説明

ピット開閉構造

【課題】受枠の挿入部とピットとの間に十分な隙間を形成することによって、ピット内に挿入する受枠の傾斜角度範囲を大きくし、路面の傾斜に合わせて受枠を斜めに設置することができるピット開閉構造を提供する。
【解決手段】ピット2の上部に立ち上がり管4の上部内に嵌め込む受枠5と蓋6と、受枠5を立ち上がり管4に固定する固定手段10とを備え、受枠5は、上部に立ち上がり管の外径より大きい外側フランジ5eを有し、下部に立ち上がり管4内への挿入部5aを有し、挿入部5aと立ち上がり管4との間には、隙間(S)が形成され、固定手段10は、挿入部5aに螺合し、外周面から突出するボルト8と、抜け止め用突起9とからなり、底板3は、上面に立ち上がり管4が嵌め込まれるリング状上部枠3aと、下面にピット2嵌め込まれるリング状下部枠3bが形成され、底板3同士を重ね、山部7aと谷部7bとを噛み合わせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、地下に埋設されたガス管に取り付けられた開閉バルブの開閉操作を地上から行うことを可能にするために、前記開閉バルブ上に構築されるピットを開閉するためのピット開閉構造、特に、蓋が嵌め込まれる受枠の高さ調整および傾斜設置が容易に行えるピット開閉構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、地下に埋設されたガス管等の開閉バルブの開閉操作を地上から行うことを可能にするために、前記開閉バルブ上に構築されるピット開閉構造と類似するピット開閉構造として、特許文献1(特開2010−101051号公報)に、以下のようなピット開閉構造が開示されている。以下、このピット開閉構造を従来ピット開閉構造といい、図面を参照しながら説明する。
【0003】
図16は、従来ピット開閉構造を示す断面図、図17は、従来ピット開閉構造において受枠の高さを高くした状態を示す断面図である。
【0004】
図16および図17に示すように、従来ピット開閉構造は、地中に埋設された排水管11の連結部に設置されたピット12(図16参照)上に垂直に設置された立ち上がり管13と、立ち上がり管13の上部外側に嵌め込まれる連結管14と、連結管14の上部内側に嵌め込まれる受枠15と、受枠15に嵌め込まれる蓋16とから構成されている。
【0005】
連結管14は、上部14aと下部14bとからなり、上部14aの内径寸法は、立ち上がり管13の内径寸法と等しく、下部14bの内径寸法は、立ち上がり管13の外径寸法と等しくなっている。このように、連結管14の外径寸法を上下2段に異ならせることによって、連結管14を立ち上がり管13の上部に嵌め込むことができるので、立ち上がり管13の長さを連結管14の上部14aの長さ分だけ長くすることができる。
【0006】
立ち上がり管13の増加長さを連結管14の上部14aの長さ未満とする場合には、上部14aを所定長さだけ切断すれば良い。立ち上がり管13の増加長さを連結管14の上部14aの長さ以上にする場合には、図17に示すように、連結管14を複数個(この例では2個)、直列に設置すれば良い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−101051号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した従来ピット開閉構造によれば、立ち上がり管13の長さは、立ち上がり管13の上部に嵌め込む連結管14によって調整することができるので、蓋16が嵌め込まれる受枠15の高さ調整は、容易に行える。従って、受枠15に嵌め込まれる蓋16のレベルを路面(G)のレベルと容易に一致させることができる。
【0009】
しかしながら、従来ピット開閉構造によれば、受枠15の高さ調整は、容易に行えるが、路面(G)が傾斜している場合の対応に問題があった。すなわち、路面(G)が傾斜している場合、連結管14の上部を路面(G)の傾斜に合わせて斜めに切断し、斜めに切断した連結管14の上部14a内に受枠15を嵌め込めば良いが、受枠15と上部14aとの間の隙間は、基本的にはないので、連結管14の上部14a内に受枠15を斜めに嵌め込むことができず、路面(G)の傾斜に合わせて受枠15を斜めに設置することができないといった問題があった。
【0010】
