説明

ビフィドバクテリウム属細菌及びこれを含有する発酵乳飲食品

【課題】従来のビフィドバクテリウム属細菌よりも優れた腸内到達性を有する菌株を作出し、これを用いたビフィドバクテリウム属細菌含有発酵乳飲食品を提供する。
【解決手段】ビフィドバクテリウム属細菌を含有する発酵乳飲食品を、pH4.3の酸で37℃30分間処理、次いで胆汁を1%含む溶液で37℃30分間連続処理したとき、これらの処理後の生残性が20%以上であるビフィドバクテリウム属細菌、及び当該細菌を含有する発酵乳飲食品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はヒトに経口で投与された発酵乳飲食品中のビフィドバクテリウム属細菌の腸内到達度を簡便に評価する方法、及び該評価方法において高い生残性を有するビフィドバクテリウム属細菌に関する。
【背景技術】
【0002】
ビフィドバクテリウム属細菌については、腸内有害細菌の抑制作用や整腸作用、免疫賦活作用等の様々な生理作用が報告されている。このため、各種発酵乳製品や生菌製剤等の形態で多数の市販品が販売されており、現在では確固たる市場を形成している。特に発酵乳飲食品は、優れた嗜好性を有していることから、継続的に飲用しやすい、ビフィドバクテリウム属細菌の投与に適したものである。
【0003】
ビフィドバクテリウム属細菌の生理効果の多くは、菌が腸管に到達した後、代謝産物である酢酸等を産生することにより奏される。このため、十分な効果を得るには、菌が生きたまま腸に到達することが必要になる。このような菌の腸管への到達性は、従来から、菌の糞便からの回収率を指標として判断されている。すなわち、糞便中に存在する生菌数は、腸管への到達度を反映しているので、菌を投与したヒトの糞便を回収し、糞便中の生存菌数(回収率)を測定することにより到達性の確認がなされていたのである。
【0004】
ところで、ビフィドバクテリウム属細菌は、酸耐性、胆汁耐性等が弱いため、一般に腸管への到達率が低いと考えられている。すなわち、菌が経口的に摂取されると、腸への到達前に胃酸や胆汁等によって、死滅してしまう可能性もある。
近年では、各種製造技術の向上等により、摂取し得る菌数そのものが増加しているため、ある程度の死滅が起こっても、これを許容して生理効果を期待することも可能である。また、ビフィドバクテリウム属細菌を含む発酵食品等の製造に際しては、保存時の生残性を改善するための様々な成分、例えばN−アセチルグルコサミン、パントテン酸、ペプチド類、ラクチュロース等の添加もなされているため、その作用により、摂取後の腸管への到達性も高まっていると考えられる。
【0005】
しかし、菌の生理効果をより強くするには、より多くの生菌を腸管へ到達させる必要があるため、更なる到達性の向上が望まれる。ところが、上記のように腸管への到達性、すなわち糞便からの回収率を測定するためには、ヒトへの投与試験が必要となり、煩雑かつ長期間の作業を必要とするため、実際にこのような実験を行うことは非常に困難であった。
【0006】
一方で、経口摂取後の障壁となる胃酸や胆汁に対し、予め耐性を付与した菌株を作出した旨の報告もいくつかなされている。例えば、特許文献1には、酸、胆汁塩及び酸素耐性の高いビフィドバクテリウム属細菌に関し記載されており、これを用いれば、成長促進物質を加えることなく、脱脂乳等で好気条件下でも培養を行えるとされている。また、非特許文献1にも、酸及び胆汁への耐性が高いビフィドバクテリウム属細菌2株が記載されている。
【0007】
このような耐性株を用いれば、投与時の菌の腸への到達性が向上することも考えられる。そこで、本発明者は、上記のような酸及び胆汁への耐性が高い菌株を作出し、これを用いてシロップ含有発酵乳飲食品を製造し、ヒトへの投与を行い、その糞便からの回収率を測定した。その結果、上記耐性と回収率とは必ずしも相関しないことが明らかとなった。
【特許文献1】特開平9−322762号公報
【非特許文献1】International Journal of Food Microbiology 47 (1999) p.25−32
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明の目的は、発酵乳飲食品中のビフィドバクテリウム属細菌の腸内到達度を反映する簡便かつ正確な評価系を構築することにある。また、本発明は、従来のビフィドバクテリウム属細菌よりも優れた腸内到達性を有する菌株を作出し、これを用いたビフィドバクテリウム属細菌含有発酵乳飲食品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで本発明者らは、ビフィドバクテリウム属細菌を含有する発酵乳飲食品におけるビフィドバクテリウム属細菌の糞便からの回収率について検討してきたところ、発酵乳飲食品、特にシロップを配合した発酵乳飲食品においては、製造直後は比較的回収率が高いものの、製造から1週間程度超えると回収率の低下が著しいことが判明した。