ピペットチップ
【課題】供給装置上に特別な機構を設けることなく、ピペットチップ同士の嵌合を容易に防止することのできるピペットチップを提供する。
【解決手段】吸引ノズルの先端に装着し、液体を吸引して収容し、吐出するピペットチップは、吸引ノズルに装着される装着部と、前記装着部に連接し、吸引された液体を収容可能で、先端に吸引吐出口を有する液体収容部と、を備え、前記液体収容部の先端近傍にピペットチップ同士の嵌合を防止するための嵌合防止部を有する。
【解決手段】吸引ノズルの先端に装着し、液体を吸引して収容し、吐出するピペットチップは、吸引ノズルに装着される装着部と、前記装着部に連接し、吸引された液体を収容可能で、先端に吸引吐出口を有する液体収容部と、を備え、前記液体収容部の先端近傍にピペットチップ同士の嵌合を防止するための嵌合防止部を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液、血清又は尿などの検体や試薬の分注を行う分注ノズルに装着されて使用されるピペットチップに関する。
【背景技術】
【0002】
検体や試薬等の液体の吸引・吐出を行うための分注ノズルを有する分析装置においては、分注ノズルに吸引された検体や試薬等に前回の分析に用いられた検体や試薬等が混入することにより、分注ノズルに吸引された検体や試薬等が汚染されることを防止することが重要である。そのため、分注ノズルの先端には使い捨て式のピペットチップが使用されることがある。
【0003】
分析作業を連続的に行うために、この種のピペットチップは大量に収容槽に収納、保管されることがある。そして、ピペットチップの装着を行うために、収容槽から取り出されたピペットチップは、分注ノズルへの装着位置まで供給される必要がある。
【0004】
ピペットチップの形状としては、ピペットチップの基端部から先端部に向かって先細形状で略円錐状となるよう構成されたものがある(例えば、特許文献1)。しかし、収容槽に大量のピペットチップが無作為に集積された場合、このような先細形状では、ある一つのピペットチップが、他のピペットチップ内にその基端の開口から入り込んだ結果、上側のピペットチップの外壁面と下側のピペットチップの内壁面とが相接することにより、ピペットチップ同士が嵌合することがある。そのような嵌合状態のピペットチップを供給すると、ピペットチップが供給装置の構成部材と干渉して供給経路上で停滞してしまう等の不具合が生じ、効率的な供給が妨げられる。さらに、分注ノズルによる液体の吸引・吐出動作にも支障が生じる。
【0005】
ピペットチップの重なりを解消しようとするものとして、例えば特許文献2では、供給途中にある上下に重なったピペットチップの上側ピペットチップを保持し、下側ピペットチップを自重により落下させる構成が開示されている。
【0006】
しかしながら、特許文献2に開示される構成によっては、ピペットチップの重なりを解消することはできても、互いに嵌合したピペットチップを一つずつに分離することは困難である。また、特許文献2に開示される構成のような特別な機構を供給装置上に設けようとすれば、装置が複雑化する。
【0007】
【特許文献1】実用新案第2528658号公報
【特許文献2】特開2003−83987号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで本発明は、供給装置上に特別な機構を設けることなく、ピペットチップ同士の嵌合を容易に防止することのできるピペットチップを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題に鑑み、本願発明は、吸引ノズルの先端に装着し、液体を吸引して収容し、吐出するピペットチップであって、吸引ノズルに装着される装着部と、前記装着部に連接し、吸引された液体を収容可能で、先端に吸引吐出口を有する液体収容部と、を備え、前記液体収容部の先端近傍にピペットチップ同士の嵌合を防止するための嵌合防止部を有するピペットチップを提供するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、供給装置上に特別な機構を設けることなく、ピペットチップ同士の嵌合を容易に防止することができる。その結果、ピペットチップを効率的に供給し、分注ノズルにより良好に液体を吸引・吐出することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態に係るピペットチップについて、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係るピペットチップ1の正面図を示している。図1に示すように、ピペットチップ1は、図8に示すノズル部54aに装着される装着部2と、装着部2に連接するよう形成され、吸引された液体を収容可能な液体収容部3とを備えている。液体収容部3は、装着部2に連接する胴部7と、胴部7に連接する傾斜部6と、傾斜部6に連接する主収容部5と、主収容部5に連接する先端部4とを備えている。このピペットチップ1は全体が、半透明なポリプロピレンにより成型されている。
