説明

ピッチャーカバー及びピッチャーとピッチャーカバーとの組み合わせ

【課題】発泡性飲料用の注ぎ口付きピッチャーに使用するピッチャーカバーを提供する。
【解決手段】前記ピッチャーの上端開口部の前記注ぎ口の先端部を除く一部を被う第1の部分と、前記第1の部分に隣接して設けられ、前記ピッチャーの上部開口部の前記注ぎ口先端部及び前記第1の部分により被われた部分を除いた少なくとも一部を被う第2の部分とを備え、前記第1の部分が前記第2の部分に回動可能に連結されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料用ピッチャーに取り付けて使用するピッチャーカバー、ピッチャーとピッチャーカバーとの組合せに関し、更に詳細には、ピッチャーからビールジョッキやグラス等の容器に発泡性飲料を注いだとき、液面にきめ細かな泡の層を形成させるようにした、ビール、発泡酒等の発泡性を有する飲料(以下総称して発泡性飲料と呼ぶ)に使用するのに適したピッチャー用のピッチャーカバー、並びにピッチャーとピッチャーカバーとの組合せに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、飲食店では、樽詰めされたビールを冷やしてから、ビールディスペンサーやビールサーバー(以下総称してビールディスペンサーと呼ぶ)を用いてビールジョッキに注ぎ込み、清涼感のあるビールを来店者に提供している。ビールを美味しく飲むには、ビールをビールジョッキ又はグラスに注いだ状態で、ビールにクリーミーできめ細かな泡の層が形成されていることが必要である。その理由は、(1)泡がビール中の炭酸ガス、味、香り等を逃がさない、(2)泡がビールの酸化を防ぐ蓋の役目をする、(3)泡が苦み成分を吸着するので口当たりがよく、爽快感を与える、等である。また、このクリーミーできめ細かな泡の層が消えにくい状態に保たれることも重要である。
樽詰めされたビールを、ビールジョッキ又はグラスに泡の層を適正に形成して注ぐには、熟練が必要であり、飲食店の担当者がビールディスペンサーを用い、ビールジョッキ又はグラスにビールを注いで、来店者に提供することが多い。ビールジョッキ又はグラスを略垂直にしてビールを注ぐと、ビールディスペンサーから吐出されたビールが、ビールジョッキ又はグラスに既に注がれたビールの液面をたたくため、いわゆる「カニ泡」と呼ばれる目の粗い、泡持ちの悪い泡がビールに形成されてしまう。したがって、いわゆる「カニ泡」の形成が抑制されるよう飲食店の前記担当者は、前記ビールディスペンサーのビール吐出ノズルに前記ビールジョッキ又はグラスを近づけ、ビールジョッキ又はグラスを略45゜に傾け人為的にビールジョッキ又はグラスの傾斜状態を作り出し、前記ビール吐出ノズルからビールを注ぐ。
【0003】
一方、ピッチャーと呼ばれる大型のジョッキ型容器に、樽詰めされたビールを2リットル程度注いだ状態で来店者に提供し、来店者自身にビールをビールジョッキ又はグラスに注いでもらう形態のサービスもある。
この場合、ピッチャーにビールを注ぐのは飲食店の店員であるものの、ピッチャーからビールジョッキ又はグラスにビールを注ぐのは一般の来店者であり、2リットル程度のビールが注がれて全体の重量が重くなったピッチャーでビールジョッキ又はグラス内にビールを注ぐのは、極めて操作性が悪く適正にビールが注がれない結果、ビールジョッキ又はグラス内に注がれたビールの液面に目の粗い、泡持ちの悪い泡の層が形成されるおそれがある。
【0004】
また、ピッチャーを用いて来店者にビールを提供する形態のサービスでは、提供後、必ずしも来店者がすぐにビールジョッキ又はグラスにビールを注ぐわけではないので、ビールが温まるのを抑制するように保冷性が要求されると共に、ピッチャー内の泡がビールと共にジョッキ又はグラスに注がれてしまうのを防止することも要求される。
【0005】
上記のように保冷性を有しかつ泡が外に流れ出るのを防止する(泡止めする)ピッチャーとして下記特許文献1に記載されたものがある。
しかしながら、この特許文献1に記載のピッチャーを含め従来のピッチャーでは、ピッチャーの上部開口部の一部しか被っていないため保冷性に欠ける問題があるだけでなく、ピッチャーをビールディスペンサーの容器載置台の上に垂直の状態で置いたままその中にビールディスペンサーからビール等の発泡性飲料を注いだ場合に、注がれたビールがピッチャー内のビールの液面に当たるため、クリーミーできめ細かな泡の層を形成させることは困難である。そのため、ピッチャーからジョッキ又はグラスにビールを注ぐ場合にもジョッキ又はグラスを傾けなければ液面にクリーミーできめ細かな泡の層を形成させることができない。
【0006】
【特許文献1】実用新案登録3026824号公報
【0007】
