説明

ピリジノピリジノン誘導体、この調製およびこの治療用途

本発明は、一般式(I)


(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、V、W、Y、Z、およびmは、明細書に定義する通りである。)を有する、ピリジノ−ピリジノン誘導体に関する。また、本発明は、誘導体の調製方法および治療的用途にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、7位がアリールまたはヘテロアリールで置換されたピリドピリドン誘導体であって、任意に、−[C(R3)(R4)]−U−N(R5)(R6)タイプの単位で置換された誘導体、これらの調製、ならびにPDGF(血小板由来増殖因子)リガンド受容体およびおそらくFLT3(fms様チロシンキナーゼ受容体)リガンド受容体のキナーゼ活性の抑制剤としての治療用途に関する。
【背景技術】
【0002】
FLT3およびPDGF−R受容体は、チロシンキナーゼ受容体(TKR)ファミリーのクラスIIIのメンバーで、このクラスには、幹細胞因子(c−kit)受容体およびM−CSF(c−fms)受容体も含まれる。これらの受容体は、リガンド結合領域を含有する5つの免疫グロブリン様ドメインおよび膜貫通ドメインで構成された細胞外ドメインと、膜近傍ドメインおよび挿入ドメインによって2つに分割されたキナーゼドメイン(分割ドメイン)で構成された細胞内部分とを特徴とする(Ullrich & Schlessinger,1990)。
【0003】
リガンドがTKRに結合することにより、この受容体の二量体化およびこれらのチロシンキナーゼ部分の活性化が誘発され、これによりチロシン残基のトランスリン酸化が起こる(Weiss & Schlessinger,1998)。従って、これらのリン酸化された残基は、細胞内情報伝達タンパク質に対する付着点として作用し、最終的に、細胞の維持、分裂、増殖、分化または遊走である種々の細胞応答を引き起こす(Claesson−Welsh,1994)。
【0004】
FLT3をコードする遺伝子は、染色体13q12(Rosnetら,1992)上に位置し、造血性細胞、特に未熟細胞、例えば造血性幹細胞および骨髄系リンパ系多能性前駆細胞によって特異的に発現されるFLT3タンパク質(CD135抗原)をコードし、この発現は造血性分化の過程で消滅する。このリガンドであるFLT3リガンドは、受容体の二量体化を誘発し、次いで受容体の細胞内部の自己リン酸化が起き、これにより情報伝達カスケードの活性化が起こる。リガンドによる受容体の活性化の結果、多能性前駆細胞は生存し、増殖する。
【0005】
PDGF受容体の2種類のイソ型、PDGF−Rα鎖およびPDGF−Rβ鎖が明らかになっており、これらは、このリガンドが結合した後、ホモまたはヘテロ二量化し、細胞内情報伝達を誘発する。PDGF受容体は、本質的に、間葉系起源の細胞によって発現され、とりわけ、線維芽細胞、平滑筋細胞、周皮細胞およびグリア細胞上に見出される(Rossら,1986,Heldin,1992)。
【0006】
血小板由来増殖因子、PDGF、分子量が約30000ダルトンのタンパク質は、本質的に血小板によって、ならびに二次的には内皮、血管平滑筋および単球によって分泌される。PDGFは、ホモ二量体またはヘテロ二量体のいずれかを形成するジスルフィド架橋を介して互いに結合する2本のポリペプチド鎖で形成されている。4種類の遺伝子(7p22、22q13、4q31および11q22)が、4種の異なるポリペプチド鎖(A、B、CおよびD)のコーディングとして記載されており、これらは、ひとたび二量体化すると、5種類の生物学的に活性なリガンド、PDGF−AA、BB、CC、DDおよびAB(参考までに、Yuら,2003参照)となる。結合特異性が存在し、とりわけ、受容体のαイソ型に対するPDGF−AA、BB型に対するPDGF−D、ならびにαおよびα/β型に対するPDGF−Cが挙げられる。PDGFリガンドは、強力な細胞分裂促進物質であるが、細胞の遊走、生存、アポトーシスおよび形質転換現象にも関与する。
【0007】
種々の治療分野において、PDGF−Rα、βおよびFLT3機能の抑制剤が介在する。これらの受容体が関与し得る生理病理学的現象には、液状癌または白血病、腫瘍細胞および/または腫瘍環境の細胞(血管細胞、線維芽細胞)を標的とする転移があるまたはこの転移がない固形癌、線維症、および血管性疾患がある。
【0008】
A.液状癌
白血病は異なる種類があり、骨髄コンパートメントまたはリンパコンパートメントのどちらかに影響を及ぼす。
【0009】
急性骨髄性白血病(AML)に由来する白血病細胞中でのFLT3の発現は、ほぼ100%の状態に達し、従って、FLT3は、白血病細胞の生存および増殖の刺激を引き起こす一因である(Carowら,1996;Drexlerら,1996,Stacchiniら,1996)。
【0010】
さらに、成人AMLの22%から30%、乳児AMLの11%で、FLT3は、突然変異を活性化する部位である。受容体の膜貫通領域(より特にエクソン14および15)における遺伝子内縦列重複(ITD)の状態は、非常にしばしばある。これらの突然変異は読み枠を保存し、読み枠のサイズは18塩基対と111塩基対との間の範囲であり得る。より簡単には、AMLの約7%において、キナーゼドメインに位置する残基D835で点突然変異が見出される。過半数の症例で、FLT3ITD型は、再発の危険性がより高く、低生存予後の指標である。これらの2つのタイプの突然変異は、リガンドによる刺激とは無関係の、キナーゼドメインの恒常的活性を引き起こし、インビトロおよびインビボで、形質転換造血性細胞として示されている(Mizukiら,2000;Tseら;2000)。Kellyら(2002)は、マウスの骨髄再構成モデルで、FLT3ITDが骨髄増殖症候群を引き起こすことを明確に示している。
【0011】
チロシンキナーゼ活性の抑制剤を用いることの有用性は、インビトロでもインビボでも複数チームにより報告されており、近年では、FLT3ITD骨髄再構成モデルにおいて、このような抑制剤は、腫瘍後退を誘発することができ、動物の生存率を増加することができるということが示されている(O’Farrell,2003)。
【0012】
さらに、最近のデータでは、このような抑制剤とダウノルビシンのような細胞毒性剤との組合せも有用性があることが示されている(Levisら,2004)。
【0013】
興味深いことに、AMLタイプの芽細胞は、キナーゼ活性のある他の受容体、例えばc−kitまたはPDGF−Rを過剰発現させる可能性もある。
【0014】
骨髄増殖症候群/骨髄異形成症候群
骨髄増殖症候群では、染色体転座後の染色体異常が極めて頻繁に報告されている。これらの再編成は、芽球型骨髄系細胞の増殖に関与する、チロシンキナーゼ活性を持つ変質した融合タンパク質を生み出す。
【0015】
PDGF−Rβキナーゼ活性を持つ融合タンパク質
PDGF−Rβキナーゼ活性を持つ融合タンパク質は、PDGF−Rβの細胞内部分、または他のタンパク質(一般的に転写因子)のN−末端ドメインから構築されている。特に、慢性骨髄単球性白血病(CMML)では、Rab5/PDGF−Rβ、H4−PDGF−Rβ、HIP1−PDGF−RBまたはTel/PDGF−Rβが報告されている。後者が、最も一般的な代表例である。これは、t(5;12)(q31;p12)転座から生じ、Tel転写因子のN末端部分と、PDGF−RβのC末端部分とで構築された融合タンパク質をコードする。Tel部分に存在するオリゴマー化ドメインにより、融合タンパク質の二量体化形態およびキナーゼドメインの恒常的活性が生み出される。このタンパク質は、造血性細胞を形質転換できることが、幾つかの例において、インビトロで示され、特に詳しい様式は、M.Carrolらの記事にある(PNAS,1996,93,14845−14850)。この融合タンパク質は、インビボで、骨髄系細胞の過剰増殖症候群を引き起こす(Ritchieら,1999)。
【0016】
さらに、動物、および臨床的にはヒトにおいても、チロシンキナーゼ活性の抑制剤は、芽細胞の増殖を抑制し、白血病誘発過程の排除を可能にすることが示されている。
【0017】
PDGF−Rα活性を持つ融合タンパク質
PDGF−Rαに関与する2種類の融合タンパク質として、非定型慢性骨髄性白血病(CML)に存在するbcr−PDGF−Rα、および白血病の亜集団、好酸球増加症候群から生じるLEC「好酸球性白血病」中に見出されるFlP1L1−PDGF−Rαが報告されている(Griffinら,2003)。この融合タンパク質は、PDGF−Rαのキナーゼドメインの恒常的活性を有し、これらの細胞の無秩序な増殖の原因である。
【0018】
PDGF−Rαのキナーゼ活性の抑制剤は、陽性FIP1L1−PDGF−Rα細胞の増殖に効力を示しており、抑制化合物は、近年、HES/CELについて望ましい徴候が認められている。
【0019】
従って、本発明の化合物が行うような、PDGF−Rαおよびβのキナーゼ活性、ならびにFLT3wtおよびFLT3ITD活性の抑制は、AMLの治療的関心事となる見込みがあるかもしれない。
【0020】
AMLおよび骨髄増殖症候群以外に、ALL−BおよびALL−T(急性リンパ性白血病BまたはT)を始めとする、FLT3も発現する他の白血病をこのような抑制剤を用いて標的とすることに関心がもたれるかもしれない。さらに、造血性幹細胞でのFLT3の正常な発現、および白血病幹細胞での発現の実証によって、FLT3のキナーゼ活性の抑制剤は、耐性のある再発において白血病幹細胞の役割が関与する、全ての白血病(CMLを含む。)において関心対象となる見込みがあるかもしれない。
【0021】
B.固形癌
PDGF−Rαおよびβ受容体のチロシンキナーゼ活性の抑制剤は、自己分泌およびパラ分泌活性によりPDGF−RのTK抑制活性に敏感になる腫瘍細胞を直接標的とする方法、またはネットワークを不安定化し他の治療薬との関係を促進することにより周囲の細胞を標的とする方法のいずれかによって、固形癌に対する関心対象となるかもしれない。
【0022】
標的が腫瘍細胞である固形癌の例
【0023】
*軟組織癌:ユーイング肉腫
ユーイング肉腫は、主に子供および若年成人(平均年齢は13歳)に発症する、骨癌の形態である。原発性骨腫瘍の10%がこれに関わり、転移のリスクが高い。1年間に、100万人当たり2、3人の人が発症する珍しい腫瘍である。腫瘍細胞は、EWS/FLI1融合タンパク質をコードするt(11;22)染色体転座を特徴とする。
【0024】
原因細胞は間充織の細胞であり、これは、PDGF−BBによる刺激下で、ユーイング肉腫細胞の運動および成長を誘発するPDGF−Rβ受容体を発現する(Uerenら,2003)。さらに、ZwernerおよびMay(2001)は、ユーイング肉腫細胞によるPDGF−Cの発現を実証している。
【0025】
これらの原因細胞は、c−kitTKR受容体も発現し、PDGF−Rおよびc−kitのキナーゼ活性の抑制剤は、マウスの異種移植モデルにおいて、ユーイング肉腫系の腫瘍成長を抑制できることが示されている(Merchantら,2002)。
【0026】
*結合組織腫瘍(GIST,皮膚線維肉腫)
GIST(消化管間質性腫瘍)
Fletcherグループ(2004)は、KITが変異も過剰発現もしないGIST(KIT−wt)の15%を調査した。これらの著者らは、PDGF−Rα受容体の強い過剰発現を観察した。この状況は、これらのGIST KIT−wtの約3分の1で見られる。PDGF−RAの突然変異について、著者らは、KITが正常な場合これら(35%)を観察する。突然変異したPDGF−RAは、高く、恒常的なチロシンキナーゼ活性を有し、842位のアスパラギン酸に影響を及ぼす。ユーイング肉腫の場合と同じように、c−kitおよびPDGF−Rのキナーゼ活性の2種類の抑制剤は、インビトロおよびインビボで、突然変異PDGF−Rα細胞の増殖に対して有効である(Le Tourneauら,2007;Corlessら,2005)。
【0027】
皮膚線維肉腫(ダリエー・フェラン(Darier−Ferrand)病、または隆起性またはDFSP)
ダリエー・フェラン皮膚線維肉腫(またはDFSP)は、中間悪性の紡錘状細胞を持つ皮膚腫瘍であり、不十分な切除術を行った場合、常習性リスクが大きな、緩慢な状態変化を特徴とする。症例の95%に遺伝子異常が存在することが、1990年に発見され、とりわけ、染色体17および22t(17−22)(q22;q13)染色体の転座が実証され、これは、遺伝子COL1A1およびPDGF Bの融合を起こし、大量のPDGF Bがこのチロシンキナーゼ受容体、PDGF Rを過剰発現させる結果となる。PDGF−Rのキナーゼ活性の抑制により、インビトロで、腫瘍細胞増殖の抑制およびアポトーシスが起こり、これにより、インビボで、免疫不全マウスの腫瘍移植片モデルの腫瘍成長を減らすことが可能になるので、この抑制は、有望な治療法である(Sjoeblom T.ら,2001)。さらに、臨床研究では、DFSPにおけるこのような分子の有効性(完全なまたは全寛解)が示されている(参考までに、McArthur,2007参照)。
【0028】
*神経膠腫および神経膠芽腫
神経膠芽腫は、最も広汎性があり、生存期間中央値が約1年の最も攻撃的な脳の腫瘍である。神経膠腫では、PDGFおよびこの受容体(αおよびβ)が頻繁に発現する。自己分泌/パラ分泌ループが、これらの腫瘍の病原性の一因である可能性がある。PDGF−Rα受容体は、腫瘍細胞で優先的に発現し、一方PDGF−β受容体は、腫瘍の血管内皮細胞で優先的に発現する。PDGF−Rのキナーゼ活性の遮断は、1)インビトロで、軟寒天中のコロニーの数を減らし、細胞株の増殖を抑制することによって、2)ヌードマウスの移植片モデルで腫瘍成長を減少させることで、および3)神経膠芽腫細胞株の細胞の頭蓋内移植片モデルでの照射法との組合せで、有効性を示している(Oerbelら,2006;Gengら,2005,Strawnら,1994,Chinら,1997)。
【0029】
従って、本発明の化合物は、ユーイング肉腫、GISTおよび皮膚線維肉腫に対する関心対象となるばかりでなく、類腱腫、血管腫および他のPDGF−R発現のデータが存在する線維肉腫に対する関心対象ともなる。
【0030】
C.腫瘍環境でのPDGF−Rの標的
血管新生
腫瘍環境の細胞は、原発性腫瘍の場合でも、二次性腫瘍(転移)の場合でも、癌進行の不可欠な部分を形成する。PDGF−Rを発現し、この受容体の役割が実証されている腫瘍環境細胞の中には、血管の壁細胞、即ち周皮細胞および平滑筋細胞、ならびに活性化線維芽細胞が挙げられる。
【0031】
血管新生は、既存の血管から、または骨髄細胞の動員および分化によって、新しい血管を形成するプロセスである。従って、腫瘍の新血管新生の過程では、内皮細胞の制御不能な増殖および骨髄からの血管芽細胞の動員が同時に観察される。幾つかの増殖因子、例えばVEGFおよびFGFは、内皮増殖を刺激することが、インビトロおよびインビボで示されている。これらのメカニズム以外に、周皮細胞および平滑筋細胞のような壁細胞が、新しく形成される血管の安定化に関与することが実証されている。マウスでは、PDGF−Rβの失効により周皮細胞の欠損が起こり、これにより、微小出血および浮腫のため、妊娠期間の終わりに、動物の死を引き起こす(Hellstromら,1999,Hellstromら,2001)。移植術の明確な研究では、周皮細胞によるPDGF−Rβの発現は、内皮細胞によるPDGF−Bの保持を介した腫瘍血管による補充だけでなく、腫瘍細胞により分泌されるPDGF−Bによる補充にも必要であることが示された(Abramssonら,2003)。Songらも、膵腫瘍の遺伝子導入モデルRip1Tag2で、骨髄から誘導された髄で血管周囲の前駆細胞上にPDGF−Rβが発現し、これらの前駆細胞は腫瘍の周りで成熟した周皮細胞に分化したことを示した。
【0032】
腫瘍周皮細胞でのPDGF−Rの活性を遮断する有用性は、動物モデル(膵腫瘍の遺伝子導入モデルおよび神経膠腫の実行)において、PDGF−Rのチロシンキナーゼ活性の抑制剤を使用することにより実証され、腫瘍増殖の効果は、VEGF−Rのキナーゼ活性の抑制剤と深く関連していることがわかる(Bergersら,2003)。文献のデータ(Caoら,2002,Fonsら,2004)によれば、血管新生、ならびに周皮細胞および平滑筋細胞のような細胞に対する内皮前駆細胞の分化において、PDGF−RαおよびPDGF−Cの介入が実証されている。
【0033】
活性化線維芽細胞
PDGF−Rは、腫瘍間質中に豊富に存在し、活性化線維芽細胞(筋線維芽細胞)に見出される。PDGF−R抑制剤または拮抗剤と細胞毒性剤との組合せにより、卵巣癌(Apteら,2004)および膵臓癌(Hwangら,2003)において、血管の微小密度の減少が引き起こされることが2つの研究で示されている。PDGF−Rβは、腫瘍の間質の圧力を調節し(Heuchelら,1999)、PDGF−R抑制剤および化学療法剤を共投与すると、腫瘍内圧力の減少により、腫瘍細胞への送達が改善される(Griffon−Etienne,1999)。最終的には、マウスのモデルで、PDGF−Rのキナーゼ活性の抑制剤の投与によって、腫瘍による化学療法剤の消費を改善し、その結果、化学療法剤の有効性を増加させる(Griffon−Etienne,1999;Pietrasら,2002;Pietrasら,2003)。これらの効果は、疑いの余地なく、CAF(細胞腫関連線維芽細胞)としても知られる、TAF(腫瘍関連線維芽細胞)の効果であり、このTAFは、膵臓癌および子宮頸癌の発癌のインビボモデルにおけるHwangら(2008)、Kainら(2008)およびPietrasら(2008)の最近の調査でも示されている通り、腫瘍の周辺に存在する活性化線維芽細胞であり、PDGF−Rを発現する。腫瘍細胞により産生されたPDGFリガンドによる刺激により線維芽細胞が刺激され、これにより、細胞外マトリックスが産生され、その結果、間質内の圧力が増加する。従って、この圧力が減少することにより、腫瘍への薬物の送達が促進され、それ故、薬物の有効性が増加する。従って、腫瘍間質に存在する活性化線維芽細胞は、腫瘍学における新しい治療標的を表す(参考までに、Bouzin & Feron,2007参照)。
【0034】
転移
幾つかの研究では、PDGF−RおよびPDGF−リガンドペアが、血液循環による血管新生および転移能獲得におけるこれらの作用によって、またリンパ脈管血管新生への直接的な効果、従ってリンパ管による藩種性腫瘍転移によって、転移の進行に、明らかに関与していることが示されている。特定の文献では、リンパ脈管新生およびリンパ性転移におけるPDGF−BBの直接的な役割が検討されている(Caoら,2005)。しかし、過半数の研究が、二次性腫瘍の発症および進行を促進する転移環境におけるPDGF−Rの発現に関する。最も頻繁に報告されている例は、骨転移の進行である。
【0035】
*前立腺癌の例
骨はしばしば転移部位である。前立腺癌で死亡する85%から100%の患者が、骨転移している。化学療法により、進行なしの生存率および全生存率は改善されるが、同じ患者内で骨転移は非常に異質であるため、化学療法は根治的ではない。インビボでの造骨細胞骨転移の進行において、PDGF−BBが重要な役割を果たすことが、免疫不全マウスのモデルを使用して示されている(Yuら,2003)。一方で、PDGF−DDは、前立腺腫瘍細胞の増殖を加速し、間質細胞との相互作用を増やす。PDGFαおよびβ受容体の発現は、それぞれ、62%および75%の前立腺癌で実証されている。さらに、免疫組織化学的研究では、前立腺腫瘍およびこの転移は、PDGF−Rを発現することが示されている(Hwangら,2003)。Kimら(2003)は、骨転移および転移による血管内皮細胞で、PDGF−Rが発現されることを示している。細胞毒性剤と組み合わせたPDGF−Rのチロシンキナーゼ抑制剤は、マウスモデルにおいて、前立腺癌の骨転移を実質的に減少させる(Ueharaら,2003)。さらに、これと同じ組合せにより、腫瘍細胞および血管内皮細胞のアポトーシスが引き起こされ、骨の腫瘍細胞増殖の抑制が引き起こされる。これらの受容体および骨内のこれらの情報伝達経路の遮断は、新しい治療手段を構成する(Hwangら,2003;Ueharaら,2003)。ヒトにおける臨床研究では、骨転移を伴うホルモン耐性前立腺癌を患う患者の症例で、PDGF−R抑制剤と細胞毒性剤との組合せにより、成果を得ることができることが示されている。実際、マーカー(前立腺特異性抗原)PSA>50%の減少が、38%の患者に観察されている。PSA応答の平均持続期間は8ヶ月であり、進行なしの生存の持続期間は11ヶ月であった。
【0036】
これらの種々の研究を考慮すると、本発明の化合物は、細胞毒性剤または血管新生抑制剤のような他の治療財と組み合わせて、腫瘍環境の細胞に効果があるため、固形癌の治療に有用性があるように見受けられる。
【0037】
D.線維症
線維症は、しばしば、癌、放射線治療法、肝炎またはアルコール依存症のような主な事象の原因である。PDGFの関与が、放射線治療によって誘発される、肺線維症(石綿肺を含む。)、腎臓線維症(糸球体腎炎)および髄質性線維症(巨核球を持つ白血病を伴うことが多い。)において、また肝臓および膵臓線維症(アルコール依存症または肝炎を伴う)においても、明らかに実証されている(参考までに、J.C.Bonner,2004参照)。特に、PDGFの過剰発現が明らかに示され、PDGF−RのTK活性の抑制剤を用いたインビボモデルにおける結果も報告されている。これらの研究のうち、Einterらの研究(2002)は、PDGF−CCが、腎臓線維症の強力な誘発物質であることを示している。著者らは、線維症が特に迅速に進行する片側尿道連結モデルにおいて、中和抗体の有効性を試験した。彼らは、筋線維芽細胞の蓄積の減少、細胞外マトリックスの蓄積の減少およびIV型コラーゲンの沈着の減少を伴う、非常に明白な抗線維化効果を観察した。ブレオマイシンで誘発された肺線維症のマウスモデルで実施された他の研究では、間葉系細胞の増殖の抑制により、線維症の予防に対するPDGF−RのTK活性抑制剤の有効性が示された(Aonoら,2005)。石綿で誘発された線維症のモデルでは、PDGF−R TK抑制剤は、肺実質における線維症の進行およびコラーゲンの沈着を抑えた(Vuorinen K.,Gao F.,Oury T.D.,Kinnula V.L.,Myllarniemi M.Imatinib mesylate inhibits fibrogenesis in asbestos−induced interstitial pneumonia.Exp.Lung Res.2007 Sep.;33(7):357−73)。幾つかのチームが、肝線維症におけるPDGF−Rの関与を実証している。PDGF−BBおよびDDは、肝臓星細胞上で、プロ線維形成特性を有することが明らかに示されている(Rovidaら,2008;Borkham−Kamphorstら,2007)。PDGF−R TK抑制剤は、ラットの胆汁管連結モデルで、線維形成の早期発症をインビボで減らすことができる(Neefら,2006)。
【0038】
従って、文献データを考慮すると、本発明の化合物は、種々のタイプの線維症に関して、治療効果があるように見受けられる。
【0039】
E.血管性疾患:アテローム性動脈硬化症、再狭窄および動脈硬化症
血管平滑筋細胞の増殖および遊走は、動脈の内膜肥大の一因となり、従って、血管形成術および動脈内膜切除術後のアテローム性動脈硬化症および再狭窄において、主たる役割を担う。PDGFがこれらの現象に関与していることは、動物モデルにおいて、インビトロおよびインビボで明らかに実証されている。インビボで、PDGF発現の増加は、とりわけ、ブタの静脈移植片モデルにおいて示されている。さらに、PDGF−RのTK活性の抑制剤は、ApoE−KO糖尿病マウス(ストレプトゾトシンで治療された動物)の胸動脈および腹部動脈の病変サイズを結果的に減らすことも示されている。他の研究では、PDGF(TKまたはPDGF Aアンチセンス)により誘発される情報伝達の抑制により、「バルーン傷害」および「冠動脈再狭窄」モデルにおいて、新生内膜の形成を減らす結果となることが示された(Deguchi J.,1999,Fernsら,1991,Siroisら,1997,Lindnerら,1995)。
【0040】
従って、本発明の化合物のようなPDGF−Rのチロシンキナーゼ活性の抑制剤は、アテローム性動脈硬化症および血管形成術後の再狭窄のような血管平滑筋細胞の増殖を伴う症状の治療において、または血管内装具(ステント)の挿入後もしくは大動脈−冠状動脈バイパス外科手術中の処置において、単独で、またはFGFのようなこれらの症状に関与する他の増殖因子の拮抗剤と組み合わせて、最適の治療を表す。
【0041】
PDGF−RのTK活性に関する抑制活性という理由で、本発明の化合物は、これらの血管性疾患の治療に有用性があるようである。
【0042】
F.その他
特発性肺動脈高血圧(PAHT)を含む他の症状は、本発明の化合物の指標の対象であるように見受けられる。肺動脈圧が大きくおよび継続して上昇することを特徴とするPAHTは、右心室性不全を引き起こし、しばしば、患者を死に至らしめる。これは、肺血管の平滑筋細胞の増殖および遊走の増加と関連する。Schermulyら(2005)は、PDGF受容体のチロシンキナーゼ活性を阻害することにより、疾患の進行は大幅に改善されることを示している。これを行うために、Schermulyらは、特に、28日間モノクロタリンを投与して得たラットの肺動脈高血圧症の実験モデルを使用している。治療されたラットは全て生存したが、一方治療されなかった対照群は50%が死亡した。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0043】
【非特許文献1】M.Carrolら、PNAS,1996,93,14845−14850
【非特許文献2】Vuorinen K.,Gao F.,Oury T.D.,Kinnula V.L.,Myllarniemi M.Imatinib mesylate inhibits fibrogenesis in asbestos−induced interstitial pneumonia.Exp.Lung Res.2007 Sep.;33(7):357−73
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0044】
本発明の一つの主題は、式(I):
【0045】
【化1】

