説明

ピラゾール化合物及びトロンボポエチンレセプター活性化剤

【課題】
トロンボポエチンレセプター活性化作用が有効な疾患の予防、治療又は改善に有効な化合物類を提供する。
【解決手段】
式(I)(式中のR、R、R、Rは、本文中に定義される)で表わされる化合物、該化合物の互変異性体、プロドラッグ若しくはその医薬的に許容され得る塩又はそれらの溶媒和物。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はトロンボポエチンレセプターに親和性及びアゴニスト作用を有することによりトロンボポエチンレセプター活性化作用が有効な疾患の予防・治療・改善薬に関するものである。具体的には例えば造血幹細胞、巨核球前駆細胞、巨核球細胞の分化増殖を促進し、血小板増多作用を示しうる化合物あるいは血管内皮および内皮前駆細胞の分化増殖を促進し血管新生療法に用いたり、抗動脈硬化作用を示しうる化合物を構成成分とする医薬組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
トロンボポエチンは332個のアミノ酸からなるサイトカインであり、レセプターを介して造血幹細胞、巨核球前駆細胞、巨核球細胞の分化、増殖を刺激することにより血小板産生を亢進することから血液疾患の病態に対する薬剤として期待されている。また最近では、血管内皮および内皮前駆細胞の分化増殖を促進することが報告され、血管新生療法や抗動脈硬化,心血管イベント抑制などが期待されている(例えば、非特許文献1、非特許文献2及び非特許文献3参照。)。
現在までにトロンボポエチンレセプターを介して血小板産生を調節する生理活性物質としては、トロンボポエチンそのもののほか、トロンボポエチンレセプターに親和性を有する低分子ペプチドが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3及び特許文献4参照。)。
ペプチド誘導体ではない低分子化合物でトロンボポエチンレセプターを介して血小板産生を促進する化合物の探索も試みられており、トロンボポエチンレセプターに親和性のある低分子化合物の報告がなされている(例えば、特許文献5〜特許文献26参照。)。
1)北陸製薬より出願されている1,4−ベンゾジアゼピン誘導体(特許文献5、6)
2)塩野義製薬より出願されている特許の国際公開公報(特許文献7〜10)
3)スミスクライン ビーチャム(Smithkline Beecham Corp)より出願されている特許の国際公開公報(特許文献11〜19)
4)鳥居薬品より出願されている国内公報(特許文献20)
5)Roche Diagnostics GMBHより出願されている国際公開公報(特許文献21)
6)山之内製薬より出願されている国際公開公報(特許文献22,23)
7)日本たばこ産業より出願されている国内公報(特許文献24)
8)日産化学工業より出願されている国際公開公報(特許文献25,26)
【特許文献1】特開平10−72492号公報
【特許文献2】国際公開第96/40750号パンフレット
【特許文献3】国際公開第96/40189号パンフレット
【特許文献4】国際公開第98/25965号パンフレット
【特許文献5】特開平11−1477号公報
【特許文献6】特開平11−152276号公報
【特許文献7】国際公開第01/07423号パンフレット
【特許文献8】国際公開第01/53267号パンフレット
【特許文献9】国際公開第02/059099号パンフレット
【特許文献10】国際公開第02/059100号パンフレット
【特許文献11】国際公開第00/35446号パンフレット
【特許文献12】国際公開第00/66112号パンフレット
【特許文献13】国際公開第01/34585号パンフレット
【特許文献14】国際公開第01/17349号パンフレット
【特許文献15】国際公開第01/39773号パンフレット
【特許文献16】国際公開第01/21180号パンフレット
【特許文献17】国際公開第01/89457号パンフレット
【特許文献18】国際公開第02/49413号パンフレット
【特許文献19】国際公開第02/085343号パンフレット
【特許文献20】特開2001-97948号公報
【特許文献21】国際公開第99/11262号パンフレット
【特許文献22】国際公開第02/062775号パンフレット
【特許文献23】国際公開第03/062233号パンフレット
【特許文献24】特開2003-238565号公報
【特許文献25】国際公開第04/033433号パンフレット
【特許文献26】国際公開第04/108683号パンフレット
【非特許文献1】Microvasc. Res. 1999 :58, p.108-113
【非特許文献2】Circ. Res. 1999:84, p.785-796
【非特許文献3】Blood 2001:98, p.71a-72a
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
トロンボポエチンやトロンボポエチンレセプターに親和性を有する低分子ペプチドは、消化管で容易に分解されてしまう可能性が高く、通常、経口投与は困難であり、トロンボポエチンそのものには抗トロンボポエチン抗体の出現が報告されている。
又、ペプチド誘導体ではない低分子化合物は、経口投与が可能である可能性が高いものの、未だ実用可能な薬剤が上市されるに至ってはいない。
そのため、優れたトロンボポエチンレセプター親和性及びアゴニスト活性を有し、トロンボポエチンレセプター活性化作用が有効な疾患の予防・治療・改善薬となり、且つ経口投与も可能な低分子化合物が望まれていた。具体的には例えば造血幹細胞、巨核球前駆細胞、巨核球細胞の分化増殖を促進し、血小板増多剤、あるいは他の血球系細胞増多剤となりうる低分子化合物、あるいは血管内皮および内皮前駆細胞の分化増殖を促進し血管新生療法に用いたり、動脈硬化を予防・治療する薬剤となりうる低分子化合物が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らはトロンボポエチンレセプター親和性及びアゴニスト活性を有する低分子化合物を見出すべく、鋭意検討したところ本発明化合物に、高い親和性及びアゴニスト作用を有することを見出し、これにより巨核球前駆細胞、巨核球細胞の分化増殖を促進しきわめて高い血小板増多作用があることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下を特徴とする要旨からなるものである。
【0005】
1. 式(I)
【化1】

[式中、Rは、フェニル基(該フェニル基は、1つ以上のC1−6アルキル基、1つ以上のC1−3アルキル基(該C1−3アルキル基は1つ以上のハロゲン原子で置換されている。)又は1つ以上のハロゲン原子で置換されていてもよい。)を意味し、Rは水素原子又はC1−3アルキル基(該C1−3アルキル基は1つ以上のハロゲン原子で置換されていてもよい。)を意味し、Rはチエニル基(該チエニル基は、(C=O)NR(式中Rは水素原子又はC1−3アルキル基(該C1−3アルキル基は1つ以上のハロゲン原子で置換されていてもよい。)を意味し、RはC1−6アルキル基(該C1−6アルキル基は1つ以上のハロゲン原子、1つ以上の水酸基、1つ以上のC1−3アルコキシ基(該C1−3アルコキシ基は1つ以上のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、1つ以上のフェニル基、1つ以上のチエニル基、1つ以上のフリル基又は1つ以上のピリジル基で置換されていてもよい。)を意味する。)で置換されている。)を意味し、RはC1−3アルキル基(該C1−3アルキル基は1つ以上のハロゲン原子で置換されていてもよい。)を意味する。]で表される化合物、該化合物の互変異性体、プロドラッグ若しくはその医薬的に許容され得る塩又はそれらの溶媒和物。
【0006】
2.R及びRがメチル基である1記載の化合物、該化合物の互変異性体、プロドラッグ若しくはその医薬的に許容され得る塩又はそれらの溶媒和物。
【0007】
3.Rが3,4−ジメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基又は3,4−ジクロロフェニル基である2記載の化合物、該化合物の互変異性体、プロドラッグ若しくはその医薬的に許容され得る塩又はそれらの溶媒和物。
【0008】
4.Rが式(II)
【化2】

