説明

ビホスフィニン配位子を有する金属錯体を含む発光装置

【課題】発光効率を改良した、有機エレクトロルミネセンス装置を提供する。
【解決手段】アノード、カソード、前記アノードと前記カソードの間に位置する発光層を含む発光装置において、前記発光層は発光のための金属錯体を含み、前記金属錯体は一般式Iを有する基を含み、M−L(I)式中、Mは金属であり、Lは配位子であり、Lは置換又は未置換のヘテロアリール環であるArを含み、前記ヘテロアリール環は少なくとも1つのリン原子を含むことを特徴とする発光装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は金属錯体を含有する発光装置(LED)及びその製造方法に関する。本発明はまた、金属錯体の新しい使用、並びに新しい金属錯体及び金属錯体を含有する新規組成物にも関する。
【背景技術】
【0002】
この10年間、高効率の材料又は高効率の装置構造の開発によって発光装置(LED)の発光効率改良に関する多大な努力がなされてきた。
【0003】
図1は、典型的なLEDの断面図を示す。この装置はアノード2、カソード5及び前記アノードとカソードの間に位置する発光層4を有する。例えば、アノードは透明な酸化インジウム錫層であることができる。例えば、カソードはLiAlであり得る。装置に注入された正孔と電子は発光層で再結合して放射線を生じる。装置のさらなる特徴は選択的な正孔輸送層3である。正孔輸送層は、例えばポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)の層であり得る。これにより、アノードから注入された正孔が発光層に到達するのを助けるエネルギー準位が得られる。
【0004】
公知のLED構造は、カソード5と発光層4の間に位置する電子輸送層を有する。これにより、カソードから注入された電子が発光層に到達するのを助けるエネルギー準位が得られる。
【0005】
LEDにおいては、対極の電極から注入された電子と正孔が結合して2つのタイプの励起子を形成する。すなわち、スピン対称3重項とスピン非対称1重項である。1重項からの放射性崩壊(蛍光)は速く、3重項(燐光)からの崩壊はスピンの保存性から公式には禁止されている。
【0006】
この数年間、混合によって燐光性材料が発光層に組み込まれる研究が多数なされてきた。しばしば、燐光性材料は金属錯体であるが、これに限定されない。さらに、より軽量の金属の錯体は典型的には蛍光性である。
【0007】
金属錯体は配位子で囲まれた金属イオンを含む。金属錯体中の配位子はいくつかの役割を有する。配位子は金属から電子を受け取り発光する「発光」配位子であり得る。あるいは、単に金属のエネルギーレベルに影響を与えて、非放射崩壊経路によってエネルギーが損失するのを防止するために、配位子は存在し得る。例えば、配位子から発光がある場合、非放射性崩壊過程によってエネルギーが損失するのを防止するために金属に配位する強い配位子場の配位子を有することが有利である。一般的な強力な配位子場の配位子は、当業者に知られており、CO、PPh3及び負に帯電している炭素原子が金属に結合した配位子がある。N−ドナー配位子は、前述のものより強くはないが強力な配位子場を有する配位子である。
【0008】
強力な配位子場の配位子の効果は金属錯体から光が放出されるメカニズムの理解によって評価され得る。このメカニズムの評価を提供する発光金属錯体の3つの研究が下記に引用される。
【0009】
Chem.Rev.,1987,87,711−7434は有機錯体の発光特性に関するものである。この研究論文は有機金属錯体に共通して見られる励起状態の簡潔な要約を提供する。検討される励起状態は、金属中心軌道から配位子局在軌道への電子遷移を含む金属−配位子電荷移動(MLCT)状態を含む。したがって、正式な意味ではこの励起は金属の酸化と配位子の還元をもたらす。これらの遷移は、金属の中心の低い原子価の性質と多くの配位子におけるアクセプター軌道の低エネルギー位置のため有機金属錯体に共通して観察される。配位子局在軌道から金属中心軌道への電子遷移を含む配位子−金属電荷移動(LMCT)状態についても言及されている。
【0010】
電子発光に関する記事のセクションにおいては、最も感光性の高い無機材料の一種として認識される金属カルボニル錯体に関するサブセクションが設けられている。例としては、M(CO)-6(M=V,Nb,Ta)及びM(CO)6(M=Cr,Mo,W)が挙げられる。
【0011】
