説明

ピッキング設備

【課題】本発明は、ピッキングした物品を投入する集品容器の誤認を解消でき、さらに集品容器に、物品投入対象の集品容器であることを表示するランプを取り付けたとき、その給電をバッテリとした場合に発生する課題を解決できるピッキング設備を提供することを目的とする。
【解決手段】ユーザー毎に物品の集品される各集品容器10に、バッテリにより給電され、ピッキング棚の間口より取り出した物品の投入対象の集品容器であることをランプにより表示する投入表示器を設け、各集品容器10に、前記バッテリの残量が、物品の集品の作業中に前記表示を維持できるバッテリ残量以上であることを条件して、オーダー・ナンバーを割り付け、この割り付けたオーダー・ナンバーに応じて、バッテリより給電されて、投入表示器により物品投入対象の集品容器であることを表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品のピッキングを行うピッキング設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
物流における各種物品の配送センターや倉庫等においては、指定物品の集品や仕分け作業が行われる。この作業は、例えば配送センターにおいては、顧客の注文に応じた物品を取り出して集品容器であるコンテナなどに収納(集品)する、いわゆるピッキング作業が行われる。
このようなピッキング作業の基本的な形態は、例えばベルトコンベヤなどの集品容器搬送手段をこの搬送手段の移動方向に沿って複数の作業ゾーンに区画し、各作業ゾーンには他の作業ゾーンとは異なる種類の物品を収納した収納棚を配設するとともに、各作業ゾーン専属の作業者を配置し、ピッキング指示に基づいて各作業者が配置された自分の作業ゾーンの収納棚から指示された物品を取り出して、ベルトコンベヤにより搬送されてくる集品容器に収納する作業を行うものである。
【0003】
しかし、前述したような基本的なピッキング作業では、作業者が集品容器や物品を間違えたり、物品を収納しないうちに集品容器が搬送されたりする等のトラブルが発生することがある。そこで、物品の収納間違いなどの不都合を解消するべく、これまでに各種のピッキング設備が提案され用いられてきている。
【0004】
特許文献1に開示されたピッキング設備について簡単に説明する。
特許文献1に開示されたピッキング設備は、集品箱を搬送するベルトコンベヤおよびピッキング対象物品が貯蔵されたラックを、集品箱の搬送方向に沿って複数のゾーンに区画し、各ゾーンに、ベルトコンベヤに沿って所定間隔をおいて配置された複数のガイドランプからなるオーダー表示器を配設し、集品箱がゾーンを通過する際に、集品箱の移動に同期して、集品容器の容器長(搬送方向の長さ)に相当する個数分を単位としてガイドランプを順次点灯し、作業者にラックから取り出した物品の投入するピッキング作業対象の集品箱を認識させる構成とされている。また各ゾーンに、集品箱への物品投入が終了した際に操作するリセットスイッチが配置され、リセットスイッチが操作されると、ピッキング作業を行っていた集品箱を認識させていたガイドランプは消灯され、ガイドランプは、次にピッキング作業対象となる集品箱の移動に同期して順次点灯される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−234765号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来のピッキング設備では、対象の集品容器が搬送されてくると、ガイドランプを集品容器の移動に追従して順次点灯するために、見にくく、やはりピッキングした物品を投入する集品容器の誤認を招く恐れがあった。
【0007】
そこで、集品容器にランプを取り付け、このランプを点灯させることによりピッキングした物品の投入対象であることを表示することも考えられるが、どのような手段を用いて、ランプの点灯の制御を実行するのか、ランプへの給電をどのようにするのか、解決する課題は多い。
【0008】
そこで、本発明は、ピッキングした物品を投入する集品容器の誤認を解消でき、さらに集品容器に、物品投入対象の集品容器であることを表示するランプを取り付けたとき、その給電をバッテリとした場合に発生する課題を解決できるピッキング設備を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、物品をそれぞれ収納する複数の物品収納部を有する収納エリアを備え、前記収納エリアに沿って複数の集品容器を搬送する搬送手段を備え、仕分け先の物品要求情報に応じて、前記収納エリアの物品収納部から取り出した物品を、前記集品容器へ投入することにより、集品容器に前記仕分け先毎に物品の集品が実行されるピッキング設備であって、
前記各集品容器に、電池により給電され、前記物品収納部より取り出した物品の投入対象の集品容器であることを表示する投入表示器を設け、前記各投入表示器に、前記電池の残量を検出する検出手段を設け、前記各投入表示器の検出手段によりそれぞれ検出された電池の残量を監視する監視手段を設けたことを特徴とするものである。
【0010】
上記構成によれば、物品収納部から取り出した物品の投入対象の集品容器は、集品容器とともに移動する投入表示器の表示によって示される。よって、従来のガイドランプのように、見にくくて、物品投入対象の集品容器の誤認を招く恐れが解消される。また電池からの給電によって前記表示が行われることにより、給電線等の外部からの給電が不要となり、集品容器の移動は自在とされる。
また投入表示器により物品投入対象の集品容器であることが表示されることにより、集品が実行されるが、表示が電池からの給電によることから、電池切れが発生すると、集品の実行中に前記表示が消えてしまい、物品投入対象の集品容器を特定できなくなり、集品作業を続行できなくなる。
そこで、各投入表示器の電池の残量を監視することにより、予め、集品作業中に電池切れが発生するかどうか予測することが可能となる。
【0011】
また請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明であって、前記監視手段は、前記物品の集品作業が開始される前に、前記各投入表示器の電池の残量を監視することを特徴とするものである。
【0012】
上記構成によれば、物品の集品作業が開始される前に、電池の残量が監視されることにより、集品作業中に、電池切れとなるかどうかを判断することが可能となる。
【0013】
また請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明であって、前記各投入表示器に、前記検出手段により検出される前記電池の残量を表示する残量表示部を設けたことを特徴とするものである。
【0014】
上記構成によれば、投入表示器の残量表示部に表示される電池の残量により、作業者は、集品作業に使用できるかどうかを判断できる。
【0015】
また請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明であって、前記残量表示部は、前記電池の残量を、数値、あるいはは残量の割合に応じて区分される色、あるいはランプの点滅状態で表示することを特徴とするものである。
【0016】
上記構成によれば、投入表示器の残量表示部に表示される電池の残量が、数値、または残量の割合に応じて区分される色、またはランプの点滅状態により表示され、作業者は、視覚的に集品作業に使用するかどうかを判断できる。
【0017】
また請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の発明であって、前記投入表示器の検出手段により検出される前記電池の残量が、前記物品の集品の作業中に前記投入表示器の表示を維持できる電池残量以上であることを条件して、集品容器に、前記仕分け先の物品要求情報を割り付け、この割り付けた前記仕分け先の物品要求情報に応じて、前記電池より給電されて、前記投入表示器に前記物品投入対象の集品容器であることを表示することを特徴とするものである。
【0018】
上記構成によれば、電池の残量が、物品の集品中に投入表示器の表示を維持できる電池残量以上であることを確認して、集品容器へ仕分け先の物品要求情報の割り付けを行い、よって集品作業中に表示が消えて集品が出来なくなる恐れが解消される。
【0019】
また請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明であって、前記収納エリアの物品収納部および前記搬送手段を、前記搬送手段による集品容器の搬送方向に沿って、複数のゾーンに区画し、各ゾーンにおいて、前記集品容器に前記仕分け先の物品要求情報が割り付けられているかどうかを確認し、前記仕分け先の物品要求情報が割り付けされていない集品容器は、前記ゾーン内に存在しないと見なすことを特徴とするものである。
【0020】
上記構成によれば、各ゾーンにおいて、集品容器に割り付けられた仕分け先の物品要求情報により、ゾーン内を移動している集品容器が特定される。したがって、仕分け先の物品要求情報が割り付けられなかった集品容器は、ゾーン内を移動していても、物品投入対象の集品容器とは見なされず、空箱の状態で、移動していく。
このように、検出手段により検出される電池の電圧が、前記投入表示器の表示を維持できる電池残量に相当する電圧未満のとき、前記仕分け先の物品要求情報が割り付けられないことから、空箱の状態で移動していく。
【0021】
また請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の発明であって、前記投入表示器の検出手段により検出される前記電池の残量が、前記物品の集品作業中に前記投入表示器の表示を維持できる電池残量未満のとき、この投入表示器を取り付けた集品容器を、物品投入対象から外すことを特徴とするものである。
【0022】
上記構成によれば、集品作業中に電池切れの可能性がある投入表示器を取り付けた集品容器は、物品投入対象から外される。よって、正常な集品容器(集品作業中に電池切れの可能性が無い投入表示器を取り付けた集品容器)のみが物品投入対象とされる。
【0023】
また請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明であって、前記搬送手段は、前記集品容器を前記収納エリアに沿って搬送し、前記収納エリアの終端へ到達して集品作業が終了し、集品容器より集品された物品が取り出されると、集品容器を再び収納エリアの先端へ戻すループラインを形成していることを特徴とするものである。
【0024】
上記構成によれば、集品容器は、収納エリアに沿って搬送されながら物品の集品作業が実行され、収納エリアの終端まで搬送され集品作業が終了すると、集品された物品が取り出され、再び収納エリアの先端へ戻される。このように集品容器は、ループラインにより循環され、再利用される。
【発明の効果】
【0025】
本発明のピッキング設備は、物品収納部から取り出した物品の投入対象の集品容器は、集品容器とともに移動する投入表示器の表示により示されることにより、従来のガイドランプのように、見にくくて、物品投入対象の集品容器の誤認を招く恐れを解消でき、また電池で表示が実行されることにより、給電線等の外部からの給電が不要となり、集品容器の移動を自在とすることができ、さらに表示が電池からの給電によるために、電池切れが発生し、集品の実行中に表示が消えてしまうと、集品作業を続行できなくなるが、各投入表示器の電池の残量を監視することにより、予め、集品作業中に電池切れが発生するかどうか予測することが可能となる、という効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施の形態におけるピッキング設備の構成図である。
