説明

ピットカバー装置

【課題】ピット内の作業スペースを確保してメンテナンス等の作業性を良好にすると共に、ピットカバーを安定して昇降動作させる。
【解決手段】ピットカバー装置1の昇降機構7を、ピットカバー4が上限位置となる上限姿勢とピットカバー4が下限位置となる下限姿勢との間で昇降動作可能に設けられるテコクランク11と、そのテコクランク11を上限姿勢に付勢するコイルバネとによって形成して、昇降機構7をピットPの四隅にそれぞれ配置し、ピットPの内面に沿って隣接する昇降機構7,7のテコクランク11,11間に、テコクランク11,11同士を連結してテコクランク11の単独での昇降動作を規制する規制バー35を、ピットPの内面に沿って架設した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両整備用リフトが設置されるピット内に設けられ、車両受台の上昇に伴ってピットの開口を閉塞するピットカバー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両整備用リフトは、車両受台の下降状態でその上面が床面と同一面となるように、床面に凹設したピット内に設けられる場合がある。しかし、車両受台が上昇するとピットが開口してしまうため、車両受台の上昇時にはピットを塞ぐピットカバー装置が設けられている。このピットカバー装置として、例えば特許文献1には、ピットカバーの裏面で四隅及び中央部に、複数の脚柱を起倒自在に軸着且つ起立姿勢に付勢して配置すると共に、各脚柱同士をリンク棒で連結し、中央の脚柱に起立状態でロックするストッパを設けて、プレートが下降すると、プレートに設けた作動突起がストッパのロックを解除してリンク棒を介して脚柱を同時に傾倒動作させる発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3378908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の発明においては、各脚柱を連結するリンク棒がピット内を縦横に架設されるため、ピット内の作業スペースが狭くなってメンテナンス作業等の作業性が悪くなるおそれがある。リンク棒をなくして各脚柱ごとに個別にストッパを設けることも考えられるが、一部のストッパに不具合が生じるとピットカバーが傾斜したりねじれが生じたりしてピットカバーの動作が不安となってしまう。
【0005】
そこで、本発明は、ピット内の作業スペースを確保してメンテナンス等の作業性を良好にすると共に、ピットカバーを安定して昇降動作させることができるピットカバー装置を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、ピットカバーの昇降機構を、ピットカバーが上限位置となる上限姿勢とピットカバーが下限位置となる下限姿勢との間で昇降動作可能に設けられる支持部材と、その支持部材を上限姿勢に付勢する付勢手段とによって形成して、昇降機構をピットの四隅にそれぞれ配置し、ピットの内面に沿って隣接する昇降機構の支持部材間に、支持部材同士を連結して支持部材の単独での昇降動作を規制する規制部材を、ピットの内面に沿って架設したことを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、支持部材を、ピット内に固定されるベースに下端が回転可能に軸着され、下端を中心として上端が起伏動作する起伏体として、規制部材を、隣接する各起伏体における回転中心からの偏心位置で、且つ各起伏体が起伏動作しても両者間の距離が変化しない位置間に架設したことを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項2の構成において、昇降機構に、ベースと起伏体との間に連結されて中間部位に関節を有し、起伏体の上限姿勢で直線状となって支持部材の下降動作を規制する方杖部材と、方杖部材の関節に連結されて上方へ突出し、下降した車両受台との当接により関節を下方へ押圧し、方杖部材を折曲させて支持部材の下降動作規制を解除するストッパ部材とからなるストッパ機構を設けたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、ピット内の作業スペースを広く確保でき、メンテナンス等の作業性が良好となる。また、四隅の昇降機構でピットカバーを支持して常に同調して昇降動作するので、ピットカバーを安定して昇降動作させることができ、傾きやねじれが生じにくくなる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、昇降機構が上下方向にコンパクトとなってピットの深さを浅くすることができる。また、規制部材による単独での昇降動作の規制も容易に行える。