M(CO)5L錯体(ここでM=Mo又はW及びL=ピリジン、3−ブロモピリジン、ピリダジン、ピペリジン、トリメチルホスフィン又はトリクロロホスフィンである)のマトリックス分離の研究が報告され、これは置換金属カルボニルからの蛍光の最初の報告を提供したと言われている。
【0012】
いくつかのMo(CO)5L錯体(ここでL=置換ピリジン配位子)についても言及されており、これは流体の状態で発光することが知られているそうである。発光は、低−MLCT励起状態に割り当てられている。
【0013】
この研究論文における他のサブセクションは、二窒素錯体、メタロセン、金属イソシアニド、アルケン及びオルトメタレート錯体に関するものである。
【0014】
オルトメタレート錯体の多くの例が室温の溶液中において発光を示したと言われている。例えば、[Ru(bpy)2(NPP)]+の発光スペクトルは、MLCT発光に関連する構造を示すと言われている。いくつかのオルト−メタレートPt(II)錯体が言及され、ここで、発光はMLCT励起状態に割り当てられていると言われている。
【0015】
研究論文は、有機金属錯体における低原子価金属中心及び配位子アクセプターの低エネルギー空軌道のため低−MLCT励起状態がしばしば観察されることを要約している。さらに、励起状態レベルのエネルギー順序付けと観察される光物理的及び光化学的性質の間に関連性があると報告されている。さらに、室温発光の例の多くの数がMLCT励起状態に帰すると言われている。
【0016】
Analytical Chemistry,Vol.63,No.17,September 1,1991,829A〜837Aは、高発光遷移金属錯体、特に白金族金属(Ru,Os,Re,Rh及びIr)の錯体の設計及びその応用に関係する。
【0017】
表Iには、発光効率によって分類される代表的な金属錯体が掲げられている。この系は、多くの設計規則及び基本原則が他の発光金属錯体に適用できると言われているが、2,2’−ビピリジン(bpy)又は1,10−フェナントロリン(phen)のような少なくとも1つのα−ジイミン配位子を含むものに限定されている。
【0018】
この論文においては、遷移金属錯体は部分占有d軌道によって特徴付けられること及びこれら軌道の順序及び占有がある程度発光特性を決めることが説明されている。
【0019】
代表的な8面を有するMX6金属錯体においては、Mは金属であり、Xは1つの位置に配位する配位子であり、その配位子の8面結晶場は5つの縮重d軌道を3つの縮重tレベルと2つの縮重eレベルに分裂させると説明されている。分裂の程度は、錯体の発光特性を決める特に重要なパラメーターである結晶場分裂によって与えられ、その大きさは配位子及び中心の金属イオンの結晶場強度によって決められる。したがって、錯体の発光特性は、配位子、幾何学的構造及び金属イオンを変更することによって制御される。
【0020】
この論文において述べられている3つのタイプの励起状態がある。すなわち、金属中心d−d状態、配位子に基づくπ−π*状態及び電荷移動状態である。
【0021】
電荷移動(CT)状態は有機配位子及び金属を含む。上記のように、金属−配位子電荷移動(MLCT)は金属軌道から配位子軌道への電子の移転を含み、配位子−金属電荷移動(LMCT)は配位子軌道から金属軌道への電子の移転を含む。
【0022】
この論文によれば、発光遷移金属錯体の最も重要な設計ルールは、発光が常に最低の励起状態から生じることである。したがって、錯体の発光特性の制御は相対的な状態エネルギー及び性質並びに最低励起状態のエネルギーを制御することによって決まる。この点において、この論文は、金属−中心d−d状態は、光化学的な不安定性及び急速な励起状態の崩壊を招くと思われる、その熱的励起を防止するために発光レベルを十分上回らなければならないと記載している。したがって、より重要な基準の1つは、発光レベルとの競争から最低d−d状態を除くことにある。このように望まれる設計目標は発光性のMLCT又はπ−π状態からd−d状態を可能な限り熱的に遮断することである。d−d状態のエネルギーの制御は、結晶場分裂に影響を与えるように配位子又は中心金属イオンを変化させることによって達成される。より強い結晶場強度の配位子又は金属はd−d状態のエネルギーを上昇させ、結晶場強度はCl<py<<bpy、phen<CN<CO(pyはピリジンを表す)の順で増加する。
【0023】
金属については、結晶場分裂は周期律表のある縦行(column)を下がると増加する。CT状態エネルギーは、配位子と金属イオンの酸化/還元の容易さによって影響を受ける。MLCT遷移については、より還元しやすい配位子及びより酸化しやすい金属がMLCT状態を低くする。