【図2】同ピッキング設備の要部斜視図である。
【図3】同ピッキング設備の側面図である。
【図4】同ピッキング設備の要部平面図である。
【図5】同ピッキング設備の集品容器と投入表示器の配置を示す図であり、(a)は集品容器に投入表示器が取り付けられるときの斜視図、(b)は集品容器が、投入表示器が取り付けられたトレイに搭載されるときの斜視図である。
【図6】同ピッキング設備の投入表示器の図であり、(a)は斜視図、(b)は制御構成図である。
【図7】同ピッキング設備の充電器の斜視図である。
【図8】同ピッキング設備の全体制御構成図である。
【図9】同ピッキング設備の投入表示器に対する通信制御構成図である。
【図10】同ピッキング設備の全体ピッキングデータを示す図である。
【図11】同ピッキング設備の統括コントローラによるオーダー・ナンバーを割り付けるための要部ブロック図である。
【図12】同ピッキング設備におけるオーダー・ナンバーの割り付けの説明図である。
【図13】同ピッキング設備の統括コントローラのゾーン内集品容器を検出するための要部ブロック図である。
【図14】同ピッキング設備の充電作業用コントローラのブロック図である。
【図15】同ピッキング設備の各ゾーンにおける制御構成図である。
【図16】同ピッキング設備のゾーンコントローラにおける制御ブロック図である。
【図17】同ピッキング設備のゾーンコントローラの残像表示制御部のブロック図である。
【図18】他の実施の形態におけるピッキング設備におけるオーダー・ナンバーの割り付けの説明図である。
【図19】他の実施の形態におけるピッキング設備の投入表示器のディジタル表示器の画面の図であり、(a)は電池残量を数値で示す図、(b)は電池残量を残量の割合に応じて区分される色で示す図、(c)は電池残量をランプの点滅状態で示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。このピッキング設備は、個別の予め登録されたユーザー(仕分け先の一例)からオーダー(仕分け先の物品要求情報の一例;注文)を受けた物品を、ユーザーのオーダーに対応するオーダー・ナンバー(仕分け先の物品要求情報に対応する独自の符号の一例)を割り付けた集品容器に集めて配送する設備である。
【0028】
図1に本発明の実施の形態におけるピッキング設備の概略構成図を示す。
ピッキング設備は、集品される物品11(図2)が収納される収納箱12(図2)が保管されるストレージラインAと、収納箱12から取り出された物品11を収納(集品)する集品容器(作業容器の一例)10を循環搬送する搬送ラインBと、封印エリアCと、詰め替えエリアDと、袋掛けエリアEと、この袋掛けエリアEより下流側に配置された集品容器10の待機エリアFとから構成されている。そして、この待機エリアFの一部がバッテリ(後述する)の充電エリアFBとされている(つまり、待機兼充電エリアにされている)。
また前記ストレージラインAおよび搬送ラインBは、複数のゾーンZ(後述する)に区画されており、各ゾーンZにはピッキング作業(後述する)を行う作業者Hが1人ずつ配置され、これら作業者Hに対して(作業者Hから見て)、またこれら作業者Hを挟んで、ストレージラインA(後述するフローラック15)と搬送ラインB(後述する直進搬送ライン21)は反対側に配置されている。また前記集品容器10は袋掛けがされている。
上記全体構成により、各ゾーンZにおいて、作業者Hにより、前記オーダーに基づいて、搬送ラインBにより搬送されてくる各集品容器(袋内)10に対して、ストレージラインAに保管された物品11が取り出されて投入されることにより、ピッキング作業が実行される(詳細は後述する)。
そして、前記封印エリアCにおいて、ストレージラインAにおいて、ピッキング作業が終了して搬送ラインBにより搬送されてきた集品容器10内の物品11が検品され、袋が折り畳まれて封印され、続いて詰め替えエリアDにおいて、集品容器10の封印済み物品11(袋詰めされた、集品済み物品11)が寄せ箱(出荷箱;図示せず)へ詰め替えられて出荷される。続いて袋掛けエリアEにおいて、物品11の詰め替えが終了して空となった集品容器10に袋掛けが行なわれ、待機エリアFへ搬出され、待機エリアFより前記ストレージラインAの上流に戻される。このように、搬送ラインBは、集品容器10をストレージラインA(後述するフローラック15)に沿って搬送し、ストレージラインAの終端へ到達してピッキング作業(集品作業)が終了し、集品容器10より集品された物品11が取り出されると、集品容器10を再びストレージラインAの先端へ戻す循環ラインを形成しており、集品容器10は、搬送ラインBにより循環し、再利用され、集品容器10自体は出荷されることはない設備とされている。前記封印エリアCと、詰め替えエリアDと、袋掛けエリアEについては、詳細な説明は省略する。
【0029】
上述したように、待機エリアFに、充電エリアFBが設けられている。この充電エリアFBには、図1に示すように、充電器(充電装置の一例)46が配置されており、ピッキング作業が終了した後、自動的に、所定個数(本実施の形態では10個として説明するが、個数は10個に限定されるものではない)の集品容器10が充電エリアFBに停止するようにされている。充電器46は、図7に示すように、充電器本体47と、この充電器本体47から引き出されるとともに先端に充電用プラグ48aが設けられた所定本数、ここでは10本(図7では5本だけ示している)の充電コード48とから構成されている。
【0030】
ストレージラインAおよび搬送ラインBの詳細な構成について説明する。
『ストレージラインA』;ストレージラインAは、図2〜図4に示すように、フローラック(収納エリアの一例)15から構成され、フローラック15は、1種類(1アイテム)の物品11が収納された収納箱12が載置される(収納される)間口16(物品収納部の一例)を複数列有する棚17を、上下に複数段(本実施の形態では3段;3段以上が好ましい)配置して構成され、複数の間口16(本実施の形態では、棚が3段で、間口が8列の計24個)毎に区画されて、集品容器10へ集品する物品11の取り出し作業を実行するゾーンZが設定(形成)されている。
【0031】
またフローラック15の各棚17の先端(搬送ラインBに面する作業者Hの端部)で、各間口16の前面(作業者H側の面)にはそれぞれ、取り出す物品11の数量を表示する数量表示器19Aと、赤色と緑色に色を変えて表示可能なランプ部を有する完了押釦スイッチ19Bと、欠品の際に操作する欠品スイッチ19Cとから構成され、物品11を取り出す間口16を表示する間口表示器19が設けられている。また最下段の棚17より上の棚17の間口16に設けられた間口表示器19の表示の向きは、正面(作業者H側の面)の向きとされ、最下段の棚17の間口16に設けられた間口表示器19の表示の向きは、斜め前方(搬送ラインB側)の向きとされ、それぞれ異なる表示の向きとされている。また完了押釦スイッチ19Bのランプ部の色(ランプの色)は、ゾーンZ毎に指定された独自の色(赤色または緑色)とされる。この色は、隣接するゾーンZにおいて交互に設定され(隣接するゾーンの色とは異なる色により設定され)、奇数ゾーンは赤色、偶数ゾーンは緑色としている。また前記収納箱12は、上面が開放され、物品11を上方から取り出すことができる箱(ボックス)にて構成されている。
作業者Hは、各間口表示器19の表示に従って、間口16(収納箱12)から物品11をピッキングして集品容器10に投入する。
【0032】
『搬送ラインB』;搬送ラインBは、上述したように、集品容器10を循環する循環ラインを構成しており、フローラック15に沿って集品容器10を搬送する直進搬送ライン21と、この直進搬送ライン21の終端と先端を接続する集品容器10の戻り搬送ライン21Bとから構成されている。また前記直進搬送ライン21(ストレージラインAにおいて集品容器を搬送する搬送手段)には、搬送速度を可変できる設定器(設定手段)(図示せず)が設けられている。なお、戻り搬送ライン21Bには、このような設定器は設けていない。
【0033】
直進搬送ライン21は、アキュムレーションコンベヤ(集品容器1個毎に蓄積・移動可能で、集品容器が互いにぶつからないで集積するように設計されたコンベヤ)から構成され、1個の集品容器10毎に、集品容器10を蓄積・順送り可能なアキュムレーション部22を備えており、各アキュムレーション部22はそれぞれ、公知のように、前に空き(集品容器10が存在しない)のアキュムレーション部22があるとき、集品容器10を前送りする機能を有している。
また直進搬送ライン21に、図1、図2、および図4に示すように、直進搬送ライン21により搬送される集品容器10(搬送位置)を、集品容器10の搬送方向に沿って区画する複数のゾーンが形成されており、この直進搬送ライン21のゾーンは、上記ストレージラインAの各ゾーンZに対向して、搬送方向にずれがなく区画(形成)されており、ストレージラインAと直進搬送ライン21により、ゾーンZが形成されている。以下、直進搬送ライン21のゾーンについても、ゾーンZと記す。基本的に、各ゾーンZにおいて、前記ピッキング作業が実行される。すなわち間口16の収納箱12から取り出した物品11が、直進搬送ライン21により搬送されている集品容器10へ投入される。
【0034】
またゾーンZ毎に、上記アキュムレーション部22は、複数個(実施の形態では6個)設けられ、すなわち各ゾーンZは、最大6個(複数個の一例)の集品容器10を蓄積・順送り可能とされている。またゾーンZ毎にそれぞれ、図3および図4に示すように、直進搬送ライン21に沿って、集品容器10の高さまで垂設された治具23B上に、テープスイッチ(投入終了用の操作手段の一例)23が上向きな姿勢で設けられ、テープスイッチ23の高さ位置を、集品容器10の上面の高さに揃えている。
また上述したようにアキュムレーション部22は、集品容器10を前送りする機能を有しているが、各ゾーンZの最下流に位置するアキュムレーション部22には、前送りに許可条件が付されており、前に空きのアキュムレーション部22があり、且つ、位置しているゾーンZに設けられたゾーンコントローラ24より前送り許可信号(詳細は後述する)を受け取ったとき、集品容器10を前送りするように構成されている。
【0035】
「集品容器10」;集品容器10は、箱形状のコンテナ25から構成され、図3と図5に示すように、ストレージラインA側(作業者H側)とは反対側のコンテナ25の短軸方向の側面に、ゾーンZの間口16より取り出した物品11を投入する物品投入対象の集品容器10であることを表示する投入表示器(作業表示器の一例)26が、治具40(後述する)によりコンテナ25に袋27を掛けることができるように、コンテナ25の側面との間に隙間41を設けて、作業者Hに向けて斜め上向きの姿勢で、取り付けられている。これにより、直進搬送ライン21により搬送される集品容器10の搬送方向とは直角な左右方向へ、作業者H側から順に、テープスイッチ23、集品容器10、投入表示器26と並んで配置されている。集品容器10は、袋掛けエリアEにおいて袋27が掛けられた状態で、待機エリアFを経由して、直進搬送ライン21によりストレージラインAへ搬送されてくる。
【0036】
前記治具40は、側面視コ字状で、一部がコンテナ25の側面に引っ掛けられており、投入表示器26は、治具40の他端の上部に、すなわち作業者Hとは反対側の集品容器10の上端部外方に、斜め上向きとなる姿勢となるように取り付けられ、集品容器10の開放部に物品11を投入するときに、妨害となることなく、且つ作業者Hが見やすい位置に配置され、作業効率が改善されている。
