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ビフェニル化合物の結晶形
説明

ビフェニル化合物の結晶形

【課題】肺障害の治療に有用であると期待されるビフェニル化合物の新規な結晶形およびその溶媒和物の提供。
【解決手段】本発明は、ビフェニル−2−イルカルバミン酸1−(2−{[4−(4−カルバモイルピペリジン−1−イルメチル)ベンゾイル]メチルアミノ}エチル)ピペリジン−4−イルエステルの結晶形および薬剤として許容されるその溶媒和物を提供する。その結晶形は、遊離塩基、または二リン酸塩、一硫酸塩もしくは二シュウ酸塩などの塩であってよい。本発明は、これらの結晶性化合物を含むかまたはこれらの化合物を用いて調製される医薬品組成物、その結晶性化合物を調製するための方法および中間体、ならびに肺障害を治療するためのこれらの化合物の使用方法も提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の背景)
(発明の分野)
本発明は、肺障害の治療に有用であると期待されるビフェニル化合物の新規な結晶形およびその溶媒和物に関する。本発明は、結晶性化合物を含むかまたはそうした化合物から調製される医薬品組成物、その結晶性化合物を調製するための方法および中間体、ならびに肺障害を治療するためのその化合物の使用にも関する。
【背景技術】
【0002】
(背景技術)
本発明の譲受人に譲渡されたMammenらの特許文献1は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)および喘息などの肺障害を治療するのに有用であると期待されている新規なビフェニル化合物を開示している。特に、化合物ビフェニル−2−イルカルバミン酸1−(2−{[4−(4−カルバモイルピペリジン−1−イルメチル)ベンゾイル]メチルアミノ}エチル)ピペリジン−4−イルエステルが、ムスカリン性受容体拮抗薬または抗コリン作用を有していることを本出願で具体的に述べられている。
【0003】
ビフェニル−2−イルカルバミン酸1−(2−{[4−(4−カルバモイルピペリジン−1−イルメチル)ベンゾイル]メチルアミノ}エチル)ピペリジン−4−イルエステルの化学構造は式Iで表される。
【0004】
【化1】

式Iの化合物は市販されているAutoNomソフトウェア(MDL,San Leandro,California)を用いて称されている。
【0005】
肺障害または呼吸器障害の治療に有用な治療剤は、吸入によって直接気道中に投与することが有利である。この関連で、吸入によって治療剤を投与するために、乾燥粉末吸入器(DPI)、計量式吸入器(MDI)および噴霧型吸入器を含むいくつかの種類の薬剤用吸入装置が開発されている。そうした装置のための医薬品組成物および配合物を調製する場合、吸湿性でも潮解性でもなく、かつ比較的高い融点(一般に約150℃を超える)を有し、それによってそれほど分解を伴うことなくその物質を微粒化することができる治療剤の結晶形を有することが特に望まれる。
【特許文献1】米国特許出願公開第2005/0203133号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
式Iの化合物の結晶形はこれまで報告されていない。許容できる程度の吸湿性と比較的高い融点を有する安定した非潮解性の式Iの化合物の結晶形が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の要旨)
本発明は、ビフェニル−2−イルカルバミン酸1−(2−{[4−(4−カルバモイルピペリジン−1−イルメチル)ベンゾイル]メチルアミノ}エチル)ピペリジン−4−イルエステル(式I)の結晶形を提供する。結晶形は遊離塩基、二リン酸塩、一硫酸塩もしくは二シュウ酸塩などの薬剤として許容される塩、またはそうした塩の薬剤として許容される溶媒和物であってよい。
【0008】
驚くべきことに、本発明の結晶形は、大気中の湿気に曝しても潮解性でないことが分かった。さらに、本発明の結晶形は、許容できる程度の吸湿性と約70oCを超える許容できる融点を有する。例えば、二リン酸塩は約150oCの融点を有する。
【0009】
様々な用途の中で、とりわけ、式Iの化合物の結晶形は、肺障害を治療するのに有用性が期待される医薬品組成物を調製するのに有用である。したがって、本発明の一態様は、薬剤として許容される担体と、治療有効量の式Iの化合物の結晶形を含む医薬品組成物に関する。
【0010】
本発明のさらに他の態様は、式Iの化合物の結晶形を1種または複数の他の治療剤と合わせて含む組成物に関する。したがって、一実施形態では、本発明は、(a)薬剤として許容される担体および治療有効量の式Iの化合物の結晶形と、(b)コルチコステロイド;βアドレナリン作動性受容体作用薬;ホスホジエステラーゼ−4阻害剤;またはその組合せなどのステロイド系抗炎症剤から選択される治療有効量の薬剤とを含む組成物であって、その結晶形と薬剤が一緒かまたは別個に配合される組成物を対象とする。その薬剤を別個に配合する場合、薬剤として許容される担体を含めることができる。
【0011】
本発明の他の態様は、式Iの化合物の結晶形を含む水性の等張性生理食塩水を含む医薬品組成物であって、上記食塩水が約4〜6の範囲のpHを有する組成物に関する。特定の実施形態では、水性の噴霧型配合物を、クエン酸塩緩衝剤で約5のpHに緩衝させる。他の特定の実施形態では、水性の噴霧型配合物は、約0.5mg/mlのビフェニル−2−イルカルバミン酸1−(2−{[4−(4−カルバモイルピペリジン−1−イルメチル)ベンゾイル]メチルアミノ}エチル)ピペリジン−4−イルエステルの遊離塩基相当物を含む。
【0012】
一実施形態では、本発明は、薬剤として許容される担体と式Iの化合物の結晶形を含む医薬品組成物を含む乾燥粉末吸入器を備えた薬物送達装置を提供する。
【0013】
式Iの化合物はムスカリン性受容体拮抗活性を有する。したがって、式Iの化合物の結晶形は喘息および慢性閉塞性肺疾患などの肺障害を治療するのに有用である。したがって、本発明の他の態様は、患者に治療有効量の式Iの化合物の結晶形を投与することを含む肺障害を治療するための方法に関する。本発明のさらに他の態様は、気管支拡張をもたらす量の式Iの化合物の結晶形を患者に投与することを含む患者の気管支拡張をもたらす方法に関する。一実施形態では、化合物を吸入により投与する。本発明は、患者に治療有効量の式Iの化合物の結晶形を投与することを含む慢性閉塞性肺疾患または喘息の治療方法を提供する。本発明の他の態様は、哺乳動物に治療有効量の式Iの化合物の結晶形を投与することを含む哺乳動物のムスカリン性受容体を拮抗させるための方法を対象とする。
【0014】
本発明は、式Iの化合物の結晶形を調製するための方法も対象とする。本発明は、ビフェニル−2−イルカルバミン酸1−(2−{[4−(4−カルバモイルピペリジン−1−イルメチル)ベンゾイル]メチルアミノ}エチル)ピペリジン−4−イルエステルの結晶性塩または結晶性遊離塩基を形成させることを含む式Iの化合物を精製するための方法を提供する。本発明は、本明細書で述べる方法によって調製される生成物をさらに対象とする。
【0015】
本発明は、微粒化した形態の式Iの化合物の結晶形、ならびに薬剤として許容される担体と微粒化した結晶形の式Iの化合物を含む医薬品組成物も対象とする。
【0016】
本発明は、治療で用いるためまたは医薬品としての式Iの化合物の結晶形も対象とする。さらに、本発明は、医薬品の製造のため、特に哺乳動物の肺障害を治療するかまたはムスカリン性受容体に拮抗させる医薬品の製造のための式Iの化合物の結晶形の使用に関する。
例えば、本願発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
ビフェニル−2−イルカルバミン酸1−(2−{[4−(4−カルバモイルピペリジン−1−イルメチル)ベンゾイル]メチルアミノ}エチル)ピペリジン−4−イルエステルの結晶形または薬剤として許容されるその溶媒和物。
(項目2)
前記結晶形が二リン酸塩である、項目1に記載の化合物。
(項目3)
6.4±0.2、7.6±0.2、8.6±0.2、13.7±0.2、15.0±0.2、19.4±0.2、21.6±0.2、22.1±0.2、22.9±0.2および23.7±0.2から選択される2θ値で2つ以上の回折ピークを有する粉末X線回折パターンを特徴とする、項目2に記載の化合物。
(項目4)
前記粉末X線回折パターンが、15.0±0.2、19.4±0.2、21.6±0.2および23.7±0.2の2θ値での回折ピークを含む項目3に記載の化合物。
(項目5)
そのピーク位置が、図1に示すパターンのピーク位置と実質的に一致する粉末X線回折パターンを特徴とする、項目2に記載の化合物。
(項目6)
約154.5℃で最大吸熱熱流を示す示差走査熱量測定トレースを特徴とする、項目2に記載の化合物。
(項目7)
図2に示す示差走査熱量測定トレースと実質的に一致するトレースを特徴とする、項目2に記載の化合物。
(項目8)
前記結晶形が一硫酸塩である、項目1に記載の化合物。
(項目9)
7.7±0.2、8.4±0.2、8.8±0.2、12.6±0.2、13.7±0.2、14.1±0.2、15.3±0.2、16.0±0.2、19.7±0.2、20.6±0.2、23.0±0.2および24.4±0.2から選択される2θ値で2つ以上の回折ピークを有する粉末X線回折パターンを特徴とする、項目8に記載の化合物。
(項目10)
前記粉末X線回折パターンが、12.6±0.2、19.7±0.2、23.0±0.2および24.4±0.2の2θ値での回折ピークを含む、項目9に記載の化合物。
(項目11)
そのピーク位置が、図8に示すパターンのピーク位置と実質的に一致する粉末X線回折パターンを特徴とする、項目8に記載の化合物。
(項目12)
約76.5℃で最大吸熱熱流を示す示差走査熱量測定トレースを特徴とする、項目8に記載の化合物。
(項目13)
図10に示す示差走査熱量測定トレースと実質的に一致するトレースを特徴とする、項目8に記載の化合物。
(項目14)
前記結晶形が二シュウ酸塩である、項目1に記載の化合物。
(項目15)
7.7±0.2、8.7±0.2、13.5±0.2、14.0±0.2、14.8±0.2、15.4±0.2、15.8±0.2、19.4±0.2、22.9±0.2、23.3±0.2および24.6±0.2から選択される2θ値で2つ以上の回折ピークを有する粉末X線回折パターンを特徴とする、項目14に記載の化合物。
(項目16)
前記粉末X線回折パターンが、8.7±0.2、14.0±0.2、19.4±0.2および22.9±0.2の2θ値での回折ピークを含む、項目15に記載の化合物。
(項目17)
そのピーク位置が、図13に示すパターンのピーク位置と実質的に一致する粉末X線回折パターンを特徴とする、項目14に記載の化合物。
(項目18)
約73.7℃で最大吸熱熱流を示す示差走査熱量測定トレースを特徴とする、項目14に記載の化合物。
(項目19)
図15に示す示差走査熱量測定トレースと実質的に一致するトレースを特徴とする、項目14に記載の化合物。
(項目20)
前記結晶形が遊離塩基である、項目1に記載の化合物。
(項目21)
4.7±0.2、9.6±0.2、12.7±0.2、13.7±0.2、16.7±0.2、17.4±0.2、18.5±0.2、19.4±0.2、20.8±0.2、21.4±0.2、24.2±0.2および25.6±0.2から選択される2θ値で2つ以上の回折ピークを有する粉末X線回折パターンを特徴とする、項目20に記載の化合物。
(項目22)
前記粉末X線回折パターンが、4.7±0.2、18.5±0.2、20.8±0.2および25.6±0.2の2θ値での回折ピークを含む、項目21に記載の化合物。
(項目23)
そのピーク位置が、図18に示すパターンのピーク位置と実質的に一致する粉末X線回折パターンを特徴とする、項目20に記載の化合物。
(項目24)
約102.7℃で最大吸熱熱流を示す示差走査熱量測定トレースを特徴とする、項目20に記載の化合物。
(項目25)
図19に示す示差走査熱量測定トレースと実質的に一致するトレースを特徴とする、項目20に記載の化合物。
(項目26)
4.6±0.2、9.3±0.2、12.9±0.2、13.6±0.2、14.0±0.2、14.6±0.2、16.5±0.2、18.6±0.2、19.1±0.2、20.9±0.2、22.1±0.2、22.7±0.2および25.7±0.2から選択される2θ値で2つ以上の回折ピークを有する粉末X線回折パターンを特徴とする、項目20に記載の化合物。
(項目27)
前記粉末X線回折パターンが、4.6±0.2、18.6±0.2、22.1±0.2および22.7±0.2の2θ値での回折ピークを含む、項目26に記載の化合物。
(項目28)
そのピーク位置が、図23に示すパターンのピーク位置と実質的に一致する粉末X線回折パターンを特徴とする、項目20に記載の化合物。
(項目29)
約98.6℃で最大吸熱熱流を示す示差走査熱量測定トレースを特徴とする、項目20に記載の化合物。
(項目30)
図24に示す示差走査熱量測定トレースと実質的に一致するトレースを特徴とする、項目20に記載の化合物。
(項目31)
薬剤として許容される担体と項目1から30のいずれか一項に記載の化合物を含む医薬品組成物。
(項目32)
βアドレナリン作動性受容体作用薬、ステロイド系抗炎症剤、ホスホジエステラーゼ−4阻害剤およびその組合せから選択される治療有効量の薬剤をさらに含み、前記化合物と前記薬剤を一緒または別個に配合する、項目31に記載の組成物。
(項目33)
治療有効量のβアドレナリン作動性受容体作用薬およびステロイド系抗炎症剤を含む、項目32に記載の組成物。
(項目34)
前記βアドレナリン作動性受容体作用薬がN−{2−[4−((R)−2−ヒドロキシ−2−フェニルエチルアミノ)フェニル]エチル}−(R)−2−ヒドロキシ−2−(3−ホルムアミド−4−ヒドロキシフェニル)エチルアミンの一塩酸塩である、項目32に記載の組成物。
(項目35)
前記ステロイド系抗炎症剤が6α,9α−ジフルオロ−17α−[(2−フラニルカルボニル)オキシ]−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオ酸S−フルオロメチルエステルである、項目32に記載の組成物。
(項目36)
前記化合物と前記薬剤を一緒に配合する、項目32に記載の組成物。
(項目37)
前記化合物と前記薬剤を別個に配合する、項目32に記載の組成物。
(項目38)
前記組成物を吸入で投与するために配合する、項目31に記載の組成物。
(項目39)
前記担体が約4〜約6のpH範囲を有する水性の等張性生理食塩水である、項目31に記載の組成物。
(項目40)
クエン酸塩緩衝剤を含む、項目39に記載の組成物。
(項目41)
項目31に記載の組成物を含む乾燥粉末吸入器を備える薬物送達装置。
(項目42)
微粒化した形態の項目1から30のいずれか一項に記載の化合物の結晶形。
(項目43)
薬剤として許容される担体および項目42に記載の化合物を含む医薬品組成物。
(項目44)
前記担体がラクトースである、項目43に記載の組成物。
(項目45)
ビフェニル−2−イルカルバミン酸1−(2−{[4−(4−カルバモイルピペリジン−1−イルメチル)ベンゾイル]メチルアミノ}エチル)ピペリジン−4−イルエステルをリン酸と接触させることを含む、項目2に記載の化合物の調製方法。
(項目46)
ビフェニル−2−イルカルバミン酸1−(2−{[4−(4−カルバモイルピペリジン−1−イルメチル)ベンゾイル]メチルアミノ}エチル)ピペリジン−4−イルエステルを硫酸と接触させることを含む、項目8に記載の化合物の調製方法。
(項目47)
ビフェニル−2−イルカルバミン酸1−(2−{[4−(4−カルバモイルピペリジン−1−イルメチル)ベンゾイル]メチルアミノ}エチル)ピペリジン−4−イルエステルをシュウ酸と接触させて、ビフェニル−2−イルカルバミン酸1−(2−{[4−(4−カルバモイルピペリジン−1−イルメチル)ベンゾイル]メチルアミノ}エチル)ピペリジン−4−イルエステルの結晶性二シュウ酸塩の種晶を形成させるステップと、
ビフェニル−2−イルカルバミン酸1−(2−{[4−(4−カルバモイルピペリジン−1−イルメチル)ベンゾイル]メチルアミノ}エチル)ピペリジン−4−イルエステルをシュウ酸と接触させて、ビフェニル−2−イルカルバミン酸1−(2−{[4−(4−カルバモイルピペリジン−1−イルメチル)ベンゾイル]メチルアミノ}エチル)ピペリジン−4−イルエステルの二シュウ酸塩を形成させ、前記塩を不活性希釈剤中に溶解して溶液を形成するステップと、
前記種晶を前記溶液に加えるステップと
を含む、項目14に記載の化合物の調製方法。
(項目48)
ビフェニル−2−イルカルバミン酸1−(2−{[4−(4−カルバモイルピペリジン−1−イルメチル)ベンゾイル]メチルアミノ}エチル)ピペリジン−4−イルエステルを不活性希釈剤と接触させて、結晶性遊離塩基の種晶を形成させるステップと、
ビフェニル−2−イルカルバミン酸1−(2−{[4−(4−カルバモイルピペリジン−1−イルメチル)ベンゾイル]メチルアミノ}エチル)ピペリジン−4−イルエステルを不活性希釈剤と接触させて、結晶性遊離塩基を形成させ、得られた結晶性エステルを溶解させて溶液を形成するステップと、
前記種晶を前記溶液に加えるステップと
を含む、項目20に記載の化合物の調製方法。
(項目49)
項目45から48のいずれか一項に記載の方法によって調製された生成物。
(項目50)
ビフェニル−2−イルカルバミン酸1−(2−{[4−(4−カルバモイルピペリジン−1−イルメチル)ベンゾイル]メチルアミノ}エチル)ピペリジン−4−イルエステルの結晶性塩または結晶性遊離塩基を形成させることを含む、ビフェニル−2−イルカルバミン酸1−(2−{[4−(4−カルバモイルピペリジン−1−イルメチル)ベンゾイル]メチルアミノ}エチル)ピペリジン−4−イルエステルを精製するための方法における項目1から30のいずれか一項に記載の化合物の使用。
(項目51)
治療において、または医薬品として用いるための項目1から30のいずれか一項に記載の化合物。
(項目52)
医薬品の製造のための項目1から30のいずれか一項に記載の化合物の使用。
(項目53)
前記医薬品が哺乳動物におけるムスカリン性受容体に拮抗させるためのものである、項目52に記載の使用。
(項目54)
前記医薬品が肺障害を治療するためのものである、項目52に記載の使用。
(項目55)
前記医薬品が気管支拡張をもたらすためのものである、項目52に記載の使用。
(項目56)
前記医薬品が慢性閉塞性肺疾患または喘息を治療するためのものである、項目52に記載の使用。
【0017】
