説明

ビル管理システムリプレース方法およびビル管理システムリプレース用仮接続装置

【課題】既設の通信ケーブルを流用するとともに、ビル管理システムの停止時間を短縮することができるビル管理システムリプレース方法を得る。
【解決手段】通信ケーブル4にスプリッタ51およびモデム52を介して新ホストコンピュータ12を接続する新ホストコンピュータ仮接続工程と、通信ケーブル4にスプリッタ61およびモデム62を介して新ローカル装置22を接続する新ローカル装置仮接続工程と、ビル設備3を旧ローカル装置21から切り離して新ローカル装置22に接続するビル設備接続先変更工程と、旧ホストコンピュータ11および旧ローカル装置21を通信ケーブル4から切り離す切離工程と、スプリッタ51、モデム52、スプリッタ61およびモデム62を通信ケーブル4から取り外して、新ホストコンピュータ12および新ローカル装置22を通信ケーブル4に接続する本接続工程とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ビル管理システムをリプレースするビル管理システムリプレース方法およびビル管理システムをリプレースする際に用いられるビル管理システムリプレース用仮接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ビル管理者により操作されるホストコンピュータと、通信ケーブルを介してホストコンピュータと接続され、通信ケーブルを用いてホストコンピュータとの間で通信を行う複数のローカル装置と、各ローカル装置に接続され、ローカル装置により監視、計測または制御が行われるビル設備とを備えたビル管理システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−62492号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、既設の通信ケーブルを流用して、旧ホストコンピュータおよび旧ローカル装置を新ホストコンピュータおよび新ローカル装置にリプレースする場合には、旧ホストコンピュータおよび旧ローカル装置を通信ケーブルから切り離し、その後、新ホストコンピュータおよび新ローカル装置を通信ケーブルに接続する。しかしながら、旧ホストコンピュータおよび旧ローカル装置が通信ケーブルから切り離されてから新ホストコンピュータおよび新ローカル装置が通信ケーブルに接続されるまでの間は、ビル管理システムを停止しなければならない。新ローカル装置の数が多くなる場合には、ビル管理システムの停止時間が長くなってしまうという問題点があった。
【0005】
この発明は、既設の通信ケーブルを流用するとともに、ビル管理システムの停止時間を短縮することができるビル管理システムリプレース方法およびビル管理システムリプレース用仮接続装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るビル管理システムリプレース方法は、ホストコンピュータと、通信ケーブルを用いて前記ホストコンピュータとの間で通信を行う複数のローカル装置と、各前記ローカル装置に接続されるビル設備とを備えたビル管理システムをリプレースするビル管理システムリプレース方法であって、旧ホストコンピュータおよび旧ローカル装置が既に接続されている前記通信ケーブルに対して第1のスプリッタおよび第1のモデムを介して新ホストコンピュータを接続する新ホストコンピュータ仮接続工程と、前記新ホストコンピュータ仮接続工程の後、前記通信ケーブルに対して第2のスプリッタおよび第2のモデムを介して新ローカル装置を接続して、前記通信ケーブルを用いた前記旧ホストコンピュータと前記旧ローカル装置との間の通信が可能の状態のまま、前記通信ケーブルを用いた前記新ホストコンピュータと前記新ローカル装置との間の通信を可能にする新ローカル装置仮接続工程と、前記新ローカル装置仮接続工程の際に、前記新ホストコンピュータとの間で通信が可能となる前記新ローカル装置に対応する前記旧ローカル装置に接続されている前記ビル設備を前記旧ローカル装置から切り離し、切り離された前記ビル設備を前記新ホストコンピュータとの間で通信が可能となる前記新ローカル装置に接続するビル設備接続先変更工程と、前記新ローカル装置仮接続工程および前記ビル設備接続先変更工程の後、前記旧ホストコンピュータおよび前記旧ローカル装置を前記通信ケーブルから切り離す切離工程と、前記切離工程の後、前記第1のスプリッタおよび前記第1のモデムを前記通信ケーブルから取り外して前記新ホストコンピュータを前記通信ケーブルに接続し、前記第2のスプリッタおよび前記第2のモデムを前記通信ケーブルから取り外して各前記新ローカル装置を前記通信ケーブルに接続して、前記通信ケーブルを用いた前記新ホストコンピュータと前記新ローカル装置との間の通信を可能にする本接続工程とを備えている。