なお、図4に示すように、各集品容器10は、直進搬送ライン21により、コンテナ25の長軸方向が搬送方向正面となり、投入表示器26が作業者Hとは反対側に位置するように搬送され、上述したように、ゾーンZ毎に複数個(実施の形態では最大6個)の集品容器10が、蓄積・順送り可能とされている。
【0037】
また直進搬送ライン21には、図3に示すように、集品容器10を容器搬送方向へ案内するとともに、前記左右方向のずれを規制する左右一対の丸パイプガイド(案内手段の一例)28が設けられている。この丸パイプガイド28により、集品容器10が搬送中に前記左右方向にずれて投入表示器26と後述するRFIDリーダ42A,RFIDライタ42Bとが接触することを防止している。
【0038】
「投入表示器26」;投入表示器26は、図6に示すように、縦長の箱状の表示器本体30と、長軸方向の表示器本体30の表面に順に配置された、第1ランプ部(上流ゾーン表示手段の一例)31、電子ペーパーからなるディジタル表示器(表示画面の一例)32、および第2ランプ部(自ゾーン表示手段の一例)33と、表示器本体30に内蔵された、データの読み取り・書き込み・消去が可能な第1RFID(Radio Frequency Identification;RFタグ/記憶手段の一例)34A、第2RFID34B、表示器コントローラ35、アンテナ内蔵の無線機(データ受信器の一例)36、およびバッテリ(充電可能な電池の一例)37から構成されており、治具40により、直進搬送ライン21による集品容器10の搬送方向(以下、容器搬送方向と略す)に、ディジタル表示部32が第1ランプ部31と第2ランプ部33の中央に位置されるように、すなわち容器搬送方向に、先頭から(下流側から)順に第1ランプ部31、ディジタル表示部32、および第2ランプ部33が並ぶように、斜め向きに集品容器10(コンテナ25)に取り付けられる。
前記第1RFID34Aに、前記オーダー・ナンバーが書き込まれ、記憶され(付され)(詳細は後述する)、前記第2RFID34Bには、予め投入表示器36の独自の識別番号(ID)が書き込まれ、記憶される(付される)(詳細は後述する)。なお、説明を判りやすくするために、別々のデータを記憶する2台のRFID(第1RFID34Aと第2RFID34B)を設けているが、1台のRFIDとして、オーダー・ナンバーと独自の識別番号を記憶するようにしてもよい。
また投入表示器26にディジタル表示器32を設けることにより、集品容器10を特定できる前記オーダー・ナンバー等を表示でき、集品容器10を特定することを可能としている。
ところで、図5(a)および(b)並びに図6に示すように、前記投入表示器26の表示器本体30の端面(側面)には、前記バッテリ37の充電を行うための充電用プラグ(後述する)の差込口(受入金具)30aが設けられるとともに、ディジタル表示器32には前記バッテリ37の劣化状態(電池残量)を表示する機能が具備されている。すなわち、ディジタル表示器32の下部には、劣化状態をライン表示(例えば、電池残量のパーセントを三角形状で表わすようにしたもの)し得る劣化表示部(電池残量表示部)32aが設けられている。またバッテリ37により、ランプ部31,33と、ディジタル表示器32と、無線機36と、表示器コントローラ35に給電され、またバッテリ37は、前記充電器46により充電される。
【0039】
第1ランプ部31と第2ランプ部33は、表示器本体30の表面から突出した、赤色,緑色,黄色,白色の4色で点灯・点滅が可能なランプ38と、各ランプ38をカバーするカバー39A,39Bから構成されている。また第1ランプ部31と第2ランプ部33のランプ38は同一のランプ(ランプの取付金具を含む)を使用しており、相互に付け替え可能な構造となっている。
前記カバー39Aは、容器搬送方向の下流側からランプ38の点灯状態を認識でき、且つ正面から認識できないように、容器搬送方向のみが開放されているカバーであり、また前記カバー39Bは逆に、正面からランプ38の点灯・点滅状態を認識でき、且つ容器搬送方向の下流側から認識できないように、正面が開放されているカバーである。
【0040】
また表示器コントローラ35に、これらランプ部31,33のランプ38と、ディジタル表示器32と、第1RFID34Aと、第2RFID34Bと、アンテナ内蔵の無線機36が接続されている。
表示器コントローラ35は、第1RFID34Aに書き込まれたオーダー・ナンバー(後述する)と、第2RFID34Bに書き込まれた独自の識別符号(ID)と、無線機36により入力した指令信号・データ(詳細は後述する)に基づいて、ランプ部31,33のランプ38の色と点灯・点滅・消灯(点灯なし)、およびディジタル表示器32の表示を制御している。
また表示器コントローラ35は、バッテリ37の電圧を検出し、電池残量を検出する検出手段としての機能を有しており、バッテリ37の電圧を確認し、バッテリ37の電圧により、バッテリ37の残量(%)を検出して劣化表示部(電池残量表示部)32aへ表示し、また出力している。また駆動中にエラーが発生すると、エラーを出力している。さらに表示器コントローラ35は、バッテリ37の充電機能を有しており、後述する充電中ランプ点灯データを入力すると、第2ランプ部33のランプ38を赤色に点灯し、バッテリ37の電圧がフル充電の電圧となると、充電を停止し、第2ランプ部33のランプ38を消灯する。
またディジタル表示器32には、直進搬送ライン21によりストレージラインAを投入表示器26、すなわち集品容器10が移動中には、第1RFID34Aに書き込まれた「オーダー・ナンバー」、または白黒を反転させた「オーダー・ナンバー」が表示される。
【0041】
また無線機36は、第1RFID34Aに書き込まれたオーダー・ナンバーと第2RFID34Bに記憶された識別番号を入力・確認しており、次の機能を有している。
・通信コントローラ52より、オーダー・ナンバーが付されたピッキング表示データ(後述する)を受信すると、オーダー・ナンバーにより自分宛のデータかを確認し、確認すると、ピッキング表示データを表示器コントローラ35へ出力し、データを受信したことを知らせる、オーダー・ナンバーを付したリターン(返信)信号を、通信コントローラ52へ送信する。
・通信コントローラ52より、識別信号が付されたコマンド信号(後述する)を受信すると、識別信号により自分宛のデータかを確認し、確認すると、表示器コントローラ35より出力されている電池残量のデータおよびエラーの有無のデータに、識別信号を付したアンサーデータ(返答データ)を、通信コントローラ52へ送信する。
【0042】
なお、詳細は後述しないが、封印エリアC、詰め替えエリアDを移動中には、無線機36により受信したデータによる、集品容器10に集品されている「物品11の総数」(検数;検品数量)が表示される。
【0043】
「RFIDリーダ/ライタ」;図1に示すように、投入表示器26に内蔵された第1RFID34Aに書き込まれたオーダー・ナンバーを読み取るRFIDリーダ(読み出し手段/読み取り手段の一例)42Aが、直進搬送ライン21に沿って、前記各ゾーンZの上流端(ゾーンZの境目)より少し上流側で、1つ上流のゾーンZの最下流のアキュムレーション部22の下流端(ゾーンZへの集品容器の搬入箇所)に、すなわち実質的にゾーンZの上流端毎に、容器搬送方向に移動可能に設けられている。このとき、図3に示すように、RFIDリーダ42Aの第1RFID34Aのデータの読み出し面は、投入表示器26(第1RFID34A)に対面して配置されている。
また第1RFID34Aに書き込まれたオーダー・ナンバーを消去し、集品容器10に新たに、割り付けられたオーダー・ナンバーを書き込むRFIDライタ42Bが、戻り搬送ライン21Bに沿って、戻り搬送ライン21Bの終端に設けられている。
【0044】
前記第1RFID34Aには、RFIDライタ42Bにより、ピッキング開始時点で(ストレージラインAへ入る前に)前記オーダー・ナンバーが書き込まれ、この時点で、表示器コントローラ35により第1RFID34Aに書き込まれたオーダー・ナンバーがディジタル表示器32に表示される。
また、第1RFID34Aに書き込まれたオーダー・ナンバーは、各RFIDリーダ42Aにより読み取られることにより、第1RFID34Aの位置、すなわち第1RFID34Aが組み込まれた投入表示器26の位置、すなわち投入表示器26を取り付けた集品容器10の位置(どのゾーンZを移動しているか)が特定される(詳細は後述する)。
また第2RFID34Bに書き込まれた識別番号を読み取る読取器(読取手段の一例)45が、戻り搬送ライン21Bに沿ってRFIDライタ42Bに近接してその上流位置に設けられている。
なお、上記RFIDリーダ42A,42B並びに読取器45としては、RFID34A,34Bの書き込み(IN)と読み出し(OUT)を同時に可能なRFIDリーダ/ライタを使用している。
【0045】
「アンテナ」;直進搬送ライン21の上方には、投入表示器26の無線機36との間で、データの送受信を行うためのアンテナ43(図9)が敷設されている。なお、封印エリアCの上方にもアンテナ43が敷設されている。
【0046】
『制御構成』;図8にピッキング設備の制御構成を示す。
ピッキング設備の制御手段として、上記ゾーンZ毎のゾーンコントローラ24に加えて、統括コントローラ51と、通信コントローラ52と、充電作業用コントローラ49が備えられている。
【0047】
「通信コントローラ52」;通信コントローラ52には、図9に示すように、ゾーンZ毎のゾーンコントローラ24と、統括コントローラ51と、充電作業用コントローラ49と、アンテナ43が接続された送受信装置53が接続され、通信コントローラ52は、前記送受信装置53、アンテナ43を介して、各投入表示器26の無線機36とデータの送受信を実行する。
この通信コントローラ52が各投入表示器26の無線機36と送受信するデータは、後述するピッキング表示データと、上述した、リターン信号、コマンド信号、およびアンサーデータと、後述する充電中ランプ点灯データである。
ピッキング表示データは、各ゾーンコントローラ24より入力するデータであり、そのまま転送し、リターン信号によりピッキング表示データが受信されたことを確認し、一定時間が経過しても、リターン信号を返ってこないとき、ピッキング表示データのオーダー・ナンバーを付したリターン無しデータを、統括コントローラ51へ出力する。
また所定時間毎に、各投入表示器26に対して、統括コントローラ51より入力する各投入表示器26の第2RFID34Bに書き込まれた識別番号(後述する)を付したコマンド信号を送信し、各投入表示器26からのアンサーデータを統括コントローラ51へ出力する。また一定時間が経過しても、アンサーデータを返ってこない投入表示器26が有るとき、この投入表示器26の識別番号を付したアンサー無しデータを、統括コントローラ51へ出力する。
【0048】
「統括コントローラ51」;統括コントローラ51には、図8に示すように、ゾーンZ毎のゾーンコントローラ24と、通信コントローラ52と、充電作業用コントローラ49が接続され、さらに直進搬送ライン21と、戻り搬送ライン21Bと、ゾーンZ毎のRFIDリーダ42Aと、RFIDライタ42Bと、読取器45が接続されている。
そして、統括コントローラ51には、予め、注文対象の物品11がそれぞれ格納されているゾーンZの間口16の配列データ(各物品11に対応するゾーンZの間口16のデータ)が設定されている。
統括コントローラ51は次の機能を有している。
(イ).ゾーンZ毎のゾーンコントローラ24と、通信コントローラ52へ作業の開始指令と終了指令を出力する。
(ロ).直進搬送ライン21と、戻り搬送ライン21Bを起動し、停止する。