(式中Rが水素原子又はC1−3アルキル基であり、RがC1-3アルキル基(該C1-3アルキル基は2−ピリジル基で置換されている。)を意味する。)である3記載の化合物、該化合物の互変異性体、プロドラッグ若しくはその医薬的に許容され得る塩又はそれらの溶媒和物。
【0009】
5.Rが式(II)
【化3】

(式中RがC1−3アルキル基であり、RがC1−6アルキル基を意味する。)である3記載の化合物、該化合物の互変異性体、プロドラッグ若しくはその医薬的に許容され得る塩又はそれらの溶媒和物。
【0010】
6.Rが式(II)
【化4】

(式中Rが水素原子又はC1−3アルキル基であり、RがC1−3アルキル基(該C1−3アルキル基は4−ピリジル基又はC1-3アルコキシ基で置換されている。)を意味する。)である3記載の化合物、該化合物の互変異性体、プロドラッグ若しくはその医薬的に許容され得る塩又はそれらの溶媒和物。
【0011】
7.Rが式(II)
【化5】

(式中Rが水素原子であり、RがC1−3アルキル基を意味する。)である3記載の化合物、該化合物の互変異性体、プロドラッグ若しくはその医薬的に許容され得る塩又はそれらの溶媒和物。
【0012】
8.Rが4−トリフルオロメチルフェニル基である上記4乃至7の何れか1項に記載の化合物、該化合物の互変異性体、プロドラッグ若しくはその医薬的に許容され得る塩又はそれらの溶媒和物。
【0013】
9.Rが3,4−ジクロロフェニル基である上記4乃至7の何れか1項に記載の化合物、該化合物の互変異性体、プロドラッグ若しくはその医薬的に許容され得る塩又はそれらの溶媒和物。
【0014】
10.Rが3,4−ジメチルフェニル基である上記4乃至7の何れか1項に記載の化合物、該化合物の互変異性体、プロドラッグ若しくはその医薬的に許容され得る塩又はそれらの溶媒和物。
【0015】
11.上記1乃至10の何れか1項に記載の化合物、該化合物の互変異性体、プロドラッグ若しくはその医薬的に許容され得る塩又はそれらの溶媒和物を有効成分として含有するトロンボポエチンレセプター活性化剤。
【0016】
12.上記11記載のトロンボポエチンレセプター活性化剤を有効成分として含有するトロンボポエチンレセプター活性化作用が有効な疾患の予防・治療・改善薬。
【0017】
13.上記11記載のトロンボポエチンレセプター活性化剤を有効成分として含有する血小板増多剤。
【0018】
14.上記1乃至10の何れか1項に記載の化合物、該化合物の互変異性体、プロドラッグ若しくはその医薬的に許容され得る塩又はそれらの溶媒和物を有効成分として含有する医薬。
【発明の効果】
【0019】
本発明のピラゾール化合物は、トロンボポエチンレセプター親和性及びアゴニスト活性を有し、これにより巨核球前駆細胞、巨核球細胞の分化増殖を促進しきわめて高い血小板増多作用を示す。
本発明のピラゾール化合物は、消化管からの吸収性に優れるか又は高い巨核球コロニー形成促進作用を示す。経口吸収性に優れるピラゾール化合物は、高い薬物血中濃度が得られることから、特に経口剤として有用である。
尚、特許文献26には、血小板増多作用を有する化合物についての記載があるが、本発明のピラゾール化合物についての具体的な記載はなされておらず、本発明のピラゾール化合物の経口吸収性が特に優れていることや、巨核球コロニー形成促進作用に優れていることは予測できるものではない。
従って、本発明のピラゾール化合物は、医薬品として有用であり、トロンボポエチンレセプター活性化作用が有効な疾患の予防・治療・改善薬として用いられ、特に血小板増多剤として有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、更に詳細に本発明を説明する。
尚、本発明中「n」はノルマル、「i」はイソ、「s」はセカンダリー、「t」はターシャリー、「c」はシクロ、「o」はオルト、「m」はメタ、「p」はパラを意味し、「Ph」はフェニル、「Me」はメチル、「Et」はエチル、「Pr」はプロピル、「Bu」はブチルを意味する。
【0021】
まず、置換基R1〜Rの各置換基における語句について説明する。
【0022】
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素が挙げられる。
【0023】
1−3アルキル基は、直鎖、分枝又はCシクロアルキル基であってよく、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル及びc-プロピル等が挙げられる。C1−6アルキル基は、直鎖、分枝又はC3−6シクロアルキル基であってよく、上記に加え、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、c-ブチル、1-メチル-c-プロピル、2-メチル-c-プロピル、n-ペンチル、1-メチル-n-ブチル、2-メチル-n-ブチル、3-メチル-n-ブチル、1,1-ジメチル-n-プロピル、1,2-ジメチル-n-プロピル、2,2-ジメチル-n-プロピル、1-エチル-n-プロピル、c-ペンチル、1-メチル-c-ブチル、2-メチル-c-ブチル、3-メチル-c-ブチル、1,2-ジメチル-c-プロピル、2,3-ジメチル-c-プロピル、1-エチル-c-プロピル、2-エチル-c-プロピル、n-ヘキシル、1-メチル-n-ペンチル、2-メチル-n-ペンチル、3-メチル-n-ペンチル、4-メチル-n-ペンチル、1,1-ジメチル-n-ブチル、1,2-ジメチル-n-ブチル、1,3-ジメチル-n-ブチル、2,2-ジメチル-n-ブチル、2,3-ジメチル-n-ブチル、3,3-ジメチル-n-ブチル、1-エチル-n-ブチル、2-エチル-n-ブチル、1,1,2-トリメチル-n-プロピル、1,2,2-トリメチル-n-プロピル、1-エチル-1-メチル-n-プロピル、1-エチル-2-メチル-n-プロピル、c-ヘキシル、1-メチル-c-ペンチル、2-メチル-c-ペンチル、3-メチル-c-ペンチル、1-エチル-c-ブチル、2-エチル-c-ブチル、3-エチル-c-ブチル、1,2-ジメチル-c-ブチル、1,3-ジメチル-c-ブチル、2,2-ジメチル-c-ブチル、2,3-ジメチル-c-ブチル、2,4-ジメチル-c-ブチル、3,3-ジメチル-c-ブチル、1-n-プロピル-c-プロピル、2-n-プロピル-c-プロピル、1-i-プロピル-c-プロピル、2-i-プロピル-c-プロピル、1,2,2-トリメチル-c-プロピル、1,2,3-トリメチル-c-プロピル、2,2,3-トリメチル-c-プロピル、1-エチル-2-メチル-c-プロピル、2-エチル-1-メチル-c-プロピル、2-エチル-2-メチル-c-プロピル及び2-エチル-3-メチル-c-プロピル等が挙げられる。
1−3アルコキシ基は、直鎖、分枝又はCシクロアルコキシ基であってよく、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、i-プロポキシ及びc-プロポキシ等が挙げられる。
【0024】
置換基Rの好ましい具体例は、下記に記載の置換基の1つ以上で置換されたフェニル基である。
置換基:C1−6アルキル基、C1−3アルキル基(該C1−3アルキル基は1つ以上のハロゲン原子で置換されている。)及びハロゲン原子。
【0025】
置換基Rの特に好ましい具体例は、3,4−ジメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基及び3,4−ジクロロフェニル基である。
【0026】
置換基Rの好ましい具体例は、水素原子、メチル基、エチル基、i-プロピル基、n-プロピル基及びトリフルオロメチル基である。
【0027】
置換基Rの特に好ましい具体例は、メチル基である。
【0028】
置換基Rの好ましい具体例は、以下の置換基で置換された、チエニル基である。
置換基:(C=O)NR(式中Rは水素原子又はC1−3アルキル基(該C1−3アルキル基は1つ以上のハロゲン原子で置換されていてもよい。)を意味し、RはC1−6アルキル基(該C1−6アルキル基は1つ以上のハロゲン原子、1つ以上の水酸基、1つ以上のC1−3アルコキシ基(該C1−3アルコキシ基は1つ以上のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、1つ以上のフェニル基、1つ以上のチエニル基、1つ以上のフリル基又は1つ以上のピリジル基で置換されていてもよい。)を意味する。)
【0029】
置換基Rの特に好ましい具体例は、式(II)
【化6】