請求項3に記載の発明によれば、請求項2の効果に加えて、ストッパ機構の採用により、ピットカバーに荷重が加わってもピットカバーの下降が確実に防止される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】ピットカバー装置の斜視図である(ピットカバーは省略)。
【図2】ピットカバー装置の側面図である(ピットカバー上限位置)。
【図3】前側の昇降機構の斜視図である。
【図4】前側の昇降機構の説明図で、(A)が側面、(B)が正面をそれぞれ示す。
【図5】ピットカバー装置の説明図で、(A)が平面、(B)がA−A線断面をそれぞれ示す。
【図6】ピットカバー装置の側面図である(ピットカバー下限位置)。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、ピットカバー装置の一例を示す斜視図、図2はピットカバー装置の側面図である。まずピットP,Pは、床面に凹設される左右一対の平面視矩形状で、ピットカバー装置1は各ピットPにそれぞれ左右対称に一対設けられる。なお、ここではピットPの長手方向を前後方向とし、図1の右下側及び図2の右側を前方とする。また、両ピットカバー装置1,1の左右方向の中心側を内側、中心側から離れる方を外側として説明する。さらに、ピットカバー装置1は左右対称であるため、以下、主に一方のピットカバー装置1について説明する。
【0010】
ピットカバー装置1において、2はピットPに嵌合される箱状のピットボックスで、ピットボックス2の底面で前側寄りには、車両整備用リフト40のシリンダ41が貫通する開口3が形成されている。車両整備用リフト40は、ピットPの中央で鉛直方向にシリンダ41を配設し、シリンダ41の上端に車両受台42を固着した周知の構成である。
また、4は、ピットボックス2の上面開口に合致する矩形状のピットカバーで、中央にシリンダの貫通孔5を備えると共に、四隅には、後述する昇降機構7のヘッド27の位置に対応した透孔6,6・・を形成している。
【0011】
さらに、ピットカバー装置1は、ピットボックス2のコーナー部に、ピットカバー4を支持する4つの昇降機構7,7・・を備えている。
この昇降機構7は、図3,4に示すように、ピットボックス2の底面に固定される底板9と、底板9の左右両側に連設される側面視倒L字状の一対の側板10,10とからなるベース8を備える。但し、ベース8は、前後の昇降機構7,7間で側板10の先端を互いに対向させた姿勢(前側の昇降装置7では側板10を後向き姿勢、後側の昇降装置7では側板10を前向き姿勢)で前後対称となっている。図3,4は前側の昇降装置7を示しており、以下前側の昇降装置7を中心に説明する。
【0012】
ベース8内には、前後方向に伸びる左右一対のテコ板12,12と、両テコ板12,12の長手方向の中央部で上端同士を連結する連結板13とからなる起伏体としてのテコクランク11が設けられて、両テコ板12,12の後端がベース8の側板10,10の先端位置で左右方向のピン14によって回転可能に軸着されている。テコクランク11の両テコ板12,12間でピン14よりも前方には、上バネ軸15が左右方向に架設される一方、ベース8の両側板10,10における上バネ軸15よりも前側下方には、下バネ軸16が左右方向に架設されて、上バネ軸15と下バネ軸16との間でベース8の左右方向の中央には、上バネ軸15から下バネ軸16に向けて受けピン17が貫通して、受けピン17に付勢手段としてのコイルバネ18が外装されている。
【0013】
よって、テコクランク11は、コイルバネ18の付勢によってピン14を中心とした起立方向へ付勢されることになる。テコクランク11におけるテコ板12,12の前端には、ローラ軸19が左右方向に挿着されて、ローラ軸19におけるテコ板12,12の左右両側には、ローラ20,20がそれぞれ回転可能に設けられている。ローラ軸19は、左右に隣接する昇降機構7側へ端部を長く突出させており、この左右の突出端同士がジョイントバー21によって連結されている。このジョイントバー21は、図5に示すように、両端に有底孔22,22を備えた棒状体で、この有底孔22にローラ軸19の突出端をそれぞれ圧入することで、左右のローラ軸19,19を連結している。