(ハ).予め登録された各個別のユーザーからオーダー{注文:各仕分け先からの物品要求情報の一例;物品を特定する情報(例えば、物品の品種、物品名、物品コード等)と数量(個数)からなる単数または複数のデータ}を受け付けると、図10に示すように、オーダーを受けた予め登録されたユーザーの順に、ユーザーのオーダーに(あるいはユーザー、すなわち仕分け先の物品要求情報に)、連続したオーダー・ナンバー(独自の符号の一例)を割り付け、各ゾーンZのNo.1〜24の各間口16にオーダーの数量(ピッキング数量)を書き込み、ストレージラインAのピッキングデータを形成する。またピッキングが終了するゾーン・ナンバーを求めて記憶する。
(ニ).各ユーザーのオーダーに割り付けたオーダー・ナンバーと、形成したストレージラインAのピッキングデータ(ピッキングが終了するゾーン・ナンバーを含む)を、各ゾーンZのゾーンコントローラ24へ出力する。
【0049】
(ホ).ストレージラインAの上流に投入される各集品容器10にオーダー・ナンバーを割り付ける。このオーダー・ナンバー割付処理を図11に基づいて説明する。
図11に示すように、統括コントローラ51に、識別符号リスト作成部55と、投入表示器使用判定部56と、オーダー・ナンバー付与部57と、使用判定メモリ58と、上記ピッキングデータが記憶されたピッキングデータメモリ59と、識別符号リスト出力部60が設けられている。また統括コントローラ51は、オーダー・ナンバー割付処理の機能とともに投入表示器26(表示器コントローラ35)において検出され出力されるバッテリ37の残量(%)を監視する監視手段としての機能を有している。
使用判定メモリ58は、識別番号毎に、電池残量、電池残量による使用可能か否か(電池切れか否か)の判定結果、エラーの有無、リターンまたはアンサー信号(返答)の有無、使用可能か否かの判定結果、およびオーダー・ナンバーが記憶されるメモリである。
また前記識別符号リスト作成部55は、読取器45により読み取られた識別信号(ID)を、読み取られた順に、使用判定メモリ58に記憶する。このような各投入表示器26の識別信号の記憶・認識は、搬送ラインBにより全ての集品容器10が、例えばピッキング作業の開始時に一周させることにより行われる。
【0050】
また投入表示器使用判定部56は、通信コントローラ52から入力されるデータ・信号に基づいて、使用判定メモリ58を埋める形で実行する。
すなわち、通信コントローラ52から、各投入表示器26(表示器コントローラ35)より送信された、上記「電池残量のデータおよびエラーの有無のデータに、識別信号を付したアンサーデータ」を入力すると、まず識別信号に応じて、電池残量(%)のデータ(バッテリの電圧に相当)を使用判定メモリ58に記憶し、続いて、電池残量のデータが閾値(ピッキング作業中に、投入表示器26の表示を維持できる電池残量/バッテリ電圧)以上かどうかを判定し、以上のとき「電池OK」、未満のとき「電池切れ」と判定して使用判定メモリ58に記憶する。またエラー有りのとき、識別信号に応じて、「エラー有り」を使用判定メモリ58に記憶する。
また通信コントローラ52から、識別番号が付されたアンサー無し信号またはリターン無し信号のいずれかの信号が入力されていると、使用判定メモリ58に「返答無し」を記憶する。
そして、識別番号毎に、「電池切れ」または「エラー有り」または「返答無し」が記憶されている場合に、「使用不可」と判定して、使用判定メモリ58に記憶し、それ以外のとき、「使用OK」と判定して、使用判定メモリ58に記憶する。
このように、投入表示器使用判定部56は、各投入表示器26のバッテリ27の電池残量のデータを記憶し、電池残量のデータが閾値以上かを判定することで、各投入表示器26のバッテリ27の電池残量を監視している。またこの監視は、後述するオーダー・ナンバー付与部57により、各集品容器10にオーダー・ナンバーを付与する以前に実行されることにより、実際にピッキング作業が開始される前に、実行される。
【0051】
また前記オーダー・ナンバー付与部57は、読取器45により読み取られた識別信号(ID)を入力すると、この識別信号により使用判定メモリ58を検索して、「使用OK」かどうかを判断し、「使用OK」のとき、RFIDライタ42Bにより、第1RFID34Aが検出されると、以前に記憶されたオーダー・ナンバーを消去して、ピッキングデータメモリ59に記憶された、予め登録されたユーザーの順に、ユーザーのオーダーに割り当てられたオーダー・ナンバーをRFIDライタ42Bへ出力して第1RFID34Aに書き込ませる。これにより、ストレージラインAへ搬送される前に、投入表示器26を取り付けた集品容器10に、オーダー・ナンバーが割り付けられる。また割り付けたオーダー・ナンバーを使用判定メモリ58に記憶する。
また「使用不可」のとき、RFIDライタ42Bにより、第1RFID34Aが検出されると、以前に記憶されたオーダー・ナンバーを消去して、そのまま通過させ、ストレージラインAへ搬送される前に、物品投入対象から外される(離脱される)。
【0052】
これにより、図12に示すように、RFIDライタ42Bにより、電池切れの投入表示器26を取り付けた集品容器10a、またはエラーが発生した投入表示器26を取り付けた集品容器10b、または返答がない(すなわち、異常が発生した、あるいは電池残量がゼロとなった)投入表示器26を取り付けた集品容器10cには、オーダー・ナンバーが割り付けられることはなく、ストレージラインAへ搬入されていく。したがって、これら集品容器10a,10b,10cからは、各ゾーンZに設けた第1RFID34Aにより、オーダー・ナンバーが検出されないことにより、見かけ上、ゾーンZに存在しないもの(物品投入対象外)と見なされ、物品11が投入(集品)されることはなく、空箱の状態で搬送されていく。
また識別符号リスト出力部60は、使用判定メモリ58に記憶された順に識別符号を充電作業用コントローラ49へ出力する。
【0053】
(ヘ)各ゾーンZにて搬送されている集品容器10(第1RFID34Aに記憶されているオーダー・ナンバー)を検出して、各ゾーンコントローラ24へ出力する。このゾーンZ内の集品容器10の検出処理を、図13に基づいて説明する。
図13に示すように、統括コントローラ51に、ゾーンZ毎に、上流から下流に向けて位置する(移動してきている)各集品容器10に取り付けられた投入表示器26の第1RFID34Aに書き込まれたオーダー・ナンバーを搬送順(上流側から下流側へ)に記憶するゾーンメモリ61−(1)〜61−(M)(Mは最も下流のゾーン・ナンバー)と、各ゾーンメモリ61−(1)〜61−(M)毎に、記憶するオーダー・ナンバーを更新するゾーンメモリ更新部62−(1)〜62−(M)と、各ゾーンメモリ61−(1)〜61−(M)に記憶されたゾーンZのオーダー・ナンバーを各ゾーンコントローラ24へ出力するゾーン送信部64が設けられている。ゾーン(n)を例として、ゾーンメモリ更新部62の機能を説明する。
【0054】
ゾーンメモリ更新部62−(n)には、登録データとして、担当するゾーン(以下、自ゾーンと称す)Zの自ゾーンRFIDリーダ42A−(n)により読み取られたオーダー・ナンバーが入力され、消去データとして、下流ゾーンZの下流ゾーンRFIDリーダ42A−(n+1)により読み取られたオーダー・ナンバーが入力されている。
ゾーンメモリ更新部62−(n)は、自ゾーンZのRFIDリーダ42A−(n)よりオーダー・ナンバーを入力すると、このオーダー・ナンバーを最も上流の集品容器10のオーダー・ナンバーとしてゾーンメモリ61−(n)に記憶し、以前に記憶しているオーダー・ナンバーを順に下流側へ移動する。また隣接する下流ゾーンZのRFIDリーダ42A−(n+1)のオーダー・ナンバー(消去データ)を入力すると、消去データのオーダー・ナンバーをゾーンメモリ61−(n)より消去して、以前に記憶しているオーダー・ナンバーを順に下流側へ移動する。またゾーンメモリ61−(n)を更新したとき、更新信号を、ゾーン送信部64へ出力する。
このように、各ゾーンZにおいて、RFIDリーダ42Aにより読み出されたオーダー・ナンバーが順にゾーンメモリ61−(1)〜61−(M)に記憶されていることにより、各ゾーンZにおいて上流より下流に向けて搬送されている、投入表示器26を取り付けた集品容器10が順に特定される。またRFIDリーダ42Aからのオーダー・ナンバーの入力により、各ゾーンZに位置する集品容器10のオーダー・ナンバーを記憶していることから、RFIDリーダ42Aの取付位置を上流側、あるいは下流側にスライド(移動)することにより、ゾーンZの大きさ(範囲)を可変することができる。
【0055】
また前記ゾーン送信部64は、各ゾーンメモリ更新部62−(1)〜62−(M)より更新信号を入力すると、各ゾーンメモリ61−(1)〜61−(M)に記憶されたゾーンZのオーダー・ナンバーを、各ゾーンコントローラ24へ出力する。
各ゾーンコントローラ24は、このゾーン送信部64の出力により、常に更新された、各ゾーンZにて搬送されている集品容器10(第1RFID34Aに記憶されているオーダー・ナンバー)を認識することができる。
【0056】
(ト)ピッキング作業が終了すると、充電作業用コントローラ49へ充電開始信号を出力し、充電作業用コントローラ49より入力された、後述する前回充電表示器識別番号に応じて、今回充電対象となる先頭の投入表示器26の識別番号を認識し、直進搬送ライン21および戻り搬送ライン21Bを駆動して、前記先頭の識別符号の投入表示器26を取り付けた集品容器10を、充電エリアFBの所定の充電位置(イ)(図1参照)まで移動する。
【0057】
このように、統括コントローラ51において、搬送ライン21,21Bの起動・停止が実行され、さらに各ユーザーからの注文(オーダー)が入力されると、ストレージラインAのピッキングデータ(ゾーンZ毎のピッキングデータ)が形成され、ゾーンコントローラ24へ出力される。また各集品容器10(投入表示器26)にオーダー・ナンバーが割り付けられ、また各ゾーンZに搬送されてきている集品容器10のオーダー・ナンバーが特定される。またピッキング作業が終了すると、充電対象のバッテリ37を内蔵した投入表示器26が取り付けられた集品容器10が充電エリアFBへ搬送される。
【0058】
「充電作業用コントローラ49」;前記充電作業用コントローラ49には、図14に示すように、
前回最後に充電が行われた充電済みの投入表示器26の識別番号(前回充電表示器識別番号と称す)を記憶する充電済表示器記憶部66と、
充電すべき個数(充電個数)を任意に設定し得る充電個数設定部67と、
統括コントローラ51より充電開始信号を入力すると、前記充電済表示器記憶部66からの前回充電表示器識別番号および前記充電個数設定部67からの充電個数を入力し、さらに前記統括コントローラ51にて認識された全ての投入表示器26の識別番号を入力して、充電対象となる所定個数の投入表示器26を決定する充電対象表示器決定部68と
が設けられている。
またこの充電対象表示器決定部68からは、前回充電表示器識別番号が統括コントローラ51に送られて、上述したように、統括コントローラ51により、先頭の投入表示器26が取り付けられた集品容器10が充電エリアFBの所定の充電位置(イ)(図1参照)に停止される。
このとき、充電すべき所定個数つまり10個のバッテリ37に係る投入表示器26の識別番号がそれぞれ付された充電中ランプ点灯データを作成して、通信コントローラ52へ出力し、送受信装置53、アンテナ43および無線機36を介してそれぞれの投入表示器26(表示器コントローラ35)に送られて第2ランプ部33のランプ38が赤色に点灯するようにされ、充電対象であることが明示される(後述する)。