本発明の様々な態様を、添付の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1はビフェニル−2−イルカルバミン酸1−(2−{[4−(4−カルバモイルピペリジン−1−イルメチル)ベンゾイル]メチルアミノ}エチル)ピペリジン−4−イルエステル(式Iの化合物)の結晶性二リン酸塩の粉末X線回折(PXRD)パターンを示す。
【図2】図2は図1の結晶性塩の示差走査熱量測定法(DSC)トレースを示す。
【図3】図3は図1の結晶性塩の熱重量分析(TGA)トレースを示す。
【図4】図4は図1の結晶性塩の動的水分収着(DMS)トレースを示す。
【図5】図5は図1の結晶性塩の顕微鏡画像である。
【図6】図6は、より不安定な形態の結晶性二リン酸塩のPXRDパターンを示す。
【図7】図7は、より不安定な形態の結晶性二リン酸塩のDSCトレースを示す。
【図8】図8は式Iの化合物の結晶性一硫酸塩のPXRDパターンを示す。
【図9】図8の結晶性塩はさらに、図9のTGAトレースを特徴とする。
【図10】図8の結晶性塩はさらに、図10のDSCトレースを特徴とする。
【図11】図8の結晶性塩はさらに、図11のDMSトレースを特徴とする。
【図12】図8の結晶性塩はさらに、図12の顕微鏡画像を特徴とする。
【図13】図13は式Iの化合物の結晶性二シュウ酸塩のPXRDパターンを示す。
【図14】図13の結晶性塩はさらに、図14のTGAトレースを特徴とする。
【図15】図13の結晶性塩はさらに、図15のDSCトレースを特徴とする。
【図16】図13の結晶性塩はさらに、図16のDMSトレースを特徴とする。
【図17】図13の結晶性塩はさらに、図17の顕微鏡画像を特徴とする。
【図18】図18は式Iの化合物の結晶性遊離塩基の形態IのPXRDパターンを示す。
【図19】図18の結晶性遊離塩基はさらに、図19のDSCトレースを特徴とする。
【図20】図18の結晶性遊離塩基はさらに、図20のTGAトレースを特徴とする。
【図21】図18の結晶性遊離塩基はさらに、図21のDMSトレースを特徴とする。
【図22】図18の結晶性遊離塩基はさらに、図22の顕微鏡画像を特徴とする。
【図23】図23は式Iの化合物の結晶性遊離塩基の形態IIのPXRDパターンを示す。
【図24】図23の結晶性遊離塩基はさらに、図24のDSCトレースを特徴とする。
【図25】図23の結晶性遊離塩基はさらに、図25のTGAトレースを特徴とする。
【図26】図23の結晶性遊離塩基はさらに、図26のDMSトレースを特徴とする。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(発明の詳細な説明)
本発明は、ビフェニル−2−イルカルバミン酸1−(2−{[4−(4−カルバモイルピペリジン−1−イルメチル)ベンゾイル]メチルアミノ}エチル)ピペリジン−4−イルエステルの結晶形を提供する。結晶形は、遊離塩基、二リン酸塩、一硫酸塩または二シュウ酸塩などの薬剤として許容される塩、あるいはそうした塩の薬剤として許容される溶媒和物であってよい。特定の実施形態では、結晶形は二リン酸塩である。
定義
本発明の化合物、組成物、方法およびプロセスを説明する場合、別段の指定のない限り、以下の用語は以下の意味を有する。
【0020】
「溶媒和物」という用語は、溶質すなわち、式Iの結晶性化合物の1個または複数の分子と、溶媒の1個または複数の分子によって形成される複合体または凝集物を意味する。そうした溶媒和物は一般に実質的に一定の溶質と溶媒のモル比を有する。この用語は、水との包接化合物を含む包接化合物も意味する。代表的な溶媒には、例として、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸などが含まれる。溶媒が水である場合、形成される溶媒和物は水和物である。
【0021】
「形態I」という用語は、不活性希釈剤としての溶媒混合物の一部として水を用いる方法で調製される結晶性遊離塩基を指す。「形態II」という用語は、不活性希釈剤として有機溶媒混合物を用いる、すなわち水を用いない方法で調製される結晶性遊離塩基を指す。
【0022】
「治療有効量」という用語は、治療を必要とする患者に投与したときに効果的に治療するのに十分な量を意味する。例えば、ムスカリン性受容体に拮抗させるための治療有効量は所望の拮抗効果を実現するその量である。同様に、肺障害を治療するための治療有効量は所望の治療結果を実現するその量であり、それは以下で述べるような疾患の防止、改善、抑制または緩和であってよい。
【0023】
本明細書で用いる「治療する(treating)」または「治療(treatment)」という用語は、
(a)疾患または病状の発症を防止する、すなわち、そうした疾患または病状にかかっているかまたはかかる恐れがあると考えられる患者に予防的治療をすること、
(b)疾患または病状を改善する、すなわち、そうした疾患または病状を有する患者の疾患または病状を排除するかその後退をもたらすこと、
(c)疾患または病状を抑制する、すなわち、そうした疾患または病状を有する患者の疾患または病状の進行を遅くするかまたは止めること、または、
(d)そうした疾患または病状を有する患者の疾患または病状の症状を緩和することを含む、哺乳動物(特にヒト)などの患者における疾患または病状(COPDなど)を治療することすなわち治療を意味する。
【0024】
「薬剤として許容される」という用語は、生物学的にであってもなくても望ましくなくはない材料を指す。例えば、「薬剤として許容される担体」という用語は、組成物中に混ぜ込み、望ましくない生物学的影響を引き起こすことなく、また組成物中の他の成分と有害な形で相互作用することなく患者に投与することができる材料を指す。そうした薬剤として許容される材料は、一般に毒物学的試験および製造上の試験の必要な基準に適合しており、米国食品医薬品局によって適切な非活性成分として認定されている材料を含む。
【0025】
「単位剤形」という用語は、患者に投薬するのに適している物理的に離散した単位を指す。すなわち、各単位が単独で、または1つまたは複数の追加的単位と併用して、所望の治療効果をもたらすように計算された所定量の本発明の化合物を含むことを指す。例えば、そうした単位剤形はカプセル剤、錠剤、丸剤などであってよい。
合成
本発明の結晶性化合物は、容易に入手できる出発材料から、以下および実施例に記載のようにして合成することができる。具体的なプロセス条件(すなわち、反応温度、時間、反応物のモル比、溶媒、圧力等)を示すが、別段の指定のない限り、他のプロセス条件も用いることができることを理解されたい。一般に、反応は適切な不活性希釈剤中で実施する。その希釈剤の例には、これらに限定されないが、メタノール、エタノール、イソプロパノール、イソブタノール、酢酸エチル、アセトニトリル、ジクロロメタン、メチルt−ブチルエーテルなど、および一般に水を含むその混合物が含まれる。上記反応のいずれかが完了したら、結晶性化合物は、沈殿、濃縮、遠心分離などの通常の任意の手段で反応混合物から単離することができる。
【0026】
本発明で用いるビフェニル−2−イルカルバミン酸1−(2−{[4−(4−カルバモイルピペリジン−1−イルメチル)ベンゾイル]メチルアミノ}エチル)ピペリジン−4−イルエステルは、実施例に記載の手順を用いるか、またはMammenらの米国特許出願第2005/0203133号に記載の手順を用いて市販の出発材料および試薬から容易に調製することができる。
【0027】
本発明の方法で述べるモル比は、当業者が利用できる様々な方法で容易に決定できる。例えば、そうしたモル比は、H NMRによって容易に決定できる。あるいは、モル比を元素分析法およびHPLC法を用いて決定できる。
二リン酸塩結晶
本発明の二リン酸塩は一般に、式Iの化合物のモル当量当たり約1.9〜2.1モル当量のリン酸を含む、式Iの化合物のモル当量当たり約1.8〜2.2モル当量のリン酸を含む。
【0028】
一般に、式Iの化合物の結晶性二リン酸塩または薬剤として許容されるその溶媒和物は、ビフェニル−2−イルカルバミン酸1−(2−{[4−(4−カルバモイルピペリジン−1−イルメチル)ベンゾイル]メチルアミノ}エチル)ピペリジン−4−イルエステルをリン酸と接触させて調製することができる。例えば、エステルを希釈リン酸水溶液と接触させて無定形二リン酸塩を形成させ、次いでこれを不活性希釈剤と接触させることができる。
【0029】
無定形二リン酸塩を調製するために、通常エステルをリン酸水溶液中に溶解させ、水で希釈し、凍結乾燥により単離する。一般に、この反応は約24℃などの約0〜30℃の温度範囲で実施する。エステルのmgと1Mリン酸のmlとの比は約1:3.5を含む約1:3〜約1:4である。次いで得られた無定形二リン酸塩を一般に約15mg/ml〜約25mg/mlの不活性希釈剤と接触させる。一般に、この反応は約60℃などの約50〜70℃の温度範囲で実施する。
【0030】
特定の実施形態では、500mgのエステルを5mlの水および1.5mlの1Mリン酸にとる。1Mリン酸を加えて(2.1モル当量に等しくする)、pHを約pH5.3に調節する。透明溶液をろ過し、凍結させ、凍結乾燥で乾燥させて無定形二リン酸塩を得る。得られた無定形二リン酸塩をイソプロパノール:アセトニトリル(1:1)溶液に加え、続いて水を加える。この反応では、無定形の二リン酸塩のmgとイソプロパノール:アセトニトリルのmlの比は、約2:1を含む約2:0.9〜約2:2である。
【0031】
あるいは、結晶性二リン酸塩は、エステルを約2.0〜約2.1モル当量のリン酸と接触させて調製することができる。一般に、この反応は、不活性希釈剤中で、約50℃などの約40〜60℃の温度範囲で実施する。特定の実施形態では、エステルをイソプロパノール:アセトニトリル(1:1)溶液に加え、続いて水を加える。加熱後、リン酸を加える。この反応では、エステルのmgとリン酸のmlの比は、約5:16を含む約5:14〜約5:18である。
【0032】
結晶性二リン酸塩を調製するための上記方法はどちらも、より不安定な離散した二リン酸塩結晶形態の生成をもたらすことができる。図6および図7は、このより不安定な形態のPXRDパターンおよびDSCトレースをそれぞれ示す。より安定である二リン酸塩結晶が一般的な形態であるが、より不安定な二リン酸塩形態物が存在する場合、溶媒混合物中の水分含量を増大させ、その懸濁液を約50℃〜約70℃、典型的には約60℃で約2〜約6時間、典型的には約2時間予備加熱し、続いて緩やかに撹拌しながら室温に冷却することによって、その二リン酸塩形態物をより安定な結晶に容易に転換させることができる。
一硫酸塩結晶
本発明の一硫酸塩は、一般に、式Iの化合物のモル当量当たり約0.9〜1.1モル当量の硫酸を含む、式Iの化合物のモル当量当たり約0.8〜1.2モル当量の硫酸を含む。
【0033】
式Iの化合物の結晶性一硫酸塩または薬剤として許容されるその溶媒和物は、ビフェニル−2−イルカルバミン酸1−(2−{[4−(4−カルバモイルピペリジン−1−イルメチル)ベンゾイル]メチルアミノ}エチル)ピペリジン−4−イルエステルを硫酸と接触させて調製することができる。例えば、エステルは、1N硫酸水溶液と接触させて一硫酸塩を形成させ、次いでそれを不活性希釈剤と接触させることができる。
【0034】
一硫酸塩を調製するために、通常エステルを1:1アセトニトリル:水に溶解させ、硫酸水溶液で希釈し、水で希釈し、凍結乾燥により単離する。一般に、この反応は約24℃などの約0〜30℃の温度範囲で実施する。エステルのmgと水の中の1N硫酸mlとの比は、約305mg/mlを含む約325mg/ml〜約285mg/mlである。一つの特定の実施形態では、442mgのエステルを5mlの1:1アセトニトリル:水にとり、pHを監視しながら1.45mlの1N硫酸を徐々に加える。次いで、pHを約pH3.3に調節する。透明溶液をろ過し、凍結させ、凍結乾燥で乾燥させて一硫酸塩を得る。次いで、得られた一硫酸塩を一般に約10mg/ml〜約20mg/mlの不活性希釈剤と接触させる。一実施形態では、この反応を第1の温度で実施し、次いでより低い第2の温度で実施する。その両方の温度は、60℃〜70℃などの約50〜80℃の範囲の温度である。特定の実施形態では、一硫酸塩をイソプロパノール:アセトニトリル(10:1)溶液に加える。この反応では、一硫酸塩のmgとイソプロパノール:アセトニトリルのmlの比は、約15:1を含む約15:3〜約15:0.8である。
【0035】
他の実施形態では、この反応を第1の温度で実施し、次いでより低い2つの温度サイクルで実施する。第1の温度範囲は、約70℃などを含む約50〜80℃である。第1のより低い温度サイクルは約60℃〜30℃の範囲である。第2のより低い温度サイクルは約40℃〜30℃である。特定の実施形態では、一硫酸塩をイソプロパノール:アセトニトリル(10:1)溶液に加える。この反応では、一水和物塩のmgとイソプロパノール:アセトニトリルのmlの比は、約161:9を含む約161:7〜約161:11である。
二シュウ酸塩結晶
本発明の二シュウ酸塩は一般に、式Iの化合物のモル当量当たり約1.9〜2.1モル当量のシュウ酸を含む、式Iの化合物のモル当量当たりの約1.8〜2.2モル当量のシュウ酸を含む。
【0036】
ビフェニル−2−イルカルバミン酸1−(2−{[4−(4−カルバモイルピペリジン−1−イルメチル)ベンゾイル]メチルアミノ}エチル)ピペリジン−4−イルエステルの結晶性二シュウ酸塩または薬剤として許容されるその溶媒和物は、ビフェニル−2−イルカルバミン酸1−(2−{[4−(4−カルバモイルピペリジン−1−イルメチル)ベンゾイル]メチルアミノ}エチル)ピペリジン−4−イルエステルをシュウ酸と接触させて調製することができる。例えば、エステルを、1Mシュウ酸水溶液と接触させて二シュウ酸塩を形成させ、次いでこれを不活性希釈剤と接触させることができる。
【0037】
二シュウ酸塩を調製するために、通常エステルを1:1アセトニトリル:水に溶解させ、シュウ酸水溶液で希釈し、水で希釈し、凍結乾燥により単離する。一般に、この反応は約24℃などの約0〜30℃の温度範囲で実施する。エステルのmgと1Mシュウ酸水溶液のmlの比は、約300mg/mlを含む約320mg/ml〜約280mg/mlである。一つの特定の実施形態では、510mgのエステルを5mlの1:1アセトニトリル:水にとり、pHを監視しながら、1.7mlの1Mシュウ酸水溶液を徐々に加える。pHを約pH3.0に調節する。透明溶液をろ過し、凍結させ、凍結乾燥で乾燥させて二シュウ酸塩を得る。
【0038】
一実施形態では、次いで得られた二シュウ酸塩を一般に約5mg/ml〜約15mg/mlの不活性希釈剤に接触させる。一般に、この反応は約60℃などの約50〜70℃の温度範囲で実施する。特定の実施形態では、二シュウ酸塩をイソプロパノール:水(94:6)溶液に加える。この反応では、二シュウ酸塩のmgとイソプロパノール:水のmlの比は、約10:1を含む約10:0.8〜約10:3である。
【0039】
結晶性二シュウ酸塩は、エステルの結晶性二シュウ酸塩(上記のようにして合成)の種晶を形成し、エステルをシュウ酸と接触させることによってエステルの二シュウ酸塩を形成し、その塩を不活性希釈剤中に溶解させて溶液を形成させ、その種晶を溶液に加えることによって調製することもできる。
【0040】
一実施形態では、二シュウ酸塩は一般に約5mg/ml〜約15mg/mlの不活性希釈剤と接触させる。一般に、この反応は約60℃などの約50〜70℃の第1の温度範囲で実施する。次いでその混合物を約4℃などの約3〜10℃の第2の温度範囲まで冷却する。次いでエステルの結晶性二シュウ酸塩の種晶を加える。特定の実施形態では、二シュウ酸塩をイソプロパノール:水(94:6)溶液に加える。この反応では、二シュウ酸塩のmgとイソプロパノール:水のmlの比は、約150:13を含む約150:10〜約150:16である。
遊離塩基結晶
ビフェニル−2−イルカルバミン酸1−(2−{[4−(4−カルバモイルピペリジン−1−イルメチル)ベンゾイル]メチルアミノ}エチル)ピペリジン−4−イルエステルの結晶性遊離塩基または薬剤として許容されるその溶媒和物は、ビフェニル−2−イルカルバミン酸1−(2−{[4−(4−カルバモイルピペリジン−1−イルメチル)ベンゾイル]メチルアミノ}エチル)ピペリジン−4−イルエステルを不活性希釈剤と接触させることによって調製することができる。
【0041】
結晶性遊離塩基の1つの形態物(形態I)を調製するために、エステルを一般に約5mg/ml〜約15mg/mlの不活性希釈剤と接触させる。一般に、この反応は約25℃などの約20〜30℃の温度範囲で実施する。特定の実施形態では、エステルを水:アセトニトリル(1:1)溶液に加える。この反応では、エステルのmgと水:アセトニトリルのmlの比は、約100:0.5を含む約100:0.3〜約100:1である。あるいは、反応を、約25℃などの約20〜30℃の範囲の第1の温度で実施し、次いで約4℃などの約3〜10℃の範囲の第2の温度に冷却することができる。
【0042】
結晶性遊離塩基は、結晶性遊離塩基(上記のようにして合成)の種晶を形成し、エステルを不活性希釈剤と接触させることによって結晶性遊離塩基を形成し、得られた結晶性エステル中に溶解させて溶液を形成させ、その種晶を溶液に加えることによって調製することもできる。
【0043】
一実施形態では、エステルは一般に約5mg/ml〜約15mg/mlの不活性希釈剤と接触させる。一般に、この反応は約60℃などの約50〜70℃の第1の温度範囲で実施する。次いでその混合物を約4℃などの約3〜10℃の第2の温度範囲まで冷却する。次いでエステルの結晶性遊離塩基の種晶を加え、続いて加熱と冷却のサイクルを数回繰り返す。第1の加熱サイクルを、例えば約30〜40℃、次いで約50℃にし、続いて室温に冷却して行う。第2、第3および第4の加熱サイクルは、試料を約60℃などの約50〜70℃の温度範囲に加熱し、続いて室温に冷却して行う。特定の実施形態では、エステルを水:アセトニトリル(1:1)溶液に加え、続いて水を加え、さらにアセトニトリルを加える。この反応では、エステルのmgとアセトニトリルおよび水のmlの比は、約230:0.2を含む約230:0.1〜約230:0.5である。
【0044】
結晶性遊離塩基の他の形態物(形態II)を調製するために、エステルを一般に約200mg/ml〜約100mg/mlの不活性希釈剤に接触させる。一般に、この反応は約25℃などの約20〜30℃の温度範囲で実施する。特に適切な不活性希釈剤はアセトニトリルとメチルt−ブチルエーテルの組合せである。特定の実施形態では、ビフェニル−2−イルカルバミン酸1−(2−{[4−(4−カルバモイルピペリジン−1−イルメチル)ベンゾイル]メチルアミノ}エチル)ピペリジン−4−イルエステルをアセトニトリルに加え、続いて、メチルt−ブチルエーテルを加え、さらにアセトニトリルを加える。この反応では、エステルのmgとアセトニトリル:メチルt−ブチルエーテル(1:2溶液)のmlの比は、約70:0.45を含む約200mg/ml〜約100mg/mlである。
