患者あたり約0.5mgから1.0gであり、この量が一回で全量投与または複数回で分割投与されるであろう。1つの実施態様では、投薬量範囲が1日に患者あたり約0.5mgから500mgであろう。別の実施態様では1日に患者あたり約0.5mgから200mgであろう。また別の実施態様では、1日に患者あたり約5mgから50mgであろう。本発明の医薬組成物は、約0.5mgから500mgの有効成分を含むかまたは約1mgから250mgの有効成分を含むような固体剤形配合物として提供され得る。医薬組成物は、約1mg、5mg、10mg、25mg、50mg、100mg、200mgまたは250mgの有効成分を含む固体剤形配合物として提供されるであろう。経口投与のためには、組成物が1.0から1000ミリグラムの有効成分、たとえば治療される患者の症状に応じて投薬量を調整できるような1、5、10、15、20、25、50、75、100、150、200、250、300、400、500、600、750、800、900および1000ミリグラムの有効成分を含有する錠剤の形態で提供され得る。化合物は1日あたり1から4回、たとえば1日あたり1または2回の用法で投与され得る。
【0045】
本発明の化合物は、本発明の化合物または他の薬剤が効用を有している疾患または状態の治療、予防、管理、軽減または危険低下のために、薬剤の併用がどちらかの薬剤単独よりも安全で有効である場合には1種以上の他の薬剤と併用できる。このような(1種以上の)他の薬剤は、それらに常用の経路および量で本発明の化合物と同時または順次に投与され得る。本発明の化合物が1種以上の他の薬剤と同時に使用されるとき、このような他の薬剤と本発明の化合物とを含有する単一剤形の医薬組成物が考察される。しかしながら、併用療法はまた、本発明の化合物と1種以上の他の薬剤とがオーバーラップする別々のスケジュールで投与される療法を含む。1種以上の他の有効成分と併用されるとき、本発明の化合物と他の有効成分とはおのおのが単独で使用されるときよりも低用量で使用され得る。従って、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物に加えて1種以上の他の有効成分を含有する組成物を含む。上記併用は本発明の化合物と1種類の他の有効化合物との併用だけでなく2種以上の他の有効化合物との併用を含む。
【0046】
同様に、本発明の化合物は、本発明の化合物が有効である疾患または状態の予防、治療、管理、軽減または危険低下に使用される他の薬剤と併用され得る。このような他の薬剤はそれらに常用の経路および量で本発明の化合物と同時または順次に投与され得る。本発明の化合物が1種以上の他の薬剤と同時に使用されるとき、本発明の化合物に加えてこのような他の薬剤を含有する医薬組成物が考察される。従って、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物に加えて1種以上の他の有効成分も含有する医薬組成物を含む。
【0047】
本発明の化合物対第二有効成分の重量比は各成分の有効用量次第で変更されるであろう。一般的に、おのおのの有効用量が使用されるであろう。従ってたとえば、本発明の化合物を他の薬剤と併用するとき、本発明の化合物対他の薬剤の重量比は一般に約1000:1から約1:1000の範囲、たとえば約200:1から約1:200の範囲であろう。本発明の化合物と他の有効成分との併用は一般的に上記の範囲内であろうが、どの場合にも各有効成分の有効用量を使用すべきである。このような併用において、本発明の化合物と他の有効薬剤とは別々にまたは合せて投与され得る。さらに、一方の要素の投与は(1種以上の)他方の薬剤の投与の前、同時または後のいずれの時期でもよい。
【0048】
本発明の化合物は睡眠品質を強化するためならびに睡眠異常症および睡眠障害を予防および治療するために有用であることが当業界で周知の他の化合物と併用投与し得る。このような他の化合物の例は、鎮静薬、催眠薬、不安寛解薬、抗精神病薬、抗不安薬、抗ヒスタミン、ベンゾジアゼピン、バルビツレート、シクロピロロン、GABAアゴニスト、5HT−2Aアンタゴニストおよび5HT−2A/2Cアンタゴニストを含む5HT−2アンタゴニスト、ヒスタミンH3アンタゴニストを含むヒスタミンアンタゴニスト、ヒスタミンH3逆アゴニスト、イミダゾピリジン、弱トランキライザー、メラトニンアゴニストおよびアンタゴニスト、メラトニン作動薬、他のオレキシンアンタゴニスト、オレキシンアゴニスト、プロキネチシンアゴニストおよびアンタゴニスト、ピラゾロピリミジン、T−型カルシウムチャンネルアンタゴニスト、トリアゾロピリジンなど、たとえば:アジナゾラム、アロバルビタール、アロニミド、アルプラゾラム、アミトリプチリン、アモバルビタール、アモキサピン、アルモダフィニル、APD−125、ベンタゼパム、ベンゾクタミン、ブロチゾラム、ブプロピオン、ブスプリオン、ブタバルビタール、ブタルビタール、カプロモレリン、カプリド、カルボクローラル、クローラルベタイン、抱水クローラル、クロルジアゼポキシド、クロミプラミン、クロナゼパム、クロペリドン、クロラゼパート、クロレタート、クロザピン、コナゼパム、シプラゼパム、デシプラミン、デクスクラモール、ジアゼパム、ジクローラルフェナゾン、ジバルプロエックス、ジフェンヒドラミン、ドキセピン、EMD−281014、エプリバンセリン、エスタゾラム、エスゾピクロン、エトクロリノール、エトミデート、フェノバム、フルニトラゼパム、フルラゼパム、フルボキサミン、フルオキセチン、ホスアゼパム、ガボキサドール、グルテチミド、ハラゼパム、ヒドロキシジン、イブタモレン、イミプラミン、インジプロン、リチウム、ロラゼパム、ロルメタゼム、LY−156735、マプロチリン、MDL−100907、メクロカロン、メラトニン、メホバルビタール、メプロバメート、メタカロン、メチプリロン、ミダフルル、ミダゾラム、モダフィニル、ネファゾドン、NGD−2−73、ニソバメート、ニトラゼパム、ノルトリプチリン、オキサゼパム、パラルデヒド、パロキセチン、ペントバルビタール、ペルラピン、ペルフェナジン、フェネルジン、フェノバルビタール、プラゼパム、プロメタジン、プロポホール、プロトリプチリン、クアゼパム、ラメルテオン、レクラゼパム、ロレタミド、セコバルビタール、セルトラリン、スプロクロン、TAK−375、テマゼパム、チオリダジン、チアガビン、トラカゾレート、トラニルシプロマイン、トラゾドン、トリアゾラム、トレピパム、トリセタミド、トリクロホス、トリフルオペラジン、トリメトジン、トリミプラミン、ウルダゼパム、ベンラファキシン、ザレプロン、ゾラゼパム、ゾピクロン、ゾルピデムおよびそれらの塩およびそれらの組合せなどを含む。または本発明の化合物は光療法または電気刺激のような物理理的方法の使用と共に投与し得る。
【0049】
別の実施態様において、主題化合物は、別々にまたは同一医薬組成物の形態で投与される当業界で公知の他の化合物と併用し得る。これらは非限定に、インスリン増感剤、すなわち、(i)PPARγアンタゴニスト、たとえばグリタゾン(たとえばシグリタゾン;ダルグリタゾン;エングリタゾン;イサグリタゾン(MCC−555);ピオグリタゾン;ロシグリタゾン;トログリタゾン;ツラリク;BRL49653;CLX−0921;5−BTZD)、GW−0207、LG−100641およびLY−300512など);(iii)ビグアニド、たとえばメトホルミンおよびフェンホルミン;(b)インスリンまたはインスリン類似物質、たとえばビオタ、LP−100、ノバラピド、インスリンデテミル、インスリンリスプロ、インスリングラルジン、インスリン亜鉛懸濁液(遅効および超遅効);Lys−Proインスリン、GLP−1(73−7)(インスリントロピン);およびGLP−1(7−36)−NH);(c)スルホニルウレア、たとえばアセトヘキサミド;クロルプロパミド;ジアビネース;グリベンクラミド;グリピチド;グリブリド;グリメピリド;グリクラジド;グリペンチド;グリキドン;グリソラミド;トラザミド;およびトルブタミド;(d)α−グルコシダーゼインヒビター、たとえばアカルボース、アジポシン;カミグリボース;エミグリテート;ミグリトール;ボグリボース;プラジミシン−Q;サルボスタチン;CKD−711;MDL−25,637;MDL−73,945;およびMOR14など;(e)コレステロール降下薬、たとえば(i)HMG−CoAレダクターゼインヒビター