説明

ピッキング設備およびピッキング方法

【課題】本発明は、作業者の能力に差・バラツキがあっても、全体の作業効率を維持、あるいは向上でき、またゾーンを変更するとき、間口表示器と集品容器との対応を明確として作業者の混乱を解消できるピッキング設備を提供することを目的とする。
【解決手段】各ゾーンZを形成する間口16(間口表示器19)の割り付けを変え、各ゾーンZにおける物品投入対象の集品容器10の数を変えることにより、ゾーンZの大きさを変更する。これにより、作業能力が劣る作業者(新人)が配置されたゾーンZの間口16の数と、物品投入対象の集品容器10の数を減らすことが可能となり、この新人が配置されたゾーンZから集品容器10が停滞することなく流れることにより、ピッキング効率の維持、あるいは向上を期待でき、また各ゾーンZにおける、ピッキング作業をする物品の数を平準化することが可能となり、各作業者のピッキング負荷を平準化できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品のピッキングを行うピッキング設備および方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
物流における各種物品の配送センターや倉庫等においては、指定物品の集品や仕分け作業が行われる。この作業は、例えば配送センターにおいては、顧客の注文に応じた物品を取り出して集品容器であるコンテナなどに収納(集品)する、いわゆるピッキング作業が行われ、顧客へ向けて搬送される。
このようなピッキング作業の基本的な形態は、例えばベルトコンベヤなどの集品容器搬送手段をこの搬送手段の移動方向に沿って複数の作業ゾーンに区画し、各作業ゾーンには他の作業ゾーンとは異なる種類の物品を収納した収納棚を配設するとともに、各作業ゾーン専属の作業者を配置し、ピッキング指示に基づいて各作業者が配置された自分の作業ゾーンの収納棚から指示された物品を取り出して、ベルトコンベヤにより搬送されてくる集品容器に収納する作業を行うものである。
【0003】
しかし、前述したような基本的なピッキング作業では、一人の作業者が受け持つ範囲(作業ゾーン)が固定されており、ピッキングする物品の量の変動に応じて効率的な人員配置を行うことが困難であるという問題がある。
このような問題の解決策が、特許文献1に開示されている。特許文献1は、各作業ゾーンの作業量(ピッキングする物品の量)に違いがでてくると、各作業者の負担が同一・公平となるように、ゾーンの長さ(作業範囲)を調整して作業の平準化を行っている。その手段として、単位時間にピッキングする物品の総量を、一人の作業者が作業可能な物品の量で除算して作業ゾーンの数を設定し、すなわち人員を設定し、効率的な人員配置を行い、これに応じて、作業ゾーンの長さを設定する、すなわち作業ゾーンを広げたり、狭くしたりするというものである。
すなわち、特許文献1のピッキング設備は、ピッキングする物品を保管する保管棚を、複数のゾーンに区画し、複数のゾーンを横切るように集品箱を搬送するベルトコンベヤと表示ランプ列を配置し、ベルトコンベヤ上を移動する集品箱に同期して表示ランプ列の所定のガイドランプを所定のゾーンにおいて点灯させ、当該ガイドランプの点灯に基づいて、保管棚の数量表示器に基づいて所定の物品を集品箱へ投入するピッキング設備であり、ガイドランプの表示色を可変とし、ゾーンの長さを変更する場合には、当該ガイドランプの表示色を、新たなゾーンの長さに対応するように設定を変更し、ゾーンに対応するようにガイドランプの表示色を可変として点灯させることによって、作業者に、対応するゾーンを認識させて、ピッキング作業を担当させるように構成されている。このようにゾーンの長さを変更することによって、効率的な人員配置を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許4441255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来のピッキング設備では、各作業ゾーンの作業量の平準化を目的としているが、各作業者の能力、すなわち単位時間にピッキング作業により処理できる物品の個数には差・バラツキがあるために、各作業ゾーンの作業量を単に平準化するだけでは、前記作業能力が劣る作業者、例えば新人が配置された作業ゾーンでは、ピッキング作業にかかる時間が長くなり集品容器が停滞してしまい、その下流の作業ゾーンでは、作業待ちの時間(手待ち時間)が発生し、設備全体の作業能率が低下するという問題があった。
【0006】
また保管棚の数量表示器は、単に、取り出す物品の数量を表示するのみで、どのゾーンに位置するのか表示されていないので、ゾーンの長さが変更になると、数量表示器と、数量表示器の表示に応じて取り出した物品を投入する集品箱との対応が曖昧となり、作業者が混乱して、取り出した物品を投入する集品箱を間違える恐れがあった。
またゾーンの長さを変えると、連続して対応する保管棚が変更となるために、1つの集品箱に集品する物品を、どこのゾーンの保管棚から取り出すかを設定する割り付けに、大幅な見直しが必要となるという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、作業者の能力に差・バラツキがあっても、全体の作業効率を維持あるいは向上でき、またゾーンを変更するとき、数量表示器と集品箱との対応を明確として作業者の混乱を解消でき、さらに1つの集品箱に集品する物品の割り付けを容易としたピッキング設備および方法を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、物品をそれぞれ収納する複数の物品収納部を有するピッキング棚を備え、前記ピッキング棚に沿って、それぞれ仕分け先の物品要求情報が割り付けられた複数の区域を搬送する搬送手段を備え、前記仕分け先の物品要求情報に応じて前記ピッキング棚の物品収納部から取り出した物品を、同じ仕分け先の物品要求情報が割り付けられた区域に投入することにより、仕分け先毎に物品のピッキング作業が実行されるピッキング設備であって、
前記ピッキング棚の物品収納部および前記搬送手段を、前記搬送手段による区域の搬送方向に沿って、複数のゾーンに区画し、前記各ゾーンを形成する前記物品収納部の割り付けを変えることにより、ゾーンの大きさを再設定可能としたことを特徴とするものである。
【0009】
上記構成によれば、各ゾーンを形成する物品収納部の割り付けを変えることにより、ゾーンの大きさが再設定される。これにより、作業能力が劣る作業者(新人)が配置されたゾーンの物品収納部の数を減らすことが可能となり、よって新人のピッキング作業が軽減され、この新人が配置されたゾーンから区域が停滞することなく流れることにより、ピッキング効率の維持、あるいは向上を期待でき、また逆に作業能力が高い作業者(経験者)が配置されたゾーンの物品収納部の数を増すことが可能となり、このように物品収納部の数を増すと、この作業能力が高い作業者が配置されたゾーンに隣接するゾーンでは、物品収納部の数が減ることからピッキング作業が軽減されピッキング作業が滞ることが少なくなり、よって全体のピッキング効率の向上を期待でき、さらに各ゾーンにおける、ピッキング作業をする物品の数(ヒット数)を平準化することが可能となり、各作業者のピッキング負荷を平準化できる。
【0010】
また請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明であって、前記各ゾーンの大きさの再設定を、隣接するゾーンとの間でゾーンを形成する物品収納部の一部を加え一部を切り離す、あるいは前記ゾーンに属する物品収納部の一部を使用しない、あるいは前記ゾーンに属する物品収納部の数を変更することにより実施することを特徴とするものである。
【0011】
上記構成によれば、ゾーンを形成する物品収納部の一部、例えば、1/4を、切り離し、隣接するゾーンに加えることで、ゾーンの大きさが再設定される。これにより、一部の物品収納部の変更に留めることができ、よって、設備全体でゾーンの長さを変えるときと比較して、1つの区域に集品する物品の割り付けが容易となる。
【0012】
またゾーンを形成する物品収納部の一部を、例えば、1/4を使用しないことで、ゾーンの大きさが縮小される(再設定される)。これにより、新人が配置されたゾーンの物品収納部の数を減らすことが可能となり、ピッキング効率の向上を期待でき、またピッキング作業をする物品の数(ヒット数)の平準化を期待できる。
【0013】
またゾーンに属する物品収納部の数を変更することにより、ゾーンの大きさが再設定される。これにより、新人が配置されたゾーンの物品収納部の数を減らすことが可能となり、ピッキング効率の維持、あるいは向上を期待でき、またピッキング作業をする物品の数(ヒット数)の平準化を期待できる。
【0014】
また請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明であって、前記各ゾーンに属する、前記物品収納部および物品投入対象の区域を示す独自の色を、隣接するゾーンの色とは異なる色により設定し、前記ゾーンの大きさが変更となると、新たに属するゾーンに応じて、前記物品収納部および区域を示す色を再設定することを特徴とするものである。
【0015】
通常、ゾーン毎に、特定の色を指定して、物品を取り出す物品収納部、および物品の投入の対象となる区域が特定されており、ピッキング作業者は、担当するゾーンに指定された色を認識してピッキング作業を実行している。このような設備において、ゾーンの大きさ、すなわち作業者が担当する物品収納部の範囲が変更となると、作業者は担当する物品収納部の認識ができなくなる恐れがある。
上記構成によれば、ゾーンを特徴づける独自の色、すなわち、物品を取り出す物品収納部を示す色と、物品投入対象の区域を示す色を設定することにより、物品収納部と区域との対応が明確とされ、またゾーンの大きさが変更となると、属するゾーンに合わせて、物品収納部を示す色と区域を示す色が再設定される。
【0016】
また請求項4に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明であって、前記各区域に、前記物品収納部より取り出した物品を投入する投入対象の区域であることを、前記物品を取り出す物品収納部が属するゾーン特有の方式により表示する投入表示器を設け、前記各物品収納部に、物品を取り出す物品収納部であることを、前記物品を取り出す物品収納部が属するゾーン特有の方式により表示する間口表示器を設け、これら投入表示器および間口表示器は、前記各ゾーンの大きさの変更に応じて、その表示を、新たに属するゾーン特有の方式に変更することを特徴とするものである。
【0017】
上記構成によれば、作業者は、自分が担当するゾーンを認識していることから、ゾーンの大きさが変更となっても、間口表示器の表示が新たに属するゾーン特有の方式に変更されることにより、物品を取り出す物品収納部が担当するゾーンに属するのかどうかを認識でき、また投入表示器の表示が新たに属するゾーン特有の方式に変更されることにより、取り出した物品を投入する区域かどうかを認識でき、ピッキング作業のミスを防止できる。
【0018】
また請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の発明であって、前記各ゾーンに対応して、前記搬送手段に沿って前記ピッキング作業の完了時に操作する複数の操作手段を設け、前記各ゾーンに属する前記区域の再割り付けに応じて、各ゾーンに対応する前記操作手段を再設定することを特徴とするものである。
【0019】
作業者は、担当するゾーンにおいて、物品収納部から取り出した物品を区域へ投入が終了すると、スイッチ等の操作手段を操作する。
上記構成によれば、ゾーンの大きさが変更となると、物品を投入する区域の搬送位置が変更となるために、物品を投入した後に操作する操作手段を、搬送手段に沿って、複数、配置し、ゾーンの大きさの変更に伴う、物品を投入する区域の搬送位置の変更に応じて、各操作手段がそれぞれ属するゾーンを再設定する。
【0020】
また請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の発明であって、前記各ゾーンを形成する前記物品収納部の再割り付けは、ピッキング作業中は実行しないことを特徴とするものである。
ピッキング作業中に物品収納部の再割り付けが実行されると、ゾーンの境目が変更となるため、ピッキング作業を継続している作業者は混乱する恐れがある。
上記構成によれば、ピッキング作業中は物品収納部の再割り付けを実行しないこととする。
【0021】
また請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の発明であって、前記各ゾーンの境目に、ゾーンが異なることを示す標識を設けたことを特徴とするものである。
【0022】