【0007】
この発明に係るビル管理システムリプレース用仮接続装置は、ホストコンピュータと、通信ケーブルを用いて前記ホストコンピュータとの間で通信を行う複数のローカル装置と、各前記ローカル装置に接続されるビル設備とを備えたビル管理システムをリプレースする際に用いられるビル管理システムリプレース用仮接続装置であって、旧ホストコンピュータおよび旧ローカル装置が既に接続されている前記通信ケーブルと新ホストコンピュータとの間に設けられ、前記通信ケーブルに対して前記新ホストコンピュータを接続する第1のスプリッタおよび第1のモデムと、前記通信ケーブルと新ローカル装置との間に設けられ、前記通信ケーブルに対して前記新ローカル装置を接続する第2のスプリッタおよび第2のモデムとを備え、前記第1のスプリッタ、前記第1のモデム、前記第2のスプリッタおよび前記第2のモデムは、前記通信ケーブルを用いた前記旧ホストコンピュータと前記旧ローカル装置との間の通信が可能の状態のまま、前記通信ケーブルを用いた前記新ホストコンピュータと前記新ローカル装置との間の通信を可能にする。
【発明の効果】
【0008】
この発明に係るビル管理システムリプレース方法によれば、旧ホストコンピュータおよび旧ローカル装置が既に接続されている通信ケーブルに対して第1のスプリッタおよび第1のモデムを介して新ホストコンピュータを接続する新ホストコンピュータ仮接続工程と、新ホストコンピュータ仮接続工程の後、通信ケーブルに対して第2のスプリッタおよび第2のモデムを介して新ローカル装置を接続して、通信ケーブルを用いた旧ホストコンピュータと旧ローカル装置との間の通信が可能の状態のまま、通信ケーブルを用いた新ホストコンピュータと新ローカル装置との間の通信を可能にする新ローカル装置仮接続工程と、新ローカル装置仮接続工程の際に、新ホストコンピュータとの間で通信が可能となる新ローカル装置に対応する旧ローカル装置に接続されているビル設備を旧ローカル装置から切り離し、切り離されたビル設備を新ホストコンピュータとの間で通信が可能となる新ローカル装置に接続するビル設備接続先変更工程と、新ローカル装置仮接続工程およびビル設備接続先変更工程の後、旧ホストコンピュータおよび旧ローカル装置を通信ケーブルから切り離す切離工程と、切離工程の後、第1のスプリッタおよび第1のモデムを通信ケーブルから取り外して新ホストコンピュータを通信ケーブルに接続し、第2のスプリッタおよび第2のモデムを通信ケーブルから取り外して各新ローカル装置を通信ケーブルに接続して、通信ケーブルを用いた新ホストコンピュータと新ローカル装置との間の通信を可能にする本接続工程とを備えているので、ビル管理システムをリプレースする際に、既設の通信ケーブルを流用することができる。また、このビル管理システムリプレース方法は、旧ホストコンピュータおよび旧ローカル装置が既に接続されている通信ケーブルに対して第1のスプリッタおよび第1のモデムを介して新ホストコンピュータを接続する新ホストコンピュータ仮接続工程と、この通信ケーブルに対して第2のスプリッタおよび第2のモデムを介して新ローカル装置を接続して、通信ケーブルを用いた旧ホストコンピュータと旧ローカル装置との間の通信が可能の状態のまま、通信ケーブルを用いた新ホストコンピュータと新ローカル装置との間の通信を可能にする新ローカル装置仮接続工程とを備えているので、通信ケーブルを用いた旧ホストコンピュータと旧ローカル装置との間の通信が可能である状態で、通信ケーブルを用いた新ホストコンピュータと新ローカル装置との間の通信が可能となる。その結果、ビル管理システムの停止時間を短縮することができる。
【0009】