(アトロバスタチン、イタバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、リバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチンおよび他のスタチン類)、(ii)胆汁酸吸収剤/封鎖剤、たとえばコレスチラミン、コレスチポール、架橋デキストランのジアルキルアミノアルキル誘導体;Colestid(R);LoCholest(R)など、(ii)ニコチニルアルコール、ニコチン酸またはその塩、(iii)増殖因子−活性化因子受容体αアゴニスト、たとえばフェノフィブロン酸誘導体(ジェンフィブロジル、クロフィブラート、フェノフィブラートおよびベンザフィブラート)、(iv)スタノールエステル類のようなコレステロール吸収インヒビター、ベータ−シトステロール、チケシドのようなステロールグリコシド類;および、エゼチミベのようなアゼチジノンなど、および、アバシミベおよびメリナミドのような(アシルCoA:コレステロールアセチルトランスフェラーゼ(ACAT))インヒビター、(v)プロブコールのような抗酸化剤、(vi)ビタミンE、および、(vii)甲状腺ホルモン類似物質;(f)ベクロフィブラート、ベンザフィブラート、シプロフィブラート、クロフィブラート、エトフィブラート、フェノフィブラートおよびジェンフィブロジル;および他のフィブリン酸誘導体、たとえばAtromid(R)、Lopid(R)およびTricor(R)などのようなPPARαアゴニスト、ならびに、GlaxoによってWO 97/36579に記載されたPPARαアゴニスト;(g)PPARδアゴニスト;(h)ムラグリタザールおよびUS 6,414,002に開示された化合物のようなPPARα/δアゴニスト;および、(i)抗肥満薬、たとえば、(1)成長ホルモン分泌促進物質、成長ホルモン分泌促進物質受容体アゴニスト/アンタゴニスト、たとえばNN703、ヘキサレリン、MK−0677、SM−130686、CP−424,391、L−692,429およびL−163,255;(2)タンパク質チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)インヒビター;(3)カンナビノイドCB受容体アンタゴニストまたは逆アゴニストのようなカンナビノイド受容体リガンド、たとえばリモナバント(Sanofi Synthelabo)、AMT−251およびSR−14778およびSR 141716A(Sanofi Synthelabo)、SLV−319(Solvay)、BAY 65−2520(Bayer);(4)抗肥満セロトニン作動薬、たとえばフェンフルラミン、デクスフェンフルラミン、フェンテルミンおよびシブトラミン;(5)β3−アドレナリン受容体アゴニスト、たとえばAD9677/TAK677(Dainippon/Takeda)、CL−316,243、SB 418790、BRL−37344、L−796568、BMS−196085、BRL−35135A、CGP12177A、BTA−243、トレカドリン、Zeneca D7114、SR 59119A;(6)膵臓リパーゼインヒビター、たとえばオルリスタット(Xenical(R))、トリトン WR1339、RHC80267、リプスタチン、テトラヒドロリプスタチン、ティーサポニン、ジエチルウンベリフェリルホスフェート;(7)ニューロペプチドY1アンタゴニスト、たとえばBIBP3226、J−115814、BIBO 3304、LY−357897、CP−671906、GI−264879A;(8)ニューロペプチドY5アンタゴニスト、たとえばGW−569180A、GW−594884A、GW−587081X、GW−548118X、FR226928、FR 240662、FR252384、1229U91、GI−264879A、CGP71683A、LY−377897、PD−160170、SR−120562A、SR−120819AおよびJCF−104;(9)メラニン濃縮ホルモン(MCH)受容体アンタゴニスト;(10)メラニン濃縮ホルモン1受容体(MCH1R)アンタゴニスト、たとえばT−226296(Takeda);(11)メラニン濃縮ホルモン2受容体(MCH2R)アゴニスト/アンタゴニスト;(12)オレキシン受容体アンタゴニスト、たとえばSB−334867−Aおよびこの文中の特許公開に開示されたもの;(13)セロトニン再吸収インヒビター、たとえばフルオキセチン、パロキセチンおよびセルトラリン;(14)メラノコルチンアゴニスト、たとえばメラノタンII;(15)他のMc4r(メラノコルチン4受容体)アゴニスト、たとえばCHIR86036(Chiron)、ME−10142およびME−10145(Melacure)、CHIR86036(Chiron);PT−141およびPT−14(Palatin);(16)5HT−2アゴニスト;(17)5HT2C(セロトニン受容体2C)アゴニスト、たとえばBVT933、DPCA37215、WAY161503、R−1065;(18)ガラニンアンタゴニスト;(19)CCKアゴニスト;(20)CCK−A(コレシストキニン−A)アゴニスト、たとえばAR−R15849、GI 181771、JMV−180、A−71378、A−71623およびSR 14613;(22)コルチコトロピン放出ホルモンアゴニスト;(23)ヒスタミン受容体−3(H3)モジュレーター;(24)ヒスタミン受容体−3(H3)アンタゴニスト/逆アゴニスト、たとえばヒオペラミド、3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロピル N−(4−ペンテニル)カーバメート、クロベンプロピット、ヨードフェンプロピット、イモプロキシファン、GT2394(Gliatech)およびO−[3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパノール]−カーバメート;(25)β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ−1インヒビター(β−HSD−1);(26)PDE(ホスホジエステラーゼ)インヒビター、たとえばテオフィリン、ペントキシフィリン、ザプリナスト、シルデナフィル、アムリノン、ミルリノン、シロスタミド、ロリプラムおよびシロミラスト;(27)ホスホジエステラーゼ−3B(PDE3B)インヒビター;(28)NE(ノルエピネフリン)輸送インヒビター、たとえばGW 320659、デシプラミン、タルスプラムおよびノミフェンシン;(29)グレリン受容体アンタゴニスト;(30)組換えヒトレプチン(PEG−OB、Hoffman La Roche)および組換えメチオニルヒトレプチン(Amgen)を含むレプチン;(31)レプチン誘導体;(32)BRS3(ボンベシン受容体サブタイプ3)アゴニスト、たとえば[D−Phe6,beta−Ala11,Phe13,Nle14]Bn(6−14)および[D−Phe6,Phe13]Bn(6−13)プロピルアミドおよびPept.Sci.2002 Aug;8(8):461−75)に開示された化合物;(33)CNTF(毛様体神経栄養因子)、たとえばGI−181771(Glaxo−SmithKline)、SR146131(Sanofi Synthelabo)、ブタビンジド、PD170,292およびPD 149164(Pfizer);(34)アキソキン(Regeneron)のようなCNTF誘導体;(35)シブトラミンのようなモノアミン再吸収インヒビター;(36)UCP−I(非共役型タンパク質−1)、2または3アクチベーター、たとえばフィタン酸、4−[(E)−2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−5,5,8,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)−1−プロペニル]安息香酸(TTNPB)、レチノイン酸;(37)甲状腺ホルモンβアゴニスト、たとえばKB−2611(KaroBioBMS);(38)FAS(脂肪酸シンターゼ)インヒビター、たとえばCeruleninおよびC75;(39)DGAT1(ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ1)インヒビター;(40)DGAT2(ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ2)インヒビター;(41)ACC2(アセチル−CoAカルボキシラーゼ−2)インヒビター;(42)グルココルチコイドアンタゴニスト;(43)del Mar−Grasa,M.