説明

ピペリジン誘導体及びピペラジン誘導体

下記一般式(Ia)で示される化合物:


[式(Ia)中、R、A、X、n、Y及びRは、明細書中に記載された意味を表す。]はシグマ受容体に対するアフィニティーを有し、中枢神経系疾患の治療に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規1,4−ピペラジン誘導体及びピペラジン誘導体に関し、該新規誘導体の製造方法に関し、該製造方法に有用な新規中間体に関し、該誘導体を含有する医薬組成物に関し、及び、中枢神経系疾患の治療における該誘導体の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ある種の中枢神経系疾患はシグマ受容体機能のモジュレーターを用いて治療することができるかもしれないとの見解が、科学文献に開示されていた。シグマリガンドに対するアフィニティーを有することが知られている化合物のうちには、ある種の,ピペリジン誘導体及びピペラジン誘導体がある。
【0003】
WO91/09594には、シグマ受容体に対するアフィニティーを有する化合物が開示されており、その中にはピペリジン誘導体やピペラジン誘導体も存在し、そして、精神分裂病や他の精神病の治療にそれらが有用であることが開示されている。
【0004】
米国特許番号5,736,546には、置換基を持たない一つのフェニル基と、二つのアルコキシ基を置換基として持つもう一つのフェニル基とを有する、1,4−(ジフェニルアルキル)ピペラジンが開示されている。開示されている化合物の中には、1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]−4−(3−フェニルプロピル)ピペラジンがある。この化合物は科学文献において、SA4503とも称される。US5,736,546に開示されている化合物は、認知症、鬱病、精神分裂病、不安神経症、異常免疫反応に伴う疾患、内分泌過多(cryptorrhea)、及び、消化性潰瘍(digestive ulcer)の治療に有用であるとされている。
【0005】
WO2004/110387には、シグマリガンド、とくにSA4503、は、虚血性脳血管障害、外傷性脳損傷、又は、脊髄損傷等のような神経変性疾患の発症の後における神経再生を促進するための、患者の治療にもまた有用であることが開示されている。
【0006】
US5,389,630は一般的にある種のジアミン化合物が脳保護作用を有することを開示している。実施例50の化合物はピペラジン誘導体であるが、しかし、例示された大多数の化合物はホモピペラジン誘導体である。これら化合物の作用機序には言及されていない。
【0007】
日本特許出願、公開番号2003−160570はある種の1,4−ピペリジン誘導体及びピペラジン誘導体を一般的に開示しており、糖尿病や肥満等の生活習慣病の治療に有用であるとされる。
【0008】
WO01/24786にも、糖尿病や肥満等の生活習慣病の治療に有用であるとされるある種の1,4−ピペリジン誘導体及びピペラジン誘導体を一般的に開示している。そして、1−[3−(3,4−ジクロロフェノキシ)プロピル]−4−[(4−クロロフェニル)アセチル]ピペラジンが例示されている。
【0009】
1−[2−フェノキシエチル]−4−[フェニルアセチル]ピペラジンもまた知られている。
【特許文献1】WO91/09594
【特許文献2】US5,736,546
【特許文献3】WO2004/110387
【特許文献4】US5,389,630
【特許文献5】特開2003−160570号
【特許文献6】WO01/24786
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ある種の新規1,4−ピペリジン誘導体及びピペラジン誘導体がシグマ受容体、とくにシグマ−1受容体に対して、高い親和性を有することがいまや知られている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明においては、以下の化合物:下記一般式(Ia):
【0012】
【化1】

【0013】
[式(Ia)中、
は、2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル、又は、炭素数1〜2のアルキレンジオキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ、シアノ、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数1〜4のハロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、アルコキシ(炭素数1〜4)アルコキシ(炭素数1〜4)基、炭素数1〜4のヒドロキシアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキルスルファニル基、炭素数1〜4のアルキルスルホニル基、炭素数1〜4のハロアルコキシ基、及び、炭素数1〜4のハロアルキルスルホニル基から独立に選択される一つ、二つ、若しくは三つの置換基を有するか若しくは無置換のフェニル基を表し;
は、(CH又は(CHm−1C(=O)で表される基(式中、mは2、3、4又は5である。)を表し;
Xは、CH又はNを表し;
nは、0、1、2、3、4又は5であり、ただし、XがNである場合はnは2、3、4又は5であり;
Yは、O、NR又はSを表し;
は、水素、炭素数1〜4のアルキル基、若しくは、フェニルアルキル(アルキル基の炭素数1〜4)基、又は、Rで定義される基を表し;そして
は、それらの非芳香炭素原子にヒドロキシ基を置換基として有していてもよい、インダン−1−イル、インダン−2−イル、1,2,3,4−テトラヒドロナフト−1−イル若しくは1,2,3,4−テトラヒドロナフト−2−イル;炭素数3〜6のシクロアルキル基;又は、炭素数1〜2のアルキレンジオキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、シアノ、フェニル、イミダゾリル、炭素数1〜4のハロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、及び、炭素数1〜4のハロアルコキシ基から独立に選択される一つ、二つ、若しくは三つの置換基を有するか若しくは無置換のフェニル基を表す。]で示されるか
または医薬的に許容されるその塩、ただし、
1−[2−フェノキシエチル]−4−[フェニルアセチル]ピペラジン及び1−[3−(3,4−ジクロロフェノキシ)プロピル]−4−[(4−クロロフェニル)アセチル]ピペラジンを除く、を提供する。
【0014】
本発明の化合物は、シグマ受容体、とくにシグマ−1受容体に対して、高い親和性を有することがいままでに知られている。
【0015】
本発明の一態様においては、下記一般式(I)で示される化合物または医薬的に許容されるその塩:
【0016】
【化2】

【0017】
[式(I)中、
は、炭素数1〜2のアルキレンジオキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数1〜4のハロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、シアノ基、及び、炭素数1〜4のハロアルコキシ基から独立に選択される一つ、二つ、若しくは三つの置換基を有するか若しくは無置換のフェニル基を表し;
mは2、3、4又は5であり;
Xは、CH又はNを表し;
nは、0、1、2、3、4又は5であり、ただし、XがNである場合はnは2、3、4又は5であり;
Yは、O、NR又はSを表し;
は、水素、炭素数1〜4のアルキル基、若しくは、フェニルアルキル(アルキル基の炭素数1〜4)基、又は、Rで定義される基を表し;そして
は、それらの非芳香炭素原子にヒドロキシ基を置換基として有していてもよい、インダン−1−イル、インダン−2−イル、1,2,3,4−テトラヒドロナフト−1−イル若しくは1,2,3,4−テトラヒドロナフト−2−イル;炭素数3〜6のシクロアルキル基;又は、炭素数1〜2のアルキレンジオキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、シアノ、フェニル、イミダゾリル、炭素数1〜4のハロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、及び、炭素数1〜4のハロアルコキシ基から独立に選択される一つ、二つ、若しくは三つの置換基を有するか若しくは無置換のフェニル基を表す。]を提供する。
【0018】
他の態様においては、下記一般式(II)で示される化合物または医薬的に許容されるその塩:
【0019】
【化3】

【0020】
[式(II)中、R、m、n、Y及びRは、式(I)の化合物において定義される基を表す。]を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本明細書においては、特に断らないかぎり、ハロゲン原子は、フッ素、塩素及び臭素を含む。
炭素数1〜2のアルキレンジオキシ基は、メチレンジオキシ及びエチレンジオキシを含む。
炭素数1〜4のアルキル基の例示はメチルである。他の例示は、エチル、プロピル、2−プロピル、ブチル、2−ブチル及びt−ブチルである。
本明細書中、炭素数1〜4のハロアルキル基は、トリフルオロメチル等のパーフルオロ(1〜4C)アルキルを含む。
炭素数1〜6のアルコキシ基は、炭素数1〜4のアルコキシ基を含む。炭素数1〜4のアルコキシ基の例示は、メトキシである。他の例示は、エトキシ、プロポキシ、2−プロポキシ、イソブトキシ、及び2,2−ジメチルプロポキシである。
アルコキシ(炭素数1〜4)アルコキシ(炭素数1〜4)基の例示は、2−メトキシエトキシである。
炭素数1〜4のヒドロキシアルコキシ基の例示は、ヒドロキシメチルである。
本明細書中、炭素数1〜4のハロアルコキシ基は、トリフルオロメトキシ等のパーフルオロ(1〜4C)アルコキシを含む。
炭素数1〜4のアルキルスルファニル基(炭素数1〜4のアルキルチオ基とも称せられる。)の例示は、メチルスルファニルである。
炭素数1〜4のアルキルスルホニル基の例示は、メチルスルホニルである。
炭素数3〜6のシクロアルキル基の例示は、シクロペンチル及びシクロヘキシルである。
式(I)中、Rの具体例としては、フェニル、ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、3−クロロフェニル、3−メチルフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、4−イソプロポキシフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、2,3,4−トリメトキシフェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル、2−フルオロ−3,4−ジメトキシフェニル、3−クロロ−4−メトキシフェニル、4−クロロ−3−メトキシフェニル、2−トリフルオロメトキシフェニル、4−トリフルオロメトキシフェニル、及び、3−トリフルオロメトキシフェニルが挙げられる。他の例示としては、2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル、2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキソール−6−イル、4−ヒドロキシフェニル、4−イソプロピルフェニル、4−エトキシフェニル、4−イソブトキシフェニル、4−(2,2−ジメチルプロポキシ)フェニル、4−(2−メトキシエトキシ)フェニル、4−ヒドロキシメチルフェニル、4−メチルスルファニルフェニル、4−メチルスルホニルフェニル、及び、4−トリフルオロメチルスルホニルフェニルが挙げられる。
【0022】
の具体例として、とくに、フェニル、ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル、2−フルオロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル、及び、2−トリフルオロメトキシフェニルが挙げられる。
【0023】
なかでも、式(I)の化合物のうち、Rが、3,4−ジメトキシフェニル、4−メトキシフェニル、4−イソプロポキシフェニル、4−トリフルオロメトキシフェニル、及び、3,4,5−トリメトキシフェニルであるものが挙げられる。Rが4−ヒドロキシフェニルである化合物もまたとくに言及される。
【0024】
mの値の例示は、2及び3である。とくに、mが2である。
nの値の例示は、2及び3である。とくに、nが2である。
一つの態様においては、Aは(CH又は(CH等の(CHである。
他の態様においては、Aは(CH)C(=O)又は(CHC(=O)等の(CH2)m−1C(=O)である。
の具体例としては、水素が挙げられる。
Yの具体例としては、O及びNHが挙げられる。一つの態様においては、YはOである。
の具体例としては、フェニル、ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル、2−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、4−トリフルオロメトキシフェニル、2−クロロフェニル、4−クロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、4−メチルフェニル、4−イソプロピルフェニル、4−t−ブチルフェニル、4−シアノフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、2−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、4−ビフェニル、4−(1−イミダゾリル)フェニル、2−フルオロ−4−メトキシフェニル、3−フルオロ−4−メトキシフェニル、3−クロロ−4−メトキシフェニル、2−トリフルオロメトキシフェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル、又は、4−トリフルオロメトキシフェニルが挙げられる。他の例示は、2−メチルフェニルである。
の具体例として、とくに、フェニル、2−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、2−クロロフェニル、4−クロロフェニル、4−メチルフェニル、4−イソプロピルフェニル、4−シアノフェニル、3,4,5−トリメトキシ、及び、2−トリフルオロメチルフェニルが挙げられる。
【0025】
なかでも、式(I)の化合物のうち、Rが、4−フルオロフェニルであるものが挙げられる。
【0026】
式(I)で表される化合物は不斉中心を含んでいてもよい。従って、立体異性体の態様で存在し及び単離されてもよい。本発明は式(I)で表される化合物の如何なる立体異性体であってもよい。
【0027】
また、式(I)で表される化合物又は医薬的に許容されるその塩は溶媒和物の態様で単離されてもよく、従って、如何なるこのような溶媒和物も本発明の範囲に含まれる。
【0028】
式(I)で表される化合物のうちある種のものはまた、シグマ−2受容体に対するよりもシグマ−1受容体に対して良好な選択性を有することが見出された。このことは、シグマ−2受容体が、ラットにおいて、シグマ受容体が関与する頸部ジストニアにおいて重要な役割を果たすことが示されている(Matsumoto RRら、Pharmacol. Biochem. Behav.36、151−155、1996)ことから、とくに望ましいことである。例えば、DTG(1,3−ジ−2−トリル−グアニジン。シグマ−1受容体及びシグマ−2受容体の両方に対するアゴニスト。)のマイクロインジェクションはラットに頸部ジストニアを誘起したが、一方、SA−4503(選択的シグマ−1アゴニスト)のインジェクションはそのような効果がなかった(Nakazawa Mら、Pharmacol Biochem. Behav.62、123−126、1999)。さらに、シグマ−2受容体は細胞増殖の調節に関与していると考えられている。細胞毒性効果がシグマ−2受容体リガンドと関連づけられている(Vilner and Bowen、Eur. J. Pharmacol Mol Pharmacol Sect 244、199−201、1993)。シグマ−2選択的ドラッグはアポトーシスや細胞内カルシウム放出を伴ってもよい機構をとおして腫瘍細胞の増殖を阻害することができる(Aydar Eら、Cancer Research 64、5029−5033、2004)。これらの化合物は従ってとくに好ましい。
【0029】
他の態様によれば、従って、本発明は
1−(3,4−ジメトキシフェネチル)−4−(2−(4−フルオロフェノキシ)エチル)ピペリジン;
1−(4−(トリフルオロメチル)フェネチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペリジン;
4−(2−(2−フルオロフェノキシ)エチル)−1−(3,4−ジメトキシフェネチル)ピペリジン;
1−(3,4−ジメトキシフェネチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジン;
1−(3−メトキシフェネチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジン;
1−(4−メトキシフェネチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジン;
1−(2−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)エチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジン;
1−(3,4−ジフルオロフェネチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジン;
1−フェネチル−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジン;
1−(3,4−ジメトキシフェネチル)−4−(2−(4−クロロフェノキシ)エチル)ピペラジン;及び
4−(2−(4−(3,4−ジメトキシフェネチル)ピペラジン−1−イル)エチルオキシ)ベンゾニトリル;
1−{4−[2−(2−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−3−(3,4,5−トリメトキシフェニル)プロパン−1−オン;
1−{4−[2−(2−フルオロフェノキシ)エチル]−ピペラジン−1−イル}−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)プロパン−1−オン;
1−{4−[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−3−フェニルプロパン−1−オン;
1−{4−[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)プロパン−1−オン;
1−{4−[2−(2−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)エタノン;
1−[2−(2−フルオロフェノキシ)エチル]−4−[3−(3,4,5−トリメトキシフェニル)プロピル]−ピペラジン;
1−[2−(2−フルオロフェノキシ)エチル]−4−[3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)プロピル]ピペラジン;
1−[2−(2−フルオロフェノキシ)エチル]−4−[2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)エチル]−ピペラジン;
1−(2−(ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルエチル)−4−[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン;
1−[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]−4−[3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)プロピル]ピペラジン;
及び医薬的に許容されるそれらの塩から選択される化合物である。
【0030】
これらの化合物はいずれもシグマ−1受容体に対してシグマ−2受容体に対してよりも良好な選択性を有することが見出された。
【0031】
一般式(Ia)で表される化合物は常法により製造することができる。
別の態様によれば、従って、本発明は
a)Aが(CHである式(Ia)の化合物にあっては、下記一般式(II)で表される化合物:
【0032】
【化4】