ビールが注がれたピッチャーを来店者に提供した後、必ずしも来店者がすぐにビールジョッキ又はグラスにビールを注ぐわけではないことを考慮すると、ビールをピッチャー内に注ぎ終わったとき、ビールにクリーミーできめ細かな泡の層が形成され、このクリーミーできめ細かな泡の層が消えにくい状態であることが望ましい。このためには、ビールディスペンサーからピッチャーにビールを注ぐ際に、飲食店の店員はビールディスペンサーのビール吐出ノズルにピッチャーを人為的に傾けて、傾斜したピッチャーの内面にビールを注ぐようにすればよいが、ビールが注がれて全体の重量が重くなったピッチャーを片手で傾斜状態に支えて、もう一方の手でビールディスペンサーのビール吐出ノズルを操作してビールディスペンサーからピッチャー内にビールがピッチャーの内壁面に沿って流れるように注入するのは、労力を要しまた操作性が悪い。
【0008】
このため、ピッチャーをビールディスペンサーの容器載置台の上に置いた状態でピッチャー内にビールが注がれることもあり(通常、載置台上に置かれたピッチャーは載置台の面に対して垂直状態になっている)、ビールディスペンサーから吐出されたビールが、垂直状態に置かれたピッチャーの底面をたたき、また、ピッチャー内に既に注がれたビールの液面をたたくように注がれるため、いわゆる「カニ泡」と呼ばれる目の粗い、泡持ちの悪い泡ができてしまう。ビールの泡は、ビール中の炭酸ガスが抜け出たものであるので、ピッチャーにビールが注がれた状態で、多量の泡を形成すると、後でビールジョッキにビールを注いだ際に、気が抜けたビールになってしまう。
一方、ピッチャーには、通常、注ぎ口が設けられている場合が多く、かかる注ぎ口を確定する面はピッチャーの周壁の内面に対して外側に(ピッチャーの上部側に近づくに従ってピッチーの中心から外側に)傾斜して形成されている。したがって、ビールディスペンサーから吐出されたビールをこの注ぎ口を介してピッチャー内に注ぐようにすれば、ピッチャーをビールディスペンサーの容器載置台に置いた状態でビールをピッチャー内に注ぐことができる。しかしながら、ピッチャーからビールジョッキ或いはグラス内への泡の流出を抑制するためにピッチャーカバーがピッチャーに取り付けられている場合、ビールディスペンサーからビールをピッチャー内に注ぐ度にピッチャーカバーをピッチャーから外さなければならないのは作業上煩雑であり、もしピッチャーカバーを外してしまうと、ピッチャーの中央部にビールを注いでしまうことになりかねない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、かかる従来のピッチャーカバーの問題点に鑑み成されたものであって、その目的は、ピッチャーカバーをピッチャーから取り外すことなく、ビールディスペンサーからビールをピッチャーの注ぎ口を介して容易に注ぐことができるピッチャーカバーを提供することである。
本発明の他の目的は、ピッチャーからジョッキ又はグラスへの発泡性飲料を注いだときに液面にクリーミーできめ細かな泡の層を形成させることが可能なピッチャーカバーを提供することである。
本発明の別の目的は、上記ピッチャーとピッチャーカバーとの組合せを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載された本発明によれば、注ぎ口付きピッチャーに取り付けて使用するピッチャーカバーにおいて、
前記注ぎ口の先端部を除く一部を被う第1の部分と、前記第1の部分に隣接していて前記ピッチャーの上部開口部の少なくとも一部を被う第2の部分とを備え、
前記第1の部分が前記第2の部分に回動可能に連結されていることを特徴とするピッチャーカバーが提供される。
請求項2に記載された本発明によれば、 請求項1に記載のピッチャーカバーにおいて、前記第1の部分の上面に指掛け部が設けられているピッチャーカバーが提供される。
請求項3に記載された本発明によれば、発泡性飲料を入れる収容部を確定する容器及び前記容器に形成された注ぎ口を備え、前記注ぎ口が前記容器の周壁に対して斜め上方に伸びる傾斜面により確定され、前記注ぎ口の高さが前記収容部の深さの20%ないし40%であるピッチャーと、
請求項1又は2に記載のピッチャーカバーと、
の組み合わせが提供される。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、ビールディスペンサーからの発泡性飲料を、ピッチャーカバーをピッチャーに取り付けた状態であってもピッチャーカバーの第1の部分を第2の部分に対して回動させてピッチャーの注ぎ口の部分をピッチャー内に発泡性飲料を注入できる程度に開放し、この注ぎ口の傾斜面に当てながら静かにピッチャー内に注ぎ入れることができる。このため、ピッチャーを手で斜めに保持した状態にしないで平坦面に置いたままでビールディスペンサーからその中に発泡性飲料を注いでも、注がれた発泡性飲料が、ピッチャーの底面やピッチャーに既に注がれた発泡性飲料の液面をたたくようにピッチャー内に注ぎ入れられることもなく、発泡性飲料中の炭酸ガスが、発泡性飲料中から過度に抜け出すことなく、ビールディスペンサーから発泡性飲料を注ぎ入れることができるという効果を奏することが可能である。