ら,Obesity Research,9:202−9(2001)に開示されたオレオイル−エストロンのようなアシル−エストロゲン;(44)ジペプチジルペプチダーゼIV(DP−IV)インヒビター、たとえばイソロイシンチアゾリジド、バリンピロリジド、NVP−DPP728、LAF237、MK−431、P93/01、TSL 225、TMC−2A/2B/2C、FE 999011、P9310/K364、VIP 0177、SDZ 274−444;(46)ジカルボキシレート輸送体インヒビター;(47)ブドウ糖輸送体インヒビター;(48)ホスフェート輸送体インヒビター;(49)メトホルミン(Glucophage(R));および(50)トピラメート(Topimax(R));および(50)ペプチドYY、PYY 3−36、ペプチドYY類似体、誘導体およびフラグメント、たとえばBIM−43073D、BIM−43004C(Olitvak,D.A.ら,Dig.Dis.Sci.44(3):643−48(1999));(51)ニューロペプチドY2(NPY2)受容体アゴニスト、たとえばNPY3−36、Nアセチル[Leu(28,31)]NPY24−36、TASP−Vおよびシクロ−(28/32)−Ac−[Lys28−Glu32]−(25−36)−pNPY;(52)ニューロペプチドY4(NPY4)アゴニストたとえば膵臓ペプチド(PP)および他のY4アゴニストたとえば1229U91;(54)シクロオキシゲナーゼ−2インヒビター、たとえばエトリコキシブ、セレコキシブ、バルデコキシブ、パレコキシブ、ルミラコキシブ、BMS347070、チラコキシブまたはJTE522、ABT963、CS502およびGW406381と医薬的に許容されるそれらの塩;(55)ニューロペプチドY1(NPY1)アンタゴニスト、たとえばBIBP3226、J−115814、BIBO 3304、LY−357897、CP−671906、GI−264879A;(56)オピオイドアンタゴニスト、たとえばナルメフェン(Revex(R))、3−メト
キシナルトレキソン、ナロキソン、ナルトレキソン;(57)BVT 3498、BVT 2733のような11β HSD−1(11−ベータヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型)インヒビター;(58)アミノレックス;(59)アンフェクローラル;(60)アンフェタミン;(61)ベンズフェタミン;(62)クロルフェンテルミン;(63)クロベンゾレックス;(64)クロフォレックス;(65)クロミノレックス;(66)クロルテルミン;(67)シクレキセドリン;(68)デクストロアンフェタミン;(69)ジフェメトキシジン、(70)N−エチルアンフェタミン;(71)フェンブトラザート;(72)フェニソレックス;(73)フェンプロポレックス;(74)フルドレックス;(75)フルミノレックス;(76)フルフリルメチルアンフェタミン;(77)レバンフェタミン;(78)レボファセトペラン;(79)メフェノレックス;(80)メタンフェプラモン;(81)メタンフェタミン;(82)ノルプソイドフェドリン;(83)ペントレックス;(84)フェンジメトラジン;(85)フェンメトラジン;(86)ピシロレックス;(87)フィトファーム57;および(88)ゾニサミド。
【0050】
別の実施態様において、主題化合物は以下の抗抑鬱薬または抗不安薬と併用し得る:ノルエピネフリン再吸収インヒビター(第三級アミン三環系および第二級アミン三環系を含む)、選択的セロトニン再吸収インヒビター(SSRI)類、モノアミンオキシダーゼインヒビター(MAOI)類、モノアミンオキシダーゼの可逆性インヒビター(RIMA)類、セロトニンおよびノルアドレナリン再吸収インヒビター(SNRI)類、コルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニスト、α−アドレナリン受容体アンタゴニスト、ニューロキニン−1受容体アンタゴニスト、異型抗鬱薬、ベンゾジアゼピン、5−HT1Aアゴニストまたはアンタゴニスト、特に5−HT1A部分アゴニストおよびコルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニスト。具体的薬剤は、アミトリプチリン、クロミプラミン、ドキセピン、イミプラミンおよびトリミプラミン;アモキサピン、デシプラミン、マプロチリン、ノルトリプチリンおよびプロトリプチリン;フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチンおよびセルトラリン;イソカルボキサジド、フェネルジン、トラニルシプロミンおよびセレジリン;モクロベミド:ベンラファキシン;アプレピタント;ブプロピオン、リチウム、ネファゾドン、トラゾドンおよびビロキサジン;アルプラゾラム、クロルジアゼポキシド、クロナゼパム、クロラゼパート、ジアゼパム、ハラゼパム、ロラゼパム、オキサゼパムおよびプラゼパム;ブスピロン、フレシノキサン、ゲピロンおよびイプサピロンおよび医薬的に許容されるそれらの塩を含む。
【0051】
別の実施態様において主題化合物は以下の薬剤と併用し得る:抗アルツハイマー薬;ベータ−セクレターゼインヒビター;ガンマ−セクレターゼインヒビター;成長ホルモン分泌促進物質;組換え成長ホルモン;HMG−CoAレダクターゼインヒビター;イブプロフェンのようなNSAID類;ビタミンE;抗アミロイド抗体;CB−1受容体アンタゴニストまたはCB−1受容体逆アゴニスト;ドキシサイクリンおよびリファンピシンのような抗生物質;メマンチンのようなN−メチル−D−アスパルテート(NMDA)受容体アンタゴニスト;ガランタミン、リバスチグミン、ドネペジルおよびタクリンのようなコリンエステラーゼインヒビター;イブタモレン、メシル酸イブタモレンおよびカプロモレリンのような成長ホルモン分泌促進物質;ヒスタミンHアンタゴニスト;AMPAアゴニスト;PDE IVインヒビター;GABA逆アゴニスト;または神経細胞性ニコチンアゴニスト。
【0052】
別の実施態様において主題化合物は以下の薬剤と併用し得る:鎮静薬、催眠薬、不安寛解薬、抗精神病薬、抗不安薬、シクロピロロン、イミダゾピリジン、ピラゾロピリミジン、弱トランキライザー、メラトニンアゴニストおよびアンタゴニスト、メラトニン作動薬、ベンゾジアゼピン、バルビツレート、5HT−2アンタゴニストなど、たとえば、アジナゾラム、アロバルビタール、アロニミド、アルプラゾラム、アミトリプチリン、アモバルビタール、アモキサピン、ベンタゼパム、ベンゾクタミン、ブロチゾラム、ブプロピオン、ブスプリオン、ブタバルビタール、ブタルビタール、カプリド、カルボクローラル、クローラルベタイン、抱水クローラル、クロルジアゼポキシド、クロミプラミン、クロナゼパム、クロペリドン、クロラゼパート、クロレタート、クロザピン、シプラゼパム、デシプラミン、デクスクラモール、ジアゼパム、ジクローラルフェナゾン、ジバルプロエックス、ジフェンヒドラミン、ドキセピン、エスタゾラム、エトクロルビノール、エトミデート、フェノバム、フルニトラゼパム、フルラゼパム、フルボキサミン、フルオキセチン、ホスアゼパム、グルテチミド、ハラゼパム、ヒドロキシジン、イミプラミン、リチウム、ロラゼパム、ロルメタゼパム、マプロチリン、メクロカロン、メラトニン、メホバルビタール、メプロバメート、メタカロン、ミダフルル、ミダゾラム、ネファゾドン、ニソバメート、ニトラゼパム、ノルトリプチリン、オキサゼパム、パラルデヒド、パロキセチン、ペントバルビタール、ペルラピン、ペルフェナジン、フェネルジン、フェノバルビタール、プラゼパム、プロメタジン、プロポホール、プロトリプチリン、クアゼパム、レクラゼパム、ロレタミド、セコバルビタール、セルトラリン、スプロクロン、テマゼパム、チオリダジン、トラカゾレート、トラニルシプロミン、トラゾドン、トリアゾラム、トレピパム、トリセタミド、トリクロホス、トリフルオペラジン、トリメトジン、トリミプラミン、ウルダゼパム、ベンラファキシン、ザレプロン、ゾラゼパム、ゾルピデムおよびそれらの塩、それらの組合せなど。あるいは主題化合物は光療法または電気刺激のような物理的方法の使用と共に投与され得る。