【0013】
図2は、ピペットチップ1の上面図である。図1、図2に示すように、ピペットチップ1の内断面および外断面は、装着部2から先端部4まで、ともに略円形となるよう構成されている。また、装着部2の外壁面は凹凸形状となるよう構成されている。
【0014】
図3は、図1において示したピペットチップ1のA-A'断面図である。図3に示すように、ピペットチップ1は、先端部4の先端に液体を吸引し吐出するための吸引吐出口4aを備えるとともに、図8に示すノズル部54aの先端54bが挿入される基端開口2aを装着部2の上端に備え、先端部4の吸引吐出口4aから装着部2の基端開口2aに連通する内孔8が内部を貫通して形成されている。
【0015】
ピペットチップ1の内壁面は、主収容部5の上端から先端部4の吸引吐出口4aにかけて、滑らかに連続する面により、径が小さくなるテーパー状に形成されている。一方、先端部4と主収容部5の外壁面は段差状に連接している。ピペットチップ1における、この段差状に連接している部分である段差部9の外径は、先端部4の外径よりも大きくなるよう形成されており、詳細には、段差部9の外径は1.8mmであり、先端部4の上端(段差部9の直下)の外径は1.45mmである。
【0016】
傾斜部6の内壁面は、主収容部5と傾斜部6の連接部から傾斜部6の上端にかけて径が大きくなるテーパー状に形成されている。また、傾斜部6の内壁面および外壁面は、主収容部5の内壁面および外壁面に対してそれぞれ傾斜するように連接している。そのため、先端部4の吸引吐出口4aから主収容部5の上端にかけてピペットチップ1の内径が所定の割合で大きくなっていくのに対して、主収容部5と傾斜部6の連接部から傾斜部6の上端にかけてピペットチップ1の内径は、前記所定の割合よりも大きい割合で大きくなるよう形成されている。詳細には、先端部4の吸引吐出口4aから主収容部5の上端にかけてピペットチップ1の内径が、主収容部5の上端方向に1mm進むにつれて0.04mmずつ大きくなるよう形成されているのに対し、主収容部5と傾斜部6の連接部から傾斜部6の上端にかけてピペットチップ1の内径は、傾斜部6の上端方向に1mm進むにつれて0.6mmずつ大きくなるよう形成されている。
【0017】
胴部7および装着部2は略円筒状であるが、胴部7および装着部2の内壁面および外壁面は、それぞれ、装着部2の基端開口2aの方向に向かって径が大きくなるテーパー状に形成されている。
【0018】
段差部9の外径は、主収容部5と傾斜部6の連接部の内径よりも大きくなるよう形成されている。詳細には、段差部9の外径は1.8mmであるのに対し、主収容部5と傾斜部6の連接部の内径は1.7mmである。
【0019】
上記の構成を備えているピペットチップ1は他のピペットチップ1内にその基端開口2aから入り込んで上下二段に重なる場合がある。図4は、二つのピペットチップ1が上下二段に重なり合った様子を示す垂直断面図であり、図5は、二つに重なり合ったピペットチップ1のうち、上側のピペットチップ1の段差部9周辺を示す拡大図である。上述のように、ピペットチップ1の傾斜部6の内壁面は、主収容部5と傾斜部6の連接部から傾斜部6の上端にかけて径が大きくなるテーパー状に形成されている。また、傾斜部6の内壁面および外壁面は、主収容部5の内壁面および外壁面に対してそれぞれ傾斜するように連接している。そして、段差部9の外径は、主収容部5と傾斜部6の連接部の内径よりも大きくなるよう形成されている。このように構成されたピペットチップ1が上下二段に重なり合った場合には、図5に示すように、上側のピペットチップ1の段差部9の外壁面が備える角部9aのみが下側のピペットチップ1の傾斜部6の内壁面と接触し、上側のピペットチップ1の外壁面と下側のピペットチップ1の内壁面とは接触しない。そのため、二つのピペットチップ1が上下二段に重なり合ったとしても、ピペットチップ1同士の嵌合を容易に防止することが可能となる。
【0020】
次に、本発明のピペットチップ1を供給するピペットチップ供給装置30と、ピペットチップ供給装置30から供給されたピペットチップ1を検体分注アーム(図示せず)の装着位置まで搬送する搬送ラック(図示せず)、および、ピペットチップ1を装着して検体を吸引・吐出する検体分注アームの一例について説明する。
【0021】
図6に示すピペットチップ供給装置30は、図7に示すチップ収容部33に収容された大量のピペットチップ1を一つずつ搬送ラックに供給する機能を有している。図6に示すように、このピペットチップ供給装置30は、チップ収容部33と、搬送路34と、仕分機構部37と、移送部38,39等から構成されている。
【0022】
チップ収容部33は、大量のピペットチップ1を収容可能であり、収容しているピペットチップ1を搬送路34に送出する機能を有している。
