ピペットチップ洗浄装置
【課題】 使用したピペットチップを自動的に洗浄、乾燥して再使用することができるようになし、而もピペットチップのノズルからの脱離から洗浄、乾燥、再装着までの動作を完全に自動化する。
【解決手段】 ピペットチップホルダ5を、ピペットチップ装着、脱離位置P1と、ピペットチップ洗浄位置P2と、ピペットチップ乾燥位置P3の順に水平方向に円を描くように間欠移動させる。ピペットチップ装着、脱離位置P1に、ピペットチップを分注ヘッドのノズルから脱離させる脱離機構を備える。ピペットチップ洗浄位置P2に、水をかけることによってピペットチップの内外両面を洗浄する洗浄機構を備える。ピペットチップ乾燥位置P3に、不活性ガスの雰囲気中において温風を吹き付けることによってピペットチップの内外両面を乾燥させる乾燥機構を備える。洗浄、乾燥済みのピペットチップを、ピペットチップ装着、脱離位置P1において分注ヘッドのノズルに装着する。
【解決手段】 ピペットチップホルダ5を、ピペットチップ装着、脱離位置P1と、ピペットチップ洗浄位置P2と、ピペットチップ乾燥位置P3の順に水平方向に円を描くように間欠移動させる。ピペットチップ装着、脱離位置P1に、ピペットチップを分注ヘッドのノズルから脱離させる脱離機構を備える。ピペットチップ洗浄位置P2に、水をかけることによってピペットチップの内外両面を洗浄する洗浄機構を備える。ピペットチップ乾燥位置P3に、不活性ガスの雰囲気中において温風を吹き付けることによってピペットチップの内外両面を乾燥させる乾燥機構を備える。洗浄、乾燥済みのピペットチップを、ピペットチップ装着、脱離位置P1において分注ヘッドのノズルに装着する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は分注装置の分注ヘッドにおけるノズルの先端部に着脱自在に外嵌装着されるピペットチップの洗浄装置に関し、更に詳細には使用したピペットチップを自動的に洗浄、乾燥して再使用することができるようになしたピペットチップ洗浄装置に係わる。
【背景技術】
【0002】
従来、種々の試験や測定を行なう際に分注装置が用いられており、該分注装置は、分注ヘッドにおける液体の吸引と吐出を行なうノズルの先端部に筒状のピペットチップが着脱自在に外嵌装着されている。
【0003】
そして、従来の分注装置にあっては、クロスコンタミネーションを防ぐために、分注対象の試料が変わるたびにピペットチップを新しいものと交換していた。そしてまた、取外したピペットチップは廃棄され、使い捨てにされていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記の如き使い捨ての場合には、費用が嵩むと共にピペットチップの着脱に多大な手間と時間を要するという問題点がある。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであって、使用したピペットチップを自動的に洗浄、乾燥して再使用することができるようになし、而もピペットチップのノズルからの脱離から洗浄、乾燥、再装着までの動作を完全に自動化し、もって上記の問題点を悉く解消することができるようになしたピペットチップ洗浄装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
而して、本発明の要旨とするところは、分注ヘッドにおける液体の吸引と吐出を行なうノズルの先端部に着脱自在に外嵌装着されるピペットチップと、前記ノズルから脱離したピペットチップを保持するピペットチップホルダと、前記ピペットチップホルダを、ピペットチップ装着、脱離位置と、ピペットチップ洗浄位置と、ピペットチップ乾燥装置の順に間欠的に移動せしめるピペットチップホルダ移動機構と、前記ピペットチップホルダの移動経路上における前記ピペットチップ装着、脱離位置に備えたピペットチップ脱離機構と、前記ピペットチップ洗浄位置に備えた洗浄機構と、前記ピペットチップ乾燥装置に備えた乾燥機構とからなることを特徴とするピペットチップ洗浄装置にある
【0007】
また、上記構成において、ピペットチップホルダ移動機構を、外壁及び天壁の後記ピペットチップ装着、脱離位置の一箇所に分注ヘッド出入口を設けた平面円形の箱形の基枠内に、ピペットチップ装着、脱離位置、ピペットチップ洗浄位置、ピペットチップ乾燥位置を水平方向に円を描くようにして等間隔に並設し、これらピペットチップ装着、脱離位置、ピペットチップ洗浄位置、ピペットチップ乾燥位置には、後記ピペットチップホルダ移動装置及びこれの支持板と、該支持板にセットするピペットチップホルダ及びピペットチップが自由に出入りすることができるように内壁と側壁に切欠きを設けると共に底壁に排水口を設け、前記基枠の中心部に所要の駆動機構をもって水平方向に所定のストロークで間欠回転せしめられ、前記ピペットチップ装着、脱離位置、ピペットチップ洗浄位置、ピペットチップ乾燥位置の夫々に入り込む支持板を放射状に取り付けてなるピペットチップホルダ移動装置を設置し、該ピペットチップホルダ移動装置の支持板にピペットチップホルダをセットするようになしたピペットチップホルダ移動機構としてもよい。
【0008】
また、上記構成において、洗浄機構を、水をかけることによって各ピペットチップの内外両面を洗浄するようになした洗浄機構としてもよい。
【0009】
また、上記構成において、乾燥機構を、不活性ガスの雰囲気中において温風を吹き付けることによって各ピペットチップの内外両面を乾燥させるようになした乾燥機構としてもよい。
【0010】
また、上記構成において、ピペットチップホルダを、台形状をなし、上部に逆円錐形のピペットチップ保持孔を設けると共に、該ピペットチップ保持孔の内面に上下方向の複数の支持突起を形成し、下部に該ピペットチップ保持孔への連通孔を設けてなるピペットチップホルダとしてもよい。
【0011】
また、上記構成において、ピペットチップ脱離機構を、平板状をなし、前端部に、分注ヘッドにおけるノズルが入り込むと共に該ノズルに装着したピペットチップの上縁が掛かる凹部を設けたピペットチップ脱離体を用い、分注ヘッドが分注作業を終えてピペットチップ装着、脱離位置に戻ったときに該ピペットチップ脱離体が前進し、その凹部に分注ヘッドのノズルを入り込ませた状態における分注ヘッドの上昇によってピペットチップをノズルからずり落とすようになしたピペットチップ脱離機構としてもよい。
【0012】
また、上記構成において、所定回数使用済みのピペットチップを分注ヘッドにおけるノズルから脱離させるための、平板状をなし、前端部に、分注ヘッドにおけるノズルが入り込むと共に該ノズルに装着したピペットチップの上縁が掛かる凹部を設けたピペットチップ脱離体を用い、分注ヘッドが分注作業を終えてピペットチップ装着、脱離位置に至る手前の位置に戻ったときに該ピペットチップ脱離体が分注ヘッドの移動方向と直交する方向から移動経路上に進入し、その凹部に分注ヘッドのノズルを入り込ませた状態における分注ヘッドの上昇によってピペットチップをノズルからずり落とすようになしたピペットチップ脱離機構と、前記ピペットチップ脱離機構とピペットチップ装着、脱離位置との間に配した、ノズルに新しいピペットチップを装着するための、新しいピペットチップを立てた状態て整列して保持するピペットチップ供給台と、床面上に設けた支持台と、前端部支持台上に固定したモータによって回転する螺軸と、該螺軸が螺合する雌ネジを有し、前記ピペットチップ供給体に固着したブロックと、前記螺軸の両側に、これと平行して設けたガイド杆とからなり、前記ピペットチップ供給台を、所定のタイミングで各列の相互の間隔分を一ストローク分として、分注ヘッドの移動方向に移動させるピペットチップ供給機構と、前記ピペットチップ脱離機構とピペットチップ供給機構による動作をしている間にピペットチップ装着、脱離位置において各ピペットチップホルダに保持されている使用済みのピペットチップを排出するための、分注ヘッドの移動方向と直交する方向に移動すると共に、移動方向における始端位置と終端位置において垂直方向に移動する移動架台と、該移動架台の下部に備えたチャック機構とからなるピペットチップ排出機構とを備え、所定回数使用済みのピペットチップを新しいピペットチップに交換するようになしてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明は上記の如き構成であり、使用したピペットチップを自動的に洗浄、乾燥して再使用することができるようになし、而もピペットチップのノズルからの脱離から洗浄、乾燥、再装着までの動作を完全に自動化したものであるから、従来の使い捨てであった場合における費用が嵩むという問題点と、ピペットチップの着脱に多大な手間と時間を要するという問題点を完全に解消することができるものである。また、使用済みのものと新しいものとを自動的に交換することができる構成も加えた場合には、全ての動作を完全に自動化することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係るピペットチップ洗浄装置における基枠の天壁を省略して示した平面図である。