請求項2に記載の発明によれば、上記効果に加え、副流孔、或いは主流孔を構成するピッチャーカバーの先端縁に触れずにピッチャーの注ぎ口の部分を開放することができるので、ピッチャーの主流孔や副流孔を衛生的な状態に維持することができる。
請求項3に記載の発明によれば、ピッチャーを手で斜めに保持した状態にしないで平坦面に置いたままでビールディスペンサーからその中に発泡性飲料を注いでも、注がれた発泡性飲料が、ピッチャーの底面やピッチャーに既に注がれた発泡性飲料の液面をたたくようにピッチャー内に注ぎ入れられることがないため、発泡性飲料中の炭酸ガスが、発泡性飲料中から過度に抜け出すことなく、ビールディスペンサーから発泡性飲料を注ぎ入れることができ、かつピッチャーからジョッキ又はグラスに発泡性飲料を注いだときに、ジョッキ又はグラス内に注がれた発泡性飲料の液面にクリーミーできめ細かな泡の層を適度に形成させることができるという効果を奏することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1において、本発明の一実施形態によるピッチャーカバーがピッチャーに取り付けられた状態(したがって、ピッチャーとピッチャーカバーとの組み合わせ)で示され、また、図2ないし図5において、ピッチャーとピッチャーカバーとが組み合わされた状態で側面図又は断面図で示されている。
図1において、1はビール等の発泡性飲料を入れるのに適したピッチャー、3はピッチャー1の上端開口部に被せて使用するのに適した本発明のピッチャーカバーの一実記形態を示す。
図2ないし図5において、ピッチャー1は発泡性飲料が入れられる収容部を確定する内側容器部分(請求項中の容器に対応する)10と、その内側容器部分10の外側に配置されていて内側容器部分の周壁との間で断熱空間gを形成するようにして内側容器部分10に固定された外側容器部分(請求項中の他の容器に対応する)20とを有している。図2ないし図7において、内側容器部分10は上広がりの略円錐状(テーパーの角度が小さい円錐状)の周壁11と、その周壁と一体的に形成された底壁12と、周壁の上端から下方に伸びるスカート部13とによって構成され、スカート部13は、後述する注ぎ口を除く部分の外周全体に亘って周方向に伸びている。底壁12と周壁11とは鈍角を成しており、それらは、好ましくは曲率半径25mmないし30mmの湾曲した接続部を介して接続されている。これは、発泡性飲料が周壁の内面を流れて底面に達するとき静かに底面上に達するようにするためである。周壁11とスカート部13とは周壁の上端部で一体的に接続され、その部分がピッチャーの上端縁14を形成する。なお、周壁は上部と下部とが同じ円筒状でも良い。
【0013】
内側容器部分の上端の一側部(図3及び7において左側)には注ぎ口15が形成されている。注ぎ口15は、周壁11に対して傾斜して上方に伸びる二つの傾斜壁16a及び16bによって形成され、傾斜壁の先端縁すなわち上端縁17a及び17bは上記ピッチャーの上端縁14が存在する面p−pと同一平面上になるように、すなわち面一になるように形成されている。傾斜壁16aと16bとは一体的に接合され、その接合部18は面p−pに関して角θを成して伸びている。この角度θは、60度ないし80度の範囲が好ましい。傾斜壁に形成された内側の傾斜面によって注ぎ口の形状が確定される。傾斜壁は面p−pに平行な面で切断した形状がどの位置でも略V字状の形状を成すようにつくられている。内側容器部分の外周には係合凸部19が形成されている。この係合凸部19はスカート部13がある部分ではそのスカート部の下端縁外周に、スカート部のない部分にはその位置に対応した位置で周壁11又は注ぎ口の傾斜壁から外側に形成されている。係合凸部19には後述する外側容器部分の上端縁を受ける係合凹部19aが全周に亘って形成されている。
注ぎ口15の長さすなわち高さ(先端縁又は上端縁17a、17bから接合部18が周壁に一体的に接合する位置までの高さ)h1は、内側容器部分によって確定される収容部の高さ(すなわちピッチャーの深さ)h2の20%ないし40%であることが好ましいが、この実施形態では略30%の大きさになっている。注ぎ口の高さを上記の範囲にしたのは、20%より小さくなると注ぎ口から飲料を注ぐのが難しくなりまたピッチャー内で形成される泡(発泡性飲料、例えばビールを保護する)の層厚が薄くなるためであり、40%より大きくすると注がれる飲料が早期に液面をたたくようになるため、泡の層厚が厚くなり易いからである。