【0023】
搬送路34は、チップ収容部33から送出された複数のピペットチップ1を仕分機構部37に導くために設けられている。
【0024】
仕分機構部37は、搬送路34から受け入れた複数のピペットチップ1を1つずつに仕分けるとともに、1つずつに仕分けられたピペットチップ1を移送部38に送り出すために設けられている。
【0025】
移送部38は、仕分機構部37から送り出されたピペットチップ1を、移送部39に送り出すために設けられている。
【0026】
移送部39は、移送部38から送り出されたピペットチップ1を図6に示すY1方向へ移送し、ピペットチップ1を搬送ラックに送り出すために設けられている。
【0027】
そして、搬送ラックは、移送部39から送り出されたピペットチップ1を、検体分注アームの装着位置まで搬送するために設けられている。
【0028】
検体分注アームは、ピペットチップ1を装着して(図9参照)、検体を所定量吸引し、吸引した液体を所定の位置にあるキュベット内に吐出する機能を有している。検体分注アームは、上下方向(Z方向)に移動することが可能なアーム部54を備え、アーム部54の先端部には、検体の吸引および吐出を行うノズル部54aが設けられている。そして、このノズル部54aの先端54bには、搬送ラックにより搬送されたピペットチップ1が装着される。
【0029】
次に、ピペットチップ供給装置30によるピペットチップ1の供給動作、および、検体分注アームによる検体の吸引・吐出動作において、ピペットチップ1がどのように取り扱われるのかについて詳しく説明する。
【0030】
まず、大量のピペットチップ1がチップ収容部33内に収容される。チップ収容部33内は大量のピペットチップ1が無作為に集積した状態となる。先細形状を有する大量のピペットチップが無作為に集積した場合には、ピペットチップが他のピペットチップ内にその基端の開口から入り込んで、ピペットチップ同士が重なり合うことがある。そして、さらに、大量のピペットチップの重みにより、重なり合ったピペットチップ同士が嵌合して、容易に分離できなくなることがある。しかし、ピペットチップ1は上述の構成を備えているため、チップ収容部33内に大量のピペットチップ1が無作為に集積した場合にも、ピペットチップ1同士の嵌合は容易に防止される。
【0031】
次に、チップ収容部33から複数のピペットチップ1が搬送路34に送り出される。
そして、搬送路34によりピペットチップ1は、仕分機構部37に導かれる。
【0032】
そして、複数のピペットチップ1は、仕分機構部37により一つずつに仕分けられる。この際、ピペットチップ同士が嵌合した状態にある場合には、ピペットチップを一つずつに仕分けることが困難となるが、本発明のピペットチップ1は嵌合が防止される形状となっているため、仕分機構部37にはピペットチップ1が一つずつばらばらになった状態で搬送されてくる。そのため、良好にピペットチップ1を一つずつに仕分けることができる。
【0033】
仕分けられたピペットチップ1は移送部38に送り出され、移送部38により移送部39までピペットチップ1が送り出される。
【0034】
そして、移送部39によりピペットチップ1は搬送ラックまで送り出され、搬送ラックによりピペットチップ1は検体分注アームの装着位置まで搬送される。この際、ピペットチップ同士が嵌合した状態のまま移送部38,39に搬送されてきた場合には、嵌合した状態のピペットチップが移送部38,39の構成部材と干渉して移送経路上で停滞してしまう等の不具合が生じる。しかし、本発明のピペットチップ1は一つずつばらばらの状態で移送部38,39まで搬送されてくるので、ピペットチップ1は、移送部38,39の移送経路上で停滞することなく効率的に移送される。
【0035】
そして、検体分注アームは、アーム部54のノズル部54aを装着位置まで回動させた後、そのアーム部54を下方に移動させることにより、図9に示すように、アーム部54のノズル部54aの先端54bをピペットチップ1の装着部2の基端開口2aに圧入する。この際、互いに嵌合した状態のピペットチップが検体分注アームへの装着位置まで搬送されてきた場合には、ピペットチップを一つずつノズル部54aの先端54bに装着することが困難となる。そして、嵌合した状態のピペットチップを装着した場合には、検体を良好に吸引・吐出することが困難である。しかし、本発明のピペットチップ1は一つずつ装着位置まで搬送されるので、ノズル部54aの先端54bに一つずつピペットチップ1を装着することが可能であり、その結果、良好に検体を吸引・吐出することができる。なお、ピペットチップ1の装着部2の外壁面は凹凸形状で保持されやすくなっているため、ノズル部54aの先端54bへの着脱動作が容易となる。また、ピペットチップ1の装着部2の内壁面は、装着部2の基端開口2aに向けて径が大きくなるテーパー状に形成されているため、ノズル部54aに対して正確で確実な装着を行うことができる。その結果、先端部4が備える吸引吐出口4aを、検体を収容する試験管等の容器の中心に正確に位置付けることができ、良好に検体の吸引を行うことが可能となる。