【図2】図1中A−A線断面図である。
【図3】図1中B−B線断面図である。
【図4】ピペットチップホルダの斜視図である。
【図5】ピペットチップホルダの平面図である。
【図6】図5中C−C線断面図である。
【図7】ピペットチップホルダの上部の部分拡大横断面図である。
【図8】本発明の実施形態に係るピペットチップ洗浄装置におけるノズルへのピペットチップの装着状態の説明図である。
【図9】ノズルにピペットチップを装着した分注ヘッドによる分注作業の説明図である。
【図10】ピペットチップ脱離機構の説明図であり、分注ノズルがピペットチップ装着、脱離位置に戻った状態を示すものである。
【図11】ピペットチップ脱離機構の説明図であり、ピペットチップ脱離体が前進した状態を示すものである。
【図12】図11に示す状態の断面図である。
【図13】ピペットチップ脱離機構の説明図であり、分注ヘッドが上昇してピペットチップがノズルからずり落とされた状態を示すものである。
【図14】ピペットチップの交換に用いるピペットチップ脱離機構の断面図である。
【図15】ピペットチップの交換に用いるピペットチップ脱離機構の平面図である。
【図16】ピペットチップの交換に用いるピペットチップ供給機構の断面図である。
【図17】ピペットチップの交換に用いるピペットチップ供給機構の平面図である。
【図18】ピペットチップの交換に用いるピペットチップ排出機構の斜視図である。
【図19】ピペットチップの交換に用いるピペットチップ排出機構における部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
【0016】
図中、1はピペットチップ洗浄装置である。2は分注装置における分注ヘッド、3、3、3・・・は該分注ヘッド2における液体の吸引と吐出を行うノズル、4、4、4・・・は前記ノズル3、3、3・・・の先端部に着脱自在に外嵌装着されるピペットチップである。尚、前記分注ヘッド2の水平及び昇降移動機構については、従来公知のものと同様であるから、その詳細な説明は省略する。
【0017】
5は前記ノズル3、3、3・・・から脱離したピペットチップ4、4、4・・・を保持するピペットチップホルダである。また、該ピペットチップホルダ5は、台形状をなし、上部に逆円錐形のピペットチップ保持孔6、6、6・・・を設けると共に、該ピペットチップ保持孔6、6、6・・・の夫々の内面に上下方向の複数(本実施形態では周方向の等配位置に3個)の支持突起7、7、7を形成し、下部に該ピペットチップ保持孔6への連通孔8を設けてなるものである。
【0018】
該ピペットチップホルダ5は、上記の如くピペットチップ保持孔6、6、6・・・の夫々の内面に複数の支持突起7、7、7を形成しているから、ピペットチップ保持孔6、6、6・・・に保持されたピペットチップ4の外周面と該ピペットチップ保持孔6の内面との間には隙間Sが形成されることになる。そして、この隙間Sが洗浄用の水や乾燥用の温風の通路となり、内面と合わせてピペットチップ4の外面をも洗浄及び乾燥させることが可能となるものである。
【0019】
9はピペットチップホルダ移動機構である。また、該ピペットチップホルダ移動機構9は、外壁10A及び天壁10Dの後記ピペットチップ装着、脱離位置P1の一箇所に分注ヘッド出入口10aを設けた平面円形の箱形の基枠10内に、ピペットチップ装着、脱離位置P1、ピペットチップ洗浄位置P2、ピペットチップ乾燥位置P3を水平方向に円を描くようにして等間隔に並設し、これらピペットチップ装着、脱離位置P1、ピペットチップ洗浄位置P2、ピペットチップ乾燥位置P3には、後記ピペットチップホルダ移動装置及びこれの支持板と、該支持板にセットするピペットチップホルダ5及びピペットチップ4が自由に出入りすることができるように内壁10Bと側壁10Cに切欠き11、12を設けると共に底壁10Eに排水口13、13、13を設け、前記基枠10の中心部に所要の駆動機構(図示せず。)をもって水平方向に所定のストロークで間欠回転せしめられ、前記ピペットチップ装着、脱離位置P1、ピペットチップ洗浄位置P2、ピペットチップ乾燥位置P3の夫々に入り込む支持板15、15、15を放射状に取り付けてなるピペットチップホルダ移動装置14を設置し、該ピペットチップホルダ移動装置14の支持板15、15、15にピペットチップホルダ5、5、5をセットするようになしたものである。尚、前記底壁10Eの排水口13、13、13の部分は、集水性を良くするためにテーパー状になしている。
【0020】
16は前記ピペットチップ洗浄位置P2に備えた洗浄機構である。また、該洗浄機構16は、水をかけることによって各ピペットチップ4の内外両面を洗浄するようになしたものであり、本実施形態においてはシャワーノズル17と、貯水槽18と、該貯水槽18内の水19を前記シャワーノズル17に送るポンプ20並びに配管21とをもって構成している。尚、洗浄用の水は温水としてもよい。
【0021】
22は前記ピペットチップ乾燥位置P3に備えた乾燥機構である。また、該乾燥機構22は、不活性ガスの雰囲気中において温風を吹き付けることによって各ピペットチップ4の内外両面を乾燥させるようになしたものであり、本実施形態においてはファン23とニクロム線ヒータ24とをもって構成している。
【0022】
25は前記ピペットチップ装着、脱離位置P1に備えたピペットチップ脱離機構である。また、該ピペットチップ脱離機構25は、分注作業終了後の使用済みのピペットチップ4を分注ヘッド2におけるノズル3からずり落とすためのものであり、本実施形態においては、平板状をなし、前端部に、分注ヘッド21におけるノズル3、3、3・・・が入り込むと共に該ノズル3、3、3・・・に装着したピペットチップ4、4、4・・・の上縁が掛かる凹部26a、26a、26a・・・を設けたピペットチップ脱離体26を用い、分注ヘッド2が分注作業を終えてピペットチップ装着、脱離位置P1に戻ったときに該ピペットチップ脱離体26が前進し、その凹部26a、26a、26a・・・に分注ヘッド2のノズル3、3、3・・・を入り込ませた状態における分注ヘッド2の上昇によってピペットチップ4、4、4・・・をノズル3、3、3・・・からずり落とすようになしたものである。尚、前記ピペットチップ4、4、4・・・をノズル3、3、3・・・からずり落とす作業は、分注ヘッド2を一旦少し降下させてピペットチップ4、4、4・・・の先端がピペットチップホルダ5のピペットチップ保持孔6、6、6・・・に若干入り込んだ位置において行い、これにより脱離したピペットチップ4、4、4・・・はスムーズ且つ確実にピペットチップホルダ5のピペットチップ保持孔6、6、6・・・に収まる。
【0023】
また、前記ピペットチップ脱離体26は、前記基枠10の内壁10Bに固定したモータ27によって回転する螺軸28と、該螺軸28が螺合する雌ネジ29aを有し、該ピペットチップ脱離体26に固着したブロック29とをもって水平方向に移動せしめられる。尚、該ピペットチップ脱離体26を移動させる機構は、本実施形態に限られるものではなく、公知のその他の機構を採用可能である。また、30、30は前記螺軸28の両側に、これと平行して設けたガイド杆であり、前記ピペットチップ脱離体26に設けたガイドスリーブ31、31に摺動自在に嵌挿している。
【0024】
次に本実施形態の作用について説明する。
分注作業は、例えば次の如くにして行われる。先ず、分注ヘッド2を試薬等の分注液が収容されているカップ或いは試験管等の容器32の上方に移動させ、そしてその後降下させてノズル3、3、3・・・によって所定量の吸引を行う。次に、分注ヘッド2を上昇させて被分注物であるターゲットプレート33上に移動させると共に、該ターゲットプレート33に整列させて印字してある多数のしるし部位のうちの所定のしるし部位の上方に位置させ、その後降下させて試薬を該所定のしるし部位に分注する。次に、分注ヘッド2を上昇させてサンプルプレート34上に移動させると共に該サンプルプレート34に整列させて設けてある多数のウエルのうちの所定のウエルの上方に位置させ、その後降下させてノズル3、3、3・・・によってウエル内の検体の所定量の吸引を行う。そして、分注ヘッド2を上昇させて再びターゲットプレート33上に移動させ、その後降下させて該ターゲットプレート33のしるし部位に分注するものである。これによって一サイクルの分注作業が終了し、この作業の繰り返しにより多数の検体の検査を連続して行うものである。