【0033】
を還元剤で還元し;
b)XがNで、Aが(CHである式(Ia)の化合物にあっては、下記一般式(III)で表される化合物:
【0034】
【化5】

【0035】
(式(III)中、Z及びZは独立に、脱離原子又は脱離基を表す。)を下記一般式(IV)で表される化合物:
【0036】
【化6】

【0037】
若しくはR上の一つ若しくは二つの置換基が保護されている対応する化合物と反応させ;
c)XがNである式(Ia)の化合物にあっては、下記一般式(V)で表される化合物:
【0038】
【化7】

【0039】
を下記一般式(VI)で表される化合物:
【0040】
【化8】

【0041】
(式(VI)中、Zは脱離原子又は脱離基を表す。)と反応させ;又は
d)下記一般式(XI)で表される化合物:
【0042】
【化9】

【0043】
若しくはその反応性誘導体を、下記一般式(XII)で表される化合物:
【0044】
【化10】

【0045】
と反応させ、
その後、全ての保護基を除去し、そして、必要により、医薬的に許容される塩を形成する、一般式(Ia)で表される化合物又は医薬的に許容されるその塩の製造方法である。
【0046】
上記工程a)において、還元剤としては、例えば、ボラン(BH)、水素化ホウ素ナトリウム等の水素化ホウ素還元剤、又は、水素化アルミニウムリチウム等の水素化アルミニウムアルカリ金属等を好ましく使用することができる。反応は、好ましくは、例えば、テトラヒドロフラン等のエーテル等の溶媒の存在下に行うことができる。還元が行われる温度しては、−25〜100℃の範囲、例えば、−10〜40℃の範囲、が好ましく挙げられる。
【0047】
一般式(II)で表される化合物は、一般式(VII):
【0048】
【化11】

【0049】
(式中、Zは、p−パラトルエンスルホニロキシ基等の、脱離原子又は脱離基を表す。)
で表される化合物と、一般式(VIII):
【0050】
【化12】

【0051】
で表される化合物とを反応させて得ることができる。
【0052】
一般式(VII)で表される化合物は、一般式(IX)で表される対応する化合物:
【0053】
【化13】

【0054】
から、例えば、p−トルエンスルホニルクロライド等のスルホニルハライドとの反応により、得ることができる。
【0055】
一般式(IX)で表される化合物は、一般式(X):
【0056】
【化14】

【0057】
で表される化合物と、一般式(XI):
【0058】
【化15】

【0059】
で表される化合物又はその反応性誘導体とを、標準的なアミン結合カップリング条件を用いて反応させることにより得ることができる。
【0060】
あるいは、一般式(II)で表される化合物は、一般式(XII):
【0061】
【化16】

【0062】
で表される化合物と一般式(XI)で表される化合物又はその反応性誘導体とを、標準的なアミン結合カップリング条件を用いて反応させることにより得ることができる。
【0063】
一般式(XII)で表される化合物は、一般式(XIII):
【0064】
【化17】

【0065】
(式中、Pは、t−ブトキシカルボニル基等のアミノ基保護基を表す。)で表される化合物を脱保護することにより得ることができる。
【0066】
一般式(XII)で表される化合物は、一般式(XIV):
【0067】
【化18】

【0068】
で表される対応する化合物から、一般式(IX)の化合物から一般式(II)の化合物を製造した方法に準拠して、得ることができ、又は、XがNである化合物については、式(VI)の化合物をP−保護ピペラジンと反応させる。
【0069】
上記工程b)において、Z及びZで表される脱離原子又は脱離基としては、例えば、ハイドロカルビルスルホニロキシ基、例えば、メタンスルホニロキシ若しくはp−トルエンスルホニロキシ、又は、ハロゲン原子、例えば、塩素原子が挙げられる。
【0070】
反応は好ましくは0〜100℃の範囲内、例えば、50〜90℃にて行う。好ましい溶媒としては、例えば、有機溶媒、例えば、ジメチルホルムアミド等のアミドが挙げられる。反応は好ましくは塩基、例えば、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、の存在下に行われる。反応はヨウ化ナトリウム等の触媒の存在下に行ってもよい。
【0071】
一般式(III)で表される化合物は、一般式(XV):
【0072】
【化19】

【0073】
で表される対応する化合物から、例えば、チオニルクロライドとの反応により、Z及びZが塩素原子である式(III)の化合物が得られる。
【0074】
一般式(XV)で表される化合物は、一般式(XVI):
【0075】
【化20】

【0076】
を一般式(XVII):
【0077】
【化21】

【0078】
(式中、Zは、脱離原子又は脱離基、例えば、臭素原子等のハロゲン原子を表す。)で表される化合物と反応させて得ることができる。
【0079】
上記工程c)において、Zで表される脱離原子又は脱離基としては、例えば、p−トルエンスルホニロキシ等のハイドロカルビルスルホニロキシ基をあげることができる。好ましい溶媒としては、例えば、アセトン等のケトンが挙げられる。反応は、好ましくは、0〜100℃の範囲内の温度で行うことができる。
【0080】
上記工程d)において、反応は好ましくは、アミド結合カップリング条件下、例えば、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール及びジシクロヘキシルカルボジイミドの存在下、で行うことができる。
【0081】
医薬的に許容される塩は、常法により生成することができ、例えば、式(I)で表される化合物を塩酸等の医薬的に許容される酸と反応させて得られる。
【0082】
ある種の中間体、例えば、式(II)で表される化合物は新規化合物である。本発明は、本願明細書に開示するすべての新規中間体でもある。
【0083】
本発明の化合物は、どのような適切な経路で投与してもよく、例えば、消化管(例えば、直腸、口腔)内、鼻腔内、肺内、筋肉内、若しくは血管内へ、又は、経皮的に、投与することができる。該化合物は、いかなる適切な投与剤型であってもよく、例えば、錠剤、粉剤、カプセル剤、溶液剤、分散液剤、懸濁液剤、シロップ剤、スプレー剤、座剤、ゲル剤、エマルション剤、パッチ剤等が挙げられる。このような組成物は薬剤に通常使用される成分、例えば、希釈剤、キャリア剤、pH調節剤、甘味剤、増量剤、及びその他の活性成分、等を含有することができる。非経口投与が望ましい場合は、組成物は注射又は点滴に適した滅菌した溶液又は懸濁液形態とすればよい。このような組成物は、本発明の別の態様である。
【0084】
本発明の他の態様によれば、本発明は医薬組成物であって、上記で定義された、式(I)で表される化合物又は医薬的に許容されるその塩、及び、医薬的に許容される希釈剤又はキャリア剤を含有してなる。
【0085】
別の態様によれば、本発明は、シグマ受容体機能のモジュレーターに反応性を有する症状を治療するための医薬の製造における下記一般式(Ia)で表される化合物:
【0086】
【化22】

【0087】
[式(Ia)中、
は、2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル、又は、炭素数1〜2のアルキレンジオキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ、シアノ、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数1〜4のハロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、アルコキシ(炭素数1〜4)アルコキシ(炭素数1〜4)基、炭素数1〜4のヒドロキシアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキルスルファニル基、炭素数1〜4のアルキルスルホニル基、炭素数1〜4のハロアルコキシ基、及び、炭素数1〜4のハロアルキルスルホニル基から独立に選択される一つ、二つ、若しくは三つの置換基を有するか若しくは無置換のフェニル基を表し;
は、(CH又は(CHm−1C(=O)で表される基(式中、mは2、3、4又は5である。)を表し;
Xは、CH又はNを表し;
nは、0、1、2、3、4又は5であり、ただし、XがNである場合はnは2、3、4又は5であり;
Yは、O、NR又はSを表し;
は、水素、炭素数1〜4のアルキル基、若しくは、フェニルアルキル(アルキル基の炭素数1〜4)基、又は、Rで定義される基を表し;そして
は、それらの非芳香炭素原子にヒドロキシ基を置換基として有していてもよい、インダン−1−イル、インダン−2−イル、1,2,3,4−テトラヒドロナフト−1−イル若しくは1,2,3,4−テトラヒドロナフト−2−イル;炭素数3〜6のシクロアルキル基;又は、炭素数1〜2のアルキレンジオキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、シアノ、フェニル、イミダゾリル、炭素数1〜4のハロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、及び、炭素数1〜4のハロアルコキシ基から独立に選択される一つ、二つ、若しくは三つの置換基を有するか若しくは無置換のフェニル基を表す。];
または医薬的に許容されるその塩の使用である。
【0088】
他の態様によれば、本発明は、一般式(Ia)で表される化合物:
【0089】
【化23】