発酵乳飲食品の流通を考慮すると、この程度の保存後でも充分高い回収率を確保する必要がある。そこで、一週間程度保存したビフィドバクテリウム属細菌及びシロップを含有する発酵乳飲食品を用いて、更に検討した結果、酸、胆汁の連続処理後の生残性を測定すれば、経口投与した発酵乳飲食品中のビフィドバクテリウム属細菌の腸内到達度を簡便かつ正確に評価できることを見出した。また、本発明者は、この酸、胆汁の連続処理後の生残性を指標として、ある値以上の生残性を有する菌株を含有する発酵乳飲食品は、製造から一週間程度経過しても優れた腸内到達性が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明は、ビフィドバクテリウム属細菌を含有する発酵乳飲食品を、pH4.3の酸で37℃30分間処理、次いで胆汁を1%含む溶液で37℃30分間連続処理したとき、これらの処理後の生残性が20%以上であるビフィドバクテリウム属細菌、及び当該細菌を含むことを特徴とするビフィドバクテリウム属細菌含有発酵乳飲食品を提供するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、発酵乳飲食品中のビフィドバクテリウム属細菌の腸内到達度を簡便かつ正確に評価することができる。
また、本発明によれば、保存後でも腸内への到達速度の高いビフィドバクテリウム属細菌含有発酵乳飲食品を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明における評価の対象はビフィドバクテリウム属細菌を含有する発酵乳飲食品であればいずれを用いてもよい。例えば、ビフィドバクテリウム属細菌をGAM培地(日水製)等の栄養培地で培養して、これを種菌として乳培地で更に培養を行い得られた発酵乳にシロップを添加した発酵乳飲食品が挙げられる。特に、シロップを含有する発酵乳飲食品中では、保存時にビフィドバクテリウム属細菌の腸内到達性が低下してしまうため、シロップを含むものを対象とした場合に本発明の評価方法が有効である。ここで乳としては、牛乳(全脂乳)及びその加工品である脱脂乳、その他の山羊、羊などの獣乳等、更には植物性の豆乳等が挙げられる。シロップとしては、グルコース、シュークロース、果糖ブドウ糖液糖、ブドウ糖果糖液糖、蜂蜜などの糖類;ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、ラクチトール、パラチニットなどの糖アルコールが挙げられる。シロップの含有量は0.1〜10重量%程度が好ましい。当該発酵乳飲食品には、ビフィドバクテリウム属細菌を1×107 〜5×109 cfu/mL、特に1×108 〜1×109 cfu/mL含むのが好ましい。5×109 を超える菌数では、含まれる菌に対する酸や胆汁の負荷が十分でなく、正確な判定ができない。また、1×107 未満では逆に、個々の菌に対する酸や胆汁の負荷が大きすぎるため適当でない。
【0013】
また、当該発酵乳飲食品には、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、レシチン等の乳化剤、寒天、ゼラチン、カラギーナン、グァーガム、キサンタンガム、ペクチン、ローカストビーンガム等の増粘(安定)剤を配合することができる。この他にも、ビタミンA、ビタミンB類、ビタミンC、ビタミンE等の各種ビタミン類やハーブエキス等を配合することも可能である。
【0014】
発酵乳飲食品の製造には、ビフィドバクテリウム属細菌以外の菌を併用することも可能である。このような菌としては、例えばラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・ガセリ(L.gasseri)、ラクトバチルス・プランタラム(L.plantarum)、ラクトバチルス・ブヒネリ(L.buchneri)、ラクトバチルス・カゼイ(L.casei)、ラクトバチルス・ジョンソニー(L.johnsonii)、ラクトバチルス・ガリナラム(L.gallinarum)、ラクトバチルス・アミロボラス(L.amylovorus)、ラクトバチルス・ブレビス(L.brevis)、ラクトバチルス・ラムノーザス(L.rhamnosus)、ラクトバチルス・ケフィア(L.kefir)、ラクトバチルス・パラカゼイ(L.paracasei)、ラクトバチルス・クリスパタス(L.crispatus)、ラクトバチルス・デルブルッキー サブスピーシーズ デルブルッキー(L.delbrueckii subsp.delbrueckii)、ラクトバチルス・デルブルッキー サブスピーシーズ ブルガリクス(L.delbrueckii