(式中、
R1は、(C1−C4)アルキル基を表し、
R2は、−(CHn’−B(n’=0、1、2、3、4であり、Bは、(C3−C5)−シクロアルキル基、または任意に1個以上のフッ素原子で置換されている(C1−C4)アルキル基、または(C1−C4)アルコキシ基である。)を表し、
Uは、カルボニル基または−CH−基を表し、
Y、Z、VおよびWは、互いに独立して、−CH−基、任意に基R7で置換されている炭素原子、窒素原子、イオウ原子もしくは酸素原子のようなヘテロ原子、または原子なしを表し、環は芳香族で、5員環または6員環でなければならないと理解され、
R3、R4は、互いに独立して、水素原子または直鎖(C1−C4)アルキル基を表し、またはR3およびR4は、これらが結合する炭素と一緒になって、(C3−C5)シクロアルキル基を形成し、
mは、1、2、3、4の整数であり、
R5は、水素原子または(C1−C4)アルキル基を表し、
R6は、−(CH−L(n=0、1、2、3であり、Lは、以下の基:
任意に(C1−C4)アルコキシ基で置換されている(C1−C5)アルキル基、
(C3−C5)シクロアルキル基、
6個の炭素原子を含む、任意に1個以上のハロゲン原子で置換されているアリール、
窒素またはイオウ原子から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む、任意に(C1−C4)アルキル基で置換されている5または6員ヘテロアリール、
飽和複素環であって、前記複素環は、窒素原子および酸素原子から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む4から7員環であり、任意に、窒素原子上を含む任意の位置が、フッ素原子、(C1−C4)フルオロアルキル基、直鎖または分岐状(C1−C4)アルキル基、(C3−C5)シクロアルキル基および(C1−C4)アルキルスルホンアミド基から選択される1個以上の置換基で置換されている飽和複素環、
から独立して選択される基である。)を表し、
R7は、水素原子、(C1−C4)アルキル基、またはハロゲン原子を表す。)
に対応する化合物である。
【0046】
本発明の一つの主題は、式(I):
【0047】
【化2】