【0090】
[式(Ia)中、
は、2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル、又は、炭素数1〜2のアルキレンジオキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ、シアノ、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数1〜4のハロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、アルコキシ(炭素数1〜4)アルコキシ(炭素数1〜4)基、炭素数1〜4のヒドロキシアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキルスルファニル基、炭素数1〜4のアルキルスルホニル基、炭素数1〜4のハロアルコキシ基、及び、炭素数1〜4のハロアルキルスルホニル基から独立に選択される一つ、二つ、若しくは三つの置換基を有するか若しくは無置換のフェニル基を表し;
は、(CH又は(CHm−1C(=O)で表される基(式中、mは2、3、4又は5である。)を表し;
Xは、CH又はNを表し;
nは、0、1、2、3、4又は5であり、ただし、XがNである場合はnは2、3、4又は5であり;
Yは、O、NR又はSを表し;
は、水素、炭素数1〜4のアルキル基、若しくは、フェニルアルキル(アルキル基の炭素数1〜4)基、又は、Rで定義される基を表し;そして
は、その非芳香炭素原子にヒドロキシ基を置換基として有していてもよい、インダン−1−イル、インダン−2−イル、1,2,3,4−テトラヒドロナフト−1−イル若しくは1,2,3,4−テトラヒドロナフト−2−イル;炭素数3〜6のシクロアルキル基;又は、炭素数1〜2のアルキレンジオキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、シアノ、フェニル、イミダゾリル、炭素数1〜4のハロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、及び、炭素数1〜4のハロアルコキシ基から独立に選択される一つ、二つ、若しくは三つの置換基を有するか若しくは無置換のフェニル基を表す。];
または医薬的に許容されるその塩の有効量を患者に投与することを含む、シグマ受容体機能のモジュレーターに反応性を有する症状を治療するための方法である。
【0091】
治療対象の患者としては、ヒトでもよく、ヒト以外の動物でもよく、例えば、ネコ、イヌ、馬、牛、羊等の動物でもよい。
【0092】
シグマ受容体のモジュレーターに反応性を有する病気としては、例えば、シグマ受容体に関連付けられる神経学的疾患又は精神医学的疾患等の中枢神経系疾患が挙げられる。神経学的疾患としては、例えば、心臓バイパス手術及びグラフト後の脳欠陥、脳虚血(例えば、脳梗塞又は心臓停止に伴うもの);脊髄外傷;頭部外傷;多発性硬化症、アルツハイマー病;ハンチントン舞踏病;筋萎縮性側索硬化症;AIDSにより誘起される痴呆症;筋痙攣;ひきつけ;薬剤への耐性、禁断症、及び中断(すなわち、アヘン剤、ベンゾジアゼピン、ニコチン、コカンイ、又はエタノールに対するもの);眼の損傷及び網膜症;認知障害;特発性及び薬剤起因性パーキンソン病;痛み;及び遅発性ジスキネジア等の運動障害が挙げられる。式Iの化合物で治療される精神医学的疾患としては、例えば、精神分裂病、不安及び関連神経症(例えば、パニック発作、ストレス関連障害)、鬱病、双極性障害、精神病、及び強迫神経症が挙げられる。
【0093】
本発明の化合物は、特に、神経保護薬としての使用、並びに、神経変性疾患、特に、脳梗塞、外傷性脳損傷、脊髄損傷及び多発性硬化症、の発症の後における神経再生と機能回復を促進するための患者の治療における使用に有用である。
【0094】
式(I)で表される化合物の投与量は、治療する症状の性質や重篤さ、投与経路及び投与対象の大きさや種に依る。一般には、0.01〜100mg/kg体重の範囲の量が投与される。
【0095】
本明細書中、「治療」とは予防的使用も含む。「有効量」とは治療される疾患の症状の悪化を減じるか阻止するのに有効な、式(I)で表される化合物の量をいう。
【0096】
本発明の化合物は、単独で、又は、異なる作用機序の他の治療薬と併用して、投与してもよい。
【0097】
化合物のシグマ受容体に結合する能力は以下の一つ又はそれ以上の試験により示すことができる。
【0098】
シグマ−1(σ1)及びシグマ−2(σ2)受容体結合アッセイはHEK−293(ヒト胎児腎臓由来)細胞の細胞膜を用いて行われる。
【0099】
膜の調製
コンフルエントなHEK−293細胞をPBS/5mM EDTA中で採集する。それを2000rpmで5分間遠心し、その後、PBSで2回洗う。細胞は5mM EDTA、0.5mM PMSF及び0.5μg/mLロイペプチン含有20mM トリスHCl(pH=7.5)中で、ダウンス型ホモジェナイザーを用いて均質化し、5分間超音波処理する。
【0100】
核破片及び無傷細胞を3000rpm、10分間、4℃で遠心して除去する。上清を12000rpmで30分間遠心し、生じるペレットを25mMトリスHCl(pH=7.5)、25mM MgCl、0.5mM PMSF含有10%スクロース、2mM AEBSF、1mM EDTA、130μMベスタチン、14μM E−64、1μMロイペプチン及び0.3mMアプロチニンに再懸濁する。
【0101】
タンパクはバイオラッド プロテイン アッセイ ダイ試薬を用いて測定し、膜標品は等分し−80℃で冷凍する。
【0102】
σ1受容体結合アッセイ
結合アッセイは96穴プレートで行う。
σ1受容体はσ1選択的プローブ(+)−[H]ペンタゾシンを用いて標識する(ボーエン WDら、Mol Neuropharmacol 3、117−126、1993)。
全結合は50μgのHEK−293細胞膜と10nM(+)−[H]−ペンタゾシン(パーキン−エルマー、35Ci/mmol)及びアッセイバッファー(50mMトリスHCl、pH=8.3)とを全量200μlにてインキュベートして測定する。非特異的結合は10μM無標識ペンタゾシンの存在下で測定する。競合試験は、50μlの競合化合物を8つの異なる濃度で添加して行う。インキュベーションは120分間37℃で行う。アッセイの停止は氷冷10mMトリスHCl、pH=8.3で希釈し、モレキュラーデバイス社のスキャトロン製セルハーベスターを用いてグラスファイバーで減圧濾過して行う。フィルターは3回洗浄し、マイクロベータシンチレーションカウンターで膜結合放射能を測定する。
【0103】
フィルターは、使用する前に0.5%ポリエチレンイミンに1時間浸漬する。
特異的結合は、全結合から非特異的結合を差し引いて求める。IC50値([H]−ペンタゾシンの結合を50%阻害するのに必要な競合リガンド濃度)はグラフパッドプリズムソフトウェアを用いて非線形回帰分析により解析する。
【0104】
σ2受容体結合アッセイ
結合アッセイは96穴プレートで行う。
σ2受容体は[H]DTG(ジ−o−トリルグアニジン)により、σ1受容体がσ1選択的化合物であるペンタゾシンによりマスクされる条件下で、標識する(ヘレウェル SBら、Eur.J.Pharmacol、268、9−18、1994)。
【0105】
全結合は50μgのHEK−293細胞膜と、10μMペンタゾシンの存在下の10nM[H]−DTG(パーキン−エルマー、58Ci/mmol)及びアッセイバッファー(50mMトリスHCl、pH=8.3)とを全量200μlにてインキュベートして測定する。非特異的結合は10μM無標識DTGの存在下で測定する。競合試験は、50μlの競合化合物を8つの異なる濃度で添加して行う。インキュベーションは120分間37℃で行う。アッセイの停止は氷冷10mMトリスHCl、pH=8.3で希釈し、モレキュラーデバイス社のスキャトロン製セルハーベスターを用いてグラスファイバーで減圧濾過して行う。フィルターは3回洗浄し、マイクロベータシンチレーションカウンターで膜結合放射能を測定する。
【0106】
フィルターは、使用する前に0.5%ポリエチレンイミンに1時間浸漬する。
特異的結合は、全結合から非特異的結合を差し引いて求める。IC50値([H]−DTGの結合を50%阻害するのに必要な競合リガンド濃度)はグラフパッドプリズムソフトウェアを用いて非線形回帰分析により解析する。
【0107】
本明細書において例示される化合物は、より低活性であることが判明した実施例35及び41の化合物は除いて、すべてσ1受容体結合アッセイにおいてIC50値が700nMより小さいことが判明した。
以下の例により本発明を具体的に説明する。
【実施例】
【0108】
実施例1
1−(3,4−ジメトキシフェネチル)−4−(2−(4−クロロフェノキシ)エチル)ピペリジン
工程1:2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−[4−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−1−イル]エタノン(A)
【0109】
【化24】

【0110】
3,4−ジメトキシフェニル酢酸(7.60g、38.7mmol)、N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP;11.4g、93mmol)及び4−ピペリジン−エタノール(5g、39mmol)のドライジクロロメタン(DCM;80mL)氷冷溶液に、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミドハイドロクロライド(EDAC−HCl;9.65g、50.3mmol)を一度に加えた。冷却槽を外し、反応を室温まで上昇させた。5時間後、HPLC分析により、3,4−ジメトキシフェニル酢酸の消費が示された。反応混合物を1NHCl(aq)(90mL)で1度洗い、減圧下に濃縮した。残渣をクロマトグラフィーにかけて目的化合物を粘性油状物として得た(A;10.67g、収率90%)
【0111】
H−NMR(400MHz,CDCl):0.91(br m,1H),1.04(br m,1H),1.44(q,J=6.6Hz,2H),1.64(m,3H),1.73(br s,2H),2.56(br m,1H),2.92(br m,1H),3.64(m,4H),3.84(s,3H),4.59(br m,1H),6.73(dd,J=2.0,8.2Hz,1H),6.78(d,J=2.0Hz,1H),6.79(d,J=8.2Hz,1H)。
m/z 308[M+1]
【0112】
工程2:トルエン−4−スルホニックアシド2−{1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−アセチル]ペリジン−4−イル}−エチルエステル(B)
【0113】
【化25】

【0114】
A(10.67g、34.7mmol)のドライDCM溶液(100mL)中にトリエチレンアミン(EtN:7.5mL、53.8mmol)を加えた。反応混合物を0℃に冷却した。p−トルエンスルホニルクロライド(10.0g、52.4mmol)を一度に加え、混合物を5分間攪拌した。冷却槽を外し、反応混合物を12時間撹拌しつつ、室温まで上昇させた。TLC分析により、反応がほとんど完結したことが示された。反応混合物を1NHCl(aq)(100mL)で1度洗い、減圧下に濃縮し、クロマトグラフィーで精製し、目的化合物を油状物として得た(B;14.2g、収率88%)。m/z 462[M+1]
【0115】
工程3:1−{4−[2−(4−クロロフェノキシ)エチル]ピペリジン−1−イル}−2−(3,4−ジメトキシフェニル)−エタノン(C)
【0116】
【化26】

【0117】
マグネチックスターラー付き20mL反応容器中に、B(1.4g、3.0mmol)、ドライN,N−ジメチルホルムアミド(DMF;11mL)、炭酸カリウム(KCO;1.26g、9.1mmol)及び4−クロロフェノール(0.78g、6.1mmol)を投入し、15時間、75℃に加熱した。出発物質はLC分析により消費が示された。反応混合物を窒素気流中で加熱して濃縮した。残渣はDCM(10mL)中に溶解され、水(10mL)で洗浄した。有機層を窒素気流中で加熱して濃縮し、残渣をクロマトグラフィーにかけ目的化合物を油状物とし得た(C;1.22g、収率96%)。m/z 418[M+1]
【0118】
工程4:1−(3,4−ジメトキシフェネチル)−4−(2−(4−クロロフェノキシ)エチル)ピペリジン
【0119】
【化27】

【0120】
マグネチックスターラー付き20mL反応容器中にて、C(1.22g、2.9mmol)を撹拌下にドライテトラヒドロフラン(THF;6.7mL)に溶解した。溶液を0℃に冷却し、1.0Mボラン(BH)のTHF(8.8mL,8.8mmol)溶液をゆっくりと加えた。10分後、冷却槽を外し、反応混合物を室温で12時間撹拌した。LC分析により、Cの完全消費が示された。メタノールをゆっくりと、ガス発生が止むまで添加した(3−6mL)。反応混合物を窒素気流中で加熱して濃縮した。残渣をクロマトグラフィーにかけ、目的化合物(0.17g、15%)を得た。
【0121】
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ1.5−1.9(m,7H),2.6−3.0(m,8H),3.71(s,3H),3.74(s,3H),4.01(m,2H),6.75(m,1H),6.81(d,1H),6.88(d,1H),6.96(m,2H),7.30(m,2H)。
m/z404[M+1]
【0122】
以下の化合物が、実施例1と同様にして製造された。
【0123】
実施例2
1−(3,4−ジメトキシフェネチル)−4−(2−(4−フルオロフェノキシ)エチル)ピペリジン
【0124】
【化28】

【0125】
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ1.47−1.7(m,8H),2.7−3.1(m,7H),3.72(s,3H),3.75(t,s,3H),3.97(t,2H),6.76(m,1H),6.82(s,1H),6.86(d,1H),6.94(m,2H),7.09(t,2H)。
m/z388[M+1]
【0126】
実施例3
1−(3,4−ジメトキシフェネチル)−4−(2−(p−トリロキシ)エチル)ピペリジン
【0127】
【化29】

【0128】
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ1.4−1.9(m,7H),2.20(s,3H),2.6−3.0(m,8H),3.69(s,3H),3.72(s,3H),3.95(m,2H),6.73(m,1H),6.78(m,3H),6.85(d,1H),7.04(d,2H)。
m/z384[M+1]
【0129】
実施例4
1−(3,4−ジメトキシフェネチル)−4−(2−(4−イソプロピルフェノキシ)エチル)ピペリジン
【0130】
【化30】

【0131】
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ1.13(d,6H),1.5−1.9(m,8H),2.6−3.0(m,8H),3.69(s,3H),3.73(s,3H),3.94(m,2H),6.72(m,H),4.06(m,2H),6.72(m,1H),6.80(s,1H),6.85(d,1H),6.90(m,1H),6.09(t,1H),7.16(m,2H)。
m/z388[M+1]
【0132】
実施例5
4−(2−(2−フルオロフェノキシ)エチル)−1−(3,4−ジメトキシフェネチル)ピペリジン
【0133】
【化31】