【0025】
上記の如くして行われる一サイクルの分注作業において、その前に先ずピペットチップ洗浄装置1におけるピペットチップホルダ移動機構9のピペットチップ装着、脱離位置P1において、分注ヘッド2の各ノズル3、3、3・・・への洗浄済みのピペットチップ4、4、4・・・の装着が行われる。
【0026】
これは、図8に示す如く、分注ヘッド2を降下させてその各ノズル3、3、3・・・の先端部をピペットチップホルダ5に保持された各ピペットチップ4に押し込むことによって行われる。そして、その後、上記の通りの一サイクルの分注作業が行われる。
【0027】
上記の如くして一サイクルの分注作業が終了したら、分注ヘッド2はピペットチップ装着、脱離位置P1に戻る。そして該ピペットチップ装着、脱離位置P1に備えたピペットチップ脱離機構25によって分注ヘッド2におけるノズル3から使用済みのピペットチップ4を脱離させる。
【0028】
これは、図10に示す如く、分注ヘッド2が戻って一旦少し降下したときに、図11、図12に示す如く、ピペットチップ脱離体26が前進してその凹部26a、26a、26a・・・に分注ヘッド2のノズル3、3、3・・・を入り込ませ、そしてこの状態において図13に示す如く分注ヘッド2を上昇させることによって行うものである。この分注ヘッド2の上昇によってピペットチップ4の上端縁はピペットチップ脱離体26の下面に掛かってずり落とされるものである。
【0029】
このようにしてノズル3、3、3・・・から脱離されたピペットチップ4、4、4・・・は、再び元のピペットチップホルダ5のピペットチップ保持孔6、6、6・・・内に落ち込み、これによって保持される。また、これと同時にピペットチップ脱離体26は元の位置に後退する。
【0030】
次に、ピペットチップホルダ移動装置14が水平方向に回転し、その支持板15、15、15にセットされた各ピペットチップホルダ5、5、5を一ピッチ宛移動させる。即ち、ピペットチップ装着、脱離位置P1にあったピペットチップホルダ5は、隣りのピペットチップ洗浄位置P2に移動し、またピペットチップ洗浄位置P2にあったピペットチップホルダ5は、隣りのピペットチップ乾燥位置P3に移動し、そしてまたピペットチップ乾燥位置P3にあったピペットチップホルダ5は隣りのピペットチップ装着、脱離位置P1に移動する。
【0031】
そして、前記の如くしてノズル3、3、3・・・から脱離させた使用済みのピペットチップ4、4、4・・・を保持するピペットチップホルダ5は、ピペットチップ洗浄位置P2に移動し、ここにおいて各ピペットチップ4、4、4・・・の内外両面の洗浄が行われる。これは、図2に示す如く、シャワーノズル17から噴出する水をかけることによって行われる。
【0032】
そして、上記の如くして洗浄されたピペットチップ4、4、4・・・を保持するピペットチップホルダ5は、次にピペットチップ乾燥位置P3に移動し、ここにおいて各ピペットチップ4、4、4・・・の内外両面の乾燥が行われる。これは、図3に示す如く、不活性ガスの雰囲気中において温風を吹き付けることによって行われる。
【0033】
そして、上記の如くして洗浄と乾燥が済んだピペットチップ4、4、4・・・を保持するピペットチップホルダ5は、再びピペットチップ装着、脱離位置P1に戻り、前記の通り分注ヘッド2の各ノズル3、3、3・・・への洗浄済みのピペットチップ4、4、4・・・の装着が行われるものである。
【0034】
また、同一のピペットチップ4の再使用の回数は、例えば3回までとし、所定の回数に達したらピペットチップ4を新しいものと交換するものである。
【0035】
このピペットチップ4の交換は、次の如きくにして行われる。
所定の回数使用したピペットチップ4がピペットチップ洗浄装置1のピペットチップ装着、脱離位置P1に戻る途中において使用済みのピペットチップ4の脱離と新しいピペットチップ4の装着が行われる。図1におけるS1は使用済みのピペットチップ4の脱離位置であり、S2は新しいピペットチップ4の装着位置である。
【0036】
先ず、所定の回数使用したピペットチップ4がS1の位置に戻ったとき、図14及び図15に示すピペットチップ脱離機構35によって分注ヘッド2におけるノズル3からのピペットチップ4の脱離が行われる。
【0037】
また、該ピペットチップ脱離機構35は、使用済みのピペットチップ4を分注ヘッド2におけるノズル3からずり落とすためのものであり、本実施形態においては、平板状をなし、前端部に、分注ヘッド2におけるノズル3、3、3・・・が入り込むと共に該ノズル3、3、3・・・に装着したピペットチップ4、4、4・・・の上縁が掛かる凹部36a、36a、36a・・・を設けたピペットチップ脱離体36を用い、分注ヘッド2が分注作業を終えてS1の位置に戻ったときに該ピペットチップ脱離体36が分注ヘッド2の移動方向と直交する方向から移動経路上に進入し、その凹部36a、36a、36a・・・に分注ヘッド2のノズル3、3、3・・・を入り込ませた状態における分注ヘッド2の上昇によってピペットチップ4、4、4・・・をノズル3、3、3・・・からずり落とすようになしたものである。
【0038】
また、前記ピペットチップ脱離体36は、床面に垂直に立設した支柱37に固定したモータ38によって回転する螺軸39と、該螺軸39が螺合する雌ネジ40aを有し、該ピペットチップ脱離体36に固着したブロック40とをもって水平方向に移動せしめられる。尚、該ピペットチップ脱離体36を移動させる機構は、本実施形態に限られるものではなく、公知のその他の機構を採用可能である。また、41は前記螺軸39と平行して設けたガイド杆であり、前記ピペットチップ脱離体36に設けたガイドスリーブ42に摺動自在に嵌挿している。
【0039】
上記の如くしてノズル3、3、3・・・からずり落とされたピペットチップ4、4、4・・・は、真下に設置された回収箱43内に落下し、ある程度溜まったときにまとめて廃棄されるものである。
【0040】
次に、ノズル3への新しいピペットチップ4の装着が行われる。所定回数使用済みのピペットチップ4、4、4・・・がノズル3、3、3・・・から脱離された分注ヘッド2は、S2の位置に移動し、ピペットチップ供給機構44における新しいピペットチップ4、4、4・・・の真上に位置したら降下する。そしてそのピペットチップ3、3、3をピペットチップ4、4、4に押し込むことによって装着が行われる。
【0041】
また、前記ピペットチップ供給機構44は、新しいピペットチップ4、4、4・・・を立てた状態で整列して保持するピペットチップ供給台45と、床面上に設けた支持台46と、前記支持台46上に固定したモータ47によって回転する螺軸48と、該螺軸48が螺合する雌ネジを有し、前記ピペットチップ供給体45に固着したブロック49と、前記螺軸48の両側に、これと平行して設けたガイド杆50、50とからなるものである。そして、前記ピペットチップ供給台45を、所定のタイミングで各列の相互の間隔分を一ストロークとして、分注ヘッド2の移動方向に移動させるものである。
【0042】
また一方、以上の動作をしている間に、ピペットチップ洗浄装置1のピペットチップ装着、脱離位置P1において各ピペットチップホルダ5、5、5に保持されている使用済みのピペットチップ4、4、4・・・の排出が行われる。
【0043】
これはピペットチップ排出機構51によって行われるものであり、また該ピペットチップ排出機構51は、分注ヘッド2の移動方向と直交する方向に移動すると共に、移動方向における始端位置と終端位置において垂直方向に移動する移動架台52と、該移動架台52の下部に備えたチャック機構53とからなるものである。
【0044】
