説明

ピペリジン−4−アセトアミド誘導体及びモノアミン神経伝達物質再取り込み阻害薬としてのその使用

本発明は、モノアミン神経伝達物質再取り込み阻害薬として有用な、新規なピペリジン−4−アセトアミド誘導体に関する。別の態様において、本発明は、治療法におけるこれらの化合物の使用、及び本発明の化合物を含む薬剤組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モノアミン神経伝達物質再取り込み阻害薬として有用な、新規なピペリジン−4−アセトアミド誘導体に関する。
【0002】
別の態様において、本発明は、治療法におけるこれらの化合物の使用、及び本発明の化合物を含む薬剤組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
セロトニン選択的再取り込み阻害薬(SSRI)は、現在、うつ病及びパニック障害を含むいくつかのCNS障害の治療において効力を提供している。SSRIは、一般に、精神科医及び一次診療医により、有効で耐用性が良く、容易に投与できると考えられている。しかし、それにはいくつかの望ましくない特徴も伴う。
【0004】
したがって、ノルアドレナリン及びドーパミン再取り込み活性に対するセロトニン再取り込みの比などの、モノアミン神経伝達物質セロトニン、ドーパミン及びノルアドレナリンの再取り込みに対する活性に関して最適化された薬理学特性を有する化合物に対する強い必要性がなお存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、モノアミン神経伝達物質再取り込み阻害薬としての活性を示す新規な化合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの態様において、本発明は、式(I)の化合物、
【化1】


その立体異性体のいずれか若しくはその立体異性体のいずれかの混合物、又はその薬学的に許容される塩を提供する。ここで、R、R及びRは以下に定義される通りである。
【0007】
他の態様において、本発明は、治療有効量の本発明の化合物、その立体異性体のいずれか若しくはその立体異性体のいずれかの混合物、又はその薬学的に許容される塩を、少なくとも1種の薬学的に許容される担体、賦形剤又は希釈剤と共に含む、薬剤組成物を提供する。
【0008】
他の態様において、本発明は、ヒトを含む哺乳動物の、疾患又は障害又は状態の治療、予防又は軽減のための薬剤組成物を製造するための、本発明の化合物、その立体異性体のいずれか若しくはその立体異性体のいずれかの混合物、又はその薬学的に許容される塩の使用であって、前記疾患、障害又は状態が、中枢神経系におけるモノアミン神経伝達物質再取り込みの阻害に応答する使用を提供する。
【0009】
他の態様において、本発明は、ヒトを含む動物生体の、疾患又は障害又は状態の治療、予防又は軽減のための方法であって、前記障害又は疾患又は状態が、中枢神経系におけるモノアミン神経伝達物質再取り込みの阻害に応答し、その必要のある動物生体に、治療有効量の本発明の化合物、その立体異性体のいずれか若しくはその立体異性体のいずれかの混合物、又はその薬学的に許容される塩を投与するステップを含む、方法に関する。
【0010】
本発明の他の目的は、当業者には、以下の詳細な説明及び実施例から明らかとなろう。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の一つの態様において、本発明は、式(I)の化合物、
【化2】


その立体異性体のいずれか若しくはその立体異性体のいずれかの混合物、又はその薬学的に許容される塩を提供する
(式中、
及びRは、互いに独立に、水素又はC1〜6アルキルを表し;
は、フェニル又はナフチルを表し、該フェニル及びナフチルは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ及びアルコキシからなる群から独立に選択される1つ又は複数の置換基で任意選択で置換されている)。
【0012】
本発明の一実施形態において、式(I)で、Rは水素を表す。他の実施形態において、Rは、C1〜6アルキル、例えば、メチル、エチル又はプロピルを表す。
【0013】
本発明の他の実施形態において、式(I)で、Rは水素を表す。他の実施形態において、Rは、C1〜6アルキル、例えば、メチル、エチル又はプロピルを表す。
【0014】
本発明の他の実施形態において、式(I)で、Rは水素を表し、Rは水素を表す。他の実施形態において、Rは水素を表し、RはC1〜6アルキルを表す。他の実施形態において、RはC1〜6アルキルを表し、Rは水素を表す。他の実施形態において、RはC1〜6アルキルを表し、そして、RはC1〜6アルキルを表す。
【0015】
本発明の他の実施形態において、式(I)で、Rはフェニルを表す。他の実施形態において、Rは一置換フェニルを表す。他の実施形態において、Rは二置換フェニルを表す。他の実施形態において、Rは三置換フェニルを表す。他の実施形態において、Rはモノハロ置換フェニルを表す。他の実施形態において、Rはジハロ置換フェニルを表す。他の実施形態において、Rはトリハロ置換フェニルを表す。他の実施形態において、Rはモノクロロ置換フェニル、例えば4−クロロフェニルを表す。他の実施形態において、Rはジクロロ置換フェニル、例えば3,4−ジクロロフェニルを表す。他の実施形態において、Rはトリクロロ置換フェニル、例えば2,3,4−トリクロロフェニルを表す。
【0016】
本発明の他の実施形態において、式(I)で、Rはナフチルを表す。他の実施形態において、Rは一置換ナフチルを表す。他の実施形態において、Rは二置換ナフチルを表す。他の実施形態において、Rは三置換ナフチルを表す。
【0017】
本発明の他の実施形態において、式(I)で、Rは水素を表し、RはC1〜6アルキルを表し、そしてRはモノハロ置換フェニルを表す。
【0018】
本発明の他の実施形態において、式(I)で、Rは水素を表し、RはC1〜6アルキルを表し、そしてRはジハロ置換フェニルを表す。
【0019】
本発明の他の実施形態において、式(I)で、Rは水素を表し、RはC1〜6アルキルを表し、そしてRはトリハロ置換フェニルを表す。
【0020】
本発明の他の実施形態において、式(I)で、Rは水素を表し、RはC1〜6アルキルを表し、そしてRはナフチルを表す。
【0021】
本発明の他の実施形態において、式(I)で、R及びRは水素を表し、Rはジハロ置換フェニルを表す。
【0022】
本発明の他の実施形態において、式(I)で、RはC1〜6アルキルを表し、Rは水素を表し、そしてRはジハロ置換フェニルを表す。
【0023】
本発明の他の実施形態において、式(I)で、R及びRはC1〜6アルキルを表し、Rはモノハロ置換フェニルを表す。
【0024】
本発明の他の実施形態において、式(I)で、R及びRはC1〜6アルキルを表し、Rはジハロ置換フェニルを表す。
【0025】
本発明の他の実施形態において、式(I)で、R及びRはC1〜6アルキルを表し、Rはトリハロ置換フェニルを表す。
【0026】
本発明の他の実施形態において、本発明の化合物は、
N−(3,4−ジクロロ−フェニル)−N−エチル−2−ピペリジン−4−イル−アセトアミド;
N−(3,4−ジクロロ−フェニル)−2−ピペリジン−4−イル−アセトアミド;
N−(3,4−ジクロロ−フェニル)−N−メチル−2−ピペリジン−4−イル−アセトアミド;
N−(4−クロロ−フェニル)−N−エチル−2−ピペリジン−4−イル−アセトアミド;
N−(3−クロロ−フェニル)−N−エチル−2−ピペリジン−4−イル−アセトアミド;
N−エチル−N−ナフタレン−1−イル−2−ピペリジン−4−イル−アセトアミド;
N−(2,3−ジクロロ−フェニル)−N−エチル−2−ピペリジン−4−イル−アセトアミド;
N−(2,5−ジクロロ−フェニル)−N−エチル−2−ピペリジン−4−イル−アセトアミド;
