説明

ピリミジン誘導体

抗炎症作用、TARC及び/またはMDCの機能調節作用を有し、例えばアレルギー性疾患、自己免疫疾患、移植時の拒絶反応等のT細胞の関与する各種疾患等の治療及び/または予防等に有用な式(I)


[式中、Arは置換もしくは非置換のアリール等を表し、Rは−NR(式中、Rは水素原子または置換もしくは非置換の低級アルキルを表し、Rは置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のアラルキル等を表す)等を表し、Aは単結合、式(III)


(式中、mは0から2の整数を表し、nは0から4の整数を表し、aは0から置換可能な数を表し、Rは置換もしくは非置換の低級アルキル等を表し、aが2以上の整数であるときそれぞれのRは同一でも異なっていてもよい)等を表し、Qは−NR(式中、RおよびRは同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の脂環式複素環基等を表す)、または置換もしくは非置換の脂環式複素環基、置換もしくは非置換のピペリジン−4−イルアミノ等を表す]で表されるピリミジン誘導体もしくはその四級アンモニウム塩、またはそれらの薬理学的に許容される塩等を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、抗炎症作用(例えば、細胞浸潤抑制作用等)、thymus and activation−regulated chemokine[TARC;CC chemokine ligand 17(CCL17)]及び/またはmacropharge−derived chemokine[MDC;CC chemokine ligand 22(CCL22)]の機能調節作用等を有し、例えばアレルギー性疾患、自己免疫疾患等のT細胞の関与する疾患等の治療及び/または予防等に有用なピリミジン誘導体もしくはその四級アンモニウム塩、またはそれらの薬理学的に許容される塩に関する。
【背景技術】
ピリミジン骨格をその構造中に含む化合物が、抗炎症薬(WO00/43369、WO97/09325、WO98/38171)、心臓機能障害治療薬(WO01/27107)、神経変性または神経疾患治療薬(WO99/19305、EP0459819)、中枢系疾患治療薬(EP0372934)、サイトカイン阻害剤(特表平07−503017、特開2002−097189)、prostaglandin endoperoxide synthase−2(PGHS−2)、cyclooxygenase−2(COX−2)、cytokine specific binding protein(CSBP)、RKまたはp38キナーゼ阻害剤(特表平10−512555)、抗炎症剤またはサイトカインp38/mitogen−activated protein kinase(MAPキナーゼ)介在疾患の治療剤(特表2001−500122)、サイトカイン介在疾患の治療薬(US6268370、特表2000−506532)、アレルギー治療薬(WO02/20012)、自己免疫疾患治療薬(WO02/14314)、免疫抑制剤(特表2001−525406)、プロテインキナーゼ阻害剤(WO02/22602)、p38キナーゼ阻害剤(特表2002−508754)、factor Xa阻害剤(US5916891、WO01/32628)、殺菌剤(特開平07−033611)、グリコーゲン合成酵素阻害剤(WO99/65897、WO02/20495)、ロイコトリエン拮抗剤(特表平05−508845)、very late activation antigen(VLA)介在疾患治療薬(WO02/08201、WO02/08203)、ファルネシルプロテイントランスフェラーゼ阻害剤(US5872136)、神経性NOシンターゼ阻害剤(特表平08−504798)、抗腫瘍剤(WO02/20500)、オーロラ2キナーゼ阻害剤(WO01/21597)、チロシンキナーゼ阻害剤(WO01/17995)、SRCキナーゼ阻害剤(WO01/00207、WO01/00214)、抗ウィルス薬(WO99/41253)、CC chemokine receptor 4(CCR4)機能モジュレーター(WO02/30358)としてそれぞれ知られている。
一方、TARCはT細胞遊走因子として[ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(Journal of Biological Chemistry)、271巻、21514頁(1996年)]、またMDCは単球遊走因子として発見された[ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・メディスン(Journal of Experimental Medicine)、185巻、1595頁(1997年)]。特にTARCについては、T Helper 2(Th2)サイトカインで刺激された単球から産生されることから、アレルギー疾患での関与が想定されており[ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(Journal of Biological Chemistry)、271巻、21514頁(1996年)]、その後の解析により、TARC及びMDCはいずれもCCR4のリガンドであることが報告されている[ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(Journal of Biological Chemistry)、272巻、15036頁(1997年);ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(Journal of Biological Chemistry)、273巻、1764頁(1998年)]。
また、CCR4はT細胞及び胸腺細胞に発現しているレセプターとしてクローニングされ[バイオケミカル・アンド・バイオフィジカル・リサーチ・コミュニケーションズ(Biochemical and Biophysical Research Communications)、218巻、337頁(1996年)]、その後の研究により、CCR4は主としてTh2タイプと呼ばれるT細胞に発現していることが報告されている[ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・メディスン(Journal of Experimental Medicine)、187巻、875頁(1998年);ジャーナル・オブ・イムノロジー(Journal of Immunology)、161巻、5027頁(1998年)]。
【発明の開示】
本発明の目的は、抗炎症作用(例えば、細胞浸潤抑制作用等)、TARC及び/またはMDCの機能調節作用(例えば、TARC及び/またはMDCのT細胞への結合阻害作用等)等を有し、例えばアレルギー性疾患、自己免疫疾患、移植時の拒絶反応等のT細胞の関与する疾患[例えば、喘息、アレルギー性鼻炎、慢性鼻炎、花粉症、結膜炎、じんま疹、乾癬、アトピー性皮膚炎、皮膚そう痒症、皮膚カンジダ症、口腔内カンジダ症、関節リウマチ、各種膠原病、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、臓器移植時の細胞拒絶反応、癌、成人T細胞白血病(ATL)等の白血病、好酸球性肺炎、好酸球性副鼻腔炎、好酸球性増多性鼻炎、間質性膀胱炎、子宮内膜症、チャーグ−シュトラウス症候群、敗血症、疼痛、神経痛、インスリン依存性糖尿病(IDDM)、菌状息肉腫(Mycosis fungoides)、接触性皮膚炎、皮膚T細胞リンパ腫等]等の治療及び/または予防、癌の転移抑制等に有用なピリミジン誘導体もしくはその四級アンモニウム塩、またはそれらの薬理学的に許容される塩を提供することにある。
本発明は、以下の(1)〜(29)に関する。
(1)式(I)

[式中、Arは置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の芳香族複素環基を表し、
は−NR(式中、Rは水素原子または置換もしくは非置換の低級アルキルを表し、Rは置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のアラルキルまたは置換もしくは非置換の芳香族複素環アルキルを表す)または式(II)

(式中、−−−は単結合または二重結合を表し、kは0から4の整数を表し、aは0から置換可能な数を表し、Rは置換もしくは非置換の低級アルキルを表し、aが2以上の整数であるときそれぞれのRは同一でも異なっていてもよい)を表し、
Aは単結合、式(III)

(式中、mは0から2の整数を表し、nは0から4の整数を表し、aは0から置換可能な数を表し、Rは置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換の脂環式複素環基または置換もしくは非置換の芳香族複素環アルキルを表し、aが2以上の整数であるときそれぞれのRは同一でも異なっていてもよい)または式(IV)

(式中、aは0から置換可能な数を表し、m、n及びR5aはそれぞれ前記m、n及びRと同義である)を表し、
(a)Aが式(III)または式(IV)であるとき、
Qは−NR(式中、R及びRは同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換の脂環式複素環基、置換もしくは非置換の脂環式複素環アルキルまたは置換もしくは非置換の芳香族複素環アルキルを表す)または置換もしくは非置換の脂環式複素環基を表し、
(b)Aが単結合であるとき、
Qは置換もしくは非置換のピペリジン−4−イルアミノ、置換もしくは非置換のペルヒドロアゼピン−4−イルアミノまたは−N(R)−(CH−NR10(式中、pは1、2または4を表し、Rは水素原子または置換もしくは非置換の低級アルキルを表し、R及びR10は同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換の脂環式複素環基、置換もしくは非置換の脂環式複素環アルキルまたは置換もしくは非置換の芳香族複素環アルキルを表すか、またはRとR10が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の脂環式複素環基を表す)を表す]で表されるピリミジン誘導体もしくはその四級アンモニウム塩、またはそれらの薬理学的に許容される塩。
(2)Rが−NR3A(式中、Rは前記と同義であり、R3Aは置換もしくは非置換のアラルキルまたは置換もしくは非置換の芳香族複素環アルキルを表す)である上記(1)記載のピリミジン誘導体もしくはその四級アンモニウム塩、またはそれらの薬理学的に許容される塩。
(3)R3Aが置換アラルキルである上記(2)記載のピリミジン誘導体もしくはその四級アンモニウム塩、またはそれらの薬理学的に許容される塩。
(4)Aが式(III)

(式中、m、n、a及びRはそれぞれ前記と同義である)または式(IV)

(式中、m、n、a及びR5aはそれぞれ前記と同義である)である上記(1)〜(3)のいずれかに記載のピリミジン誘導体もしくはその四級アンモニウム塩、またはそれらの薬理学的に許容される塩。
(5)mが1または2であり、mが1である上記(4)記載のピリミジン誘導体もしくはその四級アンモニウム塩、またはそれらの薬理学的に許容される塩。
(6)Aが式(IIIA)

(式中、mは前記と同義である)である上記(1)〜(3)のいずれかに記載のピリミジン誘導体もしくはその四級アンモニウム塩、またはそれらの薬理学的に許容される塩。
(7)mが1である上記(6)記載のピリミジン誘導体もしくはその四級アンモニウム塩、またはそれらの薬理学的に許容される塩。
(8)Qが−NR(式中、R及びRはそれぞれ前記と同義である)、置換もしくは非置換の1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−1−イル、置換もしくは非置換の1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−イルまたは式(V)

