説明

ピリミジンジアミンキナーゼ阻害剤

本発明は、ポロ様キナーゼ1(PLK1)の活性を含む、キナーゼ活性を阻害するために有用なピリミジンジアミン化合物を提供する。また、これらの化合物を含む薬学的組成物、ならびに腫瘍性疾患を含む、異常な細胞増殖に関連する疾病等の、キナーゼ活性、特に、増強したPLK1触媒活性に関連する疾病を治療する方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2008年12月30日に出願された先の米国仮特許出願第61/141,635号の出願の優先権の恩典を主張する。
【0002】
分野
本発明は概して、キナーゼを阻害する2,4−ピリミジンジアミン化合物、特に、その化合物を含む薬学的組成物であるポロ様キナーゼ1(PLK1)に関し、かつ、過剰増殖性疾患を含む、増強されたPLK1活性に関連する様々な疾病および病状の治療用の化合物および組成物を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
ヒトポロ様キナーゼ1(ヒトPLK1)は、セリン/スレオニンキナーゼであり、PLK族に属し、構造的に同様であるキイロショウジョウバエからのポロキナーゼにちなんで名付けられた。ショウジョウバエポロ変異体は有糸分裂に欠陥があり、異常な有糸分裂の紡錘体極を有する。哺乳動物において、4つの構造的に同族のPLKタンパク質(PLK1、PLK2、PLK3、およびPLK4)が現在までに同定されており、それらの全てが共通の構造を共有し、1つ(PLK4)または2つ(PLK1、PLK2、PLK3)のいずれかのポロボックス領域を含有するN末端キナーゼ触媒領域およびC末端領域を有する。PLK1は、最も研究され、族の中で一番特徴のあるメンバーである。具体的には、PLK1はポロキナーゼのほとんどの機能を反復し、ヒト細胞での有糸分裂の鍵となる制御因子であるということが知られている。
【0004】
PLK1の発現レベルおよび活性は、強く細胞周期的に制御され、細胞が分裂期へ入る時にピークに達する。重要なことに、PLK2(血清誘導性キナーゼ、SNK)およびPLK3(増殖に関係した、線維芽細胞増殖因子誘導性キナーゼ、FNK)転写物が有糸分裂後のニューロンを含む広域にわたる組織分布を有する一方で、PLK1転写物は、増殖組織内でしか発見されない。PLK4/SAKは、大抵は中心子の生合成で機能すると考えられ、PLK1のように、細胞生存性にとって不可欠である。
【0005】
PLK1は通常の有糸分裂進行のために不可欠であり、また有糸分裂の多数のステップで機能する。具体的には、PLK1は、有糸分裂の開始、中心体の成熟、有糸分裂の紡錘体集合および維持、有糸分裂の終了、および細胞質分裂のために必要である。これらの各ステップで、PLK1は、基質タンパク質の特徴的なグループをリン酸化する。有糸分裂を始める前にPLK1はホスファターゼcdc25cをリン酸化し、活性化し、それを次に、核に移動させ、次いでサイクリン依存性のキナーゼCDK1から阻害性のリン酸塩を取り除く。PLK1はまた、CDK1のパートナーである、サイクリンB1もリン酸化する。活性化したCDK1/サイクリンB複合体は一緒になって、細胞の有糸分裂を開始する。
【0006】
PLK1の過剰発現は腫瘍細胞に深く関わると考えられている。具体的には、PLK1のRNAは、肺および胸部の腫瘍で高いレベルで発現し、隣接する正常な組織では、全くないかわずかな発現しか伴わないことが示されている。さらにPLK1の過剰発現は、組織学的悪性度、および卵巣および子宮内膜癌、食道癌および非小細胞肺癌等の幾つかの種類の癌の予後不良に相関することが発見された。
【0007】
腫瘍細胞でのPLK1の抑制は有糸分裂の抑止、および続発する細胞死を誘発する。故に、PLK1の経路が関与する場合の病態の治療での使用のため、PLK1を阻害する化合物および組成物が必要とされる。
【発明の概要】
【0008】
概要
本開示の態様は、キナーゼ阻害剤として有益なピリミジンジアミン化合物に関する。特に、代表的な化合物はPLK1阻害剤を含む。また、本明細書はキナーゼ活性に関連する疾病および病状、特に腫瘍を含む過剰増殖の疾患等の増強したPLK1活性に関連する疾病および病状の治療においてこれらの化合物を使用するための方法、およびこれらの化合物を含む薬学的組成物について開示する。
【0009】
一態様において、本明細書では、式I:

に従う化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、N−酸化物、またはプロドラッグを提供し、式中、
はOまたはSであり、
はCHまたはNであり、
Aは芳香環であり、
はHであり、
およびRは、それぞれ、互いから独立して、H、1つ以上の同一または異なるR11基で随意に置換される(C1-C6)アルキル、1つ以上の同一または異なるR11基で随意に置換される(C3-C8)シクロアルキル、1つ以上の同一または異なるR11基で随意に置換される(C4-C11)シクロアルキルアルキル、1つ以上の同一または異なるR11基で随意に置換される(C5-C10)アリール、1つ以上の同一または異なるR11基で随意に置換される(C6-C16)アリールアルキル、1つ以上の同一または異なるR11基で随意に置換される2〜6員のヘテロアルキル、1つ以上の同一または異なるR11基で随意に置換される3〜8員のシクロヘテロアルキル、1つ以上の同一または異なるR11基で随意に置換される4〜11員のシクロヘテロアルキルアルキル、1つ以上の同一または異なるR11基で随意に置換される5〜10員のヘテロアリール、あるいは1つ以上の同一または異なるR11基で随意に置換される6〜16員のヘテロアリールアルキルである。
【0010】
一実施形態において、R、R、または双方ともは独立して、リン酸エステルプログループである。当該のプログループの例は式−(CRy−O−P(O)(OH)(OR)または−(CRy−O−P(O)(OR)(OR)、あるいはその塩であり、式中、各Rは、他から独立して、置換されたまたは未置換の低級アルキル、置換されたまたは未置換の(C6−C14)アリール(例えば、フェニル、ナフチル、4−低級アルコキシフェニル、4−メトキシフェニル)、置換されたまたは未置換の(C7−C20)アリールアルキル(例えば、ベンジル、1−フェニルエタン−1−イル、2−フェニルエタン−1−イル)、−(CR−OR、−(CR−O−C(O)R、−(CR−O−C(O)OR、−(CR−S−C(O)R、−(CR−S−C(O)OR、−(CR−NH−C(O)R、−(CR−NH−C(O)OR、およびSi(Rから選択され、式中、R、R、およびyは、上記に定義される。特定の実施形態において、各Rは、水素および未置換の低級アルキルから選択されるか、および/または、各Rは、未置換の低級アルカニルまたはベンジルである。特定の例示的なリン酸エステルプログループは、限定されないが、−CH−O−P(O)(OH)(OR)、−CHCH−O−P(O)(OH)(OR)、−CH−O−P−(O)(OR)(OR)、および−CHCH−O−P(O)(OR)(OR)を含み、Rは低級アルカニル、i−プロピル、およびt−ブチルから選択される。
【0011】
他の実施形態において、R、R、または双方ともは独立して、式

の環状リン酸エステル含有プログループであり得、式中、各Rは、他から独立して、水素および低級アルキルから選択され、各Rは他から独立して、置換されたまたは未置換の低級アルキル、置換されたまたは未置換の低級シクロヘテロアルキル、置換されたまたは未置換の(C6−C14)アリール、置換されたまたは未置換の(C7−C20)アリールアルキル、および置換されたまたは未置換の5〜14員のヘテロアリールから選択され、zは0から2までの整数であり、Rおよびyは、上記に説明される。特定の実施形態において、リン酸エステル含有プログループR、Rまたは双方は、式

の環状リン酸エステルであり、R、Rおよびyは上記に説明される。
【0012】
操作におけるいかなる特定の理論に限定されることなく、インビボで代謝する当該の環状リン酸エステルプログループを含む環状リン酸エステルプロドラッグによる機構は、部分的にR置換基の同一性次第である。例えば、各Rが他から独立して、水素および低級アルキルから選択される、環状リン酸エステルプログループは、エステラーゼによってインビボで切断される。故に、幾つかの実施形態において、環状リン酸エステルプログループは、エステラーゼによりそれらがインビボで切断されるように選択される。当該の環状リン酸エステルプログループの具体的な例は、限定されないが、

から選択されたプログループを含む。
【0013】
代替として、R置換基が置換されたまたは未置換のアリール、アリールアルキル、およびヘテロアリール基であるプログループを有する、環状リン酸エステルプロドラッグは典型的にエステラーゼで切断されないが、代わりに、肝臓内にあるチトクロムP450酵素等の酵素により活性化したプロドラッグへと代謝される。例えば、肝臓に主に発現するチトクロムP450酵素(CYP)により触媒される酸化的な切断反応を起こす一連の環状リン酸エステルヌクレオチドプロドラッグは、Erion et al.,2004,J.Am.Chem.Soc.126:5154−5163に説明される。幾つかの実施形態において、環状リン酸エステルプログループは、それらが肝臓で発現するCYP酵素で切断されるように、選択される。当該の環状リン酸エステル含有プログループの特定の例示的な実施形態は、限定されないが、式