N−(2,6−ジクロロ−フェニル)−N−エチル−2−ピペリジン−4−イル−アセトアミド;
N−(3,5−ジクロロ−フェニル)−N−エチル−2−ピペリジン−4−イル−アセトアミド;
N−エチル−2−ピペリジン−4−イル−N−(2,3,4−トリクロロ−フェニル)−アセトアミド;
N−(3,4−ジブロモ−フェニル)−N−エチル−2−ピペリジン−4−イル−アセトアミド;
N−(3,4−ジクロロ−フェニル)−2−ピペリジン−4−イル−N−プロピル−アセトアミド;
N−(3,4−ジクロロ−フェニル)−N−エチル−2−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−アセトアミド;
N−(4−クロロ−フェニル)−N−エチル−2−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−アセトアミド;
N−エチル−2−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−N−ナフタレン−1−イル−アセトアミド;
N−(4−ブロモ−3−クロロ−フェニル)−N−エチル−2−ピペリジン−4−イル−アセトアミド;
N−(2,4−ジクロロ−フェニル)−N−エチル−2−ピペリジン−4−イル−アセトアミド;
N−(3,4−ジクロロ−フェニル)−2−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−アセトアミド;
N−(3−クロロ−フェニル)−N−エチル−2−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−アセトアミド;
N−(2,3−ジクロロ−フェニル)−N−エチル−2−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−アセトアミド;
N−(3,4−ジクロロ−フェニル)−N−エチル−2−(1−プロピル−ピペリジン−4−イル)−アセトアミド;
N−(3,4−ジクロロ−フェニル)−N−エチル−2−(1−イソプロピル−ピペリジン−4−イル)−アセトアミド;
N−(3,4−ジクロロ−フェニル)−N−エチル−2−(1−エチル−ピペリジン−4−イル)−アセトアミド;
N−(3,4−ジクロロ−フェニル)−N−メチル−2−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−アセトアミド;
N−(4−ブロモ−3−クロロ−フェニル)−N−エチル−2−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−アセトアミド;
N−(2,4−ジクロロ−フェニル)−N−エチル−2−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−アセトアミド;
N−(2,5−ジクロロ−フェニル)−N−エチル−2−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−アセトアミド;
N−(2,6−ジクロロ−フェニル)−N−エチル−2−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−アセトアミド;
N−(3,5−ジクロロ−フェニル)−N−エチル−2−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−アセトアミド;
N−エチル−2−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−N−(2,3,4−トリクロロ−フェニル)−アセトアミド;
N−(3,4−ジブロモ−フェニル)−N−エチル−2−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−アセトアミド;
N−(3,4−ジクロロ−フェニル)−2−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−N−プロピル−アセトアミド;又は
それらの薬学的に許容される塩である。
【0027】
本発明の他の実施形態において、本発明の化合物は、
N−(3−ブロモ−4−クロロ−フェニル)−N−エチル−2−ピペリジン−4−イル−アセトアミド;
N−(3−ブロモ−4−クロロ−フェニル)−N−エチル−2−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−アセトアミド;
又はそれらの薬学的に許容される塩である。
【0028】
上述の実施形態の2つ以上のいかなる組合せも本発明の範囲内であると考えられている。
【0029】
置換基の定義
本明細書及び添付の請求項の全体を通して使用されるとき、以下の用語は示された意味を有する。
【0030】
本明細書で使用されるとき、用語「C1〜6アルキル」は、1〜6個の炭素原子を有する飽和の分岐又は直鎖の炭化水素基を意味し、例えば、C1〜3アルキル、C1〜4アルキル、C1〜6アルキル、C2〜6アルキル、C3〜6アルキルなどである。代表的な例は、メチル、エチル、プロピル(例えば、プロプ−1−イル、プロプ−2−イル(又はイソ−プロピル))、ブチル(例えば、2−メチルプロプ−2−イル(又はtert−ブチル)、ブト−1−イル、ブト−2−イル)、ペンチル(例えば、ペント−1−イル、ペント−2−イル、ペント−3−イル)、2−メチルブト−1−イル、3−メチルブト−1−イル、ヘキシル(例えば、ヘキス−1−イル)、ヘプチル(例えば、ヘプト−1−イル)、オクチル(例えば、オクト−1−イル)、ノニル(例えば、ノン−1−イル)などである。
【0031】
用語「ハロ」又は「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を意味するものとする。
【0032】
用語「ヒドロキシ」は、基−OHを意味するものとする。
【0033】
用語「シアノ」は、基−CNを意味するものとする。
【0034】
用語「トリハロメチル」は、トリフルオロメチル、トリクロロメチル及び同様のトリハロ置換メチル基を意味するものとする。
【0035】
本明細書で使用されるとき、用語「アルコキシ」は、基アルキル−O−を意味する。代表的な例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ(例えば、1−プロポキシ、2−プロポキシ)、ブトキシ(例えば、1−ブトキシ、2−ブトキシ、2−メチル−2−プロポキシ)、ペントキシ(1−ペントキシ、2−ペントキシ)、ヘキソキシ(1−ヘキソキシ、3−ヘキソキシ)などである。
【0036】
用語「トリハロメトキシ」は、トリフルオロメトキシ、トリクロロメトキシ及び同様のトリハロ置換メトキシ基を意味するものとする。
【0037】
本明細書で使用されるとき、用語「治療」は、疾患、障害又は状態と戦う目的で患者を管理及び看護することを意味する。この用語には、疾患、障害又は状態の進行を遅延すること、症状及び合併症を緩和又は軽減すること、並びに/或いは疾患、障害又は状態を治癒又は排除することを含むことが意図される。治療される患者は、好ましくは哺乳動物、特にヒトである。
【0038】
本明細書で使用されるとき、用語「疾患」、「状態」及び「障害」は、ヒトの正常な生理学的状態ではない患者の状態を特定するために交換可能に使用される。
【0039】
本明細書で使用されるとき、用語「医薬」は、患者に薬学的に活性な化合物を投与するのに適した薬剤組成物を意味する。
【0040】
本明細書で使用されるとき、用語「薬学的に許容される」は、通常の薬学的適用に適していること、すなわち、患者に有害な事象を生じないことなどを意味する。
【0041】
本明細書で使用されるとき、用語「有効量」は、治療がないときと比較して患者の治療が有効であるために十分な投与量を意味する。
【0042】