〔式中、kは1から4の整数を表し、aは0から置換可能な数を表し、Yは単結合、−S−、−O−、−C(=O)−または−N(R12)−(式中、R12は水素原子または置換もしくは非置換の低級アルカノイルを表す)を表し、R11は水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のモノ低級アルキルアミノ、置換もしくは非置換のジ低級アルキルアミノ、置換もしくは非置換の低級アルコキシ、ヒドロキシ、置換もしくは非置換の低級アルカノイル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換のアリールオキシ、置換もしくは非置換のアラルキルオキシ、置換もしくは非置換のアロイル、置換もしくは非置換の低級アルコキシカルボニル、置換もしくは非置換のモノ低級アルキルアミノカルボニル、置換もしくは非置換のジ低級アルキルアミノカルボニル、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、アミノ、ニトロ、置換もしくは非置換の低級アルキルスルフィニル、置換もしくは非置換の低級アルキルスルホニル、メルカプトまたは低級アルキルチオを表し、aが2以上の数であるときそれぞれのR11は同一でも異なっていてもよい〕である上記(1)〜(7)のいずれかに記載のピリミジン誘導体もしくはその四級アンモニウム塩、またはそれらの薬理学的に許容される塩。
(9)Qが置換もしくは非置換のピペリジノである上記(1)〜(7)のいずれかに記載のピリミジシ誘導体もしくはその四級アンモニウム塩、またはそれらの薬理学的に許容される塩。
(10)Aが単結合である上記(1)〜(3)のいずれかに記載のピリミジン誘導体もしくはその四級アンモニウム塩、またはそれらの薬理学的に許容される塩。
(11)Arが置換もしくは非置換のアリールである上記(1)〜(10)のいずれかに記載のピリミジン誘導体もしくはその四級アンモニウム塩、またはそれらの薬理学的に許容される塩。
(12)Arが置換もしくは非置換のフェニル、置換もしくは非置換のナフチル、置換もしくは非置換のビフェニル、置換もしくは非置換のチエニル、置換もしくは非置換のチアゾリル、置換もしくは非置換のベンゾフラニル、置換もしくは非置換のフリルまたは置換もしくは非置換のピリジルである上記(1)〜(10)のいずれかに記載のピリミジン誘導体もしくはその四級アンモニウム塩、またはそれらの薬理学的に許容される塩。
(13)Rが水素原子である上記(1)〜(12)のいずれかに記載のピリミジン誘導体もしくはその四級アンモニウム塩、またはそれらの薬理学的に許容される塩。
(14)四級アンモニウム塩が、Q中のいずれかの窒素原子にZ−El(式中、Zは置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニルまたは置換もしくは非置換のアラルキルを表し、Elは脱離基を表す)が付加することにより形成される四級アンモニウム塩である上記(1)〜(13)のいずれかに記載のピリミジン誘導体もしくはその四級アンモニウム塩、またはそれらの薬理学的に許容される塩。
(15)上記(14)記載のピリミジン誘導体の四級アンモニウム塩またはその薬理学的に許容される塩。
(16)上記(1)〜(14)のいずれかに記載のピリミジン誘導体もしくはその四級アンモニウム塩、またはそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬。
(17)上記(1)〜(14)のいずれかに記載のピリミジン誘導体もしくはその四級アンモニウム塩、またはそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する抗炎症剤。
(18)上記(1)〜(14)のいずれかに記載のピリミジン誘導体もしくはその四級アンモニウム塩、またはそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分として含有するthymus and activation−regulated chemokine(TARC)及び/またはmacropharge−derived chemokine(MDC)の関与する疾患の治療及び/または予防剤。
(19)上記(15)記載のピリミジン誘導体の四級アンモニウム塩またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬。
(20)上記(15)記載のピリミジン誘導体の四級アンモニウム塩またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する抗炎症剤。
(21)上記(15)記載のピリミジン誘導体の四級アンモニウム塩またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有するthymus and activation−regulated chemokine(TARC)及び/またはmacropharge−derived chemokine(MDC)の関与する疾患の治療及び/または予防剤。
(22)抗炎症剤の製造のための上記(1)〜(14)のいずれかに記載のピリミジン誘導体もしくはその四級アンモニウム塩、またはそれらの薬理学的に許容される塩の使用。
(23)thymus and activation−regulated chemokine(TARC)及び/またはmacropharge−derived chemokine(MDC)の関与する疾患の治療及び/または予防剤の製造のための上記(1)〜(14)のいずれかに記載のピリミジン誘導体もしくはその四級アンモニウム塩、またはそれらの薬理学的に許容される塩の使用。
(24)抗炎症剤の製造のための上記(15)記載のピリミジン誘導体の四級アンモニウム塩またはその薬理学的に許容される塩の使用。
(25)thymus and activation−regulated chemokine(TARC)及び/またはmacropharge−derived chemokine(MDC)の関与する疾患の治療及び/または予防剤の製造のための上記(15)記載のピリミジン誘導体の四級アンモニウム塩またはその薬理学的に許容される塩の使用。
(26)上記(1)〜(14)のいずれかに記載のピリミジン誘導体もしくはその四級アンモニウム塩、またはそれらの薬理学的に許容される塩の有効量を投与する行程を含む炎症の治療及び/または予防方法。
(27)上記(1)〜(14)のいずれかに記載のピリミジン誘導体もしくはその四級アンモニウム塩、またはそれらの薬理学的に許容される塩の有効量を投与する行程を含むthymus and activation−regulated chemokine(TARC)及び/またはmacropharge−derived chemokine(MDC)の関与する疾患の治療及び/または予防方法。
(28)上記(15)記載のピリミジン誘導体の四級アンモニウム塩またはその薬理学的に許容される塩の有効量を投与する行程を含む炎症の治療及び/または予防方法。
(29)上記(15)記載のピリミジン誘導体の四級アンモニウム塩またはその薬理学的に許容される塩の有効量を投与する行程を含むthymus and activation−regulated chemokine(TARC)及び/またはmacropharge−derived chemokine(MDC)の関与する疾患の治療及び/または予防方法。
以下、式(I)で表される化合物を化合物(I)という。他の式番号の化合物についても同様である。
式(I)〜式(V)の各基の定義において、
低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルキルチオ、低級アルキルスルフィニル、低級アルキルスルホニル、低級アルコキシカルボニル、モノ低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、モノ低級アルキルアミノカルボニル及びジ低級アルキルアミノカルボニルの低級アルキル部分としては、例えば直鎖状もしくは分岐鎖状の炭素数1〜10のアルキル、または炭素数1〜8のシクロアルキル等が挙げられ、具体的にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、ノニル、デシル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等が挙げられる。また、該低級アルキル部分には、上記直鎖状または分岐鎖状の炭素数1〜10のアルキルと炭素数1〜8のシクロアルキルとの組み合わせも包含され、具体的にはシクロプロピルメチル、シクロヘキシルメチル、シクロオクチルメチル等のシクロアルキルアルキル、メチルシクロヘキシル、エチルシクロヘキシル、プロピルシクロヘキシル、イソプロピルシクロヘキシル、ブチルシクロヘキシル、イソブチルシクロヘキシル、sec−ブチルシクロヘキシル、tert−ブチルシクロヘキシル等のアルキルシクロアルキル等が挙げられる。なお、ジ低級アルキルアミノ及びジ低級アルキルアミノカルボニルの2つの低級アルキル部分は同一でも異なっていてもよい。
低級アルカノイルとしては、例えば直鎖状または分枝鎖状の炭素数1〜7のアルカノイルが挙げられ、具体的にはホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル等が挙げられる。
低級アルケニルとしては、例えば直鎖状もしくは分岐鎖状の炭素数2〜8のアルケニルまたはアルカジエニル、炭素数4〜10のシクロアルケニル等が挙げられ、具体的にはビニル、アリル、メタクリル、1−プロペニル、ブテニル、クロチル、ペンテニル、イソプレニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、2,6−オクタジエニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル、シクロノネニル、シクロデセニル等が挙げられる。また、該低級アルケニルには、上記直鎖状もしくは分岐鎖状の炭素数2〜8のアルケニルまたはアルカジエニルと炭素数4〜10のシクロアルケニルとの組み合わせも包含され、具体的には2−(1−シクロヘキセニル)エチル等が挙げられる。
低級アルキニルとしては、例えば炭素数2〜8のアルキニル、具体的にはエチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル等が挙げられる。
アリール、アリールオキシ及びアロイルのアリール部分としては、例えば炭素数6〜14の単環式、二環式または三環式のアリールが挙げられ、具体的にはフェニル、ナフチル、インデニル、アントラニル等が挙げられる。また、該アリールには環集合炭化水素基も包含され、具体的にはビフェニル等が挙げられる。
アラルキル及びアラルキルオキシのアリール部分としては、前記アリールの定義で挙げた基に加え、例えば前記アリールの定義で挙げた基がシクロアルキルと縮合した多環性縮合環基等が挙げられ、具体的にはインダニル、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル、6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾシクロヘプチル等が挙げられる。
アラルキル、アラルキルオキシ、芳香族複素環アルキル及び脂環式複素環アルキルのアルキレン部分は、前記低級アルキルの定義で挙げた直鎖状または分岐鎖状の炭素数1〜10のアルキルからそれぞれ水素原子を一つ除いたものと同義である。
芳香族複素環基及び芳香族複素環アルキルの芳香族複素環基部分としては、例えば窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む5員または6員の単環性芳香族複素環基、3〜8員の環が縮合した二環または三環性であって窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む縮環性芳香族複素環基等が挙げられる。具体的にはフリル、チエニル、ピロリル、ピリジル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアジニル、インドリル、キノリル、プリニル、ベンゾフラニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル等が挙げられる。
脂環式複素環基及び脂環式複素環アルキルの脂環式複素環部分としては、例えば窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む5員または6員の単環性脂環式複素環基、3〜8員の環が縮合した二環または三環性であって窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む縮環性脂環式複素環基等が挙げられ、また環内が部分的に不飽和な複素環基も包含される。具体的にはテトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、モルホリノ、チオモルホリノ、モルホリニル、チオモルホニル、ピロリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、ピペリジノ、ホモピペリジノ、ピペリジニル、ホモピペリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロキノリル、テトラヒドロイソキノリル、オクタヒドロキノリル、ジヒドロベンゾフラニル、テトラヒドロピリジル、1,3−ジオキソラニル、ペルヒドロアゼピニル、ペルヒドロアゾシニル等が挙げられる。
隣接する窒素原子と一緒になって形成される脂環式複素環基としては、例えば少なくとも1個の窒素原子を含む5員または6員の単環性複素環基(該単環性複素環基は、他の窒素原子、酸素原子または硫黄原子を含んでいてもよい)、3〜8員の環が縮合した二環または三環式で少なくとも1個の窒素原子を含む縮環性複素環基(該縮環性複素環基は、他の窒素原子、酸素原子または硫黄原子を含んでいてもよい)等が挙げられ、また環内が部分的に不飽和な複素環基も包含される。具体的にはピペリジノ、ホモピペリジノ、ピペラジニル、ホモピペラジニル、モルホリノ、チオモルホリノ、ペルヒドロアゼピニル、ペルヒドロアゾシニル、テトラヒドロキノリル、テトラヒドロイソキノリル、オクタヒドロキノリル、テトラヒドロピリジル等が挙げられる。
置換低級アルキルにおける置換基としては、同一または異なって例えば置換数1〜3のヒドロキシ、アミノ、アジド、カルボキシ、カルバモイル、ニトロ、シアノ、メルカプト、カルバモイル、ハロゲン、低級アルコキシ、モノ低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、低級アルキルチオ、低級アルコキシカルボニル、低級アルカノイル、ハロゲン化低級アルカノイル、アリールオキシ、アラルキルオキシ、アロイル、モノ低級アルキルアミノカルボニル、ジ低級アルキルアミノカルボニル、置換もしくは非置換のアリールスルホニルオキシ(該置換アリールスルホニルオキシにおける置換基としては、例えば低級アルキル等が挙げられる)、低級アルキルスルフィニル、低級アルキルスルホニル、低級アルキルスルホニルオキシ、ハロゲン化低級アルキルスルホニルオキシ等が挙げられる。
ここで示した低級アルキル、低級アルコキシ、モノ低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、低級アルキルチオ、低級アルコキシカルボニル、低級アルカノイル、アリールオキシ、アラルキルオキシ、アロイル、モノ低級アルキルアミノカルボニル、ジ低級アルキルアミノカルボニル、低級アルキルスルフィニル及び低級アルキルスルホニルはそれぞれ前記と同義である。ハロゲンはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素の各原子を意味し、ハロゲン化低級アルキルスルホニルオキシ及びハロゲン化低級アルカノイルのハロゲン部分はハロゲン化数1〜3で前記ハロゲンと同義であり、それぞれのハロゲン部分は同一でも異なっていてもよい。低級アルキルスルホニルオキシの低級アルキル部分は前記低級アルキルと同義であり、ハロゲン化低級アルキルスルホニルオキシの低級アルキレン部分は前記低級アルキルの定義で挙げた直鎖状または分岐鎖状の炭素数1〜10のアルキルから水素原子を一つ除いたものと同義であり、ハロゲン化低級アルカノイルの低級アルカノイル部分は前記低級アルカノイルから水素原子を一つ除いたものと同義であり、アリールスルホニルオキシのアリール部分は前記アリールと同義である。
置換低級アルケニル、置換低級アルキニル、置換低級アルカノイル、置換低級アルコキシ、置換低級アルコキシカルボニル(置換モノ低級アルキルアミノ、置換ジ低級アルキルアミノ、置換モノ低級アルキルアミノカルボニル、置換ジ低級アルキルアミノカルボニル、置換低級アルキルスルフィニル及び置換低級アルキルスルホニルにおける置換基としては、同一または異なって例えば置換数1〜3の、上記置換低級アルキルにおける置換基として挙げた基に加え、芳香族複素環基、脂環式複素環基等が挙げられる。
ここで示した芳香族複素環基及び脂環式複素環基はそれぞれ前記芳香族複素環基及び脂環式複素環基と同義である。
置換モノ低級アルキルアミノ、置換ジ低級アルキルアミノ及び置換低級アルコキシにおける置換基としては、同一または異なって例えば置換数1〜3の、上記置換低級アルキルにおける置換基として挙げた基に加え、脂環式複素環基等が挙げられる。
ここで示した脂環式複素環基は前記脂環式複素環基と同義である。
置換アリール、置換アラルキル、置換芳香族複素環基、置換脂環式複素環基、置換芳香族複素環アルキル、置換脂環式複素環アルキル、隣接する窒素原子と一緒になって形成される置換脂環式複素環基、置換アリールオキシ、置換アラルキルオキシ、置換アロイル、置換フェニル、置換ナフチル、置換ビフェニル、置換チエニル、置換チアゾリル、置換ベンゾフラニル、置換フリル、置換ピリジル、置換ペルヒドロアゼピン−4−イルアミノ、置換ピペリジン−4−イルアミノ、置換1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−1−イル、置換1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−イル及び置換ピペリジノにおける置換基としては、同一または異なって例えば置換数1〜3の、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、メチレンジオキシ、アミノ、メルカプト、ハロゲン、低級アルキル、置換低級アルキル(該置換低級アルキルにおける置換基は前記置換低級アルキルにおける置換基と同義である)、低級アルコキシ、置換低級アルコキシ(該置換低級アルコキシにおける置換基は前記置換低級アルコキシにおける置換基と同義である)、低級アルキルチオ、低級アルケニル、置換低級アルケニル(該置換低級アルケニルにおける置換基は前記置換低級アルケニルにおける置換基と同義である)、低級アルキニル、置換低級アルキニル(該置換低級アルキニルにおける置換基は前記置換低級アルキニルにおける置換基と同義である)、低級アルコキシカルボニル、置換低級アルコキシカルボニル(該置換低級アルコキシカルボニルにおける置換基は前記置換低級アルコキシカルボニルにおける置換基と同義である)、低級アルカノイル、置換低級アルカノイル(該置換低級アルカノイルにおける置換基は前記置換低級アルカノイルにおける置換基と同義である)、アリール、置換アリール(該置換アリールにおける置換基としては、同一または異なって例えば置換数1〜3のハロゲン、ヒドロキシ等が挙げられる)、アラルキル、置換アラルキル(該置換アラルキルにおける置換基としては、同一または異なって例えば置換数1〜3のハロゲン、ヒドロキシ等が挙げられる)、アリールオキシ、置換アリールオキシ(該置換アリールオキシにおける置換基としては、同一または異なって例えば置換数1〜3のハロゲン、ヒドロキシ等が挙げられる)、アラルキルオキシ、置換アラルキルオキシ(該置換アラルキルオキシにおける置換基としては、同一または異なって例えば置換数1〜3のハロゲン、ヒドロキシ等が挙げられる)、アロイル、置換アロイル(該置換アロイルにおける置換基としては、同一または異なって例えば置換数1〜3のハロゲン、ヒドロキシ等が挙げられる)、脂環式複素環基、芳香族複素環基、モノ低級アルキルアミノ、置換モノ低級アルキルアミノ(該置換モノ低級アルキルアミノにおける置換基は前記置換モノ低級アルキルアミノにおける置換基と同義である)、ジ低級アルキルアミノ、置換ジ低級アルキルアミノ(該置換ジ低級アルキルアミノにおける置換基は前記置換ジ低級アルキルアミノにおける置換基と同義である)、モノ低級アルキルアミノカルボニル、置換モノ低級アルキルアミノカルボニル(該置換モノ低級アルキルアミノカルボニルにおける置換基は前記置換モノ低級アルキルアミノカルボニルにおける置換基と同義である)、ジ低級アルキルアミノカルボニル、置換ジ低級アルキルアミノカルボニル(該置換ジ低級アルキルアミノカルボニルにおける置換基は前記置換ジ低級アルキルアミノカルボニルにおける置換基と同義である)、低級アルキルスルフィニル、置換低級アルキルスルフィニル(該置換低級アルキルスルフィニルにおける置換基は前記置換低級アルキルスルフィニルにおける置換基と同義である)、低級アルキルスルホニル、置換低級アルキルスルホニル(該置換低級アルキルスルホニルにおける置換基は前記置換低級アルキルスルホニルにおける置換基と同義である)等が挙げられ、置換アラルキル及び芳香族複素環アルキルのアルキレン部分における置換基としては、同一または異なって例えば置換数1または2の、アリール等が挙げられる。
ここで示したハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルキルチオ、低級アルケニル、低級アルキニル、低級アルコキシカルボニル、低級アルカノイル、ハロゲン化低級アルカノイル、アリール、アラルキル、アリールオキシ、アラルキルオキシ、アロイル、脂環式複素環基、芳香族複素環基、モノ低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、モノ低級アルキルアミノカルボニル、ジ低級アルキルアミノカルボニル、低級アルキルスルフィニル及び低級アルキルスルホニルはそれぞれ前記と同義である。
脱離基としては、例えばハロゲン、置換もしくは非置換のアリールスルホニルオキシ(該置換アリールスルホニルオキシにおける置換基としては、例えば低級アルキル等が挙げられる)、置換もしくは非置換の低級アルキルスルホニルオキシ(該置換アリールスルホニルオキシにおける置換基としては、例えばハロゲン等が挙げられる)等が挙げられる。
ここで示したハロゲン、アリールスルホニルオキシのアリール部分ならびに低級アルキル及び低級アルキルスルホニルオキシの低級アルキル部分は、それぞれ前記ハロゲン、アリール及び低級アルキルと同義である。
置換可能な数とは化合物の構造上置換可能な数のことを示すが、a、a、a及びaは具体的には0〜6の整数であるのが好ましく、中でも0〜3の整数であるのがより好ましい。
化合物(I)の四級アンモニウム塩は、化合物(I)の構造中の窒素原子のうち例えば1〜3個の窒素原子に、例えばZ−El(式中、Z及びElはそれぞれ前記と同義である)が付加することにより形成される四級アンモニウム塩であればいずれでもよいが、具体的には化合物(I)におけるQ中のいずれかの窒素原子にZ−El(式中、Z及びElはそれぞれ前記と同義である)が付加することにより形成される四級アンモニウム塩[−N(Z)El−(式中、Z及びElはそれぞれ前記と同義である)]等が挙げられる。Zとしては、中でも低級アルキルまたは低級アルケニルが好ましく、さらにはメチル、エチルまたはアリルがより好ましく、Elとしては、中でもハロゲンが好ましく、さらにはヨウ素または臭素の各原子がより好ましい。
化合物(I)の薬理学的に許容される塩としては、毒性のない、水溶性のものが好ましく、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩等の有機酸塩等の酸付加塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩等の金属塩、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム等のアンモニウム塩、モルホリン付加塩、ピペリジン付加塩等の有機アミン付加塩、グリシン付加塩、フェニルアラニン付加塩、リジン付加塩、アスパラギン酸付加塩、グルタミン酸付加塩等のアミノ酸付加塩等が挙げられる。
本発明は、化合物(I)に含まれる一つまたはそれ以上の原子が同位元素、蛍光色素、ビオチン、酵素等で標識された化合物を包含する。標識された化合物は、化合物の組織分布調査やTARC及び/またはMDCの機能調節作用を有する化合物の探索に有用である。
本発明で使用される同位元素は、通常天然で見出される原子価または質量数と異なる原子価または質量数を有する原子を指し、例えばH、H、13C、14C、15N、17O、18O、31P、32P、35S、36Cl等が挙げられる。
次に化合物(I)の製造法について説明する。
なお、以下に示した製造法において、定義した基が反応条件下変化するか、または方法を実施するのに不適切な場合、有機合成化学で常用される方法、例えば官能基の保護、脱保護等[例えば、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス第三版(Protective Groups in Organic Synthesis,third edition)、グリーン(T.W.Greene)著、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ・インコーポレイテッド(John Wiley & Sons Inc.)(1999年)参照]の手段に付すことにより容易に製造を実施することができる。また、必要に応じて置換基導入等の反応工程の順序を変えることもできる。
化合物(I)は、例えば以下に示す製造法1〜製造法5等によって得ることができる。
製造法1:

(式中、R、Ar、A及びQはそれぞれ前記と同義であり、X、X及びXは同一または異なって、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す)
[工程1]
化合物(2)を反応に不活性な溶媒中、1当量〜大過剰量、好ましくは1〜3当量の化合物(3)と反応させることにより、化合物(4)を得ることができる。反応は0℃から溶媒の沸点の間の温度、好ましくは50〜120℃の間の温度で、通常10分間から48時間行われる。
化合物(2)としては市販品または文献[例えば、オーガニック・プレパレーションズ・アンド・プロシージャーズ・インターナショナル(Org.Prep.Proced.Int.)、30巻、433−437頁(1998年)等]記載の方法に従って合成されるものを任意に用いることができる。
化合物(3)としては市販品または文献[例えば、新実験化学講座14「有機化合物の合成と反応(III)」、丸善、1332−1399頁(1977年);実験化学講座20「有機合成II(アルコール・アミン)」、丸善、279−318頁(2001年)等]記載の方法に従って合成されるものを任意に用いることができる。
反応に不活性な溶媒は、反応に不活性なものであればいずれでもよく、特に限定されないが、例えばテトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ベンゼン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、アセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、メタノール、エタノール等を単独でまたはそれらを混合して用いることができ、中でもTHF、クロロホルム、エタノールまたはそれらの混合溶媒が好ましい。
この反応は1当量から大過剰量、好ましくは1〜10当量の塩基を添加して行ってもよい。
塩基としては、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン(DBU)、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、キノリン等の有機塩基、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、カリウムtert−ブトキシド等の無機塩基、アンバーリストA−21(ロームアンドハース社製)、AG 1−X8(バイオラッド社製)等の塩基性アニオン交換レジン、ポリビニルピリジン、モルホリノメチルポリスチレン等の固相に担持された塩基等を用いることができ、中でもトリエチルアミンが好ましい。
[工程2]
工程1で得られる化合物(4)を、反応に不活性な溶媒中、1当量から大過剰量、好ましくは1〜3当量の塩基及び0.05〜1当量、好ましくは0.05〜0.10当量のパラジウム触媒存在下、1〜5当量のボロン酸化合物(5−a)と反応させることにより、化合物(6)を得ることができる。反応は0〜150℃の間の温度、好ましくは20〜120℃の間の温度で、通常1〜72時間行われる。
ボロン酸化合物(5−a)としては市販品または文献[例えば、ケミカル・レビュー(Chem.Rev.)、95巻、2457頁(1995年);テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedron Lett.)、38巻、1197頁(1997年);ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、60巻、7508頁(1995年);同65巻、9268頁(2000年)等]記載の方法に従って合成されるものを任意に用いることができる。
反応に不活性な溶媒は、反応に不活性なものであればいずれでもよく、特に限定されないが、例えばTHF、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタン、DMF、DMA、N−メチルピロリドン、DMSO、ベンゼン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、アセトニトリル、ヘキサメチルホスホラミド(HMPA)、アセトン、エタノール、メタノール、トリエチルアミン、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(DMPU)、水等を単独でまたはそれらを混合して用いることができ、中でもジメトキシエタンまたはトルエンが好ましい。
パラジウム触媒としては、例えば酢酸パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム(II)、ビス(ベンゾニトリル)ジクロロパラジウム(II)、[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]ジクロロパラジウム(II)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロライド、[2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル]パラジウム(II)クロライド、ジクロロビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリ−O−トルイルホスフィン)パラジウム(II)、[1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン]パラジウム(II)ジクロライド、ビス(アセタート)ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、パラジウム(II)トリフルオロアセタート、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(O)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(O)、パラジウム(O)/カーボン(Pd/C)等を用いることができ、また、例えばトリフェニルホスフィン、O−トルイルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリ−2−フリルホスフィン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、トリシクロヘキシルホスフィン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン等の有機リン化合物を、上記のパラジウム触媒にさらに加えて用いることもできる。中でもテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(O)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリ−O−トルイルホスフィン)パラジウム(II)または[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロライドが好ましい。
塩基としては、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、DBU、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、キノリン等の有機塩基、炭酸セシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、カリウムtert−ブトキシド、水酸化タリウム、炭酸タリウム、炭酸銀、酸化銀等の無機塩基、アンバーリストA−21(ロームアンドハース社製)、AG 1−X8(バイオラッド社製)等の塩基性アニオン交換レジン、ポリビニルピリジン、モルホリノメチルポリスチレン等の固相に担持された塩基等を用いることができ、中でも炭酸セシウムが好ましい。
[工程3]
工程2で得られる化合物(6)を、反応に不活性な溶媒中、1当量から大過剰量、好ましくは20〜25当量の塩基存在下、1〜5当量の化合物(7)またはその塩と反応させることにより、化合物(I)を得ることができる。反応は0〜150℃の間の温度、好ましくは20〜130℃の間の温度で、通常1〜72時間行われる。
化合物(7)の塩としては例えば塩酸塩、硫酸塩等が挙げられ、化合物(7)またはその塩としては市販品または文献[例えば、ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、63巻、4131頁(1998年);ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、55巻、2552頁(1990年)等]記載の方法に従って合成されるものを任意に用いることができる。
反応に不活性な溶媒は、反応に不活性なものであればいずれでもよく、特に限定されないが、例えばジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、DMF、DMA、N−メチルピロリドン、DMSO、THF、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ベンゼン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、アセトニトリル等を単独でまたはそれらを混合して用いることができ、中でもDMFが好ましい。
塩基としては、例えばトリエチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、ジイソプロピルエチルアミン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、DBU等の有機塩基、炭酸セシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、カリウムtert−ブトキシド、水酸化タリウム、炭酸タリウム、炭酸銀、酸化銀等の無機塩基、アンバーリストA−21(ロームアンドハース社製)、AG 1−X8(バイオラッド社製)等の塩基性アニオン交換レジン、ポリビニルピリジン、モルホリノメチルポリスチレン等の固相に担持された塩基等を用いることができ、中でもトリエチルアミンが好ましい。
また、化合物(I)は、以下の製造法2によっても得ることができる。
製造法2:

(式中、R、Ar、A、Q、X及びXはそれぞれ前記と同義である)
[工程4]
工程3と同様にして、工程1で得られる化合物(4)を化合物(7)またはその塩と反応させることにより、化合物(8)を得ることができる。
[工程5−a]
工程2と同様にして、工程4で得られる化合物(8)をボロン酸化合物(5−a)と反応させることにより、化合物(I)を得ることができる。
また、化合物(I)は、以下の製造法3によっても得ることができる。
製造法3:

[式中、R、Ar、A、Q及びXはそれぞれ前記と同義であり、3つのR13は同一であり低級アルキル(該低級アルキルは前記低級アルキルと同義である)を表す]
[工程5−b]
工程4で得られる化合物(8)を、反応に不活性な溶媒中、1当量から大過剰量、好ましくは0.05〜0.10当量のパラジウム触媒存在下、1〜5当量の有機スズ化合物(5−b)と反応させることにより、化合物(I)を得ることができる。反応は0〜100℃の間の温度、好ましくは20〜90℃の間の温度で、通常1〜72時間行われる。
有機スズ化合物(5−b)としては市販品または文献[例えば、実験化学講座24「有機合成VI(ヘテロ元素・典型金属元素化合物)」、丸善、179−201頁(1992年);アンゲバンテ・ケミストリー・インターナショナル・エディション・イングリッシュ(Angew.Chem.Int.Ed.Engl.)、25巻、508−521頁(1986年)等]記載の方法に従って合成されるものを任意に用いることができる。
反応に不活性な溶媒は、反応に不活性なものであればいずれでもよく、特に限定されないが、例えばTHF、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタン、DMF、DMA、N−メチルピロリドン、DMSO、ベンゼン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、アセトニトリル、HMPA、アセトン、エタノール、メタノール、トリエチルアミン、DMPU、水等を単独でまたはそれらを混合して用いることができ、中でもTHFが好ましい。
パラジウム触媒としては、例えば工程2で挙げたパラジウム触媒と同様のものを用いることができ、また、例えば工程2で挙げた有機リン化合物を、上記のパラジウム触媒にさらに加えて用いることもできる。中でもテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(O)またはジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)が好ましい。
この反応は1当量から大過剰量、好ましくは1〜10当量のフッ化物を添加して行ってもよい。
フッ化物としては、例えばフッ化テトラn−ブチルアンモニウム、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化ルビジウム、フッ化セシウム等を用いることができ、中でもフッ化セシウムまたはフッ化カリウムが好ましい。
また、この反応はさらに1当量から大過剰量、好ましくは1〜10当量の銅塩または銀塩を添加して行ってもよい。
銅塩としては、例えば酸化銅、塩化銅、臭化銅、ヨウ化銅、シアン化銅等を用いることができ、銀塩としては、例えば酸化銀等を用いることができる。
また、化合物(I)は、以下の製造法4によっても得ることができる。
製造法4

[式中、R、Ar、A及びQはそれぞれ前記と同義であり、X及びXは同一または異なって、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表し、R14は置換もしくは非置換の低級アルキル(該低級アルキルは前記低級アルキルと同義であり、該置換低級アルキルにおける置換基としては例えばハロゲン等が挙げられ、該ハロゲンは前記ハロゲンと同義である)または置換もしくは非置換のアラルキル(該アラルキルは前記アラルキルと同義であり、該置換アラルキルにおける置換基としては例えばハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ等が挙げられ、該ハロゲン、低級アルキル及び低級アルコキシはそれぞれ前記ハロゲン、低級アルキル及び低級アルコキシと同義である)を表す]
[工程6]
化合物(9)を、反応に不活性な溶媒中、1当量から大過剰量、好ましくは1〜3当量の塩基及び0.05〜1.00当量、好ましくは0.05〜0.10当量のパラジウム触媒存在下、1〜5当量の化合物(10)と反応させることにより、化合物(11)を得ることができる。反応は0〜150℃の間の温度、好ましくは20〜120℃の間の温度で、通常1〜72時間行われる。
化合物(9)としては文献[例えば、ジャーナル・オブ・ザ・ケミカル・ソサイエティー(J.Chem.Soc.)、1051頁(1968年)等]記載の方法に従って合成されるものを任意に用いることができ、中でも化合物(9)のうちR14がtert−ブチルであるものが好ましい。
化合物(10)としては市販品または文献[例えば、新実験化学講座14「有機化合物の合成と反応(I)」、丸善(1978年);実験化学講座19「有機合成I(炭化水素・ハロゲン化合物)」、丸善、416−479頁(1992年)等]記載の方法に従って合成されるものを任意に用いることができる。
反応に不活性な溶媒は、反応に不活性なものであればいずれでもよく、特に限定されないが、例えばTHF、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタン、DMF、DMA、N−メチルピロリドン、DMSO、ベンゼン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、アセトニトリル、HMPA、アセトン、エタノール、メタノール、トリエチルアミン、DMPU、水等を単独でまたはそれらを混合して用いることができ、中でもジメトキシエタンまたはトルエンが好ましい。
パラジウム触媒としては、例えば工程2で挙げたパラジウム触媒と同様のものを用いることができ、また、例えば工程2であげた有機リン化合物を、上記のパラジウム触媒にさらに加えて用いることもできる。中でもテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(O)またはジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)が好ましい。
塩基としては、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、DBU、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、キノリン等の有機塩基、炭酸セシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、カリウムtert−ブトキシド、水酸化タリウム、炭酸タリウム、炭酸銀、酸化銀等の無機塩基、アンバーリストA−21(ロームアンドハース社製)、AG 1−X8(バイオラッド社製)等の塩基性アニオン交換レジン、ポリビニルピリジン、モルホリノメチルポリスチレン等の固相に担持された塩基等を用いることができ、中でも炭酸セシウムが好ましい。
[工程7]
工程6で得られる化合物(11)を、反応に不活性な溶媒中、1〜10当量の酸存在下、2当量から大過剰量の水で処理することにより、化合物(12)を得ることができる。反応は0〜100℃の間の温度、好ましくは20〜50℃の間の温度で、通常1〜5時間行われる。
酸としては、例えばトリフルオロ酢酸等のカルボン酸、塩酸等の鉱酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等のスルホン酸等を用いることができ、中でも塩酸が好ましい。
反応に不活性な溶媒は、反応に不活性なものであればいずれでもよく、特に限定されないが、例えばペンタン、ヘキサン、THF、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタン、DMSO、ベンゼン、トルエン、キシレン、HMPA、エタノール、メタノール、水等を単独でまたはそれらを混合して用いることができ、中でもメタノールが好ましい。
[工程8]
工程7で得られる化合物(12)を、反応に不活性な溶媒中または無溶媒で、1当量から大過剰量、好ましくは1〜3当量の塩基存在下または非存在下、1当量から過剰量、好ましくは、過剰量のハロゲン化剤で処理することにより、化合物(13)を得ることができる。反応は0℃から溶媒の沸点の間の温度、好ましくは50℃から溶媒の沸点の間の温度で、通常1〜48時間行われる。
塩基としては、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、DBU、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、キノリン等の有機塩基、炭酸セシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、カリウムtert−ブトキシド等の無機塩基、アンバーリストA−21(ロームアンドハース社製)、AG 1−X8(バイオラッド社製)等の塩基性アニオン交換レジン、ポリビニルピリジン、モルホリノメチルポリスチレン等の固相に担持された塩基等を用いることができ、中でもジイソプロピルエチルアミンが好ましい。
ハロゲン化剤としては、例えば三塩化リン、三臭化リン、五塩化リン、五臭化リン、オキシ塩化リン、オキシ臭化リン、それらの混合物等を用いることができ、中でもオキシ塩化リンが好ましい。
反応に不活性な溶媒は、反応に不活性なものであればいずれでもよく、特に限定されないが、例えばTHF、ジオキサン、クロロホルム、ジクロロエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、トリエチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、ジイソプロピルエチルアミン等を単独でまたはそれらを混合して用いることができる。
[工程9]
工程1と同様にして、工程8で得られる化合物(13)を化合物(3)と反応させることにより、化合物(14)を得ることができる。
[工程10]
工程3と同様にして、工程9で得られる化合物(14)を化合物(7)またはその塩と反応させることにより、化合物(I)を得ることができる。
また、化合物(I)は、以下の製造法5によっても得ることができる。
製造法5:

〔式中、R、Ar、A及びQはそれぞれ前記と同義であり、X及びXは同一または異なって、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表し、R12は置換もしくは非置換の低級アルキル(該低級アルキルは前記低級アルキルと同義であり、該置換低級アルキルにおける置換基としては例えばハロゲン等があげられ、該ハロゲンは前記ハロゲンと同義である)を表し、rは1または2を表す〕
[工程11]
工程2と同様にして、化合物(15)をボロン酸化合物(5−a)と反応させることにより、化合物(16)を得ることができる。
化合物(15)としては市販品または文献[例えば、アクタ・ケミカ・スカンジナビア(Acta Chem.Scand.)、Ser B.、B36(1)巻、15−18頁(1982年)等]記載の方法に従って合成されるものを任意に用いることができる。
[工程12]
工程1と同様にして、工程11で得られる化合物(16)を化合物(3)と反応させることにより、化合物(17)を得ることができる。
なお、反応に用いられる溶媒及び塩基としては、それぞれ工程1で例示した溶媒及び塩基を用いることができるが、中でもそれぞれジオキサン及びジイソプロピルエチルアミンが好ましい。
[工程13]
工程12で得られる化合物(17)を、反応に不活性な溶媒中、1当量から大過剰量、好ましくは1〜5当量の酸化剤で処理することにより、化合物(18)を得ることができる。反応は0〜100℃の間の温度、好ましくは0〜50℃の間の温度で、通常10分間から24時間行われる。
反応に不活性な溶媒は、反応に不活性なものであればいずれでもよく、特に限定されないが、例えばジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、THF、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ベンゼン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、アセトニトリル、水等を単独でまたはそれらを混合して用いることができ、中でもジクロロメタンまたはトルエンが好ましい。
酸化剤としては、例えば3−クロロ過安息香酸(mCPBA)、過酸化ベンゾイル、過酢酸、過酸化水素水等を用いることができ、中でもmCPBAが好ましい。
なお、化合物(18)において、rが1である化合物とrが2である化合物は、例えば酸化剤の当量数、反応の温度等の条件等を調節することによりそれぞれ得られ、それらが混在することもある。混在する場合、その比率は特に限定されず、いずれの場合もそのまま次工程に使用することができる。
[工程14]
工程13で得られる化合物(18)を、反応に不活性な溶媒中、1〜5当量の化合物(7)またはその塩と反応させることにより、化合物(I)を得ることができる。反応は0℃から溶媒の沸点の間の温度、好ましくは25〜120℃の間の温度で、通常1〜72時間行われる。
反応に不活性な溶媒は、反応に不活性なものであればいずれでもよく、特に限定されないが、例えばジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、DMF、DMA、N−メチルピロリドン、DMSO、THF、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ベンゼン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、アセトニトリル、エタノール等を単独でまたはそれらを混合して用いることができ、中でもジオキサンまたはエタノールが好ましい。
この反応は1当量から大過剰量、好ましくは1〜10当量の塩基を添加して行ってもよい。
塩基としては、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、DBU、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、キノリン等の有機塩基、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、カリウムtert−ブトキシド等の無機塩基、アンバーリストA−21(ロームアンドハース社製)、AG 1−X8(バイオラッド社製)等の塩基性アニオン交換レジン、ポリビニルピリジン、モルホリノメチルポリスチレン等の固相に担持された各種塩基等を用いることができ、中でもジイソプロピルエチルアミンが好ましい。
製造法6:
化合物(I)の四級アンモニウム塩は、例えば以下の工程に従い得ることができる。
製造法1〜5で得られる化合物(I)を、無溶媒または反応に不活性な溶媒中、1当量から大過剰量、好ましくは1〜20当量のZ−El(式中、Z及びElはそれぞれ前記と同義である)と反応させることにより、目的とする四級アンモニウム塩を得ることができる。
反応に不活性な溶媒は、反応に不活性なものであればいずれでもよく、特に限定されないが、例えばTHF、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ベンゼン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、アセトニトリル、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、DMF、DMA、N−メチルピロリドン、DMSO、ニトロメタン、アセトン、メチルエチルケトン等を単独でまたはそれらを混合して用いることができ、中でもジクロロメタンまたはニトロメタンが好ましい。
反応は−20℃から溶媒またはZ−Elの沸点の間の温度、好ましくは0〜30℃の間の温度で、通常1時間から1週間行われる。
さらに、化合物(I)、原料化合物及び中間体化合物における各官能基の変換および置換基に含まれる官能基の変換は、公知の方法[例えば、コンプリヘンシブ・オーガニック・トランスフォーメーションズ第二版(Comprehensive Organic Transformations,second edition)、ラロック(R.C.Larock)著、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ・インコーポレイテッド(John Wiley & Sons Inc.)(1999年)]等によって行うことができる。
上記の方法等を適宜組み合わせて実施することにより、所望の位置に所望の官能基を有する化合物(I)を得ることができる。
上記製造法における生成物及び中間体の単離、精製は、通常の有機合成で用いられる方法、例えば濾過、抽出、洗浄、乾燥、濃縮、結晶化、各種クロマトグラフィー等を適宜組み合わせて行うことができる。さらに一般的な並列合成法(コンビナトリアル・ケミストリー等)で常用される精製法、例えばベンゾイルクロライドポリマーバウンド、ポリ4−ビニルピリジン、ベンズアルデヒドポリマーバウンド、トリチルクロリドポリマーバウンド等のスカベンジャーレジン、例えばAG1−X8 OHレジン(バイオラッド社製)等のイオン交換レジン等の樹脂を用いた精製法で行うこともできる。また、中間体においては、特に精製することなく次の反応に供することもできる。
化合物(I)もしくはその四級アンモニウム塩、またはそれらの薬理学的に許容される塩には、位置異性体、幾何異性体、光学異性体等の異性体が存在し得るものもあるが、これらを含め可能な全ての異性体及び該異性体のいかなる比率における混合物も本発明に包含される。
化合物(I)の塩またはその四級アンモニウム塩の塩を取得したい場合、化合物(I)の塩またはその四級アンモニウム塩の塩が得られるときはそのまま精製すればよく、また化合物(I)またはその四級アンモニウム塩が遊離の形で得られるときは化合物(I)を適当な溶媒に溶解または懸濁し、酸または塩基を加えて塩を形成させればよい。
また、化合物(I)もしくはその四級アンモニウム塩、またはそれらの薬理学的に許容される塩は、水または各種溶媒との付加物の形で存在することもあるが、それら付加物も本発明に包含される。
化合物(I)またはその四級アンモニウム塩の具体例を第1表〜第6表に示す。ただし、本発明の化合物はこれらに限定されることはない。なお、以下の表におけるEtはエチルを表す。







次に、代表的な化合物(I)の薬理作用について試験例により具体的に説明する。
試験例1:[125I]−TARCのHut78細胞への結合に対する阻害作用
20mmol/Lヘペス[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸;HEPES、ナカライテスク]及び0.1重量/容量%ウシ血清アルブミン(生化学工業)を含むRPMI−1640培地(シグマアルドリッチジャパン)のpH値をNaHCO(和光純薬工業)で7.0に調整した(binding/wash buffer)。96ウェル丸底プレート(コーニング・コースター)に、このbinding/wash bufferに懸濁したHut78細胞(ATCC No.TIB−161)60μL(3×10cells)、DMSO(ナカライテスク)に10mmol/Lの濃度で溶解した後、binding/wash bufferで各濃度に希釈した試験化合物20μL、およびbinding/wash bufferで希釈した810Bqの[125I]−TARC(アマシャム バイオサイエンス)20μLを加え、全量100μLとし、室温で2時間反応させた。非特異的結合量の算出には、未標識TARCを十分量加えて結合実験を行った。なお、試験化合物無添加で、ジメチルスルホキシド(ナカライテスク)を試験化合物添加時と同濃度(0.1容量/容量%)で加えた場合の結合量を全結合量とした。[125I]−TARCをHut78細胞へ結合させた後、binding/wash bufferで0.3重量/容量%に希釈したポリエチレンイミン溶液(ナカライテスク)50μLをガラスフィルター(ユニフィルターGF/B96、パッカード・バイオサイエンス)の各ウェルに加え、Filtermate 196(パッカード・バイオサイエンス)を用いて急速ろ過した後、4℃のbinding/wash bufferで洗浄し、細胞に結合していない放射性リガンドを分離した。マイクロシンチ20(パッカード・バイオサイエンス)を各ウェルに50μLずつ加え、ガラスフィルター上の放射活性をTopcount NXTTM(パッカード・バイオサイエンス)を用いて測定した。試験化合物の1μmol/Lにおける結合阻害率(%)を第7表に示す。なお、試験化合物の結合阻害率(%)は以下の式に従って算出した。

全結合量:試験化合物無添加時の[125I]−TARC結合放射能量
試験化合物添加時の結合量:各種濃度での試験化合物添加時の
125I]−TARC結合放射能量
非特異的結合量:未標識TARC添加時の[125I]−TARC結合放射能量