subsp.bulgaricus)等のラクトバチルス属細菌、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)等のストレプトコッカス属細菌、ラクトコッカス・ラクチス サブスピーシーズ ラクチス(Lactococcus lactis subsp. lactis)、ラクトコッカス・ラクチス サブスピーシーズ クレモリス(Lactococcus lactis subsp. cremoris)等のラクトコッカス属細菌、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)等のバチルス属細菌、サッカロマイセス・セルビシエ(Saccharomyses cerevisiae)、トルラスポラ・デルブルエッキー(Torulaspora delbrueckii)、キャンジダ・ケフィア等のサッカロマイセス属、トルラスポラ属、キャンジダ属等に属する酵母等が好ましい微生物として挙げられる。
【0015】
中でも上記ラクトバチルス属細菌、ストレプトコッカス属細菌及びラクトコッカス属細菌から選ばれる乳酸菌のうち1種以上を併用して発酵乳飲食品を製造すれば、高い嗜好性が得られるため継続的な飲用が容易であり、また、腸内到達度又は回収率の向上効果も高いため好ましい。
【0016】
発酵乳飲食品の製造は常法に従えばよく、例えば発酵乳を製造する場合には、まず殺菌した乳培地にビフィドバクテリウム属細菌を単独もしくは乳酸菌と同時に接種培養し、これを均質化処理して発酵乳ベースを得る。次いで、別途調製したシロップ溶液を添加混合し、ホモゲナイザー等で均質化し、更にフレーバーを添加して最終製品に仕上げればよい。
このようにして得られる発酵乳飲食品は、ソフトタイプ、フルーツフレーバータイプ、固形状、液状等いずれの形態の製品とすることも可能である。
【0017】
また、酸、胆汁連続処理に供する発酵乳飲食品は、培養終了後、低温で保存し始めた日を0日として(シロップ含有発酵乳飲食品であれば、シロップ及びビフィドバクテリウム属細菌を混合した日を0日として)、7日間保存した飲食品が好ましい。また、そのpHは5.0〜5.8であることが好ましい。
【0018】
また、用いるビフィドバクテリウム属細菌の菌種は特に限定されないが、ヒト由来の細菌が好ましく、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(B.bifidum)、ビフィドバクテリウム・ロンガム(B.longum)、ビフィドバクテリウム・インファンティス(B.infantis)、ビフィドバクテリウム・アドレスセンティス(B.adolescentis)、ビフィドバクテリウム・カテニュラータム(B.catenulatum)、ビフィドバクテリウム・シュードカテニュラータム(B.pseudocatenulatum)等がより好ましく、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、ビフィドバクテリウム・ビフィダム、ビフィドバクテリウム・ロンガムが特に好ましい。
【0019】
本発明において、酸、次いで胆汁による連続処理とは、前記発酵乳飲食品を酸で処理した後、連続して胆汁処理を行う処理のことである。ここで、連続処理とは、酸処理した発酵乳飲食品を即時ないし菌の活性を回復させることなく、胆汁処理することを意味し、菌の活性を回復させることなくとは、酸処理液への中和剤の添加や緩衝剤あるいは培地での希釈など、菌の活性を積極的に回復させる処理を施さないことを意味する。
【0020】
本発明において、酸処理とは、酢酸、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、酪酸、プロピオン酸等の有機酸、あるいは塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸を添加して、ビフィドバクテリウム属細菌の至適pHよりも酸性にした液に、発酵乳飲食品を添加し障害を与える処理のことである。用いる酸は特に限定されないが、ビフィドバクテリウム属細菌の菌株によっては、塩の存在により生育に障害を受けるものもあり、その影響は回収率との相関において無視できない場合もあるため有機酸を用いることが好ましく、特に、酢酸、乳酸又は塩酸を用いれば、腸内到達度との相関性が高くなるため好ましい。
【0021】
酸処理用の酸含有液のpHは3.0〜5.5程度、特に4.0〜4.5程度にすることが好ましい。pH5.5以上では、一般の発酵乳製品自体のpHより高い値となってしまう場合がほとんどであり、ビフィドバクテリウム属細菌にわずかな障害しか与えることができず、一方、pH3.0未満ではストレスが強すぎるため、ごく短時間の間にほとんどの菌が死滅してしまうため、どちらの場合も処理後の生残性に関して菌株間の差を検出できないためである。
【0022】