πーπ*状態エネルギーは配位子自体によって大きく影響される。しかしながら、π−π*遷移のエネルギー及び強度は、置換基、芳香環のヘテロ原子又はπ共役の程度を変えることによって変更され得る。
【0024】
Photochemistry And Luminescence Of Cyclometallated Comlexes, Advances in Photochemistry, Volume 17, 1992, p. 1-68は、この分野においても最も注目されたのは、ポリピリジン型系の錯体(代表例:Ru(bpy)2+、bpyは2,2’ビピリジン)であったと記載している。
【0025】
シクロメタレート錯体の光化学及び光物理的特性における関心はこの延長であると言われている。
【0026】
この刊行物における表2は、シクロメタレートルテニウム、ロジウム、イリジウム、パラジウム及びプラチナ錯体及びこれらの配位子の吸収及び発光特性を示す。錯体のいくつかは帯電しており、いくつかは中性である。
【0027】
金属錯体中の配位子はいくつかの役割を有する。配位子は、金属から電子を受領し、ついで発光する発光配位子であり得る。あるいは、配位子は金属のエネルギーレベルに影響を及ぼすためにのみ存在し得る。例えば、発光が配位子からなされる場合、前述したように金属に配位した強配位子場の配位子を有することが有利である。一般的な強配位子場の配位子は当業者に公知であり、CO、PPh3及び負に帯電している炭素原子が金属に結合する配位子を含む。N−ドナー配位子は、前述したものより強くはないが強配位子場の配位子である。N−ドナー配位子においては、窒素原子が典型的にはヘテロアリール環の一部である。
【0028】
典型的なN−ドナー配位子は、例えば、配位子を官能化する機会が得られるので、CO配位子に優る利点を提供する。特定の機能が、可溶化置換基及び電荷輸送置換基のような官能性置換基によって系に導入される。置換基の変更は、配位子のπアクセプター性及びσドナー性を制御し、その結果多くのエネルギーレベルに影響を与え、これによって、発光の色及び効率に影響を与える。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0029】
【非特許文献1】J. Gen. Chem. USSR (Engl.Transl.), 54, 7, 1984, 1354-1360
【非特許文献2】Polyhderon, 9, 7, 1990, 991-997
【非特許文献3】Bull. Soc. Chim. Fr., 131,1991, 330-334
【非特許文献4】J. Org. Chem, 63,1998,4826-4828
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0030】
上記に鑑みて、LEDでの使用を目的とし、効率、色を改良し、官能基導入の機会を与える、新しく安定な金属錯体の同定及び設計が必要とされていることが理解されよう。
【0031】
したがって、LEDにおける発光に使用される新しい金属錯体を提供することが本発明の目的の1つである。
【課題を解決するための手段】
【0032】
このように、本発明の第1の側面においては、アノード、カソード、前記アノードと前記カソードの間に位置する発光層を含む発光装置が提供され、前記発光層は発光のための金属錯体を含み、前記金属錯体は次の一般式(I)を有する基を含む。
【0033】
M−L (I)
Mは金属であり、Lは配位子であり、Lは置換又は未置換のヘテロアリール環であり、前記ヘテロアリール環は少なくとも1つのリン原子を含むことを特徴とする。
【0034】
本発明の第2の側面においては、本発明の第1の側面に関連して定義される発光装置を製造する方法が提供され、アノードとカソードの間に発光層が位置するように、アノード、カソード及び発光層を形成する工程を含む。
【0035】
本発明の第3の側面においては、本発明の第1の側面に関連して定義される金属錯体の発光のための使用が提供される。
【0036】
本発明の第4の側面においては、本発明の第1の側面に関連して定義される金属錯体を含む混合物及びホスト材料が提供される。
【0037】
本発明の第5の側面においては、本発明の第1の側面に関連して定義される金属錯体を含むポリマー又はデンドリマーが提供される。
【0038】
本発明の第6の側面においては、次の一般式(I)を有する基を含む金属錯体が提供される。
【0039】
M−L (I)
Mは金属であり、Lは配位子であり、Lは一般式XII又はXIIIを有する基を含み、Lは次に示される位置において金属錯体のMに直接配位する。
【0040】
【化1】