【0053】
別の実施態様において、主題化合物は、レボドパ(場合によりカルビドパまたはベンセラジドのような選択的脳外デカルボキシラーゼインヒビターと併用)、ビペリデン(場合によりその塩酸塩または乳酸塩)および塩酸トリヘキシフェニジル(ベンズヘキソール)のような抗コリン作動薬、エンタカポンのようなCOMTインヒビター、MOA−Bインヒビター、抗酸化剤、A2aアデノシン受容体アンタゴニスト、コリン作動アゴニスト、NMDA受容体アンタゴニスト、セロトニン受容体アンタゴニスト、および、アレンテモール、ブロモクリプチン、フェノルドパム、リスリド、ナキサゴリド、ペルゴリドおよびプラミペキソールのようなドーパミン受容体アゴニストと併用し得る。ドーパミンアゴニストが医薬的に許容される塩の形態、たとえば臭化水素酸アレンテモール、メシル酸ブロモクリプチン、メシル酸フェノルドパム、塩酸ナキサゴリドおよびメシル酸ペルゴリドの形態でもよいことは理解されよう。リスリドおよびプラミペキソールは非塩形態で使用されるのが普通である。
【0054】
別の実施態様において主題化合物は、アセトフェナジン、アレンテモール、ベンズヘキソール、ブロモクリプチン、ビペリデン、クロルプロマジン、クロルプロチキセン、クロザピン、ジアゼパム、フェノルドパム、フルフェナジン、ハロペリドール、レボドパ、ベンセラジド併用レボドパ、カルビドパ併用レボドパ、リスリド、ロキサピン、メソリダジン、モリンドロロン、ナキサゴリド、オランザピン、ペルゴリド、ペルフェナジン、ピモジド、プラミペキソール、リスペリドン、スルピリド、テトラベナジン、トリヘキシフェニジル、チオリダジン、チオチキセンまたはトリフルオペラジンと併用し得る。
【0055】
別の実施態様において主題化合物は、フェノチアジン、チオキサンテン、複素環式ジベンズアゼピン、ブチロフェノン、ジフェニルブチルピペリジンおよびインドロロンクラスの不安寛解薬から選択される化合物と併用し得る。フエノチアジンの適例は、クロルプロマジン、メソリダジン、チオリダジン、アセトフェナジン、フルフェナジン、ペルフェナジンおよびトリフルオペラジンを含む。チオキサンテンの適例は、クロルプロチキセンおよびチオチキセンを含む。ジベンズアゼピンの一例はクロザピンである。ブチロフェノンの一例はハロペリドールである。ジフェニルブチルピペリジンの一例はピモジドである。インドロロンの一例はモリンドロロンである。他の神経遮断薬は、ロキサピン、スルピリドおよびリスペリドンを含む。主題化合物と併用されるとき神経遮断薬は医薬的に許容される塩の形態、たとえば塩酸クロルプロマジン、ベシル酸メソリダジン、塩酸チオリダジン、マレイン酸アセトフェナジン、塩酸フルフェナジン、エナト酸フルフェナジン、デカン酸フルフェナジン、塩酸トリフルオペラジン、塩酸チオチキセン、デカン酸ハロペリドール、コハク酸ロキサピンおよび塩酸モリンドロンでもよいことは理解されよう。ペルフェナジン、クロルプロチキセン、クロザピン、ハロペリドール、ピモジドおよびリスペリドンは非塩形態で使用されるのが普通である。
【0056】
別の実施態様において主題化合物は、アミノレックス、アンフェクローラル、アンフェタミン、ベンズフェタミン、クロルフェンテルミン、クロベンゾレックス、クロフォレックス、クロミノレックス、クロルテルミン、シクレキセドリン、デクスフェンフルラミン、デクストロアンフェタミン、ジエチルプロピオン、ジフェメトキシジン、N−エチルアンフェタミン、フェンブトラザート、フェンフルラミン、フェニソレックス、フェンプロポレックス、フルドレックス、フルミノレックス、フルフリルメチルアンフェタミン、レバンフェタミン、レボファセトペラン、マジンドール、メフェノレックス、メタンフェプラモン、メタンフェタミン、ノルプソイドエフェドリン、ペントレックス、フェンジメトラジン、フェンメトラジン、フェンテルミン、フェニルプロパノールアミン、ピシロレックスおよびシブトラミンのような食欲減退薬;選択的セロトニン再吸収インヒビター(SSRI);クロルフェンテルミン、クロフォレックス、クロルテルミン、デクスフェンフルラミン、フェンフルラミン、ピシロレックスおよびシブトラミンのようなハロゲン化アンフェタミン誘導体;および医薬的に許容されるそれらの塩と併用し得る。
【0057】
別の実施態様において主題化合物は、アヘン剤アゴニスト、5−リポキシゲナーゼインヒビターのようなリポキシゲナーゼインヒビター、シクロオキシゲナーゼ−2インヒビターのようなシクロオキシゲナーゼインヒビター、インターロイキン−1インヒビターのようなインターロイキンインヒビター、NMDAアンタゴニスト、一酸化窒素のインヒビターまたは一酸化窒素合成のインヒビター、非ステロイド系抗炎症薬またはサイトカイン抑制抗炎症薬、たとえば、アセトアミノフェン、アスピリン、コデイン、フェンタニル、イブプロフェン、インドメタシン、ケトロラック、モルヒネ、ナプロキセン、フェナセチン、ピロキシカム、ステロイド系鎮痛薬、スフェンタニル、スリンダク、テニダップなどのような化合物と併用し得る。同様に、主題化合物は、疼痛除去薬;カフェイン、H2−アンタゴニスト、シメチコーン、水酸化アルミニウムまたは水酸化マグネシウムのような相乗剤;フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、プソイドフェドリン、オキシメタゾリン、エフィネフリン、ナファゾリン、キシロメタゾリン、プロピルヘキセドリンまたはレボ−デスオキシ−エフェドリンのような充血除去薬;コデイン、ヒドロコドン、カラミフェン、カルベタペンタンまたはデキストラメトルファンのような鎮咳薬;利尿薬;および鎮静性および非鎮静性の抗ヒスタミンと共に投与され得る。
【0058】
本発明の化合物は、経口、非経口(たとえば筋肉内、腹腔内、静脈内、ICV、槽内への注射または注入、皮下注射またはインプラント)、噴霧吸入、鼻腔内、膣内、直腸内、舌下または外用の投与経路によって投与でき、単独でまたは合せて、各投与経路に適した医薬的に許容される慣用の無毒性担体、アジュバントおよびビヒクルを含有する適当な剤形の単一配合物として配合され得る。マウス、ラット、ウマ、ウシ、ヒツジ、イヌ、ネコ、サルなどのような温血動物の治療に加えて本発明の化合物はヒトに使用するために有効である。
【0059】
本発明の化合物を投与するための医薬組成物は、単一剤形で提供されるのが便利であり、製薬業界で公知の方法のいずれかによって調製され得る。すべての方法が、1種以上の補助成分を構成する担体に有効成分を会合させる段階を含む。一般的に医薬組成物は、有効成分を液体担体または微粉砕固体担体またはその両者に均一かつ均質に会合させ、次いで必要ならば生成物を所望の配合物に付形する段階を含む。医薬組成物中の有効目的化合物は疾患のプロセスまたは状態に所望の効果を生じるために十分な量で含まれている。この文中に使用した“組成物”という用語は、特定した成分を特定した量で含む生成物、ならびに、特定した量の特定した成分の組合せから直接または間接に得られた生成物を包含することとする。
【0060】
経口投与予定の医薬組成物は、医薬組成物の製造業界で公知のいずれかの方法に従って調製でき、このような組成物は医薬的にエレガントで服用し易い製剤を提供するために甘味料、着香料、着色料および保存料から成るグループから選択された1種以上の補助剤を含有し得る。錠剤は、錠剤の製造に適した医薬的に許容される無毒性賦形剤に混合された有効成分を含有している。これらの賦形剤はたとえば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、乳糖、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウムのような不活性希釈剤;トウモロコシデンプンまたはアルギン酸のような造粒および崩壊剤;デンプン、ゼラチンまたはアラビアガムのような結合剤、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクのような滑沢剤であろう。錠剤は剤皮なしでもよく、または、胃腸管での崩壊および吸収を遅らせて長期間の持続作用を与えるように公知技術によって剤皮をかけてもよい。経口使用される組成物はまた、有効成分が炭酸カルシウム、リン酸カルシウムもしくはカオリンのような不活性固体希釈剤に混合された硬質ゼラチンカプセル、または、有効成分が水または油性媒体たとえばピーナツ油、液体パラフインもしくはオリーブ油に混合された軟質カプセルの形態で提供されてもよい。水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に適した賦形剤に混合された有効物質を含有している。油性懸濁液は、有効成分を適当な油に懸濁させることによって配合し得る。水中油型エマルションも使用し得る。水を加えて水性懸濁液を調製するための適当な分散性粉末および顆粒は、分散または湿潤剤、懸濁化剤および1種以上の保存料に混合された有効成分を提供する。本発明化合物の医薬組成物は水性または油性の滅菌した注射用懸濁液の形態でもよい。本発明の化合物は直腸投与される座薬剤の形態でもよい。外用投与のためには、本発明の化合物を含有するクリーム、軟膏、ゼリー、溶液または懸濁液などを使用し得る。本発明の化合物は吸入によって投与するように配合することもできる。本発明の化合物はまた当業界で公知の方法により経皮貼付薬によって投与することもできる。