以上の結果より、本願の化合物(I)またはその四級アンモニウム塩はTARCのHut78細胞への結合に対する優れた阻害作用を有することが分かった。
一方、TARCやMDCで遊走した細胞はIL−4産生能が高く、IFN−γ産生能が低いことが知られている[インターナショナル・イムノロジー(International Immunology)、11巻、81頁(1999年)]。つまりTh2タイプのT細胞は、アレルギー反応に重要な役割を果たしており、CCR4ならびにそのリガンドであるTARC及びMDCはアレルギーの病態に深く関係していると考えられる[モレキュラー・イムノロジー(Molecular Immunology)、38巻、881頁(2002年);アレルギー(Allergy)、57巻、180頁(2002年)]。
例えば、喘息患者においては、末梢血中でのCCR4陽性T細胞の増加[アメリカン・ジャーナル・オブ・レスピレートリー・アンド・クリティカル・ケア・メディスン(American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine)、164巻、754頁(2001年)]、末梢血及び喀痰中でのTARCの増加[アレルギー(Allergy)、57巻、173頁(2002年)]、肺の組織中での抗原刺激によるCCR4陽性T細胞の浸潤[ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーション(Journal of Clinical Investigation)、107巻、1357頁(2001年)]等が見られる。TARCに対する抗体を投与したマウスでは、喘息の病態が強く抑制され[ジャーナル・オブ・イムノロジー(Journal of Immunology)、166巻、2055頁(2001年)]、また抗MDC抗体についてもマウス喘息モデルでの喘息病体の抑制作用が示されている[ジャーナル・オブ・イムノロジー(Journal of Immunology)、163巻、403頁(1999年)]。
好酸球性肺炎患者においては、末梢血中及び肺胞洗浄液中でのTARCの増加が見られる[アメリカン・ジャーナル・オブ・レスピレートリー・アンド・クリティカル・ケア・メディスン(American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine)、165巻、1125頁(2002年)]。
鼻炎患者においては、末梢血中でのTARC濃度の上昇[アレルギー(Allergy)、57巻、180頁(2002年)]とともに、ヒトの鼻粘膜からCCR4リガンドであるTARCが産生されることが知られている[クリニカル・アンド・エクスペリメンタル・アレルギー(Clinical and Experimental Allergy)31巻、1923頁(2001年)]。
また、角膜の繊維芽細胞をTh2サイトカイン等のIL−4やTNF−αで刺激すると、TARC産生が増加することが報告されており、アレルギー性結膜炎においてCCR4陽性細胞の関与が想定されている[バイオケミカル・アンド・バイオフィジカル・リサーチ・コミュニケーションズ(Biochemical and Biophysical Research Communications)、279巻、1頁(2000年)]。乾癬においても、病変部の皮膚の血管周囲にCCR4陽性細胞の浸潤が増加することが報告されている[ラボラトリー・インベスティゲーション(Laboratory Investigation)、81巻、335頁(2001年)]。その他、関節リウマチの滑膜組織へのCCR4陽性細胞の浸潤[アースライティス・アンド・リューマチズム(Arthritis and Rheumatism)、44巻、2750頁(2001年)]、全身性エリテマトーデスの疾患活動性の高い時期における末梢血中でのCCR4陽性細胞の増加[ジャーナル・オブ・ロイコサイト・バイオロジー(Journal of Leukocyte Biology)、70巻、749頁(2001年)]が報告されている。
また、CCR4は神経細胞、特に後根神経節のサブスタンスPニューロンに発現しており、MDCによる神経細胞の刺激により細胞内カルシウムが増加して発痛物質のサブスタンスPが放出される[ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス(Journal of Neuroscience)、21巻、5027頁(2001年)]。また、CCR4ノックアウトマウスにおいては敗血症が起こりにくくなっている[ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・メディスン(Journal of Experimental Medicine)、191巻、1755頁(2000年)]。さらに、白血病においても、CCR4が発現した細胞が存在することが知られており[ブラッド(Blood)、96巻、685頁(2000年)]、特に成人T細胞白血病(ATL)では顕著にCCR4の発現が見られる[ブラッド(Blood)、99巻、1505頁(2002年)]。
また、アトピー性皮膚炎患者においては、末梢血中で、重症度に応じたTARC濃度の上昇[ジャーナル・オブ・アレルギー・クリニカル・イムノロジー(Journal of Allergy Clinical Immunology)、107巻、535頁(2001年)]、及び重症度に応じた末梢血中でのMDC濃度の上昇が報告されている[クリニカル・アンド・エクスペリメンタル・イムノロジー(Clinical and Experimental Immunology)127巻、270頁(2002年)]。さらにアトピー性皮膚炎患者においては、末梢血中で、CD4陽性T細胞中に含まれるCCR4陽性細胞の割合の増加が報告されている[ジャーナル・オブ・インベスティゲーティブ・ダーマトロジー(Journal of Investigative Dermatology)117巻、188頁(2001年)]。
また、インスリン依存性糖尿病モデルマウス(NODマウス)において、抗マウスMDC抗体が糖尿病の発症を抑制することが報告されている[ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーション(Journal of Clinical Investigation)、110巻、1675頁(2002年)]。
また、口腔内の皮膚がカンジダアルビカンス(Candidaalbicans)に感染した患者において、感染による炎症部位の表皮と真皮で、CCR4陽性T細胞とMDC産生樹状細胞の増加が認められたことが報告されている[アメリカン・ジャーナル・オブ・パソロジー(American Journal of Pathology)、158巻、1263頁(2000年)]。
また、菌状息肉腫(Mycosis fungoides)でTARCが病態に関与することが報告されている[ジャーナル・オブ・アメリカン・アカデミー・オブ・ダーマトロジー(J Am Acad Dermatol)48巻、23頁(2003年)]。
これらのことから、TARC及び/またはMDCの機能を調節する本願の化合物(I)もしくはその四級アンモニウム塩、またはそれらの薬理学的に許容される塩、つまりTARC及び/またはMDCのT細胞への結合を阻害または拮抗する本願の化合物(I)もしくはその四級アンモニウム塩、またはそれらの薬理学的に許容される塩、例えばTARC及び/またはMDCのCCR4への結合を阻害または拮抗する(CCR4拮抗作用を有する)本願の化合物(I)もしくはその四級アンモニウム塩、またはそれらの薬理学的に許容される塩は、アレルギー性疾患等の治療剤として期待される。特に、喘息、鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎等の治療に有効であると考えられる。
また、本願の化合物(I)もしくはその四級アンモニウム塩、またはそれらの薬理学的に許容される塩は、悪性リンパ腫、白血病等の治療剤として期待される。特に、成人T細胞白血病(ATL)や皮膚T細胞リンパ腫等の治療に有効であると考えられる。
さらに、本願の化合物(I)もしくはその四級アンモニウム塩、またはそれらの薬理学的に許容される塩は、例えば好酸球性肺炎、好酸球性副鼻腔炎、好酸球性増多性鼻炎、子宮内膜症、チャーグ−シュトラス症候群(Churg−Strauss Syndrome)、乾癬、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、敗血症、間質性膀胱炎、インスリン依存性糖尿病(IDDM)、口腔内カンジダ症、菌状息肉腫(Mycosis fungoides)、接触性皮膚炎、じんま疹等の治療に有効であると考えられる。
また、本願の化合物(I)もしくはその四級アンモニウム塩、またはそれらの薬理学的に許容される塩には、発痛物質の遊離抑制による疼痛、神経痛の抑制効果、皮膚そう痒症等の治療も期待できる。
試験例2:抗原誘発細胞浸潤の阻害作用とサイトカイン産生抑制作用
BALB/cマウスに50μgの卵白アルブミン(シグマアルドリッチジャパン)と1mgの水酸化アルミニウム(和光純薬工業)を、0日目と7日目に腹腔内に投与して感作した。23日目から2日に1回、1%卵白アルブミン生理食塩水溶液[生理食塩水(大塚製薬)に卵白アルブミンを1%の濃度で溶解]を超音波式ネブライザーNE−U12(オムロン)で30分間吸入させた(抗原噴霧)。DMSO(関東化学)及びツイン80(和光純薬工業)と塩化ナトリウムを0.9%含む10mmol/L酢酸緩衝液(pH4.5)を5:5:90の割合で混合した液(投与溶媒)に試験化合物を溶解し、皮下投与した。試験化合物投与群には30mg/kgの用量で試験化合物を、対照群には投与溶媒を、それぞれ4回目の抗原噴霧の30分前と4時間後に、マウスに皮下投与した。4回目の抗原噴霧から8時間後に肺胞洗浄を行い、肺胞洗浄液を回収した。肺胞洗浄液中のCD4陽性T細胞数と好酸球数を測定した。試験は、各群10匹で実施した。
対照群の肺胞洗浄液中のCD4陽性T細胞数は1個体当たり(1.9±0.2)×10個(平均±標準誤差)であったが、化合物8投与群では(0.6±0.1)×10個(平均±標準誤差)であった。化合物8の投与により、対照群と比較して、CD4陽性T細胞数が68%(P<0.0001、Aspin−Welch検定)減少した。
対照群の肺胞洗浄液中の好酸球数は1個体当たり(1.5±0.1)×10個(平均±標準誤差)であったが、化合物8投与群では(0.6±0.1)×10個(平均±標準誤差)であった。化合物8の投与により、対照群と比較して、好酸球数が57%(P<0.0001、Student’s−t検定)減少した。
なお、上記の試験例以外にも、抗炎症作用を評価するために一般的に用いられる各種評価モデル[例えば、ジャーナル・オブ・ファーマコロジー・アンド・エクスペリメンタル・セラピューティックス(Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics)、278巻、847頁(1996年)に記載のモルモット喘息モデル;ジャーナル・オブ・イムノロジー(Journal of Immunology)、163巻、403頁(1999年)に記載のマウス気道過敏性モデル;ジャーナル・オブ・イムノロジー(Journal of Immunology)、167巻、3980頁(2001年)に記載の遅延型過敏症モデル;ジャーナル・オブ・イムノロジー(Journal of Immunology)、167巻、1004頁(2001年)に記載のコラーゲン関節炎モデル等]により、本発明の化合物の優れた薬理作用を示すことができる。
化合物(I)もしくはその四級アンモニウム塩、またはその薬理学的に許容される塩は、そのまま単独で投与することも可能であるが、通常各種の医薬製剤として提供するのが望ましい。また、それら医薬製剤は、動物または人に使用されるものである。
本発明に係わる医薬製剤は、活性成分として化合物(I)もしくはその四級アンモニウム塩、またはそれらの薬理学的に許容される塩を単独で、あるいは任意の他の治療のための有効成分との混合物として含有することができる。また、それら医薬製剤は、活性成分を薬理学的に許容される一種またはそれ以上の担体と一緒に混合し、製剤学の技術分野においてよく知られている任意の方法により製造される。
投与経路としては、治療に際し最も効果的なものを使用するのが望ましく、経口または、例えば静脈内等の非経口をあげることができる。
投与形態としては、例えば錠剤、注射剤等が挙げられる。
使用される製剤用担体としては、例えばラクトース、マンニトール、グルコース、ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン酸エステル、ポリビニルアルコール、注射用蒸留水、生理食塩水、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エタノール等が挙げられる。また、本発明に係わる医薬製剤は、その他の各種の賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、等張化剤、乳化剤等を含有していてもよい。
化合物(I)もしくはその四級アンモニウム塩、またはそれらの薬理学的に許容される塩は、上記の目的で用いる場合、通常、全身的または局所的に、経口または非経口の形で投与される。投与量及び投与回数は、投与形態、患者の年齢、体重、治療すべき症状の性質もしくは重篤度等により異なるが、通常、成人1人、1日当たり0.1〜100mg/kg、好ましくは1〜50mg/kgを、3〜4回に分けて投与するのが好ましい。しかし、これら投与量及び投与回数に関しては、前述の種々の条件等により変動する。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明を実施例及び参考例によりさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されることはない。なお、以下の実施例における化合物の番号は第1表〜第6表に具体例として示した化合物の番号に対応する。
第1表〜第6表に記載した化合物の合成中間体は、以下の参考例に従い合成した。
参考例1
2−クロロ−4−(2,4−ジフルオロベンジルアミノ)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリミジン(化合物A1)
工程1
2,4−ジクロロ−5−ヨードピリミジン(4.00g,14.6mmol)に、2,4−ジフルオロベンジルアミン(2.26mL,19.0mmol)及びエタノール(44.2mL)を加え、加熱還流下、6時間攪拌した。反応液に飽和重曹水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去した。得られた残渣をジイソプロピルエーテルと少量のイソプロピルアルコールでトリチュレーションした後、固体を濾取して2−クロロ−4−(2,4−ジフルオロベンジル)−5−ヨードピリミジン(化合物A1a)(3.44g,62%)を得た。
工程2
アルゴン雰囲気下、上記で得られた化合物A1a(3.04g,7.96mmol)を脱気したジメトキシエタン(26.5ml)に溶解し、その溶液にジヒドロキシ(2,4−ジフルオロフェニル)ボラン(1.63g,10.3mmol)、炭酸セシウム(6.42g,20.0mmol)及び[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロライド・ジクロロメタン錯体(0.211g,0.258mmol)を加え、加熱還流下、12時間攪拌した。反応液を冷却した後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=10:90〜80:20)で精製することにより、薄層クロマトグラフィー(TLC)上の原点成分を除去し、溶出液を濃縮した。得られた残渣をイソプロピルエーテルでトリチュレーションした後、固体を濾取して化合物A1(1.86g,64%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):4.66(d,J=5.9Hz,2H),5.10−5.40(m,1H),6.70−7.13(m,4H),7.20−7.50(m,2H),7.88(s,1H).