【0036】
そして、検体分注アームは、ノズル部54aの先端54bに装着されたピペットチップ1内に検体を吸引する。この際、吸引された検体はピペットチップ1の液体収容部3内に収容される。ピペットチップ1の液体収容部3の内面は先細の形状に形成されているとともに、全体的に内径が小さく形成されている。そのため、吸引した検体の液面の変位量が大きくなるので、精度よく微量な検体を定量することが可能となる。また、ピペットチップ1の主収容部5および先端部4の内部は先端の吸引吐出口4aに向かって径が小さくなるテーパー状に形成されるとともに、内壁面が互いに滑らかに連続しているので、検体の液切れもよく、分注精度が高くなるという効果がある。検体は、所定の位置にあるキュベット内に吐出される。
【0037】
なお、本実施形態においては、ピペットチップ1が、主収容部5と傾斜部6の連接部の内径よりも大きくなるよう形成された外径を有する段差部9を備えることによって、ピペットチップ同士の嵌合の防止を図っているが、段差部9の代わりに突起部を備えてもよい。図10に示すピペットチップは嵌合防止のための突起部10を備えており、この形状によっても、ピペットチップ同士の嵌合を防止することが可能である。
【0038】
また、本実施形態においては、ピペットチップ1は、傾斜部6と装着部2とを接続する胴部7を備えているが、胴部7は必ずしも備える必要はない。図11に示すピペットチップ20は、装着部24に連接する傾斜部23と主収容部22の連接部の内径よりも大きくなるよう形成された外径を有する段差部21を備えており、このような構成においても、ピペットチップ同士の嵌合を防止することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施形態によるピペットチップ1の正面図である。
【図2】図1に示すピペットチップ1の上面図である。
【図3】図1に示すピペットチップ1のA-A'断面図である。
【図4】2つのピペットチップ1が重なり合った様子を示す垂直断面図である。
【図5】図4に示す重なり合った2つのピペットチップ1を部分的に拡大した拡大図である。
【図6】ピペットチップ1を供給するピペットチップ供給装置30を示す斜視図である。
【図7】ピペットチップ1を収容するチップ収容部33を示す斜視図である。
【図8】検体分注アームのノズル部54aにピペットチップ1が装着される際の様子を示す図である。
【図9】検体分注アームのノズル部54aにピペットチップ1が装着された際の様子を示す図である。
【図10】本発明の別の実施形態によるピペットチップの垂直断面図である。
【図11】本発明の別の実施形態によるピペットチップの垂直断面図である。
【符号の説明】
【0040】
1 ピペットチップ
2 装着部
2a 基端開口
3 液体収容部
4 先端部
4a 吸引吐出口
5 主収容部
6 傾斜部
7 胴部
8 内孔
9 段差部
10 突起部
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液、血清又は尿などの検体や試薬の分注を行う分注ノズルに装着されて使用されるピペットチップに関する。
【背景技術】
【0002】
検体や試薬等の液体の吸引・吐出を行うための分注ノズルを有する分析装置においては、分注ノズルに吸引された検体や試薬等に前回の分析に用いられた検体や試薬等が混入することにより、分注ノズルに吸引された検体や試薬等が汚染されることを防止することが重要である。そのため、分注ノズルの先端には使い捨て式のピペットチップが使用されることがある。
【0003】
分析作業を連続的に行うために、この種のピペットチップは大量に収容槽に収納、保管されることがある。そして、ピペットチップの装着を行うために、収容槽から取り出されたピペットチップは、分注ノズルへの装着位置まで供給される必要がある。
【0004】
ピペットチップの形状としては、ピペットチップの基端部から先端部に向かって先細形状で略円錐状となるよう構成されたものがある(例えば、特許文献1)。しかし、収容槽に大量のピペットチップが無作為に集積された場合、このような先細形状では、ある一つのピペットチップが、他のピペットチップ内にその基端の開口から入り込んだ結果、上側のピペットチップの外壁面と下側のピペットチップの内壁面とが相接することにより、ピペットチップ同士が嵌合することがある。そのような嵌合状態のピペットチップを供給すると、ピペットチップが供給装置の構成部材と干渉して供給経路上で停滞してしまう等の不具合が生じ、効率的な供給が妨げられる。さらに、分注ノズルによる液体の吸引・吐出動作にも支障が生じる。
【0005】
ピペットチップの重なりを解消しようとするものとして、例えば特許文献2では、供給途中にある上下に重なったピペットチップの上側ピペットチップを保持し、下側ピペットチップを自重により落下させる構成が開示されている。