従って、この発明の目的は、埋設管に取り付けられたバルブ上に構築されるピットの開閉構造において、蓋が嵌め込まれる受枠の高さ調整および傾斜設置が容易に行えるピット開閉構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明は、上記目的を達成するためになされたものであって、下記を特徴とするものである。
【0012】
請求項1に記載の発明は、埋設管に取り付けられたバルブの上部に設置されるピットの開閉構造において、前記ピットの上部にリング状底板を介して接続される立ち上がり管と、前記立ち上がり管の上部内に嵌め込まれる受枠と、前記受枠に嵌め込まれる蓋と、前記受枠を前記立ち上がり管に固定するための固定手段とを備え、前記受枠は、上部に前記立ち上がり管の外径より大きい外側フランジを有し、下部に前記立ち上がり管内への挿入部を有し、前記挿入部と前記立ち上がり管との間には、前記受枠を斜めに前記立ち上がり管内に挿入することを可能にするための隙間が形成され、前記固定手段は、前記挿入部に螺合し、ねじ部先端が前記挿入部の外周面から突出する長さを有するボルトと、前記挿入部の外周面に設けられた抜け止め用突起とからなり、前記底板は、上面に前記立ち上がり管の下部が嵌め込まれるリング状上部枠が形成され、下面に前記ピットの上部が嵌め込まれるリング状下部枠が形成され、前記上部枠および前記下部枠は、周方向に山部と谷部とを交互に形成したものからなり、前記底板同士を重ね合わせる際に、前記山部と前記谷部とが互いに噛み合うことに特徴を有するものである。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のピット開閉構造において、前記立ち上がり管は、加工が容易な樹脂からなっていることに特徴を有するものである。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、以下のような効果がもたらされる。
【0015】
(1)受枠の挿入部と立ち上がり管との間に十分な隙間を形成することによって、立ち上がり管内に挿入する受枠の傾斜角度範囲を大幅に大きくすることができるので、路面の傾斜に合わせて受枠を斜めに容易に設置することができる。
【0016】
(2)受枠の挿入部に螺合するボルトと、挿入部の外周面に形成した抜け止め用突起とからなる固定手段を設けることによって、受枠のガタツキや立ち上がり管からの受枠の抜け出しを確実に防止することができる。
【0017】
(3)立ち上がり管を底板を介してピットに接続することによって、立ち上がり管を確実にピットに設置することができ、しかも、受枠にかかる荷重を底板により受けることによって、受枠の沈下を確実に防止することができる。
【0018】
(4)底板の上部枠および下部枠を、これらの周方向に山部と谷部とを交互に形成したもので構成することにより、上部枠内に嵌め込まれる立ち上がり管が倒れ難くすることができると共に、下部枠内に嵌め込まれるピットから底板が外れ難くすることができる。また、底板同士を積み重ねたときに、山部と谷部とが噛み合うので、積み重ね高さを低くすることができる。
【0019】
(5)ピットまたは立ち上がり管を加工が容易な樹脂、例えば、塩化ビニール製とすることによって、ピットまたは立ち上がり管の長さ調整や受枠の傾斜設置の際に行うピットまたは立ち上がり管の切断を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】平坦な地面に構築された、この発明のピット開閉構造を示す断面図である。
【図2】傾斜した地面に構築された、この発明のピット開閉構造を示す断面図である。
【図3】この発明のピット開閉構造における受枠を示す平面図である。
【図4】この発明のピット開閉構造における受枠を示す正面図である。
【図5】この発明のピット開閉構造における受枠を示す底面図である。
【図6】この発明のピット開閉構造における蓋を示す平面図である。
【図7】この発明のピット開閉構造における蓋を示す正面図である。
【図8】この発明のピット開閉構造における蓋を示す底面図である。
【図9】この発明のピット開閉構造における底板を示す正面図である。
【図10】この発明のピット開閉構造における底板を示す平面図である。
【図11】この発明のピット開閉構造における受枠を示す右側面図である。
【図12】この発明のピット開閉構造における受枠を示す左側面図である。
【図13】図10のA−A線断面図である。
【図14】図10のB−B線断面図である。
【図15】この発明のピット開閉構造における底板を重ね合わせた状態を示す正面図である。
【図16】従来ピット開閉構造を示す断面図である。