この発明に係るビル管理システムリプレース用仮接続装置によれば、旧ホストコンピュータおよび旧ローカル装置が既に接続されている通信ケーブルと新ホストコンピュータとの間に設けられ、この通信ケーブルに対して新ホストコンピュータを接続する第1のスプリッタおよび第1のモデムと、この通信ケーブルと新ローカル装置との間に設けられ、通信ケーブルに対して新ローカル装置を接続する第2のスプリッタおよび第2のモデムとを備え、第1のスプリッタ、第1のモデム、第2のスプリッタおよび第2のモデムは、通信ケーブルを用いた旧ホストコンピュータと旧ローカル装置との間の通信が可能の状態のまま、通信ケーブルを用いた新ホストコンピュータと新ローカル装置との間の通信を可能にするので、ビル管理システムをリプレースする際に、既設の通信ケーブルを流用することができる。また、このビル管理システムリプレース用仮接続装置によれば、ビル管理システムをリプレースする際に、第1のスプリッタ、第1のモデム、第2のスプリッタおよび第2のモデムが、通信ケーブルを用いた旧ホストコンピュータと旧ローカル装置との間の通信が可能の状態で、通信ケーブルを用いた新ホストコンピュータと新ローカル装置との間の通信を可能にするので、ビル管理システムの停止時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の実施の形態1に係るビル管理システムを示す構成図である。
【図2】図1のビル管理システムをリプレースする状態を示す構成図である。
【図3】図2のビル管理システムのリプレースをさらに進めた状態を示す構成図である。
【図4】図3のビル管理システムのリプレースをさらに進めた状態を示す構成図である。
【図5】図4のビル管理システムのリプレースをさらに進めた状態を示す構成図である。
【図6】図4のビル管理システムのリプレースの変形例を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るビル管理システムを示す構成図である。図において、ビル管理システムは、パソコンから構成されるホストコンピュータ1と、ビルの各階に設けられた複数のローカル装置2と、各ローカル装置2に接続される複数のビル設備3と、ホストコンピュータ1と各ローカル装置2とに接続された通信ケーブル4とを備えている。ローカル装置2は、ビル設備3の監視、計測または制御を行う。ホストコンピュータ1は、ビル管理者に操作されることにより、ローカル装置2との間で通信を行い、ローカル装置2が行うビル設備3の監視、計測または制御についての情報を取得して表示する。ビル管理システムとしては、例えば、中央監視システムや入退室管理システムなどが挙げられる。ビル設備としては、例えば、照明装置、空調装置、昇降機設備、入退室管理装置などが挙げられる。ホストコンピュータ1およびローカル装置2は、それぞれがビルに設置されてから10年程度経過した場合に、リプレースされる必要がある。
【0012】
図2は図1のビル管理システムのリプレースの開始状態を示す構成図である。ビル管理システムのリプレースが開始される前は、通信ケーブル4に旧ホストコンピュータ11および複数の旧ローカル装置21が接続されており、各旧ローカル装置21には、複数のビル設備3が接続されている。この発明の実施の形態1に係るビル管理システムリプレース用仮接続装置は、通信ケーブル4と新ホストコンピュータ12との間に設けられ、通信ケーブル4に対して新ホストコンピュータ12を接続するスプリッタ(第1のスプリッタ)51およびモデム(第1のモデム)52と、通信ケーブル4と各新ローカル装置22との間に設けられ、通信ケーブル4に対して新ローカル装置22を接続するスプリッタ(第2のスプリッタ)61およびモデム(モデム62)とを備えている。
【0013】
スプリッタ51およびスプリッタ61は、通信ケーブル4を通る信号のうち、新ホストコンピュータ12と新ローカル装置22との間の通信に用いられる信号を新ホストコンピュータ12および新ローカル装置22に振り分けたり、新ホストコンピュータ12および新ローカル装置22から発せられた信号を、通信ケーブル4を通る信号に混合したりする。
【0014】
モデム52およびモデム62は、新ホストコンピュータ12および新ローカル装置22から発せられた信号により通信ケーブル4を通る信号に影響が発生しないように、新ホストコンピュータ12および新ローカル装置22から発せられた信号を変調する。
【0015】