また、第2ランプ部33のランプ38は、充電中においても点灯されるように構成されている。したがって、充電用プラグ48aが差込口30aに差し込まれると、表示器コントローラ35により充電中は点灯され、充電完了後は消灯される。
【0059】
「ゾーンコントローラ24」;各ゾーンコントローラ24は、直進搬送ライン21により搬送されている集品容器10に対して、対応する自ゾーンZの間口16から物品11を取り出して投入するピッキング作業を制御するコントローラであり、各ゾーンコントローラ24には、図15に示すように、自ゾーンZの24台の間口表示器19、自ゾーンZのテープスイッチ23、さらに自ゾーンZの最下流のアキュムレーション部22、通信コントローラ52、および統括コントローラ51が接続されている。
【0060】
また各ゾーンコントローラ24には、予め、自ゾーンZを特定するナンバー(ゾーン・ナンバー)が設定され、さらに自ゾーンZの間口16の配列および各間口16に収納されている物品11のデータ(配列データ)が設定され、また統括コントローラ51より、ユーザーに割り付けられたオーダー・ナンバー、およびピッキングデータが入力される。
ゾーンコントローラ24は、自ゾーンZに対して、通常ピッキング制御、すなわち自ゾーンZ内を搬送されている集品容器10を物品投入対象として指定し、自ゾーンZの間口16から取り出した物品11を前記指定した集品容器10へ投入し、自ゾーンZのテープスイッチ23の操作により作業完了を確認する作業を制御する。さらに自ゾーンZ内を搬送されている集品容器10に対するピッキング作業が無いとき、上流ゾーンZへの先行ピッキング作業、すなわち上流ゾーンZ内を搬送されている集品容器10を物品投入対象として指定し、自ゾーンZの間口16から取り出した物品11を前記指定した上流ゾーンZの集品容器10へ投入し、自ゾーンZのテープスイッチ23の操作により作業完了を確認する作業を制御する。
【0061】
「ゾーンコントローラ24の制御構成」;ゾーンコントローラ24の上記制御を実現する制御構成図を図16に示す。
ゾーンコントローラ24は、
上記配列データ、各ユーザーに割り当てられたオーダー・ナンバー、ピッキングデータ(ピッキングが終了するゾーン・ナンバーを含む)、およびピッキングデータによるピッキング作業が終了しているか否かが記憶されるピッキングメモリ71と、
上流ゾーンZに上流から下流に向けて位置する(移動してきている)、最大6個の各集品容器10に取り付けられた投入表示器26の第1RFID34Aに書き込まれたオーダー・ナンバーが記憶される上流ゾーンメモリ72と、
自ゾーンZに上流から下流に向けて位置する最大6個の各集品容器10の同様のオーダー・ナンバーが記憶される自ゾーンメモリ73と、
データ処理部74と、上流ゾーンメモリ更新部75と、自ゾーンメモリ更新部76と、上流ゾーン先行表示制御部77と、自ゾーン表示制御部78と、ピッキング制御部79と、前送り許可制御部80と、残像表示制御部82と、から構成されている。
【0062】
「データ処理部74」;データ処理部74は、前記ピッキングメモリ71へ、統括コントローラ51から入力された上記各ユーザーに割り当てられたオーダー・ナンバー、およびピッキングデータを記憶する。
「上流ゾーンメモリ更新部75」;上流ゾーンメモリ更新部75は、自ゾーンZのゾーン・ナンバーを記憶しており、また上流ゾーンメモリ更新部75には、統括コントローラ51より出力された各ゾーンメモリ61のデータが入力され、上流ゾーンメモリ72を更新する。すなわち、統括コントローラ51より出力された各ゾーンメモリ61のデータのうち、上流ゾーンZに相当するゾーンメモリ61のデータを上流ゾーンメモリ72に書き込む。
「自ゾーンメモリ更新部76」;自ゾーンメモリ更新部76は、自ゾーンZのゾーン・ナンバーを記憶しており、また自ゾーンメモリ更新部76には、統括コントローラ51より出力された各ゾーンメモリ61のデータが入力され、自ゾーンメモリ73を更新する。すなわち、統括コントローラ51より出力された各ゾーンメモリ61のデータのうち、自ゾーンZに相当するゾーンメモリ61のデータを自ゾーンメモリ73に書き込む。
【0063】
「自ゾーン表示制御部78」;自ゾーン表示制御部78は、自ゾーンメモリ73に記憶されているオーダー・ナンバーを確認し、各オーダー・ナンバーにより、ピッキングメモリ71を検索して、ピッキングデータの有無(自ゾーンZの間口16よりピッキングして自ゾーンZに位置する集品容器10へ投入する物品11が有るか否か;ピッキング作業が終了している場合はピッキングデータ無し、と見なされる)を求める。
オーダー・ナンバーにピッキングデータが有れば(ピッキング作業が有れば)、そのオーダー・ナンバーを記憶し、さらに最も下流のオーダー・ナンバー(集品容器10)をピッキング作業対象のオーダー・ナンバー(集品容器)として決定し、そのオーダー・ナンバーに、自ゾーンZのナンバーを加えてピッキング制御部79へ出力する。またこのピッキング作業対象の集品容器10のオーダー・ナンバーを除いた他のオーダー・ナンバーに、黄色の色指定、自ゾーンZのナンバー、および点灯信号であることを加えた自ゾーン黄色点灯データを通信コントローラ52へ出力する。この自ゾーン点灯データに基づいて、第2ランプ部33のランプ38が黄色に点灯される(後述する)。
また検索してオーダー・ナンバーにピッキングデータが無ければ(ピッキング作業が無ければ)、オーダー・ナンバーに、自ゾーンZのナンバー、および消灯信号であることを加えた自ゾーン消灯データを通信コントローラ52へ出力し、ピッキングデータ無し信号を上流ゾーン先行表示制御部77へ出力する。前記自ゾーン消灯データに基づいて、第2ランプ部33のランプ38が消灯される(後述する)。
【0064】
「上流ゾーン先行表示制御部77」;上流ゾーン先行表示制御部77は、上流ゾーンメモリ72に記憶されているオーダー・ナンバーを確認し、各オーダー・ナンバーにより、ピッキングメモリ71を検索して、上流ゾーンのピッキングデータの有無(自ゾーンZの間口16よりピッキングして上流ゾーンZに位置する集品容器10へ投入する物品11が有るか否か;ピッキング作業が終了している場合はピッキングデータ無と見なされる)を求める。
オーダー・ナンバーにピッキングデータが有れば(ピッキング作業が有れば)、オーダー・ナンバーを記憶し、続いて自ゾーン表示制御部78より前記ピッキングデータ無し信号を入力しているかどうかを確認する。ピッキングデータ無し信号を確認すると、最も下流のオーダー・ナンバー(集品容器10)をピッキング作業対象のオーダー・ナンバー(集品容器)として決定し、そのオーダー・ナンバーに、上流ゾーンZのナンバー(自ゾーンZのナンバーより1を減算)を加えてピッキング制御部79へ出力する。
またこのピッキング作業対象の集品容器10のオーダー・ナンバーを除いた他のオーダー・ナンバーに、黄色の色指定、上流ゾーンZのナンバー、および点灯信号であることを加えた上流ゾーン黄色点灯データを通信コントローラ52へ出力する。また検索してオーダー・ナンバーにピッキングデータが無ければ(ピッキング作業が無ければ)、オーダー・ナンバーに、上流ゾーンZのナンバー、および消灯信号であることを加えた上流ゾーン消灯データを通信コントローラ52へ出力する。前記上流ゾーン点灯データに基づいて、第1ランプ部31のランプ38が黄色に点灯され、また前記上流ゾーン消灯データに基づいて、第1ランプ部31のランプ38が消灯される(後述する)。
【0065】
「ピッキング制御部79」;ピッキング制御部79は、自ゾーン表示制御部78または上流ゾーン先行表示制御部77より、ピッキング作業対象の集品容器10のオーダー・ナンバーを入力すると、このオーダー・ナンバーによりピッキングメモリ71のピッキングデータを検索し、続いて入力したオーダー・ナンバーに、自ゾーンZの独自の色(赤色または緑色)指定、自ゾーンZのナンバーまたは上流ゾーンZのナンバー、および点灯信号であることを加えた自ゾーンピッキング点灯データ、または上流ゾーンピッキング点灯データを通信コントローラ52へ出力する。
この自ゾーンピッキング点灯データに基づいて、第2ランプ部33のランプ38が赤色または緑色に点灯され、また上流ゾーンピッキング点灯データに基づいて、第1ランプ部31のランプ38が赤色または緑色に点灯される(後述する)。
続いて検索したピッキング作業対象の集品容器10のピッキングデータにしたがって、間口表示器19により、ランプ38の色(赤色または緑色)を指定して物品11を取り出す間口16と取り出す物品11の数量を表示する。
そして、表示した全ての間口表示器19の完了押釦スイッチ19Bの操作により、間口16からの物品11の取り出しを確認し、あるいは間口表示器19の欠品スイッチ19Cの操作により、間口16からの物品11の取り出しができないこと(欠品)を確認すると物品11の取り出しは終了した(物品取り出し終了)と認識する。
続いて、テープスイッチ23の操作信号の入力(操作手段の操作終了信号の入力の一例)を確認すると、ゾーンZおける集品容器10へのピッキング作業終了と認識する。
なお、上記テープスイッチ23が操作され、その操作信号を入力すると、物品取り出し終了かどうかを確認し、物品取り出し終了の確認の前に、操作されていると、投入表示器26に物品取り出しが終了していないことを表示するために、自ゾーンピッキング点灯データを、ランプの点滅に切り替えた自ゾーンピッキング点滅データとして、あるいは上流ゾーンピッキング点灯データを、ランプの点滅に切り替えた上流ゾーンピッキング点滅データとして通信コントローラ52へ出力する。この前記自ゾーンピッキング点滅データに基づいて、第2ランプ部33のランプ38が赤色または緑色に点滅され、あるいは前記上流ゾーンピッキング点滅データに基づいて、第1ランプ部31のランプ38が赤色または緑色に点滅される(後述する)。
【0066】
ピッキング作業終了を認識すると、実行したピッキングメモリ71のピッキングデータをピッキング作業終了とし、ピッキング作業が終了したオーダー・ナンバーを、前送り許可制御部80へ出力し、続いてピッキングデータにおいて、自ゾーンZがピッキング終了ゾーンに設定されているかどうかを確認する。自ゾーンZがピッキング終了ゾーンに設定されている場合、オーダー・ナンバーに、白黒反転した“オーダー・ナンバー”(“物品の投入終了”の表示の一例)表示指令、および消灯信号であることを加えたゾーン終了消灯データを通信コントローラ52へ出力する。
なお、間口表示器19の欠品スイッチ19Cの操作により、間口16からの物品11の取り出しができないこと(欠品)を確認した場合、統括コントローラ51へ、上述した欠品データ、すなわち、欠品が発生した、オーダー・ナンバー、自ゾーンZのナンバー(ゾーン・ナンバー)、欠品スイッチ19Cが操作された間口16のナンバー、およびピッキング予定の数量からなるデータを出力する。
【0067】
「前送り許可制御部80」;前送り許可制御部80は、自ゾーンメモリ73の最下流のオーダー・ナンバーにより、ピッキングメモリ71のピッキングデータを検索して、ピッキング作業の有無を確認し、ピッキング作業無しのとき、上記特定したアキュムレーション部22へ上記前送り許可信号を出力する。またピッキング作業有りのとき、ピッキング制御部79より、ピッキング作業が終了したオーダー・ナンバーを入力するまで待ち、自ゾーンZと見なすアキュムレーション部22から、ピッキング作業が終了していない集品容器10が下流ゾーンZへ移動することを阻止し、オーダー・ナンバーを入力すると、このオーダー・ナンバーが自ゾーンメモリ73の最下流のオーダー・ナンバーと一致するかどうかを確認し、一致すると、上記特定したアキュムレーション部22へ上記前送り許可信号を出力する。
【0068】