参考例2
2−クロロ−4−(2,4−ジフルオロベンジルアミノ)−5−(2−フルオロフェニル)ピリミジン(化合物A2)
参考例1の工程2と同様にして、参考例1の工程1で得られる化合物A1a及びジヒドロキシ(2−フルオロフェニル)ボランから、化合物A2(96mg,65%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):4.67(d,J=9.3Hz,2H),5.10−5.44(m,1H),6.70−6.95(m,2H),7.10−7.57(m,5H),7.91(s,1H).
参考例3
2−クロロ−4−(2,4−ジクロロベンジルアミノ)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリミジン(化合物A3)
参考例1と同様にして、2,4−ジクロロ−5−ヨードピリミジン及び2,4−ジクロロベンジルアミンから2−クロロ−4−(2,4−ジクロロベンジル)−5−ヨードピリミジン(化合物A3a)を得た後、化合物A3a及びジヒドロキシ(2,4−ジフルオロフェニル)ボランから、化合物A3(0.286g,2段階56%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):4.70(d,J=5.1Hz,2H),5.20−5.40(m,1H),6.80−7.13(m,2H),7.15−7.65(m,4H),7.91(s,1H).
参考例4
5−ブロモ−4−(2,6−ジフルオロベンジルアミノ)−2−[4−(3−メチルピペリジノ)ピペリジノ]ピリミジン(化合物B1)
工程1
参考例1の工程1と同様にして、5−ブロモ−2,4−ジクロロピリミジン及び2,6−ジフルオロベンジルアミンから5−ブロモ−2−クロロ−4−(2,6−ジフルオロベンジルアミノ)ピリミジン(化合物B1a)(0.54g,81%)を得た。
工程2
上記で得られた化合物B1a(120mg,0.358mmol)をDMF(0.2mL)に溶解し、文献[ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、55巻、2552頁(1990年)]記載の方法に従って得られた4−(3−メチルピペリジノ)ピペリジン(81mg,0.44mmol)及びトリエチルアミン(50μL,0.36mmol)を加え、120℃で6時間攪拌した。反応液に飽和重曹水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(メタノール:クロロホルム:トリエチルアミン=3:97:1〜20:80:1)で分離精製することにより、化合物B1(0.107g,62%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):0.70−0.95(m,4H),1.35−1.95(m,8H),2.09(td,J=11.7,3.4Hz,1H),2.44−2.94(m,6H),4.60−4.90(m,4H),5.54(t,J=6.0Hz,1H),6.78−6.95(m,2H),7.13−7.30(m,1H),7.85(s,1H).
参考例5
5−ブロモ−4−(2,6−ジフルオロベンジルアミノ)−2−(4−ピペリジノピペリジノ)ピリミジン(化合物B2)
参考例4の工程2と同様にして、参考例4の工程1で得られる化合物B1a及び4−ピペリジノピペリジンから、化合物B2(3.3g,85%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.35−1.75(m,8H),1.77−1.92(m,2H),2.38−2.61(m,5H),2.77(dt,J=1.8,13Hz,2H),4.74(d,J=6.1Hz,2H),4.77−4.83(m,2H),5.52(t,J=6.1Hz,1H),6.80−6.95(m,2H),7.15−7.32(m,1H),7.88(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]466
参考例6
4−(2,6−ジフルオロベンジルアミノ)−2−[4−(シス−3,5−ジメチルピペリジノ)ピペリジノ]−5−ヨードピリミジン(化合物B3)
参考例1の工程1と同様にして、2,4−ジクロロ−5−ヨードピリミジン及び2,6−ジフルオロベンジルアミンから2−クロロ−4−(2,6−ジフルオロベンジルアミノ)−5−ヨードピリミジン(化合物B3a)を得た後、参考例4の工程2と同様にして、化合物B3a及び文献[ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、55巻、2552頁(1990年)]記載の方法に従って得られた4−(シス−3,5−ジメチルピペリジノ)ピペリジンから、化合物B3(0.150g,2段階53%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):0.40−0.65(m,1H),0.80−0.98(m,7H),1.36−2.00(m,7H),2.47−2.94(m,6H),4.62(d,J=8.4Hz,2H),4.80−4.83(m,2H),4.95(t,J=6.8Hz,1H),6.80−7.00(m,2H),7.13−7.35(m,1H),7.84(s,1H).
参考例7
2−クロロ−4−(2,6−ジフルオロベンジルアミノ)−5−(2−ニトロフェニル)ピリミジン(化合物E1)
工程1
アルゴン雰囲気下、ジヒドロキシ(2,4−ジ−tert−ブトキシピリミジン−5−イル)ボラン(0.357g,1.33mmol)及び1−ヨード−2−ニトロベンゼン(0.222g,0.893mmol)を脱気したトルエン(4.4mL)に溶解し、その溶液にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(O)(0.105g,0.0893mmol)及び1mol/L重曹水(3.3mL)を加え、100℃で1時間攪拌した。反応液に、さらにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(O)(0.101g,0.0877mmol)を添加し、100℃で63時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=10:90)で分離精製することにより、2,4−ジ−tert−ブトキシ−5−(2−ニトロフェニル)ピリミジン(化合物E1a)を得た。
上記で得られた化合物E1aに、6mol/L塩酸(1.8mL)及びメタノール(1.8mL)を加え、室温で40分間攪拌した。反応液を濃縮し、析出した結晶を濾取した。得られた結晶をエタノール、水及びクロロホルムで順次洗浄した。濾過で得られたろ液は、別途水酸化ナトリウム水溶液でpH値を6〜5に調整した後、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去した。得られた残渣をエタノールでリスラリーし、結晶を濾取した。先に得られた結晶と混合して減圧乾燥を行い、5−(2−ニトロフェニル)−1H,3H−ピリミジン−2,4−ジオン(化合物E1b)(0.148g,2段階 71%)を得た。
工程2
上記で得られた化合物E1b(0.370g,1.59mmol)にジイソプロピルエチルアミン(6.36mL)及びオキシ塩化リン(3.2mL)を加え、110℃で27時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和重曹水及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で分離精製することにより、2,4−ジクロロ−5−(2−ニトロフェニル)ピリミジン(化合物E1c)(95mg,22%)を得た。
工程3
上記で得られた化合物E1c(0.105g,0.390mmol)をエタノール(2.6mL)に溶解し、その溶液にトリエチルアミン(0.435mL,3.12mmol)及び2,6−ジフルオロベンジルアミン(56.0μL,0.468mmol)を加え、80℃で9時間攪拌した。反応液を濃縮した後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン:トリエチルアミン=5:95:10〜40:60:10)で分離精製することにより、化合物E1(26mg,18%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):4.55−4.92(m,3H),6.73−7.05(m,2H),7.07−7.45(m,2H),7.46−7.80(m,2H),7.85−8.27(m,2H).
参考例8
2−クロロ−4−(2,6−ジフルオロベンジルアミノ)−5−フェニルピリミジン(化合物E2)
参考例7の工程1次いで工程2と同様にして、ジヒドロキシ(2,4−ジ−tert−ブトキシピリミジン−5−イル)ボラン及びブロモベンゼンから2,4−ジクロロ−5−フェニルピリミジン(化合物E2c)を得た後、参考例7の工程3と同様にして、化合物E2c及び2,6−ジフルオロベンジルアミンから化合物E2(66mg,4段階44%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):4.75(d,J=5.6Hz,2H),5.49(brs,1H),6.82−6.98(m,2H),7.15−7.56(m,6H),7.90(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]332
参考例9
2−クロロ−4−(2,6−ジフルオロベンジルアミノ)−5−(3−メチル−2−チエニル)ピリミジン(化合物E3)
参考例7の工程1次いで工程2と同様にして、ジヒドロキシ(2,4−ジ−tert−ブトキシピリミジン−5−イル)ボラン及び2−ブロモ−3−メチルチオフェンから2,4−ジクロロ−5−(3−メチル−2−チエニル)ピリミジン(化合物E3c)を得た後、参考例7の工程3と同様にして、化合物E3c及び2,6−ジフルオロベンジルアミンから化合物E3(42mg,4段階8%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):2.05(s,3H),4.75(d,J=5.7Hz,2H),5.40(brs,1H),6.89(t,J=7.8Hz,2H),6.95(d,J=4.9Hz,1H),7.25(t,J=8.1Hz,1H),7.34(d,J=5.4Hz,1H),7.91(s,1H).
参考例10
2−クロロ−4−(2,6−ジフルオロベンジルアミノ)−5−(2−チアゾリル)ピリミジン(化合物E4)
参考例7の工程1次いで工程2と同様にして、ジヒドロキシ(2,4−ジ−tert−ブトキシピリミジン−5−イル)ボラン及び2−ブロモチアゾールから2,4−ジクロロ−5−(2−チアゾリル)ピリミジン(化合物E4c)を得た後、参考例7の工程3と同様にして、化合物E4c及び2,6−ジフルオロベンジルアミンから化合物E4(42mg,4段階22%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):4.91(d,J=5.6Hz,2H),6.85−7.00(m,2H),7.18−7.40(m,2H),7.80(d,J=3.5Hz,1H),8.50(s,1H),9.9(brs,1H).
APCIMS m/z:[M+H]339
参考例11
2−クロロ−4−(2,6−ジフルオロベンジルアミノ)−5−(2−ピリジル)ピリミジン(化合物E5)
参考例7の工程1次いで工程2と同様にして、ジヒドロキシ(2,4−ジ−tert−ブトキシピリミジン−5−イル)ボラン及び2−ブロモピリジンから2,4−ジクロロ−5−(2−ピリジル)ピリミジン(化合物E5c)を得た後、参考例7の工程3と同様にして、化合物E5c及び2,6−ジフルオロベンジルアミンから化合物E5(11mg,4段階13%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):4.90(d,J=5.6Hz,2H),6.85−6.98(m,2H),7.18−7.35(m,2H),7.72−7.83(m,2H),8.52(s,1H),8.55(d,J=4.9Hz,1H),10.5(brs,1H).
APCIMS m/z:[M+H]333
参考例12
4−クロロ−5−(2−フルオロフェニル)−2−メチルチオピリミジン(化合物F1a)
4−クロロ−5−ヨード−2−メチルチオピリミジン(1.0g,3.5mmol)、ジヒドロキシ(2−フルオロフェニル)ボラン(0.59g,4.2mmol)、ジクロロビス(トリ−0−トルイルホスフィン)パラジウム(II)(0.14g,0.18mmol)、1mol/L重曹水(8.2mL)及びジメトキシエタン(20mL)の混合物を、4時間、加熱還流した。放熱後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:ジエチルエーテル=30:1)で精製することにより、化合物F1a(0.34g,38%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):2.62(s,3H),7.10−7.55(m,4H),8.41(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]255
参考例13
4−クロロ−2−メチルチオ−5−フェニルピリミジン(化合物F2a)
参考例12と同様にして、4−クロロ−5−ヨード−2−メチルチオピリミジン(0.68g,2.4mmol)及びジヒドロキシ(フェニル)ボラン(0.29g,2.4mmol)から、化合物F2a(0.31g,54%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):2.62(s,3H),7.38−7.56(m,5H),8.42(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]237
参考例14
4−クロロ−5−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−メチルチオピリミジン(化合物F3a)
参考例12と同様にして、4−クロロ−5−ヨード−2−メチルチオピリミジン(0.300g,1.00mmol)及びジヒドロキシ(2,4−ジフルオロフェニル)ボラン(0.210g,1.30mmol)から、化合物F3a(0.120g,44%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):2.62(s,3H),6.89−7.06(m,2H),7.23−7.39(m,1H),8.39(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]273
【実施例1】
4−(2,4−ジフルオロベンジルアミノ)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−[4−(3−メチルピペリジノ)ピペリジノ]ピリミジン(化合物1)