(式中、
R1は、(C1−C4)アルキル基を表し、
R2は、−(CH2)n’−B(n’=0、1、2、3、4であり、Bは、(C3−C5)−シクロアルキル基、任意に1個以上のフッ素原子で置換されている(C1−C4)アルキル基、または(C1−C4)アルコキシ基である。)を表し、
Uは、カルボニル基または−CH−基を表し、
Y、Z、VおよびWは、互いに独立して、−CH−基、または任意に基R7で置換されている炭素原子、または窒素原子、イオウ原子もしくは酸素原子のようなヘテロ原子、または原子なしを表し、環は芳香族で、5員環または6員環でなければならないと理解され、
R3、R4は、互いに独立して、水素原子または直鎖(C1−C4)アルキル基を表し、またはR3およびR4は、これらが結合する炭素と一緒になって、(C3−C5)シクロアルキル基を形成し、
mは、1、2、3、4の整数であり、
R5は、水素原子または(C1−C4)アルキル基を表し、
R6は、−(CH−L(n=0、1、2、3であり、Lは、以下の基:
任意に(C1−C4)アルコキシ基で置換されている(C1−C5)アルキル基、
(C3−C5)シクロアルキル基、
6個の炭素原子を含む、任意に1個以上のハロゲン原子で置換されているアリール、
窒素またはイオウ原子から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む、任意に(C1−C4)アルキル基で置換されている5または6員ヘテロアリール、
飽和複素環であって、前記複素環は、窒素原子および酸素原子から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む5から7員環であり、任意に、窒素原子上を含む任意の位置が、フッ素原子、(C1−C4)フルオロアルキル基、直鎖または分岐状(C1−C4)アルキル基、(C3−C5)シクロアルキル基および(C1−C4)アルキルスルホンアミド基から選択される1個以上の置換基で置換されている飽和複素環、
から独立して選択される基である。)を表し、
R7は、水素原子、または(C1−C4)アルキル基、またはハロゲン原子を表す。)
に対応する化合物である。
【0048】
式(I)の化合物は、1個以上の不斉炭素原子を含んでもよい。従って、化合物は、鏡像体またはジアステレオ異性体の形態として存在することがある。これらの鏡像体およびジアステレオ異性体、ならびにラセミ混合物を含むこれらの混合物は、本発明の一部を形成する。
【0049】
例えば、Lが複素環を表す場合、前記複素環の置換炭素の絶対配置は、RでもSでもよい。
【0050】
とりわけ、式(I)の化合物は、塩基または酸付加塩の形態で存在してもよい。このような付加塩は本発明の一部を形成する。
【0051】
これらの塩類は、医薬的に許容される酸で調製してもよいが、例えば式(I)の化合物の精製または単離に有用な他の酸の塩も、本発明の一部を形成する。
【0052】
また、式(I)の化合物は、溶媒和物の形態、即ち、1個以上の溶媒分子と集合または結合した形態で存在してもよい。このような溶媒和物も、本発明の一部を形成する。
【発明を実施するための形態】
【0053】
本発明の内容では、以下の定義が適用される。
【0054】
アルキル基:1から7個の炭素原子(好ましくは、1から4個の炭素原子)を含有する飽和脂肪族基であって、直鎖、またはアルキル鎖が少なくとも3個の炭素原子を含有する場合は、分岐状または環状(部分的にのみ環化されたものを含む。)である可能性もある。例示として、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、メチル−シクロプロピル、ペンチル、2,2−ジメチルプロピル、ヘキシル、ヘプチルなどの基、および以下で規定するシクロアルキル基が挙げられる。
【0055】
シクロアルキル基:3から7個の炭素原子(好ましくは、3から5個の炭素原子)を含有する環状アルキル基であって、基中の全ての炭素原子は環内に含まれる基。シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチル基が挙げられる。
【0056】
アルコキシ基:−O−アルキル基(ここで、アルキル基は先に規定した通りである。)
【0057】
ハロゲン原子:フッ素、塩素、臭素またはヨウ素。
【0058】
ハロアルキル基:先に規定したアルキル基と、先に規定したハロゲン原子で置き換えられている1個以上の水素原子とを含む基。
【0059】
ヘテロ原子:窒素、酸素またはイオウ原子。
【0060】
アリール基:6員単環芳香族基、例えば、フェニル基。
【0061】
ヘテロアリール基:1個と3個の間の先に規定したヘテロ原子を含む、5から7員単環芳香族基。例示として、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、イミダゾール、ピロール、チオフェンおよびチアゾール基が挙げられる。
【0062】
複素環:1個以上の先に規定したヘテロ原子を含む5から7員環状アルキル基。例示として、ピロリジン、モルホリン、ピペリジンおよびピペラジン基が挙げられる。
【0063】
本発明の主題である式(I)の化合物の中で、以下に規定する化合物群が例示される。
【0064】
R1は、(C1−C4)アルキル基を表し、
および/または
R2は、−(CHn’−B(n’=0、1であり、Bは、(C3−C5)シクロアルキル基、または任意に1個以上のフッ素原子で置換されている(C1−C4)アルキル基、または(C1−C4)アルコキシ基である。)を表し、
および/または
Uは、カルボニル基または−CH−基を表し、
および/または
Y、Z、VおよびWは、互いに独立して、−CH−基、または任意にR7基で置換されている炭素原子、または窒素原子もしくはイオウ原子のようなヘテロ原子、または原子なしを表し、環は、芳香族で、5員環または6員環でなければならないと理解され、
および/または
R3、R4は、互いに独立して、水素原子または直鎖(C1−C4)アルキル基を表し、またはこれらが結合する炭素と一緒になって、(C3−C5)シクロアルキル基を形成し、
および/または
mは、1、2、3、4の整数であり、
および/または
R5は、水素原子または(C1−C4)アルキル基を表し、
および/または
R6は、−(CH−L(n=0、1、2、3であり、Lは、以下の基:
(任意に(C1−C4)アルコキシ基で置換されている(C1−C5)アルキル基、
(C3−C5)シクロアルキル基、
6個の炭素原子を含む、任意に1個以上のハロゲン原子で置換されているアリール、
窒素またはイオウ原子から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む、任意に(C1−C4)アルキル基で置換されている5または6員ヘテロアリール、
飽和複素環であって、前記複素環は、窒素原子および酸素原子から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む5から7員環であり、任意に、窒素原子上を含む任意の位置が、フッ素原子、(C1−C4)フルオロアルキル基、直鎖または分岐状(C1−C4)アルキル基、(C3−C5)シクロアルキル基および(C1−C4)アルキルスルホンアミド基から選択される1個以上の置換基で置換されている飽和複素環)
から独立して選択される基である。)を表し、
および/または
R7は、水素原子、または(C1−C4)アルキル基、またはハロゲン原子を表す。
【0065】
本発明の主題である式(I)の化合物の中で、第一のサブグループの化合物は、Uがカルボニル基を表す化合物によって構成されている。
【0066】
本発明の主題である式(I)の化合物の中で、第二のサブグループの化合物は、Uが−CH−基を表す化合物によって構成されている。
【0067】
本発明の主題である式(I)の化合物の中で、第三のサブグループの化合物は、Y、Z、VおよびWを含む環が、フェニル、ピリジン、チアゾールおよびチオフェン基から選択される化合物によって構成されている。
【0068】
本発明の主題である式(I)の化合物の中で、第四のサブグループの化合物は、R3が水素原子を表す化合物によって構成されている。
【0069】
本発明の主題である式(I)の化合物の中で、第五のサブグループの化合物は、R4が水素原子を表す化合物によって構成されている。
【0070】
本発明の主題である式(I)の化合物の中で、第六のサブグループの化合物は、R5が水素原子を表す化合物によって構成されている。
【0071】
本発明の主題である式(I)の化合物の中で、第七のサブグループの化合物は、Lが、任意に(C1−C4)アルコキシ基で置換されている(C1−C5)アルキル基を表す化合物によって構成されている。
【0072】
本発明の主題である式(I)の化合物の中で、第八のサブグループの化合物は、Lが(C3−C5)シクロアルキル基を表す化合物によって構成されている。
【0073】
本発明の主題である式(I)の化合物の中で、第九のサブグループの化合物は、Lが、窒素またはイオウ原子から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む5または6員ヘテロアリール基であって、任意に(C1−C4)アルキル基で置換されている基を表す化合物によって構成されている。有利には、ヘテロアリール基は、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、イミダゾール、ピロールおよびチアゾール基から選択される。
【0074】
本発明の主題である式(I)の化合物の中で、第十のサブグループの化合物は、Lが、飽和複素環であって、前記複素環は窒素原子および酸素原子から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む5から7員環であり、任意に、窒素原子上を含む任意の位置が、フッ素原子、(C1−C4)フルオロアルキル基、直鎖または分岐状(C1−C4)アルキル基、(C3−C5)シクロアルキル基および(C1−C4)アルキルスルホンアミド基から選択される1個以上の置換基で置換されている飽和複素環を表す化合物によって構成されている。有利には、前記複素環基は、ピロリジンおよびモルホリン基から選択される。
【0075】
本発明の主題である式(I)の化合物の中で、第十一のサブグループの化合物は、mが1である化合物によって構成されている。
【0076】
本発明の主題である式(I)の化合物の中で、第十二のサブグループの化合物は、鎖:−[C(R3R4)]−U−N(R5)(R6)が、鎖が結合する環についてパラ位置にある化合物によって構成されている。
【0077】
本発明の主題である式(I)の化合物の中で、第十三サブグループの化合物は、鎖:−[C(R3R4)]−U−N(R5)(R6)が、鎖が結合する環についてメタ位置にある化合物によって構成されている。
【0078】
全ての群およびサブグループは、本発明による化合物を得るために、互いに独立して、組み合わせて使用してもよい。
【0079】
本発明の主題である化合物に対応する群およびサブグループの組合せの中で、
Uは、カルボニル基を表し、
R3、R4は、水素原子を表し、
R5は、水素原子を表し、
R7は、水素原子を表し、
mは、1であり、
およびR1、R2、Y、Z、V、W、R6、nは、先に規定した通りである
化合物に対応する第一の組合せが挙げられる。
【0080】
第二の組合せとして、
R1は、(C1−C4)アルキル基を表し、
R2は、−(CH2)n’−B(n’=0または1であり、Bは、(C3−C5)シクロアルキル基または(C1−C4)アルキル基である。)を表し、
Uは、カルボニル基を表し、
Y、Z、V、Wは、互いに独立して、ヘテロ原子、基R7で置換されている炭素原子、または−CH−基を表し、
R7は、水素もしくはハロゲン原子、または(C1−C4)アルキル基を表し、
R3は、水素原子を表し、
R4は、水素原子または(C1−C4)アルキル基を表し、
R5は、水素原子を表し、
R6は、−(CH−L(Lは、以下の基:
6個の炭素原子を含む、任意に1個以上のハロゲン原子で置換されているアリール、
窒素またはイオウ原子から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む5または6員ヘテロアリール、
飽和複素環であって、前記複素環は、窒素原子および酸素原子から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む5または6員環であり、任意に、窒素原子上を含む任意の位置が、フッ素原子、(C1−C4)フルオロアルキル基、(C1−C4)アルキル基および(C3−C5)シクロアルキル基から選択される1個以上の置換基で置換されている飽和複素環、
から選択される基を表す。)を表し、
mは、1であり、
およびnは、先に規定した通りである、本発明の化合物に対応する組合せが挙げられる。
【0081】
第三の組合せとして、
R1は、(C1−C4)アルキル基を表し、
R2は、−(CHn’−B(n’=0、1、2、3、4であり、Bは、(C1−C4)アルキル基である。)を表し、
Uは、カルボニル基を表し、
Y、Z、V、Wは、互いに独立して、ヘテロ原子、基R7で置換されている炭素原子、または−CH−基を表し、
R7は、水素、またはハロゲン原子、(C1−C4)アルキル基を表し、
R3は、水素原子を表し、
R4は、水素原子を表し、
R5は、水素原子を表し、
R6は、−(CH−L(Lは、以下の基:
6個の炭素原子を含む、任意に1個以上のハロゲン原子で置換されているアリール、
窒素またはイオウ原子から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む、5または6員ヘテロアリール、
飽和複素環であって、前記複素環は、窒素原子および酸素原子から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む5または6員環であり、任意に、窒素原子上を含む任意の位置が、フッ素原子、(C1−C4)フルオロアルキル基および(C1−C4)アルキル基から選択される1個以上の置換基で置換されている飽和複素環、
から選択される基を表す。)を表し、
mは、1であり、
およびnは、先に規定した通りである、本発明の化合物に対応する組合せが挙げられる。
【0082】
第四の組合せとして、
R1は、(C1−C4)アルキル基を表し、
R2は、基−(CHn’−B(n’=0、1、2、3、4であり、Bは、(C1−C4)アルキル基である。)を表し、
Uは、カルボニル基を表し、
Y、Z、V、Wは、互いに独立して、ヘテロ原子または−CH−基を表し、
R3は、水素原子を表し、
R4は、水素原子を表し、
R5は、水素原子を表し、
R6は、−(CH−L(Lは、以下の基:
6個の炭素原子を含む、任意に1個以上のハロゲン原子で置換されているアリール、
窒素またはイオウ原子から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む、5または6員ヘテロアリール、
飽和複素環であって、前記複素環は、窒素原子および酸素原子から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む5または6員環であり、任意に、窒素原子上を含む任意の位置が、フッ素原子、(C1−C4)アルキル基および(C3−C5)シクロアルキル基から選択される1個以上の置換基で置換されている飽和複素環、
から選択される基を表す。)を表し、
ならびに、mおよびnは、先に規定した通りである、本発明の化合物に対応する組合せが挙げられる。
【0083】
第五の組合せとして、
R1は、(C1−C4)アルキル基を表し、
R2は、基:−(CHn’−B(n’=0、1、2、3、4であり、Bは、(C1−C4)アルキル基である。)を表し、
Uは、カルボニル基を表し、
Y、Z、V、Wは、−CH−基を表し、
R3、R4は、水素原子を表し、
R5は、水素原子を表し、
R7は、水素原子であり、
R6は、−(CH−L(Lは、任意に(C1−C4)アルコキシ基で置換されている直鎖または分岐状(C1−C5)アルキル基、または(C3−C5)シクロアルキル基を表す。)を表し、
mは、1であり、
および、nは、先に規定した通りである、本発明の化合物に対応する組合せが挙げられる。
【0084】
第六の組合せは、
R1は、(C1−C4)アルキル基を表し、
R2は、基:−(CHn’−B(n’=0、1、2、3、4であり、Bは、(C1−C4)アルキル基である。)を表し、
Uは、カルボニル基を表し、
Y、Z、V、Wは、−CH−基を表し、
R3、R4は、水素原子を表し、
R5は、水素原子を表し、
R7は、水素原子であり、
R6は、−(CH−L(Lは、任意に1個以上のハロゲン原子で置換されているアリール基を表す。)を表し、
mは、1であり、
およびnは、先に規定した通りである
本発明の化合物に対応する。
【0085】
第七の組合せは、
R1は、(C1−C4)アルキル基を表し、
R2は、−(CHn’−B(n’=0または1であり、Bは、(C3−C5)シクロアルキル基、または任意に1個以上のフッ素原子で置換されている(C1−C4)アルキル基である。)を表し、
Uは、カルボニル基を表し、
Y、Z、V、Wは、互いに独立して、ヘテロ原子、−CH−基、任意に基R7で置換されている炭素原子、または原子なしを表し、
R3、R4は、水素原子を表し、またはR3およびR4は、これらが結合する炭素と一緒になって、(C3−C5)シクロアルキル基を形成し、
R5は、水素原子を表し、
R6は、−(CH−L(Lは、任意に、窒素原子上を含む任意の位置が、フッ素原子、(C1−C4)フルオロアルキル基、直鎖または分岐状(C1−C4)アルキル基、(C3−C5)シクロアルキル基および(C1−C4)アルキルスルホンアミド基から選択される1個以上の置換基で置換されている、飽和複素環基を表す。)を表し、
R7、mおよびnは、先に規定した通りである
本発明の化合物に対応する。
【0086】
第八の組合せは、
R1は、(C1−C4)アルキル基を表し、
R2は、基:−(CHn’−B(n’=0、1、2、3、4であり、Bは、任意に(C1−C4)アルコキシ基で置換されている(C1−C4)アルキル基であり、
Uは、カルボニル基を表し、
Y、Z、V、Wは、互いに独立して、ヘテロ原子、炭素原子または−CH−基を表し、
R7は、水素原子であり、
R3、R4は、水素原子を表し、
R5は、水素原子を表し、
R6は、−(CH−L(Lは、任意に(C1−C4)アルキルで置換されているヘテロアリール基を表す。)を表し、
mは、1であり、
およびnは、先に規定した通りである
本発明の化合物に対応する。
【0087】
第九の組合せは、
R1は、(C1−C4)アルキル基を表し、
R2は、基:−(CHn’−B(n’=0、1、2、3、4であり、Bは(C1−C4)アルキル基である。)を表し、
Uは、−CH−基を表し、
Y、Z、V、Wは、−CH−基を表し、
R3、R4は、水素原子を表し、
R5は、水素原子を表し、
R6は、−(CH−L(Lは、ヘテロアリール基を表す。)を表し、
mは、1であり、
およびnは、先に規定した通りである
本発明の化合物に対応する。
【0088】
本発明の主題である式(I)の化合物の中でも、とりわけ、以下の化合物が挙げられる。
【0089】
2−アミノ−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−7−{4−[2−オキソ−2−(フェニルアミノ)エチル]−フェニル}−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物1)
2−アミノ−1−エチル−7−[4−(2−{[(1−エチルピロリジン−2−イル)メチル](メチル)アミノ}−2−オキソエチル)フェニル]−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物2)
2−アミノ−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−7−{4−[2−オキソ−2−(ピリド−3−イルアミノ)エチル]−フェニル}−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物3)
2−アミノ−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−7−{4−[2−オキソ−2−(ピリド−2−イルアミノ)エチル]−フェニル}−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物4)
2−アミノ−7−(4−{2−[(2−クロロフェニル)アミノ]−2−オキソエチル}フェニル)−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物5)
2−アミノ−7−(4−{2−[(3,5−ジフルオロフェニル)アミノ]−2−オキソエチル}フェニル)−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物6)
2−アミノ−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−7−(4−{2−オキソ−2−[(ピリド−4−イルメチル)アミノ]−エチル}フェニル)−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物7)
2−アミノ−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−7−(4−{2−オキソ−2−[(ピリド−2−イルメチル)アミノ]−エチル}フェニル)−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物8)
2−アミノ−1−エチル−7−(4−{2−[(2−メトキシエチル)アミノ]−2−オキソエチル}フェニル)−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物9)
2−アミノ−7−{4−[2−(シクロプロピルアミノ)−2−オキソエチル]フェニル}−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物10)
2−アミノ−1−エチル−N−メチル−7−(4−{2−[(1−メチルエチル)アミノ]−2−オキソエチル}−フェニル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物11)
2−アミノ−7−{4−[2−(シクロペンチルアミノ)−2−オキソエチル]フェニル}−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物12)
2−アミノ−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−7−{4−[2−オキソ−2−(ピラジン−2−イルアミノ)エチル]−フェニル}−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物13)
2−アミノ−1−エチル−7−{4−[2−({[(2R)−1−エチルピロリジン−2−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]フェニル}−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物14)
2−アミノ−1−エチル−7−{4−[2−({[(2S)−1−エチルピロリジン−2−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]フェニル}−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物15)
2−アミノ−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−7−{4−[2−オキソ−2−(ピリミジン−4−イルアミノ)−エチル]フェニル}−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物16)
2−アミノ−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−7−{4−[2−オキソ−2−(ピリド−4−イルアミノ)エチル]−フェニル}−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物17)
2−アミノ−1−エチル−N−メチル−7−(4−{2−[(2−モルホリン−4−イルエチル)アミノ]−2−オキソエチル}フェニル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物18)
2−アミノ−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−7−{5−[2−オキソ−2−(ピリド−2−イルアミノ)−エチル]ピリド−2−イル}−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物19)
2−アミノ−1−エチル−N−メチル−7−{4−[1−メチル−2−オキソ−2−(ピリド−2−イルアミノ)−エチル]フェニル}−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物20)
2−アミノ−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−7−{6−[2−オキソ−2−(ピリド−2−イルアミノ)−エチル]ピリド−3−イル}−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物21)
2−アミノ−1−エチル−7−[4−(2−{[(4−エチルモルホリン−3−イル)メチル]アミノ}−2−オキソエチル)フェニル]−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物22)
2−アミノ−1−エチル−7−[6−(2−{[(4−エチルモルホリン−3−イル)メチル]アミノ}−2−オキソエチル)ピリド−3−イル]−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物23)
2−アミノ−1−エチル−7−{4−[2−({[(2S)−1−エチル−4,4−ジフルオロピロリジン−2−イル]−メチル}アミノ)−2−オキソエチル]フェニル}−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物24)
2−アミノ−1−エチル−7−[4−(2−{[(4−エチルモルホリン−3−イル)メチル]アミノ}−1−メチル−2−オキソエチル)フェニル]−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物25)
2−アミノ−1−エチル−7−{4−[2−({[(2S,4R)−1−エチル−4−フルオロピロリジン−2−イル]−メチル}アミノ)−2−オキソエチル]フェニル}−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物26)
2−アミノ−1−エチル−7−{4−[2−({[(2R)−1−(2−フルオロエチル)ピロリジン−2−イル]メチル}−アミノ)−2−オキソエチル]フェニル}−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物27)
2−アミノ−1−エチル−N−メチル−7−{4−[2−({[(2R)−1−(メチルスルホニル)ピロリジン−2−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]フェニル}−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物28)
2−アミノ−1−エチル−7−{5−[2−({[(2R)−1−(2−フルオロエチル)ピロリジン−2−イル]メチル}−アミノ)−2−オキソエチル]ピリド−2−イル}−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物29)
2−アミノ−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−7−{4−[2−オキソ−2−({[(2R)−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピロリジン−2−イル]メチル}アミノ)エチル]フェニル}−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物30)
2−アミノ−7−{4−[2−({[(2R)−1−(2,2−ジフルオロエチル)ピロリジン−2−イル]メチル}−アミノ)−2−オキソエチル]フェニル}−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物31)
2−アミノ−1−エチル−N−メチル−7−{4−[2−({[4−(1−メチルエチル)モルホリン−3−イル]−メチル}アミノ)−2−オキソエチル]フェニル}−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物32)
2−アミノ−7−[4−(2−{[(4−シクロプロピルモルホリン−3−イル)メチル]アミノ}−2−オキソエチル)フェニル]−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物33)
2−アミノ−7−{5−[2−({[(2R)−1−(2,2−ジフルオロエチル)ピロリジン−2−イル]メチル}−アミノ)−2−オキソエチル]ピリド−2−イル}−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物34)
2−アミノ−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−7−{4−[2−オキソ−2−(1,3−チアゾール−2−イルアミノ)−エチル]フェニル}−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物35)
2−アミノ−1−エチル−N−メチル−7−[4−(2−{[(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]アミノ}−2−オキソエチル)フェニル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物36)
2−アミノ−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−7−(4−{2−オキソ−2−[(2−ピリド−3−イルエチル)アミノ]エチル}フェニル)−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物37)
2−アミノ−1−エチル−N−メチル−7−(4−{2−[(3−モルホリン−4−イルプロピル)アミノ]−2−オキソエチル}フェニル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物38)
2−アミノ−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−7−(4−{2−オキソ−2−[(2−ピリド−2−イルエチル)アミノ]エチル}フェニル)−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物39)
2−アミノ−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−7−(4−{2−オキソ−2−[(2−フェニルエチル)アミノ]−エチル}フェニル)−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物40)
2−アミノ−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−7−(4−{2−オキソ−2−[(3−フェニルプロピル)アミノ]−エチル}フェニル)−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物41)
2−アミノ−1−エチル−N−メチル−7−[4−(2−{[2−(1−メチル−1H−ピロール−2−イル)−エチル]アミノ}−2−オキソエチル)フェニル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物42)
2−アミノ−1−エチル−7−[4−(2−{[(1−エチルピロリジン−2−イル)メチル]アミノ}−2−オキソエチル)−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物43)
2−アミノ−1−(3−メトキシプロピル)−N−メチル−4−オキソ−7−{4−[2−オキソ−2−(ピリド−2−イルアミノ)エチル]フェニル}−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物44)
2−アミノ−7−[4−(2−{[1−(2,2−ジフルオロエチル)ピロリジン−3−イル]アミノ}−2−オキソエチル)−フェニル]−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物45)
2−アミノ−1−エチル−7−[4−(3−{[(1−エチルピロリジン−2−イル)メチル]アミノ}−3−オキソプロピル)フェニル]−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物46)
2−アミノ−1−エチル−7−[4−(4−{[(1−エチルピロリジン−2−イル)メチル]アミノ}−4−オキソブチル)フェニル]−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物47)
2−アミノ−1−エチル−7−[4−(2−{[(1−エチルピロリジン−2−イル)メチル]アミノ}−2−オキソエチル)フェニル]−4−オキソ−N−プロピル−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物48)
2−アミノ−7−[4−(2−{[(1−エチルピロリジン−2−イル)メチル]アミノ}−2−オキソエチル)−フェニル]−N−メチル−4−オキソ−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物49)
2−アミノ−1−シクロペンチル−7−[4−(2−{[(1−エチルピロリジン−2−イル)メチル]アミノ}−2−オキソエチル)フェニル]−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物50)
2−アミノ−1−エチル−7−[4−(5−{[(1−エチルピロリジン−2−イル)メチル]アミノ}−5−オキソペンチル)フェニル]−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物51)
1−エチル−7−[5−(2−{[(1−エチルピロリジン−2−イル)メチル]アミノ}−2−オキソエチル)チオフェン−2−イル]−N,2−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物52)
2−アミノ−7−{4−[2−({[(2R)−1−エチルピロリジン−2−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]−フェニル}−N−メチル−1−(2−メチルプロピル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物53)
2−アミノ−1−エチル−7−{4−[1−({[(2R)−1−エチルピロリジン−2−イル]メチル}カルバモイル)−シクロプロピル]フェニル}−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物54)
2−アミノ−1−エチル−7−{2−[2−({[(2R)−1−エチルピロリジン−2−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]−1,3−チアゾール−4−イル}−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物55)
2−アミノ−1−エチル−7−{4−[2−({[(2R)−1−エチルピロリジン−2−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]−2−フルオロフェニル}−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物56)
2−アミノ−7−[3−クロロ−4−(2−{[(1−エチルピロリジン−2−イル)メチル]アミノ}−2−オキソエチル)フェニル]−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物57)
2−アミノ−7−[3−フルオロ−4−(2−{[(1−エチルピロリジン−2−イル)メチル]アミノ}−2−オキソエチル)フェニル]−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物58)
2−アミノ−7−[3−メチル−4−(2−{[(1−エチルピロリジン−2−イル)メチル]アミノ}−2−オキソエチル)フェニル]−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物59)
2−アミノ−1−(シクロプロピルメチル)−7−[4−(2−{[(1−エチルピロリジン−2−イル)メチル]アミノ}−2−オキソエチル)フェニル]−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物60)
2−アミノ−1−エチル−7−[4−(2−{[(1−エチルピロリジン−2−イル)メチル]アミノ}−2−オキソエチル)−2−メチルフェニル]−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物61)
2−アミノ−1−エチル−7−[3−(2−{[(1−エチルピロリジン−2−イル)メチル]アミノ}−2−オキソエチル)フェニル]−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物62)
2−アミノ−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−7−{3−[2−オキソ−2−(ピリド−2−イルアミノ)エチル]−フェニル}−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物63)
2−アミノ−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−7−{4−[2−(ピリド−2−イルアミノ)エチル]フェニル}−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物64)
上記化合物は、ACDLABS 10.0 ACD/name(Advanced Chemistry Development)ソフトウェアによる、IUPAC命名法に従って命名したことに留意すべきである。
【0090】
以下、本明細書において、用語「保護基」Pgは、先ず、合成の間、水酸基やアミンのような反応性基を保護することができ、次に、合成の最後には、反応性基を完全なものに再生することができる基を意味する。脱離基、ならびに保護および脱保護方法の例は、「Protective Groups in Organic Synthesis」,Greeneら,第二版(John Wiley & Sons,Inc.,New York),1991に掲載されている。
【0091】
以下、本明細書において、用語「脱離基」は、電子対が失われて、ヘテロリシス結合が壊れることによって、分子から簡単に開裂することができる基を意味する。従って、この基は、例えば、置換反応の間に他の基と簡単に置き換わり得る。このような脱離基は、例えば、ハロゲン、またはメタンスルホネート、ベンゼンスルホネート、p−トルエンスルホネート、トリフラート、アセテートのような活性化水酸基などである。脱離基の例およびこれらの調製の参考例は、「Advances in Organic Chemistry」、J.March,第3版,Wiley Interscience,1985,第310−316頁に掲載されている。
【0092】
本発明によれば、一般式(I)の化合物は、以下に示す方法に従って調製してもよい。
【0093】
スキーム1
【0094】
【化3】