これは、置換又は未置換である。
【0041】
【化2】

【0042】
これは、置換又は未置換であり、Ar’は5員アリール又はヘテロアリール環である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】典型的なLEDの断面図を示す。
【図2】tmbpの合成スキームを示す。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本発明の第1の側面に戻ると、好ましくは、Arは金属錯体中のMに直接配位する。本発明のLEDに使用される1つのそのような金属錯体は、Chem. Ber. 1996, 129, 263-268 "Phosphorous Analogs of Bipyridines : Their Synthesis and Coordination Chemistry"により公知である。この論文は、2−(2−ピリジル)−フォスフィニン及び2,2’−ビフォスフィニンの合成及び配位化学に関係する。これら錯体の特定の用途については何ら述べられていない。これら化合物は、ビピリジンのリンを含む類似物として単に示唆されている。
【0045】
本発明の第1の側面においては、発光装置に使用されるとき前記金属錯体が発光する。この点において、前記金属錯体は蛍光性又は燐光性でもよい。本発明は、これに限定されないが、好ましくは、前記金属錯体は燐光性である。
【0046】
一般式Iを有する金属錯体においては、好ましくは、Arはリン原子によって金属(M)に直接配位する。
【0047】
本発明の金属錯体中のリンが金属に直接配位する場合、前記配位子は強配位子場効果の配位子である。実際、前記配位子は、窒素がリンの位置にある対応する配位子より強い配位子場効果を有する。これは、励起状態の非放射性崩壊によりエネルギー損失を嫌うように金属のd軌道のいくつかのエネルギーレベルを上げるために、前述したような利点を有する。
【0048】
1つの態様において、Lは好ましくは2座配位子である。本発明の金属錯体中の配位子Lが2座配位子である場合、2座配位子のキレート効果によって金属錯体に安定性を供給する利点を有する。特に、これは周知のPPh3及びCO配位子に比べて利点を有する。
【0049】
本発明の金属錯体中の配位子Lが2座配位子である場合、Lは好ましくは追加的にAr’を含み、これは置換又は未置換アリール又はヘテロアリール基である。この態様において、Ar’は好ましくは金属錯体中の金属Mに直接配位する。Arは好ましくはAr’に共役的に結合している。この点において、ArはAr’と縮合されることができ、又はAr’に単結合又は二重結合で連結されることができる。
【0050】
再び、本発明の金属錯体中の配位子Lが2座配位子であるとき、Lは混合ドナー配位子、例えば、P及びC、又はP及びNであり得る。
【0051】
Ar(及び/又はAr’、存在する場合)は、好ましくは、置換又は未置換6員環又は5員環である。
【0052】
さらに好ましくは、1つの態様において、Ar(及び/又はAr’、存在する場合)は、2以上のヘテロ原子を含む。好ましくは、第2へテロ原子はN又はPである。
【0053】
適切な2座配位子Lの例は、下記の一般式II〜VIIに示されており、置換又は未置換でもよい。
【0054】
【化3】

X,X’及びX2は、それぞれ独立して、C、N又はOであり、X、X’及びX2の少なくとも1つがPである。好ましくは、一般式V、VI及びVIIにおけるX’はPである。
【0055】
前述したように、金属錯体中の配位子はいくつかの役割を有することができる。したがって、1つの態様において、Lは好ましくは発光配位子である。発光配位子Lの例は、Lが式VIIIを有する基を含む場合である。
【0056】
【化4】

これは、置換又は未置換であり、Lは2つのリン原子によって金属錯体中のMに直接配位している。
Lが発光配位子である場合、強配位子場の配位子であり得る。
【0057】
他の態様においては、Lは好ましくは発光配位子ではない。この態様においては、Lは好ましくは強配位子場の配位子である。このような配位子はW(O)及びRe(I)錯体のような低酸化状態錯体を安定化するのに有利である。強配位子場の配位子Lの例は、Lが一般式IX、X又はXIから選択される基を含むものを含む。
【0058】
【化5】

【0059】
それぞれは、独立して置換又は未置換であり、Lは示された位置によって金属錯体中のMに直接配位され、各Rは独立してH又はアリール、ヘテロアリール、アルキル若しくはハロゲン基のような置換基である。
【0060】
前述したように、本発明の金属錯体中のAr(及び/又はAr’、存在する場合)は置換され又は置換され得ない。したがって、これらは置換基によって官能化され得る。例えば、Ar及び/又はAr’は金属錯体を溶解処理可能にするために、1又は2以上の可溶化基によって置換され得る。これは、装置を作成するとき、金属錯体を溶液から堆積できるので、金属錯体を含むLEDを製造するときの利点となる。
【0061】
したがって、1つの態様において、Lは少なくとも1つの可溶化置換基を含む。
【0062】
さらに、Ar及び/又はAr’は電荷輸送基によって置換され得、これは系において正孔輸送及び/又は電子輸送を改良するために使用できる。
【0063】
したがって、他の好ましい態様において、Lは電荷輸送置換基を含む。
【0064】
また、他の好ましい態様において、Lは錯体の発光色をシフトさせる置換基を含む。
【0065】
上記の観点から、特に好ましい置換基は錯体の発光色を青色シフトさせるために使用され得るフッ素又はトリフルオロメチル;錯体への正孔輸送を促進するために使用できるカルバゾール;更なる基の付着のために配位子を官能化するために働くことができる臭素、塩素又はヨウ素;金属錯体の溶解処理性を得る又は高めるために使用できるアルキル若しくはアルコキシ基又はデンドロンが挙げられる。
【0066】
錯体中の金属Mに戻ると、適切な金属Mは次のものを含む。
1)セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、ジスプロシウム、ツリウム、エルビウム及びネオジムのようなランタニド金属。
2)d−ブロック金属、特に、2列(row)及び3列のもの、すなわち、39〜48番及び72〜80番元素、特に、ルテニウム、タングステン、銅、クロム、モリブデン、ロジウム、パラジウム、レニウム、オスミウム、イリジウム、プラチナ及び金。
3)アルミニウム、ベリリウム、亜鉛、水銀、カドミウム及びガリウムのような蛍光性錯体を形成する金属。
【0067】
典型的には、金属錯体はLに加えて他の配位子(配位基)を含む。
【0068】
もちろん、金属錯体は、各Lが同じか異なる2以上の配位子Lを含むことができる。
【0069】
金属錯体(L以外の)中の配位子は単座、2座又は3座であり得る。2座及び3座配位子においては、配位原子はMに配位するとき7、6、5又は4員環を形成するように結合され得る。6員環は好ましく、5員環は最も好ましい。適切な配位子は、当業者に知られている。
【0070】
3座配位子の例は次のとおりである。
【0071】
【化6】