作業者は、ゾーンを結合したとき、色が交互となるように物品収納部および区域が設定され、色の認識によりゾーンを識別できるが、物理的にゾーン毎のピッキング棚の物品収納部の区切りと、搬送手段の区切りか無いと、やはり、特にゾーンを結合したときなど、間違ったゾーンでピッキング作業をしてしまう恐れがある。
上記構成によれば、各ゾーンの境目にゾーンが異なることを示す標識が設けられることにより、作業者は、物理的にゾーンの境目を認識でき、ゾーンが変更となったとき、間違ったゾーンでピッキング作業をしてしまう恐れを解消できる。
【0023】
また請求項8に記載の発明は、物品をそれぞれ収納する複数の物品収納部を有するピッキング棚を備え、前記ピッキング棚に沿って、それぞれ仕分け先の物品要求情報が割り付けられた複数の区域を搬送する搬送手段を備え、前記仕分け先の物品要求情報に応じて前記ピッキング棚の物品収納部から取り出した物品を、同じ仕分け先の物品要求情報が割り付けられた区域に投入することにより、仕分け先毎に物品のピッキング作業を実行するピッキング方法であって、
前記ピッキング棚の物品収納部および前記搬送手段を、前記搬送手段による区域の搬送方向に沿って、複数のゾーンに区画し、前記各ゾーンを形成する前記物品収納部の割り付けを変えることにより、ゾーンの大きさを再設定し、再設定されたゾーン毎に、前記ピッキング作業を実行することを特徴とするものである。
【0024】
上記方法によれば、各ゾーンを形成する物品収納部の割り付けを変えることにより、ゾーンの大きさが再設定され、再設定されたゾーン毎にピッキング作業が実行される。これにより、作業能力が劣る作業者(新人)が配置されたゾーンの物品収納部の数を減らすことで、新人のピッキング作業を軽減することが可能となり、よってこの新人が配置されたゾーンから区域が停滞することなく区域が流れることにより、ピッキング効率の維持、あるいは向上を期待でき、また逆に作業能力が高い作業者(経験者)が配置されたゾーンの物品収納部の数を増すことで、この作業能力が高い作業者が配置されたゾーンに隣接するゾーンでは物品収納部の数が減り、ピッキング作業を軽減することが可能となり、よってピッキング作業が滞ることが少なくなり、全体のピッキング効率の向上を期待でき、さらに各ゾーンにおける、ピッキング作業をする物品の数(ヒット数)を平準化することが可能となり、各作業者のピッキング負荷を平準化できる。
【発明の効果】
【0025】
本発明のピッキング設備およびピッキング方法は、各ゾーンを形成する物品収納部の割り付けを変えることにより、作業能力が劣る作業者(新人等)が配置されたゾーンの物品収納部の数を減らすことが可能となり、よって新人のピッキング作業が軽減され、この作業能力が劣る作業者が配置されたゾーンから区域が停滞することなく流れることにより、ピッキング効率の維持あるいは向上を期待でき、また作業能力が高い作業者(経験者等)が配置されたゾーンの物品収納部の数を増やすことが可能となり、このように物品収納部の数を増すと、この作業能力が高い作業者が配置されたゾーンに隣接するゾーンでは、物品収納部の数が減ることからピッキング作業が軽減されピッキング作業が滞ることが少なくなり、よって全体のピッキング効率の向上を期待でき、さらに各ゾーンにおける、ピッキング作業をする物品の数(ヒット数)を平準化することが可能となり、各作業者のピッキング負荷を平準化できる、という効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施の形態におけるピッキング設備の構成図である。
【図2】同ピッキング設備の要部斜視図である。
【図3】同ピッキング設備の側面図である。
【図4】同ピッキング設備の要部平面図である。
【図5】同ピッキング設備の集品容器と投入表示器の配置を示す図であり、(a)は集品容器に投入表示器が取り付けられるときの斜視図、(b)は集品容器が、投入表示器が取り付けられたトレイに搭載されるときの斜視図である。
【図6】同ピッキング設備の投入表示器の図であり、(a)は斜視図、(b)は制御構成図である。
【図7】同ピッキング設備の全体制御構成図である。
【図8】同ピッキング設備の投入表示器に対する通信制御構成図である。
【図9】同ピッキング設備の全体ピッキングデータを示す図である。
【図10】同ピッキング設備の統括コントローラのゾーン内集品容器を検出するブロック図である。
【図11】同ピッキング設備のデータの図であり、(a)モード毎に、自ゾーンとしての間口の制御範囲を示すデータ、(b)はモード毎に、操作信号が有効なテープスイッチを示すデータ、(c)はモード毎に、前送り許可信号を出力するアキュムレーション部を示すデータ、(d)はゾーン毎のモードを示す図である。
【図12】同ピッキング設備のゾーン範囲変更のモード1における、間口表示器とゾーンコントローラとテープスイッチの取り合いを示す図である。
【図13】同ピッキング設備のゾーン範囲変更のモード2における、間口表示器とゾーンコントローラとテープスイッチの取り合いを示す図である。
【図14】同ピッキング設備のゾーン範囲変更のモード3における、間口表示器とゾーンコントローラとテープスイッチの取り合いを示す図である。
【図15】同ピッキング設備のゾーン範囲変更のモード4における、間口表示器とゾーンコントローラとテープスイッチの取り合いを示す図である。
【図16】同ピッキング設備のゾーン範囲変更のモード5における、間口表示器とゾーンコントローラとテープスイッチの取り合いを示す図である。
【図17】同ピッキング設備のゾーン範囲変更のモード6における、間口表示器とゾーンコントローラとテープスイッチの取り合いを示す図である。
【図18】同ピッキング設備の各ゾーンにおける制御構成図である。
【図19】同ピッキング設備のゾーンコントローラにおける制御ブロック図である。
【図20】同ピッキング設備のゾーンコントローラのピッキング制御部の動作を説明するフローチャートである。
【図21】同ピッキング設備のゾーンコントローラの残像表示制御部のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。このピッキング設備は、個別の予め登録されたユーザー(仕分け先の一例)からオーダー(仕分け先の物品要求情報の一例;注文)を受けた物品を、ユーザーのオーダーに対応するオーダー・ナンバー(仕分け先の物品要求情報に対応する独自の符号の一例)を割り付けた集品容器に集めて配送する設備である。
【0028】
図1に本発明の実施の形態におけるピッキング設備の概略構成図を示す。
ピッキング設備は、集品される物品11(図2)が収納される収納箱12(図2)が保管されるストレージラインAと、収納箱12から取り出された物品11を収納(集品)する集品容器(物品が投入される区域の一例)10を循環搬送する搬送ラインBと、封印エリアDと、詰め替えエリアEと、袋掛けエリアFから構成されている。
また前記ストレージラインAおよび搬送ラインBは、複数のゾーンZ(後述する)に区画されており、各ゾーンZにはピッキング作業(後述する)を行う作業者Hが1人ずつ配置され、これら作業者Hに対して(作業者Hから見て)、またこれら作業者Hを挟んで、ストレージラインA(後述するフローラック15)と搬送ラインB(後述する直進搬送ライン21)は反対側に配置されている。また前記集品容器10は袋掛けがされている。
上記全体構成により、各ゾーンZにおいて、作業者Hにより、前記オーダーに基づいて、搬送ラインBにより搬送されてくる各集品容器(袋内)10に対して、ストレージラインAに保管された物品11が取り出されて投入されることにより、ピッキング作業が実行される(詳細は後述する)。
そして、前記封印エリアDにおいて、ストレージラインAにおいて、ピッキング作業が終了して搬送ラインBにより搬送されてきた集品容器10内の物品11が検品され、袋が折り畳まれて封印され、続いて詰め替えエリアEにおいて、集品容器10の封印済み物品11(袋積めされた、集品済み物品11)が寄せ箱(出荷箱;図示せず)へ詰め替えられて出荷される。続いて袋掛けエリアFにおいて、物品11の詰め替えが終了して空となった集品容器10に袋掛けが行なわれ、前記ストレージラインAより上流に戻される。このように、集品容器10は、搬送ラインBにより循環し、集品容器10自体は出荷されることはない設備とされている。封印エリアDと、詰め替えエリアEと、袋掛けエリアFについては、詳細な説明は省略する。
【0029】
ストレージラインAおよび搬送ラインBの詳細な構成について説明する。
『ストレージラインA』;ストレージラインAは、図2〜図4に示すように、フローラック(ピッキング棚の一例)15から構成され、フローラック15は、1種類(1アイテム)の物品11が収納された収納箱12が載置される(収納される)間口16(物品収納部の一例)を複数列有する棚17を、上下に複数段(本実施の形態では3段;3段以上が好ましい)配置して構成され、複数の間口16(本実施の形態では、棚が3段で、間口が8列の計24個)毎に区画されて、集品容器10へ集品する物品11の取り出し作業を実行するゾーンZが設定(形成)されている。
また各間口16にはそれぞれ、図4に示すように、下流側から縦の列毎にナンバー(間口ナンバー)が付され、各ゾーンZはさらに4分割され、No.1〜No.6の間口16によりAブロック、No.7〜No.12の間口16によりBブロック、No.13〜No.18の間口16によりCブロック、No.19〜No.24の間口16によりDブロックが形成されている。
そして、各ゾーンZの境目に、ゾーンの区切りを示す標識として、取り外し自在なパイプからなる区切り棒17Aが設けられている。またゾーンZ毎にそれぞれ、ゾーンコントローラ24(図7)が備えられている。
【0030】
またフローラック15の各棚17の先端(搬送ラインBに面する作業者Hの端部)で、各間口16の前面(作業者側の面)にはそれぞれ、取り出す物品11の数量を表示する数量表示器19Aと、赤色と緑色に色を変えて表示可能なランプ部を有する完了押釦スイッチ19Bと、欠品の際に操作する欠品スイッチ19Cから構成され、物品11を取り出す間口16を表示する間口表示器19が設けられ、最下段の棚17より上の棚17の間口16に設けられた間口表示器19の表示の向きは、正面(作業者H側の面)の向きとされ、最下段の棚17の間口16に設けられた間口表示器19の表示の向きは、斜め前方(搬送ラインB側)の向きとされ、それぞれ異なる表示の向きとされている。また完了押釦スイッチ19Bのランプ部の色(ランプの色)は、ゾーンZ毎に指定された独自の色(赤色または緑色/属するゾーン特有の方式の一例)とされる。この色は、隣接するゾーンにおいて交互に設定され(隣接するゾーンの色とは異なる色により設定され)、奇数ゾーンは赤色、偶数ゾーンは緑色としている。そして、ゾーンZの大きさ(範囲)が変更されると、属するゾーンZに合わせてランプの色は変更される。また前記収納箱12は、上面が開放され、物品11を上方から取り出すことができる箱(ボックス)にて構成されている。
作業者Hは、各間口表示器19の表示に従って、間口16(収納箱12)から物品11をピッキングして集品容器10に投入する。
【0031】
『搬送ラインB』;搬送ラインBは、上述したように、集品容器10を循環する循環ラインを構成しており、フローラック15に沿って集品容器10を搬送する直進搬送ライン21と、この直進搬送ライン21の終端と先端を接続する集品容器10の戻り搬送ライン21Bとから構成されている。また前記直進搬送ライン21(ストレージラインAにおいて集品容器を搬送する搬送手段)には、搬送速度を可変できる設定器(設定手段)(図示せず)が設けられている。なお、戻り搬送ライン21Bには、このような設定器は設けていない。
【0032】
直進搬送ライン21は、アキュムレーションコンベヤ(集品容器1個毎に蓄積・移動可能で、集品容器が互いにぶつからないで集積するように設計されたコンベヤ)から構成され、1個の集品容器10毎に、集品容器10を蓄積・順送り可能なアキュムレーション部22を備えており、各アキュムレーション部22はそれぞれ、公知のように、前に空き(集品容器10が存在しない)のアキュムレーション部22があるとき、集品容器10を前送りする機能を有している。
また直進搬送ライン21に、図1、図2、および図4に示すように、直進搬送ライン21により搬送される集品容器10(搬送位置)を、集品容器10の搬送方向に沿って区画する複数のゾーンが形成されており、この直進搬送ライン21のゾーンは、上記ストレージラインAの各ゾーンZに対向して、搬送方向にずれがなく区画(形成)されており、ストレージラインAと直進搬送ライン21により、ゾーンZが形成されている。以下、直進搬送ライン21のゾーンについても、ゾーンZと記す。基本的に、各ゾーンZにおいて、前記ピッキング作業が実行される。すなわち間口16の収納箱12から取り出した物品11が、直進搬送ライン21により搬送されている集品容器10へ投入される。
【0033】
