説明

ビフェニルスルフィド化合物及び殺虫・殺ダニ剤

【課題】
農園芸分野で有害となる種々の昆虫及び/又はダニ類に高い活性を有し、残効性に優れ、抵抗性を獲得した各種害虫に対しても低薬量で十分な防除効果を示し、特に柑橘類の重要害虫であるミカンサビダニに対して優れた殺ダニ活性を有する化合物を提供する。
【解決手段】
式[I]
【化1】


(nは0又は1を示し、RはC1〜C6ハロアルキル基を示す。)で表されるビフェニルスルフィド化合物。
【発明の効果】
該ビフェニルスルフィド化合物を有効成分として含有する殺虫及び/又は殺ダニ剤、及び該ビフェニルスルフィド化合物の有効量を施用する農園芸分野の有害な昆虫、ダニ類を防除する方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規なビフェニルスルフィド化合物及びそれを有効成分として含有する殺虫・殺ダニ剤に関する。
【背景技術】
【0002】
農園芸分野では、各種害虫の防除を目的とした様々な殺虫・殺ダニ剤が開発され使用されている。しかしながら、従来から使用されてきた農園芸用殺虫・殺ダニ剤は、殺虫・殺ダニ効果、殺虫・殺ダニスペクトラム、残効性等の点において必ずしも満足すべきものではない。また、施用回数や施用薬量の低減等の要求を満足しているとはいえないものであった。
【0003】
近年、従来から使用されてきた殺虫・殺ダニ剤に対して抵抗性を獲得した害虫の出現も問題となっており、これらの抵抗性害虫に起因する各種病害虫の防除が年々困難になっている。
【0004】
そこで、従来から使用されてきた農園芸用殺虫・殺ダニ剤に抵抗性を獲得した各種害虫に対しても低薬量で十分な防除効果を示し、スペクトラムが広く、しかも環境への影響が少ない新規な殺虫・殺ダニ剤の開発が切望されている。
【0005】
一方、既知の殺虫・殺ダニ剤として、3−アリールフェニルスルフィド誘導体が知られている(特許文献1)。特許文献1に記載の化合物群はナミハダニに対して高い効果を示すものの、柑橘類の重要な害虫であるミカンサビダニに対する活性は必ずしも十分なものではない。
【特許文献1】特開2000−198768号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、特許文献1の殺虫・殺ダニ剤が有していた前記の如き問題を解決し、農園芸分野で有害となる種々の昆虫及び/又はダニ類に高い活性を有し、特に柑橘類の重要害虫であるミカンサビダニに対しても優れた殺ダニ活性を有する化合物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、前記した好ましい特性を有する殺虫・殺ダニ剤を開発するために、特許文献1には記載のないビフェニルスルフィド化合物を種々合成し、その殺虫・殺ダニ活性について検討を重ねた。その結果、(4−フルオロ−2−メチルフェニル)2,2,2−トリフルオロエチルスルフィド化合物において、フェニル基の5位にトリ置換フェニル基を導入した新規なビフェニルスルフィド化合物を開発し、該化合物が、種々の有害昆虫及び/又はダニ類に高い活性を有し、特にミカンサビダニに対して優れた殺ダニ活性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明は、次の(1)〜(5)に関するものである。
(1)式[I]
【0009】
【化1】

【0010】
(nは0又は1を示し、RはC1〜C6ハロアルキル基を示す。)で表されるビフェニルスルフィド化合物。
(2)式[I]において、nが1であり、RがC1〜C3ハロアルキル基である前記(1)に記載のビフェニルスルフィド化合物。
(3)前記(1)又は(2)に記載のビフェニルスルフィド化合物を有効成分として含有する殺虫及び/又は殺ダニ剤。
(4)前記(1)又は(2)に記載のビフェニルスルフィド化合物の有効量を施用して、農園芸分野の有害な昆虫及び/又はダニ類を防除する方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、農園芸分野で有害となる種々の昆虫及び/又はダニ類に高い活性を有し、特に柑橘類の重要害虫であるミカンサビダニに対して優れた殺ダニ活性を有する新規なビフェニルスルフィド化合物が提供される。また、該ビフェニルスルフィド化合物を有効成分として含有する殺虫・殺ダニ剤、及び該ビフェニルスルフィド化合物の有効量を施用する、農園芸分野の有害な昆虫及び/又はダニ類を防除する方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
ここで本明細書に記載された記号及び用語について説明する。
【0013】
ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を示す。
【0014】
C1〜C6等の表記は、これに続く置換基の炭素数が、この場合では1〜6であることを示している。
【0015】
C1〜C3ハロアルキル基とは、特に限定しない限り、同一又は相異なるハロゲン原子でモノ置換又はポリ置換された炭素数が1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示し、ジフルオロメチル、ジクロロメチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、クロロジフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、ブロモジフルオロメチル、2−フルオロエチル、2−クロロエチル、2−ブロモエチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−クロロ−2,2−ジフルオロエチル、1,1,2,2−テトラフルオロエチル、2−クロロ−1,1,2−トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、2−クロロ−1,1,2,2−テトラフルオロエチル、3,3,3−トリフルオロプロピル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル、2,3,3,3−テトラフルオロプロピル、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル、ヘプタフルオロプロピル、1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル、3−クロロ−1,1,2,3,3−ペンタフルオロプロピル、2−クロロ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロピル等の基をあげることができる。
【0016】
C1〜C6ハロアルキル基とは、特に限定しない限り、同一又は相異なるハロゲン原子でモノ置換又はポリ置換された炭素数が1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示し、前記C1〜C3ハロアルキル基の例示に加え、4,4,4−トリフルオロブチル、3,3,4,4,4−ペンタフルオロブチル、1,1,2,3,3,4,4−ヘプタフルオロブチル、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル、5,5,5−トリフルオロペンチル、3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロペンチル、2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチル、6,6,6−トリフルオロヘキシル、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロヘキシル、1,1,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ドデカフルオロヘキシル等の基をあげることができる。
【0017】
前記式[I]において、好ましい化合物群としては、Rがフッ素原子、塩素原子、臭素原子が2〜6個置換したC1〜C3ハロアルキル基であり、nが0又は1である化合物群があげられる。
さらに好ましい化合物群としては、Rがジフルオロメチル基、ブロモジフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基又は1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル基であり、nが1である化合物群があげられる。
【0018】
次に、式[I]で表される本発明化合物の具体例を表1に記載するが、本発明化合物はこれらの化合物に限定されるものではない。また、これらの化合物は個々の純粋な光学異性体、ラセミ体及び光学異性体の任意の割合の混合物を含む。尚、表1における化合物番号は以後の記載において引用される。
【0019】
【表1】

【0020】
式[I]で表される本発明化合物は、以下に示す製造法に従って製造することができるが、これらの方法に限定されるものではない。
【0021】
<製造方法1>
式[I−a]で表される本発明化合物は下記に例示する反応工程からなる方法により製造することができる。
【0022】
【化2】

【0023】
(式中、Rは前記と同じ意味を表し、Lはハロゲン原子又はトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を表す。)
(工程A)
式[III]で表される化合物と式[II−a]で表される化合物とを、溶媒中、塩基及び遷移金属触媒の存在下で反応させることにより、式[I−a]で表される本発明化合物を製造することができる。
【0024】
ここで使用する式[III]で表される化合物の使用量は、式[II−a]で表される化合物1.0モルに対して0.7〜10.0モルであり、好ましくは0.8〜1.5モルである。
(工程B)
式[IV]で表される化合物と式[II−b]で表される化合物とを、溶媒中、塩基及び遷移金属触媒の存在下で反応させることにより、式[I−a]で表される本発明化合物を製造することができる。
【0025】
ここで使用する式[II−b]で表される化合物の使用量は、式[IV]で表される化合物1.0モルに対して0.7〜10.0モルであり、好ましくは0.8〜1.5モルである。
【0026】
工程A及び工程Bで使用する遷移金属触媒としては、パラジウム−活性炭素、酢酸パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、トリス(ジベンザルアセトン)パラジウム等のパラジウム化合物類;ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルクロリド、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル等のニッケル化合物類等が挙げられる。
【0027】
前記遷移金属触媒の使用量は、式[III]で表される化合物又は式[II−b]で表される化合物1.0モルに対して、0.01〜1.0モルであり、好ましくは0.02〜0.1モルである。
【0028】
工程A及び工程Bで使用する溶媒としては、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の非プロトン性極性溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類;酢酸エチル、プロピオン酸エチル等のエステル類;ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;水、エタノール等のプロトン性溶媒;又はこれらの混合溶媒があげられる。
【0029】
上記溶媒の使用量は、式[III]で表される化合物又は[II−b]で表される化合物1.0モルに対して0.1〜100L(リットル)であり、好ましくは1.0〜5.0Lである。
【0030】
工程A及び工程Bで使用する塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩類;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属重炭酸塩類等の無機塩基類;水素化ナトリウム、水素化カリウム等の金属水素化物類;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド等のアルコール金属塩類;又はトリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、4−N,N−ジメチルアミノピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン等の有機塩基類があげられる。
【0031】
上記塩基の使用量は、式[III]で表される化合物又は[II−b]で表される化合物1.0モルに対して1.5〜4.0モルであり、好ましくは2.0〜2.5モルである。
【0032】
反応温度は−70℃から反応系における還流温度までの任意の範囲から選択すればよく、好ましくは−20℃〜150℃の温度範囲である。
【0033】
反応時間は反応温度、反応基質、反応量等により異なるが、10分〜20時間の範囲から選択すればよく、好ましくは1〜3時間である。
【0034】
<製造方法2>
式[I−a]で表される本発明化合物は、下記に例示する反応式からなる方法でも製造することができる。
【0035】
【化3】

【0036】
(式中、Rは前記と同じ意味を表し、Xはハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基、(置換)アリールスルホニルオキシ基、ハロアルキルスルホニルオキシ基等の脱離基を表す。また、C2〜C6ハロアルケンとは例えばパーフルオロエテン、パーフルオロプロペン、クロロトリフルオロエテン等を例示できる。)
式[V]で表される化合物と、式R−Xで表される化合物又はC2〜C6ハロアルケンとを、溶媒中、塩基の存在下で反応させることにより、式[I−a]で表される本発明化合物を製造することができる。
【0037】
ここで使用する式R−Xで表される化合物又はC2〜C6ハロアルケンの使用量は、式[V]で表される化合物1.0モルに対して1.0〜10モルであり、好ましくは1.0〜1.5モルである。
【0038】
使用する溶媒としては、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の非プロトン性極性溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類;酢酸エチル、プロピオン酸エチル等のエステル類;ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;ピリジン、ピコリン等のピリジン類;又はこれらの混合溶媒があげられる。
【0039】
上記における溶媒の使用量は、式[V]で表される化合物に対して0.1〜100Lであり、好ましくは0.5〜5.0Lである。
【0040】
使用する塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩類;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属重炭酸塩類等の無機塩基類;水素化ナトリウム、水素化カリウム等の金属水素化物類;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド等のアルコール金属塩類;又はトリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、4−N,N−ジメチルアミノピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン等の有機塩基類があげられる。
【0041】
塩基の使用量は式[V]で表される化合物1.0モルに対して1.0〜10モルであり、好ましくは1.0〜2.0モルである。
【0042】
反応温度は−10℃から反応系における還流温度までの任意の範囲から選択すればよく、好ましくは0℃〜60℃の温度範囲である。
【0043】
反応時間は反応温度、反応基質、反応量等により異なるが、10分〜20時間の範囲から選択すればよく、好ましくは1〜3時間である。
【0044】
<製造方法3>
式[I−b]で表される本発明化合物は、下記に例示する反応式からなる方法により製造することができる。
【0045】
【化4】