1、X2及びX3は独立してN,C,O及びSから選択される。好ましくは、X1=X2=X3=Nである。
【0072】
Mに配位される好ましい基はフェノール基である。
【0073】
【化7】

【0074】
したがって、特に好ましい2座配位子はキノリネートである。
【0075】
f−ブロック金属のための適切な配位基はカルボン酸、1,3−ジケトネート、ヒドロキシカルボン酸、アシルフェノール及びイミノアシル基を含むシッフ塩基などの酸素又は窒素ドナー系を含む。公知のように、発光ランタニド金属錯体は、金属イオンの第1励起状態より高い3重項励起エネルギーレベルを有する感光性基を要求する。発光は金属のf−f遷移からであり、したがって、発光色は金属の選択によって決められる。
【0076】
鋭敏な発光は通常狭く、ディスプレイへの応用において有益な純色発光をもたらす。
【0077】
d−ブロック金属は、好ましくは、ポルフィリン又は一般式(XII)の2座配位子のような炭素又は窒素を有する錯体を形成する。
【0078】
【化8】

Ar2及びAr3は同じか異なり、選択的に置換されるアリール又はヘテロアリールから独立して選択され、Y1及びYは同じか異なり、炭素又は窒素から独立して選択され、Ar2及びAr3は互いに縮合され得る。Yが炭素でありY1が窒素であるか、又はY及びY1が共に窒素である配位子が特に好ましい。
【0079】
2座配位子の例は下記に示されている。
【0080】
【化9】

Ar2及びAr3の1つ又は両者は1又は2以上の置換基を有し得る。好ましい置換基は上述したとおりである。
【0081】
d−ブロック元素との使用に適する他の配位子は、ジケトネート、特にアセチルアセトネート(acac)、キノリネート、トリアリールフォスフィン及びピリジンを含み、それぞれ置換され得る。
【0082】
本発明の第1の側面の発光装置においては、金属錯体はホスト材料と共に、任意選択で発光層中に存在する。金属錯体は発光層中でホスト材料と共に物理的に混合されるか、ホスト材料に共有結合される。1つの好ましい態様において、金属錯体は発光層中でホスト材料と共に混合される。他の態様において金属錯体はポリマーの繰返し単位、側鎖置換基及び/又は末端基として供給される。他の態様において、金属錯体はデンドリマー中に供給される。デンドリマーのコアは金属Mを含む。
【0083】
したがって、本発明は上記に定義される金属錯体及びホスト材料を含む混合物を提供する。本発明はさらに上記で定義される金属錯体をポリマーの繰返し単位、側鎖置換基及び/又は末端基として含むポリマーを提供する。本発明は、また、上記で定義される金属錯体を含むデンドリマーを供給する。
【0084】
ホスト材料は電荷輸送特性を有することができる。次の一般式を有する選択的に置換された正孔輸送アリールアミンのような正孔輸送ホスト材料が特に好ましい。
【0085】
【化10】

Ar5は、フェニル又は次のもののような選択的に置換される芳香族基である。
【化11】

Ar6、Ar7,Ar8及びAr9は選択的に置換される芳香族又は複素芳香族基である(Shi et al (Kodak) US 5,554,450. Van Slyke et al, US 5,061,569. So et al (Motorola) US 5,853,905 (1997))。Arは好ましくはビフェニルである、少なくとも2つのAr6、Ar7,Ar8及びAr9は、チオール基又は反応性不飽和炭素−炭素結合を含む基のいずれかに結合していてもよい。Ar6及びAr7及び/又はAr8及びAr9は選択的に結合して、例えば、Nがカルバゾール単位の一部を形成するようにN含有環を形成する。
【0086】
【化12】