(式中Rが水素原子、メチル基又はエチル基であり、RがC1-3アルキル基(該C1-3アルキル基は1つ以上の2−ピリジル基で置換されていてもよい。)を意味する。)で表される。
【0030】
置換基Rの特に好ましい具体例は、式(II)
【化7】

(式中Rが水素原子であり、RがC1−3アルキル基(該C1−3アルキル基は1つ以上の4−ピリジル基又はC1−3アルコキシ基で置換されていてもよい。)を意味する。)で表される。
【0031】
置換基Rの更に特に好ましい具体例は、式(II)(式中Rが水素原子であり、Rが2−ピリジル基で置換されているメチル基である。)で表される。
【0032】
置換基Rの更に特に好ましい具体例は、式(II)
【化8】

(式中Rが水素原子であり、Rがi-プロピル基、4−ピリジル基で置換されたメチル基又は2−メトキシエチル基である。)で表される。
【0033】
又は置換基Rの更に特に好ましい具体例は、式(II)(式中Rがエチル基であり、Rがエチル基である。)で表される。
【0034】
置換基Rの好ましい具体例は、メチル基、エチル基、i-プロピル基、n-プロピル基及びトリフルオロメチル基である。
【0035】
置換基Rの特に好ましい具体例は、メチル基である。
【0036】
本発明の、トロンボポエチンレセプター活性化剤、トロンボポエチンレセプター活性化作用が有効な疾患の予防・治療・改善薬及び血小板増多剤に用いる好ましい化合物としては以下に示すものが挙げられる。
【0037】
1) R及びRがメチル基である式(I)で表される化合物、該化合物の互変異性体、プロドラッグ若しくはその医薬的に許容され得る塩又はそれらの溶媒和物。
【0038】
2) Rが3,4−ジメチルフェニル基である、上記1)に記載の化合物、該化合物の互変異性体、プロドラッグ若しくはその医薬的に許容され得る塩又はそれらの溶媒和物。
【0039】
3) Rが4−トリフルオロメチルフェニル基である、上記1)に記載の化合物、該化合物の互変異性体、プロドラッグ若しくはその医薬的に許容され得る塩又はそれらの溶媒和物。
【0040】
4) Rが3,4−ジクロロフェニル基である、上記1)に記載の化合物、該化合物の互変異性体、プロドラッグ若しくはその医薬的に許容され得る塩又はそれらの溶媒和物。
【0041】
5) Rが式(II)
【化9】

(式中Rが水素原子又はC1−3アルキル基であり、RがC1−3アルキル基(該C1-3アルキル基は2−ピリジル基で置換されている。)を意味する。)で表される、上記2)〜4)の何れかに記載の化合物、該化合物の互変異性体、プロドラッグ若しくはその医薬的に許容され得る塩又はそれらの溶媒和物。
【0042】
6) Rが式(II)
【化10】

(式中Rが水素原子又はC1−3アルキル基であり、RがC1−3アルキル基(該C1−3アルキル基は4−ピリジル基又はC1−3アルコキシ基で置換されている。)を意味する。)で表される、上記2)〜4)の何れかに記載の化合物、該化合物の互変異性体、プロドラッグ若しくはその医薬的に許容され得る塩又はそれらの溶媒和物。
【0043】
7) Rが式(II)
【化11】

(式中RがC1−3アルキル基であり、RがC1−6アルキル基を意味する。)で表される、上記2)〜4)の何れかに記載の化合物、該化合物の互変異性体、プロドラッグ若しくはその医薬的に許容され得る塩又はそれらの溶媒和物。
【0044】
8) Rが式(II)
【化12】

(式中Rが水素原子であり、RがC1−3アルキル基を意味する。)で表される、上記2)〜4)の何れかに記載の化合物、該化合物の互変異性体、プロドラッグ若しくはその医薬的に許容され得る塩又はそれらの溶媒和物。
9) Rが水素原子であり、R、R、Rが以下に示す第1表に記載の組み合わせからなる化合物、該化合物の互変異性体、プロドラッグ若しくはその医薬的に許容され得る塩又はそれらの溶媒和物。なお第1表における記号は以下の置換基を示す。
【化13】

【0045】
第1表
―――――――――― ――――――――
R1 R2 R3 R1 R2 R3
―――――――――― ――――――――
Q1a Me Q3a Q1d Me Q3a
Q1a Me Q3b Q1d Me Q3b
Q1a Me Q3c Q1d Me Q3c
Q1a Me Q3d Q1d Me Q3d
Q1b Me Q3a Q1e Me Q3a
Q1b Me Q3b Q1e Me Q3b
Q1b Me Q3c Q1e Me Q3c
Q1b Me Q3d Q1e Me Q3d
Q1c Me Q3a Q1f Me Q3a
Q1c Me Q3b Q1f Me Q3b
Q1c Me Q3c Q1f Me Q3c
Q1c Me Q3d Q1f Me Q3d
―――――――――― ――――――――
【0046】
10) Rがメチル基であり、R、R、Rが以下に示す第2表に記載の組み合わせからなる化合物、該化合物の互変異性体、プロドラッグ若しくはその医薬的に許容され得る塩又はそれらの溶媒和物。なお第2表における記号は以下の置換基を示す。
【0047】
【化14】