新ホストコンピュータ12および新ローカル装置22が、スプリッタ51、モデム52、スプリッタ61およびモデム62を介して通信ケーブル4に接続されている状態では、新ホストコンピュータ12と新ローカル装置22との間の通信の信号は、旧ホストコンピュータ11と旧ローカル装置21との間の通信の信号に重畳されるので、新ホストコンピュータ12と新ローカル装置22との間の通信および旧ホストコンピュータ11と旧ローカル装置21との間の通信の両方が可能となる。
【0016】
次に、ビル管理システムリプレース用仮接続装置を用いて、ビル管理システムをリプレースする方法について説明する。図3は図2のビル管理システムのリプレースをさらに進めた状態を示す構成図、図4は図3のビル管理システムのリプレースをさらに進めた状態を示す構成図、図5は図4のビル管理システムのリプレースをさらに進めた状態を示す構成図である。まず、通信ケーブル4にスプリッタ51を接続し、さらに、スプリッタ51にモデム52を接続して、新ホストコンピュータ12をモデム52に接続する。つまり、通信ケーブル4に対してスプリッタ51およびモデム52を介して新ホストコンピュータ12を接続する(新ホストコンピュータ仮接続工程)。
【0017】
その後、通信ケーブル4にスプリッタ61を接続し、さらに、スプリッタ61にモデム62を接続して、新ローカル装置22をモデム62に接続する。つまり、通信ケーブル4に対してスプリッタ61およびモデム62を介して新ローカル装置22を接続する(新ローカル装置仮接続工程)。これにより、通信ケーブル4を用いた旧ホストコンピュータ11と旧ローカル装置21との間の通信が可能の状態のまま、通信ケーブル4を用いた新ホストコンピュータ12と新ローカル装置22との間の通信が可能となる。
【0018】
その後、新ホストコンピュータ12との間で通信が可能となった新ローカル装置22に対応する旧ローカル装置21に接続されているビル設備3を旧ローカル装置21から切り離し、切り離されたビル設備3を新ホストコンピュータ12との間で通信が可能となった新ローカル装置22に接続する(ビル設備接続先変更工程)。このとき、複数のビル設備3のうち、旧ローカル装置21に接続されているビル設備3は、旧ホストコンピュータ11および旧ローカル装置21により、監視、計測または制御が行われ、新ローカル装置22に接続されたビル設備3は、新ホストコンピュータ12および新ローカル装置22により、監視、計測、または制御が行われているので、ビル管理システムは、停止されない。
【0019】
全てのビル設備3が新ローカル装置22に接続された後、旧ホストコンピュータ11および旧ローカル装置21を通信ケーブル4から切り離す(切離工程)。このとき、ビル設備3の全てが新ローカル装置22に接続されているので、ビル管理システムは、停止されない。
【0020】
その後、スプリッタ51およびモデム52を通信ケーブル4から取り外して新ホストコンピュータ12を通信ケーブル4に接続し、スプリッタ61およびモデム62を通信ケーブル4から取り外して新ローカル装置22を通信ケーブル4に接続して、通信ケーブル4を用いた新ホストコンピュータ12と新ローカル装置22との間の通信を可能にする(本接続工程)。本接続工程の間は、新ホストコンピュータ12と新ローカル装置22との間の通信が停止されるので、この間だけ、ビル管理システムは停止される。本接続工程が終了すると、ビル管理システムをリプレースする方法が終了する。
【0021】
以上説明したように、この発明の実施の形態1に係るビル管理システムリプレース方法によれば、旧ホストコンピュータ11および旧ローカル装置21が既に接続されている通信ケーブル4に対してスプリッタ51およびモデム52を介して新ホストコンピュータ12を接続する新ホストコンピュータ仮接続工程と、新ホストコンピュータ仮接続工程の後、通信ケーブル4に対してスプリッタ61およびモデム62を介して新ローカル装置22を接続して、通信ケーブル4を用いた旧ホストコンピュータ11と旧ローカル装置21との間の通信が可能の状態のまま、通信ケーブル4を用いた新ホストコンピュータ12と新ローカル装置22との間の通信を可能にする新ローカル装置仮接続工程と、新ローカル装置仮接続工程の後に、新ホストコンピュータ12との間で通信が可能となる新ローカル装置22に対応する旧ローカル装置21に接続されているビル設備3を旧ローカル装置21から切り離し、切り離されたビル設備3を新ホストコンピュータ12との間で通信が可能となる新ローカル装置22に接続するビル設備接続先変更工程と、新ローカル装置仮接続工程およびビル設備接続先変更工程の後、旧ホストコンピュータ11および旧ローカル装置21を通信ケーブルから切り離す切離工程と、切離工程の後、スプリッタ51およびモデム52を通信ケーブル4から取り外して新ホストコンピュータ12を通信ケーブル4に接続し、スプリッタ61およびモデム62を通信ケーブル4から取り外して各新ローカル装置22を通信ケーブル4に接続して、通信ケーブル4を用いた新ホストコンピュータ12と新ローカル装置22との間の通信を可能にする本接続工程とを備えているので、ビル管理システムをリプレースする際に、既設の通信ケーブル4を流用することができる。