スキーム1によれば、室温、または50℃から100℃の温度で、例えばエタノール、n−ブタノールまたはtert−ブタノールのようなアルコール、または水のようなプロトン溶剤中、一般に行われているように、またはマイクロ波により加熱して、式(II)の2,6−ジハロニコチン酸の2位を、式:R−NH(式中、Rは、式(I)の化合物に関して、先に規定した通りである。)のアミンで一置換する。次いで、ステップ(i)で得た酸(III)を、G.OlahらがSynthesis(1973),487で記載するように、トリエチルアミンまたはピリジンのような塩基の存在下、ジクロロメタンまたはTHFのような溶剤中、室温で、シアヌル酸フルオリドの作用により、酸フッ化物の形態で、またはDMFまたはTHFのような溶剤中、カルボニルジイミダゾールの作用により、または当業者に公知の他の方法、例えば、MukaiyamaおよびTanakaがChem.Lett.(1976),303に記載する方法またはIshikawaおよびSasakiがChem.Lett.(1976),1407に記載する方法により、イミダゾリドの形態のいずれかで、式(IV)の誘導体として活性化する。
【0095】
次いで、ステップ(ii)の後得られた、反応性は高いが安定な式(IV)の酸フッ化物またはイミダゾリドを、方法AまたはBに従って、式(V)のN−置換シアノアセトアミドと反応させる。
【0096】
方法Aによれば、水素化ナトリウムまたはカリウムtert−ブトキシドのような塩基2当量を、ステップ(iv)のN−置換シアノアセトアミド誘導体と式(IV)の化合物との縮合のために使用する。室温で一晩反応させた後、式(VI)のβ−ケト−シアノアセトアミドを得、次いでこれをn−ブタノール、DMSOまたはDMFのような極性溶剤中、90℃と125℃との間の温度に加熱することによって、式(VII)のピリドピリドンに環化する。
【0097】
方法Bは、縮合ステップ(iv)については方法Aと類似するが、使用した塩基と同じ第三のものを反応混合物に加え、形成した式(VI)の化合物は室温でこの場で環化し、式(VII)のピリドピリドン化合物を直接形成する。
【0098】
式(V)のN−アルキルシアノアセトアミドは、ステップ(iii)に従い、THFまたはエタノールのような溶剤中、室温から溶剤の還流温度の範囲の温度で、シアノ酢酸エチルと式:R−NH(式中、Rは、本発明の主題である式(I)の化合物に関連して先に規定した通りである。)のアミンの過剰量とを反応させることによって調製される。
【0099】
スキーム2
【0100】
【化4】

本発明の主題である式(I)の化合物を得るために、式(VII)のハロ中間体から出発する2種類の方法を使用し得る。スキーム2に記載される方法1によれば、中間体(VII)を、ステップ(vi)で、ボロン酸またはビスピナコールのボロン酸エステル(IXa)とのスズキカップリング反応においてで使用し、ここで、m、R、R、V、W、YおよびZは、本発明の主題である式(I)の化合物に関連して先に規定した通りであり、環は、5または6員環でなければならないことは理解され、およびGは、OEtのような(C1−C4)アルコキシ基、または単位:−NR(式中、RおよびRは、式(I)の化合物で規定した通りである。)のいずれかである。この反応(vi)は、パラジウム錯体(酸化状態(0)または(II)で)、例えば、Pd(PPh、PdCl(PPh、Pddba、XphosまたはPdCl(dppf)の存在下、DME、エタノール、DMFもしくはジオキサン、またはこれらの溶剤の混合物のような極性、プロトン性または非プロトン溶剤中、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム水溶液またはKPOのような塩基の存在下で、80℃と120℃との間で普通に加熱することによって、または130℃と170℃との間でマイクロ波の作用下で、行われる。
【0101】
Gが、単位:NR(式中、RおよびRは、式(I)の化合物に関して規定した通りである。)、即ち経路1の場合、本発明の主題である式(I)の化合物は、このカップリング(vi)から直接得られる。
【0102】
GがOEtのような(C1−C4)アルコキシ基である経路2による場合、ステップ(vi)で、スズキカップリングによって化合物(X)が得られる。次いで、化合物(X)を、ステップ(vii)で、LiOH水溶液またはNaOH水溶液のような求核試薬の存在下、溶剤中、例えば、THF、DMF、MeOHまたはEtOHのような極性溶剤中、室温から80℃の範囲の温度でケン化し、化合物(XI)を得、次いで、化合物を、ステップ(viii)で、TBTU、HBTUまたはCDIのようなカップリング剤、および塩基、例えば、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミンまたはNaHCOの存在下、ジクロロメタン、THFまたはDMFのような非プロトン溶剤中で、選択されたアミン:HNR(式中、RおよびRは、式(I)の化合物に関して規定した通りである。)とのペプチドカップリング反応に使用し、または「Principles of Peptide Synthesis」,第2版1993,M.Bodanszky,Springer Laboratoryに記載の方法のような当業者に公知の他の方法によって、本発明の主題である式(I)の化合物を得る。
【0103】
スキーム3:
【0104】
【化5】