本明細書で使用されるとき、化合物の「治療有効量」という用語は、所与の疾患及びその合併症の臨床症状を治癒する、緩和する又は部分的に阻止するのに十分な量を意味する。このことを達成するのに適切な量は、「治療有効量」と定義される。それぞれの目的における有効量は、疾患及び損傷の重症度、並びに対象の体重及び一般的状態によって決まる。適切な投与量を決定することは、値のマトリックスを構築し、マトリックスの異なる点で試験することによる日常的な実験を使用して達成することができ、これは、訓練を受けた医師又は獣医にとってすべて通常の技能の範囲内であることが理解される。
【0043】
薬学的に許容される塩
本発明の化合物は、目的とする投与に対して適切な形態ならばどのような形態で提供されてもよい。適切な形態としては、薬学的(すなわち、生理学的)に許容される塩、及び本発明の化合物のプレ又はプロドラッグ形態を含む。
【0044】
薬学的に許容される付加塩の例としては、限定されることなく、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、蟻酸塩、酢酸塩、アコニット酸塩、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、桂皮酸塩、クエン酸塩、パモ酸塩、エナント酸塩、フマル酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩、フタル酸塩、サリチル酸塩、ソルビン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トルエン−p−スルホン酸塩などの非毒性の無機及び有機酸付加塩を含む。このような塩は、当技術分野で公知で記載されている手順により形成し得る。
【0045】
本発明の化合物の薬学的に許容される陽イオン塩の例としては、限定されることなく、陰イオン性基を含む本発明の化合物の、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、リチウム、塩素、リシニウム、及びアンモニウム塩などを含む。このような陽イオン塩は当技術分野で公知で記載されている手順により形成し得る。
【0046】
本発明の文脈において、N−含有化合物の「オニウム塩」もまた、薬学的に許容される塩として認識されている。好ましい「オニウム塩」としては、アルキルオニウム塩、シクロアルキルオニウム塩、及びシクロアルキルアルキルオニウム塩を含む。
【0047】
本発明の化合物のプレ又はプロドラッグの例としては、本発明による物質の適切なプロドラッグの例を含んで、親化合物の1つ又は複数の反応性基又は誘導体化可能基の位置で修飾されている化合物を含む。特に興味がもたれるのは、カルボキシル基、ヒドロキシル基、又はアミノ基の位置で修飾されている化合物である。適切な誘導体の例は、エステル又はアミドである。
【0048】
本発明の化合物は、水、エタノールなどの薬学的に許容される溶媒と共に溶解可能の形態又は溶解不可能の形態で提供されてもよい。溶解可能の形態は、一水和物、二水和物、半水和物、三水和物、四水和物などの水和物形態をも含み得る。一般に、溶解可能の形態は、本発明の目的に対しては、溶解不可能の形態と同等であると考えられる。
【0049】
立体的異性体
本発明の化合物は、エナンチオマー、ジアステレオ異性体又はシス−トランス異性体を含む異なる立体異性体の形態で存在し得ることは、当業者には理解されよう。
【0050】
本発明は、そのような異性体すべて及びラセミ混合物も含んでそれらのいかなる混合物も包含する。
【0051】
ラセミ体は、公知の方法や技法により光学対掌体に分割し得る。エナンチオマー化合物(エナンチオマー中間体を含み)を分割する一方法は、−キラルな酸である化合物の場合−光学活性なアミンを用い、さらに酸で処理することによりジアステレオ的に分割された塩を遊離させることによる。ラセミ体を光学対掌体に分割する別の方法は、光学活性マトリックスによるクロマトグラフィーに基づいている。このようにして本発明のラセミ化合物は、例えば、D−又はL−塩(酒石酸塩、マンデル酸塩、若しくは樟脳スルホン酸塩)の分別結晶化により、その光学対掌体に分割し得る。
【0052】
本発明の化合物は、また、本発明の化合物と、(+)若しくは(−)フェニルアラニン、(+)若しくは(−)フェニルグリシン、(+)若しくは(−)カンファン酸から誘導されるものなどの、光学活性のある活性化カルボン酸との反応により、ジアステレオマーアミドを形成させることにより、又は本発明の化合物と光学活性クロロ蟻酸エステルなどとの反応によりジアステレオマーカルバミン酸エステルを形成させることにより分割することもできる。
【0053】
光学異性体の分割の別の方法は、当技術分野で公知である。そのような方法としては、Jaques J、Collet A、及びWilen S、「Enantiomers,Racemates,and Resolutions」、John Wiley and Sons社、New York(1981年)に記載されているものを含む。
【0054】
光学活性化合物は、また、光学活性な出発物質から調製し得る。
【0055】
標識化合物
本発明の化合物は、標識形態又は非標識形態で使用し得る。本発明の文脈において、標識化合物は、天然に通常見出される原子量又は質量数とは異なる原子量又は質量数を有する原子で置換された、1個又は複数個の原子を有する。標識化は、前記化合物を容易に定量的に検出可能にする。
【0056】
本発明の標識化合物は、様々な診断法における、診断ツール、放射性トレーサー又はモニタリング剤として、及び生体内受容体画像用に有用であり得る。
【0057】
本発明の標識異性体は、好ましくは、ラベルとして少なくとも1個の放射性核種を含む。ポジトロン放出放射性核種はすべて使用の候補である。本発明の文脈において、放射性核種は、好ましくは、H(重水素)、H(トリチウム)、11C、13C、14C、131I、125I、123I、及び18Fから選択される。
【0058】
本発明の標識異性体の物理的な検出法は、ポジトロン放出断層撮影法(PET)、単一光子画像コンピュータ断層撮影法(SPECT)、磁気共鳴スペクトロスコピー(MRS)、磁気共鳴画像法(MRI)、X線コンピュータ体軸断層撮影法(CAT)又はそれらの組合せから選択され得る。
【0059】
調製法
本発明の化合物は、例えば、実施例に記載の方法などの、通常の化学合成法により調製し得る。本出願に記載の方法の出発物質は、公知であり又は市販の化学薬品から通常の方法で容易に調製し得る。
【0060】
また、本発明のある化合物は、通常の方法を用いて、本発明の別の化合物に変換し得る。
【0061】
本明細書に記載の反応の最終生成物は、例えば、抽出、結晶化、蒸留、クロマトグラフィーなどの通常の技法により、単離し得る。
【0062】
生物学的な活性
本発明の化合物は、例えば、国際公開第97/30997号(NeuroSearch A/S)に記載されているように、シナプトソームにおけるモノアミンドーパミン、ノルアドレナリン、及びセロトニンの再取り込みを阻害する能力について試験され得る。これらの試験で観察されるバランスのとれた活性に基づいて、本発明の化合物は、ヒトを含む哺乳動物の、中枢神経系におけるモノアミン神経伝達物質再取り込みの阻害に応答する疾患又は障害又は状態の治療、予防又は軽減に対して有用であると考えられる。
【0063】