またゾーンZ毎に、上記アキュムレーション部22は、複数個(実施の形態では6個)設けられ、すなわち各ゾーンZは、最大6個(複数個の一例)の集品容器10を蓄積・順送り可能とされている。またゾーンZ毎にそれぞれ、図3および図4に示すように、直進搬送ライン21に沿って、集品容器10の高さまで垂設された治具23B上に、アキュムレーション部22にそれぞれ対応して複数個(実施の形態では6個)のテープスイッチ(投入終了用の操作手段の一例)23が上向きな姿勢で設けられ、これらテープスイッチ23の高さ位置を、集品容器10の上面の高さに揃えている。またゾーンZに属するアキュムレーション部22(集品容器10)の再割り付けに応じて、対応するテープスイッチ23は再設定される。
またテープスイッチ23間で各ゾーンZの境目には、ゾーンZの区切りを示す標識として、取り外し自在な円板状のマーカ23Aが設けられている。
また上述したようにアキュムレーション部22は、集品容器10を前送りする機能を有しているが、各ゾーンZの最下流に位置するアキュムレーション部22には、前送りに許可条件が付されており、前に空きのアキュムレーション部22があり、且つ、位置しているゾーンZに設けられたゾーンコントローラ24より前送り許可信号(詳細は後述する)を受け取ったとき、集品容器10を前送りするように構成されている。
【0034】
「集品容器10」;集品容器10は、箱形状のコンテナ25から構成され、図3と図5に示すように、ストレージラインA側(作業者側)とは反対側のコンテナ25の短軸方向の側面に、ゾーンZの間口16より取り出した物品11を投入する投入対象の集品容器10であることを表示する投入表示器(作業表示器の一例)26が、治具40(後述する)によりコンテナ25に袋27を掛けることができるように、コンテナ25の側面との間に隙間41を設けて、作業者Hに向けて斜め上向きの姿勢で、取り付けられている。これにより、直進搬送ライン21により搬送される集品容器10の搬送方向とは直角な左右方向へ、作業者H側から順に、テープスイッチ23、集品容器10、投入表示器26と並んで配置されている。集品容器10は、袋掛けエリアFにおいて袋27が掛けられた状態で直進搬送ライン21によりストレージラインAへ搬送されてくる。
【0035】
前記治具40は、側面視コ字状で、一部がコンテナ25の側面に引っ掛けられており、投入表示器26は、治具40の他端の上部に、すなわち作業者Hとは反対側の集品容器10の上端部外方に、斜め上向きとなる姿勢となるように取り付けられ、集品容器10の開放部に物品11を投入するときに、妨害となることなく、且つ作業者Hが見やすい位置に配置され、作業効率が改善されている。
なお、図4に示すように、各集品容器10は、直進搬送ライン21により、コンテナ25の長軸方向が搬送方向正面となり、投入表示器26が作業者Hとは反対側に位置するように搬送され、上述したように、ゾーンZ毎に複数個(実施の形態では最大6個)の集品容器10が、蓄積・順送り可能とされている。
【0036】
「投入表示器26」;投入表示器26は、図6に示すように、縦長の箱状の表示器本体30と、長軸方向の表示器本体30の表面に順に配置された、第1ランプ部(上流ゾーン表示手段の一例)31、電子ペーパーからなるディジタル表示器(表示画面の一例)32、および第2ランプ部(自ゾーン表示手段の一例)33と、表示器本体30に内蔵された、データの読み取り・書き込み・消去が可能なRFID(Radio Frequency Identification;RFタグ/記憶手段の一例)34、表示器コントローラ35、アンテナ内蔵の無線機(データ受信器の一例)36、およびバッテリ37から構成されており、治具40により、直進搬送ライン21による集品容器10の搬送方向(以下、容器搬送方向と略す)に、ディジタル表示器32が第1ランプ部31と第2ランプ部33の中央に位置されるように、すなわち容器搬送方向に、先頭から(下流側から)順に第1ランプ部31、ディジタル表示器32、および第2ランプ部33が並ぶように、斜め向きに集品容器10(コンテナ25)に取り付けられる。前記RFID34に、前記オーダー・ナンバーが書き込まれ、記憶される(付される)(詳細は後述する)。また投入表示器26にディジタル表示器32を設けることにより、集品容器10を特定できる前記オーダー・ナンバー等を表示でき、集品容器10を特定することを可能としている。
【0037】
また直進搬送ライン21に、集品容器10を容器搬送方向へ案内するとともに、前記左右方向のずれを規制する左右一対の丸パイプガイド(案内手段の一例)28が設けられている。この丸パイプガイド28により、集品容器10が搬送中に前記左右方向にずれ、投入表示器26と後述するRFIDリーダ42A,RFIDライタ42Bと接触することを防止している。
【0038】
第1ランプ部31と第2ランプ部33は、表示器本体30の表面から突出した、赤色,緑色,黄色,白色の4色で点灯・点滅が可能なランプ38と、各ランプ38をカバーするカバー39A,39Bから構成され、ランプの色は、各ゾーンZの大きさの変更に応じて変更される。また第1ランプ部31と第2ランプ部33の表示手段であるランプ38は同一のランプ(ランプの取付金具を含む)を使用しており、相互に付け替え可能な構造となっている。
カバー39Aは、容器搬送方向の下流側からランプ38の点灯状態を認識でき、且つ正面から認識できないように、容器搬送方向のみが開放されているカバーであり、またカバー39Bは逆に、正面からランプ38の点灯・点滅状態を認識でき、且つ容器搬送方向の下流側から認識できないように、正面が開放されているカバーである。
またこれらランプ部31,33のランプ38と、ディジタル表示器32と、RFID34と、アンテナ内蔵の無線機36は、表示器コントローラ35に接続され、表示器コントローラ35は、RFID34に書き込まれたオーダー・ナンバー(後述する)と、無線機36により受信した指令・データ(詳細は後述する)に基づいて、ランプ部31,33のランプ38の色と点灯・点滅・消灯(点灯なし)、およびディジタル表示器32の表示を制御している。ディジタル表示器32には、直進搬送ライン21によりストレージラインAを投入表示器26、すなわち集品容器10が移動中には、RFID34に書き込まれた「オーダー・ナンバー」、または白黒を反転させた「オーダー・ナンバー」が表示される。
【0039】
なお、詳細は後述しないが、封印エリアD、詰め替えエリアEを移動中には、無線機36により受信したデータによる、集品容器10に集品されている「物品11の総数」(検数;検品数量)が表示される。
またバッテリ37により、ランプ部31,33のランプ38と、ディジタル表示器32と、無線機36と、表示器コントローラ35に給電されている。
【0040】
「RFIDリーダ/ライタ」;投入表示器26に内蔵されたRFID34に書き込まれたオーダー・ナンバーを読み取るRFIDリーダ(読み出し手段/読み取り手段の一例)42Aが、直進搬送ライン21に沿って、前記各ゾーンZの上流端(ゾーンZの境目)より少し上流側で、1つ上流のゾーンZの最下流のアキュムレーション部22の下流端(ゾーンZへの集品容器の搬入箇所)に、実質的にゾーンZの上流端毎に、容器搬送方向に移動可能に設けられている。このとき、図3に示すように、RFIDリーダ42AのRFID34のデータの読み出し面は、投入表示器26(RFID34)に対面して配置されている。
またRFID34に書き込まれたオーダー・ナンバーを消去し、集品容器10に割り付けられたオーダー・ナンバーを書き込むRFIDライタ42Bが、戻り搬送ライン21Bに沿って、戻り搬送ライン21Bの終端に設けられている。
なお、これらRFIDリーダ42A,42Bとしては、RFIDの書き込み(IN)と読み出し(OUT)を同時に可能なRFIDリーダ/ライタを使用している。
【0041】
前記RFID34には、RFIDライタ42Bにより、ピッキング開始時点で(ストレージラインAへ入る前に)前記オーダー・ナンバーが書き込まれ、この時点で、表示器コントローラ35によりRFID34に書き込まれたオーダー・ナンバーがディジタル表示器32に表示される。
また、RFID34に書き込まれたオーダー・ナンバーは、各RFIDリーダ42Aにより読み取られることにより、RFID34の位置、すなわちRFID34が組み込まれた投入表示器26の位置、すなわち投入表示器26を取り付けた集品容器10の位置(どのゾーンZを移動しているか)が特定される(詳細は後述する)。
【0042】
「アンテナ」;直進搬送ライン21の上方には、投入表示器26の無線機36との間で、データの送受信を行うためのアンテナ43(図8)が敷設されている。なお、封印エリアDの上方にもアンテナ43が敷設されている。
【0043】
『制御構成』;図7にピッキング設備の制御構成を示す。
ピッキング設備の制御手段として、上記ゾーンZ毎のゾーンコントローラ24に加えて、統括コントローラ51と、通信コントローラ52が備えられている。
「通信コントローラ52」;通信コントローラ52には、図8に示すように、ゾーンZ毎のゾーンコントローラ24と、統括コントローラ51と、アンテナ43が接続された送受信装置53が接続され、通信コントローラ52は、前記アンテナ43、送受信装置53を介して、各投入表示器26の無線機36とデータの送受信を実行する。
【0044】
「統括コントローラ51」;統括コントローラ51には、図7に示すように、ゾーンZ毎のゾーンコントローラ24と、通信コントローラ52が接続され、さらに直進搬送ライン21と、戻り搬送ライン21Bと、ゾーンZ毎のRFIDリーダ42Aと、RFIDライタ42Bが接続されている。
そして、統括コントローラ51には、予め、注文対象の物品11がそれぞれ格納されているゾーンZの間口16の配列データ(各物品11に対応するゾーンZの間口16のデータ)が設定されている。
統括コントローラ51は次の機能を有している。
(イ).ゾーンZ毎のゾーンコントローラ24と、通信コントローラ52へ作業の開始指令と終了指令を出力する。
(ロ).直進搬送ライン21と、戻り搬送ライン21Bを起動し、停止する。
(ハ).予め登録された各個別のユーザーからオーダー{注文:各仕分け先からの物品要求情報の一例;物品を特定する情報(例えば、物品の品種、物品名、物品コード等)と数量(個数)からなる単数または複数のデータ}を受け付けると、図9に示すように、オーダーを受けた予め登録されたユーザーの順に、ユーザーのオーダーに(あるいはユーザー、すなわち仕分け先の物品要求情報に)、連続したオーダー・ナンバー(独自の符号の一例)を割り付け、各ゾーンZのNo.1〜24の各間口16にオーダーの数量(ピッキング数量)を書き込み、ストレージラインAのピッキングデータを形成する。またピッキングが終了するゾーン・ナンバーを求めて記憶する。
(ニ).各ユーザーに割り付けたオーダー・ナンバーと、形成したストレージラインAのピッキングデータ(ピッキングが終了するゾーン・ナンバーを含む)を、各ゾーンZのゾーンコントローラ24へ出力する。
(ホ).RFIDライタ42Bにより、RFID34が検出されると、ピッキングデータに基づいて、予め登録されたユーザーの順に、ユーザーのオーダーに割り当てられたオーダー・ナンバーをRFIDライタ42Bへ出力してRFID34にオーダー・ナンバーを書き込ませる。これにより、投入表示器26を取り付けた集品容器10に、オーダー・ナンバーが割り付けられる。
【0045】
(ヘ)各ゾーンZにて搬送されている集品容器10(RFID34に記憶されているオーダー・ナンバー)を検出して、各ゾーンコントローラ24へ出力する。このゾーンZ内の集品容器10の検出処理を、図10に基づいて説明する。
図10に示すように、統括コントローラ51は、ゾーンZ毎に、上流から下流に向けて位置する(移動してきている)各集品容器10に取り付けられた投入表示器26のRFID34に書き込まれたオーダー・ナンバーを搬送順(上流側から下流側へ)に記憶するゾーンメモリ61−(1)〜61−(M)(Mは最も下流のゾーン・ナンバー)と、各ゾーンメモリ61−(1)〜61−(M)毎に、記憶するオーダー・ナンバーを更新するゾーンメモリ更新部62−(1)〜62−(M)と、各ゾーンメモリ61−(1)〜61−(M)に記憶されたゾーンZのオーダー・ナンバーを各ゾーンコントローラ24へ出力するゾーン送信部64を備えている。ゾーン(n)を例として、ゾーンメモリ更新部62の機能を説明する。
【0046】
ゾーンメモリ更新部62−(n)には、登録データとして、担当するゾーン(以下、自ゾーンと称す)Zの自ゾーンRFIDリーダ42A−(n)により読み取られたオーダー・ナンバーが入力され、消去データとして、下流ゾーンZの下流ゾーンRFIDリーダ42A−(n+1)により読み取られたオーダー・ナンバーが入力されている。
ゾーンメモリ更新部62−(n)は、自ゾーンZのRFIDリーダ42A−(n)よりオーダー・ナンバーを入力すると、このオーダー・ナンバーを最も上流の集品容器10のオーダー・ナンバーとしてゾーンメモリ61−(n)に記憶し、以前に記憶しているオーダー・ナンバーを順に下流側へ移動する。また隣接する下流ゾーンZのRFIDリーダ42A−(n+1)のオーダー・ナンバー(消去データ)を入力すると、消去データのオーダー・ナンバーをゾーンメモリ61−(n)より消去して、以前に記憶しているオーダー・ナンバーを順に下流側へ移動する。またゾーンメモリ61−(n)を更新したとき、更新信号を、ゾーン送信部64へ出力する。