また酸含有液に発酵乳飲食品を添加した後の処理は、ビフィドバクテリウム属細菌の生育可能温度、すなわち30〜42℃程度、1〜60分間程度行えばよく、特に36〜38℃程度で、10〜30分間程度処理することが生体条件の反映や試験の簡便性の点から好ましい。
【0023】
本発明においては、次いで、酸処理後の発酵乳飲食品に対し胆汁処理を行う。すなわち、前記酸処理後の発酵乳飲食品を直接胆汁溶液に添加し処理を行う。胆汁処理の条件も特に限定されないが、0.1〜5%程度の胆汁又は胆汁塩及び中和剤としてリン酸ナトリウムを添加した溶液を用い、酸処理後の発酵乳飲食品の添加後は30〜42℃で、1〜240分間程度の処理を行えばよい。特に、腸内到達度との相関を高め、菌株間の耐性の差異を明確にするためには、0.5〜2%程度の胆汁又は胆汁塩を添加し、発酵乳飲食品の添加後は36〜38℃で、30〜60分間程度の処理を行うことが好ましい。
【0024】
より好ましい酸、胆汁連続処理は、7日間保存した、ビフィドバクテリウム属細菌(初発菌数約1×108 程度)を含有する発酵乳飲食品を用い、pH4.3の酸で36〜38℃、10〜30分、次いで1%の胆汁で36〜38℃、30〜60分間の処理である。
【0025】
上記酸、胆汁連続処理として、特に好ましい条件を具体的に挙げれば、以下のとおりとなる。まず、酢酸によりpH4.3に調整した酸処理液10mLに発酵乳飲食品1mLを添加し、37℃で30分間処理する。処理後は直ちに、この酸処理液1mLを胆汁を1%含む胆汁処理液10mLに添加し、引き続き37℃で30分間処理する。この条件であれば、対象となる菌株の種類に関わらず腸内到達度とほぼ同様の生残性を導くことが可能であり、菌株間の生残性の差異も明確に判定することが可能である。
【0026】
上記酸、胆汁連続処理による生残性は、発酵乳飲食品中の処理前の生菌数と処理後の生菌数とを比較することにより測定できる。すなわち、処理前の生菌数に対する処理後の生菌数の割合を求めればよい。なお、生菌数は常法に従って測定できる。
【0027】
このような酸、胆汁連続処理に対するビフィドバクテリウム属細菌の生残性は、発酵乳飲食品ヒト経口投与時のビフィドバクテリウム属細菌の腸内到達度と強い相関を示す。すなわち、酸、胆汁連続処理による生残性の高低は、発酵乳飲食品ヒト経口投与時におけるビフィドバクテリウム属細菌の腸内到達度の高低と相関するパラメーターとなっているのである。これは、酸処理により活性の低下したビフィドバクテリウム属細菌に対し、更に胆汁で処理を行うことにより与えられるストレスが、ヒト腸管内でのそれと類似するためと考えられるが、定かではない。
【0028】
なお、本発明の腸内到達度とは、ビフィドバクテリウム属細菌及びシロップを含む発酵乳飲食品をヒトに経口投与した場合に、該投与菌数に対して、腸内に到達する菌数の割合のことである。腸内への到達菌数は糞便からの回収菌数とほぼ同等と考えられていることから、実際には後者の測定結果を腸内到達菌数としている。
【0029】
これに対し、酸処理又は胆汁処理をそれぞれ単独で行った場合の菌の生残性を測定しても、腸内到達度又は回収率との相関は得られず、また、酸処理の後時間を経過させて胆汁処理した場合、胆汁処理した後酸処理する場合などでも腸内到達度又は回収率に相関する生残性を得ることはできない。
【0030】
従来のビフィドバクテリウム属細菌は、例えば発酵乳製品等の飲食品の製造に用いられた場合に、製造直後に飲食されれば十分な腸内到達度又は回収率を得られるものの、1週間程度冷蔵保存に供された後には、腸内到達度又は回収率が低下してしまうものであった。特に発酵乳飲食品中にシロップを含むもので、その傾向が顕著であったが、本発明の評価方法により高い生残性を有することが確認された株は、発酵乳飲食品等の形態で1週間の保存を経た後でも優れた腸内到達度又は回収率を保持し得る菌株である。
【0031】
すなわち、本発明では、上記の酸、胆汁連続処理に対して、20%以上、より好ましくは30%以上の生残性を有する菌株を新たに作出し、この菌株を用いて製造した発酵乳飲食品は、1週間程度の保存を行っても、製造直後と同等の腸内到達度又は回収率を有していることを確認した。特に、発酵乳飲食品中のビフィドバクテリウム属細菌の菌数が高い場合には、菌の腸内到達菌数も高いと予測しがちであるが、1週間保存した場合、菌の腸内到達率が低下しやすく、実際の到達菌数が減少することが、本発明者らの研究結果より明らかとなっている。
【0032】
しかし、1×108 cfu/mL以上のヒト由来のビフィドバクテリウム属細菌を含有する発酵乳飲食品であって、当該発酵乳飲食品を1週間冷蔵保存した後、10倍量の酢酸によりpH4.3に調整した酸処理液で37℃、30分間処理し、更に、この酸処理液を10倍量の1%胆汁酸で37℃、30分間処理した後の発酵乳飲食品中の菌の生残性が20%以上の発酵乳飲食品であれば、1週間保存後ヒト飲用時における腸内への到達菌数として1×107 cfu/g程度を確保できるため、このような菌数及び菌の生残性を具備する発酵乳飲食品は、特に好ましい。1×107 cfu/g程度の到達菌数を確保できれば、腸内有害菌といわれているバクテロイデス属細菌やクロストリジウム属細菌等の繁殖を抑制できるためである。