特別な実施形態において、本発明の化合物は、気分障害、うつ病、非定型うつ病、疼痛に続発するうつ病、大うつ病性障害、気分変調性障害、双極性障害、双極性I型障害、双極性II型障害、気分循環性障害、全身の医学的状態による気分障害、物質誘発性気分障害、仮性認知症、ガンザー症候群、強迫性障害、パニック障害、広場恐怖症を伴わないパニック障害、広場恐怖症を伴うパニック障害、パニック障害歴のない広場恐怖症、パニック発作、記憶欠損、記憶喪失、注意欠陥多動性障害、肥満、不安、全般性不安障害、摂食障害、パーキンソン病、パーキンソニズム、認知症、加齢認知症、老人性認知症、アルツハイマー病、ダウン症候群、後天性免疫不全症候群認知症複合、加齢記憶機能障害、特定恐怖症、社会恐怖症、社会不安障害、外傷後ストレス障害、急性ストレス障害、慢性ストレス障害、薬物嗜癖、薬物乱用、薬物乱用傾向、コカイン乱用、ニコチン乱用、タバコ乱用、アルコール嗜癖、アルコール依存症、窃盗癖、中毒物質使用停止起因の離脱症状、疼痛、慢性疼痛、炎症性疼痛、神経因性疼痛、偏頭痛、緊張型頭痛、慢性緊張型頭痛、うつ病に伴う疼痛、線維筋痛症、関節炎、変形性関節炎、リウマチ様関節炎、背部痛、癌性疼痛、過敏性腸痛、過敏性腸症候群、術後痛、乳房切除術後痛症候群(PMPS)、脳卒中後痛、薬物誘発性神経障害、糖尿病性神経障害、交感神経性維持疼痛、三叉神経痛、歯痛、筋膜痛、幻肢痛、過食症、月経前症候群、月経前気分不快障害、後期黄体期症候群、外傷後症候群、慢性疲労症候群、持続的植物状態、尿失禁、腹圧性尿失禁、切迫性尿失禁、夜間尿失禁、性機能障害、早漏症、勃起困難、勃起不全、早発性女性オルガズム、下肢静止不能症候群、周期性四肢運動障害、摂食障害、神経性食欲不振症、睡眠障害、広汎性発達障害、自閉症、アスペルガー障害、レット障害、小児期崩壊性障害、学習障害、運動能力障害、無言症、抜毛癖、ナルコレプシー、脳卒中後うつ病、脳卒中誘発性脳損傷、脳卒中誘発性神経損傷、ジルドゥラトウレット症候群、耳鳴り、チック障害、身体醜形障害、反抗挑戦性障害、脳卒中後能力障害の治療、予防又は軽減に対して有用であると考えられる。好ましい実施形態において、化合物は、うつ病の治療、予防又は軽減に対して有用であると考えられる。
【0064】
現時点では、原薬(API)の適切な用量は、1日当たり約0.1〜約1000mgAPI、より好ましくは、1日当たり約10〜約500mgAPI、最も好ましくは、1日当たり約30〜約100mgAPIの範囲内であるが、投与の正確な様式、投与される形態、考慮されている症状、対象及び特に関係する対象の体重、さらに主治医又は主治獣医師の好みや経験に依存すると想定されている。
【0065】
本発明の好ましい化合物は、ミクロモル未満とミクロモルの範囲、すなわち、1未満から約100μMの範囲で生物学的活性を示す。
【0066】
薬剤組成物
別の態様では、本発明は、治療有効量の本発明の化合物を含む新規な薬剤組成物を提供する。
【0067】
治療における使用のための本発明の化合物は、未加工化合物形態で投与され得るが、1種又は複数の佐剤、賦形剤、担体、緩衝剤、希釈剤及び/又は他の通常の薬学的補助剤と共に薬剤組成物中に、任意選択で生理学的に許容される塩の形態で、活性成分を導入するのが好ましい。
【0068】
好ましい実施形態では、本発明は、本発明の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは誘導体を、当技術分野に公知で使用されている、1種又は複数の薬学的に許容される担体、及び任意選択で、他の治療及び/又は予防のための成分と共に含む薬剤組成物を提供する。担体(単数又は複数)は、製剤の他の成分と相性が良く且つその受容者に対して有害でないという点で「受容可能」でなければならない。
【0069】
本発明の薬剤組成物を、所望の治療に適した任意の好都合な経路によって投与することができる。好ましい投与経路には、特に、錠剤、カプセル剤、糖衣錠、粉末剤又は液剤形態による経口投与及び特に、皮膚、皮下、筋肉内又は静脈内注射による非経口投与が含まれる。本発明の薬剤組成物を、標準的な方法及び所望の製剤に適した従来の技術の使用によりいずれかの当業者によって製造することができる。所望ならば、活性成分を徐放するように適合させた組成物を採用することができる。
【0070】
製剤及び投与手法に関するさらなる詳細は、「Reminqton’s Pharmaceutical Sciences」(Maack Publishing Co.社、Easton,PA)の最新版中に見つけられよう。
【0071】
実際の用量は、治療中の疾患の性質や重篤度に依存し、医師の裁量の範囲内であり、所望の治療効果を得るために本発明の特定の状況に対して用量の増減により変化し得る。しかし、個々の投与当たり約0.1〜約500mg、好ましくは、約1〜100mg、最も好ましくは、約1〜10mgの活性成分を含む薬剤組成物が、治療処置のために適当であると現在想定されている。
【0072】
活性成分は、1日当たり、1回又は数回の投与で投与され得る。特定の例では、0.1μg/kgi.v.及び1μg/kgp.o.の低い用量で満足できる結果を得ることができる。用量範囲の上限は、現時点では、約10mg/kgi.v.及び100mg/kgp.o.と考えられている。好ましい範囲は、約0.1μg/kg〜約10mg/kg/dayi.v.及び約1μg/kg〜約100mg/kg/dayp.o.である。
【0073】
治療法
別の態様では、本発明は、ヒトを含む動物生体の、疾患又は障害又は状態の治療、予防又は軽減のための方法であって、前記疾患、障害又は状態が、中枢神経系におけるモノアミン神経伝達物質再取り込みの阻害に応答し、その必要のある、ヒトを含む動物生体に、有効量の本発明の化合物を投与するステップを含む方法を提供する。
【0074】
現時点では、適切な用量範囲は、毎日0.1〜1000mg、毎日10〜500mg、及び特に、毎日30〜100mgであるが、通常通り、投与の正確な様式、投与される形態、投与が対象としている症状、関係する対象及び関係する対象の体重、さらに主治医又は主治獣医師の好みや経験に依存すると想定されている。
【実施例】
【0075】
以下の実施例及び一般的手順は、本明細書において同定されている一般式(I)の中間体化合物及び最終生成物を参照する。本発明の一般式(I)の化合物の調製は、以下の実施例を使用して詳細に記載される。場合によっては、反応は、本発明の開示されている範囲内に含まれるそれぞれの化合物に、記載されているように適用されないこともあり得る。このことが生じる化合物は、当業者によって容易に認識されるであろう。これらの場合では、反応は、当業者に公知の従来の変更により、すなわち、妨害基の適切な保護により、他の従来の試薬への変更により、又は反応条件の日常的な変更により、成功裏に実施することができる。或いは、本明細書に開示されているか、そうでなければ従来のその他の反応が、本発明の対応する化合物の調製に適用可能である。すべての調製方法において、出発物質はすべて、公知であるか又は公知の出発物質から容易に調製し得る。
【0076】
空気に対して敏感な試薬又は中間体を伴う反応はすべて、窒素下及び無水の溶媒中で実施される。完成段階手順では、硫酸マグネシウムを乾燥剤として使用し、溶媒を減圧下で蒸発させる。
【0077】
実施例に使用される略語は、以下の意味を有する。
TLC:薄層クロマトグラフィー
CDCl:ジュウテリオクロロホルム
DCM:ジクロロメタン
DIIC:N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド
DMAP:4−ジメチルアミノピリジン
DMSO−Cl:ヘキサジュウテリオジメチルスルホキシド
DMSO:ジメチルスルホキシド
DIPEA:ジイソプロピルエチルアミン
EDAC:1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩
EtOAc:酢酸エチル
THF:テトラヒドロフラン
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
HOBT:1−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール
POL:ポリスチレン
MeCN:アセトニトリル
NMP:N−メチルピロリジノン
TEA:トリエチルアミン
TFA:トリフルオロ酢酸
min:分間
hrs:時間
【0078】
方法A