このように、各ゾーンZにおいて、RFIDリーダ42Aにより読み出されたオーダー・ナンバーが順にゾーンメモリ61−(1)〜61−(M)に記憶されていることにより、各ゾーンZにおいて上流より下流に向けて搬送されている、投入表示器26を取り付けた集品容器10が順に特定される。またRFIDリーダ42Aからのオーダー・ナンバーの入力により、各ゾーンZに位置する集品容器10のオーダー・ナンバーを記憶していることから、RFIDリーダ42Aの取付位置を上流側、あるいは下流側にスライド(移動)することにより、ゾーンZの大きさ(範囲)を可変することができる。
【0047】
また前記ゾーン送信部64は、各ゾーンメモリ更新部62−(1)〜62−(M)より更新信号を入力すると、各ゾーンメモリ61−(1)〜61−(M)に記憶されたゾーンZのオーダー・ナンバーを、各ゾーンコントローラ24へ出力する。
各ゾーンコントローラ24は、このゾーン送信部64の出力により、常に更新された、各ゾーンZにて搬送されている集品容器10(RFID34に記憶されているオーダー・ナンバー)を認識することができる。
【0048】
(ト)外部からの指示により、各ゾーンZを形成する間口16(間口表示器19)の割り付けを変え、各ゾーンZにおける物品投入対象の集品容器10の数を変えて、ゾーンZの大きさを変更する(再設定する)。なお、ピッキング作業中は、ゾーンZの大きさの再設定は実行されない。
ゾーンZに、ピッキング作業の能力が劣る作業者(たとえば、新人)が配置されると、全体のピッキング作業の効率を維持するために、新人が担当するゾーンZの間口16の一部を切り離し、この切り離した間口16の一部を、隣接するゾーンZに加えることで、間口16側の各ゾーンZの大きさを再設定する。あるいは、新人が担当するゾーンZの間口16の一部を使用しない(未使用とする)ことで、間口16側の各ゾーンZの大きさを再設定する。本実施の形態では、切り離し、加える間口16の一部を、上記下流端のAブロックまたは上流端のDブロック(1/4ゾーン)としている。また新人が担当するゾーンZでは、物品投入対象の集品容器10の一部(実施の形態では1つの集品容器)を切り離し、この切り離した集品容器10の一部を、隣接するゾーンZに加えることで、集品容器10側の各ゾーンZの大きさを再設定する。各ゾーンZの大きさ(範囲)を6つのモードで設定している。
【0049】
モード1…ゾーンZの大きさに変更がないモードであり、図11(a),(b),(c)および図12に示すように、ゾーンコントローラ24に、A〜Dブロックの24台の間口表示器19、および自ゾーンZの最も下流に位置するアキュムレーション部22が接続され、さらに自ゾーンZの6個のテープスイッチ23が接続される。
【0050】
モード2…隣接する下流ゾーンZの1/4ゾーンまで拡大するモード、すなわち隣接する下流ゾーンZのDブロックを加え、下流ゾーンZの最も上流に位置するアキュムレーション部22に移動している集品容器10を、自ゾーンZにおけるピッキング作業の対象として加えるモードであり、図11(a),(b),(c)および図13に示すように、ゾーンコントローラ24に、自ゾーンZのA〜Dブロックおよび下流ゾーンZのDブロックの合計30台の間口表示器19、および自ゾーンZの最も下流に位置するアキュムレーション部22、および下流ゾーンZの最も上流に位置するアキュムレーション部22が接続され、さらに自ゾーンZの6個のテープスイッチ23に加えて、下流ゾーンZの最も上流に位置する1個のテープスイッチ23が接続される。この下流ゾーンZの1個のテープスイッチ23の操作信号は、自ゾーンZにおけるピッキング作業の終了時の操作信号として認識される。
【0051】
モード3…隣接する上流ゾーンZの1/4ゾーンまで拡大するモード、すなわち隣接する上流ゾーンZのAブロックを加え、上流ゾーンZの最も下流に位置するアキュムレーション部22に移動している集品容器10を、自ゾーンZにおけるピッキング作業の対象として加えるモードであり、図11(a),(b),(c)および図14に示すように、ゾーンコントローラ24に、自ゾーンZのA〜Dブロックおよび上流ゾーンZのAブロックの合計30台の間口表示器19、および自ゾーンZの最も下流に位置するアキュムレーション部22が接続され、さらに自ゾーンZの6個のテープスイッチ23、さらに上流ゾーンZの最も下流に位置する1個のテープスイッチ23が接続される。このテープスイッチ23の操作信号は、自ゾーンZにおけるピッキング作業の終了時の操作信号として認識される。
【0052】
モード4…Aブロックを切り離し、1/4ゾーンを縮小するモード、すなわち隣接する下流ゾーンZにAブロックを渡し、自ゾーンZの最も下流に位置するアキュムレーション部22に移動している集品容器10を、自ゾーンZにおけるピッキング作業の対象外として減少するモードであり、図11(a),(b),(c)および図15に示すように、ゾーンコントローラ24に、自ゾーンZのB〜Dブロックの18台の間口表示器19、および自ゾーンZの最も下流より2つ目に位置するアキュムレーション部22が接続され、さらに自ゾーンZの最も下流に位置するテープスイッチ23を除く5個のテープスイッチ23が接続される。
【0053】
モード5…Dブロックを切り離し、1/4ゾーンを縮小するモード、すなわち隣接する上流ゾーンZにDブロックを渡し、自ゾーンZの最も上流に位置するアキュムレーション部22に移動している集品容器10を、自ゾーンZにおけるピッキング作業の対象外として減少するモードであり、図11(a),(b),(c)および図16に示すように、ゾーンコントローラ24に、自ゾーンZのA〜Cブロックの18台の間口表示器19、および自ゾーンZの最も下流に位置するアキュムレーション部22が接続され、さらに自ゾーンZの最も上流に位置するテープスイッチ23を除く、5個のテープスイッチ23が接続される。
【0054】
モード6…Dブロックを未使用とすることにより、1/4ゾーンを縮小するモードであり、図11(a),(b),(c)および図17に示すように、ゾーンコントローラ24に、自ゾーンZのA〜Cブロックの18台の間口表示器19および自ゾーンZの最も下流に位置するアキュムレーション部22が接続され、さらに自ゾーンZの6個のテープスイッチ23が接続される。
【0055】
また図12〜図17に示すように、変更されたモードに合わせて、ゾーンZの境目に、上記区切り棒17Aとマーカ23BとRFIDリーダ42Aの位置が変更される。これにより、作業者Hは、物理的にゾーンZ毎の間口16の区切りと、第1直線搬送ライン21Aの区切りを確認でき、ピッキング作業時にゾーンZを間違える恐れが解消されている。またRFIDリーダ42Aの位置の変更により、各ゾーンZにおいて搬送されている物品投入対象の集品容器10の数(ゾーンメモリ61に記憶されるオーダー・ナンバーの数)が変更される。
そして、図11(d)に示すように、ゾーンZ毎に、モードが設定され、各ゾーンZのゾーンコントローラ24へ出力される。
なお、このモードのデータは、前回の1バッチのピッキング作業が全て終了し、次の前記ピッキングデータを各ゾーンZのゾーンコントローラ24へ出力する前にのみ出力される。
【0056】
また変更されたモードに合わせて、例えば、図13に示すように、モード2が指示されると、自ゾーンZに指定された独自の色を緑色とするとき、隣接する下流ゾーンZのDブロックの間口表示器26のランプ部を緑色で表示し、下流ゾーンZの最も上流に位置するアキュムレーション部22に移動している集品容器10の投入表示器26のランプ部を緑色で表示する。このように、ゾーンZの大きさの変更に応じて、ゾーンZの境目で色が交互となるように間口16および集品容器10を示す色を共に再設定することにより、物品10を取り出す間口16と物品投入対象の集品容器10との対応を明確としている。
【0057】
このように、統括コントローラ51において、搬送ライン21,21Bの起動・停止が実行され、さらに各ユーザーからの注文(オーダー)が入力されると、ストレージラインAのピッキングデータ(ゾーンZ毎のピッキングデータ)が形成され、ゾーンコントローラ24へ出力される。また外部からの指示により、ゾーンZの大きさが変更され、各ゾーンZのモードが設定され、各ゾーンコントローラ24へ出力される。
【0058】
「ゾーンコントローラ24」;各ゾーンコントローラ24は、直進搬送ライン21により搬送されている集品容器10に対して、対応する自ゾーンZの間口16から物品11を取り出して投入するピッキング作業を制御するコントローラであり、各ゾーンコントローラ24には、図18に示すように、自ゾーンZの24台の間口表示器19、下流ゾーンZのDブロックの6台の間口表示器19、上流ゾーンZのAブロックの6台の間口表示器19、自ゾーンZの6個のテープスイッチ23、上流ゾーンZの最も下流に位置する1個のテープスイッチ23、下流ゾーンZの最も上流に位置する1個のテープスイッチ23、さらに自ゾーンZの最下流のアキュムレーション部22、下流ゾーンZの最も上流に位置するアキュムレーション部22、自ゾーンZの最も下流より2つ目に位置するアキュムレーション部22、通信コントローラ52、および統括コントローラ51が接続されている。
【0059】
また各ゾーンコントローラ24には、予め、自ゾーンZを特定するナンバー(ゾーン・ナンバー)が設定され、さらに自ゾーンZの間口16、上流ゾーンZのAブロックの間口16、および下流ゾーンZのDブロックの間口16の配列および各間口16に収納されている物品11のデータ(配列データ)が設定され、また統括コントローラ51より、上記各ゾーンZに設定されたモードのデータ、ユーザーに割り付けられたオーダー・ナンバー、およびゾーンピッキングデータが入力される。ゾーンコントローラ24の制御は、設定されたモード(ゾーンZの大きさのモード)により異なる。
【0060】
「モード1」(ゾーンZの変更が無いとき)
図12に示すように、ゾーンコントローラ24は、自ゾーンZに対して、通常ピッキング制御、すなわち自ゾーンZ内を搬送されている集品容器10を物品投入対象として指定し、自ゾーンZの間口16から取り出した物品11を前記指定した集品容器10へ投入し、自ゾーンZの6個のうちいずれか1個のテープスイッチ23の操作により作業完了を確認する作業を制御する。
さらに自ゾーンZ内を搬送されている集品容器10に対するピッキング作業が無いとき、上流ゾーンZへの先行ピッキング作業、すなわち上流ゾーンZ内を搬送されている集品容器10を物品投入対象として指定し、自ゾーンZの間口16から取り出した物品11を前記指定した上流ゾーンZの集品容器10へ投入し、自ゾーンZの6個のうちの1個のテープスイッチ23の操作により作業完了を確認する作業を制御する。
【0061】
「モード2」(下流へ1/4ゾーン拡大したとき)
図13に示すように、ゾーンコントローラ24は、通常ピッキング制御、すなわち自ゾーンZ内を搬送されている集品容器10(下流ゾーンZの最も上流に位置するアキュムレーション部22において搬送されている集品容器10を含む)を物品投入対象として指定し、自ゾーンZの間口16、または下流ゾーンZのDブロックの間口16から取り出した物品11を前記指定した集品容器10へ投入し、自ゾーンZの1個のテープスイッチ23または下流ゾーンZの最も上流に位置する1個のテープスイッチ23の操作により作業完了を確認する作業を制御する。
さらに自ゾーンZ内を搬送されている集品容器10(下流ゾーンZの最も上流に位置するアキュムレーション部22において搬送されている集品容器10を含む)に対するピッキング作業が無いとき、上流ゾーンZへの先行ピッキング作業、すなわち上流ゾーンZ内を搬送されている集品容器10を物品投入対象として指定し、自ゾーンZの間口16、または下流ゾーンZのDブロックの間口16から取り出した物品11を前記指定した上流ゾーンZの集品容器10へ投入し、自ゾーンZのテープスイッチ23または下流ゾーンZの最も上流に位置する1個のテープスイッチ23の操作により作業完了を確認する作業を制御する。
【0062】
「モード3」(上流へ1/4ゾーン拡大したとき)
図14に示すように、ゾーンコントローラ24は、通常ピッキング制御、すなわち自ゾーンZ内を搬送されている集品容器10(上流ゾーンZの最も下流に位置するアキュムレーション部22において搬送されている集品容器10を含む)を物品投入対象として指定し、自ゾーンZの間口16、または上流ゾーンZのAブロックの間口16から取り出した物品11を前記指定した集品容器10へ投入し、自ゾーンZのテープスイッチ23または上流ゾーンZの最も下流に位置する1個のテープスイッチ23の操作により作業完了を確認する作業を制御する。
