説明

ピリドピリミジン−4−オン誘導体

【課題】うつ病、不安障害、統合失調症、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、摂食障害、高血圧、消化器疾患、薬物依存症、てんかん、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患、脱毛症等の疾患において良好な体内動態を示す治療又は予防剤を提供すること。
【解決手段】アルギニン−バソプレッシン1b受容体拮抗作用を有する、一般式(1)で表されるピリドピリミジン−4−オン誘導体、又はその医薬上許容される塩。
【化1】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、うつ病、不安障害、統合失調症、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、摂食障害、高血圧、消化器疾患、薬物依存症、てんかん、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患、脱毛症等の疾患の治療又は予防剤に関する。
【背景技術】
【0002】
アルギニン−バソプレッシン(AVP)は9個のアミノ酸よりなるペプチドで主に視床下部で生合成され、下垂体後葉ホルモンとして血漿浸透圧、血圧及び体液量の調節に深く関与している。
【0003】
AVP受容体は、これまでV1a、V1b及びV2受容体の3つのサブタイプがクローニングされており、全て7回膜貫通型受容体であることが知られている。V2受容体は、Gsと共役しcAMP量を増加させる。V1a受容体は、Gq/11と共役してPI応答を促進し、細胞内Caを増加させる。V1a受容体は、脳、肝臓、副腎、血管平滑筋などに発現しており、血管収縮作用に関与する。一方、V1b受容体も、V1a受容体と同様にGq/11と共役し、PI応答を促進する(非特許文献1及び非特許文献2参照)。 V1b受容体は、下垂体に最も多く存在し(前葉のACTH分泌細胞の90%以上に発現)、AVPによる下垂体前葉からのACTH分泌に関与すると推測されている。V1b受容体は、下垂体以外にも脳広域に存在し、海馬、扁桃体、嗅内皮質(entorhinal cortex)などの辺縁系、大脳皮質、嗅球、セロトニン神経系の起始核である縫線核にも多く存在する(非特許文献3及び非特許文献4参照)。
【0004】
近年、V1b受容体とうつ症、不安神経症との関連が示唆されており、V1b受容体拮抗物質の有用性が研究されている。V1b受容体KOマウスでは攻撃的な振る舞い(aggressive behavior)が減少することが示された(非特許文献5参照)。また、V1b受容体拮抗物質を中隔野へ注入することにより、高架式十字迷路試験において開放路滞在時間が延長すること(抗不安様作用)が報告された(非特許文献6参照)。近年、末梢投与可能な1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン化合物であるV1b受容体特異的拮抗物質が創出された(特許文献1〜11、13〜15、17及び18参照)。さらに、1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン化合物は、種々動物モデルにおいて抗うつ及び抗不安作用を示すことが報告されている(非特許文献7及び非特許文献8参照)。特許文献1で開示された化合物は、V1b受容体に高親和性(1×10-9mol/L〜4×10-9mol/L)かつ選択的に作用する化合物であるが、AVP、AVP+CRFおよび拘束ストレス誘発ACTH増加に何れも拮抗する。
【0005】
最近、1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン化合物とは異なる構造を有するV1b受容体拮抗物質として、キナゾリン−4−オン誘導体(特許文献12及び20参照)、アジノン・ジアジノン誘導体(特許文献16参照)、イソキノリノン誘導体(特許文献20及び21参照)及びベンズイミダゾロン誘導体(特許文献19)が報告されている。しかし、本発明に開示されたピリドピリミジン−4−オン骨格を有する化合物についての報告はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】WO2001/055130号公報
【特許文献2】WO2001/055134号公報
【特許文献3】WO2001/064668号公報
【特許文献4】WO2001/098295号公報
【特許文献5】WO2003/008407号公報
【特許文献6】WO2004/009585号公報
【特許文献7】WO2005/021534号公報
【特許文献8】WO2005/030755号公報
【特許文献9】WO2006/005609号公報
【特許文献10】WO2006/072458号公報
【特許文献11】WO2006/080574号公報
【特許文献12】WO2006/095014号公報
【特許文献13】WO2006/100080号公報
【特許文献14】WO2006/100081号公報
【特許文献15】WO2006/100082号公報
【特許文献16】WO2006/133242号公報
【特許文献17】WO2007/063123号公報
【特許文献18】WO2008/025735号公報
【特許文献19】WO2008/025736号公報
【特許文献20】WO2008/033757号公報
【特許文献21】WO2008/033764号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Sugimoto T, Kawashima G, J. Biol. Chem., 269, 27088-27092, 1994.
【非特許文献2】Lolait S, Brownstein M, PNAS, 92, 6783-6787, 1995.
【非特許文献3】Vaccari C, Ostrowski N, Endocrinology, 139, 5015-5033, 1998.
【非特許文献4】Hernando F, Burbach J, Endocrinology, 142, 1659-1668, 2001.
【非特許文献5】Wersinger SR, Toung WS, Mol, Psychiatry, 7, 975-984, 2002.
【非特許文献6】Liebsch G, Engelmann M, Neurosci, Lett. 217, 101-104, 1996.
【非特許文献7】Gal CS, Le Fur G, 300, 1122-1130, 2002.
【非特許文献8】Griebel G, Soubrie P, 99, 6370a-6375, 2002.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、V1b受容体拮抗作用を有する新規化合物を見出し、うつ病、不安障害、統合失調症、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、摂食障害、高血圧、消化器疾患、薬物依存症、てんかん、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患、脱毛症などの疾患の治療又は予防剤を提供することにある。さらに詳しくは、優れたV1b受容体拮抗作用と共に良好な体内動態及び安全性を示す新規化合物を見出すことにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、鋭意検討した結果、V1b受容体拮抗作用を有する新規ピリドピリミジン−4−オン誘導体を見出し、本発明を完成した。
すなわち、
[1] 式(1)
【0010】
【化1】

[式(1)中、X、Y及びZのうち1個は窒素原子を示し、他の2個はCHを示し;
1は、C1-5アルキル、C3-7シクロアルキル、C3-7シクロアルキルC1-5アルキル、C1-5アルコキシC1-5アルキル若しくはシアノC1-5アルキルを示し;
2は、5−10員ヘテロアリール若しくは、C4-7シクロアルキル(該5−10員ヘテロアリール若しくは、C4-7シクロアルキルは、C1-5アルキル、C1-5アルコキシ、C3-7シクロアルキル、C3-7シクロアルキルオキシ、C1-5ハロゲン化アルキル、C1-5ハロゲン化アルコキシ、ハロゲン原子、シアノ、ヒドロキシ、C1-3アルキレンジオキシ、C1-5アルキルチオ、C1-5アルキルスルフィニル、C1-5アルキルスルホニル、C1-5アルキルアミノ又はジC1-5アルキルアミノから選ばれる1〜3個の基で置換されてもよい。)を示し;
3は、式(2)
【0011】
【化2】


{式(2)において、Raは、水素原子若しくはC1-5アルキルを示し、
4aは、同一又は異なって、ハロゲン原子、C1-5アルキル、C1-5アルコキシ、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ若しくはトリフルオロメトキシを示すか、
又はR5若しくはR6と、R5若しくはR6に隣接する窒素原子と一緒になって互いに結合し、5〜7員の複素環を形成し、
5及びR6は、同一又は異なって、水素原子、C1-5アルキル、C3-7シクロアルキル、C3-7シクロアルキルC1-5アルキル、C1-5アルコキシC1-5アルキル若しくはシアノC1-5アルキルを示すか、
又はR5及びR6は、隣接する窒素原子と一緒になって互いに結合し、環中に前記窒素原子の他に1つ以上の窒素原子、酸素原子若しくは硫黄原子を含んでもよい4〜8員の飽和若しくは不飽和複素環(該4〜8員の飽和若しくは不飽和複素環は、1〜2個のヒドロキシ、C1-5アルキル、C1-5アルコキシ、ハロゲン原子、シアノで置換されてもよい。)を形成し、
qは、0−3の整数を示す。}、
式(3)
【0012】
【化3】


{式(3)において、
7及びR8は、同一又は異なって、水素原子、C1-5アルキル、C3-7シクロアルキル、C3-7シクロアルキルC1-5アルキル、C1-5アルコキシC1-5アルキル若しくはシアノC1-5アルキルを示すか、
又はR7及びR8は、隣接する窒素原子と一緒になって互いに結合し、環中に前記窒素原子の他に1つ以上の窒素原子、酸素原子若しくは硫黄原子を含んでもよい4〜8員の飽和若しくは不飽和複素環(該4〜8員の飽和若しくは不飽和複素環は、1〜2個のヒドロキシ、C1-5アルキル、C1-5アルコキシ、ハロゲン原子、シアノで置換されてもよい。)を形成し、
pは、0又は1を示す。}、
式(4)
【0013】
【化4】

【0014】

{式(4)において、
9及びR10は、同一又は異なって、水素原子、C1-5アルキル、C3-7シクロアルキル、C3-7シクロアルキルC1-5アルキル、C1-5アルコキシC1-5アルキル若しくはシアノC1-5アルキルを示すか、
又はR9及びR10は、隣接する窒素原子と一緒になって互いに結合し、環中に前記窒素原子の他に1つ以上の窒素原子、酸素原子若しくは硫黄原子を含んでもよい4〜8員の飽和若しくは不飽和複素環(該4〜8員の飽和若しくは不飽和複素環は、1〜2個のヒドロキシ、C1-5アルキル、C1-5アルコキシ、ハロゲン原子、シアノで置換されてもよい。)を形成し、
bは、同一又は異なって、水素原子若しくはC1-5アルキルを示すか、
又はR9若しくはR10と、R9若しくはR10に隣接する窒素原子と一緒になってお互いに結合し、環中に前記窒素原子の他に1つ以上の窒素原子、酸素原子若しくは硫黄原子を含んでもよい4〜8員の飽和若しくは不飽和複素環を形成し
nは、2−4の整数を示す。}、
式(5)
【0015】
【化5】

{式(5)において、R11は、C1-5アルキル、C3-7シクロアルキル、C3-7シクロアルキルC1-5アルキル、C1-5アルコキシC1-5アルキル若しくはシアノC1-5アルキル示す。}、
又は式(6)
【0016】
【化6】


{式(6)において、
12は、水素原子、C1-5アルキル、C3-7シクロアルキル、C3-7シクロアルキルC1-5アルキル、C1-5アルコキシC1-5アルキル若しくはシアノC1-5アルキルを示し、
13及びR14は、同一又は異なって、水素原子、C1-5アルキル、C3-7シクロアルキル、C3-7シクロアルキルC1-5アルキル、C1-5アルコキシC1-5アルキル若しくはシアノC1-5アルキルを示すか、
又はR13及びR14は、隣接する窒素原子と一緒になって互いに結合し、環中に前記窒素原子の他に1つ以上の窒素原子、酸素原子若しくは硫黄原子を含んでもよい4〜8員の飽和若しくは不飽和複素環(該4〜8員の飽和若しくは不飽和複素環は、1〜2個のヒドロキシ、C1-5アルキル、C1-5アルコキシ、ハロゲン原子、シアノで置換されてもよい。)を形成し、
rは、1−3の整数を示す。}を示す。]
で表されるピリドピリミジン−4−オン誘導体、又はその医薬上許容される塩、
[2]、Xが窒素原子であり、Y及びZがCHである、
上記[1]記載のピリドピリミジン−4−オン誘導体、又はその医薬上許容される塩。
[3]、Yが窒素原子であり、X及びZがCHである、
上記[1]記載のピリドピリミジン−4−オン誘導体、又はその医薬上許容される塩。
[4]、Zが窒素原子であり、X及びYがCHである、
上記[1]記載のピリドピリミジン−4−オン誘導体、又はその医薬上許容される塩。
[5]、R1がC1-5アルキルであり;
2がピリジル(該ピリジルは、C1-5アルキル、C1-5アルコキシ、ハロゲン原子、トリフルオロメチル、又はジC1-5アルキルアミノから選ばれる1〜3個の基で置換されてもよい。)であり;
3が式(2A)
【0017】
【化7】


{式(2A)において、
4aは、ハロゲン原子又はC1-5アルコキシを示し、
5及びR6は、同一又は異なって、水素原子、C1-5アルキルを示す。}、
又は式(4)
【0018】
【化8】

{式(4)において、
9及びR10は、同一又は異なって、水素原子、C1-5アルキル、C3-7シクロアルキル、C3-7シクロアルキルC1-5アルキル、C1-5アルコキシC1-5アルキル若しくはシアノC1-5アルキルを示すか、
又はR9及びR10は、隣接する窒素原子と一緒になって互いに結合し、環中に前記窒素原子の他に1つ以上の窒素原子、酸素原子若しくは硫黄原子を含んでもよい4〜8員の飽和若しくは不飽和複素環(該4〜8員の飽和若しくは不飽和複素環は、1〜2個のヒドロキシ、C1-5アルキル、C1-5アルコキシ、ハロゲン原子、シアノで置換されてもよい。)を形成し、
bは、同一又は異なって、水素原子若しくはC1-5アルキルを示すか、
又はR9若しくはR10と、R9若しくはR10に隣接する窒素原子と一緒になってお互いに結合し、環中に前記窒素原子の他に1つ以上の窒素原子、酸素原子若しくは硫黄原子を含んでもよい4〜8員の飽和若しくは不飽和複素環を形成し
nは、2−4の整数を示す。}、
で表される、上記[1]〜4のうちいずれかに記載のピリドピリミジン−4−オン誘導体、又はその医薬上許容される塩。
[6] R3が式(4A)
【0019】
【化9】


{式(4A)において、R9及びR10は、隣接する窒素原子と一緒になって互いに結合し、環中に前記窒素原子の他に1つ以上の窒素原子、酸素原子若しくは硫黄原子を含んでも良い4〜8員の飽和複素環(該4〜8員の飽和複素環は、1〜2個のヒドロキシ、C1-5アルキル、C1-5アルコキシ、ハロゲン原子、シアノで置換されてもよい。)を形成する。}である、
上記[1]〜[5]のうちいずれかに記載のピリドピリミジン−4−オン誘導体、又はその医薬上許容されるその塩、
[7] 式(4A)において、R9及びR10が、隣接する窒素原子と一緒になって互いに結合し、環中に前記窒素原子の他に1つの酸素原子を含む4〜8員の飽和複素環(該4〜8員の飽和複素環は、1〜2個のヒドロキシ基、C1-5アルキル、C1-5アルコキシ、ハロゲン原子、シアノで置換されてもよい。)、又は隣接する窒素原子と一緒になって互いに結合し、環中の前記窒素原子以外は全て炭素原子である4〜8員の飽和複素環(該4〜8員の飽和複素環は、1〜2個のヒドロキシ基、C1-5アルキル、C1-5アルコキシ、ハロゲン原子、シアノで置換される。)を形成する基である、[6]記載のピリドピリミジン−4−オン誘導体、又はその医薬上許容されるその塩、又は
[8] 上記[1]〜[7]のうちいずれかに記載のピリドピリミジン−4−オン誘導体、又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有することを特徴とする、うつ病、不安障害、統合失調症、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、摂食障害、高血圧、消化器疾患、薬物依存症、てんかん、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患又は脱毛症の治療又は予防剤。
である。
【発明の効果】
【0020】
本発明の新規ピリドピリミジン−4−オン誘導体は、V1b受容体に対して親和性を示すと共に生理的リガンドによる受容体への刺激に対して拮抗作用を示すことが明らかになった。又、医薬品として開発するにあたり良好な体内動態を示すことが明らかになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本明細書で使用される用語は、以下の意味を有する。
【0022】
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子を示す。
【0023】
「C1-5アルキル」とは、直鎖状、又は分枝鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基を示し、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル等の基を挙げることができる。
【0024】
「C3-7シクロアルキル」とは、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロへプチル等の基を挙げることができる。
【0025】
「C3-7シクロアルキルC1-5アルキル」とは、C1-5アルキルにC3-7シクロアルキルが結合した基を意味し、シクロプロピルメチル、2−シクロプロピルエチル、2−シクロブチルメチル、シクロブチルエチル、シクロペンチルメチル、2−シクロペンチルエチル、シクロヘキシルメチル、2−シクロへキシルエチル、シクロヘプチルメチル、2−シクロヘプチルエチル等の基を挙げることができる。
【0026】
「シアノC1-5アルキル」とは、C1-5アルキルにシアノが結合した基を意味し、シアノメチル、2−シアノエチル等の基を挙げることができる。
【0027】
「C1-5アルコキシ」とは、直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数1〜5のアルコキシ基を意味し、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシ、イソペントキシ、ネオペントキシ、tert−ペントキシ等の基を挙げることができる。
【0028】
「C1-5アルコキシC1-5アルキル」とは、C1-5アルキルにC1-5アルコキシが結合した基を意味し、メトキシメチル、2−メトキシエチル、エトキシメチル、2−エトキシエチル、n−プロポキシメチル、2−n−プロポキシエチル、i−プロポキシメチル、2−i−プロポキシエチル、n−ブトキシメチル、2−n−ブトキシエチル、イソブトキシメチル、2−イソブトキシエチル、sec−ブトキシメチル、2−sec−ブトキシエチル、tert−ブトキシメチル、2−tert−ブトキシエチル、n−ペントキシメチル、2−n−ペントキシエチル、イソペントキシメチル、2−イソペントキシエチル、ネオペントキシメチル、2−ネオペントキエチル、tert−ペントキシメチル、2−tert−ペントキシエチル等の基を挙げることができる。
【0029】
「C1-5アルキルアミノ」とは、アミノにC1-5アルキルが結合した基を意味し、メチルアミノ、エチルアミノ、イソプロピルアミノ等の基を挙げることができる。
【0030】
「ジC1-5アルキルアミノ」とは、アミノに同一又は異なってC1-5アルキルが2つ結合した基を意味し、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−メチル−N−エチルアミノ等の基を挙げることができる。
【0031】
「C6-10アリール」とは、炭素原子数6から10個で構成される単環から2環式の芳香族炭素環であり、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等の基を挙げることができる。
【0032】
「5−10員ヘテロアリール」とは、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を有し、1ないし2環からなる炭素数2−9の芳香族基であり、チエニル、フリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、ピリミジニル、キノリル、インドリル、ベンゾフラニル等の基が挙げられる。
【0033】
「C3-7シクロアルキルオキシ」とは、前記定義の「C3-7シクロアルキル」が結合したオキシ基を示し、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロヘプチルオキシ等の基を挙げることができる。
【0034】
「C1-5ハロゲン化アルキル」とは、前記定義の「C1-5アルキル」において、置換可能な部位が1以上のハロゲン原子で置換された基を示し、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2−フルオロエチル、1−フルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル等の基を挙げることができる。
【0035】
「C1-5ハロゲン化アルコキシ」とは、前記定義の「C1-5アルコキシ」において、置換可能な部位が1以上のハロゲン原子で置換された基を示し、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2−フルオロエトキシ、1−フルオロエトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ等の基を挙げることができる。
【0036】
「C1-5アルキルチオ」とは、直鎖状、又は分枝鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基を有するアルキルチオ基を示し、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオ、イソブチルチオ、sec−ブチルチオ、tert−ブチルチオ、n−ペンチルチオ、イソペンチルチオ、ネオペンチルチオ、tert−ペンチルチオ等の基を挙げることができる。
【0037】
「C1-5アルキルスルフィニル」とは、直鎖状、又は分枝鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基を有するアルキルスルフィニル基を示し、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、n−プロピルスルフィニル、イソプロピルスルフィニル、n−ブチルスルフィニル、イソブチルスルフィニル、sec−ブチルスルフィニル、tert−ブチルスルフィニル、n−ペンチルスルフィニル、イソペンチルスルフィニル、ネオペンチルスルフィニル、tert−ペンチルスルフィニル等の基を挙げることができる。
【0038】
「C1-5アルキルスルホニル」とは、直鎖状、又は分枝鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基を有するアルキルスルホニル基を示し、メチルスルホニル、エチルスルホニル、n−プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、n−ブチルスルホニル、イソブチルスルホニル、sec−ブチルスルホニル、tert−ブチルスルホニル、n−ペンチルスルホニル、イソペンチルスルホニル、ネオペンチルスルホニル、tert−ペンチルスルホニル等の基を挙げることができる。
【0039】
「隣接する窒素原子と一緒になって互いに結合し、環中に前記窒素原子の他に1つ以上の窒素原子、酸素原子若しくは硫黄原子を含んでもよい4〜8員の飽和若しくは不飽和複素環」とは、アゼチジン−1−イル、1−ピロリジニル、1−ピペリジル、1−ピペラジニル、4−モルホリニル、チオモルホリン−4−イル、アゼパン−1−イル、1、4−オキサゼパン−4−イル、アゾカン−1−イル、5,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−イル等の基を挙げることができる。
【0040】
「隣接する窒素原子と一緒になって互いに結合し、環中に前記窒素原子の他に1つ以上の窒素原子、酸素原子若しくは硫黄原子を含んでもよい4〜8員の飽和複素環」とは、アゼチジン−1−イル、1−ピロリジニル、1−ピペリジル、1−ピペラジニル、4−モルホリニル、チオモルホリン−4−イル、アゼパン−1−イル、1、4−オキサゼパン−4−イル、アゾカン−1−イル等の基を挙げることができる。
【0041】
「C1-3アルキレンジオキシ」とは、メチレンジオキシ基(−OCH2O−)、エチレンジオキシ基(−OCH2CH2O−)、トリメチレンジオキシ基(−OCH2CH2CH2O−)のような、C1−C3の2価アルキレン基と2個のオキシ基とからなる2価の基を意味する。
【0042】
4aにおける、「5〜7員の複素環」とは、R4aと、R5若しくはR6と、R5若しくはR6に隣接する窒素原子及びR4aが結合するベンゼン環と一緒になって互いに結合し、テトラヒドロイソキノリン−7−イル基を形成する基等を示す。
【0043】
本発明における好ましいR1は、C1-5アルキルである。さらに好ましくは、イソプロピル若しくはtert−ブチルである。
【0044】
本発明における好ましいR2は、ピリジル(該ピリジルは、C1-5アルキル、C1-5アルコキシ、ハロゲン原子、トリフルオロメチル、又はジC1-5アルキルアミノから選ばれる1〜3個の基で置換されてもよい。)である。さらに好ましくは、ピリジル(該ピリジルはC1-5アルキル、C1-5アルコキシ、塩素原子、フッ素原子、又はトリフルオロメチルから選ばれる1〜3個の基で置換されてもよい。)である。さらに好ましくは、下記式(7)又は(7’)で表される基である(下式中、R2Aは、C1-5アルキル、C1-5アルコキシ、塩素原子、フッ素原子又はトリフルオロメチルである。)。
【0045】
【化10】