【0061】
本発明の化合物のいくつかの製造方法を以下のスキームおよび実施例に示す。出発材料は当業界で公知の手順またはこの文中に説明した手順に従って製造される。この文中に以下の略号を使用する:Me:メチル;Et:エチル;t−Bu:tert−ブチル;Ar:アリール;Ph:フェニル;Bn:ベンジル;Ac:アセチル;THF:テトラヒドロフラン;DEAD:ジエチルアゾジカルボキシラート;DIPEA:N,N−ジイソプロピルエチルアミン;DMSO:ジメチルスルホキシド;EDC:N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド;HOBT:ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物;Boc:tert−ブチルオキシカルボニル;EtN:トリエチルアミン;DCM:ジクロロメタン;DCE:ジクロロエタン;BSA:ウシ血清アルブミン;TFA:トリフルオロ酢酸;DMF:N,N−ジメチルホルムアミド;MTBE:メチルtert−ブチルエーテル;SOCl:チオニルクロリド;CDI:カルボニルジイミダゾール;rt:室温;HPLC:高性能液体クロマトグラフィー。本発明の化合物は様々なやり方で製造できる。
【0062】
いくつかの場合には、たとえば置換基の操作によって最終生成物をさらに修飾し得る。これらの操作は非限定的に、当業者に周知の還元、酸化、アルキル化、アシル化および加水分解反応を含む。いくつかの場合には、反応を促進するためまたは望まない反応生成物を回避するために上記反応スキームの実行順序を変更してもよい。以下の実施例は本発明がより十分に理解されるように提供したものである。これらの実施例は単なる代表例であり、本発明を限定すると解釈されてはならない。
【0063】
【化7】

【0064】
メチル 5−クロロ−2,3’−ビピリジン−3−カルボキシレートは、ベータ−ケトエステル,A−1をN−[(2Z)−2−クロロ−3−(ジメチルアミノ)プロプ−2−エン−1−イリデン]−N−メチルメタナミニウムヘキサフルオロホスフェートと共に塩基性条件下で環化し、次いで酸性反応停止させ中和することによって合成し得る。次に化合物A−2のSuzukiカップリング、加水分解およびアミド形成によってA−4型の化合物が得られる。あるいは、加水分解、アミド形成次いでSuzukiカップリングを行うことによってA−5型の化合物が得られる。
【0065】
【化8】

【0066】
ジクロロニコチンアミド(B−2)は、B−1の酸塩化物を様々なアミンと反応させることによって合成される。化合物B−2に対して、2位を選択的に官能化する選択的パラジウムカップリングおよび5位の塩化物のSuzukiカップリングを順次に行うことによって最終化合物B−3が得られる。
【実施例1】
【0067】
【化9】

【0068】
メチル 5−クロロ−2,3’−ビピリジン−3−カルボキシレート(1−2)
テトラヒドロフラン(200mL)中のメチル 3−オキソ−3−ピリジン−3−イルプロパノエート(1−1,12.50g,69.76mmol)の0℃溶液にカリウムtert−ブトキシド(12.52g,111.62mmol)を添加し、反応温度が室温に到達するように45分間撹拌した。次にN−[(2Z)−2−クロロ−3−(ジメチルアミノ)プロプ−2−エン−1−イリデン]−N−メチルメタナミニウムヘキサフルオロホスフェート(53.46g,174.40mmol)を一回で反応混合物に添加し、系を45分間撹拌した。得られたスラリーを次にトリフルオロ酢酸(4.14mL,55.81mmol)および酢酸(27.95mL,488.33mmol)を含むテトラヒドロフラン(100mL)溶液に一回で添加し、45分間撹拌した。次に水酸化アンモニウム(40.75mL,1046mmol)を反応混合物に添加し、系を90℃で3時間撹拌した。次に反応混合物を室温に冷却し、エルレンマイヤーフラスコに注ぎ、硫酸マグネシウムで乾燥した。反応混合物を濾過し、順相(1% MeOH、DCM中)および逆相クロマトグラフィー(5%→95% 0.1%TFA、水中:0.1%TFA、ACN中)によって精製し、引き続き飽和炭酸ナトリウムによって遊離塩基化すると、標題化合物が淡黄色固体として得られた(1−2)。ESI+MS[MH]12ClN=248.9。
【0069】
N−(3,4−ジメトキシベンジル)−5−(3,5−ジメチルフェニル)−2,3’−ビピリジン−3−カルボキサミド(1−3)
ジオキサン(6mL)中のメチル 5−クロロ−2,3’−ビピリジン−3−カルボキシレート(1−2,0.3g,1.20mmol)の溶液に、3,5−ジメチルフェニルホウ酸(0.452g,3.01mmol)、炭酸セシウム(1.17g,3.61mmol)、トリシクロヘキシルホスフィン(0.101g,0.362mmol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)−ジパラジウム(0.166g,0.181mmol)を添加し、95℃で一夜撹拌した。次に反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチルと水とに分配した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、順相クロマトグラフィー(0→5% MeOH、DCM中)によって精製すると、メチル 5(3,5−ジメチルフェニル)−2,3’−ビピリジン−3−カルボキシレートが黄色の泡として得られた。ESI+MS[MH]2018=319.25。テトラヒドロフラン(3mL)およびメタノール(3mL)中のメチル 5−(3,5−ジメチルフェニル)−2,3’−ビピリジン−3−カルボキシレート(0.385g,1.20mmol)の溶液に水酸化カリウム(0.122g,2.17mmol)および水(1.25mL)を添加し、系を室温で一夜撹拌した。次に反応混合物を6NのHClでpH2.0に中和し、次いで真空下で濃縮すると5−(3,5−ジメチルフェニル)−2,3’−ビピリジン−3−カルボン酸がビスHCl塩の形態の骨白色粉末として得られた。ESI+MS[MH]1916=305.0。ジメチルホルムアミド(5mL)中のビスHCl塩形態の5−(3,5−ジメチルフェニル)−2,3’−ビピリジン−3−カルボン酸(0.390g,1.03mmol)および3,4−ジメトキシベンジルアミン(0.173g,1.03mmol)の溶液に、EDC(0.029g,0.191mmol)、HOBt(0.317g,2.06mmol)およびトリエチルアミン(0.720mL,5.16mmol)を添加し、系を100℃のマイクロ波中で15分間撹拌した。系を室温に冷却し、EtOAcで抽出し、水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥した。順相クロマトグラフィー(0→10% MeOH、DCM中)を使用して粗反応混合物を精製すると標題化合物(1−3)が白色粉末として得られた。H NMR(500MHz,CDCl)δ8.98−9.00(m,2H),8.65−8.66(m,1H),8.17(d,J=2Hz,1H),7.98−8.00(m,1H),7.28−7.30(m,3H),7.11(s,1H),6.78(d,J=8Hz,1H),6.41−6.67(m,2H),5.72(br s,1H),4.42(d,J=6Hz,2H),3.88(s,3H),3.85(s,3H),2.43(s,6H)。HRMS[M+H] C2827計算値454.2125、測定値454.2107。