また、該チャック機構53は、ピペットチップホルダ5の各ピペットチップ4、4、4・・・と同数のチャック部54、54、54を、下部が開口する筐体55の内部に並設してなるものである。また、各チャック部54は、一対のチャック杆55、55を交差させると共に、その交差部分を前記筐体55の長さ方向の側壁間に架設した軸56をもって回動自在に支持し、更に該一対のチャック杆55、55の上端間に、これらの相互の間隔を拡縮するシリンダ57を取着してなるものである。そして、該チャック部54は、ピペットチップ4をチャックするときには、シリンダ57によって一対のチャック杆55、55の上端間の間隔を拡大させるものであり、これにより該一対のチャック杆55、55の下端間の間隔が拡大され、夫々がピペットチップ4の内面において外側に突っ張る状態となるものである。これによってチャック状態となる。また、チャックを解除するときには、前記と逆にシリンダ57によって一対のチャック杆55、55を上端間の間隔を縮小させるものである。また、58は、前記移動架台52の終端位置に設置された回収箱であり、一対のチャック杆55、55によってチャックを解除されたピペットチップ4を回収するものである。
【0045】
ピペットチップ排出機構51は、先ず移動架台52が分注ヘッド2の移動方向と直交する方向に移動し、ピペットチップ洗浄装置1のピペットチップ装着、脱離位置P1(始端位置)において停止する。次に、降下し、チャック機構53のチャック部54における一対のチャック杆55、55の下端が窄まった状態においてピペットチップ4の上端開口に入り込んだ位置にて停止する。次に、シリンダ57の作動によって一対のチャック杆55、55がピペットチップ4をチャックした後再び上昇する。そして移動架台52が終端位置まで水平に移動した後降下し、一対のチャック杆55、55によるチャックを解除してピペットチップ4を回収箱58内に落下させて回収するものである。また、移動架台52が終端位置に向けて移動し始めたら、ピペットチップホルダ移動機構9の作動により各ピペットチップホルダ5を順次一ストローク宛移動させるものであり、そして上記の動作を繰り返すことによりピペットチップ洗浄装置1内の全てのピペットチップホルダ5を空状態とするものである。
【0046】
以上の構成とすることにより、ピペットチップのノズルからの脱離から洗浄、乾燥、再装着までの動作に加えて、自動的な所定回数使用済みのものと新しいものとの交換動作も行うことができるようになるものである。したがって、全ての動作を完全に自動化することができるものである。
【0047】
以上の如く、本実施形態は、一度使用したピペットチップを自動的に洗浄、乾燥して再使用することができるようになし、而も、ピペットチップのノズルからの脱離から洗浄、乾燥、再装着までの動作を完全に自動化したものである。したがって、従来の使い捨てであった場合における費用が嵩むという問題点と、ピペットチップの着脱に多大な手間と時間を要するという問題点を完全に解消することができるものである。また、ピペットチップホルダ5を、ピペットチップ装着、脱離位置P1と、ピペットチップ洗浄位置P2と、ピペットチップ乾燥位置P3の順に水平方向に円を描くように間欠移動させるものであるから、洗浄に要するスペースが少なくて済むものである。
【0048】
また、本実施形態においては、上記の如く、ピペットチップ装着、脱離位置P1と、ピペットチップ洗浄位置P2と、ピペットチップ乾燥位置P3とを水平方向に等間隔に配置し、ピペットチップホルダ5を、これらの順に水平方向に円を描くように間欠移動させるように構成しているが、図示はしないが、ピペットチップ装着、脱離位置P1と、ピペットチップ洗浄位置P2と、ピペットチップ乾燥位置P3とを直線的に配置し、ベルトコンベア等を用いてピペットチップホルダ5をそれらの順に間欠移動させるように構成してもよい。また、この場合においては、各位置に独立した処理空間を形成し、該処理空間の夫々に前記洗浄機構16、乾燥機構22、ピペットチップ脱離機構25を備えるものである。
【符号の説明】
【0049】
1 ピペットチップ洗浄装置
2 分注ヘッド
3、3 ノズル
4、4 ピペットチップ
5 ピペットチップホルダ
6、6 ピペットチップ保持孔
9 ピペットチップホルダ移動機構
10 基枠
P1 ピペットチップ装着、脱離位置
P2 ピペットチップ洗浄位置
P3 ピペットチップ乾燥位置
14 ピペットチップホルダ移動装置
15、15 支持板
16 洗浄機構
22 乾燥機構
25 ピペットチップ脱離機構
26 ピペットチップ脱離体
【技術分野】
【0001】
本発明は分注装置の分注ヘッドにおけるノズルの先端部に着脱自在に外嵌装着されるピペットチップの洗浄装置に関し、更に詳細には使用したピペットチップを自動的に洗浄、乾燥して再使用することができるようになしたピペットチップ洗浄装置に係わる。
【背景技術】
【0002】
従来、種々の試験や測定を行なう際に分注装置が用いられており、該分注装置は、分注ヘッドにおける液体の吸引と吐出を行なうノズルの先端部に筒状のピペットチップが着脱自在に外嵌装着されている。
【0003】
そして、従来の分注装置にあっては、クロスコンタミネーションを防ぐために、分注対象の試料が変わるたびにピペットチップを新しいものと交換していた。そしてまた、取外したピペットチップは廃棄され、使い捨てにされていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記の如き使い捨ての場合には、費用が嵩むと共にピペットチップの着脱に多大な手間と時間を要するという問題点がある。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであって、使用したピペットチップを自動的に洗浄、乾燥して再使用することができるようになし、而もピペットチップのノズルからの脱離から洗浄、乾燥、再装着までの動作を完全に自動化し、もって上記の問題点を悉く解消することができるようになしたピペットチップ洗浄装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
而して、本発明の要旨とするところは、分注ヘッドにおける液体の吸引と吐出を行なうノズルの先端部に着脱自在に外嵌装着されるピペットチップと、前記ノズルから脱離したピペットチップを保持するピペットチップホルダと、前記ピペットチップホルダを、ピペットチップ装着、脱離位置と、ピペットチップ洗浄位置と、ピペットチップ乾燥装置の順に間欠的に移動せしめるピペットチップホルダ移動機構と、前記ピペットチップホルダの移動経路上における前記ピペットチップ装着、脱離位置に備えたピペットチップ脱離機構と、前記ピペットチップ洗浄位置に備えた洗浄機構と、前記ピペットチップ乾燥装置に備えた乾燥機構とからなることを特徴とするピペットチップ洗浄装置にある
【0007】
また、上記構成において、ピペットチップホルダ移動機構を、外壁及び天壁の後記ピペットチップ装着、脱離位置の一箇所に分注ヘッド出入口を設けた平面円形の箱形の基枠内に、ピペットチップ装着、脱離位置、ピペットチップ洗浄位置、ピペットチップ乾燥位置を水平方向に円を描くようにして等間隔に並設し、これらピペットチップ装着、脱離位置、ピペットチップ洗浄位置、ピペットチップ乾燥位置には、後記ピペットチップホルダ移動装置及びこれの支持板と、該支持板にセットするピペットチップホルダ及びピペットチップが自由に出入りすることができるように内壁と側壁に切欠きを設けると共に底壁に排水口を設け、前記基枠の中心部に所要の駆動機構をもって水平方向に所定のストロークで間欠回転せしめられ、前記ピペットチップ装着、脱離位置、ピペットチップ洗浄位置、ピペットチップ乾燥位置の夫々に入り込む支持板を放射状に取り付けてなるピペットチップホルダ移動装置を設置し、該ピペットチップホルダ移動装置の支持板にピペットチップホルダをセットするようになしたピペットチップホルダ移動機構としてもよい。
【0008】
また、上記構成において、洗浄機構を、水をかけることによって各ピペットチップの内外両面を洗浄するようになした洗浄機構としてもよい。
【0009】
また、上記構成において、乾燥機構を、不活性ガスの雰囲気中において温風を吹き付けることによって各ピペットチップの内外両面を乾燥させるようになした乾燥機構としてもよい。
【0010】
また、上記構成において、ピペットチップホルダを、台形状をなし、上部に逆円錐形のピペットチップ保持孔を設けると共に、該ピペットチップ保持孔の内面に上下方向の複数の支持突起を形成し、下部に該ピペットチップ保持孔への連通孔を設けてなるピペットチップホルダとしてもよい。
【0011】
また、上記構成において、ピペットチップ脱離機構を、平板状をなし、前端部に、分注ヘッドにおけるノズルが入り込むと共に該ノズルに装着したピペットチップの上縁が掛かる凹部を設けたピペットチップ脱離体を用い、分注ヘッドが分注作業を終えてピペットチップ装着、脱離位置に戻ったときに該ピペットチップ脱離体が前進し、その凹部に分注ヘッドのノズルを入り込ませた状態における分注ヘッドの上昇によってピペットチップをノズルからずり落とすようになしたピペットチップ脱離機構としてもよい。