「残像表示制御部82」;残像表示制御部82は、各ゾーンZにおいてピッキング作業が終了した集品容器10に取り付けられた投入表示器26の第1ランプ部31または第2ランプ部33のランプ38を、「白」色に点灯させることによりピッキング作業の残像を表示(投入確認表示の一例)する制御部である。残像表示制御部82は、図17に示すように、上流ゾーン残像点灯部86と、上流ゾーン残像消灯部87と、自ゾーン残像点灯部88と、自ゾーン残像消灯部89から構成されている。
【0069】
<上流ゾーン残像点灯部86>;上流ゾーン残像点灯部86は、一定の時間(スキャン時間)毎に、上流ゾーンメモリ72に記憶されているオーダー・ナンバーにより、ピッキングメモリ71を検索して、記憶されているピッキングデータが「ピッキング作業終了」となっているか否かを確認する。{上述したように、ピッキング制御部79により、テープスイッチ23の操作によってゾーンZおける集品容器10へのピッキング作業終了を確認し、確認すると、実行したピッキングメモリ71のピッキングデータ(オーダー・ナンバーを含む)を「ピッキング作業終了」としている。}
上流ゾーンZにおいてピッキング作業終了であることを確認すると、オーダー・ナンバーを上流ゾーン残像消灯部87に出力し、またオーダー・ナンバーに、上流ゾーンZのナンバー、および白色の点灯であることを加えた上流ゾーン白色点灯データを、通信コントローラ52へ出力する。
<上流ゾーン残像消灯部87>;上流ゾーン残像消灯部87は、上流ゾーン残像点灯部86より入力したオーダー・ナンバーを記憶し、一定の時間(スキャン時間)毎に、記憶したオーダー・ナンバーにより、上流ゾーンメモリ72を検索し、上流ゾーンメモリ72より消えたかどうか、すなわち集品容器10が上流ゾーンZより自ゾーンZへ移動したかどうかを確認する。確認すると、オーダー・ナンバーに、上流ゾーンZのナンバー、および白色の消灯であることを加えた上流ゾーン白色消灯データを、通信コントローラ52へ出力し、記憶していたオーダー・ナンバーを消去する。
【0070】
<自ゾーン残像点灯部88>;自ゾーン残像点灯部88は、一定の時間(スキャン時間)毎に、自ゾーンメモリ73に記憶されているオーダー・ナンバーにより、ピッキングメモリ71を検索して、記憶されているピッキングデータが「ピッキング作業終了」となっているか否かを確認する。
自ゾーンZにおいてピッキング作業終了であることを確認すると、オーダー・ナンバーを自ゾーン残像消灯部89に出力し、またオーダー・ナンバーに、自ゾーンZのナンバー、および白色の点灯であることを加えた自ゾーン白色点灯データを、通信コントローラ52へ出力する。
<自ゾーン残像消灯部89>;自ゾーン残像消灯部89は、自ゾーン残像点灯部88より入力したオーダー・ナンバーを記憶し、一定の時間(スキャン時間)毎に、記憶したオーダー・ナンバーにより、自ゾーンメモリ73を検索し、自ゾーンメモリ73より消えたかどうか、すなわち集品容器10が自ゾーンZより下流ゾーンZへ移動したかどうかを確認する。確認すると、オーダー・ナンバーに、自ゾーンZのナンバー、および白色の消灯であることを加えた自ゾーン白色消灯データを、通信コントローラ52へ出力し、記憶していたオーダー・ナンバーを消去する。
【0071】
上記構成により、上流ゾーンメモリ72と自ゾーンメモリ73とに記憶されているオーダー・ナンバーにより、ピッキングメモリ71を検索して、記憶されているピッキングデータが「ピッキング作業終了」となっているか否かどうかが確認され、ピッキング作業終了であることが確認されると、上流ゾーンメモリ72に記憶されているオーダー・ナンバーの場合、前記上流ゾーン白色点灯データが、通信コントローラ52へ出力され、前記オーダー・ナンバーが上流ゾーンメモリ72より消えると、前記上流ゾーン白色消灯データが、通信コントローラ52へ出力される。また自ゾーンメモリ73に記憶されているオーダー・ナンバーの場合、前記自ゾーン白色点灯データが、通信コントローラ52へ出力され、前記オーダー・ナンバーが自ゾーンメモリ73より消えると、前記自ゾーン白色消灯データが、通信コントローラ52へ出力される。
【0072】
また前記通信コントローラ52は、各ゾーンコントローラ24より、ピッキング表示データ(自ゾーンZに関する、上記自ゾーンピッキング点灯データ、自ゾーン黄色点灯データ、自ゾーンピッキング点滅データ、自ゾーン消灯データ、自ゾーン白色点灯データ、自ゾーン白色消灯データ、ゾーン終了消灯データ、または上流ゾーンZに関する、上流ゾーンピッキング点灯データ、上流ゾーン黄色点灯データ、上流ゾーンピッキング点滅データ、上流ゾーン消灯データ、上流ゾーン白色点灯データ、上流ゾーン白色消灯データ)を入力すると、あるいは充電作業用コントローラ49より上記充電中ランプ点灯データを入力すると、送受信装置53およびアンテナ43を介して、発信する。
ピッキング表示データが、投入表示器26の無線機36により受信されると、無線機36は、受信したデータのオーダー・ナンバーにより、受信データが自分宛かどうかを確認し、確認すると、表示器コントローラ35へ出力し、また充電中ランプ点灯データが無線機36により受信されると、無線機36は、受信したデータの識別符号により受信データが自分宛かどうかを確認し、確認すると、表示器コントローラ35へ出力する。
表示器コントローラ35は、受信データにしたがって、“オーダー・ナンバー”をディジタル表示器32へ表示し、あるいはゾーン終了消灯データのときには白黒反転した“オーダー・ナンバー”をディジタル表示器32へ表示し、下記のように第2ランプ部33および第1ランプ部31のランプ38を点灯/点滅/消灯する。なお、第2ランプ部33は、自ゾーンZにおけるピッキング作業の表示、充電中の表示に使用され、また第1ランプ部31は、自ゾーンZに隣接する上流ゾーンZにおけるピッキング作業の表示に使用される。また白色または黄色を点灯するときを除いて、ゾーンZのナンバーが奇数のとき赤色、偶数のとき緑色で点灯・点滅しているものとする。
・自ゾーンピッキング点灯データ…第2ランプ部33のランプ38を点灯。
・充電中ランプ点灯データ…第2ランプ部33のランプ38を赤色に点灯。
・自ゾーン消灯データまたはゾーン終了消灯データまたは自ゾーン白色消灯データ…第2ランプ部33のランプ38を消灯。
・自ゾーン黄色点灯データ…第2ランプ部33のランプ38を黄色に点灯。
・自ゾーンピッキング点滅データ…第2ランプ部33のランプ38を点滅。
・自ゾーン白色点灯データ…第2ランプ部33のランプ38を白色に点灯。
・上流ゾーンピッキング点灯データ…第1ランプ部31のランプ38を点灯。
・上流ゾーン消灯データまたは上流ゾーン白色消灯データ…第1ランプ部31のランプ38を消灯。
・上流ゾーン黄色点灯データ…第1ランプ部31のランプ38を黄色に点灯。
・上流ゾーンピッキング点滅データ…第1ランプ部31のランプ38を点滅。
・上流ゾーン白色点灯データ…第1ランプ部31のランプ38を白色に点灯。
【0073】
このように、自ゾーンに位置する集品容器10に取り付けられた投入表示器26の第2ランプ部33のランプ38は、赤色または緑色または黄色で点灯/点滅/消灯され、赤色または緑色の点灯(投入対象表示の一例)で、今、ピッキング作業実行対象の集品容器10であることが表示され、黄色の点灯で、ピッキング作業予定の集品容器10であることが表示され、消灯で、ピッキング作業の対象でない集品容器10であることが表示され、第2ランプ部33により、投入表示器26を取り付けた、自ゾーンZに位置する集品容器10が、自ゾーンZにおいて取り出された物品投入対象の集品容器であるか否かが示される。
また赤色または緑色の点滅で、物品11の取り出し作業が全て終了していないのに、テープスイッチ23が操作されたことが表示され、まだ物品11の取り出しが終了していないことが表示される。
また同第2ランプ部33のランプ38の白色の点灯(投入確認表示の一例)により、自ゾーンZに位置する集品容器10が、自ゾーンZにおいて物品11の投入対象の集品容器で、且つピッキング作業が終了したことが示される。
【0074】
また上流ゾーンZに位置する集品容器10に取り付けられた投入表示器26の第1ランプ部31のランプ38は、赤色または緑色または黄色で点灯/点滅/消灯され、赤色または緑色の点灯(投入対象表示の一例)で、今、ピッキング作業実行対象の集品容器10であることが表示され、黄色の点灯で、ピッキング作業予定の集品容器10であることが表示され、消灯で、ピッキング作業の対象でない集品容器10であることが表示され、第1ランプ部31により、投入表示器26を取り付けた、上流ゾーンZに位置する集品容器10が、自ゾーンZにおいて取り出された物品11の投入対象の集品容器であるか否かが示される。
また赤色または緑色の点滅で、物品11の取り出し作業が全て終了していないのに、テープスイッチ23が操作されたことが表示され、まだ物品11の取り出しが終了していないことが表示される。
また同第1ランプ部31のランプ38の白色の点灯(投入確認表示の一例)により、上流ゾーンZに位置する集品容器10が、上流ゾーンZにおいて物品11の投入対象の集品容器で、且つピッキング作業が終了したことが示される。
【0075】
なお、投入表示器26の第2ランプ部33のランプ38の状態(点灯/点滅/消灯の状態)は、自ゾーン表示制御部78と残像表示制御部82により制御され、また第1ランプ部31のランプ38の前記状態は、上流ゾーン先行表示制御部77と残像表示制御部82により制御されていることにより、集品容器10が上流のゾーンZから下流のゾーンZへ移動されたとき、この投入表示器26の第1ランプ部31および第2ランプ部33のランプ38の前記状態は、同時に見直され、第1ランプ部31および第2ランプ部33のランプ38の両方の前記状態が同時に更新されることになる。
【0076】
「ストレージラインAにおける集品容器10の移動動作」;上記直進搬送ライン21の構成と、ゾーンコントローラ24の構成によるゾーンZ毎の集品容器10の移動動作は、次のようになる。
a.ゾーンZ内では、空きのアキュムレーション部22があると、前詰めされる。
b.ゾーンZに渡る移動は、ピッキング作業対象ではない集品容器10のとき、無条件で、自ゾーンZのゾーンコントローラ24より前送り許可信号が出力され、下流ゾーンZの上流に空きのアキュムレーション部22が発生すると移動する。
c.ゾーンZに渡る移動は、ピッキング作業対象の集品容器10のとき、ゾーンZのゾーンコントローラ24より前送り許可信号が出力されるまで、すなわちピッキング作業が終了するまで、下流のゾーンZの上流に空きのアキュムレーション部22が発生したとしても移動することはなく停止し、ピッキング作業が終了していない最下流の集品容器10が下流のゾーンZへ移動してしまうことが阻止され、前送り許可信号の出力により、はじめて下流のゾーンZへ移動する(下流のゾーンZの上流に空きのアキュムレーション部22が発生していることが条件)。
このように、ゾーンZを渡ることが可能な(許可されている)集品容器10は、ゾーンZに渡って移動するとき、下流のゾーンZが詰まっている場合(空きのアキュムレーション部22が無い場合)には待機し、下流のゾーンZの上流に空きのアキュムレーション部22が発生した状態になれば移動する。
【0077】
「ピッキング作業」;ゾーンコントローラ24の構成による「ピッキング作業」の作用を、ゾーンZに配置された作業者Hのピッキング作業動作とともに説明する。
図4に示すように、自ゾーンZに位置する集品容器10に取り付けられた投入表示器26の第2ランプ部33のランプ38は、点灯または点滅または消灯し、赤色または緑色の点灯によりピッキング作業実行、黄色の点灯によりピッキング作業有り、消灯によりピッキング作業無しが表示され、このとき、自ゾーンZと見なされる各間口表示器19が表示される。また点滅により、テープスイッチ23が物品11の取り出しが全て終了していないのに操作されたことが表示される。