上記注ぎ口の高さ(又は長さ)は、より好ましくは、前記収容部の深さの25%ないし35%である。注ぎ口の先端縁部における(注ぎ口を形成する傾斜壁16a、16bの先端縁と内側容器部分10の上端縁14とが接続する部分における)注ぎ口の最大幅w1は、3cmないし10cm(又は内側容器の上端縁の直径の25%ないし80%)であるのが好ましい。このように注ぎ口を従来のピッチャーの注ぎ口に比較して大きくしたのは、ビールディスペンサーからピッチャー内に発泡性飲料を注ぐのを、注ぎ口を介して行い、発泡性飲料が傾斜壁によって確定される注ぎ口の傾斜面に当たって静かにピッチャー内に流れるようにするためである。
【0014】
図2ないし図5及び図10において、外側容器部分20は周壁21とその周壁と一体的に形成された底壁22とによって構成されている。周壁21には公知のピッチャーと同様に取っ手23が一体的に形成されている。周壁21の上端縁には内側容器部分10の係合凹部19aに嵌められる上端係合部24が形成されている。内側容器部分10と外側容器部分20とはこれらの係合凹部19a及び係合部24の密な係合によりまた接着剤を使用して接合されている。内側容器部分10と外側容器部分20との間には、内側容器部分の全周に亘って断熱空間gが形成されており、外部の熱が外側容器部分から内側容器部分内の発泡性飲料に伝わるのを阻止する。
なお、内側容器部分及び外側容器部分は成型性、断熱性に優れた合成樹脂材料でそれぞれ一体成型され、係合凹部と係合凸部で互いに接合されている。
【0015】
図2ないし図5、図8及び図9において、ピッチャーカバー3が示されている。このピッチャーカバー3は、図2ないし図5に示されるような状態でピッチャーの上部開口部を塞ぐような状態或いは被う状態でピッチャー1に取り付けられるようになっている。
ピッチャーカバー3はピッチャー1の注ぎ口15の一部分(先端部15aを除く一部分)を被う第1の部分31と、その第1の部分に隣接していて、ピッチャー1の上部開口部を少なくとも部分的に被う第2の部分32とを有している。ピッチャーカバー3は、更に、ピッチャー1の上部外周を取り巻くスカート部33を有している。この実施形態において、スカート部33は注ぎ口15がある部分を除いてピッチャーの上部開口部外周を取り巻くように円周方向に伸び、前記第1の部分及び第2の部分とピッチャーと同じ合成樹脂材料で一体的に形成されている。ピッチャーカバー3の第2の部分32は、ピッチャー1の上部開口部全体を被う必要はないが、開口部を全体的に被うようにするのが好ましい。外部の熱が内側容器部分内の発泡性飲料に伝わりにくくするためである。
第1の部分31と第2の部分32とは、蝶番式の連結装置4により互いに相対的に回動可能に接続されている。この実施形態の連結装置4は、第1の部分31の第2の部分側の縁に一体的に形成された枢動支持部又は軸受け部41と、第2の部分32の第1の部分側の縁に一体的に形成された一対の枢動支持部又は軸受け部42と、両軸受け部41及び42の中心を貫通する連結要素としての軸43とで構成されている。図1、図8及び図9からも明らかなように、軸受け部41は、第1の部分31と第2の部分32との連結部分の中央部において、第2の部分32側に突出して一体的に形成されている(したがって、第2の部分側には軸受け部41を受ける凹部が形成されている)。軸受け部42は軸受け部41の両側にそれに整合して配置されるように第2の部分32に一体的に形成されている。両軸受け部41及び42は第1の部分及び第2の部分の上側(ピッチャーカバーをピッチャーに装着したときピッチャーの外側になるよう)に形成されている。軸43は、軸受け部41及び42の中心に形成された軸穴を整合させた後に、いずれか一方の軸受け部42の外側から軸穴内に挿入すればよい。
【0016】
この実施形態において、第2の部分32の外周部34全体に亘ってスカート部33が一体的に接合されている。第1の部分31には、その先端縁35に隣接した位置に、少なくとも一つ(この実施形態では2個)の副流孔36が形成されている。この副流孔36の大きさは直径3mmないし8mmであるのが好ましく、より好ましくは、4mmないし7mmである。この副流孔は、ピッチャーからジョッキ又はグラスに発泡性飲料を注ぐとき、主流孔(注ぎ口の第1の部分により被われていない部分で、注ぎ口15の先端部15aであって第1の部分の先端縁35とにより画成される三角状の部分。)から流出した主流に副流孔から流出した副流を注入し、副流が主流に適度な刺激を与えつつ、発泡性飲料が注がれ、ジョッキ又はグラスに注がれた発泡性飲料の液面にクリーミーできめ細かな泡の層を形成させる。副流が主流に合流する限り、副流孔36は3個以上でもよく、その形状も丸孔に限らず、三角、四角等の多角形孔、楕円孔、長円孔、その他あらゆる形状の孔でよい。注ぎ口15の先端部15aの端縁15bから、ピッチャーカバー3の先端縁35までの距離L1は7.1mmないし8.9mmであるのが好ましく、より好ましくは、7.5mmないし8.5mmである。