本発明における好ましいR3は、式(2)若しくは式(4)で表される基である。式(4)においては、式(4A)で表される基がさらに好ましい。
【0046】
式(2)において、好ましいR4aは、ハロゲン原子若しくはC1-5アルコキシである。さらに好ましいR4aは、塩素原子、メトキシである。
【0047】
好ましいqは1であり、好ましいR4aの置換位置は、下記式(8)若しくは(9)で表される。さらに好ましいR4aの置換位置は、下記式(9)で表される(下式において、Ra、R4a、R5及びR6は上記のとおりである。)。
【0048】
【化11】


好ましいR5及びR6は、同一又は異なって、C1-5アルキルを示すか、
又はR5及びR6は、隣接する窒素原子と一緒になって互いに結合し、環中に前記窒素原子の他に1つ以上の窒素原子、酸素原子若しくは硫黄原子を含んでもよい4〜8員の飽和複素環(該4〜8員の飽和複素環は、C1-5アルキル及びシアノから選ばれる1〜2個の基で置換されてもよい。)を形成する基である。さらに好ましいR5及びR6は、同一又は異なって、水素原子若しくはC1-5アルキルである。
好ましいRaは、水素原子である。
【0049】
式(4A)において、好ましいR9及びR10は、同一又は異なって、C1-5アルキル、C1-5アルコキシC1-5アルキル、C3-7シクロアルキルC1-5アルキル若しくはC3-7シクロアルキルを示すか、又はR9及びR10は、隣接する窒素原子と一緒になって互いに結合し、環中に前記窒素原子の他に1つ以上の窒素原子、酸素原子若しくは硫黄原子を含んでもよい4〜8員の飽和若しくは不飽和複素環(該4〜8員の飽和若しくは不飽和複素環は、1〜2個のヒドロキシ、C1-5アルキル、C1-5アルコキシ、ハロゲン原子、シアノで置換されてもよい。)を形成する基である。さらに好ましくは、R9及びR10は、隣接する窒素原子と一緒になって互いに結合し、環中に前記窒素原子の他に1つ以上の窒素原子、酸素原子若しくは硫黄原子を含んでもよい4〜8員の飽和若しくは不飽和複素環(該4〜8員の飽和若しくは不飽和複素環は、1〜2個のヒドロキシ、C1-5アルキル、C1-5アルコキシ、ハロゲン原子、シアノで置換されてもよい。)を形成する基である。
【0050】
式(4A)において、さらに好ましいR9及びR10は、隣接する窒素原子と一緒になって互いに結合し、環中に前記窒素原子の他に1つ以上の窒素原子、酸素原子若しくは硫黄原子を含んでもよい4〜8員の飽和複素環(該4〜8員の飽和複素環は、1〜2個のヒドロキシ基、C1-5アルキル、C1-5アルコキシ、ハロゲン原子、シアノで置換されてもよい。)を形成する基である。
【0051】
式(4A)において、体内動態面から好ましいR9及びR10は、隣接する窒素原子と一緒になって互いに結合し、環中に前記窒素原子の他に1つの酸素原子を含む4〜8員の飽和複素環(該4〜8員の飽和複素環は、1〜2個のヒドロキシ基、C1-5アルキル、C1-5アルコキシ、ハロゲン原子、シアノで置換されてもよい。)、又は隣接する窒素原子と一緒になって互いに結合し、環中の前記窒素原子以外は全て炭素原子である4〜8員の飽和複素環(該4〜8員の飽和複素環は、1〜2個のヒドロキシ基、C1-5アルキル、C1-5アルコキシ、ハロゲン原子、シアノで置換される。)を形成する基である。
「隣接する窒素原子と一緒になって互いに結合し、環中に前記窒素原子の他に1つの酸素原子を含む4〜8員の飽和複素環」とは、4−モルホリニル、1、4−オキサゼパン−4−イル等の基を挙げることができる。
「隣接する窒素原子と一緒になって互いに結合し、環中の前記窒素原子以外は全て炭素原子である4〜8員の飽和複素環」とは、アゼチジン−1−イル、1−ピロリジニル、1−ピペリジル、1−ピペラジニル、アゼパン−1−イル、アゾカン−1−イル等の基を挙げることができる。
【0052】
「医薬上許容される塩」とは、硫酸、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸等の無機酸との塩、酢酸、シュウ酸、乳酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、クエン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、エタンスルホン酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、ガラクタル酸、ナフタレン−2−スルホン酸等の有機酸との塩、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、亜鉛イオン、アルミニウムイオン等の1種又は複数の金属イオンとの塩、アンモニア、アルギニン、リシン、ピペラジン、コリン、ジエチルアミン、4−フェニルシクロヘキシルアミン、2−アミノエタノール、ベンザチン等のアミンとの塩が含まれる。
【0053】
なお、本発明の化合物は、各種溶媒和物としても存在し得る。また、医薬としての適用性の面から水和物の場合もある。
【0054】
本発明の化合物は、エナンチオマー、ジアステレオマー、平衡化合物、これらの任意の割合の混合物、ラセミ体等を全て含む。
【0055】
本発明の化合物は、一つ又は二つ以上の医薬的に許容される担体、賦形剤又は希釈剤と組み合せて医薬的製剤とすることができる。上記担体、賦形剤及び希釈剤として、水、乳糖、デキストロース、フラクトース、ショ糖、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、デンプン、ガム、ゼラチン、アルギネート、ケイ酸カルシウム、リン酸カルシウム、セルロース、水シロップ、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、アルキルパラヒドロキシベンゾソルベート、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、グリセリン、ゴマ油、オリーブ油、大豆油等の各種油等が含まれる。
【0056】
また、上記の担体、賦形剤又は希釈剤に必要に応じて一般に使用される増量剤、結合剤、崩壊剤、pH調整剤、溶解剤等の添加剤が混合し、常用の製剤技術によって錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、粉剤、液剤、乳剤、懸濁剤、軟膏剤、注射剤、皮膚貼付剤等の経口又は非経口用医薬として調製することができる。本発明の化合物は、成人患者に対して1回の投与量として0.001〜500mgを1日1回又は数回に分けて経口又は非経口で投与することが可能である。なお、この投与量は治療対象となる疾病の種類、患者の年齢、体重、症状等により適宜増減することが可能である。
【0057】
本発明の化合物には、一つ以上の水素原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子が放射性同位元素や安定同位元素と置換された化合物も含まれる。これらの標識化合物は、代謝や薬物動態研究、受容体のリガンド等として生物学的分析等に有用である。
【0058】
本発明の化合物は、例えば下記に示す方法に従って製造することができる。
式(1)で表される化合物のうち、式(12)で表される化合物は、スキーム1に示す合成法で製造することができる。
【0059】
【化12】

【0060】
(式中、X、Y、Z、R1、R2、R4a、R5、R6、Ra及びqは、上記と同じである。Halは、ハロゲン原子を示す。R4aは、R4でも良く、R4は、上記と同じである。)
式(12)で表される化合物は、式(10)で表される化合物と、ボロン酸誘導体(11)を、鈴木−宮浦カップリング反応の条件下反応させて得ることができる(工程1−1)。また、式(12)で表される化合物は、式(14)で表される化合物を介しても得ることができる。まず、式(14)で表される化合物は、式(10)で表される化合物と、ボロン酸誘導体(13)を、鈴木−宮浦カップリング反応の条件下反応させて得ることができる(工程1−2)。引き続き、得られた式(14)で表される化合物と、対応する有機アミンを、還元的アミノ化反応に付すことにより所望する式(12)で表される化合物を得ることができる(工程1−3)。工程1−3における還元的アミノ化反応の条件とは、アミンとカルボニル化合物とを、酸の存在下又は非存在下、還元剤を加えて溶媒中で縮合させる一般的な還元的アミノ化反応の条件を示し、還元剤として水素化ホウ素ナトリウムを用いる条件、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを用いる条件又はシアノ水素化ホウ素ナトリウムを用いる条件等が挙げられる。工程1−3で用いられる酸としては、酢酸、ギ酸等の有機酸類;塩酸、硫酸、硝酸等の鉱酸類が挙げられる。工程1−3で用いられる溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類;トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド類;ジメチルスルホキシド;アセトニトリル;水又はこれらの混合溶媒が挙げられる。鈴木−宮浦カップリング反応に関する包括的概観は、Angew. Chem. Int. Ed. 2001, 40, 4544.に見出され得る。
【0061】
式(1)で表される化合物のうち、式(16)で表される化合物、又は式(18)で表される化合物は、スキーム2に示す合成法で製造することができる。
【0062】
【化13】

【0063】
(式中、X、Y、Z、R1、R2、R7、R8、R11、Hal及びpは上記と同じである。)
式(16)で表される化合物及び式(18)で表される化合物は、式(10)で表される化合物と、ピペリジン誘導体(15)、又は2,8−ジアザ−スピロ[4,5]デカン誘導体(17)をBuchwald-Hartwig aminationの条件下反応させることにより得ることができる(工程2−1及び工程2−2)。Buchwald-Hartwig aminationに関する包括的概観は、A.S.Guram, R.A. Rennels, S.L.Buchwald, Angew.Chem, Int Ed.Engl. 1995, 34, 1348.; J.Louie, J.F.Hartwig, Tetrahedron Lett. 1995, 36, 3609.; J.F.Hartwig, Angew. Chem. Int. Ed.,Engl. 1998, 37, 2046-2067.; Muci, A.R. Buchwald, S.L. Top. Curr. Chem. 2002, 219, 131.;及びJ.P.Wolfe, HTomori, J.P Sadighi, J.Yin, S.L.Buchwald, J. Org. Chem., 2000, 365, 1158-1174.に見出され得る。
【0064】
式(1)で表される化合物のうち、式(20)で表される化合物は、スキーム3に示す合成法で製造することができる。
【0065】
【化14】

【0066】
(式中、X、Y、Z、R1、R2、R9、R10、Rb、Hal及びnは上記と同じである。)
式(20)で表される化合物は、式(10)で表される化合物と、アルコール誘導体(19)を、パラジウム触媒を用いたエーテル化反応の条件下反応させることにより得ることができる(工程3−1)。パラジウム触媒を用いたエーテル化反応に関する包括的概観は、M. Paulucki, J. P. Wolfe, S. L. Buchwald, J. Am. Chem. Soc., 1996, 118, 10333.; G. Mann, J. F. Hartwig, J. Am. Chem. Soc. 1996, 118, 13109.; M. Watanabe, M. Nishiyama, Y. Koie, Tetrahedron Lett. 1999, 40, 8837.; Q. Shelby, N. Kataoka, G. Mann, J. F. Hartwig, J. Am. Chem. Soc. 2000, 122, 10718.; K. E. Torraca, S. Kuwabe, S. L. Buchwald, J. Am. Chem. Soc. 2000, 122, 12907.; C. A. Parrish, S. L. Buchwald, J. Org. Chem. 2001, 66, 2498.; P. M. Karen, E. Torraca, X. Huang, C. A. Parrish, and S. L. Buchwald, J. Am. Chem. Soc, 2001, 10770-10771.; Andrei V. Vorogushin, Xiaohua Huang, and Stephen L. Buchwald J. Am. Chem. Soc., 2005, 8146 -8149.に見出され得る。
【0067】
式(10)で表される化合物は、スキーム4に示す合成法で製造することができる。
【0068】
【化15】

【0069】
(式中、X、Y、Z、R1、R2、及びHalは上記と同じである。)
式(22)で表される化合物は、式(21)で表される化合物にホスゲン、又はトリホスゲンを作用させることにより得ることができる(工程4−1)。工程4−1における反応は、クロロホルム、アセトニトリル等の溶媒中、又はそれらの混合溶媒中、0℃付近〜溶媒の沸点付近の温度条件下にて進行する。上記で得られた式(22)で表される化合物に、グリシン誘導体(23)を作用させることにより、式(24)で表される化合物を得ることができる(工程4−2)。工程4−2における反応は、無溶媒、又はアセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、エタノール等の溶媒中、又はそれらの混合溶媒中、室温から溶媒の沸点付近の温度条件下にて進行する。また、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の無機塩基や、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基の存在により、反応がより円滑に進行する。なお、式(24)で表される化合物は、式(21)で表される化合物とグリシン誘導体(23)とのアミド化反応によっても得ることができる(工程4−3)。工程4−3で利用できるアミド化反応は、脱水縮合剤を用いた方法等が挙げられる。脱水縮合剤には、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジフェニルホスホニルアジド、カルボニルジイミダゾール等が挙げられ、必要に応じて1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、ヒドロキシスクシンイミド等の活性化剤を用いることができる。反応溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、酢酸エチル等や、それらの混合溶媒が挙げられる。この際、塩基を用いて行うことができ、塩基の例としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の有機アミン類、2−エチルヘキサン酸ナトリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等の有機酸塩、炭酸カリウム等の無機塩基等が挙げられる。反応は−50℃から反応溶媒の沸点付近で行うことができる。
式(24)で表される化合物とイミデート塩(25)を、エタノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン等の溶媒中、反応溶媒の沸点付近の温度条件下縮合させ、所望する式(10)で表される化合物を得ることができる(工程4−6)。また、式(24)で表される化合物と、対応するアルデヒドを、脱水縮合させることにより1,2−ジヒドロピリドピリミジン−4−オン誘導体(26)を得(工程4−4)、引き続き酸化反応に付すことにより、式(10)で表される化合物を得ることができる(工程4−5)。工程4−4における縮合反応は、酸、酢酸等の有機酸存在下、エタノール、イソプロパノール等の溶媒中、反応溶媒の沸点付近の温度条件下進行し、モレキュラーシーブス等の脱水剤を用いて副生する水を除くことにより、より円滑に縮合反応は進行する。工程4−5における酸化反応は、活性二酸化マンガン等の酸化剤を用い、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン等の溶媒中、又はそれらの混合溶媒中、室温から反応溶媒の沸点付近の温度条件下進行する。
【0070】
式(11)で表される化合物のうち、R4aが水素原子、R5及びR6がメチル基である化合物は、市販されているか、あるいはWO2006/095014号記載の方法で製造することができる。
【0071】
式(13)で表される化合物は、J. Org. Chem., 60, 7508-7510(1995)記載の方法に準じて製造することができる。
【0072】
式(21)で表される化合物の内、X及びYは炭素原子、Zは窒素原子、Halが臭素原子である式(28)で表される化合物は市販されているか、あるいは下記スキーム5に示す合成法で製造することができる。
【0073】
【化16】