4−[(3,4−ジクロロ−フェニルカルバモイル)−メチル]−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(中間体化合物)
boc−(4−カルボキシメチル)−ピペリジン(1.0g、4.11mmol)、3,4−ジクロロアニリン(0.68g、4.11mmol)、N−メチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(HCl)(0.79g、4.11mmol)、HOAt(0.62g、4.11mmol)及びジクロロメタンの混合物を、3時間撹拌した。反応混合物を水に注ぎ、ジクロロメタンで抽出し、溶媒としてEtOAc(25〜50%)及びヘプタンの混合物を使用するクロマトグラフィーにより精製した。収量1.36g(85%)。
【0079】
方法B
4−{[(3,4−ジクロロ−フェニル)−エチル−カルバモイル]−メチル}−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(中間体化合物)
4−[(3,4−ジクロロ−フェニルカルバモイル)−メチル]−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.85、2.19mmol)をTHF(10ml)に溶解した。水素化ナトリウム(0.175g、4.39mmol)を加え、混合物を20分間撹拌した。ヨウ化エチル(0.70g、4.39mmol)を加え、混合物を室温で3時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、混合物を酢酸エチルで抽出し、続いて、溶媒としてEtOAc(1〜70%)及びヘプタンの混合物を使用するクロマトグラフィーにかけた。収量570mg(63%)。
【0080】
方法C
N−(3,4−ジクロロ−フェニル)−N−エチル−2−ピペリジン−4−イル−アセトアミド塩酸塩(化合物C1)
4−{[(3,4−ジクロロ−フェニル)−エチル−カルバモイル]−メチル}−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.57g、1.37mmol)、TFA(0.50ml、6.73mmol)及びジクロロメタン(5ml)の混合物を室温で4時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。遊離塩基をメタノールに溶解し、ジエチルエーテル中の塩化水素の混合物を加えることによって、対応する塩に変換した。油状物として単離した。収量97mg(22%)。
[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、301.0866Daを示す。計算値301.087444Da、差−2.8ppm。(フマル酸塩:融点97〜100℃)
【0081】
N−(3,4−ジクロロ−フェニル)−2−ピペリジン−4−イル−アセトアミドトリフルオロ酢酸塩(化合物C2)
方法Cに従い調製した。融点165〜168℃。
[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、287.0712Daを示す。計算値287.071794Da、差−2.1ppm。
【0082】
N−(3,4−ジクロロ−フェニル)−N−メチル−2−ピペリジン−4−イル−アセトアミド塩酸塩(化合物B1)
方法Bに従い調製した。油状物として単離した。
[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、301.0866Daを示す。計算値301.087444Da、差−2.8ppm。
【0083】
N−(4−クロロ−フェニル)−N−エチル−2−ピペリジン−4−イル−アセトアミド塩酸塩(化合物C3)
方法Cに従い調製した。油状物として単離した。
[M+H]+のC−ESI−HRMSは、281.1413Daを示す。計算値281.142066Da、差−2.7ppm。
【0084】
N−(3−クロロ−フェニル)−N−エチル−2−ピペリジン−4−イル−アセトアミド塩酸塩(化合物C4)
方法Cに従い調製した。油状物として単離した。
[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、281.1413Daを示す。計算値281.142066Da、差−2.7ppm。
【0085】
N−エチル−N−ナフタレン−1−イル−2−ピペリジン−4−イル−アセトアミド塩酸塩(化合物C5)
方法Cに従い調製した。油状物として単離した。
[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、297.1965Daを示す。計算値297.196688Da、差−0.6ppm。
【0086】
N−(2,3−ジクロロ−フェニル)−N−エチル−2−ピペリジン−4−イル−アセトアミド塩酸塩(化合物C6)
方法Cに従い調製した。油状物として単離した。
[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、315.1021Daを示す。計算値315.103094Da、差−3.2ppm。
【0087】
N−(2,5−ジクロロ−フェニル)−N−エチル−2−ピペリジン−4−イル−アセトアミドフマル酸塩(化合物C7)
方法Cに従い調製した。融点190〜192℃。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、315.1027Daを示す。計算値315.102549Da、差0.5ppm。
【0088】
N−(2,6−ジクロロ−フェニル)−N−エチル−2−ピペリジン−4−イル−アセトアミドフマル酸塩(化合物C8)
方法Cに従い調製した。融点167〜169℃。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、315.1019Daを示す。計算値315.102549Da、差−2.1ppm。
【0089】
N−(3,5−ジクロロ−フェニル)−N−エチル−2−ピペリジン−4−イル−アセトアミドフマル酸塩(化合物C9)
方法Cに従い調製した。融点151〜153℃。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、315.1033Daを示す。計算値315.102549Da、差2.4ppm。
【0090】
N−エチル−2−ピペリジン−4−イル−N−(2,3,4−トリクロロ−フェニル)−アセトアミドフマル酸塩(化合物C10)
方法Cに従い調製した。融点62〜64℃。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、349.0638Daを示す。計算値349.063577Da、差0.6ppm。
【0091】
N−(3,4−ジクロロ−フェニル)−N−エチル−2−ピペリジン−4−イル−アセトアミドフマル酸塩(化合物C11)
方法Cに従い調製した。融点58〜60℃。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、403.0016Daを示す。計算値403.001519Da、差0.2ppm。
【0092】
N−(3,4−ジクロロ−フェニル)−2−ピペリジン−4−イル−N−プロピル−アセトアミドフマル酸塩(化合物C12)
方法Cに従い調製した。融点55〜58℃。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、329.1188Daを示す。計算値329.118199Da、差1.8ppm。
【0093】
N−(3−ブロモ−4−クロロ−フェニル)−N−エチル−2−ピペリジン−4−イル−アセトアミドフマル酸塩(化合物C13)
方法Cに従い調製した。融点141〜143℃。
【0094】
方法D
N−(3,4−ジクロロ−フェニル)−N−エチル−2−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−アセトアミド塩酸塩(化合物D1)