自ゾーンZに配置された作業者Hは、各間口表示器19の表示に基づいて、集品容器10へ投入する物品11を収納箱12より取り出して、取り出す毎に、間口表示器19の完了押釦スイッチ19Bを押し、間口表示器19の表示の消灯を確認して、物品11を取り出し、振り返って、自ゾーンZに搬送されてきており、且つ第2ランプ部33のランプ38が赤色または緑色に点灯している投入表示器26が取り付けられた集品容器10へ投入する(ピッキング作業を実行する)。(なお、欠品の場合は、間口表示器19の欠品スイッチ19Cを押す。)そして、全ての物品11の投入が終了すると、自ゾーンZのテープスイッチ23を押し、対象の集品容器10に対するピッキング作業を終了する。
このように、第2ランプ部33のランプ38は、投入表示器26が取り付けられた集品容器10が自ゾーンZに位置するとき、自ゾーンZからのみ見ることが可能で、ピッキング作業を可能とする自ゾーンランプを形成している。
またこのようにテープスイッチ23が操作されてピッキング作業を終了すると、ピッキング作業の対象であった集品容器10に取り付けられていた投入表示器26の第2ランプ部33のランプ38が、集品容器10が自ゾーンZを搬送されている間は、白色に点灯され、この集品容器10が投入作業対象であったことが表示(投入確認表示)される。
また第2ランプ部33のランプ38が点滅することにより、テープスイッチ23が、物品11の取り出しが全て終了していないのに操作されたことが表示され、よって、作業者Hは、物品11の取り出しが終了していないことを認識し、振返って各間口表示器19の表示を見直すことで、物品11の入れ忘れのミスが防止される。
【0078】
また上流ゾーンZに位置する集品容器10に取り付けられた投入表示器26の第1ランプ部31のランプ38(自ゾーンZからのみ見ることが可能)は、点灯または点滅または消灯し、赤色または緑色に点灯によりピッキング作業実行、黄色の点灯によりピッキング作業あり、消灯によりピッキング作業無しが表示される。
第1ランプ部31のランプ38の赤色または緑色に点灯しているとき、自ゾーンZに配置された作業者Hは、各間口表示器19の表示に基づいて、隣接する上流ゾーンZに位置し、第1ランプ部31のランプ38が赤色または緑色に点灯している投入表示器26が取り付けられた集品容器10に対して、自ゾーンZの間口16から取り出した物品11を投入する(上流ゾーンにおける先行ピッキング作業を実行する)。(なお、欠品の場合は、間口表示器19の欠品スイッチ19Cを押す。)そして、全ての物品11の投入が終了すると、テープスイッチ23を押し、対象の集品容器10に対するピッキング作業を終了する。
このように、第1ランプ部31のランプ38は、投入表示器26が取り付けられた集品容器10が上流ゾーンZと見なす範囲に位置するとき、自ゾーンZからのみ見ることが可能で、先行ピッキング作業を可能とする先行ゾーンランプを形成している。
またこのようにテープスイッチ23が操作されてピッキング作業を終了すると、ピッキング作業の対象であった集品容器10に取り付けられていた投入表示器26の第1ランプ部31のランプ38が、集品容器10が上流ゾーンZを搬送されている間は、白色に点灯され、この集品容器10が投入作業対象であったことが表示(投入確認表示)される。
また第1ランプ部31のランプ38が点滅することにより、テープスイッチ23が、物品11の取り出しが全て終了していないのに操作されたことが表示され、よって、作業者Hは、物品11の取り出しが終了していないことを認識し、振返って各間口表示器19の表示を見直すことで、物品11の入れ忘れのミスが防止される。
【0079】
上記のように、作業者Hは、自ゾーンZから取り出した物品11を、自ゾーンZおよび上流ゾーンZにおいて搬送されている集品容器10に投入することができ、図4に示すように、作業者H毎に、連続した2つのゾーンZに渡って投入作業を行うことができる範囲が形成される。またこれより、最下流のゾーンZを除いて、最上流のゾーンZから、2人で集品容器10への投入作業を行うゾーンZが続き、最下流のゾーンZのみ作業者が1人で集品容器10への投入作業を行うゾーンZとなる。すなわち、作業者Hによって自ゾーンZおよび上流ゾーンZにおいてピッキング作業を実行可能としたことにより、各作業者Hがピッキング作業を実行可能なゾーンZは、最下流のゾーンZを除いて、隣り合うゾーンZが連続してずれて重なり合うように配置され、各ゾーンZにおいて、2人の作業者により、ピッキング作業が実行される。
またピッキング作業の実行終了により、この集品容器10へのピッキング作業が終了した場合、ディジタル表示器32に、白黒が反転した“オーダー・ナンバー”が表示される。
また投入表示器26のディジタル表示器(表示画面)32は、第2ランプ部33のランプ(自ゾーンランプ)38と第1のランプ部31のランプ(先行ゾーンランプ)38の中央に取り付けられることにより、投入表示器26が取り付けられた集品容器10に物品11を投入する作業者より最も、見やすくされている。
【0080】
「バッテリ37の充電作業」;バッテリ37の充電作業について説明する。
ピッキング作業が終了すると、統括コントローラ51から充電作業用コントローラ49に充電作業の開始信号(充電指示信号ともいえる)が出力される。
このとき、統括コントローラ51において、全ての投入表示器26の識別番号が読取器81にて読み取られて、それぞれの識別番号が認識されており、これら固有の識別番号が充電作業用コントローラ49に出力される。
充電作業用コントローラ49においては、充電済表示器記憶部66から前回充電表示器識別番号が統括コントローラ51に送られ、この統括コントローラ51にて先頭の投入表示器26が認識され(つまり、最後の充電済み投入表示器の上流側に配置されている投入表示器が認識される)、そして、この先頭の投入表示器26が設けられた集品容器10が充電位置(イ)にて停止される。
さらに、充電作業用コントローラ49においては、充電済表示器記憶部66から前回充電表示器識別番号および充電個数設定部67から充電個数(10個)が充電対象表示器決定部68に入力され、ここで、既に統括コントローラ51から送られた全ての投入表示器26の識別番号に基づき、今回充電すべき所定個数つまり10個の投入表示器26の識別番号が決定される。
【0081】
これら10個の識別番号が決定すると、充電中ランプ点灯データが形成されて、表示器コントローラ35に送られて、充電すべき10個の投入表示器26における各第2ランプ部33のランプ38が点灯されて、充電が行われる投入表示器26であることが明示される。このとき、充電が行われる10個の投入表示器26の識別番号、特に最後の投入表示器26の識別番号が新たな充電済み投入表示器26として充電済表示器記憶部66に記憶(更新)されて、次回の充電作業に備えられる。
そして、統括コントローラ51により、先頭の投入表示器26が設けられた集品容器10すなわち10台の集品容器10が充電ゾーンFBに停止されると、作業者は、第2ランプ部33のランプ38が点灯している投入表示器26をコンテナ25から取り外し、直ぐ近くに配置されている充電器46まで持ち運び、その充電用プラグ48aを各バッテリ37側の差込口30aに差し込み充電を行えばよい。
そして、次のピッキング作業を行う日、つまり次の稼動日の朝に充電用プラグ48aを差込口30aから取り外すとともに、充電が完了した全ての投入表示器26を集品容器10にそれぞれセットし、ピッキング作業を開始すればよい。
ところで、上述したように、1回の充電個数が10個に設定されているため、例えば集品容器の全個数が100個である場合には、稼動日でみれば10日毎に、統括コントローラ51、充電作業用コントローラ49などの制御装置(制御器)により、自動的に充電が行われる。勿論、この間隔(稼動日間隔)については、充電個数設定部67にて充電個数を変えることにより、変更することができる。
【0082】
以上のように、本実施の形態によれば、間口16から取り出した物品11を投入する集品容器10は、集品容器10とともに移動する投入表示器26の表示により示されることにより、従来のガイドランプのように、見にくくて、ピッキングした物品11を投入する集品容器10の誤認を招く恐れを解消でき、またバッテリ37で表示が実行されることにより、給電線等の外部からの給電が不要となり、集品容器10の移動を自在とすることができる。
また表示がバッテリ37からの給電によるために、電池切れが発生し、集品の実行中に表示が消えてしまうと、集品作業を続行できなくなるが、各投入表示器26のバッテリ37の残量を監視することにより、予め、集品作業中に電池切れが発生するかどうか予測することが可能となる。さらに、電池残量が上記閾値以上であることを条件として、集品容器10(投入表示器26の第1RFID34A)へオーダー・ナンバー(仕分け先の物品要求情報)を割り付けることにより、集品作業中に集品が出来なくなる恐れを解消できる。したがって、集品が途中で中断され、集品をやり直す必要が生じるなど、作業に支障が生じることを解消できる。なお、電池残量が上記閾値を下回ると、集品容器10へオーダー・ナンバーを割り付けないことにより、電池切れの投入表示器26を取付けた集品容器10への集品は実行されないことになる。またバッテリ37からの給電による表示が、集品の実行中に消えてしまうと集品作業を続行できなくなるので、前記閾値は、物品11の集品中に、投入表示器26の表示が消えない電池残量としている。
【0083】
また本実施の形態によれば、投入表示器26のディジタル表示器32の劣化表示部32aに表示される電池残量により、作業者Hは、集品作業に使用できるかどうかを判断できる。
また本実施の形態によれば、各ゾーンZにおいて、集品容器10に割り付けられたオーダー・ナンバーにより、ゾーンZ内を移動している集品容器10が特定されることにより、オーダー・ナンバーが割り付けられなかった集品容器10は、ゾーンZ内を移動していても、物品投入対象の集品容器10とは見なされず、空箱の状態で、移動していく。したがって、集品作業の途中で、集品が出来なくなり、集品をやり直す必要が生じるなど、作業に支障が生じることを解消できる。
【0084】
なお、本実施の形態では、図12に示すように、電池切れの投入表示器26を取り付けた集品容器10a、またはエラーが発生した投入表示器26を取り付けた集品容器10b、または返答がない(すなわち、異常が発生した、あるいは電池残量がゼロとなった)投入表示器26を取り付けた集品容器10cには、RFIDライタ42Bにより、オーダー・ナンバーが割り付けられることはなく、ストレージラインAへ搬入される。したがって、上述したように、集品容器10a,10b,10cは、見かけ上、ゾーンZに存在しないもの(物品投入対象外)と見なされ、物品11が投入(集品)されることはなく、空箱の状態で搬送されていくために、各ゾーンZにおけるピッキング作業待ちの時間(手待ち時間)が増える。そこで、図18に示すように、読取器(読取手段の一例)45の設置位置に、集品容器10の分岐装置91を設け、搬送ラインB(戻り搬送ライン21B)に、分岐装置91により分岐された集品容器10を搬送する分岐ライン92を設け、読取器45により読み取られた識別信号(ID)を入力すると、この識別信号により使用判定メモリ58を検索して、「使用OK」か「使用不可」かどうかを判断し、「使用不可」のとき、分岐装置91により集品容器10を分岐ライン92へ分岐し、ストレージラインAへ搬入されることを阻止するようにすることもできる。
