説明

ピリジルピペリジン・オレキシン受容体アンタゴニスト

本発明は、オレキシン受容体のアンタゴニストであり、オレキシン受容体が関与する神経性及び精神医学的障害及び疾患の治療又は予防に有用である式(I)で示されるピリジルピペリジン化合物を目的とする。本発明はまた、これら化合物を含有してなる医薬組成物、及びオレキシン受容体が関与するかかる疾患の予防又は治療におけるこれら化合物及び組成物の使用を目的とする。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
オレキシン(ハイポクレチン)は、視床下部にて産生される2種類の神経ペプチド、すなわち、オレキシンA(OX−A)(33個のアミノ酸のペプチド)及びオレキシンB(OX−B)(28個のアミノ酸のペプチド)からなる(Sakurai T.et al.,Cell,1998,92,573−585)。オレキシンはラットにおいて食餌消費を刺激することが判明しており、これらのペプチドが、摂食挙動を制御する中枢フィードバックメカニズムにおいて、メディエーターとしての生理的役割をもつことを示唆している(Sakurai T.et al.,Cell,1998,92,573−585)。オレキシンは睡眠及び不眠の状態を制御し、ナルコレプシー及び不眠症患者にとっての新規治療方法に潜在的に道を開くものである(Chemelli R.M.et al.,Cell,1999,98,437−451)。オレキシンはまた、覚醒、報い(reward)、学習、及び記憶において役割を果たすことが示されている(Harris,et al.,Trends Neurosci.,2006,29(10),571−577)。2種類のオレキシン受容体がクローン化されており、また哺乳動物での特性も示されている。それらはGタンパク質共役受容体のスーパーファミリーに属している(Sakurai T.et al.,Cell,1998,92,573−585);オレキシン−1受容体(OX又はOX1R)は、OX−Aに選択的であり、またオレキシン−2受容体(OX2又はOX2R)は、OX−A並びにOX−Bに結合することことができる。オレキシンが関与していると思われる生理作用は、オレキシン受容体の2つのサブタイプとしてのOX1受容体及びOX2受容体の一方又は両方を介して発現すると考えられる。
【0002】
オレキシン受容体は哺乳動物の脳に見出され、多くの病理学的関連、例えば、うつ病;不安症;習慣性;強迫反応性障害;情動性神経症;抑うつ性神経症;不安神経症;気分変調障害;行動障害;気分障害;性的機能不全、精神性欲機能不全;性的障害;統合失調症;躁うつ病;せん妄;痴呆;重症精神遅滞及び運動障害(例えば、ハンチントン病及びツゥレット症候群);摂食障害(例えば、食欲不振、食欲高進、悪疫質、及び肥満);耽溺性摂食行動;過食/嘔吐摂食行動;心臓血管系疾患;糖尿病;食欲/味覚障害;嘔吐、吐く事、吐き気;喘息;癌;パーキンソン病;クッシング症候群/疾患;好塩基性細胞腺種;プロラクチノーマ;高プロラクチン血症;下垂体腫瘍/腺種;視床下部疾患;炎症性腸疾患;胃運動障害;胃潰瘍;フレーリッヒ症候群;副腎下垂体疾患;下垂体疾患;副腎下垂体機能低下;副腎下垂体機能高進;視床下部性機能低下;カルマン症候群(無臭覚症、臭覚低下);機能的又は精神的無月経;下垂体機能低下症;視床下部性甲状腺機能低下症;視床下部性副腎機能不全;特発性高プロラクチン血症;成長ホルモン欠損の視床下部障害;特発性成長欠損症;小人症;巨大症;先端巨大症;障害のある生物学的概日リズム;神経障害、神経障害性疼痛、及び下肢不安症候群などの疾患と関連する睡眠障害;心臓と肺の疾患、急性及びうっ血性心不全;低血圧;高血圧;尿うっ滞;骨粗しょう症;狭心症;心筋梗塞;虚血性又は出血性脳卒中;くも膜下出血;潰瘍;アレルギー;良性前立腺肥大症;慢性腎不全;腎臓疾患;耐糖能障害;偏頭痛;痛覚過敏:疼痛;痛覚過敏、灼熱痛、及び異痛症などの増強若しくは誇張された過敏症;急性疼痛;火傷痛;非定型顔面痛;末梢神経疼痛;背部痛;複合領域疼痛症候群I及びII;関節炎痛;スポーツ傷害痛;感染症、例えば、HIV、化学療法後の疼痛などに関連する疼痛;脳卒中後疼痛;術後疼痛;神経痛;嘔吐、吐き気、吐く事;過敏性腸管症候群、及びアンギナなどの内臓痛と関連する症状;偏頭痛;膀胱失禁、例えば、緊急失禁;麻薬に対する耐性又は麻薬からの離脱;睡眠障害;睡眠時無呼吸;ナルコレプシー;不眠症;錯眠;時差ぼけ症候群;及び疫病分類学事象を含む神経変性障害、例えば、脱抑制−痴呆−パーキンソン病−筋萎縮の複合疾患;淡蒼球−架橋−黒質変性;癲癇;癲癇発作障害、及び一般的オレキシン系機能不全に関係するその他の疾患;を有し得る。
【0003】
特定のオレキシン受容体アンタゴニストが、以下のPCT特許公開公報に開示されている:WO99/09024、WO99/58533、WO00/47576、WO00/47577、WO00/47580、WO01/68609、WO01/85693、WO01/96302、WO2002/044172、WO2002/051232、WO2002/051838、WO2002/089800、WO2002/090355、WO2003/002559、WO2003/002561、WO2003/032991、WO2003/037847、WO2003/041711、WO2003/051368、WO2003/051872、WO2003/051873、WO2004/004733、WO2004/026866、WO2004/033418、WO2004/041807、WO2004/041816、WO2004/052876、WO2004/083218、WO2004/085403、WO2004/096780、WO2005/060959、WO2005/075458、WO2005/118548、WO2006/067224、WO2006/110626、WO2006/127550、WO2007/019234、WO2007/025069、WO2007/061763、WO2007/116374、WO2007/122591、WO2007/126934、WO2007/126935、WO2008/008517、WO2008/008518、WO2008/008551、WO2008/020405、WO2008/026149、WO2008/038251。
【発明の概要】
【0004】
発明の要旨
本発明は、オレキシン受容体のアンタゴニストであり、オレキシン受容体が関与する神経性及び精神医学的障害及び疾患の治療又は予防に有用であるピリジルピペリジン化合物を目的とする。本発明はまた、これら化合物を含有してなる医薬組成物、及びオレキシン受容体が関与するかかる疾患の予防又は治療におけるこれら化合物及び組成物の使用を目的とする。
【0005】
発明の詳細な説明
本発明は、式(I):
【0006】
【化1】

【0007】
[式中:
Aは、フェニル、ナフチル、及びヘテロアリールからなる群より選択され;
1a、R1b、及びR1cは、Aの原子価がかかる置換を可能としない場合には存在しなくともよく、また、それらは、独立して、
【0008】
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)−(C=O)−O−C1−6アルキル(式中、mは0又は1であり、nは0又は1であり(ここで、mが0であるか、又はnが0である場合、結合が存在する)、また当該アルキルは未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基により置換されている)、
(5)−(C=O)−O−C3−6シクロアルキル(式中、当該シクロアルキルは未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基により置換されている)、
(6)−(C=O)−C2−4アルケニル(式中、当該アルケニルは未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基により置換されている)、
(7)−(C=O)−C2−4アルキニル(式中、当該アルキニルは未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基により置換されている)、
(8)−(C=O)−O−フェニル又は−(C=O)−O−ナフチル(式中、当該フェニル又はナフチルは未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基により置換されている)、
(9)−(C=O)−O−へテロ環(式中、当該へテロ環は未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基により置換されている)、
(10)−(C=O)−NR1011(式中、R10及びR11は、独立して、
(a)水素、
(b)C1−6アルキル(これは、未置換であるか、又はR13により置換されている)、
(c)C3−6アルケニル(これは、未置換であるか、又はR13により置換されている)、
(d)C3−6アルキニル(これは、未置換であるか、又はR13により置換されている)、
(e)C3−6シクロアルキル(これは、未置換であるか、又はR13により置換されている)、
(f)フェニル(これは、未置換であるか、又はR13により置換されている)、及び
(g)ヘテロ環(これは、未置換であるか、又はR13により置換されている)からなる群より選択される)、
(11)−S(O)−NR1011
(12)−S(O)−R12(式中、qは0、1、又は2であり、R12はR10及びR11の定義から選択される)、
(13)−COH、
(14)−CN、及び
(15)−NOからなる群より選択され;
【0009】
2a、R2b、及びR2cは、独立して、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)−(C=O)−O−C1−6アルキル(式中、当該アルキルは未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基により置換されている)、
(5)−(C=O)−O−C3−6シクロアルキル(式中、当該シクロアルキルは未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基により置換されている)、
(6)−(C=O)−C2−4アルケニル(式中、当該アルケニルは未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基により置換されている)、
(7)−(C=O)−C2−4アルキニル(式中、当該アルキニルは未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基により置換されている)、
(8)−(C=O)−O−フェニル又は−(C=O)−O−ナフチル(式中、当該フェニル又はナフチルは未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基により置換されている)、
(9)−(C=O)−O−へテロ環(式中、当該へテロ環は未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基により置換されている)、
(10)−(C=O)−NR1011
(11)−S(O)−NR1011
(12)−S(O)−R12
(13)−COH、
(14)−CN、及び
(15)−NOからなる群より選択され;
【0010】
は、水素、C1−6アルキル、又はC3−6シクロアルキルであり、それぞれは未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基により置換され;
【0011】
及びRは独立して、水素及びC1−6アルキル(これは、未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基により置換されている)から選択されるか、或いは、R及びRは一緒になって結合して、それらが結合する炭素原子とC3−6シクロアルキルを形成してもよく(ここで、当該シクロアルキルは未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基により置換されている);
【0012】
13は、
(1)ハロゲン、
(2)ヒドロキシル、
(3)−(C=O)−O−C1−6アルキル(式中、当該アルキルは未置換であるか、又はR14から選択される1個以上の置換基により置換されている)、
(4)−O−(C1−3)ペルフルオロアルキル、
(5)−(C=O)−O−C3−6シクロアルキル(式中、当該シクロアルキルは未置換であるか、又はR14から選択される1個以上の置換基により置換されている)、
(6)−(C=O)−C2−4アルケニル(式中、当該アルケニルは未置換であるか、又はR14から選択される1個以上の置換基により置換されている)、
(7)−(C=O)−C2−4アルキニル(式中、当該アルキニルは未置換であるか、又はR14から選択される1個以上の置換基により置換されている)、
(8)−(C=O)−O−フェニル又は−(C=O)−O−ナフチル(式中、当該フェニル又はナフチルは未置換であるか、又はR14から選択される1個以上の置換基により置換されている)、
(9)−(C=O)−O−へテロ環(式中、当該へテロ環は未置換であるか、又はR14から選択される1個以上の置換基により置換されている)、
(10)−(C=O)−NR1011
(11)−S(O)−NR1011
(12)−S(O)−R12
(13)−COH、
(14)−CN、及び
(15)−NOからなる群より選択され;
【0013】
14は、
(1)ヒドロキシル、
(2)ハロゲン、
(3)C1−6アルキル、
(4)−C3−6シクロアルキル、
(5)−O−C1−6アルキル、
(6)−O(C=O)−C1−6アルキル、
(7)−NH−C1−6アルキル、
(8)フェニル、
(9)ヘテロ環、
(10)−COH、及び
(11)−CNからなる群より選択される]
で示される化合物又はその薬学的に許容される塩に関する。
【0014】
本発明の一実施態様は、式(Ia):
【0015】
【化2】

【0016】
[式中、A、R1a、R1b、R1c、R2a、R2b、R2c、R、R、及びRは、本明細書の定義のとおりである]
で示される化合物又はその薬学的に許容される塩を包含する。
【0017】
本発明の一実施態様は、式(Ia’):
【0018】
【化3】

【0019】
[式中、A、R1a、R1b、R1c、R2a、R2b、R2c、R、R、及びRは、本明細書の定義のとおりである]
で示される化合物又はその薬学的に許容される塩を包含する。
【0020】
本発明の一実施態様は、式(Ia”):
【0021】
【化4】

【0022】
[式中、A、R1a、R1b、R1c、R2a、R2b、R2c、R、R、及びRは、本明細書の定義のとおりである]
で示される化合物又はその薬学的に許容される塩を包含する。
【0023】
本発明の一実施態様は、式(Ib):
【0024】
【化5】

【0025】
[式中、A、R1a、R1b、R1c、R2a、R2b、R2c、及びRは、本明細書の定義のとおりである]
で示される化合物又はその薬学的に許容される塩を包含する。
【0026】
本発明の一実施態様は、式(Ic):
【0027】
【化6】

【0028】
[式中、A、R1a、R1b、R1c、R2a、R2b、R2c、及びRは、本明細書の定義のとおりである]
で示される化合物又はその薬学的に許容される塩を包含する。
【0029】
本発明の一実施態様は、式(Id):
【0030】
【化7】

【0031】
[式中、R1a、R1b、R1c、R2a、及びRは、本明細書の定義のとおりである]
で示される化合物又はその薬学的に許容される塩を包含する。
【0032】
本発明の一実施態様は、式(Ie):
【0033】
【化8】

【0034】
[式中、R1a、R1b、R2a、及びRは、本明細書の定義のとおりである]
で示される化合物又はその薬学的に許容される塩を包含する。
【0035】
本発明の一実施態様は、式(If):
【0036】
【化9】