【0134】
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ1.4−1.9(m,8H),2.6−3.0(m,7H),3.69(s,3H),3.72(s,3H),4.06(m,2H),6.72(m,1H),6.80(s,1H),6.85(d,1H),6.90(m,1H),6.09(t,1H),7.16(m,2H)。
m/z388[M+1]
【0135】
実施例6
4−(2−(2−クロロフェノキシ)エチル)−1−(3,4−ジメトキシフェネチル)ピペリジン
【0136】
【化32】

【0137】
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ1.54−1.89(m,7H),2.58−2.66(t,1H),2.80−3.03(m,6H),3.71(s,3H),3.74(s,3H),4.09−4.13(m,2H),6.72(m,1H),6.82−6.90(m,2H),6.93(t,1H),7.12(d,1H),7.27(t,1H),7.38(d,1H)。
m/z404[M+1]
【0138】
実施例7
4−(2−(2−(トリフルオロメチル)フェノキシ)エチル)−1−(3,4−ジメトキシフェネチル)ピペリジン
【0139】
【化33】

【0140】
H−NMR(400MHz,CDCl):δ1.4−1.9(m,8H),2.6−3.0(m,7H),3.69(s,3H),3.72(s,3H),4.14(t,2H),6.73(d,1H),6.83(m,2H),7.06(t,1H),7.24(d,1H),7.59(m,2H)。
m/z438[M+1]
【0141】
実施例8
1−(3,4−ジメトキシフェネチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペリジン
【0142】
【化34】

【0143】
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ1.4−1.9(m,8H),2.6−3.0(m,7H),3.69(s,3H),3.72(s,3H),3.99(m,2H),6.71(t,1H),6.80(s,1H),6.84−6.92(m,4H),7.26(m,2H)。
m/z370[M+1]
【0144】
実施例9
1−(2−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)エチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペリジン
【0145】
【化35】

【0146】
3,4−ジメトキシフェニル酢酸の代わりに、メチレンジオキシフェニル酢酸を用いたこと以外は実施例1と同様にして目的化合物を得た。
【0147】
H−NMR(400MHz,CDCl):δ1.5−1.99(m,8H),2.7−3.0(m,7H),3.98(m,2H),5.59(s,2H),6.66(m,1H),6.79−6.81(m,2H),6.91(m,3H),7.25(t,2H)。
m/z354[M+1]
【0148】
以下の化合物を、実施例1と同様にして製造することができる:
4−[2−(4−クロロ−フェノキシ)エチル]−1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]ピペリジン
4−(2−{1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−エチル]ピペリジン−4−イル}エトキシ)ベンゾニトリル
1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]−4−[2−(4−メトキシフェノキシ)エチル]ピペリジン
4−[2−(ビフェニル−4−イルオキシ)エチル]−1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]ピペリジン
4−[2−(ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルオキシ)エチル]−1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]ピペリジン
1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]−4−[2−(4−トリフルオロメチルフェノキシ)エチル]ピペリジン
1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]−4−[2−(4−イミダゾール−1−イルフェノキシ)エチル]ピペリジン
1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]−4−[2−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)エチル]ピペリジン
1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]−4−[2−(2−メトキシフェノキシ)エチル]ピペリジン
1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]−4−[2−(2−トリフルオロメトキシフェノキシ)エチル]ピペリジン
1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]−4−[2−(3−フルオロ−4−メトキシフェノキシ)エチル]ピペリジン
4−[2−(3−クロロ−4−メトキシフェノキシ)エチル]−1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]ピペリジン、及び
4−[2−(3,4−ジクロロフェノキシ)エチル]−1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]ピペリジン。
【0149】
実施例10
N−(2−(1−(3,4−ジメトキシフェネチル)ピペリジン−4−イル)エチル)ベンゼンアミン
【0150】
【化36】

【0151】
4−クロロフェノールのかわりにアニリンを工程3で用いたこと以外は実施例1と同様にして目的化合物を得た。
【0152】
H−NMR(400MHz,CDCl):δ1.4−1.9(m,8H),2.6−3.0(m,9H),3.69(s,3H),3.72(s,3H),5.35(m,1H),6.47(t,1H),6.51(d,2H),6.739(m,1H),6.80(s,1H),6.85(d,1H),7.03(m,2H)。
m/z369[M+1]
【0153】
以下の化合物を、実施例10と同様にして製造することができる:
(2−{1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]ピペリジン−4−イル}エチル)−(4−フルオロフェニル)アミン
(4−クロロフェニル)−(2−{1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−エチル]−ピペリジン−4−イル}エチル)アミン
4−(2−{1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]ピペリジン−4−イル}エチルアミノ)ベンゾニトリル
(2−{1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]ピペリジン−4−イル}エチル)−(4−メトキシフェニル)アミン
ビフェニル−4−イル−(2−{1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]ピペリジン−4−イル}エチル)アミン
ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−(2−{1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]ピペリジン−4−イル}エチル)アミン
(2−{1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]ピペリジン−4−イル}エチル)−(4−トリフルオロメチルフェニル)−アミン
(2−{1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]ピペリジン−4−イル}エチル)−p−トリルアミン
(2−{1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]ピペリジン−4−イル}エチル)−(4−イソプロピルフェニル)アミン
(2−{1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]ピペリジン−4−イル}エチル)−(4−イミダゾール−1−イル−フェニル)−アミン
(2−{1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]ピペリジン−4−イル}エチル)−(4−トリフルオロメトキシフェニル)アミン
(2−{1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]ピペリジン−4−イル}エチル)−(2−フルオロフェニル)アミン
(2−{1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]−ピペリジン−4−イル}エチル)−(2−メトキシフェニル)アミン
(2−クロロ−フェニル)−(2−{1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]ピペリジン−4−イル}エチル)アミン
(2−{1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]−ピペリジン−4−イル}エチル)−(2−トリフルオロメチルフェニル)−アミン
(2−{1−[2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)エチル]−ピペリジン−4−イル}エチル)−(2−トリフルオロメトキシフェニル)アミン
(2−{1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]ピペリジン−4−イル}エチル)−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)アミン
(2−{1−[2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)エチル]ピペリジン−4−イル}エチル)−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)アミン
(3−クロロ−4−メトキシフェニル)−(2−{1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]ピペリジン−4−イル}エチル)アミン、及び
(3,4−ジクロロ−フェニル)−(2−{1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]ピペリジン−4−イル}エチル)アミン。
【0154】
実施例11
1−(2−メトキシフェネチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペリジン
工程1:4−[2−(トルエン−4−スルホニルオキシ)エチル]ピペリジン−1−カルボシキリックアシドt−ブチルエステル(D)
【0155】
【化37】

【0156】
N−Boc−4−ピペリジン−エタノール(5.0g、21.8mmol)及びEtN(4.6mL、33.0mmol)のドライDCM(10mL)中の氷冷溶液に、p−トルエンスルホニルクロライド(6.25g、32.8mmol)をゆっくりと加えた。添加後、反応を室温まで上昇させ、20時間撹拌した。反応混合物は水(40mL)、10%(wt/v)クエン酸(aq)(40mL)、及び飽和NaHCO3(aq)(40mL)で洗った。DCM層をMgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下に濃縮して、青黄色油状物を得、クロマトグラフィーにかけ、目的化合物(7.47g、収率89%)を無色透明の油状物として得た。
【0157】
H−NMR(400MHz,CDCl):1.02(m,2H),1.43(s,9H),1.50−1.57(m,5H),2.44(s,3H),2.60(br t,2H),4.02(br d,2H),4.06(t,2H),7.34(d,2H),7.78(d,2H)。
【0158】
工程2:4−(2−フェノキシ−エチル)−ピペリジン−1−カルボキシリックアシドt−ブチルエステル(E)
【0159】
【化38】

【0160】
D(8.24g、21.5mmol)のドライDMF(85mL)中の溶液に、炭酸カリウム(KCO;8.9g、64mmol)及びフェノール(4.0g、42.5mmol)を加えた。反応混合物を70〜75℃に4時間加熱し、室温まで冷し、そして水(300mL)に投入した。混合物をエチルアセテート(3x100mL)で抽出した。エチルアセテート抽出物を併合し、0.25MKCO3(aq)(100mL)及び飽和塩化ナトリウム(100mL)で洗い、MgSOで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた油状物をシリカプラグに通して極性物質を除去し、目的化合物とフェノールの混合物(7.95g)を単離した。この物質を、それ以上精製せずに、次の工程で使用した。m/z205[M−COC(CH
【0161】
工程3:4−(2−フェノキシエチル)−ピペリジン塩酸塩(F)
【0162】
【化39】

【0163】
E及びフェノール(7.95g、21.5mmolのE理論値)のドライDMF(80mL)中の溶液に、トリフルオロ酢酸(20mL)をゆっくりと流入させ、混合物を一晩室温で撹拌した。出発物質はTLC分析で消費が示された。反応混合物を水(110mL)で洗い、水層をDCM(25mL)で逆抽出した。併合したDCM層を飽和NaHCO3(aq)(100mL)で洗い、MgSOで乾燥し、濃縮して油状物(7.32g)を得た。得られた油状物の一部(6.60g)をEtOAc(110mL)に溶解した。撹拌しつつ2MHClのEtO溶液(アルドリッチ;13.5mL)を滴下した。混合物を1.5時間撹拌し、濾過し、EtOAcで洗い、減圧下で濃縮して、白色固体としてF(4.0g、収率85%)を得た。
【0164】
H−NMR(400MHz,DMSO−d):1.39(m,2H),1.67(q,J=6.4Hz,2H),1.76(m,1H),1.84(br d,2H),2.83(br q,J=11.3Hz,2H),3.22(br d,J=12.9Hz,2H),4.00(t,J=6.3Hz,2H),6.90−6.93(m,3H),7.28(m,2H),8.73(br s,1H),8.96(br s,1H)。
【0165】
工程4:2−(2−メトキシ−フェニル)−1−[4−(2−フェノキシ−エチル)ピペリジン−1−イル]エタノン(G)
【0166】
【化40】

【0167】
F(0.32g、1.3mmol)、(2−メトキシフェニル)酢酸(0.26g、1.6mmol)及びDMAP(0.55g、4.5mmol)のDMF(6.5mL)中の溶液に、EDAC・HCl(0.36g、1.9mmol)を加えた。反応液を一晩室温で撹拌した。HPLC分析でFの完全消費が示された。反応混合物を1NHCl(aq)(2x5mL)で洗い、MgSOで乾燥し、窒素気流中で加熱して濃縮し、目的化合物を得、それ以上精製せずに、次の工程で使用した。m/z354[M+1]
【0168】
工程5:1−[2−(2−メトキシフェニル)エチル]−4−(2−フェノキシエチル)ピペリジンハイドロクロライド
【0169】
【化41】

【0170】
粗製G(1.3mmol理論値)のドライTHF(3mL)中の氷冷溶液に、1.0MBHのTHF(アルドリッチ;4.1mL、4.1mmol)溶液を滴下した。添加後、反応混合物を室温まで温め、19時間撹拌を続けた。HPLC分析により、Gの完全消費が示された。メタノールをゆっくりガス発生が止むまで添加した(1〜3mL)。反応混合物を窒素気流中で加熱して濃縮した。残渣をクロマトグラフィーにかけ、目的化合物(0.35g、工程4からの収率79%)を得た。
【0171】
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ1.5−1.7(m,8H),2.8−3.0(m,7H),3.77(s,3H),3.98(m,2H),6.84−6.95(m,5H),7.13−7.27(m,4H)。
m/z340[M+1]
【0172】
以下の化合物を実施例11と同様にして得た。
実施例12
1−(3−メトキシフェネチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペリジン
【0173】
【化42】

【0174】
H−NMR(400MHz,CDCl):δ1.40−1.80(m,7H),2.10−2.40(m,1H),2.48(t,1H),2.89−3.18(m,6H),3.81(s,3H),4.02(m,2H),6.76−6.97(m,6H),7.21−7.31(m,3H)、。
m/z340[M+1]
【0175】
実施例13
1−(4−メトキシフェネチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペリジン
【0176】
【化43】

【0177】
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ1.40−1.90(m,9H),2.70−3.10(m,6H),3.70(s,3H),3.98(m,2H),6.84(d,2H),6.90(d,3H),7.13(t,2H),7.23(m,2H)。
m/z340[M+1]
【0178】
実施例14
1−フェネチル−4−(2−フェノキシエチル)ピペリジン
【0179】
【化44】

【0180】
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ1.5−1.9(m,9H),2.8−3.1(m,6H),4.01(m,2H),6.91(m,3H),7.2−7.3(m,7H)。
m/z310[M+1]
【0181】
実施例15
1−(3−トリフルオロメチル)フェネチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペリジン
【0182】
【化45】