N−(3,4−ジクロロ−フェニル)−N−エチル−2−ピペリジン−4−イル−アセトアミド(0.10g、0.317mmol)をジクロロメタン(5ml)に溶解した。ホルムアルデヒド(37%、0.039ml、0.476mmol)を加え、反応物を室温で1時間撹拌した。トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを加え、反応混合物を室温で15時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。遊離塩基をメタノールに溶解し、ジエチルエーテル中の塩化水素の混合物を加えることによって、対応する塩に変換した。収量69%(59%)。油状物として単離した。
[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、329.1189Daを示す。計算値329.118744Da、差0.5ppm。フマル酸塩。融点153〜155℃。
【0095】
N−(4−クロロ−フェニル)−N−エチル−2−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−アセトアミドフマル酸塩(化合物D2)
方法Dに従い調製した。融点146〜150℃。
[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、295.1577Daを示す。計算値295.157716Da、差−0.1ppm。
【0096】
N−エチル−2−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−N−ナフタレン−1−イル−アセトアミドフマル酸塩(化合物D3)
方法Dに従い調製した。融点63〜66℃。
[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、311.2113Daを示す。計算値311.212338Da、差−3.3ppm。
【0097】
N−(4−ブロモ−3−クロロ−フェニル)−N−エチル−2−ピペリジン−4−イル−アセトアミドフマル酸塩(化合物D4)
方法Dに従い調製した。融点mp:159〜161℃。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、359.0514Daを示す。計算値359.052034Da、差−1.8ppm。
【0098】
N−(2,4−ジクロロ−フェニル)−N−エチル−2−ピペリジン−4−イル−アセトアミドフマル酸塩(化合物D5)
方法Dに従い調製した。融点112〜114℃。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、315.1028Daを示す。計算値315.102549Da、差0.8ppm。
【0099】
N−(3,4−ジクロロ−フェニル)−2−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−アセトアミドフマル酸塩(化合物D6)
方法Dに従い調製した。融点180〜183℃。
[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、301.0872Daを示す。計算値301.087444Da、差−0.8ppm。
【0100】
N−(3−クロロ−フェニル)−N−エチル−2−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−アセトアミドフマル酸塩(化合物D7)
方法Dに従い調製した。ガム様油状物。
[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、295.1583Daを示す。計算値295.157716Da、差2ppm。
【0101】
N−(2,3−ジクロロ−フェニル)−N−エチル−2−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−アセトアミドフマル酸塩(化合物D8)
方法Dに従い調製した。融点51〜53℃。
[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、329.1172Daを示す。計算値329.118744Da、差−4.7ppm。
【0102】
N−(3,4−ジクロロ−フェニル)−N−エチル−2−(1−プロピル−ピペリジン−4−イル)−アセトアミドフマル酸塩(化合物D9)
ホルムアルデヒドの代わりにプロピオンアルデヒドを使用して、方法Dに従って調製した。油状物として単離した。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、357.1493Daを示す。計算値357.149499Da、差−0.6ppm。
【0103】
N−(3,4−ジクロロ−フェニル)−N−エチル−2−(1−イソプロピル−ピペリジン−4−イル)−アセトアミドフマル酸塩(化合物D10)
ホルムアルデヒドの代わりにアセトンを使用して、方法Dに従って調製した。油状物として単離した。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、357.1514Daを示す。計算値357.149499Da、差5.3ppm。
【0104】
N−(3,4−ジクロロ−フェニル)−N−エチル−2−(1−エチル−ピペリジン−4−イル)−アセトアミドフマル酸塩(化合物D11)
ホルムアルデヒドの代わりにアセトアルデヒドを使用して、方法Dに従って調製した。油状物として単離した。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、343.1354Daを示す。計算値343.133849Da、差4.5ppm。
【0105】
N−(3,4−ジクロロ−フェニル)−N−メチル−2−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−アセトアミドフマル酸塩(化合物D12)
方法Dに従い調製した。融点57〜59℃。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、315.1033Daを示す。計算値315.102549Da、差2.4ppm。
【0106】
N−(4−ブロモ−3−クロロ−フェニル)−N−エチル−2−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−アセトアミドフマル酸塩(化合物D13)
方法Dに従い調製した。油状物として単離した。M+のGC−EI−HRMSは、372.0609Daを示す。計算値372.060404Da、差1.3ppm。
【0107】
N−(2,4−ジクロロ−フェニル)−N−エチル−2−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−アセトアミドフマル酸塩(化合物D14)
方法Dに従い調製した。融点175〜177℃。M+のGC−EI−HRMSは、328.1117Daを示す。計算値328.110919Da、差2.4ppm。
【0108】
N−(2,5−ジクロロ−フェニル)−N−エチル−2−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−アセトアミドフマル酸塩(化合物D15)
方法Dに従い調製した。油状物として単離した。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、329.1197Daを示す。計算値329.118199Da、差4.6ppm。
【0109】
N−(2,6−ジクロロ−フェニル)−N−エチル−2−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−アセトアミドフマル酸塩(化合物D16)