【0037】
[式中、R1a、R1b、及びR2aは、本明細書の定義のとおりである]
で示される化合物又はその薬学的に許容される塩を包含する。
【0038】
本発明の一実施態様は、Aがフェニルである化合物を包含する。本発明の一実施態様は、Aがヘテロアリールである化合物を包含する。本発明の一実施態様は、Aがピラゾリルである化合物を包含する。本発明の一実施態様は、Aがチアゾリルである化合物を包含する。
【0039】
本発明の一実施態様は、R1a、R1b、及びR1cが、独立して、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)C1−6アルキル(当該アルキルは未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、フェニル、若しくはナフチルにより置換されている)、
(5)−O−C1−6アルキル(当該アルキルは未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、若しくはフェニルにより置換されている)、
(6)ヘテロアリール(ここで、ヘテロアリールは、トリアゾリル、オキサゾリル、ピロリル、イミダゾリル、インドリル、ピリジル、及びピリミジニルから選択され、これらは、未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、若しくは−NOにより置換されている)、
(7)フェニル(当該フェニルは未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、若しくは−NOにより置換されている)、
(8)−O−フェニル(当該フェニルは未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、若しくは−NOにより置換されている)、及び
(9)−NH−C1−6アルキル、又は−N(C1−6アルキル)(C1−6アルキル)(それぞれは未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、若しくは−NOにより置換されている)からなる群より選択される化合物を包含する。
【0040】
本発明の一実施態様は、R1a、R1b、及びR1cが、独立して、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)C1−6アルキル(当該アルキルは未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、フェニル若しくはナフチルにより置換されている)、
(5)−O−C1−6アルキル(当該アルキルは未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、若しくはフェニルにより置換されている)、
(6)ヘテロアリール(ここで、ヘテロアリールは、トリアゾリル、オキサゾリル、及びピリミジニルから選択され、これらは未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、若しくはC1−6アルキルにより置換されている)、及び
(7)フェニル(当該フェニルは未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、若しくはC1−6アルキルにより置換されている)からなる群より選択される化合物を包含する。
【0041】
本発明の一実施態様は、R1a、R1b、及びR1cが、独立して、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)C1−6アルキル、
(4)トリアゾリル、
(5)オキサゾリル、
(6)ピリミジニル、及び
(7)フェニルからなる群より選択される化合物を包含する。
【0042】
本発明の一実施態様は、R1a、R1b、及びR1cが、独立して、
(1)水素、
(2)クロロ、
(3)フルオロ、
(4)メチル、
(5)トリアゾリル、
(6)オキサゾリル、
(7)ピリミジニル、及び
(8)フェニルからなる群より選択される化合物を包含する。
【0043】
本発明の一実施態様は、R2a、R2b、及びR2cが、独立して、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)C1−6アルキル(当該アルキルは未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、フェニル若しくはナフチルにより置換されている)、
(5)−O−C1−6アルキル(当該アルキルは未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、若しくはフェニルにより置換されている)、
(6)ヘテロアリール(ここで、ヘテロアリールは、ピロリル、イミダゾリル、インドリル、ピリジル、及びピリミジニルから選択され、これらは、未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、若しくは−NOにより置換されている)、
(7)フェニル(当該フェニルは未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、若しくは−NOにより置換されている)、
(8)−O−フェニル(当該フェニルは未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、若しくは−NOにより置換されている)、及び
(9)−NH−C1−6アルキル、又は−N(C1−6アルキル)(C1−6アルキル)(それぞれは未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、若しくは−NOにより置換されている)からなる群より選択される化合物を包含する。
【0044】
本発明の一実施態様は、R2a、R2b、及びR2cが、独立して、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)C1−6アルキル(当該アルキルは未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、若しくはフェニルにより置換されている)、
(5)−O−C1−6アルキル(当該アルキルは未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、若しくはフェニルにより置換されている)、及び
(6)−NH−C1−6アルキル、又は−N(C1−6アルキル)(C1−6アルキル)(それぞれは未置換であるか、又はハロゲンにより置換されている)からなる群より選択される化合物を包含する。
【0045】
本発明の一実施態様は、R2a、R2b、及びR2cが、独立して、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)C1−6アルキル(当該アルキルは未置換であるか、又はハロゲンにより置換されている)、
(4)−O−C1−6アルキル(当該アルキルは未置換であるか、又はハロゲンにより置換されている)、及び
(5)−NH−C1−6アルキル、又は−N(C1−6アルキル)(C1−6アルキル)(それぞれは未置換であるか、又はハロゲンにより置換されている)からなる群より選択される化合物を包含する。
【0046】
本発明の一実施態様は、R2a、R2b、及びR2cが、独立して、
(1)水素、
(2)クロロ、
(3)フルオロ、
(4)ブロモ、
(5)メトキシ、
(6)t−ブトキシ、
(7)ジフルオロメチル、及び
(8)トリフルオロメチルからなる群より選択される化合物を包含する。
【0047】
本発明の一実施態様は、R2a、R2b、及びR2cが、独立して、
(1)水素、
(2)フルオロ、及び
(3)トリフルオロメチルからなる群より選択される化合物を包含する。
【0048】
本発明の一実施態様は、Rが水素、C1−6アルキル、又はC3−6シクロアルキルである化合物を包含する。本発明の一実施態様は、Rが水素以外である化合物を包含する。本発明の一実施態様は、RがC1−6アルキルである化合物を包含する。本発明の一実施態様は、RがC3−6シクロアルキルである化合物を包含する。本発明の一実施態様は、Rがメチル又はエチルである化合物を包含する。本発明の一実施態様は、Rがメチルである化合物を包含する。本発明の一実施態様は、Rがピリジルオキシメチル置換基に対して、ピペリジン環上、トランスの立体配置にある化合物を包含する。本発明の一実施態様は、Rがピリジルオキシメチル置換基に対して、ピペリジン環上、シスの立体配置にある化合物を包含する。本発明の一実施態様は、Rがピペリジン環上、Rの立体配置にある化合物を包含する。本発明の一実施態様は、ピペリジン環の6位の置換基が、Rの立体配置にある化合物を包含する。本発明の一実施態様は、ピリジルオキシメチル基がピペリジン環上、Rの立体配置にある化合物を包含する。本発明の一実施態様は、ピペリジン環の3位の置換基が、Rの立体配置にある化合物を包含する。
【0049】
本発明の一実施態様は、Rが水素又はC1−6アルキルである化合物を包含する。本発明の一実施態様は、Rが水素又はメチルである化合物を包含する。本発明の一実施態様は、Rが水素である化合物を包含する。本発明の一実施態様は、Rが水素又はC1−6アルキルである化合物を包含する。本発明の一実施態様は、Rが水素又はメチルである化合物を包含する。本発明の一実施態様は、Rが水素である化合物を包含する。
【0050】
本発明の具体的な実施態様は、本明細書の実施例に示した対象化合物からなる群より選択される化合物又はその薬学的に許容される塩を包含する。
【0051】
本発明の化合物は、1つ以上の不斉中心を含み得るものであり、従って、「立体異性体」、例えば、ラセミ体とラセミ混合物、エナンチオマー混合物、単一エナンチオマー、ジアステレオマー混合物、及び個々のジアステレオマーなどとして生じ得る。さらなる不斉中心は、分子上の種々の置換基の性質に依存して存在し得る。それぞれのかかる不斉中心は、独立して2つの光学異性体を生じるが、混合物中の可能な光学異性体及びジアステレオマーのすべてが、また純粋な化合物又は部分的に精製した化合物としても、本発明の範囲内に含まれる。本発明はこれら化合物のかかる異性体のすべてを包含するものとする。キラル炭素への結合が、本発明の式において直線で示されている場合には、キラル炭素の(R)及び(S)の両方の立体配置、従って、両方のエナンチオマーとその混合物が、当該式中に包含されると理解される。例えば、式(I)は特定の立体化学をもたないクラスの化合物の構造を示す。本発明の化合物が1つのキラル中心を含むとき、「立体異性体」という用語はエナンチオマー及びエナンチオマーの混合物の両方、例えば、ラセミ混合物と呼ぶ特定の50:50混合物を包含する。
【0052】
これらジアステレオマーの独立した合成又はそれらのクロマトグラフィーによる分離は、当該分野で知られるように、本明細書に開示の方法の適切な改変により達成し得る。それらの絶対的立体化学は、必要に応じて、既知絶対立体配置の不斉中心を含む試薬で誘導化された結晶性生成物又は結晶性中間体のX線結晶解析により決定し得る。該化合物のラセミ混合物は、必要に応じて分離して、個々のエナンチオマーとして単離してもよい。その分離は、当該技術分野で周知の方法により、例えば、化合物のラセミ混合物を、エナンチオマーとして純粋な化合物にカップリング結合してジアステレオマー混合物を形成し、次いで、個々のジアステレオマーを標準的な方法、例えば、分別結晶法又はクロマトグラフィーにより分離することにより実施することができる。当該カップリング反応は、多くの場合、エナンチオマーとして純粋な酸又は塩基を用いて、塩を形成することからなる。次いで、ジアステレオマー誘導体は、付加したキラル残基を切断することにより、純粋なエナンチオマーに変換し得る。該化合物のラセミ混合物は、キラル固定相を利用するクロマトグラフィーにより直接分離してもよい;該方法は当該技術分野で周知である。あるいは、化合物のエナンチオマーは、光学的に純粋な出発物質又は既知の立体配置の試薬を用いて当該技術分野で周知方法による立体選択的合成により、入手してもよい。
【0053】
当業者も認めるように、本明細書にて使用する場合のハロゲン又はハロとは、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードを包含するものとする。同様に、C1−6アルキルにおけるC1−6とは、直鎖又は分枝配列において、1、2、3、4、5、又は6個の炭素を有する基を同定するためのものと定義し、例えば、C1−8アルキルは具体的に、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、及びヘキシルを含む。置換基により独立して置換されていると明示されている基には、独立して、複数のかかる置換基が置換していてもよい。本明細書にて使用する場合の「ヘテロ環」という用語は、飽和及び不飽和両方のヘテロ環状部分を含み、その場合の不飽和へテロ環状部分(すなわち、「ヘテロアリール」)とは、ベンゾイミダゾリル、ベンズイミダゾロニル、ベンゾフラニル、ベンゾフラザニル、ベンゾピラゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンズオキサゼピン、ベンズオキサゾリル、カルバゾリル、カルボリニル、シンノリニル、フラニル、イミダゾリル、インドリニル、インドリル、インドラジニル、インダゾリル、イソベンゾフラニル、イソインドリル、イソキノリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ナフトピリジニル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、オキサゾリン、イソオキサゾリン、オキセタニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドピリジニル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジル、ピロリル、キナゾリニル、キノリル、キノキサリニル、テトラゾリル、テトラゾロピリジル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリル、及びそのN−オキシドであり、また飽和へテロ環状部分とは、アゼチジニル、1,4−ジオキサニル、ヘキサヒドロアゼピニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピリジン−2−オニル、ピロリジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、チオモルホリニル、及びテトラヒドロチエニル、及びそのN−オキシドである。
【0054】
用語「薬学的に許容される塩」とは、無機若しくは有機塩基及び無機若しくは有機酸を含む薬学的に許容される非毒性塩基又は酸から調製される塩をいう。無機塩基から誘導される塩は、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第一鉄、第二鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン塩、亜マンガン塩、カリウム、ナトリウム、亜鉛などを包含する。特定の実施態様では、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム、及びナトリウムの塩である。固体形状の塩は1種を超える結晶構造で存在可能であり、また水和物の形状であってもよい。薬学的に許容される有機非毒性塩基から誘導される塩は、一級、二級、及び三級のアミン、天然置換アミンなどの置換アミン、環状アミン、及び塩基性イオン交換樹脂、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどを包含する。
【0055】
本発明化合物が塩基性である場合、塩は無機及び有機の酸を含む薬学的に許容される非毒性酸から調製し得る。かかる酸は、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムチン酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸などである。特定の実施態様では、クエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸、フマル酸、及び酒石酸を包含する。本明細書にて使用する場合、式(I)で示される化合物に言及している場合は、薬学的に許容される塩をも含むものであることが理解されよう。
【0056】
本発明の事例となるものは、本明細書及び実施例に開示した化合物の使用である。本発明の範囲内の具体的化合物は、以下の実施例に開示した化合物からなる群より選択される化合物、及びその薬学的に許容される塩及びその個々のエナンチオマー又はジアステレオマーである。
【0057】
当該対象化合物は、オレキシン受容体活性に拮抗する方法であって、かかる阻害を必要とする哺乳動物などの患者に、有効量の当該化合物を投与することからなる方法において有用である。本発明はオレキシン受容体活性のアンタゴニストとして本明細書に開示した化合物の使用を目的とするものである。霊長類、取分けヒトの他に、多様な他の哺乳動物を本発明の方法に従って処置することができる。本発明は医薬としての使用のために、本発明化合物又はその薬学的に許容される塩に関するものである。さらに、本発明は、オレキシン受容体活性に拮抗するための、又はヒト及び動物における本明細書記載の障害及び疾患を治療するための医薬の製造のために、本発明化合物又はその薬学的に許容される塩を使用することを目的とするものである。
【0058】
本発明方法にて処置される対象は、一般に、哺乳動物、例えば、ヒト、その雄性又は雌性である。用語「治療有効量」とは、研究者、獣医、医師、又はその他の臨床家が求めている組織、システム、動物又はヒトの生物学的又は医学的応答を引き出し得る対象化合物の量を意味する。認識されることは、当業者が、本発明化合物の有効量で、現在障害をもつ患者を処置することにより、又は障害をもつ患者を予防的に処置することにより、神経学的及び精神的障害に影響を与え得ることである。本明細書にて使用する場合、用語「治療」及び「治療する」とは、本明細書に記載した神経学的及び精神的障害の進行を遅速、中断、休止、制御、又は停止させ得るすべての過程をいうが、必ずしもすべての障害の症候を完全に除去することを意味するものではない;同様に上記の症状の予防的治療、特にかかる疾患に罹患し易い患者における予防的治療をもいう。化合物「の投与」及び化合物「を投与する」という用語は、本発明の化合物又は本発明の化合物のプロドラッグを、それの必要な個体に提供することを意味すると理解すべきである。
【0059】
本明細書にて使用する場合、「組成物」という用語は、特定量の特定成分を含有してなる生成物、並びに特定量の特定成分の組み合わせから直接又は間接的に生ずる生成物を包含するものとする。医薬組成物に関係するかかる用語は、有効成分、及び担体を形成する不活性成分を含有してなる生成物、並びに当該成分のいずれか2種以上の組合わせ、錯体形成又は凝集から、又は1種以上の成分の解離から、又は1種以上の成分の他のタイプの反応若しくは相互作用から直接又は間接的に生ずる生成物を包含するものとする。従って、本発明の医薬組成物は、本発明化合物と薬学的に許容される担体を混合することにより調製した組成物を包含する。「薬学的に許容される」という意味は、担体、希釈剤、又は賦形剤が当該製剤の他の成分と共存可能であり、その受容者に有害であってはならないということを意味する。
【0060】
オレキシン受容体OX1R及び/又はOX2Rアンタゴニストとしての、本発明による化合物の用途は、「FLIPR Ca2+フラックスアッセイ」(Okumura et al.,Biochem.Biophys.Res.Comm.280:976−981,2001)を含め、当該技術分野で周知の方法により、過度な実験を行うことなく、容易に判定し得る。代表的な実験において、本発明化合物のOX1及びOX2受容体アンタゴニスト活性は、以下の実験方法に従って決定した。細胞内のカルシウム測定のために、ラットのオレキシン−1受容体又はヒトのオレキシン−2受容体を発現するチャイニーズ・ハムスター卵巣(CHO)細胞を、イスコーブ修飾DMEM(2mM−L−グルタミン、0.5g/mlのG418,1%ヒポキサンチン−チミジンサプリメント、100U/mlペニシリン、100ug/mlストレプトマイシン及び10%熱不活化子ウシ血清(FCS)含有)中で増殖する。該細胞は、ポリ−D−リジンで被覆したベクトン−ディッキンソン黒色384穴透明底無菌プレートに、20,000細胞/ウエルあて、播種する。試薬類はすべてGIBCO−インビトロゲン・コープから入手した。播種したプレートは5%CO下、一晩中37℃でインキュベートする。アゴニストとしてAla−6,12ヒト・オレキシン−Aを1%ウシ血清アルブミン(BSA)中、1mM保存溶液として調製し、アッセイバッファー(HBSS;20mM−HEPES、0.1%BSA及び2.5mMプロベネシド含有;pH7.4)に希釈し、最終濃度70pMでアッセイに使用する。試験化合物はDMSO中の10mM保存溶液として調製し、384穴プレート中、先にDMSOで、次いでアッセイバッファーで希釈する。アッセイの当日、細胞を100ulのアッセイバッファーで3回洗浄し、次いで、1uMフルオ−4AMエステル、0.02%プルロン酸及び1%BSAを含有する60ulのアッセイバッファー中、60分間(37℃、5%CO)インキュベートする。次いで、色素負荷溶液を吸引除去し、細胞を100ulのアッセイバッファーにより3回洗浄する。その同じバッファー30ulを各ウエルに残す。蛍光画像プレートリーダー(FLIPR、モレキュラー・ディバイス)内で、25ul容量の試験化合物をプレートに加え、5分間インキュベートした後、最後に、アゴニスト25ulを加える。各ウエルについて、1秒の間隔で5分間、蛍光を測定し、各蛍光ピークの高さを、アンタゴニストの代わりに70pM−Ala−6,12オレキシン−Aとバッファーにより誘発される蛍光ピークの高さと比較する。各アンタゴニストについて、IC50値(アゴニストの応答を50%阻害するために必要とされる当該化合物の濃度)を決定する。あるいは、文献(Bergman et.al.Bioorg.Med.Chem.Lett.2008,18,1425−1430)記載のラジオリガンド結合アッセイにより、化合物の効力を評価してもよい;この方法では、阻害定数(K)をOX1又はOX2のいずれかを発現するCHO細胞から調製した膜で定量する。本発明にて使用し得る化合物の内在オレキシン受容体アンタゴニスト活性は、これらのアッセイ法により決定し得る。
【0061】
特に、以下の例の化合物は、上記のアッセイ法において、ラットのオレキシン−1受容体及び/又はヒトのオレキシン−2受容体に拮抗する活性を示し、そのIC50は一般に約50μM未満であった。本発明内の化合物の多くは、上記のアッセイ法において、ラットのオレキシン−1受容体及び/又はヒトのオレキシン−2受容体に拮抗する活性を示し、そのIC50は一般に約100nM未満であった。また本発明の化合物は、放射性リガンド結合アッセイににおいて活性を示し、オレキシン−1及び/又はオレキシン−2受容体に対して、一般に、K<100nMであった。さらなるデータは表2に提供する。このような結果は、オレキシン−1受容体及び/又はオレキシン−2受容体のアンタゴニストとして該化合物を使用した場合の固有の活性を示すものである。また、本発明は本発明の範囲内にオレキシン−1受容体及び/又はオレキシン−2受容体のアゴニストとしての活性を有する化合物を包含する。他のピペリジン化合物に関しても、本発明化合物は予想外の性質、例えば、効力の増強、経口生物利用能、代謝安定性、及び/又は選択性についての性質を示す。例えば、未置換ピペリジン環を有する化合物に対して、RがC1−6アルキル又はC3−6シクロアルキルなどで置換されている本発明化合物は、オレキシン−1受容体及び/又はオレキシン−2受容体において、予想外に大きな効力を有する。
【0062】
オレキシン受容体は生物学的機能の広い範囲に関与している。このことはヒト又は他の種における様々な疾患過程において、これらの受容体に対しての潜在的な役割のあることを示唆している。本発明の化合物は、以下の症状又は疾患の1つ以上を含む、オレキシン受容体と関連する様々な神経学的及び精神医学的障害のリスクを治療、予防、改善、制御、又は低減する上での用途を有する:睡眠病、睡眠障害(睡眠の質の向上、睡眠の質の改善、睡眠効率の上昇、睡眠維持の改良を含む);被験者の睡眠時間を被験者の睡眠試行時間で割って計算した値の増大;睡眠開始の改善;睡眠潜時又は睡眠開始の短縮(熟睡に至るまでに要する時間);熟睡に至る困難さの低下;睡眠継続性の増大;睡眠中覚醒回数の減少;睡眠中断続的目覚めの減少;夜間覚醒の減少;最初の睡眠開始後の目覚めに費やされる時間の短縮;睡眠総量の増大;睡眠断片化の減少;レム(REM)睡眠期間の時間調整、頻度又は継続期間の変更;徐波(すなわち、第3又は4期)睡眠期間の時間調整、頻度又は継続期間の変更;第2期睡眠の量と百分比の上昇;徐波の促進;睡眠中、EEG−デルタ活性の上昇;夜間覚醒、取分け早朝目覚めの減少;日中のはっきりした目覚めの増加;日中の眠気の減少;過剰な日中の眠気の治療又は減少;睡眠の深さについての満足度の増加;睡眠維持の上昇;特発性不眠症;睡眠障害;不眠症、過眠症、特発性過眠症、反復性過眠症、内在性過眠症、ナルコレプシー(発作性睡眠)、中断した睡眠、睡眠時無呼吸、覚醒状態、夜間ミオクローヌス、レム睡眠中断、時差ぼけ、交替勤務睡眠障害、睡眠異常、夜驚症、うつ症状と関連する不眠症、情動的/気分障害、アルツハイマー病、又は認識機能障害、並びに夢中遊行、及び遺尿症、及び加齢に伴う睡眠障害;アルツハイマー日没現象;概日律動性と関連する症状、並びに時間帯通過旅行と関連する精神的肉体的障害及び交替制勤務交替スケジュールと関連する精神的肉体的障害、副作用としてレム睡眠の低下を惹き起こす薬物による症状;線維筋痛;非回復促進睡眠及び筋肉痛により、又は睡眠時呼吸障害と関連する睡眠時無呼吸症により表される症候群;睡眠の質低下から生じる症状;学習増強;記憶増大;記憶持続の増強;過剰食事摂取と関連する摂食障害及びそれと関連する合併症、強迫的摂食障害、肥満(遺伝的又は環境的原因による)、過食及び多食症を含む肥満関連障害、高血圧、糖尿病、血漿インスリン濃度とインスリン耐性の上昇、異常脂肪血症、脂質異常症、子宮内膜癌、乳癌、前立腺癌、及び大腸癌、骨粗しょう症、閉塞性無呼吸症、胆石症、胆石、心臓疾患、異常心動悸と不整脈、心筋梗塞、うっ血性心不全、冠状動脈性心疾患、突然死、脳卒中、多のう胞卵巣疾患、頭蓋咽頭腫、プレイダー−ウイリー症候群、フローリッヒ症候群、GH−欠損対象、正常変異体低身長、ターナー症候群、及び代謝活性低下を示す他の病的症状、又は総無脂肪質量の百分比としての休止時エネルギー消費量の低下、例えば、急性リンパ芽球性白血病の小児、メタボリックシンドローム、症候群Xとしても既知、インスリン耐性症候群、生殖ホルモン異常症、性的及び生殖的機能不全、例えば、受精率低下、不妊症、男性の性機能低下症、及び女性の男性型多毛症、母性肥満と関連する胎児欠陥、胃腸管運動障害、例えば、肥満関連胃食道逆流、呼吸器障害、例えば、肥満−呼吸低下症候群(ピックウイッキアン症候群)、息切れ、心血管系障害、炎症、例えば、全身性血管系炎症、動脈硬化症、高コレステロール血症、高尿酸血症、腰部疼痛、胆嚢疾患、痛風、腎臓癌、麻酔リスク増大、肥満の二次的結果のリスク低下、例えば、左心室肥大のリスク低下;脳において異常振動活性が存在する疾患又は障害、例えば、うつ病、偏頭痛、神経障害性疼痛、パーキンソン病、精神病、及び統合失調症、並びに活性の異常なカップリングが、特に視床を介して存在する疾患又は障害;認知機能増強;記憶増強;記憶保持の増大;免疫応答の増大;免疫機能の増大;ほてり;寝汗;寿命延長;統合失調症;心拍及び心臓血管系の他の障害などの神経系による興奮/弛緩リズムにより制御される筋肉関連障害;血管拡張又は血管拘束及び血圧などの細胞の増殖に関連する症状;癌;心不整脈;高血圧;うっ血性心不全;生殖器/泌尿系の症状;性機能及び受精能の障害;腎機能の適性;麻酔薬に対する応答性;気分障害、例えば、うつ病又はより具体的には抑うつ性障害、例えば、単一エピソード若しくは再発性主抑うつ性障害及び気分変調性障害、又は二極障害、例えば、二極I障害、二極II障害及び循環気質障害、一般医学的症状による気分障害、及び薬物誘発気分障害;不安障害、例えば、急性ストレス障害、広場恐怖症、一般化した不安障害、強迫性心因性障害、パニック発作、パニック障害、外傷後ストレス障害、分離不安障害、対人恐怖症、特異的恐怖症、薬物誘発不安障害、及び一般医学的症状による不安;急性神経学的及び精神医学的障害、例えば、心臓バイパス手術及び移植手術後の脳欠乏、脳卒中、虚血性脳卒中、脳虚血、脊髄外傷、頭部外傷、分娩前後の低酸素症、心拍停止、低血糖神経損傷;ハンチントン舞踏病;筋萎縮性側索硬化症;多発性硬化症;眼球傷害;網膜症;認識障害;特発性及び薬物誘発性パーキンソン病;筋攣縮及び筋痙性と関連する障害、例えば、振戦、癲癇、痙攣;認識障害、例えば、痴呆(アルツハイマー病、虚血、外傷、血管疾患、又は脳卒中、HIV疾患、パーキンソン病、ハンチントン病、ピック病、クロイツフェルト−ヤコブ病、分娩前後の低酸素症、他の一般的な医学症状又は薬物乱用と関連);せん妄、健忘症、又は年齢関連認識低下;統合失調症又は精神病、例えば、統合失調症(偏執病、分裂症、緊張症、又は退行変化)、分裂症型障害、分裂感情性障害、妄想障害、短期精神障害、共通精神障害、一般的医学的症状による精神障害、及び薬物誘発精神障害;薬物関連障害及び耽溺性行動(薬物誘発せん妄、持続性痴呆、持続性健忘障害、精神障害、又は不安障害;アルコール、アンフェタミン、大麻、コカイン、幻覚剤、吸入剤、ニコチン、麻薬、フェニサイクリジン、鎮静剤、睡眠薬、又は抗不安薬を含む物質に対する耐容性、耽溺性摂食、依存性、又は使用中止を含む);行動障害、例えば、無動症及び無動性硬直症候群(パーキンソン病、薬物誘発パーキンソン症候群、脳炎後パーキンソン症候群、進行性核上性麻痺、多系統萎縮症、大脳皮質基底核変性症、パーキンソン症候群−ALS痴呆複合及び基底神経節石灰化を含む)、慢性疲労症候群、疲労、例えば、パーキンソン病疲労、多発性硬化症疲労、睡眠障害、若しくは概日リズム障害を原因とする疲労、医療誘発パーキンソン症候群(神経弛緩薬誘発パーキンソン症候群、神経弛緩薬悪性症候群、神経弛緩薬誘発急性筋緊張異常、神経弛緩薬誘発急性静座不能症、神経弛緩薬誘発晩発性運動障害、及び医療誘発姿勢振戦など)、ジルドラツーレット症候群、癲癇、及び運動障害[振戦(例えば、静止時振戦、本態性振戦、姿勢振戦、及び企図振戦)、舞踏病(例えば、シデナム舞踏病、ハンチントン舞踏病、良性遺伝性舞踏病、神経有棘赤血球増加症、症候性舞踏病、薬物誘発舞踏病、及び片側バリズム)、ミオクローヌス(一般化ミオクローヌス及び巣状ミオクローヌスを含む)、チック症(単純痙攣、複雑痙攣、及び症候性痙攣)、むずむず脚症候群及び筋緊張異常(一般的筋緊張異常、例えば、特発性筋緊張異常、薬物誘発筋緊張異常、症候性筋緊張異常、及び発作性筋緊張異常、及び限局性筋緊張異常、例えば、眼瞼痙攣、口下顎失調症、痙攣性筋緊張異常、痙攣性斜頚、軸性失調症、筋緊張異常書痙、及び片麻痺失調症を含む);注意欠乏/機能高進障害(ADHD);行為障害;偏頭痛(偏頭痛性頭痛を含む);尿失禁;薬物耐性、薬物中止(麻薬、ニコチン、タバコ製品、アルコール、ベンゾジアゼピン、コカイン、鎮静剤、睡眠薬などを含む);精神病;統合失調症;不安症(一般化不安障害、パニック障害、及び強迫性障害を含む);気分障害(うつ病、躁病、双極性障害を含む);三叉神経痛;聴覚喪失;耳鳴;眼損傷などの神経傷害;網膜症;眼黄斑変性;嘔吐;脳浮腫;疼痛、例えば、急性及び慢性疼痛状態、激痛、難治性疼痛、炎症性疼痛、神経障害性疼痛、外傷後疼痛、骨関節痛(骨関節炎)、反復行動痛、歯痛、癌疼痛、筋膜痛(筋肉損傷、線維筋肉痛)、手術時疼痛(一般外科、婦人科)、慢性疼痛、神経障害性疼痛、外傷後疼痛、三叉神経痛、偏頭痛、及び偏頭痛性頭痛。
【0063】
従って、特定の実施態様において、本発明は以下の方法を提供する:睡眠の質向上の方法;睡眠維持を増強する方法;レム睡眠の増大方法;第2期睡眠の増大方法;睡眠パターンの断片化を低下させる方法;不眠症の治療方法;認識の向上方法;記憶維持増大方法;肥満の治療又は制御方法;うつ病の治療又は制御方法;癲癇のない場合も含め、癲癇のリスクを処置、制御、改善、又は低下させる方法;神経障害性疼痛を含む疼痛の治療又は制御方法;パーキンソン病の治療又は制御方法;精神病の治療又は制御方法;又は統合失調症のリスクを処置、制御、改善、又は低下させる方法;これらの方法は、それを必要とする哺乳動物患者において、本発明化合物の治療有効量を当該患者に投与することからなる。
【0064】
当該対象化合物は、さらに、本明細書に言及した疾患、障害、及び症状のリスクを予防、治療、制御、改善、又は低下する方法において有用である。本発明組成物における有効成分の投与量は多様であり得るが、有効成分の量は、適切な投与形態が得られるような量であることが必要である。当該有効成分は、最適の医薬的効力を提供する投与量で、かかる治療を必要とする患者(動物及びヒト)に投与するとよい。選択される投与量は、所望の治療効果、投与経路、及び治療期間に左右される。その用量は、疾患の性質と重篤度、患者の体重、患者がそのときに従っている具体的な食事、現行の投薬治療、及びその他の当業者が認識するファクターによって、患者ごとに変る。一般に、オレキシン受容体の有効な拮抗作用を得るために、体重1kgあたり、1日に、0.0001ないし10mgの投与レべルで、例えば、ヒト、その高齢者などの患者に投与する。投与量の範囲は、一般に、患者一人に、1日あたり約0.5mgないし1.0gであり、これを一回又は複数回で投与し得る。一実施態様において、投与量範囲は、患者一人に、1日あたり約0.5mgないし500mgであり;別の実施態様においては、患者一人に、1日あたり約0.5mgないし200mgであり;さらに別の実施態様においては、患者一人に、1日あたり約5mgないし50mgである。本発明の医薬組成物は、有効成分として約0.5mgないし500mgを含有してなるか、又は有効成分として約1mgないし250mgを含有してなるような固形の投与製剤で提供し得る。該医薬組成物は、約1mg、5mg、10mg、25mg、50mg、100mg、200mg、又は250mgの有効成分を含有してなる固形の投与製剤で提供し得る。経口投与の場合、該組成物は、治療すべき患者に、症状に応じて投与量を調整するために、1.0ないし1000ミリグラムの有効成分、例えば、1、5、10、15、20、25、50、75、100、150、200、250、300、400、500、600、750、800、900、及び1000ミリグラムの有効成分を含有する錠剤の形状で、提供し得る。当該化合物は、1日1回又は2回など、1日に1回ないし4回の投与計画で投与し得る。
【0065】
本発明の化合物は、1種以上の他の薬物と組合わせて使用し、本発明化合物又は当該他の薬物が用途を有し得る疾患又は症状のリスクを治療、予防、制御、改善、又は低下し得る;その場合、これら化合物の組合わせは、いずれかの薬物単独よりもより安全であるか、又はより有効である。かかる他の薬物は、そのものが一般に使用される経路及び量で、本発明の化合物と同時に、又は連続して投与し得る。本発明の化合物を1種以上の他の薬物と同時に使用する場合は、かかる他の薬物と本発明化合物を含有する単位投与形状の医薬組成物が企図される。しかし、併用療法は、本発明化合物と1種以上の他の薬物とを異なって重複するスケジュールで投与する治療法をも包含する。1種以上の他の有効成分と組合わせて使用する場合、本発明化合物及び他の有効成分は、それぞれを単独使用する場合よりも低用量で使用し得ることも期待される。従って、本発明の医薬組成物は、本発明化合物に加えて、1種以上の他の有効成分を含む組成物を包含する。上記の組合わせは、本発明化合物と1種の他の活性化合物とのみならず、2種以上の他の活性化合物との組み合わせをも包含する。
【0066】
同様に、本発明化合物は、本発明化合物が有用である疾患又は症状のリスクを予防、治療、制御、改善、又は低下する際に使用する他の薬物と組合わせて使用し得る。かかる他の薬物は、そのものが一般に使用される経路及び量で、本発明の化合物と同時に、又は連続して投与し得る。本発明の化合物を1種以上の他の薬物と同時に使用する場合は、本発明化合物に加えて、かかる他の薬物を含有する医薬組成物が企図される。従って、本発明の医薬組成物は、本発明化合物に加えて、1種以上の他の有効成分をも含有する組成物を包含する。
【0067】
本発明化合物の第二の有効成分に対する化合物重量比は、各成分の有効用量により変化し得るし、また左右される。一般的には、それぞれの有効用量を用いる。従って、例えば、本発明の化合物を別の薬剤と組合わせる場合、本発明化合物の他の薬剤に対する重量比は、一般に、約1000:1ないし約1:1000の範囲、例えば、約200:1ないし約1:200の範囲である。本発明化合物と他の有効成分との組合わせは、一般に上記の範囲内であるが、各事例においては、各有効成分の有効用量を使用すべきである。かかる組合わせにおいて、本発明化合物及び他の活性薬剤は、別個に、又は結合して投与し得る。さらに、一要素の投与は、他の薬剤に先立って、同時に、又は引続いて行い得る。
【0068】
本発明化合物は、睡眠の質を上昇し、及び睡眠不調及び睡眠障害を予防及び治療するために有用である当該技術分野で既知の他の化合物と組合わせて投与し得る:当該他の化合物は、例えば、鎮静剤、催眠剤、抗不安薬、抗精神薬、不安阻止剤、抗ヒスタミン剤、ベンゾジアゼピン、バルビツレート、シクロピロロン、GABAアゴニスト、5HT−2Aアンタゴニスト、及び5HT−2A/2Cアンタゴニストを含む5HT−2アンタゴニスト、ヒスタミンH3アンタゴニストを含むヒスタミンアンタゴニスト、ヒスタミンH3逆アゴニスト、イミダゾピリジン、マイナートランキライザー、メラトニンアゴニスト、及びアンタゴニスト、メラトニン作動性薬、他のオレキシンアンタゴニスト、オレキシンアゴニスト、プロキネチシンアゴニスト、及びアンタゴニスト、ピラゾロピリミジン、T型カルシウムチャンネルアンタゴニスト、トリアゾロピリジンなど;例えば、アジナゾラム、アロバルビタール、アロニミド、アルプラゾラム、アミトリプチリン、アモバルビタール、アモキサピン、アルモダフィニル、APD−125、ベンタゼパム、ベンズオクタミン、ブロチゾラム、ブプロピオン、ブスプリオン、ブタバルビタール、ブタルビタール、カプロモレリン、カプリド、カルボクロラール、クロラール ベタイン、クロラール水和物、クロルジアゼポキシド、クロミプラミン、クロナゼパム、クロペリドン、クロラゼペート、クロレテート、クロザピン、コナゼパム、サイプラゼパム、デシプラミン、デクスクラモール、ジアゼパム、ジクロルアルフェンゾン、ジバルプロエクス、ジフェンヒドラミン、ドキセピン、EMD−281014、エプリバンセリン、エスタゾラム、エスゾピクロン、エスクロリノール、エトミデート、フェノバム、フルニトラゼパム、フルラゼパム、フルボキサミン、フルオキセチン、フォサゼパム、ガボキサゾール、グルテチミド、ハラゼパム、ヒドロキシジン、イブタモレン、イミプラミン、インジプロン、リチウム、ロラゼパム、ロルメタゼパム、LY−156735、マプロチリン、MDL−100907、メクロクアロン、メラトニン、メホバルビタール、メプロバメート、メタクアロン、メチプリロン、ミダフルール、ミダゾラム、モダフィニル、ネファゾドン、NGD−2−73、ニソバメート、ニトラゼパム、ノルトリプチリン、オキサゼパム、パラアルデヒド、パロキセチン、ペントバルビタール、ペルラピン、ペルフェナジン、フェネルジン、フェノバルビタール、プラゼパム、プロメタジン、プロポフォール、プロトリプチリン、クアゼパム、ラメルテオン、リクラゼパム、ロレタミド、セコバルビタール、セルトラリン、スプロクロン、TAK−375、テマゼパム、チオリダジン、チアガビン、トラカゾレート、トラニルシプロメイン、トラゾドン、トリアゾラム、トレピパム、トリセタミド、トリクロフォス、トリフルオペラジン、トリメトジン、トリミプラミン、ウルダゼパム、ベンラファキシン、ザレプロン、ゾラゼパム、ゾピクロン、ゾルピデム、及びその塩、及びその組合わせなどであるか、又は本発明化合物は、光療法若しくは電気刺激などの理学的方法の使用と組合わせて投与してもよい。
【0069】
別の実施態様において、当該対象化合物は、当該技術分野で既知の他の化合物と組合わせて使用し、その場合、別個に投与するか、又は同じ医薬組成物として投与する;当該他の化合物としては、限定されるものではないが、インスリン増感剤、(i)PPARγアンタゴニスト、例えば、グリタゾン類(例:シグリタゾン;ダルグリタゾン;エングリタゾン;イサグリタゾン(MCC−555);ピオグリタゾン;ロシグリタゾン;トログリタゾン;ツラリク;BRL49653;CLX−0921;5−BTZD)、GW−0207、LG−100641、及びLY−300512など);(iii)ビグアニド類、例えば、メトホルミン及びフェンホルミン;(b)インスリン又はインスリン模倣体、例えば、ビオタ、LP−100、ノバラピド、インスリンデテミール、インスリンリスプロ、インスリングラルギン、インスリン亜鉛懸濁液(レント及びウルトラレント);Lys−Proインスリン、GLP−1(73−7)(インスリントロピン);及びGLP−1(7−36)−NH);(c)スルホニルウレア類、例えば、アセトヘキサミド;クロルプロパミド;ジアビネーゼ;グリベンクラミド;グリピジド;グリブリド;グリメピリド;グリクラジド;グリペンチド;グリキドン;グリソラミド;トラザミド;及びトルブタミド;(d)α−グルコシダーゼインヒビター、例えば、アカルボーズ、アジポシン;カミグリボーズ;エミグリテート;ミグリトール;ボグリボーズ;プラジミシン−Q;サルボスタチン;CKD−711;MDL−25,637;MDL−73,945;及びMOR14など;(e)コレステロール低下剤、例えば、(i)HMG−CoAリダクターゼインヒビター(アトルバスタチン、イタバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、リバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン、及びその他のスタチン類)、(ii)胆汁酸吸収剤/キレート化剤、例えば、コレスチラミン、コレスチポール、架橋デキストランのジアルキルアミノアルキル誘導体;コレスチド(Colestid;登録商標);ロコレスト(LoCholest;登録商標)など;(ii)ニコチニルアルコール、ニコチン酸又はその塩;(iii)増殖因子−活性化因子受容体αアゴニスト、例えば、フェノフィブリン酸誘導体(ゲムフィブロジル、クロフィブレート、フェノフィブレート、及びベンザフィブレート)、(iv)コレステロール吸収阻害剤、例えば、スタノールエステル類、ベータ−シトステロール、ステロールグリコシド、例えば、チケシド;及びアゼチジノン類、例えば、エゼチミベなど;及び(アシルCoA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT))インヒビター、例えば、アバシミベ、及びメリナミド、(v)抗酸化剤、例えば、プロブコール、(vi)ビタミンE、及び(vii)サイロミメティック(甲状腺模倣体);(f)PPARαアゴニスト、例えば、ベクロフィブレート、ベンザフィブレート、シプロフィブレート、クロフィブレート、エトフィブレート、フェノフィブレート、及びゲムフィブロジル;及び他のフィブリン酸誘導体、例えば、アトロミド(Atromid;登録商標)、ロピド(Lopid;登録商標)、及びトリコール(Tricor;登録商標)など、及び国際公開公報WO97/36579(グラクソ)に記載されたPPARαアゴニスト;(g)PPARδアゴニスト;(h)PPARα/δアゴニスト、例えば、ムラグリタザール、及び米国特許US6,414,002に開示された化合物;及び(i)抗肥満薬、例えば、(1)成長ホルモン分泌促進薬、成長ホルモン分泌促進薬受容体アゴニスト/アンタゴニスト、例えば、NN703、ヘキサレリン、MK−0677、SM−130686、CP−424,391、L−692,429、及びL−163,255;(2)タンパク質チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)インヒビター;(3)カンナビノイド受容体リガンド、例えば、カンナビノイドCB受容体アンタゴニスト又は逆アゴニスト、例えば、リモナバント(サノフィ・シンセラボ)、AMT−251、及びSR−14778及びSR141716A(サノフィ・シンセラボ)、SLV−319(ソルベイ)、BAY65−2520(バイエル);(4)抗肥満セロトニン作動薬、例えば、フェンフルラミン、デクスフェンフルラミン、フェンテルミン、及びシブトラミン;(5)β3−アドレナリン受容体アゴニスト、例えば、AD9677/TAK677(大日本/武田)、CL−316,243、SB418790、BRL−37344、L−796568、BMS−196085、BRL−35135A、CGP12177A、BTA−243、トレカドリン、ゼネカD7114、SR59119A;(6)膵リパーゼインビター、例えば、オルリスタット(キセニコール;Xenical;登録商標)、トリトンWR1339、RHC80267、リプスタチン、テトラヒドロリプスタチン、ティーサポニン、リン酸ジエチルウンベリフェリル;(7)神経ペプチドY1アンタゴニスト、例えば、BIBP3226、J−115814、BIBO 3304、LY−357897、CP−671906、GI−264879A;(8)神経ペプチドY5アンタゴニスト、例えば、GW−569180A、GW−594884A、GW−587081X、GW−548118X、FR226928、FR240662、FR252384、1229U91、GI−264879A、CGP71683A、LY−377897、PD−160170、SR−120562A、SR−120819A、及びJCF−104;(9)メラニン濃縮ホルモン(MCH)受容体アンタゴニスト;(10)メラニン濃縮ホルモン1受容体(MCH1R)アンタゴニスト、例えば、T−226296(武田);(11)メラニン濃縮ホルモン2受容体(MCH2R)アゴニスト/アンタゴニスト;(12)オレキシン受容体アンタゴニスト、例えば、SB−334867−A、及び本明細書記載の公開特許公報に開示されたもの;(13)セロトニン再吸収インヒビター、例えば、フルオキセチン、パロキセチン、及びセルトラリン;(14)メラノコルチンアゴニスト、例えば、メラノタンII;(15)他のMc4r(メラノコルチン4受容体)アゴニスト、例えば、CHIR86036(カイロン)、ME−10142、及びME−10145(メラキュアー)、CHIR86036(カイロン);PT−141、及びPT−14(パラチン);(16)5HT−2アゴニスト;(17)5HT2C(セロトニン受容体2C)アゴニスト、例えば、BVT933、DPCA37215、WAY161503、R−1065;(18)ガラニンアンタゴニスト;(19)CCKアゴニスト;(20)CCK−A(コレシストキニン−A)アゴニスト、例えば、AR−R15849、GI181771、JMV−180、A−71378、A−71623、及びSR14613;(22)コルチコトロピン放出ホルモンアゴニスト;(23)ヒスタミン受容体−3(H3)モジュレーター;(24)ヒスタミン受容体−3(H3)アンタゴニスト/逆アゴニスト、例えば、ヒオペラミド、N−(4−ペンテニル)カルバミン酸3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロピル、クロベンプロピット、ヨードフェンプロピット、イモプロキシファン、GT2394(グリアテック)、及びO−[3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパノール]−カルバメート;(25)β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ−1インヒビター(β−HSD−1);(26)PDE(ホスホジエステラーゼ)インヒビター、例えば、テオフィリン、ペントキシフィリン、ザプリナスト、シルデナフィル、アムリノン、ミルリノン、シロスタミド、ロリプラム、及びシロミラスト;(27)ホスホジエステラーゼ−3B(PDE3B)インヒビター;(28)NE(ノルエピネフリン)輸送インヒビター、例えば、GW320659、デスピラミン、タルスプラム、及びノミフェンシン;(29)グレリン受容体アンタゴニスト;(30)レプチン:組換えヒトレプチン(PEG−OB、ホフマン・ラ・ロシュ)及び組換えメチオニルヒトレプチン(アムジェン)を含む;(31)レプチン誘導体;(32)BRS3(ボンベシン受容体サブタイプ3)アゴニスト、例えば、[D−Phe6,beta−Ala11,Phe13,Nle14]Bn(6−14)及び[D−Phe6,Phe13]Bn(6−13)プロピルアミド、及び文献(Pept.Sci.2002 Aug;8(8):461−75)に開示された化合物;(33)CNTF(毛様体神経栄養因子)、例えば、GI−181771(グラクソ−スミスクライン)、SR146131(サノフィ・シンセラボ)、ブタビンディド、PD170,292、及びPD149164(ファイザー);(34)CNTF誘導体、例えば、アキソカイン(リジェネロン);(35)モノアミン再吸収インヒビター、例えば、シブトラミン;(36)UCP−1(脱共役タンパク質−1)、2、又は3活性化因子、例えば、フィタン酸、4−[(E)−2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−5,5,8,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)−1−プロペニル]安息香酸(TTNPB)、レチノイン酸;(37)甲状腺ホルモンβアゴニスト、例えば、KB−2611(カロビオBMS);(38)FAS(脂肪酸シンターゼ)インヒビター、例えば、セルレニン及びC75;(39)DGAT1(ジアシルグリセロール・アシルトランスフェラーゼ1)インヒビター;(40)DGAT2(ジアシルグリセロール・アシルトランスフェラーゼ2)インヒビター;(41)ACC2(アセチル−CoAカルボキシラーゼ−2)インヒビター;(42)グルココルチコイドアンタゴニスト;(43)アシル−エストロゲン、例えば、文献(del Mar−Grasa,M.et al.,Obesity Research,9:202−9(2001))に開示されたオレオイル−エストロン;(44)ジペプチジルペプチダーゼIV(DP−IV)インヒビター、例えば、イソロイシン・チアゾリジド、バリン・ピロリジド、NVP−DPP728、LAF237、MK−431、P93/01、TSL225、TMC−2A/2B/2C、FE999011、P9310/K364、VIP0177、SDZ274−444;(46)ジカルボキシレート輸送体インヒビター;(47)グルコース輸送体インヒビター;(48)ホスフェート輸送体インヒビター;(49)メトホルミン(グルコファージ;Glucophage;登録商標);及び(50)トピラメート(トピマックス;Topimax;登録商標);及び(50)ペプチドYY、PYY3−36、ペプチドYY類似体、誘導体、及びフラグメント、例えば、BIM−43073D、BIM−43004C(Olitvak,D.A.et al.,Dig.Dis.Sci.44(3):643−48(1999));(51)神経ペプチドY2(NPY2)受容体アゴニスト、例えば、NPY3−36、Nアセチル[Leu(28,31)]NPY24−36、TASP−V、及びシクロ−(28/32)−Ac−[Lys28−Glu32]−(25−36)−pNPY;(52)神経ペプチドY4(NPY4)アゴニスト、例えば、膵臓ペプチド(PP)、及び他のY4アゴニスト、例えば、1229U91;(54)シクロオキシゲナーゼ−2インヒビター、例えば、エトリコキシブ、セレコキシブ、バルデコキシブ、パレコキシブ、ルミラコキシブ、BMS347070、チラコキシブ、又はJTE522、ABT963、CS502、及びGW406381、及び薬学的に許容されるその塩;(55)神経ペプチドY1(NPY1)アンタゴニスト、例えば、BIBP3226、J−115814、BIBO 3304、LY−357897、CP−671906、GI−264879A;(56)オピオイドアンタゴニスト、例えば、ナルメフェン(リベックス;Revex;登録商標)、3−メトキシナルトレキソン、ナロキソン、ナルトレキソ
ン;(57)11βHSD−1(11ベータ ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型)インヒビター、例えば、BVT3498、BVT2733;(58)アミノレックス;(59)アンフェクロラール;(60)アンフェタミン;(61)ベンズフェタミン;(62)クロルフェンテルミン;(63)クロベンゾレックス;(64)クロフォレックス;(65)クロミノレックス;(66)クロルテルミン;(67)シクレキセドリン;(68)デキストロアンフェタミン;(69)ジフェメトキシジン;(70)N−エチルアンフェタミン;(71)フェンブトラゼート;(72)フェニソレックス;(73)フェンプロポレックス;(74)フルドレックス;(75)フルミノレックス;(76)フルフリルメチルアンフェタミン;(77)レバムフェタミン;(78)レバファセトペラン;(79)メフェノレックス;(80)メタンフェプラモン;(81)メタンフェタミン;(82)ノルシュードエフェドリン;(83)ペントレックス;(84)フェンジメトラジン;(85)フェンメトラジン;(86)ピシロレックス;(87)フィトファルム57;及び(88)ゾニサミドを包含する。
【0070】
別の実施態様において、当該対象化合物は、以下のものを含む抗うつ剤又は抗不安剤と組合わせて使用し得る:ノルエピネフリン再吸収インヒビター(三級アミン三環状化合物及び二級アミン三環状化合物を含む)、選択的セロトニン再吸収インヒビター(SSRI)、モノアミンオキシダーゼインヒビター(MAOI)、モノアミンオキシダーゼの可逆的インヒビター(RIMA)、セロトニン及びノルアドレナリン再吸収インヒビター(SNRI)、コルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニスト、α−アドレナリン受容体アンタゴニスト、ニューロキニン−1受容体アンタゴニスト、非定型抗うつ剤、ベンゾジアゼピン、5−HT1Aアゴニスト又はアンタゴニスト、取分け、5−HT1A部分アゴニスト、及びコルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニスト。具体的な薬剤は以下のとおりである:アミトリプチリン、クロミプラミン、ドキセピン、イミプラミン、及びトリミプラミン;アモキサピン、デシプラミン、マプロチリン、ノルトリプチリン、及びプロトリプチリン;フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチン、及びセルトラリン;イソカルボキサジド、フェネルジン、トラニルシプロミン、及びセレギリン;モクロベミド;ベンラファキシン;アプレピタント;ブプロピオン、リチウム、ネファゾドン、トラゾドン、及びビロキサジン;アルプラゾラム、クロルジアゼポキシド、クロナゼパム、クロラゼペート、ジアゼパム、ハラゼパム、ロラゼパム、オキサゼパム、及びプラゼパム;ブスピロン、フレシノキサン、ゲピロン、及びイプサピロン、及び薬学的に許容されるその塩。
【0071】
別の実施態様において、当該対象化合物は、以下のものと組合わせて使用し得る:抗アルツハイマー病薬;ベータ−セクレターゼインヒビター;ガンマ−セクレターゼインヒビター;成長ホルモン分泌促進剤;組換え成長ホルモン;HMG−CoAリダクターゼインヒビター;NSAID:イブプロフェンなど;ビタミンE;抗アミロイド抗体;CB−1受容体アンタゴニスト又はCB−1受容体逆アゴニスト;抗生物質、例えば、ドキシサイクリン及びリファンピン;N−メチル−D−アスパルテート(NMDA)受容体アンタゴニスト、例えば、メマンチン;コリンエステラーゼインヒビター、例えば、ガランタミン、リバスチグミン、ドネペジル、及びタクリン;成長ホルモン分泌促進剤、例えば、イブタモレン、メシル酸イブタモレン、及びカプロモレリン;ヒスタミンHアンタゴニスト;AMPAアゴニスト;PDE IVインヒビター;GABA逆アゴニスト;又はニューロンニコチンアゴニスト。
【0072】
別の実施態様において、当該対象化合物は、以下のものと組合わせて使用し得る:鎮静剤、催眠剤、抗不安剤、抗精神薬、不安阻止剤、シクロピロロン、イミダゾピリジン、ピラゾロピリミジン、マイナートランキライザー、メラトニンアゴニスト、及びアンタゴニスト、メラトニン作動薬、ベンゾジアゼピン、バルビツレート、5HT−2アンタゴニストなど;例えば、アジナゾラム、アロバルビタール、アロニミド、アルプラゾラム、アミトリプチリン、アモバルビタール、アモキサピン、ベンタゼパム、ベンゾクタミン、ブロチゾラム、ブプロピオン、ブスプリオン、ブタバルビタール、ブタルビタール、カプリド、カルボクロラール、クロラールベタイン、クロラール水和物、クロルジアゼポキシド、クロミプラミン、クロナゼパム、クロペリドン、クロラゼペート、クロレセート、クロザピン、シプラゼパム、デシプラミン、デクスクラモール、ジアゼパム、ジクロルアルフェナゾン、ジバルプロエックス、ジフェンヒドラミン、ドキセピン、エスタゾラム、エトクロルビノール、エトミデート、フェノバム、フルニトラゼパム、フルラゼパム、フルボキサミン、フルオキセチン、フォサゼパム、グルテチミド、ハラゼパム、ヒドロキシジン、イミプラミン、リチウム、ロラゼパム、ロルメタゼパム、マプロチリン、メクロクアロン、メラトニン、メホバルビタール、メプロバメート、メタクアロン、ミダフルール、ミダゾラム、ネファゾドン、ニソバメート、ニトラゼパム、ノルトリプチリン、オキサゼパム、パラアルデヒド、パロキセチン、ペントバルビタール、ペルラピン、ペルフェナジン、フェネルジン、フェノバルビタール、プラゼパム、プロメタジン、プロポフォール、プロトリプチリン、クアゼパム、リクラゼパム、ロレタミド、セコバルビタール、セルトラリン、スプロクロン、テマゼパム、チオリダジン、トラカゾレート、トラニルシプロメイン、トラゾドン、トリアゾラム、トレピパム、トリセタミド、トリクロフォス、トリフルオペラジン、トリメトジン、トリミプラミン、ウルダゼパム、ベンラファキシン、ザレプロン、ゾラゼパム、ゾルピデム、及びその塩、及びその組合わせなど;又は当該対象化合物は、光療法又は電気刺激などの理学療法と結合して投与し得る。
【0073】
別の実施態様において、当該対象化合物は、以下のものと組合わせて使用し得る:レボドーパ(カルビドーパ又はベンセラジドなどの選択的脳外デカルボキシラーゼインヒビターと共に、又はなしに)、抗コリン作動薬、例えば、ビペリデン(選択肢としてその塩酸塩又は乳酸塩)及びトリヘキシフェニジル(ベンズヘキソール)塩酸塩、COMTインヒビター、例えば、エンタカポン、MOA−Bインヒビター、抗酸化剤、A2aアデノシン受容体アンタゴニスト、コリン作動性アゴニスト、NMDA受容体アンタゴニスト、セロトニン受容体アンタゴニスト、及びドーパミン受容体アゴニスト、例えば、アレンテモール、ブロモクリプチン、フェノルドーパム、リスリド、ナキサゴリド、ペルゴリド、及びプラミペキソール。ドーパミンアゴニストは薬学的に許容される塩、例えば、臭化水素酸アレンテモール、メシル酸ブロモクリプチン、メシル酸フェノルドーパム、塩酸ナキサゴリド、及びメシル酸ペルゴリドの形状であってもよいことが認識されよう。リスリド及びプラミペキソールは共通して非塩の形状で使用される。
【0074】
別の実施態様において、当該対象化合物は、以下のものと組合わせて使用し得る:アセトフェナジン、アレンテモール、ベンズヘキソール、ブロモクリプチン、ビペリデン、クロルプロマジン、クロルプロチキセン、クロザピン、ジアゼパム、フェノルドーパム、フルフェナジン、ハロペリドール、レボドーパ、ベンセラジドとレボドーパ、カルビドーパとレボドーパ、リスリド、ロキサピン、メソリダジン、モリンドロン、ナキサゴリド、オランザピン、ペルゴリド、ペルフェナジン、ピモジド、ペラミペキソール、リスペリドン、スルピリド、テトラベンザジン、トリヘキシフェニジル、チオリダジン、チオチキセン、又はトリフルオペラジン。
【0075】
別の実施態様において、当該対象化合物は、以下のものと組合わせて使用し得る:フェノチアジン、チオキサンテン、へテロ環状ジベンズアゼピン、ブチロフェノン、ジフェニルブチルピペリジン、及びインドロンクラスの神経弛緩薬。フェノチアジンの適切な例は、クロルプロマジン、メソリダジン、チオリダジン、アセトフェナジン、フルフェナジン、ペルフェナジン、及びトリフルオペラジンである。チオキサンテンの適切な例は、クロルプロチキセン及びチオチキセンである。ジベンズアゼピンの例は、クロザピンである。ブチロフェノンの例は、ハロペリドールである。ジフェニルブチルピペリジンの例は、ピモジドである。インドロンの例は、モリドロンである。その他の神経弛緩薬は、ロキサピン、スルピリド、及びリスペリドンを包含する。神経弛緩薬は、当該対象化合物と組合わせて使用する場合、薬学的に許容される塩の形状であるとよいことが理解されよう;例えば、塩酸クロルプロマジン、ベシル酸メソリダジン、塩酸チオリダジン、マレイン酸アセトフェナジン、塩酸フルフェナジン、エナント酸フルルフェナジン、デカン酸フルフェナジン、塩酸トリフルオペラジン、塩酸チオチキセン、デカン酸ハロペリドール、コハク酸ロキサピン、及び塩酸モリンドンである。ペルフェナジン、クロルプロチキセン、クロザピン、ハロペリドール、ピモジド、及びリスペリドンは、共通して非塩の形状で使用される。
【0076】
別の実施態様において、当該対象化合物は、以下のものと組合わせて使用し得る:食欲抑制剤、例えば、アミノレックス、アンフェクロラール、アンフェタミン、ベンズフェタミン、クロルフェンテルミン、クロベンゾレックス、クロフォレックス、クロミノレックス、クロルテルミン、シクレキセドリン、デクスフェンフルラミン、デキストロアンフェタミン、ジエチルプロピオン、ジフェメトキシジン、N−エチルアンフェタミン、フェンブトラゼート、フェンフルラミン、フェニソレックス、フェンプロポレックス、フルドレックス、フルミノレックス、フルフリルメチルアンフェタミン、レボアンフェタミン、レボファセトペラン、マジンドール、メフェノレックス、メタンフェラモン、メタアンフェタミン、ノルシュードエフェドリン、ペントレックス、フェンジメトラジン、フェンメトラジン、フェンテルミン、フェニルプロパノールアミン、ピシロレックス、及びシブトラミン;選択的セロトニン再吸収インヒビター(SSRI);ハロゲン化アンフェタミン誘導体、例えば、クロルフェンテルミン、クロフォレックス、クロルテルミン、デクスフェンフルラミン、フェンフルラミン、ピシロレックス、及びシブトラミン;及び薬学的に許容されるその塩。
【0077】
別の実施態様において、当該対象化合物は、以下のものと組合わせて使用し得る:オピエートアゴニスト、リポキシゲナーゼインヒビター(例:5−リポキシゲナーゼのインヒビター)、シクロオキシゲナーゼインヒビター(例:シクロオキシゲナーゼ−2インヒビター)、インターロイキンインヒビター(例:インターロイキン−1インヒビター)、NMADアンタゴニスト、酸化窒素のインヒビター若しくは酸化窒素合成のインヒビター、非ステロイド抗炎症剤、又はサイトカイン抑制抗炎症剤;例えば、以下の化合物:アセトアミノフェン、アスピリン、コデイン、フェンタニル、イブプロフェン、インドメタシン、ケトロラック、モルヒネ、ナプロキセン、フェナセチン、ピロキシカム、ステロイド鎮痛剤、スフェンタニル、サンリンダック、テニダップなど。同様に、当該対象化合物は、疼痛軽減剤;増強剤、例えば、カフェイン、H2−アンタゴニスト、シメチコーン、水酸化アルミニウム、若しくはマグネシウム;充血除去剤、例えば、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、シュードフェドリン、オキシメタゾリン、エピネフリン、ナファゾリン、キシロメタゾリン、プロピルヘキセドリン、又はレボ−デスオキシ−エフェドリン;鎮咳薬、例えば、コデイン、ヒドロコドン、カラミフェン、カルベタペンタン、又はデキストロメトルファン;利尿剤;及び鎮静性若しくは非鎮静性抗ヒスタミン薬と共に投与し得る。
【0078】
本発明化合物は、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、ICV、槽内注射、若しくは注入、皮下注射、又は移植)により、又は吸入スプレー、鼻腔、膣内、直腸、舌下、又は局所の投与経路で投与可能であり、単独又は一緒のものとして、各投与経路に適する常套の非毒性の薬学的に許容される担体、アジュバント及び媒体を含む適当な投与量単位の剤形に製剤化し得る。マウス、ラット、ウマ、ウシ、ヒツジ、イヌ、ネコ、サルなどの温血動物の治療に加えて、本発明化合物はヒトでの使用に有効である。
【0079】
本発明化合物の投与用医薬組成物は、都合のよいように投与量単位の形状で提供可能であり、調剤技術分野で周知のいずれかの方法により調製し得る。すべての方法が、有効成分を、1種以上の副次成分を構成する担体と会合させる工程を含む。一般に、該医薬組成物は、有効成分を、液状担体又は微粉末化担体又はその両方と均一に、また緊密に会合させ、次いで、要すれば、その生成物を所望の剤形に製剤化することにより調製する。当該医薬組成物において、該活性な目的化合物は、疾患の経過又は症状に対し、所望の作用を生じるために十分な量で含有される。本明細書にて使用する場合、「組成物」という用語は、特定量の特定成分を含有してなる製品、並びに特定量の特定成分の組合わせから、直接又は間接的に生じる何らかの製品を包含するものとする。
【0080】
経口使用を企図する医薬組成物は、医薬組成物の製造についての当該技術分野で既知の方法に従って調製可能であり、かかる組成物は、医薬として的確で口当たりのよい製剤を提供するために、甘味剤、芳香剤、着色剤、及び保存剤からなる群より選択される1種以上の試剤を含有し得る。錠剤は、錠剤の製造に適する非毒性の薬学的に許容される添加剤と混合した有効成分を含む。これら添加物は、例えば、不活性な希釈剤(例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム、又はリン酸ナトリウム)、顆粒化及び崩壊剤(例えば、コーンスターチ又はアルギン酸)、結合剤(例えば、デンプン、ゼラチン、又はアラビアゴム)、及び潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、又はタルク)などである。該錠剤は裸錠でもよいし、又は胃腸管における崩壊及び吸収を遅延させて、長時間にわたり作用を持続させるために、既知の方法により被覆してもよい。経口使用組成物は、ハードゼラチンカプセルとして提供可能あり、その場合、有効成分は不活性の固形希釈剤(例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、又はカオリン)と混合する;あるいはソフトゼラチンカプセルとしても提供可能あり、その場合、有効成分は水又は油性媒体(例えば、落花生油、流動パラフィン、又はオリーブ油)と混合する。水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に適する添加剤と混合した活性物質を含む。油性懸濁液は、適切な油に有効成分を懸濁することにより製剤化し得る。水中油型の懸濁液も使用し得る。水の添加により水性懸濁液を調製するために適する分散性粉末及び顆粒は、分散化剤又は湿潤剤、懸濁化剤、及び1種以上の保存剤と混合した有効成分を提供する。本発明化合物の医薬組成物は、無菌の注射用水性又は油性懸濁液の形状であってもよい。また、本発明化合物は、直腸投与用の坐剤の形状で投与してもよい。局所使用の場合は、本発明化合物を含有するクリーム、軟膏、ゼリー、溶液、又は懸濁液などを使用し得る。また、本発明化合物は、吸入投与用に製剤化してもよい。また、本発明化合物は当該技術分野で既知の方法により経皮パッチとして投与してもよい。
【0081】
本発明化合物を調製するための幾つかの方法を、以下の反応工程図と実施例にて説明する。出発原料は、当該技術分野で既知の方法に従うか、又は本明細書に説明したように作製する。本明細書では以下の略号を使用する;Me:メチル;Et:エチル;t−Bu:tert−ブチル;Ar:アリール;Ph:フェニル;Bn:ベンジル;Ac:アセチル;THF:テトラヒドロフラン;DEAD:ジエチルアゾジカルボキシレート;DIPEA:N,N−ジイソプロピルエチルアミン;DMSO:ジメチルスルホキシド;EDC:N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド;HOBT:ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物;Boc:tert−ブチルオキシカルボニル;EtN:トリエチルアミン;DCM:ジクロロメタン;DCE:ジクロロエタン;BSA:ウシ血清アルブミン;TFA:トリフルオロ酢酸;DMF;N,N−ジメチルホルムアミド;MTBE:メチル tert−ブチルエーテル;SOCl:塩化チオニル;CDI:カルボニルジイミダゾール;rt:室温;HPLC:高速液体クロマトグラフィー;T3P:1−プロピルホスホン酸無水物。本発明化合物は様々な様式で調製することができる。
【0082】
一部の事例において、最終生成物はさらに、例えば、置換基の操作により修飾してもよい。これらの操作は、限定されるものではないが、一般に当業者既知の、還元、酸化、アルキル化、アシル化、及び加水分解反応などである。一部の事例において、上記の反応工程図及び実施例を実施する順序は、反応を容易にするために、又は不所望の反応産物を回避するために、変更してもよい。以下の実施例は本発明をより完全に理解し得るように提供するものである。これらの例は説明のみのものであり、如何なる方法でも本発明を制限するものと見做すべきではない。
実施例A
【0083】
【化10】