【0012】
また、上記構成において、所定回数使用済みのピペットチップを分注ヘッドにおけるノズルから脱離させるための、平板状をなし、前端部に、分注ヘッドにおけるノズルが入り込むと共に該ノズルに装着したピペットチップの上縁が掛かる凹部を設けたピペットチップ脱離体を用い、分注ヘッドが分注作業を終えてピペットチップ装着、脱離位置に至る手前の位置に戻ったときに該ピペットチップ脱離体が分注ヘッドの移動方向と直交する方向から移動経路上に進入し、その凹部に分注ヘッドのノズルを入り込ませた状態における分注ヘッドの上昇によってピペットチップをノズルからずり落とすようになしたピペットチップ脱離機構と、前記ピペットチップ脱離機構とピペットチップ装着、脱離位置との間に配した、ノズルに新しいピペットチップを装着するための、新しいピペットチップを立てた状態て整列して保持するピペットチップ供給台と、床面上に設けた支持台と、前端部支持台上に固定したモータによって回転する螺軸と、該螺軸が螺合する雌ネジを有し、前記ピペットチップ供給体に固着したブロックと、前記螺軸の両側に、これと平行して設けたガイド杆とからなり、前記ピペットチップ供給台を、所定のタイミングで各列の相互の間隔分を一ストローク分として、分注ヘッドの移動方向に移動させるピペットチップ供給機構と、前記ピペットチップ脱離機構とピペットチップ供給機構による動作をしている間にピペットチップ装着、脱離位置において各ピペットチップホルダに保持されている使用済みのピペットチップを排出するための、分注ヘッドの移動方向と直交する方向に移動すると共に、移動方向における始端位置と終端位置において垂直方向に移動する移動架台と、該移動架台の下部に備えたチャック機構とからなるピペットチップ排出機構とを備え、所定回数使用済みのピペットチップを新しいピペットチップに交換するようになしてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明は上記の如き構成であり、使用したピペットチップを自動的に洗浄、乾燥して再使用することができるようになし、而もピペットチップのノズルからの脱離から洗浄、乾燥、再装着までの動作を完全に自動化したものであるから、従来の使い捨てであった場合における費用が嵩むという問題点と、ピペットチップの着脱に多大な手間と時間を要するという問題点を完全に解消することができるものである。また、使用済みのものと新しいものとを自動的に交換することができる構成も加えた場合には、全ての動作を完全に自動化することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係るピペットチップ洗浄装置における基枠の天壁を省略して示した平面図である。
【図2】図1中A−A線断面図である。
【図3】図1中B−B線断面図である。
【図4】ピペットチップホルダの斜視図である。
【図5】ピペットチップホルダの平面図である。
【図6】図5中C−C線断面図である。
【図7】ピペットチップホルダの上部の部分拡大横断面図である。
【図8】本発明の実施形態に係るピペットチップ洗浄装置におけるノズルへのピペットチップの装着状態の説明図である。
【図9】ノズルにピペットチップを装着した分注ヘッドによる分注作業の説明図である。
【図10】ピペットチップ脱離機構の説明図であり、分注ノズルがピペットチップ装着、脱離位置に戻った状態を示すものである。
【図11】ピペットチップ脱離機構の説明図であり、ピペットチップ脱離体が前進した状態を示すものである。
【図12】図11に示す状態の断面図である。
【図13】ピペットチップ脱離機構の説明図であり、分注ヘッドが上昇してピペットチップがノズルからずり落とされた状態を示すものである。
【図14】ピペットチップの交換に用いるピペットチップ脱離機構の断面図である。
【図15】ピペットチップの交換に用いるピペットチップ脱離機構の平面図である。
【図16】ピペットチップの交換に用いるピペットチップ供給機構の断面図である。
【図17】ピペットチップの交換に用いるピペットチップ供給機構の平面図である。
【図18】ピペットチップの交換に用いるピペットチップ排出機構の斜視図である。
【図19】ピペットチップの交換に用いるピペットチップ排出機構における部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
【0016】
図中、1はピペットチップ洗浄装置である。2は分注装置における分注ヘッド、3、3、3・・・は該分注ヘッド2における液体の吸引と吐出を行うノズル、4、4、4・・・は前記ノズル3、3、3・・・の先端部に着脱自在に外嵌装着されるピペットチップである。尚、前記分注ヘッド2の水平及び昇降移動機構については、従来公知のものと同様であるから、その詳細な説明は省略する。
【0017】
5は前記ノズル3、3、3・・・から脱離したピペットチップ4、4、4・・・を保持するピペットチップホルダである。また、該ピペットチップホルダ5は、台形状をなし、上部に逆円錐形のピペットチップ保持孔6、6、6・・・を設けると共に、該ピペットチップ保持孔6、6、6・・・の夫々の内面に上下方向の複数(本実施形態では周方向の等配位置に3個)の支持突起7、7、7を形成し、下部に該ピペットチップ保持孔6への連通孔8を設けてなるものである。
【0018】
該ピペットチップホルダ5は、上記の如くピペットチップ保持孔6、6、6・・・の夫々の内面に複数の支持突起7、7、7を形成しているから、ピペットチップ保持孔6、6、6・・・に保持されたピペットチップ4の外周面と該ピペットチップ保持孔6の内面との間には隙間Sが形成されることになる。そして、この隙間Sが洗浄用の水や乾燥用の温風の通路となり、内面と合わせてピペットチップ4の外面をも洗浄及び乾燥させることが可能となるものである。
【0019】
9はピペットチップホルダ移動機構である。また、該ピペットチップホルダ移動機構9は、外壁10A及び天壁10Dの後記ピペットチップ装着、脱離位置P1の一箇所に分注ヘッド出入口10aを設けた平面円形の箱形の基枠10内に、ピペットチップ装着、脱離位置P1、ピペットチップ洗浄位置P2、ピペットチップ乾燥位置P3を水平方向に円を描くようにして等間隔に並設し、これらピペットチップ装着、脱離位置P1、ピペットチップ洗浄位置P2、ピペットチップ乾燥位置P3には、後記ピペットチップホルダ移動装置及びこれの支持板と、該支持板にセットするピペットチップホルダ5及びピペットチップ4が自由に出入りすることができるように内壁10Bと側壁10Cに切欠き11、12を設けると共に底壁10Eに排水口13、13、13を設け、前記基枠10の中心部に所要の駆動機構(図示せず。)をもって水平方向に所定のストロークで間欠回転せしめられ、前記ピペットチップ装着、脱離位置P1、ピペットチップ洗浄位置P2、ピペットチップ乾燥位置P3の夫々に入り込む支持板15、15、15を放射状に取り付けてなるピペットチップホルダ移動装置14を設置し、該ピペットチップホルダ移動装置14の支持板15、15、15にピペットチップホルダ5、5、5をセットするようになしたものである。尚、前記底壁10Eの排水口13、13、13の部分は、集水性を良くするためにテーパー状になしている。
【0020】
16は前記ピペットチップ洗浄位置P2に備えた洗浄機構である。また、該洗浄機構16は、水をかけることによって各ピペットチップ4の内外両面を洗浄するようになしたものであり、本実施形態においてはシャワーノズル17と、貯水槽18と、該貯水槽18内の水19を前記シャワーノズル17に送るポンプ20並びに配管21とをもって構成している。尚、洗浄用の水は温水としてもよい。
【0021】
22は前記ピペットチップ乾燥位置P3に備えた乾燥機構である。また、該乾燥機構22は、不活性ガスの雰囲気中において温風を吹き付けることによって各ピペットチップ4の内外両面を乾燥させるようになしたものであり、本実施形態においてはファン23とニクロム線ヒータ24とをもって構成している。
【0022】
