説明

ピアノを自動で磨くバフ装置

【課題】ピアノ磨き作業にかかる、ピアノを解体しバフを交換する手間、作業者の身体への負担、ムラのある仕上がりの解消等。
【解決手段】本装置の入口中央にピアノを乗せる持ち上げ装置を設ける。その両サイドに、ピアノの幅を測定する為のフレキシブルで、ソフトタッチのハンドを用い、ピアノの幅を読み取る装置を設ける。一定の高さまでピアノを台車で持ち上げ、ピアノを傾斜させ、ピアノ移動台車で装置内に運び込む。バフ位置決め機構によりバフ移動装置でバフを移動し、汚れにあわせ数種類のバフの中から一種類を選択する。素材の状態にあわせバフの押し当てる力をコントロールしながら、直進又は蛇行走行等でバフ磨きを行う。上記の操作はタッチパネル及び操作スイッチ等で設定を、任意で都度変更出来ることにより、この課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、ピアノのリサイクルの為に自動でピアノを磨くための装置に関する。
【背景技術】
従来のピアノのリサイクル作業は、人手作業で行っているため時間がかかり、身体への負担が大きい。均一的な光沢を得られずムラになりやすい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
中古ピアノは家庭用の油汚れ、たばこのヤニ、物をこぼした跡等がこびりついた物、傷が付いた物が多く、それらの跡を取る為に人手作業により布でごしごしこすったりしていた。汚れによりハンドバフに色々なバフを都度付け替え、長時間作業しているとバフの震動により手がしびれ感覚がなくなる。ワックスも様々な物を使用し磨いていた。作業中には、ワックスの粉じん、ほこり等を吸い込み、更にピアノの下部を磨くときは、中腰で作業しなければならないなど身体への負担が大きい。
ピアノの材質は概ね木製の為、そりや経年劣化によっては、均一的な光沢を得られずムラになりやすい。汚れのひどいものを磨く際には、ピアノを解体しなければならず、1日に磨く台数に限度があった。更にピアノの背の高い物は、はしご、台つぎの上に乗りバフ作業をしなければならないので作業中にピアノに傷を付けてしまう事もある。従来の方法は、時間と労働力、コストを要する。
【課題を解決するための手段と効果】
限りある資源のリサイクルを従来よりも短時間かつ簡単に行う事が出来、より一層新品に近い均一的な光沢を得られる。ピアノの複数面を同時に磨き上げ、バフが板に当たる力、移動するスピード、バフの回転及びワックス・水等をかける作業を、個々のピアノの状態にあわせて行う事が出来るからである。バフ(綿・ネル・紙等他)は数種類取付自動交換出来るので、都度交換する手間が省ける。
従来の方法での身体にかかる負担(腕のしびれ・腰痛等)を軽減できる。更に前処理(例水を噴霧する)を施すとワックス等の用品にかかるコストを軽減出来、エコロジーにもつながる。そして、外枠を設けることで、ほこり・ワックスの粉じん等を吸引装置により一カ所に集められ、衛生的な環境を保つ事が出来る。
【発明を実施する為の最良の形態】
本装置の入口中央にピアノを乗せる持ち上げ装置を設ける。その両サイドに、ピアノの大きさを随時選択することなくピアノの幅を測定する為のフレキシブルで、ソフトタッチのハンド(1)を用い、ピアノを自動拡縮機構により持ち上げ台車(3)のセンターへ位置決め制御を行いピアノの幅を読み取る装置を設ける。
バフ作業を容易にする為、ピアノの高さを認識させる機構により、一定の高さまでピアノを持ち上げ台車(3)で持ち上げ、傾斜機構(4)で、ピアノを傾斜させ、装置内にピアノ移動台車(5)で運び込む装置を設ける。
親板を磨くときは、バフ位置決め機構により親板バフ移動装置(9)でバフを移動する。汚れにあわせ親板バフ自動割りだし機構(7)により、数種類のバフ(6)の中から一種類を選択し、親板自動押し当て機構(8)により親板(21)の素材のソリ状態にあわせバフの押し当て力を、コントロールしながら直進又は蛇行走行等のバフ磨きを行う。