【0084】
6−メチルニコチン酸メチルエステル(A−2)
MeOH(300ml)中の6−メチルニコチン酸(20g、146mmol)の溶液を、HClガスにより、溶媒が飽和状態となるまで処理した。反応に蓋をし、室温で1.5時間攪拌した。この混合物を再度HClガスで溶媒が飽和状態となるまで処理し、蓋をして22℃で一晩攪拌した。この溶液を濃縮してA−2を得た。A−2のデータ:LRMSm/z(M+H):152.75。
【0085】
6−メチル−3−ピペリジンカルボン酸メチルエステル(A−3)
EtOH(200ml)中のA−2(23g、152mmol)の溶液を、5モル%酸化白金(1.728g、7.61mmol)と酢酸(8.71ml、152mmol)で処理した。パール瓶を減圧とし、H(g)を3回充填し、H(g)気流下(45psi、4回再充填)に22℃で3時間、攪拌した。混合物をセライトで濾過し、濾過ケーキをMeOHで洗った。濾液を濃縮し、〜3.5:1のシス:トランス ジアステレオマー比をもつ生成物を得た。この物質を300mLのMeOHで希釈し、ナトリウムメトキシド(32.9g、183mmol)で処理し、50℃に加熱し、この温度で4日間攪拌した。混合物を22℃まで冷やし、conc.HClでpH7に中和し、セライトで濾過して、濾液を濃縮した。残渣をMeOHに懸濁し、再度濾過した。得られる濾液を濃縮してA−3(〜3:1 トランス:シス)を得た。A−3のデータ:LRMSm/z(M+H):158.9。
【0086】
6−メチル−3−ピペリジンメタノール(A−4)
THF(15ml)中の当該アミン塩酸塩(〜3:1 トランス:シス;500mg、2.58mmol)の懸濁液を水素化リチウムアルミニウム(3.37ml、7.75mmol)により22℃でゆっくり処理した。この溶液を0℃まで加温して20分間攪拌し、次いで、0.294mLの水、0.294mlの15%NaOH、及び0.882mLの水で連続して滴下処理した。この混合物に硫酸ナトリウムを加えた。22℃で20分間攪拌した後、混合物を濾過し、濾液を濃縮してA−4を無色油として得た。A−4のデータ:LRMSm/z(M+H):130.2。
【0087】
(2R,5R)−5−(ヒドロキシメチル)−2−メチルピペリジン−1−カルボン酸ベンジル(A−5)
DCM(15ml)中の当該アミンA−4(350mg、2.71mmol)の溶液をTEA(0.755ml、5.42mmol)とCBZ−Cl(0.387ml、2.71mmol)で処理した。この混合物を22℃で処理し、濃縮した。残渣をEtOAcと水に分配した。有機相をNaSOで乾燥し、濾過、濃縮した。粗生成物をシリカゲル上、勾配溶出(0〜70%EtOAc/ヘキサン)により精製して、ラセミ体(〜3:1 トランス:シス)377mgを得た。該トランス体は、5cmのCDキラルカラム上、無勾配溶出(93:7 ヘキサン:EtOH;75mL/分;1回の注入)により、215nmで検出し、シス−ジアステレオマーからそのエナンチオマーに分離して、120mgのA−5、ピーク1(無色油、100%ee)及び114mgのピーク2(無色油、30%シス体により汚染、90%ee)を得た。A−5のデータ:LRMSm/z(M+H):264。同様に、シス−ジアステレオマーはそのエナンチオマーに分離可能であり、以下の手法を利用して、(R,S)及び(S,R)化合物とすることができる。
【0088】
(2R,5R)−5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−カルボン酸ベンジル(A−6)
DCM(3ml)中、最初の溶出異性体A−5(120mg、0.456mmol)、5−フルオロ−2−ヒドロキシピリジン(56.7mg、0.501mmol)、及び樹脂結合−トリフェニルホスフィン(0.254ml、0.547mmol)の溶液を、アザジカルボン酸ジイソプロピルエステル(0.106ml、0.547mmol)で処理した。この混合物を一晩攪拌し、濾過、濾液を濃縮した。粗生成物を逆相上の勾配溶出(5〜95%MeCN/水(0.1%TFA)により精製して、純粋なフラクションを得た;これを濃縮し、EtOAcで希釈し、飽和NaHCO水で洗った。有機相をNaSOで乾燥し、濾過、濃縮し、A−6を無色フィルムとして得た。A−6のデータ:LRMSm/z(M+H):264。
【0089】
5−フルオロ−2−{[(3R,6R)−6−メチルピペリジン−3−イル]メトキシ}ピリジン(A−7)
EtOH(5ml)中の該カルバメートA−6(107mg、0.299mmol)の溶液を10モル%水酸化パラジウム/炭素(20.96mg、0.030mmol)で処理した。フラスコを減圧とし、H(g)を3回充填し、H(g)気流下(1気圧)に22℃で40分間攪拌した。この混合物をシリンジフィルターで濾過した。濾液を濃縮して、A−7を無色フィルムとして得た。A−7のデータ:LRMSm/z(M+H):225。
【0090】
2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)−5−メチル安息香酸(A−8)
DMF(10mL)中、2−ヨード−5−メチル安息香酸(4.0g、15.3mmol)の溶液を、1,2,3−トリアゾール(2.1g、30.5mmol)、CsCO(9.95g、30.5mmol)、CuI(0.145g、0.76mmol)、及びトランス−N,N’−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン(0.43g、3.05mmol)で処理した。この混合物をマイクロ波反応器中、120℃で10分間加熱した。反応液を室温に冷却し、水で希釈し、EtOAcで洗った。水層を1N−HClで酸性とし、EtOAcで抽出した。有機層をNaSOで乾燥し、濾過、濃縮した。残渣をSiO上の勾配溶出(0〜10%MeOH/CHCl;0.1%AcOH含有)により精製すると、最初に2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)−5−メチル安息香酸(A−8)が溶出し、次いで、所望でない位置異性体、1−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)−5−メチル安息香酸が溶出した。A−8のデータ:1HNMR(500MHz,DMSO−d)d12.98(br s,1H),8.04(s,2H),7.72−7.45(m,3H),2.41(s,3H)ppm。
【0091】
5−フルオロ−2−({(3R,6R)−6−メチル−1−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン(A−9)
DMF(1ml)中のA−7(67mg、0.299mmol)の溶液を酸A−8(60.7mg、0.299mmol)、EDC(68.7mg、0.358mmol)、HOBT(54.9mg、0.358mmol)、及びトリエチルアミン(0.167ml、1.195mmol)で処理した。22℃で一晩攪拌した後、混合物をEtOAcで希釈し、3回水洗した。有機相をNaSOで乾燥し、濾過、濃縮した。粗生成物をシリカゲル上、勾配溶出(0〜75%EtOAc/ヘキサン)により精製して、不純な物質を得た。この物質を逆相上の勾配溶出(5〜95%MeCN/水;0.1%TFA含有)により精製して、純フラクションを得た;これを濃縮し、EtOAcで希釈し、飽和NaHCO水で洗った。有機相をNaSOで乾燥し、濾過、濃縮して、A−9を白色固体として得た。A−9のデータ:HRMSm/z(M+H):実測値410.1993.要求値410.1987。
実施例B
【0092】
【化11】