【0014】
一方、ベース8の側板10,10の前側端部には、下バネ軸16を中心とした円弧状の案内溝23,23がそれぞれ形成されて、両案内溝23,23間に跨って左右方向の下クランクピン24が遊挿している。26は、テコクランク11の連結板13に設けた透孔25を貫通して側板10,10間に配置されるストッパ部材としてのストッパピンで、下端が下クランクピン24に貫通されて、上端に設けた円盤状のヘッド27をテコクランク11の上方へ突出させた状態で上下方向に支持されている。
【0015】
また、下クランクピン24と下バネ軸16との間でストッパピン26の左右両側には、一対の下ストッパ板28,28が架設されている。テコクランク11のテコ板12,12間でローラ軸19よりも後方には、上クランクピン29が架設されており、下ストッパ板28,28の左右両側で下クランクピン24と上クランクピン29との間には、一対の上ストッパ板30,30が架設されている。
この上ストッパ板30と下ストッパ板28とは、下クランクピン24が案内溝23の上端に位置する状態で、図4に示すように側面視で直線状に並ぶ方杖部材を形成する。よって、下クランクピン24が方杖部材の関節となる。これによりテコクランク11は、ローラ20が最大高さとなる上限姿勢に支持されると共に、ストッパピン26もヘッド27が最大高さとなる上限位置に支持される。
【0016】
ここで、左右の下ストッパ板28,28の上端には、下クランクピン24から前方へ突出するフック部31がそれぞれ一体に形成されて、テコ板12,12におけるローラ軸19よりも後方下端際とフック部31との間には、一対の戻しバネ32,32が張設されて、テコクランク11を下方(倒伏側)へ付勢している。但し、図4に示す上限姿勢では、直線状となる下ストッパ板28と上ストッパ板30とが方杖状に突っ張ってテコクランク11の倒伏を規制するため、戻しバネ32の付勢にかかわらずテコクランク11の上限姿勢は維持される。
【0017】
一方、コイルバネ18による付勢力よりも大きい下向きの荷重がストッパピン26に加わると、ストッパピン26を介して下クランクピン24が案内溝23に沿って下方へ移動し、下ストッパ板28と上ストッパ板30との突っ張り状態を解除する。よって、テコクランク11はコイルバネ18の付勢に抗して下クランクピン24の移動に伴って上ストッパ板30を介して倒伏する。そして、下クランクピン24が案内溝23の下端に達すると、図4(A)に二点鎖線で示すように、テコクランク11は、ローラ20が側板10よりもやや上方へ突出し、ストッパピン26のヘッド27が側板10よりやや上方に位置する下限姿勢となる。この上限姿勢及び下限姿勢は後側の昇降機構7においても同様である。この上下ストッパ板28,30と下クランクピン24とストッパピン26とがストッパ機構となる。
【0018】
また、図5にも示すように、前側の昇降機構7において、テコクランク11の後端で両テコ板12,12には、ピン14よりも上方へ突出する上連結部33,33がそれぞれ形成され、後側の昇降機構7において、テコクランク11の前端で両テコ板12,12には、ピン14よりも下方へ突出する下連結部34,34がそれぞれ形成されている。
このうち外側に位置する前後の昇降機構7,7においては、外側に位置する上連結部33と下連結部34との間に、規制部材としての規制バー35が架設されている。この規制バー35は、前側では、上連結部33,33間に架設される左右方向のピン36により、外側の上連結部33のさらに外側で回転可能に軸着され、後側では、下連結部34,34間に架設される左右方向のピン37により、外側の下連結部34のさらに外側で回転可能に軸着されて、ピットボックス2の内面に沿って前後方向に配設されている。
【0019】
ここで、前側の上連結部33と後側の下連結部34とは、テコクランク11の倒伏に伴ってそれぞれピン14を中心に前方へ回転移動して、ピン36,37間の距離は変化しない。よって、前後何れか一方のテコクランク11のみが倒伏動作しようとしても、他方のテコクランク11の倒伏動作は規制バー35によって規制されることになる。これは倒伏状態からの起立動作の場合も同じである。
そして、前後のテコクランク11,11はジョイントバー21によってそれぞれ内側に隣接する昇降機構7のテコクランク11とも連結されているため、内側のテコクランク11も同時に起伏しないと前後のテコクランク11,11は起伏できないことになる。すなわち、4つの昇降機構7,7・・は、4つのテコクランク11,11・・が同時に起伏しないと昇降動作しないことになる。