【0046】
(式中、Rは前記と同じ意味を表す。)
式[I−a]で表される化合物と酸化剤とを、触媒の存在下又は非存在下、溶媒中で反応させることにより、式[I−b]で表される本発明化合物を製造することができる。
【0047】
酸化剤としては、例えば過酸化水素水、m−クロロ過安息香酸、過安息香酸、過ヨウ素酸ナトリウム、オキソン(OXONE、イー・アイ・デュポン社商品名;ペルオキソ硫酸水素カリウム含有物)、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、次亜塩素酸 tert−ブチル、次亜塩素酸ナトリウム等が挙げられる。
【0048】
ここで使用する酸化剤の使用量は、式[I−a]で表される化合物1.0モルに対して1.0〜6モルであり、好ましくは1.0〜1.5モルである。
【0049】
触媒としては例えばタングステン酸ナトリウム等があげられる。
【0050】
ここで使用する触媒の使用量は、式[I−a]で表される化合物1.0モルに対して0.001〜1.0モルであり、好ましくは0.01〜0.05モルである。
【0051】
使用する溶媒としては、反応を阻害しない溶媒であれば良く、例えばクロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン化アルカン類;クロロベンゼン、トリフルオロメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;酢酸等をあげることができる。
【0052】
上記溶媒の使用量は[I−a]で表される化合物1.0モルに対して0.1〜100Lであり、好ましくは1.0〜5.0Lである。
【0053】
反応温度は−30℃から反応系における還流温度までの任意の範囲から選択すればよく、好ましくは−10℃〜20℃の温度範囲である。
【0054】
反応時間は反応温度、反応基質、反応量等により異なるが、好ましくは10分〜20時間の範囲から選択すればよい。
【0055】
本発明化合物を殺虫・殺ダニ剤の有効成分として使用するに際しては、本発明化合物それ自体で用いてもよいが、農薬補助剤として製剤化に一般的に用いられる固体担体、液体担体、界面活性剤、及びその他補助剤を配合して、乳剤、懸濁剤、粉剤、粒剤、錠剤、水和剤、水溶剤、液剤、フロアブル剤、顆粒水和剤、エアゾール剤、ペースト剤、油剤、乳濁剤、くん煙剤等の種々の形態に製剤することができる。これらの配合割合は通常、有効成分である本発明化合物が0.1〜90質量%であり、農薬補助剤が10〜99.9質量%であることが好ましい。
【0056】
固体担体としては、例えば、澱粉、活性炭、大豆粉、小麦粉、木粉、魚粉、粉乳等の動植物性粉末、タルク、カオリン、ベントナイト、炭酸カルシウム、ゼオライト、珪藻土、ホワイトカーボン、クレー、アルミナ、硫安、尿素等の無機物粉末があげられる。
【0057】
液体担体としては、例えば、水;イソプロピルアルコール、エチレングリコール等のアルコール類;シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル類;ケロシン、軽油等の脂肪族炭化水素類;キシレン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン、メチルナフタリン、ソルベントナフサ等の芳香族炭化水素類;クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;N,N−ジメチルアセトアミド等の酸アミド類;脂肪酸のグリセリンエステル等のエステル類;アセトニトリル等のニトリル類;ジメチルスルホキシド等の含硫化合物類等があげられる。
【0058】
界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩、ジナフチルメタンジスルホン酸金属塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩、アルコール硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、ポリオキシエチレングリコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノアルキレート等があげられる。
【0059】
その他の補助剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、グアーガム、トラガントガム、ポリビニルアルコール等の固着剤あるいは増粘剤、金属石鹸等の消泡剤、脂肪酸、アルキルリン酸塩、シリコーン、パラフィン等の物性向上剤、着色剤等を用いることができる。
【0060】
これらの製剤の実際の使用に際しては、そのまま使用するか、又は水等の希釈剤で所定濃度に希釈して使用することができる。本発明化合物を含有する種々の製剤、又はその希釈物の施用は、通常一般に行なわれている施用方法、即ち、散布(例えば噴霧、ミスティング、アトマイジング、散粉、散粒、水面施用、箱施用等)、土壌施用(例えば混入、潅注等)、表面施用(例えば塗布、粉衣、被覆等)、浸漬、毒餌、くん煙施用等により行うことができる。また、家畜に対して前記有効成分を飼料に混合して与え、その排泄物によって有害虫、特に有害昆虫の発生、成育を防除することも可能である。また、いわゆる超高濃度少量散布法により施用することもできる。この方法においては、活性成分を100%含有することが可能である。有効成分の配合割合は必要に応じ適宜選ばれるが、粉剤及び粒剤とする場合は好ましくは0.1〜20質量%、また、乳剤及び水和剤とする場合は好ましくは1〜80質量%が適当である。
【0061】
本発明の殺虫・殺ダニ剤の施用は、希釈剤で希釈して使用する場合には一般に0.1〜5000ppmの有効成分濃度で行なう。製剤をそのまま使用する場合の単位面積あたりの施用量は、有効成分化合物として1ha当り0.1〜5000gで使用されるが、これらに限定されるものではない。
【0062】
尚、本発明化合物は単独でも十分有効であることはいうまでもないが、必要に応じて他の肥料、農薬、例えば殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、抗ウイルス剤、誘引剤、除草剤、植物生長調整剤などと混用、併用することができ、この場合に一層優れた効果を示すこともある。
【0063】
混用又は併用することができる他の殺虫剤化合物を次に例示する。
アセタミプリド(acetamiprid)、クロチアニジン(clothianidin)、ジノテフラン(dinotefuran)、イミダクロプリド(imidacloprid)、ニテンピラム(nitenpyram)、チアクロプリド(thiacloprid)、チアメトキサム(thiamethoxam)、エチプロール(ethiprole)、フィプロニル(fipronil)、アセトプロール(acetoprol)、クロマフェノイド(chromafenozide)、ハロフェノジド(halofenozide)、メトキシフェノジド(methoxyfenozide)、テブフェノジド(tebufenozide)、アクリナトリン(acrinathrin)、アレスリン(allethrin)、アルファ−シペルメトリン(alpha-cypermethrin)、ベータ・シフルトリン(beta-cyfluthrin)、ベータ−シペルメトリンbeta-cypermethrin)、ビフェントリン(bifenthrin)、ビオアレトリン(bioallethrin)、ビオレスメトリン(bioresmethrin)、シクロプロトリン(cycloprothrin)、シフルトリン(cyfluthrin)、シハロトリン(cyhalothrin)、シペルメトリン(cypermethrin)、シフェノトリン(cyphenothrin )、デルタメトリン(deltamethrin)、エンペントリン(empenthrin )、エスフェンバレレート(esfenvalerate)、フェンプロパトリン(fenpropathrin)、フェンバレレート(fenvalerate)、フルシトリネート(flucythrinate)、フルメトリン(flumethrin)、ガンマ・シハロトリン(gamma-cyhalothrin)、イミプロトリン(imiprothrin)、ラムダ・シハロトリン(lambda-cyhalothrin)、メトトリン(methothrin)、ペルメトリン(permethrin)、フェノトリン(phenothrin)、プラレトリン(prallethrin)、レスメトリン(resmethrin)、カデスリン(Kadethrin)、タウフルバリネート(tau-fluvalinate)、テフルトリン(tefluthrin)、テトラメスリン(tetramethrin)、ゼタ・シペルメトリン(zeta-cypermethrin)、トラロメトリン(tralomethrin)、トランスフルトリン、(transfluthrin)、エトフェンプロックス(etofenprox)、ハルフェンプロックス(halfenprox)、シラフルオフェン(silafluofen)、ベンスルタップ(bensultap)、カルタップ(cartap)、チオシクラム(thiocyclam)、チオスルタップ(thiosultap-sodium)、アセフェート(acephate)、アザメチホス(azamethiphos)、アジンホス・エチル(azinphos-ethyl)、アジンホス・メチル(azinphos-methyl)、カズサホス(cadusafos)、クロルエトキシホス(chlorethoxyfos)、クロルフェンビンホス(chlorfenvinphos)、クロルメホス(chlormephos)、クロルピリホス(chlorpyrifos)、クロルピリホス・メチル(chlorpyrifos-methyl)、クマホス(coumaphos)、シアノホス(cyanophos)、デメトン・S・メチル(demeton-S-methyl)、ダイアジノン(diazinon)、ジクロルボス(dichlorvos)、ジクロトホス(dicrotophos)、ジメトエート(dimethoate)、ジメチルビンホス(dimethylvinphos)、ジスルホトン(disulfoton)、EPN、エチオン(ethion)、エトプロホス(ethoprophos)、ファムフル(famphur)、フェナミホス(fenamiphos)、フェニトロチオン(fenitrothion )、フェンチオン(fenthion)、ホスチアゼート(fosthiazate)、ヘプテノホス(heptenophos)、イソカルボホス(isocarbophos)、イソキサチオン(isoxathion)、マラチオン(malathion)、メカルバム(mecarbam)、メタミドホス(methamidophos)、メチダチオン(methidathion)、メビンホス(mevinphos)、モノクロトホス(monocrotophos)、ナレッド(naled)、オメトエート(omethoate)、オキシジメトン・メチル(oxydemeton-methyl)、パラチオン(parathion)、パラチオン・メチル(parathion-methyl)、フェントエート(phenthoate)、ホレート(phorate)、ホサロン(phosalone)、ホスメット(phosmet)、ホスファミドン(phosphamidon)、ホキシム(phoxim)、ピリミホス・メチル(pirimiphos-methyl)、プロフェノフォス(profenofos)、プロペタムホス(propetamphos)、プロチオホス(prothiofos)、ピラクロホス(pyraclofos)、ピダフェンチオン(pyridaphenthion)、キナルホス(quinalphos)、スルホテップ(sulfotep)、テブピリムホス(tebupirimfos)、テメホス(temephos)、テルブホス(terbufos)、テトラクロルビンホス(tetrachlorvinphos)、チオメトン(thiometon)、トリアゾホス(triazophos)、トリクロルホン(trichlorfon)、バミドチオン(vamidothion)、イミシアホス(imicyafos)、フルピラゾホス(flupyrazofos)、アルジカルブ(aldicarb)、ベンダイオカルブ(bendiocarb)、ベンフラカルブ(benfuracarb)、カルバリル(carbaryl)、カルボフラン(carbofuran)、カルボスルファン(carbosulfan)、エチオフェンカルブ(ethiofencarb)、フェノブカルブ(fenobucarb)、ホルメタネート(formetanate)、フラチオカルブ(furathiocarb)、イソプロカルブ(isoprocarb)、メチオカルブ(methiocarb)、メソミル(methomyl)、メトルカルブ(metolcarb)、オキサミル(oxamyl)、ピリミカルブ(pirimicarb)、プロピキスル(propoxur)、トリメタカルブ(trimethacarb)、XMC、キシリルカルブ(xylylcarb)、アラニカルブ(alanycarb)、ブトカルボキシム(butocarboxim)、ブトキシカルボキシム(butoxycarboxim)、チオジカルブ(thiodicarb )、チオファノックス(thiofanox)、ビストリフルロン(bistrifluron)、クロルフルアズウロン(chlorfluazuron)、ジフルベンズウロン(diflubenzuron )、フルシクロクスウロン(flucycloxuron)、フルフェノクスウロン(flufenoxuron)、ヘキサフルムロン(hexaflumuron)、ルフェヌロン(lufenuron)、ノバルロン(novaluron)、ノビフルムロン(noviflumuron)、テフルベンズウロン(teflubenzuron)、トリフルムロン(triflumuron)、アバメクチン(abamectin)、エマメクチン(emamectin)、クロルフェナピル(chlorfenapyr)、フェノキシカルブ(fenoxycarb)、ハイドロプレン(hydroprene)、キノプレン(kinoprene)、メトプレン(methoprene)、ピリプロキシフェン(pyriproxyfen)、ジエノクロル(dienochlor)、サノピラフェン(cyenopyrafen)、シフルメトフェン(cyflumetofen)、スピロメシフェン(spiromesifen)、スピロジクロフェン(spirodiclofen)、スピロテトラマト(スピロテトラマト)、フルベンジアミド(Flubendiamide)、フルリムフェン(フルフェネリム)(flurimfen)、フロニカミド(flonicamid)、メタフルミゾン(metaflumizon)、リナキシピル(rynaxypyr)、レピメクチン(lepmectin)、ピリダリル(pyridalyl)、フルアクリピリム(fluacrypyrim)、インドキサカルブ(indoxacarb)、ブロモプロピレート(bromopropylate)、トリアザメート(triazamate)、フェナザキン(fenazaquin)、フェンピロキシメート(fenpyroximate)、ピリダベン(pyridaben)、テブフェンピラド(tebufenpyrad)、クロフェンテジン(clofentezine)、エトキサゾール(etoxazole)、ヘキサチアゾクス、(hexythiazox)、ピメトロジン(pymetrozine)、ブプロフェジン(buprofezin)、1.3ジクロロプロペン(1.3-D)、イソカルボホス(isocarbophos)、N−メチルジチオカルバミン酸アンモニウム(NCS)、アゾシクロチン(azocyclotin)、エンドスルファン (endosulfan)、クロルデン(chlordane)、クロルピクリン (chloropicrin)、シヘキサチン(cyhexatin)、スピノサド (spinosad)、ナトリウム=メチルジチオカルバマート(Sodium dimethyldithiocarbamate)、フェンブタンチン・オキシド(fenbutatin oxide)、フルスルファミド(flusulfamide)、メチルイソチオシアネート(MITC)、ロテノ(rotenone)、CL900167、フッ化アルミニウムナトリウム(Sodium aluminium fluoride)、NNI−0101、RU−15525、XDE−175、ZXI−8901
混用又は併用することができる他の殺菌剤化合物を次に例示する。
【0064】