結晶特性
様々な利点のなかでとりわけ、式Iの結晶性化合物を形成させると、式Iの化合物を精製するのに有用であることが分かった。例えば、結晶性二リン酸塩は96%超、典型的には98%超の純度を有する。
【0045】
粉末x線回折(PXRD)の分野でよく知られているように、PXRDスペクトルの相対的ピーク高さは、試料調製や装置の形状に関連する多くの要因に依存するが、ピーク位置は実験上の細部の影響を比較的受けない。したがって、一実施形態では、本発明の結晶性化合物は、特定のピーク位置を有するPXRDパターンを特徴とする。
【0046】
一実施形態では、式Iの化合物の結晶性二リン酸塩は、6.4±0.2、7.6±0.2、8.6±0.2、13.7±0.2、15.0±0.2、19.4±0.2、21.6±0.2、22.1±0.2、22.9±0.2および23.7±0.2から選択される2θ値で2つ以上の回折ピークを有するPXRDパターンを特徴とする。一つの特定の実施形態では、この結晶形は、15.0±0.2、19.4±0.2、21.6±0.2および23.7±0.2の2θ値での回折ピークを含むPXRDパターンを特徴とする。他の実施形態では、結晶性二リン酸塩はそのピーク位置が図1に示すものと実質的に一致するPXRDパターンを特徴とする。図1のPXRDパターンと、図6に示すようなより不安定な二リン酸塩についてのPXRDパターンの間の差に注目されたい。
【0047】
一実施形態では、式Iの化合物の結晶性一硫酸塩は、7.7±0.2、8.4±0.2、8.8±0.2、12.6±0.2、13.7±0.2、14.1±0.2、15.3±0.2、16.0±0.2、19.7±0.2、20.6±0.2、23.0±0.2および24.4±0.2から選択される2θ値で2つ以上の回折ピークを有するPXRDパターンを特徴とする。一つの特定の実施形態では、この結晶形は、12.6±0.2、19.7±0.2、23.0±0.2および24.4±0.2の2θ値での回折ピークを含むPXRDパターンを特徴とする。他の実施形態では、結晶性一硫酸塩はそのピーク位置が図8に示すものと実質的に一致するPXRDパターンを特徴とする。
【0048】
一実施形態では、式Iの化合物の結晶性二シュウ酸塩は、7.7±0.2、8.7±0.2、13.5±0.2、14.0±0.2、14.8±0.2、15.4±0.2、15.8±0.2、19.4±0.2、22.9±0.2、23.3±0.2および24.6±0.2から選択される2θ値で2つ以上の回折ピークを有するPXRDパターンを特徴とする。一つの特定の実施形態では、この結晶形は、8.7±0.2、14.0±0.2、19.4±0.2および22.9±0.2の2θ値での回折ピークを含むPXRDパターンを特徴とする。他の実施形態では、結晶性二シュウ酸塩はそのピーク位置が図13に示すものと実質的に一致するPXRDパターンを特徴とする。
【0049】
一実施形態では、式Iの化合物の結晶性遊離塩基(形態I)は4.7±0.2、9.6±0.2、12.7±0.2、13.7±0.2、16.7±0.2、17.4±0.2、18.5±0.2、19.4±0.2、20.8±0.2、21.4±0.2、24.2±0.2および25.6±0.2の2θ値での回折ピークを含むPXRDパターンを特徴とする。一つの特定の実施形態では、この結晶形は、4.7±0.2、18.5±0.2、20.8±0.2および25.6±0.2の2θ値での回折ピークを含むPXRDパターンを特徴とする。他の実施形態では、結晶性遊離塩基(形態I)はそのピーク位置が図18に示すものと実質的に一致するPXRDパターンを特徴とする。
【0050】
一実施形態では、式Iの化合物の結晶性遊離塩基(形態II)は、4.6±0.2、9.3±0.2、12.9±0.2、13.6±0.2、14.0±0.2、14.6±0.2、16.5±0.2、18.6±0.2、19.1±0.2、20.9±0.2、22.1±0.2、22.7±0.2および25.7±0.2から選択される2θ値で2つ以上の回折ピークを有するPXRDパターンを特徴とする。一つの特定の実施形態では、この結晶形は、4.6±0.2、18.6±0.2、22.1±0.2および22.7±0.2の2θ値での回折ピークを含むPXRDパターンを特徴とする。他の実施形態では、結晶性遊離塩基(形態II)はそのピーク位置が図23に示すものと実質的に一致するPXRDパターンを特徴とする。
【0051】
さらに他の実施形態では、式Iの結晶性化合物はその示差走査熱量測定法(DSC)トレースを特徴とする。したがって、式Iの化合物の結晶性二リン酸塩は、図2で示すように、約154.5℃で最大の吸熱熱流を示すそのDSCトレースを特徴とする。図2のDSCトレースと、図7のより不安定な二リン酸塩のDSCトレースの間の差に注目されたい。安定な結晶性二リン酸塩(図2)のDSCトレースは典型的な低い温度遷移を示し、続いて約154.5℃での比較的シャープなピークを示す。他方、不安定な結晶性二リン酸塩(図7)のDSCトレースは、約150.3℃でのより小さい融解転移の前にはっきりした肩を示す。
【0052】
同様に、式Iの化合物の結晶性一硫酸塩は、図10で示すように、約76.5℃で最大の吸熱熱流を示すそのDSCトレースを特徴とし、結晶性二シュウ酸塩は、図15で示すように、約73.7℃で最大の吸熱熱流を示すそのDSCトレースを特徴とし、結晶性遊離塩基(形態I)は、図19で示すように、約102.7℃で最大の吸熱熱流を示すそのDSCトレースを特徴とし、結晶性遊離塩基(形態II)は、図24で示すように、約98.6℃で最大の吸熱熱流を示すそのDSCトレースを特徴とする。
【0053】
本発明の結晶性化合物は許容される適度なレベルの吸湿性を有する可逆的吸着/脱着プロファイルを示す。すなわち、最大で90%の相対湿度に曝した場合、式Iの化合物の結晶性二リン酸塩は2%未満の増量を示し;最大で90%の相対湿度に曝した場合、結晶性一硫酸塩は4%未満の増量を示し;最大で90%の相対湿度に曝した場合、結晶性二シュウ酸塩は3%未満の増量を示し;最大で90%の相対湿度に曝した場合、結晶性遊離塩基(形態I)は6%未満の増量を示し;最大で90%の相対湿度に曝した場合、結晶性遊離塩基(形態II)は4%未満の増量を示すことが実証された。
【0054】
さらに、本発明の結晶性化合物は、高い温度と湿度に曝しても安定であることが分かった。例えば、40℃、75%相対湿度で1か月間保存した後、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で分析して、本発明の結晶性化合物について、検出可能な化学的分解は見られなかった(すなわち、0.5%未満の分解)。
【0055】
本発明の結晶性化合物のこれらの特性を以下の実施例でさらに説明する。
医薬品組成物および配合物
式Iの結晶性化合物は一般に医薬品組成物または配合物の形態で患者に投与する。そうした医薬品組成物は、これらに限定されないが、吸入、経口、経鼻、局所(経皮を含む)および非経口方式の投与を含む可能な任意の投与経路で患者に投与することができる。しかし、当業者は、本発明の結晶性塩が配合されると、それはもはや結晶形ではない、すなわちその塩を適切な担体中に溶解させることができることを理解されよう。
【0056】
したがって、一実施形態では、本発明は、薬剤として許容される担体もしくは賦形剤、および結晶性のビフェニル−2−イルカルバミン酸1−(2−{[4−(4−カルバモイルピペリジン−1−イルメチル)ベンゾイル]メチルアミノ}エチル)ピペリジン−4−イルエステルまたは薬剤として許容されるその溶媒和物を含む医薬品組成物を対象とする。医薬品組成物は、必要に応じて、他の治療薬および/または配合剤を含むことができる。
【0057】
本発明の医薬品組成物は一般に、活性剤として、治療有効量の結晶性ビフェニル−2−イルカルバミン酸1−(2−{[4−(4−カルバモイルピペリジン−1−イルメチル)ベンゾイル]メチルアミノ}エチル)ピペリジン−4−イルエステルまたは薬剤として許容されるその溶媒和物を含む。通常、そうした医薬品組成物は約0.01〜約30重量%、例えば約0.01〜約10重量%の活性剤を含む約0.01〜約95重量%の活性剤を含む。
【0058】
従来の任意の担体または賦形剤を、本発明の医薬品組成物に用いることができる。担体もしくは賦形剤、または担体もしくは賦形剤の組合せの具体的な選択は、具体的な患者を治療するのに用いる投与の方式、または病状または疾患の状態のタイプに応じて変わることになる。この関連では、特定の投与方式のための適切な医薬品組成物の調製は、十分に薬剤業界の技術者の範囲内である。さらに、そうした組成物のための成分は、例えばSigma,P.O.Box 14508,St.Louis,MO63178から市販されている。従来の配合技術のさらなる説明は、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Edition,Lippincott Williams & White,Baltimore,Maryland(2000年);およびH.C.AnselらのPharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,7th Edition,Lippincott Williams & White,Baltimore,Maryland(1999年)に記載されている。
【0059】
薬剤として許容される担体として作用することができる材料の代表的な例には、これらに限定されないが、以下のもの、すなわち:ラクトース、グルコースおよびスクロースなどの糖類;トウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプンなどのデンプン;カルボキシルメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロースなどのセルロースおよびその誘導体;粉末トラガカント;麦芽;ゼラチン;タルク;ココアバターおよび坐薬用ワックス賦形剤;ピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油および大豆油などの油;プロピレングリコールなどのグリコール;グリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコールなどのポリオール;オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチルなどのエステル;寒天;水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムなどの緩衝剤;アルギン酸;非発熱性水;等張性生理食塩水;リンゲル液;エチルアルコール;リン酸緩衝液;クロロフルオロカーボンおよびヒドロフルオロカーボンなどの圧縮噴射ガス;ならびに医薬品組成物で用いられる他の非毒性の適合物質が含まれる。
【0060】
本発明の医薬品組成物は、一般に、発明の化合物を薬剤として許容される担体および1種または複数の任意選択の成分と、完全にかつ密に混合または配合することによって調製する。必要であるかまたはそれを望む場合、次いで得られた均一に配合した混合物を、従来の手順および装置を用いて錠剤、カプセル剤、丸剤、小型容器、カートリッジ、分注器などに成形するかまたはそれに詰め込むことができる。
【0061】
一実施形態では、本発明の医薬品組成物は吸入投与に適している。吸入投与のための適切な医薬品組成物は典型的にはエアロゾルまたは粉末の形態である。そうした組成物は通常、噴霧型吸入器、計量式吸入器(MDI)、乾燥粉末吸入器(DPI)または同様の送達装置などのよく知られた送達装置を用いて投与される。
【0062】
本発明の特定の実施形態では、活性剤を含む医薬品組成物を、噴霧型吸入器を用いて吸入で投与する。そうした噴霧装置は一般に、活性剤を含む医薬品組成物を、患者の気道中に送られる霧状物として、噴霧状にする高速の空気の流れを発生させる。したがって、噴霧型吸入器での使用のために配合する場合、活性剤を適切な担体中に溶解させて溶液を形成させる。適切な噴霧装置は例えばPARI GmbH(Starnberg,German)から市販されている。他の噴霧装置には、Respimat(Boehringer Ingelheim)や、例えばLloydらの米国特許第6,123,068号およびWO97/12687(Eicherら)に記載されているものが含まれる。その開示全体を参照により本明細書に組み込む。
【0063】
噴霧型吸入器で用いるための代表的な医薬品組成物は、約0.05μg/mL〜約10mg/mlの式Iの結晶性化合物または薬剤として許容されるその溶媒和物を含む水溶液を含む。一実施形態では、水性配合物は等張性である。一実施形態では、水性配合物は約4〜6の範囲のpHである。特定の実施形態では、水性配合物はクエン酸塩緩衝剤で緩衝させて約5のpHにしたものである。他の特定の実施形態では、水性配合物は、約0.1mg/mL〜約1.0mg/mLのビフェニル−2−イルカルバミン酸1−(2−{[4−(4−カルバモイルピペリジン−1−イルメチル)ベンゾイル]メチルアミノ}エチル)ピペリジン−4−イルエステルの遊離塩基相当物を含む。
【0064】
本発明の他の特定の実施形態では、活性剤を含む医薬品組成物を、DPIを用いた吸入によって投与する。そうしたDPIは一般に活性剤を、吸気の際に患者の気流中に分散される自由流動性粉末として投与する。自由流動性の粉末を得るために、活性剤は一般にラクトースまたはデンプンなどの適切な賦形剤を用いて配合する。微粒化は、結晶サイズを肺送達に適したサイズに小さくする一般的な方法である。通常、活性剤を微粒化し、適切な担体と混合して吸入できるサイズの微粒化粒子の懸濁液を形成させる。ここで、「微粒化した粒子」または「微粒化した形態」とは、粒子の少なくとも約90%が約10μm未満の直径を有することを意味する。所望の粒子サイズが得られる限り、微細ミリング、裁断、破砕、粉砕、ミリング、篩別、摩砕、粉状化などの粒子サイズを小さくする他の方法も用いることができる。
【0065】
DPIで用いるための代表的な医薬品組成物は、約1μm〜約100μmの粒子サイズを有する乾燥ラクトースと、Iの結晶性化合物または薬剤として許容されるその溶媒和物の微粒化した粒子を含む。そうした乾燥粉末配合は、例えば、ラクトースを活性剤と混合し、次いでその成分をドライブレンドすることによって作製することができる。あるいは、望むなら、活性剤を賦形剤なしで配合することができる。次いで医薬品組成物は一般に、乾燥粉末送達装置で用いるために、乾燥粉末分注器中か、または吸入カートリッジもしくはカプセル剤に詰め込むことができる。
【0066】
DPI送達装置の例には、Diskhaler(GlaxoSmithKline,Research Triangle Park,NC;例えば、Newellらの米国特許第5,035,237号参照);Diskus(GlaxoSmithKline;例えば、Daviesらの米国特許第6,378,519号参照);Turbuhaler(AstraZeneca,Wilmington,DE;例えば、Wetterlinの米国特許第4,524,769号参照);Rotahaler(GlaxoSmithKline;例えば、Hallworthらの米国特許第4,353,365号参照)およびHandihaler(Boehringer Ingelheim)が含まれる。適切なDPI装置の他の例は、Casperらの米国特許第5,415,162号、Evansらの米国特許第5,239,993号ならびにArmstrongらの米国特許第5,715,810号およびその中の引用文献に記載されている。上記特許の開示全体を参照により本明細書に組み込む。
【0067】
本発明のさらに他の具体的な実施形態では、活性剤を含む医薬品組成物を、MDIを用いて吸入により投与する。MDIは一般に、圧縮噴射ガスを用いて、一定量の活性剤あるいは薬剤として許容されるその塩もしくは溶媒和物または立体異性体を放出する。したがって、MDIを用いて投与される医薬品組成物は一般に、活性剤の液化噴射剤中の溶液または懸濁液を含む。CClFなどのクロロフルオロカーボンや、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFA134a)および1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロ−n−プロパン(HFA227)などのヒドロフルオロアルカン(HFA)を含む適切な任意の液化噴射剤を用いることができる。オゾン層への影響を及ぼすクロロフルオロカーボンに対する懸念があるため、HFAを含む配合物が一般に好ましい。HFA配合物の他の任意選択の成分には、エタノールまたはペンタンなどの共溶媒や、トリオレイン酸ソルビタン、オレイン酸、レシチンおよびグリセリンなどの界面活性剤が含まれる。例えば、Purewalらの米国特許第5,225,183号、欧州特許第0717987A2号(Minnesota Mining and Manufacturing Company)およびWO92/22286(Minnesota Mining and Manufacturing Company)を参照されたい。その開示全体を参照により本明細書に組み込む。
【0068】
計量式吸入器で用いるための代表的な医薬品組成物は約0.01〜5重量%の式Iの結晶性化合物または薬剤として許容されるその溶媒和物;約0〜20重量%のエタノール;および約0〜5重量%の界面活性剤を含み、その残りはHFA噴射剤である。
【0069】
そうした組成物は一般に、冷却または圧縮したヒドロフルオロアルカンを、活性剤、エタノール(存在する場合)および界面活性剤(存在する場合)を含む適切な容器に加えて調製する。懸濁液を調製するためには、活性剤を微粒化し、次いで噴射剤と一緒にする。次いで配合物を計量式吸入器装置の一部をなすエアロゾル小型容器に詰め込む。HFA噴射剤を用いて使用するために特に開発された計量式吸入器装置の例は、Mareckiの米国特許第6,006,745号およびAshurstらの同第6,143,277号に記載されている。あるいは、懸濁液配合物は、活性剤の微粒化粒子上への界面活性剤のコーティング物を噴霧乾燥することによって調製することができる。例えばWO99/53901(Glaxo Group Ltd.)およびWO00/61108(Glaxo
Group Ltd.)を参照されたい。上記特許および出願の開示全体を参照により本明細書に組み込む。
【0070】