【0074】
工程5−1は位置選択的臭素化反応であり、2−アミノニコチン酸(27)を、酸、酢酸等の有機酸存在下、臭素を作用させることにより達成される。工程5−1における反応は、無溶媒、又はクロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミド、1,4−ジオキサン等の溶媒中、−50℃〜50℃の温度条件下進行する。反応後処理によって、式(28)で表される化合物は臭化水素酸塩として得られることがあり、その場合には、水酸化ナトリウム等の無機塩基を作用させること、あるいは水洗浄によりフリー体の式(28)で表される化合物を得ることができる。
【0075】
式(21)で表される化合物の内、Xは窒素原子、Y及びZは炭素原子、Halが塩素原子である化合物は、WO2005/097805号記載の方法に従って製造することができる。
【0076】
式(21)で表される化合物の内、Yは窒素原子、X及びZは炭素原子、Halが塩素原子である化合物は、WO2005/016926号記載の方法に従って製造することができる。
【0077】
式(15)で表される化合物の内、pが0である式(31)で表される化合物は、市販されているか、あるいは下記スキーム6に示す合成法で製造することができる。
【0078】
【化17】

【0079】
(式中、R7及びR8は、上記と同じである。Prは保護基を示し、tert−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等を示す。)
式(29)で表される化合物に対し、対応する有機アミンとの一般的な還元的アミノ化反応により、式(30)で表される化合物を得ることができる(工程6−1)。工程6−1における反応条件は、上記工程1−3と同じである。得られた式(30)で表される化合物の保護基を一般的な方法にて脱保護し、所望する式(31)で表される化合物を得ることができる。Prは、J. F. W. McOmie 著、Protective Groups in Organic Chemistry.、およびT. W. Greene 及びP.G.M.Wuts著、Protective Groups in Organic Synthesis. に記載されている慣用的な保護基を示し、これらを用いて保護又は脱保護を行うことができる。
【0080】
アミノ基の保護は、二炭酸ジ−tert−ブチル、ベンジルクロロフォルメート等を用い、適当な塩基存在下で行うことができる。本反応に用いる塩基の例としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等のアミン類又は炭酸カリウム等の無機塩基等が挙げられる。本反応の溶媒としては、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジクロロメタン、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、酢酸エチル、tert−ブチルアルコール、水等の反応に関与しない溶媒、又はそれらの混合溶媒が挙げられる。これらの反応は−50℃〜50℃で行うことができる。
【0081】
tert−ブトキシカルボニル基等の酸で脱保護される基で保護した場合は、塩酸、硫酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の酸を用い、脱保護することができる。この際使用する酸は、有機溶媒又は水で希釈又は溶解して行うことができ、反応は−50℃〜50℃の温度条件下行うことができる。本反応に用いられる溶媒としては、エタノール、メタノール、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等、もしくはそれらの混合溶媒が挙げられる。
【0082】
更に、ベンジルオキシカルボニル基等の加水素分解により脱保護される保護基である場合は、パラジウム等の金属触媒を用いた加水素分解反応により脱保護することができる。本反応に用いられる溶媒としては、エタノール、メタノール、テトラヒドロフラン、酢酸エチル等の反応に関与しない溶媒、もしくはそれらの混合溶媒を挙げることができる。本反応は0℃〜100℃で行うことができる。また、本反応に水素ガスを用いることもでき、他にギ酸−ギ酸アンモニウム等の組み合わせを用いて行うこともできる。
【0083】
式(15)で表される化合物の内、pが1である式(35)で表される化合物は、下記スキーム7に示す合成法で製造することができる。
【0084】
【化18】

【0085】
(式中、R7、R8及びPrは、上記と同じである。)
式(33)で表される化合物は、式(32)で表される化合物と、対応する有機アミンを、一般的アミド化反応に付すことにより得ることができる(工程7−1)。得られた式(33)で表される化合物の保護基(Pr)を、一般的手法にて脱保護することにより式(34)で表される化合物に誘導(工程7−2)した後、アミド基の還元反応(工程7−3)を行い、式(35)で表される化合物を得ることができる。工程7−3におけるアミド基の還元反応は、リチウムアルミニウムハイドライド等の還元剤の存在下、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等の溶媒、又はそれらの混合溶媒中、室温〜反応溶媒の沸点付近の温度条件下進行する。
【0086】
式(17)で表される化合物は、下記スキーム8に示す合成法で製造することができる。
【0087】
【化19】

【0088】
(式中、R11は、上記と同じである。)
式(17)で表される化合物は、式(36)で表される化合物に対し、アミド基の還元反応を行うことにより得ることができる(工程8−1)。工程8−1におけるアミド基の還元反応は、上記工程7−3と同じである。
【0089】
式(23)で表される化合物及びイミデート塩(25)は、WO2006/095014号記載の方法に準じて製造することができる。
【0090】
式(19)で表される化合物の内、3−ジメチルアミノ−1−プロパノール、3−ジエチルアミノ−1−プロパノール、3−(イソプロピルアミノ)−プロパン−1−オール、3−(ジブチルアミノ)−1−プロパノール、3−ピペリジン−1−イル−プロパン−1−オール、1−(3−ヒドロキシプロピル)−ピロリジン、4−(3−ヒドロキシプロピル)モルホリン、1−(3−ヒドロキシプロピル)−ピペラジンは市販されている。
式(36)で表される化合物の内、R11がメチルである2−メチル−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−1−オンの塩酸塩、R11がエチルである4’−スピロ−[3−(N−エチル−2−ピロリジノン)]−ピペリジンの塩酸塩、R11がイソプロピルである2−イソプロピル−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−1−オンの塩酸塩は市販されている。
【0091】
式(1)で表される化合物のうち、式(42)で表される化合物は、スキーム9に示す合成法で製造することができる。
【0092】
【化20】

【0093】
(式中、R1、R2、R12、q及びPrは、上記と同じである。Lは脱離基を示す。脱離基とは、p−トルエンスルホニルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基、ハロゲン原子等を意味する。)
式(38)で表される化合物は、式(37)で表される化合物をボロン酸誘導体とした後、過酸を用いてヒドロキシル化することにより得ることができる(工程9−1)。本工程は、WO2006/021886号公報記載の方法に従って実施することができる。式(40)で表される化合物は、式(38)で表される化合物と、式(39)で表される化合物を、塩基性条件下反応させることにより得ることができる(工程9−2)。工程9−2における反応は、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、エタノール、イソプロピルアルコール等の溶媒中、又はそれらの混合溶媒中、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の無機塩基若しくはトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基存在下、0℃付近〜溶媒の沸点付近の温度条件下にて進行する。得られた式(40)で表される化合物の保護基(Pr)を、一般的手法にて脱保護することにより式(41)で表される化合物に誘導(工程9−3)した後、対応するケトンとの一般的な還元的アミノ化反応により、式(42)で表される化合物を得ることができる(工程9−4)。工程9−4における反応条件は、上記工程1−3と同じである。また、工程9−4の別法として、式(41)で表される化合物を、脱離基を有するアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシアルキル若しくはシアノアルキルと、工程9−2と同じ反応条件化反応させる方法がある。
【0094】
式(1)で表される化合物のうち、式(46)で表される化合物は、スキーム10に示す合成法で製造することができる。
【0095】
【化21】

【0096】
(式中、R1、R2、R9、R10及びnは上記と同じである。Rbは、水素原子若しくはC1-5アルキルを示す。L1及びL2は脱離基を示す。脱離基とは、p−トルエンスルホニルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基、ハロゲン原子等を意味する。)
式(44)で表される化合物は、スキーム9、工程9−1で得られる式(38)で表される化合物と、式(43)で表される化合物とを反応させることにより得ることができる(工程10−1)。工程10−1における反応は、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の溶媒中、又はそれらの混合溶媒中、室温から溶媒の沸点付近の温度条件下、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の無機塩基や、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基の存在により、反応が進行する。式(46)で表される化合物は、式(44)で表される化合物と、アミン類である式(45)で表される化合物とを反応させることにより得ることができる。工程10−2における反応は、無溶媒、又はテトラヒドロフラン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、エタノール、イソプロピルアルコール等の溶媒中、又はそれらの混合溶媒中、室温から溶媒の沸点付近の温度条件下にて進行する。また、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の無機塩基や、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基の存在により、反応がより円滑に進行する。
【0097】
式(1)で表される化合物のうち、式(51)で表される化合物は、スキーム11に示す合成法で製造することができる。
【0098】
【化22】

【0099】
(式中、X、Y、Z、R1、R2、R12、R13、R14、r及びHalは上記と同じである。RLは、C1-5アルコキシ、ベンジルオキシ等のカルボン酸の一般的な保護基を示す。)
式(49)で表される化合物は、式(47)で表される化合物と、市販されているか、別途調製した式(48)で表される化合物を、パラジウム触媒を用いたカップリング反応を行うことにより得ることができる(工程11−1)。本カップリング反応の包括的概念は、Organic letters, Vol.2, No.8, 1101-1104(2000)に見出し得る。式(49)で表される化合物を、一般的な脱保護反応に付すことにより式(50)で表される化合物を得ることができる(工程11−2)。RLは、J. F. W. McOmie 著、Protective Groups in Organic Chemistry.、およびT. W. Greene 及びP.G.M.Wuts著、Protective Groups in Organic Synthesis. に記載されている慣用的な保護基を示し、これらを用いて保護又は脱保護を行うことができる。得られた式(50)で表される化合物を一般的手法によりアミド化を行うことにより式(51)で表される化合物を得ることができる(工程11−3)。工程11−3の反応条件は、工程4−3と同じである。
【0100】
式(1)で表される化合物のうち、式(55)及び式(59)で表される化合物は、スキーム12に示す合成法で製造することができる。
【0101】
【化23】

【0102】
(式中、R1、R2、R9、R10、L及びPrは上記と同じである。環Aは、環中に表記窒素原子の他に1つ以上の窒素原子、酸素原子若しくは硫黄原子を含んでもよい4〜8員の飽和若しくは不飽和複素環を示す。)
式(53)若しくは(57)で表される化合物は、式(38)で表される化合物と、式(52)若しくは式(56)で表される化合物を反応させることにより得ることができる(工程12−1若しくは工程12−4)。工程12−1若しくは工程12−4における反応は、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の溶媒中、又はそれらの混合溶媒中、室温から溶媒の沸点付近の温度条件下、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の無機塩基や、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基の存在により、反応が進行する。式(53)若しくは式(57)で表される化合物の保護基を一般的手法により脱保護を行うことにより、式(54)若しくは式(58)で表される化合物を得ることができる(工程12−2若しくは12−5)。得られた式(54)若しくは式(58)で表される化合物を、工程9−4と同じ反応条件により、式(55)若しくは式(59)で表される化合物を得ることができる(工程12−3若しくは12−6)。
【0103】
式(39)で表される化合物の内、4−(トルエン−4−スルホニルキシ)−ピペリジン−1−カルボキシリックアシッド tert−ブチルエステル、1−tert−ブチルオキシカルボニル−4−メタンスルホニルオキシ−ピペリジン、N−tert−ブチルオキシカルボニル−4−ヨード−ピペリジン、1−N−tert−ブチルオキシカルボニル−4−ブロモピペリジン、N−tert−ブチルオキシカルボニル−4−クロロ−ピペリジンは市販されている。
【0104】
式(52)及び式(56)で表される化合物は、スキーム13に示す合成法で製造することができる。
【0105】
【化24】

【0106】
(式中、L、Pr及び環Aは上記と同じである。)
式(52)及び式(56)で表される化合物は、式(60)及び式(61)で表される化合物のヒドロキシル基を、一般的手法によりハロゲン、メタンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基等の一般的な脱離基へ変換することにより得ることができる(工程13−1及び工程13−2)。
【0107】
式(60)で表される化合物の内、2−(2−ヒドロキシエチル)−1−tert−ブチルオキシカルボニル−ピペリジン、tert−ブチル 2−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピロリジンカルボキシレートのラセミ体及び光学異性体、2−(2−ヒドロキシ−エチル)−ピペリジン−1−カルボキシリックアシッドベンジルエステルのラセミ体及びフルオレニルオキシカルボニル−2−(2−ピペリジル)エタノールのラセミ体は市販されている。
【0108】
式(61)で表される化合物の内、tert−ブチル 3−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ1(2H)−ピリジンカルボキシレート、3−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−カルボキシリックアシッド tert−ブチルエステル、1−ベンジルオキシカルボニル−3−ヒドロキシメチルピロリジン各々のラセミ体及び光学異性体は市販されている。
【0109】
式(1)で表される化合物のうち、式(12)で表される化合物は、スキーム14に示す合成法においても製造することができる。
【0110】
【化25】


【0111】
(式中、X、Y、Z、R1、R2、R4a、R5、R6、Ra及びqは、上記と同じである。Halは、ハロゲン原子を示す。R4aは、R4でも良く、R4は、上記と同じである。)
式(57)で表される化合物は、式(24)で表される化合物と、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ−1,3,2−ジオキサボロランから、J. Org. Chem., 60, 7508-7510(1995) 記載の方法で得ることができる(工程14−1)。式(57)で表される化合物と、別途調製したアミン(58)とを鈴木−宮浦反応の条件下反応させることにより式(59)で表される化合物を得ることができる。得られた式(59)で表される化合物を対応するアルデヒドと脱水縮合させることにより1,2−ジヒドロピリドピリミジン−4−オン誘導(60)を得(工程14−3)、引き続き酸化反応に付すことにより、式(12)で表される化合物を得ることができる(工程14−4)。工程14−2における鈴木−宮浦カップリング反応の条件は、上記工程1−1若しくは1−2と同じである。工程14−3における縮合反応は、酸、酢酸等の有機酸存在下、エタノール、イソプロパノール等の溶媒中、反応溶媒の沸点付近の温度条件下進行し、モレキュラーシーブス等の脱水剤を用いて副生する水を除くことにより、より円滑に縮合反応は進行する。工程4−5における酸化反応は、活性二酸化マンガン等の酸化剤を用い、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン等の溶媒中、又はそれらの混合溶媒中、室温から反応溶媒の沸点付近の温度条件下進行する。
【0112】
式(13)で表される化合物は、スキーム15に示す合成法でも製造することができる。
【0113】
【化26】

【0114】
(式中、R4a、Ra及びqは、上記と同じである。)
式(62)で表される化合物は、式(61)で表される化合物からTetradedron Letters, 42, 4841-4844(2001)記載の方法に準じて製造することができる。式(13)で表される化合物は、J. Org. Chem., 60, 7508-7510(1995) 記載の方法に準じて製造することができる。
【0115】
式(58)で表される化合物は、対応するベンズアルデヒド、アシルベンゼンから一般的な還元的アミノ化反応により製造することができる。
【0116】
式(1)で表される化合物のうち、式(12)で表される化合物{R3が式(2)で表される基}は、スキーム16に示す合成法においても製造することができる。
【0117】
【化27】

【0118】
(式中、X、Y、Z、R1、R2、R4a、R5、R6、Hal、L及びqは、上記と同じである。Raは、水素原子を示す。R4aは、R4でも良く、R4は、上記と同じである。)
式(63)で表される化合物は、式(13)で表される化合物を還元反応に付すことにより得ることができる(工程16−1)。工程16−1における還元反応は、還元剤として水素化ホウ素ナトリウム、溶媒としてメタノール、エタノール等を用いることができる。式(64)で示される化合物は、式(10)で示される化合物と式(63)で示される化合物を鈴木−宮浦反応の条件下反応させることにより得ることができる(工程16-2)。工程16−2における鈴木−宮浦反応の条件は上記工程1−1若しくは1−2と同じである。式(65)で示される化合物は、式(64)で表される化合物のヒドロキシ基を、一般的手法によりハロゲン、メタンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基等の一般的な脱離基へ変換することにより得ることができる(工程16-3)。式(12)で示される化合物は、式(65)で示される化合物と対応する有機アミンを反応させることにより得られることができる(工程16−4)。工程16−4における反応は、上記工程10−2と同じである。
【0119】
式(1)で表される化合物のうち、式(46)で表される化合物は、スキーム17に示す合成法でも製造することができる。
【0120】
【化28】

【0121】
(式中、R1、R2、R9、R10、Rb及びnは上記と同じである。Lは脱離基を示す。)
式(67)で表される化合物は、スキーム9、工程9−1で得られる式(38)で表される化合物と、式(66)で表される化合物とを反応させることにより得ることができる(工程17−1)。工程17−1における反応は、上記工程10−1と同じである。式(68)で表される化合物は、式(67)で表される化合物のヒドロキシル基を、一般的手法によりハロゲン、メタンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基等の一般的な脱離基へ変換することにより得ることができる(工程17−2)。式(46)で表される化合物は、式(68)で表される化合物と、アミン類である式(45)で表される化合物とを反応させることにより得ることができる。工程17−3における反応は、上記工程10−2と同じである。
【0122】
式(1)で表される化合物のうち、式(12)で表される化合物は、スキーム18に示す合成法でも製造することができる。
【0123】
【化29】

【0124】
(式中、X、Y、Z、R1、R2、R4a、R5、R6、Hal及びqは、上記と同じである。Raは、水素原子を示す。R4aは、R4でも良く、R4は、上記と同じである。)
式(69)で表される化合物は、J. Org. Chem., 60, 7508-7510(1995) 記載の方法に準じて製造することができる(工程18−1)。式(12)で示される化合物は、式(69)で示される化合物と式(58)で示される化合物を鈴木−宮浦反応の条件下反応させることにより得ることができる(工程18-2)。工程18−2における鈴木−宮浦反応の条件は上記工程1−1若しくは1−2と同じである。
【0125】
式(1)で表される化合物のうち、式(46)で表される化合物は、スキーム19に示す合成法でも製造することができる。
【0126】
【化30】


【0127】
(式中、R1、R2、R9、R10、Rb及びnは上記と同じである。)
式(46)で表される化合物は、式(38)で示される化合物と式(70)で表される化合物を光延反応の条件下反応させて得ることができる。光延反応に関する包括的概観はSynthesis. 1981, 1-28; Chem. Asian J. 2007, 2, 1340-1355.; Chem. Pharm. Bull. 2003, 51(4), 474-476に見出される。
【0128】
式(1)で表される化合物のうち、式(20)で表される化合物は、スキーム20に示す合成法でも製造することができる。
【0129】
【化31】

【0130】
(式中、X、Y、Z、R1、R2、R9、R10、Rb、Hal及びnは上記と同じである。)
式(71)で表される化合物は、式(24)で示される化合物をボロン酸誘導体とした後に過酸を用いてヒドロキシ化することにより得ることができる(工程20−1)。工程20−1は上記工程9−1と同様である。式(72)で表される化合物は式(70)で示される化合物と式(71)で示される化合物を光延反応の条件下反応させて得ることができる(工程20−2)。工程20−2は上記工程19−1と同様である。式(20)で表される化合物は工程4−6と同様の反応により式(25)で示される化合物と式(72)で示される化合物から得ることができる(工程20−5)。また、式(72)で示される化合物と対応するアルデヒドを工程4−4と同様の縮合反応で式(73)で示される化合物を得(工程20−3)、工程4−5と同様の酸化反応で式(20)で示される化合物を得ることができる。