また、このビル管理システムリプレース方法は、旧ホストコンピュータ11および旧ローカル装置21が既に接続されている通信ケーブル4に対してスプリッタ51およびモデム52を介して新ホストコンピュータ12を接続する新ホストコンピュータ仮接続工程と、この通信ケーブル4に対してスプリッタ61およびモデム62を介して新ローカル装置22を接続して、通信ケーブル4を用いた旧ホストコンピュータ11と旧ローカル装置21との間の通信が可能の状態のまま、通信ケーブル4を用いた新ホストコンピュータ12と新ローカル装置22との間の通信を可能にする新ローカル装置仮接続工程とを備えているので、通信ケーブル4を用いた旧ホストコンピュータ11と旧ローカル装置21との間の通信が可能である状態で、通信ケーブル4を用いた新ホストコンピュータ12と新ローカル装置22との間の通信が可能となる。その結果、ビル管理システムの停止時間を短縮することができる。
【0022】
また、この発明の実施の形態1に係るビル管理システムリプレース用仮接続装置によれば、旧ホストコンピュータ11および旧ローカル装置21が既に接続されている通信ケーブル4と新ホストコンピュータ12との間に設けられ、この通信ケーブル4に対して新ホストコンピュータ12を接続するスプリッタ51およびモデム52と、この通信ケーブル4と新ローカル装置22との間に設けられ、通信ケーブル4に対して新ローカル装置22を接続するスプリッタ61およびモデム62とを備え、スプリッタ51、モデム52、スプリッタ61およびモデム62は、通信ケーブル4を用いた旧ホストコンピュータ11と旧ローカル装置21との間の通信が可能の状態のまま、通信ケーブル4を用いた新ホストコンピュータ12と新ローカル装置22との間の通信を可能にするので、ビル管理システムをリプレースする際に、既設の通信ケーブル4を流用することができる。また、このビル管理システムリプレース用仮接続装置によれば、ビル管理システムをリプレースする際に、スプリッタ51、モデム52、スプリッタ61およびモデム62が、通信ケーブル4を用いた旧ホストコンピュータ11と旧ローカル装置21との間の通信が可能の状態で、通信ケーブル4を用いた新ホストコンピュータ12と新ローカル装置22との間の通信を可能にするので、ビル管理システムの停止時間を短縮することができる。
【0023】
なお、上記実施の形態では、新ローカル装置仮接続工程において、複数の新ローカル装置22のそれぞれが、別々のスプリッタ61およびモデム62を介して通信ケーブル4に接続される構成について説明したが、図6に示すように、複数の新ローカル装置22が、同一のスプリッタ61およびモデム62を介して通信ケーブル4に接続される構成であってもよい。この場合、新ローカル装置22の数が複数である場合であっても、新ローカル装置仮接続工程において使用される、各新ローカル装置22を通信ケーブル4に接続するためのスプリッタ61およびモデム62の数を減少させることができる。
【0024】
また、上記実施の形態では、新ローカル装置仮接続工程において全ての新ローカル装置22が通信ケーブル4に接続された後に、ビル設備3を旧ローカル装置21から切り離して新ローカル装置22に接続するビル管理システムリプレース方法の構成について説明したが、一部の新ローカル装置22が通信ケーブル4に接続された後に、その新ローカル装置22にビル設備3を接続し、その後、他の新ローカル装置22を通信ケーブル4に接続して、その新ローカル装置22にビル設備3を接続する構成であってもよい。また、この場合、新ローカル装置22が通信ケーブル4に接続される前に、その新ローカル装置22に対応する旧ローカル装置21に接続されているビル設備3を旧ローカル装置21から切り離し、切り離されたビル設備3を新ローカル装置22に接続し、その後、その新ローカル装置22を通信ケーブル4に接続するビル管理システムリプレース方法の構成であってもよい。