【図17】従来ピット開閉構造において受枠の高さを高くした状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、この発明のピット開閉構造の一実施態様を、図面を参照しながら説明する。
【0022】
図1は、平坦な地面に設置された、この発明のピット開閉構造を示す断面図、図2は、傾斜した地面に構築された、この発明のピット開閉構造を示す断面図である。
【0023】
図1および図2において、1は、この発明のピット開閉構造である。この発明のピット開閉構造1は、地下に埋設されたピット2に設置され、ピット2を開閉する機能を有している。ピット2は、塩化ビニール等の樹脂からなり、地下に埋設された、例えば、ガス管の開閉バルブ(図示せず)の上部に垂直に構築されている。前記開閉バルブの開閉操作は、ピット開閉構造1の後述する蓋を開き、操作棒(図示せず)をピット2に挿入することにより地上(G)から行えるようになっている。
【0024】
この発明のピット開閉構造1は、ピット2の上部にリング状底板3を介して接続される立ち上がり管4と、立ち上がり管4の上部内に嵌め込まれる受枠5と、受枠5に嵌め込まれる蓋6と、受枠5を立ち上がり管4に固定するための固定手段10とから構成されている。
【0025】
図3から図5に示すように、受枠5の上部には、ピット2の外径より大きい外側フランジ5eが形成され、受枠5の下部には、ピット2内に挿入される挿入部5aが形成されている。受枠5に外側フランジ5eを形成することによって、受枠5にかかる荷重を外側フランジ5eで受けるため、受枠5にかかる荷重による受枠5の沈下を軽減することができる。
【0026】
受枠5の挿入部5aの上部内周面には、内側フランジ5bが形成され、内側フランジ5bには、ストッパー用切り欠き5cが一対、形成されている。蓋6に形成された後述するストッパーをストッパー用切り欠き5cに合致させた後、蓋6を、前記ストッパーがフランジ5bの下面に来る位置まで回転させることによって、蓋6の受枠5からの抜け出しを確実に防止することができる。
【0027】
受枠5の外側フランジ5eの内周面には、位置決め用切り欠き5dが形成されている。位置決め用切り欠き5dの形成位置は、位置決め用切り欠き5d内に、蓋6の後述する位置決め用突起が嵌り込んだときに、蓋6の前記ストッパーが受枠5の内側フランジ5bの下面に来る位置である。従って、位置決め用切り欠き5d内に前記位置決め用突起が嵌り込むまで蓋6を回転させれば、蓋6は、前記ストッパーによって自動的にロックされることになる。かくして、蓋6の受枠5からの抜け出しを確実に防止することができる。
【0028】
図1に示すように、受枠5の挿入部5aとピット2との間には、隙間(S)が形成されている。この隙間(S)は、ピット2内に挿入される受枠5の傾斜角度範囲を大幅に大きくすることができるように広く形成されているので、路面(G)の傾斜に合わせて受枠5を斜めに容易に設置することができる。
【0029】
図1および図2に示すように、固定手段10は、受枠5の挿入部5aに螺合し、ねじ部先端が挿入部5aの外周面から突出する長さを有するボルト8と、挿入部5aの外周面に設けられた抜け止め用突起9とからなっている。抜け止め用突起9は、ボルト8を挟んでその両側に120°間隔で一対、設けられている。
【0030】
固定手段10によれば、受枠5の挿入部5aをピット2内に挿入した後、ボルト8を締めると、ボルト8のねじ部先端と一対の抜け止め用突起9の計3箇所で挿入部5aがピット2に固定されるので、受枠5のピット2からの抜け出しを確実に防止することができる。
【0031】
なお、固定手段10を挿入部5aの下部に設ければ、固定手段10とピット2の上端の開口まで距離が長くなるので、固定手段10を挿入部5aの上部に設けた場合に比べて、受枠5がピット2から抜け出にくくなる。
【0032】
図6から図8に示すように、蓋6の下面には、一対の鉤状ストッパー6aが形成されている。一対のストッパー6aは、下部の鉤部が互いに外側を向くように形成されている。蓋6の上部外周面には、位置決め用突起6bが形成されている。ストッパー6aと位置決め用突起6bとの位置関係は、上述したように、ストッパー6aをストッパー用切り欠き5cに合致させた後、蓋6の位置決め用突起6bが受枠5の位置決め用切り欠き5dに嵌り込む位置まで蓋6を回転させれば、ストッパー6aの鉤部が受枠5のフランジ5bの下方に位置し、蓋6の受枠5からの抜け出しを確実に防止することができる位置関係になっている。
【0033】