【0048】
第2表
―――――――――― ―――――――――
R1 R2 R3 R1 R2 R3
―――――――――― ―――――――――
Q1a Me Q3a Q1d Me Q3a
Q1a Me Q3b Q1d Me Q3b
Q1a Me Q3c Q1d Me Q3c
Q1a Me Q3d Q1d Me Q3d
Q1b Me Q3a Q1e Me Q3a
Q1b Me Q3b Q1e Me Q3b
Q1b Me Q3c Q1e Me Q3c
Q1b Me Q3d Q1e Me Q3d
Q1c Me Q3a Q1f Me Q3a
Q1c Me Q3b Q1f Me Q3b
Q1c Me Q3c Q1f Me Q3c
Q1c Me Q3d Q1f Me Q3d
―――――――――― ―――――――――
【0049】
11) Rが水素原子に変換された上記9)又は10)に記載の化合物、該化合物の互変異性体、プロドラッグ若しくはその医薬的に許容され得る塩又はそれらの溶媒和物。
【0050】
12) Rがトリフルオロメチル基に変換された上記9)又は10)に記載の化合物、該化合物の互変異性体、プロドラッグ若しくはその医薬的に許容され得る塩又はそれらの溶媒和物。
【0051】
13) Rがエチル基に変換された上記9)又は10)に記載の化合物、該化合物の互変異性体、プロドラッグ若しくはその医薬的に許容され得る塩又はそれらの溶媒和物。
【0052】
14) Rがn−プロピル基に変換された上記9)又は10)に記載の化合物、該化合物の互変異性体、プロドラッグ若しくはその医薬的に許容され得る塩又はそれらの溶媒和物。
【0053】
15) Rがi−プロピル基に変換された上記9)又は10)に記載の化合物、該化合物の互変異性体、プロドラッグ若しくはその医薬的に許容され得る塩又はそれらの溶媒和物。
【0054】
16) Rがトリフルオロメチル基に変換された上記9)から15)の何れかに記載の化合物、該化合物の互変異性体、プロドラッグ若しくはその医薬的に許容され得る塩又はそれらの溶媒和物。
【0055】
17) Rがエチル基に変換された上記9)から15)の何れかに記載の化合物、該化合物の互変異性体、プロドラッグ若しくはその医薬的に許容され得る塩又はそれらの溶媒和物
【0056】
18) 上記1)から17)の何れかに記載の化合物、該化合物の互変異性体、プロドラッグ若しくはその医薬的に許容され得る塩又はそれらの溶媒和物を有効成分として含有するトロンボポエチンレセプター活性化剤。
【0057】
19) 上記18)に記載のトロンボポエチンレセプター活性化剤を有効成分として含有するトロンボポエチンレセプター活性化作用が有効な疾患の予防・治療・改善薬。
【0058】
20) 上記18)に記載のトロンボポエチンレセプター活性化剤を有効成分として含有する血小板増多剤。
【0059】
21) 上記1)から17)の何れか又は式(I)で表される化合物、該化合物の互変異性体、プロドラッグ若しくはその医薬的に許容され得る塩又はそれらの溶媒和物を有効成分として含有する医薬。
【0060】
本発明には、本発明の式(I)で示される化合物は、環内或いは環外異性化により生成する互変異性体、幾何異性体、互変異性体若しくは幾何異性体の混合物、又はそれらの混合物の形で存在しもよい。本発明の化合物は、異性化により生じるか否かに拘わらず、不斉中心を有する場合は、分割された光学異性体或いはそれらを任意の比率で含む混合物の形で存在してよい。
【0061】
本発明の式(I)で示される化合物或いはその製薬上許容される塩は製造条件により任意の結晶形あるいは任意の水和物の形として存在することができるが、これら結晶形や水和物およびそれらの混合物も本発明の範囲に含有される。またアセトン、エタノール、テトラヒドロフランなどの有機溶媒を含む溶媒和物として存在することもあるが、これらの形態はいずれも本発明の範囲に含有される。
【0062】
本発明の式(I)で示される化合物は、必要に応じて製薬上許容される塩に変換しても、または生成した塩から遊離させてもよい。本発明の製薬上許容される塩としては、例えば、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウムなど)、アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウムなど)、アンモニウム、有機塩基及びアミノ酸との塩などが挙げられる。また無機酸(塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸など)及び有機酸(酢酸、クエン酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸など)との塩であってもよい。
【0063】
プロドラッグとして利用できる化合物は、加溶媒分解によりまたは生理的条件下のインビボにおいて本発明の薬理学的に活性な化合物を生成する、化学的または代謝的に分解できる基を有する本発明の誘導体である。適当なプロドラッグを選択する方法および製造する方法は、例えばDesign of Prodrugs(Elsevier,Amsterdam 1985)に記載されている。本発明において、水酸基を有する化合物である場合は、該化合物と適当なアシルハライドまたは適当な酸無水物とを反応させることによって得られるアシルオキシ誘導体がプロドラッグとして例示される。プロドラッグとして特に好ましいアシルオキシとしては-OCOC2H5、-OCO(t-Bu)、-OCOC15H31、-OCO(m-CO2Na-Ph)、-OCOCH2CH2CO2Na、-OCOCH(NH2)CH3、-OCOCH2N(CH3)2などがあげられる。本発明を形成する化合物がアミノ基を有する場合は、アミノ基を有する化合物と適当な酸ハロゲン化物または適当な混合酸無水物とを反応させることにより製造されるアミド誘導体がプロドラッグとして例示される。プロドラッグとして特に好ましいアミドとしては、-NHCO(CH2)20OCH3,-NHCOCH(NH2)CH3等があげられる。
【0064】
本発明のトロンボポエチンレセプター活性化剤を有効成分として含有する、トロンボポエチンレセプター活性化作用が有効な疾患の予防・治療・改善薬、又は血小板増多剤は、通常錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、丸剤、シロップ剤などの経口投与剤、直腸投与剤、経皮吸収剤あるいは注射剤として投与できる。本剤は1個の治療剤として、あるいはほかの治療剤との混合物として投与できる。それらは単体で投与してもよいが、一般的には医薬組成物の形態で投与する。それらの製剤は、薬理的、製剤学的に許容しうる添加物を加え、常法により製造することができる。すなわち、経口剤には通常の賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、湿潤剤、可塑剤、コーティング剤などの添加物を使用することができる。経口用液剤は、水性または油性懸濁液、溶液、乳濁液、シロップ、エリキシルなどの形態であってもよく、あるいは使用前に水またはほかの適当な溶媒で調製するドライシロップとして供されてもよい。前記の液剤は、懸濁化剤、香料、希釈剤あるいは乳化剤のような通常の添加剤を含むことができる。直腸内投与する場合は座剤として投与することができる。坐剤はカカオ脂、ラウリン脂、マクロゴール、グリセロゼラチン、ウィテップゾール、ステアリン酸ナトリウムまたはそれらの混合物など、適当な物質を基剤として用い、必要に応じて乳化剤、懸濁化剤、保存剤などを加えることができる。注射剤は、水性剤形あるいは用時溶解型剤形を形成するために、注射用蒸留水、生理食塩水、5%ブドウ糖溶液、プロピレングリコールなどの溶解剤ないし溶解補助剤、pH調節剤、等張化剤、安定化剤などの製剤成分が使用される。
【0065】
本発明の薬剤をヒトに投与する場合は、その投与量を患者の年齢、状態により決定するが通常成人の場合、経口剤あるいは直腸内投与では0.1〜1000mg/ヒト/日程度、注射剤で0.05mg〜500mg/ヒト/日程度である。これらの数値はあくまでも例示であり、投与量は患者の症状にあわせて決定されるものである。
【0066】
本発明は、トロンボポエチンレセプター親和性及びアゴニスト活性を有する化合物を使用することにより病態の改善が期待できる時に使用される。具体的には、血小板数の異常を伴う血液疾患が挙げられる。より詳細には巨核球による造血過程の異常に起因するヒトを含む哺乳類の疾患、とりわけ血小板減少を伴う疾患の治療や予防に有用である。このような疾患としては例えば、癌化学療法及び又は癌放射線療法に伴う血小板減少、C型肝炎等の抗ウイルス療法に伴う血小板減少、骨髄移植、手術、及び重症感染症による血小板減少、あるいは消化管出血等をあげることができるが、これらに限定されるものではない。血小板減少を伴う代表的な疾患である再生不良性貧血や特発性血小板減少性紫斑病、骨髄異形成症候群、肝疾患、HIV感染症、トロンボポエチン欠損症なども本発明の医薬適用対象である。また、本発明は末梢血幹細胞放出促進剤、巨核球性白血病細胞の分化誘導剤、血小板ドナーの血小板増加剤などとして使用することもできる。またこの他、血管内皮及び内皮前駆細胞の分化増殖により、血管新生療法に用いたり、動脈硬化症,心筋梗塞,不安定狭心症,末梢動脈閉塞症などを予防・治療する場面が想定されるが、これらに限定されるものではない。
【0067】
式(I)で表される化合物は、例えば以下の式(1)の製造法により製造することができる。
【化15】