【0033】
酸、胆汁連続処理で高い生残性を有するビフィドバクテリウム属細菌の菌種も特に限定されず、上記に例示したヒト由来の各菌種等いずれを用いても高い腸内到達度又は回収率を期待することができる。中でも、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、ビフィドバクテリウム・ビフィダム及びビフィドバクテリウム・ロンガムは、乳幼児や高齢者への生理効果や安全性がよく確認されているため好ましい。
【0034】
このような酸、胆汁連続処理耐性の高い菌株の作製は、例えば以下に示す方法によって行うことができる。
すなわち、親株とするビフィドバクテリウム属細菌を使用して発酵乳を調製し、シロップを添加して発酵飲料品を作製した後、適当な容器に分注し冷蔵保存する。保存後の発酵飲料品に酸、胆汁処理を施し、処理後菌体を遠心分離により回収し、この菌体の中から酸、胆汁連続処理耐性の優れたものを選抜していくのである。
【0035】
上記の方法に供するビフィドバクテリウム属細菌もいずれの菌種でもよく、上記と同様の理由からビフィドバクテリウム・ブレーベ、ビフィドバクテリウム・ビフィダム及びビフィドバクテリウム・ロンガムから選ばれる菌を用いることが好ましい。
【0036】
上記濃縮法により、特に酸、胆汁連続処理で高い生残性を有する菌株と認められた2株YIT 4125株及びYIT 4126株は、前者をビフィドバクテリウム・ブレーベYIT 4125(FERM BP-7813)として、後者をビフィドバクテリウム・ブレーベYIT 4126(FERM BP-7814)として、それぞれ平成12年10月27日付で独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6)に寄託している。
【0037】
また、上記の方法によらずとも、紫外線照射やニトロソグアニジン(NTG)、エチルメタンスルホン酸(EMS)等突然変異誘導剤等による処理を施して、酸、胆汁連続処理での高い生残性を有する株を選択することも可能である。
【0038】
これらの作出方法、あるいはその他の方法によってでも、得られた酸、胆汁連続処理で高い生残性を有するビフィドバクテリウム属細菌は、いずれも高い腸内到達度又は回収率を示すものである。なお、上記の2菌株は、いずれも酸、胆汁連続処理後の生残性が35%以上の優れた菌株である。
【0039】
また、本発明は、上記酸、胆汁連続処理での高い生残性を有するビフィドバクテリウム属細菌及びシロップを含有する発酵乳飲食品に関する。発酵乳飲食品の形態としては、前記と同じものが挙げられる。
【実施例】
【0040】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0041】
参考例1
ビフィドバクテリウム・ブレーベ4052株(B. breve A)を親株とし、N−メチル−N′−ニトロソグアニジン(NTG)処理を施した菌体を嫌気脱脂乳培地にて培養後、その1mLを酸処理液(pH3.8)10mLに添加し、37℃で、8分間処理した。その1%量を嫌気脱脂乳培地に接種して、37℃、20時間培養した。培養後、10℃にて4日間保存後、その1mLを酸処理液(pH3.8)10mLに添加して、同様に処理を行った後、処理後の菌体を脱脂乳培地にて培養した。得られた培養物から単一のコロニーを数株選び、酸耐性を比較したところ、酸耐性の向上した株としてビフィドバクテリウム ブレーベN4株(B. breve B)が選抜された。この株は同時に胆汁耐性も向上していた。
【0042】
嫌気脱脂乳培地の組成
脱脂粉乳 12%
酵母エキス 1%
システイン 0.03%
炭酸カルシウム 2%
窒素を20分吹き込んだ後にゴム栓をし、115℃、20分間オートクレーブ滅菌する。
【0043】
実施例1
100℃、90分間殺菌した18%全脂乳培地(0.03%酵母エキス添加)にB.breve A、B(N4株)及びB.bifidum C(YIT4007株)のシードカルチャーを接種し、34℃にて約20時間培養して、3種の発酵乳を得た。得られた発酵乳それぞれにぶどう糖果糖液糖を終濃度が8%となるように添加し、これを供試サンプルとした。このサンプルをガラス容器に分注し、ゴム栓をして空気の流入を遮断した状態で、10℃にて7日間保存した。
【0044】