図9から図14に示すように、底板3は、リング状をなし、受枠5の外側フランジ5eより大きい外径を有し、受枠5にかかる荷重を受けることによって、受枠5の沈下を確実に防止する機能を有している。底板3の上面には、立ち上がり管4の下部が嵌め込まれるリング状上部枠3aが形成され、底板3の下面には、ピット2の上部が嵌め込まれるリング状下部枠3bが形成されている。上部枠3aおよび下部枠3bは、それぞれ周方向に山部7aと谷部7bとを交互に形成したものからなっている。この例では、山部7aと谷部7bとがそれぞれ3個、形成され、上部枠3aの山部7aおよび谷部7bは、下部枠3bの山部7aおよび谷部7bに対して、周方向に半ピッチだけづれている。これによって、図15に示すように、底板3同士を重ね合わせる際に、一方の底板3の山部7aと他方の底板3の谷部7bとが互いに噛み合うので、底板3同士を積み重ねたときに、積み重ね高さを低くすることができる。この結果、底板3の運搬時等に嵩張らない。
【0034】
なお、上部枠3aの山部7aおよび谷部7bを、下部枠3bの山部7aおよび谷部7bに対して、周方向に半ピッチだけずらさず、同一位置に形成しても良い。この場合は、底板3の積み重ね時に、底板3を周方向に半ピッチだけ回せば良い。
【0035】
また、上部枠3aおよび下部枠3bに山部7aを形成することによって、その部分の高さが高くなるので、上部枠3a内に嵌め込まれる立ち上がり管4の倒れを防止することができると共に、下部枠3b内に嵌め込まれるピット2から底板3が外れ難くすることができる。なお、上部枠3aの高さを全て高くすれば、立ち上がり管4の倒れを防止することはできるが、底板3の重量が増加し、しかも、山部7aと谷部7bとが噛み合うように底板3同士を積み重ねることができないので嵩張る。さらに、図13に示すように、上部枠3aの山部7aの内面を角度(θ)で上広がりのテーパー状に形成することによって、立ち上がり管4を嵌め込み易くなると共に、下部枠3bの山部7aの内面を角度(θ)で下広がりのテーパー状に形成することによって、底板3をピット2に嵌め込み易くなる。
【0036】
また、図9および図10に示すように、上部枠3aの山部7aの内面高さ方向に、突条7cを形成すれば、図1および図2に示すように、立ち上がり管4の下部を上部枠3a内に嵌め込んだときに、立ち上がり管4の管壁に突条7cが食い込むので、立ち上がり管4を底板3に確実に接続することができる。また、下部枠3bの山部7aの内面高さ方向に、突条7cを形成すれば、図1および図2に示すように、ピット2の管壁に突条7cが食い込むので、底板3をピット2に確実に固定することができる。
【0037】
さらに、上部枠3aおよび下部枠3bの内側コーナー部に凹み(P)(図1、図2参照)を形成しておけば、立ち上がり管4の下面およびピット2の上面と底板3とが密着するので、底板3を介して立ち上がり管4とピット2とをガタツキなく接続することができる。通常、底板3は、鋳物製であるので、製造上、内側コーナー部はどうしてもRが付き、立ち上がり管4の下面およびピット2の上面と底板3とが密着し難い。この結果、底板3と立ち上がり管4およびピット2との間にガタツキが生じる虞がある。
【0038】
立ち上がり管4は、後述するように、立ち上がり管4の長さ調整や受枠5の傾斜設置の際に行う立ち上がり管4の切断加工を容易にするために、塩化ビニール等の樹脂からなっている。
【0039】
上述のように構成されている、この発明のピット開閉構造1を平坦な路面(G)に設置するには、図1に示すように、上端面が水平に切断された立ち上がり管4の上部内に受枠5の挿入部5aを挿入し、ボルト8を締める。これにより、ボルト8のねじ部先端と一対の抜け止め用突起9とが立ち上がり管4の内周面に当接するので、受枠5は、立ち上がり管4に水平に確実に固定される。この後、受枠5内に蓋6を嵌め込む。
【0040】
この発明のピット開閉構造1を傾斜した路面(G)に設置するには、図2に示すように、立ち上がり管4の上面を路面(G)の傾斜に合わせて斜めに切断し、立ち上がり管4の上部内に受枠5の挿入部5aを挿入する。立ち上がり管4の切断は、立ち上がり管4を塩化ビニール等の樹脂製とすることによって、容易に行える。この後、ボルト8を締めれば、受枠5のねじ部先端と一対の抜け止め用突起9とが立ち上がり管4の内周面に当接するので、受枠5は、路面(G)の傾斜に合わせて斜めにピット2に確実に固定される。この後、受枠5内に蓋6を嵌め込む。この場合、受枠5の挿入部5aと立ち上がり管4との間に十分に広い隙間が形成されているので、受枠5の傾斜設置角度を、路面(G)の傾斜に合わせて自由に調整することができる。