本発明の主題である式(I)の化合物を得るために、式(VII)のハロ中間体から出発する第二の方法を使用してもよく、この方法2をスキーム3に記載する。式(VII)のハロ中間体は、ステップ(ix)で、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、および酢酸カリウムまたは炭酸カリウムの存在下、DMSO、DMF、DMEまたはジオキサンのような極性溶剤中、50℃と100℃との間の温度で、Ishiyama,T.らがJ.Org.Chem.,1995,60,7508−7510に記載する方法、およびGiroux,A.らがTet.Lett.,1997,38,3841−3844に記載する方法に従って、ビス(ピナコラト)ジボランとの反応により、式(VIII)のボロン酸またはビスピナコールのボロン酸エステル誘導体に変換してもよい。次のステップ(x)で、酸またはボロン酸エステル化合物(VIII)を、式(IXb)(式中、X、m、R、R、U、V、W、YおよびZは、本発明の主題である式(I)の化合物に関して先に規定した通りであり、環は5または6員環でなければならないことは理解され、およびGは、OEtのような(C1−C4)アルコキシ基、または単位:−NR(式中、RおよびRは、式(I)の化合物に関して規定した通りである。)のいずれかである。)のハロゲン化芳香族化合物とともに、スズキ型の反応に使用する。この反応(x)については、スキーム2のステップ(vi)で記載したスズキカップリング条件を適用してもよい。
【0105】
Gが単位:NR(式中、RおよびRは、先に規定した通りである。)であり、Uが、カルボニルまたはメチレン単位の場合、本発明の主題である式(I)の化合物は、カップリングステップ(x)後、直接得られる(経路1)。
【0106】
GがOEt基であり、Uがカルボニルの場合、これは以下に記載する経路2であり、このスズキカップリング(x)を経て得られる化合物(X)である。次いで、この化合物(X)を、ステップ(xi)で使用して酸化合物(XI)を得、これをステップ(xii)で本発明の主題である式(I)の化合物に変換する。ステップ(xi)および(xii)は、先に記載したステップ(vii)および(viii)と、それぞれ同一である。
【0107】
スキーム1、2および3で使用される、出発化合物、アミン類HNRのような試薬、または式IXaおよびIXbの化合物を調製する方法が記載されていない場合、これらは、市販されているか、または文献に記載された、または当業者に公知の方法により調製することができる。
【0108】
必要であれば、基R、RまたはRに位置する特定の反応基を、これらの反応の間、「Protective Groups in Organic Synthesis」,Greeneら,第2版(John Wiley & Sons,Inc.,New York)に記載されているような保護基で、保護してもよい。
【0109】
他の態様によれば、本発明の主題は、式(VIII)、(X)および(XI)の化合物にも関する。これらの化合物は、式(I)の化合物を合成するための中間体として有用である。
【0110】
以下に続く実施例により、本発明による特定の化合物の調製を説明する。これらの実施例は限定ではなく、単に本発明を説明するためだけのものである。例として挙げた化合物の数字は、幾つかの本発明による化合物の化学構造および物性を記載する、以下に記載する表中の数字を言う。
【0111】
以下の略語および実験式を使用する。
【0112】
EtOAc 酢酸エチル
CDI カルボニルジイミダゾール
DCM ジクロロメタン
℃ セ氏温度
DME ジメトキシエタン
DMF ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
EDC・HCl N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩
FAMSO メチルメチルチオメチルスルホキシド
HBTU O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
h 時間
HCl 塩酸
LiOH 水酸化リチウム
NaCO 炭酸ナトリウム
NHCl 塩化アンモニウム
NaHCO 炭酸水素ナトリウム
NaSO 硫酸ナトリウム
NaCl 塩化ナトリウム
NaOH 水酸化ナトリウム
NHOH 水酸化アンモニウム
NaSO 硫酸ナトリウム
min. 分
ml ミリリットル
五酸化二リン
TBTU N−[(1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)(ジメチルアミノ)メチリデン]−N−メチルメタンアミニウムテトラフルオロボレート
THF テトラヒドロフラン
RT 室温
Xphos 2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル
【0113】
使用したマイクロ波装置:Biotage,開始剤
【0114】
分析条件:
LC/UV/MSカップリング条件:
装置(Agilent):HPLC鎖:シリーズ1100,MSD SL質量分光分析計(Agilent),ソフトウェア:AgilentのChemstationバージョンB.01.03
LC/UV
カラム:Symmetry C18 3.5μm(2.1×50mm)(水),カラム温度:25℃、
ポストラン:5分、UV検出:220nm。注入量:0.5mg/ml溶液を2μl
条件1:pH3勾配15分
溶出液:A:HO+0.005%TFA/B:CHCN+0.005%TFA、流速:0.4ml/min.勾配:0から10分0から100%B、および10から15分100B%
条件2:pH3勾配30分
カラム:Symmetry C18 3.5μm(2.1×50mm)(水)、カラム温度:25℃、溶出液:A:HO+0.005%TFA/B:CHCN+0.005%TFA、流速:0.4ml/min.勾配:0から30分0から100%B、および30から35分100B%
試験後:6分、UV検出:220nm、注入量:0.5mg/ml溶液を2μl
条件3:pH7勾配20分
カラム:X terra MS C18 3.5μm(2.1×50mm)、カラム温度:20℃
溶出液:A:HO+NHAc(5nM)+3%CHCN/B:CHCN、勾配0から20分0から100%B、UV検出:210nm
条件GC Cl/CH4+):イオン化C1/CH4+、30分
カラム:Agilent HP−5MS 30m×250μm、0.25μm厚のフィルム。
温度250℃、ベクターガス:ヘリウム、一定流速1.4ml/min.
【0115】
質量分光分析(MS)
イオン化モード:エレクトロスプレー・ポジティブ・モードESI+、質量範囲:90から1500amu
噴霧室ガス温度:350℃、乾燥ガス(N):10.0l/min. Neb.圧力:30psig Vcap:4000V
【0116】
H NMRスペクトルを、DMSO−dのピークを参照として使用して、DMSO−dのBruker250、300または400MHz NMR分光計を使用して得た。ケミカルシフトδを百万分率(ppm)で表す。観測された信号を、以下のように表す。s=一重項;d=二重項;t=三重項;m=未吸収ピークまたはブロードシングレット;H=プロトン。
【0117】
260℃未満の融点をKofler blockで測定し、260℃を超える融点をBuchi B−545機で測定した。
【0118】
旋光度は、タイプ:Polarimeter Perkin−Elmer,energy55μAの旋光計で測定した。
【実施例1】
【0119】
2−アミノ−1−エチル−7−{4−[2−({[(2R)−1−(2−フルオロエチル)−ピロリジン−2−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]フェニル}−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド塩酸塩(化合物27)
1.1:6−クロロ−2−(エチルアミノ)ピリジン−3−カルボン酸:
水中、180ml(3.45mol)の70%エチルアミン溶液中の18.0g(84.4mmol)の2,6−ジクロロニコチン酸の溶液を、50℃で10時間加熱する。次いで、過剰のアミンを減圧下で留去し、次いで10%酢酸水溶液を生成物が析出するまで加える。ベージュ色の固体を吸引濾別し、冷水で濯ぎ、オーブン乾燥する。10.5gの予想された生成物を得る。収率=62%。融点:158から160℃。
MH:201.1(tr(保持時間):7.7分、条件1)。
【0120】
1.2:6−クロロ−2−(エチルアミノ)ピリジン−3−カルボニルフルオリド
ステップ1.1で得た化合物10.5g(52.3mmol)のジクロロメタン(250ml)懸濁液に、4.2ml(52.3mmol)のピリジンおよび8.4ml(99.6mmol)のシアヌル酸フルオリドを連続的に加えた。混合物を室温で3時間攪拌し、次いで濾過する。固体をジクロロメタン(100ml)で濯ぎ、濾液を氷冷水(60ml)で2回洗浄する。有機相をNaSOで脱水し、次いで減圧濃縮する。10.44gの生成物を、オレンジ色の油状物の形態として得る。収率=99%。生成物を精製することなく次のステップで使用する。
【0121】
1.3:2−シアノ−N−メチルアセトアミド
0℃に冷却した、メチルアミンのTHF溶液10.9g(353.6mmol)に、20g(176.8mmol)のシアノ酢酸エチルを滴加し、次いで反応混合物を室温で一晩攪拌する。溶剤を減圧下で留去し、生成物を再結晶によりトルエンから精製する。16.8gの生成物を、ベージュ色の固体の形態として得る。収率=96%。融点=99℃。
【0122】
方法A(以下の1.4および1.5)
1.4:3−[6−クロロ−2−(エチルアミノ)ピリド−3−イル]−2−シアノ−3−ヒドロキシ−N−メチルプロプ−2−エンアミド
0から5℃に冷却した、ステップ1.3で得た化合物9.80g(100mmol)の100mlの無水DMF溶液に、60%鉱物油中の水素化ナトリウム3.98g(100mmol)を滴加する。水素が発生し終わった後、混合物を室温で10分攪拌し、次いで0から5℃に再び冷却する。ステップ1.2で得た化合物10.1g(49.8mmol)の60ml DMF溶液を加え、混合物を室温で一晩攪拌し、次いで2.85ml(49.8mmol)の酢酸を加える。DMFを減圧下で留去し、次いで残渣を水に取り、次いで生成物を、95/5ジクロロメタン/メタノール混合物で2回、次いで酢酸エチル/THF混合物(2/1)で1回抽出する。合わせた有機相をMgSOで脱水し、次いで溶剤を減圧下で留去する。19.0gの生成物を得、生成物は、このままの状態で次のステップに使用する。
【0123】
1.5:2−アミノ−7−クロロ−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1.8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド
ステップ1.4で得た粗生成物19.0g(49.8mmol)の600ml n−ブタノール溶液を、110℃で48時間加熱する。溶剤を減圧下で留去し、得られた固体をメタノールで粉砕する。次いで固体を濾別し、オーブン乾燥する。7.9gの予想された生成物を、淡黄色固体の形態として得る。収率=57%。融点:283から286℃。MH:281.2(tr=6.99分、条件1)
【0124】
方法B(1.4および1.5の代わりに、以下の1.6)
1.6:2−アミノ−7−クロロ−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1.8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド
0から5℃に冷却した、ステップ1.3で得た化合物0.48g(4.9mmol)の無水DMF(7ml)溶液に、60%鉱物油で0.4g(9.95mmol)の水素化ナトリウムを滴加する。混合物をこの温度で10分攪拌し、次いで、ステップ1.2で得た化合物1.0g(4.93mmol)の無水DMF(5ml)溶液を加える。反応混合物を室温で一晩攪拌し、次いで、さらに0.2g(4.9mmol)の60%水素化ナトリウムを滴加する。攪拌をこの温度で30分間続け、次いで0.56ml(9.8mmol)の酢酸を加え、次いで60mlの水を加え、固体を濾別し、水で濯ぎ、次いでオーブン乾燥する。1.30gの予想された生成物を得る。収率=94%。融点:283から284℃。MH:281.2(tr=6.99分、条件1)
【0125】
1.7[7−アミノ−8−エチル−6−(メチルカルバモイル)−5−オキソ−5,8−ジヒドロ−1.8−ナフチリジン−2−イル]ボロン酸
8g(0.03mol)のステップ1.5または1.6で得た化合物(方法Aを使用したか、方法Bを使用したかによる。)、8.0g(0.03mol)のビス(ピナコラト)ジボラン、および8.5g(0.08mol)の酢酸カリウムのジメチルスルホキシド(130ml)懸濁液を、アルゴンで15分間脱気する。1.4g(1.7mmol)のジクロロメタンと複合した1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(1:1)を加え、混合物をアルゴン下、80℃で30分加熱し、次いで冷却し、1.1lの水で希釈し、酢酸(50ml)を加えてpH4の酸性とする。混合物を濾過し、黒色析出物を水(40ml)、次いでエーテル(60ml)で洗浄する。黒色残渣を575mlのNaOH溶液(1N)に取り、混合物をセライト545で濾過する。濾液を60mlの酢酸で酸性とし、析出物を濾別し、水およびエーテルで洗浄し、次いでオーブン乾燥する。6.85gの生成物を白色粉末の形態として得る。収率=83%。融点:335℃。MH:291.2(tr=5.3分、条件1)
H NMR(250MHz,DMSO−d),δ(ppm):11.69(s,1H);11.12(q,1H,4.67Hz);8.47(s,2H);8.44(d,1H,7.7Hz);7.9(s,1H);7.75(d,1H,7.7Hz);4.72(m,2H);2.8(d,3H,4.67Hz);1.22(t,3H,6.9Hz).
【0126】
1.8:1−トリチル−D−プロリンアミド
低温条件(氷浴)下および不活性雰囲気下、10mlのトリエチルアミン(69.7mmol)を、クロロホルム(50ml)に懸濁した5g(33.2mmol)のプロリンアミド塩酸塩に加え、次いで9.7g(34.9mmol)の塩化トリチルを滴加する。反応混合物を室温で2日間攪拌する。反応混合物をジクロロメタン(200ml)に溶解し、HCl溶液(1N)(150ml)で2回、水(150ml)、飽和NaHCO溶液(150ml)および飽和NaCl溶液(150ml)で続けて洗浄した。有機相を乾燥させ(NaSO)、濾過し、減圧蒸発させる。残渣を20mlの熱エタノールから再結晶させ、11gの化合物を白色結晶の形態として得る。収率=93%。融点:162℃
【0127】
1.9:1−[(2R)−1−トリチルピロリジン−2−イル]メタンアミン
低温条件(氷浴)および不活性雰囲気下、水素化アルミニウムリチウム(1N)のTHF溶液60ml(61.6mmol)を、THF(60ml)に懸濁させたステップ1.8で得た化合物11g(30.8mmol)に滴加する。添加後、反応混合物を70℃で3時間加熱し、次いで0℃に冷却する。次いで、2.8mlの水(析出物の形成)、2.8mlのNaOH溶液(1N)および8.3mlの水を連続して滴加する。この混合物を30分攪拌し、次いで濾過し、固体をTHF(10ml)で濯ぎ、次いで濾液を減圧濃縮する。10gの化合物を明黄色粉末の形態として得、これをさらに精製することなく次のステップに使用する。収率=95%。融点:100℃。
【0128】
1.10:2−(4−ヨードフェニル)−N−[(2R)−ピロリジン−2−イルメチル]アセトアミド
不活性雰囲気下および室温で、4ml(43.8mmol)の塩化オキサリルをジクロロメタン(54ml)に懸濁させた4−ヨードフェニル酢酸3.8g(14.6mmol)に加える。DMF2滴を導入し、反応混合物を室温で1時間加熱し、次いで減圧濃縮する。残渣をトルエンに取り、再び濃縮する。このようにして得た酸塩化物をジクロロメタン(10ml)に溶解し、2.45g(29.2mmol)のNaHCOの存在下、低温条件(氷浴)および不活性雰囲気下で、ジクロロメタン(30ml)に懸濁した、ステップ1.9で得た化合物5g(14.6mmol)に滴加する。反応媒体を室温で一晩攪拌し、次いでセライトで濾過し、減圧濃縮する。8.5gの生成物を黄色泡状体の形態として得、精製することなく次のステップで直接使用する。MH:586
前のステップで得たこの化合物8.5g(14.6mmol)を、低温条件(氷浴)下でエタノール/35%HCl混合物(41ml/3.2ml)に取る。反応媒体を室温で2時間攪拌する。反応媒体を減圧濃縮し、水(30ml)に取り、エーテル(30ml×2)で抽出する。冷却した水相に35%NaOH溶液を滴加して、pH10の塩基性とする。次いで生成物をジクロロメタン(100ml×6)で抽出する。有機相を乾燥させ(NaSO)、濾過し、減圧蒸発させる。4.6gの化合物を白色粉末の形態として得る。
収率=3ステップで92%。融点:120℃。MH:345(tr:4.65分、条件1)
【0129】
1.11:N−{[(2R)−1−(2−フルオロエチル)ピロリジン−2−イル]メチル}−2−(4−ヨードフェニル)−アセトアミド
密閉管内で、0.53gのNaHCO(6.4mmol)および0.49gの1−ヨード−2−フルオロエタン(2.8mmol)をDMF(6ml)に溶解した、ステップ1.10で得た化合物0.88g(2.6mmol)に加える。密閉管を90℃で5時間加熱する。反応混合物を冷却し、次いでDMFを減圧下で留去し、得られた残渣を水(10ml)に取り、酢酸エチル(20ml×2)で抽出する。有機相を硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、減圧蒸発させる。得られた残渣を、フラッシュ・クロマトグラフィによりシリカゲル(溶出液:ジクロロメタン/メタノール、1%NHOH)で、0%から10%メタノール勾配を用いて精製し、0.82gの化合物をベージュ色の粉末の形態として得る。収率=85%。融点:96℃。MH:391(tr:5.1分、条件1)
【0130】
1.12:2−アミノ−1−エチル−7−{4−[2−({[(2R)−1−(2−フルオロエチル)ピロリジン−2−イル]−メチル}アミノ)−2−オキソエチル]フェニル}−N−メチル−4−オキソ−1.4−ジヒドロ−1.8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド塩酸塩(化合物27)
密封管内で、2.1mlの飽和NaHCO水溶液を、1,2−ジメトキシエタン/エタノール(6ml)の2/1混合物に溶解した、ステップ1.11で得た化合物0.19g(0.51mmol)、およびステップ1.7で得た化合物0.15g(0.53mmol)に加える。アルゴンで15分間脱気した後、0.03g(0.03mmol)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムを加える。反応媒体を100℃で3時間加熱する。反応媒体を室温に冷却し、次いで水(10ml)を加え、次いで形成した析出物を濾別し、水(5ml×2)で、次いでジクロロメタン(5ml×2)で濯ぎ、オーブン乾燥する。次いで、これをフラッシュ・クロマトグラフィによりシリカゲル(溶出液:ジクロロメタン/メタノール、1%NHOH)で0%から10%メタノール勾配を用い精製する。0.05gの生成物を白色粉末の形態として得る。このようにして得た0.05g(0.1mmol)のこの化合物を3mlのメタノールに懸濁し、0.1ml(0.1mmol)のHClのエーテル溶液(1N)を加える。反応媒体を室温で30分攪拌し、次いで5mlのエーテルを加え、形成した析出物を濾過により集め、オーブン乾燥する。0.031gの生成物を白色粉末の形態として得る。収率=19%。
【0131】
融点:180℃。MH:509.3(tr:4.6分、条件1)
H NMR(400MHz,DMSO−d),δ(ppm):11.71(広範なs,1H);11.16(d,1H);10.36(広範なs,1H);8.61(m,1H);8.53(d,1H,8.1Hz);8.16(d,2H,8.3Hz,);7.96(s+d,2H,8.1Hz);7.47(d,2H,8.3Hz);4.83(広範なm,2H);4.61(m,2H);3.84−3.37(非常に広範な非分離ピーク,8H);3.15(m,1H);2.82(d,3H,4.6Hz);2.15−1.68(非常に広範なm,4H);1.33(t,3H,6.9Hz).
【実施例2】
【0132】
2−アミノ−1−エチル−N−メチル−7−{4−[2−({[4−(1−メチルエチル)−モルホリン−3−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]フェニル}−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド塩酸塩(化合物32)
2.1:4−(1−メチルエチル)モルホリン−3−カルボキシアミド
1.1g(6.3mmol)のモルホリン−3−カルボキシアミド(この合成は、WO2005/026156,Hennequin L.F.A.らに記載されている。)のアセトニトリル(16ml)溶液に、1.86g(22.2mmol)の炭酸水素ナトリウム粉末および0.7ml(7.0mmol)のヨウ化イソプロピルを連続して加え、次いで混合物をマイクロ波により150℃で30分加熱する。反応混合物を室温に冷却し、ジクロロメタン(30ml)で希釈し、セライトで濾過する。濾液を減圧濃縮し、1.1gの化合物をベージュ色の粉末の形態として得、これをさらに精製することなく次のステップに使用する。収率:97%。MH:173.2(tr:0.72分、条件1)
【0133】
2.2:1−[4−(1−メチルエチル)モルホリン−3−イル]メタンアミン塩酸塩
不活性雰囲気下、水素化アルミニウムリチウムのTHF溶液(1M)15.4mlを、ステップ2.1で得た化合物1.1g(6.15mmol)の無水THF溶液に滴加し、次いで反応混合物を70℃で2時間加熱し、次いで室温に冷却する。0.6mlの水、0.6mlの水酸化ナトリウム(1N)および1.8mlの水を連続してゆっくり加え、次いで反応混合物を室温で30分攪拌する。形成した析出物を濾過により取除き、THF(20ml)で濯ぐ。濾液を減圧濃縮し、次いでHClのジエチルエーテル溶液(1M)6.2mlを加える。混合物を室温で30分攪拌し、次いで減圧濃縮する。1.0gの塩酸塩化合物を褐色粉末の形態として得、これを精製することなく、次のステップで使用する。収率:86%。MH:159.4(tr:0.53分、条件1)
【0134】
2.3:エチル[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]アセテート
無水ジメチルスルホキシド(65ml)に溶解した9.5g(32.8mmol)のエチル(4−ヨードフェニル)アセテートおよび9.16g(36.1mmol)のビスピナコラトジボランの混合物をアルゴンで15分脱気し、次いで27.8g(98.4mmol)の酢酸カリウムおよび1.34g(1.64mmol)のジクロロ(ホスフィノフェロセン)パラジウムを加え、反応混合物をアルゴン下55℃で1時間30分加熱する。反応混合物を220mlの酢酸エチルで希釈し、次いで有機相を水(200ml)で3回洗浄し、次いでNaSOで脱水し、減圧濃縮する。10.8gの化合物を褐色の不純油状物の形態として得るが、この形態で次のステップに使用する。MH:291.2(tr:9.4分、条件1)
【0135】
2.4:エチル{4−[7−アミノ−8−エチル−6−(メチルカルバモイル)−5−オキソ−5,8−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル]フェニル}アセテート
1,2−ジメトキシエタン/エタノール(275ml)の2/1混合物に溶解した、ステップ1.5または1.6で得た化合物(方法Aを使用したか、方法Bを使用したかによる。)6.16g(21.9mmol)、およびステップ2.3で得た化合物7.64g(26.3mmol)に、飽和NaHCO水溶液88mlを加える。アルゴンで15分間脱気した後、1.27g(1.1mmol)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムを加える。反応混合物を100℃で4時間加熱する。反応媒体を室温に冷却し、次いで水(300ml)を加え、次いで形成した析出物を濾別し、水(20ml×2)で濯ぎ、酢酸エチル(50ml)で洗浄し、次いでPで真空乾燥する。5.3gの生成物を白色粉末の形態で得る。収率:59%。融点195℃。MH:409.1(tr:5.89分、条件1)
【0136】
2.5:{4−[7−アミノ−8−エチル−6−(メチルカルバモイル)−5−オキソ−5,8−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル]フェニル}酢酸
ステップ2.4で得た化合物0.87g(2.1mmol)のTHF/メタノール/水の1/1/1混合物(12ml)懸濁液に、0.134g(3.2mmol)の水酸化リチウムを一度に加える。反応混合物を70℃で3時間加熱し、次いで室温に冷却する。水(10ml)を加え、媒体をHCl溶液(1N)でpH2の酸性とし、形成した析出物を濾過により単離し、Pで脱水する。0.78gの生成物を白色粉末の形態として得る。収率=96%。融点260℃。MH:381.1(tr:6.74分、条件1)
【0137】
2.6:2−アミノ−1−エチル−N−メチル−7−{4−[2−({[4−(l−メチルエチル)モルホリン−3−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]フェニル}−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド塩酸塩(化合物32)
不活性雰囲気下、0.18gのN,N−カルボニルジイミダゾールをステップ2.5で得た化合物0.4g(1.1mmol)のDMF(5ml)懸濁液に加える。反応混合物を室温で1時間30分攪拌し、次いで、DMF(1ml)に溶解したステップ2.2で得られ、0.13g(1.3mmol)の炭酸ナトリウムの存在下で予め攪拌された化合物0.225g(1.2mmol)を加え、混合物を80℃で2時間加熱する。DMFを減圧蒸発により取除き、次いで残渣を、フラッシュ・クロマトグラフィによりシリカゲル(溶出液:ジクロロメタン/メタノール/1%NHOH)で0%から5%メタノール勾配を用いて精製する。0.3gの生成物を白色粉末の形態として得る。収率:57%。MH:521.3
この化合物0.28g(0.54mmol)のメタノール(2ml)懸濁液に、0.05mlの濃(35%)HCl溶液を加える。混合物を1時間攪拌し、次いでジエチルエーテル(10ml)を加え、形成された固体を濾過により単離し、次いで真空乾燥する。0.26gの塩酸塩生成物を、オレンジ色の粉末の形態として得る。収率87%。融点192℃。MH:521.3(tr:9.1分、条件2)
H NMR(400MHz,DMSO−d),δ(ppm):11.75(s,1H);11.13(q,1H,4.6Hz);10.86(s,1H);8.52(d,2H,8.1Hz);8.16(d,2H,8.3Hz);8.01(s,1H);7.95(d,1H,8.1Hz);7.46(d,2H,8.3Hz);4.61(q,2H,6.8Hz);3.96(m,3H);3.83−3.02(広範なm,9H);2.8(s,3H);1.24(m,9H)
【実施例3】
【0138】
2−アミノ−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−7−{5−[2−オキソ−2−(ピリド−2−イルアミノ)エチル]ピリド−2−イル}−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド塩酸塩(化合物19)
3.1:2−(6−クロロピリド−3−イル)−N−ピリド−2−イルアセトアミド
不活性雰囲気下、室温で、6.23g(38.5mmol)のN,N−カルボニルジイミダゾールを、2−クロロピリジル酢酸6g(35mmol)の無水THF(90ml)懸濁液に加える。反応混合物をこの温度で2時間攪拌し、次いで5.43g(57.7mmol)の2−アミノピリジンを加え、混合物を2時間還流する。200mlのジクロロメタンを反応混合物に加え、室温に冷却し、このようにして得た有機相を飽和塩化アンモニウム溶液、次いで水酸化ナトリウム水溶液(1N)で洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、減圧濃縮する。残渣を、フラッシュ・クロマトグラフィによりシリカゲル(溶出液:ジクロロメタン/酢酸エチル、0%から70%の酢酸エチル)で精製する。5.6gの化合物を白色粉末の形態として得る。収率65%。融点:130℃。MH:248.1(tr:5.45分、条件1)
【0139】
3.2:2−アミノ−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−7−{5−[2−オキソ−2−(ピリド−2−イルアミノ)−エチル]ピリド−2−イル}−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド塩酸塩(化合物19)
実施例1、ステップ1.12で記載した手順と同じ手順を使用し、ステップ3.1で得た化合物0.32g(1.3mmol)、ステップ1.7で得た化合物0.41g(1.4mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム74mg(0.06mmol)、ならびに1,2−ジメトキシエタン/エタノール(2/1)(19ml)およびHClのエーテル溶液(1M)0.26mlの混合物中の飽和炭酸水素ナトリウム溶液14.5mlから出発し、0.095gの塩酸塩生成物を黄色粉末の形態として得る。MH:458.3(tr:6.3分、条件1)。収率:16%。融点:268から288℃(分解)