25は前記ピペットチップ装着、脱離位置P1に備えたピペットチップ脱離機構である。また、該ピペットチップ脱離機構25は、分注作業終了後の使用済みのピペットチップ4を分注ヘッド2におけるノズル3からずり落とすためのものであり、本実施形態においては、平板状をなし、前端部に、分注ヘッド21におけるノズル3、3、3・・・が入り込むと共に該ノズル3、3、3・・・に装着したピペットチップ4、4、4・・・の上縁が掛かる凹部26a、26a、26a・・・を設けたピペットチップ脱離体26を用い、分注ヘッド2が分注作業を終えてピペットチップ装着、脱離位置P1に戻ったときに該ピペットチップ脱離体26が前進し、その凹部26a、26a、26a・・・に分注ヘッド2のノズル3、3、3・・・を入り込ませた状態における分注ヘッド2の上昇によってピペットチップ4、4、4・・・をノズル3、3、3・・・からずり落とすようになしたものである。尚、前記ピペットチップ4、4、4・・・をノズル3、3、3・・・からずり落とす作業は、分注ヘッド2を一旦少し降下させてピペットチップ4、4、4・・・の先端がピペットチップホルダ5のピペットチップ保持孔6、6、6・・・に若干入り込んだ位置において行い、これにより脱離したピペットチップ4、4、4・・・はスムーズ且つ確実にピペットチップホルダ5のピペットチップ保持孔6、6、6・・・に収まる。
【0023】
また、前記ピペットチップ脱離体26は、前記基枠10の内壁10Bに固定したモータ27によって回転する螺軸28と、該螺軸28が螺合する雌ネジ29aを有し、該ピペットチップ脱離体26に固着したブロック29とをもって水平方向に移動せしめられる。尚、該ピペットチップ脱離体26を移動させる機構は、本実施形態に限られるものではなく、公知のその他の機構を採用可能である。また、30、30は前記螺軸28の両側に、これと平行して設けたガイド杆であり、前記ピペットチップ脱離体26に設けたガイドスリーブ31、31に摺動自在に嵌挿している。
【0024】
次に本実施形態の作用について説明する。
分注作業は、例えば次の如くにして行われる。先ず、分注ヘッド2を試薬等の分注液が収容されているカップ或いは試験管等の容器32の上方に移動させ、そしてその後降下させてノズル3、3、3・・・によって所定量の吸引を行う。次に、分注ヘッド2を上昇させて被分注物であるターゲットプレート33上に移動させると共に、該ターゲットプレート33に整列させて印字してある多数のしるし部位のうちの所定のしるし部位の上方に位置させ、その後降下させて試薬を該所定のしるし部位に分注する。次に、分注ヘッド2を上昇させてサンプルプレート34上に移動させると共に該サンプルプレート34に整列させて設けてある多数のウエルのうちの所定のウエルの上方に位置させ、その後降下させてノズル3、3、3・・・によってウエル内の検体の所定量の吸引を行う。そして、分注ヘッド2を上昇させて再びターゲットプレート33上に移動させ、その後降下させて該ターゲットプレート33のしるし部位に分注するものである。これによって一サイクルの分注作業が終了し、この作業の繰り返しにより多数の検体の検査を連続して行うものである。
【0025】
上記の如くして行われる一サイクルの分注作業において、その前に先ずピペットチップ洗浄装置1におけるピペットチップホルダ移動機構9のピペットチップ装着、脱離位置P1において、分注ヘッド2の各ノズル3、3、3・・・への洗浄済みのピペットチップ4、4、4・・・の装着が行われる。
【0026】
これは、図8に示す如く、分注ヘッド2を降下させてその各ノズル3、3、3・・・の先端部をピペットチップホルダ5に保持された各ピペットチップ4に押し込むことによって行われる。そして、その後、上記の通りの一サイクルの分注作業が行われる。
【0027】
上記の如くして一サイクルの分注作業が終了したら、分注ヘッド2はピペットチップ装着、脱離位置P1に戻る。そして該ピペットチップ装着、脱離位置P1に備えたピペットチップ脱離機構25によって分注ヘッド2におけるノズル3から使用済みのピペットチップ4を脱離させる。
【0028】
これは、図10に示す如く、分注ヘッド2が戻って一旦少し降下したときに、図11、図12に示す如く、ピペットチップ脱離体26が前進してその凹部26a、26a、26a・・・に分注ヘッド2のノズル3、3、3・・・を入り込ませ、そしてこの状態において図13に示す如く分注ヘッド2を上昇させることによって行うものである。この分注ヘッド2の上昇によってピペットチップ4の上端縁はピペットチップ脱離体26の下面に掛かってずり落とされるものである。
【0029】
このようにしてノズル3、3、3・・・から脱離されたピペットチップ4、4、4・・・は、再び元のピペットチップホルダ5のピペットチップ保持孔6、6、6・・・内に落ち込み、これによって保持される。また、これと同時にピペットチップ脱離体26は元の位置に後退する。
【0030】
次に、ピペットチップホルダ移動装置14が水平方向に回転し、その支持板15、15、15にセットされた各ピペットチップホルダ5、5、5を一ピッチ宛移動させる。即ち、ピペットチップ装着、脱離位置P1にあったピペットチップホルダ5は、隣りのピペットチップ洗浄位置P2に移動し、またピペットチップ洗浄位置P2にあったピペットチップホルダ5は、隣りのピペットチップ乾燥位置P3に移動し、そしてまたピペットチップ乾燥位置P3にあったピペットチップホルダ5は隣りのピペットチップ装着、脱離位置P1に移動する。
【0031】
そして、前記の如くしてノズル3、3、3・・・から脱離させた使用済みのピペットチップ4、4、4・・・を保持するピペットチップホルダ5は、ピペットチップ洗浄位置P2に移動し、ここにおいて各ピペットチップ4、4、4・・・の内外両面の洗浄が行われる。これは、図2に示す如く、シャワーノズル17から噴出する水をかけることによって行われる。
【0032】
そして、上記の如くして洗浄されたピペットチップ4、4、4・・・を保持するピペットチップホルダ5は、次にピペットチップ乾燥位置P3に移動し、ここにおいて各ピペットチップ4、4、4・・・の内外両面の乾燥が行われる。これは、図3に示す如く、不活性ガスの雰囲気中において温風を吹き付けることによって行われる。
【0033】
そして、上記の如くして洗浄と乾燥が済んだピペットチップ4、4、4・・・を保持するピペットチップホルダ5は、再びピペットチップ装着、脱離位置P1に戻り、前記の通り分注ヘッド2の各ノズル3、3、3・・・への洗浄済みのピペットチップ4、4、4・・・の装着が行われるものである。
【0034】
また、同一のピペットチップ4の再使用の回数は、例えば3回までとし、所定の回数に達したらピペットチップ4を新しいものと交換するものである。
【0035】
このピペットチップ4の交換は、次の如きくにして行われる。
所定の回数使用したピペットチップ4がピペットチップ洗浄装置1のピペットチップ装着、脱離位置P1に戻る途中において使用済みのピペットチップ4の脱離と新しいピペットチップ4の装着が行われる。図1におけるS1は使用済みのピペットチップ4の脱離位置であり、S2は新しいピペットチップ4の装着位置である。
【0036】
先ず、所定の回数使用したピペットチップ4がS1の位置に戻ったとき、図14及び図15に示すピペットチップ脱離機構35によって分注ヘッド2におけるノズル3からのピペットチップ4の脱離が行われる。
【0037】
また、該ピペットチップ脱離機構35は、使用済みのピペットチップ4を分注ヘッド2におけるノズル3からずり落とすためのものであり、本実施形態においては、平板状をなし、前端部に、分注ヘッド2におけるノズル3、3、3・・・が入り込むと共に該ノズル3、3、3・・・に装着したピペットチップ4、4、4・・・の上縁が掛かる凹部36a、36a、36a・・・を設けたピペットチップ脱離体36を用い、分注ヘッド2が分注作業を終えてS1の位置に戻ったときに該ピペットチップ脱離体36が分注ヘッド2の移動方向と直交する方向から移動経路上に進入し、その凹部36a、36a、36a・・・に分注ヘッド2のノズル3、3、3・・・を入り込ませた状態における分注ヘッド2の上昇によってピペットチップ4、4、4・・・をノズル3、3、3・・・からずり落とすようになしたものである。
【0038】
また、前記ピペットチップ脱離体36は、床面に垂直に立設した支柱37に固定したモータ38によって回転する螺軸39と、該螺軸39が螺合する雌ネジ40aを有し、該ピペットチップ脱離体36に固着したブロック40とをもって水平方向に移動せしめられる。尚、該ピペットチップ脱離体36を移動させる機構は、本実施形態に限られるものではなく、公知のその他の機構を採用可能である。また、41は前記螺軸39と平行して設けたガイド杆であり、前記ピペットチップ脱離体36に設けたガイドスリーブ42に摺動自在に嵌挿している。
【0039】
上記の如くしてノズル3、3、3・・・からずり落とされたピペットチップ4、4、4・・・は、真下に設置された回収箱43内に落下し、ある程度溜まったときにまとめて廃棄されるものである。
【0040】