吸入投薬に適した呼吸用の粒子の調製方法、および配合物ならびに装置の他の例については、Gaoらの米国特許第6,268,533号、Trofastの米国特許第5,983,956号;Briggnerらの米国特許第5,874,063号;およびJakupovicらの米国特許第6,221,398号;ならびにWO99/55319(Glaxo Group Ltd.)およびWO00/30614(AstraZeneca AB)を参照されたい。その開示全体を参照により本明細書に組み込む。
【0071】
他の実施形態では、本発明の医薬品組成物は経口投与に適している。経口投与のために適した医薬品組成物は、カプセル剤、錠剤、丸剤、トローチ剤、カシェ剤、糖衣錠、粉末、顆粒剤の形態;または、水性もしくは非水性液体中の液剤または懸濁剤として;または、水注油型もしくは油中水型乳剤として;または、エリキシル剤もしくはシロップ剤などとしてであってよい。それぞれ、活性成分として所定量の本発明の塩を含む。医薬品組成物は単位剤形で包装することができる。
【0072】
固体剤形(すなわち、カプセル剤、錠剤、丸剤などとして)で経口投与しようとする場合、本発明の医薬品組成物は一般に、活性成分としての本発明の結晶性化合物と、クエン酸ナトリウムまたは第二リン酸カルシウムなどの1種または複数の薬剤として許容される担体を含む。そうした固体剤形は、任意選択的または代替的に、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよび/またはケイ酸などの充てん剤すなわち増量剤;カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよび/またはアカシアなどの結合剤;グリセロールなどの保湿剤;寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩および/または炭酸ナトリウムなどの崩壊剤;パラフィンなどの溶解遅延剤;四級アンモニウム化合物などの吸収促進剤;セチルアルコールおよび/またはグリセロールモノステアレートなどの湿潤剤;カオリンおよび/またはベントナイト粘土などの吸収剤;タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムおよび/またはその混合物などの滑剤;着色剤ならびに緩衝剤を含むこともできる。
【0073】
離型剤、湿潤剤、コーティング剤、甘味料、香味剤および芳香剤、保存剤ならびに抗酸化剤が本発明の医薬品組成物中に存在してもよい。薬剤として許容される抗酸化剤の例には、アスコルビン酸、システイン塩酸塩、重硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなどの水溶性抗酸化剤;パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、α−トコフェロールなどの油溶性抗酸化剤;ならびにクエン酸、エチレンジアミン4酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸などの金属−キレート剤が含まれる。錠剤、カプセル剤、丸剤などのためのコーティング剤には、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、ポリビニルアセテートフタレート(PVAP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メタクリル酸−メタクリル酸エステルコポリマー、セルロースアセテートトリメリレート(CAT)、カルボキシメチルエチルセルロース(CMEC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)などの腸溶コーティングに用いるものが含まれる。
【0074】
望むなら、本発明の医薬品組成物は、例えば、様々な特性のヒドロキシプロピルメチルセルロースまたは他のポリマーマトリクス、リポソームおよび/またはミクロスフェアを用いて、活性成分の持続放出または制御放出をもたらすように配合することもできる。
【0075】
さらに、本発明の医薬品組成物は任意選択で乳白剤を含むことができ、胃腸管の特定の部位において遅延した形で、活性成分だけかまたはそれを優先的に放出するように配合することができる。用いることができる埋め込み型組成物の例には、ポリマー系物質やワックスが含まれる。適切な場合、1種または複数の上記賦形剤を用いて、活性成分をマイクロカプセル化した形態にすることもできる。
【0076】
経口投与用の適切な液状剤形には、例えば薬剤として許容される乳剤、マイクロエマルジョン、液剤、懸濁剤、シロップ剤およびエリキシル剤が含まれる。そうした液状剤形は一般に、活性成分、不活性希釈剤、例えば水または他の溶媒、可溶化剤、ならび乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジ、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、油類(特に綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコール、ソルビタンの脂肪酸エステルおよびその混合物などを含む。懸濁剤は、活性成分に加えて、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶性セルロース、アルミニウムメタ水酸化物、ベントナイト、寒天およびトラガカント、ならびにその混合物などの懸濁化剤を含むことができる。
【0077】
本発明の結晶性化合物は、既知の経皮送達系および賦形剤を用いて経皮的に投与することもできる。例えば、本発明の化合物を、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールモノラウレート、アザシクロアルカン−2−オンなどの浸透促進剤と混合し、パッチまたは類似の送達系に組み込むことができる。望むなら、そうした経皮組成物中に、ゲル化剤、乳化剤および緩衝剤を含む他の賦形剤も用いることができる。
【0078】
本発明の結晶性化合物は他の治療剤と併用投与することもできる。この併用療法は、一緒に配合する(例えば、単一の配合物中に一緒に包装する)かまたは別個に配合して(例えば、別個の単位剤形として包装する)、これらの第2の薬剤の1つまたは複数と一緒に本発明の化合物を用いることを含む。複数の薬剤を同一の配合物中に一緒にするか、または別個の単位剤形にする方法は当業界で周知である。
【0079】
他の治療剤は、他の気管支拡張薬(例えば、PDE阻害剤、アデノシン2b修飾因子およびβアドレナリン作動性受容体作用薬);抗炎症剤(例えば、コルチコステロイドなどのステロイド系抗炎症剤;非ステロイド系抗炎症剤(NSAID)およびPDE阻害剤);他のムスカリン性受容体拮抗薬(すなわち、抗コリン剤(antichlolineric agent));抗炎症薬(例えば、グラム陽性およびグラム陰性抗生物質または抗ウイルス剤);抗ヒスタミン剤;プロテアーゼ阻害剤ならびに求心性遮断薬(例えば、D作用薬およびニューロキニン修飾因子)から選択することができる。
【0080】
本発明の1つの特定の実施形態は、(a)薬剤として許容される担体および治療有効量の式Iの化合物の結晶形と、(b)薬剤として許容される担体、およびコルチコステロイド;βアドレナリン作動性受容体作用薬;ホスホジエステラーゼ−4阻害剤;またはその組合せなどのステロイド系抗炎症剤から選択される治療有効量の薬剤とを含む組成物であって、その式Iの化合物と上記薬剤を一緒かまたは別個に配合する組成物を対象とする。他の実施形態では、(b)は薬剤として許容される担体と、治療有効量のβアドレナリン作動性受容体作用薬およびステロイド系抗炎症剤である。第2の薬剤は、薬剤として許容される塩または溶媒和物の形態で、適切な場合、光学的に純粋な立体異性体として用いることができる。
【0081】
本発明の結晶性化合物と併用できる代表的なβアドレナリン作動性受容体作用薬には、これらに限定されないが、サルメテロール、サルブタモール、フォルモテロール、サルメテロール、フェノテロール、テルブタリン、アルブテロール、イソエタリン、メタプロテレノール、ビトルテロール、ピルブテロール、レバルブテロール等、または薬剤として許容されるその塩が含まれる。用いることができる他のβアドレナリン作動性受容体作用薬には、これらに限定されないが、3−(4−{[6−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−フェニル]エチル}アミノ)−ヘキシル]オキシ}ブチル)ベンゼンスルホンアミドおよび3−(−3−{[7−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}−アミノ)ヘプチル]オキシ}−プロピル)ベンゼンスルホンアミドおよびWO02/066422に記載の関連化合物(Glaxo Group Ltd.);3−[3−(4−{[6−([(2R)−2−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)ヘキシル]オキシ}ブチル)−フェニル]イミダゾリジン−2,4−ジオンおよびWO02/070490(Glaxo Group Ltd.)に記載の関連化合物;3−(4−{[6−({(2R)−2−[3−(ホルミルアミノ)−4−ヒドロキシフェニル]−2−ヒドロキシエチル}アミノ)ヘキシル]オキシ}ブチル)−ベンゼンスルホンアミド、3−(4−{[6−({(2S)−2−[3−(ホルミルアミノ)−4−ヒドロキシフェニル]−2−ヒドロキシエチル}アミノ)ヘキシル]オキシ}ブチル)−ベンゼンスルホンアミド、3−(4−{[6−({(2R/S)−2−[3−(ホルミルアミノ)−4−ヒドロキシフェニル]−2−ヒドロキシエチル}アミノ)ヘキシル]オキシ}ブチル)−ベンゼンスルホンアミド、N−(tert−ブチル)−3−(4−{[6−({(2R)−2−[3−(ホルミルアミノ)−4−ヒドロキシフェニル]−2−ヒドロキシエチル}アミノ)−ヘキシル]オキシ}ブチル)ベンゼンスルホンアミド、N−(tert−ブチル)−3−(4−{[6−({(2S)−2−[3−(ホルミルアミノ)−4−ヒドロキシフェニル]−2−ヒドロキシエチル}アミノ)−ヘキシル]オキシ}ブチル)−ベンゼンスルホンアミド、N−(tert−ブチル)−3−(4−{[6−({(2R/S)−2−[3−(ホルミルアミノ)−4−ヒドロキシフェニル]−2−ヒドロキシエチル}アミノ)−ヘキシル]オキシ}ブチル)ベンゼンスルホンアミドおよびWO02/076933に記載の関連化合物(Glaxo Group Ltd.);4−{(1R)−2−[(6−{2−[(2,6−ジクロロベンジル)オキシ]エトキシ}ヘキシル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−2−(ヒドロキシメチル)フェノールおよびWO03/024439に記載の関連化合物(Glaxo Group Ltd.);N−{2−[4−((R)−2−ヒドロキシ−2−フェニルエチルアミノ)フェニル]エチル}−(R)−2−ヒドロキシ−2−(3−ホルムアミド−4−ヒドロキシフェニル)エチルアミンおよびMoranらの米国特許第6,576,793号に記載の関連化合物;N−{2−[4−(3−フェニル−4−メトキシフェニル)アミノフェニル]エチル}−(R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2(1H)−キノリン−5−イル)エチルアミンおよびMoranらの米国特許第6,653,323号に記載の関連化合物;ならびに薬剤として許容されるその塩が含まれる。特定の実施形態では、β−アドレナリン受容体作用薬は、N−{2−[4−((R)−2−ヒドロキシ−2−フェニルエチルアミノ)フェニル]エチル}−(R)−2−ヒドロキシ−2−(3−ホルムアミド−4−ヒドロキシフェニル)エチルアミンの結晶性モノ塩酸塩である。用いる場合、β−アドレナリン受容体作用薬は医薬品組成物中に治療有効量で存在する。一般に、β−アドレナリン受容体作用薬は、用量当たり約0.05μg〜500μgを提供するのに十分な量で存在する。上記特許および出願の開示全体を参照により本明細書に組み込む。
【0082】
本発明の結晶性化合物と併用できる代表的なステロイド系抗炎症剤には、これらに限定されないが、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、デキサメタゾン、プロピオン酸フルチカゾン、6α,9α−ジフルオロ−17α−[(2−フラニルカルボニル)オキシ]−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオ酸S−フルオロメチルエステル、6α,9α−ジフルオロ−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−17α−プロピオニルオキシ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオ酸S−(2−オキソ−テトラヒドロフラン−3S−イル)エステル、ベクロメタゾンエステル(例えば、17−プロピオン酸エステルまたは17,21−二プロピオン酸エステル)、ブデソニド、フルニソリド、モメタゾンエステル(例えば、フロ酸エステル)、トリアムシノロンアセトニド、ロフレポニド、シクレソニド、ブチクソコートプロピオネート(butixocort propionate)、RPR−106541、ST−126などまたは薬剤として許容されるその塩である。用いる場合、ステロイド系抗炎症剤は組成物中に治療有効量で存在する。一般に、ステロイド系抗炎症剤は、用量当たり約0.05μg〜500μgを提供するのに十分な量で存在する。
【0083】
組合せの例は、βアドレナリン作動性受容体作用薬としてのサルメテロール、およびステロイド系抗炎症剤としてのプロピオン酸フルチカゾンと同時投与される式Iの化合物の結晶形またはその溶媒和物である。他の組合せの例は、β−アドレナリン受容体作用薬としてのN−{2−[4−((R)−2−ヒドロキシ−2−フェニルエチルアミノ)フェニル]エチル}−(R)−2−ヒドロキシ−2−(3−ホルムアミド−4−ヒドロキシフェニル)エチルアミン、およびステロイド系抗炎症剤としての6α,9α−ジフルオロ−17α−[(2−フラニルカルボニル)オキシ]−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオ酸S−フルオロメチルエステルの結晶性モノ塩酸塩と同時投与される式Iの化合物の結晶形またはその溶媒和物である。上記のようにこれらの薬剤は一緒にも別個にも配合することができる。
【0084】
他の適切な組合せには、例えば、他の抗炎症剤、例えばNSAID(例えば、クロモグリク酸ナトリウム、ネドクロミルナトリウム、ならびにテオフィリンなどのホスホジエステラーゼ(PDE)阻害剤、PDE4阻害剤および混合PDE3/PDE4阻害剤);ロイコトリエン拮抗薬(例えば、モンテルカスト(monteleukast));ロイコトリエン合成の阻害剤;iNOS阻害剤;トリプターゼおよびエラスターゼ阻害剤などのプロテアーゼ阻害剤;β−2インテグリン拮抗薬およびアデノシン受容体作用薬または拮抗薬(例えば、アデノシン2a作用薬);サイトカイン拮抗薬(例えば、インターロイキン抗体(αIL抗体)、特に、αIL−4治療薬、αIL−13治療薬またはその組合せなどのケモカイン拮抗薬);あるいはサイトカイン合成の阻害剤が含まれる。
【0085】
本発明の結晶性化合物と併用できる代表的なホスホジエステラーゼ−4(PDE4)阻害剤または混合PDE3/PDE4阻害剤は、これらに限定されないが、シス4−シアノ−4−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)シクロヘキサン−1−カルボン酸、2−カルボメトキシ−4−シアノ−4−(3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン−1−オン;シス−[4−シアノ−4−(3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン−1−オル];シス−4−シアノ−4−[3−(シクロペンチルオキシ)−4−メトキシフェニル]シクロヘキサン−1−カルボン酸など、または薬剤として許容されるその塩が含まれる。他の代表的なPDE4または混合PDE4/PDE3阻害剤には、AWD−12−281(elbion);NCS−613(INSERM);D−4418(Chiroscience and Schering−Plough);CI−1018またはPD−168787(Pfizer);WO99/16766に記載のベンゾジオキソール化合物(Kyowa Hakko);K−34(Kyowa Hakko);V−11294A(Napp);ロフルミラスト(roflumilast)(Byk−Gulden);WO99/47505に記載のフタラジノン化合物(Byk−Gulden);プマフェントリン(Pumafentrine)(Byk−Gulden、現在Altanaである);アロフィリン(arofylline)(Almirall−Prodesfarma);VM554/UM565(Vernalis);T−440(Tanabe Seiyaku);およびT2585(Tanabe Seiyaku)が含まれる。
【0086】
本発明の結晶性化合物と併用できる代表的なムスカリン性拮抗薬(すなわち、抗コリン剤)には、これらに限定されないが、アトロピン、硫酸アトロピン、酸化アトロピン、硝酸メチルアトロピン、臭化水素酸ホマトロピン、臭化水素酸ヒヨスチアミン(d、l)、臭化水素酸スコポラミン、臭化イプラトロピウム、臭化オキシトロピウム、臭化チオトロピウム、メタンテリン、臭化プロパンテリン、臭化メチルアニソトロピン、臭化クリジニウム、コピロレート(copyrrolate)(Robinul)、ヨウ化イソプロパミド、臭化メペンゾラート、塩化トリジヘキセチル(Pathilone)、メチル硫酸ヘキソシクリウム、塩酸シクロペントレート、トロピカミド、塩酸トリヘキシフェニジル、ピレンゼピン、テレンゼピン、AF−DX116およびメトクトラミンなど、または薬剤として許容されるその塩;あるいは、塩として挙げた化合物についての、代替の薬剤として許容されるその塩が含まれる。
【0087】