【実施例】
【0131】
以下、合成例、実施例及び試験例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、これらは本発明を限定するものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。なお、実施例においてシリカゲル60、シリカゲル60Nとは、関東化学(株)から市販されているシリカゲルである。クロマトレックスNHとは、富士シリシア(株)から市販されているシリカゲルである。SNAP KP−Sil、SNAP KP−NHとは、バイオタージ・ジャパン(株)から市販されているシリカゲルカラムカートリッジである。また、反応の進行を、0.25mmシリカゲル60F254プレート(メルク社製)、又はTLCプレートNH(富士シリシア社製)を用いた薄層クロマトグラフィー(TLC)で追跡した。TLCプレートは、UV(254nm)、もしくは20%リンモリブデン酸ナトリウム/エタノール溶液を用いた呈色によって観察した。化合物は、ACD/NAME(Product Version:11.01,ACD/LABS)を用いて命名した。1H−NMRスペクトルは、テトラメチルシランを内部標準とし、化学シフトはppmで表記した。
【0132】
本実施例中、以下の用語及び試薬は下記のように表記した。
brine(飽和食塩水)、MeOH(メタノール)、MgSO4(無水硫酸マグネシウム)、K2CO3(炭酸カリウム)、Na2CO3(炭酸ナトリウム)、Na2SO4(無水硫酸ナトリウム)、NaHCO3(炭酸水素ナトリウム)、Cs2CO3(炭酸セシウム)、NaI(ヨウ化ナトリウム)、IPE(ジイソプロピルエーテル)、THF(テトラヒドロフラン)、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)、Et2O(ジエチルエーテル)、EtOH(エタノール)、NH4OH(25〜28%アンモニア水)、EtOAc(酢酸エチル)、MeCN(アセトニトリル)、Et3N(トリエチルアミン)、CHCl3(クロロホルム)、HOBt・H2O(1−ヒドロキシベンゾトリアゾール・1水和物)、EDC・HCl[1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド・1塩酸塩]、Pd(PPh34(0)[テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)]、Pd2(dba)3[トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)]、PdCl2(dppf)・CH2Cl2{[1,1´−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド ジクロロメタン錯体(1:1)}、MnO2(活性二酸化マンガン)、TBSCl(t−ブチルジメチルシリルクロリド)、TBAF(テトラブチルアンモニウムフルオリド)、IBX(2−ヨードキシベンゾイックアシッド)、NaBH3CN(水素化シアノホウ素ナトリウム)、NaBH(OAc)3(ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド)、HATU[O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスファート]、DEAD(アゾジカルボン酸ジエチル)。
【0133】
実施例A−1
2−[6−{3−クロロ−5−[(ジメチルアミノ)メチル]フェニル}−4−オキソ−2−(ピリジン−3−イル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]−N−イソプロピルアセトアミドの合成
【0134】
【化32】

工程A−1−1:6−ブロモ−2H−ピリド[2,3−d][1,3]オキサジン−2,4(1H)−ジオンの合成
2−アミノ−5−ブロモピリジン−3−カルボン酸(60.0g)のTHF(1.2L)懸濁液に、トリホスゲン(55.8g)のTHF(600mL)溶液を、25℃にて滴下した。同温度にて15時間攪拌後濾過し、濾液を減圧下濃縮し、表題化合物(26.5g、無色固体)を得た。
MS (ESI neg.) m/z : 241, 243([M-H]-)
工程A−1−2:2−アミノ−5−ブロモ−N−{2−[(1−メチルエチル)アミノ]−2−オキソエチル}ピリジン−3−カルボキサミドの合成
工程A−1−1で得られた化合物(26.0g)及びN−(1−メチルエチル)グリシンアミド(14.9g)のMeCN(260mL)懸濁液を、70℃にて3時間攪拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣をCHCl3及び重曹水で分液した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥した後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をCHCl3及びMeOH(1:1)中で溶解した後、濾過し、減圧下留去した。得られた残渣をEtOAc中、還流しながら攪拌した後放冷し、析出物を濾取することにより表題化合物(26.5g、無色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 315, 317([M+H]+)
工程A−1−3:2−[6−ブロモ−4−オキソ−2−(ピリジン−3−イル)−1,4−ジヒドロピリド[2,3−d]ピリミジン−3(2H)−イル]−N−イソプロピルアセトアミドの合成
工程A−1−2で得られた化合物(2.00g)、ニコチンアルデヒド(1.79ml)及び酢酸(2.91mL)のEtOH(40mL)懸濁液を、ディーン・スターク装置にて脱水しながら8時間還流した。反応混合物を放冷し、減圧下濃縮した。得られた残渣をEt2O中攪拌し、析出した固体を濾取することにより、表題化合物(2.83g、薄黄色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 404, 406([M+H]+)
工程A−1−4:2−[6−ブロモ−4−オキソ−2−(ピリジン−3−イル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]−N−イソプロピルアセトアミドの合成 工程A−1−3で得られた化合物(2.83g)、MnO2(3.48g)、CHCl3(11mL)及びTHF(45ml)の懸濁液を5時間還流した。反応混合物を放冷後にMnO2(5.22g)を追加し4時間還流した。反応混合物を放冷後にMnO2(8.70g)、CHCl3(5mL)及びTHF(30ml)を追加し2時間還流した。反応混合物にDMF(85ml)を加えた後に、セライト濾過し、母液を減圧下濃縮した。得られた残渣にEtOAcを加え攪拌し、析出した固体を濾取することにより、表題化合物(2.13g、無色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 402,404([M+H]+)
【0135】
工程A−1−5:3−クロロ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンズアルデヒドの合成
窒素気流下、3−ブロモ−5−クロロベンズアルデヒド(2.70g)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ−1,3,2−ジオキサボロラン(4.54g)、PdCl2(dppf)・CH2Cl2(501mg)及びAcOK(3.62g)のDMSO(27ml)溶液を100℃にて2時間加熱攪拌した。放冷後、EtOAc(100ml)、飽和炭酸水素ナトリウム水(60ml)を加え分液し、水層をEtOAc(30mlで2回)抽出した。合わせた有機層を水(50mlで3回)、brine(50ml)洗浄し、MgSO4にて乾燥した後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧下留去した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル60N、移動相:EtOAc/n−ヘキサン=1/10〜1/5;v/v)にて精製し、表題化合物(3.61g、緑色固体)を得た。
MS (EI Pos.) m/z : 266, 268 [M+]
工程A−1−6:2−[6−(3−クロロ−5−ホルミルフェニル)−4−オキソ−2−(ピリジン−3−イル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]−N−イソプロピルアセトアミドの合成
工程A−1−4で得られた化合物(1.01g)、工程A−1−5で得られた化合物(800mg)、Pd(PPh34(289mg)、2M Na2CO3水溶液(10mL)、EtOH(10mL)及びトルエン(5mL)の混合物を2時間還流した。反応混合物を放冷し、EtOAc、IPE及び水を加え攪拌後に固体を濾取し、表題化合物(725mg、褐色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 462([M+H]+)
工程A−1−7:2−[6−{3−クロロ−5−[(ジメチルアミノ)メチル]フェニル}−4−オキソ−2−(ピリジン−3−イル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]−N−イソプロピルアセトアミドの合成
工程A−1−6で得られた化合物(300mg)及び50%ジメチルアミン水溶液(117mg)及び酢酸(111μl)のMeOH(10ml)及びTHF(20ml)混合溶液に、氷冷下、シアノ化水素化ホウ素ナトリウム(61.2mg)を加え、室温にて16時間攪拌した。飽和NaHCO3水溶液を加え、CHCl3にて抽出し、有機層を飽和食塩水にて洗浄し、Na2SO4にて乾燥した後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(クロマトレックスNH、移動相:CHCl3)、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、移動相:CHCl3/MeOH=98/2〜88/12;v/v)にて精製し、得られた固体をEtOAcで洗浄し表題化合物(48.2mg、無色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 491([M+H]+)
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ (ppm) ; 1.18 (6 H, d, J=6.4 Hz), 2.30 - 2.37 (6 H, m), 3.50 - 3.58 (2 H, m), 4.06 - 4.12 (1 H, m), 4.58 (2 H, br. s.), 5.59 - 5.63 (1 H, m), 7.43 - 7.48 (2 H, m), 7.58 - 7.62 (2 H, m), 8.16 - 8.20 (1 H, m), 8.79 (1 H, dd, J=5.0, 1.8 Hz), 8.80 (1 H, d, J=2.8 Hz), 8.99 (1 H, d, J=1.8 Hz), 9.27 (1 H, d, J=2.8 Hz).
【0136】
実施例A−2
2−[6−{3−クロロ−5−[(メチルアミノ)メチル]フェニル}−4−オキソ−2−(ピリジン−3−イル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]−N−イソプロピルアセトアミドの合成
【0137】
【化33】


工程A−1−6で得られた化合物(200mg)、40%メチルアミン水溶液(67.2mg)及び酢酸(74.1μl)のTHF(20ml)溶液に、氷冷下、シアノ化水素化ホウ素ナトリウム(40.7mg)を加え、室温にて16時間攪拌した。飽和NaHCO3水溶液を加え、CHCl3にて抽出し、有機層を飽和食塩水にて洗浄し、Na2SO4にて乾燥した後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(クロマトレックスNH、移動相:CHCl3/MeOH=99/1;v/v)、薄層クロマトグラフィー(1.0mm、移動相:CHCl3/MeOH=4/1;v/v)にて精製し、得られた固体をEtOAc及びn−ヘキサンの混合溶媒(EtOAc/n−ヘキサン=1/1;v/v)で洗浄し表題化合物(3.0mg、無色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 477([M+H]+)
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ (ppm) ; 1.19 (6 H, d, J=6.4 Hz), 2.51 (3 H, s), 3.83 - 3.87 (2 H, m), 4.06 - 4.15 (1 H, m), 4.59 (2 H, br. s.), 5.55 - 5.60 (1 H, m), 7.44 (1 H, s), 7.47 (1 H, dd, J=8.3, 4.6 Hz), 7.58 (1 H, s), 7.59 - 7.61 (1 H, m), 8.15 - 8.21 (1 H, m), 8.79 - 8.81 (2 H, m), 8.99 (1 H, d, J=2.3 Hz), 9.27 (1 H, d, J=2.3 Hz).
【0138】
実施例A−3
2−[6−{3−クロロ−5−[(ジメチルアミノ)メチル]フェニル}−2−(5−メトキシピリジン−3−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]−N−イソプロピルアセトアミドの合成
【0139】
【化34】

工程A−3−1:2−[6−ブロモ−2−(5−メトキシピリジン−3−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリド[2,3−d]ピリミジン−3(2H)−イル]−N−イソプロピルアセトアミドの合成
工程A−1−3と同手法により、工程A−1−2で得られた化合物(3.62g)及び5−メトキシニコチンアルデヒド(5.00g)を原料として、表題化合物(5.76g、薄褐色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 434, 436 ([M+H]+).
工程A−3−2:2−[6−ブロモ−2−(5−メトキシピリジン−3−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]−N−イソプロピルアセトアミドの合成
工程A−1−4と同手法により、工程A−3−1で得られた化合物(5.76g)を原料として、表題化合物(4.24g、薄褐色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 432, 434 ([M+H]+).
【0140】
工程A−3−3:2−[6−(3−クロロ−5−ホルミルフェニル)−2−(5−メトキシピリジン−3−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]−N−イソプロピルアセトアミドの合成
工程A−1−6と同手法により、工程A−1−5で得られた化合物(1.28g)及び工程A−3−2で得られた化合物(1.73g)を原料として、表題化合物(1.57g、薄褐色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 492 ([M+H]+).
工程A−3−4:2−[6−{3−クロロ−5−[(ジメチルアミノ)メチル]フェニル}−2−(5−メトキシピリジン−3−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]−N−イソプロピルアセトアミドの合成
工程A−1−7と同手法により、工程A−3−3で得られた化合物(450mg)を原料として、表題化合物(21.1mg、無色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 521 ([M+H]+).
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ (ppm) ; 1.18 (6 H, d, J=6.9 Hz), 2.33 (6 H, br. s.), 3.53 (2 H, br. s.), 3.91 (3 H, s), 4.05 - 4.14 (1 H, m), 4.60 (2 H, s), 5.56 - 5.61 (1 H, m), 7.41 - 7.49 (1 H, m), 7.56 - 7.65 (2 H, m), 7.71 - 7.74 (1 H, m), 8.48 (1 H, d, J=2.8 Hz), 8.55 (1 H, d, J=1.4 Hz), 8.81 (1 H, d, J=2.8 Hz), 9.28 (1 H, d, J=2.8 Hz).
【0141】
実施例A−4
2−[6−{3−クロロ−5−[(メチルアミノ)メチル]フェニル}−2−(5−メトキシピリジン−3−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]−N−イソプロピルアセトアミドの合成
【0142】
【化35】

工程A−2と同手法により、工程A−3−3で得られた化合物(350mg)を原料として、表題化合物(81mg、無色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 507 ([M+H]+).
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ (ppm) ; 1.18 (6 H, d, J=6.4 Hz), 2.50 (3 H, s), 3.84 (2 H, s), 3.91 (3 H, s), 4.05 - 4.12 (1 H, m), 4.59 (2 H, s), 5.58 - 5.63 (1 H, m), 7.43 (1 H, s), 7.57 (1 H, s), 7.58 - 7.60 (1 H, m), 7.70 - 7.73 (1 H, m), 8.47 (1 H, d, J=2.8 Hz), 8.54 (1 H, d, J=1.8 Hz), 8.79 (1 H, d, J=2.8 Hz), 9.26 (1 H, d, J=2.3 Hz).
実施例A−5
N−tert−ブチル−2−[6−{3−クロロ−5−[(ジメチルアミノ)メチル]フェニル}−2−(5−メトキシピリジン−3−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]アセトアミドの合成
【0143】
【化36】

工程A−5−1:2−アミノ−5−ブロモ−N−[2−(tert−ブチルアミノ)−2−オキソエチル]ピリジン−3−カルボキサミドの合成
窒素気流下、2−アミノ−5−ブロモピリジン−3−カルボン酸(100g)およびHOBt・H2O(91.7g)のDMF(1L)懸濁液に、EDC・HCl(124g)を加え、室温にて1時間攪拌した。氷冷却下、N−tert−ブチルグリシンアミド(60.0g)のDMF(100ml)溶液を30分間かけて滴下した後、室温にて14.5時間攪拌した。反応液に飽和NaHCO3水溶液、CHCl3を加え分液し、水層をCHCl3抽出した。合わせた有機層を濾過後、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をEtOAcから結晶化し、表題化合物(85.6g、無色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 329, 331 ([M+H]+).
工程A−5−2:2−[6−ブロモ−2−(5−メトキシピリジン−3−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリド[2,3−d]ピリミジン−3(2H)−イル]−N−tert−ブチルアセトアミドの合成
工程A−1−3と同手法により、工程A−5−1で得られた化合物(3.15g)及び5−メトキシニコチンアルデヒド(2.00g)を原料として、表題化合物(4.00g)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 448, 450 ([M+H]+).
工程A−5−3:2−[6−ブロモ−2−(5−メトキシピリジン−3−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]−N−tert−ブチルアセトアミドの合成
工程A−1−4と同手法により、工程A−5−2で得られた化合物(3.95g)を原料として、表題化合物(3.18g、無色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 446, 448 ([M+H]+).
【0144】
工程A−5−4:N−tert−ブチル−2−[6−(3−クロロ−5−ホルミルフェニル)−2−(5−メトキシピリジン−3−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]アセトアミドの合成
工程A−1−6と同手法により、工程A−1−5で得られた化合物(716mg)及び工程A−5−3で得られた化合物(1.00g)を原料として、表題化合物(1.30g、黄色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 506 ([M+H]+).
工程A−5−5:N−tert−ブチル−2−[6−{3−クロロ−5−[(ジメチルアミノ)メチル]フェニル}−2−(5−メトキシピリジン−3−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]アセトアミドの合成
工程A−1−7と同手法により、工程A−5−4で得られた化合物(500mg)を原料として、表題化合物(123mg、淡茶色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 535 ([M+H]+).
1H-NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ (ppm) ; 1.18 (9 H, s), 2.21 (6 H, s), 3.52 (2 H, s), 3.88 (3 H, s), 4.54 (2 H, br. s.), 7.46 (1 H, s), 7.64 - 7.66 (1 H, m), 7.79 (1 H, s), 7.80 (1 H, s), 7.93 (1 H, s), 8.37 - 8.39 (1 H, m), 8.50 (1 H, d, J=2.8 Hz), 8.80 (1 H, d, J=2.3 Hz), 9.40 (1 H, d, J=2.8 Hz).
【0145】
実施例A−6
N−tert−ブチル−2−[6−{3−クロロ−5−[(メチルアミノ)メチル]フェニル}−2−(5−メトキシピリジン−3−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]アセトアミドの合成
【0146】
【化37】

工程A−2と同手法により、工程A−5−4で得られた化合物(400mg)を原料として、表題化合物(121mg、無色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 521 ([M+H]+).
1H-NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ (ppm) ; 1.18 (9 H, s), 2.29 (3 H, s), 3.75 (2 H, s), 3.88 (3 H, s), 4.54 (2 H, br. s.), 7.49 (1 H, s), 7.63 - 7.66 (1 H, m), 7.80 (1 H, s), 7.84 (1 H, s), 7.88 - 7.91 (1 H, m), 8.38 (1 H, d, J=1.8 Hz), 8.50 (1 H, d, J=2.8 Hz), 8.82 (1 H, d, J=2.8 Hz), 9.41 (1 H, d, J=2.8 Hz).
【0147】
実施例A−7
N−tert−ブチル−2−[6−{3−クロロ−5−[(ジメチルアミノ)メチル]フェニル}−2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]アセトアミドの合成
【0148】
【化38】

工程A−7−1:2−[6−ブロモ−2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリド[2,3−d]ピリミジン−3(2H)−イル]−N−tert−ブチルアセトアミドの合成
工程A−1−3と同手法により、工程A−5−1で得られた化合物(6.02g)及び6−メトキシピリジン−2−カルバルデヒド(5.00g)を原料として、表題化合物(3.95g、薄黄色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 448, 450 ([M+H]+).
工程A−7−2:2−[6−ブロモ−2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]−N−tert−ブチルアセトアミドの合成
工程A−1−4と同手法により、工程A−7−1で得られた化合物(3.95g)を原料として、表題化合物(2.64g、薄黄色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 446, 448 ([M+H]+).
【0149】
工程A−7−3:N−tert−ブチル−2−[6−(3−クロロ−5−ホルミルフェニル)−2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]アセトアミドの合成
工程A−1−6と同手法により、工程A−1−5で得られた化合物(520mg)及び工程A−7−2で得られた化合物(670mg)を原料として、表題化合物(801mg、薄褐色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 506 ([M+H]+).
工程A−7−4:N−tert−ブチル−2−[6−{3−クロロ−5−[(ジメチルアミノ)メチル]フェニル}−2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]アセトアミドの合成
工程A−1−7と同手法により、工程A−7−3で得られた化合物(506mg)を原料として、表題化合物(151mg、無色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 535 ([M+H]+).
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ (ppm) ; 1.25 (9 H, s), 2.30 (6 H, s), 3.50 (2 H, s), 3.96 (3 H, s), 5.12 (2 H, s), 5.40 (1 H, s), 6.89 - 6.92 (1 H, m), 7.42 (1 H, br. s.), 7.57 (1 H, br. s.), 7.59 - 7.61 (1 H, m), 7.74 - 7.81 (2 H, m), 8.82 (1 H, d, J=2.8 Hz), 9.25 (1 H, d, J=2.8 Hz).
【0150】
実施例A−8
N−tert−ブチル−2−[6−{3−クロロ−5−[(メチルアミノ)メチル]フェニル}−2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]アセトアミドの合成
【0151】
【化39】