方法Dに従い調製した。融点167〜169℃。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、329.118Daを示す。計算値329.118199Da、差−0.6ppm。
【0110】
N−(3,5−ジクロロ−フェニル)−N−エチル−2−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−アセトアミドフマル酸塩(化合物D17)
方法Dに従い調製した。油状物として単離した。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、349.0638Daを示す。計算値349.063577Da、差0.6ppm。
【0111】
N−エチル−2−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−N−(2,3,4−トリクロロ−フェニル)−アセトアミドフマル酸塩(化合物D18)
方法Dに従い調製した。融点181〜183℃。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、363.080617200096Daを示す。計算値363.079227Da、差3.8ppm。
【0112】
N−(3,4−ジブロモ−フェニル)−N−エチル−2−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−アセトアミドフマル酸塩(化合物D19)
方法Dに従い調製した。融点138〜140℃。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、417.0172Daを示す。計算値417.017169Da、差0.1ppm。
【0113】
N−(3,4−ジクロロ−フェニル)−2−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−N−プロピル−アセトアミドフマル酸塩(化合物D20)
方法Dに従い調製した。融点144〜146℃。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、343.1342Daを示す。計算値343.133849Da、差1ppm。
【0114】
N−(3−ブロモ−4−クロロ−フェニル)−N−エチル−2−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−アセトアミドフマル酸塩(化合物D21)
方法Dに従い調製した。150〜152℃。
[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、373.0685Daを示す。計算値373.067684Da、差2.2ppm。
【0115】
生体外阻害活性
化合物について、国際公開第97/16451号(NeuroSearch A/S)に記載されているように、シナプトソームにおけるモノアミン神経伝達物質ドーパミン(DA)ノルアドレナリン(NA)及びセロトニン(5−HT)の再取り込み阻害能力について試験した。
【0116】
試験値は、IC50H−DA、H−NA、又はH−5−HTの特異的結合を50%阻害する試験物質の濃度(μM))で与えてある。
【0117】
本発明の化合物による試験により得た試験結果は、次の表から明らかである。
【表1】

【0118】
本発明の特定の実施形態が本明細書において例示の目的で記載されてきたが、多様な変更を、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく行い得ることが、前記から理解されるであろう。したがって、本発明は添付の請求項により制限されるようには、制限されるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物
【化1】


その立体異性体のいずれか若しくはその立体異性体のいずれかの混合物、又はその薬学的に許容される塩
(式中、
及びRは、互いに独立に、水素又はC1〜6アルキルを表し;
は、フェニル又はナフチルを表し、該フェニル及びナフチルは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ及びアルコキシからなる群から独立に選択される1つ又は複数の置換基で任意選択で置換されている)。
【請求項2】
が水素を表す、請求項1に記載の化合物、その立体異性体のいずれか若しくはその立体異性体のいずれかの混合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
がC1〜6アルキルを表す、請求項1に記載の化合物、その立体異性体のいずれか若しくはその立体異性体のいずれかの混合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
がC1〜6アルキルを表す、請求項1から3までのいずれか一項に記載の化合物、その立体異性体のいずれか若しくはその立体異性体のいずれかの混合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
がジクロロフェニルを表す、請求項1から4までのいずれか一項に記載の化合物、その立体異性体のいずれか若しくはその立体異性体のいずれかの混合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
N−(3,4−ジクロロ−フェニル)−N−エチル−2−ピペリジン−4−イル−アセトアミド;
N−(3,4−ジクロロ−フェニル)−2−ピペリジン−4−イル−アセトアミド;
N−(3,4−ジクロロ−フェニル)−N−メチル−2−ピペリジン−4−イル−アセトアミド;
N−(4−クロロ−フェニル)−N−エチル−2−ピペリジン−4−イル−アセトアミド;
N−(3−クロロ−フェニル)−N−エチル−2−ピペリジン−4−イル−アセトアミド;
N−エチル−N−ナフタレン−1−イル−2−ピペリジン−4−イル−アセトアミド;
N−(2,3−ジクロロ−フェニル)−N−エチル−2−ピペリジン−4−イル−アセトアミド;
N−(2,5−ジクロロ−フェニル)−N−エチル−2−ピペリジン−4−イル−アセトアミド;
N−(2,6−ジクロロ−フェニル)−N−エチル−2−ピペリジン−4−イル−アセトアミド;
N−(3,5−ジクロロ−フェニル)−N−エチル−2−ピペリジン−4−イル−アセトアミド;
N−エチル−2−ピペリジン−4−イル−N−(2,3,4−トリクロロ−フェニル)−アセトアミド;
N−(3,4−ジブロモ−フェニル)−N−エチル−2−ピペリジン−4−イル−アセトアミド;
N−(3,4−ジクロロ−フェニル)−2−ピペリジン−4−イル−N−プロピル−アセトアミド;
N−(3,4−ジクロロ−フェニル)−N−エチル−2−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−アセトアミド;
N−(4−クロロ−フェニル)−N−エチル−2−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−アセトアミド;
N−エチル−2−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−N−ナフタレン−1−イル−アセトアミド;
N−(4−ブロモ−3−クロロ−フェニル)−N−エチル−2−ピペリジン−4−イル−アセトアミド;
N−(2,4−ジクロロ−フェニル)−N−エチル−2−ピペリジン−4−イル−アセトアミド;
N−(3,4−ジクロロ−フェニル)−2−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−アセトアミド;
N−(3−クロロ−フェニル)−N−エチル−2−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−アセトアミド;