さらに自ゾーンZ内を搬送されている集品容器10(上流ゾーンZの最も下流に位置するアキュムレーション部22において搬送されている集品容器10を含む)に対するピッキング作業が無いとき、上流ゾーンZへの先行ピッキング作業、すなわち上流ゾーンZ内を搬送されている集品容器10(上流ゾーンZの最も下流に位置するアキュムレーション部22において搬送されている集品容器10を除く)を物品投入対象として指定し、自ゾーンZの間口16、または上流ゾーンZのAブロックの間口16から取り出した物品11を前記指定した上流ゾーンZの集品容器10へ投入し、自ゾーンZのテープスイッチ23または上流ゾーンZの最も下流に位置する1個のテープスイッチ23の操作により作業完了を確認する作業を制御する。
【0063】
「モード4」(下流ゾーンへ1/4ゾーンを切り離したとき)
図15に示すように、ゾーンコントローラ24は、通常ピッキング制御、すなわち自ゾーンZ内を搬送されている集品容器10(自ゾーンZの最も下流に位置するアキュムレーション部22において搬送されている集品容器10を除く)を物品投入対象として指定し、Aブロックを除く自ゾーンZの間口16から取り出した物品11を前記指定した集品容器10へ投入し、最も下流に位置する1個のテープスイッチ23を除く自ゾーンZのテープスイッチ23の操作により作業完了を確認する作業を制御する。
さらに自ゾーンZ内を搬送されている集品容器10(自ゾーンZの最も下流に位置するアキュムレーション部22において搬送されている集品容器10を除く)に対するピッキング作業が無いとき、上流ゾーンZへの先行ピッキング作業、すなわち上流ゾーンZ内を搬送されている集品容器10を物品投入対象として指定し、Aブロックを除く自ゾーンZの間口16から取り出した物品11を前記指定した上流ゾーンZの集品容器10へ投入し、最も下流に位置する1個のテープスイッチ23を除く自ゾーンZのテープスイッチ23の操作により作業完了を確認する作業を制御する。
【0064】
「モード5」(上流ゾーンへ1/4ゾーンを切り離したとき)
図16に示すように、ゾーンコントローラ24は、通常ピッキング制御、すなわち自ゾーンZ内を搬送されている集品容器10(自ゾーンZの最も上流に位置するアキュムレーション部22において搬送されている集品容器10を除く)を物品投入対象として指定し、Dブロックを除く自ゾーンZの間口16から取り出した物品11を前記指定した集品容器10へ投入し、最も上流に位置する1個のテープスイッチ23を除く自ゾーンZのテープスイッチ23の操作により作業完了を確認する作業を制御する。
【0065】
さらに自ゾーンZ内を搬送されている集品容器10(自ゾーンZの最も上流に位置するアキュムレーション部22において搬送されている集品容器10を除く)に対するピッキング作業が無いとき、上流ゾーンZへの先行ピッキング作業、すなわち上流ゾーンZ内を搬送されている集品容器10(自ゾーンZの最も上流に位置するアキュムレーション部22において搬送されている集品容器10を含む)を物品投入対象として指定し、Dブロックを除く自ゾーンZの間口16から取り出した物品11を前記指定した上流ゾーンZの集品容器10へ投入し、最も上流に位置する1個のテープスイッチ23を除く自ゾーンZのテープスイッチ23の操作により作業完了を確認する作業を制御する。
【0066】
「モード6」(1/4ゾーンを未使用とするとき)
図17に示すように、ゾーンコントローラ24は、通常ピッキング制御、すなわち自ゾーンZ内を搬送されている集品容器10を物品投入対象として指定し、Dブロックを除く自ゾーンZの間口16から取り出した物品11を前記指定した集品容器10へ投入し、自ゾーンZのテープスイッチ23の操作により作業完了を確認する作業を制御する。
さらに自ゾーンZ内を搬送されている集品容器10に対するピッキング作業が無いとき、上流ゾーンZへの先行ピッキング作業、すなわち上流ゾーンZ内を搬送されている集品容器10を物品投入対象として指定し、Dブロックを除く自ゾーンZの間口16から取り出した物品11を前記指定した上流ゾーンZの集品容器10へ投入し、自ゾーンZのテープスイッチ23の操作により作業完了を確認する作業を制御する。
【0067】
「ゾーンコントローラ24の制御構成」;ゾーンコントローラ24の上記制御を実現する制御構成図を図14に示す。
ゾーンコントローラ24は、
上記配列データ、各ユーザーに割り当てられたオーダー・ナンバー、ピッキングデータ(ピッキングが終了するゾーン・ナンバーを含む)、およびピッキングデータによるピッキング作業が終了しているか否かが記憶されるピッキングメモリ71と、
上流ゾーンZに上流から下流に向けて位置する(移動してきている)5個(上流側へ1/4ゾーン拡大したとき)、または6個、または7個(上流側の1/4ゾーンが縮小したとき)の各集品容器10に取り付けられた投入表示器26のRFID34に書き込まれたオーダー・ナンバーが記憶される上流ゾーンメモリ72と、
自ゾーンZに上流から下流に向けて位置する5個(下流側へ1/4ゾーン縮小したとき)、または6個、または7個(上流側へ1/4ゾーン拡大したとき)の各集品容器10の同様のオーダー・ナンバーが記憶される自ゾーンメモリ73と、
データ処理部74と、上流ゾーンメモリ更新部75と、自ゾーンメモリ更新部76と、上流ゾーン先行表示制御部77と、自ゾーン先行表示制御部78と、ピッキング制御部79と、前送り許可制御部80と、残像表示制御部82と、から構成されている。
【0068】
「データ処理部74」;データ処理部74は、前記ピッキングメモリ71へ、統括コントローラ51から入力された上記各ユーザーに割り当てられたオーダー・ナンバー、およびピッキングデータを記憶する。
「上流ゾーンメモリ更新部75」;上流ゾーンメモリ更新部75は、自ゾーンZのゾーン・ナンバーを記憶しており、また上流ゾーンメモリ更新部75には、統括コントローラ51より出力された各ゾーンメモリ61のデータが入力され、上流ゾーンメモリ72を更新する。すなわち、統括コントローラ51より出力された各ゾーンメモリ61のデータのうち、上流ゾーンZに相当するゾーンメモリ61のデータを上流ゾーンメモリ72に書き込む。
「自ゾーンメモリ更新部76」;自ゾーンメモリ更新部76は、自ゾーンZのゾーン・ナンバーを記憶しており、また自ゾーンメモリ更新部76には、統括コントローラ51より出力された各ゾーンメモリ61のデータが入力され、自ゾーンメモリ73を更新する。すなわち、統括コントローラ51より出力された各ゾーンメモリ61のデータのうち、自ゾーンZに相当するゾーンメモリ61のデータを自ゾーンメモリ73に書き込む。
【0069】
「自ゾーン先行表示制御部78」;自ゾーン先行表示制御部78は、自ゾーンZのゾーン・ナンバーを記憶しており、ピッキング作業の開始前に、統括コントローラ51より出力された各ゾーンZのモードのデータに応じて、自ゾーンZのモードを確認し、確認したモードにより、自ゾーンZと見なす物品11を取り出す間口16を特定している。
すなわち、図11(a)に示すように、モード1のとき自ゾーンZのA〜Dブロックの24の間口16、モード2のとき自ゾーンZのA〜Dブロックの24の間口16に加えて下流ゾーンZのDブロックの6の間口16、モード3のとき自ゾーンZのA〜Dブロックの24の間口16に加えて上流ゾーンZのAブロックの6の間口16、モード4のとき自ゾーンZのAブロックを除く16の間口16、モード5またはモード6のとき自ゾーンZのDブロックを除く16の間口16と特定する。
ピッキング作業が開始されると、自ゾーンメモリ73に記憶されているオーダー・ナンバーを確認し、各オーダー・ナンバーにより、ピッキングメモリ71を検索して、ピッキングデータの有無(自ゾーンZと見なした間口16よりピッキングして自ゾーンZに位置する集品容器10へ投入する物品11が有るか否か;ピッキング作業が終了している場合はピッキングデータ無し、と見なされる)を求める。
オーダー・ナンバーにピッキングデータが有れば(ピッキング作業が有れば)、そのオーダー・ナンバーを記憶し、さらに最も下流のオーダー・ナンバー(集品容器10)をピッキング作業対象のオーダー・ナンバー(集品容器)として決定し、そのオーダー・ナンバーに、自ゾーンZのナンバーを加えてピッキング制御部79へ出力する。またこのピッキング作業対象の集品容器10のオーダー・ナンバーを除いた他のオーダー・ナンバーに、黄色の色指定、自ゾーンZのナンバー、および点灯信号であることを加えた自ゾーン黄色点灯データを通信コントローラ52へ出力する。この自ゾーン点灯データに基づいて、第2ランプ部33のランプ38が黄色に点灯される(後述する)。
また検索してオーダー・ナンバーにピッキングデータが無ければ(ピッキング作業が無ければ)、オーダー・ナンバーに、自ゾーンZのナンバー、および消灯信号であることを加えた自ゾーン消灯データを通信コントローラ52へ出力し、ピッキングデータ無し信号を上流ゾーン先行表示制御部77へ出力する。前記自ゾーン消灯データに基づいて、第2ランプ部33のランプ38が消灯される(後述する)。
【0070】
「上流ゾーン先行表示制御部77」;上流ゾーン先行表示制御部77は、自ゾーンZのゾーン・ナンバーを記憶しており、ピッキング作業の開始前に、統括コントローラ51より入力された各ゾーンZのモードのデータに応じて、自ゾーンZのモードを確認し、確認したモードにより、自ゾーン先行表示制御部78と同様に、自ゾーンZと見なす物品11を取り出す間口16を特定している。
ピッキング作業が開始されると、上流ゾーンメモリ72に記憶されているオーダー・ナンバーを確認し、各オーダー・ナンバーにより、ピッキングメモリ71を検索して、上流ゾーンのピッキングデータの有無(自ゾーンZと見なした間口16よりピッキングして上流ゾーンZに位置する集品容器10へ投入する物品11が有るか否か;ピッキング作業が終了している場合はピッキングデータ無と見なされる)を求める。
オーダー・ナンバーにピッキングデータが有れば(ピッキング作業が有れば)、オーダー・ナンバーを記憶し、続いて自ゾーン先行表示制御部78より前記ピッキングデータ無し信号を入力しているかどうかを確認する。ピッキングデータ無し信号を確認すると、最も下流のオーダー・ナンバー(集品容器10)をピッキング作業対象のオーダー・ナンバー(集品容器)として決定し、そのオーダー・ナンバーに、上流ゾーンZのナンバー(自ゾーンZのナンバーより1を減算)を加えてピッキング制御部79へ出力する。
またこのピッキング作業対象の集品容器10のオーダー・ナンバーを除いた他のオーダー・ナンバーに、黄色の色指定、上流ゾーンZのナンバー、および点灯信号であることを加えた上流ゾーン黄色点灯データを通信コントローラ52へ出力する。また検索してオーダー・ナンバーにピッキングデータが無ければ(ピッキング作業が無ければ)、オーダー・ナンバーに、上流ゾーンZのナンバー、および消灯信号であることを加えた上流ゾーン消灯データを通信コントローラ52へ出力する。前記上流ゾーン点灯データに基づいて、第1ランプ部31のランプ38が黄色に点灯され、また前記上流ゾーン消灯データに基づいて、第1ランプ部31のランプ38が消灯される(後述する)。
【0071】
「ピッキング制御部79」;ピッキング制御部79は、自ゾーンZのゾーン・ナンバーを記憶しており、ピッキング作業の開始前に、統括コントローラ51より出力される各ゾーンZのモードのデータに応じて、自ゾーンZのモードを確認し、確認したモードにより、操作信号を有効とするテープスイッチ23を特定している。
すなわち、図11(b)に示すように、モード1またはモード6のとき自ゾーンZの6個のテープスイッチ23、モード2のとき自ゾーンZの6個のテープスイッチ23および下流ゾーンZの最も上流に位置する1個のテープスイッチ23、モード3のとき自ゾーンZの6個のテープスイッチ23および上流ゾーンZの最も下流に位置する1個のテープスイッチ23、モード4のとき自ゾーンZの最も下流に位置するテープスイッチ23を除く、5個のテープスイッチ23、モード5のとき自ゾーンZの最も上流に位置するテープスイッチ23を除く、5個のテープスイッチ23と特定する。
【0072】
ピッキング作業中の動作を図20のフローチャートを参照しながら説明する。
まず、自ゾーン先行表示制御部78または上流ゾーン先行表示制御部77より、ピッキング作業対象の集品容器10のオーダー・ナンバーを入力すると(ステップ−1)、このオーダー・ナンバーによりピッキングメモリ71のピッキングデータを検索し(ステップ−2)、続いて入力したオーダー・ナンバーに、自ゾーンZの独自の色(赤色または緑色)指定、自ゾーンZのナンバーまたは上流ゾーンZのナンバー、および点灯信号であることを加えた自ゾーンピッキング点灯データ、または上流ゾーンピッキング点灯データを通信コントローラ52へ出力する(ステップ−3)。
この自ゾーンピッキング点灯データに基づいて、第2ランプ部33のランプ38が赤色または緑色に点灯され、また上流ゾーンピッキング点灯データに基づいて、第1ランプ部31のランプ38が赤色または緑色に点灯される(後述する)。
続いて検索したピッキング作業対象の集品容器10のピッキングデータにしたがって、間口表示器19により、ランプ38の色(赤色または緑色)を指定して物品11を取り出す間口16と取り出す物品11の数量を表示する(ステップ−4)。