代表的な抗ヒスタミン剤(すなわち、H−受容体拮抗薬)には、これらに限定されないが、マレイン酸カルビノキサミン、フマル酸クレマスチン、塩酸ジフェニルヒドラミンおよびジメンヒドリナートなどのエタノールアミン;マレイン酸ピリラミン、塩酸トリペレナミンおよびクエン酸トリペレナミンなどのエチレンジアミン;クロルフェニラミンおよびアクリバスチンなどのアルキルアミン;塩酸ヒドロキシジン、パモ酸ヒドロキシジン、塩酸シクリジン、乳酸シクリジン、塩酸メクリジンおよび塩酸セチリジンなどのピペラジン;アステミゾール、塩酸レボカバスチン、ロラタジンまたはそのデスカルボエトキシ類似体、テルフェナジンおよび塩酸フェキソフェナジンなどのピペリジン;塩酸アゼラスチン;などまたは薬剤として許容されるその塩;あるいは、塩として挙げた化合物についての、代替の薬剤として許容されるその塩が含まれる。
【0088】
別段の指定のない限り、本発明の結晶性化合物と併用投与される他の治療剤の適切な用量の例は、約0.05μg/日〜100mg/日の範囲である。
【0089】
以下の配合は、本発明の代表的な医薬品組成物、ならびに調製方法の例を示す。1種または複数の第2の薬剤を、本発明の結晶性化合物(第1活性剤)と任意選択で配合することができる。あるいは、第2の薬剤を別個に配合し、同時にかまたは逐次的に第1活性剤と共投与することができる。例えば、一実施形態では、単一の乾燥粉末配合物を、本発明の結晶性化合物と1種または複数の第2の薬剤の両方を含むように作製することができる。他の実施形態では、1つの配合物を、本発明の結晶性化合物を含むように作製し、別の配合物を、第2の薬剤を含むように作製する。次いでそうした乾燥粉末配合物を、分離されたブリスターパックに包装し、単一のDPI装置で投与することができる。
吸入による投与のための乾燥粉末配合物の例
0.2mgの本発明の結晶性化合物を微粒化し、次いで25mgのラクトースと配合する。次いで配合混合物をゼラチン吸入カートリッジに詰め込む。カートリッジの内容物を、粉末吸入器を用いて投与する。
乾燥粉末吸入器による投与のための乾燥粉末配合物の例
乾燥粉末を、本発明の微粒化結晶性化合物(活性剤)とラクトースのバルク配合物比が1:200を有するように調製する。その粉末を、用量当たり約10μg〜100μgの活性剤を送達できる乾燥粉末吸入装置に充てんする。
計量式吸入器による投与のための配合物の例
200mlの脱塩水中に溶解した0.2gのレシチンから生成した溶液中に、10gの活性剤を10μm未満の平均サイズを有する微粒化粒子として分散させて、5重量%の本発明の結晶性化合物(活性剤)と0.1重量%のレシチンを含む懸濁液を調製する。懸濁液を噴霧乾燥し、得られた材料を1.5μm未満の平均径を有する粒子に微粒化する。粒子を、加圧された1,1,1,2−テトラフルオロエタンを用いてカートリッジに充てんする。
【0090】
あるいは、5gの活性剤を、100mlの脱塩水中に溶解した0.5gのトレハロースと0.5gのレシチンから形成させたコロイド状溶液中に、10μm未満の平均サイズを有する微粒化粒子として分散させて、5重量%の活性剤、0.5重量%のレシチンおよび0.5重量%のトレハロースを含む懸濁液を調製する。懸濁液を噴霧乾燥し、得られた材料を、1.5μm未満の平均径を有する粒子に微粒化する。粒子を、加圧された1,1,1,2−テトラフルオロエタンを用いて小型容器に充てんする。
噴霧器による投与のための水性エアロゾル配合物の例
医薬品組成物を、0.5mgの本発明の結晶性化合物(活性剤)をクエン酸で酸性化させた1mlの0.9%塩化ナトリウム溶液中に溶解させて調製する。混合液を撹拌し、活性剤が溶解するまで超音波にかける。NaOHを徐々に加えて、溶液のpHを3〜8(典型的には約5)の範囲の値に調節する。
経口投与のための硬質ゼラチンカプセル配合物の例
以下の成分、すなわち、250mgの本発明の結晶性化合物、200mgのラクトース(噴霧乾燥品)および10mgのステアリン酸マグネシウムを十分に配合し、次いで硬質ゼラチンカプセル中に充てんする。カプセル当たり合計460mgの組成物である。
経口投与のための懸濁配合物の例
以下の成分を混合して、懸濁液10mL当たり100mgの活性成分を含む懸濁剤を形成させる。
【0091】
【表1】

注入可能な配合物の例
以下の成分を配合し、0.5N HClまたは0.5N NaOHを用いてpHを4±0.5に調節する。
【0092】
【表2】

有用性
式Iの化合物はムスカリン性受容体拮抗活性を有しており、したがって式Iの化合物の結晶形は、ムスカリン性受容体によって媒介される病状、すなわちムスカリン性受容体拮抗薬を用いた治療によって改善される病状を治療するのに有用であると期待される。そうした病状には、例えば、慢性閉塞性肺疾患(例えば、慢性および喘息様の気管支炎、および肺気腫)、喘息、肺線維症、アレルギー性鼻炎、鼻漏などの可逆性気道閉塞に付随するものを含む肺障害または疾患が含まれる。ムスカリン性受容体拮抗薬で治療できる他の病状は、過活動膀胱または排尿筋過反射およびその症状などの泌尿生殖器障害;過敏性腸症候群、憩室疾患、アカラシア、胃腸管運動過剰障害および下痢などの胃腸管障害;洞性徐脈などの心不整脈;パーキンソン病;アルツハイマー病などの認識障害;月経困難症(dismenorrhea)などである。
【0093】
したがって、一実施形態では、本発明は、肺障害を治療する方法であって、治療有効量の結晶性ビフェニル−2−イルカルバミン酸1−(2−{[4−(4−カルバモイルピペリジン−1−イルメチル)ベンゾイル]メチルアミノ}エチル)ピペリジン−4−イルエステルまたは薬剤として許容されるその溶媒和物を患者に投与することを含む方法を対象とする。肺障害を治療するのに用いる場合、本発明の結晶性化合物は一般に1日当たり複数用量、単一の日量または単一の週量で吸入により投与する。一般に、肺障害を治療するための用量は約10μg/日〜200μg/日である。
【0094】
吸入により投与する場合、本発明の結晶性化合物は一般に気管支拡張をもたらす効果を有している。したがって、他の実施形態では、本発明は、患者に気管支拡張をもたらすための方法であって、気管支拡張をもたらす量の結晶性ビフェニル−2−イルカルバミン酸1−(2−{[4−(4−カルバモイルピペリジン−1−イルメチル)ベンゾイル]メチルアミノ}エチル)ピペリジン−4−イルエステルまたは薬剤として許容されるその溶媒和物を患者に投与することを含む方法を対象とする。一般に、気管支拡張をもたらすための治療有効用量は約10μg/日〜200μg/日の範囲である。
【0095】
一実施形態では、本発明は、慢性閉塞性肺疾患または喘息を治療するための方法であって、治療有効量の結晶性ビフェニル−2−イルカルバミン酸1−(2−{[4−(4−カルバモイルピペリジン−1−イルメチル)ベンゾイル]メチルアミノ}エチル)ピペリジン−4−イルエステルまたは薬剤として許容されるその溶媒和物を患者に投与することを含む方法を対象とする。COPDまたは喘息を治療するのに用いる場合、本発明の塩は一般に1日当たり複数用量または単一の日量で吸入により投与する。一般に、COPDまたは喘息を治療するための用量は約10μg/日〜200μg/日の範囲である。本明細書で用いるCOPDは、慢性の閉塞性気管支炎および肺気腫を含む(例えば、Barnes,chronic Obstructive Pulmonary Disease,N
Engl J Med 343:269〜78頁(2000年)を参照されたい)。
【0096】
肺障害を治療するのに用いる場合、本発明の結晶性化合物を、任意選択で他の治療剤と併用して投与する。したがって、特定の実施形態では、本発明の医薬品組成物および方法は、治療有効量のβ−アドレナリン受容体作用薬、コルチコステロイド、非ステロイド系抗炎症剤またはその組合せをさらに含む。
【0097】
他の実施形態では、本発明の結晶性化合物は、生体系、およびマウス、ラット、モルモット、ウサギ、イヌ、ブタ、ヒトなどの哺乳動物において、ムスカリン性受容体に拮抗させるために用いる。この実施形態では、治療有効量の式Iの結晶性化合物を哺乳動物に投与する。望むなら、次いでムスカリン性受容体を拮抗させる効果を、従来の手順および装置を用いて測定することができる。
【0098】
本発明の結晶性化合物の特性および有用性は、当業者によく知られているインビトロおよびインビボでの様々なアッセイを用いて実証することができる。例えば、代表的なアッセイを以下の実施例でさらに詳細に説明する。
【実施例】
【0099】
本発明の具体的な実施形態を説明するために以下の調製方法および実施例を示す。しかし、別段の指定のない限り、これらの具体的な実施形態は本発明の範囲を限定するものではない。別段の指定のない限り、以下の略語は以下の意味を有しており、本明細書で用いられ、かつ定義されていない他のどの略語もその標準的な意味を有するものとする。
【0100】
AC アデニリルシクラーゼ
ACh アセチルコリン
ACN アセトニトリル
BSA ウシ血清アルブミン
cAMP 3’−5’一リン酸環状アデノシン
CHO チャイニーズハムスター卵巣由来
cM クローンチンパンジーM5受容体
DCM ジクロロメタン(すなわち、塩化メチレン)
DIPEA N,N−ジイソプロピルエチルアミン
dPBS ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水
DMSO ジメチルスルホキシド
EDC 1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
EDTA エチレンジアミン四酢酸
FBS ウシ胎仔血清
FLIPR 蛍光イメージングプレートリーダー
HBSS ハンクス緩衝塩溶液
HEPES 4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸
hM クローン化ヒトM1受容体
hM クローン化ヒトM2受容体
hM クローン化ヒトM3受容体
hM クローン化ヒトM4受容体
hM クローン化ヒトM5受容体
HOBT N−ヒドロキシベンゾトリアゾール
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
IPA イソプロパノール
MCh メチルコリン
MTBE メチルt−ブチルエーテル
TFA トリフルオロ酢酸
本明細書で用いる定義されていない他のどの略語も、標準的な一般に受け入れられている意味を有する。別段の言及のない限り、試薬、出発材料および溶媒は供給業者(Sigma−Aldrich,Flukaなど)から購入したものであり、さらに精製することなくそれらを用いた。
【0101】
別段の指定のない限り、HPLC分析は3.5ミクロンの粒子サイズを有するZorbaxBonus RP2.1×50mmカラム(Agilent)を備えたAgilent(Palo Alto,CA)Series1100装置を用いて実施した。吸収は214nmでのUV吸収によった。用いた移動相は以下のものである(容積で):AはACN(2%)、水(98%)およびTFA(0.1%)であり、Bはアセトニトリル(90%)、水(10%)およびTFA(0.1%)である。HPLC10−70データは、6分間にわたる勾配で0.5mL/分の流速の10〜70%B(残りはA)を用いて得た。同様に、HPLC5−35データおよびHPLC10−90データは5分間にわたる勾配で5〜35%B;または10〜90%Bを用いて得た。
【0102】
液体クロマトグラフィー質量分析(LCMS)データはApplied Biosystems(Foster City,CA)Model API−150EX装置を用いて得た。
【0103】
LCMS10−90データは5分間にわたる勾配で10〜90%移動相Bを用いて得た。
【0104】
(調製1)
ビフェニル−2−イルカルバミン酸ピペリジン−4−イルエステル
ビフェニル−2−イソシアネート(97.5g、521ミリモル)と4−ヒドロキシ−N−ベンジルピペリジン(105g、549ミリモル)を70℃で12時間一緒に加熱した。次いで反応混合物を50℃に冷却し、エタノール(1L)を加え、次いで6M HCl(191mL)を徐々に加えた。次いで得られた混合物を周囲温度に冷却し、ギ酸アンモニウム(98.5g、1.56モル)を加え、溶液を通して窒素ガスを20分間強力にバブリングさせた。次いで活性炭担持パラジウム(20g、10重量%乾燥ベース)を加え、反応混合物を40℃で12時間加熱し、次いでセライト(Celite)充填物を通してろ過した。次いで溶媒を減圧下で除去し、1M HCl(40mL)を粗製残留物に加えた。次いで、10N NaOHで混合物のpHをpH12に調節した。水層を酢酸エチル(2×150mL)で抽出し、有機層を脱水し(硫酸マグネシウム)、ろ過し、溶媒を減圧下で除去して155gの標記中間体(100%収率)を得た。HPLC(10−70)R=2.52;m/z:[M+H] C1820について計算して 297.15;結果297.3。
【0105】
(調製2)
N−ベンジル−N−メチルアミノアセトアルデヒド
3ッ口の2Lフラスコに、N−ベンジル−N−メチルエタノールアミン(30.5g、0.182モル)、DCM(0.5L)、DIPEA(95mL、0.546モル)およびDMSO(41mL、0.728モル)を加えた。氷浴を用いて、混合物を約−10℃に冷却し、三酸化硫黄ピリジン錯体(87g、0.546モル)を4分割して5分間隔で加えた。反応液を−10℃で2時間撹拌した。氷浴を取り外す前に、水(0.5L)を加えて反応をクエンチした。水層を分離し、有機層を水(0.5L)とブライン(0.5L)で洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで脱水し、ろ過して標記化合物を得た。さらに精製することなくこれを使用した。
【0106】
(調製3)
ビフェニル−2−イルカルバミン酸1−[2−(ベンジルメチルアミノ)エチル]ピペリジン−4−イルエステル
DCM(0.5L)中に調製2の生成物を含む2Lフラスコに、調製1の生成物(30g、0.101モル)を加え、続いてナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(45g、0.202モル)を加えた。反応混合物を終夜撹拌し、次いで、激しく撹拌しながら1N塩酸(0.5L)を加えてクエンチした。3つの層が認められ、水層を除去した。1N NaOH(0.5L)で洗浄した後、均一な有機層を得た。次いでこれをNaClの飽和水溶液(0.5L)で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、ろ過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物を最少量のイソプロパノールに溶解して精製し、この溶液を0℃に冷却して固体が生成した。これを集め、冷イソプロパノールで洗浄して42.6gの標記化合物(95%収率)を得た。MSm/z:[M+H] C2833について計算して 444.3;結果444.6.R=3.51分(10−70ACN:HO、逆相HPLC)。
【0107】
(調製3A)
ビフェニル−2−イルカルバミン酸1−[2−(ベンジルメチルアミノ)エチル]ピペリジン−4−イルエステル
標記化合物を、N−ベンジル−N−メチルエタノールアミンをメシル化し、次いでこれをアルキル化反応でビフェニル−2−イルカルバミン酸ピペリジン−4−イルエステルと反応させて調製した。
【0108】
500mLフラスコ(反応器フラスコ)に、N−ベンジル−N−メチルエタノールアミン(24.5mL)、DCM(120mL)、NaOH(80mL;30wt%)およびテトラブチルアンモニウムクロライドを入れた。反応を通して低速で混合しながら、混合物を−10℃(冷却浴)に冷却し、添加漏斗でDCM(30mL)および塩化メシル(15.85mL)を入れた。これを、一定速度で30分間かけて滴下した。添加は発熱的であった。撹拌を15分間続行し、その間温度は−10℃に戻って平衡に達した。反応を少なくとも10分間保持して、過剰の塩化メシルを確実にかつ完全に加水分解させた。
【0109】
250mLフラスコに、ビフェニル−2−イルカルバミン酸ピペリジン−4−イルエステル(26g;調製1に記載のようにして調製した)とDCM(125mL)を入れ、室温で15分間撹拌し、混合物を短時間冷却して10℃にするとスラリーが生成した。次いで、スラリーを添加漏斗で反応器フラスコに入れた。冷却浴を取り外し、反応混合物を5℃に加温した。混合物を分液漏斗に移し、各層を静置し、水層を除去した。有機層を反応器フラスコに戻し、撹拌を再開し、混合物を室温に保持し、反応をHPLCで合計3.5時間監視した。
【0110】
反応器フラスコにNaOH(1M溶液;100mL)を入れ、撹拌し、各層を静置した。有機層を分離し、洗浄し(NaCl飽和溶液)、真空下で容積を一部減らし、IPAによる反復洗浄にかけた。固形分を集め、空気乾燥させた(25.85g、98%純度)。母液をさらに処理して追加の固形分を得た(容積削減、IPA、冷却)。
【0111】
(調製4)
ビフェニル−2−イルカルバミン酸1−(2−メチルアミノエチル)ピペリジン−4−イルエステル
Parr型水素化フラスコに、調製3の生成物(40g、0.09モル)とエタノール(0.5L)を加えた。フラスコを窒素ガスでフラッシュし、酢酸(20mL)と一緒に活性炭担持パラジウム(15g、10重量%(乾燥ベース)、37%重量/重量)を加えた。混合物を、水素雰囲気(約50psi)下で3時間Parr型水素化器に保持した。次いで、混合物をろ過し、エタノールで洗浄した。ろ液を濃縮し、残留物を最少量のDCMに溶解した。酢酸イソプロピル(10容積)を徐々に加えて固形物を形成させ、これを集めて22.0gの標記化合物(70%収率)を得た。MSm/z:[M+H] C2127について計算して 354.2;結果354.3.R=2.96分(10−70ACN:HO、逆相HPLC)。
【0112】
(調製5)
ビフェニル−2−イルカルバミン酸1−{2−[(4−ホルミルベンゾイル)メチルアミノ]エチル}ピペリジン−4−イルエステル
3ッ口の1Lフラスコに、4−カルボキシベンズアルデヒド(4.77g、31.8ミリモル)、EDC(6.64g、34.7ミリモル)、HOBT(1.91g、31.8ミリモル)およびDCM(200mL)を加えた。混合物が均一である場合、DCM(100mL)中の調製4の生成物(10g、31.8ミリモル)の溶液を徐々に加えた。反応混合物を室温で約16時間撹拌し、次いで水(1×100mL)、1N HCl(5×60mL)、1N NaOH(1×100mL)ブライン(1×50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、濃縮して12.6gの標記化合物(92%収率;HPLCにより85%純度)を得た。MSm/z:[M+H] C2931について計算して 486.2;結果486.4.R=3.12分(10−70ACN:HO、逆相HPLC)。
【0113】
(実施例1)
ビフェニル−2−イルカルバミン酸1−(2−{[4−(4−カルバモイルピペリジン−1−イルメチル)ベンゾイル]メチルアミノ}エチル)ピペリジン−4−イルエステル