【0017】
第1の部分の先端縁35から副流孔36が形成されている部分にかけては、その部分の肉厚が、図9に示されるように、他の部分に比べて厚くなっていて、その第1の部分の側縁側の下面(注ぎ口に面する面)には注ぎ口の傾斜面と接して発泡性飲料が第1の部分と傾斜面との間から漏れ出るのを防止する突起37が形成されている。
第2の部分の中央部(ピッチャーに取り付けられたときピッチャーの上部開口部の中央部に対応する部分)には、ピッチャーカバーの中心から見て第1の部分がある側とは反対の側に、下側すなわちスカート部33が伸長する方向に湾曲状に突出する第1の突出部32aと、それとは反対側(ピッチャーカバーの中心から見て第1の部分のある側)に、第1の突出部とは反対方向すなわち上側に湾曲状に突出する第2の突出部32bとが形成されている。第1及び第2の突出部が上下に食い違っていて対向する縁が互いに不連続で、ピッチャーカバーをピッチャーから取り外す時に複数の指をそれらの突出部により画成される空間内に入れて行い得るようになっている。すなわち二つの湾曲状の突出部は蓋の取っ手を構成する。なお38は二つの突出部間に形成される隙間である。この隙間の大きさは、この隙間を介してピッチャー内に発泡性飲料を注げない程度にするのが好ましい。それは、ピッチャーカバーを付けたままでこの隙間を介して発泡性飲料をピッチャー内に注ぐと、注がれた飲料がピッチャー内に溜まった飲料の液面をたたくように注がれ、目の粗い、泡持ちの悪い泡の層を形成させるからである。
スカート部33の下端部には内側に突出する凸部39が周方向に隔てて複数個(この実施形態では3個)、形成されている。この凸部39は周方向にわずかに伸びていて、スカート部の周方向に隔てて、三点でピッチャーカバーをピッチャーに固定保持できるようになっている。なお、ピッチャーカバーがピッチャー内の発泡性飲料、特にビール、発泡酒の酸化を抑制するので、発泡性飲料がピッチャー内に注ぎ終わった時点でその発泡性飲料の表面に泡の層がほとんど形成されていなくても良い。
【0018】
次にビールディスペンサーの吐出ノズル等から例えばビールのような発泡性飲料をピッチャー1内に注入する場合を説明する。
ピッチャー1内に飲料を注ぎ入れる場合には、図11に示されるようにピッチャーカバーの第1の部分31を第2の部分32に対して例えば図示のように約90°(或いはそれ以上でもよい)回動させて、注ぎ口15の部分を開放しておき、図11に示されるように、例えばビールディスペンサーのビール吐出ノズル6の吐出口の直下に、台5等に載せて置く。このとき吐出口の真下にピッチャー1の注ぎ口15が位置するように置く。
この状態で吐出ノズルの吐出口から発泡性飲料mを吐出すると、飲料の流れはピッチャー1の注ぎ口15の傾斜面にあたってピッチャー内に入る。このため発泡性飲料の流れは注ぎ口からピッチャーの内面すなわち内側容器部分10の内面に沿って底部に移動してそこに溜まる。したがって、ピッチャー内に溜まっている発泡性飲料の表面をたたくように注がれる場合に比較して、発泡性飲料中の炭酸ガスが発泡性飲料から過度に抜け出すことなくビールディスペンサーから発泡性飲料を注ぎ入れることができる。注ぎ部15に発泡性飲料を注ぐ場合、発泡性飲料は、その略全体が注ぎ口の傾斜面に当っていれば良い。このようにして注ぐことにより、注がれた発泡性飲料の液面が傾斜面に対応する位置に達するまでは、注がれた飲料が液面をたたくことが抑制されるため、泡立ちが抑制された状態で注がれ、液面が傾斜面に対応する位置まで上昇したときに初めて液面をたたき始めて泡が発生するので、ピッチャーに所定量の発泡性飲料を注ぎ終えたときに、注がれた発泡性飲料の表面に泡を適度の量しか発生させず、ピッチャー内の発泡性飲料、例えばビール中の炭酸ガス、味、香りが逃げることが防止される。ピッチャー内への発泡性飲料の充填が完了した後、第1の部分31を、図1、3及び4に示されるように、元の状態にする。
ピッチャー内への発泡性飲料の注入が完了した後、第1の部分31を第11図に示される状態から半時計回り方向に回動させて、図1及び図3に示されるように、注ぎ口の一部を塞いで主流孔を画定する状態に戻す。
【0019】
次に、発泡性飲料が上記のようにして注入された本発明のピッチャー1からジョッキ又はグラスにその飲料を注ぐ場合について説明する。この場合、本発明のピッチャーとピッチャーカバーとの組合せすなわちピッチャーカバー付きピッチャー(以下カバー付きピッチャーと呼ぶ)により行う。