そして、表示した全ての間口表示器19の完了押釦スイッチ19Bの操作により、間口16からの物品11の取り出しを確認し、あるいは間口表示器19の欠品スイッチ19Cの操作により、間口16からの物品11の取り出しができないこと(欠品)を確認すると物品11の取り出しは終了した(物品取り出し終了)と認識する(ステップ−5)。
続いて、上述した、操作信号を有効とするテープスイッチ23の操作信号の入力(操作手段の操作終了信号の入力の一例)を確認すると(ステップ−6)、ゾーンZおける集品容器10へのピッキング作業終了と認識する。
【0073】
なお、上記テープスイッチ23が操作され、その操作信号を入力すると、物品取り出し終了かどうかを確認し、物品取り出し終了の確認の前に、操作されていると、投入表示器26に物品取り出しが終了していないことを表示するために、自ゾーンピッキング点灯データを、ランプの点滅に切り替えた自ゾーンピッキング点滅データとして、あるいは上流ゾーンピッキング点灯データを、ランプの点滅に切り替えた上流ゾーンピッキング点滅データとして通信コントローラ52へ出力する。この前記自ゾーンピッキング点滅データに基づいて、第2ランプ部33のランプ38が赤色または緑色に点滅され、あるいは前記上流ゾーンピッキング点滅データに基づいて、第1ランプ部31のランプ38が赤色または緑色に点滅される(後述する)。
【0074】
ピッキング作業終了を認識すると、実行したピッキングメモリ71のピッキングデータをピッキング作業終了とし(ステップ−7)、ピッキング作業が終了したオーダー・ナンバーを、前送り許可制御部80へ出力し(ステップ−8)、続いてピッキングデータにおいて、自ゾーンZがピッキング終了ゾーンに設定されているかどうかを確認する(ステップ−9)。自ゾーンZがピッキング終了ゾーンに設定されている場合、オーダー・ナンバーに、白黒反転した“オーダー・ナンバー”(“物品の投入終了”の表示の一例)表示指令、および消灯信号であることを加えたゾーン終了消灯データを通信コントローラ52へ出力する(ステップ−10)。
なお、間口表示器19の欠品スイッチ19Cの操作により、間口16からの物品11の取り出しができないこと(欠品)を確認した場合、統括コントローラ51へ、上述した欠品データ、すなわち、欠品が発生した、オーダー・ナンバー、自ゾーンZのナンバー(ゾーン・ナンバー)、欠品スイッチ19Cが操作された間口16のナンバー、およびピッキング予定の数量からなるデータを出力する。
【0075】
「前送り許可制御部80」;前送り許可制御部80は、自ゾーンZのゾーン・ナンバーを記憶しており、ピッキング作業の開始前に、統括コントローラ51より入力された各ゾーンZのモードのデータに応じて、自ゾーンZのモードを確認し、確認したモードにより、上記前送り許可信号を出力するアキュムレーション部22を特定している。
すなわち、図11(c)に示すように、モード1またはモード3またはモード5またはモード6のとき自ゾーンZの最も下流に位置するアキュムレーション部22、モード2のとき下流ゾーンZの最も上流に位置するアキュムレーション部22、モード4のとき自ゾーンZの最も下流より2つ目に位置するアキュムレーション部22と特定する。
ピッキング作業が開始されると、自ゾーンメモリ73の最下流のオーダー・ナンバーにより、ピッキングメモリ71のピッキングデータを検索して、ピッキング作業の有無を確認し、ピッキング作業無しのとき、上記特定したアキュムレーション部22へ上記前送り許可信号を出力する。またピッキング作業有りのとき、ピッキング制御部79より、ピッキング作業が終了したオーダー・ナンバーを入力するまで待ち、自ゾーンZと見なすアキュムレーション部22から、ピッキング作業が終了していない集品容器10が下流ゾーンZへ移動することを阻止し、オーダー・ナンバーを入力すると、このオーダー・ナンバーが自ゾーンメモリ73の最下流のオーダー・ナンバーと一致するかどうかを確認し、一致すると、上記特定したアキュムレーション部22へ上記前送り許可信号を出力する。
【0076】
「残像表示制御部82」;残像表示制御部82は、各ゾーンZにおいてピッキング作業が終了した集品容器10に取り付けられた投入表示器26の第1ランプ部31または第2ランプ部33のランプ38を、「白」色に点灯させることによりピッキング作業の残像を表示(投入確認表示の一例)する制御部である。残像表示制御部82は、図21に示すように、上流ゾーン残像点灯部86と、上流ゾーン残像消灯部87と、自ゾーン残像点灯部88と、自ゾーン残像消灯部89から構成されている。
【0077】
<上流ゾーン残像点灯部86>;上流ゾーン残像点灯部86は、一定の時間(スキャン時間)毎に、上流ゾーンメモリ72に記憶されているオーダー・ナンバーにより、ピッキングメモリ71を検索して、記憶されているピッキングデータが「ピッキング作業終了」となっているか否かを確認する。{上述したように、ピッキング制御部79により、テープスイッチ23の操作によってゾーンZおける集品容器10へのピッキング作業終了を確認し、確認すると、実行したピッキングメモリ71のピッキングデータ(オーダー・ナンバーを含む)を「ピッキング作業終了」としている。}
上流ゾーンZにおいてピッキング作業終了であることを確認すると、オーダー・ナンバーを上流ゾーン残像消灯部87に出力し、またオーダー・ナンバーに、上流ゾーンZのナンバー、および白色の点灯であることを加えた上流ゾーン白色点灯データを、通信コントローラ52へ出力する。
<上流ゾーン残像消灯部87>;上流ゾーン残像消灯部87は、上流ゾーン残像点灯部86より入力したオーダー・ナンバーを記憶し、一定の時間(スキャン時間)毎に、記憶したオーダー・ナンバーにより、上流ゾーンメモリ72を検索し、上流ゾーンメモリ72より消えたかどうか、すなわち集品容器10が上流ゾーンZより自ゾーンZへ移動したかどうかを確認する。確認すると、オーダー・ナンバーに、上流ゾーンZのナンバー、および白色の消灯であることを加えた上流ゾーン白色消灯データを、通信コントローラ52へ出力し、記憶していたオーダー・ナンバーを消去する。
【0078】
<自ゾーン残像点灯部88>;自ゾーン残像点灯部88は、一定の時間(スキャン時間)毎に、自ゾーンメモリ73に記憶されているオーダー・ナンバーにより、ピッキングメモリ71を検索して、記憶されているピッキングデータが「ピッキング作業終了」となっているか否かを確認する。
自ゾーンZにおいてピッキング作業終了であることを確認すると、オーダー・ナンバーを自ゾーン残像消灯部89に出力し、またオーダー・ナンバーに、自ゾーンZのナンバー、および白色の点灯であることを加えた自ゾーン白色点灯データを、通信コントローラ52へ出力する。
<自ゾーン残像消灯部89>;自ゾーン残像消灯部89は、自ゾーン残像点灯部88より入力したオーダー・ナンバーを記憶し、一定の時間(スキャン時間)毎に、記憶したオーダー・ナンバーにより、自ゾーンメモリ73を検索し、自ゾーンメモリ73より消えたかどうか、すなわち集品容器10が自ゾーンZより下流ゾーンZへ移動したかどうかを確認する。確認すると、オーダー・ナンバーに、自ゾーンZのナンバー、および白色の消灯であることを加えた自ゾーン白色消灯データを、通信コントローラ52へ出力し、記憶していたオーダー・ナンバーを消去する。
【0079】
上記構成により、上流ゾーンメモリ72と自ゾーンメモリ73とに記憶されているオーダー・ナンバーにより、ピッキングメモリ71を検索して、記憶されているピッキングデータが「ピッキング作業終了」となっているか否かどうかが確認され、ピッキング作業終了であることが確認されると、上流ゾーンメモリ72に記憶されているオーダー・ナンバーの場合、前記上流ゾーン白色点灯データが、通信コントローラ52へ出力され、前記オーダー・ナンバーが上流ゾーンメモリ72より消えると、前記上流ゾーン白色消灯データが、通信コントローラ52へ出力される。また自ゾーンメモリ73に記憶されているオーダー・ナンバーの場合、前記自ゾーン白色点灯データが、通信コントローラ52へ出力され、前記オーダー・ナンバーが自ゾーンメモリ73より消えると、前記自ゾーン白色消灯データが、通信コントローラ52へ出力される。
【0080】
また通信コントローラ52は、上述したように、投入表示器26の表示器コントローラ35から出力された上記現状の表示の制御状態のデータをゾーンコントローラ24へ出力している。
そして、前記通信コントローラ52は、自ゾーンZに関する、上記自ゾーンピッキング点灯データ、自ゾーン黄色点灯データ、自ゾーンピッキング点滅データ、自ゾーン消灯データ、自ゾーン白色点灯データ、自ゾーン白色消灯データ、ゾーン終了消灯データ、または上流ゾーンZに関する、上流ゾーンピッキング点灯データ、上流ゾーン黄色点灯データ、上流ゾーンピッキング点滅データ、上流ゾーン消灯データ、上流ゾーン白色点灯データ、上流ゾーン白色消灯データを入力すると、送受信装置53およびアンテナ43を介して、発信する。
このデータが、投入表示器26の無線機36により受信されると、表示器コントローラ35は、受信したデータのオーダー・ナンバーにより、受信データが自分宛かどうかを確認し、確認すると、受信データにしたがって、“オーダー・ナンバー”をディジタル表示器32へ表示させ、あるいはゾーン終了消灯データのときには白黒反転した“オーダー・ナンバー”をディジタル表示器32へ表示させ、下記のように第2ランプ部33および第1ランプ部31のランプ38を点灯/点滅/消灯する。なお、第2ランプ部33は、自ゾーンZにおけるピッキング作業の表示に使用され、また第1ランプ部31は、自ゾーンZに隣接する上流ゾーンZにおけるピッキング作業の表示に使用される。また白色または黄色を点灯するときを除いて、ゾーンZのナンバーが奇数のとき赤色、偶数のとき緑色を点灯・点滅しているものとする。そして、ゾーンZの大きさが変更されると、属するゾーンZに合わせて、ランプ38の色は再設定される。
・自ゾーンピッキング点灯データ…第2ランプ部33のランプ38を点灯。
・自ゾーン消灯データまたはゾーン終了消灯データまたは自ゾーン白色消灯データ…第2ランプ部33のランプ38を消灯。
・自ゾーン黄色点灯データ…第2ランプ部33のランプ38を黄色に点灯。
・自ゾーンピッキング点滅データ…第2ランプ部33のランプ38を点滅。
・自ゾーン白色点灯データ…第2ランプ部33のランプ38を白色に点灯。
・上流ゾーンピッキング点灯データ…第1ランプ部31のランプ38を点灯。
・上流ゾーン消灯データまたは上流ゾーン白色消灯データ…第1ランプ部31のランプ38を消灯。
・上流ゾーン黄色点灯データ…第1ランプ部31のランプ38を黄色に点灯。
・上流ゾーンピッキング点滅データ…第1ランプ部31のランプ38を点滅。
・上流ゾーン白色点灯データ…第1ランプ部31のランプ38を白色に点灯。
【0081】
このように、自ゾーンZと見なす範囲に位置する集品容器10に取り付けられた投入表示器26の第2ランプ部33のランプ38は、赤色または緑色または黄色で点灯/点滅/消灯され、赤色または緑色の点灯(投入対象表示の一例)で、今、ピッキング作業実行対象の集品容器10であることが表示され、黄色の点灯で、ピッキング作業予定の集品容器10であることが表示され、消灯で、ピッキング作業の対象でない集品容器10であることが表示され、第2ランプ部33により、投入表示器26を取り付けた、自ゾーンZと見なす範囲に位置する集品容器10が、自ゾーンZにおいて取り出された物品11の投入対象の集品容器であるか否かが示される。
【0082】
また赤色または緑色の点滅で、物品11の取り出し作業が全て終了していないのに、テープスイッチ23が操作されたことが表示され、まだ物品11の取り出しが終了していないことが表示される。
また同第2ランプ部33のランプ38の白色の点灯(投入確認表示の一例)により、自ゾーンZに位置する集品容器10が、自ゾーンZにおいて物品11の投入対象の集品容器で、且つピッキング作業が終了したことが示される。
また上流ゾーンZと見なす範囲に位置する集品容器10に取り付けられた投入表示器26の第1ランプ部31のランプ38は、赤色または緑色または黄色で点灯/点滅/消灯され、赤色または緑色の点灯(投入対象表示の一例)で、今、ピッキング作業実行対象の集品容器10であることが表示され、黄色の点灯で、ピッキング作業予定の集品容器10であることが表示され、消灯で、ピッキング作業の対象でない集品容器10であることが表示され、第1ランプ部31により、投入表示器26を取り付けた、上流ゾーンZと見なす範囲に位置する集品容器10が、自ゾーンZにおいて取り出された物品11の投入対象の集品容器であるか否かが示される。
また赤色または緑色の点滅で、物品11の取り出し作業が全て終了していないのに、テープスイッチ23が操作されたことが表示され、まだ物品11の取り出しが終了していないことが表示される。
また同第1ランプ部31のランプ38の白色の点灯(投入確認表示の一例)により、上流ゾーンZに位置する集品容器10が、上流ゾーンZにおいて物品11の投入対象の集品容器で、且つピッキング作業が終了したことが示される。
【0083】