【実施例2】
【0070】
【化10】

【0071】
5−(3,5−ジクロロフェニル)−N−(3,4−ジメトキシベンジル]−2,3’−ビピリジン−3−カルボキサミド(2−1)
テトラヒドロフラン(5mL)およびメタノール(5mL)中のメチル 5−クロロ−2,3’−ビピリジン−3−カルボキシレート(1−2,0.500g,2.01mmol)の溶液に水酸化カリウム(0.200g,3.61mmol)および水(1.25mL)を添加し、系を室温で一夜撹拌した。次に反応混合物を6NのHClでpH2.0に中和し、次いで真空下で濃縮すると、5−クロロ−2,3’−ビピリジン−3−カルボン酸がビスHCl塩の形態の骨白色粉末として得られた。ESI+MS[MH]11ClN=234.9。ジメチルホルムアミド(10mL)中のビスHCl塩形態の5−クロロ−2,3’−ビピリジン−3−カルボン酸(0.613g,2.00mmol)および3,4−ジメトキシベンジルアミン(0.367g,2.2mmol)の溶液にEDC(0.764g,4.00mmol)、HOBt(0.612g,4.00mmol)およびトリエチルアミン(0.6mL,10mmol)を添加し、系を100℃の油浴中で3時間撹拌した。系を室温に冷却し、EtOAcで抽出し、水洗し、硫酸マグネシウムで一夜乾燥した。次に、粗反応混合物をエーテルと研和すると、5−クロロ−N−(3,4−ジメトキシベンジル)−2,3’−ビピリジン−3−カルボキサミドが骨白色粉末として得られた。ESI+MS[MH]2018ClN=234.9。ジオキサン(5.2mL)中の5−クロロ−N−(3,4−ジメトキシベンジル)−2,3’−ビピリジン−3−カルボキサミド(0.600g,1.56mmol)の溶液に、3,5−ジクロロフェニルホウ酸(1.50g,7.82mmol),N、N−ジシクロヘキシルメチルアミン(0.368mL,1.72mmol)およびビス(トリ−t−ブチルホスフィン)パラジウム(0.023g,0.047mmol)を添加し、系を110℃のマイクロ波中で20分間撹拌した。次に反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチルと水とに分配した。反応混合物を濾過し、順相クロマトグラフィー(0→6% MeOH、DCM中)、次いで逆相クロマトグラフィー(10%→65% 0.1%TFA、水中:0.1%TFA、ACN中)で精製し、次いで飽和炭酸ナトリウムで遊離塩基化すると、標題化合物(2−1)が白色粉末として得られた。H NMR(500MHz,CDCl)δ9.00(s,1H),8.95(s,1H),8.66−8.68(m,1H),8.15(s,1H),7.98−8.00(m,1H),7.53−7.54(m,2H),7.46−7.47(m,1H),7.28−7.30(m,1H),6.77(d,J= 5Hz,1H),6.39−6.66(m,2H),5.69(br s,1H),4.42(d,J=5.5Hz,2H),3.85(s,3H),3.88(s,3H)。HRMS[M+H] C2621Cl計算値494.1033、測定値494.1023。
【実施例3】
【0072】
【化11】

【0073】
2,5−ジクロロ−N−(3,4−ジメトキシベンジル)ニコチンアミド(3−2)
ジクロロメタン(6mL)中の2,5−ジクロロニコチン酸(3−1,0.600g,3.13mmol)の0℃溶液に触媒量のジメチルホルムアミド(47uL)、オキサリルクロリド(0.5mL,6.25mmol)を順次に添加し、系を0℃で3時間撹拌した。真空下で系を濃縮し、ジクロロメタン(5mL)に再溶解し、0℃に冷却した。この混合物にジクロロメタン(3mL)中の3,4−ジメトキシベンジルアミン(1.03mL,6.88mmol)を添加し、系を一夜撹拌した。10%NaOHで系をpH7.0に反応停止させ、水とEtOAcとに分配し、硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過および濃縮して得られた黄色固体をエーテル/トルエンと研和すると、標題化合物(3−2)が淡黄色固体として得られた。ESI+MS[M+H]1514Cl=341.0。
【0074】
N−(3,4−ジメトキシベンジル)−5−(3,5−ジメチルフェニル)−2,3’−ビピリジン−3−カルボキサミド(1−3)
メタノール(1mL)中の2,5−ジクロロ−N−(3,4−ジメトキシベンジル)ニコチンアミド(3−2,0.100 g,0.293mmol)および3−ピリジルホウ酸(0.172g,1.17mmol)の溶液に、N,N−ジシクロヘキシルメチルアミン(0.070mL,0.322mmol)およびビス(トリ−t−ブチルホスフィン)パラジウム(0.030g,0.058mmol)を添加し、系を75℃の油浴中で一夜撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、真空下で濃縮すると黄色油が得られた。この油(0.035g,0.091mmol)をジオキサン(0.2mL)に再溶解し、3,5−ジメチルフェニルホウ酸(0.075g,0.502mmol)、N,N−ジシクロヘキシルメチルアミン(0.022mL,0.100mmol)およびビス(トリ−t−ブチルホスフィン)パラジウム(0.009g,0.018mmol)を添加し、系を90℃の油浴中で一夜撹拌した。次に反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチルと水とに分配し、硫酸マグネシウムで乾燥した。反応混合物を濾過し、順相クロマトグラフィー(0→10% MeOH、DCM中)次いで逆相クロマトグラフィー(10%→65% 0.1%TFA、水中:0.1%TFA、ACN中)によって精製し、飽和炭酸ナトリウムで遊離塩基化すると、標題化合物(1−3)が白色粉末として得られた。ESI+MS[MH]2827=454.34。
【0075】
表1
上記反応スキームおよび実施例に記載の適宜置換された試薬を交換し上述の方法を使用して以下の化合物を製造した。必要な出発材料は市販されているか、文献に記載されているかまたは有機合成の当業者が過重な実験作業を要せずに容易に合成できる。
【0076】
【表1】







【0077】
本発明をそのいくつかの具体的実施態様に基づいて記載および図解したが、本発明の要旨および範囲を逸脱することなく手順およびプロトコルの様々な改造,変更、修正、置換、削除または追加が可能であることを当業者は理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中、
はフェニル、ナフチルおよびヘテロアリールから成るグループから選択され;
はフェニル、ナフチルおよびヘテロアリールから成るグループから選択され;
1a、R1bおよびR1cは、Aの原子価がこのような置換を許容しない場合には存在せず、また、独立に、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)−(C=O)−O−C1−6アルキル{ここにmは0または1であり、nは0または1であり(mが0またはnが0ならば結合が存在する)、アルキルは未置換であるかまたはR13から選択された1つ以上の置換基で置換されている}、
(5)−(C=O)−O−C3−6シクロアルキル{ここにシクロアルキルは未置換であるかまたはR13から選択された1つ以上の置換基で置換されている}、
(6)−(C=O)−C2−4アルケニル{ここにアルケニルは未置換であるかまたはR13から選択された1つ以上の置換基で置換されている}、
(7)−(C=O)−C2−4アルキニル{ここにアルキニルは未置換であるかまたはR13から選択された1つ以上の置換基で置換されている}、
(8)−(C=O)−O−フェニルまたは−(C=O)−O−ナフチル{ここにフェニルまたはナフチルは未置換であるかまたはR13から選択された1つ以上の置換基で置換されている}、
(9)−(C=O)−O−複素環{ここに複素環は未置換であるかまたはR13から選択された1つ以上の置換基で置換されている}、
(10)−(C=O)−NR1011{ここにR10およびR11は独立に、