【0087】
ホスト材料が代わりに電子輸送特性を有することもできる。電子輸送ホスト材料の例としては、アゾール、ジアゾール、トリアゾール、オキサジアゾール、ベンゾキサゾール、ベンザゾール及びフェナントロリンであり、それぞれ選択的に置換され得る。特に好ましい置換基はアリール基、特に、フェニル、オキサジアゾール、特に、アリール置換オキサジアゾールである。これらホスト材料は低分子の形で存在するか、又はポリマーの繰返し単位、特に、ポリマーの主鎖に位置する繰返し単位、若しくはポリマー主鎖からのペンダント置換基として供給されてもよい。電子輸送ホスト材料の例としては、3−フェニル−4−(1−ナフチル)−5−フェニル−1,2,4−トリアゾール及び2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−フェナントロリンを含む。
【0088】
ホスト材料は双極性、すなわち、正孔及び電子を輸送することができる。適切な双極性材料は、好ましくは、少なくとも2つのカルバゾール単位(Shirota, J. Mater. Chem., 2000, 10, 1-25)を含む。1つの好ましい化合物において、上記のAr6及びAr7並びにAr8及びAr9の両方はカルバゾール環を形成するために結合され、Ar5はフェニルである。あるいは、双極性ホスト材料は正孔輸送区域及び電子輸送区域を含む材料であり得る。このような材料の例としては、ポリマー主鎖内に位置するトリアリールアミン繰返し単位によって正孔輸送が供給され、ポリマー主鎖内の共役ポリフルオレン鎖によって電子輸送が供給される、WO00/55927に開示される正孔輸送区域及び電子輸送区域を含むポリマーである。あるいは、正孔輸送及び電子輸送特性は共役又は非共役ポリマー主鎖からのペンダント繰返し単位によって供給され得る。
【0089】
「低分子」ホストの具体例は、Ikai et al. (Appl. Phys. Lett., 79 no. 2, 2001, 156)に開示される、CBPとして知られる4,4’−ビス(カルバゾール−9−イル)ビフェニル)及びTCTAとして知られる(4,4’,4”−トリス(カルバゾール−9−イル)トリフェニルアミン)、並びにMTDATAとして知られるトリス−4−(N−3−メチルフェニル−N−フェニル)フェニルアミンなどのトリアリールアミンを含む。
【0090】
ホモポリマー及びコポリマーはホスト材料として使用することができ、正孔輸送層に関して上述したようなポリフルオレン、ポリスピロフルオレン、ポリインデノフルオレン又はポリフェニレンのような選択的に置換されたポリアリーレンを含む。
【0091】
公知文献に開示されるホストポリマーの特定の例は、例えば、Appl. Phys. Lett. 200, 77(15), 2280に開示されるポリ(ビニルカルバゾール)、Synth. Met. 2001, 116, 379, Phys. Rev. B 2001, 63, 235206及びAppl. Phys. Lett. 2003, 82(7), 1006に開示されるポリフルオレン、Adv. Mater. 1999, 11(4), 285に開示されるポリ[4−(N−4−ビニルベンジルオキシエチル,N−メチルアミノ)−N−(2,5−ジ−tert−ブチルフェニルナフタルイミド(naphthalimide)]、J. Mater. Chem. 2003, 13, 50-55に開示されているポリ(パラ−フェニレン)、J. Chem. Phys. (2003), 118 (6), 2853-2864に開示されるfac−トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(III)及び2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィリンプラチナ(II)のホストとしてポリ[9,9’−ジ−n−ヘキシル−2,7−フルオレン−alt−1,4−(2,5−ジ−n−へキシルオキシ)フェニレン]、Mat. Res. Symp. Spring Meeting 2003 Book of Abstracts, Heeger, p. 214に開示されるジオクチルフルオレン及びジシアノ−ベンゼンのランダムコポリマーホスト、並びにMat. Res. Soc. Symp. Proc. 708, 2002, 131に開示されるフルオレン繰返し単位とフェニレン繰返し単位のABコポリマーを含む。