なお、投入表示器26の第2ランプ部33のランプ38の状態(点灯/点滅/消灯の状態)は、自ゾーン先行表示制御部78と残像表示制御部82により制御され、また第1ランプ部31のランプ38の前記状態は、上流ゾーン先行表示制御部77と残像表示制御部82により制御されていることにより、集品容器10が上流のゾーンZから下流のゾーンZへ移動されたとき、この投入表示器26の第1ランプ部31および第2ランプ部33のランプ38の前記状態は、同時に見直され、第1ランプ部31および第2ランプ部33のランプ38の両方の前記状態が同時に更新されることになる。
【0084】
「ストレージラインAにおける集品容器10の移動動作」;上記直進搬送ライン21の構成と、ゾーンコントローラ24の構成によるゾーンZ毎の集品容器10の移動動作は、次のようになる。
a.ゾーンZ内では、空きのアキュムレーション部22があると、前詰めされる。
b.ゾーンZに渡る移動は、ピッキング作業対象ではない集品容器10のとき、無条件で、自ゾーンZのゾーンコントローラ24より前送り許可信号が出力され、下流ゾーンZの上流に空きのアキュムレーション部22が発生すると移動する。
c.ゾーンZに渡る移動は、ピッキング作業対象の集品容器10のとき、ゾーンZのゾーンコントローラ24より前送り許可信号が出力されるまで、すなわちピッキング作業が終了するまで、下流のゾーンZの上流に空きのアキュムレーション部22が発生したとしても移動することはなく停止し、ピッキング作業が終了していない最下流の集品容器10が下流のゾーンZへ移動してしまうことが阻止され、前送り許可信号の出力により、はじめて下流のゾーンZへ移動する(下流のゾーンZの上流に空きのアキュムレーション部22が発生していることが条件)。
このように、ゾーンZを渡ることが可能な(許可されている)集品容器10は、ゾーンZに渡って移動するとき、下流のゾーンZが詰まっている場合(空きのアキュムレーション部22が無い場合)には待機し、下流のゾーンZの上流に空きのアキュムレーション部22が発生した状態になれば移動する。
【0085】
「ピッキング作業」;ゾーンコントローラ24の構成による「ピッキング作業」の作用を、ゾーンZに配置された作業者Hのピッキング作業動作とともに説明する。
上述したように、ゾーンZの大きさが変更されると、変更されたモードに合わせて、ゾーンZの境目に、区切り棒17Aとマーカ23BとRFIDリーダ42Aの取付位置が変更される。これにより、作業者Hは、物理的にゾーン毎の間口16の区切りと、第1直線搬送ライン21Aの区切りを確認でき、ピッキング作業時にゾーンZを間違える恐れが解消されている。またRFID34に書き込まれたオーダー・ナンバーは、各RFIDリーダ42Aにより読み取られることにより、RFIDリーダ42Aの位置が変更されると、ゾーンZ内に移動可能な集品容器10の数が変更され、また統括コントローラ51のゾーンメモリ61−(1)〜61−(M)には、上流から下流に向けて位置する(移動してきている)各集品容器10に割り付けられたオーダー・ナンバーを搬送順(上流側から下流側へ)が記憶されることにより、ゾーンZ内に移動可能な集品容器10の数が変更となっても、ゾーンメモリ61−(1)〜61−(M)には、各ゾーンZにおいて搬送されている集品容器10のオーダー・ナンバーが記憶されている。したがって、ゾーンコントローラ24において、ゾーンZの大きさの変更に応じて、上流ゾーンメモリ72と自ゾーンメモリ73に記憶されているオーダー・ナンバーを見直す必要はない。
またゾーンコントローラ24により、ゾーンZの大きさの変更に応じて、自ゾーンZと見なす間口16、物品11を投入する集品容器10が特定されて、間口表示器19と投入表示器26が制御されているので、作業者Hは、ゾーンZの大きさの変更を意識することなく、間口表示器19と投入表示器26の表示にしたがってピッキング作業を実行すればよい。
【0086】
図4に示すように、自ゾーンZに位置する集品容器10に取り付けられた投入表示器26の第2ランプ部33のランプ38は、点灯または点滅または消灯し、赤色または緑色の点灯によりピッキング作業実行、黄色の点灯によりピッキング作業有り、消灯によりピッキング作業無しが表示され、このとき、自ゾーンZと見なされる各間口表示器19が表示される。また点滅により、テープスイッチ23が物品11の取り出しが全て終了していないのに操作されたことが表示される。
自ゾーンZに配置された作業者Hは、各間口表示器19の表示に基づいて、集品容器10へ投入する物品11を収納箱12より取り出して、取り出す毎に、間口表示器19の完了押釦スイッチ19Bを押し、間口表示器19の表示の消灯を確認して、物品11を取り出し、振り返って、自ゾーンZに搬送されてきており、且つ第2ランプ部33のランプ38が赤色または緑色に点灯している投入表示器26が取り付けられた集品容器10へ投入する(ピッキング作業を実行する)。(なお、欠品の場合は、間口表示器19の欠品スイッチ19Cを押す。)そして、全ての物品11の投入が終了すると、マーカ23Aにて物理的に示される、自ゾーンZと見なすテープスイッチ23を押し、対象の集品容器10に対するピッキング作業を終了する。
このように、第2ランプ部33のランプ38は、投入表示器26が取り付けられた集品容器10が自ゾーンZと見なす範囲に位置するとき、自ゾーンZからのみ見ることが可能で、ピッキング作業を可能とする自ゾーンランプを形成している。
またこのようにテープスイッチ23が操作されてピッキング作業を終了すると、ピッキング作業の対象であった集品容器10に取り付けられていた投入表示器26の第2ランプ部33のランプ38が、集品容器10が自ゾーンZを搬送されている間は、白色に点灯され、この集品容器10が投入作業対象であったことが表示(投入確認表示)される。
また第2ランプ部33のランプ38が点滅することにより、テープスイッチ23が、物品11の取り出しが全て終了していないのに操作されたことが表示され、よって、作業者Hは、物品11の取り出しが終了していないことを認識し、振返って各間口表示器19の表示を見直すことで、物品11の入れ忘れのミスが防止される。
また上流ゾーンZに位置する集品容器10に取り付けられた投入表示器26の第1ランプ部31のランプ38(自ゾーンZからのみ見ることが可能)は、点灯または点滅または消灯し、赤色または緑色に点灯によりピッキング作業実行、黄色の点灯によりピッキング作業あり、消灯によりピッキング作業無しが表示される。
第1ランプ部31のランプ38の赤色または緑色に点灯しているとき、自ゾーンZに配置された作業者Hは、各間口表示器19の表示に基づいて、隣接する上流ゾーンZと見なす範囲に位置し、第1ランプ部31のランプ38が赤色または緑色に点灯している投入表示器26が取り付けられた集品容器10に対して、自ゾーンZと見なされる間口16から取り出した物品11を投入する(上流ゾーンにおける先行ピッキング作業を実行する)。(なお、欠品の場合は、間口表示器19の欠品スイッチ19Cを押す。)そして、全ての物品11の投入が終了すると、テープスイッチ23を押し、対象の集品容器10に対するピッキング作業を終了する。
このように、第1ランプ部31のランプ38は、投入表示器26が取り付けられた集品容器10が上流ゾーンZと見なす範囲に位置するとき、自ゾーンZからのみ見ることが可能で、先行ピッキング作業を可能とする先行ゾーンランプを形成している。
またこのようにテープスイッチ23が操作されてピッキング作業を終了すると、ピッキング作業の対象であった集品容器10に取り付けられていた投入表示器26の第1ランプ部31のランプ38が、集品容器10が上流ゾーンZを搬送されている間は、白色に点灯され、この集品容器10が投入作業対象であったことが表示(投入確認表示)される。
また第1ランプ部31のランプ38が点滅することにより、テープスイッチ23が、物品11の取り出しが全て終了していないのに操作されたことが表示され、よって、作業者Hは、物品11の取り出しが終了していないことを認識し、振返って各間口表示器19の表示を見直すことで、物品11の入れ忘れのミスが防止される。
上記のように、作業者Hは、自ゾーンZから取り出した物品11を、自ゾーンZおよび上流ゾーンZにおいて搬送されている集品容器10に投入することができ、図4に示すように、作業者H毎に、連続した2つのゾーンZに渡って投入作業を行うことができる範囲が形成される。またこれより、最下流のゾーンZを除いて、最上流のゾーンZから、2人で集品容器10への投入作業を行うゾーンZが続き、最下流のゾーンZのみ作業者が1人で集品容器10への投入作業を行うゾーンZとなる。すなわち、作業者Hによって自ゾーンZおよび上流ゾーンZにおいてピッキング作業を実行可能としたことにより、各作業者Hがピッキング作業を実行可能なゾーンZは、最下流のゾーンZを除いて、隣り合うゾーンZが連続してずれて重なり合うように配置され、各ゾーンZにおいて、2人の作業者により、ピッキング作業が実行される。
またピッキング作業の実行終了により、この集品容器10へのピッキング作業が終了した場合、ディジタル表示器32に、白黒が反転した“オーダー・ナンバー”が表示される。
また投入表示器26のディジタル表示器(表示画面)32は、第2ランプ部33のランプ(自ゾーンランプ)38と第1のランプ部31のランプ(先行ゾーンランプ)38の中央に取り付けられることにより、投入表示器26が取り付けられた集品容器10に物品11を投入する作業者より最も、見やすくされている。
【0087】
以上のように、本実施の形態によれば、各ゾーンZを形成する間口16(間口表示器19)の割り付けを変え、各ゾーンZにおける物品投入対象の集品容器10の数を変えてゾーンZの大きさを変更することにより、作業能力が劣る作業者(新人等)が配置されたゾーンZの間口16の数を減らし、物品投入対象の集品容器10の数を減らすことが可能となり、よって新人のピッキング作業が軽減され、この作業能力が劣る作業者が配置されたゾーンZから集品容器10が停滞することなく流れることが可能となり、ピッキング効率の維持あるいは向上を期待できる。
またゾーンZの大きさを変更することにより、作業能力が高い作業者(経験者等)が配置されたゾーンZの間口16の数を増やすことが可能となり、この作業能力が高い作業者が配置されたゾーンZに隣接するゾーンでは、間口16の数が減ることからピッキング作業が軽減されピッキング作業が滞ることが少なくなり、全体のピッキング効率の向上を期待できる。
またゾーンZの大きさを変更することにより、各ゾーンZにおける、ピッキング作業をする物品の数(ヒット数)を平準化することが可能となり、各作業者のピッキング負荷を平準化できる。
【0088】
また本実施の形態によれば、ゾーンZを形成する間口16の一部(実施の形態では1/4ゾーン)を、切り離し、隣接するゾーンに加えることで、ゾーンZの大きさを再設定し、一部の間口16の変更に留めることにより、設備全体でゾーンZの長さを変えるときと比較して、1つの集品容器10に集品する物品11の割り付けが容易となる。
【0089】
また本実施の形態によれば、ゾーンZを形成する間口16の一部(実施の形態では1/4ゾーン)を使用しないことで、ゾーンの大きさを縮小することにより、新人が配置されたゾーンZの間口16数を減らすことが可能となり、ピッキング効率の維持あるいは向上を期待でき、またピッキング作業をする物品の数(ヒット数)の平準化を期待できる。
【0090】
また本実施の形態によれば、ゾーンZの大きさ、すなわち作業者Hが担当する間口16の範囲が変更されると、作業者Hはピッキング作業を実行する、間口16と集品容器10との対応を認識できなくなる恐れがあるが、ゾーンZを特徴づける独自の色、すなわち、物品11を取り出す間口16を示す色と、物品投入対象の集品容器10を示す色を設定し、ゾーンZの大きさが変更となると、属するゾーンZに合わせて、間口16を示す色と集品容器10を示す色を再設定することにより、ピッキング作業を実行する、間口16と集品容器10との対応が認識できなくなる恐れを解消できる。
【0091】
また本実施の形態によれば、作業者Hは、自分が担当するゾーンZの色を認識していることから、ゾーンZの大きさが変更となっても、間口表示器19の表示の色で、物品11を取り出す間口16が、担当するゾーンZに属するのか、また投入表示器26の表示の色で、取り出した物品11を投入する集品容器10かどうかを認識でき、ピッキング作業のミスを防止できる。
【0092】
また本実施の形態によれば、間口16から取り出した物品11を集品容器10へ投入が終了すると操作するテープスイッチ23を、直進搬送ライン21に沿って、複数、配置し、ゾーンZの大きさの変更に伴う、物品11を投入する集品容器10の搬送位置の変更に応じて、各テープスイッチ23がそれぞれ属するゾーンを再設定することにより、作業者Hは、ゾーンZの変更を意識することなく、物品11を投入した集品容器10に対応するテープスイッチ23を操作することで、物品11の投入終了を入力することができる。
【0093】
また本実施の形態によれば、ピッキング作業中に物品収納部の再割り付けが実行されると、ゾーンの境目が変更となるため、ピッキング作業中は変更できないとすることにより、ピッキング作業を継続している作業者Hの混乱を回避することができる。