(a)水素、
(b)未置換であるかまたはR13で置換されたC1−6アルキル、
(c)未置換であるかまたはR13で置換されたC3−6アルケニル、
(d)未置換であるかまたはR13で置換されたC3−6アルキニル、
(e)未置換であるかまたはR13で置換されたC3−6シクロアルキル、
(f)未置換であるかまたはR13で置換されたフェニル、および、
(g)未置換であるかまたはR13で置換された複素環
から成るグループから選択されている}、
(11)−S(O)−NR1011
(12)−S(O)−R12{ここにqは0、1または2であり、R12はR10およびR11の定義から選択されている}、
(13)−COH、
(14)−CN、および、
(15)−NO
から成るグループから選択され、
2a、R2bおよびR2cは、Aの原子価がこのような置換を許容しない場合には存在せず、また、独立に、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)−(C=O)−O−C1−6アルキル{ここに、アルキルは未置換であるかまたはR13から選択された1つ以上の置換基で置換されている}、
(5)−(C=O)−O−C3−6シクロアルキル{ここにシクロアルキルは未置換であるかまたはR13から選択された1つ以上の置換基で置換されている}、
(6)−(C=O)−C2−4アルケニル{ここにアルケニルは未置換であるかまたはR13から選択された1つ以上の置換基で置換されている}、
(7)−(C=O)−C2−4アルキニル{ここにアルキニルは未置換であるかまたはR13から選択された1つ以上の置換基で置換されている}、
(8)−(C=O)−O−フェニルまたは−(C=O)−O−ナフチル{ここにフェニルまたはナフチルは未置換であるかまたはR13から選択された1つ以上の置換基で置換されている}、
(9)−(C=O)−O−複素環{ここに複素環は未置換であるかまたはR13から選択された1つ以上の置換基で置換されている}、
(10)−(C=O)−NR1011
(11)−S(O)−NR1011
(12)−S(O)−R12
(13)−COH、
(14)−CN、および、
(15)−NO
から成るグループから選択され、
は、未置換であるかまたはR13から選択された1つ以上の置換基で置換された水素、C1−6アルキルまたはC3−6シクロアルキルであり、
およびRは独立に、未置換であるかもしくはR13から選択された1つ以上の置換基で置換された水素およびC1−6アルキルから選択されるか、または、RとRはそれらが付着している炭素と共にC3−6シクロアルキルを形成し、このシクロアルキルは未置換であるかまたはR13から選択された1つ以上の置換基で置換されており、
13は、
(1)ハロゲン、
(2)ヒドロキシル、
(3)−(C=O)−O−C1−6アルキル{ここに、アルキルは未置換であるかまたはR14から選択された1つ以上の置換基で置換されている}、
(4)−O−(C1−3)ペルフルオロアルキル、
(5)−(C=O)−O−C3−6シクロアルキル{ここにシクロアルキルは未置換であるかまたはR14から選択された1つ以上の置換基で置換されている}、
(6)−(C=O)−C2−4アルケニル{ここにアルケニルは未置換であるかまたはR14から選択された1つ以上の置換基で置換されている}、
(7)−(C=O)−C2−4アルキニル{ここにアルキニルは未置換であるかまたはR14から選択された1つ以上の置換基で置換されている}、
(8)−(C=O)−O−フェニルまたは−(C=O)−O−ナフチル{ここにフェニルまたはナフチルは未置換であるかまたはR14から選択された1つ以上の置換基で置換されている}、
(9)−(C=O)−O−複素環{ここに複素環は未置換であるかまたはR14から選択された1つ以上の置換基で置換されている}、
(10)−(C=O)−NR1011
(11)−S(O)−NR1011
(12)−S(O)−R12
(13)−COH、
(14)−CN、および、
(15)−NO
から成るグループから選択され、
14は、
(1)ヒドロキシル、
(2)ハロゲン、
(3)C1−6アルキル、
(4)C3−6シクロアルキル、
(5)−O−C1−6アルキル、
(6)−O(C=O)−C1−6アルキル、
(7)−NH−C1−6アルキル、
(8)フェニル、
(9)複素環、
(10)−COH、および、
(11)−CN
から成るグループから選択される]
の化合物または医薬的に許容されるその塩。
【請求項2】
式Ia:
【化2】

で示される請求項1に記載の化合物または医薬的に許容されるその塩。
【請求項3】
式Ic:
【化3】

で示される請求項1に記載の化合物または医薬的に許容されるその塩。
【請求項4】
式Id:
【化4】

で示される請求項1に記載の化合物または医薬的に許容されるその塩。
【請求項5】
式Ie:
【化5】

で示される請求項1に記載の化合物または医薬的に許容されるその塩。
【請求項6】
がフェニルである請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
がフェニルである請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
がナフチルである請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
がヘテロアリールである請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
1a、R1bおよびR1cが独立に、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)未置換であるかまたはハロゲン、ヒドロキシル、フェニルもしくはナフチルで置換されたC1−6アルキル、
(5)未置換であるかまたはハロゲン、ヒドロキシルもしくはフェニルで置換された−O−C1−6アルキル、
(6)ピロリル、イミダゾリル、インドリル、ピリジルおよびピリミジニルから選択され、未置換であるかまたはハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキルもしくはNOで置換されたヘテロアリール、
(7)未置換であるかまたはハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキルもしくはNOで置換されたフェニル、
(8)未置換であるかまたはハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキルもしくはNOで置換された−O−フェニル、および、
(9)未置換であるかまたはハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキルもしくはNOで置換された−NH−C1−6アルキルまたは−N(C1−6アルキル)(C1−6アルキル)
から成るグループから選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
1a、R1bおよびR1cが独立に、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)未置換であるかまたはハロゲン、ヒドロキシル、フェニルもしくはナフチルで置換されたC1−6アルキル、および、
(5)未置換であるかまたはハロゲン、ヒドロキシルもしくはフェニルで置換された−O−C1−6アルキル
から成るグループから選択される請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
1a、R1bおよびR1cが独立に、
(1)水素、
(2)ハロゲン、および、
(3)C1−6アルキル
から成るグループから選択される請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
1a、R1bおよびR1cが独立に、
(1)水素、
(2)クロロ、
(3)フルオロ、および、
(4)メチル
から成るグループから選択される請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
2a、R2bおよびR2cが独立に、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)未置換であるかまたはハロゲン、ヒドロキシル、フェニルもしくはナフチルで置換されたC1−6アルキル、