工程A−2と同手法により、工程A−7−3で得られた化合物(253mg)を原料として、表題化合物(39.7mg、無色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 521 ([M+H]+).
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ (ppm) ; 1.26 (9 H, s), 2.50 (3 H, s), 3.84 (2 H, s), 3.96 (3 H, s), 5.12 (2 H, s), 5.39 (1 H, br. s.), 6.91 (1 H, d, J=6.9 Hz), 7.42 (1 H, br. s.), 7.57 (1 H, br. s.), 7.59 - 7.61 (1 H, m), 7.74 - 7.80 (2 H, m), 8.81 (1 H, d, J=2.3 Hz), 9.25 (1 H, d, J=2.8 Hz).
【0152】
実施例A−9
2−[6−{3−クロロ−5−[(ジメチルアミノ)メチル]フェニル}−2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]−N−イソプロピルアセトアミドの合成
【0153】
【化40】

工程A−9−1:2−[6−ブロモ−2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリド[2,3−d]ピリミジン−3(2H)−イル]−N−イソプロピルアセトアミドの合成
工程A−1−3と同手法により、工程A−1−2で得られた化合物(11.5g)及び6−メトキシピリジン−2−カルバルデヒド(10.0g)を原料として、表題化合物(14.9g、薄褐色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 434, 436 ([M+H]+).
工程A−9−2:2−[6−ブロモ−2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]−N−イソプロピルアセトアミドの合成
工程A−1−4と同手法により、工程A−9−1で得られた化合物(14.9g)を原料として、表題化合物(12.4g、無色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 432, 434 ([M+H]+).
工程A−9−3:2−[6−(3−クロロ−5−ホルミルフェニル)−2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]−N−イソプロピルアセトアミドの合成
工程A−1−6と同手法により、工程A−1−5で得られた化合物(740mg)及び工程A−9−2で得られた化合物(1.00g)を原料として、表題化合物(1.23g、黄褐色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 492 ([M+H]+).
工程A−9−4:2−[6−{3−クロロ−5−[(ジメチルアミノ)メチル]フェニル}−2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]−N−イソプロピルアセトアミドの合成
工程A−1−7と同手法により、工程A−9−3で得られた化合物(800mg)を原料として、表題化合物(103mg、無色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 521 ([M+H]+).
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ (ppm) ; 1.10 (6 H, d, J=6.9 Hz), 2.30 (6 H, s), 3.50 (2 H, br. s.), 3.94 (3 H, s), 3.96 - 4.03 (1 H, m), 5.10 (2 H, s), 5.49 (1 H, d, J=7.3 Hz), 6.91 (1 H, dd, J=8.0, 1.1 Hz), 7.42 (1 H, br. s.), 7.57 (1 H, br. s.), 7.59 - 7.61 (1 H, m), 7.73 - 7.80 (2 H, m), 8.81 (1 H, d, J=2.8 Hz), 9.26 (1 H, d, J=2.8 Hz).
【0154】
実施例A−10
2−[6−{3−[(ジメチルアミノ)メチル]−5−メトキシフェニル}−2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]−N−イソプロピルアセトアミドの合成
【0155】
【化41】

工程A−10−1:3−ブロモ−5−メトキシベンズアルデヒドの合成
窒素雰囲気下、トルエン(24ml)に2.66M n−BuLi/n−ヘキサン溶液(16.0ml)を加え氷−塩浴冷却下に2M n−BuMgCl/THF溶液(10.7ml)を滴下した。30分間攪拌後、1,3−ジブロモ−5−メトキシベンゼン(18.9g)のトルエン(140ml)溶液を滴下した。3時間攪拌後、DMF(6.76g)のトルエン(30ml)溶液を加え20分間攪拌した。クエン酸(27.3g)の水溶液(50ml)を加えた後に分液し、有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥した後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、移動相:n−Hexane/EtOAc=100/0〜85/15;v/v)にて精製し、表題化合物(8.43g、淡黄色固体)を得た。
MS (EI Pos.) m/z : 214, 216 [M+].
工程A−10−2:3−メトキシ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンズアルデヒドの合成
工程A−1−5と同手法により、工程A−10−1で得られた化合物(7.00g)を原料として、表題化合物(6.64g、無色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 263 ([M+H]+).
【0156】
工程A−10−3:2−[6−(3−ホルミル−5−メトキシフェニル)−2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]−N−イソプロピルアセトアミドの合成
工程A−1−6と同手法により、工程A−9−2で得られた化合物(1.00g)及び工程A−10−2で得られた化合物(729mg)を原料として、表題化合物(721mg、黄色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 488 ([M+H]+).
工程A−10−4:2−[6−{3−[(ジメチルアミノ)メチル]−5−メトキシフェニル}−2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]−N−イソプロピルアセトアミドの合成
工程A−1−7と同手法により、工程A−10−3で得られた化合物(500mg)を原料として、表題化合物(81.5mg、無色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 517 ([M+H]+).
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ (ppm) ; 1.10 (6 H, d, J=6.9 Hz), 2.32 (6 H, br. s.), 3.50 (2 H, br. s.), 3.90 (3 H, s), 3.94 (3 H, s), 3.97 - 4.04 (1 H, m), 5.09 (2 H, s), 5.50 (1 H, d, J=7.8 Hz), 6.90 (1 H, dd, J=8.0, 1.1 Hz), 6.99 (1 H, br. s.), 7.11 - 7.14 (1 H, m), 7.26 (1 H, d, J=2.8 Hz), 7.73 - 7.80 (2 H, m), 8.82 (1 H, d, J=2.8 Hz), 9.28 (1 H, d, J=2.3 Hz).
【0157】
実施例A−11
N−イソプロピル−2−[2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−オキソ−6−[3−(ピペリジン−1−イル)プロポキシ]ピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]アセトアミドの合成
【0158】
【化42】

工程A−11−1:2−[6−ヒドロキシ−2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]−N−イソプロピルアセトアミドの合成
窒素気流下、工程A−9−2で得られた化合物(1.50g)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ−1,3,2−ジオキサボロラン(1.06g)、PdCl2(dppf)・CH2Cl2(283mg)及びAcOK(1.02g)のDMSO(15ml)溶液を100℃にて2時間加熱攪拌した。放冷後、CHCl3(50ml)、水(50ml)を加え分液し、水層をCHCl3(20mlで3回)抽出した。合わせた有機層を水(50mlで3回)、brine(50ml)洗浄し、MgSO4にて乾燥した後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣のTHF(20ml)溶液をNaHCO3水溶液(2.33g/水 2.1ml)、アセトン(3.1ml)溶液に加えた後氷冷し、反応液温度8℃以下を保ちながらオキソン水溶液(商標:1.93g/水 10ml)を加えた後、10分間攪拌した。亜硫酸水素ナトリウム水溶液(2.26g/水 10ml)を加えた後、10分間攪拌した。反応溶媒を減圧下留去し、飽和塩化アンモニウム水溶液でpH=7〜8に調製し析出した不溶物を濾取、水、CHCl3で順次洗浄し、表題化合物 (598mg、褐色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 370 [M+H]+
【0159】
工程A−11−2:2−[6−(3−クロロプロポキシ)−2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]−N−イソプロピルアセトアミドの合成
工程A−11−1で得られた化合物(440mg)、1−ブロモ−3−クロロプロパン(0.353ml)、K2CO3(822mg)、DMF(2ml)及びMeCN(7ml)の混合物を100℃で1時間攪拌した。室温に戻した後に、水、IPEを加え、氷冷下で30分撹拌した。析出した固体を濾取し、表題化合物(367mg、褐色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 446([M+H]+).
工程A−11−3:N−イソプロピル−2−[2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−オキソ−6−[3−(ピペリジン−1−イル)プロポキシ]ピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]アセトアミドの合成
工程A−11−2で得られた化合物(120mg)、ピペリジン(79.9μl)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(184μl)及びEtOH(1.2ml)の混合物を16時間加熱還流した。反応混合物を放冷後、減圧下で溶媒を濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、移動相:CHCl3/MeOH=98/2〜85/15;v/v)で精製し、得られた固体をCHCl3(18ml)及びMeOH(2ml)の混合溶媒に溶解しクロマトレックスNH(3.0g)を加え室温で16時間攪拌した。ろ過後に母液を減圧下で濃縮し得られた固体をEtOAc及びn−ヘキサンの混合溶媒(EtOAc/n−ヘキサン=1/4;v/v)で洗浄し表題化合物(69.4mg、薄褐色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 495([M+H]+)
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ (ppm) ; 1.09 (6 H, d, J=6.4 Hz), 1.43 - 1.50 (2 H, m), 1.60 - 1.64 (4 H, m), 2.04 - 2.10 (2 H, m), 2.38 - 2.49 (4 H, m), 2.50 - 2.55 (2 H, m), 3.93 (3 H, s), 3.96 - 4.03 (1 H, m), 4.18 (2 H, t, J=6.4 Hz), 5.05 (2 H, s), 5.49 (1 H, d, J=7.8 Hz), 6.88 (1 H, d, J=8.3 Hz), 7.68 - 7.71 (1 H, m), 7.73 - 7.78 (1 H, m), 7.95 (1 H, d, J=3.2 Hz), 8.74 (1 H, d, J=3.2 Hz).
【0160】
実施例A−12
2−{6−[3−(アゼパン−1−イル)プロポキシ]−2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル}−N−イソプロピルアセトアミドの合成
【0161】
【化43】

工程A−11−3と同手法により、工程A−11−2で得られた化合物(120mg)及びヘキサメチレンイミン(90.9μl)を原料として、表題化合物(31.1mg、薄褐色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 509([M+H]+)
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ (ppm) ; 1.09 (6 H, d, J=6.4 Hz), 1.60 - 1.63 (4 H, m), 1.65 - 1.72 (4 H, m), 2.01 - 2.10 (2 H, m), 2.65 - 2.78 (6 H, m), 3.93 (3 H, s), 3.96 - 4.03 (1 H, m), 4.20 (2 H, t, J=6.2 Hz), 5.05 (2 H, s), 5.49 (1 H, d, J=7.3 Hz), 6.87 (1 H, d, J=8.3 Hz), 7.69 (1 H, d, J=7.3 Hz), 7.75 (1 H, dd, J=8.3, 7.3 Hz), 7.95 (1 H, d, J=3.2 Hz), 8.74 (1 H, d, J=3.2 Hz).
【0162】
実施例A−13
N−イソプロピル−2−[2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]アセトアミドの合成
【0163】
【化44】

工程A−11−3と同手法により、工程A−11−2で得られた化合物(120mg)及びモルホリン(70.6μl)を原料として、表題化合物(65.9mg、薄褐色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 497([M+H]+)
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ (ppm) ; 1.09 (6 H, d, J=6.9 Hz), 2.02 - 2.10 (2 H, m), 2.44 - 2.52 (4 H, m), 2.53 - 2.59 (2 H, m), 3.71 - 3.77 (4 H, m), 3.93 (3 H, s), 3.95 - 4.03 (1 H, m), 4.20 (2 H, t, J=6.4 Hz), 5.05 (2 H, s), 5.47 (1 H, d, J=7.8 Hz), 6.88 (1 H, d, J=7.8 Hz), 7.69 (1 H, d, J=6.9 Hz), 7.75 (1 H, dd, J=7.8, 6.9 Hz), 7.97 (1 H, d, J=3.2 Hz), 8.74 (1 H, d, J=3.2 Hz).
【0164】
実施例A−14
2−[6−{3−クロロ−5−[(ジメチルアミノ)メチル]フェニル}−2−(2−メトキシピリジン−4−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]−N−イソプロピルアセトアミドの合成
【0165】
【化45】

工程A−14−1:2−[6−ブロモ−2−(2−メトキシピリジン−4−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリド[2,3−d]ピリミジン−3(2H)−イル]−N−イソプロピルアセトアミドの合成
工程A−1−3と同手法により、工程A−1−2で得られた化合物(2.77g)、2−メトキシイソニコチンアルデヒド(1.81g)を原料として、表題化合物(3.09g、淡茶色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 434, 436([M+H]+).
工程A−14−2:2−[6−ブロモ−2−(2−メトキシピリジン−4−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]−N−イソプロピルアセトアミドの合成
工程A−1−4と同手法により、工程A−14−1で得られた化合物(3.09g)を原料として、表題化合物(2.83g、淡黄色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 432, 434([M+H]+).
【0166】
工程A−14−3:2−[6−(3−クロロ−5−ホルミルフェニル)−2−(2−メトキシピリジン−4−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]−N−イソプロピルアセトアミドの合成
工程A−1−6と同手法により、工程A−14−2で得られた化合物(500mg)、工程A−1−5で得られた化合物(402mg)を原料として、表題化合物(462mg、橙色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 492([M+H]+).
工程A−14−4:2−[6−{3−クロロ−5−[(ジメチルアミノ)メチル]フェニル}−2−(2−メトキシピリジン−4−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]−N−イソプロピルアセトアミドの合成
工程A−1−7と同手法により、工程A−14−3で得られた化合物(300mg)、50%ジメチルアミン水溶液(0.1ml)を原料として、表題化合物(115mg、無色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 521([M+H]+).
1H-NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ (ppm) ; 1.00 (6 H, d, J=6.9 Hz), 2.21 (6 H, s), 3.51 (2 H, s), 3.75 - 3.82 (1 H, m), 3.92 (3 H, s), 4.48 (2 H, br. s.), 7.01 - 7.03 (1 H, m), 7.17 - 7.20 (1 H, m), 7.45 - 7.47 (1 H, m), 7.78 (1 H, s), 7.90 - 7.93 (1 H, m), 8.03 (1 H, d, J=7.8 Hz), 8.35 - 8.38 (1 H, m), 8.79 (1 H, d, J=2.3 Hz), 9.40 (1 H, d, J=2.8 Hz).
【0167】
実施例A−15
N−イソプロピル−2−[2−(2−メトキシピリジン−4−イル)−4−オキソ−6−[3−(ピペリジン−1−イル)プロポキシ]ピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]アセトアミドの合成
【0168】
【化46】


工程A−15−1:2−[6−ヒドロキシ−2−(2−メトキシピリジン−4−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]−N−イソプロピルアセトアミドの合成
工程A−11−1と同手法により、工程A−14−2で得られた化合物(1.50g)を原料として、表題化合物(553mg、褐色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 370([M+H]+).
工程A−15−2:2−[6−(3−クロロプロポキシ)−2−(2−メトキシピリジン−4−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]−N−イソプロピルアセトアミドの合成
工程A−11−2と同手法により、工程A−15−1で得られた化合物(400mg)、1−ブロモ−3−クロロプロパン(0.32ml)を原料として、表題化合物(301mg、淡茶色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 446([M+H]+).
工程A−15−3:N−イソプロピル−2−[2−(2−メトキシピリジン−4−イル)−4−オキソ−6−[3−(ピペリジン−1−イル)プロポキシ]ピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]アセトアミドの合成
工程A−11−3と同手法により、工程A−15−2で得られた化合物(100mg)、ピペリジン(0.07ml)を原料として、表題化合物(85mg、淡桃色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 495([M+H]+).
1H-NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ (ppm) ; 0.99 (6 H, d, J=6.4 Hz), 1.35 - 1.41 (2 H, m), 1.47 - 1.52 (4 H, m), 1.90 - 1.96 (2 H, m), 2.29 - 2.37 (4 H, m), 2.41 (2 H, t, J=7.1 Hz), 3.74 - 3.81 (1 H, m), 3.91 (3 H, s), 4.23 (2 H, t, J=6.4 Hz), 4.44 (2 H, br. s.), 6.98 (1 H, s), 7.13 - 7.15 (1 H, m), 7.92 (1 H, d, J=3.2 Hz), 7.99 (1 H, d, J=7.8 Hz), 8.34 (1 H, d, J=5.0 Hz), 8.75 (1 H, d, J=3.2 Hz).
【0169】
実施例A−16
2−{6−[3−(アゼパン−1−イル)プロポキシ]−2−(2−メトキシピリジン−4−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル}−N−イソプロピルアセトアミドの合成
【0170】
【化47】

工程A−11−3と同手法により、工程A−15−2で得られた化合物(100mg)、ヘキサメチレンイミン(0.08ml)を原料として、表題化合物(63mg、無色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 509([M+H]+).
1H-NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ (ppm) ; 0.99 (6 H, d, J=6.4 Hz), 1.51 - 1.61 (8 H, m), 1.88 - 1.94 (2 H, m), 2.57 - 2.63 (6 H, m), 3.74 - 3.81 (1 H, m), 3.91 (3 H, s), 4.24 (2 H, t, J=6.4 Hz), 4.44 (2 H, br. s.), 6.98 (1 H, s), 7.13 - 7.15 (1 H, m), 7.92 (1 H, d, J=3.2 Hz), 7.99 (1 H, d, J=7.3 Hz), 8.34 (1 H, d, J=5.0 Hz), 8.75 (1 H, d, J=3.2 Hz).
【0171】
実施例A−17
N−イソプロピル−2−[2−(2−メトキシピリジン−4−イル)−6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]アセトアミドの合成
【0172】
【化48】

工程A−11−3と同手法により、工程A−15−2で得られた化合物(100mg)、モルホリン(0.06ml)を原料として、表題化合物(92mg、淡黄色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 497([M+H]+).
1H-NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ (ppm) ; 0.99 (6 H, d, J=6.9 Hz), 1.92 - 1.98 (2 H, m), 2.34 - 2.41 (4 H, m), 2.45 (2 H, t, J=7.1 Hz), 3.56 - 3.60 (4 H, m), 3.74 - 3.81 (1 H, m), 3.91 (3 H, s), 4.25 (2 H, t, J=6.4 Hz), 4.44 (2 H, br. s.), 6.98 (1 H, s), 7.13 - 7.15 (1 H, m), 7.93 (1 H, d, J=3.2 Hz), 7.99 (1 H, d, J=7.8 Hz), 8.33 (1 H, d, J=5.0 Hz), 8.75 (1 H, d, J=3.2 Hz).
【0173】
実施例A−18
2−[6−{3−クロロ−5−[(メチルアミノ)メチル]フェニル}−2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]−N−イソプロピルアセトアミドの合成
【0174】
【化49】