アミスルブロム(amisulbrom)、ベノミル(benomyl)、ベンチアバリカルブイソプロピル(benthiavalicarb)、ベンチオピラドエタボキサム(benthiopyrade)、ビテルタノール(bitertanol)、ブラストサイジンS(blasticidin-S)、ボスカリド(boscalid)、キャプタン(captan)、カルベンダゾール(carbendazol)、カルプロパミド(carpropamid)、クロロタロニル(chlorothalonil)、シアゾファミド(cyazofamid)、シフルフェナミド(cyflufenamid)、シモキサニル(cymoxanil)、ジクロメジン(diclomezine)、ジモキシストロビン(dimoxystrobin)、ジチアノン(dithianon)、エジフェンホス(edifenphos)、フェナミドン(fenamidone)、フェナリモル(fenarimol)、フェンブコナゾール(fenbuconazole)、フルアジナム(fluazinam)、フルオピコリド(fluopicolide)、フルオキサストロビン(fluoxastrobin)、フルトラニル(flutolanil)、フォルペット(folpet)、ホセチル(fosetyl)、フサライド(fthalide)、グアザチン(guazatine)、ヘキサコナゾール(hexaconazole)、ヒドロキシイソキサゾール(hydroxyisoxazole)、ヒメキサゾール(hymexazol)、イプロベンホス(iprobenfos)、イプロジオン(iprodione)、イプロバリカルブ(iprovalicarb)、イソプロチオラン(isoprothiolane)、isotianil、カスガマイシン(kasugamycin)、マンジプロパミド(mandipropamid)、マンネブ(maneb)、メパニピリム(mepanipyrim)、メプロニル(mepronil)、メタラキシル(metalaxyl)、メトラフェノン(metrafenone)、ミクロブタニル(myclobutanyl)、オリサストロビン(orysastrobin)、オキサジキシル(oxadixyl)、オキソリニック酸(oxolinic acid)、ペフラゾエート(pefurazoate)、ペンシクロン(pencycuron)、フェナジンオキシド(phenazine oxide)、ピコオキシストロビン(picoxystrobin)、ポリカーバメート(polycarbamate)、ポリオキシン(polyoxin)、プロベナゾール(probenazole)、プロクロラズ(prochloraz)、プロシミドン(procymidone)、プロパモカルブ塩酸塩(propamocarb)、プロピコナゾール(propiconazole)、プロピネブ(propineb)、プロキナジド(proquinazid)、ビロクロストロビン(pyraclostrobin)、ピリベンカルブ(pyribencarb)、ピロキロン(pyroquilon)、シメコナゾール(simeconazole)、ストレプトマイシン(Streptomycin)、テクロフタラム(tecloftalam)、チアベンダゾール(thiabendazole)、チオファネートメチル(thiophanate-methyl)、チウラム(thiuram)、チアジニル(tiadinil)、トルニファニド(tolnifanide)、トリアジメホン(triadimefon)、トリシクラゾール(tricyclazole)、トリフロキシストロビン(trifloxystrobin)、トリフルミゾール(triflumizole)、トリホリン(triforine)、バリダマイシン(validamycin)、ビンクロゾリン(vinchlozoline)、ジネブ(zineb)、ジラム(ziram)
混用又は併用することができる他の除草剤化合物、植物成長調整化合物を次に例示する。
【0065】
ジフェナミド(diphenamid)、ナプロアニリド(naproanilide)、ナプロパミド(napropamide)、ペンタノクロール(pentanochlor)、プロパニル(propanil)、フラムプロップ・M(flamprop-M)、MCPA・チオエチル(MCPA-thioethyl)、クロジナホップ(clodinafop-propargyl)、シハロホップ・ブチル(cyhalofop-butyl)、ジクロホップ・メチル(diclofop-methyl)、フェノキサプロップ・P・エチル(fenoxaprop-P-ethyl)、フェノキサプロップ・エチル(fenoxaprop-ethyl)、 フルアジホップ(fluazifop-butyl)、フルアジホップ・P(fluazifop-P-butyl)、ハロキシホップ(haloxyfop)、ハロキシホップ・P(haloxyfop-P)、ハロキシホップ・P・メチル(haloxyfop-P-methyl)、メタミホップ(metamifop)、プロパキザホップ(propaquizafop)、キザロホップ・エチル(quizalofop-ethyl)、キザロホップ・P(quizalofop-P)、キザロホップ・P・エチル(quizalofop-P-ethyl)、キザロホップ・P・テフリル(quizalofop-P-tefuryl)、 イソキサベン(isoxaben)、プロピザミド(propyzamide)、クロルタル・ジメチル(chlorthal-dimethyl)、ベンフレセート(benfuresate)、エトフメセート(ethofumesate)、2,3,6−TBA、ジカンバ(dicamba)、ジクロベニル(dichlobenil)、ベンタゾン(bentazone)、ベナゾリン(benazolin)、ジクワット(diquat dibromide)、パラコート(paraquat dichloride)、アシュラム(asulam)、カルベタミド(carbetamide)、クロルプロファム(chlorpropham)、プロファム(propham)、アセトクロ−ル(acetochlor)、アラクロール(alachlor)、ブタクロール(butachlor)、ジメタクロール(dimethachlor)、ジメテナミド(dimethenamid)、メタザクロール(metazachlor)、メトラクロール(metolachlor)、ペトキサミド(pethoxamid)、プレチラクロール(pretilachlor)、プロパクロール(propachlor)、プロピソクロール(propisochlor)、S−メトラクロール(S-metolachlor)、テニルクロール(thenylchlor)、アロキシジム(alloxydim)、ブトロキシジム(butroxydim)、クレトジム(clethodim)、シクロキシジム(cycloxydim)、プロホキシジム(profoxydim)、セトキシジム(sethoxydim)、テプラロキシジム(tepraloxydim)、トラルコキシジム(tralkoxydim)、ベンフルラリン(benfluralin)、ブトラリン(butralin)、ジニトラミン(dinitramine)、エタルフルラリン(ethalfluralin)、オリザリン(oryzalin)、ペンジメタリン(pendimethalin)、 トリフルラリン(trifluralin)、ジノテルブ(dinoterb)、DNOC、アシフルオルフェン(acifluorfen)、ビフェノックス(bifenox)、フルオログリコフェン(fluoroglycofen-ethyl)、ホメサフェン(fomesafen)、HC−252、ラクトフェン(lactofen)、オキシフルオルフェン(oxyfluorfen)、アクロニフェン(aclonifen)、グリホサート(glyphosate)、グリホサート・トリメシウム塩(スルホセート)(glyphosate-trimesium)、ブロモキシニル(bromoxynil)、アイオキシニル(ioxynil)、イマザメタベンズ(imazamethabenz-methyl)、イマザモックス(imazamoxイマザメメタピル(イマザピク)(imazapic)、イマザピル(imazapyr)、イマザキン(imazaquin)、イマゼタピル(imazethapyr)、イソキサフルトール(isoxaflutole)、クロマゾン(clomazone)、シニドン・エチル(cinidon-ethyl)、フルミクロラック・ペンチル(flumiclorac-pentyl)、フルミオキサジン(flumioxazin)、オキサジアルギル(oxadiargyi)、オキサジアゾン(oxadiazon)、ペントキサゾン(pentoxazone)、フルフェナセット(flufenacet)、 メフェナセット(mefenacet)、2,4−D、2,4−DB、クロメプロップ(clomeprop)、ジクロルプロップ(dichlorprop)、ジクロルプロップ−P(dichlorprop-P)、MCPA、MCPB、メコプロップ(mecoprop)、メコプロップ−P・カリウム塩(mecoprop-P)、デスメディファム(desmedipham)、フェンメディファム(phenmedipham)、ピラフルフェン・エチル(pyraflufen-ethyl)、ピリデート(pyridate)、ホルクロルフェニュロン(forchlorfenuron)、チジアズロン(thidiazuron)、ビラナホス(bilanafos)、グルホシネート(glufosinate-ammonium)、グルホシネートナトリウム塩(glufosinate-sodium)、ブタミホス(butamifos)、ベンスリド(bensulide)、ナプタラム(naptalam)、ベンゾフェナップ(benzofenap)、ピラゾリネート(ピラゾレート)(pyrazolynate)、ピラゾキシフェン(pyrazoxyfen)、ピラスルホトール(pyrasulfotole)、マレイン酸ヒドラジド(maleic hydrazide)、ノルフルラゾン(norflurazon)、クロリダゾン(chloridazon)、ジチオピル(dithiopyr)、チアゾピル(thiazopyr)、ジフルフェニカン(diflufenican)、ピコリナフェン(picolinafen)、クロピラリド(clopyralid)、フルロキシピル(fluroxypyr)、ピクロラム(picloram)、トリクロピル(triclopyr)、ジフルメトリム(diflumetorim)、ブタフェナシル(butafenacil)、フェンクロリム(fenclorim)、アンシミドール(ancymidol)、フルルプリミドール(flurprimidol)、ビスピリバック・ナトリウム塩(bispyribac-sodium)、ピリベンゾキシム(pyribenzoxim)、ピリフタリド(pyriftalid)、ピリミノバックメチル(pyriminobac-methyl)、ピリチオバック・ナトリウム塩(pyrithiobac-sodium)、クロルメコート(chlormequat chloride)、メピコート・クロリド(mepiquat chloride)、キノキシフェン(quinoxyfen)、キンクロラック(quinclorac)、キンメラック(quinmerac)、ジフルフェンゾピル(diflufenzopyr)、フルカルバゾン・ナトリウム塩(flucarbazone-sodium)、プロポキシカルバゾン・ナトリウム塩(propoxycarbazone-sodium)、プロポキシカルバゾン(propoxycarbazone)、アミドスルフロン(amidosulfuron)、アジムスルフロン(azimsulfuron)、ベンスルフロン・メチル(bensulfuron-methyl)、クロリムロン・エチル(chlorimuron-ethyl)、クロルスルフロン(chlorsulfuron)、シノスルフロン(cinosulfuron)、シクロスルファムロン(cyclosulfamuron)、エタメトスルフロン・メチル(ethametsulfuron-methyl)、エトキシスルフロン(ethoxysulfuron)、フラザスルフロン(flazasulfuron)、フルピルスルフロン(flupyrsulfuron-methyl-sodium)、フォラムスルフロン(foramsulfuron)、ハロスルフロン・メチル(halosulfuron-methyl)、イマゾスルフロン(imazosulfuron)、イオドスルフロン(iodosulfulon-methyl-sodium)、メソスフロン・メチル(mesosulfuron-methyl)、メトスルフロン・メチル(metsulfuron-methyl)、ニコスルフロン(nicosulfuron)、オキサスルフロン(oxasulfuron)、ピリミスルフロン・メチル(primisulfuron-methyl)、プロスルフロン(prosulfuron)、ピラゾスルフロン・エチル(pyrazosulfuron-ethyl)、リムスルフロン(rimsulfuron)、スルホメツロン・メチル(sulfometuron-methyl)、スルホスルフロン(sulfosulfuron)、チフェンスルフロン・メチル(thifensulfuron-methyl)、トリアスルフロン(triasulfuron)、トリベニュロン・メチル(tribenuron-methyl)、トリフロキシスルフロン・ナトリウム塩(trifloxysulfuron-sodium)、トリスルフロン・メチル(triflusulfuron-methyl)、トリトスルフロン(tritosulfuron)、フルセトスルフロン(flucetosulfuron)、フェントラザミド(fentrazamide)、フルチアセット・メチル(fluthiacet-methyl)、ブチレート(butylate)、シクロエート(cycloate)、ジメピペレート(dimepiperate)、EPTC、エスプロカルブ(esprocarb)、モリネート(molinate)、オルベンカルブ(orbencarb)、ペブレート(pebulate)、ロスルホカルブ(prosulfocarb)、チオベンカルブ(thiobencarb)、チオカルバジル(tiocarbazil)、トリアレート(tri-allate)、ピリブチカルブ(pyributicatb)、アメトリン(ametryn)、アトラジン(atrazine)、シアナジン(cyanazine)、ジメタメトリン(dimethametryn)、プロメトン(prometon)、プロメトリン(prometryn)、プロパジン(propazine)、シマジン(simazine)、シメトリン(simetryn)、テルブメトン(terbumeton)、テルブチラジン(terbuthylazine)、テルブトリン(terbutryn)、トリエタジン(trietazine)、ヘキサジノン(hexazinone)、メタミトロン(metamitron)、メトリブジン(metribuzin)、アミトロール(amitrole)、フルポキサム(flupoxame)、アミカルバゾン(amicarbazone)、カルフェントラゾン・エチル(carfentrazone-ethyl)、スルフェントラゾン(sulfentrazoneクロランスラム・メチル(cloransulam-methyi)、ジクロスラム(diclosulam)、フロラスラム(florasulam)、フルメツラム(flumetsulam)、メトスラム(metosulam)、ペノキススラム(penoxsulam)、メソトリオン(mesotrione)、スルコトリオン(sulcotrione)、テフリルトリオン(tefuryltrion)、ブロマシル(bromacil)、レナシル(lenacil)、ターバシル(terbacil)、クロロトルロン(chlorotoluron)、ジメフロン(dimefuron)、ジウロン(diuron)、フルオメツロン(fluometuron)、イソプロツロン(isoproturon)、イソウロン(isouron)、カルブチレート(karbutilate)、リニュロン(linuron)、メタベンズチアズロン(methabenzthiazuron)、メトベンズロン(metobenzuron)、メトキスロン(metoxuron)、 モノリニュロン(monolinuron)、ネブロン(neburon)、シデュロン(siduron)、テブチウロン(tebuthiuron)、オキサジクロメフォン(oxaziclomefone)、アニロホス(anilofos)、ベンゾビシクロン(benzobicyclon)、プロジアミン(prodiamine)、シンメチリン(cinmethylin)、ピラクロニル(pyraclonil)、ピロキシスラム(pyroxysulam)、トリアジフラム(triaziflam)、エトベンザニド(etobenzanid)、ブロモブチド(bromobutide)、ダイムロン(daimuron)、カフェンストロール(cafenstrole)、ベンズフェンジゾン(benzfendizone)、ピキサデン( pinoxaden)、アミノピラリド(aminopyralid)、トプラメゾン(topramezone)、テンボトリオン(tembotrione)、インダノファン(indanofan)、ピリミスルファン(pyrimisulfan)、チエンカルバゾン、TM−435、KIH−485
以上の農薬は例えば、ザ・ペスティサイド・マニュアル(The Pesticide Manual)第13版[ブリティッシュ・クロップ・プロテクション・カウンシル(British Crop Protection Council)発行、2004年]、シブヤインデックス 第10版、第11版(SHIBUYA INDEX 10th Edition、11th Edition、発行者:SHIBUYA INDEX研究会)、月刊ファインケミカル2006 第35巻 第7号 (シーエムシー出版発行、2006年)に記載されているか、公知のものである。
【0066】
本発明の化合物は、バッタ目害虫、アザミウマ目害虫、カメムシ目害虫、コウチュウ目害虫、ハエ目害虫、チョウ目害虫、ハチ目害虫、トビムシ目害虫、シミ目害虫、ゴキブリ目害虫、シロアリ目害虫、チャタテムシ目害虫、ハジラミ目害虫、シラミ目害虫、植物寄生性ダニ類、植物寄生性線虫類、植物寄生性軟体動物、その他の有害動物、不快動物、衛生害虫、寄生虫等の有害生物に対して、優れた防除効果を示す。そのような有害生物の例としては、以下の如き生物種を例示することができる。