本発明のカバー付きピッチャーを用いればジョッキ又はグラス等の容器(以下総称して器と呼ぶ)7内に発泡性飲料を注ぐ場合器を予め手で斜めに支えておく必要はない。したがって、器は、図12に示されるように、テーブル等の平面(通常ほぼ水平の面になっている)上に置いておく。この状態で図12に示されるようにピッチャー1の注ぎ口から注ぎ部15を通して発泡性飲料をジョッキ又はグラス等の器内に注ぐと、ピッチャーカバーの第1の部分で塞がれていない注ぎ口の部分から飲料の主流f1が容器内に注がれる。それとほぼ同時に、副流孔から流出した飲料の副流f2は主流に注入される。このとき容器内に注がれた発泡性飲料にはクリーミーできめ細かな泡が発生する。
【0020】
次にビールディスペンサーからピッチャー内にビールを注ぐテストを行った結果を次の表1に示す。なお、このテストでの、ピッチャーの高さは200mmであり、ピッチャーの上縁からピッチャーの深さの30%の高さとされた注ぎ口を有する。ビールディスペンサーの容器載置台からの吐出ノズルの吐出口までの高さは250mmである。
【表1】

上記表1において、1は本発明によるピッチャーに注ぎ口を介さずビールを注いだ場合、2ないし4は本発明によるピッチャーに注ぎ口を介してビールを注いだ場合であって、2は注ぐビールの流れの中心がピッチャーの上縁からピッチャーの深さの3%の位置になるように注いだ場合、3は流れの中心がピッチャーの上縁からピッチャーの深さの15%の位置になるように注いだ場合、流れの中心がピッチャーの上縁からピッチャーの深さの27%の位置になるように注いだ場合を表す。
上記表1から明らかなように、本発明のピッチャーにビールを注ぎ口を介して注いだ場合に比べて、注ぎ口を介さず注いだ場合のピッチャー内に入ったビールの重量(泡の上端がピッチャーの上縁に達するまで注いだ場合)がかなり少ない(74.3%ないし75.8%)ことが分かる。これは注ぎ口を介さずに注いだ場合ピッチャー内で発生する泡が多くなることを意味し、それだけ、ピッチャー内に注がれているビールからは炭酸ガスが多く抜け出してしまっていることを意味する。
【0021】
また、本発明のピッチャーからビールジョッキにビールを注いだ場合であって、副流孔の位置、個数及び配列を変化させた場合の、ビールジョッキ内でビールの液面上に成される泡の状態(高さ)を調べるテストを行った結果を次の表2に示す。このテストにおいて、図13に示すように、Sは主流を形成する注ぎ口の面積を、L1はピッチャーの注ぎ口の端縁15bからピッチャーカバーの先端縁35間での距離を、Aはピッチャーカバーの先端縁35から副流孔の中心までの距離、Bは副流孔の中心間の距離を、Cは副流孔が3個の場合における外側の二つの副流孔間の距離を、Dは副流孔が3個でしかも3個が一直線上に並んでいない場合における先端縁35から中間の副流孔の中心までの距離を、φは副流孔の直径を、それぞれ示す。なお主流の注ぎ口の面積Sは8.0mmで統一されている。
またビールジョッキに対するピッチャーの高さは、図12のHが25mmである。
【表2】

上記表2において3孔の(3−7)の欄は、図13(B)に示されるように3個の副流孔が一直線上に並んで配置されている場合で、3孔の(3−8)の欄は、図13(C)に示されるように3個の副流孔のうち中央の副流孔がピッチャーカバーの先端縁側に片寄って配置されている場合を示す。
表2から解るように、(3−0)の寸法、個数を有するピッチャーカバーを用いて注いだビールより、(3−1)の寸法、個数を有するピッチャーカバーを用いて注いだビールの方がきめ細かな泡が発生し、ビールを飲用した際の口当たりが良いことが判明した。
【0022】
更に、本発明のピッチャーカバーを本発明のピッチャーに取り付けて、そのピッチャーからビールジョッキにビールを注いだときの泡の状態を調べるテスト結果を示すと表3のようになる。
【表3】

上記表3において3孔の(3−7)の欄は、図13(B)に示されるように3個の副流孔が一直線上に並んで配置されている場合で、3孔の(3−8)の欄は、図13(C)に示されるように3個の副流孔のうち中央の副流孔がピッチャーカバーの先端縁側に片寄って配置されている場合を示す。
上記表2及び3のテスト結果によれば、副流孔を設けることでビールジョッキにビールを注いだ状態で液面に泡が生じていることが分かる。一方、実施例5,6との比較により、液面に泡が形成されるには、ビールディスペンサーからビールピッチャーにビールを注いだ後に、炭酸ガスが抜けていない方が良いことも分かる。
【0023】
更にまた、ビールジョッキに注ぎ終わったビールについて官能評価(口当たり評価)のテストを行った結果を次の表4に示す。
【表4】

上記表4において3孔の(3−7)の欄は、図13(B)に示されるように3個の副流孔が一直線上に並んで配置されている場合で、3孔の(3−8)の欄は、図13(C)に示されるように3個の副流孔のうち中央の副流孔がピッチャーカバーの先端縁側に片寄って配置されている場合を示す。