【0006】
しかしながら、特許文献2に開示される構成によっては、ピペットチップの重なりを解消することはできても、互いに嵌合したピペットチップを一つずつに分離することは困難である。また、特許文献2に開示される構成のような特別な機構を供給装置上に設けようとすれば、装置が複雑化する。
【0007】
【特許文献1】実用新案第2528658号公報
【特許文献2】特開2003−83987号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで本発明は、供給装置上に特別な機構を設けることなく、ピペットチップ同士の嵌合を容易に防止することのできるピペットチップを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題に鑑み、本願発明は、吸引ノズルの先端に装着し、液体を吸引して収容し、吐出するピペットチップであって、吸引ノズルに装着される装着部と、前記装着部に連接し、吸引された液体を収容可能で、先端に吸引吐出口を有する液体収容部と、を備え、前記液体収容部の先端近傍にピペットチップ同士の嵌合を防止するための嵌合防止部を有するピペットチップを提供するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、供給装置上に特別な機構を設けることなく、ピペットチップ同士の嵌合を容易に防止することができる。その結果、ピペットチップを効率的に供給し、分注ノズルにより良好に液体を吸引・吐出することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態に係るピペットチップについて、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係るピペットチップ1の正面図を示している。図1に示すように、ピペットチップ1は、図8に示すノズル部54aに装着される装着部2と、装着部2に連接するよう形成され、吸引された液体を収容可能な液体収容部3とを備えている。液体収容部3は、装着部2に連接する胴部7と、胴部7に連接する傾斜部6と、傾斜部6に連接する主収容部5と、主収容部5に連接する先端部4とを備えている。このピペットチップ1は全体が、半透明なポリプロピレンにより成型されている。
【0013】
図2は、ピペットチップ1の上面図である。図1、図2に示すように、ピペットチップ1の内断面および外断面は、装着部2から先端部4まで、ともに略円形となるよう構成されている。また、装着部2の外壁面は凹凸形状となるよう構成されている。
【0014】
図3は、図1において示したピペットチップ1のA-A'断面図である。図3に示すように、ピペットチップ1は、先端部4の先端に液体を吸引し吐出するための吸引吐出口4aを備えるとともに、図8に示すノズル部54aの先端54bが挿入される基端開口2aを装着部2の上端に備え、先端部4の吸引吐出口4aから装着部2の基端開口2aに連通する内孔8が内部を貫通して形成されている。
【0015】
ピペットチップ1の内壁面は、主収容部5の上端から先端部4の吸引吐出口4aにかけて、滑らかに連続する面により、径が小さくなるテーパー状に形成されている。一方、先端部4と主収容部5の外壁面は段差状に連接している。ピペットチップ1における、この段差状に連接している部分である段差部9の外径は、先端部4の外径よりも大きくなるよう形成されており、詳細には、段差部9の外径は1.8mmであり、先端部4の上端(段差部9の直下)の外径は1.45mmである。
【0016】
傾斜部6の内壁面は、主収容部5と傾斜部6の連接部から傾斜部6の上端にかけて径が大きくなるテーパー状に形成されている。また、傾斜部6の内壁面および外壁面は、主収容部5の内壁面および外壁面に対してそれぞれ傾斜するように連接している。そのため、先端部4の吸引吐出口4aから主収容部5の上端にかけてピペットチップ1の内径が所定の割合で大きくなっていくのに対して、主収容部5と傾斜部6の連接部から傾斜部6の上端にかけてピペットチップ1の内径は、前記所定の割合よりも大きい割合で大きくなるよう形成されている。詳細には、先端部4の吸引吐出口4aから主収容部5の上端にかけてピペットチップ1の内径が、主収容部5の上端方向に1mm進むにつれて0.04mmずつ大きくなるよう形成されているのに対し、主収容部5と傾斜部6の連接部から傾斜部6の上端にかけてピペットチップ1の内径は、傾斜部6の上端方向に1mm進むにつれて0.6mmずつ大きくなるよう形成されている。
【0017】
胴部7および装着部2は略円筒状であるが、胴部7および装着部2の内壁面および外壁面は、それぞれ、装着部2の基端開口2aの方向に向かって径が大きくなるテーパー状に形成されている。
【0018】