これらのサンプルについて、ヒトにおける飲用後の糞便へのビフィズス菌の回収性を測定した。健康な成人男子18名(平均年令33歳)を無作為に3群に分け、各菌株で調製した発酵乳を1日100mL、3日間飲用してもらった。飲用終了日の翌日、便の回収を行い、嫌気希釈水で段階希釈し、選択プレートに生じるコロニー数から回収菌数を算出した。B.breve A、B株についてはT−CBPCプレートを、B.bifidum C株についてはT−LCMプレートを用いた。
【0045】
嫌気希釈水の組成
リン酸二水素カリウム 0.0225%
リン酸水素二カリウム 0.0225%
塩化ナトリウム 0.045%
硫酸アンモニウム 0.0225%
塩化カルシウム 0.00225%
硫酸マグネシウム 0.00225%
【0046】
上記組成を蒸留水に溶解した後、窒素を吹き込んで嫌気状態にし、ゴム栓をして空気の流入を遮断してオートクレーブ殺菌(121℃、15分)する。
【0047】
T−CBPCプレートの組成
TOS(ヤクルト製) 1%
トリプチケースペプトン(BBL) 1%
酵母エキス(Difco) 0.1%
リン酸二水素カリウム 0.3%
リン酸水素二カリウム 0.45%
硫酸アンモニウム 0.3%
硫酸マグネシウム 0.02%
システイン塩酸塩 0.05%
Lab-Lemco powder(OXOID) 0.1%
寒天(Difco) 1.5%
【0048】
上記組成を蒸留水に溶解後、115℃、15分オートクレーブ殺菌する。50℃まで冷却後、ろ過滅菌したCarbenicillin(Sigma)及びStreptomycinaulfate(Sigma)をそれぞれ終濃度が1μg/mL、0.5%となるように添加し、寒天平板を作製する。
【0049】
T−LCMプレートの組成
ろ過滅菌した抗生剤としてCarbenicillin(Sigma)を1μg/mL添加する代わりに、Lincomycin(Sigma)を2μg/mL添加するほかはT−CBPCプレートと共通である。
その結果、3株のビフィズス菌で調製した発酵乳の回収性には以下の様な差がみられた。
【0050】
【表1】

【0051】
実施例2
実施例1の回収性を反映するin vitroのモデル系の検討を行った。この際、簡便さを優先し、処理は30分から1時間で終了する系を検討した。
まず、消化管の中で最初に通過する胃のモデルとして、酸処理に対する耐性を評価した。酸処理液としては、小林らの方法(日細菌誌、29、691−697、1974)を参考にし、ビスィズス菌培地に酸を加え、pHを下げた溶液を用いた。
【0052】
酸処理液の組成
トリプチケースペプトン(BBL) 1%
酵母エキス(Difco) 0.5%
トリプトース(Difco) 0.3%
塩化ナトリウム 0.2%
クエン酸−アンモニウム 0.2%
システイン塩酸塩 0.05%
ラクトース 1%
ピルビン酸 0.1%
ツイーン80 0.1%
硫酸マグネシウム 0.0575%
硫酸第一鉄 0.0034%
硫酸マンガン 0.012%
【0053】
上記組成を蒸留水に溶解した後、酢酸等の酸を添加して、pH3〜5.5に調整し、121℃、15分オートクレーブ滅菌する。
酸処理液のpHに関して検討した結果、pHを3.8以上に設定すれば1〜30分の処理後の生残菌数が測定可能であったため、pH3.8の酸処理液を用いることとした。
pH3.8の酸処理液10mLに、実施例1で用いた3種のサンプルを1mL加え、37℃でインキュベートした。処理中に適宜サンプリングを行い、生菌数測定を行った。得られたデータより死滅速度を測定した結果以下のようになった。
【0054】
【表2】

【0055】
この結果より、酸処理による死滅速度に関してはB株が最も良好となり、実施例1に示す実際の飲用回収菌数の順と矛盾がみれらた。
【0056】
実施例3
次に腸に到達した場合を考えて、胆汁処理に対する耐性を比較した。酸処理と同様、処理時間や生菌数が測定可能かを考慮した場合、oxgallを用いた以下の組成の処理液が適当であると判断した。
【0057】
胆汁処理液の組成
トリプチケースペプトン(BBL) 1%
酵母エキス(Difco) 0.5%
トリプトース(Difco) 0.3%
リン酸水素二ナトリウム12水塩 2.03%
リン酸二水素ナトリウム2水塩 0.156%
クエン酸二アンモニウム 0.2%
システイン塩酸塩 0.05%
ラクトース 1%
ピルビン酸 0.1%
ツイーン80 0.1%
硫酸マグネシウム 0.0575%
硫酸第一鉄 0.0034%
硫酸マンガン 0.012%
【0058】
上記組成を蒸留水に溶解した後、Oxgall(Difco)を0.1〜5%加えて溶解し、水酸化ナトリウム溶液を用いてpH8.0に調整し、121℃、15分オートクレーブ滅菌する。
Oxgallの濃度について検討した結果、Oxgall濃度を1%以下に設定すれば1〜30分の処理後の生残菌数が測定可能であったため、1%のOxgallを含む胆汁処理液を用いることとした。1% Oxgallを含む胆汁処理液10mLに、実施例1で用いた3種のサンプルを1mL加え、37℃にて30分間処理し、処理後の生菌数を測定した。得られたデータより、胆汁処理による生残率を算出した結果以下のようになった。