H NMR(400MHZ,DMSO−d),δ(ppm):11.77(s,1H);11.3(s,1H);11.12(s,1H);8.74(d,1H,2Hz);8.62(d,1H,8.1Hz);8.49(d,1H,8.2Hz);8.36(m,1H);8.35(d,1H,8.1Hz);8.05(s+dd,2H,2,8.2Hz);8(d,1H,8.4Hz);7.9(dd,1H,7.2,8.4Hz);7.2(dd,1H,5.2,7.2Hz);6.33(2HCl);4.64(m,2H);3.97(s,2H);2.82(s,3H);1.33(t,3H,6.8Hz)
【実施例4】
【0140】
2−アミノ−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−7−{6−[2−オキソ−2−(ピリド−2−イルアミノ)エチル]ピリド−3−イル}−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物21)
4.1:2−(5−ブロモピリド−2−イル)−N−ピリド−2−イルアセトアミド
不活性雰囲気下、0.09g(0.95mmol)の2−アミノピリジン、0.31g(2.4mmol)のジイソプロピルエチルアミンおよび0.35g(1.1mmol)のTBTUを、無水THF(4ml)に溶解した、(5−ブロモ−2−ピリジル)酢酸(この合成は、Tetrahedron,1997,53(24)8257−8268,GurnosJ.らに記載されている。)0.26g(0.95mmol)に連続して加える。反応混合物を室温で3時間攪拌する。反応混合物を減圧濃縮し、残渣を酢酸エチル(20ml)に取り、次いでこのようにして得た有機相を、飽和塩化アンモニウム溶液(15ml)および飽和炭酸水素ナトリウム溶液(15ml)で洗浄し、次いでNaSOで脱水し、濾過し、減圧濃縮する。残渣を、フラッシュ・クロマトグラフィによってシリカゲル(溶出液:ジクロロメタン/酢酸エチル、1%NHOH)で、0%から20%酢酸エチル、1%NHOH勾配を用いて精製する。0.125gの化合物を白色粉末の形態として得る。収率:45%。融点:131℃。MH:292−294(tr:6.1分、条件1)
【0141】
4.2:2−アミノ−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−7−{6−[2−オキソ−2−(ピリド−2−イルアミノ)−エチル]ピリド−3−イル}−1,4−ジヒドロ−1.8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物21)
実施例1、ステップ1.12に記載の手順と同じ手順を用い、ステップ4.1で得た化合物0.42g(1.4mmol)、ステップ1.7で得た化合物0.46g(1.6mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム83mg(0.07mmol)、および1,2−ジメトキシエタン/エタノール(2/1)(24ml)混合物中の飽和炭酸水素ナトリウム溶液15mlから出発して、0.03gの生成物を白色粉末の形態として得る。収率:5%。融点:266℃。MH458.1(tr:6.5分、条件1)
H NMR(400MHz,DMSO−d),δ(ppm):11.76(s,1H);11.10(q,1H,4.6Hz);10.78(s,1H);9.32(d,1H,2.3Hz);8.57(d,1H,8.1Hz);8.53(dd,1H,2.3−8.2Hz);8.34(d,1H,5Hz);8.07(d,1H,8.2Hz);8.04(d+s,2H,8.2Hz);7.78(dd,1H,7.4,8.2Hz);7.59(d,1H,8.1Hz);7.12(dd,1H,5,7.4Hz);4.61(m,2H);4.05(s,2H);2.82(d,3H,4.6Hz);1.3(t,3H,6.8Hz)
【実施例5】
【0142】
2−アミノ−7−[4−(2−{[(4−シクロプロピルモルホリン−3−イル)メチル]アミノ}−2−オキソエチル)フェニル]−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド塩酸塩(化合物33)
5.1:4−シクロプロピルモルホリン−3−カルボキシアミド
メタノール(36ml)に溶解したモルホリン−3−カルボキシアミド塩酸塩(この合成は、国際公開WO2005/026156,Hennequin L.F.A.らに記載されている。)1.2g(7.2mmol)に、2.9gの3Aモレキュラーシーブ、4.3g(72mmol)の酢酸、7.g(43.2mmol)の2−[(1−エトキシシクロプロピル)オキシ]トリメチルシランおよび4.4g(31.7mmol)のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを続けて加える。反応混合物を70℃で3時間30分加熱し、次いで室温に冷却し、濾過する。濾液を減圧濃縮し、次いで残渣をジクロロメタン(200ml)に取り、NaOH水溶液(1N)(100ml)で3回洗浄する。有機相をNaSOで脱水し、濾過し、次いで減圧濃縮する。0.58gの生成物を、白色粉末の形態として得る。収率47%。融点116℃。MH:171.2(tr:1.03分、条件1)
【0143】
5.2:1−(4−シクロプロピルモルホリン−3−イル)メタンアミン塩酸塩
不活性雰囲気下、テトラヒドロフランと複合したトリボロハイドライドのTHF溶液(1N)13.6ml(13.6mmol)を、0℃に冷却した、ステップ5.1で得た化合物0.58g(3.4mmol)の無水THF溶液に滴加する。反応混合物を70℃で3時間加熱する。15mlのHCl溶液(1N)を反応混合物に加え、室温に冷却する。30分攪拌した後、水相を沈殿によって分離し、エーテル(15ml)で2回抽出し、次いで水酸化ナトリウム溶液(1N)の添加によって塩基性とする。次いで、水相を、酢酸エチル(20ml)で4回、ジクロロメタン(20ml)で4回抽出する。合わせた有機相を、NaSOで脱水し、濾過し、減圧濃縮する。残渣をメタノール(4ml)に取り、HClのエーテル溶液3.4mlを加える。溶液を30分攪拌し、次いで5mlのエーテルを加える。形成された固体を濾過により集め、Pで真空乾燥する。0.51gの生成物を白色粉末の形態として得る。収率78%。MH:157.2(tr:0.4分、条件1)
【0144】
5.3:2−アミノ−7−[4−(2−{[(4−シクロプロピルモルホリン−3−イル)メチル]アミノ}−2−オキソエチル)フェニル]−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド塩酸塩(化合物33)
実施例2、ステップ2.6で記載された手順と同じ手順を使用し、無水DMF(5ml)に懸濁させた、ステップ2.5で得た化合物0.33g(0.88mmol)から出発して、0.15g(0.92mmol)のCDIを加え、混合物を室温で2時間40分攪拌する。並行して、不活性雰囲気下、0.11g(1.1mmol)の炭酸ナトリウムを、DMF(2ml)に溶解した、ステップ5.2で得た化合物0.22g(0.97mmol)に加え、混合物をRTで2時間攪拌する。次いで、上澄み液を取除き、先に形成したイミダゾリド中間体に滴加する。次いで、混合物を80℃で2時間加熱する。DMFを減圧下で留去し、残渣を、フラッシュ・クロマトグラフィによりシリカゲル(溶出液:ジクロロメタン/メタノール)で0%から5%メタノール勾配を用いて精製する。0.13gの生成物を白色粉末の形態として得る。収率:28%
2mlのメタノールに溶解したこの化合物0.13g(0.25mmol)に、35.6%濃HCl溶液0.02g(0.3mmol)を加える。混合物をRTで1時間攪拌し、形成した固体を濾過により集め、Pで脱水する。0.13gの化合物を、白色粉末の形態として得る。収率92%。融点:250℃。MH:519.2(tr:5.5分、条件1)
H NMR(400MHz,DMSO−d)11.74(s,1H);11.13(q,1H,4.6Hz);10.33(s,1H);8.53(d,1H,8.1Hz);8.38(s,1H);8.16(d,2H,8.1Hz);8.0(s,1H);7.97(d,1H,8.1Hz);7.45(d,2H,8.1Hz);4.61(m,2H);4.03−3.79(m,3H);3.69−3.24(m,8H);2.95(m,1H);2.81(s,3H);1.32(t,3H,6.9Hz);1.16−0.92(m,4H)
【実施例6】
【0145】
2−アミノ−1−エチル−7−{4−[2−({[(2S,4R)−1−エチル−4−フルオロピロリジン−2−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]フェニル}−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−l,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド塩酸塩(化合物26)
6.1:(4R)−1−エチル−4−フルオロ−L−プロリンアミド
実施例2、ステップ2.1で記載された手順と同じ手順を使用し、0.88g(5.2mmol)の4(R)−フルオロ−2(S)−ピロリンカルボキシアミド(この合成は、Bioorg.Med.Chem.12(23),2004,6053−6061,Fukushima H.らに記載されている。)、0.90g(5.7mmol)のヨウ化エチル、および無水DMF(17ml)中の1.53g(18.3mmol)のNaHCOから出発して、0.84gの生成物を白色粉末の形態として得る。収率:100%。融点:127℃。MH:161.2(tr:0.36分、条件1)
【0146】
6.2:1−[(2S,4R)−1−エチル−4−フルオロピロリジン−2−イル]メタンアミン塩酸塩
実施例5、ステップ5.2で記載された手順と同じ手順を使用し、ステップ6.1で得た化合物0.69g(4.3mmol)、テトラヒドロフランと複合した三水素化ホウ素の無水THF(30ml)溶液(THF中1M)17.3ml(17.3mmol)、および次いでHClのエーテル溶液(1M)4.3mlから出発して、0.33gの生成物を、黄色油状物の形態として得る。さらに精製することなく次のステップに使用する。収率:52%。MH:147.3(tr:0.36分、条件1)
【0147】
6.3:2−アミノ−1−エチル−7−{4−[2−({[(2S,4R)−1−エチル−4−フルオロピロリジン−2−イル]−メチル}アミノ)−2−オキソエチル]フェニル}−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1.8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド塩酸塩(化合物26)
不活性雰囲気下、ステップ2.5で得た化合物0.85g(2.2mmol)のジクロロメタン(9ml)懸濁液に、0.45g(4.4mmol)のトリエチルアミンを加える。混合物を0℃(氷浴)に冷却し、ジクロロメタン(1ml)に溶解した、シアヌル酸フルオリド0.61g(4.4mmol)を滴加する。混合物をRTで3時間30分攪拌し、次いで30mlのジクロロメタンで希釈し、予め冷却した20mlの飽和NaHCO溶液で洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、濃縮する。得られた酸フッ化物を、精製することなく、次のステップで使用する。
無水DMF(4ml)に溶解した、ステップ6.2で得た化合物0.24g(1.6mmol)に、0.41g(4.1mmol)のトリエチルアミンを加え、次いで先のステップで得た酸フッ化物0.63g(1.7mmol)を添加する。混合物をRTで一晩攪拌し、次いでDMFを真空留去し、残渣をジクロロメタン(20ml)に取り、有機相を、飽和NaHCO溶液で洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、減圧濃縮する。残渣を、フラッシュ・クロマトグラフィによりシリカゲル(溶出液:ジクロロメタン/メタノール)で0%から3%メタノール勾配を用いて精製する。0.075gの化合物を、白色粉末の形態として得る。収率:9%。α=−12(濃度:MeOH中、25mg/ml)。MH:509(tr:5.2分、条件1)
メタノール(2.5ml)に溶解した、先のステップで得た化合物0.07g(0.13mmol)に、HClのエーテル溶液(1M)0.13ml(0.13mmol)を加える。混合物をRTで1時間攪拌し、次いで減圧濃縮する。固体をジクロロメタン(2ml)で粉砕し、濾別し、Pで真空脱水する。0.05gの化合物を、淡黄色粉末の形態として得る。収率:59%。融点170℃。MH:509.3(tr:5.2分、条件1)
H NMR(400MHz,DMSO−d),δ(ppm):11.73(s,1H);11.12(m,1H);10.56(s,1H);8.59(t,1H,5.6Hz);8.54(d,1H,8.1Hz);8.16(d,2H,8.3Hz);7.99(s,1H);7.96(d,1H,8.1Hz);7.48(d,2H,8.3Hz);5.41(dt,1H,4.9,53.2Hz);4.61(m,2H);3.9(m,1H);3.82−3.44(m,6H);3.38(m,1H);3.12(m,1H);2.82(m,3H);2.36(m,1H);2.02(m,1H);1.33(t,3H,6.8Hz);1.24(t,3H,7.9Hz)
【実施例7】
【0148】
2−アミノ−1−エチル−7−{4−[2−({[(2S)−1−エチル−4,4−ジフルオロピロリジン−2−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]フェニル}−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド塩酸塩(化合物24)
7.1:1−エチル−4,4−ジフルオロ−L−プロリンアミド
実施例2、ステップ2.1で記載された手順と同じ手順を使用し、4,4−ジフルオロ−2(S)−ピロリンカルボキシアミド(この合成は、Bioorg.Med.Chem.12(23)2004 6053−6061Fukushima H.らに記載されている。)0.2g(1.1mmol)、ヨウ化エチル0.18g(1.2mmol)、および無水DMF(3.5ml)中のNaHCO0.32g(3.7mmol)から出発して、0.18gの生成物を白色粉末の形態として得る。収率:95%。融点:138℃。MH:179.2(tr:1.25分、条件1)
【0149】
7.2:1−[(2S)−1−エチル−4,4−ジフルオロピロリジン−2−イル]メタンアミン塩酸塩
実施例2、ステップ5.2で記載された手順と同じ手順を使用し、ステップ7.1で得た化合物0.18g(1mmol)、テトラヒドロフランと複合した三水素化ホウ素の無水THF(12ml)溶液(THF中1M)8.2ml(8.2mmol)、およびHClのエーテル溶液(1M)2mlから出発して、0.2gの生成物を灰色粉末の形態として得、これをさらに精製することなく使用する。収率:100%。MH:検出せず
【0150】
7.3:2−アミノ−1−エチル−7−{4−[2−({[(2S)−1−エチル−4,4−ジフルオロピロリジン−2−イル]−メチル}アミノ)−2−オキソエチル]フェニル}−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−l,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド塩酸塩(化合物24)
不活性雰囲気下、ジイソプロピルエチルアミン0.37ml(3.8mmol)、次いで0.3ml(1.7mmol)のジイソプロピルエチルアミンの存在下、ステップ7.2で得た化合物0.20g(0.85mmol)のDMF(2ml)溶液を、無水DMF(4ml)に懸濁させた、ステップ2.5で得た化合物0.32g(0.85mmol)に連続して加える。0.31g(0.9mmol)のTBTUをこの反応混合物に加え、氷浴で冷却する。反応混合物を70℃で6時間攪拌し、次いで減圧濃縮する。残渣を、フラッシュ・クロマトグラフィによりシリカゲル(溶出液:ジクロロメタン/酢酸エチル、1%NHOH)で、0%から100%酢酸エチル、1%NHOH勾配を用いて精製する。0.087gの化合物を桃色粉末の形態として得る。
【0151】
2mlのメタノールに溶解した、先のステップで得た化合物0.087g(0.17mmol)に、0.17ml(0.17mmol)のHCl溶液(エーテル中1M)を加える。混合物をRTで1時間攪拌し、次いで5mlのエーテルを加え、形成した固体を濾過により集め、Pで真空脱水する。0.065gの生成物を、桃色粉末の形態として得る。収率:70%。融点:266℃。MH:527.3(tr:6.04分、条件1)
H NMR(400MHz,DMSO−d),δ(ppm):11.74(s,1H);11.12(q,1H,4.6Hz);11.08(s,1H);8.58(s,1H);8.53(d,1H,8.1Hz);8.16(d,2H,8.3Hz);7.98(s,1H);7.96(d,1H,8.1Hz);7.47(d,2H,8.3Hz);4.61(m,2H);4.18(q,1H,10.7Hz);3.91(m,1H);3.82(q,1H,12.9Hz);3.59(s,2H);3.56(m,3H);3.17(m,1H);2.81(s,3H);2.75(m,1H);2.43(m,1H);1.32(t,3H,6.8Hz);1.21(t,3H,7.1Hz)
【実施例8】
【0152】
2−アミノ−1−エチル−7−[4−(2−{[(4−エチルモルホリン−3−イル)メチル]アミノ}−2−オキソエチル)フェニル]−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド塩酸塩(化合物22)
8.1:4−エチルモルホリン−3−カルボキシアミド:
実施例2、ステップ2.1で記載された手順と同じ手順を使用し、モルホリン−3−カルボキシアミド(この合成は、国際公開WO2005/026156,Hennequin L.F.A.らに記載されている。)0.2g(1.1mmol)、ヨウ化エチル0.18g(1.2mmol)、および無水DMF(3.5ml)中のNaHCO0.32g(3.7mmol)から出発して、0.18gの生成物を白色粉末の形態として得る。収率:95%。融点:127℃。MH:159.3(tr=0.35分、条件1)
【0153】
8.2:1−(4−エチルモルホリン−3−イル)メタンアミン
不活性雰囲気下、水素化アルミニウムリチウムのTHF溶液(1M)0.76ml(0.76mmol)を、無水THFに溶解したステップ8.1で得た化合物0.06g(0.38mmol)に加え、次いで反応混合物を70℃で5時間加熱する。28μlの水、28μlの水酸化ナトリウム(1N)および84μlの水を続けてこの混合物に加え、RTに冷却し、ケーキを形成する。混合物を30分激しく攪拌し、次いで析出物を濾過により取除く。濾液を減圧濃縮し、0.06gの生成物を、無色油状物の形態として得、これを精製することなく、次のステップで使用する。収率:100%
H NMR(300MHz,DMSO−d),δ(ppm):3.82(m,2H);3.61(m,2H);2.92(m,2H);2.77(m,2H);2.4(m,3H);1.53(s,2H);1.1(t,3H,7.5Hz)
【0154】
8.3:2−アミノ−1−エチル−7−[4−(2−{[(4−エチルモルホリン−3−イル)メチル]アミノ}−2−オキソエチル)フェニル]−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド塩酸塩
実施例7、ステップ7.3で記載された手順と同じ手順を使用し、ステップ2.5で得た化合物0.14g(0.37mmol)、ステップ8.2で得た化合物0.05g(0.37mmol)、TBTU0.13g(0.4mmol)、無水DMF(4ml)中のジイソプロピルエチルアミン0.12g(0.92mmol)、およびHClのエーテル溶液(1M)0.17mlから出発して、0.07gの生成物を白色粉末の形態として得る。収率:50%。融点:190℃。MH:507.1(tr:5.4分、条件1)
H NMR(400MHz,DMSO−d),δ(ppm):11.73(s,1H);11.12(q,1H,4.6Hz);11.03+10.76(2s,1H);8.52(d,2H,8.1Hz);8.15(d,2H,8.1Hz);7.98(広範なs,1H);7.95(d,1H,8.1Hz);7.47(d,2H,8.1Hz);4.61(m,2H);3.94(m,2H);3.81(m,1H);3.58(m,3H);3.38(m,4H);3.18(m,3H);2.81(d,3H,4.6Hz);1.28(m,6H)
【実施例9】
【0155】
1−エチル−7−[5−(2−{[(1−エチルピロリジン−2−イル)メチル]アミノ}−2−オキソエチル)チオフェン−2−イル]−N,2−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物52)
9.1:(5−クロロチオフェン−2−イル)酢酸
1.2g(29.8mmol)の水酸化ナトリウム粉末を19.7g(158.8mmol)のFAMSOに加え、混合物を70℃で30分加熱し、次いで3g(19.8mmol)の5−クロロ−2−チオフェンカルボキシアルデヒドを加え、混合物を再び70℃で一晩加熱する。室温で850mlの水を加え、次いで水相を酢酸エチル(3×430ml)で抽出する。合わせた有機相を飽和NaCl水溶液で洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、減圧濃縮する。6.7gの生成物を、褐色油状物の形態として得、これを、精製することなく、次のステップで使用する。
MH:253(tr:7.6分、条件1)
HClのジオキサン溶液(4M)33ml(132mmol)を、エタノール(44ml)に溶解した、先のステップで得た化合物6.7gに加え、混合物を80℃で2時間15分加熱する。RTに冷却した混合物を、酢酸エチル(400ml)で希釈し、飽和NaHCO水溶液(350ml)、次いでNaCl(200ml)で洗浄する。次いで、有機相をNaSOで脱水し、濾過し、減圧濃縮する。残渣を、フラッシュ・クロマトグラフィによりシリカゲルカラム(溶出液:ヘプタン/ジクロロメタン)で0%から50%ジクロロメタン勾配を用いて精製する。1.93gの生成物を、褐色油状物の形態として得る。収率:32%。MH:205.1(tr:5.33分、条件1)
0.97g(23.1mmol)の水酸化リチウム一水和物を、溶剤混合物(1/1/1THF/メタノール/水)(33ml)に溶解した、先のステップで得た化合物1.93g(6.6mmol)に加える。混合物を70℃で2時間加熱し、RTに冷却し、23mlのHCl水溶液(1N)を加えることによってpH1の酸性とし、次いでジクロロメタン(2回、30ml)で抽出する。合わせた有機相を飽和NaCl水溶液で洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、減圧濃縮する。1.44gの生成物を、褐色粉末の形態として得、これを、精製することなく、次のステップで使用する。MH:176(tr:12.3分、条件GC Cl/CH4+)
【0156】
9.2:2−(5−クロロチオフェン−2−イル)−N−[(1−エチルピロリジン−2−イル)メチル]−アセトアミド:
実施例4、ステップ4.1で記載された手順と同じ手順を使用し、先のステップで得た化合物1.77g(10mmol)、1−エチルピロリジニルメチルアミン5.4g(40mmol)、TBTU6.4g(20mmol)および無水DMF(100ml)中のジイソプロピルエチルアミン2.58g(20mmol)から出発して、1.62gの生成物を、白色粉末の形態として得る。収率:56%。融点:MH:287.1(tr:4.1分、条件1)
【0157】
9.3 1−エチル−7−[5−(2−{[(1−エチルピロリジン−2−イル)メチル]アミノ}−2−オキソエチル)−チオフェン−2−イル]−N,2−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物52)
実施例1、ステップ1.12で記載された手順と同じ手順を使用し、ステップ9.2で得た化合物1g(3.5mmol)、ステップ1.7で得た化合物1.3g(4.5mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.24g(0.2mmol)、およびDME/EtOH(35ml)の2/1混合物中のNaHCO溶液14mlから出発して、0.05gの生成物を白色粉末の形態として得る。収率:2%。融点:250℃。MH:497(tr:5.3分、条件1)
H NMR(400MHz,DMSO−d),δ(ppm):11.7(s,1H);11.1(q,1H,4.5Hz);8.43(d,1H,8.3Hz);8.0(m,1H);7.95(広範なs,1H);7.82(d,1H,8.3Hz);7.80(d,1H,3.7Hz);7.0(d,1H,3.7Hz);4.5(m,2H);3.72(s,2H);3.27(m,1H);3.01(m,1H);2.89(m,1H);2.8(t,3H,4.5Hz);2.76(m,1H);2.42(m,1H);2.18(m,1H);2.07(m,1H);1.76(m,1H);1.61(m,2H);1.48(m,1H);1.3(t,3H,6.9Hz);1.01(t,3H,7.2Hz);
【実施例10】
【0158】
2−アミノ−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−7−{4−[2−(ピリド−2−イルアミノ)エチル]フェニル}−1,4−ジヒドロ−l,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド塩酸塩(化合物64)
10.1 N−[2−(4−ブロモフェニル)エチル]ピリド−2−アミン
密閉管中で、ブタノール(10ml)に溶解した、1.9g(20.4mmol)の2−アミノピリジンおよび6.1g(30.6mmol)の4−ブロモフェネチルアミンの混合物をマイクロ波により230℃で1時間加熱する。室温に冷却した混合物を水(50ml)に注ぎ入れ、酢酸エチル(3×100ml)で抽出し、合わせた有機相を硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、濃縮する。残渣を、フラッシュ・クロマトグラフィによりシリカゲルカラム(溶出液:ジクロロメタン/酢酸エチル、0%から50%酢酸エチル)で精製する。1.4gの生成物を、白色粉末の形態として得る。収率:24%。融点:71℃。MH:278.1(tr:3.71分、条件1)
【0159】
10.2:2−アミノ−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−7−{4−[2−(ピリド−2−イルアミノ)エチル]−フェニル−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド塩酸塩(化合物64)
実施例1、ステップ1.12で記載された手順と同じ手順を使用し、ステップ10.1で得た化合物0.3g(1.1mmol)、ステップ1.7で得た化合物0.345g(1.2mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.06g(0.05mmol)およびDME/EtOH(15ml)の2/1混合物中の飽和NaHCO溶液4.7mlから出発して、このようにして得た0.12gの生成物をメタノール(3ml)に取り、0.03mlの36%濃HClを加える。0.130gの生成物を白色粉末の形態として得る。収率:25%。融点:242℃。MH:497(tr:5.33分、条件1)
H NMR(400MHz,DMSO−d),δ(ppm):13.7(s,1H);11.73(m,1H);11.12(q,1H,4.5Hz);8.9(s,1H);8.52(d,1H,8.1Hz);8.17(d,2H,8.3Hz);8.02(広範なs,1H);7.96(d,1H,8.1Hz);7.89(m,1H);7.51(d,2H,8.3Hz);7.08(d,1H,9.1Hz);6.84(広範なt,1H,6.7Hz);4.6(m,2H);3.69(m,2H);3.01(t,2H,7.2Hz);2.81(d,3H,4.5Hz);1.32(t,3H,6.9Hz).
【0160】
化合物1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、20、23、25、28、30、31、45、46、47、51、52、56、62、63および64を、実施例1で記載した合成経路に従って合成した。化合物35、36、37、38、39、40、41、42、44、48、49、50、53、54および55を、実施例2に記載した合成経路に従って合成した。化合物29、34および43を実施例3に記載した合成経路に従って合成した。
【0161】
以下の表に、本発明による化合物の幾つかの例の化学構造および物性を示す。
【0162】
表1は、式(I)(式中、Uはカルボニル基を表し、R6=−(CH−Lである。)の化合物に対応する式(Ia)の化合物を示す。
【0163】
表2は、式(I)(式中、Uはカルボニル基を表し、Y、VおよびWは−CH−基を表し、Zは炭素原子を表し、R7は水素原子を表し、およびR6=−(CH−Lである。)の化合物に対応する式(Ib)の化合物を示す。
【0164】
表3は、式(I)(式中、Uは−CH−基を表し、Z、Y、VおよびWは−CH−基を表し、R7は水素原子を表し、およびR6=−(CH−Lである。)の化合物に対応する式(Ic)の化合物を示す。
【0165】
これらの表において、
「塩」の列において、「−」は、遊離塩基の形態の化合物を示し、一方「HCl」は、塩酸塩の形態の化合物を示し、()内の比は(酸:塩基)比であり、
Me、Et、n−Pr、i−Pr、n−Buおよびi−Buは、それぞれ、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチルおよびイソブチル基を表し、
PhおよびBnは、それぞれ、フェニルおよびベンジル基を表す。
【0166】
【表1】