【0183】
H−NMR(400MHz,CDCl):δ1.4−1.9(m,8H),2.6−3.7(m,7H),3.97(m,2H),6.90(m,3H),7.24(m,2H),7.51−7.61(m,4H)。
m/z378[M+1]
【0184】
実施例16
1−(4−(トリフルオロメチル)フェネチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペリジン
【0185】
【化46】

【0186】
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ1.4−1.7(m,8H),2.6−3.1(m,7H),3.97(m,2H),6.90(m,3H),7.25(m,2H),7.47(t,2H),7.64(t,2H)。
m/z378[M+1]
【0187】
実施例17
1−(2−(トリフルオロメチル)フェネチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペリジン
【0188】
【化47】

【0189】
H−NMR(400MHz,CDCl):δ1.4−1.7(m,8H),2.7−3.2(m,7H),3.97(t,2H),6.91(m,3H),7.25(m,2H),7.44(t,1H),7.49(d,1H),7.63(t,1H),7.68(d,1H)。
m/z378[M+1]
【0190】
以下の化合物を実施例11と同様にして得ることができる。
1−[2−(2−フルオロ−3,4−ジメトキシフェニル)エチル]−4−(2−フェノキシ−エチル)ピペリジン
4−(2−フェノキシエチル)−1−[2−(2,3,4−トリメトキシフェニル)エチル]ピペリジン
1−[2−(2−フルオロフェニル)エチル]−4−(2−フェノキシエチル)ピペリジン
1−[2−(3−フルオロフェニル)エチル]−4−(2−フェノキシエチル)ピペリジン
1−[2−(4−フルオロフェニル)エチル]−4−(2−フェノキシエチル)ピペリジン
1−[2−(3,4−ジフルオロフェニル)エチル]−4−(2−フェノキシエチル)ピペリジン
4−(2−フェノキシエチル)−1−(2−m−トリルエチル)ピペリジン
1−[2−(3−クロロフェニル)エチル]−4−(2−フェノキシエチル)ピペリジン
1−[2−(4−クロロ−3−メトキシフェニル)エチル]−4−(2−フェノキシエチル)ピペリジン
4−(2−フェノキシエチル)−1−[2−(4−トリフルオロメトキシフェニル)エチル]ピペリジン
4−[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]−1−[2−(4−メトキシフェニル)エチル]ピペリジン
4−[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]−1−[2−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)エチル]ピペリジン
4−[2−(2−フルオロフェノキシ)エチル]−1−[2−(4−メトキシフェニル)エチル]ピペリジン
4−[2−(2−フルオロフェノキシ)エチル]−1−[2−(4−トリフルオロメトキシフェニル)エチル]ピペリジン
1−(2−(ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルエチル)−4−[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]ピペリジン、及び
1−(2−(ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルエチル)−4−[2−(2−フルオロフェノキシ)エチル]ピペリジン。
【0191】
実施例18
1−(3,4−ジメトキシフェネチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジンジハイドロクロライド
工程1:2−[(2−ヒドロキシ−エチル)−(2−フェノキシ−エチル)−アミノ]−エタノール(H)
【0192】
【化48】

【0193】
2−(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)エタノール(32g、310mmol)、1−(2−ブロモエトキシ)ベンゼン(51g、256mmol)及び炭酸カリウム(70g、512mmol)のエタノール(200mL)中の反応混合物を一晩還流し、濃縮し、そして、水とエチルアセテートとの間に分層した。有機層を塩水で洗い、無水硫酸ナトナウムで乾燥し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーにかけ、精製し、目的化合物(45g、78%)を得た。
【0194】
工程2:ビス−(2−クロロエチル)−(2−フェノキシエチル)アミンハイドロクロライド(I)
【0195】
【化49】

【0196】
2−[(2−ヒドロキシエチル)−(2−フェノキシエチル)−アミノ]エタノール(H;43.9g、194mmol)のクロロホルム(140mL)中の氷冷溶液中に、チオニルクロライド(SOCl;114.8g、965mmol)を滴下した。反応混合物を1.5時間還流し、そして濃縮した。残渣をエチルアセテートとイソプロピルエーテルの混合物に懸濁した。沈殿を濾過し、真空オーブンで乾燥し、明るい褐色結晶として目的化合物を定量的に得た。この産物を、それ以上精製せずに、つぎの工程で使用した。
【0197】
工程3:1−(3,4−ジメトキシフェネチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジンジハイドロクロライド
【0198】
【化50】

【0199】
ビス−(2−クロロエチル)−(2−フェノキシエチル)アミン(0.895g、3mmol)、2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチルアミン(0.548g、3mmol)、炭酸カリウム(KCO;1.277g、9mmol)及び沃化ナトリウム(NaI;0.899g、6mmol)のDMF(6mL)中の反応混合物を70〜80℃で5時間撹拌し、水でクエンチし、エチルアセテートで抽出した。有機層を無水硫酸ナトナウムで乾燥し、濃縮した。残渣を6NHClaq(pH=3〜4)中に懸濁し、濾過した。濾過ケーキをエチルアセテートとエタノールで洗い、乾燥し、目的化合物を青白色固体として得た(330mg、23%)。
【0200】
H−NMR(400MHz,CDOD):δ3.08(m,2H),3.50(m,2H),3.74−3.84(m,16H),4.44(t,2H),6.85−7.05(m,6H),7.32(m,2H)。
m/z371[M−2HCl+1]
【0201】
下記化合物を実施例18と同様にして得た。
実施例19
1−(2−メトキシフェネチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジンジハイドロクロライド
【0202】
【化51】

【0203】
H−NMR(400MHz,CDOD):δ3.13(m,2H),3.46(m,2H),3.5−3.9(m,13H),4.45(t,2H),6.90−7.06(m,5H),7.24−7.35(m,4H)。
m/z341[M−2HCl+1]
【0204】
実施例20
1−(3−メトキシフェネチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジンジハイドロクロライド
【0205】
【化52】

【0206】
H−NMR(400MHz,CDOD):δ3.12(m,2H),3.52(m,2H),3.65−3.95(m,13H),4.44(t,2H),6.83−6.91(m,3H),7.01−7.05(m,3H),7.23−7.35(m,3H)。
m/z341[M−2HCl+1]
【0207】
実施例21
1−(4−メトキシフェネチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジンジハイドロクロライド
【0208】
【化53】

【0209】
H−NMR(400MHz,CDOD):δ3.08(m,2H),3.48(m,2H),3.6−3.0(m,13H),4.45(t,2H),6.90(m,2H),7.03(m,3H),7.23(m,2H),7.32(m,2H)。
m/z341[M−2HCl+1]
【0210】
実施例22
1−(2−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)エチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジンジハイドロクロライド
【0211】
【化54】

【0212】
H−NMR(400MHz,CDOD):δ3.05(m,2H),3.46(m,2H),3.6−3.9(m,10H),4.42(t,2H),5.93(s,2H),6.38(s,2H),6.84(s,1H),7.01−7.04(m,3H),7.32(dd,2H)。
m/z355[M−2HCl+1]
【0213】
実施例23
1−(2−フルオロフェネチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジンジハイドロクロライド
【0214】
【化55】

【0215】
H−NMR(400MHz,CDOD):δ3.21(m,2H),3.50(m,2H),3.6−3.9(m,10H),4.39(m,2H),6.98−7.21(m,5H),7.30−7.40(m,4H)。
m/z329[M−2HCl+1]
【0216】
実施例24
1−(3,4−ジフルオロフェネチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジンジハイドロクロライド
【0217】
【化56】

【0218】
H−NMR(400MHz,CDOD):δ3.14(m,2H),3.51(m,2H),3.6−3.9(m,10H),4.43(t,2H),6.98−7.05(m,3H),7.06−7.35(m,5H)。
m/z347[M−2HCl+1]
【0219】
実施例25
1−(3−トリフルオロメチル)フェネチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジンジハイドロクロライド
【0220】
【化57】

【0221】
H−NMR(400MHz,CDOD):δ3.25(m,2H),3.54(m,2H),3.7−3.9(m,10H),4.45(m,2H),7.02(m,3H),7.34(m,2H),7.55−7.69(m,4H)。
m/z379[M−2HCl+1]
【0222】
実施例26
1−(2−トリフルオロメトキシ)フェネチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジンジハイドロクロライド
【0223】
【化58】

【0224】
H−NMR(400MHz,CDOD+CDCl):δ3.22(m,2H),3.42(m,2H),3.6−3.8(m,10H),4.43(t,2H),6.99(m,3H),7.27−7.39(m,5H),7.47(d,1H)。
m/z395[M−2HCl+1]
【0225】
実施例27
1−フェネチル−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジンジハイドロクロライド
【0226】
【化59】

【0227】
H−NMR(400MHz,CDOD+CDCl):δ3.15(m,2H),3.48(m,2H),3.7−4.0(m,10H),4.43(t,2H),6.99(m,3H),7.25−7.34(m,7H)。
m/z311[M−2HCl+1]
【0228】
下記の化合物を実施例18と同様にして得ることができる。
1−[2−(2−フルオロ−3,4−ジメトキシフェニル)エチル]−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジン
1−(2−フェノキシエチル)−4−[2−(2,3,4−トリメトキシフェニル)エチル]ピペラジン
1−[2−(3−フルオロフェニル)エチル]−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジン
1−[2−(4−フルオロフェニル)−エチル]−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジン
1−(2−フェノキシエチル)−4−(2−m−トリルエチル)ピペラジン
1−(2−フェノキシエチル)−4−[2−(2−トリフルオロメチル−フェニル)エチル]ピペラジン
1−(2−フェノキシエチル)−4−[2−(4−トリフルオロメチルフェニル)エチル]ピペラジン
1−(2−フェノキシエチル)−4−[2−(3−トリフルオロメトキシフェニル)エチル]ピペラジン
1−[2−(3−クロロ−フェニル)エチル]−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジン、及び
1−[2−(3−クロロ−4−メトキシフェニル)エチル]−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジン。
【0229】
実施例28
1−(3,4−ジメトキシフェネチル)−4−(2−(4−クロロフェノキシ)エチル)ピペラジンジハイドロクロライド
工程1:2−(4−クロロフェノキシ)エチル4−メチルベンゼンスルホネート(J)
【0230】
【化60】

【0231】
2−(4−クロロフェノキシ)エタノール(2.0g、11.6mmol)のDCM(10mL)中の溶液にEtN(5mL)及び4−メチルベンゼン−1−スルホニルクロライド(TsCl;2.43g、12.8mmol)を順次添加した。反応混合物を一晩室温で撹拌し、水とエチルアセテートの間に分層した。有機層を水、5%炭酸水素ナトリウム(NaHCO)及び塩水で洗い、濃縮した。得られた残渣をヘキサンで洗い、目的化合物を定量的に得た。
【0232】
工程2:1−(3,4−ジメトキシフェネチル)ピペラジンジハイドロクロライド(L)
【0233】
【化61】

【0234】
2−(3,4−ジメトキシフェニル)エタノール(6.0g、32.8mmol)及びチオニルクロライド(19g、164mmol)のクロロホルム(20mL)中の反応混合物を4時間、還流下に撹拌し、濃縮し、水とエチルアセテートの間に分層した。有機層をNaHCO及び塩水で洗い、無水硫酸ナトナウムで乾燥し、そして濃縮し、4−(2−クロロエチル)−1,2−ジメトキシベンゼン(K)を定量的に得た(6.6g)。
【0235】
4−(2−クロロエチル)−1,2−ジメトキシベンゼン(3.6g、17.9mmol)、ピペラジン−1−カルボシキリックアシドt−ブチルエステル(4.0g、21.5mmol)、KCO(4.97g、36mmol)及びNaI(2.7g、18mmol)のDMF(20mL)中の反応混合物を3時間、80℃で撹拌し、室温まで冷し、そして水とエチルアセテートの間に分層した。有機層を水と塩水で洗い、無水硫酸ナトナウムで乾燥し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーにかけ、精製し、4−[2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−エチル]−ピペラジン−1−カルボキシリックアシドt−ブチルエステル(4.8g、76%)を得、ジオキサン中の4NHClに溶解した。この溶液を4時間、室温で撹拌し、濃縮し、そしてハイバキュームオーブン中で乾燥し、目的化合物を定量的に得た。
【0236】
工程3:1−(3,4−ジメトキシフェネチル)−4−(2−(4−クロロフェノキシ)エチル)ピペラジンジハイドロクロライド
【0237】
【化62】