これにより、電池切れと判定された投入表示器26を取り付けた集品容器10a、またはエラーが発生した投入表示器26を取り付けた集品容器10b、または返答がない投入表示器26を取り付けた集品容器10cは、フローラック15(ピッキング棚)へ搬送される前に、搬送ラインBより分岐される。したがって、各ゾーンZへ搬送されていく正常な集品容器10には全てオーダー・ナンバーが割り付けられ、全て物品投入対象の集品容器10となることから、手待ち時間が発生することが少なくなり、作業効率の改善を期待できる。
【0085】
また本実施の形態では、図6に示すように、ディジタル表示器32の下部に設けた劣化表示部(電池残量表示部)32aにより、劣化状態(電池残量)をラインで表示しているが、図19に示すように電池残量を表示し、視覚的に作業者Hにバッテリ37の状態を知らせることができる。これにより作業者Hは、視覚的に集品作業に使用するかどうかを判断できる。
すなわち、図19(a)に示すように、電池残量(%)を直接、数値(指標)で表示する。あるいは図19(b)に示すように、カラーによる表示が可能であるとして、電池残量が、例えば、40%以上で「青」ランプ(残量が十分に有る)、20%〜40%で「黄」ランプ(残量が少ない)、20%未満で「赤」ランプ(電池切れの可能性有り)を点灯することで、電池残量を、残量の割合に応じて区分される色にて表示する。あるいは図19(c)に示すように、ランプを表示して、連続点灯状態を示すことで(電池)残量が十分に有ること、ゆっくりした点滅状態を示すことで残量が少ないこと、断続点滅状態を示すことで電池切れの可能性有りとすることで、電池残量を、ランプの点滅状態にて表示する。
【0086】
また本実施の形態では、搬送ラインBを、1本の循環ラインにより構成しているが、複数、例えば平行に配置した2本の循環ラインにより構成することも可能である。
また本実施の形態では、第1RFID34Aにオーダー・ナンバーを記憶させ、このオーダー・ナンバーを読み取ることにより集品容器10を特定しているが、集品容器10にオーダー・ナンバーに対応するバーコード(符号の一例)が記載されたラベルを貼り付け、このバーコードをバーコードリーダ(読み取り手段の一例)で読み取ることにより、集品容器10を特定するようにすることもできる。
また本実施の形態では、投入表示器26を集品容器10に取り付けるようにしているが、図5(b)に示すように、投入表示器26を、集品容器10を載せるトレイ50に設けて、トレイ50を介して集品容器10に投入表示器26を設けるように(対応するように)してもよい。またこのような投入表示器26付きトレイ50を複数、搬送ラインBにより循環し、循環しているトレイ50に対して集品容器10を自動で投入し、自動で払い出す構成とすることもできる。
また本実施の形態では、作業者Hを挟んで、フローラック15と直進搬送ライン21を反対側に配置しているが、作業者Hに対して、ストレージラインA(フローラック15)と直進搬送ライン21を同じ側に配設するようにしてもよい。これにより、間口16より取り出した物品11を、取り出した(ピッキングした)手の軌道でそのままゾーンZに搬送されてきている集品容器10へ投入する(ピッキング作業を実行する)ことができ、作業性を向上させることができる。
また本実施の形態では、投入確認表示の色を白色としたが、作業者Hが投入確認表示を投入対象表示、その他の表示から明確に識別できればよく、紫色、青色などの色を投入確認表示の色として用いてもよい。
また本実施の形態では、ユーザーのオーダーに、連続したオーダー・ナンバーを割り付け、第1RFID34Aに書き込ませ、これにより、投入表示器26を取り付けた集品容器10にオーダー・ナンバーを割り付けているが、ユーザーまたはユーザーのオーダー、すなわち仕分け先または仕分け先の物品要求情報を、第1RFID34Aに直接書き込ませ、これにより、投入表示器26を取り付けた集品容器10に、仕分け先または仕分け先の物品要求情報を割り付けることも可能である。
また本実施の形態では、集品容器10としてコンテナを用いているが、この集品容器10は、投入表示器26を治具40により取り付け可能で、物品11を一時収納することができればどのような容器であってもよく、例えば、段ボール等を用いることができる。
また本実施の形態では、ユーザーのオーダーを特定する独自の符号として数字(オーダー・ナンバー)を使用しているが、バーコード、アルファベットなどの文字や絵文字等を使用することもできる。このとき、バーコード、文字や絵文字に順を決めて、その順にユーザーのオーダーに割り付けて、RFIDライタ42Bにより、第1RFID34Aへ書き込む。
また本実施の形態では、各ゾーンZに、1人の作業者Hを配置する構成としているが、各ゾーンZに複数(例えば、2人)の作業者Hを配置する構成とすることもできる。これにより、ゾーンZ内にピッキング対象の集品容器10が間を置くことなく搬入される状況にあっても、ゾーンZ内の作業速度が向上するため、各ゾーンZに集品容器10が滞留する恐れを低減でき、ピッキング作業の効率を向上できる。またゾーンZの作業者Hは、ピッキングした物品11を直接、集品容器10へ投入しているが(手動投入しているが)、ゾーンZ毎に、直進搬送ライン21上に、物品11の集品容器10への自動投入を行う自動投入装置を配置して物品11を自動投入するようにすることもできる。
また本実施の形態では、ゾーンZおよびゾーンZ毎に点灯するランプの色(間口表示器19の完了押釦スイッチ19Bのランプ、および投入表示器26の第1ランプ部31と第2ランプ部33のランプ38の色)を変えることにより、作業者Hが、自ゾーンZから取り出した物品11を投入する集品容器10を間違えることがないようにしているが、作業者Hが集品容器10を間違えることがないような方式であればどのような方式でもよく、例えば、ランプの光の強さを変えたりする方式としてもよい。またランプの色を増し、3つのゾーンZおよびゾーンZ毎にそれぞれ色を指定して交互に色が変化するようにすることもできる。
また本実施の形態では、直進搬送ライン21を、アキュムレーションコンベヤから構成しているが、フリーコンベヤにより構成することも可能である。
また本実施の形態では、フローラック15を直進搬送ライン21に沿って配置しているが、間口(物品収納部)16がゾーンZ毎に配置されていればよく、ゾーンZ毎に直進搬送ライン21とは、直角な向きに配置してもよい。
また本実施の形態では、収納エリアとしてフローラック15を使用しているが、物品11または収納箱12が移動しない一般棚を使用することもでき、また棚を利用しないで、物品11または収納箱12を床置きするタイプとすることもできる。このとき、床に間口16に相当する区画を設け、各区画に間口表示器19を設ける。
また本実施の形態では、フローラック15の各棚17に載置されている物品11は収納箱12に収納されているが、ピース単位とすることもでき、棚17の段数を増加させることが可能である。
また本実施の形態では、フローラック15の各棚17は固定されているが、任意に前後(直進搬送ライン21の方向)に移動・調整できる構成とすることもできる。
また本実施の形態では、集品容器10への物品11の完了を入力手段、または間口16から集品容器10への物品11の投入が終了したときに操作する投入終了操作手段の一例として、テープスイッチ23を使用しているが、単に完了(終了)を入力するスイッチであればよく、単なる押釦スイッチ、あるいはセンサ遮断による完了(終了)信号を出力する機器であってもよい。
また本実施の形態では、仕分け先をユーザー別としているが、ユーザーに限ることはなく、店舗別、商品などのカテゴリー別あるいは区分別、地域別、搬送トラック別などとすることもできる。
【符号の説明】
【0087】
A ストレージライン
B 搬送ライン
F 待機エリア
FB 充電エリア
H 作業者
Z ゾーン
10 集品容器
11 物品
15 フローラック
16 間口
17 棚
19 間口表示器
21 直進搬送ライン
24 ゾーンコントローラ
26 投入表示器
31 第1ランプ部
32 ディジタル表示器
32a 劣化表示部
33 第2ランプ部
34A 第1RFID
34B 第2RFID
36 無線機
42A RFIDリーダ
42B RFIDライタ
45 読取器
46 充電器
49 充電作業用コントローラ
51 統括コントローラ
52 通信コントローラ
53 送受信装置
50 トレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品をそれぞれ収納する複数の物品収納部(間口)を有する収納エリアを備え、前記収納エリアに沿って複数の集品容器を搬送する搬送手段を備え、仕分け先の物品要求情報に応じて、前記収納エリアの物品収納部から取り出した物品を、前記集品容器へ投入することにより、集品容器に前記仕分け先毎に物品の集品作業が実行されるピッキング設備であって、
前記各集品容器に、電池により給電され、前記物品収納部より取り出した物品の投入対象の集品容器であることを表示する投入表示器を設け、
前記各投入表示器に、前記電池の残量を検出する検出手段を設け、
前記各投入表示器の検出手段によりそれぞれ検出された電池の残量を監視する監視手段を設けたこと
を特徴とするピッキング設備。
【請求項2】
前記監視手段は、前記物品の集品作業が開始される前に、前記各投入表示器の電池の残量を監視すること
を特徴とする請求項1に記載のピッキング設備。
【請求項3】
前記各投入表示器に、前記検出手段により検出される前記電池の残量を表示する残量表示部を設けたこと
を特徴とする請求項1または請求項2に記載のピッキング設備。
【請求項4】
前記残量表示部は、前記電池の残量を、数値、あるいはは残量の割合に応じて区分される色、あるいはランプの点滅状態で表示すること
を特徴とする請求項3に記載のピッキング設備。
【請求項5】
前記投入表示器の検出手段により検出される前記電池の残量が、前記物品の集品の作業中に前記投入表示器の表示を維持できる電池残量以上であることを条件して、集品容器に、前記仕分け先の物品要求情報を割り付け、
この割り付けた前記仕分け先の物品要求情報に応じて、前記電池より給電されて、前記投入表示器に前記物品投入対象の集品容器であることを表示すること
を特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のピッキング設備。
【請求項6】
前記収納エリアの物品収納部および前記搬送手段を、前記搬送手段による集品容器の搬送方向に沿って、複数のゾーンに区画し、
各ゾーンにおいて、前記集品容器に前記仕分け先の物品要求情報が割り付けられているかどうかを確認し、前記仕分け先の物品要求情報が割り付けされていない集品容器は、前記ゾーン内に存在しないと見なすこと
を特徴とする請求項5に記載のピッキング設備。
【請求項7】
前記投入表示器の検出手段により検出される前記電池の残量が、前記物品の集品作業中に前記投入表示器の表示を維持できる電池残量未満のとき、この投入表示器を取り付けた集品容器を、物品投入対象から外すこと
を特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のピッキング設備。
【請求項8】
前記搬送手段は、前記集品容器を前記収納エリアに沿って搬送し、前記収納エリアの終端へ到達して集品作業が終了し、集品容器より集品された物品が取り出されると、集品容器を再び収納エリアの先端へ戻す循環ラインを形成していること
を特徴とする請求項7に記載のピッキング設備。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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