【0093】
5−フルオロ−2−{[(3R,6R)−1−(2−ヨード−5−メチルベンゾイル)−6−メチルピペリジン−3−イル]メトキシ}ピリジン(B−2)
CHCl(50ml)中のA−7(325mg、1.5mmol)の溶液に、0℃で、ジイソプロピルエチルアミン(506mL、2.9mmol)を加え、次いで、C−1(447mg、1.6mmol;A−8をCHCl中でSOClと触媒DMFとで処理することにより生成させる)を加えた。室温に戻し、2時間攪拌した後、反応液をCHClと飽和NaHCO水に分配した。層分離し、水層を再度CHClで抽出し、併合した有機層を水洗し、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲル上、勾配溶出(0〜100%EtOAc/ヘキサン)により精製して、B−2(530mg)を白色固体として得た。B−2のデータ:LRMSm/z(M+H):469.1。
【0094】
2−{2−[((2R,5R)−5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]−4−メチルフェニル}ピラジン(B−3)
DMF(2ml)中のB−2(70mg、0.15mmol)の溶液に、2−トリブチルスタンニルピラジン(83mg、0.22mmol)、ヨウ化銅(I)(5.7mg、0.03mmol)、フッ化セシウム(45mg、0.3mmol)、及びテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(17mg、0.015mmol)を加えた。80℃で一晩攪拌した後、反応液をEtOAcと飽和NaHCO水に分配した。層分離し、有機層を水と飽和食塩水で洗い、MgSOで乾燥し、濾過、濃縮した。粗生成物をシリカゲル上、勾配溶出(0〜100%EtOAc/ヘキサン)により精製し、さらにシリカゲル上の2回目のクロマトグラフィー(0〜100% 80:10:10 CHCl:EtOAc:MeOH/CHCl)により精製して、20mgのB−3を無色ガムとして得た。B−3のデータ:HRMSm/z(M+H):実測値421.2011,要求値421.2034。
実施例C
【0095】
【化12】