天板(20)を磨くときは、バフ位置決め機構により天板バフ移動装置(13)によりバフを移動する。汚れにあわせ、天板バフ自動割りだし(11)により、数種類のバフ(10)の中から一種類を選択し、天板バフ自動押し当て機構(12)により、天板(20)の素材のソリ状態にあわせ、バフの押し当て力を、コントロールしながら直進又は蛇行走行等のバフ磨きを行う。
軒下(22)を磨くときは、バフ位置決め機構により軒下バフ移動装置(17)によりバフを移動する。汚れにあわせ、軒下バフ自動割りだし機構(15)により、数種類のバフ(14)の中から一種類を選択し、軒下バフ自動押し当て機構(16)により、軒下(22)の素材のソリ状態にあわせ、バフの押し当て力を、コントロールしながら直進又は蛇行走行等のバフ磨きを行う。軒下(22)の有無により、自動回避機構を選択し作動させる。
いずれのバフ装置にもワックス噴霧装置を取り付け、バフの動作に併せワックス噴霧させる事により、一層光沢を出せることが出来る。
上記の操作はタッチパネル(21)及び操作スイッチ(23)等で選択し、いずれの設定も、任意で都度設定変更出来る。
作業中は、カーテン(24)を閉め、外枠に設けた吸引装置(25)でほこり等を吸い込む。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態を示すピアノバフ装置正面図
【図2】 同ピアノバフ装置側面図
【図3】 同ピアノバフ装置位置決めハンド移動方向指示図
【図4】 同ピアノバフ装置台車持ち上げ移動走行方向指示図
【図5】 同ピアノバフ装置親板バフ走行方向指示図
【図6】 同ピアノバフ装置天板バフ・軒下バフ走行方向指示図
【符号の説明】
1 自動拡縮ハンド
2 ピアノ親板(側面板部)
3 ピアノ持ち上げ台車装置
4 台車傾斜装置
5 台車走行装置
6 親板バフ
7 親板バフ位置決め機構
8 親板バフ自動おし当て機構
9 親板バフ移動装置
10 天板バフ
11 天板バフ位置決め機構
12 天板バフ自動おし当て機構
13 天板バフ移動装置
14 軒下バフ
15 軒下バフ位置決め機構
16 軒下バフ自動おし当て機構
17 軒下バフ移動装置
18 外枠
19 ピアノ底
20 ピアノ天板
21 タッチパネル
22 ピアノ軒下
23 操作スイッチ
24 自動開閉扉
25 吸引装置
26 ピアノ角
27 噴霧装置
28 自動拡縮アーム
29 台車持ち上げ移動方向
30 台車傾斜移動方向
31 台車走行移動方向
32 親板バフ交換移動方向
33 親板バフ走行移動方向
34 天板バフ交換移動方向
35 天板バフ走行移動方向
36 軒下バフ交換移動方向
37 軒下バフ位置決め方向
38 軒下バフ走行移動方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)ピアノ幅を測定するフレキシブルな自動拡縮ハンドとを設ける。
(2)ピアノを一定の高さまで持ち上げ・傾斜・運び込む台車搬送装置とを設ける。
(2)バフ走行は直進及び蛇行機構とを設ける。
(3)軒下や角の有無により自動回避機構とを設ける。
(4)バフの自動おし当ての位置合わせ機構とを設ける。
(5)おし当てる力に圧力自動調整機構とを設ける。
以上の如く構成された、ピアノバフ装置。
【請求項2】
数種類のバフを取付け、自動割り出し機構とを設けた、請求項1のピアノバフ装置。
【請求項3】
(1)外枠を設け、装置開口部に自動開閉扉とを設ける。
(2)水・ワックス等の噴霧装置とを設ける。
(3)吸引装置とを設ける。
以上の如く構成された、請求項1のピアノバフ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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