このテスト結果によれば、副流孔を設けることでビールジョッキにビールを注いだ状態で泡が生じ、この泡が苦味成分を吸着することから、口当たりの際、苦味を感じなくなることが分かる。
一方、実施例5,6との比較により、液面に形成される泡がきめ細かである実施例10の方が、苦味を感じない結果となっており、ビールディスペンサーからビールピッチャーにビールを注いだ後に、炭酸ガスが抜けない方がビールジョッキに注いだビールの口当たりが良いことが分かる。
【0024】
次に図14ないし図18において、連結装置の変形例を説明する。
図14のA1及びA2に示されるように、回動支持部又は軸受け部41aと42aとを互いに回動可能に連結する構造として、軸受け部41aの両端面に部分球状(或いは半球状)或いは円錐台形状の突起43aを形成し、他の一対の軸受け部42a対向する面にその突起を受ける凹部44aを設け、軸受け部41aを両軸受け部42a間に入れたとき、突起が凹部内に受けられるような構造にしても、或いは、図14のB1及びB2に示されるように、凹部44bを軸受け部41bの両端面に形成し、突起43bを軸受け部42bの対向する面に形成した構造にしてもよい。この実施形態では突起と凹部が連結要素を構成する。
なお、図14の実施例並びに以下の実施例のピッチャーカバーにおいては、図14のA3に示されるように、第1の部分に形成された軸受け部41a及び第2の部分に形成された軸受け部42aのそれぞれの軸心が対応する部分の肉厚の中央を通る線X−X上になるように形成されている。したがって、各軸受け部はそれぞれの部分の上側にも、また下側にも実質的に等しく突出している。線X−Xに対する軸受け部の軸心の位置を上下にずらして突出量を変えてもよい。
また、図15のA1及びA2に示されるように、回動支持部又は軸受け部41cと42cとを互いに回動可能に連結する構造として、軸受け部41cの軸心に軸43cを軸受け部の両端面から突出するように挿入し或いは軸受け部と一体的に形成し、他の一対の軸受け部42cには、軸43cを受ける軸穴44cを貫通させて形成すると共に、軸穴から軸受け部の外周面に伸びる(例えば、図示のように下側に伸びる)スリット45cを全長にわたって形成した構造でもよい。或いは、図15のB1及びB2に示されるように、軸穴44dを軸受け部41dに貫通して形成すると共にスリット45dも形成し、軸43dを軸受け部42aの対向する面に埋め込みにより或いは一体的に形成した構造にしてもよい。いずれにしろ、スリット45c、45dの幅は軸43c、43dの直径よりわずかに小さくし、軸を軸穴内に装着させるときはスリットを強制的に開いて装着し、装着後軸が軸穴から脱落しないようにするのが好ましい。図15に示される実施形態では軸43c又は43d及び軸孔44c又は44dは連結要素を構成する。
更に、回動支持部又は軸受け部41eと42eとを互いに回動可能に連結する構造として、図16のA1及びA2に示されるように、軸受け部41e及び42eの軸心に軸穴44eを貫通して形成し、その軸穴内に一端部に指掛け部46eを有する軸43eを挿入し、その軸43eの他端にナット47eをねじ込むか、若しくはワッシャ47e′を軸43eの他端近傍に形成された溝(図示せず)に嵌め込んで軸穴からの軸の脱落を防止した構造でもよい。
【0025】
図17のA1及びA2において、本発明のピッチャーカバーの別の実施形態が示されている。この実施形態のピッチャーカバー3fでは、第1の部分31fの上面に指掛け部48fが上方に突出させて形成されている。この実施例の指掛け部48fは軸受け部又は回動支持部41fの外周から上側に突出して一体的に形成され或いは取り付けられている。これに対して、図17のB1及びB2に示された実施形態では、指掛け部48gは軸受け部又は回動支持部41gに隣接して第1の部分31gの上面から上に突出させて一体的に形成され或いは取り付けられている。
図18において第1の部分に設けられる指掛け部の変形例が48hで示されている。図18のA1及びA2に示される実施例では指掛け部が軸受け部の外周から真上に伸びるように形成されているため、第1の部分が第2の部分に対して90゜回動するのが妨げられるおそれがあるのに対して、この実施形態では指掛け部48hの位置を軸受け部又は回動支持部の中心からずらして軸受け部の付け根部に形成し、これによって第2の部分に対する第1の部分の回動角度δ(第1の部分と第2の部分とが平面上に並んだ状態からの回動角度)が90°より大きくなるにようにしている。なお、指掛け部の位置及び形状は上記実施例に示した以外のものでもよい。要するに、第1の部分が第2の部分に対して90°以上回動してその位置に留まり、ピッチャー内への発泡性飲料の充填中に第1の部分が元の状態(ピッチャーの注ぎ口を塞ぐ状態)戻らないことが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0026】