【0067】
バッタ目害虫、例えばキリギリス科のクサキリ(Ruspolia lineosa)等、コオロギ科のエンマコオロギ(Teleogryllus emma)等、ケラ科のケラ(Gryllotalpa orientalis)、バッタ科のコバネイナゴ(Oxya hyla intricate)、トノサマバッタ (Locusta migratoria)、マイグラトリーグラスホッパー(Melanoplus sanguinipes)等、オンブバッタ科のオンブバッタ(Atractomorpha lata、マツムシ科のカヤコオロギ(Euscyrtus japonicus)、ノミバッタ科のノミバッタ (Xya japonicus)等。
【0068】
アザミウマ目害虫、例えばアザミウマ科のヒラズハナアザミウマ(Frankliniella intonsa)、ミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis)、チャノキイロアザミウマ(Scirtothrips dorsalis)、ミナミキイロアザミウマ(Thrips palmi)、ネギアザミウマ(Thrips tabaci)等、クダアザミウマ科のカキクダアザミウマ(Ponticulothrips diospyrosi)、イネクダアザミウマ(Haplothrips aculeatus)等。
【0069】
カメムシ目害虫、例えばセミ科のイワサキクサゼミ(Mogannia minuta)等、アワフキムシ科のシロオビアワフキ(Aphrophora intermedia)等、ツノゼミ科のトビイロツノゼミ(Machaerotypus sibiricus)等、ヨコバイ科のフタテンヒメヨコバイ(Arboridia apicalis)、チャノミドリヒメヨコバイ(Empoasca onukii)、ツマグロヨコバイ(Nephotettix cincticeps)、イナズマヨコバイ(Recilia dorsalis)等、ヒシウンカ科のヒシウンカ(Pentastiridius apicalis)等、ウンカ科のヒメトビウンカ(Laodelphax striatellus)、トビイロウンカNilaparvata lugens)、セジロウンカ(Sogatella furcifera)等、シマウンカ科のシマウンカ(Nisia nervosa)等、ハネナガウンカ科のサトウマダラウンカ(Kamendaka saccharivora)等、コガラシウンカ科のレッドファンガスバック(Achilus flammeus)等、ハゴロモ科のベッコウハゴロモ(Orosanga japonicus)等、アオバハゴロモ科のトビイロハゴロモ(Mimophantia maritima)等、キジラミ科のナシキジラミ(Cacopsylla pyrisuga)等、ヒメキジラミ科のマンゴーキジラミ(Calophya mangiferae)等、フィロキセラ科のブドウネアブラムシ(Daktulosphaira vitifoliae)等、カサアブラムシ科のカラマツカサアブラムシ(Adelges laricis)、ハリモミヒノカサアブラムシ(Adelges tsugae)等、アブラムシ科のエンドウヒゲナガアブラムシ(Acyrthosiphon pisum)、ワタアブラムシ(Aphis gossypii)、ユキヤナギアブラムシ(Aphis spiraecola)、ニセダイコンアブラムシ(Lipaphis erysimi)、モモアカアブラムシ(Myzus persicae)、ムギミドリアブラムシ(Schizaphis graminum)、ムギクビレアブラムシ(Rhopalosiphum padi)等、コナジラミ科のミカントゲコナジラミ(Aleurocanthus spiniferus)、タバココナジラミ(Bemisia tabaci)、シルバーリーフコナジラミ(Bemisia argentifolii)、オンシツコナジラミ(Trialeurodes vaporariorum)等、ワタフキカイガラムシ科のオオワラジカイガラムシ(Drosicha corpulenta)、イセリアカイガラムシ(Icerya purchasi)等、コナカイガラムシ科のパイナップルコナカイガラムシ(Dysmicoccus brevipes)、ミカンコナカイガラムシ(Planococcus citri)、クワコナカイガラムシ(Pseudococcus comstocki)等、カタカイガラムシ科のツノロウムシ(Ceroplastes ceriferus)等、カタカイガラモドキ科のカンシャカタカイガラモドキ(Aclerda takahashii)等、マルカイガラムシ科のアカマルカガラムシ(Aonidiella aurantii)、ナシマルカイガラムシ(Diaspidiotus perniciosus)、ヤノネカイガラムシ(Unaspis yanonensis)等、カスミカメムシ科のライガスバック(Lygus hesperus)、アカヒゲホソミドリカスミガメ(Trigonotylus caelestialium)等、グンバイムシ科のツツジグンバイ(Stephanitis pyrioides)、ナシグンバイ(Stephanitis nashi)等、カメムシ科のトゲシラホシカメムシ(Eysarcoris aeneus)、イネカメムシ(Lagynotomus elongatus)、ミナミアオカメムシ(Nezara viridula)、チャバネアオカメムシ(Plautia crossota)等、マルカメムシ科のタイワンマルカメムシ(Megacopta cribraria)等、ナガカメムシ科のカンシャコバネナガカメムシ(Cavelerius saccharivorus)等、メダカナガカメムシ科のオオメダカナガカメムシ(Malcus japonicus)等、ホシカメムシ科のアカホシカメムシ(Dysdercus cingulatus)等、ホソヘリカメムシ科のホソクモヘリカメムシ(Leptocorisa acuta)、クモヘリカメムシ(Leptocorisa chinensis)等、ヘリカメムシ科のオオクモヘリカメムシ(Anacanthocoris striicornis)等、ヒメヘリカメムシ科のアカヒメヘリカメムシ(Rhopalus maculatus)等、トコジラミ科のトコジラミ(Cimex lectularis)等。
【0070】
コウチュウ目害虫、例えばコガネムシ科のドウガネブイブイ(Anomara cuprea)、ヒメコガネ(Anomara rufocuprea)、マメコガネ(Popillia japonica)、サイカブトムシ(Oryctes rhinoceros)等、コメムシ科のトビイロナボソコメツキ(Agriotes ogurae)、オキナワカンシャクシコメツキ(Melanotus okinawensis)、マルクビクシコメツキ(Melanotus fortnumi fortnumi)等、カツオブシムシ科のヒメマルカツオブシムシ(Anthrenus verbasci)等、ナガシンクイムシ科のオオナガシンクイムシ(Heterobostrychus hamatipennis)等、シバンムシ科のジンサンシバンムシ(Stegobium paniceum)等、ヒョウホンムシ科のヒメヒョウホンムシ(Pitinus clavipes)等、コクヌスト科のコクヌスト(Tenebroides manritanicus)等、カッコウムシ科のアカアシホシカムシ(Necrobia rufipes)、ケシキスイ科のクリヤケシキスイ(Carpophilus hemipterus)等、ホソヒラタムシ科のカブコブホソヒラタムシ(Ahasverus advena)等、チビヒラタムシ科のサビカクムネヒラタムシ(Cryptolestes ferrugineus)等、テントウムシ科のインゲンテントウ(Epilachna varivestis)、ニジュウヤホシテントウ(Henosepilachna vigintioctopunctata)等、ゴミムシダマシ科のチャイロコメノゴミムシダマシ(Tenebrio molitor)、コクヌストモドキ(Tribolium castaneum)等、ツチハンミョウ科のマメハンミョウ(Epicauta gorhami)等、カミキリムシ科のツヤハダゴマダラカミキリ(Anoplophora glabripennis)、ブドウトラカミキリ(Xylotrechus pyrrhoderus)、マツノマダラカミキリ(Monochamus alternatus)等、マメゾウムシ科のアズキゾウムシ(Callosobruchus chinensis)等、ハムシ科のコロラドハムシ(Leptinotarsa decemlineata)、ウェスタンコーンルートワーム(Diabrotica virgifera)、ダイコンハムシ(Phaedon brassicae)、キスジノミハムシ(Phyllotreta striolata)等、ミツギリゾウムシ科のアリモドキゾウムシ(Cylas formicarius)等、ゾウムシ科のアルファルファタコゾウムシ(Hypera postica)、ヤサイゾウムシ(Listroderes costirostris)、イモゾウムシ(Euscepes postfasciatus)等、イネゾウムシ科のイネゾウムシ(Echinocnemus bipunctatus)、イネミズゾウムシ(Lissorhoptrus oryzophilus)等、オサゾウムシ科のコクゾウムシ(Sitophilus zeamais)、シバオサゾウムシ(Sphenophrus venatus)等、キクイムシ科のマツノキクイムシ(Tomicus piniperda)等、ナガキクイムシ科のヤチダモノナガキクイムシ(Crossotarsus niponicus)等、ヒラタキクイムシ科のヒラタキクイムシ(Lyctus brunneus)等。
【0071】
ハエ目、例えばガガンボ科のキリウジガガンボ(Tipula aino)等、ケバエ科のラブバッグ(Plecia nearctica)等、キノコバエ科のシイタケトンボキノコバエ(Exechia shiitakevora)等、クロバネキノコバエ科のジャガイモクロバネキノコバエ(Pnyxia scabiei)等、タマバエ科のダイズサヤタマバエ(Asphondylia yushimai)、ヘシアンバエ(Mayetiola destructor)等、カ科のネッタイシマカ(Aedes aegypti)、アカイエカ(Culex pipiens pallens)等、ブユ科のウシブユ(Simulium takahashii)等、ユスリカ科のイネユスリカ(Chironomus oryzae)等、アブ科のキンメアブ(Chrysops suavis)、ウシアブ(Tabanus trigonus)等、ハナアブ科のハイジマハナアブ(Eumerus strigatus)等、ミバエ科のミカンコミバエ(Bactrocera dorsalis)、オウトウハマダラミバエ(Euphranta japonica)、チチュウカイミバエ(Ceratitis capitata)等、ハモグリバエ科のマメハモグリバエ(Liriomyza trifolii)、ナモグリバエ(Chromatomyia horticola)等、キモグリバエ科のムギキモグリバエ(Meromyza nigriventris)等、ショウジョウバエ科のオウトウショウジョウバエ(Drosophila suzukii)、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)等、ミギワバエ科のイネミギワバエ(Hydrellia griseola)等、シラミバエ科のウマシラミバエ(Hippobosca equina)等、フンバエ科のササカワフンバエ(Parallelpmma sasakawae)等、ハナバエ科のタマネギバエ(Delia antiqua)、タネバエ(Delia platura)等、ヒメイエバエ科のヒメイエバエ(Fannia canicularis)等、イエバエ科のイエバエ(Musca domestica)、サシバエ(Stomoxys calcitrans)等、ニクバエ科のセンチニクバエ(Sarcophaga peregrina)等、ウマバエ科のウマバエ(Gasterophilus intestinalis)等、ウシバエ科のウシバエ(Hypoderma lineatum)等、ヒツジバエ科のヒツジバエ(Oestrus ovis)等。
【0072】
チョウ目、例えばコウモリガ科コウモリガ(Endoclita excrescens)等、ツヤコガ科のブドウツヤコガ(Antispila ampelopsia)等、ボクトウガ科のゴマフボクトウ(Zeuzera leuconotum)等、ハマキガ科のミダレカクモンハマキ(Archips fuscocupreanus)、リンゴコカクモンハマキ(Adoxophyes orana fasciata)、ナシヒメヒンクイ(Grapholita molesta)、チャハマキ(Homona magnanima)、マメシンクイガ(Leguminivora glycinivorella)、コドリンガ(Cydia pomonella)等、ホソハマキ科のブドウホソハマキ(Eupoecilia ambiguella)等、ミノガ科のミノガ(Bambalina sp.)、チャミノガ(Eumeta minuscula)等、ヒロズコガ科のコクガ(Nemapogon granella)、イガ(Tinea translucens)等、チビガ科のナシチビガ(Bucculatrix pyrivorella)等、ハモグリガ科のモモハモグリガ(Lyonetia clerkella)等、ホソガ科のチャノホソガ(Caloptilia theivora)、キンモンホソガ(Phyllonorycter ringoniella)等、コハモグリガ科のミカンハモグリガ(Phyllocnistis citrella)等、アトヒゲコガ科のネギコガ(Acrolepiopsis sapporensis)等、スガ科のコナガ(Plutella xylostella)、リンゴスガ(Yponomeuta orientalis)等、メムシガ科のリンゴヒメシンクイ(Argyresthia conjugella)等、スカシバガ科のブドウスカシバ(Nokona regalis)等、キバガ科のジャガイモガ(Phthorimaea operculella)、バクガ(Sitotroga cerealella)、ワタアカミムシ(Pectinophora gossypiella)等、シンクイガ科のモモシンクイガ(Carposina sasakii)等、マダラガ科のリンゴハマキクロバ(Illiberis pruni)等、イラガ科のイラガMonema flavescens)等、ツトガ科のツトガ(Ancylolomia japonica)、ニカメイガ(Chilo suppressalis)、コブノメイガ(Cnaphalocrocis medinalis)、アワノメイガ(Ostrinia furnacalis)、ヨーロピアンコーンボーラー(Ostrinia nubilalis)等、メイガ科のスジマダラメイガ(Cadra cautella)、ハチノスツヅリガ(Galleria mellonella)等、トリバガ科のブドウトリバ(Nippoptilia vitis)等、アゲハチョウ科のアゲハ(Papilio xuthus)等、シロチョウ科のモンシロチョウ(Pieris rapae)等、セセリチョウ科のイチモンジセセリ(Parnara guttata guttata)等、シャクガ科のヨモギエダシャク(Ascotis selenaria)等、カレハガ科のマツカレハ(Dendrolimus spectabilis)、オビカレハ(Malacosoma neustrium testaceum)等、スズメガ科のエビガラスズメ(Agrius convolvuli)等、ドクガ科のチャドクガ(Arna pseudoconspersa)、マイマイガ(Lymantria dispar)等、ヒトリガ科のアメリカシロヒトリ(Hyphantria cunea)等、ヤガ科のタマナヤガ(Agrotis ipsilon)、タマナギンウワバ(Autographa nigrisigna)、オオタバコガ(Helicoverpa armigera)、コーンボールワーム(Helicoverpa zea)、タバコバドワーム(Heliothis virescens)、シロイチモジヨトウ(Spodoptera exigua)、ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)等。
【0073】
ハチ目、例えばミフシハバチ科のチュウレンジハバチ(Arge pagana)等、ハバチ科のクリハバチ(Apethymus kuri)、カブラハバチ(Athalia rosae ruficornis)等、タマバチ科のクリタマバチ(Dryocosmus kuriphilus)等、スズメバチ科のキイロスズメバチ(Vespa simillima xanthoptera)等、アリ科のヒアリ(Solenopsis invicta)等、ハキリバチ科のバラハキリバチ(Megachile nipponica)等。
トビムシ目害虫、例えばマルトビムシ科のキボシマルトビムシ(Bourletiella hortensis)等。
【0074】
シミ目害虫、例えばシミ科のセイヨウシミ(Lepisma saccharina)、ヤマトシミ(Ctenolepisma villosa)等。