を有するプログループを含み、Rは、フェニル、3−クロロフェニル、4−ピリジル、および4−メトキシフェニルから選択され、
およびRは、それぞれ互いから独立して、H、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)ハロアルキル、(C1-C6)アルコキシ、ハロゲン、(C1-C6)ハロアルコキシ、(C1-C6)アミノアルキル、もしくは(C1-C6)ヒドロキシアルキルであるか、または代替として、RおよびRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、スピロシクロアルキルもしくはスピロシクロヘテロアルキルを形成するか、または代替として、RおよびRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、C=O基を形成し、
およびRは、それぞれ互いから独立して、H、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)ハロアルキル、(C1-C6)アルコキシ、ハロゲン、(C1-C6)ハロアルコキシ、(C1-C6)アミノアルキル、もしくは(C1-C6)ヒドロキシアルキルであるか、または代替として、RおよびRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、スピロシクロアルキルもしくはスピロシクロヘテロアルキルを形成するか、または代替として、RおよびRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、C=O基を形成し、
は、H、ハロ、1つ以上の同一または異なるR11基で随意に置換される(C1-C6)アルキル、(C1-C3)ハロアルキルオキシ、−OR、−SR、−NR、(C1-C3)ハロアルキル、−C(O)OR、−CN、−NC、−OCN、−SCN、−NO、または−NOであり、
2つのRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、4から8員の単環式シクロヘテロアルキル、6から10員の架橋二環式シクロヘテロアルキル、または6から12員の架橋三環式シクロヘテロアルキルを形成し、それぞれは1つ以上の同一もしくは異なるR11基で随意に置換され得、置換されたもしくは未置換の、単環式、二環式、または三環式のシクロヘテロアルキルは、少なくとも2つの窒素原子を含み、
各R10は、独立して、R11であるか、または代替として、近接する炭素上の2つのR10は、それらが結合する炭素と一緒になって、Aに融合する環を形成し、Aに融合する環は5から8員のシクロアルキル、5から8員のシクロヘテロアルキル、5から6員のアリール、または5から6員のヘテロアリールであり、それぞれ1つ以上の同一もしくは異なるR11基で随意に置換され、
各R11は、独立して、H、R、R、1つ以上の同一もしくは異なるRおよび/またはRで置換されるR、1つ以上の同一もしくは異なるRおよび/またはRで置換される−OR、1つ以上の同一もしくは異なるRおよび/またはRで置換される−SR、1つ以上の同一もしくは異なるRおよび/またはRで置換される−C(O)R、−N(R)R(式中、Rが1つ以上の同一もしくは異なるRおよび/またはRで置換される)、1つ以上の同一もしくは異なるRおよび/またはRで置換される−S(O)、−N(R)−S(O)(式中、Rが1つ以上の同一もしくは異なるRおよび/またはRで置換される)、−B(OR、−B(N(R、−(C(R−R、−O−(C(R−R、−S−(C(R−R、−O−(C(R−R、−N(R)−(C(R−R、−O−(CH−CH((CH)R、−C(O)N(R)−(C(R−R、−O−(C(R−C(O)N(R)−(C(R−R、−N((C(R、−S−(C(R−C(O)N(R)−(C(R−R、−N(R)−C(O)−N(R)−(C(R−R、−N(R)−C(O)−(C(R−C(R)(R、または−N(R)−(C(R−C(O)−N(R)−(C(R−Rであり、
各Rは、独立して、H、重水素、(C1−6)アルキル、(C3−8)シクロアルキル、(C4−11)シクロアルキルアルキル、(C6−10)アリール、(C7−16)アリールアルキル、2〜6員のヘテロアルキル、3〜10員のヘテロアリシクリル、4〜11員のヘテロアリシクリルアルキル、5〜15員のヘテロアリール、または6〜16員のヘテロアリールアルキルであり、
各Rは、独立して、=O、−OR、−O−(C(R−OR、(C1−3)ハロアルキルオキシ、−OCF、=S、−SR、=NR、=NOR、−N(R、ハロ、−CF、−CN、−NC、−OCN、−SCN、−NO、−NO、=N、−N、−S(O)R、−S(O)、−SO、−S(O)N(R、−S(O)N(R、−OS(O)R、−OS(O)、−OSO、−OS(O)N(R、−C(O)R、−CO、−C(O)N(R、−C(NR)−N(R、−C(NOH)−R、−C(NOH)−N(R、−OC(O)R、−OC(O)OR、OC(O)N(R、−OC(NH)−N(R、−OC(NR)−N(R、N(R)−S(O)H、−[N(R)C(O)]、−[N(R)C(O)]OR、−[N(R)C(O)]N(R、または−[N(R)C(NR)]−N(Rであり、
各Rは、独立して、Rであるか、または代替として、2つのRが、それらが結合する窒素原子と一緒になって、随意に1つ以上の同一もしくは異なる付加的なヘテロ原子を含み得、随意に1つ以上の同一もしくは異なるRおよび/またはR基で置換される3から10員のヘテロアリシクリルもしくは5から10員のヘテロアリールを形成し、
各Rは、=O、−OR、−OCF、=S、−SR、=NR、=NOR、−N(R、ハロ、−CF、−CN、−NC、−OCN、−SCN、−NO、−NO、=N、−N、−S(O)R、−S(O)R、−SO、−S(O)N(R、−S(O)N(R、−OS(O)R、−OS(O)、−OSO、−OS(O)N(R、−C(O)R、−CO、−C(O)N(R、−C(NR)−N(R、−C(NOH)R、−C(NOH)N(R、OCO、−OC(O)N(R、−OC(NR)N(R、−[N(R)C(O)]、−(C(R−OR、−N(R)−S(O)、−C(O)−(C1−6)ハロアルキル、−S(O)−(C1−6)ハロアルキル、−OC(O)R、O(C(R−OR、−S(C(R−OR、N(R)−(C1−6)ハロアルキル、−P(O)(OR、−N(R)−(C(R−OR、−[N(R)C(O)]OR、−[N(R)C(O)]N(R、−[N(R)C(NR)]N(R、またはN(R)C(O)(C1−6)ハロアルキルであり、2つのRは、それらが結合する原子と一緒になって、3〜10員の部分的もしくは完全に飽和した単環式または二環式の環を形成するように組み合わされ、随意に1つ以上のヘテロ原子を含み、随意に1つ以上のRで置換され、
各Rは、独立して、(C1−6)アルキル、(C3−8)シクロアルキル、(C4−11)シクロアルキルアルキル、(C6−10)アリール、(C7−16)アリールアルキル、2〜6員のヘテロアルキル、3〜10員のヘテロアリシクリル、4〜11員のヘテロアリシクリルアルキル、5〜15員のヘテロアリール、または6〜16員のヘテロアリールアルキルであり、
各mは独立して、1から3の整数であり、
各nは独立して、0から3の整数であるが、
但し、化合物は、
N4−(3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−イル)−5−フルオロ−N2−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−ピリミジン−2,4−ジアミン、
4−{3−[4−(2,2−ジメチル−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イルアミノ)−5−フルオロ−ピリミジン−2−イルアミノ]−フェニル}−ピペラジン−1−カルボン酸メチルエステル、
N4−(3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イル)−5−フルオロ−N2−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−ピリミジン−2,4−ジアミン、
4−{3−[4−(3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イルアミノ)−5−フルオロ−ピリミジン−2−イルアミノ]−フェニル}−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
1−(4−{3−[4−(3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イルアミノ)−5−フルオロ−ピリミジン−2−イルアミノ]−フェニル}−ピペラジン−1−イル)−エタノン、
6−{5−フルオロ−2−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イルアミノ}−2,2−ジメチル−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン、
6−{2−[3−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−フェニルアミノ]−5−フルオロ−ピリミジン−4−イルアミノ}−2,2−ジメチル−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン、
4−{3−[4−(2,2−ジメチル−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イルアミノ)−5−フルオロ−ピリミジン−2−イルアミノ]−フェニル}−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
6−{5−フルオロ−2−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イルアミノ}−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン、
6−{2−[3−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−フェニルアミノ]−5−フルオロ−ピリミジン−4−イルアミノ}−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン、
4−{3−[5−フルオロ−4−(3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イルアミノ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−フェニル}−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
N4−(3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イル)−5−フルオロ−N2−[3−メチル−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−ピリミジン−2,4−ジアミン、
N2−[3−クロロ−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−N4−(3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イル)−5−フルオロ−ピリミジン−2,4−ジアミン、
N4−(3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イル)−5−フルオロ−N2−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−ピリミジン−2,4−ジアミン、
4−{4−[4−(3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イルアミノ)−5−フルオロ−ピリミジン−2−イルアミノ]−フェニル}−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
1−(4−{4−[4−(3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イルアミノ)−5−フルオロ−ピリミジン−2−イルアミノ]−フェニル}−ピペラジン−1−イル)−エタノン、
4−{4−[4−(2,2−ジメチル−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イルアミノ)−5−フルオロ−ピリミジン−2−イルアミノ]−フェニル}−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−{4−[5−フルオロ−4−(3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イルアミノ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−フェニル}−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
6−{5−フルオロ−2−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イルアミノ}−2,2−ジメチル−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン、
6−{5−フルオロ−2−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イルアミノ}−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン、
6−{2−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−フェニルアミノ]−5−フルオロ−ピリミジン−4−イルアミノ}−2,2−ジメチル−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン、
4−{4−[4−(2,2−ジメチル−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イルアミノ)−5−フルオロ−ピリミジン−2−イルアミノ]−フェニル}−ピペラジン−1−カルボン酸メチルエステル、
4−{4−[5−フルオロ−4−(3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イルアミノ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−フェニル}−ピペラジン−1−カルボン酸メチルエステル、または
6−{2−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−フェニルアミノ]−5−フルオロ−ピリミジン−4−イルアミノ}−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン、ではない、化合物が提供される。
【0014】
別の態様において、式Iの化合物が提供され、式中、2つのRはそれらが結合する窒素原子と一緒になって、6から10員の架橋二環式シクロヘテロアルキルを形成し、1つ以上の同一または異なるR11基で随意に置換され得、置換されたまたは未置換の架橋二環式シクロヘテロアルキルは少なくとも2つの窒素原子を含む。
【0015】
さらに別の態様において、例えば、式Iの化合物等の、その薬学的に許容される塩、溶媒和物、およびプロドラッグを含む、本明細書で提供される治療上有効な量の1つ以上のピリミジンジアミン化合物と、薬学的に許容される担体とを含む、薬学的組成物が提供される。担体の正確な性質は組成物の所望の使用次第であり、獣医科用の使用が適切であるまたは許容されるということからヒトへの使用へ適切であるまたは許容されるということまでの範囲に及び得る。
【0016】
本明細書で提供されるピリミジンジアミン化合物は、インビトロアッセイにおいてPLK1の強力阻害剤である。従って、さらに別の態様において、哺乳動物における増強したPLK1触媒活性に関連する疾病または病状の治療のための方法が提供される。本方法は、例えば、上記に開示される、式Iの化合物等、その薬学的に許容される塩、溶媒和物、プロドラッグ、および組成物を含む、本明細書で開示される治療上有効な量の1つ以上のピリミジンジアミン化合物を、その必要性において哺乳動物へ投与することを含む。
【0017】
さらに別の態様において、増強したPLK1触媒活性に関連する疾病または病状の治療のための薬剤の製造において、その薬学的に許容される塩、溶媒和物、およびプロドラッグを含む、本明細書で開示される1つ以上のピリミジンジアミン化合物の使用が提供される。
【0018】
幾つかの実施形態において、増強したPLK1触媒活性に関連する疾病または病状は、例えば、癌または腫瘍等の異常細胞増殖に関連する疾病または病状である。
【0019】
当該の疾病の例は、限定されないが、上皮性悪性腫瘍および非上皮性悪性腫瘍等の固形腫瘍を含む、白血病、リンパ腫(ホジキンおよび非ホジキン)、脳、膀胱、胸部、結腸、肺、卵巣、脾臓、前立腺、皮膚、および子宮の悪性腫瘍、ならびに良性腫瘍等の他の増殖性の病状を含む。
【0020】
特定の実施形態において、細胞の増殖を阻害する方法が提供され、本方法は、その薬学的に許容される塩、溶媒和物、およびプロドラッグを含む、本明細書で開示される有効な量の1つ以上のピリミジンジアミン化合物と細胞を接触させる方法を含む。
【発明を実施するための形態】
【0021】
詳細な説明
「アルキル」は、それ自体または別の置換基の一部として、親アルカン、親アルケン、または親アルキンの単一の炭素原子からの1つの水素原子の除去により派生する定められた数の炭素原子を有する(すなわち、C1−C6は1つから6つの炭素原子を意味する)、飽和または不飽和の、分岐したもしくは直鎖の非環状一価の、炭化水素遊離基を指す。典型的なアルキル基は、限定されないが、メチル、エタニル、エテニル、エチニル等のエチル、プロパン−1−イル、プロパン−2−イル、プロパ−1−エン−1−イル、プロパ−1−エン−2−イル、プロパ−2−エン−1−イル、プロパ−1−yn−1−イル、プロパ−2−yn−1−イル等のプロピル、ブタン−1−イル、ブタン−2−イル、2−メチル−プロパン−1−イル、2−メチル−プロパン−2−イル、ブタ−1−エン−1−イル、ブタ−1−エン−2−イル、2−メチル−プロパ−1−エン−1−イル、ブタ−2−エン−1−イル、ブタ−2−エン−2−イル、ブタ−1,3−ジエン−1−イル、ブタ−1,3−ジエン−2−イル、ブタ−1−yn−1−イル、ブタ−1−yn−3−イル、ブタ−3−yn−1−イル等のブチル、および同等のものを含む。特定の飽和レベルが意図された際、下記に定義するように「アルカニル」、「アルケニル」および/または「アルキニル」の命名法が使用される。幾つかの実施形態において、アルキル基は、(C1−C6)アルキルである。
【0022】
「アルカニル」は、それ自体または別の置換基の一部として、親アルカンの単一の炭素原子からの1つの水素原子の除去により派生する、飽和し分岐した、もしくは直鎖の非環状アルキルを指す。典型的なアルカニル基は、限定されないが、メタニル、エタニル、プロパン−1−イルおよびプロパン−2−イル(イソプロピル)等のプロパニル、ブタン−1−イル、ブタン−2−イル(sec−ブチル)、2−メチル−プロパン−1−イル(イソブチル)、2−メチル−プロパン−2−イル(t−ブチル)等のブタニル、および同等のものを含む。幾つかの実施形態において、アルカニル基は(C1−C6)アルカニルである。
【0023】
「アルケニル」は、それ自体または別の置換基の一部として、親アルケンの単一の炭素原子からの1つの水素原子の除去により派生する、炭素−炭素二重結合を少なくとも1つ有する、不飽和の分岐した、または直鎖の非環状アルキルを指す。その基は二重結合についてのシスまたはトランスの配座のいずれかであり得る。典型的なアルケニル基は、限定されないが、エテニル、プロパ−1−エン−1−イル、プロパ−1−エン−2−イル、プロパ−2−エン−1−イル、プロパ−2−エン−2−イル等のプロペニル、ブタ−1−エン−1−イル、ブタ−1−エン−2−イル、2−メチル−プロパ−1−エン−1−イル、ブタ−2−エン−1−イル、ブタ−2−エン−2−イル、ブタ−1,3−ジエン−1−イル、ブタ−1,3−ジエン−2−イル等のブテニル、および同等のものを含む。幾つかの実施形態において、アルケニル基は(C2−C6)アルケニルである。
【0024】
「アルキニル」は、それ自体または別の置換基の一部として、親アルキンの単一の炭素原子からの1つの水素原子の除去により派生する、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する、不飽和の分岐した、または直鎖の非環状アルキルを指す。典型的なアルキニル基は、限定されないが、エチニル、プロパ−1−yn−1−イル、プロパ−2−yn−1−イル等のプロピニル、ブタ−1−yn−1−イル、ブタ−1−yn−3−イル、ブタ−3−yn−1−イル等のブチニル、および同等のものを含む。幾つかの実施形態において、アルキニル基は、(C1−C2)アルキニルである。
【0025】
「アルキルジイル」は、それ自体または別の置換基の一部として、親アルカン、親アルケン、または親アルキンのそれぞれ2つの異なる炭素原子からの1つの水素原子を除去することまたは、親アルカン、親アルケン、または親アルキンの単一の炭素原子から2つの水素原子を除去することにより派生する、定められた数の炭素原子を有する(すなわち、C1−C6は1つから6つの炭素原子を意味する)、飽和されたまたは不飽和の、分岐された、直鎖の、または環状二価の炭化水素基を指す。2つの一価の遊離基の中心または各結合価の二価の遊離基の中心は、同一または異なる原子との結合を形成することが可能である。典型的なアルキルジイル基は、限定されないが、メタンジイル、エタン−1,1−ジイル、エタン−1,2−ジイル、エテン−1,1−ジイル、エテン−1,2−ジイル等のエチルジイル、プロパン−1,1−ジイル、プロパン−1,2−ジイル、プロパン−2,2−ジイル、プロパン−1,3−ジイル、シクロプロパン−1,1−ジイル、シクロプロパン−1,2−ジイル、プロパ−1−エン−1,1−ジイル、プロパ−1−エン−1,2−ジイル、プロパ−2−エン−1,2−ジイル、プロパ−1−エン−1,3−ジイル、シクロプロパ−1−エン−1,2−ジイル、シクロプロパ−2−エン−1,2−ジイル、シクロプロパ−2−エン−1,1−ジイル、プロパ−1−yn−1,3−ジイル等のプロピルジイル、ブタン−1,1−ジイル、ブタン−1,2−ジイル、ブタン−1,3−ジイル、ブタン−1,4−ジイル、ブタン−2,2−ジイル、2−メチル−プロパン−1,1−ジイル、2−メチル−プロパン−1,2−ジイル、シクロブタン−1,1−ジイル、シクロブタン−1,2−ジイル、シクロブタン−1,3−ジイル、ブタ−1−エン−1,1−ジイル、ブタ−1−エン−1,2−ジイル、ブタ−1−エン−1,3−ジイル、ブタ−1−エン−1,4−ジイル、2−メチル−プロパ−1−エン−1,1−ジイル、2−メタニリデン−プロパン−1,1−ジイル、ブタ−1,3−ジエン−1,1−ジイル、ブタ−1,3−ジエン−1,2−ジイル、ブタ−1,3−ジエン−1,3−ジイル、ブタ−1,3−ジエン−1,4−ジイル、シクロブタ−1−エン−1,2−ジイル、シクロブタ−1−エン−1,3−ジイル、シクロブタ−2−エン−1,2−ジイル、シクロブタ−1,3−ジエン−1,2−ジイル、シクロブタ−1,3−ジエン−1,3−ジイル、ブタ−1−yn−1,3−ジイル、ブタ−1−yn−1,4−ジイル、ブタ−1,3−ジエン−1,4−ジイル等のブチルジイル、および同等のものを含む。特定の飽和レベルが意図された際、アルカニルジイル、アルケニルジイルおよび/またはアルキニルジイルの命名法が使用される。2つの結合価が同一炭素原子上にあることが特定的に意図される際、「アルキリデン」の命名法が使用される。好ましい実施形態において、アルキルジイル基は(C1−C6)アルキルジイルである。また、好ましくは、遊離基の中心は末端炭素にある飽和非環状アルカニルジイル基であり、例えば、メタンジイル(メタノ)、エタン−1,2−ジイル(エタノ)、プロパン−1,3−ジイル(プロパノ)、ブタン−1,4−ジイル(ブタノ)および同等のもの(下記に定義するアルキレノにも関する)等である。
【0026】
「アルキレノ」は、それ自体または別の置換基の一部として、直鎖の親アルカン、親アルケン、または親アルキンの2つの各末端炭素原子からの1つの水素原子の除去により派生する、二末端の一価の遊離基の中心を有する、直鎖の飽和したまたは不飽和のアルキルジイル基を指す。特定のアルキレノでの二重結合または三重結合が存在した場合、その位置は、角括弧内に示される。典型的なアルキレノ基は、限定されないが、メタノ、エタノ、エテノ、エチノ等のエチレノ、プロパノ、プロパ[1]エノ、プロパ[1,2]ジエノ、プロパ[1]イノ等のプロピレノ、ブタノ、ブタ[1]エノ、ブタ[2]エノ、ブタ[1,3]ジエノ、ブタ[1]イノ、ブタ[2]イノ、ブタ[1,3]ジイノ等のブチレノ、および同等のものを含む。特定の飽和レベルが意図された際、アルカノ、アルケノ、および/またはアルキノの命名法が使用される。好ましい実施形態において、アルキレノ基は、(C1−C6)、または(C1−C3)アルキレノである。直鎖の飽和したアルカノ基、例えば、メタノ、エタノ、プロパノ、ブタノ、および同等のものも好ましい。
【0027】
「二価のリンカー」は、連結される原子への2つの結合を形成することが可能な環状または非環状であり得る、直鎖または分岐部分を指す。結合は、1つの原子、2つの近接原子、または2つの末端原子から始まり得る。二価のリンカーの例は、限定されないが、アルキルジイルおよびアルキレノリンカー、ならびに二価のアリール、ヘテロアリール、ヘテロアルキル等を含む。
【0028】
「ヘテロアルキル」、「ヘテロアルカニル」「ヘテロアルケニル」「ヘテロアルキニル」「ヘテロアルキルジイル」、および「ヘテロアルキレノ」は、それら自体または別の置換基の一部として、それぞれ、アルキル、アルカニル、アルケニル、アルキニル、アルキルジイル、およびアルキレノ基を指し、1つ以上の炭素原子は、それぞれ独立して、同一もしくは異なるヘテロ原子またはヘテロ原子団で交換される。炭素原子を交換可能な典型的なヘテロ原子、および/またはヘテロ原子団は、限定されないが、各R’が独立して、水素、(C1−C6)アルキル、または特定的に定義されるものである際、その組み合わせを含む、−O−、−S−、−S−O−、−NR’−、−PH−、−S(O)−、−S(O)−、−S(O)NR’−、−S(O)NR’−、および同等のものを含む。
【0029】
「シクロアルキル」および「ヘテロシクロアルキル」(または「シクロヘテロアルキル」)は、それら自体または別の置換基の一部として、それぞれ、単環、二環、および三環の系を含む、環状版の「アルキル」および「ヘテロアルキル」基を指す。ヘテロアルキル基に関して、ヘテロ原子は、分子の残部へ結合する位置を占有することが可能である。典型的なシクロアルキル基は、限定されないが、シクロプロピル、シクロブタニルおよびシクロブテニル等のシクロブチル、シクロペンタニルおよびシクロペンテニル等のシクロペンチル、シクロヘキサニルおよびシクロヘキセニル等のシクロヘキシル、デカリニル、ノルボルニル等の二環式基、およびアダマンチル等の三環式基、および同等のものを含む。典型的なヘテロシクロアルキル基は、限定されないが、テトラヒドロフラニル(例えば、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イル等)、ピペリジニル(例えば、ピペリジン−1−イル、ピペリジン−2−イル等)、モルホリニル(例えば、モルホリン−3−イル、モルホリン−4−イル等)、ピペラジニル(例えば、ピペラジン−1−イル、ピペラジン−2−イル等)、1,4−ジアザビシクロ−[2.2.2]オクタニル、および同等のものを含む。
【0030】
「架橋二環式ヘテロシクロアルキル(またはシクロヘテロアルキル)」は、それ自体または別の置換基の一部として、少なくとも1つの2つの橋頭の原子の間の架橋原子を含有する二環式シクロアルキルであり、1つ以上の各炭素原子がそれぞれ同一もしくは異なるヘテロ原子またはヘテロ原子団で交換される二環式シクロアルキルを指す。炭素原子を交換することが可能な典型的なヘテロ原子および/またはヘテロ原子団は、限定されないが、その組み合わせを含む、−O−、−S−、−S−O−、−NR’−、−PH−、−S(O)−、−S(O)−、−S(O)NR’−、−S(O)NR’−、および同等のものを含み、各R’が独立して、水素、(C1−C6)アルキルであるか、または特定的に定義されるものである。「架橋二環式シクロヘテロアルキル」は、一種の「ヘテロシクロアルキル」である。架橋二環式ヘテロアルキルの配置の例は、限定されないが、[3.3.3]、[3.3.2]、[3.3.1]、[3.2.2]、[3.2.1]、[2.2.2]、および[2.2.1]、を含む。2つの窒素原子を含有する架橋二環式シクロヘテロアルキルの例は限定されないが、

を含み、
式中、RおよびRは、それぞれ独立して、H、C1−C6アルキル、または特定的に定義されるものである。
【0031】
「架橋三環式シクロヘテロアルキル(またはシクロヘテロアルキル)」は、それ自体、または別の置換基の一部として、少なくとも1つの2つの橋頭の原子の間の架橋原子を含有する三環式シクロアルキルであり、1つ以上の各炭素原子がそれぞれ独立して、同一もしくは異なるヘテロ原子またはヘテロ原子団で交換される三環式シクロアルキルを指す。炭素原子を交換可能な典型的なヘテロ原子および/またはヘテロ原子団は、限定されないが、その組み合わせを含む、−O−、−S−、−S−O−、−NR’−、−PH−、−S(O)−、−S(O)−、−S(O)NR’−、−S(O)NR’を含み、各R’が独立して、水素、(C1−C6)アルキルであるか、または特定的に定義されるものである。「架橋二環式シクロヘテロアルキル」は一種の「ヘテロシクロアルキル」である。2つの窒素原子を含有する架橋二環式ヘテロアルキルの例は、ジアザアダマンチル、および架橋融合環系のような全架橋環を含む。例えば:

【0032】
「スピロシクロアルキルおよびスピロシクロヘテロアルキル(またはスピロヘテロシクロアルキル)」は、それ自体または別の置換基の一部として、少なくとも2つの環の間に結合点として、単一の四級炭素原子を含有する多環式(例えば、二環式)シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル、あるいはその1つの環を指す。スピロシクロアルキル、およびスピロシクロヘテロアルキルは、例えば、シクロヘキサンでのスピロ環配列でのピペリジン環等の、実際に同一の環系が描写され得る。例えば、式の例:

【0033】
「アリール」は、それ自体、または別の置換基の一部として、親芳香族環系の単一炭素原子からの1つの水素原子の除去により派生する定められた数の炭素原子を有する(すなわち、C5−C15は5個から15個の炭素原子を意味する)、一価の芳香族炭化水素基を指す。典型的なアリール基は、限定されないが、アセアントリレン、アセナフチレン、アセフェナントリレン、アントラセン、アズレン、ベンゼン、クリセン、コロネン、フルオランテン、フルオレン、ヘキサセン、ヘキサフェン、ヘキサレン、as−インダセン、s−インダセン、インダン、インデン、ナフタレン、オクタセン、オクタフェン、オクタレン、オバレン、ペンタ−2,4−ジエン、ペンタセン、ペンタレン、ペンタフェン、ペリレン、フェナレン、フェナントレン、ピセン、プレイアデン、ピレン、ピラントレン、ルビセン、トリフェニリン、トリナフタレン、および同等のもの、ならびにその様々なヒドロ異性体から派生する基を含む。幾つかの実施形態において、アリール基は(C5−C10)アリール等の(C5−C15)アリールである。幾つかの実施形態において、好ましいアリールは、シクロペンタジエニル、フェニル、およびナフチルである。
【0034】
「アリールアルキル」は、それ自体、または別の置換基の一部として、水素原子のうちの1つが炭素原子へ結合し、典型的に末端またはsp炭素原子がアリール基で交換される、アルキル基を指す。典型的なアリールアルキル基は、限定されないが、ベンジル、2−フェニルエタン−1−イル、2−フェニルエテン−1−イル、ナフチルメチル、2−ナフチルエタン−1−イル、2−ナフチルエテン−1−イル、ナフトベンジル、2−ナフトフェニルエタン−1−イル、および同等のものを含む。特定のアルキル部分が意図される際、アリールアルカニル、アリールアルケニル、および/またはアリールアルキニルの命名法が使用される。幾つかの実施形態において、アリールアルキル基は(C6−C21)アリールアルキルであり、例えば、アリールアルキル基のアルカニル、アルケニル、またはアルキニル部分は、(C1−C6)であり、アリール部分は(C5−C15)である。幾つかの実施形態において、アリールアルキル基は(C6−C13)であり、例えば、アリールアルキル基のアルカニル、アルケニル、またはアルキニル部分は、(C1−C3)であり、アリール部分は(C5−C10)である。
【0035】
「ヘテロアリールアルキル」は、それ自体または別の置換基の一部として、水素原子のうちの1つが炭素原子へ結合し、典型的に末端またはsp炭素原子が、ヘテロアリール基で交換される、非環状アルキル基を指す。特定のアルキル部分が意図される際、ヘテロアリールアルカニル、ヘテロアリールアルケニル、および/またはヘテロアリールアルキニルの命名法が使用される。幾つかの実施形態において、ヘテロアリールアルキル基は、6〜21員のヘテロアリールアルキルであり、例えば、ヘテロアリールアルキルのアルカニル、アルケニル、またはアルキニル部分は、(C1−C6)アルキルであり、ヘテロアリール部分は5〜15員のヘテロアリールである。幾つかの実施形態において、ヘテロアリールアルキルは、6〜13員のヘテロアリールアルキルであり、例えば、アルカニル、アルケニル、またはアルキニル部分は、(C1−C3)アルキルであり、ヘテロアリール部分は5〜10員のヘテロアリールである。
【0036】
「ハロゲン」または「ハロ」は、それら自体、または別の置換基の一部として、別段定められていない限り、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードを指す。
【0037】
「ハロアルキル」は、それ自体、または別の置換基の一部として、1つ以上の水素原子がハロゲンで交換されるアルキル基を指す。故に、用語「ハロアルキル」は、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル等を含むことを意味する。例えば、語句「(C1−C2)ハロアルキル」は、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1−フルオロエチル、1,1−ジフルオロエチル、1,2−ジフルオロエチル、1,1,1−トリフルオロエチル、ペルフルオロエチル等を含む。
【0038】
上記に定義した基は、付加的な良く認識されている置換基を形成するために当該技術分野で一般的に使用される接頭辞および/または接尾辞を含み得る。例として、「アルキルオキシ」または「アルコキシ」は、式−OR’’の基を指し、「アルキルアミン」は、式−NHR’’の基を指し、「ジアルキルアミン」は、式−NR‘‘R’’の基を指し、式中、各R’’は独立して、アルキルである。別の例として、「ハロアルコキシ」または「ハロアルキルオキシ」は、式−OR’’’の基を指し、式中、各R’’’はハロアルキルである。
【0039】
「プロドラッグ」は、体内等の使用条件下で、活性2,4−ピリミジンジアミン剤を遊離するために形質変換が必要な、活性2,4−ピリミジンジアミン化合物(薬剤)の誘導体を指す。プロドラッグは、必ずしもではないが、高い頻度で、活性薬剤へ転換されるまでは薬理学的に不活性である。プロドラッグは、典型的に、活性に部分的に必要であると思われる2,4−ピリミジンジアミン剤中の官能基を、官能基を遊離するための規定の使用条件下において、切断等の形質変換を起こすプロ部分を形成するプログループ(下記に定義する)で、したがって活性2,4−ピリミジンジアミン剤で、遮蔽することにより、取得される。プロ部分の切断は、加水分解反応の方法等により、自発的に進行し得るか、または、酵素、光、酸もしくは塩基等の別の薬剤、または、温度の変化等の物理学的もしくは環境的パラメータの変化、またはそれらにさらすことにより、触媒または誘発される。薬剤は、プロドラッグが投与される細胞に存在している酵素等の使用条件、または胃の酸性条件等に対して内因的であり得るか、あるいは外因的に供給され得る。
【0040】
結果として得られたプロ部分ならびに、プロドラッグを産生するために活性2,4−ピリミジンジアミン化合物中の官能基を遮蔽するために適切である多岐にわたるプログループは、当該の技術分野で周知されている。例えば、ヒドロキシル官能基は、スルホン酸塩、エステルまたは炭酸塩のプロ部分として遮蔽され得、それらはヒドロキシル基を提供するためインビボで加水分解し得る。アミノ官能基は、アミド、カルバミン酸塩、イミン、尿素、ホスフェニル、ホスホリル、またはスルフェニルのプロ部分として遮蔽され得、それらは、アミノ基を提供するためインビボで加水分解され得る。カルボキシル基は、エステル(シリルエステルおよびチオエステルを含む)、アミド、またはヒドラジドのプロ部分として遮蔽され得、それらはカルボキシル基を提供するためインビボで加水分解され得る。好適なプログループ、およびそれらのそれぞれのプロ部分の他の特定の例は、当業者に明らかであろう。
【0041】
「プログループ」は、活性2,4−ピリミジンジアミン剤内で官能基を遮蔽するために使用される場合、薬剤をプロドラッグへ転換してプロ部分を形成する、保護基の種類を指す。プログループは、典型的に、規定の使用条件下で切断可能である結合を通して薬剤の官能基へ結合する。故に、プログループは、官能基を規定の使用条件下で遊離するために切断するプロ部分の一部である。特定の例として、式−NH−C(O)CHのアミドプロ部分は、プログループ−C(O)CHを含む。
【0042】
「哺乳動物」は、ヒトおよび、ネコ、イヌ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ウサギ、および同等のもの等の飼育動物を含む。幾つかの実施形態において、哺乳動物はヒトである。
【0043】
「薬学的に許容される担体」は、限定されないが、米国食品医薬品局によりヒトまたは飼育動物での使用が許容されている任意のアジュバント、担体、賦形剤、流動促進剤、甘味剤、希釈剤、防腐剤、染料/着色剤、調味料、界面活性剤、湿潤剤、分散剤、懸濁化剤、安定剤、等張剤、溶剤、または乳化剤を含む。
【0044】
「薬学的に許容される塩」は、酸付加塩および塩基付加塩の双方を含む。
【0045】
「薬学的に許容される酸付加塩」は、遊離塩基の生物学的効果および特性を保持する塩であり、生物学的にまたは他の点で望ましくないものではなく、限定されないが、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、および同等のもの等の無機酸、限定されないが、酢酸、2,2−ジクロロ酢酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4−アセトアミド安息香酸、ショウノウ酸、カンファー−10−スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、炭酸、桂皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシルスルホン酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコへプトン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタミン酸、グルタル酸、2−オキソ−グルタル酸、グリセロリン酸、グリコール酸、馬尿酸、イソ酪酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、オレイン酸、オロチン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモン酸、プロピオン酸、ピログルタミン酸、ピルビン酸、サリチル酸、4−アミノサリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、酒石酸、チオシアン酸、p−トルエンスルホン酸(p−TSA)、トリフルオロ酢酸、ウンデシレン酸、および同等のもの等の有機酸で形成される塩を指す。
【0046】
「薬学的に許容される塩基付加塩」は、遊離酸の生物学的効果および特性を保持する塩であり、生物学的に、または他の点で望ましくないものではない塩を指す。これらの塩は、遊離酸への無機塩基または有機塩基の付加から調製される。無機塩基から派生する塩は、限定されないが、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウム塩、および同等のものを含む。好ましい無機塩基は、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、およびマグネシウム塩である。有機塩基から派生する塩は、限定されないが、アンモニア、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、ジシクロヘキシルアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、ベネタミン、ベンザチン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N−エチルピペリジン、ポリアミン樹脂、および同等のもの等の一級アミン、二級アミン、三級アミン、自然発生的な置換されたアミンを含む置換されたアミン、環状アミンおよび塩基イオン交換樹脂の塩を含む。特に好ましい有機塩基はイソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、コリン、およびカフェインである。
【0047】
「薬学的組成物」は、本明細書で提供される化合物と、例えばヒト等の哺乳動物への生物学的に活性の化合物の送達のため、当該の技術分野で一般的に許容される媒体との製剤を指す。当該の媒体は、全ての薬学的に許容されるそのための担体、希釈剤および賦形剤を含む。
【0048】
「治療上有効な量」は、ヒト等の哺乳動物に投与した場合、下記に定義するように、哺乳動物体内(例えばヒト)での関心対象の疾病または病状の治療に十分有効な化合物の量を指す。「治療上有効な量」を構成する本発明の化合物の量は、化合物、疾病、または病状、その重症度、および治療される哺乳動物の年齢次第で変化するだろうが、当業者は当人の知識および本開示を考慮することにより慣例的に決定することが可能である。
【0049】
本明細書で使用される「治療すること」または「治療」は、関心対象の疾病または病状を有するヒト等の哺乳動物での関心対象の疾病または病状の治療を包含し、少なくとも次のうち1つを含む。(i)特に、哺乳動物が病状の素因を有しながらもまだ診断されていない場合に、当該の哺乳動物で発生する疾病または病状を予防すること。(ii)疾病もしくは病状を阻害すること。例えば、その進行を抑止すること。(iii)疾病もしくは病状を軽減すること。例えば、疾病もしくは病状の症候を軽減すること、または疾病もしくは病状の退行を引き起こすこと。または、(iv)疾病もしくは病状を安定化させること。
【0050】
本明細書で使用される場合、「疾病」および「病状」という用語は、互換可能に使用されてもよく、または特定の病気もしくは病状が既知の病原因子を有さない(つまり、その病因の解明が依然としてなされていない)場合があり、したがって、疾病として依然として認識されておらず、望ましくない病状もしくは症候群でしかないが、ある程度特定の一連の病状が臨床医学者によって識別されているという点で異なり得る。
【0051】
本明細書で提供される化合物またはそれらの薬学的に許容される塩は、1つ以上の不斉中心を含有し得、故に、絶対立体化学で、アミノ酸が、(R)−または(S)−、(D)−、または(L)−、のように定義され得る鏡像異性体、ジアステレオマー、および他の立体異性体を生じさせ得る。本発明は、全ての当該の可能な異性体、ならびにそれらのラセミ体および光学的に純粋な型を含むことを意図される。光学活性の(+)および(−)、(R)−および(S)−、または、(D)−および(L)−異性体は、キラルシントンまたは不斉試薬を使用して調製され得るか、またはキラルカラムを使用するHPLCのように従来型の技術を使用して分解し得る。本明細書で説明される化合物がオレフィン性の二重結合または他の幾何学的非対称の中心を含有し、特に指定がない場合、化合物は、EおよびZの双方の幾何異性体を含むことを意図する。同様に、全ての互変異性型を含むことも意図する。本発明の化合物は、当該の技術分野で既知である、不安定すぎるため合成および/または単離不能なものを含まない。
【0052】
「立体異性体」は、同一の結合により結合し、しかし異なる三次元構造を有する同一の原子で構成された、互換的ではない化合物を指す。本発明は、様々な立体異性体およびその混合物を企図し、「鏡像異性体」を含み、鏡像異性体とはそれらの分子が互いの鏡像を重ねることができない2つの立体異性体を指す。
【0053】
「互変異性体」は、分子の1つの原子から同一の分子の別の原子へのプロトン移動をいう。本発明は、任意の前述の化合物の互変異性体を含む。
【0054】
「アトロプ異性体」は、回転への障害が配座異性体の単離を可能にするのに十分な程度に高い際に、単結合についての束縛回転から結果として生じる立体異性体である。(Eliel,E.L.;Wilen,S.H.Stereochemistry of Organic Compounds;Wiley & Sons:New York,1994;Chapter 14)。立体中心原子なしにキラリティーの要素を導入するため、アトロプ異性は重要である。本発明は、本明細書で提供される、任意の前述の化合物および/またはプロドラッグのアトロプ異性体を包含することを意図する。
【0055】
本発明の幾つかの化合物は、水和物の型を含む溶媒和の型ならびに非溶媒和の型で存在し得る。概して、溶媒和の型は非溶媒和の型と同等で、本発明の範囲内に包含される。本発明の幾つかの化合物は、複数の結晶型または非結晶型で存在し得る。概して、全ての物理的な型は本発明の範囲内にあることが意図される。
【0056】
本明細書で使用される用語「a」または「an」は、1つ以上であることを意味する。加えて、本明細書で使用される語句「[n]で置換され、」は、特定の基が、1つ以上のいずれか、または全ての、置換基と名付けられるもので置換され得るということを意味する。例えば、アルキルまたはヘテロアリール基等の基が「未置換のC−C20アルキル、または未置換の2から20員のヘテロアルキルで置換される」際、基は、1つ以上の未置換のC−C20アルキル、および/または1つ以上の2から20員のヘテロアルキルを含有し得る。
【0057】
2,4−ピリミジンジアミン化合物
一態様において、本明細書は、式I:

に従う化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、N−酸化物、またはプロドラッグを提供し、式中、
はOまたはSであり、
はCHまたはNであり、
Aはフェニルまたは6員のヘテロアリールであり、
はHであり、
およびRは、それぞれ互いから独立して、H、1つ以上の同一または異なるR11基で随意に置換される(C1-C6)アルキル、1つ以上の同一または異なるR11基で随意に置換される(C3-C8)シクロアルキル、1つ以上の同一または異なるR11基で随意に置換される(C4-C11)シクロアルキルアルキル、1つ以上の同一または異なるR11基で随意に置換される(C5-C10)アリール、1つ以上の同一または異なるR11基で随意に置換される(C6-C16)アリールアルキル、1つ以上の同一または異なるR11基で随意に置換される2〜6員のヘテロアルキル、1つ以上の同一または異なるR11基で随意に置換される3〜8員のシクロヘテロアルキル、1つ以上の同一または異なるR11基で随意に置換される4〜11員のシクロヘテロアルキルアルキル、1つ以上の同一または異なるR11基で随意に置換される5〜10員のヘテロアリール、あるいは1つ以上の同一または異なるR11基で随意に置換される6〜16員のヘテロアリールアルキルであり
およびRは、それぞれ互いから独立して、H、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)ハロアルキル、(C1-C6)アルコキシ、ハロゲン、(C1-C6)ハロアルコキシ、(C1-C6)アミノアルキル、もしくは(C1-C6)ヒドロキシアルキルであるか、または代替として、RおよびRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、スピロシクロアルキルもしくはスピロシクロヘテロアルキルを形成するか、または代替として、RおよびRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、C=O基を形成し、
およびRは、それぞれ互いから独立して、H、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)ハロアルキル、(C1-C6)アルコキシ、ハロゲン、(C1-C6)ハロアルコキシ、(C1-C6)アミノアルキル、もしくは(C1-C6)ヒドロキシアルキルであるか、または代替として、RおよびRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、スピロシクロアルキルもしくはスピロシクロヘテロアルキルを形成するか、または代替として、RおよびRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、C=O基を形成し、
はH、ハロ、1つ以上の同一または異なるR11基で随意に置換される(C1-C6)アルキル、(C1-C3)ハロアルキルオキシ、−OR、−SR、−NR、(C1-C3)ハロアルキル、−C(O)OR、−CN、−NC、−OCN、−SCN、−NOまたは−NOであり、
2つのRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、4から8員の単環式シクロヘテロアルキル、6から10員の架橋二環式シクロヘテロアルキル、または6から12員の架橋三環式シクロヘテロアルキルを形成し、それぞれは1つ以上の同一もしくは異なるR11基で随意に置換され得、置換されたもしくは未置換の、単環式、二環式または三環式のシクロヘテロアルキルは、少なくとも2つの窒素原子を含み、
各R10は、独立して、R11であるか、または代替として、近接する炭素上の2つのR10は、それらが結合する炭素と一緒になって、Aに融合する環を形成し、Aに融合する環は5から8員のシクロアルキル、5から8員のシクロヘテロアルキル、5から6員のアリール、または5から6員のヘテロアリールであり、それぞれ1つ以上の同一もしくは異なるR11基で随意に置換され、
各R11は、独立して、H、R、R、1つ以上の同一もしくは異なるRおよび/またはRで置換されるR、1つ以上の同一もしくは異なるRおよび/またはRで置換される−OR、1つ以上の同一もしくは異なるRおよび/またはRで置換される−SR、1つ以上の同一もしくは異なるRおよび/またはRで置換される−C(O)R、−N(R)R(式中、Rが1つ以上の同一もしくは異なるRおよび/またはRで置換される)、1つ以上の同一もしくは異なるRおよび/またはRで置換される−S(O)、−N(R)−S(O)(式中、Rが1つ以上の同一もしくは異なるRおよび/またはRで置換される)、−B(OR、−B(N(R、−(C(R−R、−O−(C(R−R、−S−(C(R−R、−O−(C(R−R、−N(R)−(C(R−R、−O−(CH−CH((CH)R、−C(O)N(R)−(C(R−R、−O−(C(R−C(O)N(R)−(C(R−R、−N((C(R、−S−(C(R−C(O)N(R)−(C(R−R、−N(R)−C(O)−N(R)−(C(R−R、−N(R)−C(O)−(C(R−C(R)(R、または−N(R)−(C(R−C(O)−N(R)−(C(R−Rであり、
各Rは、独立して、H、重水素、(C1−6)アルキル、(C3−8)シクロアルキル、(C4−11)シクロアルキルアルキル、(C6−10)アリール、(C7−16)アリールアルキル、2〜6員のヘテロアルキル、3〜10員のヘテロアリシクリル、4〜11員のヘテロアリシクリルアルキル、5〜15員のヘテロアリール、または6〜16員のヘテロアリールアルキルであり、
各Rは、独立して、=O、−OR、−O−(C(R−OR、(C1−3)ハロアルキルオキシ、−OCF、=S、−SR、=NR、=NOR、−N(R、ハロ、−CF、−CN、−NC、−OCN、−SCN、−NO、−NO、=N、−N、−S(O)R、−S(O)、−SO、−S(O)N(R、−S(O)N(R、−OS(O)R、−OS(O)、−OSO、−OS(O)N(R、−C(O)R、−CO、−C(O)N(R、−C(NR)−N(R、−C(NOH)−R、−C(NOH)−N(R、−OC(O)R、−OC(O)OR、OC(O)N(R、−OC(NH)−N(R、−OC(NR)−N(R、N(R)−S(O)H、−[N(R)C(O)]、−[N(R)C(O)]OR、−[N(R)C(O)]N(R、または−[N(R)C(NR)]−N(Rであり、
各Rは、独立して、Rであるか、または代替として、2つのRが、それらが結合する窒素原子と一緒になって、随意に1つ以上の同一もしくは異なる付加的なヘテロ原子を含み得、随意に1つ以上の同一もしくは異なるRおよび/またはR基で置換される3から10員のヘテロアリシクリルもしくは5から10員のヘテロアリールを形成し、
各Rは、=O、−OR、−OCF、=S、−SR、=NR、=NOR、−N(R、ハロ、−CF、−CN、−NC、−OCN、−SCN、−NO、−NO、=N、−N、−S(O)R、−S(O)R、−SO、−S(O)N(R、−S(O)N(R、−OS(O)R、−OS(O)、−OSO、−OS(O)N(R、−C(O)R、−CO、−C(O)N(R、−C(NR)−N(R、−C(NOH)R、−C(NOH)N(R、OCO、−OC(O)N(R、−OC(NR)N(R、−[N(R)C(O)]、−(C(R−OR、−N(R)−S(O)、−C(O)−(C1−6)ハロアルキル、−S(O)−(C1−6)ハロアルキル、−OC(O)R、−O(C(R−OR、−S(C(R−OR、N(R)−(C1−6)ハロアルキル、−P(O)(OR、−N(R)−(C(R−OR、−[N(R)C(O)]OR、−[N(R)C(O)]N(R、−[N(R)C(NR)]N(R、または−N(R)C(O)(C1−6)ハロアルキルであり、2つのRは、それらが結合する原子と一緒になって、3〜10員の部分的もしくは完全に飽和した単環式または二環式の環を形成するように組み合わされ、随意に1つ以上のヘテロ原子を含み、随意に1つ以上のRで置換され、
各Rは、独立して、(C1−6)アルキル、(C3−8)シクロアルキル、(C4−11)シクロアルキルアルキル、(C6−10)アリール、(C7−16)アリールアルキル、2〜6員のヘテロアルキル、3〜10の員のヘテロアリシクリル、4〜11の員のヘテロアリシクリルアルキル、5〜15員のヘテロアリール、または6〜16員のヘテロアリールアルキルであり、
各mは独立して、1から3の整数であり、
各nは独立して、0から3の整数であるが、
但し、化合物は、
4−{3−[4−(2,2−ジメチル−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イルアミノ)−5−フルオロ−ピリミジン−2−イルアミノ]−フェニル}−ピペラジン−1−カルボン酸メチルエステル、
N4−(3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イル)−5−フルオロ−N2−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−ピリミジン−2,4−ジアミン、
4−{3−[4−(3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イルアミノ)−5−フルオロ−ピリミジン−2−イルアミノ]−フェニル}−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
1−(4−{3−[4−(3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イルアミノ)−5−フルオロ−ピリミジン−2−イルアミノ]−フェニル}−ピペラジン−1−イル)−エタノン、
6−{5−フルオロ−2−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イルアミノ}−2,2−ジメチル−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン、
6−{2−[3−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−フェニルアミノ]−5−フルオロ−ピリミジン−4−イルアミノ}−2,2−ジメチル−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン、
4−{3−[4−(2,2−ジメチル−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イルアミノ)−5−フルオロ−ピリミジン−2−イルアミノ]−フェニル}−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
6−{5−フルオロ−2−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イルアミノ}−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン、
6−{2−[3−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−フェニルアミノ]−5−フルオロ−ピリミジン−4−イルアミノ}−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン、
4−{3−[5−フルオロ−4−(3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イルアミノ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−フェニル}−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
N4−(3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イル)−5−フルオロ−N2−[3−メチル−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−ピリミジン−2,4−ジアミン、
N2−[3−クロロ−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−N4−(3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イル)−5−フルオロ−ピリミジン−2,4−ジアミン、
N4−(3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イル)−5−フルオロ−N2−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−ピリミジン−2,4−ジアミン、
4−{4−[4−(3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イルアミノ)−5−フルオロ−ピリミジン−2−イルアミノ]−フェニル}−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
1−(4−{4−[4−(3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イルアミノ)−5−フルオロ−ピリミジン−2−イルアミノ]−フェニル}−ピペラジン−1−イル)−エタノン、
4−{4−[4−(2,2−ジメチル−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イルアミノ)−5−フルオロ−ピリミジン−2−イルアミノ]−フェニル}−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−{4−[5−フルオロ−4−(3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イルアミノ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−フェニル}−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
6−{5−フルオロ−2−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イルアミノ}−2,2−ジメチル−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン、
6−{5−フルオロ−2−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イルアミノ}−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン、
6−{2−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−フェニルアミノ]−5−フルオロ−ピリミジン−4−イルアミノ}−2,2−ジメチル−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン、
4−{4−[4−(2,2−ジメチル−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イルアミノ)−5−フルオロ−ピリミジン−2−イルアミノ]−フェニル}−ピペラジン−1−カルボン酸メチルエステル、
4−{4−[5−フルオロ−4−(3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イルアミノ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−フェニル}−ピペラジン−1−カルボン酸メチルエステル、または
6−{2−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−フェニルアミノ]−5−フルオロ−ピリミジン−4−イルアミノ}−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン、ではない。
【0058】
幾つかの実施形態において、式Iの化合物は、さらに:
N4−(3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−イル)−5−フルオロ−N2−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−ピリミジン−2,4−ジアミン、ではない。
【0059】
幾つかの実施形態において、式Iの化合物は、表1に示される化合物141−171、ならびに、
N4−(3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6イル)−5−フルオロ−N2−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−ピリミジン−2,4−ジアミン、および
4−{3−[4−(2,2−ジメチル−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イルアミノ)−5−フルオロ−ピリミジン−2−イルアミノ]−フェニル}−ピペラジン−1−カルボン酸メチルエステル、
を除外する。
【0060】
幾つかの実施形態において、
(i)Aが