【0114】
【化2】

3ッ口の2Lフラスコに、イソニペコタミド(5.99g、40.0ミリモル)、酢酸(2.57mL)、硫酸ナトリウム(6.44g)およびイソプロパノール(400mL)を加えた。反応混合物を氷浴で0〜10℃に冷却し、イソプロパノール(300mL)中のビフェニル−2−イルカルバミン酸1−{2−[(4−ホルミルベンゾイル)メチルアミノ]エチル}ピペリジン−4−イルエステル(11g、22.7ミリモル;調製5に記載のようにして調製した)の溶液を徐々に加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌し、次いで0〜10℃に冷却した。ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(15.16g、68.5ミリモル)を分割して加え、この混合物を室温で16時間撹拌した。次いで反応混合物を減圧下で約50mLの容積まで濃縮し、この混合物を1N HCl(200mL)で酸性化してpH3にした。得られた混合物を室温で1時間撹拌し、次いでDCM(3×250mL)で抽出した。次いで水相を氷浴で0〜5℃に冷却し、50%NaOH水溶液を加えて混合物のpHを10に調節した。次いでこの混合物を酢酸イソプロピル(3×300mL)で抽出し、一緒にした有機層を水(100mL)、ブライン(2×50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、濃縮して10.8gの標記化合物(80%収率を得た。MSm/z:[M+H] C3543について計算して 598.3;結果598.6.R=2.32分(10−70ACN:HO、逆相HPLC)。
【0115】
(実施例2)
ビフェニル−2−イルカルバミン酸1−(2−{[4−(4−カルバモイルピペリジン−1−イルメチル)ベンゾイル]メチルアミノ}エチル)ピペリジン−4−イルエステルの結晶性二リン酸塩
500mgのビフェニル−2−イルカルバミン酸1−(2−{[4−(4−カルバモイルピペリジン−1−イルメチル)ベンゾイル]メチルアミノ}エチル)ピペリジン−4−イルエステル(0.826ミリモルの96%純度の材料;実施例1に記載のようにして調製した)を5mlの水および1.5mlの1Mリン酸にとった。0.25mlの1Mリン酸(2.1モル当量に等しい)を追加してpHを約pH5.3に調節した。0.2ミクロンフィルターで透明溶液をろ過し、凍結させて、凍結乾燥して無定形の二リン酸塩を得た。
【0116】
20mgの無定形の二リン酸塩を2mlのIPA:ACN(1:1)中に溶解した。0.1mlの水を加え、混合物を撹拌下で60℃に加熱した。固体のほとんどすべてが溶解した。この懸濁液を、撹拌しながら終夜置いて周囲温度にした。得られた結晶をろ取し、20分間空気乾燥して標記化合物(18.5mg、93%収率)を白色結晶性固体として得た。偏光を用いて顕微鏡で検査して、結晶はいくらかの複屈折性を示した。
【0117】
(実施例3)
ビフェニル−2−イルカルバミン酸1−(2−{[4−(4−カルバモイルピペリジン−1−イルメチル)ベンゾイル]メチルアミノ}エチル)ピペリジン−4−イルエステルの結晶性二リン酸塩
5.0gのビフェニル−2−イルカルバミン酸1−(2−{[4−(4−カルバモイルピペリジン−1−イルメチル)ベンゾイル]メチルアミノ}エチル)ピペリジン−4−イルエステル(遊離塩基;実施例1に記載のようにして調製した)を80mlのIPA:ACN(1:1)と混合した。4.0mlの水を加え、混合物を撹拌下で50℃に加熱して透明溶液が形成された。これに、50℃で16ml 1Mリン酸を滴下した。得られた濁った溶液を50℃で5時間撹拌し、次いで終夜緩やかに撹拌しながら周囲温度にした。得られた結晶をろ過し、1時間空気乾燥し、次いで真空下で18時間乾燥して標記化合物(5.8g、75%収率)を白色結晶性固体(HPLCにより98.3%純度)として得た。
【0118】
(実施例4)
ビフェニル−2−イルカルバミン酸1−(2−{[4−(4−カルバモイルピペリジン−1−イルメチル)ベンゾイル]メチルアミノ}エチル)ピペリジン−4−イルエステルの結晶性一硫酸塩
442mgのビフェニル−2−イルカルバミン酸1−(2−{[4−(4−カルバモイルピペリジン−1−イルメチル)ベンゾイル]メチルアミノ}エチル)ピペリジン−4−イルエステル(0.739ミリモルの96%純粋な材料;実施例1に記載のようにして調製した)を5mlのHO:ACN(1:1)にとり、pHを監視しながら、1.45mlの1N硫酸を徐々に加えた。pHを約pH3.3に調節した。透明溶液を0.2ミクロンフィルターでろ過し、凍結し、凍結乾燥して一硫酸塩を得た。
【0119】
30.3mgの一硫酸塩を1.65mlのIPA:ACN(10:1)に溶解させた。懸濁液を、バイアルを予め加熱した60℃の水浴中に30分間置いて加熱した。粘性材料が形成された。30分間加熱して70℃に昇温した。材料が粘性のまま保持されたので、加熱を60℃に低下させ、混合物を1時間さらに加熱した。加熱を停止し、混合物を室温に冷却した。4日後、その材料は固体状になり、試料をさらに9日間置いた。次いでこの固体をろ過し、真空ポンプを用いて1時間乾燥して標記化合物(23mg、76%収率)を得た。
【0120】
(実施例5)
ビフェニル−2−イルカルバミン酸1−(2−{[4−(4−カルバモイルピペリジン−1−イルメチル)ベンゾイル]メチルアミノ}エチル)ピペリジン−4−イルエステルの結晶性一硫酸塩
161gの一硫酸塩(実施例4に記載のようにして調製した)を8.77mlのIPA:ACN(10:1)に溶解させた。懸濁液を、バイアルを予め加熱した70℃の水浴中に1.5時間置いて加熱した。5分以内に油滴が形成された。加熱を60℃に低下させ、続いて、50℃で40分間、40℃で40分間、次いで30℃で45分間加熱した。加熱を停止し、混合物を室温に徐々に冷却した。翌日、顕微鏡下で材料を観察し、それは針状や平板状の形態であった。次いで材料を40℃で2時間、35℃で30分間、次いで30℃で30分間に加熱した。加熱を停止し、混合物を室温に徐々に冷却した。次いでこの固体をろ過し、真空ポンプを用いて1時間乾燥して標記化合物(117mg、73%収率)を得た。
【0121】
(実施例6)
ビフェニル−2−イルカルバミン酸1−(2−{[4−(4−カルバモイルピペリジン−1−イルメチル)ベンゾイル]メチルアミノ}エチル)ピペリジン−4−イルエステルの結晶性二シュウ酸塩
510mgのビフェニル−2−イルカルバミン酸1−(2−{[4−(4−カルバモイルピペリジン−1−イルメチル)ベンゾイル]メチルアミノ}エチル)ピペリジン−4−イルエステル(0.853ミリモルの96%純粋な材料;実施例1に記載のようにして調製した)を5mlのHO:ACN(1:1)にとり、pHを監視しながら、1.7mlの1Mシュウ酸水溶液を徐々に加えた。pHを約pH3.0に調節した。透明溶液を0.2ミクロンフィルターでろ過し、凍結し、凍結乾燥凍結乾燥して二シュウ酸塩を得た。
【0122】
31.5mgの二シュウ酸塩を2.76mlの94%IPA/6%H0に溶解させた。混合物を、予め加熱した60℃の水浴中で2.5時間撹拌した。25分間後、試料のすべてが溶解していた。加熱を停止し、混合物を室温に冷却した。翌日、少量の粘性材料が見られた。バイアルを4℃で冷蔵した。4日後、その粘性材料が依然として見られた。次いでバイアルを室温に置き、1か月後に観察した。この材料は固体状の見掛けをしており、顕微鏡下で結晶性であることが観察された。次いで固形物をろ過し、真空ポンプで1時間乾燥して結晶性の標記化合物(20mg、63.5%収率)を得た。
【0123】
(実施例7)
ビフェニル−2−イルカルバミン酸1−(2−{[4−(4−カルバモイルピペリジン−1−イルメチル)ベンゾイル]メチルアミノ}エチル)ピペリジン−4−イルエステルの結晶性二シュウ酸塩
150mgの二シュウ酸塩(実施例6に記載のようにして調製した)を13.1mlの94%IPA/6%H0に溶解させた。混合物を、予め加熱した60℃の水浴中で2.5時間撹拌した。加熱を停止し、混合物を室温に冷却した。バイアルを4℃で冷蔵した。6日後、油状の材料が観察され、バイアルの側部に結晶が認められた。次いでバイアルを室温に冷却し、その時点で種晶(実施例6からの結晶性材料)を加え16日間置いた。その間、溶液からのより多くの結晶の析出が観察された。次いで固体をろ過し、真空ポンプを用いて14時間乾燥して標記化合物(105mg、70%収率)を得た。
【0124】
(実施例8)
結晶性遊離塩基 ビフェニル−2−イルカルバミン酸1−(2−{[4−(4−カルバモイルピペリジン−1−イルメチル)ベンゾイル]メチルアミノ}エチル)ピペリジン−4−イルエステル(形態I)
109mgのビフェニル−2−イルカルバミン酸1−(2−{[4−(4−カルバモイルピペリジン−1−イルメチル)ベンゾイル]メチルアミノ}エチル)ピペリジン−4−イルエステル(実施例1に記載のようにして調製した)を0.56mlのHO:ACN(1:1)に溶解させた。懸濁液をバイアル(キャップはその頂部に緩めに置いた)中に保持して、より時間をかけて蒸発させた。バイアルを窒素気流雰囲気下に置いた。しかし、窒素はその雰囲気下に置くためだけであって、蒸発させるために用いたものではない。1日以内に沈殿物が認められた。顕微鏡下でこれは結晶性であると認められた。次いでこの固体を高真空系にかけ、すべての溶媒を除去して標記化合物を得た。HPLCにより定量的回収の97.8%純度であった。
【0125】
代替の手順では、HO:ACN(1:1)(約350mg/mL)中に溶解後、バイアルを5℃で保存し、2日間で沈殿物が認められた。固体をろ過し、水で濯ぎ、高真空で終夜乾燥した。回収率は55%であった。固体は98.2%の純度を有しており、液体は92.8%の純度を有していた。
【0126】
(実施例9)
結晶性遊離塩基 ビフェニル−2−イルカルバミン酸1−(2−{[4−(4−カルバモイルピペリジン−1−イルメチル)ベンゾイル]メチルアミノ}エチル)ピペリジン−4−イルエステル(形態I)
50.4mgのビフェニル−2−イルカルバミン酸1−(2−{[4−(4−カルバモイルピペリジン−1−イルメチル)ベンゾイル]メチルアミノ}エチル)ピペリジン−4−イルエステル(実施例1に記載のようにして調製した)を0.144mlのHO:ACN(1:1)に溶解させた。懸濁液をバイアル(キャップはその頂部に緩めに置いた)中に保持して、より時間をかけて蒸発させた。バイアルを4℃で6日間冷蔵した。2日後に沈殿物が認められた。固体をろ過し、これを高真空系にかけ、すべての溶媒を除去して標記化合物を白色固体(27.8mg、55.2%収率)として得た。
【0127】
(実施例10)
結晶性遊離塩基 ビフェニル−2−イルカルバミン酸1−(2−{[4−(4−カルバモイルピペリジン−1−イルメチル)ベンゾイル]メチルアミノ}エチル)ピペリジン−4−イルエステル(形態I)
230mgのビフェニル−2−イルカルバミン酸1−(2−{[4−(4−カルバモイルピペリジン−1−イルメチル)ベンゾイル]メチルアミノ}エチル)ピペリジン−4−イルエステル(実施例1に記載のようにして調製した)を若干加熱して0.2mlのHO:ACN(1:1)に溶解させた。次いで混合物を70℃の水浴で2時間加熱した。加熱を停止し、混合物を室温に冷却し、次いで4℃で1時間冷蔵した。次いで50μlの水を加え(オイルを排除し(oiled out))、続いて40μlのACNを加えて、試料を再び溶液に戻した。室温で徐々に撹拌しながら種晶(実施例8からの結晶性材料)を加えた。結晶が形成され始め、緩やかに撹拌しながら、混合物を終夜置いた。翌日、加熱冷却サイクル(30℃で10分間、40℃で10分間、次いで50℃で20分間)を施した。加熱を停止し、緩やかに撹拌しながら混合物を終夜冷却した。翌日、第2の加熱/冷却サイクル(60℃で1時間、70℃で溶解が観察された)を施した。加熱を停止し、緩やかに撹拌しながら混合物を終夜冷却した。翌日、結晶が認められ、第3の加熱冷却サイクル(60℃で3時間)を施した。加熱を停止し、緩やかに撹拌しながら混合物を終夜冷却した。翌日、加熱冷却サイクル(60℃で3時間、緩やかな冷却、次いで60℃で3時間)を施した。加熱を停止し、緩やかに撹拌しながら混合物を終夜冷却した。3日後、固体をろ過し、高真空系にかけ、すべての溶媒を除去して標記化合物を得た。
【0128】
(実施例11)
結晶性遊離塩基 ビフェニル−2−イルカルバミン酸1−(2−{[4−(4−カルバモイルピペリジン−1−イルメチル)ベンゾイル]メチルアミノ}エチル)ピペリジン−4−イルエステル(形態II)
70mgのビフェニル−2−イルカルバミン酸1−(2−{[4−(4−カルバモイルピペリジン−1−イルメチル)ベンゾイル]メチルアミノ}エチル)ピペリジン−4−イルエステル(実施例1に記載のようにして調製した)を0.1mL ACNに溶解させた。0.3ml MTBEを加えた後、溶液は濁っていた。50μlのACNをさらに加えると、溶液は透明になった(155mg/ml ACN:MTBE=1:2)。混合物をバイアル中に入れふたをかぶせた。翌日までには結晶が認められた。次いで固体をろ過し、これを高真空系にかけ、すべての溶媒を除去して標記化合物を得た。
【0129】
(実施例12)
粉末X線回折
粉末X線回折パターンを、Cu Kα(30.0kV、15.0mA)放射線を用いてRigaku回折計で得た。分析は、ゴニオメーターを用いて、2〜45°の範囲にわたって0.03°の刻み幅で、1分間当たり3°の連続的スキャニング方式で稼働して実験した。試料を、石英製の試料ホルダー上に粉末材料の薄層として作製した。装置は金属ケイ素標準物を用いて校正した。
【0130】
実施例2の二リン酸塩の試料のPXRDパターンは、材料が結晶性であることを示した。実施例3の結晶性二リン酸塩の試料の代表的なPXRDパターンを図1に示す。実施例4の一硫酸塩の試料のPXRDパターンは、材料が結晶性であることを示した。実施例5の結晶性一硫酸塩の試料の代表的なPXRDパターンを図8に示す。実施例6の二シュウ酸塩の試料のPXRDパターンは、材料が結晶性であることを示した。実施例7の結晶性二シュウ酸塩の試料の代表的なPXRDパターンを図13に示す。実施例8および9の遊離塩基(形態I)の試料のPXRDパターンは、材料が結晶性であることを示した。実施例10の遊離塩基(形態I)の試料の代表的なPXRDパターンを図18に示す。実施例11の遊離塩基(形態II)の試料の代表的なPXRDパターンを図23に示す。
【0131】
(実施例13)
熱分析
示差走査熱量測定法(DSC)はThermal Analyst controllerを備えたTA Instruments Model Q−10モジュールを用いて実施した。TA Instruments Thermal Solutions softwareを用いてデータを取り、分析した。約1〜4mgの試料を、アルミ製の蓋付きの皿の中に正確に計り込んだ。試料は、周囲温度から約300℃まで、10℃/分の線形加熱傾斜で評価した。使用の間、DSCセルを乾燥窒素でパージした。
【0132】
図2に示すように、実施例3の結晶性二リン酸塩の試料の代表的なDSCトレースは約63.8℃と154.3℃で2つの転移を示した。このDSCトレースは、この結晶性二リン酸塩が、約154.5℃で溶融ピークを有し、かつ150℃より低い温度で熱分解することなく満足できる良好な熱安定性を有していることを実証している。DSCトレースは、約135℃での吸熱的熱流の開始も示している。
【0133】
実施例4の一硫酸塩の試料の代表的なDSCトレースは、約57℃と73.2℃で2つの転移を示した。図10に示すように、実施例5の結晶性一硫酸塩の試料の代表的なDSCトレースは76℃で転移を示した。これは、この結晶性一硫酸塩が約76.5℃で溶融ピークを有していることを実証している。
【0134】
実施例6の結晶性二シュウ酸塩の試料の代表的なDSCトレースは、69.2℃と122.8℃で2つの転移を示した。図15に示すように、実施例7の結晶性二シュウ酸塩の試料の代表的なDSCトレースは73℃で転移を示した。このDSCトレースは、この結晶性二シュウ酸塩が約73.7℃で溶融ピークを有していることを実証している。
【0135】
実施例8の結晶性遊離塩基(形態I)の試料の代表的なDSCトレースは、90.4℃で転移を示した。実施例9の結晶性遊離塩基(形態I)の試料のDSCトレースは、86.1℃と103.6℃で2つの転移を示した。図19に示すように、実施例10(形態I)の結晶性遊離塩基の試料の代表的なDSCトレースは、閉じた皿の中では2つの転移を示したが(83.9℃と102.1℃)、開放した皿の中では102.5℃で転移を示した(早期のピークは水および/または溶媒によるものである)。このDSCトレースは、この結晶性遊離塩基が約102.7℃で溶融ピークを有し、かつ80℃より低い温度で熱分解することなく良好な熱安定性を有していることを実証している。DSCトレースは、約90℃での吸熱的熱流の開始も示している。
【0136】
図24に示すように、実施例11の結晶性遊離塩基(形態II)の試料のA代表的なDSCトレースは98.6℃で転移を示した。これは、この結晶性遊離塩基が約98.6℃で溶融ピークを有し、かつ75℃より低い温度で熱分解することなく良好な熱安定性を有していることを実証している。DSCトレースは、75℃での吸熱的熱流の開始も示している。
【0137】
熱重量分析(TGA)を、高分解能を有するTA Instruments Model Q−50モジュールを用いて実施した。TA Instruments Thermal Solutions softwareを用いてデータを取り、分析した。約10mgの重量の試料を白金皿上の置き、高分解能−加熱速度で、周囲温度から300℃までスキャンした。使用の間、天秤と炉室を窒素気流でパージした。
【0138】
図3に示すように、実施例3の結晶性二リン酸塩の試料の代表的なTGAトレースは155℃未満の温度で溶媒および/または水(8.2%)の減量を示した。
【0139】
実施例4の結晶性一硫酸塩の試料のTGAトレースは、116℃未満の温度で溶媒および/または水(12.6%)の減量を示した。図9に示すように、実施例5の結晶性一硫酸塩の試料の代表的なTGAトレースは150℃未満の温度で溶媒および/または水(13.7%)の減量を示した。
【0140】
実施例6の結晶性二シュウ酸塩の試料のTGAトレースは、125℃未満の温度で溶媒および/または水(15.4%)の減量を示した。図14に示すように、実施例7の結晶性二シュウ酸塩の試料の代表的なTGAトレースは125℃未満の温度で溶媒および/または水(12.7%)の減量を示した。
【0141】