【0068】
化合物(III)に-NH体化合物(IV)を溶媒中、必要に応じて触媒の存在下に加熱撹拌することにより目的物あるいは前駆体を得ることができる。目的物を得るために、前駆体を、必要に応じて加水分解、脱保護基、還元又は酸化してもよい。本発明化合物は、通常は、カラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、高速液体クロマトグラフィー−質量分析(LC/MS)により精製することが可能であり、必要に応じては再結晶或いは溶媒を用いた洗浄により高純度のものを得ることができる。
【0069】
中間体(III)の合成法に対しては、例えば、ジャーナル オブ ケミカル ソサエティ− パーキン トランスアクションI 81ページ(1985年)(J.Chem.Soc.Perkin Trans.I,81,(1985))に記載の下記の方法がある。
【化16】

【0070】
−NH化合物(IV)の合成方法に対しては、例えば、シンセティック コミュニケイションズ,28(7)1223−1231ページ(1998年)(Synthetic Commun.,28(7)1223−1231(1998))及びジャ−ナル オブ ケミカル ソサエティ−,1225ページ(1948)(J.Chem.Soc.,1225(1948))やジャ−ナル オブ ケミカル ソサエティ−2831ページ(1952)(J.Chem.Soc.,2831(1952))に記載の方法がある。
【0071】
式(I)で表される化合物は、以下の式(3)の製造法により製造することもできる。
【化17】

【0072】
化合物(V)と(VI)を溶媒中、必要に応じて触媒、脱水縮合剤又は塩基の存在下に、加熱撹拌して反応させることによっても目的物あるいは前駆体を得ることができる。目的物を得るために、前駆体を、必要に応じて加水分解、脱保護基、還元又は酸化してもよい。本発明化合物は、通常は、カラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、高速液体クロマトグラフィー−質量分析(LC/MS)により精製することが可能であり、必要に応じては再結晶や溶媒を用いた洗浄により高純度のものを得ることができる。
【0073】
化合物(V)は化合物(III)とヒドラジン又はその等価体を溶媒中で必要に応じて触媒の存在下、加熱撹拌することにより得ることができる。
【実施例】
【0074】
以下に参考合成例、合成例、試験例、製剤例を示し、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
尚、LC/MSは以下の条件で測定した。
LC/MS 条件1
カラム:Waters SunFire C18(3.5μm、4.6x30mm)
溶離液:アセトニトリル/0.1%ギ酸水溶液(10/90→30/70)
LC/MS 条件2
カラム:Waters SunFire C18(3.5μm、4.6x30mm)
溶離液:アセトニトリル/0.1%ギ酸水溶液(10/90→60/40)
LC/MS 条件3
カラム:Waters Xterra MSC18(5μm、4.6x50mm)
溶離液:アセトニトリル/0.1%ギ酸水溶液(10/90→85/15)
LC/MS 条件4
カラム:Waters Xterra MSC18(3.5μm、2.1x20mm)
溶離液:アセトニトリル/0.2%ギ酸水溶液(20/80→90/10)
【0075】
参考合成例1
5−ヒドラジノカルボニル−チオフェン−2−カルボン酸 ジエチルアミドの合成

5−(ジエチルカルバモイル)−チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(247mg,1.02mmol)のエタノール(9mL)溶液にヒドラジン一水和物(495mg,10.2mmol)を加え、90℃で6時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチル及びクロロホルムで抽出した。抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮することにより、目的物を得た(収率89%)。
形状:白色固体
LC/MS:条件4 保持時間0.63(分)
LC/MS (ESI+) m/z;242 [M+1]+
【0076】
参考合成例2
5−ヒドラジノカルボニル−チオフェン−2−カルボン酸 2−ピコリルアミドの合成

5−(2−ピコリルカルバモイル)−チオフェン−2−カルボン酸メチルエステルを用いて参考合成例1と同様にして、目的物を得た(収率81%)。
形状:白色固体
LC/MS:条件1 保持時間0.28(分)
LC/MS (ESI+) m/z;277 [M+1]+
LC/MS (ESI-) m/z;275 [M-1]-
【0077】
参考合成例3
5−ヒドラジノカルボニル−チオフェン−2−カルボン酸 2−プロピルアミドの合成

5−(2−プロピルカルバモイル)−チオフェン−2−カルボン酸 メチルエステル(1.22g,5.37mmol)をエタノール(40mL)に溶解し、これにヒドラジン一水和物(2.7g)を加えた後16時間、85℃で加熱還流した。冷却後、溶媒を留去し、得られた固体をクロロホルムで再結晶することで目的物を549.2mg得た(収率45%)。
形状:無色固体
LC/MS:条件2 保持時間1.07(分)
LC/MS (ESI+) m/z;226 [M+1]+
【0078】
参考合成例4
5−ヒドラジノカルボニル−チオフェン−2−カルボン酸 4−ピコリルアミドの合成