【0096】
[(3R,6R)−6−メチルピペリジン−3−イル]メタノール(C−1)
MeOH(50mL)中のA−5(2.75g、10.4mmol)の溶液に、20%Pd(OH)/炭素(〜700mg)を加え、フラスコを減圧として、その空気をHと置き換えた。H風船のもとで一晩攪拌した後、反応液をセライトで濾過し、濃縮してC−1(1.29g;96%)を白色固体として得た。C−1のデータ:LRMSm/z(M+H):130.2。
【0097】
{(3R,6R)−6−メチル−1−[2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]ピペリジン−3−イル}メタノール(C−3)
CHCl(70ml)中のC−1(675mg、5.22mmol)の溶液に、0℃でトリエチルアミン(2.9ml、20.9mmol)を加え、次いで、C−2(2.17g、10.4mmol;B−1と同様の方法で、2−ヨード安息香酸から出発して合成した)を加えた。室温に戻し、一晩攪拌した後、反応液をCHClと水に分配した。層分離し、有機層を飽和NaHCO水と水で洗い、NaSOで乾燥し、濾過、濃縮して、ビスアシル化物質である小麦色の固体2.46gを得た。エステルを選択的に加水分解するために、この物質を150mLのTHF/MeOH(1:1)に溶かし、この溶液に50mLの1M−LiOHを加えた。室温で一晩攪拌した後、この混合物をEtOAcと0.5M−NaOHに分配した。層分離し、有機層を0.5M−NaOHと飽和食塩水で2回洗い、NaSOで乾燥し、濾過、濃縮した。粗生成物をシリカゲル上、勾配溶出(0〜100%EtOAc/ヘキサン)により精製し、890mgのC−3を白色固体として得た。C−3のデータ:LRMSm/z(M+H):301.2。
【0098】
2−メチル−6−({(3R,6R)−6−メチル−1−[2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン(C−4)
DMF(2ml)中のC−3(50mg、0.25mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(10mg、0.25mmol;60%懸濁液/油)を加え、次いで2−フルオロ−6−メチルピリジン(21mg、0.18mmol)を加えた。室温で一晩攪拌した後、追加量のNaHと2−フルオロ−6−メチルピリジンを加え、さらに8時間攪拌を続け、飽和NHCl水で反応停止させた。次いで、この混合物をEtOAcと飽和NaHCO水に分配した。層分離し、有機層を水と飽和食塩水で洗い、MgSOで乾燥し、濾過、濃縮した。粗生成物をシリカゲル上、勾配溶出(0〜100%EtOAc/ヘキサン)により精製し、70mgのC−4を白色固体として得た。C−4のデータ:HRMSm/z(M+H):実測値392.2059,要求値392.2081。
実施例D
【0099】
【化13】