【0041】
なお、受枠5の高さ調整を行う際には、立ち上がり管4を引き抜いて新たなものと交換するが、立ち上がり管4は、直管であり、しかも、立ち上がり管4と底板3とは、立ち上がり管4の下部を底板3の上部枠3a内に嵌め込むことによって接続されているので、立ち上がり管4の引き抜きは、容易に行える。立ち上がり管4の引き抜きが容易に行えることから、立ち上がり管4の交換の際の土の掘削量は、少量で済む。
【0042】
上述したように、この発明によれば、受枠5の挿入部5aと立ち上がり管4との間に十分に広い隙間(S)を形成することによって、立ち上がり管4に設置される受枠5の傾斜角度範囲を大幅に大きくすることができるので、路面(G)の傾斜に合わせて受枠5を斜めに容易に設置することができる。
【0043】
また、受枠5の挿入部5aに螺合させたボルト8を締め付けることによって、ボルト8のねじ部先端と一対の抜け止め用突起9とがピット2または立ち上がり管4の内周面に当接するので、受枠5のガタツキや立ち上がり管からの抜け出しを確実に防止することができる。
【0044】
また、立ち上がり管4を底板3を介してピット2に設置することによって、立ち上がり管4を確実にピット2に設置することができ、しかも、受枠5にかかる荷重を底板3により受けることによって、受枠5の沈下を確実に防止することができる。
【0045】
また、底板3の上部枠3aおよび下部枠3bを、周方向に山部7aと谷部7bとを交互に形成したもので構成することにより、底板3同士を積み重ねたときに、積み重ね高さを低くすることができると共に、底板3の軽量化および立ち上がり管4の倒れの防止を図ることができる。
【0046】
さらに、立ち上がり管4を、加工が容易な、例えば、塩化ビニール製とすることによって、立ち上がり管4の長さ調整や受枠5の傾斜設置の際に行う立ち上がり管の切断加工を容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0047】
1:この発明のピット開閉構造
2:ピット
3:底板
3a:上部枠
3b:下部枠
4:立ち上がり管
5:受枠
5a:挿入部
5b:内側フランジ
5c:ストッパー用切り欠き
5d:位置決め用切り欠き
5e:外側フランジ
6:蓋
6a:ストッパー
6b:位置決め用突起
7a:山部
7b:谷部
8:ボルト
9:抜け止め用突起
10:固定手段
11:排水管
12:ピット
13:立ち上がり管
14:連結管
14a:連結管の上部
14b:連結管の下部
15:受枠
16:蓋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
埋設管に取り付けられたバルブの上部に設置されるピットの開閉構造において、前記ピットの上部にリング状底板を介して接続される立ち上がり管と、前記立ち上がり管の上部内に嵌め込まれる受枠と、前記受枠に嵌め込まれる蓋と、前記受枠を前記立ち上がり管に固定するための固定手段とを備え、前記受枠は、上部に前記立ち上がり管の外径より大きい外側フランジを有し、下部に前記立ち上がり管内への挿入部を有し、前記挿入部と前記立ち上がり管との間には、前記受枠を斜めに前記立ち上がり管内に挿入することを可能にするための隙間が形成され、前記固定手段は、前記挿入部に螺合し、ねじ部先端が前記挿入部の外周面から突出する長さを有するボルトと、前記挿入部の外周面に設けられた抜け止め用突起とからなり、前記底板は、上面に前記立ち上がり管の下部が嵌め込まれるリング状上部枠が形成され、下面に前記ピットの上部が嵌め込まれるリング状下部枠が形成され、前記上部枠および前記下部枠は、周方向に山部と谷部とを交互に形成したものからなり、前記底板同士を重ね合わせる際に、前記山部と前記谷部とが互いに噛み合うことを特徴とするピット開閉構造。
【請求項2】
前記立ち上がり管は、加工が容易な樹脂からなっていることを特徴とする、請求項1に記載のピット開閉構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−104209(P2013−104209A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247933(P2011−247933)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000231877)日本鋳鉄管株式会社 (48)
【Fターム(参考)】