【0075】
ゴキブリ目害虫、例えばゴキブリ科のワモンゴキブリ(Periplaneta americana)、チャバネゴキブリ科のチャバネゴキブリ(Blattella germanica)等。
【0076】
シロアリ目害虫、例えばレイビシロアリ科のアメリカカンザイシロアリ(Incisitermes minor)等、ミゾガラシロアリ科のイエシロアリ(Coptotermes formosanus)等、シロアリ科のタイワンシロアリ(Odontotermes formosanus)等。
【0077】
チャタテムシ目害虫、例えばコチャタテ科のコチャタテ(Trogium pulsatorium)等、コナチャタテ科のウスグロチャタテ(Liposcelis corrodens)等。
【0078】
ハジラミ目害虫、例えばトリハジラミ科のニワトリナガハジラミ等、ケモノハジラミ科のウシハジラミ(Damalinia bovis)等。
【0079】
シラミ目害虫、例えばケモノジラミ科のブタジラミ(Haematopinus suis)等、ヒトジラミ科のヒトジラミ(Pediculus humanus)等、ケモノホソジラミ科のイヌジラミ(Linognathus setosus)等、ケジラミ科のケジラミ等。
【0080】
植物寄生性ダニ類、例えばハシリダニ科のムギダニ(Penthaleus major)等、ホコリダニ科のシクラメンホコリダニ(Phytonemus pallidus)、チャノホコリダニ(Polyphagotarsonemus latus)等、シラミダニ科のシラミダニの一種(Siteroptes sp.)等、ヒメハダニ科のブドウヒメハダニ(Brevipalpus lewisi)等、ケナガハダニ科のナミケナガハダニ(Tuckerella pavoniformis)等、ハダニ科のアンズアケハダニ(Eotetranychus boreus)、ミカンハダニ(Panonychus citri)、リンゴハダニ(Panonychus ulmi)、ナミハダニ(Tetranychus urticae)カンザワハダニ(Tetranychus kanzawai)等、ナガクダフシダニ科のマツフシダニ(Trisetacus pini)等、フシダニ科のミカンサビダニ(Aculops pelekassi)、ナシサビダニ(Epitrimerus pyri)、シトラスラストマイト(Phyllocoptruta oleivora)等、ハリナガフシダニ科のイヌツゲフシダニ(Diptacus crenatae)等、コナダニ科のムギコナダニ(Aleuroglyphus ovatus)、ケナガコナダニ(Tyrophagus putrescentiae)、ロビンネダニ(Rhizoglyphus robini)等。
【0081】
植物寄生性線虫類、例えばロンギドルス科のブドウオオハリセンチュウ(Xiphinema index)等、トリコドルス科のヒメユミハリセンチュウ(Paratrichodorus minor)等、ラブディティス科の一種(Rhabditella sp.)等、ティレンクス科の一種(Aglenchus sp.)等、ティロドルス科の一種(Cephalenchus sp.)等、アングイナ科のイチゴメセンチュウ(Nothotylenchus acris)、イモグサレセンチュウ(Ditylenchus destructor)等、ホプロライムス科のニセフクロセンチュウ(Rotylenchulus reniformis)、ナミラセンセンチュウ(Helicotylenchus dihystera)等、パラティレンクス科のチャピンセンチュウ(Paratylenchus curvitatus)等、メロイドギネ科のサツマイモネコブセンチュウ(Meloidogyne incognita)、キタネコブセンチュウ(Meloidogyne hapla)等、ヘテロデラ科のジャガイモシストセンチュウ(Globodera rostochiensis)、ダイズシストセンチュウ(Heterodera glycines)等、テロティレンクス科のナミイシュクセンチュウ(Tylenchorhynchus claytoni)等、プシレンクス科のラシンセンチュウの一種(Psilenchus sp.)等、クリコネマ科のワセンチュウ類の一種(Criconemoides sp.)等、ティレンクルス科のミカンネセンチュウ(Tylenchulus semipenetrans)等、スフェロネマ科のツバキマルセンチュウ(Sphaeronema camelliae)等、プラティレンクス科のカンキツネモグリセンチュウ(Sphaeronema camelliae)、カンキツネモグリセンチュウ(Radopholus citrophilus)、バナナネモグリセンチュウ(Radopholus similis)、ニセネコブセンチュウ(Nacobbus aberrans)、キタネグサレセンチュウ(Pratylenchus penetrans)、ミナミネグサレセンチュウ(Pratylenchus coffeae)等、イオトンキウム科のヒラタケヒダコブセンチュウ(Iotonchium ungulatum)等、アフェレンクス科のニセネグサレセンチュウ(Aphelenchus avenae)等、アフェレンコイデス科のイネセンガレセンチュウ(Aphelenchoides besseyi)、イチゴセンチュウ(Aphelenchoides fragariae)等、パラシタフェレンクス科のマツノザイセンチュウ(Bursaphelenchus xylophilus)等。
【0082】
植物寄生性軟体動物、例えばタニシモドキ科のスクミリンゴガイ(Pomacea canaliculata)等、アシヒダナメクジ科のアシヒダナメクジ(Leavicaulis alte)等、アフリカマイマイ科のアフリカマイマイ(Achatina fulica)等、ナメクジ科のフタスジナメクジ(Meghimatium bilineatum)等、オカモノアラガイ科のオカモノアラガイ(Succinea lauta)等、パツラマイマイ科のパツラマイマイ(Discus pauper)等、コハクガイ科のエゾコハクガイ(Zonitoides yessoensis)等、コウラナメクジ科のコウラナメクジ(Limax flavus)、ノハラナメクジ(Deroceras reticulatum)等、ベッコウマイマイ科のハリマキビ(Parakaliella harimensis)等、オナジマイマイ科のウスカワマイマイ(Acusta despecta sieboldiana)、オナジマイマイ(Bradybaena similaris)等。
【0083】
その他の有害動物、不快動物、衛生害虫、家畜害虫、寄生虫等の有害生物、例えば、ダニ目のオオサシダニ科のトリサシダニ(Ornithonyssus sylvialum)等、ヘギイタダニ科のミツバチヘギイタダニ(Varroa jacobsoni)等、ワクモ科のワクモ(Dermanyssus gallinae)等、オオサシダニ科のトリサシダニ(Ornithonyssus sylvialum)等、マダニ科のオウシマダニ(Boophilus microplus)、クリイロコイタマダニ(Rhipicephalus sanguineus)、フタトゲチマダニ(Haemaphysalis longicornis)等、ヒゼンダニ科のヒゼンダニ(Sarcoptes scabiei)等、等脚目ダンゴムシ科のオカダンゴムシ(Armadillidium vulgare)等、エビ目アメリカザリガニ科のアメリカザリガニ(Procambarus clarkii)等、ワラジムシ目ワラジムシ科のオカワラジムシ(Armadillidium vulgare)等、ゲジ目ゲジ科のゲジやオオムカデ目トビズムカデ(Scolopendra subspinipes)等のムカデ網害虫、オビヤスデ目ヤケヤスデ科のヤケヤスデ(Oxidus gracilis)等のヤスデ網害虫、クモ目ヒメグモ科のセアカゴケグモ(Theridiidae hasseltii)等、クモ目フクログモ科のカバキコマチグモ(Chiracanthium japonicum)等、サソリ目のアフガンデスストーカー(Androctonus crassicauda)等、線形動物内部寄生虫である回虫類(Ascaris lumbricoides)等、ぎょう虫類(Syphacia sp.)等、フィラリア類(Wuchereria bancrofti)等、扁形動物内部寄生虫である肝臓ジストマ(Distomum sp.)、肺臓ジストマ(Paragonimus westermanii)、横川吸虫(Metagonimus yokokawai)、日本住血吸虫(Schistosoma japonicum)、有鉤条虫(Taenia solium)、無鉤条虫(Taeniarhynchus saginatus)、エキノコックス(Echinococcus sp.)、広節裂頭条虫(Diphyllobothrium latum)等。
【0084】
本発明の化合物は、既存の有害生物防除剤に抵抗性を獲得した前記の有害生物等にも防除効果を示す。特に有機リン系化合物、カーバメート系化合物、合成ピレスロイド系化合物、アシルウレア系化合物或いは既存の殺虫剤に抵抗性を示す害虫に対して有効である。
【0085】
本発明の化合物は、遺伝子組換え、人工交配等で害虫耐性、病害耐性、除草剤耐性等の特性を獲得した植物に使用することができる。
【実施例】
【0086】
以下、式[I]で表される本発明化合物の製造法、製剤例、用途について下記の実施例で詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるものではない。尚、以下の説明において「%」は質量百分率を示し、「部」は質量部を示す。
【0087】
[製造例1]
[5−(4−クロロ−5−ジフルオロメトキシ−2−フルオロフェニル)−4−フルオロ−2−メチルフェニル] 2,2,2−トリフルオロエチルスルフィド(化合物番号1)の製造:
5−ブロモ−2−クロロ−4−フルオロフェノール(1.25g)、炭酸カリウム(1.2g)、N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)の混合物にクロロジフルオロメタンを吹き込みながら、70℃で2時間攪拌した。反応液を水にあけ、ジエチルエーテルで抽出し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥してから、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=50:1)で精製し、1−ブロモ−4−クロロ−5−ジフルオロメトキシ−2−フルオロベンゼン1.45gを得た。
【0088】
2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)べンゼンボロン酸(0.81g)、1−ブロモ−4−クロロ−5−ジフルオロメトキシ−2−フルオロベンゼン(0.83g)、炭酸ナトリウム(0.64g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.20g)、テトラヒドロフラン(12mL)、水(3mL)の混合物を8時間加熱還流した。反応混合物を室温に冷却後、酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥してから、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=50:1)で精製し、油状物の[5−(4−クロロ−5−ジフルオロメトキシ−2−フルオロフェニル)−4−フルオロ−2−メチルフェニル] 2,2,2−トリフルオロエチルスルフィド0.81gを得た(収率64%)。
H−NMRデータ(CDCl3/TMS δ(ppm)値)
2.54(3H,s),3.34(2H,q),6.54(1H,t),7.09(1H,d),7.28(1H,d),7.30(1H,d),7.55(1H,d)
【0089】
[製造例2]
[5−(4−クロロ−5−ジフルオロメトキシ−2−フルオロフェニル)−4−フルオロ−2−メチルフェニル] 2,2,2−トリフルオロエチルスルホキシド(化合物番号2)の製造:
製造例1の方法で合成した[5−(4−クロロ−5−ジフルオロメトキシ−2−フルオロフェニル)−4−フルオロ−2−メチルフェニル] 2,2,2−トリフルオロエチルスルフィド(0.44g)のクロロホルム(10mL)溶液に、氷冷下、m−クロロ過安息香酸(0.26g、純度70%)を加え、1時間攪拌した。反応混合物に亜硫酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、炭酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥してから、減圧下で溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製し、[5−(4−クロロ−5−ジフルオロメトキシ−2−フルオロフェニル)−4−フルオロ−2−メチルフェニル] 2,2,2−トリフルオロエチルスルホキシド0.37gを得た(収率81%)。
【0090】
[製造例3]
[5−(5−ブロモジフルオロメトキシ−4−クロロ−2−フルオロフェニル)−4−フルオロ−2−メチルフェニル] 2,2,2−トリフルオロエチルスルフィド(化合物番号5)の製造:
5−ブロモ−2−クロロ−4−フルオロフェノール(0.83g)、ジブロモジフルオロメタン(1.54g)、炭酸カリウム(0.76g)、N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)の混合物を、封管中、100℃で10時間攪拌した。反応混合物を水にあけ、ジエチルエーテルで抽出し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥してから、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン)で精製し、1−ブロモ−5−ブロモジフルオロメトキシ−4−クロロ−2−フルオロベンゼン0.81gを得た。
【0091】
2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)べンゼンボロン酸(0.61g)、1−ブロモ−5−ブロモジフルオロメトキシ−4−クロロ−2−フルオロベンゼン(0.91g)、炭酸ナトリウム(0.48g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.20g)、テトラヒドロフラン(12mL)、水(3mL)の混合物を20時間加熱還流した。反応混合物を室温に冷却後、酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥してから、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=30:1)で精製し、油状物の[5−(5−ブロモジフルオロメトキシ−4−クロロ−2−フルオロフェニル)−4−フルオロ−2−メチルフェニル] 2,2,2−トリフルオロエチルスルフィド0.88gを得た(収率78%)。
H−NMRデータ(CDCl3/TMS δ(ppm)値)
2.54(3H,s),3.34(2H,q),7.10(1H,d),7.34(1H,d),7.42(1H,d),7.56(1H,d)
【0092】
[製造例4]
[5−(5−ブロモジフルオロメトキシ−4−クロロ−2−フルオロフェニル)−4−フルオロ−2−メチルフェニル] 2,2,2−トリフルオロエチルスルホキシド(化合物番号6)の製造:
製造例3の方法で合成した[5−(5−ブロモジフルオロメトキシ−4−クロロ−2−フルオロフェニル)−4−フルオロ−2−メチルフェニル] 2,2,2−トリフルオロエチルスルフィド(0.42g)のクロロホルム(10mL)溶液に、氷冷下、m−クロロ過安息香酸(0.21g、純度70%)を加え、1時間攪拌した。反応混合物に亜硫酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、炭酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥してから、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製し、アメ状物質の[5−(5−ブロモジフルオロメトキシ−4−クロロ−2−フルオロフェニル)−4−フルオロ−2−メチルフェニル] 2,2,2−トリフルオロエチルスルホキシド0.42gを得た(収率97%)。
H−NMRデータ(CDCl3/TMS δ(ppm)値)
2.47(3H,s),3.38-3.59(2H,m),7.14(1H,d),7.37(1H,d),7.45(1H,d),8.01(1H,d)
【0093】
[製造例5]
{5−[4−クロロ−2−フルオロ−5−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル]−4−フルオロ−2−メチルフェニル} 2,2,2−トリフルオロエチルスルフィド(化合物番号7)の製造:
5−ブロモ−2−クロロ−4−フルオロフェノール(0.83g)、2,2,2−トリフルオロエチル トリフルオロメタンスルホネート(0.94g)、炭酸カリウム(0.76g)、N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)の混合物を室温で3日間攪拌した。反応混合物を水にあけ、ジエチルエーテルで抽出し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥してから、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=20:1)で精製し、1−ブロモ−4−クロロ−2−フルオロ−5−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ベンゼン1.09gを得た。
【0094】
2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)べンゼンボロン酸(0.67g)、1−ブロモ−4−クロロ−2−フルオロ−5−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ベンゼン(0.77g)、炭酸ナトリウム(0.53g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.15g)、テトラヒドロフラン(12mL)、水(3mL)の混合物を4時間加熱還流した。反応混合物を室温に冷却後、酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥してから、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=20:1)で精製し、油状物の{5−[4−クロロ−2−フルオロ−5−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル]−4−フルオロ−2−メチルフェニル} 2,2,2−トリフルオロエチルスルフィド0.75gを得た(収率66%)。
H−NMRデータ(CDCl3/TMS δ(ppm)値)
2.54(3H,s),3.34(2H,q),4.41(2H,q),7.00(1H,d),7.09(1H,d),7.27(1H,d),7.55(1H,d)
【0095】
[製造例6]
{5−[4−クロロ−2−フルオロ−5−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル]−4−フルオロ−2−メチルフェニル} 2,2,2−トリフルオロエチルスルホキシド(化合物番号8)の製造:
製造例5の方法で合成した{5−[4−クロロ−2−フルオロ−5−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル]−4−フルオロ−2−メチルフェニル} 2,2,2−トリフルオロエチルスルフィド(0.40g)のクロロホルム(10mL)溶液に、氷冷下、m−クロロ過安息香酸(0.22g、純度70%)を加え、1時間攪拌した。反応混合物に亜硫酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、炭酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥してから、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製し、{5−[4−クロロ−2−フルオロ−5−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル]−4−フルオロ−2−メチルフェニル} 2,2,2−トリフルオロエチルスルホキシド0.30gを得た(収率72%)。
【0096】
[製造例7]
{5−[4−クロロ−5−(2−クロロ−2,2−ジフルオロエトキシ)−2−フルオロフェニル]−4−フルオロ−2−メチルフェニル} 2,2,2−トリフルオロエチルスルフィド(化合物番号9)の製造:
2−クロロ−2,2−ジフルオロエタノ−ル(5.0g)、トリエチルアミン(6.9g)のジクロロメタン(300mL)溶液に、パーフルオロブタンスルホニルフルオリド(19.0g)を滴下し、1時間加熱還流した後、1時間室温で攪拌した。反応混合物を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=9:1)で精製し、2−クロロ−2,2−ジフルオロエチル パーフルオロブタンスルホネート8.5gを得た。
【0097】
[5−(4−クロロ−2−フルオロ−5−ヒドロキシフェニル)−4−フルオロ−2−メチルフェニル] 2,2,2−トリフルオロエチルスルフィド(0.50g)、2−クロロ−2,2−ジフルオロエチル パーフルオロブタンスルホネート(0.54g)、炭酸カリウム(0.22g)、ジメチルスルホキシド(10mL)の混合物を室温で20時間攪拌した。反応混合物を水にあけ、酢酸エチルで抽出し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥してから、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=20:1)で精製し、油状物の{5−[4−クロロ−5−(2−クロロ−2,2−ジフルオロエトキシ)−2−フルオロフェニル]−4−フルオロ−2−メチルフェニル} 2,2,2−トリフルオロエチルスルフィド0.35gを得た(収率55%)。
1H−NMRデータ(CDCl3/TMS δ(ppm)値)
2.53(3H,s),3.33(2H,q),4.49(2H,t),7.02(1H,d),7.08(1H,d),7.25(1H,d),7.55(1H,d)
【0098】
[製造例8]
{5−[4−クロロ−5−(2−クロロ−2,2−ジフルオロエトキシ)−2−フルオロフェニル]−4−フルオロ−2−メチルフェニル} 2,2,2−トリフルオロエチルスルホキシド(化合物番号10)の製造:
製造例7の方法で合成した{5−[4−クロロ−2−フルオロ−5−(2−クロロ−2,2−ジフルオロエトキシ)フェニル]−4−フルオロ−2−メチルフェニル} 2,2,2−トリフルオロエチルスルフィド(0.20g)のクロロホルム(10mL)溶液に、氷冷下、m−クロロ過安息香酸(0.10g、純度70%)を加え、1時間攪拌した。反応混合物に亜硫酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、炭酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥してから、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製し、アメ状物質の{5−[4−クロロ−5−(2−クロロ−2,2−ジフルオロエトキシ)−2−フルオロフェニル]−4−フルオロ−2−メチルフェニル} 2,2,2−トリフルオロエチルスルホキシド0.10gを得た(収率53%)。
H−NMRデータ(CDCl3/TMS δ(ppm)値)
2.45(3H,s),3.40-3.56(2H,m),4.50(2H,t),7.05(1H,d),7.11(1H,d),7.27(1H,d),7.98(1H,d)
【0099】
[製造例9]
{5−[4−クロロ−2−フルオロ−5−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)フェニル]−4−フルオロ−2−メチルフェニル} 2,2,2−トリフルオロエチルスルフィド(化合物番号11)の製造:
[5−(4−クロロ−2−フルオロ−5−ヒドロキシフェニル)−4−フルオロ−2−メチルフェニル] 2,2,2−トリフルオロエチルスルフィド(1.0g)、炭酸カリウム(0.04g)、N,N−ジメチルホルムアミド(50mL)の混合物にパーフルオロエテンを吹き込みながら、90℃で1時間攪拌した。反応混合物を水にあけ、酢酸エチルで抽出し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥してから、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=20:1)で精製し、油状物の{5−[4−クロロ−2−フルオロ−5−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)フェニル]−4−フルオロ−2−メチルフェニル} 2,2,2−トリフルオロエチルスルフィド0.12gを得た(収率9%)。
H−NMRデータ(CDCl3/TMS δ(ppm)値)
2.53(3H,s),3.34(2H,q),5.99(1H,tt),7.09(1H,d),7.31(1H,d),7.37(1H,d),7.56(1H,d)
【0100】
[製造例10]
{5−[4−クロロ−2−フルオロ−5−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)フェニル]−4−フルオロ−2−メチルフェニル} 2,2,2−トリフルオロエチルスルホキシド(化合物番号12)の製造:
製造例9の方法で合成した{5−[4−クロロ−2−フルオロ−5−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)フェニル]−4−フルオロ−2−メチルフェニル} 2,2,2−トリフルオロエチルスルフィド(0.12g)のクロロホルム(10mL)溶液に、氷冷下、m−クロロ過安息香酸(0.07g、純度70%)を加え、1時間攪拌した。反応混合物に亜硫酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、炭酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥してから、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製し、{5−[4−クロロ−2−フルオロ−5−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)フェニル]−4−フルオロ−2メチルフェニル} 2,2,2−トリフルオロエチルスルホキシド0.13gを得た(収率100%)。
【0101】
[製造例11]
{5−[4−クロロ−2−フルオロ−5−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロポキシ)フェニル]−4−フルオロ−2−メチルフェニル} 2,2,2−トリフルオロエチルスルフィド(化合物番号21)の製造:
[5−(4−クロロ−2−フルオロ−5−ヒドロキシフェニル)−4−フルオロ−2−メチルフェニル] 2,2,2−トリフルオロエチルスルフィド(1.30g)、トリエチルアミン(10mL)、N,N−ジメチルホルムアミド(20mL)溶液にパーフルオロプロペンを吹き込みながら、50℃で1時間攪拌した。反応混合物を水にあけ、ジエチルエーテルで抽出し、有機層を水、希塩酸、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥してから、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=20:1)で精製し、油状物の{5−[4−クロロ−2−フルオロ−5−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロポキシ)フェニル]−4−フルオロ−2−メチルフェニル} 2,2,2−トリフルオロエチルスルフィド0.77gを得た(収率42%)。
H−NMRデータ(CDCl3/TMS δ(ppm)値)
2.54(3H,s),3.34(2H,q),4.96-5.20(1H,m),7.09(1H,d),7.32(1H,d),7.36(1H,d),7.55(1H,d)
【0102】
[製造例12]
{5−[4−クロロ−2−フルオロ−5−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロポキシ)フェニル]−4−フルオロ−2−メチルフェニル} 2,2,2−トリフルオロエチルスルホキシド(化合物番号22)の製造:
製造例11の方法で合成した{5−[4−クロロ−2−フルオロ−5−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロポキシ)フェニル]−4−フルオロ−2−メチルフェニル} 2,2,2−トリフルオロエチルスルフィド(0.42g)のクロロホルム(10mL)溶液に、氷冷下、m−クロロ過安息香酸(0.20g、純度70%)を加え、1時間攪拌した。反応混合物に亜硫酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、炭酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥してから、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製し、{5−[4−クロロ−2−フルオロ−5−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロポキシ)フェニル]−4−フルオロ−2−メチルフェニル} 2,2,2−トリフルオロエチルスルホキシド0.40gを得た(収率93%)。
【0103】
[製造例13]
{5−[4−クロロ−2−フルオロ−5−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロポキシ)フェニル]−4−フルオロ−2−メチルフェニル} 2,2,2−トリフルオロエチルスルフィド(化合物番号19)の製造:
2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノ−ル(25.0g)、トリエチルアミン(27.0g)のジクロロメタン(300mL)溶液に、パーフルオロブタンスルホニルフルオリド(75.0g)を滴下し、1時間加熱還流した後、1時間室温で攪拌した。反応混合物を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=9:1)で精製し、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル パーフルオロブタンスルホネート30gを得た。
【0104】
[5−(4−クロロ−2−フルオロ−5−ヒドロキシフェニル)−4−フルオロ−2−メチルフェニル] 2,2,2−トリフルオロエチルスルフィド0.50g、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル パーフルオロブタンスルホネート(0.59g)、炭酸カリウム(0.22g)、ジメチルスルホキシド(10mL)の混合物を室温で20時間攪拌した。反応混合物を水にあけ、酢酸エチルで抽出し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥してから、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=50:1)で精製し、{5−[4−クロロ−2−フルオロ−5−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロポキシ)−4−フルオロ−2−メチルフェニル]フェニル} 2,2,2−トリフルオロエチルスルフィド0.50gを得た(収率74%)。
【0105】
この方法に準じて、化合物番号23、25、27の化合物を合成した。
【0106】
[製造例14]
{5−[4−クロロ−2−フルオロ−5−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロポキシ)フェニル]−4−フルオロ−2−メチルフェニル} 2,2,2−トリフルオロエチルスルホキシド(化合物番号20)の製造:
製造例11の方法で合成した{5−[4−クロロ−2−フルオロ−5−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロポキシ)フェニル]−4−フルオロ−2−メチルフェニル} 2,2,2−トリフルオロエチルスルフィド(0.40g)のクロロホルム(10mL)溶液に、氷冷下、m−クロロ過安息香酸(0.20g、純度70%)を加え、1時間攪拌した。反応混合物に亜硫酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、炭酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥してから、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製し、アメ状物質の{5−[4−クロロ−2−フルオロ−5−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロポキシ)フェニル]−4−フルオロ−2−メチル−フェニル} 2,2,2−トリフルオロエチルスルホキシド0.28gを得た(収率68%)。
H−NMRデータ(CDCl3/TMS δ(ppm)値)
2.46(3H,s),3.40-3.56(2H,m),4.48(2H,t),7.00(1H,d),7.12(1H,d),7.29(1H,d),7.99(1H,d)
【0107】
この方法に準じて、化合物番号24、26、28の化合物を合成した。
【0108】
前記製造例に準じて合成した本発明化合物[1]の構造式と物性値を、前記製造例を含め表2に示す。尚、表中の化合物番号は前記と同じ意味を表す。
【0109】
【表2】