ビール用のピッチャーに利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明によるピッチャー及びピッチャーカバーの組合せの一実施形態の斜視図である。
【図2】本発明によるピッチャー及びピッチャーカバーの組合せの一実施形態の立背面図である。
【図3】図2の線A−Aに沿って見た断面図である。
【図4】本発明によるピッチャー及びピッチャーカバーの組合せの一実施形態の立側面図である。
【図5】図4の線B−Bに沿って見た断面図である。
【図6】図2のピッチャーの内側容器部分の縦断面図である。
【図7】図2のピッチャーの内側容器部分の縦断面図であって図6と90度角度を変えて見た断面図である。
【図8】ピッチャーカバー付きピッチャーの上平面図である。
【図9】図8の線D−Dに沿って見た拡大断面図である。
【図10】図3のCの部分の拡大断面図である。
【図11】本実施例のピッチャーに発泡性飲料を注ぐ状態を示す図である。
【図12】本実施例のピッチャーからジョッキ内に発泡性飲料を注ぐ状態を示す図である。
【図13】ピッチャーカバーにより画成される主流の注ぎ口及び副流孔の配置、寸法及び個数等を示す図である。
【図14】A1ないしA3は、ピッチャーカバーの第1の部分と第2の部分との連結装置の変形例を示す図であって、A2はA1の上面図、A3は第1の部分及び第2の部分とそれらに形成された軸受け部の変形例を示す図であり、B1及びB2は、連結装置の他の変形例を示す図であって、B2はB1の上面図である。
【図15】A1及びA2は、ピッチャーカバーの第1の部分と第2の部分との連結装置の別の変形例を示す図であって、A2はA1の上面図であり、B1及びB2は、連結装置の更に別の変形例を示す図であって、B2はB1の上面図である。
【図16】A1及びA2は、ピッチャーカバーの第1の部分と第2の部分との連結装置の更に別の変形例を示す図であって、A2はA1の上面図である。
【図17】A1及びA2は、ピッチャーカバーの変形例を示す図であって、第1の部分に指掛け部を設けた例を示す図であり、A2はA1の上面図である。B1及びB2は、第1の部分に設けられた指掛け部の変形例を示す図であって、B2はB1の上面図である。
【図18】A1及びA2は、ピッチャーカバーの第1の部分に設けられた指掛け部の変形例を示す図であり、A2はA1の上面図であり、A3は第2の部分に対する第1の部分の回動状態を示す図である。
【符号の説明】
【0028】
1 ピッチャー
10 内側容器部分 11 周壁
12 底壁 13 スカート部
14 上端縁 15 注ぎ口
16a、16b 傾斜壁 17a、17b 上端縁
18 接合部 19 凸部
20 外側容器部分 21 周壁
3 ピッチャーカバー
31 第1の部分 32 第2の部分
33 スカート部 36 副流孔
4 連結装置
41a〜41h 軸受け部又は回動支持部 42a〜42h 軸受け部
48f〜48h 指掛け部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
注ぎ口付きピッチャーに取り付けて使用するピッチャーカバーにおいて、
前記ピッチャーの上端開口部の前記注ぎ口の先端部を除く一部を被う第1の部分と、前記第1の部分に隣接して設けられ、前記ピッチャーの上部開口部の前記注ぎ口先端部及び前記第1の部分により被われた部分を除いた少なくとも一部を被う第2の部分とを備え、
前記第1の部分が前記第2の部分に回動可能に連結されていることを特徴とするピッチャーカバー。
【請求項2】
請求項1に記載のピッチャーカバーにおいて、前記第1の部分の上面に指掛け部が設けられているピッチャーカバー。
【請求項3】
発泡性飲料を入れる収容部を確定する容器及び前記容器に形成された注ぎ口を備え、前記注ぎ口が前記容器の周壁に対して斜め上方に伸びる傾斜面により確定され、前記注ぎ口の高さが前記収容部の深さの20%ないし40%であるピッチャーと、
請求項1又は2に記載のピッチャーカバーと、
の組み合わせ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2008−161426(P2008−161426A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−354097(P2006−354097)
【出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(000001904)サントリー株式会社 (319)
【Fターム(参考)】