およびRがメチル、−C(O)OCH、−C(O)OCHCH、または−C(O)CHである場合、式Iの化合物は、

ではない。
(ii)Aが

であり、式中、Rが、メチル、−C(O)OCH、−C(O)OCHCH、または−C(O)CHである場合、式Iの化合物は、

ではない。
および、
(iii)Aが、

であり、式中、Rがメチルであり、R10がメチルまたはクロロである場合、式Iの化合物は、

ではない。
【0061】
上記に説明された化合物に加えて、幾つかの実施形態において、式Iの化合物はN4−(3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6イル)−5−フルオロ−N2−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−ピリミジン−2,4−ジアミン、ではない。
【0062】
幾つかの実施形態において、式Iの化合物は、Rとしてのフルオロと、−N(Rとしての置換されたまたは未置換のピペラジニルとを同時に含まない。
【0063】
幾つかの実施形態での式Iの化合物において、YはOである。幾つかの実施形態での式Iの化合物において、YはSである。
【0064】
幾つかの実施形態での式Iの化合物において、ZはCHである。幾つかの実施形態での式Iの化合物において、ZはNである。
【0065】
幾つかの実施形態での式Iの化合物において、Aはフェニルである。幾つかの実施形態での式Iの化合物において、Aはピリジルである。
【0066】
幾つかの実施形態での式Iの化合物において、Aは2つの窒素原子を有する、6員のヘテロアリールである。
【0067】
幾つかの実施形態での式Iの化合物において、RはH、(C1−C6)アルキル、(C3−C6)シクロアルキル、または(C4−C6)シクロアルキルアルキルである。さらなる特定の実施形態において、RはHである。
【0068】
幾つかの実施形態での式Iの化合物において、Rは、H、アルキル(アルカニル、およびアルキニルを含む)、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロもしくはアルコキシで随意に置換されるアリールアルキル、またはハロもしくはアルコキシで随意に置換されるヘテロアリールアルキルである。
【0069】
幾つかの実施形態での式Iの化合物において、RおよびRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、C=O基を形成する。
【0070】
幾つかの実施形態での式Iの化合物において、RおよびRは、それぞれ互いから独立して、H、ハロ、もしくは(C1-C6)アルキルであるか、または代替として、RおよびRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、随意に置換されたスピロシクロアルキルもしくは随意に置換されたスピロシクロヘテロアルキルを形成する。さらに特定の実施形態での式Iの化合物において、RおよびRは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、メチル、またはエチルである。幾つかの特定の実施形態での式Iの化合物において、RおよびRは、同時にHである。幾つかの特定の実施形態での式Iの化合物において、RおよびRは、同時にC1−C3アルキルである。幾つかの特定の実施形態での式Iの化合物において、RおよびRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、未置換のスピロシクロアルキルを形成する。
【0071】
幾つかの実施形態での式Iの化合物において、RはH、(C1-C3)アルキル、(C1-C3)アルコキシ、ハロゲン、−CN、−NO、(C1-C3)ハロアルキル、−C(O)OR、または(C1-C3)ハロアルキルオキシである。さらに特定の実施形態での式Iの化合物において、RはH、(C1-C3)アルキル、(C1−C3)ペルフルオロアルキル、フルオロ、クロロ、またはアルコキシである。よりさらに特定の実施形態での式Iの化合物において、Rは(C1−C3)ペルフルオロアルキル、フルオロ、またはクロロである。
【0072】
幾つかの実施形態での式Iの化合物において、2つのRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、6から10員の架橋二環式基または6から12員の架橋三環式基を形成し、それぞれ随意に1つ以上の同一または異なるR11で置換される。さらに特定の実施形態において、2つのRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、6から10員の架橋二環式基を形成し、1つ以上の同一または異なるR11で随意に置換される。幾つかの実施形態において、6から10員の架橋二環式基は、[3.3.3]、[3.3.2]、[3.3.1]、[3.2.2]、[3.2.1]、[2.2.2]、または[2.2.1]である、配置を含む。
【0073】
幾つかの実施形態において、6から10員の架橋二環式基は、R置換基で置換される窒素原子を含み、Rは、R、−S(O)、−C(O)R、−C(O)OR、または−C(O)NRである。さらに特定の実施形態において、6から10員の架橋二環式基は、

であり、
式中、Rは、R、−S(O)、−C(O)R、−C(O)OR、または−C(O)NRであり、各Rは独立して、H、ハロゲン、または(C1−C6)アルキルである。
【0074】
よりさらに特定の実施形態において、架橋二環式基は、

であり、式中、Rは、R、−S(O)、−C(O)R、−C(O)OR、または−C(O)NRである。
【0075】
さらに特定の実施形態において、Rは、H、(C1−C4)アルキル、(C4−C8)シクロアルキルアルキル、−C(O)CH、または−SOCHであり、Rは、4から8員の単環式シクロヘテロアルキル、6から10員の架橋二環式シクロヘテロアルキル、または6から12員の架橋三環式シクロヘテロアルキル上の窒素で置換基である。
【0076】
幾つかの実施形態での式Iの化合物において、架橋二環式または架橋三環式基は、

であり、式中、Rは、R、−S(O)、−C(O)R、−C(O)OR、または−C(O)NRであり、各Rは独立して、H、ハロゲン、または(C1−C6)アルキルである。さらに特定の実施形態において、Rは、H、(C1−C4)アルキル、(C4−C8)シクロアルキルアルキル、−C(O)CH、または−SOCHである。
【0077】
幾つかの実施形態での式Iの化合物において、R10は、ハロゲン、ハロアルキル、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシ、もしくはシクロアルキルアルキルオキシであるか、または代替として、近接する炭素上の2つのR10は、それらが結合する炭素と一緒になって、Aに融合する環を形成し、Aに融合する環は、5から8員のシクロアルキル、5から8員のシクロヘテロアルキル、5から6員のアリール、もしくは5から6員のヘテロアリールであり、それぞれ1つ以上の同一もしくは異なるR11で随意に置換される。
【0078】
第1の特定の実施形態において、本明細書で式IIの化合物:

が提供され、式中、
2つのRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、1つ以上の同一または異なるR11で随意に置換される6から10員の架橋二環式基を形成し、架橋二環式基は少なくとも2つの環状の窒素原子を含有し、
10は、上記の化合物Iに定義されたとおりであり、
は、H、(C1−C3)アルキル、(C1−C3)アルコキシ、ハロゲン、−CN、−NO、(C1−C3)ハロアルキル、−C(O)OR、または(C1−C3)ハロアルキルオキシであり、
は、H、(C1−C6)アルキル、(C3−C6)シクロアルキル、または(C4−C6)シクロアルキルアルキルであり、
は、上記の式Iに定義されたとおりであり、
およびRは、それぞれ互いから独立して、H、ハロ、もしくは(C1−C6)アルキルであるか、または、代替としてRおよびRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、随意に置換されたスピロシクロアルキルもしくは随意に置換されたスピロシクロヘテロアルキルを形成する。
【0079】
第1の特定の実施形態に従う第2の実施形態において、RはHである。
【0080】
第1の特定の実施形態またはその第2の実施形態に従う第3の実施形態において、架橋二環式基は、

あり、式中、Rは、R、−S(O)、−C(O)R、−C(O)OR、および−C(O)NRであり、各Rは、独立してH、ハロゲン、または(C1-C6)アルキルである。
【0081】
第3の実施形態に従う第4の実施形態において、RはH、(C1-C4)アルキル、(C4-C8)シクロアルキルアルキル、−C(O)CH、または−SOCHであり、R10は、ハロゲン、ハロアルキル、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシ、もしくはシクロアルキルアルキルオキシであるか、または代替として、近接する炭素上の2つのR10は、それらが結合する炭素と一緒になって、Aに融合する環を形成し、Aに融合する環は、5から8員のシクロアルキル、5から8員のシクロヘテロアルキル、5から6員のアリール、または5から6員のヘテロアリールであり、それぞれ1つ以上の同一もしくは異なるR11基で随意に置換され、Rは、上記の式Iに定義されたとおりであり、RはH、(C1−C3)アルキル、(C1−C3)ペルフルオロアルキル、フルオロ、クロロ、またはアルコキシであり、RおよびRは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、メチル、またはエチルである。
【0082】
第1の特定の実施形態、第2、第3または第4の実施形態のうち1つに従う第5の実施形態において、化合物は、式III:

に従う。
【0083】
第1の特定の実施形態、第2、第3または第4の実施形態のうち1つに従う第6の実施形態において、化合物は、式IV:

に従う。
【0084】
第1の特定の実施形態、第2、第3または第4の実施形態のうち1つに従う第7の実施形態において、化合物は、式V:

に従う。
【0085】
第1の特定の実施形態、第2、第3または第4の実施形態のうち1つに従う第8の実施形態において、化合物は、式VI:

に従い、式中、点線は二価のリンカーを表し、二価のリンカーは、酸素および該酸素が結合する環状炭素原子と一緒になって、5から8員のシクロヘテロアルキル環を形成する。
【0086】
第1の特定の実施形態、第2、第3または第4の実施形態のうち1つに従う第9の実施形態において、化合物は、式VII:

に従う。
【0087】
第1の特定の実施形態、第2、第3または第4の実施形態のうち1つに従う第10の実施形態において、化合物は、次の式:

うち1つに従い、式中、点線は二価のリンカーを表し、二価のリンカーは、酸素および該酸素が結合する環状炭素原子と一緒になって、5から8員のシクロヘテロアルキル環を形成する。
【0088】
式Iの化合物に従う第11の実施形態において本発明の化合物は、式XIII:

に従う構造を有し、式中、2つのRはそれらが結合する窒素原子と一緒になって、6から10員の架橋二環式基を形成し、1つ以上の同一または異なるR11で随意に置換され、架橋二環式基は少なくとも2つの環状の窒素原子を含有し、
10は、化合物Iに定義されたとおりであり、式中、
は、H、(C1−C3)アルキル、(C1−C3)アルコキシ、ハロゲン、−CN、−NO、(C1−C3)ハロアルキル、−C(O)OR、または(C1−C3)ハロアルキルオキシであり、
は、H、(C1−C6)アルキル、(C3−C6)シクロアルキル、または(C4−C6)シクロアルキルアルキルであり、
は、式Iに定義されたとおりであり、
およびRはそれぞれ互いから独立して、H、ハロ、もしくは(C1−C6)アルキルであるか、または、代替としてRおよびRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、随意に置換されたスピロシクロアルキルもしくは随意に置換されたスピロシクロヘテロアルキルを形成する。
【0089】
第12の実施形態において、RがHである式XIIIの化合物である。
【0090】
第13の実施形態において、第11または12の実施形態のような構造を有する化合物であり、架橋二環式基は、

であり、式中、RはR、−S(O)、−C(O)R、−C(O)OR、または−C(O)NRであり、各Rは、独立して、H、ハロゲン、または(C1-C6)アルキルである。
【0091】
第14の実施形態において、第13の実施形態のような構造の化合物が提供され、Rは、H、(C1-C4)アルキル、(C4-C8)シクロアルキルアルキル、−C(O)CH、または−SOCHであり、R10はハロゲン、ハロアルキル、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシ、もしくはシクロアルキルアルキルオキシであるか、または代替として、近接する炭素上の2つのR10は、それらが結合する炭素と一緒になって、5から8員のシクロアルキル、5から8員のシクロヘテロアルキル、5から6員のアリールもしくは5から6員のヘテロアリールであるAに融合する環を形成し、それぞれ1つ以上の同一もしくは異なるR11基で随意に置換され、Rは、式Iに定義されたとおりであり、RはH、(C1−C3)アルキル、(C1−C3)ペルフルオロアルキル、フルオロ、クロロ、またはアルコキシであり、RおよびRは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、メチル、またはエチルである。
【0092】
第15の実施形態において、式XIV:

に従う構造を有する、第11、第12、第13および第14の実施形態のいずれか1つに従う化合物が提供される。
【0093】
第16の実施形態において、式XV:

に従う構造を有する、第11、第12、第13および第14の実施形態のいずれか1つに従う化合物が提供される。
【0094】
第17の実施形態において、式XVI:

に従う構造を有する、第11、第12、第13および第14の実施形態のいずれか1つに従う化合物が提供される。
【0095】
第18の実施形態において、式XVII:

に従う構造を有する、第11、第12、第13および第14の実施形態のいずれか1つに従う化合物が提供され、点線は二価のリンカーを表し、二価のリンカーは、酸素および該酸素が結合する環状炭素原子と一緒になって、5から8員のシクロヘテロアルキル環を形成する。
【0096】
第19の実施形態において、式XVIII:

に従う構造を有する、第11、第12、第13および第14の実施形態のいずれか1つに従う化合物が提供される。
【0097】
第20の実施形態において、次の式:

の1つに従う構造を有する、第11、第12、第13および14の実施形態のうち1つに従う化合物が提供され、点線は二価のリンカーを表し、二価のリンカーは、酸素および該酸素が結合する環状炭素原子と一緒になって、5から8員のシクロヘテロアルキル環を形成する。
【0098】
第21の実施形態において、式Iの化合物は、式XXIV:

の構造を有し、式中、2つのRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、6から10員の架橋二環式または6から12員の架橋三環式基を形成し、それぞれ1つ以上の同一または異なるR11で随意に置換される。
【0099】
第22の実施形態において、式Iの化合物は、式XXV:

の構造を有し、式中、2つのRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、6から10員の架橋二環式または6から12員の架橋三環式基を形成し、それぞれ1つ以上の同一または異なるR11で随意に置換される。
【0100】
第23の実施形態において、式Iの化合物は、次の式:

のうち1つに従い、式中、
およびR10は式Iに定義されたとおりであり、
は、H、(C1−C3)アルキル、(C1−C3)アルコキシ、ハロ、−CN、−NO、(C1−C3)ハロアルキル、−C(O)OR、または(C1−C3)ハロアルキルオキシであり、
は、H、(C1−C6)アルキル、(C3−C6)シクロアルキル、または(C4−C6)シクロアルキルアルキルであり、
は式Iに定義されたとおりであり、
およびRは、それぞれ互いから独立して、H、ハロ、もしくは(C1−C6)アルキルであるか、または代替としてRおよびRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、随意に置換されたスピロシクロアルキルもしくは随意に置換されたスピロシクロヘテロアルキルを形成する。
【0101】
第24の実施形態において、化合物は、RがHである第23の実施形態に従う。
【0102】
第25の実施形態において、2つのR基は、
それらが結合する窒素と一緒になって、

を形成する、第23または第24の実施形態のいずれか一方に従う化合物が提供され、Rは、R、−S(O)、−C(O)R、−C(O)OR、または−C(O)NRである。
【0103】
第26の実施形態において、Rは、H、(C1-C4)アルキル、(C4-C8)シクロアルキルアルキル、−C(O)CH、または−SOCHであり、R10はハロゲン、ハロアルキル、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシ、もしくはシクロアルキルアルキルオキシであるか、または代替として、近接する炭素上の2つのR10はそれらが結合する炭素と一緒になって、5から8員のシクロアルキル、5から8員のシクロヘテロアルキル、5から6員のアリール、あるいは5から6員のヘテロアリールであるフェニルまたはピリジルに融合する環を形成し、それぞれ1つ以上の同一もしくは異なるR11基で随意に置換され、Rは化合物Iに定義されたとおりであり、RはsH、(C1−C3)アルキル、(C1−C3)ペルフルオロアルキル、フルオロ、クロロ、またはアルコキシであり、RおよびRは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、メチル、またはエチルである、第25の実施形態の化合物が提供される。
【0104】
第27の実施形態において、第26の実施形態の化合物はオルト位に少なくとも1つのR10を有する。位はピリミジンジアミン系のN2に関して示される。
【0105】
第28の実施形態において、第27の実施形態の化合物は、メタ位に−N(Rを有する。位はピリミジンジアミン系のN2に関して示される。
【0106】
第29の実施形態において、第28の実施形態の化合物はオルト位およびメタ位に、近接する炭素に結合する少なくとも2つのR10基を有する。
【0107】
第30の実施形態において、第29の実施形態の化合物は、それらが結合する近接する環状炭素と一緒になって、5から8員のシクロアルキル、5から8員のシクロヘテロアルキル、5から6員のアリール、あるいは5から6員のヘテロアリールであるフェニルに融合する環を形成し、それぞれ1つ以上の同一または異なるR11基で随意に置換される2つのR10基を有する。
【0108】
第31の実施形態において、式I:

に従う化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、N−酸化物、またはプロドラッグであって、式中、
はOまたはSであり、
はCHまたはNであり、
Aはフェニルまたは6員のヘテロアリールであり、
はHであり、
およびRは、それぞれ互いから独立して、H、1つ以上の同一または異なるR11基で随意に置換される(C1-C6)アルキル、1つ以上の同一または異なるR11基で随意に置換される(C3-C8)シクロアルキル、1つ以上の同一または異なるR11基で随意に置換される(C4-C11)シクロアルキルアルキル、1つ以上の同一または異なるR11基で随意に置換される(C5-C10)アリール、1つ以上の同一または異なるR11基で随意に置換される(C6-C16)アリールアルキル、1つ以上の同一または異なるR11基で随意に置換される2〜6員のヘテロアルキル、1つ以上の同一または異なるR11基で随意に置換される3〜8員のシクロヘテロアルキル、1つ以上の同一または異なるR11基で随意に置換される4〜11員のシクロヘテロアルキルアルキル、1つ以上の同一または異なるR11基で随意に置換される5〜10員のヘテロアリール、および1つ以上の同一または異なるR11基で随意に置換される6〜16員のヘテロアリールアルキルであり、
およびRは、それぞれ互いから独立して、H、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)ハロアルキル、(C1-C6)アルコキシ、ハロゲン、(C1-C6)ハロアルコキシ、(C1-C6)アミノアルキル、および(C1-C6)ヒドロキシアルキルからなる群から選択されるか、または代替として、RおよびRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、スピロシクロアルキルもしくはスピロシクロヘテロアルキルを形成するか、または代替として、RおよびRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、C=O基を形成し、
およびRは、それぞれ互いから独立して、H、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)ハロアルキル、(C1-C6)アルコキシ、ハロゲン、(C1-C6)ハロアルコキシ、(C1-C6)アミノアルキル、および(C1-C6)ヒドロキシアルキルからなる群から選択されるか、または代替として、RおよびRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、スピロシクロアルキルもしくはスピロシクロヘテロアルキルを形成するか、または代替として、RおよびRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、C=O基を形成し、
は、H、ハロ、1つ以上の同一または異なるR11基で随意に置換される(C1-C6)アルキル、(C1-C3)ハロアルキルオキシ、−OR、−SR、−NR、(C1-C3)ハロアルキル、−C(O)OR、−CN、−NC、−OCN、−SCN、−NO、および−NOからなる群から選択され、
2つのRはそれらが結合する窒素原子と一緒になって、6から10員の架橋二環式シクロヘテロアルキルを形成し、1つ以上の同一または異なるR11基で随意に置換され、置換されたまたは未置換の二環式シクロヘテロアルキルは、少なくとも2つの窒素原子を含み、
各R10は、独立して、R11であり、代替として、近接する炭素上の2つのR10は、それらが結合する炭素と一緒になって、5から8員のシクロアルキル、5から8員のシクロヘテロアルキル、5から6員のアリール、および5から6員のヘテロアリールからなる群から選択されるAに融合する環を形成し、それぞれ1つ以上の同一もしくは異なるR11基で随意に置換され、
各R11は、独立して、R、R、1つ以上の同一もしくは異なるRまたはRで置換されるR、1つ以上の同一もしくは異なるRまたはRで置換される−OR、−B(OR、−B(NR、−(CH−R、−(CHR−R、−O−(CH−R、−S−(CH−R、−O−CHR、O−CR(R、−O−(CHR−R、−O−(CH−CH[(CH]R、−S−(CHR−R、−C(O)NH−(CH−R、−C(O)NH−(CHR−R、−O−(CH−C(O)NH−(CH−R、−S−(CH−C(O)NH−(CH−R、−O−(CHR−C(O)NH−(CHR−R、−S−(CHR−C(O)NH−(CHR−R、−NH−(CH−R、−NH−(CHR−R、−N[(CH、−NH−C(O)−NH−(CH−R、−NH−C(O)−(CH−CHR、および−NH−(CH−C(O)−NH−(CH−Rであり、
各Rは、独立して、水素、(C1−6)アルキル、(C3−8)シクロアルキル、(C4−11)シクロアルキルアルキル、(C5−C10)アリール、(C6−C16)アリールアルキル、2〜6員のヘテロアルキル、3〜8員のシクロヘテロアルキル、4〜11員のシクロヘテロアルキルアルキル、5〜10員のヘテロアリール、および6〜16員のヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、
各Rは、独立して、=O、OR(C1−C3)ハロアルキルオキシ、−OCF、=S、−SR、=NR、=NOR、NR、ハロゲン、ハロアルキル、−CN、−NC、−OCN、−SCN、−NO、−NO、=N、−N、−S(O)R、−S(O)、−S(O)OR、−S(O)NR、−S(O)、−OS(O)R、−OS(O)、−OS(O)、−OS(O)NR、−OS(O)NR、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)NR、−C(NH)NR、−OC(O)R、−SC(O)R、−OC(O)OR、−SC(O)OR、−OC(O)NR、−SC(O)NR、−OC(NH)NR、−SC(NH)NR、−[NHC(O)]、−[NHC(O)]OR、−[NHC(O)]NR、−[NHC(NH)]NR、および−[NRC(NR)]NRからなる群から選択され、
各Rは、独立して、Rであるか、または代替として、それらが結合する窒素原子と一緒になって、5から8員のシクロヘテロアルキルもしくはヘテロアリールを形成し、随意に1つ以上の同一もしくは異なる付加的な環状のヘテロ原子を含み、1つ以上の同一もしくは異なるRまたはR基で随意に置換され、
各Rは、独立して、各Rであり、
各Rは、独立して、(C1−6)アルキル、(C3−8)シクロアルキル、(C4−11)シクロアルキルアルキル、(C5−C10)アリール、(C6−16)アリールアルキル、2〜6員のヘテロアルキル、3〜8員のシクロヘテロアルキル、4〜11員のシクロヘテロアルキルアルキル、5〜10員のヘテロアリール、および6〜16員のヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、
各mは独立して、1から3の整数であり、
各nは独立して、0から3の整数である。
【0109】
本明細書で説明される2,4−ピリミジンジアミン化合物は、プロドラッグを形成するためプログループで遮蔽され得る官能基を含み得ることが当業者に理解されよう。当該のプロドラッグは通常、必ずしもではないが、それらの活性の剤型に変換するまでは薬理学的に不活性である。例えば、エステル基は、一般的に、胃の酸性条件へさらされる場合、親カルボン酸を産生するように酸触媒加水分解を起こすか、または腸または血液の塩基性条件にさらされる場合、塩基触媒加水分解を起こす。故に、それらの相当するカルボン酸のプロドラッグとみなされ得るエステル部分を含む2,4−ピリミジンジアミンを経口的に対象へ投与した際、エステル型であってもなくても、薬理学的に活性である。
【0110】
本明細書で説明されるプロドラッグにおいて、プロドラッグを産生するように任意の可能な官能部分がプログループで遮蔽され得る。プロ部分に加えるためプログループで遮蔽され得る2,4−ピリミジンジアミン化合物内の官能基は、限定されないが、アミン(一級および二級)、ヒドロキシル、スルファニル(チオール)、カルボキシル、等を含む。所望の使用条件下で切断可能であるプロ部分を産生するように当該の官能基を遮蔽するために適している多種多様なプログループは、当技術分野で既知である。これら全てのプログループ、それ単独または併用は、本発明のプロドラッグに含まれ得る。
【0111】
本明細書で説明される化合物の追加の例示的な実施形態は、下記の表1に図示される。表1は幾つかの化合物へのPLK1阻害試験データならびに、調製されているピリミジンジアミン化合物を収載する。
【0112】
幾つかの実施形態において、生化学的または細胞のアッセイに関して、化合物は、PLK1に対し、10μM未満、5μM未満、1μM、0.1μM未満、および0.01μM未満のIC50を有する。
【0113】
幾つかの実施形態において、生化学のインビトロPLK1アッセイで、10μM未満のIC50を有する化合物は、表1に提示される化合物番号3、4−6、15−21、23−30、32−56、95−97、101、107−111、114−116、120、122、125、127−134、157、161、167−169、173、183、188、189、191、および196である。
【0114】
本明細書での条件下で試験された際の、本明細書で説明される、PLK1活性を阻害するための化合物の能力の結果は表1に示され、活性は、次の領域によって示される。「A」はIC50<0.5μMを有する化合物であることを表し、「B」はIC500.5μMおよび<5μMを有する化合物であることを表し、「C」はIC505μMおよび<10μMを有する化合物であることを表し、および「D」は、10μMの活性を有する化合物であることを表す。
【0115】
【表1】
















































【0116】
本明細書で特定的に説明される、および/または、図示される様々な化合物の種類ならびに、本明細書で説明される多くの化合物およびプロドラッグは、互変異性、立体配座異性、幾何異性、および/または光学異性の現象を示し得るということが当業者に理解されるであろう。例えば、化合物およびプロドラッグは1つ以上の不斉中心および/または二重結合を含み、結果として二重結合異性体(すなわち、幾何異性)、光学異性体、ジアステレオマー、およびラセミ混合物等のその混合物等の立体異性体として存在し得る。別の例として、化合物およびプロドラッグは、エノール型、ケト型、およびその混合物を含む、いくつかの互変異性型で存在し得る。化合物の様々な名称と同様に、明細書および請求項内での式および化合物の図は、可能な互変異性型、立体配座異性型、光学異性型、または幾何異性型のうちの1つのみを表すことができ、本発明が、本明細書で説明される1つ以上の有用性を有する化合物またはプロドラッグの任意の互変異性型、立体配座異性型、光学異性型、および/または幾何異性型、ならびにこれらの様々な異なる異性体の混合物を包含するということが理解されるであろう。2,4−ピリミジンジアミンコア構造周囲の限定された回転の場合、アトロプ異性体もまた可能であり、また具体的には、本発明の化合物および/またはプロドラッグをも含む。
【0117】
様々な置換基の性質次第で、2,4−ピリミジンジアミン化合物およびプロドラッグは、塩の型であり得る。当該の塩は、薬学的な使用に好適な塩(「薬学的に、許容される塩」)、獣医科用の使用に好適な塩等を含む。当該の塩は、当該の技術で既知であるように、酸または塩基から派生し得る。
【0118】
幾つかの実施形態において、塩は、薬学的に許容される塩である。一般に、薬学的に許容される塩とは、本化合物の所望の薬理学的活性のうちの実質的に1つ以上を保有し、かつヒトへの投与に好適な塩である。薬学的に許容される塩には、無機酸または有機酸を用いて形成された酸付加塩が挙げられる。薬学的に許容される酸付加塩を形成するのに好適な無機酸には、限定ではなく、例として、ハロゲン化水素酸(hydrohalide acid)(例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸等)、硫酸、硝酸、リン酸等が挙げられる。薬学的に許容される酸付加塩を形成するのに好適な有機酸には、限定ではなく、例として、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、シュウ酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、パルミチン酸、安息香酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、アルキルスルホン酸(例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタン−ジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸等)、アリールスルホン酸(例えば、ベンゼンスルホン酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸等)、4−メチルビシクロ[2.2.2]−オクト−2−エン−1−カルボン酸、グルコヘプトン酸、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、第三ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸等が挙げられる。
【0119】
また、薬学的に許容される塩には、親化合物内に存在する酸性プロトンが、金属イオン(例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、もしくはアルミニウムイオン)によって置換されるか、または有機塩基(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルグルカミン、モルホリン、ピペリジン、ジメチルアミン、ジエチルアミン等)と配位するかのいずれかの際に形成される塩も挙げられる。
【0120】
2,4−ピリミジンジアミン化合物およびプロドラッグならびにその塩は、溶媒和物(例えば、水和物)およびN−酸化物の型でもあり得るということは当該の技術で既知である。
【0121】
合成の方法
本発明の2,4−ピリミジンジアミン化合物は、市販される出発物質および/または従来の合成方法によって調製された出発物質を使用して、様々な異なる合成経路を介して合成され得る。本発明の2,4−ピリミジンジアミン化合物を合成するために慣例的に適用され得る好適な例示的な方法は、その開示が参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許第5,958,935号に見られる。数多くの2,4−ピリミジンジアミン化合物、ならびにそのための中間体の合成を説明する具体的な例は、その内容が参照によって本明細書に組み込まれる、2003年1月31日に出願された、米国出願第10/355,543号(米国第2004/0029902A1号)に記載される。活性2,4−置換ピリミジンジアミン化合物を合成するために慣例的に使用および/または適用され得る好適な例示的な方法も、その開示が参照によって本明細書に組み込まれる、2003年1月31日に出願された、国際出願第PCT/US03/03022号(国際公開第03/063794号)、2003年7月29日に出願された、米国出願第10/631,029号、国際出願第PCT/US03/24087号(国際公開第2004/014382号)、2004年7月30日に出願された、米国出願第10/903,263号(米国第2005/0234049号)、および国際出願第PCT/US2004/24716号(国際公開第005/016893号)に見ることができる。本明細書に記載される化合物のすべては、これらの方法を慣例的に適用することによって調製され得る。
【0122】
また、本明細書に記載される2,4−置換ピリミジンジアミンの具体的な例示的合成方法は、以下の実施例1にも記載される。当業者は、本明細書に記載されるように、追加の2,4−置換ピリミジンジアミンを合成するために、これらの実施例を容易に適用することもできるであろう。
【0123】
本発明の2,4−置換ピリミジンジアミン化合物を合成するために使用し得る例示的な合成経路は、下記のスキーム(I)に説明される。当業者は本明細書で説明される2,4−置換ピリミジンジアミン化合物を合成するための本方法を慣例的に適用することができる。同様に、本明細書で組み込まれる公開では、多数の代替の合成例が詳細に説明される。
【0124】
例示的な一実施形態では、化合物は、以下のスキーム(I)に図示されるように、置換または非置換ウラシルから合成することができる:

【0125】
スキーム(I)において、環A、および他の変数は本明細書の式Iに関して定義される。スキーム(I)に従って、ウラシルA−1は、2−および4−の位置で、標準条件下で、2,4−ジクロロピリミジンA−2を産生するように、POCl等(または他の標準のハロゲン化薬剤)の標準のハロゲン化薬剤を使用して、ジハロゲン化する。R置換基次第で、ピリミジンジアミンA−2で、C4位置の塩化物は、求核試薬に対してC2位置の塩化物より反応する。この異なる反応性は、まず2,4−ジクロロピリミジンA−2とアミンA−3の1つの等価物を反応させ、4N−置換−2−クロロ−4−ピリミジンアミンA−4を産生し、次に、RおよびRが、Hである場合の、式Iの化合物である、2,4-ピリミジンアミン誘導体A−6を産生するように、アミンA−5を続いて産生することによって、2,4−ピリミジンジアミンA−6(および最終的に、位置選択的なアルキル化を経て、例えば、RおよびRが、Hではない場合(それらがA−6にあるように)、式Iの化合物)を合成するため活用され得る。
【0126】
スキームに図示されるように、典型的に、C4ハロゲン化物は、求核試薬に関してより反応性である。しかしながら、当業者によって認識されるように、X置換基が何であるかによって、この反応性は変更され得る。例えば、Xがトリフルオロメチルである場合、4N−置換−4−ピリミジンアミンA−4および対応する2N−置換−2−ピリミジンアミンの50:50混合物が得られる。また、反応の位置選択性は、当該技術分野において周知であるように、溶媒および他の合成条件(温度等)を調整することによって、制御することができる。
【0127】
スキーム(I)に描写される反応は、反応混合物がマイクロ波を介して加熱される場合、より早く進行し得る。この方法で加熱する際、以下の条件を使用することができる:Smith Reactor(Personal Chemistry,Uppsala,Sweden)内で、密閉管(20barの圧力の)内で、エタノール中で5〜20分間、175°Cに加熱する。
【0128】
ウラシルA−1出発物質は、商業的供給源から購入する、または有機化学の標準技術を使用して調製することができる。スキーム(I)で出発物質として使用することができる、市販されるウラシルには、限定ではなく、例として、ウラシル(Aldrich社、番号13,078−8、CAS Registry66−22−8)、5−ブロモウラシル(Aldrich社、番号85,247−3、CAS Registry51−20−7)、5−フルオロウラシル(Aldrich社、番号85,847−1、CAS Registry51−21−8)、5−ヨードウラシル(Aldrich社、番号85,785−8、CAS Registry 696−07−1)、5−ニトロウラシル(Aldrich社、番号85,276−7、CAS Registry611−08−5)、5−(トリフルオロメチル)−ウラシル(Aldrich社、番号22,327−1、CAS Registry54−20−6)が挙げられる。さらなる5−置換ウラシルは、General Intermediates of Canada,Inc.,Edmonton,CAおよび/またはInterchim,Cedex,Franceから入手可能である、あるいは標準技術を使用して調製することができる。好適な合成方法を教示する多様な教科書的な参考文献が以下に提供される。
【0129】
アミンA−3およびA−5は、商業的供給源から購入することができる、または代替として、標準技術を利用して合成することができる。例えば、好適なアミンは、標準化学を使用して、ニトロ前躯体から合成することができる。具体的な例示的な反応は、実施例の項に提供される。また、Vogel,1989,Practical Organic Chemistry,Addison Wesley Longman,Ltd.and John Wiley & Sons,Inc.も参照されたい。
【0130】
当業者は、場合によっては、アミンA−3およびA−5ならびに/またはウラシルA−1上の置換基Rが、合成中に保護する必要がある官能基を含み得ることを認識するであろう。使用される任意の保護基が正確に何であるかは、保護される官能基の特性に依存し、当業者にとって明らかであろう。適切な保護基、ならびにそれらの結合および除去のための合成戦略を選択するための手引きは、例えば、Greene & Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,3d Edition,John Wiley & Sons,Inc.,New York(1999)およびその中で言及される参考文献(以後、「Greene & Wuts」)に見ることができる。
【0131】
したがって、保護基とは、分子内の反応性官能基に結合すると、官能基の反応性を遮断、低減、または阻止する、原子団を指す。典型的に、保護基は、合成の経過中に、所望であれば選択的に除去することができる。保護基の例は、上述されるGreene and Wuts、およびさらに、Harrison et al.,Compendium of Synthetic Organic Methods,Vols.1−8,1971−1996,John Wiley & Sons,NYに見ることができる。代表的なアミノ保護基には、ホルミル、アセチル、トリフルオロアセチル、ベンジル、ベンジルオキシカルボニル(「CBZ」)、tert−ブトキシカルボニル(「Boc」)、トリメチルシリル(「TMS」)、2−トリメチルシリル−エタンスルホニル(「TES」)、トリチルおよび置換トリチル基、アリルオキシカルボニル、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(「FMOC」)、ニトロ−ベラトリルオキシカルボニル(「NVOC」)等が挙げられるが、これらに限定されない。代表的なヒドロキシル保護基には、ヒドロキシル基が、酢酸塩および安息香酸エステルを形成するようにアシル化されるか、またはベンジルおよびトリチルエーテルを形成するようにアルキル化されるもの、ならびにアルキルエーテル、テトラヒドロピラニルエーテル、トリアルキルシリルエーテル(例えば、TMS基またはTIPPS基)、およびアリルエーテルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0132】
一般に、ピリミジンを合成するのに有用な方法を教示する多様な参考文献、ならびにスキーム(I)に記載される出発物質は、当該技術分野において知られている。具体的な手引きについて、読者は、