【0100】
(3−オキソブチル)マロン酸ジメチル(D−1)
滴下漏斗、窒素送入口、及び熱電対を装着した視覚的に清浄な乾燥100L丸底フラスコに、アセトニトリルと炭酸カリウムを加えた。マロン酸ジメチルを加え、得られる混合物を17℃に冷却した(氷/水浴)。内部温度が26℃を超えないようにしながら、メチルビニルケトンを3時間かけて添加した。18時間後、HPLCは完全な変換を示した。この混合物を、60LのMTBEと20Lの水を容れた100Lの抽出器に移した。層分離し、水層を20LのMTBEでさらに抽出した。併合した有機層を20Lの水で洗い、その懸濁液を5時間静置した。次いで、有機層をソルカフロックで濾過し、バッチ濃縮し、20LのMTBEで洗い、15.1kgのD−1を得た(H−NMRで80wt%;80%収率)。D−1のデータ:HNMR(400MHz,CDCl)δ3.69(s,6H),3.40(t,J=7.3Hz,1H),2.50(t,J=7.2Hz,2H),2.15−2.06(m,5H)。
【0101】
(6R)−6−メチル−2−オキソピペリジン−3−カルボン酸メチル(D−2)
視覚的に清浄な20L丸底フラスコに、7.15kgの64wt%D−1を負荷し、回転蒸発(rotavope)により残りのアセトニトリルとMTBEを除去した。得られる溶液は83wt%である。頂部攪拌機付の視覚的に清浄な100Lブッチジャケット反応器に、45Lの水を加えた。開始時、30℃に加熱し、次いで852gのNaHPO、7.2kgのD−アラニン、6.48kgのグルコース、22.5gのNAD、及び45gのPLPを加えた。NaOHでpH7.4に調整し、次いで、450gのATA−117トランスアミナーゼ、9gの乳酸デヒドロゲナーゼ、及び45gのグルコースデヒドロゲナーゼを加え、2.5Lの水で容器中に洗い容れた。すべての酵素が溶液となった後、回転蒸発したD−1の溶液を加え、次いで最終2.5Lの水を加えた。5N−NaOHによるpH調整を開始した。反応液を42時間攪拌放置した;反応は31時間で完結した。反応容器に19.4kgのNaCl及び6.0Lの5N−HClを加え、pH3.5に調整した。アセトニトリル20Lを加え、10分間攪拌した。攪拌機を止め、反応混合物を1時間静置した。アセトニトリル層を除去し、水層をアセトニトリルで再抽出し、当該アセトニトリル層と併合した。得られるアセトニトリル溶液をソルカフロックで濾過し、同様のサイズの第二バッチと併合し、バッチを濃縮してアセトニトリルと水を除去した。得られる油は高レベルの不均一系NaClを含んでいた。次いで、この油を50LのEtOAcに溶解し、視覚的に清浄な20L丸底フラスコに移し、回転蒸発してD−2を油として得た(5.5kg、94wt%;74%収率;99%ee、キラルパック上のHPLCにより決定)。D−2のデータ:LRMS(M+H)=172。
【0102】
(6R)−3−(ヒドロキシメチル)−6−メチルピペリジン−2−オン(D−3)
グリコール冷却コイル、窒素送入口、大型ガス出口、及び熱電対を備えた視覚的に清浄な乾燥140L抽出器に、18.7wt%D−2/EtOH溶液(4.6L/kg)及び追加の71.4LのEtOH(25.4L/kg)を容れた。塩化カルシウムを15分間で3回に分けて添加し、26℃から22℃に冷やしながら完全に溶解するまで攪拌した。水素化ホウ素ナトリウムを20分間で3回に分けて添加した。最後の添加の後、温度を25℃まで上昇した。ガス発生は30分以内に収まった。反応混合物は、温度が22℃以下に維持されるように冷却しながら、20時間攪拌放置した。この混合物を5℃に冷却し、温度を9.5℃以下に維持しながら、11.2Lの6N−HClを30分かけて注意深く加えることにより、反応停止した。これを室温に戻し、2時間攪拌した。この混合物に浸漬した湿潤pHペーパーはpH2を示した。これをソルカフロックで濾過し、EtOH(2×12L)ですすいだ。各容器について、総量2.55kg(108%AY)をアッセイした。濾液を同様サイズの第二のバッチと併合し、バッチ濃縮した。殆どのエタノールを蒸発させた後、8Lの水を加えてEtOHを共蒸発させ、沈殿を一部溶解させた。水層23Lを抽出器に移した後、容量を水で31.6Lに調整した。これを53Lの、次いで、2×26.5Lの1−ブタノールで抽出した(HPLCアッセイは、水層に92g、1.9%を損失したことを示す)。併合した有機層を10.5Lの食塩水で洗った(HPLCアッセイは、洗浄液に419g、8.8%を損失したことを示す)。有機層を4.21kg(92%回収、96%AY)とアッセイし、最少容量に濃縮した。次いでこれを12Lの水と、さらに120Lのイソプロパノールと共沸した。KFは総容量〜40Lに対して水分0.5%とアッセイした。この懸濁液をソルカフロックで濾過し、2×10Lのイソプロパノールですすいだ。濾液を抽出器中で攪拌して均一とし、4.13kg(94%AY、1.7:1dr)とアッセイした。この溶液を2つの等量バッチに分けた。各バッチを最少容量に濃縮し、140LのTHFと共沸して、D−3をベージュの懸濁液(94%収率)として得た。H−NMRは0.6当量イソプロパノールを示す。D−3のデータ:LRMS(M+H)=144。
【0103】
[(6R)−6−メチルピペリジン−3−イル]メタノール(D−4)
機械式攪拌機、熱電対、窒素送入口、及び冷却浴を備えた視覚的に清浄な乾燥100Lの5頚丸底フラスコに、D−3(2.07kg、1.0当量)及びTHF(20L、10mL/g)を容れた。混合物を−25℃に冷却した。LiAlH(2.6M溶液、22.2L、4.0当量)を3.5時間かけて加え、この間、温度は−25℃〜+12℃に維持した。重要なガス(H)の発生は、最初の6LのLiAlHの添加の際に観測された。添加終了後、混合物を20℃に加温し、次いで、スチームにより50℃に加熱した。この混合物をこの温度で12時間熟成した。GC−FIDとLC−MSは>99%の所望のピペリジン−アルコールへの変換を示した。この混合物を−25℃に冷却し、フィーザー処理により反応を停止させた。水(2.2L)を3時間かけて混合物に加えると、重要なガスの発生と発熱を認めた(温度は−25℃ないし+13℃に維持した)。次いで、混合物に3.75M−NaOH(2.2L)を1.5時間で添加した。最後に、水(6.6L)を1時間かけて添加した。この混合物を5℃に冷却し、1.5時間熟成した。この懸濁液を濾過し、そのケーキをTHF(20L)ですすいだ。1.54kg(2.33%wt)が得られた;従って、D−4のアッセイ収率は82%であった(dr=1.7:1、トランス異性体が優位)。D−4のデータ:LRMS(M+H)=130。
【0104】
[(3R,6R)−6−メチルピペリジン−3−イル]メタノール−CSA塩(D−5)
機械式攪拌機、熱電対、窒素送入口、及び冷却コイルを備えた視覚的に清浄な乾燥140Lの5頚抽出器に、D−4(3.04kg、1.0当量)及びTHF(60L、20mL/g)を容れた。この混合物に、(D)−(+)−CSA(4.37kg、0.8当量)のTHF溶液(4mL/g、12L)を1時間をかけて添加した。塩は播種することなしに結晶化した。添加終了後、混合物を20℃で45分間熟成し、次いで、MTBE(10mL/g、30L)を45分かけて添加した。混合物を45分間熟成し、次いで45分間で2℃に冷却した。混合物をこの温度で30分間熟成し、次いで濾過した。塩を2×6mL/g(2×18L)のTHF/MTBE(1/1)で、次いで、1×6mL/g(1×18L)のMTBEですすぎ、窒素気流下にフリット上で16時間乾燥し、4.46kg(52%)のD−5を白色固体として得た。塩のジアステレオ選択性(塩分解後の遊離塩基サンプルについて測定)は40−50:1であった。
【0105】
(2R,5R)−5−(ヒドロキシメチル)−2−メチルピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(D−6)
グリコール冷却コイル、窒素送入口、及び熱電対を装着した視覚的に清浄な乾燥140L抽出器に、ジクロロメタン40Lを容れ、次いでD−5(4.2kg)を容れた。この懸濁液に、トリエチルアミンを一回で加え(4.8L、発熱観測されず)、次いでBoc0(2.66kgを5分間で加え、4℃で発熱観察)を加えた。30分後、反応混合物が均一になった。LCMSアッセイ(3時間後)は出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を2M塩化アンモニウム(40L)で希釈し、層分離した。有機層を半飽和食塩水(20L)で洗い、層分離した。粗反応混合物のHPLCアッセイは105%AY(2.81kg)を示した。この粗反応混合物をNaSOで乾燥し(200wt%)、濾過してトシル化反応用の100Lフラスコに移した。
【0106】
(2R,5R)−2−メチル−5−({[(4−メチルフェニル)スルホニル]オキシ}メチル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(D−7)
機械式攪拌機、窒素送入口、及び熱電対を装着した視覚的に清浄な乾燥100L反応器に、D−6の粗ジクロロメタン溶液を容れた(最終容量を10L、約2.2mL/gに調整した)。この冷溶液(0℃)にピリジン(5.5L、発熱観測せず)を加え、次いでTsClを加えた(4回に分けて1時間で;発熱するが容易に制御)。反応混合物を室温に戻し、18時間攪拌した(HPLCは出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を140Lの抽出器に移し、MTBE(7mL/g)、飽和NHCl(20L)、及び水(10L)で希釈した。層分離し、有機層をCuSO・5HO(20L、次いで10L)、飽和NaHCO(10L)、及び半飽和食塩水(10L)で洗浄した。粗有機層をシリカゲル(1.5kg)のパッド上で濾過し、パッドをMTBE(10L)ですすいだ。得られる溶液について測定したD−7のアッセイ収率は93%(4.28kg)であった。D−7のデータ:LRMS(M−Boc)=284.0。
【0107】
(2R,5R)−5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(D−8)
機械式攪拌機、熱電対、窒素送入口、及び冷却浴を装着した視覚的に清浄な乾燥100L5頚丸底フラスコに、D−7(3.23kg、1.0当量)及びNMP(65L、20mL/g)を容れた。5−フルオロ−2−ヒドロキシピリジン(1.19kg、1.25当量)を加え、次いで、CsCO(7.37kg、2.7当量)を加えた。発熱は観測されなかった。この混合物を60℃に加温し、この温度で26時間熟成した。HPLCは>99.9%が所望の産物に変換していることを示した。この混合物を15℃に冷却し、発熱を制御(15℃ないし28℃)するために、1時間かけて水(65L)を加え、反応を停止した。当該ピペリジン−O−ピリジンをMTBE(20mL/g、65L)で抽出した。有機層を2×10mL/gの10%LiCl(2×32L)で、次いで、2×10mL/gの半飽和NaCl溶液(2×32L)で洗浄した。MTBE層について測定したD−8のアッセイ収率は、2.16kg、79%であった。D−8のデータ:HRMS(M+H)=325.1922。
【0108】
5−フルオロ−2−{[(3R,6R)−6−メチルピペリジン−3−イル]メトキシ}ピリジン(D−9)
熱電対及び機械的攪拌機を装着した視覚的に清浄な50Lフラスコに、MTBE中のD−8(2.15kg、6.63mol)の溶液を容れ、MTBEをジクロロメタン(11.40L)と溶媒交換した。この混合物を氷/IPA浴で−2℃に冷却した。次いで、TFA(5.5L、71.4mol)をゆっくり加えた(40分以上;T℃=−1.9℃ないし5.5℃、最大5.5℃)。添加終了後、反応液を氷浴から取り出し、温水で室温まで加温した(5.7℃から開始、50分間)。反応は3.5時間以内に終了した。減圧下に濃縮し、得られる油を、100L抽出器中、NaOHの冷却攪拌溶液(3.0N、1.1当量、28L)に移し、30LのMTBEを加え、層分離した。有機層を30Lの2N−HClで洗い、再度、10Lの2N−HClで洗った。次いで、水層を冷却し(9℃)、pH13となるまで10N−NaOHを加えた(T°=21℃)。この溶液に25LのMTBEを加え、層分離した。最後に、水層を10LのMTBEで逆抽出した。定量的HPLCアッセイは、D−9の収率が98%、純度が>99.7%であることを示した;これを次の反応で使用する。D−9のデータ:LRMS(M+H)=225.1。
実施例E
【0109】
【化14】

【0110】
2−ヨード−5−メチル安息香酸メチル(E−1)
機械的攪拌機、熱電対、及び水冷却コンデンサーを装着した視覚的に清浄な100Lフラスコに、MeOH(50L)を容れた。次いで、2−ヨード−5−メチル安息香酸(5.85kg、22.32mol)を攪拌下に加えた。次いで、濃硫酸(0.595L、11.16mol)を分割添加した;これにより温度が17℃から22℃に上昇した。この混合物の内部温度を徐々に64.6℃とし、一晩(〜18時間)熟成した。翌朝、HPLCによると反応は>98%変換に達していた。フラスコを氷浴に入れて16℃に冷却し、pHをモニターしながら10N−NaOH(850ml;0.98当量)をゆっくり(10分以上)と加えた。添加後、pHは5〜6となった(注意:pH9以上になると、後処理中に鹸化が起こり得る)。次いで、この溶液を約16Lまで濃縮し、この懸濁液を100Lの抽出器に移した。フラスコは8LのIPAcと4Lの水ですすぎ、これら洗浄液も抽出器に移した。IPAc32Lを10Lの5w%NaHCO及び〜10Lの15w%食塩水と共に加えた。層分離し、水層を20LのIPAcで逆抽出した。次いで、有機層を併合し、10Lの15w%食塩水で洗浄した。有機層を集め、E−1(6.055kg、21.93mol、98%収率)を純度98.3%で得た。
【0111】
5−メチル−2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチル(E−2)
機械的攪拌機及び熱電対を装着した視覚的に清浄な100L容器に、iPAc中、E−1(5.9kg、21.37mol)の溶液を容れた。この溶液を2−MeTHF(〜35L)と溶媒交換した。トリエチルアミン(8.94L、64.1mol)を加え、その溶液をNで脱気した。脱気を維持しながら、この攪拌溶液にピナコールボラン(4.65L、32.1mol)をゆっくり(15分以上)と加えた。この溶液をさらに10分間脱気し、トリ−o−トリルホスフィン(0.325kg、1.069mol)を加え、さらに酢酸パラジウム(II)(0.120kg、0.534mol)を加えた。これにより反応液は直ちに黒化し、11.5℃から30℃にゆっくりと発熱した。この時点で、遅延した発熱が観察され、反応温度は60℃に上昇した(45分以上)。反応温度を77℃まで上昇させて、さらに45分間熟成させた。この時点で、反応液をHPLC分析すると、出発物質は完全に消費されていた。熱源を取り除き、フラスコの下に氷浴を置き、1.5時間以上、反応を冷却した。26w%塩化アンモニウム溶液を極めてゆっくりと加え、ガスの発生と発熱を制御した(60分以上);黒色沈殿が形成された。予め40Lの水を容れた抽出器にその上清を移した。残りの黒色スラリーはソルカフロックにて濾過し、MTBE(〜20L)で洗浄した。濾液を抽出器に容れた。層分離し、有機層をアッセイすると、E−2(4.45kg、16.11mol、75%収率)が純度81.6%であることが判明した;これをそのまま次工程で使用した。
【0112】
5−メチル−2−ピリミジン−2−イル安息香酸メチル(E−3)
機械的攪拌機及び熱電対を装着した視覚的に清浄な100Lの反応容器に、前反応からのE−2(4.38kg、15.84mol)の溶液を容れた。この混合物について、2−MeTHF(35L)と溶媒交換した。これに次いで2−クロロピリミジン(2.18kg、19.01mol)(吸熱、19から14℃)及び炭酸ナトリウム(5.04kg、47.5mol)を加えた。この攪拌懸濁液に水(11.67L)(発熱15〜24℃)を加えた。濃厚なスラリーをNで40分間脱気し、その後、PdCl(dppf)−CHCl付加体(0.518kg、0.634mol)を加えた;これにより反応液が黒色となった。内部温度を74℃に設定し、16時間成熟させた。一部をHPLC分析用に取り出した;HPLCは出発ボロナートがほぼ完全に消費されていることを示した(>97%変換)。反応液を室温に冷やし、10分間攪拌を維持しながら、水12L及びMTBE24Lを加えた。この溶液をソルカフロックで濾過し、100Lの抽出器に移した。フラスコはMTBEと水の双方4L(×2)で、さらに4LのMTBEですすいだ。層分離し、水層を21.5LのMTBEで逆抽出した。有機層のアッセイは、ビアリールエステル(2.76kg、12.09mol、76%収率)の生成を示した。有機層を再度抽出器に容れ、1.26kgのダルコKB−Gを加え、その混合物を2時間攪拌して、ソルカフロックで濾過した。濾過ケーキを3×10LのMTBEで洗った。重金属を分析すると、427〜493ppmのPd及び882〜934ppmのFeが明らかとなった。アッセイ結果は2.381kgのE−3(66%総収率、DARCOからの回収率86%)であった。E−3のデータ:H NMR(500MHz,CDCl,293K,TMS):8.78(d,J=4.87Hz,2H);7.97(d,J=7.93Hz,1H);7.51(s,1H);7.39(d,J=7.99Hz,1H);7.19(t,J=4.88Hz,1H);3.75(s,3H);2.44(s,3H)。
【0113】
5−メチル−2−ピリミジン−2−イル安息香酸(E−4)
視覚的に清浄な100Lフラスコに、前工程からのE−3の溶液を、インライン・フィルター経由で導入し、濃縮し、2−MeTHF(〜15L)と溶媒交換した。この溶液に水(20L)を加え、次いで、10N−水酸化ナトリウム(2.60L,26.0mol)を加えた。添加後、反応液は赤色に変った;熱源を72℃に設定した。この混合物をこの温度で1.5時間熟成させた;HPLC分析によると、完全な変換が観察された。反応液を冷却し、50Lの抽出器に移した。フラスコを4Lの水と10LのMTBEですすぎ、これを抽出器中の攪拌混合物に加えた。層分離し、水層を10LのMTBEで2回洗った。次いで、水層をインライン・フィルター経由で酸性化用の反応容器(100L)に再導入した。冷却した混合物に2.3Lの12N−HClをゆっくり加えた;発熱して7℃から10℃となった。これによりベージュ色の沈殿が形成された(pH=1)。この沈殿を濾過した。ベージュ色の濾過ケーキを3mL/gの冷水で2回洗った。次いで、そのケーキを3mL/gの冷15%MTBE/ヘプタン及び15%PhMe/ヘプタンで洗った。最後に、これを1.5mL/gの室温MTBEで洗い、次いで室温3mL/gのヘプタンで2回洗った。次いで、この固体をN気流下で2日間乾燥し、E−4を淡いベージュ色の粉末(2.15kg、10.04mol、97%収率)として得た。HPLCによる分析は生成物の純度が99.2%であることを示した。重金属を分析すると、264ppmのPd及び19.7ppmのFeが明らかとなった。E−4のデータ:H NMR(500MHz,DMSO−d):12.65(s,1H);8.85−8.82(m,2H);7.78(dd,J=7.89,2.34Hz,1H);7.49−7.37(m,3H);2.40(s,3H)。
【0114】
2−{2−[((2R,5R)−5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]−4−メチルフェニル}ピリミジン(E−5)
熱電対及び機械的攪拌機を装着した視覚的に清浄な乾燥50Lフラスコに、D−9(1kg、4.46mol)の溶液を容れ、DCM(11.00L)と溶媒交換した。DIPEA(2L、11.45mol)を加え、次いで、この攪拌溶液にE−4(1.22kg、5.67mol)を加えた。この溶液を氷浴にて冷却した(12℃)。この攪拌溶液に温度を<21℃に維持しながら、滴下漏斗からT3P(7.87L、13.38mol)を1時間かけて加えた。滴下終了と同時に、反応液が黄色になり、不均一となった。攪拌し易くするために、2LのDCMを加えた。反応液を44℃に加熱した(42℃でわずかに発熱し、温度を46.7℃に上昇させる;この温度を30分間維持する)。反応はこの温度で一晩熟成させる。17時間後、反応が完結していないため、変換を促進するためにT3P(1.1L、1.870mol)を加えた。翌日(42時間)、HPLCにより反応が完結していると思われたので、氷浴で4℃に冷却した。反応温度を17℃以下に保持しながら、水20Lを加えた(最初の1.5Lについてはゆっくりと、次いでやや速く)。この混合物を室温で30分間攪拌した。次いで、この混合物を、MTBE20Lを容れた50Lの抽出器に移した。フラスコはさらに2Lの水と4LのMTBEですすいだ。層分離し、有機層を20Lの1N−NaOHと、次いで10Lの1N−NaOHで洗った。最後に、有機層を10Lの15%食塩水で2回洗浄した。次いで有機フラクション(1.65kgで定量的HPLCアッセイ)を〜50w%のダルコKB(750g)で1.75時間処理し、ソルカフロックで濾過し、10mL/gのMTBE(1.559g、94.5%回収)ですすいだ。機械的攪拌機、熱電対、還流冷却器、及び窒素送入口を装着した視覚的に清浄な乾燥50LのRBFに、上記の粗生成物(E−5溶液及び使用するすべての溶媒は、1μmのインラインフィルターにより濾過した)を溶れた。反応混合物はIPAcと溶媒交換し、最終容量を7.5L(約4mL/gのIPAc)に調整した。反応混合物を75℃に加温し(すべて可溶)、ゆっくりと室温に冷やし、18gのE−5(IPAc/ヘプタン中の再抽出から得られた先端溶離物質)を45℃で播種し、一晩(16時間)室温で攪拌し、次いで、ヘプタン(6ml/g)を60分間かけて加えた。反応混合物を1時間熟成し、次いで5℃に冷却し、30分間攪拌した。次いで、この懸濁液をフィルターポットに移し、IPAC/ヘプタン(2×3mL/gの冷15%IPAc)及びヘプタン(5mL/g)ですすいだ。残渣のベージュ色の固体を窒素流下で18時間乾燥した(生成物は溶媒<0.3wt%に乾燥していることが判明した)。1.2kgのE−5が淡ベージュ色固体(99.4LCAP、>99.5%ee、>99.5%dr、Pdレベル:8ppm;及びKF:0.1)として単離した。E−5のデータ:HRMSm/z(M+H):実測値421.2067,要求値421.2035。
実施例F
【0115】
【化15】