工程A−2と同手法により、工程A−9−3で得られた化合物(362mg)を原料として、表題化合物(51.0mg、無色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 507 ([M+H]+).
1H-NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ (ppm) ; 0.94 (6 H, d, J=6.4 Hz), 2.29 (3 H, s), 3.67 - 3.73 (1 H, m), 3.75 (2 H, s), 3.90 (3 H, s), 4.97 (2 H, s), 7.04 (1 H, d, J=8.3 Hz), 7.48 - 7.50 (1 H, m), 7.52 (1 H, d, J=7.3 Hz), 7.82 - 7.84 (1 H, m), 7.88 - 7.89 (1 H, m), 7.92 (1 H, d, J=7.3 Hz), 7.95 (1 H, dd, J=8.3, 7.3 Hz), 8.81 (1 H, d, J=2.8 Hz), 9.41 (1 H, d, J=2.8 Hz).
【0175】
実施例A−19
N−イソプロピル−2−[2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−オキソ−6−(ピペリジン−4−イルオキシ)ピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]アセトアミドの合成
【0176】
【化50】

工程A−19−1:tert−ブチル 4−({3−[2−(イソプロピルアミノ)−2−オキソエチル]−2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロピリド[2,3−d]ピリミジン−6−イル}オキシ)ピペリジン−1−カルボキシラートの合成
工程A−11−1で得られた化合物(150mg)、ジャーナル オブ メディシナル ケミストリー 2006年2784頁記載の化合物:tert−ブチル 4−[(メチルスルホニル)オキシ]ピペリジン−1−カルボキシラート(340mg)、炭酸カリウム(281mg)、DMF(1ml)及びアセトニトリル(3mL)の混合物を100℃にて8時間攪拌した。反応混合物を放冷後、水及びIPEを加え氷冷下で30分間攪拌した。生じた固体を濾取し表題化合物(127mg、褐色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 553([M+H]+).
工程A−19−2:N−イソプロピル−2−[2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−オキソ−6−(ピペリジン−4−イルオキシ)ピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]アセトアミドの合成
工程A−19−1で得られた化合物(127mg)の1,4−ジオキサン(4ml)溶液に4M HCl/1,4−ジオキサン溶液(2ml)を加え室温で12時間攪拌した。NaOH水溶液を加えpH≒12としCHCl3にて抽出後、有機層を飽和食塩水にて洗浄した。有機層をNa2SO4にて乾燥した後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧下留去し表題化合物(89.9mg、薄褐色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 453([M+H]+).
1H-NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ (ppm) ; 0.93 (6 H, d, J=6.4 Hz), 1.47 - 1.56 (2 H, m), 1.95 - 2.02 (2 H, m), 2.58 - 2.66 (2 H, m), 2.94 - 3.01 (2 H, m), 3.64 - 3.73 (1 H, m), 3.88 (3 H, s), 4.68 - 4.74 (1 H, m), 4.92 (2 H, s), 7.00 (1 H, d, J=8.7 Hz), 7.44 (1 H, d, J=7.3 Hz), 7.88 (1 H, d, J=7.8 Hz), 7.91 (1 H, dd, J=7.8, 7.3 Hz), 7.96 (1 H, d, J=3.2 Hz), 8.74 (1 H, d, J=3.2 Hz).
【0177】
実施例A−20
2−{6−[(1−シクロペンチルピペリジン−4−イル)オキシ]−2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル}−N−イソプロピルアセトアミドの合成
【0178】
【化51】

工程A−19−2で得られた化合物(79.0mg)、シクロペンタノン(46.5μl)及び酢酸(50.0μl)のCHCl3(8ml)溶液に、氷冷化、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(117mg)を加え、室温にて16時間攪拌した。NaHCO3水溶液を加え、CHCl3にて抽出し、有機層を飽和食塩水にて洗浄し、Na2SO4にて乾燥した後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(クロマトレックスNH、移動相:CHCl3)にて精製し、得られた固体をEtOAc及びn−ヘキサンの混合溶媒(EtOAc/n−ヘキサン=1/2;v/v)で洗浄し表題化合物(57.2mg、無色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 521([M+H]+)
1H-NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ (ppm) ; 0.93 (6 H, d, J=6.4 Hz), 1.29 - 2.45 (15 H, m), 2.74 - 2.80 (2 H, m), 3.65 - 3.71 (1 H, m), 3.88 (3 H, s), 4.66 - 4.71 (1 H, m), 4.92 (2 H, s), 7.00 (1 H, d, J=8.3 Hz), 7.44 (1 H, d, J=6.4 Hz), 7.88 (1 H, d, J=7.3 Hz), 7.91 (1 H, dd, J=8.3, 6.4 Hz), 7.95 (1 H, d, J=3.2 Hz), 8.75 (1 H, d, J=3.2 Hz).
【0179】
実施例A−21
N−イソプロピル−2−[6−{3−メトキシ−5−[(メチルアミノ)メチル]フェニル}−2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]アセトアミドの合成
【0180】
【化52】

工程A−2と同手法により、工程A−10−3で得られた化合物(500mg)を原料として、表題化合物(192mg、薄黄色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 503 ([M+H]+).
1H-NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ (ppm) ; 0.94 (6 H, d, J=6.4 Hz), 2.30 (3 H, s), 3.67 - 3.74 (3 H, m), 3.87 (3 H, s), 3.90 (3 H, s), 4.97 (2 H, s), 7.01 (1 H, br. s.), 7.04 (1 H, d, J=8.3 Hz), 7.30 - 7.32 (1 H, m), 7.42 (1 H, br. s.), 7.52 (1 H, d, J=6.9 Hz), 7.92 (1 H, d, J=7.8 Hz), 7.95 (1 H, dd, J=8.3, 6.9 Hz), 8.76 (1 H, d, J=2.8 Hz), 9.39 (1 H, d, J=2.8 Hz).
【0181】
実施例A−22
2−{6−[3−(4−フルオロピペリジン−1−イル)プロポキシ]−2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル}−N−イソプロピルアセトアミドの合成
【0182】
【化53】

工程A−11−3と同手法により、工程A−11−2で得られた化合物(100mg)及び4−フルオロピペリジン 塩酸塩(157mg)を原料として、表題化合物(74.0mg、無色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 513([M+H]+)
1H-NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ (ppm) ; 0.93 (6 H, d, J=6.4 Hz), 1.64 - 1.76 (2 H, m), 1.79 - 1.91 (2 H, m), 1.95 (2 H, m), 2.26 - 2.37 (2 H, m), 2.41 - 2.61 (4 H, m), 3.68 (1 H, m), 3.88 (3 H, s), 4.25 (2 H, t, J=6.4 Hz), 4.67 - 4.78 (1 H, m), 4.93 (2 H, s), 7.00 (1 H, d, J=8.3 Hz), 7.45 (1 H, d, J=7.3 Hz), 7.85 - 7.94 (3 H, m), 8.76 (1 H, d, J=3.2 Hz).
【0183】
実施例A−23
2−{6−[3−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)プロポキシ]−2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル}−N−イソプロピルアセトアミドの合成
【0184】
【化54】

工程A−11−3と同手法により、工程A−11−2で得られた化合物(100mg)及び4,4−ジフルオロピペリジン 塩酸塩(177mg)を原料として、表題化合物(66.0mg、無色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 531([M+H]+)
1H-NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ (ppm) ; 0.93 (6 H, d, J=6.4 Hz), 1.78 - 2.09 (6 H, m), 2.40 - 2.48 (6 H, m), 3.68 (1 H, m), 3.88 (3 H, s), 4.26 (2 H, t, J=6.4 Hz), 4.93 (2 H, s), 7.01 (1 H, d, J=8.3 Hz), 7.45 (1 H, d, J=7.3 Hz), 7.65 - 8.06 (3 H, m), 8.76 (1 H, d, J=3.2 Hz).
【0185】
実施例A−24
N−tert−ブチル−2−[2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]アセトアミドの合成
【0186】
【化55】

工程A−24−1:N−tert−ブチル−2−[6−ヒドロキシ−2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]アセトアミドの合成
工程A−11−1と同手法により、工程A−7−2で得られた化合物(280mg)を原料として、表題化合物(222mg、褐色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 384 ([M+H]+).
工程A−24−2:N−tert−ブチル−2−[2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]アセトアミドの合成
工程A−24−1で得られた化合物(100mg)、3−モルホリノプロパノール(45.6μl)、トリフェニルホスフィン(103mg)及びTHF(2ml)の懸濁液に氷冷下にて2M DEADのトルエン溶液(178μl)を加え、室温で16時間攪拌した。反応溶媒を減圧下で濃縮し得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(SNAP KP−Sil、移動相:CHCl3/MeOH=100/0〜95/5;v/v)にて精製し表題化合物(130mg、褐色油状物)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 511 ([M+H]+).
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ (ppm) ; 1.24 (9 H, s), 2.02 - 2.08 (2 H, m), 2.45 - 2.51 (4 H, m), 2.55 (2 H, t, J=7.1 Hz), 3.71 - 3.76 (4 H, m), 3.94 (3 H, s), 4.16 - 4.25 (2 H, m), 5.08 (2 H, s), 5.38 (1 H, br. s.), 6.88 (1 H, d, J=7.3 Hz), 7.69 (1 H, d, J=7.3 Hz), 7.75 (1 H, dd, J=7.3 Hz), 7.96 (1 H, d, J=3.2 Hz), 8.73 (1 H, d, J=3.2 Hz).
【0187】
実施例A−25
N−イソプロピル−2−[2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−6−[3−(1,4−オキサゼパン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]アセトアミドの合成
【0188】
【化56】

工程A−11−3と同手法により、工程A−11−2で得られた化合物(100mg)及び1,4−オキサゼパン 塩酸塩(92.6mg)を原料として、表題化合物(67.0mg、無色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 511([M+H]+)
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ (ppm) ; 1.09 (6 H, d, J=6.4 Hz), 1.89 - 1.95 (2 H, m), 2.01 - 2.08 (2 H, m), 2.70 - 2.79 (6 H, m), 3.74 - 3.78 (2 H, m), 3.81 (2 H, t, J=6.2 Hz), 3.93 (3 H, s), 3.96 - 4.03 (1 H, m), 4.21 (2 H, t, J=6.2 Hz), 5.05 (2 H, s), 5.47 (1 H, d, J=7.8 Hz), 6.88 (1 H, d, J=8.3 Hz), 7.69 (1 H, d, J=6.9 Hz), 7.73 - 7.77 (1 H, m), 7.96 (1 H, d, J=3.2 Hz), 8.74 (1 H, d, J=3.2 Hz).
【0189】
実施例A−26
N−イソプロピル−2−[2−(6−メチルピリジン−2−イル)−6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]アセトアミドの合成
【0190】
【化57】

工程A−26−1:2−アミノ−5−ヒドロキシ−N−[2−(イソプロピルアミノ)−2−オキソエチル]ニコチンアミドの合成
工程A−1−3で得られた化合物(55.2g)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ−1,3,2−ジオキサボロラン(48.9g)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(2.41g)、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’,4’,6’−トリ−I−プロピル−1,1’−ビフェニル(5.01g)及びAcOK(51.5g)の1,4−ジオキサン(350ml)懸濁液を窒素雰囲気下110℃にて50分間加熱攪拌した。放冷後、CHCl3及びMeOH(2:1)を加えセライトで不溶物をろ別し、母液を減圧下で濃縮した。得られた残渣のTHF(880ml)懸濁液に氷冷下でNaOH(15.4g)及び30%過酸化水素水(19.5ml)を加え室温で数分攪拌後にTHF(880ml)を加え4日間攪拌した。反応液に氷冷下でチオ硫酸ナトリウム5水和物(4.34g)を加えた後に室温で1時間撹拌し、反応溶媒を減圧下で留去した。残渣にEtOH及びMeOH(1:1)を加え混合物を室温で1時間攪拌し、不溶物を濾別した。母液を減圧下で濃縮し、残渣にEtOAcを加え50分間攪拌した。固体をろ取し、カラムクロマトグラフィー(クロマトレックスNH、移動相:CHCl3/MeOH=90/10〜80/20;v/v))にて精製した。粗精製物をMeOH(300ml)及びEtOH(300ml)に溶解しNH4Clを加え15分間攪拌した。不溶物をろ別し、母液を減圧下で濃縮し、カラムクロマトグラフィー(クロマトレックスNH、移動相:CHCl3/MeOH=80/20;v/v))にて精製した。粗精製物にEt2Oを加え20分間加熱還流した後に放冷し、固体をろ取し表題化合物(22.1g、茶褐色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 253 ([M+H]+).
【0191】
工程A−26−2:2−アミノ−N−[2−(イソプロピルアミノ)−2−オキソエチル]−5−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]ニコチンアミドの合成
工程A−26−1で得られた固体(22.1g)と3−(モルホリン−4−イル)プロパン−1−オール(14.0g)のTHF(870ml)溶液に氷冷下でシアノメチレントリブチルホスホラン(40.7g)のTHF(90ml)溶液を加え、室温で11時間攪拌した。反応溶媒を減圧下で濃縮し、得られた残渣にEtOAc(440ml)、H2O(440ml)を加えた後に氷冷下で濃塩酸(18.2ml)を加え分液した。水層をEtOAc(440ml)で2回洗浄後にCHCl3及びMeOH(5:1)混合溶媒(440ml)を加えた後に、氷冷下でNaOH(10.5g)を加えた。分液後に水層をCHCl3及びMeOH(5:1)混合溶媒(440ml)で2回、CHCl3及びMeOH(3:1)混合溶媒(440ml)で1回抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥した後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣を、カラムクロマトグラフィー(SNAP KP−NH、移動相:CHCl3/MeOH=100/0〜98/2;v/v)にて精製し表題化合物(3.34g、淡褐色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 380 ([M+H]+).
【0192】
工程A−26−3:N−イソプロピル−2−[2−(6−メチルピリジン−2−イル)−6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリド[2,3−d]ピリミジン−3(2H)−イル]アセトアミドの合成
工程A−26−2で得られた化合物(55mg)、6−メチルピリジン−2−カルバルデヒド(24mg)、酢酸(2滴)、EtOH(1.5ml)の溶液を密閉容器中、外温100℃にて18時間撹拌した。室温に戻した後に、減圧下溶媒を留去し、表題化合物(75mg、茶色油状物)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 483([M+H]+).
【0193】
工程A−26−4:N−イソプロピル−2−[2−(6−メチルピリジン−2−イル)−6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]アセトアミドの合成
工程A−26−3で得られた化合物(75mg)、MnO2(275mg)、CHCl3(3ml)の懸濁液を2時間還流した。反応混合物を放冷後にMnO2(550mg)を追加し、4時間還流した。反応混合物をセライト濾過し、母液を減圧下濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(SNAP KP−Sil、移動相:CHCl3/MeOH=98/2〜90/10;v/v)、カラムクロマトグラフィー(SNAP KP−NH、移動相:CHCl3)にて精製し、得られた固体をEtOAcにて再結晶を行い、表題化合物(18mg、無色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 481([M+H]+).
1H-NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ (ppm) ; 0.92 (6 H, d, J=6.4 Hz), 1.93 - 1.99 (2 H, m), 2.34 - 2.42 (4 H, m), 2.44 - 2.48 (2 H, m), 2.54 (3 H, s), 3.56 - 3.61 (4 H, m), 3.64 - 3.70 (1 H, m), 4.24 - 4.28 (2 H, m), 4.93 (2 H, s), 7.42 (1 H, d, J=8.3 Hz), 7.65 (1 H, d, J=7.3 Hz), 7.86 (1 H, d, J=7.8 Hz), 7.90 (1 H, t, J=7.6 Hz), 7.94 (1 H, d, J=3.2 Hz), 8.75 (1 H, d, J=3.2 Hz).
【0194】
実施例A−27
N−イソプロピル−2−[2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]アセトアミド塩酸塩の合成
【0195】
【化58】

工程A−13で得られた化合物(160mg)のEtOAc(3.2ml)懸濁液に4M HCl/EtOAc溶液(403μl)を加え室温で終夜攪拌した。析出物を濾取、EtOAcで洗浄し表題化合物(160mg、茶色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 497 ([M+H]+).
1H-NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ (ppm) ; 0.92 (6 H, d, J=6.9 Hz), 2.19 - 2.27 (2 H, m), 3.08 - 3.18 (2 H, m), 3.48 - 3.55 (2 H, m), 3.63 - 3.72 (4 H, m), 3.88 (3 H, s), 3.97 - 4.06 (3 H, m), 4.29 - 4.35 (2 H, m), 4.93 (2 H, s), 7.01 (1 H, d, J=9.2 Hz), 7.44 (1 H, d, J=7.3 Hz), 7.87 - 7.94 (2 H, m), 7.98 (1 H, d, J=3.2 Hz), 8.77 (1 H, d, J=3.2 Hz).
【0196】
実施例A−28
2−{6−[3−(4−フルオロピペリジン−1−イル)プロポキシ]−2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル}−N−イソプロピルアセトアミド塩酸塩の合成
【0197】
【化59】

工程A−22で得られた化合物(40.0mg)のEtOAc(400μl)懸濁液に4M HCl/EtOAc溶液(47μl)を加え室温で終夜攪拌した。析出物を濾取、EtOAcで洗浄し表題化合物(41.0mg、無色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 513 ([M+H]+).
1H-NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ (ppm) ; 0.93 (6 H, d, J=6.4 Hz), 1.93 - 2.31 (6 H, m), 3.03 - 3.62 (5 H, m), 3.64 - 3.73 (1 H, m), 3.89 (3 H, s), 4.29 - 4.36 (2 H, m), 4.76 - 5.08 (4 H, m), 7.01 (1 H, d, J=8.7 Hz), 7.44 (1 H, d, J=7.3 Hz), 7.90 - 7.94 (2 H, m), 7.98 (1 H, d, J=3.2 Hz), 8.77 (1 H, d, J=3.2 Hz).
【0198】
実施例A−29
N−tert−ブチル−2−[2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]アセトアミド塩酸塩の合成
【0199】
【化60】