段差部9の外径は、主収容部5と傾斜部6の連接部の内径よりも大きくなるよう形成されている。詳細には、段差部9の外径は1.8mmであるのに対し、主収容部5と傾斜部6の連接部の内径は1.7mmである。
【0019】
上記の構成を備えているピペットチップ1は他のピペットチップ1内にその基端開口2aから入り込んで上下二段に重なる場合がある。図4は、二つのピペットチップ1が上下二段に重なり合った様子を示す垂直断面図であり、図5は、二つに重なり合ったピペットチップ1のうち、上側のピペットチップ1の段差部9周辺を示す拡大図である。上述のように、ピペットチップ1の傾斜部6の内壁面は、主収容部5と傾斜部6の連接部から傾斜部6の上端にかけて径が大きくなるテーパー状に形成されている。また、傾斜部6の内壁面および外壁面は、主収容部5の内壁面および外壁面に対してそれぞれ傾斜するように連接している。そして、段差部9の外径は、主収容部5と傾斜部6の連接部の内径よりも大きくなるよう形成されている。このように構成されたピペットチップ1が上下二段に重なり合った場合には、図5に示すように、上側のピペットチップ1の段差部9の外壁面が備える角部9aのみが下側のピペットチップ1の傾斜部6の内壁面と接触し、上側のピペットチップ1の外壁面と下側のピペットチップ1の内壁面とは接触しない。そのため、二つのピペットチップ1が上下二段に重なり合ったとしても、ピペットチップ1同士の嵌合を容易に防止することが可能となる。
【0020】
次に、本発明のピペットチップ1を供給するピペットチップ供給装置30と、ピペットチップ供給装置30から供給されたピペットチップ1を検体分注アーム(図示せず)の装着位置まで搬送する搬送ラック(図示せず)、および、ピペットチップ1を装着して検体を吸引・吐出する検体分注アームの一例について説明する。
【0021】
図6に示すピペットチップ供給装置30は、図7に示すチップ収容部33に収容された大量のピペットチップ1を一つずつ搬送ラックに供給する機能を有している。図6に示すように、このピペットチップ供給装置30は、チップ収容部33と、搬送路34と、仕分機構部37と、移送部38,39等から構成されている。
【0022】
チップ収容部33は、大量のピペットチップ1を収容可能であり、収容しているピペットチップ1を搬送路34に送出する機能を有している。
【0023】
搬送路34は、チップ収容部33から送出された複数のピペットチップ1を仕分機構部37に導くために設けられている。
【0024】
仕分機構部37は、搬送路34から受け入れた複数のピペットチップ1を1つずつに仕分けるとともに、1つずつに仕分けられたピペットチップ1を移送部38に送り出すために設けられている。
【0025】
移送部38は、仕分機構部37から送り出されたピペットチップ1を、移送部39に送り出すために設けられている。
【0026】
移送部39は、移送部38から送り出されたピペットチップ1を図6に示すY1方向へ移送し、ピペットチップ1を搬送ラックに送り出すために設けられている。
【0027】
そして、搬送ラックは、移送部39から送り出されたピペットチップ1を、検体分注アームの装着位置まで搬送するために設けられている。
【0028】
検体分注アームは、ピペットチップ1を装着して(図9参照)、検体を所定量吸引し、吸引した液体を所定の位置にあるキュベット内に吐出する機能を有している。検体分注アームは、上下方向(Z方向)に移動することが可能なアーム部54を備え、アーム部54の先端部には、検体の吸引および吐出を行うノズル部54aが設けられている。そして、このノズル部54aの先端54bには、搬送ラックにより搬送されたピペットチップ1が装着される。
【0029】
次に、ピペットチップ供給装置30によるピペットチップ1の供給動作、および、検体分注アームによる検体の吸引・吐出動作において、ピペットチップ1がどのように取り扱われるのかについて詳しく説明する。
【0030】
まず、大量のピペットチップ1がチップ収容部33内に収容される。チップ収容部33内は大量のピペットチップ1が無作為に集積した状態となる。先細形状を有する大量のピペットチップが無作為に集積した場合には、ピペットチップが他のピペットチップ内にその基端の開口から入り込んで、ピペットチップ同士が重なり合うことがある。そして、さらに、大量のピペットチップの重みにより、重なり合ったピペットチップ同士が嵌合して、容易に分離できなくなることがある。しかし、ピペットチップ1は上述の構成を備えているため、チップ収容部33内に大量のピペットチップ1が無作為に集積した場合にも、ピペットチップ1同士の嵌合は容易に防止される。
【0031】
次に、チップ収容部33から複数のピペットチップ1が搬送路34に送り出される。
そして、搬送路34によりピペットチップ1は、仕分機構部37に導かれる。
【0032】