5−(4−ピコリルカルバモイル)−チオフェン−2−カルボン酸メチルエステルを用いて参考合成例3と同様にして目的物を得た(収率81%)。
形状:白色固体
LC/MS:条件1 保持時間0.23(分)
LC/MS (ESI+) m/z;277 [M+1]+
LC/MS (ESI-) m/z;275 [M-1]-
【0079】
参考合成例5
5−ヒドラジノカルボニル−チオフェン−2−カルボン酸 2−メトキシエチルアミドの合成

5−(2−メトキシエチルカルバモイル)−チオフェン−2−カルボン酸メチルエステルを用いて参考合成例3と同様にして目的物を得た(収率84%)。
形状:白色固体
LC/MS:条件1 保持時間0.34(分)
LC/MS (ESI+) m/z;244 [M+1]+
LC/MS (ESI-) m/z;242 [M-1]-
【0080】
合成例1
5−{1−[4−ヒドロキシ−1−メチル−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]−エチリデン−ヒドラジノカルボニル}−チオフェン−2−カルボン酸 ジエチルアミド カリウム塩の合成

5−{1−[4−ヒドロキシ−1−メチル−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]−エチリデン−ヒドラジノカルボニル}−チオフェン−2−カルボン酸 ジエチルアミド (フリー体)
1-[4-ヒドロキシ-1-メチル-5-(4-トリフルオロメチルフェニル)-1H-ピラゾ−ル-3-イル]エタノン(28mg,0.10mmol、WO2004/108683記載の方法により合成した)、参考合成例1で合成した5−ヒドラジノカルボニル−チオフェン−2−カルボン酸 ジエチルアミド(24mg,0.10mmol)及びp−トルエンスルホン酸(6mg)に2−プロパノール(4mL)を加えて、14時間加熱還流した。冷却後、溶媒を留去し、得られた固形物を2−プロパノール−ジエチルエーテル−ヘキサン系で再結晶することにより、目的物を27mg(収率53%)得た。
形状:淡黄色固体
LC/MS:条件3 保持時間3.44(分)
LC/MS (ESI+) m/z;508 [M+1]+
LC/MS (ESI-) m/z;506 [M-1]-

5−{1−[4−ヒドロキシ−1−メチル−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]−エチリデン−ヒドラジノカルボニル}−チオフェン−2−カルボン酸 ジエチルアミド カリウム塩
5−{1−[4−ヒドロキシ−1−メチル−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]−エチリデン−ヒドラジノカルボニル}−チオフェン−2−カルボン酸 ジエチルアミド(13mg,0.025mmol)をメタノール(2.0mL)に懸濁し、0.1M水酸化カリウム−メタノール(0.25mL)溶液を加えた。この溶液を減圧下濃縮乾固することにより、目的物を得た(収率95%)。
形状:橙色固体
【0081】
合成例2
5−{1−[4−ヒドロキシ−1−メチル−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]−エチリデン−ヒドラジノカルボニル}−チオフェン−2−カルボン酸 2−ピコリルアミド カリウム塩の合成

5−{1−[4−ヒドロキシ−1−メチル−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]−エチリデン−ヒドラジノカルボニル}−チオフェン−2−カルボン酸 2−ピコリルアミド (フリー体)
1−[4−ヒドロキシ−1−メチル−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]エタノン(50mg,0.18mmol)のジメチルスルホキシド(1.0mL)溶液に参考合成例2で合成した5−ヒドラジノカルボニル−チオフェン−2−カルボン酸 2−ピコリルアミド(58mg,0.21mmol)を加え110℃で21時間加熱した。溶媒留去後、残留物を水、そしてクロロホルムで洗浄することにより、目的物を79
mg得た(収率83%)。
形状:淡黄色固体
LC/MS:条件2 保持時間3.27(分)
LC/MS (ESI+) m/z;543 [M+1]+
LC/MS (ESI-) m/z;541 [M-1]-

5−{1−[4−ヒドロキシ−1−メチル−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]−エチリデン−ヒドラジノカルボニル}−チオフェン−2−カルボン酸 2−ピコリルアミド カリウム塩
5−{1−[4−ヒドロキシ−1−メチル−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]−エチリデン−ヒドラジノカルボニル}−チオフェン−2−カルボン酸 2−ピコリルアミドを用い、合成例1と同様にして、目的物を得た(収率100%)。
形状:橙色固体
【0082】
合成例3
5−{1−[4−ヒドロキシ−1−メチル−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]−エチリデン−ヒドラジノカルボニル}−チオフェン−2−カルボン酸 2−プロピルアミドの合成

1−[4−ヒドロキシ−1−メチル−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]エタノン(50mg,0.18mmol、WO2004/108683記載の方法により合成した。)、参考合成例3で合成した5−ヒドラジノカルボニル−チオフェン−2−カルボン酸 2−プロピルアミド(40mg,0.18mmol)及びp−トルエンスルホン酸一水和物(6mg)に2−プロパノール(1.8mL)を加えて、14時間加熱還流した。冷却後、溶媒を留去し、得られた固形物を2−プロパノールで洗浄することにより目的物を36mg得た(収率42%)。
形状:淡黄色固体
LC/MS:条件2 保持時間3.92(分)
LC/MS (ESI+) m/z;494 [M+1]+
LC/MS (ESI-) m/z;492 [M-1]-
【0083】
合成例4
5−{1−[4−ヒドロキシ−1−メチル−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]−エチリデン−ヒドラジノカルボニル}−チオフェン−2−カルボン酸 4−ピコリルアミドの合成

1−[4−ヒドロキシ−1−メチル−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]エタノン(50mg,0.18mmol)のジメチルスルホキシド(0.88mL)溶液に参考合成例4で合成した5−ヒドラジノカルボニル−チオフェン−2−カルボン酸 4−ピコリルアミドを加え100℃で24時間加熱した。溶媒留去後、水そしてクロロホルムで洗浄することにより目的物を54mg得た(収率56%)。
形状:淡黄色固体
LC/MS:条件2 保持時間2.44, 2.67(分)
LC/MS (ESI+) m/z;543 [M+1]+
LC/MS (ESI-) m/z;541 [M-1]-
【0084】
合成例5
5−{1−[4−ヒドロキシ−1−メチル−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]−エチリデン−ヒドラジノカルボニル}−チオフェン−2−カルボン酸 2−メトキシエチルアミドの合成

1−[4−ヒドロキシ−1−メチル−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]エタノン(50mg,0.18mmol)と参考合成例5で合成した5−ヒドラジノカルボニル−チオフェン−2−カルボン酸 2−メトキシエチルアミド(64mg,0.26mmol)のジメチルホルムアミド(0.88mL)溶液に、室温で濃塩酸(15μL,0.18mmol)を加え15時間撹拌した。反応終了後、水を加え、得られた結晶をろ取し、乾燥した。クロロホルムを加え、得られた結晶をろ取して、目的物を59mg得た(収率66%)。
形状:黄色固体
LC/MS:条件2 保持時間3.68(分)
LC/MS (ESI+) m/z;510 [M+1]+
LC/MS (ESI-) m/z;508 [M-1]-
【0085】
合成例6
5−{1−[5−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ヒドロキシ−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−エチリデン−ヒドラジノカルボニル}−チオフェン−2−カルボン酸 4−ピコリルアミドの合成