実施例8の結晶性遊離塩基(形態I)の試料のTGAトレースは、75℃より低い温度で溶媒および/または水(7.3%)の減量を示した。実施例9の結晶性遊離塩基(形態I)の試料のTGAトレースは、70℃より低い温度で溶媒および/または水(5.2%)の減量を示した。図20に示すように、実施例10の結晶性遊離塩基(形態I)の試料の代表的なTGAトレースは98℃より低い温度で溶媒および/または水(3.8%)の減量を示した。
【0142】
図25に示すように、実施例11の結晶性遊離塩基(形態II)の試料の代表的なTGAトレースは98℃より低い温度で溶媒および/または水(3.0%)の減量を示した。
【0143】
これらのTGAトレースは、本発明の結晶性化合物が、室温からある程度高い高温(例えば、75〜150℃)で若干重量を減少することを示している。その量は、残留する水分または溶媒の減量と一致する。
【0144】
(実施例14)
動的水分収着評価
動的水分収着(DMS)の評価(水分収着−脱着プロファイルとしても知られている)を、VTI大気圧微量天秤(atmospheric microbalance)、SGA−100システム(VTI Corp.,Hialeah,FL 33016)を用いて実施した。約10mgの試料サイズを用い、湿度は分析開始時点の周囲値に設定した。典型的なDMS分析は3つのスキャンからなる。すなわち、5%RH/ステップのスキャン速度で、周囲値から2%の相対湿度(RH)へ、2%RHから90%RHへ、90%RHから5%RHである。2分毎に質量を計り、5連続点について0.01%以内で試料の質量が安定したら、RHを次の値(+/−5%RH)へ変化させた。
【0145】
図4に示すように、実施例3の結晶性二リン酸塩の試料の代表的なDMSトレースは、2〜90%のRHに曝して3.3%の増量で、40〜75%RHの湿度範囲で0.6%の増量という低い吸湿性を有する可逆的吸着/脱着プロファイルを示した。
【0146】
図11に示すように、実施例5の結晶性一硫酸塩の試料の代表的なDMSトレースは、2〜90%のRHに曝して10%の増量で、40〜75%RHの湿度範囲で1.8%の増量という低い吸湿性を有する可逆的吸着/脱着プロファイルを示した。
【0147】
図16に示すように、実施例7の結晶性二シュウ酸塩の試料の代表的なDMSトレースは、2〜90%のRHに曝して5.3%の増量で、40〜75%RHの湿度範囲で1.1%の増量という低い吸湿性を有する可逆的吸着/脱着プロファイルを示した。
【0148】
図21に示すように、実施例10の結晶性遊離塩基(形態I)の試料の代表的なDMSトレースは、2〜90%のRHに曝して10%の増量で、40〜75%RHの湿度範囲で1.2%の増量という低い吸湿性を有する可逆的吸着/脱着プロファイルを示した。
【0149】
図26に示すように、実施例11の結晶性遊離塩基(形態II)の試料の代表的なDMSトレースは、2〜90%のRHに曝して9%の増量で、40〜75%RHの湿度範囲で1.3%の増量という低い吸湿性を有する可逆的吸着/脱着プロファイルを示した。
【0150】
これらのDMSトレースは、本発明の結晶性化合物が、低い吸湿性の可逆的吸着/脱着プロファイルを有することを実証している。広い湿度範囲に曝しても、結晶性化合物の増量は許容されるものである。可逆的水分吸着/脱着プロファイルは、本発明の結晶性化合物が、許容される吸湿性を有しており、潮解性でないことを実証している。
【0151】
(実施例15)
固体状態の安定性評価
実施例3の結晶性二リン酸塩の試料約1〜2mgをそれぞれ、−20oC(密封容器)および40℃/75%RH(開放容器および密封容器)で複数の3mLホウケイ酸塩バイアル中に保存した。特定の間隔で、代表的なバイアルの全内容物を以下のHPLC法で分析した。
【0152】
カラム:Xterra Ms C18、4.6×250mm、5μm(Part NO.186000494);移動相A:0.1M NHAC、pH7.0;移動相B:100%ACN;流速:1mL/分;注入容積:10μL;検出器:240nm;勾配−時間[分で](%移動相B):0.0(8);5.00(28);22.00(42);30.00(100);35.00(100);35.10(8);および45.00(8)。試料を、pH5の10mMクエン酸塩緩衝剤生理食塩水中の0.5mg/mLストック溶液として調製した。
【0153】
実施例3の結晶性二リン酸塩について、試料の初期純度は、HPLCで測定して98.3面積%であった。6週間保存後、どの条件下に保持した試料も、化学的純度に検出可能な変化はなく、材料の見掛けに目に見える変化はなく、またDSCおよびTGAによる分析でも検出可能な差は示されなかった。
【0154】
(実施例16)
元素分析
Flash EA1112元素分析計(CE Elantech,Lakewood,NJ)を用いた燃焼分析によって、本発明の結晶性化合物の試料について、以下の元素割合が測定された。
【0155】
実施例5の結晶性一硫酸塩では:52.88%炭素、7.10%水素、8.81%窒素、27.17%酸素および4.03%イオウ(予測)であり、52.11%炭素、6.90%水素、8.42%窒素、24.94%酸素および4.06%イオウ(結果)であった。
【0156】
実施例7の結晶性二シュウ酸塩では:54.54%炭素、6.57%水素、8.15%窒素、および30.74%酸素(予測)であり、56.33%炭素、6.90%水素、8.22%窒素および26.32%酸素(結果)であった。
(実施例17)
微粒化
実施例3の結晶性二リン酸塩の13gの試料をジェットミルで微粒化して、顕微鏡検査による観察で複屈折性を有する8.7gの自由流動性の白色粉末を得た(回収率67%)。予備微粒化では、結晶性二リン酸塩はHPLCで測定して98.1面積%の初期純度を有していた。微粒化した材料の純度は同じであった。予備微粒化した材料の水分含量は6.54重量%であり、微粒化した材料の水分含量は6.23重量%であった。
【0157】
微粒化の過程で特に問題はなかった。粒径分布は以下の通りであった。
【0158】
【表3】

微粒化していない材料と比べて、微粒化した材料は、粉末X線回折パターン、TGA、DSC、DMS、化学的純度、キラル純度および水分含量に有意の変化は認められなかった。例えば、実施例14で示したように、実施例3の結晶性二リン酸塩の試料の代表的なDMSトレースは、40〜75%RHの湿度範囲で0.6%の増量を示し、微粒化した材料はこの湿度範囲で0.7%の増量を示した。
【0159】
(実施例18)
吸入用溶液の安定性
pH5の10mMクエン酸塩緩衝生理食塩水中に0.5mg/mL遊離塩基相当物(実施例3に記載のようにして調製した結晶性二リン酸塩を用いて)の溶液を調製した。結晶性塩の溶解度は、緩衝剤中に40mg/mL超の遊離塩基相当物より大きかった。40℃/75%RHで1か月保存して、0.5%未満の分解が観察された。
【0160】
(アッセイ1)
放射性リガンド結合アッセイ
hM、hM、hMおよびhMムスカリン性受容体サブタイプを発現する細胞からの膜調製
クローン化したヒトhM、hM、hMおよびhMムスカリン性受容体サブタイプを安定的に発現するCHO細胞系をそれぞれ、10%FBSおよび250μg/mLジェネティシンで補足したHAM’s F−12からなる培地中でコンフルエンシー近傍まで増殖させた。細胞をインキュベーター中で、5%CO下、37℃で増殖させ、dPBS中の2mM EDTAでリフトした。細胞を650×gで遠心分離に5分間かけて収集し、細胞ペレットを−80℃で凍結保存するか、または直ちに膜を作製した。膜の作製のために、細胞ペレットを溶解緩衝液中に再懸濁させ、Polytron PT−2100組織破砕機(Kinematica AG;20秒間×2バースト)で再びホモジナイズした。粗製膜を40,000×g、4℃で15分間遠心分離機にかけた。次いで、膜ペレットを再懸濁緩衝液で再懸濁させ、Polytron組織破砕機でホモジナイズした。膜懸濁液のタンパク質濃度は、Lowry,O.らのJournal of Biochemistry 193:265(1951年)に記載されされている方法で測定した。すべての膜を一定分量−80℃で凍結保存するか、または直ちに使用した。一定分量の調製ずみhM受容体膜はPerkin Elmerから直接購入し、使用するまで−80℃で保存した。
ムスカリン性受容体サブタイプhM、hM、hM、hMおよびhMについての放射性リガンド結合アッセイ
放射性リガンド結合アッセイを、合計100μLのアッセイ容積で96ウェルマイクロタイタープレートを用いて実施した。hM、hM、hM、hMまたはhMムスカリン性サブタイプのいずれかを安定的に発現するCHO細胞膜を、アッセイ緩衝剤中で、以下の特定の標的タンパク質濃度(μg/ウェル)、すなわち、hMについては10μg、hMについては10〜15μg、hMについては10〜20μg、hMについては10〜20μg、hMについては10〜12μgに希釈した。アッセイプレートへ加える前に、Polytron組織破砕機(10秒間)を用いて膜を簡単にホモジナイズした。放射性リガンドのK値を決定するための飽和結合の検討を、L−[N−メチル−H]スコポラミンメチルクロリド([H]−NMS)(TRK666,84.0Ci/ミリモル、Amersham Pharmacia Biotech,Buckinghamshire,England)を0.001nM〜20nMの範囲で用いて実施した。試験化合物のK値を決定するための置換アッセイを、1nMの[H]−NMSを用いて、11の異なる試験化合物濃度で実施した。最初に、試験化合物を、希釈緩衝液中に400μMの濃度に希釈し、次いで希釈緩衝液で連続的に5×希釈し10pM〜100μMの範囲の最終濃度にした。アッセイプレートへの希釈順と容積は以下の通りである:25μL放射性リガンド、25μL希釈された試験化合物および50μL膜である。アッセイプレートを37℃で60分間インキュベートした。1%BSAで事前処置したGF/Bガラス繊維フィルタープレート(PerkinElmer Inc.,Wellesley,MA)を用いて急速ろ過して、結合反応を終了させた。フィルタープレートを洗浄用緩衝液(10mM HEPES)で3回濯いで未結合の放射性物質を除去した。次いでプレートを空気乾燥し、各ウェルに50μL Microscint−20液体用シンチレーション流体(PerkinElmer Inc.,Wellesley,MA)を加えた。次いでプレートを、PerkinElmer Topcount液体シンチレーションカウンター(PerkinElmer Inc.,Wellesley,MA)でカウントした。結合データを、ワンサイト競合モデル(one−site competition model)を用いて、GraphPad Prismソフトウェアパッケージ(GraphPad Software,Inc.,San Diego,CA)での非線形回帰分析により分析した。試験化合物のK値を、Cheng−Prusoff式(Cheng Y;Prusoff W.H.Biochemical Pharmacology22(23):3099〜108頁(1973年))を用いて、観測IC50値および放射性リガンドのK値から計算した。幾何平均および95%信頼区間を得るためにK値をpK値に変換した。次いでこれらの要約統計量(summary statistics)を、データ処理のためK値に変換して戻した。
【0161】
このアッセイでは、より小さいK値は、試験した受容体について、試験化合物がより高い結合親和力を有することを示している。このアッセイまたは同様のアッセイで試験した場合、式Iの化合物はMムスカリン性受容体サブタイプについて、約5nM未満のK値を有することが分かった。
【0162】
(アッセイ2)
ムスカリン性受容体の機能的能力アッセイ
cAMP蓄積の作用薬媒介阻害の遮断
このアッセイでは、試験化合物の機能的能力を、hM受容体を発現するCHO−K1細胞において、試験化合物がホルスコリン仲介性cAMP蓄積のオキソトレモリン阻害を遮断する能力を測定することによって決定した。
【0163】
cAMPアッセイは、125I−cAMPを用いたフラッシュプレートアデニリルシクラーゼ活性化アッセイシステム(NEN SMP004B、PerkinElmer Life Sciences Inc.,Boston,MA)によるラジオイムノアッセイ法で、メーカーの説明書にしたがって実施した。
【0164】
細胞をdPBSで1回濯ぎ、上記の細胞培養および膜の作製の部で説明したようにして、トリプシン−EDTA溶液(0.05%トリプシン/0.53mM EDTA)でリフトした。脱離した細胞を、50mL dPBS中で、650×gで5分間遠心分離にかけて2回洗浄した。次いで、細胞ペレットを10mL dPBS中に再懸濁し、Coulter Z1デュアル式粒子カウンター(Beckman Coulter、Fullerton,CA)で細胞をカウントした。細胞を650×gで5分間、再度遠心分離にかけ、刺激緩衝液中に再懸濁して1.6×10〜2.8×10細胞/mLのアッセイ濃度にした。試験化合物を最初に希釈緩衝液(1mg/mL BSA(0.1%)で補充されたdPBS)中に400μMの濃度で希釈し、次いで希釈緩衝液で連続的に希釈して100μM〜0.1nMの範囲の最終モル濃度にした。同じような仕方でオキソトレモリンを希釈した。
【0165】
AC活性のオキソトレモリン阻害を測定するために、25μLホルスコリン(dPBS中に希釈して25μMの最終濃度)、25μL希釈オキソトレモリンおよび50μL細胞を作用薬アッセイウェルに加えた。試験化合物がオキソトレモリン阻害AC活性を遮断する能力を測定するために、25μLのホルスコリンおよびオキソトレモリン(dPBS中に希釈して、それぞれ25μMおよび5μMの最終濃度)、25μL希釈試験化合物ならびに50μL細胞を残るアッセイウェルに加えた。
【0166】
反応物を37℃で10分間インキュベートし、100μLの氷冷検出用緩衝液を加えて反応を停止させた。プレートを密封し、室温で終夜インキュベートし、翌朝、PerkinElmer TopCount液体シンチレーションカウンター(PerkinElmer Inc.,Wellesley,MA)でカウントした。産生したcAMPの量(pモル/ウェル)を、メーカーのユーザーマニュアルに記載のようにして、試料およびcAMP標準品について測定されたカウント数をもとに計算した。データを非線形回帰、ワンサイト競合式を用いて、GraphPad Prismソフトウェアパッケージ(GraphPad Software,Inc.,San Diego,CA)による非線形回帰分析によって分析した。Kを計算するためにCheng−Prusoff式を用いた。ここで、オキソトレモリン濃度−応答曲線のEC50と、それぞれKおよび[L]としてのオキソトレモリン濃度を用いた。幾何平均および95%信頼区間を得るためにK値をpK値に変換した。次いでこれらの要約統計量を、データ処理のためK値に変換し戻した。
【0167】
このアッセイでは、より小さいK値は、試験した受容体で試験化合物がより高い機能活性を有していることを示している。このアッセイまたは同様のアッセイで試験した場合、式Iの化合物は、hM受容体を発現するCHO−K1細胞において、ホルスコリン仲介性cAMP蓄積のオキソトレモリン阻害の遮断について、約5nM未満のK値を有していることが分かった。
作用薬媒介[35S]GTPγS結合の遮断
第2の機能アッセイでは、試験化合物の機能的能力は、hM受容体を発現するCHO−K1細胞において、化合物がオキソトレモリン刺激[35S]GTPγS結合を遮断する能力を測定して決定することができる。
【0168】
使用の時点で、凍結した膜を解凍し、次いでウェル当たり5〜10μgタンパク質の最終目的の組織濃度でアッセイ緩衝液中に希釈した。膜を、Polytron PT−2100組織破砕機で簡単にホモジナイズし、次いでアッセイプレートに加えた。作用薬オキソトレモリンによる[35S]GTPγS結合の刺激についてのEC90値(90%最大反応のための有効濃度)を各実験で測定した。
【0169】
試験化合物がオキソトレモリン刺激[35S]GTPγS結合を阻害する能力を測定するために96ウェルプレートの各ウェルに以下のもの、すなわち、25μLの[35S]GTPγS(0.4nM)を有するアッセイ緩衝液、25μLのオキソトレモリン(EC90)およびGDP(3μM)、25μLの希釈試験化合物ならびに25μLのhM受容体を発現するCHO細胞膜を加えた。次いで、アッセイプレートを37℃で60分間インキュベートした。アッセイプレートを、PerkinElmer96ウェル収穫器を用いて1%BSA−事前処理GF/Bフィルターにかけてろ過した。プレートを、氷冷洗浄緩衝液で3×3秒間濯ぎ、次いで空気乾燥または真空乾燥した。Microscint−20シンチレーション液(50μL)を各ウェルに加え、各プレートを密封し、トップカウンター(PerkinElmer)で放射能を計った。データを非線形回帰、ワンサイト競合式を用いたGraphPad Prismソフトウェアパッケージ(GraphPad Software,Inc.,San Diego,CA)による非線形回帰分析によって分析した。Kを計算するためにCheng−Prusoff式を用いた。ここで、試験化合物についての濃度−応答曲線のIC50と、それぞれKおよび[L]、リガンド濃度としてのアッセイにおけるオキソトレモリン濃度を用いた。
【0170】
このアッセイでは、より小さいK値は、試験した受容体で試験化合物がより高い機能活性を有していることを示している。このアッセイまたは同様のアッセイで試験した場合、式Iの化合物は、hM受容体を発現するCHO−K1細胞において、オキソトレモリン刺激[35S]GTPγS結合の遮断について、約5nM未満のK値を有していることが分かった。
FLIPRアッセイによる作用薬媒介カルシウム放出の遮断
タンパク質と共役するムスカリン性受容体サブタイプ(M、MおよびM受容体)は、受容体との作用薬結合によってホスホリパーゼC(PLC)経路を活性化する。その結果、活性化されたPLCは、ホスファチルイノシトール二リン酸塩(PIP)を加水分解して、ジアシルグリセロール(DAG)とホスファチジル−1,4,5−三リン酸塩(IP)にし、次いでこれは細胞内貯蔵、すなわち小胞体および筋小胞体からのカルシウムの放出をもたらす。FLIPR(Molecular Devices,Sunnyvale,CA)アッセイは、遊離カルシウムと結合して蛍光を発するカルシウム感受性染料(Fluo−4AM、Molecular Probes,Eugene,OR)を用いて、細胞内カルシウムのこの増加を利用する。この発光現象は、ヒトMおよびMならびにチンパンジーM受容体でクローン化した細胞の単層からの発光の変化を検出するFLIPRを用いてリアルタイムで測定される。拮抗薬効能は、拮抗薬が作用薬媒介による細胞内のカルシウムの増大を阻害する能力で判定することができる。