【0059】
【表3】

【0060】
胆汁に対しての耐性についても、B株が最も良好で、実際の回収性との矛盾がみられた。
【0061】
実施例4
消化管を通過する際は、胃と腸を連続して通過することを考慮し、in vitro処理も酸処理と胆汁処理を連続して行ってみた。この酸、胆汁連続処理の場合は、酸の処理液のpHを4.3以上にし、胆汁処理液に含まれるOxgall濃度を1%と設定すれば処理後の生残菌数の測定が可能であった。すなわち、以下のような処理を酸胆汁連続処理として行った。
pH4.3に酢酸を用いて調整した酸処理液10mLに、実施例1で用いたシロップ入り発酵乳を1mL加え、37℃にて30分間処理した。処理後の酸処理液1mLをただちに1% Oxgallを含む胆汁処理液に添加し、更に37℃、30分間処理した。この酸胆汁連続処理後の菌の生残率を3株間で比較すると以下のようになった。
【0062】
【表4】

【0063】
この連続処理による評価では、実施例1に示す実際の回収性の順との一致がみれらた。つまり、酸、又は胆汁の単独処理では処理後の生残率はB株が最も高かったのに対し、酸、胆汁連続処理では処理後の生残率はC株が最も高く、実際の飲用回収性との一致が見られた。よって、in vitro 連続処理の結果をもとに飲用回収性を予測できる可能性があることが見い出された。
【0064】
実施例5
この連続処理による評価を、以下の方法で胆汁耐性を付与した育種株B.breve NE株(D株)において行った。
B. breve A株を元株として、まず変異処理を行った。5μg/mL NTGを含む50mMリン酸緩衝液(pH7.0)と、B. breve の洗浄菌体を1:1で混合し、37℃で30分処理したのち、リン酸緩衝液(pH7.0)で2回洗浄した。この菌体を栄養培地に1%接種し、37℃で16時間培養した。
このNTG処理した菌体に、更にEMS処理を行った。0.4% EMSを含む50mM リン酸緩衝液(pH7.0)と上記培養菌体を1:1で混合し、37℃で30分処理したのち、リン酸緩衝液(pH7.0)で2回洗浄した。この菌体を栄養培地に1%接種し、37℃で16時間培養した。
【0065】
この菌体を初発の種菌(0.03%酵母エキス添加)としてシードカルチャーを作製し、100℃、90分間滅菌した18%全脂乳培地に接種し、34℃にて約20時間培養して発酵乳を調製した。ここに、終濃度が8%になるようにぶどう糖果糖液糖を加え、ガラス容器に分注した後、ゴム栓をして10℃、10日間保存した。保存後のサンプルを10mLとり、実施例4に示す組成の2% Oxgallを含む胆汁処理液100mLに加え、37℃、30分間胆汁処理した。処理後、5000×g、10分間遠心して菌体を回収し、寒天平板に塗抹し、得られた培養物から単一コロニーを数株選び、耐性の向上した、D株を得た。
この菌株とC株を用い、実施例1と同様にシロップ入り発酵乳を調製し、10℃、7日間保存したサンプルを用いて実施例4と同様の方法により酸胆汁連続耐性を比較すると以下の様な結果となった。
【0066】
【表5】

【0067】
これらのサンプルについて同時に、飲用試験を行った。健康成人12名を2群に分け、実施例5で調製したシロップ入り発酵乳2種をそれぞれ1日100mL、3日間飲用してもらった。飲用終了日の翌日、便の回収を行い、嫌気希釈水で段階希釈し、選択プレートに生じるコロニー数から回収菌数を算出した。B.breve D株についてはT−CBPCプレートを、B.bifidum C株についてはT−LCMプレートを用いた。その結果を以下に示す。
【0068】
【表6】

【0069】
これらの結果より、胆汁処理のみを行って育種したD株は、酸胆汁連続処理後の生残性が20%には至らず、飲用回収菌数も1×107 に満たないことがわかった。
【0070】
実施例6
連続処理による耐性評価と飲用回収性が相関する可能性が高いことが見出されたので、連続処理による菌株の育種を行い、得られた耐性株の飲用回収性について検討した。
A株を元株としてシードカルチャーを作製し、135℃、3.5秒UHT殺菌した20%全脂乳(0.03%酵母エキス添加)に接種し、34℃にて約20時間培養して発酵乳を得た。ここに、パラチノースを終濃度が10%になるように加え、ガラス容器に分注し、ゴム栓をして空気の流入を遮断した状態で、10℃、11日間保存した。保存後のサンプルを10mLとり、実施例4に示す組成のpH4.3に調製した酸処理液100mLに添加し、37℃にて30分間処理した。処理液の10mLをただちに1% Oxgallを含む胆汁処理液に加え、37℃にて30分間処理した。この後、5640×gで10分間遠心して菌体を回収し、寒天平板に塗抹し、得られた培養物から単一のコロニーを数株選び、酸、胆汁連続耐性の向上した菌株 B. breve YIT4125株(以下、4125株ともいう)及びYIT4126株(以下、4126株ともいう)を得た。