【0116】
2−({(3R,6R)−1−[5−ブロモ−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−6−メチルピペリジン−3−イル}メトキシ)−5−フルオロピリジン(F−2)
DMF(3mL)中、250mg(1.12mmol)のA−7、299mg(1.12mmol)のF−1(5−ブロモ−2−ヨード安息香酸から出発して、A−8と類似の方法で調製)、182mg(1.34mmol)の1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール、及び0.47mL(3.34mmol)のトリエチルアミンからなる溶液に、321mg(1.67mmol)のEDCを加え、反応液を50℃で4時間攪拌した。反応液をEtOAcと飽和NaHCO水に分配し、水及び食塩水で洗い、MgSOで乾燥、回転蒸発により濃縮し、F−2をガムとして得た。F−2のデータ:LC/MS:rt=2.64分;m/z(M+H)=実測値474.1;要求値474.1。
【0117】
3−[((2R,5R)−5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]−4−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)安息香酸メチル(F−3)
メタノール(15mL)及びDMSO(7.5ml)中、F−2(529mg;1.12mmol)、酢酸パラジウム(II)(25mg;0.11mmol)、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)−プロパン(46mg;0.11mmol)、及びトリエチルアミン(0.62mL;4.5mmol)からなる溶液に、80℃で10分間一酸化炭素を吹き込んだ。次いで、反応液を一酸化炭素の風船下に置き、80℃で一晩攪拌した。反応液をEtOAcと飽和NaHCO水に分配し、水と食塩水で洗い、MgSOで乾燥し、回転蒸発により濃縮した。残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製し、F−3を灰白色固体として得た。F−3のデータ:LC/MS:rt=2.30;m/z(M+H)=実測値454.1;要求値454.2。
【0118】
3−[((2R,5R)−5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]−4−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)安息香酸(F−4)
15mLのMeOH/THF/HO(1:1:1)中のF−3(95mg;0.21mmol)に、1M水酸化ナトリウム水溶液(0.84mL;0.84mmol)を加え、その混合物を50℃で3時間攪拌した。反応液を濾過し、濃縮して有機溶媒を除去し、EtOAcで希釈し、1M−NaOHで3回洗浄した。水層を1M−HClで酸性とし、DCMで3回洗浄し、MgSOで乾燥した。回転蒸発による濃縮の後、残渣をEtO/ヘキサンに懸濁し、濃縮してF−4を白色固体として得た。F−4のデータ:LC/MS:rt=2.02分;m/z(M+H)=実測値440.2;要求値440.2.HRMS(ESI)m/z(M+H):実測値440.1744;要求値440.1729。
実施例G
【0119】
【化16】

【0120】
[3−[((2R,5R)−5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]−4−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノール(G−1)
THF(20mL)中のF−3(175mg;0.39mmol)に、2M水素化アルミニウムリチウム/THF溶液(1.89mL;3.78mmol)を0℃で加え、その混合物を3.5時間攪拌し、その間、室温に戻した。水(0.15ml)、15%NaOH水溶液(0.15ml)、及び水(0.45ml)を加えて反応を停止し、次いで、セライトのパッドで濾過した。回転蒸発により濃縮した後、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc)により精製し、濃縮してEtO/ヘキサンに懸濁し、再度濃縮してG−1を白色固体として得た。G−1のデータ:LC/MS:rt=2.00分;m/z(M+H)=実測値426.2;要求値426.2.HRMS(ESI)m/z(M+H)実測値426.1943;要求値426.1936。
実施例H
【0121】
【化17】

【0122】
2−{[(3R,6R)−1−(5−ブロモ−2−ヨードベンゾイル)−6−メチルピペリジン−3−イル]メトキシ}−5−フルオロピリジン(H−1)
DMF(5mL)中、A−7(350mg;1.56mmol)、5−ブロモ−2−ヨード安息香酸(510mg;1.56mmol)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(255mg;1.87mmol)、及びトリエチルアミン(0.65mL;4.68mmol)からなる溶液に、EDC(449mg;2.34mmol)を加え、この反応液を50℃で4時間攪拌した。反応液をEtOAcと飽和NaHCO水に分配し、水と食塩水で洗い、MgSOで乾燥し、回転蒸発により濃縮してH−1をガムとして得た。H−1のデータ:LC/MS:rt=2.81分;m/z(M+H)=実測値533.0;要求値533.0。
【0123】
2−{4−ブロモ−2−[((2R,5R)−5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]フェニル}ピリミジン(H−2)
DMF(3mL)中、H−1(230mg;0.43mmol)、2−トリブチルスタンニルピリミジン(207mg;0.56mmol)、CsF(131mg;0.86mmol)、及びCuI(8mg;0.04mmol)からなる懸濁液に、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(50mg;0.04mmol)を加え、その反応液をマイクロ波中、130℃で10分間加熱した。反応液をEtOAcと飽和NaHCO水に分配し、水と食塩水で洗い、MgSOで乾燥し、回転蒸発により濃縮した。残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製し、H−2を黄色ガムとして得た。H−2のデータ:LC/MS:rt=2.61分;m/z(M+H)=実測値485.1;要求値485.1。
【0124】
3−[((2R,5R)−5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]−4−ピリミジン−2−イル安息香酸メチル(H−3)
メタノール(15mL)及びDMSO(7.5ml)中、H−2(500mg;1.03mmol)、酢酸パラジウム(II)(23.1mg;0.10mmol)、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)−プロパン(43mg;0.10mmol)、及びトリエチルアミン(0.57mL;4.1mmol)からなる溶液に、80℃で10分間一酸化炭素を吹き込んだ。次いで、反応液を一酸化炭素の風船下に置き、80℃で2.5時間攪拌した。反応液をEtOAcと飽和NaHCO水に分配し、水と食塩水で洗い、MgSOで乾燥し、回転蒸発により濃縮した。残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製し、H−3を灰白色固体として得た。H−3のデータ:LC/MS:rt=2.30;m/z(M+H)=実測値465.2;要求値465.2.HRMS(ESI)m/z(M+H)実測値465.1944;要求値465.1933。
【0125】
3−[((2R,5R)−5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]−4−ピリミジン−2−イル安息香酸(H−4)
MeOH/THF/HO(各5mL)中、H−3(150mg;0.32mmol)に、1M水酸化ナトリウム水溶液(0.97mL;0.97mmol)を加え、その混合物を50℃で30分間攪拌した。反応液を1M−HClでpH=7に中和し、EtOAcで3回洗った。有機層を食塩水で洗い、MgSOで乾燥し、回転蒸発により濃縮し、H−4を灰白色固体として得た。H−4のデータ:LC/MS:rt=1.91分;m/z(M+H)=実測値451.2;要求値451.2.HRMS(ESI)m/z(M+H)実測値451.1761;要求値451.1776。
実施例I
【0126】
【化18】

【0127】
2−{[(3R,6R)−1−(2−ブロモ−5−ヨードベンゾイル)−6−メチルピペリジン−3−イル]メトキシ}−5−フルオロピリジン(I−1)
DMF(60mL)中、3g(13.4mmol)のA−7、4.59mg(14.1mmol)の2−ブロモ−5−ヨード安息香酸、2.46g(16.1mmol)の1−ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物、及び5.6mL(40.1mmol)のトリエチルアミンからなる溶液に、3.85g(20.1mmol)のEDCを加え、反応液を室温で18時間攪拌した。反応液をEtOAcと飽和NaHCO水に分配し、水及び食塩水で洗い、MgSOで乾燥、回転蒸発により濃縮した。残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製し、I−1をガムとして得た。I−1のデータ:LC/MS:rt=2.75分;m/z(M+H)=実測値532.9;要求値533.0。
【0128】
2−{[(3R,6R)−1−(2−ブロモ−5−ビニルベンゾイル)−6−メチルピペリジン−3−イル]メトキシ}−5−フルオロピリジン(I−2)
DMF(35mL)中、I−1(6.85g;12.9mmol)、ビニルトリフルオロホウ酸カリウム(2.24g、16.7mmol)、及びKCO(5.33g;38.5mmol)からなる懸濁液に、PdCl(dppf)(940mg;1.3mmol)を加え、この反応液に5分間アルゴンを通し、次いで85℃に4時間加熱した。反応液を室温で3日間攪拌し、次いで、EtOAcと飽和NaHCO水に分配し、水及び食塩水で洗い、MgSOで乾燥、回転蒸発により濃縮した。残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製し、I−2をガムとして得た。I−2のデータ:LC/MS:rt=2.80分;m/z(M+H)=実測値433.0;要求値433.1。
【0129】
4−ブロモ−3−[((2R,5R)−5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]ベンズアルデヒド(I−3)
THF(50mL)及び水(20ml)中、I−2(4.2g;9.7mmol)及び過ヨウ素酸ナトリウム(5.7g;26.6mmol)の溶液に、2.5wt%四酸化オスミウム/tert−ブタノール溶液(1.42ml;0.11mmol)を加え、その反応液を室温で4時間攪拌した。反応液をEtOAcと飽和NaHCO水に分配し、水及び食塩水で洗い、MgSOで乾燥、回転蒸発により濃縮して、I−3をガムとして得た。I−3のデータ:LC/MS:rt=2.38分;m/z(M+H)=実測値435.0;要求値435.1。
【0130】
{4−ブロモ−3−[((2R,5R)−5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]フェニル}メタノール(I−4)
THF(50mL)中のI−3(3.94g;9.1mmol)の溶液に、2M水素化ホウ素リチウム/THF溶液(5.4ml;10.9mmol)を加え、反応液を室温で30分間攪拌した。飽和NHCl水溶液で反応を停止し、EtOAcと飽和NaHCO水に分配し、水及び食塩水で洗い、MgSOで乾燥、回転蒸発により濃縮して、I−4をガムとして得た。I−4のデータ:LC/MS:rt=2.16分;m/z(M+H)=実測値437.0;要求値437.1。
【0131】
酢酸4−ブロモ−3−[((2R,5R)−5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]ベンジル(I−5)
ピリジン(50mL)中、I−4(3.87g;8.9mmol)及びDMAP(22mg;0.18mmol)の溶液に、無水酢酸(1.67ml;17.7mmol)を加え、反応液を室温で30分間攪拌した。反応液をEtOAcと飽和NaHCO水に分配し、水及び食塩水で洗い、MgSOで乾燥、回転蒸発により濃縮した。残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製し、I−5をガムとして得た。I−5のデータ:LC/MS:rt=2.55分;m/z(M+H)=実測値479.0;要求値479.1。
【0132】
酢酸3−[((2R,5R)−5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]−4−ピリミジン−2−イルベンジル(I−6)
DMF(3mL)中、I−5(134mg;0.28mmol)、2−トリブチルスタンニルピリミジン(310mg;0.84mmol)、CsF(170mg;1.12mmol)、及びCuI(16mg;0.08mmol)からなる懸濁液に、テトラキストリフェニルフェニルホスフィンパラジウム(0)(32mg;0.03mmol)を加え、その反応液をマイクロ波中、150℃で25分間加熱した。反応液をEtOAcと飽和NaHCO水に分配し、水と食塩水で洗い、MgSOで乾燥し、回転蒸発により濃縮した。残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製し、I−6をガムとして得た。I−6のデータ:LC/MS:rt=2.26分;m/z(M+H)=実測値479.1;要求値、479.2。
【0133】
{3−[((2R,5R)−5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]−4−ピリミジン−2−イルフェニル}メタノール(I−7)
MeOH/THF/HO(各5mL)中のI−6(830mg;1.74mmol)に、1M水酸化ナトリウム水溶液(5.2mL;5.2mmol)を加え、その混合物を室温で3時間攪拌した。反応液を濃縮して有機溶媒を除き、次いで、EtOAcと飽和NaHCO水に分配し、水と食塩水で洗い、MgSOで乾燥し、回転蒸発により濃縮した。残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(CHCl:EtOAc:MeOH/CHCl)により精製し、回転蒸発により濃縮後、残渣をEtO/ヘキサンに懸濁し、濃縮してI−7を白色固体として得た。I−7のデータ:LC/MS:rt=1.97分;m/z(M+H)=実測値437.1;要求値、437.2.HRMS(ESI)m/z(M+H)実測値437.1966;要求値437.1983。
【0134】
以下の化合物は、前記の反応工程図及び実施例に記載したように、前記の方法に従い調製したのものであるが、試薬については適切に置換されたものと置き換えた。必要な出発物質は、市販品として入手可能であるか、又は文献記載のものであるか、又は有機合成に関わる当業者が不当な実験をすることなく、容易に合成し得るものであった。一部の最終生成物はフラッシュクロマトグラフィー(SiO;EtOAc/ヘキサン又は他の適切な溶媒系)により精製し、遊離の塩基として単離した;あるいは、一部の生成物は逆相HPLC(モディファイアーとして0.1%TFAを含むCHCN/HO)により精製し、TFA塩として単離した;その場合、質量の報告値及び実測値は遊離塩基のものである。あるいは、当該生成物を含有するフラクションをNaHCOで塩基性とし、EtOAcで抽出し、NaSOで乾燥し、濃縮して遊離塩基を得た。
【0135】
【化19−1】

【0136】
【化19−2】

【0137】
【化19−3】

【0138】
【化19−4】

【0139】
【化19−5】

【0140】
【化19−6】

【0141】
【化19−7】

【0142】
【化19−8】

【0143】
表2は、前記のアッセイ法により定量したオレキシン受容体OX1R及び/又はOX2Rアンタゴニストとしての実施例の化合物について、代表的なデータを示す。
【0144】
【化20−1】

【0145】
【化20−2】

【0146】
【化20−3】

【0147】
【化20−4】

【0148】
本発明につき、その一部特定の実施態様に関して記載し、説明したが、当業者は、その手順及びプロトコールについて様々な改作、変更、修飾、置換、削除、又は付加が、本発明の精神及び範囲から逸脱することなくなし得るものであることを正しく認識するであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中:
Aは、フェニル、ナフチル、及びヘテロアリールからなる群より選択され;
1a、R1b、及びR1cは、Aの原子価がかかる置換を可能としない場合には存在しなくともよく、また独立して、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)−(C=O)−O−C1−6アルキル(式中、mは0又は1であり、nは0又は1であり(ただし、mが0であるか、又はnが0である場合、結合が存在する)、また当該アルキルは未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基により置換されている)、
(5)−(C=O)−O−C3−6シクロアルキル(式中、当該シクロアルキルは未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基により置換されている)、
(6)−(C=O)−C2−4アルケニル(式中、当該アルケニルは未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基により置換されている)、
(7)−(C=O)−C2−4アルキニル(式中、当該アルキニルは未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基により置換されている)、
(8)−(C=O)−O−フェニル又は−(C=O)−O−ナフチル(式中、当該フェニル又はナフチルは未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基により置換されている)、
(9)−(C=O)−O−へテロ環(式中、当該へテロ環は未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基により置換されている)、
(10)−(C=O)−NR1011(式中、R10及びR11は、独立して、
(a)水素、
(b)C1−6アルキル(これは、未置換であるか、又はR13により置換されている)、
(c)C3−6アルケニル(これは、未置換であるか、又はR13により置換されている)、
(d)C3−6アルキニル(これは、未置換であるか、又はR13により置換されている)、
(e)C3−6シクロアルキル(これは、未置換であるか、又はR13により置換されている)、
(f)フェニル(これは、未置換であるか、又はR13により置換されている)、及び
(g)ヘテロ環(これは、未置換であるか、又はR13により置換されている)からなる群より選択される)、
(11)−S(O)−NR1011
(12)−S(O)−R12(式中、qは0、1又は2であり、R12は、R10及びR11の定義から選択される)、
(13)−COH、
(14)−CN、及び
(15)−NOからなる群より選択され;
2a、R2b、及びR2cは、独立して、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)−(C=O)−O−C1−6アルキル(式中、当該アルキルは未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基により置換されている)、
(5)−(C=O)−O−C3−6シクロアルキル(式中、当該シクロアルキルは未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基により置換されている)、
(6)−(C=O)−C2−4アルケニル(式中、当該アルケニルは未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基により置換されている)、
(7)−(C=O)−C2−4アルキニル(式中、当該アルキニルは未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基により置換されている)、
(8)−(C=O)−O−フェニル又は−(C=O)−O−ナフチル(式中、当該フェニル又はナフチルは未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基により置換されている)、
(9)−(C=O)−O−へテロ環(式中、当該へテロ環は未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基により置換されている)、
(10)−(C=O)−NR1011
(11)−S(O)−NR1011
(12)−S(O)−R12
(13)−COH、
(14)−CN、及び
(15)−NOからなる群より選択され;
は、水素、C1−6アルキル、又はC3−6シクロアルキルであり、それぞれは未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基により置換され;
及びRは独立して、水素及びC1−6アルキルから選択され、当該アルキルが未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基により置換されているか、又はR及びRは一緒になって結合して、それらが結合する炭素原子とC3−6シクロアルキルを形成してもよく(ただし、当該シクロアルキルは未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基により置換されている)し;
13は、
(1)ハロゲン、
(2)ヒドロキシル、
(3)−(C=O)−O−C1−6アルキル(式中、当該アルキルは未置換であるか、又はR14から選択される1個以上の置換基により置換されている)、
(4)−O−(C1−3)ペルフルオロアルキル、
(5)−(C=O)−O−C3−6シクロアルキル(式中、当該シクロアルキルは未置換であるか、又はR14から選択される1個以上の置換基により置換されている)、
(6)−(C=O)−C2−4アルケニル(式中、当該アルケニルは未置換であるか、又はR14から選択される1個以上の置換基により置換されている)、
(7)−(C=O)−C2−4アルキニル(式中、当該アルキニルは未置換であるか、又はR14から選択される1個以上の置換基により置換されている)、
(8)−(C=O)−O−フェニル又は−(C=O)−O−ナフチル(式中、当該フェニル又はナフチルは未置換であるか、又はR14から選択される1個以上の置換基により置換されている)、
(9)−(C=O)−O−へテロ環(式中、当該へテロ環は未置換であるか、又はR14から選択される1個以上の置換基により置換されている)、
(10)−(C=O)−NR1011
(11)−S(O)−NR1011
(12)−S(O)−R12
(13)−COH、
(14)−CN、及び
(15)−NOからなる群より選択され;
14は、
(1)ヒドロキシル、
(2)ハロゲン、
(3)C1−6アルキル、
(4)−C3−6シクロアルキル、
(5)−O−C1−6アルキル、
(6)−O(C=O)−C1−6アルキル、
(7)−NH−C1−6アルキル、
(8)フェニル、
(9)ヘテロ環、
(10)−COH、及び
(11)−CNからなる群より選択される]
で示される化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
式(Ia):
【化2】