工程A−24−2で得られた化合物(96.9mg)のEtOAc(1.86ml)懸濁液に4M HCl/EtOAc溶液(142μl)を加え室温で終夜攪拌した。析出物を濾取、EtOAcで洗浄し表題化合物(71.0mg、薄褐色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 511 ([M+H]+).
1H-NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ (ppm) ; 1.09 (9 H, s), 2.22 - 2.27 (2 H, m), 3.09 - 3.15 (2 H, m), 3.32 - 3.36 (2 H, m), 3.48 - 3.53 (2 H, m), 3.68 - 3.75 (2 H, m), 3.91 (3 H, s), 3.98 - 4.02 (2 H, m), 4.31 - 4.35 (2 H, m), 4.98 (2 H, s), 7.00 - 7.02 (1 H, m), 7.41 (1 H, dd, J=7.3, 0.9 Hz), 7.67 (1 H, br. s.), 7.91 (1 H, dd, J=8.3, 7.3 Hz), 7.99 (1 H, d, J=3.2 Hz), 8.77 (1 H, d, J=3.2 Hz).
【0200】
実施例A−30
N−イソプロピル−2−[2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−6−[3−(1,4−オキサゼパン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]アセトアミド塩酸塩の合成
【0201】
【化61】

工程A−26で得られた化合物(48.0mg)のEtOAc(480μl)懸濁液に4M HCl/EtOAc溶液(56μl)を加え室温で終夜攪拌した。析出物を濾取、EtOAcで洗浄し表題化合物(49.0mg、黄色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 511 ([M+H]+).
1H-NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ (ppm) ; 0.93 (6 H, d, J=6.4 Hz), 2.00 - 2.30 (4 H, m), 3.22 - 3.60 (6 H, m), 3.64 - 3.88 (5 H, m), 3.89 (3 H, s), 4.33 (2 H, t, J=6.2 Hz), 4.94 (2 H, s), 7.01 (1 H, d, J=8.3 Hz), 7.44 (1 H, d, J=7.3 Hz), 7.89 - 7.94 (2 H, m), 7.98 (1 H, d, J=3.2 Hz), 8.78 (1 H, d, J=3.2 Hz).
【0202】
以下に示す実施例A−31からA−45の化合物は実施例A−11−3に記載した方法に準じて合成した。
実施例A−31:2−{6−[3−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)プロポキシ]−2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル}−N−イソプロピルアセトアミド
実施例A−32:2−{6−[3−(3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−イル)プロポキシ]−2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル}−N−イソプロピルアセトアミド
実施例A−33:N−イソプロピル−2−[2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−オキソ−6−[3−(チオモルホリン−4−イル)プロポキシ]ピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]アセトアミド
実施例A−34:N−イソプロピル−2−{6−[3−(4−メトキシピペリジン−1−イル)プロポキシ]−2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル}アセトアミド
実施例A−35:2−[6−{3−[エチル(2−メトキシエチル)アミノ]プロポキシ}−2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]−N−イソプロピルアセトアミド
実施例A−36:N−イソプロピル−2−[6−{3−[(2−メトキシエチル)(メチル)アミノ]プロポキシ}−2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]アセトアミド
実施例A−37:2−{6−[3−(4−シアノピペリジン−1−イル)プロポキシ]−2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル}−N−イソプロピルアセトアミド
実施例A−38:2−{6−[3−(3−ヒドロキシピペリジン−1−イル)プロポキシ]−2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル}−N−イソプロピルアセトアミド
実施例A−39:N−イソプロピル−2−[6−{3−[(2S)−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]プロポキシ}−2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]アセトアミド
実施例A−40:2−[6−{3−[(3R)−3−フルオロピロリジン−1−イル]プロポキシ}−2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]−N−イソプロピルアセトアミド
実施例A−41:2−{6−[3−(3,3−ジフルオロピペリジン−1−イル)プロポキシ]−2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル}−N−イソプロピルアセトアミド
実施例A−42:2−{6−[3−(3−フルオロピペリジン−1−イル)プロポキシ]−2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル}−N−イソプロピルアセトアミド
実施例A−43:2−{6−[3−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)プロポキシ]−2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル}−N−イソプロピルアセトアミド
実施例A−44:2−{6−[3−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)プロポキシ]−2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル}−N−イソプロピルアセトアミド
実施例A−45:2−{6−[3−(4−エトキシピペリジン−1−イル)プロポキシ]−2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル}−N−イソプロピルアセトアミド
【0203】
実施例A−31からA−45の1H−NMR、MSの測定結果を表1−1〜表1−3に示す。
【0204】
【表1−1】

【0205】
【表1−2】

【0206】
【表1−3】

【0207】
以下に示す、実施例A−46からA−64の化合物は実施例A−26−3、A−26−4に記載した方法に準じて合成した。
実施例A−46:N−イソプロピル−2−[2−(5−メトキシピリジン−3−イル)−6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]アセトアミド
実施例A−47:N−イソプロピル−2−[2−(5−メチルイソオキサゾール−3−イル)−6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]アセトアミド
実施例A−48:2−[2−(1H−インドール−3−イル)−6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]−N−イソプロピルアセトアミド
実施例A−49:N−イソプロピル−2−[2−(1−メチル−1H−インドール−2−イル)−6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]アセトアミド
実施例A−50:2−[2−(1H−インドール−6−イル)−6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]−N−イソプロピルアセトアミド
実施例A−51:2−{2−シクロヘキシル−6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル}−N−イソプロピルアセトアミド
実施例A−52:2−{2−[6−(ジメチルアミノ)ピリジン−2−イル]−6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル}−N−イソプロピルアセトアミド
実施例A−53:N−イソプロピル−2−[2−(4−メトキシピリジン−2−イル)−6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]アセトアミド
実施例A−54:N−イソプロピル−2−[2−(4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル)−6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]アセトアミド
実施例A−55:2−[2−(1−ベンゾフラン−2−イル)−6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]−N−イソプロピルアセトアミド
実施例A−56:2−[2−(6−エトキシピリジン−2−イル)−6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]−N−イソプロピルアセトアミド
実施例A−57:2−[2−(6−クロロピリジン−2−イル)−6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]−N−イソプロピルアセトアミド
実施例A−58:N−イソプロピル−2−{6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソ−2−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]ピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル}アセトアミド
実施例A−59:N−イソプロピル−2−{6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソ−2−(キノリン−2−イル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル}アセトアミド
実施例A−60:2−[2−(5−クロロ−2−チエニル)−6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]−N−イソプロピルアセトアミド
実施例A−61:2−[2−(5−クロロ−2−フリル)−6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]−N−イソプロピルアセトアミド
実施例A−62:N−イソプロピル−2−[2−(5−メチル−2−フリル)−6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]アセトアミド
実施例A−63:N−イソプロピル−2−{6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソ−2−(2−チエニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル}アセトアミド
実施例A−64:N−イソプロピル−2−{6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソ−2−(3−チエニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル}アセトアミド
【0208】
実施例A−46からA−64の1H−NMR、MSの測定結果を表2−1〜表2−3に示す。
【0209】
【表2−1】

【0210】
【表2−2】

【0211】
【表2−3】

【0212】
実施例A−65
2−[2−(4−ブロモ−5−フルオロ−6−メチルピリジン−2−イル)−6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]−N−イソプロピルアセトアミドの合成
【0213】
【化62】

工程A−65−1:4−ブロモ−5−フルオロ−6−メチルピリジン−2−カルバルデヒドの合成
窒素雰囲気下、6−ブロモ−3−フルオロ−2−メチルピリジン(3.0g)のTHF(50ml)溶液に、n−ブチルリチウム(7.3mL、2.6Mヘキサン溶液)を−78度で5分かけ滴下した。−78度で1時間攪拌した後、DMF(1.73g)を−78度で加え、−78度で1時間撹拌した。塩化アンモニウム飽和水溶液を加えた後、EtOAc抽出した。合わせた有機層を水洗浄後Na2SO4乾燥し、乾燥剤を濾別した。濾液を減圧下濃縮し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60N、移動相:n−ヘキサン/EtOAc=100/0〜80/20;v/v)にて精製し、表題化合物(1.8g、薄黄色油状物)を得た。
MS (ES pos.) m/z : 217([M]+)
工程A−65−2:2−[2−(4−ブロモ−5−フルオロ−6−メチルピリジン−2−イル)−6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]−N−イソプロピルアセトアミドの合成
工程A−26−3、A−26−4と同手法により、工程A−26−2で得られた化合物(150mg)と工程A−66−1(110mg)を原料として、表題化合物(75.0mg、淡黄色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 577([M+H]+)
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ (ppm) ; 1.08 - 1.19 (6 H, m), 1.98 - 2.12 (2 H, m), 2.41 - 2.61 (9 H, m), 3.66 - 3.80 (4 H, m), 3.93 - 4.17 (2 H, m), 4.17 - 4.26 (2 H, m), 4.83 - 5.02 (1 H, m), 5.40 - 5.51 (1 H, m), 7.58 - 7.67 (1 H, m), 7.91 - 7.99 (1 H, m), 8.72 - 8.76 (1 H, m).
【0214】
実施例A−66
2−[2−(5−フルオロ−6−メチルピリジン−2−イル)−6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]−N−イソプロピルアセトアミドの合成
【0215】
【化63】

工程A−65−2で得られた化合物(46mg)及び10%Pd/C(4.2mg)のMeOH(5mL)溶液を水素雰囲気下、室温で、3時間撹拌した。不溶物をセライト濾別、濾液を減圧下濃縮し、得られた残渣をクロマトレックスNH、移動相:CHCl3/MeOH=100/0〜90/10;v/v)にて精製し、表題化合物(16mg、無色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 499([M+H]+)
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ (ppm) ; 1.00 - 1.21 (6 H, m), 1.97 - 2.13 (2 H, m), 2.41 - 2.51 (4 H, m), 2.52 - 2.59 (2 H, m), 2.61 (3 H, d, J=3.2 Hz), 3.66 - 3.82 (4 H, m), 3.92 - 4.05 (1 H, m), 4.06 - 4.17 (1 H, m), 4.21 (2 H, t, J=6.4 Hz), 4.66 - 5.11 (1 H, m), 5.46 (1 H, d, J=8.3 Hz), 7.40 - 7.49 (1 H, m), 7.96 (1 H, d, J=3.2 Hz), 8.41 - 8.47 (1 H, m), 8.74 (1 H, d, J=3.2 Hz).
【0216】
実施例A−67
2−[2−(5−フルオロ−6−メトキシピリジン−2−イル)−6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]−N−イソプロピルアセトアミドの合成
【0217】
【化64】

工程A−67−1:5−フルオロピリジン−2−カルボニトリル 1−オキシドの合成
5−フルオロピリジン−2−カルボニトリル(12.8g)及び3−クロロ過安息香酸(55.6g)のCHCl3(300ml)溶液を9時間加熱還流した。反応液に氷冷下でチオ硫酸ナトリウム水溶液加えた後に室温で2時間撹拌し、水層をCHCl3抽出した。合わせた有機層を、水、飽和NaHCO3水溶液、水で順次洗浄後Na2SO4乾燥し、乾燥剤を濾別した。濾液を減圧下濃縮し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60N、移動相:CHCl33/MeOH=100/0〜50/50;v/v)にて精製し、表題化合物(920mg、無色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 139([M+H]+).
【0218】
工程A−67−2:5−フルオロ−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−2−カルボニトリルの合成
工程A−67−1で得られる化合物(920mg)の無水酢酸(60ml)溶液を20時間、175度で加熱した。放冷後、反応液を減圧下濃縮し、得られた残渣に水とEtOAcを加え分液し、水層をEtOAc抽出した。合わせた有機層を、水、飽和NaHCO3水溶液、水で順次洗浄後Na2SO4乾燥し、乾燥剤を濾別した。濾液を減圧下濃縮し、アセチル化合物(1.2g、薄茶色油状物)を得た。得られた化合物(1.2g)及びK2CO3のMeOH(60ml)を室温下2時間攪拌した。不溶物を濾取、減圧下濃縮し、得られた残渣に水とEtOAcを加えた。水層をpH6に1MHCl水溶液で調整した後分液し、水層をEtOAc抽出した。合わせた有機層を水で順次洗浄後Na2SO4乾燥し、乾燥剤を濾別した。濾液を減圧下濃縮し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60N、移動相:CHCl33/MeOH=100/0〜50/50;v/v)にて精製し、表題化合物(550mg、薄黄色固体)を得た。
MS (ESI neg.) m/z : 137([M-H]-).
【0219】
工程A−67−3:5−フルオロ−6−メトキシピリジン−2−カルボニトリルの合成
工程A−67−2で得られる化合物(550mg)、ヨウ化メチル(1.70g)及び炭酸銀(2.20g)のCHCl3(10ml)溶液を6時間、55度で加熱撹拌した。放冷後、不溶物を濾別、濾液を減圧下濃縮し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60N、移動相:n−ヘキサン/EtOAc=100/0〜50/50;v/v)にて精製し、表題化合物(162mg、無色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 153([M+H]+).
【0220】
工程A−67−4:5−フルオロ−6−メトキシピリジン−2−カルバルデヒドの合成
窒素雰囲気下、工程A−67−2で得られる化合物(162mg)のギ酸(5ml)溶液に、ラネーニッケルの懸濁水溶液を順次加えた後、徐々に室温に上げ、原料が消失するまで室温下攪拌した。不溶物を濾別し、濾液に水とEtOAcを加え分液し、水層をEtOAc抽出した。合わせた有機層を水洗浄後Na2SO4乾燥し、乾燥剤を濾別した。濾液を減圧下濃縮し、表題化合物(38mg、無色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 156([M+H]+).
工程A−67−5:2−[2−(5−フルオロ−6−メトキシピリジン−2−イル)−6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]−N−イソプロピルアセトアミドの合成
工程A−26−3、A−26−4と同手法により、工程A−26−2で得られた化合物(70.0mg)と工程A−67−5(37.0mg)を原料として、表題化合物(11.0mg、無色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 515([M+H]+).
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ (ppm) ; 1.15 (3 H, d, J=6.4 Hz), 1.16 (3 H, d, J=6.9 Hz), 2.01 - 2.10 (2 H, m), 2.42 - 2.60 (6 H, m), 3.53 (3 H, s), 3.69 - 3.77 (4 H, m), 3.97 - 4.07 (1 H, m), 4.21 (2 H, t, J=6.4 Hz), 4.28 - 4.36 (1 H, m), 4.77 - 4.84 (1 H, m), 5.70 - 5.76 (1 H, m), 6.34 - 6.43 (1 H, m), 7.11 - 7.17 (1 H, m), 7.96 (1 H, d, J=3.2 Hz), 8.76 (1 H, d, J=3.2 Hz).
【0221】
実施例B−1
N−イソプロピル−2−[2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソピリド[3,4−d]ピリミジン−3(4H)−イル]アセトアミドの合成
【0222】
【化65】

工程B−1−1:5−アミノ−2−クロロ−N−{2−[(1−メチルエチル)アミノ]−2−オキソエチル}ピリジン−4−カルボキサミドの合成
窒素雰囲気下、氷冷却下5−アミノ−2−クロロピリジン−4−カルボン酸(9.95g)のDMF(200ml)溶液に、N−(1−メチルエチル)グリシンアミド(8.04g)、Et3N(11.7g)、HOBt・H2O(11.7g)、およびEDC・HCl(13.3g)を順次加えた後、室温下16.5時間攪拌した。反応液に飽和NaHCO3水溶液、EtOAcを加え分液し、水層をEtOAc抽出した。合わせた有機層をbrine洗浄後MgSO4乾燥し、乾燥剤を濾別した。濾液を減圧下濃縮し、表題化合物(12.1g、茶色油状物)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 271([M+H]+), (ESI neg.) m/z : 269([M-H]-)
【0223】
工程B−1−2:2−[6−クロロ−2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリド[3,4−d]ピリミジン−3(2H)−イル]−N−イソプロピルアセトアミドの合成
工程B−1−1で得られる化合物(1.00g)、6−メトキシピリジン−2−カルバルデヒド(1.71g)、酢酸(1.11g)のEtOH(20ml)溶液を8時間加熱還流した(副生する水はMS4Aでトラップした)。放冷後、反応液を減圧下濃縮し、得られた残渣にEt2O(100ml)を加えた後室温下1時間攪拌した。不溶物を濾取することにより表題化合物(1.35g、黄色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 390, 392([M+H]+)
【0224】
工程B−1−3:2−[6−クロロ−2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−オキソピリド[3,4−d]ピリミジン−3(4H)−イル]−N−イソプロピルアセトアミドの合成
工程B−1−2で得られる化合物(1.35g)、MnO2(3.03g)、CHCl3(25mL)、THF(25ml)及びDMF(1ml)の懸濁液を5時間還流した。反応混合物を放冷後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をEt2Oから結晶化し、表題化合物(1.10g、淡黄色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 388, 390([M+H]+)
【0225】
工程B−1−4:N−イソプロピル−2−[2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソピリド[3,4−d]ピリミジン−3(4H)−イル]アセトアミドの合成
工程B−1−3で得られる化合物(700mg)、3−ピペリジン−1−イルプロパン−1−オール(524mg)、酢酸パラジウム(II)(40.5mg)、rac−2−(ジ−t−ブチルホスフィノ)−1,1‘−ビナフチル(90.0mg)、無水炭酸セシウム(2.35g)、1,4−ジオキサン(10ml)の混合物を130℃で3時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィーカラムクロマトグラフィー、(シリカゲル60、移動相:CHCl3/MeOH=100/0〜90/10;v/v)、(クロマトレックスNH、移動相:CHCl3/MeOH=100/0〜90/10;v/v)にて精製し得られた固体をEtOAcにて洗浄して、表題化合物 240mg(淡黄色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 497([M+H]+)
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ (ppm) ; 1.08 (6 H, d, J=6.9 Hz), 1.99 - 2.06 (2 H, m), 2.45 - 2.58 (6 H, m), 3.70 - 3.76 (4 H, m), 3.93 (3 H, s), 3.94 - 4.00 (1 H, m), 4.45 (2 H, t, J=6.4 Hz), 4.93 (2 H, s), 5.42 (1 H, d, J=7.3 Hz), 6.88 (1 H, d, J=8.3 Hz), 7.49 (1 H, s), 7.50 - 7.53 (1 H, m), 7.74 - 7.78 (1 H, m), 8.83 (1 H, s).
【0226】
実施例B−2
N−イソプロピル−2−[2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソピリド[3,4−d]ピリミジン−3(4H)−イル]アセトアミド塩酸塩の合成
【0227】
【化66】

工程B−1−4で得られた化合物(240mg)に4M HCl/EtOAc溶液(3.0ml)を加え室温で1時間攪拌した。析出物を濾取し表題化合物(98mg、無色個体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 497([M+H]+).
1H-NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ (ppm) ; 0.92 (6 H, d, J=6.4 Hz), 2.15 - 2.26 (2 H, m), 3.05 - 3.16 (2 H, m), 3.27 - 3.36 (2 H, m), 3.47 - 3.53 (2 H, m), 3.63 - 3.73 (3 H, m), 3.85 - 3.90 (3 H, m), 3.95 - 4.02 (2 H, m), 4.43 - 4.52 (2 H, m), 4.89 (2 H, s), 7.00 (1 H, d, J=7.8 Hz), 7.35 - 7.43 (2 H, m), 7.84 - 7.93 (2 H, m), 8.86 (1 H, s).
【0228】
実施例C−1
N−イソプロピル−2−[2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソピリド[3,2−d]ピリミジン−3(4H)−イル]アセトアミドの合成
【0229】
【化67】