【0167】
【表2】

【0168】
【表3】

チロシンキナーゼ活性を有するタンパク質に対する抑制効果を測定するために、本発明による化合物を薬理試験に供した。
【0169】
例として、本発明の化合物のPDGF−Rおよび/またはFLT3のチロシンキナーゼ活性に対する抑制効果を、細胞モデルにおいて、インビトロで測定した。
【0170】
PDGFまたはFLT3受容体に関する抑制活性を、それぞれ、BaF3 Tel/PDGF細胞またはMV4−11細胞の増殖活性の50%を阻害する濃度によって表す。
【0171】
PDGFβ(PDGF−Rβ)(Baf−3tel/PDGFRβ)受容体のチロシンキナーゼ活性の阻害の測定:
この試験は、PDGFβ受容体のチロシンキナーゼ活性に対する化合物の効果を評価することにより構成される。
【0172】
PDGF−R受容体のチロシンキナーゼ活性に対する本発明による化合物の抑制効果を、融合タンパク質Tel/PDGF−Rβをコードするプラスミドを形質移入された、マウスの造血性細胞株BaF/3に基づいて評価した。この融合タンパク質は、慢性骨髄単球性骨髄性白血病(CMML)において見出される。これは、Tel転写因子のN末端部分と、膜貫通と、PDGF−Rβ受容体の細胞内部分とを含む。この融合タンパク質は、二量化形態(TelのN末端部分にオリゴマー化ドメインが存在)に存在し、その結果PDGF−Rβのキナーゼドメインの恒常的活性をもたらす。このラインBaF3 Tel/PDGFは、文献に数回記載され、とりわけ、M.Carrollらによる記事、PNAS,1996,93,14845−14850,M.Carrollら,Blood 2002,99,14845−14850に詳しく記載されている。
【0173】
BaF3 Tel/PDGF細胞をリン酸緩衝液で洗浄し、5×10個の細胞/mlの密度(1ウェル当たり100ml)で、10%FCSを含有するRPMI 1640中、試験化合物の存在下または非存在下で、96ウェルプレートに播種する。72時間温置した後、CellTiter−Glo(登録商標)キット(Promega,CatG7571)により細胞ATPを測定することで、生存細胞を定量化する。キットの製造業者による説明書に従って細胞を処理し、以下のパラメータ、測定:シングル;積分時間:1000ms、ラグタイム:5秒で、Luminoskan(Ascent,Labsystem)を使用して、発光を測定する。
【0174】
このようにして、本発明による化合物には、PDGF−Rβのチロシンキナーゼ活性に対する抑制活性があることが示される。この活性は、BaF3 Tel/PDGF細胞の増殖の50%を抑制する濃度により表される(IC50)。本発明による化合物のIC50の値は、1.0μM未満である。
【0175】
例えば、PDGF受容体のチロシンキナーゼ活性の測定試験において、化合物6、14、19、22、24、29、33、35、41、47および48のIC50は、それぞれ、11、11、27、0.07、2、35、4.7、3.7、5.5、48および162nMであった。
【0176】
PDGFα受容体のチロシンキナーゼ活性の抑制の測定:
PDGFα受容体のチロシンキナーゼ活性に対する本発明による化合物の抑制効果を、EOL−1細胞株で評価した。EOL−1細胞株は、恒常的に活性な、慢性好酸球性白血病(CEL)タイプの白血病から樹立されている。EOL−1ラインは、融合タンパク質FIP1L1−PDGF−Rαを発現すると記載されており、増殖試験においてキナーゼ抑制剤に感受性がある(Cools J.ら,Blood 2004,103,2802−2005)。抑制活性は細胞増殖の抑制と相関がある。
【0177】
EOL−1細胞をPBS緩衝液で洗浄し、5×10個の細胞/mlの密度(1ウェル当たり100μL)で、10%FCSを含有するRPMI1640中、試験化合物の存在下または非存在下で、96ウェルプレートに播種する。72時間温置した後、CellTiter−Glo(登録商標)キット(Promega,Cat G7571)により細胞ATPを測定することで、生存細胞を定量化する。キットの製造業者による説明書に従って細胞を処理し、以下のパラメータ、測定:シングル;積分時間:1000ms、ラグタイム:5秒で、Luminoskan(Ascent,Labsystem)を使用して、発光を測定する。
【0178】
このようにして、本発明による化合物には、PDGF−Rαのチロシンキナーゼ活性に対する抑制活性があることが示される。この活性は、EOL−1細胞の増殖の50%を抑制する濃度により表される。本発明による化合物のIC50値は、1.0μM未満である。
【0179】
例えば、PDGFα受容体のチロシンキナーゼ活性の測定試験において、化合物5、6、22、19、24、33、35、43、50および51のIC50は、それぞれ、1.6、0.57、<0.01、0.4、<0.01、<0.01、0.8、29.7、3.2および92.7nMであった。
【0180】
PDGF−Rチロシンキナーゼに対する抑制特性の他に、本発明による化合物は、以下に記載するように、FLT3受容体のチロシンキナーゼ活性に対する抑制特性を有することも示される。
【0181】
FLT3受容体のチロシンキナーゼ活性の抑制の測定
FLT3受容体のチロシンキナーゼ活性に対する本発明による化合物の抑制効果を、MV4−11細胞株で評価した。この細胞株は、FLT3ITD変異体を持つ、恒常的に活性なAMLタイプの白血病から樹立されている。抑制活性は、Spiekermann,K.ら,Blood,2003,101,(4)1494−1504およびO’Farrell,A.−M.ら,Blood,2003,101,(9)3597−3605に記載のプロトコルに従って、細胞増殖の抑制に相関する。
【0182】
MV4−11細胞をPBS緩衝液で洗浄し、1×10個の細胞/mlの密度(1ウェル当たり100μL)、10%FCSを含有するRPMI1640中、試験化合物の存在下または非存在下で、96ウェルプレートに播種する。72時間温置した後、CellTiter−Glo(登録商標)キット(Promega,CatG7571)により細胞ATPを測定することで、生存細胞を定量化する。キットの製造業者による説明書に従って細胞を処理し、以下のパラメータ、測定:シングル;積分時間:1000ms、ラグタイム:5秒で、Luminoskan(Ascent,Labsystem)を使用して、発光を測定する。
【0183】
FLT3受容体に関する抑制活性を、MV4−11細胞の増殖の50%を抑制する濃度によって表す。このようにして、本発明による化合物には、FLT3受容体のチロシンキナーゼ活性に対する抑制活性があり、IC50値は1.0μM未満であることが示される。
【0184】
例えば、FLT3受容体のチロシンキナーゼ活性の測定試験において、化合物3、4、5、6、14、16、19、22、24、33および35のIC50は、それぞれ、0.33、0.21、0.19、0.1、0.34、0.182、0.1、0.13、0.19、0.056および0.083μMであった。
【0185】
本発明の化合物のエクソビボ活性を測定した。即ち、これらの化合物を、10、30または100mg/kgの投与量、メチルセルロース/ツイーンのようなビヒクルの懸濁液または溶液で、雌Balb/cマウスに経口投与し、チロシンキナーゼ活性の抑制を、細胞試験において、15分、1時間および4時間後に集めた血漿を用いて、インビトロで測定する。
【0186】
エクソビボでのPDGFα受容体のチロシンキナーゼ活性の抑制の測定:
1)生成物のマウスへの投与のプロトコル
生成物を0.5%ツイーン80および0.6%メチルセルロースqs最終容積を用い、乳鉢で調製する。必要に応じて、異なるビヒクル、水、Labrasol Solutol5%グルコース−水の混合物の調剤を使用してもよい。懸濁したまたは溶解した生成物を、8から15週齢の雌Balb/cマウスに、経管(10ml/kg)により投与する。
【0187】
次いで動物を、プロトコルにより定められた時間(15分、1時間、4時間、16時間)に集める。
【0188】
動物を、ケタミン(0.1g/kg)−キシラジン(20mg/kg)混合物の腹腔内注射(10ml/kg)により麻酔する。開腹して、下行腹部大動脈および下大静脈集合体を露出させる。血液サンプルを乾燥した注射器および針を使用して、静脈および動脈から集める。血液を直ちにヘパリンリチウム管(BD microtainer)に移す。12000rpmで3分間遠心分離し、血漿を回収し、これで、−20℃で凍結による保存の後、生化学的試験を行ってもよい。
【0189】
2)HEK Tel/PDGF−R細胞の調製およびPDGF−Rのリン酸化の測定
マウスの血漿を用いて生成物のエクソビボ活性を測定するために、前もって、HEK細胞を、融合タンパク質Tel/PDGF−R(先に記載した融合タンパク質)をコードする発現ベクターで過渡的に形質移入する。形質移入の24時間後、細胞を一晩血清欠乏とし、次いで本発明の生成物で処理した動物の血漿で30分温置する。次いで細胞をRIPA緩衝液に溶解し、次いでPDGF−Rβのリン酸化の検出を、市販のキット(R&D Systems DYC1767)を使用し、ELISA法によって行う。結果を、自己リン酸化の抑制の割合で表す。
【0190】
エクソビボ活性の測定のこの試験において、本発明の化合物の効果を、処置した動物の血漿中に存在する生成物の抑制活性によって誘発される、HEK細胞内のPDGF−Rβ受容体のキナーゼドメインのリン酸化の抑制の割合によって、本発明の化合物の効果を定量し、以下の表に記載する。
【0191】
【表4】

【0192】
このように、本発明の主題の一つによれば、式(I)の化合物は、処置された動物の血漿内に存在する生成物の抑制活性により誘発される、HEK細胞内のPDGF−Rβ受容体のキナーゼドメインのリン酸化に対する非常に有利な抑制活性を有する。
【0193】
従って、本発明による化合物は、タンパク質キナーゼ、とりわけPDGFαおよびβチロシンキナーゼ受容体、これらの中の幾つかに関しては、FLT3チロシンキナーゼ受容体の抑制剤となる。
【0194】
従って、本発明による化合物は、医薬品、特にタンパク質キナーゼ抑制医薬品を調製するために使用してもよい。
【0195】
これらの医薬品は、タンパク質キナーゼ抑制医薬品、とりわけPDGF−Rチロシンキナーゼ受容体および場合によってはFLT3チロシンキナーゼ受容体を抑制する医薬品である。
【0196】
従って、本発明の他の態様によれば、本発明の主題は、式(I)の化合物もしくは医薬的に許容される酸との酸付加塩、または式(I)の化合物の溶媒和物を含む医薬品である。
【0197】
これらの医薬品には、タンパク質キナーゼの活性に関連した疾患、とりわけ、液性腫瘍癌、慢性または急性白血病、リンパ球性リンパ腫、ホジキン病および骨髄増殖症候群、および骨髄異形成症候群、また、固体腫瘍癌、例えば、肺癌(NSCLC)、骨癌、膵臓癌または皮膚癌、カポジ肉腫、眼球内黒色腫、乳癌、子宮癌、子宮頸癌、卵巣癌、子宮内膜、膣、外陰部、尿道、陰茎または前立腺の癌、輸卵管細胞腫、GIST、および肛門領域、直腸、小腸の癌、腸癌、胃癌、食道、内分泌、甲状腺、副甲状腺または副腎の癌、軟部組織肉腫、ユーイング肉腫、骨肉腫、皮膚線維肉腫および他の線維肉腫、膀胱または腎臓の癌、中枢神経の新生物、脊柱腫瘍および類腱腫、脳幹神経膠腫および神経膠芽腫、下垂体腺腫、ならびにこの転移のような増殖性疾患の治療において、治療用途が見出される。
【0198】
本発明の他の態様は、本発明による化合物の少なくとも1種と、化学療法剤の少なくとも1種との組合せを含む。
【0199】
具体的には、本発明の化合物は、単独で使用しても、少なくとも1種の化学療法剤との混合物としても使用してもよい。化学療法剤は、細胞毒性剤および抗血管新生薬から選択され得る。例えば、抗血管新生薬は、VEGF−Rまたは増殖因子拮抗化合物のキナーゼ活性を抑制する化合物であってもよい。
【0200】
本発明による化合物を放射線治療と組み合わせることも可能である。
【0201】
本発明による化合物と、先に記載した化学療法剤および/または放射線との組合せは、本発明の別の主題である。
【0202】
先に記載した化学療法剤投与および/または放射線照射は、同時に、別々に、または続けて行ってもよい。治療は、治療すべき患者の機能により医者によって適応される。
【0203】
これらの医薬品は、非悪性増殖性疾患、例えば、再狭窄、アテローム性動脈硬化症、血栓症、心不全、心肥大、肺動脈高血圧症、線維症、糖尿病性腎症、糸球体腎炎、慢性腎盂腎炎、血管腫、乾せん、硬化性皮膚炎および免疫抑制(例えば、移植片拒絶)のような自己免疫疾患においても、治療用途が見出される。
【0204】
他の態様によれば、本発明は、活性成分として、本発明による化合物を含有する医薬組成物に関する。これらの医薬組成物は、有効投与量の本発明による化合物もしくはこの医薬的に許容される塩、または前記化合物の溶媒和物の少なくとも1種と、医薬的に許容される賦形剤の少なくとも1種とを含有する。
【0205】
前記賦形剤は、医薬の形態および所望の投与モードに従って、当業者に公知の通常の賦形剤から選択される。
【0206】
経口、舌下、皮下、筋肉内、静脈内、局所、気管内、鼻腔内、経皮または直腸内投与用の本発明の医薬組成物において、前記式(I)の活性成分または可能なこの塩または溶媒和物は、上記障害または疾患の予防または治療のために、標準的な医薬賦形剤との混合物として、単位投与形態で、ヒトおよび動物に投与してもよい。
【0207】
適正な単位投与形態として、錠剤、軟質ゲルカプセルもしくは硬質ゲルカプセル、粉末、顆粒および経口用溶液または懸濁液のような経口形態、舌下、バッカル、気管内、眼球内、鼻腔内または吸入投与形態、局所、経皮、皮下、筋肉内または静脈内投与形態、直腸内投与形態、およびインプラントが挙げられる。局所投与については、本発明による化合物を、クリーム、ジェル、軟膏剤またはローションとして使用することができる。
【0208】
例として、錠剤の形態の本発明による化合物の単位投与形態は、以下の成分を含んでもよい。
【0209】
本発明による化合物 50.0mg
マンニトール 223.75mg
クロスカルメロースナトリウム 6.0mg
トウモロコシデンプン 15.0mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 2.25mg
ステアリン酸マグネシウム 3.0mg
他の態様によれば、本発明は、先に示した病態を治療する方法であって、有効投与量の本発明による化合物、またはこの医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物を患者に投与することを含む方法にも関する。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
1.式(I):
【化1】