で示される請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
式(Ib):
【化3】

で示される請求項2記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
式(Ic):
【化4】

で示される請求項3記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
式(Id):
【化5】

で示される請求項4記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
式(Ie):
【化6】

で示される請求項5記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
がフェニルである請求項1記載の化合物。
【請求項8】
がヘテロアリールである請求項1記載の化合物。
【請求項9】
1a、R1b、及びR1cが、独立して、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)C1−6アルキル(当該アルキルは未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、フェニル、若しくはナフチルにより置換されている)、
(5)−O−C1−6アルキル(当該アルキルは未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、若しくはフェニルにより置換されている)、
(6)ヘテロアリール(ここで、ヘテロアリールは、トリアゾリル、オキサゾリル、ピロリル、イミダゾリル、インドリル、ピリジル、及びピリミジニルから選択され、これらは、未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、若しくは−NOにより置換されている)、
(7)フェニル(当該フェニルは未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、若しくは−NOにより置換されている)、
(8)−O−フェニル(当該フェニルは未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、若しくは−NOにより置換されている)、及び
(9)−NH−C1−6アルキル、又は−N(C1−6アルキル)(C1−6アルキル)(これらは、未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、若しくは−NOにより置換されている)
からなる群より選択される請求項1記載の化合物。
【請求項10】
1a、R1b、及びR1cが、独立して、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)C1−6アルキル(当該アルキルは未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、フェニル又はナフチルにより置換されている)、
(5)−O−C1−6アルキル(当該アルキルは未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、若しくはフェニルにより置換されている)、
(6)ヘテロアリール(ここで、ヘテロアリールは、トリアゾリル、オキサゾリル、及びピリミジニルから選択され、これらは、未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、若しくはC1−6アルキルにより置換されている)、及び
(7)フェニル(当該フェニルは未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、若しくはC1−6アルキルにより置換されている);
からなる群より選択される請求項9記載の化合物。
【請求項11】
1a、R1b、及びR1cが、独立して、
(1)水素、
(2)クロロ、
(3)フルオロ、
(4)メチル、
(5)トリアゾリル、
(6)オキサゾリル、
(7)ピリミジニル、及び
(8)フェニル;
からなる群より選択される請求項10記載の化合物。
【請求項12】
2a、R2b、及びR2cが、独立して、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)C1−6アルキル(当該アルキルは未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、フェニル若しくはナフチルにより置換されている)、
(5)−O−C1−6アルキル(当該アルキルは未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、若しくはフェニルにより置換されている)、
(6)ヘテロアリール(ここで、ヘテロアリールは、ピロリル、イミダゾリル、インドリル、ピリジル、及びピリミジニルから選択され、これらは、未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、若しくは−NOにより置換されている)、
(7)フェニル(当該フェニルは未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、若しくは−NOにより置換されている)、
(8)−O−フェニル(当該フェニルは未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、若しくは−NOにより置換されている)、及び
(9)−NH−C1−6アルキル、又は−N(C1−6アルキル)(C1−6アルキル)(これらは未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、若しくは−NOにより置換されている);
からなる群より選択される請求項1記載の化合物。
【請求項13】
2a、R2b、及びR2cが、独立して、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)C1−6アルキル(当該アルキルは未置換であるか、又はハロゲンにより置換されている)、
(4)−O−C1−6アルキル(当該アルキルは未置換であるか、又はハロゲンにより置換されている)、及び
(5)−NH−C1−6アルキル、又は−N(C1−6アルキル)(C1−6アルキル)(これらは未置換であるか、又はハロゲンにより置換されている);
からなる群より選択される請求項12記載の化合物。
【請求項14】
2a、R2b、及びR2cが、独立して、
(1)水素、
(2)クロロ、
(3)フルオロ、
(4)ブロモ、
(5)メトキシ、
(6)t−ブトキシ、
(7)ジフルオロメチル、及び
(8)トリフルオロメチル;
からなる群より選択される請求項13記載の化合物。
【請求項15】
2a、R2b、及びR2cが、独立して、
(1)水素、
(2)フルオロ、及び
(3)トリフルオロメチル;
からなる群より選択される請求項14記載の化合物。
【請求項16】
が水素、メチル、又はエチルである請求項1記載の化合物。
【請求項17】
がメチルである請求項16記載の化合物。
【請求項18】
が水素又はC1−6アルキルであり、Rが水素又はC1−6アルキルである請求項1記載の化合物。
【請求項19】
が水素であり、Rが水素である請求項18記載の化合物。
【請求項20】
5−フルオロ−2−({6−メチル−1−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
5−フルオロ−2−({(3R,6R)−6−メチル−1−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
5−フルオロ−2−({(3S,6S)−6−メチル−1−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
5−フルオロ−2−({(3R,6S)−6−メチル−1−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
5−フルオロ−2−({(3S,6R)−6−メチル−1−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
2−{2−[(5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]−4−メチルフェニル}ピラジン;
2−{2−[((2R,5R)−5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]−4−メチルフェニル}ピラジン;
2−{2−[((2S,5S)−5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]−4−メチルフェニル}ピラジン;
2−{2−[((2R,5S)−5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]−4−メチルフェニル}ピラジン;
2−{2−[((2S,5R)−5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]−4−メチルフェニル}ピラジン;
2−メチル−6−({6−メチル−1−[2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
2−メチル−6−({(3R,6R)−6−メチル−1−[2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
2−メチル−6−({(3S,6S)−6−メチル−1−[2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
2−メチル−6−({(3R,6S)−6−メチル−1−[2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
2−メチル−6−({(3S,6R)−6−メチル−1−[2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
2−{2−[(5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]−4−メチルフェニル}ピリミジン;
2−{2−[((2R,5R)−5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]−4−メチルフェニル}ピリミジン;
2−{2−[((2S,5S)−5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]−4−メチルフェニル}ピリミジン;
2−{2−[((2R,5S)−5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]−4−メチルフェニル}ピリミジン;
2−{2−[((2S,5R)−5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]−4−メチルフェニル}ピリミジン;
3−[(5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]−4−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)安息香酸;
3−[((2R,5R)−5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]−4−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)安息香酸;
3−[((2S,5S)−5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]−4−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)安息香酸;
3−[((2R,5S)−5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]−4−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)安息香酸;
3−[((2S,5R)−5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]−4−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)安息香酸;
[3−[(5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]−4−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノール;
[3−[((2R,5R)−5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]−4−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノール;
[3−[((2S,5S)−5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]−4−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノール;
[3−[((2R,5S)−5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]−4−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノール;
[3−[((2S,5R)−5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]−4−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノール;
3−[(5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]−4−ピリミジン−2−イル安息香酸;
3−[((2R,5R)−5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]−4−ピリミジン−2−イル安息香酸;
3−[((2S,5S)−5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]−4−ピリミジン−2−イル安息香酸;
3−[((2R,5S)−5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]−4−ピリミジン−2−イル安息香酸;
3−[((2S,5R)−5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]−4−ピリミジン−2−イル安息香酸;
{3−[(5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]−4−ピリミジン−2−イルフェニル}メタノール;
{3−[((2R,5R)−5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]−4−ピリミジン−2−イルフェニル}メタノール;
{3−[((2S,5S)−5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]−4−ピリミジン−2−イルフェニル}メタノール;
{3−[((2R,5S)−5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]−4−ピリミジン−2−イルフェニル}メタノール;
{3−[((2S,5R)−5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]−4−ピリミジン−2−イルフェニル}メタノール;
5−フルオロ−2−({6−メチル−1−[5−メチル−2−(1,3−チアゾール−2−イル)ベンゾイル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
5−フルオロ−2−({(3R,6R)−6−メチル−1−[5−メチル−2−(1,3−チアゾール−2−イル)ベンゾイル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
2−({6−メチル−1−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン;
2−({(3R,6R)−6−メチル−1−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン;
2−({6−メチル−1−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
2−({(3R,6R)−6−メチル−1−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
5−フルオロ−2−({6−メチル−1−[2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
5−フルオロ−2−({(3R,6R)−6−メチル−1−[2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
5−フルオロ−2−({6−メチル−1−[(2−メチル−5−フェニル−1,3−チアゾール−4−イル)カルボニル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
5−フルオロ−2−({(3R,6R)−6−メチル−1−[(2−メチル−5−フェニル−1,3−チアゾール−4−イル)カルボニル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
5−フルオロ−2−({6−メチル−1−[(1−メチル−4−フェニル−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
5−フルオロ−2−({(3R,6R)−6−メチル−1−[(1−メチル−4−フェニル−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
5−フルオロ−2−({6−メチル−1−[5−メチル−2−(1,3−オキサゾール−2−イル)ベンゾイル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
5−フルオロ−2−({(3R,6R)−6−メチル−1−[5−メチル−2−(1,3−オキサゾール−2−イル)ベンゾイル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
5−フルオロ−2−({1−[5−フルオロ−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−6−メチルピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
5−フルオロ−2−({(3R,6R)−1−[5−フルオロ−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−6−メチルピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
2−({1−[5−クロロ−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−6−メチルピペリジン−3−イル}メトキシ)−5−フルオロピリジン;
2−({(3R,6R)−1−[5−クロロ−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−6−メチルピペリジン−3−イル}メトキシ)−5−フルオロピリジン;
5−フルオロ−2−({6−メチル−1−[(4−メチルビフェニル−2−イル)カルボニル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
5−フルオロ−2−({(3R,6R)−6−メチル−1−[(4−メチルビフェニル−2−イル)カルボニル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
5−クロロ−2−({(6−メチル−1−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
5−クロロ−2−({(3R,6R)−6−メチル−1−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
5−フルオロ−4−メチル−2−({6−メチル−1−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
5−フルオロ−4−メチル−2−({(3R,6R)−6−メチル−1−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
2−メチル−6−({6−メチル−1−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
2−メチル−6−({(3R,6R)−6−メチル−1−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
5−メチル−2−({6−メチル−1−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
5−メチル−2−({(3R,6R)−6−メチル−1−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
5−フルオロ−2−{[6−メチル−1−(5−メチル−2−ピリジン−2−イルベンゾイル)ピペリジン−3−イル]メトキシ}ピリジン;
5−フルオロ−2−{[(3R,6R)−6−メチル−1−(5−メチル−2−ピリジン−2−イルベンゾイル)ピペリジン−3−イル]メトキシ}ピリジン;
5−フルオロ−2−{[6−メチル−1−(5−メチル−2−ピリジン−3−イルベンゾイル)ピペリジン−3−イル]メトキシ}ピリジン;
5−フルオロ−2−{[(3R,6R)−6−メチル−1−(5−メチル−2−ピリジン−3−イルベンゾイル)ピペリジン−3−イル]メトキシ}ピリジン;
5−フルオロ−2−({1−[2−(5−フルオロピリジン−2−イル)−5−メチルベンゾイル]−6−メチルピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
5−フルオロ−2−({(3R,6R)−1−[2−(5−フルオロピリジン−2−イル)−5−メチルベンゾイル]−6−メチルピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
2−{4−クロロ−2−[(5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]フェニル}ピリミジン;
2−{4−クロロ−2−[((2R,5R)−5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]フェニル}ピリミジン;
2−{4−フルオロ−2−[(5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]フェニル}ピリミジン;
2−{4−フルオロ−2−[((2R,5R)−5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]フェニル}ピリミジン;
5−フルオロ−2−({6−メチル−1−[5−メチル−2−(1,3−チアゾール−4−イル)ベンゾイル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
5−フルオロ−2−({(3R,6R)−6−メチル−1−[5−メチル−2−(1,3−チアゾール−4−イル)ベンゾイル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
5−フルオロ−2−({6−メチル−1−[5−メチル−2−(1H−ピラゾール−4−イル)ベンゾイル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
5−フルオロ−2−({(3R,6R)−6−メチル−1−[5−メチル−2−(1H−ピラゾール−4−イル)ベンゾイル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
5−フルオロ−2−({(6−メチル−1−[5−メチル−2−(2H−テトラゾール−2−イル)ベンゾイル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
5−フルオロ−2−({(3R,6R)−6−メチル−1−[5−メチル−2−(2H−テトラゾール−2−イル)ベンゾイル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
5−フルオロ−2−({6−メチル−1−[5−メチル−2−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンゾイル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
5−フルオロ−2−({(3R,6R)−6−メチル−1−[5−メチル−2−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンゾイル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
2−{[1−(2−エトキシベンゾイル)−6−メチルピペリジン−3−イル]メトキシ}−5−フルオロピリジン;
2−{[(3R,6R)−1−(2−エトキシベンゾイル)−6−メチルピペリジン−3−イル]メトキシ}−5−フルオロピリジン;
2−{[1−(ビフェニル−2−イルカルボニル)−6−メチルピペリジン−3−イル]メトキシ}−5−フルオロピリジン;
2−{[(3R,6R)−1−(ビフェニル−2−イルカルボニル)−6−メチルピペリジン−3−イル]メトキシ}−5−フルオロピリジン;
5−フルオロ−2−({6−メチル−1−[2−(2−フェニルエチル)ベンゾイル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
5−フルオロ−2−({(3R,6R)−6−メチル−1−[2−(2−フェニルエチル)ベンゾイル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
7−[(5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]−1H−インドール;
7−[((2R,5R)−5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]−1H−インドール;
2−{2−[(5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]フェニル}ピリミジン;
2−{2−[((2R,5R)−5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]フェニル}ピリミジン;
3−メチル−2−({6−メチル−1−[2−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ベンゾイル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
3−メチル−2−({(3R,6R)−6−メチル−1−[2−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ベンゾイル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
2−(2−{[2−メチル−5−({[6−(1,3−オキサゾール−2−イル)ピリジン−2−イル]オキシ}メチル)ピペリジン−1−イル]カルボニル}フェニル)ピリミジン;
2−(2−{[(2R,5R)−2−メチル−5−({[6−(1,3−オキサゾール−2−イル)ピリジン−2−イル]オキシ}メチル)ピペリジン−1−イル]カルボニル}フェニル)ピリミジン;
2−{2−[(5−{[(6−イソプロピルピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]フェニル}ピリミジン;
2−{2−[((2R,5R)−5−{[(6−イソプロピルピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]フェニル}ピリミジン;
4−{2−[(2−メチル−5−{[(3−メチルピリジン−2−イル)オキシ]メチル}ピペリジン−1−イル)カルボニル]フェニル}−1,3−チアゾール−2−アミン;
4−{2−[((2R,5R)−2−メチル−5−{[(3−メチルピリジン−2−イル)オキシ]メチル}ピペリジン−1−イル)カルボニル]フェニル}−1,3−チアゾール−2−アミン;
5−フルオロ−2−({1−[2−フルオロ−6−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−6−メチルピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
5−フルオロ−2−({(3R,6R)−1−[2−フルオロ−6−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−6−メチルピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
2−{3−フルオロ−2−[(5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]フェニル}ピリミジン;
2−{3−フルオロ−2−[((2R,5R)−5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]フェニル}ピリミジン;
5−フルオロ−2−({6−メチル−1−[2−(1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)ベンゾイル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
5−フルオロ−2−({(3R,6R)−6−メチル−1−[2−(1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)ベンゾイル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
3−クロロ−2−({6−メチル−1−[2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
3−クロロ−2−({(3R,6R)−6−メチル−1−[2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
5−フルオロ−2−({6−メチル−1−[2−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンゾイル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
5−フルオロ−2−({(3R,6R)−6−メチル−1−[2−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンゾイル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
2−[(5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]−3−フェニルピリジン;
2−[((2R,5R)−5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]−3−フェニルピリジン;
5−フルオロ−2−({6−メチル−1−[(4−フェニルピリジン−3−イル)カルボニル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
5−フルオロ−2−({(3R,6R)−6−メチル−1−[(4−フェニルピリジン−3−イル)カルボニル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
3−[(5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]−2−フェニルピリジン;
3−[((2R,5R)−5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]−2−フェニルピリジン;
2−クロロ−3−({6−メチル−1−[2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
2−クロロ−3−({(3R,6R)−6−メチル−1−[2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
2−ブロモ−5−({6−メチル−1−[2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
2−ブロモ−5−({(3R,6R)−6−メチル−1−[2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;
2−クロロ−4−({6−メチル−1−[2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジン;及び
2−クロロ−4−({(3R,6R)−6−メチル−1−[2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]ピペリジン−3−イル}メトキシ)ピリジンからなる群より選択される化合物、又はその立体異性体、又はその薬学的に許容される塩、又はその薬学的に許容される立体異性体の塩。
【請求項21】
不活性担体及び請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を含有してなる医薬組成物。
【請求項22】
医薬として使用する請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項23】
睡眠障害の治療又は予防用の医薬の製造のための請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項24】
哺乳動物患者における睡眠の質の向上方法であって、請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容される塩の治療有効量を、それを必要とする患者に投与することを特徴とする方法。
【請求項25】
哺乳動物患者における不眠症の治療方法であって、請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容される塩の治療有効量を、それを必要とする患者に投与することを特徴とする方法。
【請求項26】
哺乳動物患者における肥満の治療又は制御方法であって、請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容される塩の治療有効量を、それを必要とする患者に投与することを特徴とする方法。

【公表番号】特表2010−528011(P2010−528011A)
【公表日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−509380(P2010−509380)
【出願日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際出願番号】PCT/US2008/006563
【国際公開番号】WO2008/147518
【国際公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【出願人】(390023526)メルク・シャープ・エンド・ドーム・コーポレイション (924)
【Fターム(参考)】