【0092】
ホスト材料中の燐光性発光ドーパントの濃度は薄膜が高い電子発光効率を有するようにすべきである。発光種の濃度が高すぎると、発光の消光が生じ得る。濃度範囲は0.01〜49wt%であり、より好ましくは0.5〜10wt%、最も好ましくは1−3wt%とするのが通常適当である。
【0093】
ホスト材料及び電子発光材料は上述のように独立した材料として供給され得る。あるいは、同じ分子の構成要素であり得る。例えば、燐光性金属錯体は、例えば、WO02/31896、WO03/001616、WO03/018653及びEP1245659に開示されるように、ホストポリマーの繰返し単位、側鎖置換基又は末端基として供給され得る。同様に、「低分子」ホスト材料は燐光性金属錯体の配位子に直接結合され得る。
【0094】
図1を参照すると、本発明の有機発光ダイオードは、基板1、アノード2(好ましくは、インジウム錫酸化物)、有機正孔注入材料層3、電子発光層4及びカソード5を含むことができる。
【0095】
図1に示されるように、本発明のLEDにおいて、通常、アノードは基板上に供給される。光学装置は湿気と酸素に敏感な傾向がある。したがって、基板は、好ましくは、湿気と酸素の装置への侵入の防止について良好なバリヤー特性を有する。基板は、一般的にガラスであるが、特に、装置の柔軟性が必要な場合は他の基板が使用され得る。例えば、プラスチック層及びバリヤー層が交互の基板を開示する米国6268695号明細書にあるようなプラスチック、又は欧州0949850に開示されるような薄いガラスとプラスチックのラミネートを含むことができる。
【0096】
必須ではないが、アノードから発光層への正孔の注入を促進するので、アノードと発光層の間の正孔注入層が存在することも望ましい。有機正孔注入材料の例は、欧州0901176号明細書及び欧州0947123号明細書に開示されるポリ(スチレンスルホネート)のような適当な対イオンを有するポリエチレンジオキシチオフェン(PEDT)、又は米国5723873号明細書及び米国5798170号明細書に開示されるようなポリアニリンを含む。
【0097】
半導体材料を含む電荷輸送層(図示しない)を供給することもできる。正孔輸送層はアノードと発光層の間に供給され、電子輸送層はカソードと発光層の間に供給され得る。
【0098】
カソードは、電子が効率的に装置に注入されるように選択され、アルミニウム層のような単一の導電材料を含み得る。あるいは、それは複数の金属、例えば、国際公開98/10621号パンフレットに開示されるようなカルシウムとアルミニウムの2層を有することができる。例えば、国際公開00/48258号パンフレットに開示されるように、電子注入を促進するためにフッ化リチウムのような誘電材料の薄膜層が発光層とカソードの間に供給され得る。好ましくは、カソードは、仕事関数が3.5eV未満、より好ましくは3.0eV未満の金属を含む層を備える。
【0099】
装置は、湿気と酸素の侵入を防止するために好ましくは封止材で封止される。適切な封止材は、ガラスのシート、例えばWO01/81649に開示されているようなポリマーと誘電体との交互スタックのような適切なバリヤー特性を有する薄膜、又は例えば国際公開01/19142号明細書に開示されるような選択的に乾燥剤を有する密封容器を含む。
【0100】
実用的な装置において、少なくとも1つの電極は光が放射されるように半透明である。アノードが透明である場合、典型的にはインジウム錫酸化物を含む。透明カソードの例は例えば、GB2348316に開示されている。
【0101】
本発明の第2の側面に移ると、発光層がアノードとカソードの間に配置されるようにアノード、カソード及び発光層を形成する工程を含む本発明の第1の側面に関連して定義される発光装置を作成する方法を提供する。
【0102】
可能であるならば、発光層は溶液処理によって形成される。溶液処理のために適切な技術は当業者に知られている。
【0103】
上記からわかるように、本発明はLEDに使用される新規ないくつかの金属錯体を提供する。したがって、本発明の第6の側面は一般式Iを有する基を含む金属錯体を提供する。
【0104】
M−L (I)
Mは金属であり、Lは配位子であり、Lは、下記に示される位置において金属錯体中のMにLが直接配位される一般式XII又はXIIIを有する基を含む。
【0105】
【化13】