(5)未置換であるかまたはハロゲン、ヒドロキシルもしくはフェニルで置換された−O−C1−6アルキル、
(6)ピロリル、イミダゾリル、インドリル、ピリジルおよびピリミジニルから選択され、未置換であるかまたはハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキルもしくはNOで置換されたヘテロアリール、
(7)未置換であるかまたはハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキルもしくはNOで置換されたフェニル、
(8)未置換であるかまたはハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキルもしくはNOで置換された−O−フェニル、および、
(9)未置換であるかまたはハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキルもしくはNOで置換された−NH−C1−6アルキルまたは−N(C1−6アルキル)(C1−6アルキル)
から成るグループから選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
2a、R2bおよびR2cが独立に、
(1)水素、
(2)クロロ、
(3)フルオロ、
(4)ブロモ、
(5)メトキシ、
(6)t−ブトキシ、
(7)ジフルオロメチル、および、
(8)トリフルオロメチル、
(9)−N(CH
から成るグループから選択される請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
が水素またはC1−6アルキルであり、Rが水素またはC1−6アルキルであり、Rが水素またはC1−6アルキルである請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
が水素であり、Rが水素であり、Rが水素である請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
N−(3,4−ジメトキシベンジル)−5−(3,5−ジメチルフェニル−2,3’−ビピリジン−3−カルボキサミド;
5−(3,5−ジクロロフェニル)−N−(3,4−ジメトキシベンジル)−2,3’−ビピリジン−3−カルボキサミド;
N−(3,4−ジメトキシベンジル)−5−(3,5−ジメチルフェニル)−2,3’−ビピリジン−3−カルボキサミド;
5−(3,5−ジメチルフェニル)−N−メチル−N−(キノキサリン−6−イルメチル)−2,3’−ビピリジン−3−カルボキサミド;
5−(3,5−ジクロロフェニル)−N−(3,4−ジメトキシベンジル)−2,3’−ビピリジン−3−カルボキサミド;
5−(3,5−ジメチルフェニル)−N−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−2,3’−ビピリジン−3−カルボキサミド;
5−(3,5−ジメチルフェニル)−N−(3−メトキシベンジル)−2,3’−ビピリジン−3−カルボキサミド;
N−(4−tert−ブトキシベンジル)−5−(3,5−ジメチルフェニル)−2,3’−ビピリジン−3−カルボキサミド;
N−[3−(ジフルオロメトキシ)ベンジル]−5−(3,5−ジメチルフェニル)−2,3’−ビピリジン−3−カルボキサミド;
N−(3−ブロモベンジル)−5−(3,5−ジメチルフェニル)−2,3’−ビピリジン−3−カルボキサミド;
5−(3,5−ジメチルフェニル)−N−(4−メトキシベンジル)−2,3’−ビピリジン−3−カルボキサミド;
5−(3,5−ジメチルフェニル)−N−(4−フルオロ−3−メチルベンジル)−2,3’−ビピリジン−3−カルボキサミド;
N−(3−ブロモ−4−フルオロベンジル)−5−(3,5−ジメチルフェニル−2,3’−ビピリジン−3−カルボキサミド;
5−(3,5−ジメチルフェニル)−N−[3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)ベンジル]−2,3’−ビピリジン−3−カルボキサミド;
N−[4−(ジメチルアミノ)ベンジル]−5−(3,5−ジメチルフェニル)−2,3’−ビピリジン−3−カルボキサミド;
5−(3,5−ジメチルフェニル)−N−[(1−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)メチル]−2,3’−ビピリジン−3−カルボキサミド;
N−(3,4−ジクロロベンジル)−5−(3,5−ジメチルフェニル)−2,3’−ビピリジン−3−カルボキサミド;
N−(3,4−ジメトキシベンジル)−5−(3,5−ジメチルフェニル)−2,3’−ビピリジン−3−カルボキサミド;
5−(3,5−ジメチルフェニル)−N−(2−ナフチルメチル)−2,3’−ビピリジン−3−カルボキサミド;
5−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)−N−(3,4−ジメトキシベンジル)−2,3’−ビピリジン−3−カルボキサミド;
N−(3,4−ジメトキシベンジル)−5−(3−フルオロ−5−メチルフェニル)−2,3’−ビピリジン−3−カルボキサミド;
5−(3,5−ジフルオロフェニル)−N−(3,4−ジメトキシベンジル)−2,3’−ビピリジン−3−カルボキサミド;
5−(3−クロロフェニル)−N−(3,4−ジメトキシベンジル)−2,3’−ビピリジン−3−カルボキサミド;
N−[(2,3−ジメチル−1H−インドール−5−イル)メチル]−5−フェニル−2,3’−ビピリジン−3−カルボキサミド;
5−(3−フルオロフェニル)−N−[(1R)−1−(2−ナフチル)エチル]−2,3’−ビピリジン−3−カルボキサミド;
N−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イルメチル)−5−(3,5−ジメチルフェニル)−2,3’−ビピリジン−3−カルボキサミド;
N−[(1R)−1−(2−ナフチル)エチル]−5−(1,3−チアゾール−4−イル)−2,3’−ビピリジン−3−カルボキサミド;
5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−N−[(1R)−1−(2−ナフチル)エチル]−2,3’−ビピリジン−3−カルボキサミド;
5−(1−メチル−1H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−6−イル)−N−[(1R)−1−(2−ナフチル)エチル]−2,3’−ビピリジン−3−カルボキサミド;
から成るグループから選択される化合物または医薬的に許容されるその塩。
【請求項19】
不活性担体と請求項1に記載の化合物または医薬的に許容されるその塩とを含む医薬組成物。
【請求項20】
医療に使用するための請求項1に記載の化合物または医薬的に許容されるその塩。
【請求項21】
睡眠障害の治療または予防用医薬を製造するための請求項1に記載の化合物または医薬的に許容されるその塩の使用。
【請求項22】
請求項1に記載の化合物または医薬的に許容されるその塩を治療有効量で患者に投与する段階を含む、要治療哺乳類患者の睡眠品質強化方法。
【請求項23】
請求項1に記載の化合物または医薬的に許容されるその塩を治療有効量で患者に投与する段階を含む、要治療哺乳類患者の不眠症の治療方法。
【請求項24】
請求項1に記載の化合物または医薬的に許容されるその塩を治療有効量で患者に投与する段階を含む、要治療哺乳類患者の肥満の治療または管理方法。

【公表番号】特表2010−520206(P2010−520206A)
【公表日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−551744(P2009−551744)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【国際出願番号】PCT/US2008/002725
【国際公開番号】WO2008/108991
【国際公開日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【出願人】(390023526)メルク・シャープ・エンド・ドーム・コーポレイション (924)
【Fターム(参考)】