【0020】
以上の如く構成されたピットカバー装置1は、シリンダ41の作動によって車両受台42が上昇すると、各昇降機構7では、コイルバネ18の付勢によってテコクランク11がピン14を中心に起立方向へ回転動作する。このとき、前述のように4つのテコクランク11はジョイントバー21及び規制バー35によって単独での昇降動作は規制されているため、全て同時に起立動作する。これにより、各テコクランク11に四隅が支持されるピットカバー4も上昇し、図2に示すように、テコクランク11の上限姿勢でビットボックス2の開口を閉塞する上限位置に達する。
【0021】
この状態で各テコクランク11は、前述のように直線状に並ぶ下ストッパ板28と上ストッパ板30とによって上限姿勢が保持される。また、何れかの昇降機構7でヘッド27に下向きの力が偶発的に加わることがあっても、テコクランク11の倒伏動作は規制されているため、ピットカバー4の水平姿勢は維持される。
【0022】
そして、車両受台42が下降し、ピットカバー4上に達すると、車両受台42の下面で各透孔6に対応して突設されている押圧片43,43・・が透孔6,6・・を貫通して各ヘッド27を押し下げる。すると、各昇降機構7においてストッパピン26が押し下げられて下クランクピン24を案内溝23に沿って押し下げ、下ストッパ板28と上ストッパ板30との直線状の並びを解除するため、上下ストッパ板28,30による突っ張り保持が失われたテコクランク11は下方へ倒伏動作する。このときも、ジョイントバー21及び規制バー35による互いの連結により、4つのストッパピン26の押し下げが同時に行われないとテコクランク11は倒伏動作しない。
【0023】
こうしてテコクランク11が下限姿勢まで倒伏動作すると、図6に示すように、ピットカバー4もこれに追従して下降し、車両受台42がピットボックス2の開口を閉塞する下限位置まで下降することになる。
【0024】
このように、上記形態のピットカバー装置1によれば、昇降機構7を、ピットカバー4が上限位置となる上限姿勢とピットカバー4が下限位置となる下限姿勢との間で昇降動作可能に設けられる支持部材(テコクランク11)と、そのテコクランク11を上限姿勢に付勢するコイルバネ18とによって形成して、昇降機構7をピットPの四隅にそれぞれ配置し、ピットPの内面に沿って隣接する昇降機構7,7のテコクランク11,11間に、テコクランク11,11同士を連結してテコクランク11の単独での昇降動作を規制する規制バー35を、ピットPの内面に沿って架設したことで、ピットP内の作業スペースを広く確保でき、メンテナンス等の作業性が良好となる。また、四隅の昇降機構7でピットカバー4を支持して常に同調して昇降動作するので、ピットカバー4を安定して昇降動作させることができ、傾きやねじれが生じにくくなる。
【0025】
特にここでは、支持部材を、ピットP内に固定されるベース8に下端が回転可能に軸着され、下端を中心として上端が起伏動作するテコクランク11として、規制バー35を、隣接する各テコクランク11における回転中心からの偏心位置で、且つ各テコクランク11が起伏動作しても両者間の距離が変化しない位置間に架設したことで、昇降機構7が上下方向にコンパクトとなってピットPの深さを浅くすることができる。また、規制バー35による単独での昇降動作の規制も容易に行える。
【0026】
また、昇降機構7に、ベース8とテコクランク11との間に連結されて中間部位に下クランクピン24を有し、テコクランク11の上限姿勢で直線状となってテコクランク11の下降動作を規制する下ストッパ板28及び上ストッパ板30と、下クランクピン24に連結されて上方へ突出し、下降した車両受台42との当接により下クランクピン24を下方へ押圧し、上下ストッパ板28,30を折曲させてテコクランク11の下降動作規制を解除するストッパピン26とからなるストッパ機構を設けているので、ピットカバー4に荷重が加わってもピットカバー4の下降が確実に防止される。
【0027】
なお、上記形態では、前側のテコクランクに上連結部を、後側のテコクランクに下連結部をそれぞれ設けているが、互いに逆にして規制バーで連結しても同じ作用効果が得られる。また、連結部の位置や突出形状は適宜変更可能である。
さらに、上記形態では前後の昇降機構を互いに対向させて配置しているが、前向き或いは後向きで同じ向きに配置してもよい。この場合、規制バーの端部は前後のテコクランクで同じ位置に軸着される。