そして、複数のピペットチップ1は、仕分機構部37により一つずつに仕分けられる。この際、ピペットチップ同士が嵌合した状態にある場合には、ピペットチップを一つずつに仕分けることが困難となるが、本発明のピペットチップ1は嵌合が防止される形状となっているため、仕分機構部37にはピペットチップ1が一つずつばらばらになった状態で搬送されてくる。そのため、良好にピペットチップ1を一つずつに仕分けることができる。
【0033】
仕分けられたピペットチップ1は移送部38に送り出され、移送部38により移送部39までピペットチップ1が送り出される。
【0034】
そして、移送部39によりピペットチップ1は搬送ラックまで送り出され、搬送ラックによりピペットチップ1は検体分注アームの装着位置まで搬送される。この際、ピペットチップ同士が嵌合した状態のまま移送部38,39に搬送されてきた場合には、嵌合した状態のピペットチップが移送部38,39の構成部材と干渉して移送経路上で停滞してしまう等の不具合が生じる。しかし、本発明のピペットチップ1は一つずつばらばらの状態で移送部38,39まで搬送されてくるので、ピペットチップ1は、移送部38,39の移送経路上で停滞することなく効率的に移送される。
【0035】
そして、検体分注アームは、アーム部54のノズル部54aを装着位置まで回動させた後、そのアーム部54を下方に移動させることにより、図9に示すように、アーム部54のノズル部54aの先端54bをピペットチップ1の装着部2の基端開口2aに圧入する。この際、互いに嵌合した状態のピペットチップが検体分注アームへの装着位置まで搬送されてきた場合には、ピペットチップを一つずつノズル部54aの先端54bに装着することが困難となる。そして、嵌合した状態のピペットチップを装着した場合には、検体を良好に吸引・吐出することが困難である。しかし、本発明のピペットチップ1は一つずつ装着位置まで搬送されるので、ノズル部54aの先端54bに一つずつピペットチップ1を装着することが可能であり、その結果、良好に検体を吸引・吐出することができる。なお、ピペットチップ1の装着部2の外壁面は凹凸形状で保持されやすくなっているため、ノズル部54aの先端54bへの着脱動作が容易となる。また、ピペットチップ1の装着部2の内壁面は、装着部2の基端開口2aに向けて径が大きくなるテーパー状に形成されているため、ノズル部54aに対して正確で確実な装着を行うことができる。その結果、先端部4が備える吸引吐出口4aを、検体を収容する試験管等の容器の中心に正確に位置付けることができ、良好に検体の吸引を行うことが可能となる。
【0036】
そして、検体分注アームは、ノズル部54aの先端54bに装着されたピペットチップ1内に検体を吸引する。この際、吸引された検体はピペットチップ1の液体収容部3内に収容される。ピペットチップ1の液体収容部3の内面は先細の形状に形成されているとともに、全体的に内径が小さく形成されている。そのため、吸引した検体の液面の変位量が大きくなるので、精度よく微量な検体を定量することが可能となる。また、ピペットチップ1の主収容部5および先端部4の内部は先端の吸引吐出口4aに向かって径が小さくなるテーパー状に形成されるとともに、内壁面が互いに滑らかに連続しているので、検体の液切れもよく、分注精度が高くなるという効果がある。検体は、所定の位置にあるキュベット内に吐出される。
【0037】
なお、本実施形態においては、ピペットチップ1が、主収容部5と傾斜部6の連接部の内径よりも大きくなるよう形成された外径を有する段差部9を備えることによって、ピペットチップ同士の嵌合の防止を図っているが、段差部9の代わりに突起部を備えてもよい。図10に示すピペットチップは嵌合防止のための突起部10を備えており、この形状によっても、ピペットチップ同士の嵌合を防止することが可能である。
【0038】
また、本実施形態においては、ピペットチップ1は、傾斜部6と装着部2とを接続する胴部7を備えているが、胴部7は必ずしも備える必要はない。図11に示すピペットチップ20は、装着部24に連接する傾斜部23と主収容部22の連接部の内径よりも大きくなるよう形成された外径を有する段差部21を備えており、このような構成においても、ピペットチップ同士の嵌合を防止することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施形態によるピペットチップ1の正面図である。
【図2】図1に示すピペットチップ1の上面図である。
【図3】図1に示すピペットチップ1のA-A'断面図である。
【図4】2つのピペットチップ1が重なり合った様子を示す垂直断面図である。
【図5】図4に示す重なり合った2つのピペットチップ1を部分的に拡大した拡大図である。
【図6】ピペットチップ1を供給するピペットチップ供給装置30を示す斜視図である。
【図7】ピペットチップ1を収容するチップ収容部33を示す斜視図である。
【図8】検体分注アームのノズル部54aにピペットチップ1が装着される際の様子を示す図である。
【図9】検体分注アームのノズル部54aにピペットチップ1が装着された際の様子を示す図である。