【符号の説明】
【0025】
1 ホストコンピュータ、2 ローカル装置、3 ビル設備、4 通信ケーブル、11 旧ホストコンピュータ、12 新ホストコンピュータ、21 旧ローカル装置、22 新ローカル装置、51 スプリッタ(第1のスプリッタ)、52 モデム(第1のモデム)、61 スプリッタ(第2のスプリッタ)、62 モデム(第2のモデム)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホストコンピュータと、通信ケーブルを用いて前記ホストコンピュータとの間で通信を行う複数のローカル装置と、各前記ローカル装置に接続されるビル設備とを備えたビル管理システムをリプレースするビル管理システムリプレース方法であって、
旧ホストコンピュータおよび旧ローカル装置が既に接続されている前記通信ケーブルに対して第1のスプリッタおよび第1のモデムを介して新ホストコンピュータを接続する新ホストコンピュータ仮接続工程と、
前記新ホストコンピュータ仮接続工程の後、前記通信ケーブルに対して第2のスプリッタおよび第2のモデムを介して新ローカル装置を接続して、前記通信ケーブルを用いた前記旧ホストコンピュータと前記旧ローカル装置との間の通信が可能の状態のまま、前記通信ケーブルを用いた前記新ホストコンピュータと前記新ローカル装置との間の通信を可能にする新ローカル装置仮接続工程と、
前記新ローカル装置仮接続工程の際に、前記新ホストコンピュータとの間で通信が可能となる前記新ローカル装置に対応する前記旧ローカル装置に接続されている前記ビル設備を前記旧ローカル装置から切り離し、切り離された前記ビル設備を前記新ホストコンピュータとの間で通信が可能となる前記新ローカル装置に接続するビル設備接続先変更工程と、
前記新ローカル装置仮接続工程および前記ビル設備接続先変更工程の後、前記旧ホストコンピュータおよび前記旧ローカル装置を前記通信ケーブルから切り離す切離工程と、
前記切離工程の後、前記第1のスプリッタおよび前記第1のモデムを前記通信ケーブルから取り外して前記新ホストコンピュータを前記通信ケーブルに接続し、前記第2のスプリッタおよび前記第2のモデムを前記通信ケーブルから取り外して各前記新ローカル装置を前記通信ケーブルに接続して、前記通信ケーブルを用いた前記新ホストコンピュータと前記新ローカル装置との間の通信を可能にする本接続工程と
を備えたことを特徴とするビル管理システムリプレース方法。
【請求項2】
前記新ローカル装置仮接続工程において、複数の前記新ローカル装置は、同一の前記第2のスプリッタおよび前記第2のモデムを介して前記通信ケーブルに接続されることを特徴とする請求項1に記載のビル管理システムリプレース方法。
【請求項3】
ホストコンピュータと、通信ケーブルを用いて前記ホストコンピュータとの間で通信を行う複数のローカル装置と、各前記ローカル装置に接続されるビル設備とを備えたビル管理システムをリプレースする際に用いられるビル管理システムリプレース用仮接続装置であって、
旧ホストコンピュータおよび旧ローカル装置が既に接続されている前記通信ケーブルと新ホストコンピュータとの間に設けられ、前記通信ケーブルに対して前記新ホストコンピュータを接続する第1のスプリッタおよび第1のモデムと、
前記通信ケーブルと新ローカル装置との間に設けられ、前記通信ケーブルに対して前記新ローカル装置を接続する第2のスプリッタおよび第2のモデムとを備え、
前記第1のスプリッタ、前記第1のモデム、前記第2のスプリッタおよび前記第2のモデムは、前記通信ケーブルを用いた前記旧ホストコンピュータと前記旧ローカル装置との間の通信が可能の状態のまま、前記通信ケーブルを用いた前記新ホストコンピュータと前記新ローカル装置との間の通信を可能にすることを特徴とするビル管理システムリプレース用仮接続装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−89118(P2013−89118A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−230853(P2011−230853)
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【Fターム(参考)】