加えて、上記形態では、外側の前後の昇降機構間にのみ規制バーを架設して、左右方向の昇降機構間はジョイントバーで連結しているが、外側と内側とのそれぞれにおいて前後の昇降機構間に規制バーを架設し、前後何れかの左右方向の昇降機構間をジョイントバーで連結するようにしてもよい。
【0028】
一方、ストッパ機構も、例えば方杖部材を上下一つずつのストッパ板で構成したり、方杖部材を起伏体の側方に設けてストッパ部材を起伏体の側方から上方へ突出させたり等、適宜変更して差し支えない。
また、昇降機構においても、起伏体を箱状としたり、上下連結部をなくして偏心位置に直接規制部材を連結したりすることもできる。勿論このような起伏体を設ける構造に限らず、例えば支持部材として上下方向へ伸縮動作するXリンク等の他の機構を採用することも可能である。この場合も例えばXリンク間に規制部材を架設すれば、単独での昇降動作は規制できる。従って、昇降機構の構造によってはストッパ機構を何れか一つの昇降機構にのみ設けたり、ストッパ機構を省略したりしてもよいし、規制部材を全ての昇降機構間に架設してもよい。
そして、ピットの形態も、左右に分離する一対のピットに限らず、一部が連通する凹字状のピットや、全部が連通する四角形状のピットであっても本発明は適用可能である。
【符号の説明】
【0029】
1・・ピットカバー装置、2・・ピットボックス、4・・ピットカバー、7・・昇降機構、8・・ベース、10・・側板、11・・テコクランク、12・・テコ板、14・・ピン、15・・上バネ軸、16・・下バネ軸、18・・コイルバネ、19・・ローラ軸、20・・ローラ、21・・ジョイントバー、23・・案内溝、24・・下クランクピン、26・・ストッパピン、27・・ヘッド、28・・下ストッパ板、29・・上クランクピン、30・・上ストッパ板、33・・上連結部、34・・下連結部、35・・規制バー、40・・車両整備用リフト、41・・シリンダ、42・・車両受台、P・・ピット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面に凹設されて車両整備用リフトが設けられる矩形状のピット内に設けられ、前記ピットの開口を閉塞可能なピットカバーと、そのピットカバーを水平姿勢で支持し、前記車両整備用リフトの車両受台の上昇に応じて上昇動作して前記ピットカバーを前記ピットの開口を閉塞する上限位置に上昇させ、前記車両受台の下降に応じて下降動作して前記ピットカバーを前記ピット内の下限位置に下降させる昇降機構と、を備えたピットカバー装置であって、
前記昇降機構を、前記ピットカバーが上限位置となる上限姿勢と前記ピットカバーが下限位置となる下限姿勢との間で昇降動作可能に設けられる支持部材と、その支持部材を前記上限姿勢に付勢する付勢手段とによって形成して、前記昇降機構を前記ピットの四隅にそれぞれ配置し、
前記ピットの内面に沿って隣接する前記昇降機構の前記支持部材間に、前記支持部材同士を連結して前記支持部材の単独での昇降動作を規制する規制部材を、前記ピットの内面に沿って架設したことを特徴とするピットカバー装置。
【請求項2】
前記支持部材を、前記ピット内に固定されるベースに下端が回転可能に軸着され、前記下端を中心として上端が起伏動作する起伏体として、前記規制部材を、隣接する各前記起伏体における前記回転中心からの偏心位置で、且つ各前記起伏体が起伏動作しても両者間の距離が変化しない位置間に架設したことを特徴とする請求項1に記載のピットカバー装置。
【請求項3】
前記昇降機構に、前記ベースと前記起伏体との間に連結されて中間部位に関節を有し、前記起伏体の上限姿勢で直線状となって前記支持部材の下降動作を規制する方杖部材と、前記方杖部材の関節に連結されて上方へ突出し、下降した前記車両受台との当接により前記関節を下方へ押圧し、前記方杖部材を折曲させて前記支持部材の下降動作規制を解除するストッパ部材とからなるストッパ機構を設けたことを特徴とする請求項2に記載のピットカバー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−232824(P2012−232824A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−101858(P2011−101858)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(390018326)株式会社スギヤス (35)