次に、ノズル3への新しいピペットチップ4の装着が行われる。所定回数使用済みのピペットチップ4、4、4・・・がノズル3、3、3・・・から脱離された分注ヘッド2は、S2の位置に移動し、ピペットチップ供給機構44における新しいピペットチップ4、4、4・・・の真上に位置したら降下する。そしてそのピペットチップ3、3、3をピペットチップ4、4、4に押し込むことによって装着が行われる。
【0041】
また、前記ピペットチップ供給機構44は、新しいピペットチップ4、4、4・・・を立てた状態で整列して保持するピペットチップ供給台45と、床面上に設けた支持台46と、前記支持台46上に固定したモータ47によって回転する螺軸48と、該螺軸48が螺合する雌ネジを有し、前記ピペットチップ供給体45に固着したブロック49と、前記螺軸48の両側に、これと平行して設けたガイド杆50、50とからなるものである。そして、前記ピペットチップ供給台45を、所定のタイミングで各列の相互の間隔分を一ストロークとして、分注ヘッド2の移動方向に移動させるものである。
【0042】
また一方、以上の動作をしている間に、ピペットチップ洗浄装置1のピペットチップ装着、脱離位置P1において各ピペットチップホルダ5、5、5に保持されている使用済みのピペットチップ4、4、4・・・の排出が行われる。
【0043】
これはピペットチップ排出機構51によって行われるものであり、また該ピペットチップ排出機構51は、分注ヘッド2の移動方向と直交する方向に移動すると共に、移動方向における始端位置と終端位置において垂直方向に移動する移動架台52と、該移動架台52の下部に備えたチャック機構53とからなるものである。
【0044】
また、該チャック機構53は、ピペットチップホルダ5の各ピペットチップ4、4、4・・・と同数のチャック部54、54、54を、下部が開口する筐体55の内部に並設してなるものである。また、各チャック部54は、一対のチャック杆55、55を交差させると共に、その交差部分を前記筐体55の長さ方向の側壁間に架設した軸56をもって回動自在に支持し、更に該一対のチャック杆55、55の上端間に、これらの相互の間隔を拡縮するシリンダ57を取着してなるものである。そして、該チャック部54は、ピペットチップ4をチャックするときには、シリンダ57によって一対のチャック杆55、55の上端間の間隔を拡大させるものであり、これにより該一対のチャック杆55、55の下端間の間隔が拡大され、夫々がピペットチップ4の内面において外側に突っ張る状態となるものである。これによってチャック状態となる。また、チャックを解除するときには、前記と逆にシリンダ57によって一対のチャック杆55、55を上端間の間隔を縮小させるものである。また、58は、前記移動架台52の終端位置に設置された回収箱であり、一対のチャック杆55、55によってチャックを解除されたピペットチップ4を回収するものである。
【0045】
ピペットチップ排出機構51は、先ず移動架台52が分注ヘッド2の移動方向と直交する方向に移動し、ピペットチップ洗浄装置1のピペットチップ装着、脱離位置P1(始端位置)において停止する。次に、降下し、チャック機構53のチャック部54における一対のチャック杆55、55の下端が窄まった状態においてピペットチップ4の上端開口に入り込んだ位置にて停止する。次に、シリンダ57の作動によって一対のチャック杆55、55がピペットチップ4をチャックした後再び上昇する。そして移動架台52が終端位置まで水平に移動した後降下し、一対のチャック杆55、55によるチャックを解除してピペットチップ4を回収箱58内に落下させて回収するものである。また、移動架台52が終端位置に向けて移動し始めたら、ピペットチップホルダ移動機構9の作動により各ピペットチップホルダ5を順次一ストローク宛移動させるものであり、そして上記の動作を繰り返すことによりピペットチップ洗浄装置1内の全てのピペットチップホルダ5を空状態とするものである。
【0046】
以上の構成とすることにより、ピペットチップのノズルからの脱離から洗浄、乾燥、再装着までの動作に加えて、自動的な所定回数使用済みのものと新しいものとの交換動作も行うことができるようになるものである。したがって、全ての動作を完全に自動化することができるものである。
【0047】
以上の如く、本実施形態は、一度使用したピペットチップを自動的に洗浄、乾燥して再使用することができるようになし、而も、ピペットチップのノズルからの脱離から洗浄、乾燥、再装着までの動作を完全に自動化したものである。したがって、従来の使い捨てであった場合における費用が嵩むという問題点と、ピペットチップの着脱に多大な手間と時間を要するという問題点を完全に解消することができるものである。また、ピペットチップホルダ5を、ピペットチップ装着、脱離位置P1と、ピペットチップ洗浄位置P2と、ピペットチップ乾燥位置P3の順に水平方向に円を描くように間欠移動させるものであるから、洗浄に要するスペースが少なくて済むものである。
【0048】
また、本実施形態においては、上記の如く、ピペットチップ装着、脱離位置P1と、ピペットチップ洗浄位置P2と、ピペットチップ乾燥位置P3とを水平方向に等間隔に配置し、ピペットチップホルダ5を、これらの順に水平方向に円を描くように間欠移動させるように構成しているが、図示はしないが、ピペットチップ装着、脱離位置P1と、ピペットチップ洗浄位置P2と、ピペットチップ乾燥位置P3とを直線的に配置し、ベルトコンベア等を用いてピペットチップホルダ5をそれらの順に間欠移動させるように構成してもよい。また、この場合においては、各位置に独立した処理空間を形成し、該処理空間の夫々に前記洗浄機構16、乾燥機構22、ピペットチップ脱離機構25を備えるものである。
【符号の説明】
【0049】
1 ピペットチップ洗浄装置
2 分注ヘッド
3、3 ノズル
4、4 ピペットチップ
5 ピペットチップホルダ
6、6 ピペットチップ保持孔
9 ピペットチップホルダ移動機構
10 基枠
P1 ピペットチップ装着、脱離位置
P2 ピペットチップ洗浄位置
P3 ピペットチップ乾燥位置
14 ピペットチップホルダ移動装置
15、15 支持板
16 洗浄機構
22 乾燥機構
25 ピペットチップ脱離機構
26 ピペットチップ脱離体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分注ヘッドにおける液体の吸引と吐出を行なうノズルの先端部に着脱自在に外嵌装着されるピペットチップと、前記ノズルから脱離したピペットチップを保持するピペットチップホルダと、前記ピペットチップホルダを、ピペットチップ装着、脱離位置と、ピペットチップ洗浄位置と、ピペットチップ乾燥装置の順に間欠的に移動せしめるピペットチップホルダ移動機構と、前記ピペットチップホルダの移動経路上における前記ピペットチップ装着、脱離位置に備えたピペットチップ脱離機構と、前記ピペットチップ洗浄位置に備えた洗浄機構と、前記ピペットチップ乾燥装置に備えた乾燥機構とからなることを特徴とするピペットチップ洗浄装置。
【請求項2】
ピペットチップホルダ移動機構が、外壁及び天壁の後記ピペットチップ装着、脱離位置の一箇所に分注ヘッド出入口を設けた平面円形の箱形の基枠内に、ピペットチップ装着、脱離位置、ピペットチップ洗浄位置、ピペットチップ乾燥位置を水平方向に円を描くようにして等間隔に並設し、これらピペットチップ装着、脱離位置、ピペットチップ洗浄位置、ピペットチップ乾燥位置には、後記ピペットチップホルダ移動装置及びこれの支持板と、該支持板にセットするピペットチップホルダ及びピペットチップが自由に出入りすることができるように内壁と側壁に切欠きを設けると共に底壁に排水口を設け、前記基枠の中心部に所要の駆動機構をもって水平方向に所定のストロークで間欠回転せしめられ、前記ピペットチップ装着、脱離位置、ピペットチップ洗浄位置、ピペットチップ乾燥位置の夫々に入り込む支持板を放射状に取り付けてなるピペットチップホルダ移動装置を設置し、該ピペットチップホルダ移動装置の支持板にピペットチップホルダをセットするようになしたピペットチップホルダ移動機構である請求項1記載のピペットチップ洗浄装置。
【請求項3】
洗浄機構が、水をかけることによってピペットチップの内外両面を洗浄するようになした洗浄機構である請求項1又は2記載のピペットチップ洗浄装置。
【請求項4】
乾燥機構が、不活性ガスの雰囲気中において温風を吹き付けることによってピペットチップの内外両面を乾燥させるようになした乾燥機構である請求項1、2又は3記載のピペットチップ洗浄装置。
【請求項5】