工程C−1−1:3−アミノ−6−クロロ−N−{2−[(1−メチルエチル)アミノ]−2−オキソエチル}ピリジン−2−カルボキサミドの合成
化合物3−アミノ−6−クロロピリジン−2−カルボン酸 塩酸塩(5.00g)、N−(1−メチルエチル)グリシンアミド(4.06g)、HOBt・H2O(5.91g)及びトリエチルアミン(8.83g)のDMF(30mL)懸濁液に、氷冷下、EDC・HCl(6.69g)を加え、25℃にて15時間攪拌した。反応混合物に重曹水を加え、EtOAcで抽出した。有機層を水及び飽和食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥した後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をCHCl3中で結晶化した後、濾取し、表題化合物(1.51g、無色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 271 ([M+H]+)
工程C−1−2:2−[6−クロロ−2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリド[3,2−d]ピリミジン−3(2H)−イル]−N−イソプロピルアセトアミドの合成
工程C−1−1で得られる化合物(5.00g)、6−メトキシピリジン−2−カルバルデヒド(5.07g)、酢酸(5.55g)のEtOH(100ml)溶液を10時間加熱還流した(副生する水はMS4Aでトラップした)。放冷後、反応液を減圧下濃縮することにより表題化合物を含む粗体(11.2g、黄色半固形物質)を得た。
【0230】
工程C−1−3:2−[6−クロロ−2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−オキソピリド[3,2−d]ピリミジン−3(4H)−イル]−N−イソプロピルアセトアミドの合成
工程C−1−2で得られる化合物(11.2g:粗体)、MnO2(20.4g)のTHF(100ml)−DMF(100ml)懸濁液を5時間加熱還流した。不溶物を加熱時濾過することにより濾別し、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、移動相:CHCl3/MeOH/NH4OH=99/1/0.1〜95/5/0.5;v/v/v)にて精製し、得られた固体をEt2Oから結晶化し、表題化合物(3.97g、無色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 388, 390([M+H]+)
【0231】
工程C−1−4:N−イソプロピル−2−[2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソピリド[3,2−d]ピリミジン−3(4H)−イル]アセトアミドの合成
工程C−1−3で得られる化合物(300mg)、3−ピペリジン−1−イルプロパン−1−オール(224mg)、酢酸パラジウム(II)(17.4mg)、rac−2−(ジ−t−ブチルホスフィノ)−1,1‘−ビナフチル(38.6mg)、無水炭酸セシウム(1.01g)、1,4−ジオキサン(5ml)の混合物を130℃で5時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィーカラムクロマトグラフィー、(シリカゲル60、移動相:CHCl3/MeOH=100/0〜90/10;v/v)、(クロマトレックスNH、移動相:CHCl3/MeOH=100/0〜90/10;v/v)にて精製し得られた固体をEtOAcにて洗浄して、表題化合物(52mg、淡黄色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 497([M+H]+)
1H-NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ (ppm) ; 0.93 (6 H, d, J=6.9 Hz), 1.92 - 1.99 (2 H, m), 2.35 - 2.47 (6 H, m), 3.56 - 3.61 (4 H, m), 3.64 - 3.73 (1 H, m), 3.87 (3 H, s), 4.45 (2 H, t, J=6.6 Hz), 4.88 - 4.92 (2 H, m), 6.99 (1 H, d, J=8.3 Hz), 7.33 (1 H, d, J=8.7 Hz), 7.39 (1 H, d, J=7.3 Hz), 7.85 - 7.91 (2 H, m), 8.07 (1 H, d, J=8.7 Hz).
【0232】
実施例C−2
N−イソプロピル−2−[2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソピリド[3,2−d]ピリミジン−3(4H)−イル]アセトアミド 塩酸塩の合成
【0233】
【化68】

工程C−1−4で得られた化合物(100mg)のEtOAc(2ml)懸濁液に4M HCl/EtOAc溶液(0.11ml)を加え室温で終夜攪拌した。析出物を濾取し表題化合物(106mg、無色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 497([M+H]+).
1H-NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ (ppm) ; 0.93 (6 H, d, J=6.4 Hz), 2.20 - 2.27 (2 H, m), 3.06 - 3.14 (2 H, m), 3.32 - 3.35 (2 H, m), 3.51 - 3.56 (2 H, m), 3.64 - 3.75 (3 H, m), 3.87 (3 H, s), 3.97 - 4.02 (2 H, m), 4.50 - 4.54 (2 H, m), 4.91 (2 H, s), 7.00 (1 H, d, J=7.8 Hz), 7.35 (1 H, d, J=8.7 Hz), 7.39 (1 H, d, J=7.3 Hz), 7.87 - 7.92 (2 H, m), 8.12 (1 H, d, J=8.7 Hz), 10.03 - 10.10 (1 H, m).
【0234】
試験例1
1)V1b受容体結合試験
ヒトV1b受容体発現細胞由来の各粗膜標品の調製とそれを用いた受容体結合実験は、Br. J. Pharmacol. (1998) 125, 1463-1470.の方法に準じて行った。方法の概略を以下に示す。
ヒトV1b受容体を発現する293FT細胞を、50mmol/Lトリス塩酸緩衝液(pH7.4, 含10mmol/L塩化マグネシウム)中でホモジナイズした。得られたホモジネートを50,000×g、4℃で20分間遠心分離し、沈査を50mmol/Lトリス塩酸緩衝液(pH7.4, 含10mmol/L塩化マグネシウム、0.1%ウシ血清アルブミン)に再懸濁して、粗膜標品とした。この粗膜標品に[3H](Arg8)−バソプレッシン(最終濃度0.4nmol/L)及び各被検薬(最終濃度0.1nmol/L〜1μmol/L)を添加し、室温で60分間反応させた。反応終了後、反応溶液を0.3%ポリエチレンイミンに2時間浸透させたGF/Cガラス繊維フィルターを用いて吸引濾過した。このGF/Cガラス繊維フィルターを十分に乾燥させてシンチレーターを加えた後、液体シンチレーションカウンターを用いてフィルター上の放射活性を測定した。5μmol/Lの(Arg8)−バソプレッシン存在下における[3H](Arg8)−バソプレッシンの結合を非特異的結合とし、(Arg8)−バソプレッシン非存在下での総結合から非特異的結合を差し引いたものを特異的結合とした。各化合物濃度での抑制曲線を元に、被検薬の50%阻害濃度(IC50値)を算出した。その結果を表3に示す。
【0235】
【表3】


試験例2
1)V1b受容体拮抗作用測定
poly−L−lysineコーティングプレートで培養したヒトV1b受容体発現CHO細胞より培地を除いた後、HBSS溶液(pH 7.4、含10mmol/L HEPES、0.1% ウシ血清アルブミン、1.25mmol/L probenecid、0.02% Pluronic F−127、1.5μmol/L Fluo−4−AM)を添加し、CO2インキュベーター内で1時間保温した。上記のHBSS溶液を除いた後、各濃度の被検化合物を含むHBSS溶液(pH 7.4、含10mmol/L HEPES、0.1% ウシ血清アルブミン、1.25mmol/L probenecid、0.25g/L Amaranth)を加え、CO2インキュベーター内で30分間間反応させた。反応終了後、2.5nmol/Lの(Arg8)−バソプレッシンを含むHBSS溶液(pH 7.4、含10mmol/L HEPES、0.1% ウシ血清アルブミン、1.25mmol/L probenecid、0.25g/L Amaranth)を添加し、2.5nmol/Lの(Arg8)−バソプレッシン刺激により得られる蛍光の最大反応値をFunctional Drug Screening System(浜松ホトニクス社)を用いて測定した。被検化合物および(Arg8)−バソプレッシン刺激を加えなかったときの反応値を0%、被検化合物を加えず(Arg8)−バソプレッシン刺激のみを加えたときの反応値を100%として各化合物の反応阻害曲線を作成し、それを元に被検化合物の50%阻害濃度(IC50値)を算出した。その結果を表4に示す。
【0236】
【表4】



試験例3:ラット分布試験
Crl:CD(SD)ラットに、実施例A−27、A−28、A−29及びB−2の化合物を単回経口投与し(フリー体としてそれぞれ3.00mg/kg)、投与2,24時間後の血漿、下垂体及び精巣中未変化体濃度を測定した。定量には高速液体クロマトグラフィ/タンデム質量分析計(LC−MS/MS)を用いた。その結果を表5、6、7及び8に示す。実施例A−27、A−28、A−29及びB−2のフリー体の未変化体は2時間後に血漿、下垂体へ良好な分布を示し、24時間後には血漿、下垂体及び精巣のいずれにおいても速やかな消失を示した。
【0237】
【表5】

【0238】
【表6】

【0239】
【表7】

【0240】
【表8】

【産業上の利用可能性】
【0241】
本発明により、うつ病、不安障害、統合失調症、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、摂食障害、高血圧、消化器疾患、薬物依存症、てんかん、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患、脱毛症等の治療又は予防剤を提供することが可能となる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)
【化1】

[式(1)中、X、Y及びZのうち1個は窒素原子を示し、他の2個はCHを示し;
1は、C1-5アルキル、C3-7シクロアルキル、C3-7シクロアルキルC1-5アルキル、C1-5アルコキシC1-5アルキル若しくはシアノC1-5アルキルを示し;
2は、5−10員ヘテロアリール若しくはC4-7シクロアルキル(該5−10員ヘテロアリール若しくはC4-7シクロアルキルは、C1-5アルキル、C1-5アルコキシ、C3-7シクロアルキル、C3-7シクロアルキルオキシ、C1-5ハロゲン化アルキル、C1-5ハロゲン化アルコキシ、ハロゲン原子、シアノ、ヒドロキシ、C1-3アルキレンジオキシ、C1-5アルキルチオ、C1-5アルキルスルフィニル、C1-5アルキルスルホニル、C1-5アルキルアミノ又はジC1-5アルキルアミノから選ばれる1〜3個の基で置換されてもよい。)を示し;
3は、式(2)

【化2】


{式(2)において、Raは、水素原子若しくはC1-5アルキルを示し、
4aは、同一又は異なって、ハロゲン原子、C1-5アルキル、C1-5アルコキシ、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ若しくはトリフルオロメトキシを示すか、
又はR5若しくはR6と、R5若しくはR6に隣接する窒素原子と一緒になって互いに結合し、5〜7員の複素環を形成し、
5及びR6は、同一又は異なって、水素原子、C1-5アルキル、C3-7シクロアルキル、C3-7シクロアルキルC1-5アルキル、C1-5アルコキシC1-5アルキル若しくはシアノC1-5アルキルを示すか、
又はR5及びR6は、隣接する窒素原子と一緒になって互いに結合し、環中に前記窒素原子の他に1つ以上の窒素原子、酸素原子若しくは硫黄原子を含んでもよい4〜8員の飽和若しくは不飽和複素環(該4〜8員の飽和若しくは不飽和複素環は、1〜2個のヒドロキシ、C1-5アルキル、C1-5アルコキシ、ハロゲン原子、シアノで置換されてもよい。)を形成し、
qは、0−3の整数を示す。}、
式(3)
【化3】

{式(3)において、
7及びR8は、同一又は異なって、水素原子、C1-5アルキル、C3-7シクロアルキル、C3-7シクロアルキルC1-5アルキル、C1-5アルコキシC1-5アルキル若しくはシアノC1-5アルキルを示すか、
又はR7及びR8は、隣接する窒素原子と一緒になって互いに結合し、環中に前記窒素原子の他に1つ以上の窒素原子、酸素原子若しくは硫黄原子を含んでもよい4〜8員の飽和若しくは不飽和複素環(該4〜8員の飽和若しくは不飽和複素環は、1〜2個のヒドロキシ、C1-5アルキル、C1-5アルコキシ、ハロゲン原子、シアノで置換されてもよい。)を形成し、
pは、0又は1を示す。}、
式(4)
【化4】


{式(4)において、
9及びR10は、同一又は異なって、水素原子、C1-5アルキル、C3-7シクロアルキル、C3-7シクロアルキルC1-5アルキル、C1-5アルコキシC1-5アルキル若しくはシアノC1-5アルキルを示すか、
又はR9及びR10は、隣接する窒素原子と一緒になって互いに結合し、環中に前記窒素原子の他に1つ以上の窒素原子、酸素原子若しくは硫黄原子を含んでもよい4〜8員の飽和若しくは不飽和複素環(該4〜8員の飽和若しくは不飽和複素環は、1〜2個のヒドロキシ、C1-5アルキル、C1-5アルコキシ、ハロゲン原子、シアノで置換されてもよい。)を形成し、
bは、同一又は異なって、水素原子若しくはC1-5アルキルを示すか、
又はR9若しくはR10と、R9若しくはR10に隣接する窒素原子と一緒になってお互いに結合し、環中に前記窒素原子の他に1つ以上の窒素原子、酸素原子若しくは硫黄原子を含んでもよい4〜8員の飽和若しくは不飽和複素環を形成し
nは、2−4の整数を示す。}、
式(5)
【化5】

{式(5)において、R11は、C1-5アルキル、C3-7シクロアルキル、C3-7シクロアルキルC1-5アルキル、C1-5アルコキシC1-5アルキル若しくはシアノC1-5アルキル示す。}、
又は式(6)
【化6】

{式(6)において、
12は、水素原子、C1-5アルキル、C3-7シクロアルキル、C3-7シクロアルキルC1-5アルキル、C1-5アルコキシC1-5アルキル若しくはシアノC1-5アルキルを示し、
13及びR14は、同一又は異なって、水素原子、C1-5アルキル、C3-7シクロアルキル、C3-7シクロアルキルC1-5アルキル、C1-5アルコキシC1-5アルキル若しくはシアノC1-5アルキルを示すか、
又はR13及びR14は、隣接する窒素原子と一緒になって互いに結合し、環中に前記窒素原子の他に1つ以上の窒素原子、酸素原子若しくは硫黄原子を含んでもよい4〜8員の飽和若しくは不飽和複素環(該4〜8員の飽和若しくは不飽和複素環は、1〜2個のヒドロキシ、C1-5アルキル、C1-5アルコキシ、ハロゲン原子、シアノで置換されてもよい。)を形成し、
rは、1−3の整数を示す。}を示す。]
で表されるピリドピリミジン−4−オン誘導体、又はその医薬上許容される塩。
【請求項2】
Xが窒素原子であり、Y及びZがCHである、
請求項1記載のピリドピリミジン−4−オン誘導体、又はその医薬上許容される塩。
【請求項3】
Yが窒素原子であり、X及びZがCHである、
請求項1記載のピリドピリミジン−4−オン誘導体、又はその医薬上許容される塩。
【請求項4】
Zが窒素原子であり、X及びYがCHである、
請求項1記載のピリドピリミジン−4−オン誘導体、又はその医薬上許容される塩。
【請求項5】
1がC1-5アルキルであり;
2がピリジル(該ピリジルは、C1-5アルキル、C1-5アルコキシ、ハロゲン原子、トリフルオロメチル、又はジC1-5アルキルアミノから選ばれる1〜3個の基で置換されてもよい。)であり;
3が式(2A)

【化7】


{式(2A)において、
4aは、ハロゲン原子又はC1-5アルコキシを示し、
5及びR6は、同一又は異なって、水素原子、C1-5アルキルを示す。}、
又は式(4)
【化8】


{式(4)において、
9及びR10は、同一又は異なって、水素原子、C1-5アルキル、C3-7シクロアルキル、C3-7シクロアルキルC1-5アルキル、C1-5アルコキシC1-5アルキル若しくはシアノC1-5アルキルを示すか、
又はR9及びR10は、隣接する窒素原子と一緒になって互いに結合し、環中に前記窒素原子の他に1つ以上の窒素原子、酸素原子若しくは硫黄原子を含んでもよい4〜8員の飽和若しくは不飽和複素環(該4〜8員の飽和若しくは不飽和複素環は、1〜2個のヒドロキシ、C1-5アルキル、C1-5アルコキシ、ハロゲン原子、シアノで置換されてもよい。)を形成し、
bは、同一又は異なって、水素原子若しくはC1-5アルキルを示すか、
又はR9若しくはR10と、R9若しくはR10に隣接する窒素原子と一緒になってお互いに結合し、環中に前記窒素原子の他に1つ以上の窒素原子、酸素原子若しくは硫黄原子を含んでもよい4〜8員の飽和若しくは不飽和複素環を形成し
nは、2−4の整数を示す。}、
で表される、請求項1〜4のうちいずれか1項記載のピリドピリミジン−4−オン誘導体、又はその医薬上許容される塩。
【請求項6】
3が式(4A)
【化9】



{式(4A)において、R9及びR10は、隣接する窒素原子と一緒になって互いに結合し、環中に前記窒素原子の他に1つ以上の窒素原子、酸素原子若しくは硫黄原子を含んでも良い4〜8員の飽和複素環(該4〜8員の飽和複素環は、1〜2個のヒドロキシ、C1-5アルキル、C1-5アルコキシ、ハロゲン原子、シアノで置換されてもよい。)を形成する。}である、
請求項1〜5のうちいずれか1項記載のピリドピリミジン−4−オン誘導体、又はその医薬上許容されるその塩。
【請求項7】
式(4A)において、R9及びR10が、隣接する窒素原子と一緒になって互いに結合し、環中に前記窒素原子の他に1つの酸素原子を含む4〜8員の飽和複素環(該4〜8員の飽和複素環は、1〜2個のヒドロキシ基、C1-5アルキル、C1-5アルコキシ、ハロゲン原子、シアノで置換されてもよい。)、又は隣接する窒素原子と一緒になって互いに結合し、環中の前記窒素原子以外は全て炭素原子である4〜8員の飽和複素環(該4〜8員の飽和複素環は、1〜2個のヒドロキシ基、C1-5アルキル、C1-5アルコキシ、ハロゲン原子、シアノで置換される。)を形成する基である、請求項6記載のピリドピリミジン−4−オン誘導体、又はその医薬上許容されるその塩。
【請求項8】
請求項1〜7のうちいずれか1項記載のピリドピリミジン−4−オン誘導体、又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有することを特徴とする、うつ病、不安障害、統合失調症、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、摂食障害、高血圧、消化器疾患、薬物依存症、てんかん、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患又は脱毛症の治療又は予防剤。




【公開番号】特開2010−173978(P2010−173978A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−19287(P2009−19287)
【出願日】平成21年1月30日(2009.1.30)
【出願人】(000002819)大正製薬株式会社 (437)
【Fターム(参考)】