【0171】
FLIPRカルシウム刺激アッセイのために、アッセイを行う前の晩に、hM、hMおよびcM受容体を安定的に発現するCHO細胞を96ウェルFLIPRプレートに播種する。播種した細胞を、FLIPR緩衝液(10mM HEPES、pH7.4、2mM塩化カルシウム、カルシウムおよびマグネシウムを有していないHBSS中の2.5mMプロベネシド)を用いてCellwash(MTX Labsystems,Inc.)で2回洗浄して培養基を除去し、50μL/ウェルのFLIPR緩衝液が残る。次いで細胞を、50μL/ウェルの4μM FLUO−4AM(2X溶液を作製)で、37℃、5%二酸化炭素のもとで40分間インキュベートする。染料インキュベーション期間に続いて、細胞をFLIPR緩衝剤で2回洗浄して50μL/ウェルの最終容積を得た。
【0172】
拮抗薬効能を測定するために、拮抗薬効能を後で、EC90濃度でのオキソトレモリン刺激に対して測定することができるように、オキソトレモリンについての細胞内のCa2+放出の用量依存刺激をまず測定する。細胞をまず、化合物希釈緩衝液を用いて20分間インキュベートし、続いて作用薬を加える。これはFLIPRを用いて実施する。オキソトレモリンについてのEC90値は、式EC=((F/100−F)^1/H)*EC50とあわせて、FLIPR測定および以下のデータ換算の部で詳細に示す方法によって得る。刺激プレートにおいて3×ECのオキソトレモリン濃度を調製し、EC90濃度のオキソトレモリンを拮抗薬阻害アッセイプレート中の各ウェルに加える。
【0173】
FLIPRに用いたパラメータは:0.4秒の曝露時間、0.5ワットのレーザー強度、488nmの励起波長および550nmの発光波長である。ベースラインは、作用薬を加える前に、蛍光の変化を10秒間測定して決定する。作用薬刺激に続いて、FLIPRにより蛍光の変化を0.5〜1秒毎に1.5分間連続的に測定して最大の蛍光変化を捕える。
【0174】
蛍光の変化は、各ウェルについて最大の蛍光からベースライン蛍光を減じたものとして表わされる。生データを、シグモイド用量応答のための組込みモデルを用いて、GraphPad Prism(GraphPad Software,Inc.,San Diego,CA)で非線形回帰により薬物濃度の対数に対して分析する。拮抗薬K値は、KとしてのオキソトレモリンEC50値、およびCheng−Prusoff式(Cheng & Prusoff,1973年)によるリガンド濃度についてのオキソトレモリンEC90を用いてPrismにより測定する。
【0175】
このアッセイでは、より小さいK値は、試験した受容体で試験化合物がより高い機能活性を有していることを示している。このアッセイまたは同様のアッセイで試験した場合、式Iの化合物は、hM受容体を安定的に発現するCHO細胞において、作用薬媒介カルシウム放出の遮断について、約5nM未満のK値を有していることが分かった。
(アッセイ3)
モルモットモデルでのアセチルコリ誘発気管支収縮の気管支保護期間の測定
このインビボでのアッセイは、ムスカリン性受容体拮抗活性を示す試験化合物の気管支保護効果を評価するために用いられる。250〜350gの体重の6匹のオスのモルモット(Duncan−Hartley(HsdPoc:DH)Harlan,Madison,WI)のグループを、かごのカードで個別に識別する。試験を通して、その動物が食料および水に自由にアクセスできるようにしておく。
【0176】
試験化合物は、全身曝露式投薬チャンバー(R&S Molds,San Carlos,CA)中で10分かけて吸入投与する。投薬チャンバーは、中央マニホールドから6つの個々のチャンバーにエアロゾルが同時に送達されるよう配置する。モルモットを、試験化合物または媒体(WFI)のエアロゾルに曝す。これらのエアロゾルは、22psiの圧力のガス混合物(CO=5%、O=21%およびN=74%)によって駆動されるLC Star式噴霧器セット(Model 22F51、PARI Respiratory Equipment,Inc.Midlothian,VA)を用いて、水溶液から発生させる。噴霧器を通るガス流量は、この動作圧力で約3L/分である。発生したエアロゾルは陽圧によってチャンバー中に押し込まれる。エアロゾル化溶液の送達の際には希釈空気は使用しない。10分間噴霧すると、約1.8mLの溶液が噴霧される。これは、充てんした噴霧器の噴霧前後の重量を比較して重量法で測定される。
【0177】
吸入により投与された試験化合物の気管支保護効果は、投与後1.5、24、48および72時間での全身のプレチスモグラフィーを用いて評価する。
【0178】
肺での評価の開始45分間前に、ケタミン(43.75mg/kg)、キシラジン(3.50mg/kg)およびアセプロマジン(1.05mg/kg)を筋肉注射して各モルモットを麻酔する。手術部位を剃り、70%アルコールで清浄化した後、首の腹側面を2〜3cm正中切開した。次いで、頸静脈を単離し、生理食塩水を満たしたポリエチレンカテーテル(PE−50、Becton Dickinson,Sparks,MD)を用いてカニューレを挿入して、生理食塩水中のACh(Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)の静脈内注射を行った。次いで、気管を切り裂き、14Gテフロン(登録商標)チューブ(#NE−014、Small Parts,Miami Lakes, FL)を用いてカニューレを挿入した。必要に応じて、上記麻酔薬混合物をさらに筋肉注射して麻酔を維持させる。麻酔の深さを監視し、その足をつまんでも動物が応答しないかまたは呼吸速度が100呼吸/分より大きい場合にはそれを調節する。
【0179】
カニューレ挿入が完了したら、動物をプレチスモグラフ(#PLY3114、Buxco Electronics,Inc.,Sharon,CT)中に入れ、食道圧力式カニューレ(PE−160、Becton Dickinson,Sparks,MD)を挿入して肺駆動圧(圧力)を測定する。テフロン(登録商標)製気管チューブをプレチスモグラフの開口部に取り付けて、モルモットがチャンバー外部の大気を吸えるようにする。次いでチャンバーを密封する。体温を維持させるために加熱灯を用い、10mLの較正シリンジ(#5520シリーズ、Hans Rudolph,Kansas City,MO)を用いて、モルモットの肺を4mLの空気で3回膨らませて、確実に、より低位の気道がつぶれず、かつ動物が過呼吸に苦しまないようにする。
【0180】
ベースライン値が、コンプライアンスについて0.3〜0.9mL/cmHOの範囲内であり、抵抗について1秒当たり0.1〜0.199cmHO/mLであると判断されたら肺の評価を開始する。Buxco肺測定コンピュータプログラムによって肺の値の収集と導出が可能になる。
【0181】
このプログラムを開始すると、実験手順とデータ収集が開始される。各呼吸によりプレチスモグラフ内で発生する容積の経時的変化をBuxco圧力変換器で測定する。この信号を時間で積分し、各呼吸について流量を計算する。Sensym圧力変換器(#TRD4100)を用いて収集した肺駆動圧力変化と合わせて、この信号を、Buxco(MAX2270)前置増幅器を介してデータ収集インターフェース(#’s SFT3400およびSFT3813)に接続する。他のすべての肺パラメータはこの2つの入力によって得られる。
【0182】
ベースライン値を5分間集め、その後、モルモットにAchを投与する。ACh(0.1mg/mL)を、以下の実験開始からの規定時間および用量、すなわち:5分で1.9μg/分、10分で3.8μg/分、15分で7.5μg/分、20分で15.0μg/分、25分で30μg/分、および30分で60μg/分でシリンジ型ポンプ(sp210iw、World Precision 装置s,Inc.,Sarasota,FL)から1分間静脈内に注入する。各ACh投与の後、3分間で抵抗またはコンプライアンスがベースライン値がに戻らない場合は、モルモットの肺を、10mLの較正シリンジからの4mLの空気で3回膨らませる。記録される肺のパラメータは、呼吸数(呼吸/分)、コンプライアンス(mL/cmHO)および肺抵抗(1秒当たりcm HO/mL)を含む。この手順の35分時点で肺機能の測定が完了したら、モルモットをプレチスモグラフから取り出し、二酸化炭素で窒息させて安楽死させる。
【0183】
データは以下の方法の1つまたはその両方で評価する:
(a)肺抵抗(R、1秒当たりcm HO/mL)は「圧力の変化」と「流量の変化」の比から計算する。ACh(60(g/分、IH)に対するR応答を媒体および試験化合物グループについて算出する。媒体処置した動物の各事前処置時間での平均ACh応答を計算し、各試験化合物用量での対応する事前処置時間のACh応答の阻害%を算出するのに用いる。GraphPad Prism、ウィンドウズ(登録商標)用バージョン3.00(GraphPad Software,San Diego,California)を用いて、「R」の阻害用量応答曲線を、4つのパラメータのロジスティック方程式で当てはめて、気管支保護のID50(ACh(60(g/分)気管支収縮剤応答を50%阻害するのに要する用量)を推定する。用いた方程式は以下の通りである:
Y=最小+(最大−最小)/(1+10((logID50−X)*傾斜)
(式中、Xは用量の対数であり、Yは応答(RのACh誘発増大の阻害%)である)
Yは最小でスタートし、シグモイド形で漸近的に最大に近づく。
【0184】
(b)ベースライン肺抵抗を倍加させるのに必要なAchまたはヒスタミンの量と定義される量PDは、AChまたはヒスタミン投与の間にわたる流量と圧力から誘導される肺抵抗値を用いて、以下の式(これは、American Thoracic Society.Guidelines for methacholine and exercise challenge testing−1999年.Am J Respir
Crit Care Med.161:309〜329頁(2000年)に記載されているPC20°値を計算するために用いられる式から誘導される):
【0185】
【数1】

(式中、CはCに先行するAchまたはヒスタミンの濃度;Cは少なくとも2倍の肺抵抗(R)の増加をもたらすAchまたはヒスタミンの濃度;RはベースラインR値;RはCの後のR値であり、RはCの後のR値である)
から計算される。効果的な用量は、50(g/mL用量のAchへの気管支制限応答をベースライン肺抵抗(PD2(50))の倍量に制限する用量と定義する。
【0186】
データの統計的分析は、両側スチューデントt検定を用いて実施する。P−値<0.05は有意であるとみなす。一般に、このアッセイで、ACh誘発気管支収縮について投与後1.5時間で約200μg/mL未満のPD2(50)を有する試験化合物が好ましい。このアッセイまたは同様のアッセイで試験した場合、式Iの化合物は、ACh誘発気管支収縮について投与後1.5時間で約200μg/mL未満のPD2(50)を有する推定される。
【0187】
(アッセイ4)
吸入モルモット唾液分泌アッセイ
体重200〜350gのモルモット(Charles River,Wilmington,MA)を、到着後少なくとも3日間室内モルモットコロニーに順応させる。試験化合物または媒体を、パイ型をした投薬チャンバー(R&S Molds,San Carlos,CA)内で、10分間かけて吸入(IH)により投与する。試験溶液を滅菌水中に溶解し、5.0mlの投与溶液を充てんした噴霧器を用いて送達する。モルモットを30分間吸入チャンバーに収容する。その間、モルモットを約110平方cmの面積内に拘束する。これは、動物が自由に体を回し、体位を変え、身動きするのに十分な空間である。20分間順応させた後、モルモットを、22psiの圧力の室内用空気で駆動するLS
Star式噴霧器セット(Model 22F51、PARI Respiratory Equipment,Inc.Midlothian,VA)から発生されたエアロゾルに曝す。噴霧が完了したら、モルモットを処置後、1.5、6、12、24、48または72時間で評価する。
【0188】
試験の1時間前に、ケタミン43.75mg/kg、キシラジン3.5mg/kgおよびアセプロマジン1.05mg/kgの混合物を0.88mL/kg容積で筋肉内(IM)注射してモルモットを麻酔する。動物を、加熱した(37(C)ブランケット上に腹側を上にし、頭を20°下方に傾けて配置する。4層の2×2インチのガーゼのパッド(Nuガーゼ汎用スポンジ(Nu−Gauze General−use sponges)、Johnson and Johnson,Arlington,TX)を、モルモットの口内に挿入する。5分後、ムスカリン性作用薬ピロカルピン(3.0mg/kg、SC)を投与し、直ちにガーゼパッドを廃棄し、予め計量した新たなガーゼパッドに取り換える。10分間唾液を集め、その時点でガーゼパッドを計量し、重量の差を記録して蓄積された唾液の量(mgで)を決定する。媒体および各用量の試験化合物を受け入れた動物について集めた唾液の平均量を計算する。媒体グループの平均を100%唾液分泌とする。結果の平均(n=3以上)を用いて結果を計算する。双方向ANOVAを用いて各時点での各用量について、信頼区間(95%)を計算する。このモデルは、Rechter、“Estimation of anticholinergic drug effects in mice by antagonism against pilocarpine−induced salivation” Ata Pharmacol Toxicol 24:243〜254頁(1996年)に記載されている手順の修正版である。
【0189】
各事前処置時間での媒体処置動物の唾液の平均重量を計算し、各用量の対応する事前処置時間での唾液分泌の阻害%を算出するのに用いる。阻害用量応答データを、GraphPad Prism、ウィンドウズ(登録商標)用バージョン3.00(GraphPad Software,San Diego,California)を用いて、4パラメータロジスティック方程式に当てはめて抗催唾薬ID50(ピロカルピン誘発唾液分泌の50%を阻害するのに必要な用量)を推定する。以下の式を用いる:
Y=最小+(最大−最小)/(1+10((logID50−X)*傾斜)
(式中、Xは用量の対数であり、Yは応答(唾液分泌の阻害%)である)
Yは最小でスタートし、シグモイド形で漸近的に最大に近づく。
【0190】
抗催唾薬ID50と気管支保護のID50の比を用いて、試験化合物の見掛けの肺選択指数を算出する。一般に、約5を超える見掛け肺選択指数を有する化合物が好ましい。このアッセイまたは同様のアッセイで試験した場合、式Iの化合物は約5を超える見掛け肺選択指数を有すると推定される。
【0191】
(アッセイ5)
覚醒モルモットにおけるメタコリン誘発降圧応答
この検討では、200〜300gの体重の健常なオスの成体SDモルモット(Harlan,Indianapolis,IN)を用いる。イソフルラン麻酔(をもたらす)のもとで、動物に、通常の頸動脈カテーテルおよび頸静脈カテーテル(PE−50チュービング)を取り付ける。肩甲下領域への皮下トンネルを利用して、カテーテルを体外に出す。外科的切開部はすべて、4−0 Ethicon Silkとヘパリン(1000単位/mL)でロックしたカテーテルを用いて縫合する。外科処置の最後に、各動物に生理食塩水(3mL、SC)とブプレノルフィン(0.05mg/kg、IM)を投与する。加熱パッド上で動物を回復させ、次いで収容室へ戻す。
【0192】
外科処置の後、約18〜20時間して、動物の体重を計り、動脈圧を記録するために、各動物の頸動脈カテーテルを変換器に連結する。Biopac MP−100 Acquisition Systemで動脈圧と心拍数を記録する。動物を20分間順応させ安定化させる。
【0193】
各動物に、頸静脈系を通して与薬してMCh(0.3mg/kg、IV)を投与し、心臓血管応答を10分間監視する。次いで動物を、試験化合物または媒体溶液を含む噴霧器に連結されている全身用投薬チャンバーの中に置く。呼吸可能な空気と5%二酸化炭素のガス混合物を用いて3リットル/分の流速で、溶液を10分間噴霧する。次いで、動物を全身用チャンバーから取り出し、それぞれのかごに戻す。投与後、1.5時間および24時間で、動物に、MCh(0.3mg/kg、IV)を再投与し、血行力学的応答を測定する。その後、ペントバルビタールナトリウム(150mg/kg、IV)で動物を安楽死させる。
【0194】
MChは平均動脈圧(MAP)の低下と心拍数(徐脈)の低下をもたらす。MAP(降圧応答)における、ベースラインからのピークの低下を、各MChの投与(IH投与の前後)について測定する。MCh応答に対する処置の効果を、コントロール降圧応答の阻害%(平均+/−SEM)として表わす。適切なポストホック試験での双方向ANOVAを用いて、処置および事前処置時間の効果を試験する。媒体を吸入投与した後1.5時間および24時間で、MChに対する降圧応答はそれほど変わらないと推定される。
【0195】
試験化合物の見掛け肺選択性を算出するために、抗降圧ID50と気管支保護ID50の比を用いる。一般に、5を超える見掛け肺選択指数を有する化合物が好ましい。このアッセイまたは同様のアッセイで試験した場合、式Iの化合物は5を超える見掛け肺選択指数を有すると推定される。
【0196】
本発明を、特定の態様またはその実施形態を参照して説明したが、当業者は、本発明の趣旨と範囲を逸脱することなく、様々な変更を行うかまたは等価物を置き換えることができることを理解されよう。さらに、適用できる特許法および特許に関する規則の許容する範囲で、本明細書で引用したすべての出版物、特許および特許出願の全体を、各文書が参照により本明細書に個別に組み込まれているのと同じ程度に参照により本明細書に組み込む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本願明細書に記載された発明。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2012−107066(P2012−107066A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−48225(P2012−48225)
【出願日】平成24年3月5日(2012.3.5)
【分割の表示】特願2008−500975(P2008−500975)の分割
【原出願日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願人】(500154711)セラヴァンス, インコーポレーテッド (129)
【Fターム(参考)】