【図10】本発明の別の実施形態によるピペットチップの垂直断面図である。
【図11】本発明の別の実施形態によるピペットチップの垂直断面図である。
【符号の説明】
【0040】
1 ピペットチップ
2 装着部
2a 基端開口
3 液体収容部
4 先端部
4a 吸引吐出口
5 主収容部
6 傾斜部
7 胴部
8 内孔
9 段差部
10 突起部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸引ノズルの先端に装着し、液体を吸引して収容し、吐出するピペットチップであって、
吸引ノズルに装着される装着部と、
前記装着部に連接し、吸引された液体を収容可能で、先端に吸引吐出口を有する液体収容部と、を備え、
前記液体収容部の先端近傍にピペットチップ同士の嵌合を防止するための嵌合防止部を有するピペットチップ。
【請求項2】
前記嵌合防止部は、嵌合防止部より先端側の前記液体収容部の外径よりも大きい外径を有する段差部である請求項1に記載のピペットチップ。
【請求項3】
前記嵌合防止部は、嵌合防止部より先端側の前記液体収容部の外径よりも大きい外径を有する突起部である請求項1に記載のピペットチップ。
【請求項4】
前記液体収容部は、先端および前記嵌合防止部を有する第1部分と、前記第1部分に連接する第2部分とを備え、
前記第2部分は、前記第1部分と第2部分の連接部に対して傾斜するように設けられ、
前記第1部分と前記第2部分の連接部の内径に対して、前記嵌合防止部の外径が大きく形成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のピペットチップ。
【請求項5】
前記第1部分の内面は先端に向けて径が小さくなるテーパー状に形成されている請求項4記載のピペットチップ。
【請求項6】
前記第1部分は、先端から所定の割合で内径が大きくなるよう形成され、
前記第2部分は、前記第1部分と前記第2部分の連接部から前記所定の割合より大きい割合で内径が大きくなるよう形成されている請求項4または請求項5に記載のピペットチップ。
【請求項7】
前記装着部と前記液体収容部の連接部の内径に対して、前記第1部分と前記第2部分の連接部の内径が小さくなるよう形成されている請求項4〜6のいずれか1項に記載のピペットチップ。
【請求項8】
前記第1部分の内壁は滑らかに連続する面により形成されている請求項4〜7のいずれか1項に記載のピペットチップ。
【請求項1】
吸引ノズルの先端に装着し、液体を吸引して収容し、吐出するピペットチップであって、
吸引ノズルに装着される装着部と、
前記装着部に連接し、吸引された液体を収容可能で、先端に吸引吐出口を有する液体収容部と、を備え、
前記液体収容部の先端近傍にピペットチップ同士の嵌合を防止するための嵌合防止部を有するピペットチップ。
【請求項2】
前記嵌合防止部は、嵌合防止部より先端側の前記液体収容部の外径よりも大きい外径を有する段差部である請求項1に記載のピペットチップ。
【請求項3】
前記嵌合防止部は、嵌合防止部より先端側の前記液体収容部の外径よりも大きい外径を有する突起部である請求項1に記載のピペットチップ。
【請求項4】
前記液体収容部は、先端および前記嵌合防止部を有する第1部分と、前記第1部分に連接する第2部分とを備え、
前記第2部分は、前記第1部分と第2部分の連接部に対して傾斜するように設けられ、
前記第1部分と前記第2部分の連接部の内径に対して、前記嵌合防止部の外径が大きく形成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のピペットチップ。
【請求項5】
前記第1部分の内面は先端に向けて径が小さくなるテーパー状に形成されている請求項4記載のピペットチップ。
【請求項6】
前記第1部分は、先端から所定の割合で内径が大きくなるよう形成され、
前記第2部分は、前記第1部分と前記第2部分の連接部から前記所定の割合より大きい割合で内径が大きくなるよう形成されている請求項4または請求項5に記載のピペットチップ。
【請求項7】
前記装着部と前記液体収容部の連接部の内径に対して、前記第1部分と前記第2部分の連接部の内径が小さくなるよう形成されている請求項4〜6のいずれか1項に記載のピペットチップ。
【請求項8】
前記第1部分の内壁は滑らかに連続する面により形成されている請求項4〜7のいずれか1項に記載のピペットチップ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−271427(P2007−271427A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−96794(P2006−96794)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【Fターム(参考)】
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