【0110】
化合物番号23、24、25、26、27、28について、H−NMRデータ(CDCl3/TMS δ(ppm)値)を以下に示す。
化合物番号23:
2.54(3H,s), 3.34(2H,q), 4.51(2H,t), 6.99(1H,d), 7.09(1H,d), 7.27(1H,d), 7.55(1H,d)
化合物番号24:
2.46(3H,s), 3.40-3.57(2H,m), 4.52(2H,t), 7.01(1H,d), 7.12(1H,d), 7.29(1H,d), 7.99(1H,d)
化合物番号25:
2.54(3H,s), 3.34(2H,q), 4.52(2H,t), 6.99(1H,d), 7.09(1H,d), 7.27(1H,d), 7.55(1H,d)
化合物番号26:
2.46(3H,s), 3.40-3.57(2H,m), 4.53(2H,t), 7.01(1H,d), 7.12(1H,d), 7.30(1H,d), 7.99(1H,d)
化合物番号27:
2.54(3H,s), 3.34(2H,q), 4.52(2H,t), 6.99(1H,d), 7.09(1H,d), 7.27(1H,d), 7.55(1H,d)
化合物番号28:
2.46(3H,s), 3.40-3.57(2H,m), 4.53(2H,t), 7.01(1H,d), 7.12(1H,d), 7.30(1H,d), 7.99(1H,d)
【0111】
[参考例1](製造中間体)
2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)ベンゼンボロン酸の製造:
クロロスルホン酸(910g)に、4−ブロモ−3−フルオロトルエン(500g)を50〜60℃で滴下した後、さらに50〜60℃で1時間反応させた。反応混合物を室温に冷却後、氷水と酢酸エチルの混合溶液に投入した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で溶媒を留去し、5−ブロモ−4−フルオロ−2−メチルベンゼンスルホニルクロリド750gを得た。
【0112】
酢酸(1L)、赤りん(240g)、ヨウ素(2g)の混合物に、5−ブロモ−4−フルオロ−2−メチルベンゼンスルホニルクロリド(750g)の酢酸(750mL)溶液を、110〜120℃で1時間かけて滴下し、さらに2時間加熱還流した。反応混合物を室温に冷却後、固体を濾別し、減圧下で溶媒を留去した。残渣を酢酸エチルに溶解し、水、飽和食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去し、5−ブロモ−4−フルオロ−2−メチル−1−アセチルチオベンゼン800gを得た。
【0113】
5−ブロモ−4−フルオロ−2−メチル−1−アセチルチオベンゼン(800g)をメタノール(2L)に溶解し、20%水酸化ナトリウム水溶液(1.8L)を50℃以下で加え、さらにこの混合物を50℃以下で30分撹拌した。この混合物に、氷冷しながらpHが2〜3になるように塩酸を加えた。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣を酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去し、5−ブロモ−4−フルオロ−2−メチルベンゼンチオール550gを得た。
5−ブロモ−4−フルオロ−2−メチルベンゼンチオール550g、炭酸カリウム180g、ロンガリット(Rongalit、Sodium formaldehyde sulfoxylate、CH2OHSO2Na・2H2O)(55g)、N,N−ジメチルホルムアミド(3L)の混合物に、1−ヨード−2,2,2−トリフルオロエタン(380g)を40℃以下で滴下し、さらに室温で5時間反応させた。反応混合物を水に投入し、n−ヘキサンで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣を減圧蒸留(142〜143℃、4.67KPa(35mmHg))し、5−ブロモ−4−フルオロ−2−メチルフェニル 2,2,2−トリフルオロエチルスルフィド345gを得た。
【0114】
以下の反応は窒素雰囲気下で行った。5−ブロモ−4−フルオロ−2−メチルフェニル 2,2,2−トリフルオロエチルスルフィド(300g)をジエチルエーテル(3L)に溶解し、−70℃に冷却した。この溶液に、n−ブチルリチウム(n−ヘキサン溶液、1.54モル/L)(625mL)を−70〜−60℃で20分間かけて滴下した。5分後、トリメトキシボラン(104g)のジエチルエーテル(100mL)溶液を−65〜−60℃で10分間かけて滴下し、その後−20℃に昇温し、20%硫酸(1kg)を滴下し、さらに室温で2時間反応させた。この反応混合物から有機層を分取し、水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去した。得られた固体をn−ヘキサンで洗浄し、2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)べンゼンボロン酸211g(融点161〜163℃)を得た。
【0115】
[参考例2](製造中間体)
5−ブロモ−2−クロロ−4−フルオロフェノールの製造:
濃硫酸(70g)に亜硫酸ナトリウム(5.2g)を40℃以下で加え、次に酢酸(70mL)を40℃以下で加えた。この溶液に、4−クロロ−2−フルオロ−5−ヒドロキシアニリン(10g)の酢酸(120mL)溶液を5℃〜10℃で滴下し、さらに5℃で1時間攪拌して、ジアゾニウム塩の溶液を得た。
【0116】
別の反応容器に、臭化銅(I)(18g)と48%臭化水素酸(100mL)を加え、60℃に加熱した。この溶液に先に得たジアゾニウム塩の溶液を60℃で滴下し、さらに70℃で1時間攪拌した。反応混合物を室温冷却後、氷水にあけ、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を水、炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムとフロリジルを加え、ろ過、濃縮し、5−ブロモ−2−クロロ−4−フルオロフェノール12.7gを得た。
【0117】
尚、4−クロロ−2−フルオロ−5−ヒドロキシアニリンはアグリカルチャラル・アンド・バイオロジカル・ケミストリー(Agric. Biol. Chem.)第2001頁〜2004頁(1989年)に記載の方法に準じて合成した。
H−NMRデータ(CDCl3/TMS δ(ppm)値)
5.45(1H,s),7.14(1H,d),7.23(1H,d)
【0118】
[参考例3](製造中間体)
[5−(4−クロロ−2−フルオロ−5−ヒドロキシフェニル)−4−フルオロ−2−メチルフェニル] 2,2,2−トリフルオロエチルスルフィドの製造:
5−ブロモ−2−クロロ−4−フルオロフェノール(1.13g)、2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)べンゼンボロン酸(1.34g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.35g)、炭酸ナトリウム(1.80g)、テトラヒドロフラン(25mL)及び水(7mL)の混合物を4時間加熱還流した。反応混合物を室温に冷却後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥してから、減圧下で溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=5:1)で精製し、[5−(4−クロロ−2−フルオロ−5−ヒドロキシフェニル)−4−フルオロ−2メチル−フェニル]2,2,2−トリフルオロエチルスルフィド1.70gを得た。
H−NMRデータ(CDCl3/TMS δ(ppm)値)
2.53(3H,s),3.33(2H,q),5.40(1H,s),7.02(1H,d),7.07(1H,d),7,19(1H,d),7.54(1H,d)
次に代表的な製剤例をあげて製剤方法を具体的に説明する。化合物、添加剤の種類及び配合比率は、これのみに限定されることなく広い範囲で変更可能である。
【0119】
[製剤例1] 乳剤
化合物番号11の化合物 30部
シクロヘキサノン 20部
ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル 11部
アルキルベンゼンスルホン酸カルシウム 4部
メチルナフタリン 35部
以上を均一に溶解して乳剤とした。又、化合物番号11に代えて、表1に記載の化合物各々を用いて同様に乳剤を得ることができる。
【0120】
[製剤例2] 水和剤
化合物番号11の化合物 10部
ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩 0.5部
ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル 0.5部
珪藻土 24部
クレー 65部
以上を均一に混合粉砕して水和剤とした。又、化合物番号11に代えて、表1にに記載の化合物各々を用いて同様に水和剤を得ることができる。
【0121】
[製剤例3] 粉剤
化合物番号24の化合物 2部
珪藻土 5部
クレー 93部
以上を均一に混合粉砕して粉剤とした。又、化合物番号24に代えて、表1に記載の化合物各々を用いて同様に粉剤を得ることができる。
【0122】
[製剤例4] 粒剤
化合物番号24の化合物 5部
ラウリルアルコール硫酸エステルのナトリウム塩 2部
リグニンスルホン酸ナトリウム 5部
カルボキシメチルセルロース 2部
クレー 86部
以上を均一に混合粉砕した。この混合物に水20部相当量を加えて練合し、押出式造粒機を用いて14〜32メッシュの粒状に加工したのち、乾燥して粒剤とした。又、化合物番号24に代えて、表1に記載の化合物各々を用いて同様に粒剤を得ることができる。
【0123】
次に本発明化合物を有効成分とする殺虫・殺ダニ剤の奏する効果について試験例をもって説明する。
【0124】
[試験例1] ミカンサビダニ防除試験
試験方法:プラスチックカップ上の湿らせた脱脂綿上のカンキツのリーフディスクにミカンサビダニの寄生した葉片を載せて一晩置いた。接種1日後にリーフディスク上に移動した成虫数を数え、製剤例2に準じて調製した水和剤を有効成分として500ppmの濃度に水で希釈した。この希釈液をリーフディスク上に散布した(散布量2mg/cm)。処理後、3日間25℃の恒温室に置き、生存虫数を調査し、数1の計算式により補正死虫率を求めた。
【0125】
比較対照化合物として、特開2000−198768号公報明細書に例示された[I−356]、[I−358]、[I−361]、[I−414]の化合物(以下、それぞれ比較化合物a、b、c、dとする。)を用い、製剤例2と同様に製剤し、同様の試験を行った。
【0126】
【化6】