これは、置換又は未置換である。
【0106】
【化14】

これは置換又は未置換であり、Ar’は5員アリール又はヘテロアリール環である。Ar’は本発明の第1の側面に関連して上記のように定義される。
【0107】
一般式Iを有する基を含む金属錯体を合成するための可能なルートは下記に示される。
1)イリジウム錯体
帯電イリジウム錯体はイリジウムフェニルピリジン二量体をビフォスフィニン配位子と反応させることによって形成できる。これは帯電錯体を形成するが、最近記載(J. Am. Chem. Soc., 2004, 126, 2763)された公知の錯体[Ir(ppy)2(X2bpy)][PF6](X=tBu)に類似する。
【0108】
【化15】

【0109】
同様に、中性の錯体は、1つのP−ドナー環及び1つのシクロメタレートフェニル環を有する配位子を使用して形成することができる。
2)レニウム錯体
レニウム錯体はビホスフィニン配位子をRe(CO)5Clと反応させることにより形成される。
【0110】
【化16】

【0111】
最も単純な公知のビホスフィニン配位子は、下記の4,4’,5,5’−テトラメチル誘導体(tmbp)である。
【0112】
【化17】

【0113】
tmbpの合成は図2のスキーム1に示される2つのルートによって達成される。これら合成の詳細は簡潔に検討される。
【0114】
スキーム1の反応条件は下記のとおりである。
(i)AlBr3,PBr3,55%;1(ii)NEt3,THF,40℃,2hr;NEt3,THF,70℃,4hr,43%;(iii)nBuLi,トルエン,−78℃,RT,100%;(iv)トルエン,100℃,1h,30%;(v)ZrCpCl,THF,−78℃;30℃,1hr;(vi)[Ni(dppe)Cl2],THF,80℃,45min;(vii)C2Cl6,THF,−20℃,30min,5.4から55%。工程(v)〜(vii)は中間体を単離せずに1つのポットで行うことができる。
【0115】
tmbpへの両ルートは、臭化ホスフィニン5を要求する。これは次の2つの工程:ジブロモメチルジブロモホスフィンの合成と、それに続く2,3−ジメチルブタジエンとの縮合で合成される。tmbpへの本来のルートは、LiTMPの存在下で5のカップリングによる。これは、5から直接30%の収率でtmbpを得る。
【0116】
tmbpへの他のルートが報告され、これはジルコニウム中間体8を使用し、次いで[Ni(dppe)Cl]の存在下でカップリングされる。このルートにおける3つの工程は中間体を単離する必要がなく1つのポット内で実行することができ、5からの全収率は55%である。
【符号の説明】
【0117】
1 基板
2 アノード
3 正孔輸送層
4 発光層
5 カソード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アノード、カソード、前記アノードと前記カソードの間に位置する発光層を含む発光装置において、
前記発光層は発光のための金属錯体を含み、前記金属錯体は一般式Iを有する基を含み、
M−L (I)
Mは金属であり、Lは配位子であり、Lは置換又は未置換のヘテロアリール環であるArを含み、前記ヘテロアリール環は少なくとも1つのリン原子を含むことを特徴とする発光装置。
【請求項2】
Arがリン原子によってMに配位している請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
Lが2座配位子である請求項1又は2に記載の発光装置。
【請求項4】
Lがさらに置換又は未置換のアリール又はヘテロアリール基であるAr’を含み、Ar’は金属錯体中のMに直接配位している請求項3に記載の発光装置。
【請求項5】
Ar及び/又はAr’は独立して置換又は未置換の6員環である請求項1ないし4のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項6】
Ar及び/又はAr’は独立して2以上のヘテロ原子を含む請求項1ないし5のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項7】
Lが発光配位子である請求項1ないし6のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項8】
Lが一般式VIIIを有する基を含み、
【化1】

これは置換又は未置換であり、Lは前記2つのリン原子によって直接金属錯体中のMに配位している請求項7に記載の発光装置。
【請求項9】
Lが発光配位子ではない請求項1ないし6のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項10】
Lが式IX、X又はXIを有する基から選択される基を含み、
【化2】

これらは独立して置換又は未置換であり、Lは示される位置において金属錯体中のMに直接配位され、各Rは独立してH又はアリール、ヘテロアリール、アルキル若しくはハロゲン基である請求項9に記載の発光装置。
【請求項11】
Lが可溶化置換基を含む請求項1ないし10のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項12】
Lが電荷輸送置換基を含む請求項1ないし11のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項13】
前記金属錯体が前記発光層中のホスト材料と共に混合されている請求項1ないし12のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項14】
ポリマー又はデンドリマーが金属錯体を含む請求項1ないし13のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項15】
前記アノードと前記カソードの間に前記発光層が位置するように、前記アノード、前記カソード及び前記発光層を形成する工程を含む、請求項1ないし14のいずれか一項で規定される発光装置の製造方法。
【請求項16】
前記発光層が溶液処理によって形成される請求項15に記載の方法。
【請求項17】
請求項1ないし14のいずれか一項で規定される金属錯体の発光のための使用。
【請求項18】
請求項1ないし14のいずれか一項で規定される金属錯体及びホスト材料を含む混合物。
【請求項19】
請求項1ないし14のいずれか一項で規定される金属錯体を含むポリマー又はデンドリマー。
【請求項20】
一般式Iを有する基を含む金属錯体であって、
M−L (I)
Mは金属であり、Lは配位子であり、Lは一般式XII又はXIIIを有する基を含み、Lは示される位置において金属錯体中のMに直接配位されており、
【化3】

これは置換されており又は置換されておらず、
【化4】

これは置換されており又は置換されておらず、Ar’は5員のアリール又はヘテロアリール環である金属錯体。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−54571(P2012−54571A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−220982(P2011−220982)
【出願日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【分割の表示】特願2007−514070(P2007−514070)の分割
【原出願日】平成17年5月16日(2005.5.16)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】