N−(2,3−ジクロロ−フェニル)−N−エチル−2−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−アセトアミド;
N−(3,4−ジクロロ−フェニル)−N−エチル−2−(1−プロピル−ピペリジン−4−イル)−アセトアミド;
N−(3,4−ジクロロ−フェニル)−N−エチル−2−(1−イソプロピル−ピペリジン−4−イル)−アセトアミド;
N−(3,4−ジクロロ−フェニル)−N−エチル−2−(1−エチル−ピペリジン−4−イル)−アセトアミド;
N−(3,4−ジクロロ−フェニル)−N−メチル−2−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−アセトアミド;
N−(4−ブロモ−3−クロロ−フェニル)−N−エチル−2−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−アセトアミド;
N−(2,4−ジクロロ−フェニル)−N−エチル−2−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−アセトアミド;
N−(2,5−ジクロロ−フェニル)−N−エチル−2−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−アセトアミド;
N−(2,6−ジクロロ−フェニル)−N−エチル−2−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−アセトアミド;
N−(3,5−ジクロロ−フェニル)−N−エチル−2−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−アセトアミド;
N−エチル−2−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−N−(2,3,4−トリクロロ−フェニル)−アセトアミド;
N−(3,4−ジブロモ−フェニル)−N−エチル−2−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−アセトアミド;
N−(3,4−ジクロロ−フェニル)−2−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−N−プロピル−アセトアミド;
である、請求項1に記載の化合物、又はその立体異性体のいずれか若しくはその立体異性体のいずれかの混合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
N−(3−ブロモ−4−クロロ−フェニル)−N−エチル−2−ピペリジン−4−イル−アセトアミド;
N−(3−ブロモ−4−クロロ−フェニル)−N−エチル−2−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−アセトアミド;
である、請求項1に記載の化合物、又はその立体異性体のいずれか若しくはその立体異性体のいずれかの混合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
治療有効量の請求項1から7までのいずれか一項に記載の化合物、その立体異性体のいずれか若しくはその立体異性体のいずれかの混合物、又はその薬学的に許容される塩を、少なくとも1種の薬学的に許容される担体、賦形剤又は希釈剤と共に含む、薬剤組成物。
【請求項9】
薬物の製造のための、請求項1から7までのいずれか一項に記載の化合物、その立体異性体のいずれか若しくはその立体異性体のいずれかの混合物、又はその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項10】
ヒトを含む哺乳動物の、疾患又は障害又は状態の治療、予防又は軽減のための薬剤組成物を製造するための、請求項9に記載の使用であって、前記疾患、障害又は状態が、中枢神経系におけるモノアミン神経伝達物質再取り込みの阻害に応答する、上記使用。
【請求項11】
前記疾患、障害又は状態が、気分障害、うつ病、非定型うつ病、疼痛に続発するうつ病、大うつ病性障害、気分変調性障害、双極性障害、双極性I型障害、双極性II型障害、気分循環性障害、全身の医学的状態による気分障害、物質誘発性気分障害、仮性認知症、ガンザー症候群、強迫性障害、パニック障害、広場恐怖症を伴わないパニック障害、広場恐怖症を伴うパニック障害、パニック障害歴のない広場恐怖症、パニック発作、記憶欠損、記憶喪失、注意欠陥多動性障害、肥満、不安、全般性不安障害、摂食障害、パーキンソン病、パーキンソニズム、認知症、加齢認知症、老人性認知症、アルツハイマー病、ダウン症候群、後天性免疫不全症候群認知症複合、加齢記憶機能障害、特定恐怖症、社会恐怖症、社会不安障害、外傷後ストレス障害、急性ストレス障害、薬物嗜癖、薬物乱用、薬物乱用傾向、コカイン乱用、ニコチン乱用、タバコ乱用、アルコール嗜癖、アルコール依存症、窃盗癖、中毒物質使用停止起因の離脱症状、疼痛、慢性疼痛、炎症性疼痛、神経因性疼痛、偏頭痛、緊張型頭痛、慢性緊張型頭痛、うつ病に伴う疼痛、線維筋痛症、関節炎、変形性関節炎、リウマチ様関節炎、背部痛、癌性疼痛、過敏性腸痛、過敏性腸症候群、術後痛、乳房切除術後痛症候群(PMPS)、脳卒中後痛、薬物誘発性神経障害、糖尿病性神経障害、交感神経性維持疼痛、三叉神経痛、歯痛、筋膜痛、幻肢痛、過食症、月経前症候群、月経前気分不快障害、後期黄体期症候群、外傷後症候群、慢性疲労症候群、持続的植物状態、尿失禁、腹圧性尿失禁、切迫性尿失禁、夜間尿失禁、性機能障害、早漏症、勃起困難、勃起不全、早発性女性オルガズム、下肢静止不能症候群、周期性四肢運動障害、摂食障害、神経性食欲不振症、睡眠障害、広汎性発達障害、自閉症、アスペルガー障害、レット障害、小児期崩壊性障害、学習障害、運動能力障害、無言症、抜毛癖、ナルコレプシー、脳卒中後うつ病、脳卒中誘発性脳損傷、脳卒中誘発性神経損傷、ジルドゥラトウレット症候群、耳鳴り、チック障害、身体醜形障害、反抗挑戦性障害、脳卒中後能力障害である、請求項10に記載の使用。
【請求項12】
ヒトを含む動物生体の、疾患又は障害又は状態の治療、予防又は軽減のための方法であって、前記疾患、障害又は状態が、中枢神経系におけるモノアミン神経伝達物質再取り込みの阻害に応答し、その必要のある動物生体に、治療有効量の請求項1から7までのいずれか一項に記載の化合物、その立体異性体のいずれか若しくはその立体異性体のいずれかの混合物、又はその薬学的に許容される塩を投与するステップを含む上記方法。
【請求項13】
薬物としての使用のための、請求項1から7までのいずれか一項に記載の化合物、その立体異性体のいずれか若しくはその立体異性体のいずれかの混合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項14】
ヒトを含む哺乳動物の、中枢神経系におけるモノアミン神経伝達物質再取り込みの阻害に応答する、疾患又は障害又は状態の治療、予防又は軽減における使用のための、請求項1から7までのいずれか一項に記載の化合物、その立体異性体のいずれか若しくはその立体異性体のいずれかの混合物、又はその薬学的に許容される塩。

【公表番号】特表2012−501307(P2012−501307A)
【公表日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−524353(P2011−524353)
【出願日】平成21年8月25日(2009.8.25)
【国際出願番号】PCT/EP2009/060910
【国際公開番号】WO2010/023197
【国際公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(505377201)ノイロサーチ アクティーゼルスカブ (135)
【Fターム(参考)】