1−[5−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ヒドロキシ−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]エタノン(40mg,0.14mmol)のジメチルスルホキシド(1.0mL)溶液に参考合成例4で合成した5−ヒドラジノカルボニル−チオフェン−2−カルボン酸 4−ピコリルアミド(39mg,0.14mmol)を加え、110℃で10.5時間静置した。溶媒を留去し、残留物をクロロホルム(1.0mL)に溶解した。これにヘキサン(2.0mL)を加えた後、生じる結晶をろ取して、目的物を40mg得た(収率53%)。
形状:淡黄色固体
LC/MS:条件2 保持時間2.80(分)
LC/MS (ESI+) m/z;543, 545 [M+1]+
LC/MS (ESI-) m/z;541, 543 [M-1]-
【0086】
以下に参考合成例、合成例化合物の構造式を示す。
【化18】

【0087】
試験例1 トロンボポエチン依存性細胞株の増殖促進活性
本発明化合物である合成例化合物のトロンボポエチン(TPO)レセプター応答性を、ヒト白血病細胞株UT7/EPO-mplを用いて測定した。
【0088】
(1)細胞及び培養
細胞株UT7/EPO-mplはTakatokuらの方法(J. Biol. Chem.,272:7259−7263(1997))により、cytomegalovirus immediate-earlyプロモーター制御下にてヒトトロンボポエチンレセプター(c-mpl)発現を誘導するベクターをヒト白血病細胞株UT7/EPOに導入した安定形質転換細胞株であり、トロンボポエチンに応答して増殖反応を示す。なお、その親株であるUT7/EPO細胞はトロンボポエチンに応答性を示さない。上記2種の細胞は10%牛血清(Thermo ElectronあるいはBioWest)を含むIMDM培地(GIBCO)中で、COインキュベーター(5%CO2、37℃)を用いて継代培養した。
【0089】
(2)細胞増殖の測定
上記継代培養細胞をPBSで2回洗浄後、細胞濃度が6×10個/mLとなるように10%牛血清を含むIMDM培地に懸濁し、この懸濁液100μLを組織培養用96穴プレート(CORNING)に移した。さらに、トロンボポエチン(Pepro Tech EC)あるいは別途ジメチルスルホキシド中に溶解した合成例化合物を10%牛血清を含むIMDM培地にて83倍希釈した後、上記細胞懸濁液に20μLずつ添加した。引き続き、本細胞懸濁液をCO2インキュベーター(5%CO2、37℃)中にて4日間培養した。細胞増殖はWST-8試薬(岸田化学)を用い、添付の説明書に従って測定した。すなわち、各穴に10μLの5mMのWST-8試薬溶液を添加し、37℃にて4時間加温した。生成したホルマザン色素は96穴マイクロプレートリーダー(日本モレキュラーデバイス、Spectramax190)を用いて450nmの吸光度を測定した。トロンボポエチン応答性細胞株UT7/EPO-mplの増殖は合成例の化合物により濃度依存的に促進された。合成例化合物は上記細胞の親株であるUT7/EPOの増殖には影響を及ぼさなかった。以上の結果より、本発明の合成例化合物はトロンボポエチンレセプターに特異的に作用し、その活性化剤として働くことが明らかとなった。
合成例化合物1〜6(合成例化合物1と2は、フリー体を用いた)を試験し、10ng/mLのTPOにおけるヒト白血病細胞株UT7/EPO-mplの増殖率を100%としたときの50%増殖率を与える化合物濃度(EC50)を求めた。合成例化合物1〜6の各化合物のEC50は約10ng/mL以下を示した。
【0090】
試験例2
合成例化合物を10mg/mLの濃度になるよう0.5%メチルセルロース液/Polyoxyethylene Sorubitan Monooleate=99/1の液に懸濁した。その懸濁液をSprague-Dawleyラット雄 7週令(日本SLC)に10mg/kg/10mLの用量でゾンデを用いて強制経口投与した。ヘパリンを抗凝血薬として用い、化合物投与後0.5から2時間後にラット頚静脈より経時的に採血した。得られた血液を3500min-1で10分間遠心分離し、血漿を得た。得られた血漿を試験例1記載のヒト白血病細胞株UT7/EPO-mpl細胞増殖試験の系に血漿最終濃度0.1〜3%となるように添加し、細胞増殖活性を測定した。それぞれの化合物の細胞増殖濃度-反応曲線を検量線として作成し、得られた血漿中の細胞増殖活性を各化合物濃度として算出した。ラットへ経口投与0.5〜2時間後における各化合物の最高血漿中濃度(Cmax)を第3表に示す。
【0091】
第3表
───────────────────
合成例 Cmax
No. (μg/mL)
───────────────────
1 0.76
2 1.2
───────────────────
【0092】
試験例3 巨核球コロニー形成促進活性
本発明化合物である以下の合成例化合物2〜6および参考合成例化合物6〜7の巨核球系細胞の増殖・分化・成熟に関する作用を、ヒト骨髄細胞を用いた巨核球コロニー形成法により測定した。ジメチルスルホキシド中に溶解した合成例化合物を0.1%(v/v)添加したMegaCultTM-C (StemCell Technologies)を用いて、ヒト骨髄CD34陽性細胞(Cambrex Bio Science Walkersville)を、2well chamberスライドにて、11日間、COインキュベーター(5%CO2、37℃)を用いて培養した。添付の説明書に従って、脱水、固定した後、抗glycoprotein IIb/IIIa抗体にて染色した。染色された巨核球細胞の8個以上の集団を1コロニーとし、1wellあたりのコロニー数を顕鏡にて測定した。試験は2well以上を用いて行い、その平均値を巨核球コロニー数として評価した。
その結果、本発明化合物は優れた巨核球コロニー形成促進作用を有し、該作用に基づく血小板増多活性を有することが確認された。
【0093】
その結果を第4表に示す。
第4表
──────────────────────
1 μg/mL
化合物 におけるコロニー数
──────────────────────
合成例2 121
合成例3 141
合成例4 111
合成例5 335
合成例6 173
参考合成例6 1
参考合成例7 3
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【0094】
製剤例1
以下の成分を含有する顆粒剤を製造する
成分 式(I)で表される化合物 10mg
乳糖 700mg
コーンスターチ 274mg
HPC−L 16mg
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計 1000mg
式(I)で表される化合物と乳糖を60メッシュのふるいに通す。コーンスターチを120メッシュのふるいに通す。これらをV型混合機にて混合する。混合末に低粘度ヒドロキシプロピルセルロース(HPC-L)水溶液を添加し、練合、造粒(押し出し造粒 孔径0.5〜1mm)した後、乾燥する。得られた乾燥顆粒を振動ふるい(12/60メッシュ)で篩過し顆粒剤を得る。
【0095】
製剤例2
以下の成分を含有するカプセル充填用散剤を製造する。
成分 式(I)で表される化合物 10mg
乳糖 79mg
コーンスターチ 10mg
ステアリン酸マグネシウム 1mg
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計 100mg
式(I)で表される化合物と乳糖を60メッシュのふるいに通す。コーンスターチを120メッシュのふるいに通す。これらとステアリン酸マグネシウムをV型混合機にて混合する。10倍散100mgを5号硬ゼラチンカプセルに充填する。
【0096】
製剤例3
以下の成分を含有するカプセル充填用顆粒剤を製造する。
成分 式(I)で表される化合物 15mg
乳糖 90mg
コーンスターチ 42mg
HPC−L 3mg
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計 150mg
式(I)で表される化合物と乳糖を60メッシュのふるいに通す。コーンスターチを120メッシュのふるいに通す。これらをV型混合機にて混合する。混合末に低粘度ヒドロキシプロピルセルロース(HPC-L)水溶液を添加し、練合、造粒した後、乾燥する。得られた乾燥顆粒を振動ふるい(12/60メッシュ)で篩過し整粒し、その150mgを4号硬ゼラチンカプセルに充填する。
【0097】
製剤例4
以下の成分を含有する錠剤を製造する。
成分 式(I)で表される化合物 10mg
乳糖 90mg
微結晶セルロース 30mg
ステアリン酸マグネシウム 5mg
CMC-Na 15mg
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計 150mg
式(I)で表される化合物と乳糖と微結晶セルロース、CMC-Na(カルボキシメチルセルロース ナトリウム塩)を60メッシュのふるいに通し、混合する。混合末にステアリン酸マグネシウムを添加し、製剤用混合末を得る。本混合末を直打し150mgの錠剤を得る。
【0098】
製剤例5
静脈用製剤は次のように製造する。
式(I)で表される化合物 100mg
飽和脂肪酸グリセリド 1000mL
上記成分の溶液は通常、1分間に1mLの速度で患者に静脈内投与される。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明化合物は、トロンボポエチンレセプターに親和性及びアゴニスト作用を示すため、トロンボポエチンレセプター活性化作用が有効な疾患の予防・治療・改善薬、特に、血小板減少症等の血小板数の異常を伴う血液疾患の病態に対する薬剤や血管内皮および内皮前駆細胞の分化増殖を促進することで治療予防できる病態に対する薬剤として用いることができ、医薬品として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