を参照する。
【0133】
例1:
表1の化合物番号154である、エチル4−(3−(5−フルオロ−4−(3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル)ピペラジン−1−カルボン酸塩は、6−アミノ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3(4H)−オン、および2,4−ジクロロ−5−フルオロウラシル(RがFである場合、A−2)を使用し、続いて相当する2−クロロピリミジン中間体(A−4)へ、エチル4−(3−アミノフェニル)ピペラジン−1−カルボン酸塩を加え、スキーム(I)に従って合成した。
H NMR(CDCl3):d1.14(t,J=7.2Hz,3H),3.00(t,J=5.1Hz,4H),3.46(t,J=5.1Hz,4H),4.00(q,J=7.2Hz,2H),4.47(s,2H),6.55(dd,J=1.8および8.4Hz,1H),6.90(dd,J=1.2および7.8Hz,1H),6.98(t,J=2.1Hz,1H),7.04(d,J=8.7Hz,1H),7.08
【0134】
本明細書で説明される残りの化合物は、類似の方法で作られた。
【0135】
有用性
様々な塩、プロドラッグ、水和物、N−酸化物の型およびその薬学的な製剤を含む本開示の化合物は、増強したPLK1活性等のキナーゼ活性に関連する疾病または病状の治療に使用される。故に、特定的な実施形態において、2,4-ピリミジンアミン化合物(および本明細書で説明される様々な型)は、ヒトを含む哺乳動物の対象内の異常細胞増殖に関連する疾患を治療するために使用され得る。化合物は、異常に増殖する細胞を死滅させるため、細胞障害的に作用し得るか、または細胞を死滅させることなしに増殖を阻害するため細胞増殖抑制的に作用し得る。
【0136】
概して、本方法は、本発明の化合物、その塩、プロドラッグ、水和物、またはN−酸化物の疾患の治療に有効な量を対象に投与することを含む。一実施形態において、対象は哺乳動物であり、限定されないが、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、げっ歯類、霊長類を含む。別の実施形態において、対象はヒトである。
【0137】
様々な細胞増殖疾患を、本発明の化合物で治療し得る。一実施形態において、化合物は様々な、癌を患っている対象の治療に使用される。癌は従来、癌細胞が発生する箇所からの組織および細胞型に基づいて分類される。上皮性悪性腫瘍は、上皮細胞から生じる癌とされ、一方で非上皮性悪性腫瘍は結合組織または筋肉から生じる癌とされる。他の癌の型は、造血細胞から生じる白血病、神経組織から生じる神経系細胞の癌を含む。非侵襲性の腫瘍に関して、腺腫は、腺組織での上皮性良性腫瘍とされ、軟骨腫は軟骨から生じる良性腫瘍である。本発明において、説明される化合物は、上皮性悪性腫瘍、非上皮性悪性腫瘍、白血病、神経系細胞の腫瘍、および非侵襲性の腫瘍を包含する増殖性疾患を治療するため使用し得る。
【0138】
特定の実施形態において、化合物は、限定されないが、骨、乳房、気道(例えば膀胱)、脳、生殖器、消化管、尿路、目、肝臓、皮膚、頭部、頸部、甲状腺、副甲状腺、およびそれらの転移型を含む、様々な癌の組織型から生じる固形腫瘍を治療するために使用される。
【0139】
特定の増殖性疾患は、次を含む。a)限定されないが、浸潤性腺管癌、浸潤性小葉癌、非浸潤性腺管癌、非浸潤性小葉癌、および転移性乳癌を含む、胸部の増殖性疾患。b)限定されないが、基底細胞癌、扁平上皮癌、悪性黒色腫、およびカポジ肉腫を含む、皮膚の増殖性疾患。c)限定されないが、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、気管支腺腫、胸膜肺芽腫、悪性中皮腫を含む、気道の増殖性疾患。d)限定されないが、脳幹、視床下部神経膠腫、小脳星細胞腫、大脳星細胞腫、髄芽腫、上衣腫瘍、乏突起膠腫、髄膜腫、および神経外胚葉性ならびに松果体の腫瘍を含む、脳の増殖性疾患。e)限定されないが、前立腺癌、精巣癌、および陰茎癌を含む、男性生殖器の増殖性疾患。f)限定されないが、子宮癌(子宮内膜の)、頸部癌、卵巣癌、膣癌、外陰癌、子宮肉腫、卵巣胚細胞腫瘍を含む、女性生殖器の増殖性疾患。g)限定されないが、肛門癌、大腸癌、結腸直腸癌、食道癌、胆?癌、胃(胃の)癌、膵臓癌、膵島細胞癌、直腸癌、小腸癌、唾液腺癌を含む、消化管の増殖性疾患。h)限定されないが、肝細胞癌、胆管癌、混合型肝細胞胆管癌、および原発性肝癌を含む、肝臓の増殖性疾患。i)限定されないが、眼内黒色腫、網膜芽腫、および横紋筋肉腫を含む、目の増殖性疾患。j)限定されないが、喉頭癌、下咽頭癌、鼻咽頭癌、口腔咽頭癌、口唇癌、口腔癌、頸部扁平上皮癌、転移性副鼻腔癌を含む、頭部の増殖性疾患および癌。k)限定されないが、様々なT細胞およびB細胞リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞性リンパ腫、ホジキン病、および中枢神経系のリンパ腫を含むリンパ腫の増殖性疾患。l)限定されないが、急性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、および有毛細胞白血病を含む、白血病。m)甲状腺癌、胸腺腫、および悪性胸腺腫を含む、甲状腺の増殖性疾患。n)限定されないが、膀胱癌を含む、尿路の増殖性疾患。o)限定されないが、軟組織の肉腫、骨肉腫、悪性線維性組織球腫、リンパ肉腫、および横紋筋肉腫を含む、肉腫。
【0140】
増殖性疾患の記述は上記に説明される病状に限定されないが、制御されない増殖および悪性腫瘍を特徴とする他の疾患を包含するということが理解されよう。増殖性疾患が、本明細書で説明される腫瘍および癌の種類の様々な転移型を含むということもさらに理解されよう。本発明の化合物は、本明細書で説明される疾患に対する有効性、および確立された治療上有効な療法について試験し得る。有効性は、下記にさらに説明するように、腫瘍の縮小または緩和、細胞増殖の速度の減少、細胞増殖での細胞増殖抑制または細胞傷害効果を含む。
【0141】
併用療法
本発明の化合物は、単独で、互いとの併用で、付加物として、または他の確立された抗増殖性の療法と併用して、使用され得る。故に、本発明の化合物は、放射性化合物の注入により体外または体内に送達されるガンマ線およびX線の型での電離放射線、および腫瘍の外科的切除への経過観察等の従来の癌治療と併せて使用し得る。
【0142】
別の態様において、本発明の化合物は、治療されている疾患または病状へ有益な他の化学療法剤と併せて使用し得る。これらの化合物は、同時に、経時的に、同一の投与の経路、または異なる経路によって、投与され得る。
【0143】
一実施形態において、本発明の化合物は他の抗癌剤または細胞障害剤と併せて使用し得る。様々な種類の抗癌および抗悪性腫瘍の化合物は、限定されないが、アルキル化剤、抗代謝剤、ビンカアルカロイド、タキサン、抗菌剤、酵素、サイトカイン、白金配位複合体、置換された尿素、チロシンキナーゼ阻害剤、ホルモン、およびホルモン拮抗薬を含む。例示的なアルキル化剤は、限定されないが例として、メクロレタミン、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファラン、クロラムブシル、エチレンイミン、メチルメラミン、アルキルスルホン酸塩(例えば、ブスルファン)、およびカルムスチンを含む。例示的な抗代謝剤は、例であり、限定されないが、メトトレキサート等の葉酸類似体、ピリミジン類似体フルオロウラシル、シトシンアラビノシド、プリン類似体メルカプトプリン、チオグアニン、およびアザチオプリンを含む。例示的なビンカアルカロイドは、例であり、限定されないが、ビンブラスチン、ビンクリスチン、パクリタキセル、およびコルヒチンを含む。例示的な抗菌剤は、例であり、限定されないが、アクチノマイシンD、ダウノルビシン、およびブレオマイシンを含む。例示的な抗腫瘍剤として有効な酵素は、L−アスパラギナーゼを含む。例示的な配位化合物は、例であり、限定されないが、シスプラチンおよびカルボプラチンを含む。例示的なホルモンおよびホルモン関連化合物は、例であり、限定されないが、副腎皮質ステロイド、プレドニゾン、およびデキサメタゾン、芳香化酵素阻害剤、アミノグルテチミド、ホルメスタン、およびアナストロゾール、ヒドロキシプロゲステロンカプロン酸エステル、ならびにメドロキシプロゲステロン等のプロゲスチン化合物、および、タモキシフェン等の抗エストロゲン化合物を含む。
【0144】
本開示の化合物との組み合わせで有益な付加的な化学療法剤は、限定されないが、HDAC阻害剤(例えば、MGCD0103およびボリノスタット)、HSP90阻害剤(17−AAG等)、BCL−2阻害剤、サリドマイド、レナリドマイド、mTOR阻害剤(ラパマイシン、CCI−779等)、ソラフェニブ、ドキソルビシン、ゲムシタビン、デキサメタゾン、メルファラン、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ、NPI052)、モノクローナル抗体(ゲムツズマブ、アレムツズマブ、イブリツモマブチウキセタン、トシツモマブ、ヨウ素−131トシツモマブ、トラスツズマブ、ベバシズマブ、リツキシマブ、および抗−TRAIL細胞死受容体抗体等)、サイトカイン(インターフェロン−アルファならびにインターフェロン−ガンマ、インターロイキン−2、およびGM−CSF等)、および同等のものを含む。
【0145】
癌の治療で有益なこれらおよび他の化学療法剤は、Merck Publishing Groupにより2001年に出版されたMerck Index,13th Ed(O’Neil M.J.et al.,ed)、www.mercksource.comのThe Merck Manuals Online Medical Library For Health Care Professionals、「Commonly Used Antineoplastic Drug」、およびMcGraw Hillにより1996年に出版された、Goodman and Gilmans The Pharmacological Basis of Therapeutics,10th Edition,Hardman,J.G and Limbird,L.E.eds.,pg.1381−1287にて説明され、それぞれは本明細書に参照により組み込まれる。
【0146】
本発明の化合物との組み合わせで有益な付加的な抗増殖性の化合物は、例であり、限定されないが、増殖因子受容体に対する抗体(例えば、抗Her2)、活性しているT細胞への抗体(例えば、抗CTLA−4抗体)、およびインターフェロン−アルファならびにインターフェロン−ガンマ、インターロイキン−2、およびGM−CSF等のサイトカインを含む。
【0147】
製剤および投与
そのような疾病を治療または予防するために使用される際、本活性化合物は、単独で、1つ以上の活性化合物の混合物として、あるいはそのような疾病および/もしくはそのような疾病に関連する症状を治療するのに有用な他の薬剤と混合して、または組み合わせて、投与することができる。また、本活性化合物は、ステロイド、膜安定化剤等の他の疾患または病気を治療するのに有用な薬剤と混合して、または組み合わせて、投与されてもよい。本活性化合物またはプロドラッグは、それ自体で、または活性化合物もしくはプロドラッグを含む薬学的組成物として、投与することができる。
【0148】
本明細書の活性化合物(またはそのプロドラッグ)を含む薬学的組成物は、従来の混合、溶解、造粒、糖衣錠作製、乳化、被包、封入、または凍結乾燥プロセスの手段によって製造することができる。本組成物は、薬学的に使用することができる、活性化合物の調製剤への加工を容易にする、1つ以上の生理学的に許容される担体、希釈剤、賦形剤、または助剤を使用する、従来の方法で製剤化することができる(Remington’s Pharmaceutical Sciences,15th Ed.,Hoover,J.E.ed.,Mack Publishing Co.(2003)を参照)。
【0149】
本活性化合物またはプロドラッグは、すでに記載されたように、それ自体で薬学的組成物に製剤化することができ、または水和物、溶媒和物、N−酸化物、または薬学的に許容される塩の形態で製剤化することができる。典型的に、そのような塩は、対応する遊離酸および塩基より水溶液に溶解性であるが、対応する遊離酸および塩基より低い溶解性を有する塩も形成することができる。
【0150】
本発明の薬学的組成物は、例えば、局所、眼球、経口、口腔、全身、経鼻、注射、経皮、直腸、膣内等を含む、実質的にいかなる様式の投与にも好適な形態、または吸入もしくは吹送による投与に好適な形態をとってもよい。
【0151】
局所投与では、当該技術分野において周知であるように、本活性化合物またはプロドラッグは、溶液、ゲル、軟膏、クリーム、懸濁液等として製剤化することができる。
【0152】
全身性製剤には、注射(例えば、皮下、静脈、筋内、髄腔内、または腹腔内注射)によって投与するために意図されたもの、ならびに経皮、経粘膜、経口、または経肺投与のために意図されたものが挙げられる。
【0153】
有用な注射可能な調製剤には、水性もしくは油性ビヒクル中の活性化合物の無菌懸濁液、溶液、または乳液が挙げられる。また、本組成物は、懸濁化剤、安定化剤、および/または分散剤等の製剤化剤を含有してもよい。注射用の製剤は、単位用量形態、例えば、アンプルで、または多用量容器で提示することができ、添加防腐剤を含有してもよい。
【0154】
代替として、注射可能な製剤は、発熱物質を含まない滅菌水、緩衝液、デキストロース溶液等が挙げられるがこれらに限定されない好適なビヒクルで、使用前に再構成するために、粉末形態で提供することができる。この目的のために、本活性化合物は、凍結乾燥等の任意の当該技術分野において既知の技術によって乾燥させ、使用の前に再構成することができる。
【0155】
経粘膜投与では、障壁を透過させるために適切な浸透剤が製剤に使用される。そのような浸透剤は、当該技術分野において既知である。
【0156】
経口投与では、本薬学的組成物は、結合剤(例えば、事前にゲル化されたトウモロコシ澱粉、ポリビニルピロリドン、またはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、充填剤(例えば、乳糖、微結晶性セルロース、またはリン酸水素カルシウム)、潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、またはシリカ)、崩壊剤(例えば、ジャガイモ澱粉または澱粉グリコール酸ナトリウム)、または湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、レシチン)等の薬学的に許容される賦形剤を用いて、従来の手段によって調製された、例えば、トローチ、錠剤、またはカプセルの形態をとってもよい。錠剤は、当該技術分野において周知の方法、例えば、糖、フィルム、または腸溶コーティングによってコーティングすることができる。
【0157】
経口投与のための液体調製剤は、例えば、エリキシル剤、溶液、シロップ、もしくは懸濁液の形態をとってもよく、またはそれらは、使用の前に水もしくは他の好適なビヒクルと構成するための乾燥生成物として提示されてもよい。そのような液体調製剤は、懸濁化剤(例えば、ソルビトールシロップ、セルロース誘導体、または硬化食用脂肪)、乳化剤(例えば、レシチン、またはアカシア)、非水ビヒクル(例えば、アーモンドオイル、油性エステル、エチルアルコール、Cremophore(登録商標)、または分留植物性油)、および防腐剤(例えば、メチルもしくはプロピル−p−ヒドロキシ安息香酸またはソルビン酸)等の薬学的に許容される添加剤を用いて、従来の手段によって調製することができる。また、調製剤は、必要に応じて、緩衝塩剤、防腐剤、香味剤、着色剤、および甘味剤を含有してもよい。
【0158】
経口投与のための調製剤は、周知であるように、本活性化合物またはプロドラッグの制御放出をもたらすように、好適に製剤化することができる。
【0159】
口腔投与では、組成物は、従来の方法で製剤された錠剤またはトローチの形態をとってもよい。
【0160】
直腸および膣内経路の投与では、本活性化合物は、溶液(停留浣腸のための)、坐薬、またはココアバターもしくは他のグリセリド等の従来の坐薬基剤を含有する軟膏として製剤化することができる。
【0161】
経鼻投与または吸入もしくは吹送による投与では、本活性化合物またはプロドラッグは、好適な噴射剤(例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、フッ化炭化水素、二酸化炭素、もしくは他の好適なガス)を使用して、便利に、加圧パックまたは噴霧器からのエアゾールスプレーの形態で送達することができる。加圧エアゾールの場合、定量を送達するための弁を提供することによって、用量単位を決定することができる。化合物と乳糖または澱粉等の好適な粉末基材との混合粉末を含有する、吸入器または吹送器で使用するためのカプセルおよびカートリッジ(例えば、ゼラチンを含むカプセルおよびカートリッジ)を製剤化することができる。
【0162】
眼球投与では、本活性化合物またはプロドラッグは、眼への投与に好適な溶液、乳液、懸濁液等として製剤化することができる。化合物を眼に投与するのに好適な様々なビヒクルが、当該技術分野において既知である。具体的な非制限的例は、米国特許第6,261,547号、米国特許第6,197,934号、米国特許第6,056,950号、米国特許第5,800,807号、米国特許第5,776,445号、米国特許第5,698,219号、米国特許第5,521,222号、米国特許第5,403,841号、米国特許第5,077,033号、米国特許第4,882,150号、および米国特許第4,738,851号に記載される。
【0163】
持続性送達では、本活性化合物またはプロドラッグは、埋め込みまたは筋内注射による投与のためのデポ調製剤として製剤化することができる。本活性成分は、好適なポリマー材料もしくは疎水性材料(例えば、許容される油中の乳液のような)またはイオン交換樹脂を用いて、あるいは難溶性の低い誘導体、例えば、難溶性の低い塩として製剤化することができる。代替として、経皮吸収のために、活性化合物を徐々に放出する吸盤もしくはパッチとして製造された、経皮送達システムを使用することができる。この目的のために、活性化合物の経皮透過を促進するために、浸透促進剤を使用することができる。好適な経皮パッチは、例えば、米国特許第5,407,713号、米国特許第5,352,456号、米国特許第5,332,213号、米国特許第5,336,168号、米国特許第5,290,561号、米国特許第5,254,346号、米国特許第5,164,189号、米国特許第5,163,899号、米国特許第5,088,977号、米国特許第5,087,240号、米国特許第5,008,110号、および米国特許第4,921,475に記載される。
【0164】
代替として、他の薬剤送達システムを採用することができる。リポソームおよび乳液は、活性化合物またはプロドラッグを送達するために使用することができる送達ビヒクルの周知の例である。また、通常、より強い毒性という代償はあるが、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の特定の有機溶媒が採用されてもよい。
【0165】
薬学的組成物は、所望により、活性化合物を含有する、1回または複数回の単位用量形態を含有し得るパックまたは分注装置で提示されてもよい。パックは、例えば、ブリスターパック等の金属ホイルまたはプラスチックホイルを含んでもよい。パックまたは分注装置には、投与のための取扱説明書が付随してもよい。
【0166】
有効な投与量
本発明の活性化合物またはプロドラッグ、あるいはその組成物は、概して、意図する結果を得られるように有効な量、例えば、治療している特定の疾病を治療または予防するために有効な量で使用されるであろう。化合物は、治療効果を得られるように治療的に投与し得る。治療的有用性とは、治療される基礎疾患を根絶もしくは改善すること、および/または患者は依然として基礎疾患を患っている場合があっても、患者が気分または病状の好転を報告する程度に、基礎疾患に関連する病状のうちの1つ以上を根絶もしくは改善することを意味する。また、治療的有用性には、好転が認識されるかどうかに関わらず、疾病の進行を食い止める、または減速させることも含まれる。
【0167】
投与される化合物の量は、例えば、治療される特定の兆候、投与の様式、治療される兆候の重症度、ならびに患者の年齢および体重、特定の活性化合物の生体利用効率等を含む、様々な要因に依存する。有効な用量の決定は、十分に当業者の能力内である。
【0168】
有効な用量は、インビトロアッセイからまず推定することができる。例えば、動物で使用する初期用量は、実施例の項に記載されるインビトロアッセイ等のインビトロアッセイで測定される際に特定の化合物のIC50以上である活性化合物の循環血液濃度または血清濃度を達成するように製剤化することができる。特定の化合物の生体利用効率を考慮して、そのような循環血液濃度または血清濃度を達成するように用量を計算することは、十分に当業者の能力内である。手引きとして、読者には、Fingi & Woodbury,“General Principles,”In:Goodman and Gilman’s The Pharmaceutical Basis of Therapeutics,Chapter 1,pp.1−46,latest edition,Pagamonon Press、およびその中で引用される参考文献を参照されたい。
【0169】
また、初期用量は、動物モデル等のインビボデータからも推定することができる。上述される種々の疾病を治療または予防する化合物の効果を試験するのに有用な動物モデルは、当該技術分野において周知である。用量は、典型的に、約0.0001もしくは0.001または0.01mg/kg/日〜約100mg/kg/日の範囲内であるが、他の要因の中でも特に、化合物の活性、その生体利用効率、投与の様式、および上述の種々の要因によって、より高くもより低くもなり得る。用量および間隔は、治療または予防効果を維持するのに十分な化合物の血漿中濃度を提供するように、個々に調整することができる。例えば、化合物は、中でも特に、投与の様式、治療される特定の兆候、処方医師の判断によって、1週間に1回、1週間に数回(例えば、1日おき)、1日に1回、または1日に複数回投与することができる。局部局所投与等の局部投与または選択的摂取の場合、活性化合物の有効な局部濃度は、血漿濃度に関係しない場合がある。当業者は、過度の実験を行うことなく、有効な局部用量を最適化することができるであろう。
【0170】
好ましくは、本化合物は、大幅な毒性をもたらすことなく、治療的または予防的有用性を提供する。化合物の毒性は、標準薬学手順を使用して決定することができる。毒性効果と治療(または予防)効果との間の用量比、LD50/ED50は、治療指数である(LD50は集団の50%に致死的な用量であり、ED50は集団の50%に治療上有効な用量である)。高い治療指数を呈する化合物が好ましい。
【0171】
キット
本明細書に記載される化合物および/またはプロドラッグは、キットの形態にまとめることができる。幾つかの実施形態では、本キットは、投与のための組成物を調製するための、化合物および試薬を提供する。本組成物は、乾燥形態または凍結乾燥形態であってもよく、または溶液、特に無菌溶液中にあってもよい。組成物が乾燥形態である場合には、試薬は、液体製剤を調製するための薬学的に許容される希釈剤を含んでもよい。キットは、注射器、ピペット、経皮パッチ、または吸入器を含むが、これらに限定されない、組成物を投与するため、または分注するための装置を含有してもよい。
【0172】
キットは、本明細書に記載される化合物と併用して使用するための他の治療用化合物を含んでもよい。幾つかの実施形態では、治療薬は、他の抗癌および抗腫瘍化合物である。これらの化合物は、本発明の化合物とは別個の形態で、または本発明の化合物と混合して提供することができる。
【0173】
キットは、組成物を調製し、投与するための、ならびに組成物の副作用および任意の他の関連情報についての、適切な取扱説明書を含む。取扱説明書は、印刷物、ビデオテープ、コンピュータ可読ディスク、または光学ディスクを含むが、これらに限定されない、任意の好適な形式であってもよい。
【実施例】
【0174】
本明細書で説明される化合物のPLK1を阻害する能力は、人工のPLK1基質を使用した、生化学的なPLK1 ELISAアッセイ、および天然PLK1基質であるCDC25Cタンパク質を過剰発現する、培養されたヒト慢性骨髄性白血病K562細胞を使用した細胞アッセイで実証された。PLK1の阻害は、化学発光および蛍光発生プローブを使用してPLK1基質のリン酸化を定量化することにより測定された。これらのアッセイのための手順は、下記に説明される。
【0175】
表1に提示される試験された化合物のIC50値は、生化学的非細胞ELISAアッセイおよび細胞アッセイの双方のものである。
【0176】
多くの化合物が、生化学的ELISAアッセイで10μM未満のIC50値を示す。これらの化合物は化合物番号3、4−6、15−21、23−30、32−56、95−97、101、107−111、114−116、120、122、125、127−134、157、161、167−169、173、183、188、189、191、および196を含む。これらのうち、多くの化合物が生化学的ELISAアッセイで0.01μM未満のIC50値を示し、化合物番号は5、6、17、19、25、26、36、40、42、48、49、50、51、55、122、127−130、134、157、および168−169である。
【0177】
多くの化合物に関して、オーロラBキナーゼの阻害は、細胞アッセイにおいてPLK1阻害と同時に測定された。多くの化合物で高いPLK1/オーロラB選択性が観察された(例えば、代表的な活性化合物は、オーロラBのIC50よりPLK1のIC50が著しく低いことを示した)。例えば、一態様で、約1.2倍から約1000倍、約2倍から約500倍、または約10倍から約100倍強力である等、開示されたPLK1阻害剤はオーロラBを阻害するよりも、少なくとも約1.2倍強力にPLK1を阻害した。
【0178】
インビトロPLK1 ELISAアッセイ
1.アッセイプレートの調製
Costarの96ウェル黒色または白色固体高結合平プレート(Fisher Scientific社、カタログ番号07−200−591)を、次の手順を使用して、Neutravidin(Pierce社、カタログ番号31000)でコートした。1×Phosphate Buffered Saline(「PBS」、Cellgro/Mediatech社、カタログ番号21−040−CV)にNeutravidin溶液を0.01mg/mL入れたものを、各ウェルに追加し(100μL/ウェル)、18〜24時間、4℃でインキュベートした。プレートは、次に、プレートウォッシャーを使用して、1×Phosphate Buffered Saline−Tween(「PBST」、Calbiochem社、カタログ番号524653)緩衝液で洗浄した。プレートは、非特異的な結合部位を遮断するように、1×PBST緩衝液に2%のBSA溶液を入れたものを各ウェルに加える(100μL/ウェル)こと、およびそのプレートを1時間、室温でインキュベートすることによりウシ血清アルブミン(「BSA」、Sigma社、カタログ番号A7906)で処理した。プレートは、次に、プレートウォッシャーを使用して1×PBST緩衝液で洗浄した。
【0179】
2.PLK1−触媒リン酸化反応
次の組成物を有する緩衝剤水溶液Aを調製した。
pH7.2の20mMのHEPES(Cellgro/Mediatech社、カタログ番号25−060Ci)、
5mMのMgCl(Sigma社、カタログ番号M2393)、
2mMのMnCl・4HO(EM Biosciences社、カタログ番号MX0185−2)、
0.01%のBrij−35(Sigma社、カタログ番号B4184)、
1mMのDithiothreitol(「DTT」、Fluka社、カタログ番号B4184)。
【0180】
次に、基質溶液Bを、10mMのATP(Sigma社、カタログ番号A7699)の2.6μLおよび1mMのPLK1基質の6.4μLを加え、CHK2−派生ペプチドBiotin−SSLETVSTQELYSIP(Anaspecでカスタム合成された)配列番号1を4691μLの緩衝液Aに加えることにより調製した。溶液BでのATP濃度は5.44μM(1.36x)であり、溶液BでのPLK1基質の濃度は1.36μM(1.36x)である。
【0181】
各化合物について様々な濃度の化合物溶液Cを、ジメチルスルホキシド(DMSO、Sigma社、カタログ番号D2650)内の各化合物を様々な濃度へ溶解し、次に38μLの緩衝液Aへ2μLの各溶液を加えることにより調製し、それによって、5%のDMSO中で、10x化合物溶液を形成した。
【0182】
PLK1溶液Dは、1392μLの緩衝溶液Aへ、100μg/mLのPLK1(Cell Signalling社、カタログ番号7728)の8.4μLを加えることにより調製し、それによって0.6μg/mL(6x)のPLK1溶液を形成した。
【0183】
1.36xの基質水溶液Bを各ウェル(44μL/ウェル)に加え、ビオチン/ニュートラアビジン相互作用による、プレートへ基質の結合をもたらした。次に、試験された各濃度での試験された各化合物について10xの化合物溶液Cを各ウェル(6μL/ウェル)に加えた。次に、6xのPLK1溶液Dを各ウェル(10μL/ウェル)に加えた。
【0184】
各ウェルでの試験された化合物の最終濃度は10μM、3.3μM、1.1μM、0.36μM、0.12μM、0.04μM、0.014μM、および0.005μMであった。
【0185】
取得された反応混合物を、基質のPLK1−触媒リン酸化反応を進行させるため45分間、室温で、ウェル内でインキュベートした。プレートを、次に、リン酸化する結合または非リン酸化の基質が、洗浄でウェルへ結合したまま残るように、プレートウォッシャーを使用して、1×PBST溶液で洗浄した。
【0186】
3.プレートの発色
洗浄したプレートを、リン酸化された基質に特異的な一次抗体で処理し、次に、一次抗体に特異的であり、化学発光法による読み取りをもたらす反応を触媒することが可能である二次抗体で処理することにより発色させる。化学発光法による読み取りは、基質リン酸化を定量化し、結果的にPLK1阻害のIC50値を判別するように使用し、ルミノメーターを使用して測定した(Perkin Elmer/Wallac plate reader)。プレートの発色手順は下記に説明される。
【0187】
混合抗体溶液Eを、1μLの一次抗体、rabbit p−CHK2(T68)(Rockland社、カタログ番号401280)を加え、および1μLの二次抗体、HRP−goat anti-rabbit IgG(Jackson Immunoresearch社、カタログ番号111−035−003)を、10000μLの1xPBST緩衝液に0.1%のBSAが入ったものへ加えることによって調製した。
【0188】
ELISA基質溶液Fは、Thermo Scientific(Supersignal ELISA Pico社、カタログ番号37069)から取得し、3,000μLの溶液A(安定過酸化溶液、生産番号1859677)、3,000μLの溶液B(ルミノールエンハンサー溶液、生産番号1859676)および6,000μLの水を含有した。
【0189】
プレートを洗浄した後、混合抗体溶液Eを、各ウェルに加え(100μL/ウェル)、プレートは室温で、60分間インキュベートした。プレートを、次に、プレートウォッシャーを使用して1xPBST緩衝溶液で洗浄した。次に、ELISA基質溶液を各ウェルに加え(100μL/ウェル)、各ウェルでの化学発光を、Perkin Elmer/Wallac plate readerを使用して測定した。試験された化合物のIC50値を、次に化学発光の定量化に基づいて判別した。
【0190】
4.結果
試験された化合物のIC50のデータを表1に報告する。
【0191】
細胞PLK1アッセイ
1.K562細胞の培養
CDC25Cを過剰発現させるヒト慢性骨髄性白血病K562細胞(American Tissue Culture Collection)を、次の組成物を有する増殖培地で増殖した:Iscoveの‘ダルベッコ変性イーグル培地(「Iscove DHEM」、Mediatech/Cellgro社、カタログ番号10−013−CV)、10%のウシ胎仔血清(「FBS」、SAFC Biosciences、カタログ番号12106−500M)、および1%のペニシリン/ストレプトマイシン(「pen−strep」、Mediatech/Cellgro社、カタログ番号30−002−CI))。細胞を、96ウェルの丸底組織培養プレート(Fisher、CostarCell Culture plates、カタログ番号07−200−95)で、1つのウェルあたり50μLの増殖培地につき100,000細胞でプレーティングした。ノコダゾール(Sigma社、カタログ番号M1404)を、G2またはM相で細胞を抑止するように333nM濃度で増殖培地に加えた。試験された化合物を加える前に、細胞をノコダゾールと共に、37℃で18時間インキュベートした。
【0192】
2.試験された化合物での細胞の処理
異なる濃度のDMSO中の試験された化合物の溶液を、段階希釈を用いて調製した。各化合物は、8つの濃度ポイント、10μM、3.3μM、1.1μM、0.37μM、0.12μM、0.04μM、0.014μM、0.005μMを二連で試験した。
【0193】
2つの対照を実施した:ノコダゾールおよびDMSOが存在するが化合物が加えられていない「DMSO単独」対照、およびノコダゾールのみ存在し、DMSOも化合物も加えられていない「ノコダゾール単独」対照。
【0194】
10mMの化合物をDMSO中で、1:1で希釈し(10mMの化合物5μLとDMSO5μL)、次に、3倍の希釈を与えるように、連続的に、より高い濃度の化合物溶液3μLを6μLのDMSOへ希釈することで実施する、DMSO中の化合物の1:3の段階希釈により化合物の溶液を調製した。次に、各濃度の3μLの各化合物溶液を、750μLの増殖培地へ移動した。「DMSO単独」対照において、3μLのDMSO単独を750μLの増殖培地へ加えた。
【0195】
希釈した化合物を増殖培地で良く混合した後、DMSO/増殖培地中の50μLの各化合物溶液を、50μLの増殖培地/ノコダゾール中の細胞を含有する、96プレートの各ウェルへ移動した。
【0196】
細胞および化合物を、5%のCOを含有する雰囲気中で、37℃で120分間インキュベートした。
【0197】
3.細胞の固定化および透過処理
細胞を化合物でインキュベートした後、細胞を5分間4℃で1,000rpmで沈降し、上清は、プレートを軽くたたくことで除去した。細胞を、次に200μLの氷冷PBSで洗浄し、再度沈降し、上清を除去した。次に、細胞に、100μL/ウェルのFixation and Permeabilization Solution(BD Biosciences Cytofix/Cytoperm(商標)Fixation/Permeabilizationキット、カタログ番号554714で提供される1x緩衝液)を加え、20分間室温でインキュベートする事で、固定および透過処理した。固定剤を、次に、遠心分離により除去し(2,000rpmで5分間)、プレートを、固定剤を除去するように軽く叩き、各時200μL/ウェルのBD Perm/Wash緩衝液(BD Biosciences Cytofix/Cytoperm(商標)Fixation/Permeabilizationキット、カタログ番号554714で提供される10x濃縮物、蒸留したHOで希釈によって調製した1x緩衝液)で二度洗浄した。
【0198】
4.染色
細胞を5分間、4℃で1,000rpmで沈降した。上清はプレートを軽く叩くことにより除去した。cdc25cp−Ser198に特異的な一次抗体の溶液は、Rabbit cdc25c(Ser198)抗体(Cell Signaling社、番号9529L)を、Fluorescence Activated Cell Sorting(「FACS」)緩衝液(PBSで2%のFBS)で1:50に希釈することにより調製した。細胞のペレットを、一次抗体溶液50μLで再懸濁した。50μLのFACS緩衝液を未染色の対照へ加えた。染色を室温で一晩進行させた。
【0199】
プレートを、次に、200μLのFACS緩衝液を各ウェルへ加えることによって洗浄し、遠心分離し、上清を除去した。
【0200】
次に、50μL/ウェルの二次抗体抗ウサギPE(R−Phycoerythrin conjugated goat F(ab’)2 Anti-Rabbit IgG(Biosource(商標))、Invitrogen社、カタログ番号ALI4407)を、FACS緩衝液で1:1,000に希釈したものを各細胞のペレットへ加え、室温で、1時間インキュベートした。
【0201】
プレートを200μLのFACS緩衝液で洗浄し、遠心分離し、分析のため、80μLのFACS緩衝液で再懸濁した。
【0202】
プレートを、FACSCalibur(商標)フローサイトメーター(BD Biosciences)上で、Automatic Micro−Sampling System(AMS)を使用して、1ウェルあたり10,000細胞を採取し、分析した。
【0203】
5.結果
アッセイした化合物のIC50値を、取得される蛍光の読み取りに基づき、フローサイトメトリー分析で判別した。結果は表1に掲示する。
【0204】
細胞オーロラBアッセイ
細胞オーロラBアッセイとPLK1アッセイは別々か、または同時に実施し得る。一実施例においてオーロラBアッセイを、PLK1アッセイと同時に実施した。細胞を増殖し、試験した化合物で処理し、上記に説明するように固定化した。染色の間、cdc25cp−Ser198一次抗体(リン酸化したPLK1基質への)に加えて、オーロラB基質への一次抗体、マウスホスホヒストンH3抗体(Cell Signaling社、番号9706L)を使用した(FACS緩衝液で1:100の希釈)。細胞を50μLの希釈した一次抗体溶液混合物で再懸濁した。上記に説明するように染色し、洗浄した後、二次抗体を加えた。抗ウサギPE二次抗体に加えて、抗マウスAPC二次抗体(Allophycocyanin crosslinked goat anti mouse antibody、Invitrogen社、カタログ番号30005)を使用した(50μL/ウェルの二次抗体混合物)。混合物を上記に説明したように、FACS緩衝液で希釈し、インキュベートした。プレートを上記に説明したように処理し、FACSCalibur(商標)フローサイトメーター(BD Biosciences社)上のAMSを使用して、1ウェルあたり10,000細胞を採取し、分析した。
【0205】
明瞭にするために種々の詳細を割愛したが、種々の代替の設計を実施することができる。故に、本実施例は限定的でなく例示的であるものとみなされるべきであり、本発明は、本明細書に示す詳細により限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲内で改変することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:

による化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、N−酸化物、またはプロドラッグであって、式中、
はOまたはSであり、
はCHまたはNであり、
Aはフェニルまたは6員のヘテロアリールであり、
はHであり、
およびRは、それぞれ互いから独立して、H、1つ以上の同一または異なるR11基で随意に置換される(C1-C6)アルキル、1つ以上の同一または異なるR11基で随意に置換される(C3-C8)シクロアルキル、1つ以上の同一または異なるR11基で随意に置換される(C4-C11)シクロアルキルアルキル、1つ以上の同一または異なるR11基で随意に置換される(C5-C10)アリール、1つ以上の同一または異なるR11基で随意に置換される(C6-C16)アリールアルキル、1つ以上の同一または異なるR11基で随意に置換される2〜6員のヘテロアルキル、1つ以上の同一または異なるR11基で随意に置換される3〜8員のシクロヘテロアルキル、1つ以上の同一または異なるR11基で随意に置換される4〜11員のシクロヘテロアルキルアルキル、1つ以上の同一または異なるR11基で随意に置換される5〜10員のヘテロアリール、あるいは1つ以上の同一または異なるR11基で随意に置換される6〜16員のヘテロアリールアルキルであり、
およびRはそれぞれ互いから独立して、H、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)ハロアルキル、(C1-C6)アルコキシ、ハロゲン、(C1-C6)ハロアルコキシ、(C1-C6)アミノアルキル、もしくは(C1-C6)ヒドロキシアルキルであるか、または代替として、RおよびRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、スピロシクロアルキルもしくはスピロシクロヘテロアルキルを形成するか、または代替として、RおよびRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、C=O基を形成し、
およびRはそれぞれ互いから独立して、H、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)ハロアルキル、(C1-C6)アルコキシ、ハロゲン、(C1-C6)ハロアルコキシ、(C1-C6)アミノアルキル、もしくは(C1-C6)ヒドロキシアルキルであるか、または代替として、RおよびRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、スピロシクロアルキルもしくはスピロシクロヘテロアルキルを形成するか、または代替として、RおよびRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、C=O基を形成し、
はH、ハロ、1つ以上の同一または異なるR11基で随意に置換される(C1-C6)アルキル、(C1-C3)ハロアルキルオキシ、−OR、−SR、−NR、(C1-C3)ハロアルキル、−C(O)OR、−CN、−NC、−OCN、−SCN、−NO、または−NOであり、
2つのRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、4から8員の単環式シクロヘテロアルキル、6から10員の架橋二環式シクロヘテロアルキル、または6から12員の架橋三環式シクロヘテロアルキルを形成し、それぞれは1つ以上の同一もしくは異なるR11基で随意に置換され得、前記置換されたもしくは未置換の、単環式、二環式、または三環式のシクロヘテロアルキルは、少なくとも2つの窒素原子を含み、
各R10は、独立して、R11であるか、または代替として、近接する炭素上の2つのR10は、それらが結合する炭素と一緒になって、Aに融合する環を形成し、Aに融合する前記環は、5から8員のシクロアルキル、5から8員のシクロヘテロアルキル、5から6員のアリール、または5から6員のヘテロアリールであり、それぞれ1つ以上の同一もしくは異なるR11基で随意に置換され、
各R11は、独立して、H、R、R、1つ以上の同一もしくは異なるRおよび/またはRで置換されるR、1つ以上の同一もしくは異なるRおよび/またはRで置換される−OR、1つ以上の同一もしくは異なるRおよび/またはRで置換される−SR、1つ以上の同一もしくは異なるRおよび/またはRで置換される−C(O)R、−N(R)R(式中、Rが1つ以上の同一もしくは異なるRおよび/またはRで置換される)、1つ以上の同一もしくは異なるRおよび/またはRで置換される−S(O)、−N(R)−S(O)(式中、Rが1つ以上の同一もしくは異なるRおよび/またはRで置換される)、−B(OR、−B(N(R、−(C(R−R、−O−(C(R−R、−S−(C(R−R、−O−(C(R−R、−N(R)−(C(R−R、−O−(CH−CH((CH)R、−C(O)N(R)−(C(R−R、−O−(C(R−C(O)N(R)−(C(R−R、−N((C(R、−S−(C(R−C(O)N(R)−(C(R−R、−N(R)−C(O)−N(R)−(C(R−R、−N(R)−C(O)−(C(R−C(R)(R、または−N(R)−(C(R−C(O)−N(R)−(C(R−Rであり、
各Rは、独立して、H、重水素、(C1−6)アルキル、(C3−8)シクロアルキル、(C4−11)シクロアルキルアルキル、(C6−10)アリール、(C7−16)アリールアルキル、2〜6員のヘテロアルキル、3〜10員のヘテロアリシクリル、4〜11員のヘテロアリシクリルアルキル、5〜15員のヘテロアリール、または6〜16員のヘテロアリールアルキルであり、
各Rは、独立して、=O、−OR、−O−(C(R−OR、(C1−3)ハロアルキルオキシ、−OCF、=S、−SR、=NR、=NOR、−N(R、ハロ、−CF、−CN、−NC、−OCN、−SCN、−NO、−NO、=N、−N、−S(O)R、−S(O)、−SO、−S(O)N(R、−S(O)N(R、−OS(O)R、−OS(O)、−OSO、−OS(O)N(R、−C(O)R、−CO、−C(O)N(R、−C(NR)−N(R、−C(NOH)−R、−C(NOH)−N(R、−OC(O)R、−OC(O)OR、−OC(O)N(R、−OC(NH)−N(R、−OC(NR)−N(R、N(R)−S(O)H、−[N(R)C(O)]、−[N(R)C(O)]OR、−[N(R)C(O)]N(R、または−[N(R)C(NR)]−N(Rであり、
各Rは、独立して、Rであるか、または代替として、2つのRが、それらが結合する窒素原子と一緒になって、随意に1つ以上の同一もしくは異なる付加的なヘテロ原子を含み得、かつ随意に1つ以上の同一もしくは異なるRおよび/またはR基で置換される3から10員のヘテロアリシクリルもしくは5から10員のヘテロアリールを形成し、
各Rは、=O、−OR、−OCF、=S、−SR、=NR、=NOR、−N(R、ハロ、−CF、−CN、−NC、−OCN、−SCN、−NO、−NO、=N、−N、−S(O)R、−S(O)R、−SO、−S(O)N(R、−S(O)N(R、−OS(O)R、−OS(O)、−OSO、−OS(O)N(R、−C(O)R、−CO、−C(O)N(R、−C(NR)−N(R、−C(NOH)R、−C(NOH)N(R、OCO、−OC(O)N(R、−OC(NR)N(R、−[N(R)C(O)]、−(C(R−OR、−N(R)−S(O)、−C(O)−(C1−6)ハロアルキル、−S(O)−(C1−6)ハロアルキル、−OC(O)R、−O(C(R−OR、−S(C(R−OR、N(R)−(C1−6)ハロアルキル、−P(O)(OR、−N(R)−(C(R−OR、−[N(R)C(O)]OR、−[N(R)C(O)]N(R、−[N(R)C(NR)]N(R、またはN(R)C(O)(C1−6)ハロアルキルであり、2つのRは、それらが結合する原子と一緒になって、随意に1つ以上のヘテロ原子を含み、かつ随意に1つ以上のRで置換される、3〜10員の部分的もしくは完全に飽和した単環式または二環式の環を形成するように組み合わされ、
各Rは、独立して、(C1−6)アルキル、(C3−8)シクロアルキル、(C4−11)シクロアルキルアルキル、(C6−10)アリール、(C7−16)アリールアルキル、2〜6員のヘテロアルキル、3〜10員のヘテロアリシクリル、4〜11員のヘテロアリシクリルアルキル、5〜15員のヘテロアリール、または6〜16員のヘテロアリールアルキルであり、
各mは独立して、1から3の整数であり、かつ
各nは独立して、0から3の整数であるが、
但し、前記化合物は、
N4−(3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−イル)−5−フルオロ−N2−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−ピリミジン−2,4−ジアミン、
4−{3−[4−(2,2−ジメチル−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イルアミノ)−5−フルオロ−ピリミジン−2−イルアミノ]−フェニル}−ピペラジン−1−カルボン酸メチルエステル、
N4−(3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イル)−5−フルオロ−N2−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−ピリミジン−2,4−ジアミン、
4−{3−[4−(3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イルアミノ)−5−フルオロ−ピリミジン−2−イルアミノ]−フェニル}−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
1−(4−{3−[4−(3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イルアミノ)−5−フルオロ−ピリミジン−2−イルアミノ]−フェニル}−ピペラジン−1−イル)−エタノン、
6−{5−フルオロ−2−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イルアミノ}−2,2−ジメチル−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン、
6−{2−[3−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−フェニルアミノ]−5−フルオロ−ピリミジン−4−イルアミノ}−2,2−ジメチル−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン、
4−{3−[4−(2,2−ジメチル−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イルアミノ)−5−フルオロ−ピリミジン−2−イルアミノ]−フェニル}−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
6−{5−フルオロ−2−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イルアミノ}−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン、
6−{2−[3−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−フェニルアミノ]−5−フルオロ−ピリミジン−4−イルアミノ}−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン、
4−{3−[5−フルオロ−4−(3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イルアミノ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−フェニル}−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
N4−(3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イル)−5−フルオロ−N2−[3−メチル−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−ピリミジン−2,4−ジアミン、
N2−[3−クロロ−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−N4−(3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イル)−5−フルオロ−ピリミジン−2,4−ジアミン、
N4−(3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イル)−5−フルオロ−N2−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−ピリミジン−2,4−ジアミン、
4−{4−[4−(3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イルアミノ)−5−フルオロ−ピリミジン−2−イルアミノ]−フェニル}−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
1−(4−{4−[4−(3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イルアミノ)−5−フルオロ−ピリミジン−2−イルアミノ]−フェニル}−ピペラジン−1−イル)−エタノン、
4−{4−[4−(2,2−ジメチル−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イルアミノ)−5−フルオロ−ピリミジン−2−イルアミノ]−フェニル}−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−{4−[5−フルオロ−4−(3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イルアミノ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−フェニル}−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
6−{5−フルオロ−2−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イルアミノ}−2,2−ジメチル−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン、
6−{5−フルオロ−2−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イルアミノ}−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン、
6−{2−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−フェニルアミノ]−5−フルオロ−ピリミジン−4−イルアミノ}−2,2−ジメチル−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン、
4−{4−[4−(2,2−ジメチル−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イルアミノ)−5−フルオロ−ピリミジン−2−イルアミノ]−フェニル}−ピペラジン−1−カルボン酸メチルエステル、
4−{4−[5−フルオロ−4−(3−オキソ−3、4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イルアミノ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−フェニル}−ピペラジン−1−カルボン酸メチルエステル、または
6−{2−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−フェニルアミノ]−5−フルオロ−ピリミジン−4−イルアミノ}−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン、ではない、化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、N−酸化物、またはプロドラッグ。
【請求項2】
2つのRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、6から10員の架橋二環式基または6から12員の架橋三環式基を形成し、それぞれ随意に1つ以上の同一または異なるR11で置換される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記6から10員の架橋二環式基は、[3.3.3]、[3.3.2]、[3.3.1]、[3.2.2]、[3.2.1]、[2.2.2]、または[2.2.1]である配置を含む、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
前記架橋二環式基または架橋三環式基は、