ピペットチップホルダが、台形状をなし、上部に逆円錐形のピペットチップ保持孔を設けると共に、該ピペットチップ保持孔の内面に複数の支持突起を形成し、下部に該ピペットチップ保持孔への連通孔を設けてなるピペットチップホルダである請求項3又は4記載のピペットチップ洗浄装置。
【請求項6】
ピペットチップ脱離機構が、平板状をなし、前端部に、分注ヘッドにおけるノズルが入り込むと共に該ノズルに装着したピペットチップの上縁が掛かる凹部を設けたピペットチップ脱離体を用い、分注ヘッドが分注作業を終えてピペットチップ装着、脱離位置に戻ったときに該ピペットチップ脱離体が前進し、その凹部に分注ヘッドのノズルを入り込ませた状態における分注ヘッドの上昇によってピペットチップをノズルからずり落とすようになしたピペットチップ脱離機構である請求項1、2、3、4又は5記載のピペットチップ洗浄装置。
【請求項7】
所定回数使用済みのピペットチップを分注ヘッドにおけるノズルから脱離させるための、平板状をなし、前端部に、分注ヘッドにおけるノズルが入り込むと共に該ノズルに装着したピペットチップの上縁が掛かる凹部を設けたピペットチップ脱離体を用い、分注ヘッドが分注作業を終えてピペットチップ装着、脱離位置に至る手前の位置に戻ったときに該ピペットチップ脱離体が分注ヘッドの移動方向と直交する方向から移動経路上に進入し、その凹部に分注ヘッドのノズルを入り込ませた状態における分注ヘッドの上昇によってピペットチップをノズルからずり落とすようになしたピペットチップ脱離機構と、前記ピペットチップ脱離機構とピペットチップ装着、脱離位置との間に配した、ノズルに新しいピペットチップを装着するための、新しいピペットチップを立てた状態て整列して保持するピペットチップ供給台と、床面上に設けた支持台と、前端部支持台上に固定したモータによって回転する螺軸と、該螺軸が螺合する雌ネジを有し、前記ピペットチップ供給体に固着したブロックと、前記螺軸の両側に、これと平行して設けたガイド杆とからなり、前記ピペットチップ供給台を、所定のタイミングで各列の相互の間隔分を一ストローク分として、分注ヘッドの移動方向に移動させるピペットチップ供給機構と、前記ピペットチップ脱離機構とピペットチップ供給機構による動作をしている間にピペットチップ装着、脱離位置において各ピペットチップホルダに保持されている使用済みのピペットチップを排出するための、分注ヘッドの移動方向と直交する方向に移動すると共に、移動方向における始端位置と終端位置において垂直方向に移動する移動架台と、該移動架台の下部に備えたチャック機構とからなるピペットチップ排出機構とを備え、所定回数使用済みのピペットチップを新しいピペットチップに交換するようになした請求項1、2、3、4、5又は6記載のピペットチップ洗浄装置。
【請求項1】
分注ヘッドにおける液体の吸引と吐出を行なうノズルの先端部に着脱自在に外嵌装着されるピペットチップと、前記ノズルから脱離したピペットチップを保持するピペットチップホルダと、前記ピペットチップホルダを、ピペットチップ装着、脱離位置と、ピペットチップ洗浄位置と、ピペットチップ乾燥装置の順に間欠的に移動せしめるピペットチップホルダ移動機構と、前記ピペットチップホルダの移動経路上における前記ピペットチップ装着、脱離位置に備えたピペットチップ脱離機構と、前記ピペットチップ洗浄位置に備えた洗浄機構と、前記ピペットチップ乾燥装置に備えた乾燥機構とからなることを特徴とするピペットチップ洗浄装置。
【請求項2】
ピペットチップホルダ移動機構が、外壁及び天壁の後記ピペットチップ装着、脱離位置の一箇所に分注ヘッド出入口を設けた平面円形の箱形の基枠内に、ピペットチップ装着、脱離位置、ピペットチップ洗浄位置、ピペットチップ乾燥位置を水平方向に円を描くようにして等間隔に並設し、これらピペットチップ装着、脱離位置、ピペットチップ洗浄位置、ピペットチップ乾燥位置には、後記ピペットチップホルダ移動装置及びこれの支持板と、該支持板にセットするピペットチップホルダ及びピペットチップが自由に出入りすることができるように内壁と側壁に切欠きを設けると共に底壁に排水口を設け、前記基枠の中心部に所要の駆動機構をもって水平方向に所定のストロークで間欠回転せしめられ、前記ピペットチップ装着、脱離位置、ピペットチップ洗浄位置、ピペットチップ乾燥位置の夫々に入り込む支持板を放射状に取り付けてなるピペットチップホルダ移動装置を設置し、該ピペットチップホルダ移動装置の支持板にピペットチップホルダをセットするようになしたピペットチップホルダ移動機構である請求項1記載のピペットチップ洗浄装置。
【請求項3】
洗浄機構が、水をかけることによってピペットチップの内外両面を洗浄するようになした洗浄機構である請求項1又は2記載のピペットチップ洗浄装置。
【請求項4】
乾燥機構が、不活性ガスの雰囲気中において温風を吹き付けることによってピペットチップの内外両面を乾燥させるようになした乾燥機構である請求項1、2又は3記載のピペットチップ洗浄装置。
【請求項5】
ピペットチップホルダが、台形状をなし、上部に逆円錐形のピペットチップ保持孔を設けると共に、該ピペットチップ保持孔の内面に複数の支持突起を形成し、下部に該ピペットチップ保持孔への連通孔を設けてなるピペットチップホルダである請求項3又は4記載のピペットチップ洗浄装置。
【請求項6】
ピペットチップ脱離機構が、平板状をなし、前端部に、分注ヘッドにおけるノズルが入り込むと共に該ノズルに装着したピペットチップの上縁が掛かる凹部を設けたピペットチップ脱離体を用い、分注ヘッドが分注作業を終えてピペットチップ装着、脱離位置に戻ったときに該ピペットチップ脱離体が前進し、その凹部に分注ヘッドのノズルを入り込ませた状態における分注ヘッドの上昇によってピペットチップをノズルからずり落とすようになしたピペットチップ脱離機構である請求項1、2、3、4又は5記載のピペットチップ洗浄装置。
【請求項7】
所定回数使用済みのピペットチップを分注ヘッドにおけるノズルから脱離させるための、平板状をなし、前端部に、分注ヘッドにおけるノズルが入り込むと共に該ノズルに装着したピペットチップの上縁が掛かる凹部を設けたピペットチップ脱離体を用い、分注ヘッドが分注作業を終えてピペットチップ装着、脱離位置に至る手前の位置に戻ったときに該ピペットチップ脱離体が分注ヘッドの移動方向と直交する方向から移動経路上に進入し、その凹部に分注ヘッドのノズルを入り込ませた状態における分注ヘッドの上昇によってピペットチップをノズルからずり落とすようになしたピペットチップ脱離機構と、前記ピペットチップ脱離機構とピペットチップ装着、脱離位置との間に配した、ノズルに新しいピペットチップを装着するための、新しいピペットチップを立てた状態て整列して保持するピペットチップ供給台と、床面上に設けた支持台と、前端部支持台上に固定したモータによって回転する螺軸と、該螺軸が螺合する雌ネジを有し、前記ピペットチップ供給体に固着したブロックと、前記螺軸の両側に、これと平行して設けたガイド杆とからなり、前記ピペットチップ供給台を、所定のタイミングで各列の相互の間隔分を一ストローク分として、分注ヘッドの移動方向に移動させるピペットチップ供給機構と、前記ピペットチップ脱離機構とピペットチップ供給機構による動作をしている間にピペットチップ装着、脱離位置において各ピペットチップホルダに保持されている使用済みのピペットチップを排出するための、分注ヘッドの移動方向と直交する方向に移動すると共に、移動方向における始端位置と終端位置において垂直方向に移動する移動架台と、該移動架台の下部に備えたチャック機構とからなるピペットチップ排出機構とを備え、所定回数使用済みのピペットチップを新しいピペットチップに交換するようになした請求項1、2、3、4、5又は6記載のピペットチップ洗浄装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2011−242329(P2011−242329A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−116310(P2010−116310)
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(392017303)システム・インスツルメンツ株式会社 (15)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(392017303)システム・インスツルメンツ株式会社 (15)
【Fターム(参考)】
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