[式中、Rは、フェニル基(該フェニル基は、1つ以上のC1−6アルキル基、1つ以上のC1−3アルキル基(該C1−3アルキル基は1つ以上のハロゲン原子で置換されている。)又は1つ以上のハロゲン原子で置換されていてもよい。)を意味し、Rは水素原子又はC1−3アルキル基(該C1−3アルキル基は1つ以上のハロゲン原子で置換されていてもよい。)を意味し、Rはチエニル基(該チエニル基は、(C=O)NR(式中Rは水素原子又はC1−3アルキル基(該C1−3アルキル基は1つ以上のハロゲン原子で置換されていてもよい。)を意味し、RはC1−6アルキル基(該C1−6アルキル基は1つ以上のハロゲン原子、1つ以上の水酸基、1つ以上のC1−3アルコキシ基(該C1−3アルコキシ基は1つ以上のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、1つ以上のフェニル基、1つ以上のチエニル基、1つ以上のフリル基又は1つ以上のピリジル基で置換されていてもよい。)を意味する。)で置換されている。)を意味し、RはC1−3アルキル基(該C1−3アルキル基は1つ以上のハロゲン原子で置換されていてもよい。)を意味する。]で表される化合物、該化合物の互変異性体、プロドラッグ若しくはその医薬的に許容され得る塩又はそれらの溶媒和物。
【請求項2】
及びRがメチル基である請求項1記載の化合物、該化合物の互変異性体、プロドラッグ若しくはその医薬的に許容され得る塩又はそれらの溶媒和物。
【請求項3】
が3,4−ジメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基又は3,4−ジクロロフェニル基である請求項2記載の化合物、該化合物の互変異性体、プロドラッグ若しくはその医薬的に許容され得る塩又はそれらの溶媒和物。
【請求項4】
が式(II)
【化2】

(式中Rが水素原子又はC1−3アルキル基であり、RがC1-3アルキル基(該C1-3アルキル基は2−ピリジル基で置換されている。)を意味する。)である請求項3記載の化合物、該化合物の互変異性体、プロドラッグ若しくはその医薬的に許容され得る塩又はそれらの溶媒和物。
【請求項5】
が式(II)
【化3】

(式中RがC1−3アルキル基であり、RがC1−6アルキル基を意味する。)である請求項3記載の化合物、該化合物の互変異性体、プロドラッグ若しくはその医薬的に許容され得る塩又はそれらの溶媒和物。
【請求項6】
が式(II)
【化4】

(式中Rが水素原子又はC1−3アルキル基であり、RがC1−3アルキル基(該C1−3アルキル基は4−ピリジル基又はC1−3アルコキシ基で置換されている。)を意味する。)である請求項3記載の化合物、該化合物の互変異性体、プロドラッグ若しくはその医薬的に許容され得る塩又はそれらの溶媒和物。
【請求項7】
が式(II)
【化5】

(式中Rが水素原子であり、RがC1−3アルキル基を意味する。)である請求項3記載の化合物、該化合物の互変異性体、プロドラッグ若しくはその医薬的に許容され得る塩又はそれらの溶媒和物。
【請求項8】
が4−トリフルオロメチルフェニル基である請求項4乃至7の何れか1項に記載の化合物、該化合物の互変異性体、プロドラッグ若しくはその医薬的に許容され得る塩又はそれらの溶媒和物。
【請求項9】
が3,4−ジクロロフェニル基である請求項4乃至7の何れか1項に記載の化合物、該化合物の互変異性体、プロドラッグ若しくはその医薬的に許容され得る塩又はそれらの溶媒和物。
【請求項10】
が3,4−ジメチルフェニル基である請求項4乃至7の何れか1項に記載の化合物、該化合物の互変異性体、プロドラッグ若しくはその医薬的に許容され得る塩又はそれらの溶媒和物。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れか1項に記載の化合物、該化合物の互変異性体、プロドラッグ若しくはその医薬的に許容され得る塩又はそれらの溶媒和物を有効成分として含有するトロンボポエチンレセプター活性化剤。
【請求項12】
請求項11記載のトロンボポエチンレセプター活性化剤を有効成分として含有するトロンボポエチンレセプター活性化作用が有効な疾患の予防・治療・改善薬。
【請求項13】
請求項11記載のトロンボポエチンレセプター活性化剤を有効成分として含有する血小板増多剤。
【請求項14】
請求項1乃至10の何れか1項に記載の化合物、該化合物の互変異性体、プロドラッグ若しくはその医薬的に許容され得る塩又はそれらの溶媒和物を有効成分として含有する医薬。

【公表番号】特表2009−501695(P2009−501695A)
【公表日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−502766(P2008−502766)
【出願日】平成18年7月19日(2006.7.19)
【国際出願番号】PCT/JP2006/314713
【国際公開番号】WO2007/011056
【国際公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願人】(000003986)日産化学工業株式会社 (510)
【Fターム(参考)】