【0238】
1−(3,4−ジメトキシフェネチル)ピペラジンジハイドロクロライド(502mg、1.55mmol)及び2−(4−クロロフェノキシ)エチル4−メチルベンゼンスルホネート(460mg、1.4mmol)のアセトン(20mL)中の溶液に、NaI(465mg、3.1mmol)及びKCO(1.1g、7.0mmol)を添加した。反応混合物を一晩還流し、そして濃縮した。残渣を水とエチルアセテートの間に分層した。有機層を水と塩水で洗い、無水硫酸ナトナウムで乾燥し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーにかけ、精製し、1−(3,4−ジメトキシフェネチル)−4−(2−(4−クロロフェノキシ)エチル)ピペラジンを得、6NHClaq(pH=3)に溶解した。沈殿を濾過し、冷エタノールで洗い、乾燥して、目的化合物(350mg、52%)を得た。
【0239】
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ2.96(m,2H),3.4(m,12H),3.70(s,3H),3.74(s,3H),4.36(b,2H),6.76(d,1H),6.89(m,2H),7.03(m,2H),7.34(m,2H)。
m/z405[M−2HCl+1]
【0240】
実施例29
1−(2−(2−クロロフェノキシ)エチル)−4−(3,4−ジメトキシフェネチル)ピペラジンジハイドロクロライド
【0241】
【化63】

【0242】
目的化合物を、工程1の2−(4−クロロフェノキシ)エチル4−メチルベンゼンスルホネートを2−(2−クロロフェノキシ)エチル)4−メチルベンゼンスルホネートに代えたこと以外は実施例28と同様にして、得た。
【0243】
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ2.96(b,2H),3.4(m,12H),3.70(s,3H),3.72(s,3H),4.44(b,2H),6.76(d,1H),6.89(m,2H),6.98(m,1H),7.20(d,1H),7.33(m,1H),7.46(d,1H)。
m/z405[M−2HCl+1]
【0244】
実施例30
4−(2−(4−(3,4−ジメトキシフェネチル)ピペラジン−1−イル)エチルオキシ)ベンゾニトリルジハイドロクロライド
工程1:4−(2−ブロモエトキシ)ベンゾニトリル(M)
【0245】
【化64】

【0246】
4−ヒドロキシベンゾニトリル(1.19g、10mmol)、1,2−ジブロモエタン(9.39g、50mmol)及びKCO(4.14g、30mmol)のDMF(20mL)中の反応混合物を5時間、100℃で撹拌し、そして室温まで冷した。反応混合物にエチルアセテートと水を加えた。有機層を塩水で洗い、無水硫酸ナトナウムで乾燥し、そして濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーにかけ、精製し、4−(2−ブロモエトキシ)ベンゾニトリル(1.2g、53%)を得た。
【0247】
工程2:4−(2−(4−(3,4−ジメトキシフェネチル)ピペラジン−1−イル)エチルオキシ)ベンゾニトリルジハイドロクロライド
【0248】
【化65】

【0249】
2−(4−クロロフェノキシ)エチル4−メチルベンゼンスルホネートを4−(2−ブロモエトキシ)ベンゾニトリルに代えた以外は実施例28(工程3)と同様にして目的化合物(収率41%)を得た。
【0250】
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ2.95−3.00(m,3H),3.20−3.60(m,11H),3.70(s,3H),7.73(s,3H),4.46(b,2H),6.77(d,1H),6.88(d,2H),7.17(d,2H),7.79(d,2H)。
m/z396[M−2HCl+1]
【0251】
以下の化合物を、4−ヒドロキシベンゾニトリルを対応する置換フェノールに代えて実施例30と同様にして得た。
【0252】
実施例31
1−(3,4−ジメトキシフェネチル)−4−(2−(4−イソプロピルフェノキシ)エチル)ピペラジンジハイドロクロライド
【0253】
【化66】

【0254】
H−NMR(400MHz,CDOD):δ1.20(d,6H),2.69(s,1H),2.85(m,1H),3.09(m,2H),3.51(m,2H),3.73−3.80(m,15H),4.14(m,2H),6.85−6.97(m,5H),7.18(q,2H)。
m/z413[M−2HCl+1]
【0255】
実施例32
1−(2−(2−(トリフルオロメチル)フェノキシ)エチル)−4−(3,4−ジメトキシフェネチル)ピペラジンジハイドロクロライド
【0256】
【化67】

【0257】
H−NMR(400MHz,CDOD):δ3.09(m,2H),3.51(m,2H),3.6−4.0(m,16H),4.62(t,2H),6.85−6.96(m,3H),7.16(t,1H),7.26(d,1H),7.63(m,2H)。
m/z439[M−2HCl+1]
【0258】
下記の化合物を実施例28及び30と同様にして得ることができる。
1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]−4−[2−(4−フルオロ−フェノキシ)エチル]ピペラジン
1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]−4−[2−(4−メトキシフェノキシ)エチル]ピペラジン
1−[2−(ビフェニル−4−イルオキシ)エチル]−4−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]ピペラジン
1−[2−(ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルオキシ)エチル]−4−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]ピペラジン
1−[2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)エチル]−4−[2−(4−トリフルオロメチル−フェノキシ)エチル]ピペラジン
1−[2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)エチル]−4−(2−p−トリルオキシエチル)ピペラジン
1−[2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)エチル]−4−[2−(4−イミダゾール−1−イルフェノキシ)エチル]ピペラジン
1−[2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)エチル]−4−[2−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)エチル]ピペラジン
1−[2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)エチル]−4−[2−(2−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン
1−[2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)エチル]−4−[2−(2−メトキシフェノキシ)エチル]ピペラジン
1−[2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)エチル]−4−[2−(2−トリフルオロメトキシフェノキシ)エチル]ピペラジン
1−[2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)エチル]−4−[2−(2−フルオロ−4−メトキシフェノキシ)エチル]ピペラジン
1−[2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)エチル]−4−[2−(3−フルオロ−4−メトキシフェノキシ)エチル]ピペラジン
1−[2−(3−クロロ−4−メトキシ−フェノキシ)エチル]−4−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]ピペラジン
1−[2−(3,4−ジクロロ−フェノキシ)エチル]−4−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]ピペラジン
1−[2−(4−イソプロポキシ−フェニル)エチル]−4−(2−フェノキシ−エチル)ピペラジン
1−[2−(4−フルオロ−フェノキシ)エチル]−4−[2−(4−イソプロポキシ−フェニル)エチル]ピペラジン
1−[2−(2−フルオロ−フェノキシ)エチル]−4−[2−(4−イソプロポキシ−フェニル)エチル]ピペラジン
1−[2−(2−フルオロ−フェノキシ)エチル]−4−[2−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)エチル]ピペラジン
1−[2−(2−フルオロ−フェノキシ)エチル]−4−[2−(4−メトキシ−フェニル)エチル]ピペラジン
1−[2−(4−フルオロ−フェノキシ)エチル]−4−[2−(4−メトキシ−フェニル)エチル]ピペラジン
1−(2−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルエチル)−4−[2−(4−フルオロ−フェノキシ)エチル]ピペラジン
1−(2−フェノキシエチル)−4−[2−(4−トリフルオロメトキシフェニル)エチル]ピペラジン
4−(2−{4−[2−(4−トリフルオロメトキシフェニル)エチル]ピペラジン−1−イル}エトキシ)ベンゾニトリル
1−[2−(4−フルオロ−フェノキシ)エチル]−4−[2−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)エチル]ピペラジン
1−[3−(3,4−ジメトキシ−フェニル)プロピル]−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジン
1−[3−(3,4−ジメトキシ−フェニル)プロピル]−4−[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン
1−(3−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルプロピル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジン
1−(3−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルプロピル)−4−[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン
1−[2−(4−フルオロ−フェノキシ)エチル]−4−[3−(4−メトキシフェニル)プロピル]ピペラジン
1−[2−(4−フルオロ−フェノキシ)エチル]−4−[3−(4−イソプロポキシフェニル)プロピル]ピペラジン
1−[2−(4−フルオロ−フェノキシ)エチル]−4−[3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)プロピル]ピペラジン
1−[2−(4−フルオロ−フェノキシ)エチル]−4−[3−(3,4,5−トリメトキシフェニル)プロピル]ピペラジン、及び
1−[2−(4−t−ブチル−フェノキシ)エチル]−4−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]ピペラジン。
【0259】
実施例33
1−{4−[2−(2−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−3−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)プロパン−1−オンハイドロクロライド
【0260】
【化68】

【0261】
工程1:4−[2−(2−フルオロ−フェノキシ)−エチル]−ピペラジン−1−カルボキシリックアシドt−ブチルエステル(N)
ピペラジン−1−カルボシキリックアシドt−ブチルエステル(2.75g、15mmol)及び1−(2−ブロモエトキシ)−2−フルオロ−ベンゼン(3.28g、15mmol)のDMF(6mL)中の溶液に、炭酸セシウム(CsCO、9.75g、30mmol)を加えた。混合物を室温で一日撹拌し、それから水で処理した。水溶液をエチルアセテートで抽出し、抽出物を水と塩水で洗った。有機層を濃縮し、残渣を減圧下で乾燥し、目的化合物を定量的に油状物として得た(5.1g)
【0262】
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ1.39(s,9H),2.44(t,4H),2.73(t,2H),3.29(t,4H),4.45(t,2H),6.93(m,1H),7.11(t,1H),7.18(m,2H)。
【0263】
工程2:1−[2−(2−フルオロ−フェノキシ)−エチル]−ピペラジン(O)
ジクロロメタン(60mL)中の4−[2−(2−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−カルボキシリックアシドt−ブチルエステルの上記油状物(4.0g、12mmol)にトリフルオロ酢酸(10mL)を混合し、室温で2時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣を飽和NaHCO溶液で処理した。水溶液をジクロロメタンで抽出し、有機層を濃縮して、1−[2−(2−フルオロ−フェノキシ)エチル]ピペラジンを白色固体として得た(2.25g、84%)。
【0264】
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ2.40(b,4H),2.67(m,6H),4.13(t,2H),6.92(m,1H),7.11(t,1H),7.18(m,2H)。
【0265】
工程3:1−{4−[2−(2−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−3−(3,4,5−トリメトキシフェニル)プロパン−1−オンハイドロクロライド
3−(3,4,5−トリメトキシフェニル)プロピオン酸(0.36g、1.5mmol)、HOBt(0.24g、1.8mmol)、EDAC・HCl(0.34g、1.8mmol)のDMF(4mL)中の混合物に1−[2−(2−フルオロ−フェノキシ)エチル]ピペラジン(0.34g、1.5mmol)及びトリエチルアミン(0.5mL、3.6mmol)を加えた。混合物を室温で一日撹拌し、水で処理し、そしてジクロロメタンで抽出した。有機層を水と塩水で洗い、それから濃縮して乾燥した。残渣をエチルエーテルに溶解し、エーテル(1mL)中の2NHClを加えた。白色固体を濾取し、減圧下で乾燥し、目的化合物(408mg、52%)を得た。
【0266】
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ2.70(m,4H),3.12(m,2H),3.57(m,7H),3.75(s,6H),4.12(d,1H),4.47(m,3H),6.55(s,2H),7.01(m,1H),1.67(t,1H),7.24(m,2H),11.5(b,1H)。
【0267】
以下の化合物を、実施例33と同様にした得た。
【0268】
実施例34
1−{4−[2−(2−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−3−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)プロパン−1−オンハイドロクロライド
【0269】
【化69】

【0270】
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ2.74(m,2H),2.91(m,2H),3.12(m,4H),3.58(b,4H),4.11(d,1H),4.47(m,3H),7.01(m,1H),7.17(t,1H),7.25(m,2H),7.49(d,2H),7.64(d,2H),11.5(b,1H)。
【0271】
実施例35
1−{4−[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−3−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)プロパン−1−オンハイドロクロライド
【0272】
【化70】

【0273】
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ2.66−2.77(m,6H),3.1(b,4H),3.5(b,6H),3.61(s,3H),3.75(s,6H),4.39(m,4H),6.54(s,2H),7.03(m,2H),7.16(t,2H),11.3(b,1H)。
【0274】
実施例36
1−{4−[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−3−フェニルプロパン−1−オンハイドロクロライド
【0275】
【化71】

【0276】
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ2.65−2.84(m,6H),3.06(b,2H),4.07(d,1H),4.37(t,2H),4.45(d,2H),7.03(m,2H),7.17(m,3H),7.26(m,4H),11.1(b,1H)。
【0277】
実施例37
2−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−1−{4−[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−エタノンハイドロクロライド
【0278】
【化72】

【0279】
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ3.10(b,4H),3.66(m,4H),4.17(d,1H),4.39(m,5H),6.68(d,1H),6.78(s,1H),6.84(d,1H),7.03(m,2H),7.17(m,2H),11.4(b,1H)。
【0280】
実施例38
1−{4−[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−3−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)プロパン−1−オンハイドロクロライド
【0281】
【化73】

【0282】
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ2.74(m,2H),2.91(t,2H),3.10(m,4H),3.51(t,4H),4.08(d,1H),4.41(m,3H),7.03(m,2H),7.17(m,2H),7.48(d,2H),7.64(d,2H),11.1(b,1H)。
【0283】
実施例39
4−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−{4−[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−ブタン−1−オンハイドロクロライド
【0284】
【化74】