であり、式中、RはR、−S(O)、−C(O)R、−C(O)OR、または−C(O)NRであり、各Rは独立して、H、ハロゲン、または(C1−C6)アルキルである、請求項2に記載の化合物。
【請求項5】
前記架橋二環式は、

である、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
式II:

の化合物であって、式中、2つのRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、1つ以上の同一または異なるR11で随意に置換される6から10員の架橋二環式基を形成し、前記架橋二環式基は少なくとも2つの環状の窒素原子を含有し、
10は請求項1に定義されたとおりであり、
は、H、(C1−C3)アルキル、(C1−C3)アルコキシ、ハロゲン、−CN、−NO、(C1−C3)ハロアルキル、−C(O)OR、または(C1−C3)ハロアルキルオキシであり、
は、H、(C1−C6)アルキル、(C3−C6)シクロアルキル、または(C4−C6)シクロアルキルアルキルであり、
は請求項1に定義されたとおりであり、
およびRは、それぞれ互いから独立して、H、ハロ、もしくは(C1−C6)アルキルであるか、または代替として、RおよびRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、随意に置換されたスピロシクロアルキルもしくは随意に置換されたスピロシクロヘテロアルキルを形成する、請求項2に記載の化合物。
【請求項7】
はHである、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
前記架橋二環式基は、

あり、式中、Rは、R、−S(O)、−C(O)R、−C(O)OR、および−C(O)NRであり、各Rは、独立して、H、ハロゲン、または(C1-C6)アルキルである、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
はsH、(C1-C4)アルキル、(C4-C8)シクロアルキルアルキル、−C(O)CH、または−SOCHであり、
10は、ハロゲン、ハロアルキル、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシ、もしくはシクロアルキルアルキルオキシであるか、または代替として、近接する炭素上の2つのR10は、それらが結合する炭素と一緒になって、5から8員のシクロアルキル、5から8員のシクロヘテロアルキル、5から6員のアリール、もしくは5から6員のヘテロアリールであるAに融合する環を形成し、それぞれ1つ以上の同一もしくは異なるR11基で随意に置換され、
は請求項1に定義されたとおりであり、
はsH、(C1−C3)アルキル、(C1−C3)ペルフルオロアルキル、フルオロ、クロロ、またはアルコキシであり、かつ
およびRは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、メチル、またはエチルである、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
式III:

の、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
式IV:

の、請求項9に記載の化合物。
【請求項12】
式V:

の、請求項9に記載の化合物。
【請求項13】
式VI:

の化合物であって、式中、点線は二価のリンカーを表し、前記二価のリンカーは、酸素および該酸素が結合する環状炭素原子と一緒になって、5から8員のシクロヘテロアルキル環を形成する、請求項9に記載の化合物。
【請求項14】
式VII:

の、請求項9に記載の化合物。
【請求項15】
下記の式:

のうち1つに従い、式中、点線は二価のリンカーを表し、前記二価のリンカーは、酸素および該酸素が結合する環状炭素原子と一緒になって、5から8員のシクロヘテロアルキル環を形成する、請求項9に記載の化合物。
【請求項16】
式XIII:

の化合物であって、式中、2つのRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、1つ以上の同一または異なるR11で随意に置換される6から10員の架橋二環式基を形成し、前記架橋二環式基は少なくとも2つの環状窒素原子を含有し、
10は請求項1に定義されたとおりであり、
はH、(C1−C3)アルキル、(C1−C3)アルコキシ、ハロゲン、−CN、−NO、(C1−C3)ハロアルキル、−C(O)OR、または(C1−C3)ハロアルキルオキシであり、
はH、(C1−C6)アルキル、(C3−C6)シクロアルキル、または(C4−C6)シクロアルキルアルキルであり、
は請求項1に定義されたとおりであり、
およびRはそれぞれ互いから独立して、H、ハロ、もしくは(C1−C6)アルキルであるか、または代替として、RおよびRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、随意に置換されたスピロシクロアルキルもしくは随意に置換されたスピロシクロヘテロアルキルを形成する、請求項2に記載の化合物。
【請求項17】
はHである、請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
前記架橋二環式基は、

あり、式中、Rは、R、−S(O)、−C(O)R、−C(O)ORまたは、−C(O)NRであり、各Rは、独立してH、ハロゲン、または(C1-C6)アルキルである、請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
はH、(C1-C4)アルキル、(C4-C8)シクロアルキルアルキル、−C(O)CH、または−SOCHであり、
10はハロゲン、ハロアルキル、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシ、もしくはシクロアルキルアルキルオキシであるか、または代替として、近接する炭素上の2つのR10は、それらが結合する炭素と一緒になって、5から8員のシクロアルキル、5から8員のシクロヘテロアルキル、5から6員のアリール、もしくは5から6員のヘテロアリールであるAに融合する環を形成し、それぞれ1つ以上の同一もしくは異なるR11基で随意に置換され、
は請求項1に定義されたとおりであり、
はH、(C1−C3)アルキル、(C1−C3)ペルフルオロアルキル、フルオロ、クロロ、またはアルコキシであり、
およびRは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、メチル、またはエチルである、請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
式XIV:

の、請求項19に記載の化合物。
【請求項21】
式XV:

の、請求項19に記載の化合物。
【請求項22】
式XVI:

の、請求項19に記載の化合物。
【請求項23】
式XVII:

の化合物であって、式中、点線は二価のリンカーを表し、前記二価のリンカーは、酸素および該酸素が結合する環状炭素原子と一緒になって、5から8員のシクロヘテロアルキル環を形成する、請求項19に記載の化合物。
【請求項24】
式XVIII:

の、請求項19に記載の化合物。
【請求項25】
下記の式:

のうち1つに従い、式中、点線は二価のリンカーを表し、前記二価のリンカーは、酸素および該酸素が結合する環状炭素原子と一緒になって、5から8員のシクロヘテロアルキル環を形成する、請求項19に記載の化合物。
【請求項26】
式XX:

の、請求項25に記載の化合物。
【請求項27】
式XXIV:

の、請求項2に記載の化合物。
【請求項28】
式XXV:

の、請求項2に記載の化合物。
【請求項29】
下記の式:

のうち1つに従い、式中、
およびR10は、請求項1に定義されたとおりであり、
はH、(C1−C3)アルキル、(C1−C3)アルコキシ、ハロ、−CN、−NO、(C1−C3)ハロアルキル、−C(O)OR、または(C1−C3)ハロアルキルオキシであり、
はH、(C1−C6)アルキル、(C3−C6)シクロアルキル、または(C4−C6)シクロアルキルアルキルであり、
は請求項1に定義されたとおりであり、
およびRは、それぞれ互いから独立して、H、ハロ、もしくは(C1−C6)アルキルであるか、または代替として、RおよびRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、随意に置換されたスピロシクロアルキルもしくは随意に置換されたスピロシクロヘテロアルキルを形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項30】
はHである、請求項29に記載の化合物。
【請求項31】
2つのR基は、それらが結合する窒素と一緒になって、

を形成し、式中、Rは、R、−S(O)、−C(O)R、−C(O)OR、または−C(O)NRである、請求項29に記載の化合物。
【請求項32】
はH、(C1-C4)アルキル、(C4-C8)シクロアルキルアルキル、−C(O)CH、または−SOCHであり、
10はハロゲン、ハロアルキル、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシ、もしくはシクロアルキルアルキルオキシであるか、または代替として、近接する炭素上の2つのR10は、それらが結合する炭素と一緒になって、5から8員のシクロアルキル、5から8員のシクロヘテロアルキル、5から6員のアリール、もしくは5から6員のヘテロアリールであるフェニルまたはピリジルに融合する環を形成し、それぞれ1つ以上の同一もしくは異なるR11基で随意に置換され、
は請求項1に定義されたとおりであり、
はH、C1−C3アルキル、C1−C3ペルフルオロアルキル、フルオロ、クロロ、またはアルコキシであり、
およびRは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、メチル、またはエチルである、請求項31に記載の化合物。
【請求項33】
少なくとも1つのR10は、オルト位にある、請求項32に記載の化合物。
【請求項34】
N(Rは、メタ位にある、請求項33に記載の化合物。
【請求項35】
少なくとも2つのR10基が、近接する炭素に結合し、かつオルト位およびメタ位を占有する、請求項34に記載の化合物。
【請求項36】
前記2つのR10基は、それらが結合する近接する環状炭素と一緒になって、5から8員のシクロアルキル、5から8員のシクロヘテロアルキル、5から6員のアリール、または5から6員のヘテロアリールであるフェニルに融合する環を形成し、それぞれ1つ以上の同一もしくは異なるR11基で随意に置換される、請求項35に記載の化合物。
【請求項37】
薬学的に許容される担体と、薬学的に許容される塩、溶媒和物、またはプロドラッグを含む、治療上有効な量の請求項1に記載の化合物と、を含む、薬学的組成物。
【請求項38】
哺乳動物におけるPLK1触媒活性に関連する疾病または病状を治療する方法であって、薬学的に許容される塩、溶媒和物、またはプロドラッグを含む、治療上有効な量の請求項1に記載の化合物を前記哺乳動物に投与することを含む、方法。
【請求項39】
前記化合物は、細胞に基づくPLK1阻害アッセイにおいて、10μm未満のIC50を特徴とする、表1に提示される化合物の群から選択される、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記疾病または病状は腫瘍である、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記化合物は、経口的にまたは静脈内に投与される、請求項38に記載の方法。

【公表番号】特表2012−514043(P2012−514043A)
【公表日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−544598(P2011−544598)
【出願日】平成21年12月29日(2009.12.29)
【国際出願番号】PCT/US2009/069739
【国際公開番号】WO2010/078369
【国際公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(504294145)ライジェル ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド (63)
【Fターム(参考)】