【0094】
また本実施の形態によれば、ゾーンZの境目に、ゾーンZが異なることを示す標識として、区切り棒17Aとマーカ23Aを設けたことにより、作業者Hは、ゾーンZが結合されたときでも、物理的にゾーンZの境目を認識でき、間違ったゾーンZでピッキング作業をしてしまう恐れを解消できる。
【0095】
なお、本実施の形態では、ゾーンZの大きさの変更を、各ゾーンZを形成する間口16(間口表示器19)の割り付けを変え、且つ各ゾーンZにおける物品投入対象の集品容器10の数を変えることにより行っているが、必ずしも、集品容器10の数を変える必要はない。間口16(間口表示器19)の割り付けを変えるだけでも、ピッキング作業をする物品11の数(ヒット数)を変更できるので、作業能力が劣る作業者(新人等)が配置されたゾーンZの間口16の数を減らすことにより、この作業能力が劣る作業者が配置されたゾーンZから集品容器10が停滞することなく流れることを期待でき、ピッキング効率の維持・向上を期待できる。
また本実施の形態では、ゾーンZの変更を、1/4ゾーンの切り離し、加え、あるいは未使用により実行しているが、1/4ゾーンに限ることはいうまでもない。
また上記実施の形態では、搬送手段である直進搬送ライン21により、オーダー・ナンバーが割り付けられた集品容器10に、オーダーに応じた物品11を投入することにより集品しているが、集品容器10に限ることはなく、搬送手段を、搬送方向に複数に分けて区域(エリア)を形成し、これら区域にオーダー・ナンバーが割り付け、この区域に、オーダーに応じた物品11を投入して集品するようにすることもできる。このとき、区域毎にRFID34を設け、各RFIDリーダ42AによりRFID34に記憶されたオーダー・ナンバーを読み取り、区域が移動しているゾーンZを特定する。
【0096】
また各ゾーンZを24の間口16により形成しているが、フローラック15の段数や列の数を変えることにより、ゾーンZを形成する間口16の数を変更することで、ゾーンZの大きさを再設定することもできる。このように、フローラック15の一段の間口16の数を変更してゾーンZの大きさを再設定することにより、新人が配置されたゾーンZの間口16の数を減らすことが可能となり、ピッキング効率の維持あるいは向上を期待でき、またピッキング作業をする物品11の数(ヒット数)の平準化を期待できる。
【0097】
また本実施の形態では、搬送ラインBを、1本の循環ラインにより構成しているが、複数、例えば平行に配置した2本の循環ラインにより構成することも可能である。
また本実施の形態では、RFID34にオーダー・ナンバーを記憶させ、このオーダー・ナンバーを読み取ることにより集品容器10を特定しているが、集品容器10にオーダー・ナンバーに対応するバーコード(符号の一例)が記載されたラベルを貼り付け、このバーコードをバーコードリーダ(読み取り手段の一例)で読み取ることにより、集品容器10を特定するようにすることもできる。
また本実施の形態では、投入表示器26を集品容器10に取り付けるようにしているが、図5(b)に示すように、投入表示器26を、集品容器10を載せるトレイ59に設けて、トレイ59を介して集品容器10に投入表示器26を設けるように(対応するように)してもよい。またこのような投入表示器26付きトレイ59を複数、搬送ラインBにより循環し、循環しているトレイ59に対して集品容器10を自動で投入し、自動で払い出す構成とすることもできる。
また本実施の形態では、作業者Hを挟んで、フローラック15と直進搬送ライン21を反対側に配置しているが、作業者Hに対して、ストレージラインA(フローラック15)と直進搬送ライン21を同じ側に配設するようにしてもよい。これにより、間口16より取り出した物品11を、取り出した(ピッキングした)手の軌道でそのままゾーンZに搬送されてきている集品容器10へ投入する(ピッキング作業を実行する)ことができ、作業性を向上させることができる。
また本実施の形態では、投入確認表示の色を白色としたが、作業者Hが投入確認表示を投入対象表示、その他の表示から明確に識別できればよく、紫色、青色などの色を投入確認表示の色として用いてもよい。
また本実施の形態では、ユーザーのオーダーに、連続したオーダー・ナンバーを割り付け、RFID34に書き込ませ、これにより、投入表示器26を取り付けた集品容器10にオーダー・ナンバーを割り付けているが、ユーザーまたはユーザーのオーダー、すなわち仕分け先または仕分け先の物品要求情報を、RFID34に直接書き込ませ、これにより、投入表示器26を取り付けた集品容器10に、仕分け先または仕分け先の物品要求情報を割り付けることも可能である。
また本実施の形態では、集品容器10としてコンテナを用いているが、この集品容器10は、投入表示器26を治具40により取り付け可能で、物品11を一時収納することができればどのような容器であってもよく、例えば、段ボール等を用いることができる。
また本実施の形態では、ユーザーのオーダーを特定する独自の符号として数字(オーダー・ナンバー)を使用しているが、バーコード、アルファベットなどの文字や絵文字等を使用することもできる。このとき、バーコード、文字や絵文字に順を決めて、その順にユーザーのオーダーに割り付けて、RFIDライタ42Bにより、RFID34へ書き込む。
また本実施の形態では、各ゾーンZに、1人の作業者Hを配置する構成としているが、各ゾーンZに複数(例えば、2人)の作業者Hを配置する構成とすることもできる。これにより、ゾーンZ内にピッキング対象の集品容器10が間を置くことなく搬入される状況にあっても、ゾーンZ内の作業速度が向上するため、各ゾーンZに集品容器10が滞留する恐れを低減でき、ピッキング作業の効率を向上できる。またゾーンZの作業者Hは、ピッキングした物品11を直接、集品容器10へ投入しているが(手動投入しているが)、ゾーンZ毎に、直進搬送ライン21上に、物品11の集品容器10への自動投入を行う自動投入装置を配置して物品11を自動投入するようにすることもできる。
また本実施の形態では、「属するゾーン特有の方式」である、ゾーンZおよびゾーンZ毎に点灯するランプの色(間口表示器19の完了押釦スイッチ19Bのランプ、および投入表示器26の第1ランプ部31と第2ランプ部33のランプ38の色)を変えることにより、作業者Hが、自ゾーンZから取り出した物品11を投入する集品容器10を間違えることがないようにしているが、作業者Hが集品容器10を間違えることがないような方式であればどのような特有の方式でもよく、例えば、ランプの光の強さを変えたりする方式としてもよい。またランプの色を増し、3つのゾーンZおよびゾーンZ毎にそれぞれ色を指定して交互に色が変化するようにすることもできる。
また本実施の形態では、直進搬送ライン21を、アキュムレーションコンベヤから構成しているが、フリーコンベヤにより構成することも可能である。
また本実施の形態では、フローラック15を直進搬送ライン21に沿って配置しているが、間口(物品収納部)16がゾーンZ毎に配置されていればよく、ゾーンZ毎に直進搬送ライン21とは、直角な向きに配置してもよい。
また本実施の形態では、ピッキング棚としてフローラック15を使用しているが、物品11または収納箱が移動しない一般棚を使用することもできる。
また本実施の形態では、フローラック15の各棚17に載置されている物品11は収納箱12に収納されているが、ピース単位とすることもでき、棚17の段数を増加させることが可能である。
また本実施の形態では、フローラック15の各棚17は固定されているが、任意に前後(直進搬送ライン21の方向)に移動・調整できる構成とすることもできる。
また本実施の形態では、集品容器10への物品11の完了を入力手段、または間口16から集品容器10への物品11の投入が終了したときに操作する投入終了操作手段の一例として、テープスイッチ23を使用しているが、単に完了(終了)を入力するスイッチであればよく、単なる押釦スイッチ、あるいはセンサ遮断による完了(終了)信号を出力する機器であってもよい。
また本実施の形態では、仕分け先をユーザー別としているが、ユーザーに限ることはなく、店舗別、商品などのカテゴリー別あるいは区分別、地域別、搬送トラック別などとすることもできる。
【符号の説明】
【0098】
A ストレージライン
B 搬送ライン
H 作業者
Z ゾーン
10 集品容器
11 物品
15 フローラック
16 間口
17 棚
17A 区切り棒
19 間口表示器
21 直進搬送ライン
23 テープスイッチ
23A マーカ
24 ゾーンコントローラ
26 投入表示器
28 丸パイプガイド
31 第1ランプ部
32 ディジタル表示器
33 第2ランプ部
34 RFID
36 無線機
42A RFIDリーダ
42B RFIDライタ
43 アンテナ
51 統括コントローラ
52 通信コントローラ
53 送受信装置
59 トレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品をそれぞれ収納する複数の物品収納部を有するピッキング棚を備え、前記ピッキング棚に沿って、それぞれ仕分け先の物品要求情報が割り付けられた複数の区域を搬送する搬送手段を備え、
前記仕分け先の物品要求情報に応じて前記ピッキング棚の物品収納部から取り出した物品を、同じ仕分け先の物品要求情報が割り付けられた区域に投入することにより、仕分け先毎に物品のピッキング作業が実行されるピッキング設備であって、
前記ピッキング棚の物品収納部および前記搬送手段を、前記搬送手段による区域の搬送方向に沿って、複数のゾーンに区画し、
前記各ゾーンを形成する前記物品収納部の割り付けを変えることにより、ゾーンの大きさを再設定可能としたこと
を特徴とするピッキング設備。
【請求項2】
前記各ゾーンの大きさの再設定を、隣接するゾーンとの間でゾーンを形成する物品収納部の一部を加え一部を切り離す、あるいは前記ゾーンに属する物品収納部の一部を使用しない、あるいは前記ゾーンに属する物品収納部の数を変更することにより実施すること
を特徴とする請求項1に記載のピッキング設備。
【請求項3】
前記各ゾーンに属する、前記物品収納部および物品投入対象の区域を示す独自の色を、隣接するゾーンの色とは異なる色により設定し、
前記ゾーンの大きさが変更となると、新たに属するゾーンに応じて、前記物品収納部および区域を示す色を再設定すること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載のピッキング設備。
【請求項4】
前記各区域に、前記物品収納部より取り出した物品を投入する投入対象の区域であることを、前記物品を取り出す物品収納部が属するゾーン特有の方式により表示する投入表示器を設け、
前記各物品収納部に、物品を取り出す物品収納部であることを、前記物品を取り出す物品収納部が属するゾーン特有の方式により表示する間口表示器を設け、
これら投入表示器および間口表示器は、前記各ゾーンの大きさの変更に応じて、その表示を、新たに属するゾーン特有の方式に変更すること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載のピッキング設備。
【請求項5】
前記各ゾーンに対応して、前記搬送手段に沿って前記ピッキング作業の完了時に操作する複数の操作手段を設け、
前記各ゾーンに属する前記区域の再割り付けに応じて、各ゾーンに対応する前記操作手段を再設定すること
を特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のピッキング設備。
【請求項6】
前記各ゾーンを形成する前記物品収納部の再割り付けは、ピッキング作業中は実行しないこと
を特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のピッキング設備。
【請求項7】
前記各ゾーンの境目に、ゾーンが異なることを示す標識を設けたこと
を特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のピッキング設備。
【請求項8】
物品をそれぞれ収納する複数の物品収納部を有するピッキング棚を備え、前記ピッキング棚に沿って、それぞれ仕分け先の物品要求情報が割り付けられた複数の区域を搬送する搬送手段を備え、
前記仕分け先の物品要求情報に応じて前記ピッキング棚の物品収納部から取り出した物品を、同じ仕分け先の物品要求情報が割り付けられた区域に投入することにより、仕分け先毎に物品のピッキング作業を実行するピッキング方法であって、
前記ピッキング棚の物品収納部および前記搬送手段を、前記搬送手段による区域の搬送方向に沿って、複数のゾーンに区画し、
前記各ゾーンを形成する前記物品収納部の割り付けを変えることにより、ゾーンの大きさを再設定し、再設定されたゾーン毎に、前記ピッキング作業を実行すること
を特徴とするピッキング方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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