に対応する化合物であって、
式中、
R1は、(C1−C4)アルキル基を表し、
R2は、−(CHn’−B(n’=0、1、2、3、4であり、Bは、(C3−C5)−シクロアルキル基、または任意に1個以上のフッ素原子で置換されている(C1−C4)アルキル基、または(C1−C4)アルコキシ基である。)を表し、
Uは、カルボニル基または−CH−基を表し、
Y、Z、VおよびWは、互いに独立して、−CH−基、または任意に基R7で置換されている炭素原子、または窒素原子、イオウ原子もしくは酸素原子のようなヘテロ原子、または原子なしを表し、環は芳香族であり、ならびに5員環または6員環でなければならないと理解され、
R3、R4は、互いに独立して、水素原子もしくは直鎖(C1−C4)アルキル基を表し、またはR3およびR4は、これらが結合する炭素と一緒になって、(C3−C5)シクロアルキル基を形成し、
mは、1、2、3、4の整数であり、
R5は、水素原子または(C1−C4)アルキル基を表し、
R6は、−(CH−Lを表し、n=0、1、2、3であり、Lは、以下の基:
任意に(C1−C4)アルコキシ基で置換されている(C1−C5)アルキル基、
(C3−C5)シクロアルキル基、
6個の炭素原子を含み、ならびに任意に1個以上のハロゲン原子で置換されているアリール、
窒素またはイオウ原子から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む、任意に(C1−C4)アルキル基で置換されている5または6員ヘテロアリール、
飽和複素環であって、前記複素環は、窒素原子および酸素原子から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む4から7員環であり、ならびに任意に、窒素原子上を含む任意の位置が、フッ素原子、(C1−C4)フルオロアルキル基、直鎖または分岐状(C1−C4)アルキル基、(C3−C5)シクロアルキル基および(C1−C4)アルキルスルホンアミド基から選択される1個以上の置換基で置換されており、置換されている炭素の絶対配置は、RもしくはS、またはラセミが可能である飽和複素環
から独立して選択される基であり、
R7は、水素原子、または(C1−C4)アルキル基、またはハロゲン原子を表し、
塩基もしくは酸付加塩の形態または溶媒和物の形態、ならびに混合物を含むこの鏡像体およびジアステレオ異性体である、化合物。
【請求項2】
R1は、(C1−C4)アルキル基を表し、
および/または
R2は、−(CHn’−B(n’=0、1であり、ならびにBは、(C3−C5)シクロアルキル基、または任意に1個以上のフッ素原子で置換されている(C1−C4)アルキル基、または(C1−C4)アルコキシ基である。)を表し、
および/または
Uは、カルボニル基または−CH−基を表し、
および/または
Y、Z、VおよびWは、互いに独立して、−CH−基、または任意にR7基で置換されている炭素原子、または窒素原子もしくはイオウ原子のようなヘテロ原子、または原子なしを表し、環は、芳香族であり、ならびに5員環または6員環でなければならないと理解され、
および/または
R3、R4は、互いに独立して、水素原子または直鎖(C1−C4)アルキル基を表し、またはR3およびR4は、これらが結合する炭素と一緒になって、(C3−C5)シクロアルキル基を形成し、
および/または
mは、1、2、3、4の整数であり、
および/または
R5は、水素原子または(C1−C4)アルキル基を表し、
および/または
R6は、−(CH−Lを表し、n=0、1、2、3であり、Lは、以下の基:
任意に(C1−C4)アルコキシ基で置換されている(C1−C5)アルキル基、
(C3−C5)シクロアルキル基、
6個の炭素原子を含み、ならびに任意に1個以上のハロゲン原子で置換されているアリール、
窒素またはイオウ原子から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む、任意に(C1−C4)アルキル基で置換されている5または6員ヘテロアリール、
飽和複素環であって、前記複素環は、窒素原子および酸素原子から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む5から7員環であり、ならびに任意に、窒素原子上を含む任意の位置が、フッ素原子、(C1−C4)フルオロアルキル基、直鎖または分岐状(C1−C4)アルキル基、(C3−C5)シクロアルキル基および(C1−C4)アルキルスルホンアミド基から選択される1個以上の置換基で置換されており、置換されている炭素の絶対配置は、RもしくはS、またはラセミが可能である、飽和複素環、
から独立して選択される基であり、
および/または
R7は、水素原子、または(C1−C4)アルキル基、またはハロゲン原子を表し、
塩基もしくは酸付加塩の形態または溶媒和物の形態、ならびに混合物を含むこの鏡像体およびジアステレオ異性体であることを特徴とする、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項3】
Uはカルボニル基を表すことを特徴とする、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項4】
Y、Z、VおよびWを含む環は、フェニル、ピリジン、チアゾールおよびチオフェン基から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項5】
R3および/またはR4および/またはR5は、水素原子を表すことを特徴とする、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項6】
鎖:−[C(R3R4)]−U−N(R5)(R6)は、これが結合する環に関してパラまたはメタ位であることを特徴とする、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項7】
以下の化合物:
2−アミノ−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−7−{4−[2−オキソ−2−(フェニルアミノ)エチル]−フェニル}−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−1−エチル−7−[4−(2−{[(1−エチルピロリジン−2−イル)メチル](メチル)アミノ}−2−オキソエチル)フェニル]−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−7−{4−[2−オキソ−2−(ピリド−3−イルアミノ)エチル]−フェニル}−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−7−{4−[2−オキソ−2−(ピリド−2−イルアミノ)エチル]−フェニル}−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−7−(4−{2−[(2−クロロフェニル)アミノ]−2−オキソエチル}フェニル)−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−7−(4−{2−[(3,5−ジフルオロフェニル)アミノ]−2−オキソエチル}フェニル)−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−7−(4−{2−オキソ−2−[(ピリド−4−イルメチル)アミノ]エチル}フェニル)−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−7−(4−{2−オキソ−2−[(ピリド−2−イルメチル)アミノ]エチル}フェニル)−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−1−エチル−7−(4−{2−[(2−メトキシエチル)アミノ]−2−オキソエチル}フェニル)−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−7−{4−[2−(シクロプロピルアミノ)−2−オキソエチル]フェニル}−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−1−エチル−N−メチル−7−(4−{2−[(1−メチルエチル)アミノ]−2−オキソエチル}−フェニル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−7−{4−[2−(シクロペンチルアミノ)−2−オキソエチル]フェニル}−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−7−{4−[2−オキソ−2−(ピラジン−2−イルアミノ)−エチル]フェニル}−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−1−エチル−7−{4−[2−({[(2R)−1−エチルピロリジン−2−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]フェニル}−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−1−エチル−7−{4−[2−({[(2S)−1−エチルピロリジン−2−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]フェニル}−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−7−{4−[2−オキソ−2−(ピリミジン−4−イルアミノ)−エチル]フェニル}−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−7−{4−[2−オキソ−2−(ピリド−4−イルアミノ)エチル]−フェニル}−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−1−エチル−N−メチル−7−(4−{2−[(2−モルホリン−4−イルエチル)アミノ]−2−オキソエチル}フェニル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−7−{5−[2−オキソ−2−(ピリド−2−イルアミノ)−エチル]ピリド−2−イル}−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−1−エチル−N−メチル−7−{4−[1−メチル−2−オキソ−2−(ピリド−2−イルアミノ)−エチル]フェニル}−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−7−{6−[2−オキソ−2−(ピリド−2−イルアミノ)−エチル]ピリド−3−イル}−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−1−エチル−7−[4−(2−{[(4−エチルモルホリン−3−イル)メチル]アミノ}−2−オキソエチル)フェニル]−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−1−エチル−7−[6−(2−{[(4−エチルモルホリン−3−イル)メチル]アミノ}−2−オキソエチル)ピリド−3−イル]−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−1−エチル−7−{4−[2−({[(2S)−1−エチル−4,4−ジフルオロピロリジン−2−イル]−メチル}アミノ)−2−オキソエチル]フェニル}−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−1−エチル−7−[4−(2−{[(4−エチルモルホリン−3−イル)メチル]アミノ}−1−メチル−2−オキソエチル)フェニル]−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−1−エチル−7−{4−[2−({[(2S,4R)−1−エチル−4−フルオロピロリジン−2−イル]−メチル}アミノ)−2−オキソエチル]フェニル}−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−1−エチル−7−{4−[2−({[(2R)−1−(2−フルオロエチル)ピロリジン−2−イル]メチル}−アミノ)−2−オキソエチル]フェニル}−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−1−エチル−N−メチル−7−{4−[2−({[(2R)−1−(メチルスルホニル)ピロリジン−2−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]フェニル}−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−1−エチル−7−{5−[2−({[(2R)−1−(2−フルオロエチル)ピロリジン−2−イル]メチル}−アミノ)−2−オキソエチル]ピリド−2−イル}−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−7−{4−[2−オキソ−2−({[(2R)−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピロリジン−2−イル]メチル}アミノ)エチル]フェニル}−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−7−{4−[2−({[(2R)−1−(2,2−ジフルオロエチル)ピロリジン−2−イル]メチル}−アミノ)−2−オキソエチル]フェニル}−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−1−エチル−N−メチル−7−{4−[2−({[4−(1−メチルエチル)モルホリン−3−イル]−メチル}アミノ)−2−オキソエチル]フェニル}−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−7−[4−(2−{[(4−シクロプロピルモルホリン−3−イル)メチル]アミノ}−2−オキソエチル)フェニル]−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−7−{5−[2−({[(2R)−1−(2,2−ジフルオロエチル)ピロリジン−2−イル]メチル}−アミノ)−2−オキソエチル]ピリド−2−イル}−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−7−{4−[2−オキソ−2−(1,3−チアゾール−2−イルアミノ)−エチル]フェニル}−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−1−エチル−N−メチル−7−[4−(2−{[(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]アミノ}−2−オキソエチル)フェニル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−7−(4−{2−オキソ−2−[(2−ピリド−3−イルエチル)アミノ]エチル}フェニル)−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−1−エチル−N−メチル−7−(4−{2−[(3−モルホリン−4−イルプロピル)アミノ]−2−オキソエチル}フェニル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−7−(4−{2−オキソ−2−[(2−ピリド−2−イルエチル)アミノ]エチル}フェニル)−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−7−(4−{2−オキソ−2−[(2−フェニルエチル)アミノ]−エチル}フェニル)−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−7−(4−{2−オキソ−2−[(3−フェニルプロピル)アミノ]エチル}フェニル)−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−1−エチル−N−メチル−7−[4−(2−{[2−(1−メチル−1H−ピロール−2−イル)−エチル]アミノ}−2−オキソエチル)フェニル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−1−エチル−7−[4−(2−{[(1−エチルピロリジン−2−イル)メチル]アミノ}−2−オキソエチル)−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−1−(3−メトキシプロピル)−N−メチル−4−オキソ−7−{4−[2−オキソ−2−(ピリド−2−イルアミノ)エチル]フェニル}−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−7−[4−(2−{[1−(2,2−ジフルオロエチル)ピロリジン−3−イル]アミノ}−2−オキソエチル)フェニル]−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−1−エチル−7−[4−(3−{[(1−エチルピロリジン−2−イル)メチル]アミノ}−3−オキソプロピル)フェニル]−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−1−エチル−7−[4−(4−{[(1−エチルピロリジン−2−イル)メチル]アミノ}−4−オキソブチル)フェニル]−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−1−エチル−7−[4−(2−{[(1−エチルピロリジン−2−イル)メチル]アミノ}−2−オキソエチル)フェニル]−4−オキソ−N−プロピル−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−7−[4−(2−{[(1−エチルピロリジン−2−イル)メチル]アミノ}−2−オキソエチル)−フェニル]−N−メチル−4−オキソ−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−1−シクロペンチル−7−[4−(2−{[(1−エチルピロリジン−2−イル)メチル]アミノ}−2−オキソエチル)フェニル]−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−1−エチル−7−[4−(5−{[(1−エチルピロリジン−2−イル)メチル]アミノ}−5−オキソペンチル)フェニル]−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
1−エチル−7−[5−(2−{[(1−エチルピロリジン−2−イル)メチル]アミノ}−2−オキソエチル)チオフェン−2−イル]−N,2−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−7−{4−[2−({[(2R)−1−エチルピロリジン−2−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]フェニル}−N−メチル−1−(2−メチルプロピル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−1−エチル−7−{4−[1−({[(2R)−1−エチルピロリジン−2−イル]−メチル}カルバモイル)シクロプロピル]フェニル}−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−1−エチル−7−{2−[2−({[(2R)−1−エチルピロリジン−2−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]−1,3−チアゾール−4−イル}−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−1−エチル−7−{4−[2−({[(2R)−1−エチルピロリジン−2−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]−2−フルオロフェニル}−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−7−[3−クロロ−4−(2−{[(1−エチルピロリジン−2−イル)メチル]アミノ}−2−オキソエチル)フェニル]−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−7−[3−フルオロ−4−(2−{[(1−エチルピロリジン−2−イル)メチル]アミノ}−2−オキソエチル)フェニル]−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−7−[3−メチル−4−(2−{[(1−エチルピロリジン−2−イル)メチル]アミノ}−2−オキソエチル)フェニル]−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−1−(シクロプロピルメチル)−7−[4−(2−{[(1−エチルピロリジン−2−イル)メチル]アミノ}−2−オキソエチル)フェニル]−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド,
2−アミノ−1−エチル−7−[4−(2−{[(1−エチルピロリジン−2−イル)メチル]アミノ}−2−オキソエチル)−2−メチルフェニル]−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−1−エチル−7−[3−(2−{[(1−エチルピロリジン−2−イル)メチル]アミノ}−2−オキソエチル)フェニル]−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−7−{3−[2−オキソ−2−(ピリド−2−イルアミノ)エチル]−フェニル}−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
2−アミノ−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−7−{4−[2−(ピリド−2−イルアミノ)エチル]−フェニル}−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド、
塩基もしくは酸付加塩の形態または溶媒和物の形態、ならびに混合物を含むこの鏡像体およびジアステレオ異性体
の一つから選択されることを特徴とする、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の式(I)の化合物を調製する方法であって、カップリング剤および塩基の存在下で、式(XI):
【化2】

(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、V、W、Y、Zおよびmは、請求項1で規定する通りである。)の化合物を、式:HNR5R6の化合物と反応させることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1から7のいずれか一項に記載の式(I)の化合物を調製する方法であって、式(VII):
【化3】

の化合物を、式(IXa):
【化4】

(式中、Xはハロゲン原子を表し、
Gは、(C1−C4)アルコキシ基または基:−NR5R6を表し、および
R1、R2、R3、R4、R5、R6、V、W、Y、Zおよびmは、請求項1に規定する通りである。)と反応させることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1から7のいずれか一項に記載の式(I)の化合物を調製する方法であって、式(VII):
【化5】

の化合物を、式(IXb):
【化6】

(式中、Gは、(C1−C4)アルコキシ基または基:−NR5R6を表し、Xは、ハロゲン原子を表し、およびR1、R2、R3、R4、R5、R6、V、W、Y、Zおよびmは、請求項1に規定する通りである。)の化合物と反応させることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項1から7のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、またはこの化合物と医薬的に許容される酸との付加塩、または式(I)の化合物の溶媒和物を含むことを特徴とする、医薬品。
【請求項12】
請求項1から7のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、またはこの化合物の医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物、および少なくとも1種の医薬的に許容される賦形剤を含むことを特徴とする、医薬組成物。
【請求項13】
タンパク質キナーゼの活性に関連する疾患の治療用の医薬品を調製するための、請求項1から7のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項14】
液性腫瘍癌、慢性または急性白血病、リンパ球性リンパ腫、ホジキン病、および骨髄増殖症候群、および骨髄異形成症候群のような増殖性疾患の治療用の医薬品を調製するための、請求項1から7のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項15】
固体腫瘍癌、例えば、肺癌(NSCLC)、骨癌、膵臓癌または皮膚癌、カポジ肉腫、眼球内黒色腫、乳癌、子宮癌、子宮頸癌、卵巣癌、子宮内膜、膣、外陰部、尿道、陰茎または前立腺の癌、輸卵管細胞腫、GISTおよび肛門領域、直腸、小腸の癌、腸癌、胃癌、食道、内分泌、甲状腺、副甲状腺または副腎の癌、軟部組織肉腫、ユーイング肉腫、骨肉腫、皮膚線維肉腫、および他の線維肉腫、膀胱または腎臓の癌、中枢神経の新生物、脊柱腫瘍および類腱腫、脳幹神経膠腫および神経膠芽腫、下垂体腺腫、ならびにこれらの転移のような増殖性疾患の治療用の医薬品を調製するための、請求項1から7のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項16】
再狭窄、アテローム性動脈硬化症、血栓症、心不全、心肥大、肺動脈高血圧症、線維症、糖尿病性腎症、糸球体腎炎、慢性腎盂腎炎、血管腫、乾せん、硬化性皮膚炎および免疫抑制のような自己免疫疾患のような非悪性増殖性疾患の治療用の医薬品を調製するための、請求項1から7のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項17】
タンパク質キナーゼの活性に関連する疾患の治療用の医薬品を調製するための、請求項1から7のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
【請求項18】
液性腫瘍癌、慢性または急性白血病、リンパ球性リンパ腫、ホジキン病、および骨髄増殖症候群、および骨髄異形成症候群のような増殖性疾患の治療用の医薬品を調製するための、請求項1から7のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
【請求項19】
固体腫瘍癌、例えば、肺癌(NSCLC)、骨癌、膵臓癌または皮膚癌、カポジ肉腫、眼球内黒色腫、乳癌、子宮癌、子宮頸癌、卵巣癌、子宮内膜、膣、外陰部、尿道、陰茎または前立腺の癌、輸卵管細胞腫、GISTおよび肛門領域、直腸、小腸の癌、腸癌、胃癌、食道、内分泌、甲状腺、副甲状腺または副腎の癌、軟部組織肉腫、ユーイング肉腫、骨肉腫、皮膚線維肉腫、および他の線維肉腫、膀胱または腎臓の癌、中枢神経の新生物、脊柱腫瘍および類腱腫、脳幹神経膠腫および神経膠芽腫、下垂体腺腫、ならびにこれらの転移のような増殖性疾患の治療用の医薬品を調製するための、請求項1から7のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
【請求項20】
再狭窄、アテローム性動脈硬化症、血栓症、心不全、心肥大、肺動脈高血圧症、線維症、糖尿病性腎症、糸球体腎炎、慢性腎盂腎炎、血管腫、乾せん、硬化性皮膚炎および免疫抑制のような自己免疫疾患のような非悪性増殖性疾患の治療用の医薬品を調製するための、請求項1から7のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
【請求項21】
請求項1から7のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の少なくとも1種と、少なくとも一つの化学療法剤との組合せ。
【請求項22】
HEK細胞内のPDGF−Rβ受容体のキナーゼドメインのリン酸化を抑制する能力を有する、請求項18から20の一項に記載の化合物。

【公表番号】特表2011−527320(P2011−527320A)
【公表日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−517200(P2011−517200)
【出願日】平成21年7月6日(2009.7.6)
【国際出願番号】PCT/FR2009/051321
【国際公開番号】WO2010/004197
【国際公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(504456798)サノフイ−アベンテイス (433)
【Fターム(参考)】