【0285】
H−NMR(400MHz,CDOD−d):δ1.92(m,2H),2.45(t,2H),2.63(t,2H),3.13(b,2H),3.86(m,6H),3.79(s,3H),3.82(s,3H),4.13(b,1H),4.38(t,2H),4.65(b,1H),6.75(d,2H),6.82(m,2H),7.05(m,4H)。
【0286】
実施例40
1−{4−[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−4−(4−メトキシフェニル)−ブタン−1−オンハイドロクロライド
【0287】
【化75】

【0288】
H−NMR(400MHz,CDOD−d):δ1.89(m,2H),2.43(t,2H),2.61(t,2H),3.13(b,2H),3.63(b,4H),3.75(s,3H),4.12(b,1H),4.38(t,2H),4.65(b,1H),6.83(d,2H),7.05(m,4H),7.11(d,2H)。
【0289】
実施例41
1−{4−[2−(2−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−2−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)エタノンハイドロクロライド
【0290】
【化76】

【0291】
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ3.11(m,4H),3.5−3.8(m,15H),4.22(d,1H),4.44(d,1H),4.51(b,2H),6.53(s,2H),7.01(m,1H),7.17(t,1H),7.24(m,2H),11.5(b,1H)。
【0292】
実施例42
1−{4−[2−(4−フルオロ−フェノキシ)−エチル]−ピペラジン−1−イル}−3−(4−ヒドロキシ−フェニル)−プロパン−1−オン
【0293】
【化77】

【0294】
H−NMR(400MHz,CDOD−d):δ2.69(m,4H),2.85(m,2H),3.05(m,2H),3.4−3.7(m,4H),4.09(d,1H),4.34(b,2H),4.66(d,1H),6.72(d,2H),7.05(m,6H)。
【0295】
実施例43
1−[2−(2−フルオロフェノキシ)−エチル]−4−[3−(3,4,5−トリメトキシフェニル)プロピル]−ピペラジンジハイドロクロライド
【0296】
【化78】

【0297】
1−{4−[2−(2−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−3−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−プロパン−1−オンハイドロクロライド(0.2g、0.41mmol)のTHF(50mL)中の溶液に、LiAlH(0.2g、5mmol)を加えた。反応混合物をN中で一日撹拌し、アイスバスで冷却し、そして水(0.2mL)及び10NNaOH水溶液(0.2mL)でクエンチした。固体を濾過し、濾過物を乾燥するまで濃縮した。残渣をエーテル及び2NHClのエーテル溶液(2mL)で処理した。白色固体を濾取し、減圧下で乾燥し、目的化合物(0.18g、87%)を得た。
【0298】
H−NMR(400MHz,CDOD−d):δ2.16(m,2H),2.71(t,2H),3.28(m,2H),3.6−4.0(m,19H),4.52(t,2H),6.58(s,2H),7.04(m,1H),7.18(m,3H)。
【0299】
以下の化合物を、実施例43と同様にした得た。
【0300】
実施例44
1−[2−(2−フルオロフェノキシ)エチル]−4−[3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)プロピル]ピペラジンジハイドロクロライド
【0301】
【化79】

【0302】
H−NMR(400MHz,CDOD−d):δ2.17(m,2H),2.82(m,2H),3.5−4.0(m,12H),4.52(m,2H),7.02(m,1H),7.1−7.3(m,4H),7.47(m,2H),7.62(d,1H)。
【0303】
実施例45
1−[2−(2−フルオロフェノキシ)エチル]−4−[2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)エチル]−ピペラジンジハイドロクロライド
【0304】
【化80】

【0305】
H−NMR(400MHz,CDOD−d):δ3.10(m,2H),3.52(m,2H),3.6−4.0(m,19H),4.52(m,2H),6.66(s,2H),7.04(m,1H),7.18(m,3H)。
【0306】
実施例46
1−[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]−4−[3−(3,4,5−トリメトキシフェニル)プロピル]−ピペラジンジハイドロクロライド
【0307】
【化81】

【0308】
H−NMR(400MHz,CDOD−d):δ2.16(b,2H),2.71(t,2H),3.26(m,2H),3.6−4.0(m,19H),4.41(t,2H),6.58(s,2H),7.04(s,2H),7.06(m,2H)。
【0309】
実施例47
1−[2−(4−フルオロフェノキシ)−エチル]−4−(3−フェニルプロピル)ピペラジンジハイドロクロライド
【0310】
【化82】

【0311】
H−NMR(400MHz,CDOD−d):δ2.15(m,2H),2.75(t,2H),3.5−4.0(m,12H),4.42(m,2H),7.04(m,3H),7.27(m,6H)。
【0312】
実施例48
1−(2−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−エチル)−4−[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジンジハイドロクロライド
【0313】
【化83】

【0314】
H−NMR(400MHz,CDOD−d):δ3.06(m,2H),3.47(m,2H),3.65−3.90(m,8H),4.41(t,4H),5.94(s,2H),6.79(s,2H),6.85(s,1H),6.06(m,4H)。
【0315】
実施例49
1−[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]−4−[3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)プロピル]−ピペラジンジハイドロクロライド
【0316】
【化84】

【0317】
H−NMR(400MHz,CDOD−d):δ2.17(m,2H),2.82(m,2H),3.6−3.9(m,10H),4.41(m,4H),7.05(m,4H),7.28(dd,1H),7.45(m,2H),7.61(d,1H)。
【0318】
実施例50
1−(2−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−エチル)−4−[2−(4−クロロフェノキシ)エチル]ピペラジンジハイドロクロライド
【0319】
【化85】

【0320】
H−NMR(400MHz,CDOD−d):δ3.56−3.74(m,12H),4.39(m,4H),6.03(s,2H),6.93(d,1H),7.01−7.11(m,4H),7.31(d,2H)。
【0321】
実施例51
4−(3−{4−[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−プロピル)フェノールジハイドロクロライド
【0322】
【化86】

【0323】
H−NMR(400MHz,CDOD−d):δ2.91(m,2H),2.66(t,2H),3.26(t,2H),3.6−4.0(b,10H),4.41(t,2H),6.72(d,2H),7.05(m,6H)。
【0324】
実施例52
4−(2−{4−[2−(4−フルオロ−フェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}エチル)フェノールジハイドロクロライド
【0325】
【化87】

【0326】
H−NMR(400MHz,CDOD−d):δ3.04(q,2H),3.46(t,2H),3.6−4.0(b,10m),4.41(t,2H),6.76(d,2H),7.06(m,4H),7.14(d,2H)。
【0327】
実施例53
1−[4−(3,4−ジメトキシフェニル)ブチル]−4−[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジンジハイドロクロライド
【0328】
【化88】

【0329】
H−NMR(400MHz,CDOD−d):δ1.76(m,4H),2.65(t,2H),3.5−4.0(m,18H),4.40(t,2H),6.76(d,1H),6.83(d,1H),6.86(d,1H),7.05(m,4H)。
【0330】
実施例54
1−[2−(4−フルオロフェノキシ)−エチル]−4−[4−(4−メトキシフェニル)ブチル]ピペラジンジハイドロクロライド
【0331】
【化89】

【0332】
H−NMR(400MHz,CDOD−d):δ1.71(m,2H),1.81(m,2H),2.65(t,2H),3.29(m,2H),3.5−4.0(m,13H),4.40(t,2H),6.83(d,2H),7.05(m,4H),7.13(d,2H)。
【0333】
下記の化合物を実施例33と同様にして得ることができる。
4−(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−1−{4−[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}ブタン−1−オン
3−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)−1−{4−[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}プロパン−1−オン
3−(4−エトキシフェニル)−1−{4−[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}プロパン−1−オン
1−{4−[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−3−(4−イソブトキシフェニル)プロパン−1−オン
3−[4−(2,2−ジメチルプロポキシ)フェニル]−1−{4−[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}プロパン−1−オン
1−{4−[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−3−[4−(2−メトキシエトキシ)フェニル]プロパン−1−オン
1−{4−[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−3−(4−イソプロピルフェニル)プロパン−1−オン
1−{4−[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]−ピペラジン−1−イル}−2−(4−ヒドロキシメチルフェニル)エタノン
4−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−{4−[2−(2−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}ブタン−1−オン
1−{4−[2−(2−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−4−(4−メトキシフェニル)ブタン−1−オン
4−(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−1−[4−(2−o−トリルオキシエチル)ピペラジン−1−イル]ブタン−1−オン
3−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)−1−{4−[2−(2−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}プロパン−1−オン
3−(4−エトキシフェニル)−1−{4−[2−(2−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}プロパン−1−オン
1−{4−[2−(2−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−3−(4−イソブトキシフェニル)プロパン−1−オン
3−[4−(2,2−ジメチルプロポキシ)フェニル]−1−{4−[2−(2−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}プロパン−1−オン
1−{4−[2−(2−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−3−[4−(2−メトキシエトキシ)フェニル]プロパン−1−オン
1−{4−[2−(2−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−3−(4−イソプロピルフェニル)プロパン−1−オン
1−{4−[2−(2−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−2−(4−ヒドロキシメチルフェニル)エタノン
1−{4−[2−(2,4−ジフルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ブタン−1−オン
1−{4−[2−(2,4−ジフルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−4−(3,4−ジメトキシフェニル)−ブタン−1−オン
1−{4−[2−(2,4−ジフルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−4−(4−メトキシフェニル)ブタン−1−オン
1−{4−[2−(2,4−ジフルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−3−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)プロパン−1−オン
1−{4−[2−(2,4−ジフルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−3−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)プロパン−1−オン
1−{4−[2−(2,4−ジフルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−3−(4−エトキシフェニル)プロパン−1−オン
1−{4−[2−(2,4−ジフルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−3−(4−イソブトキシフェニル)プロパン−1−オン
1−{4−[2−(2,4−ジフルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−3−[4−(2,2−ジメチルプロポキシ)フェニル]−プロパン−1−オン
1−{4−[2−(2,4−ジフルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−3−[4−(2−メトキシエトキシ)フェニル]−プロパン−1−オン
1−{4−[2−(2,4−ジフルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−3−(4−イソプロピルフェニル)プロパン−1−オン
1−{4−[2−(2,4−ジフルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−2−(4−ヒドロキシメチルフェニル)エタノン
1−{4−[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−2−(4−トリフルオロメトキシフェニル)エタノン
1−{4−[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−4−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ブタン−1−オン
1−{4−[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−3−(3−トリフルオロメトキシフェニル)プロパン−1−オン
1−{4−[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)プロパン−1−オン
1−{4−[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−3−(4−メチルスルファニルフェニル)プロパン−1−オン
1−{4−[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−3−(4−メタンスルホニルフェニル)プロパン−1−オン
1−{4−[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−3−(4−トリフルオロメタンスルホニルフェニル)プロパン−1−オン
1−{4−[2−(2−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−2−(4−トリフルオロメトキシフェニル)エタノン
1−{4−[2−(2−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−2−(4−トリフルオロメトキシフェニル)エタノン
1−{4−[2−(2−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−4−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ブタン−1−オン
1−{4−[2−(2−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−3−(3−トリフルオロメトキシフェニル)プロパン−1−オン
1−{4−[2−(2−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)プロパン−1−オン
1−{4−[2−(2−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−3−(4−メチルスルファニルフェニル)プロパン−1−オン
1−{4−[2−(2−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−3−(4−メチルスルホニルフェニル)プロパン−1−オン
1−{4−[2−(2−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−3−(4−トリフルオロメタンスルホニルフェニル)プロパン−1−オン
1−{4−[2−(2,4−ジフルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−3−(3−トリフルオロメトキシフェニル)プロパン−1−オン
1−{4−[2−(2,4−ジフルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−2−(4−トリフルオロメトキシフェニル)エタノン
1−{4−[2−(2,4−ジフルオロ−フェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−4−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ブタン−1−オン
1−{4−[2−(2,4−ジフルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)プロパン−1−オン
1−{4−[2−(2,4−ジフルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)プロパン−1−オン
1−{4−[2−(2,4−ジフルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−3−(4−メチルスルファニルフェニル)プロパン−1−オン
1−{4−[2−(2,4−ジフルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−3−(4−メタンスルホニルフェニル)プロパン−1−オン
1−{4−[2−(2,4−ジフルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−3−(4−トリフルオロメタンスルホニルフェニル)プロパン−1−オン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の化合物:下記一般式(Ia):
【化1】