【0071】
これらの株及びA株を用い、実施例6冒頭と同様の方法でシロップ入り発酵乳を調製、10℃にて7日間保存後、実施例4と同様の方法により酸胆汁連続処理後の生残菌数を求めた。
また、このサンプルについて飲用試験も行った。健康な成人男子10名を2群に分け、4125株又はA株で調製したサンプルのいずれかを1日100mL、3日間飲用してもらい、飲用終了の翌日の便を回収、投与菌の回収性をT−CBPCプレートを用いて測定した。1週間の間隔を置いて各群のボランティアに、前回と異なるサンプルを飲用してもらい、回収菌数を求めた。この2回分の結果は菌株ごとにまとめ、その平均値を回収菌数とした。
以上の保存7日目の製品における酸、胆汁連続処理後の生残性結果と、飲用回収性結果、及び7日間保存中の製品中の生菌数の変化率を表7に示した。なお、この場合の変化率とは、低温保存中の1日あたりに減少する生菌数を対数で表したものである。
【0072】
【表7】

【0073】
ここで得られた4125株及び4126株は、酸胆汁耐性が20%以上であった。また、4125株の飲用時の回収菌数は1×107 以上であった。
更に、保存中の製品中生菌数の変化率も小さく、高菌数が維持されていた。
以上の結果から、この酸胆汁連続処理後の生残性が20%以上であれば、飲用時の回収菌数が107 cfu/mLになることがわかった。
上記サンプルについて、引き続き10℃、3週間の保存試験を行った。3週間保存後の製品中生菌数の生残率を表8に示した。
【0074】
【表8】

【0075】
得られた4125株は3週間保存しても製品中の菌の生残率が良好であった。
【0076】
実施例7
次に市販製品について検討を行った。市販のシロップ入りビフィドバクテリウム属細菌含有発酵乳(発酵乳E)及び4125株により作製した実施例6の発酵乳(いずれも7日保存相当)の酸胆汁連続耐性を実施例4と同様に測定した。
同時に健康成人1名がそれぞれの製品を1週間の間隔を空けて昼食後に飲用し、翌日の便に含まれる製品由来のビフィドバクテリウム属細菌数を測定した。製品由来のビフィドバクテリウム属細菌数は、まずTOSプレート(実施例1のT−CBPCプレートを抗生物質を加えずに作製したもの)で、糞便中のビフィドバクテリウム属細菌のみを選択的に生育させ、その中からRandam Amplified Polymorphic DNA Fingerprinting(RAPD法)を用いて製品由来のビフィドバクテリウム属細菌を同定し、その存在割合から回収菌数を算出した。結果を表9に示す。
【0077】
【表9】

【0078】
市販のシロップ入り発酵乳についても、酸、胆汁連続処理後の生残率が20%未満であり、飲用回収率も1×107 cfu/mLに満たなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビフィドバクテリウム属細菌を含有する発酵乳飲食品を、pH4.3の酸で37℃30分間処理、次いで胆汁を1%含む溶液で37℃30分間連続処理したとき、これらの処理後の生残性が20%以上であるビフィドバクテリウム属細菌。
【請求項2】
ビフィドバクテリウム・ブレーベ、ビフィドバクテリウム・ビフィダム又はビフィドバクテリウム・ロンガムである請求項1記載のビフィドバクテリウム属細菌。
【請求項3】
ビフィドバクテリウム・ブレーベYIT 4125株又はビフィドバクテリウム・ブレーベ YIT4126株である請求項1又は2記載のビフィドバクテリウム属細菌。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項記載のビフィドバクテリウム属細菌を含むことを特徴とするビフィドバクテリウム属細菌を含有する発酵乳飲食品。
【請求項5】
7日間保存した当該発酵乳飲食品を、pH4.3の酸で37℃30分間処理、次いで胆汁を1%含む溶液で37℃30分間連続処理したとき、これらの処理後のビフィドバクテリウム属細菌の生残性が20%以上である請求項4記載の発酵乳飲食品。
【請求項6】
更に、シロップを含有する請求項4又は5記載の発酵乳飲食品。

【公開番号】特開2008−237224(P2008−237224A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−134214(P2008−134214)
【出願日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【分割の表示】特願2002−561053(P2002−561053)の分割
【原出願日】平成13年12月21日(2001.12.21)
【出願人】(000006884)株式会社ヤクルト本社 (132)
【Fターム(参考)】