【0127】
【数1】

【0128】
以上の結果を表3に示す。
【0129】
【表3】

【0130】
[試験例2] ナミハダニ防除試験(浸漬処理)
製剤例2に準じて調製した水和剤を有効成分として500ppmの濃度に水で希釈した。その薬液に、予めナミハダニ成虫を接種しておいたダイズ苗を浸漬し、風乾した。処理後のダイズ苗は25℃の恒温室に置き、13日後に生存虫数を調査し、数2の計算式により防除価を求めた。試験は1連制にて行なった。
【0131】
【数2】

【0132】
この試験において100%の防除価を示した化合物は、化合物番号1,5,9,11,22,26等である。
【0133】
[試験例3] トビイロウンカ殺虫試験
製剤例2に準じて調製した水和剤を有効成分として500ppmの濃度に水で希釈した。その薬液に、イネ芽だし籾を浸漬し、容量60mlのプラスティックカップに入れた。これにトビイロウンカ3齢幼虫を10頭放ち、蓋をして25℃の恒温室に置いた。6日後に生存虫数を数え、数3の計算式により死虫率を求めた。試験は1連制にて行なった。
【0134】
【数3】

【0135】
この試験において、100%の防除価を示した化合物は、化合物番号1、5、11、19、20、23、24、26、28等である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式[I]
【化1】


(nは0又は1を示し、RはC1〜C6ハロアルキル基を示す。)で表されるビフェニルスルフィド化合物。
【請求項2】
式[I]において、nが1であり、RがC1〜C3ハロアルキル基である請求項1に記載のビフェニルスルフィド化合物。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のビフェニルスルフィド化合物を有効成分として含有する殺虫及び/又は殺ダニ剤。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のビフェニルスルフィド化合物の有効量を施用して、農園芸分野の有害な昆虫及び/又はダニ類を防除する方法。

【公開番号】特開2009−23910(P2009−23910A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−185148(P2007−185148)
【出願日】平成19年7月17日(2007.7.17)
【出願人】(000000169)クミアイ化学工業株式会社 (86)
【出願人】(000102049)イハラケミカル工業株式会社 (48)
【Fターム(参考)】