[式(Ia)中、
は、2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル、又は、炭素数1〜2のアルキレンジオキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ、シアノ、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数1〜4のハロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、アルコキシ(炭素数1〜4)アルコキシ(炭素数1〜4)基、炭素数1〜4のヒドロキシアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキルスルファニル基、炭素数1〜4のアルキルスルホニル基、炭素数1〜4のハロアルコキシ基、及び、炭素数1〜4のハロアルキルスルホニル基から独立に選択される一つ、二つ、若しくは三つの置換基を有するか若しくは無置換のフェニル基を表し;
は、(CH又は(CHm−1C(=O)で表される基(式中、mは2、3、4又は5である。)を表し;
Xは、CH又はNを表し;
nは、0、1、2、3、4又は5であり、ただし、XがNである場合はnは2、3、4又は5であり;
Yは、O、NR又はSを表し;
は、水素、炭素数1〜4のアルキル基、若しくは、フェニルアルキル(アルキル基の炭素数1〜4)基、又は、Rで定義される基を表し;そして
は、それらの非芳香炭素原子にヒドロキシ基を置換基として有していてもよい、インダン−1−イル、インダン−2−イル、1,2,3,4−テトラヒドロナフト−1−イル若しくは1,2,3,4−テトラヒドロナフト−2−イル;炭素数3〜6のシクロアルキル基;又は、炭素数1〜2のアルキレンジオキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、シアノ、フェニル、イミダゾリル、炭素数1〜4のハロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、及び、炭素数1〜4のハロアルコキシ基から独立に選択される一つ、二つ、若しくは三つの置換基を有するか若しくは無置換のフェニル基を表す。]で示されるか
または医薬的に許容されるその塩、ただし、
1−[2−フェノキシエチル]−4−[フェニルアセチル]ピペラジン及び1−[3−(3,4−ジクロロフェノキシ)プロピル]−4−[(4−クロロフェニル)アセチル]ピペラジンを除く。
【請求項2】
が、炭素数1〜2のアルキレンジオキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ、シアノ、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数1〜4のハロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、及び、炭素数1〜4のハロアルコキシ基から独立に選択される一つ、二つ、若しくは三つの置換基を有するか若しくは無置換のフェニル基である請求項1記載の化合物。
【請求項3】
下記一般式(I):
【化2】

[式(I)中、R;m;X;n;Y及びRは、請求項1で定義される基を表す。]で示されるか
または医薬的に許容されるその塩である請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
下記一般式(II):
【化3】

[式(II)中、R、m、n、Y及びRは、請求項1で定義される基を表す。]で示されるか
または医薬的に許容されるその塩である請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項5】
が、2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル、ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル、2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキソール−6−イル、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、3−クロロフェニル、4−ヒドロキシフェニル、3−メチルフェニル、4−イソプロピルフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、4−エトキシフェニル、4−イソプロポキシフェニル、4−イソブトキシフェニル、4−(2,2−ジメチルプロポキシ)フェニル、3,4−ジメトキシフェニル、2,3,4−トリメトキシフェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル、4−(2−メトキシエトキシ)フェニル、4−ヒドロキシメトキシフェニル、2−フルオロ−3,4−ジメトキシフェニル、3−クロロ−4−メトキシフェニル、4−クロロ−3−メトキシフェニル、2−トリフルオロメトキシフェニル、3−トリフルオロメトキシフェニル、4−トリフルオロメトキシフェニル、4−メチルスルファニルフェニル、4−メチルスルホニルフェニル、又は、4−トリフルオロメチルスルホニルフェニルである請求項1〜4のいずれか記載の化合物。
【請求項6】
が、フェニル、ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、3−クロロフェニル、3−メチルフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、4−イソプロポキシフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、2,3,4−トリメトキシフェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル、2−フルオロ−3,4−ジメトキシフェニル、3−クロロ−4−メトキシフェニル、4−クロロ−3−メトキシフェニル、2−トリフルオロメトキシフェニル、4−トリフルオロメトキシフェニル、又は、3−トリフルオロメトキシフェニルである請求項2〜4のいずれか記載の化合物。
【請求項7】
が、フェニル、ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル、2−フルオロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、又は、2−トリフルオロメトキシフェニルである請求項6記載の化合物。
【請求項8】
が、3,4−ジメトキシフェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル、4−メトキシフェニル、4−イソプロポキシフェニル、又は、4−トリフルオロメトキシフェニルである請求項7記載の化合物。
【請求項9】
mが2である請求項1〜6のいずれか記載の化合物。
【請求項10】
nが2である請求項1〜9のいずれか記載の化合物。
【請求項11】
YがO又はNHである請求項1〜10のいずれか記載の化合物。
【請求項12】
が、フェニル、ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル、2−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、4−トリフルオロメトキシフェニル、2−クロロフェニル、4−クロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、2−メチルフェニル、4−メチルフェニル、4−イソプロピルフェニル、4−t−ブチルフェニル、4−シアノフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、2−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、4−ビフェニル、4−(1−イミダゾリル)フェニル、2−フルオロ−4−メトキシフェニル、3−フルオロ−4−メトキシフェニル、3−クロロ−4−メトキシフェニル、2−トリフルオロメトキシフェニル、又は、4−トリフルオロメトキシフェニルである請求項1〜11のいずれか記載の化合物。
【請求項13】
が、フェニル、ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル、2−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、4−トリフルオロメトキシフェニル、2−クロロフェニル、4−クロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、4−メチルフェニル、4−イソプロピルフェニル、4−t−ブチルフェニル、4−シアノフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、2−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、4−ビフェニル、4−(1−イミダゾリル)フェニル、2−フルオロ−4−メトキシフェニル、3−フルオロ−4−メトキシフェニル、3−クロロ−4−メトキシフェニル、2−トリフルオロメトキシフェニル、又は、4−トリフルオロメトキシフェニルである請求項12記載の化合物。
【請求項14】
が、フェニル、2−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、2−クロロフェニル、4−クロロフェニル、4−メチルフェニル、4−イソプロピルフェニル、4−シアノフェニル、又は、2−トリフルオロメチルフェニルである請求項13記載の化合物。
【請求項15】
が、4−フルオロフェニルである請求項14記載の化合物。
【請求項16】
1−(3,4−ジメトキシフェネチル)−4−(2−(4−フルオロフェノキシ)エチル)ピペリジン;
1−(4−(トリフルオロメチル)フェネチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペリジン;
4−(2−(2−フルオロフェノキシ)エチル)−1−(3,4−ジメトキシフェネチル)ピペリジン;
1−(3,4−ジメトキシフェネチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジン;
1−(3−メトキシフェネチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジン;
1−(4−メトキシフェネチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジン;
1−(2−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)エチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジン;
1−(3,4−ジフルオロフェネチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジン;
1−フェネチル−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジン;
1−(3,4−ジメトキシフェネチル)−4−(2−(4−クロロフェノキシ)エチル)ピペラジン;及び
4−(2−(4−(3,4−ジメトキシフェネチル)ピペラジン−1−イル)エチルオキシ)ベンゾニトリル;
1−{4−[2−(2−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−3−(3,4,5−トリメトキシフェニル)プロパン−1−オン;
1−{4−[2−(2−フルオロフェノキシ)エチル]−ピペラジン−1−イル}−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)プロパン−1−オン;
1−{4−[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−3−フェニルプロパン−1−オン;
1−{4−[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)プロパン−1−オン;
1−{4−[2−(2−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}−2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)エタノン;
1−[2−(2−フルオロフェノキシ)エチル]−4−[3−(3,4,5−トリメトキシフェニル)プロピル]−ピペラジン;
1−[2−(2−フルオロフェノキシ)エチル]−4−[3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)プロピル]ピペラジン;
1−[2−(2−フルオロフェノキシ)エチル]−4−[2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)エチル]−ピペラジン;
1−(2−(ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルエチル)−4−[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン;
1−[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]−4−[3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)プロピル]ピペラジン;
及び医薬的に許容されるそれらの塩から選択される請求項1記載の化合物。
【請求項17】
a)Aが(CHである式(Ia)の化合物にあっては、下記一般式(II)で表される化合物:
【化4】

を還元剤で還元し;
b)XがNで、Aが(CHである式(Ia)の化合物にあっては、下記一般式(III)で表される化合物:
【化5】

(式(III)中、Z及びZは独立に、脱離原子又は脱離基を表す。)を下記一般式(IV)で表される化合物:
【化6】

若しくはR上の一つ若しくは二つの置換基が保護されている対応する化合物と反応させ;
c)XがNである式(Ia)の化合物にあっては、下記一般式(V)で表される化合物:
【化7】

を下記一般式(VI)で表される化合物:
【化8】

(式(VI)中、Zは脱離原子又は脱離基を表す。)と反応させ;又は
d)下記一般式(XI)で表される化合物:
【化9】

若しくはその反応性誘導体を、下記一般式(XII)で表される化合物:
【化10】

と反応させ、
その後、全ての保護基を除去し、そして、必要により、医薬的に許容される塩を形成する、請求項1〜16のいずれか記載の化合物の製造方法。
【請求項18】
請求項1〜16のいずれか記載の化合物と医薬的に許容される希釈剤又はキャリア剤を含有する医薬組成物。
【請求項19】
一般式(Ia)で表される化合物:
【化11】

[式(Ia)中、
は、2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル、又は、炭素数1〜2のアルキレンジオキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ、シアノ、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数1〜4のハロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、アルコキシ(炭素数1〜4)アルコキシ(炭素数1〜4)基、炭素数1〜4のヒドロキシアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキルスルファニル基、炭素数1〜4のアルキルスルホニル基、炭素数1〜4のハロアルコキシ基、及び、炭素数1〜4のハロアルキルスルホニル基から独立に選択される一つ、二つ、若しくは三つの置換基を有するか若しくは無置換のフェニル基を表し;
は、(CH又は(CHm−1C(=O)で表される基(式中、mは2、3、4又は5である。)を表し;
Xは、CH又はNを表し;
nは、0、1、2、3、4又は5であり、ただし、XがNである場合はnは2、3、4又は5であり;
Yは、O、NR又はSを表し;
は、水素、炭素数1〜4のアルキル基、若しくは、フェニルアルキル(アルキル基の炭素数1〜4)基、又は、Rで定義される基を表し;そして
は、その非芳香炭素原子にヒドロキシ基を置換基として有していてもよい、インダン−1−イル、インダン−2−イル、1,2,3,4−テトラヒドロナフト−1−イル若しくは1,2,3,4−テトラヒドロナフト−2−イル;炭素数3〜6のシクロアルキル基;又は、炭素数1〜2のアルキレンジオキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、シアノ、フェニル、イミダゾリル、炭素数1〜4のハロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、及び、炭素数1〜4のハロアルコキシ基から独立に選択される一つ、二つ、若しくは三つの置換基を有するか若しくは無置換のフェニル基を表す。];
または医薬的に許容されるその塩の有効量を患者に投与することを含む、シグマ受容体機能のモジュレーターに反応性を有する症状を治療するための方法。
【請求項20】
治療に使用するための、請求項1〜16のいずれか記載の化合物。
【請求項21】
シグマ受容体機能のモジュレーターに反応性を有する症状を治療するための医薬の製造における下記一般式(Ia)で表される化合物:
【化12】

[式(Ia)中、
は、2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル、又は、炭素数1〜2のアルキレンジオキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ、シアノ、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数1〜4のハロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、アルコキシ(炭素数1〜4)アルコキシ(炭素数1〜4)基、炭素数1〜4のヒドロキシアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキルスルファニル基、炭素数1〜4のアルキルスルホニル基、炭素数1〜4のハロアルコキシ基、及び、炭素数1〜4のハロアルキルスルホニル基から独立に選択される一つ、二つ、若しくは三つの置換基を有するか若しくは無置換のフェニル基を表し;
は、(CH又は(CHm−1C(=O)で表される基(式中、mは2、3、4又は5である。)を表し;
Xは、CH又はNを表し;
nは、0、1、2、3、4又は5であり、ただし、XがNである場合はnは2、3、4又は5であり;
Yは、O、NR又はSを表し;
は、水素、炭素数1〜4のアルキル基、若しくは、フェニルアルキル(アルキル基の炭素数1〜4)基、又は、Rで定義される基を表し;そして
は、それらの非芳香炭素原子にヒドロキシ基を置換基として有していてもよい、インダン−1−イル、インダン−2−イル、1,2,3,4−テトラヒドロナフト−1−イル若しくは1,2,3,4−テトラヒドロナフト−2−イル;炭素数3〜6のシクロアルキル基;又は、炭素数1〜2のアルキレンジオキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、シアノ、フェニル、イミダゾリル、炭素数1〜4のハロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、及び、炭素数1〜4のハロアルコキシ基から独立に選択される一つ、二つ、若しくは三つの置換基を有するか若しくは無置換のフェニル基を表す。];
または医薬的に許容されるその塩の使用。

【公表番号】特表2009−524663(P2009−524663A)
【公表日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−552340(P2008−552340)
【出願日】平成19年1月22日(2007.1.22)
【国際出願番号】PCT/US2007/001569
【国際公開番号】WO2007/089462
【国際公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【出願人】(301004743)株式会社エムズサイエンス (8)
【Fターム(参考)】