参考例1で得られた化合物A1(77mg,0.21mmol)をDMF(0.42mL)に溶解し、その溶液に文献[ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、55巻、2552頁(1990年)]記載の方法に従って得られた4−(3−メチルピペリジノ)ピペリジン2塩酸塩(0.123g,0.481mmol)及びトリエチルアミン(0.70mL,5.0mmol)を加え、100℃で9時間攪拌した。反応液に飽和重曹水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(メタノール:クロロホルム=3:97〜5:95)で分離精製することにより、化合物1(57mg,53%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):0.88(d,J=6.1Hz,3H),1.38−1.86(m,10H),2.03−2.11(m,1H),2.45−2.56(m,1H),2.74−2.87(m,4H),4.61(d,J=5.9Hz,2H),4.76−4.86(m,3H),6.73−6.96(m,4H),7.18−7.35(m,2H),7.74(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]514
【実施例2】
4−(2,4−ジフルオロベシジルアミノ)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−(4−ピペリジノピペリジノ)ピリミジン(化合物2)
実施例1と同様にして、参考例1で得られた化合物A1(0.203g,0.552mmol)及び4−ピペリジノピペリジンから、化合物2(0.246g,89%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.43−1.63(m,8H),1.86−1.90(m,2H),2.54−2.58(m,5H),2.72−2.81(t,J=11.9Hz,2H),4.62(d,J=5.9Hz,2H),4.78(d,J=13.2Hz,2H),5.12(t,J=5.9Hz,1H),6.72−6.95(m,4H),7.18−7.35(m,2H),7.69(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]500
【実施例3】
4−(2,4−ジフルオロベンジルアミノ)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−[4−(2−メチルピペリジノ)ピペリジノ]ピリミジン(化合物3)
実施例1と同様にして、参考例1で得られた化合物A1(21mg,0.057mmol)及び文献[ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、55巻、2552頁(1990年)]記載の方法に従って得られた4−(2−メチルピペリジノ)ピペリジンから、化合物3(11mg,39%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.12(d,J=5.9Hz,3H),1.29−1.77(m,10H),2.13−2.20(m,1H),2.53−2.61(m,1H),2.68−2.88(m,3H),2.96−3.13(m,1H),4.62(d,J=5.9Hz,2H),4.80−4.85(m,3H),6.74−6.99(m,4H),7.19−7.36(m,2H),7.75(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]514
【実施例4】
4−(2,4−ジフルオロベンジルアミノ)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−[4−(4−メチルピペリジノ)ピペリジノ]ピリミジン(化合物4)
実施例1と同様にして、参考例1で得られた化合物A1(21mg,0.057mmol)及び文献[ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、55巻、2552頁(1990年)]記載の方法に従って得られた4−(4−メチルピペリジノ)ピペリジンから、化合物4(21mg,71%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):0.92(d,J=5.9Hz,3H),1.19−1.53(m,5H),1.63−1.67(m,2H),1.85−1.90(m,2H),2.14−2.22(m,2H),2.53(tt,J=11.6,3.6Hz,1H),2.74−2.85(m,2H),2.88−2.93(m,2H),4.62(d,J=5.9Hz,2H),4.77−4.85(m,3H),6.73−6.99(m,4H),7.18−7.35(m,2H),7.75(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]514
【実施例5】
4−(2,4−ジフルオロベンジルアミノ)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−[4−(シス−3,5−ジメチルピペリジノ)ピペリジノ]ピリミジン(化合物5)
実施例1と同様にして、参考例1で得られた化合物A1(71mg,0.193mmol)及び文献[ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、55巻、2552頁(1990年)]記載の方法に従って得られた4−(シス−3,5−ジメチルピペリジノ)ピペリジンから、化合物5(83mg,81%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):0.50−0.54(m,1H),0.77−0.95(m,7H),1.39−1.54(m,2H),1.64−1.74(m,4H),1.83−1.88(m,2H),2.49−2.60(m,1H),2.71−2.90(m,4H),4.62(d,J=5.9Hz,2H),4.78−4.86(m,3H),6.74−6.99(m,4H),7.15−7.35(m,2H),7.75(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]528
【実施例6】
4−(2,4−ジフルオロベンジルアミノ)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−[4−(3−エチルピペリジノ)ピペリジノ]ピリミジン(化合物6)
実施例1と同様にして、参考例1で得られた化合物A1(26mg,0.071mmol)及び文献[ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、55巻、2552頁(1990年)]記載の方法に従って得られた4−(3−エチルピペリジノ)ピペリジンから、化合物6(18mg,47%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):0.90(t,J=7.4Hz,3H),1.17−1.28(m,2H),1.45−2.04(m,10H),2.13−2.30(m,1H),2.60−2.99(m,5H),4.62(d,J=5.9Hz,2H),4.81−4.85(m,3H),6.74−6.99(m,4H),7.19−7.35(m,2H),7.75(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]528
【実施例7】
4−(2,4−ジフルオロベンジルアミノ)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−[4−(3−ヒドロキシメチルピペリジノ)ピペリジノ]ピリミジン(化合物7)
実施例1と同様にして、参考例1で得られた化合物A1(22mg,0.060mmol)及び文献[ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、55巻、2552頁(1990年)]記載の方法に従って得られた4−(3−ヒドロキシメチルピペリジノ)ピペリジンから、化合物7(17mg,54%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.42−1.87(m,10H),2.25−2.95(m,6H),3.56(dd,J=10.6,5.8Hz,2H),3.69(dd,J=10.6,4.9Hz,1H),4.62(d,J=5.9Hz,2H),4.78−4.86(m,3H),6.74−6.99(m,4H),7.19−7.35(m,2H),7.75(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]530
【実施例8】
2−[4−(3−カルバモイルピペリジノ)ピペリジノ]−4−(2,4−ジフルオロベンジルアミノ)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリミジン(化合物8)
実施例1と同様にして、参考例1で得られた化合物A1(22mg,0.060mmol)及び文献[ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、55巻、2552頁(1990年)]記載の方法に従って得られた4−(3−カルバモイルピペリジノ)ピペリジンから、化合物8(18mg,57%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.32−1.85(m,8H),2.35−2.69(m,4H),2.70−3.00(m,4H),4.62(d,J=5.9Hz,2H),4.79−4.89(m,3H),5.47−5.66(m,1H),6.74−6.99(m,4H),7.19−7.34(m,2H),7.75(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]543
【実施例9】
4−(2,4−ジフルオロベンジルアミノ)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−[4−(3−エトキシカルボニルピペリジノ)ピペリジノ]ピリミジン(化合物9)
実施例1と同様にして、参考例1で得られた化合物A1(22mg,0.060mmol)及び文献[ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、55巻、2552頁(1990年)]記載の方法に従って得られた4−(3−エトキシカルボニルピペリジノ)ピペリジンから、化合物9(18mg,53%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.26(t,J=7.2Hz,3H),1.39−1.98(m,8H),2.24(td,J=10.8,2.7Hz,1H),2.39(t,J=10.5Hz,1H),2.52−2.63(m,2H),2.76−2.84(m,3H),3.00−3.04(m,1H),4.13(q,J=7.1Hz,2H),4.62(d,J=5.8Hz,2H),4.77−4.86(m,3H),6.74−6.99(m,4H),7.19−7.35(m,2H),7.75(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]572
【実施例10】
2−[4−(N−ブチル−N−メチルアミノ)ピペリジノ]−4−(2,4−ジフルオロベンジルアミノ)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリミジン(化合物10)
実施例1と同様にして、参考例1で得られた化合物A1(26mg,0.071mmol)及び文献[ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、55巻、2552頁(1990年)]記載の方法に従って得られた4−(N−ブチル−N−メチルアミノ)ピペリジンから、化合物10(25mg,71%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):0.94(t,J=7.3Hz,3H),1.26−1.58(m,6H),1.78−1.93(m,2H),2.32(s,3H),2.48−2.54(m,2H),2.69−2.85(m,3H),4.62(d,J=5.8Hz,2H),4.81−4.85(m,3H),6.74−6.98(m,4H),7.19−7.35(m,2H),7.75(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]502
【実施例11】
4−(2,4−ジフルオロベンジルアミノ)−5−(2−フルオロフェニル)−2−[4−(3−メチルピペリジノ)ピリミジノ]ピリミジン(化合物11)
実施例1と同様にして、参考例2で得られた化合物A2(93mg)及び文献[ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、55巻、2552頁(1990年)]記載の方法に従って得られた4−(3−メチルピペリジノ)ピリミジンから、化合物11(0.102g,78%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):0.86(d,J=6.3Hz,3H),1.38−1.88(m,10H),2.15(td,J=11.1,3.1Hz,1H),2.53(tt,J=11.5,3.0Hz,1H),2.74−2.89(m,4H),4.63(d,J=5.9Hz,2H),4.80(d,J=13.3Hz,2H),4.95−5.00(m,1H),6.73−6.84(m,2H),7.11−7.37(m,5H),7.79(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]496
【実施例12】
4−(2,4−ジフルオロベンジルアミノ)−2−[4−(シス−3,5−ジメチルピペリジノ)ピペリジノ]−5−(2−フルオロフェニル)ピリミジン(化合物12)
実施例1と同様にして、参考例2で得られる化合物A2(20mg)及び文献[ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、55巻、2552頁(1990年)]記載の方法に従って得られた4−(シス−3,5−ジメチルピペリジノ)ピペリジンから、化合物12(13mg,85%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):0.45−0.65(m,1H),0.86(d,J=5.8Hz,6H),1.40−1.89(m,9H),2.58(tt,J=11.6,3.4Hz,1H),2.74−2.86(m,4H),4.63(d,J=5.9Hz,2H),4.81(d,J=13.2Hz,2H),4.93(t,J=6.0Hz,1H),6.74−6.85(m,2H),7.11−7.39(m,5H),7.80(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]510
【実施例13】
4−(2,4−ジクロロベンジルアミノ)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−[4−(3−メチルピペリジノ)ピペリジノ]ピリミジン(化合物13)
実施例1と同様にして、参考例3で得られた化合物A3(25mg)及び文献[ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、55巻、2552頁(1990年)]記載の方法に従って得られた4−(3−メチルピペリジノ)ピペリジンから、化合物13(10mg,29%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):0.88(d,J=5.9Hz,3H),1.39−1.92(m,10H),2.10−2.23(m,1H),2.60−2.97(m,5H),4.64(d,J=5.9Hz,2H),4.77(d,J=13.3Hz,2H),4.96(t,J=5.9Hz,1H),6.88−6.99(m,2H),7.16−7.31(m,3H),7.37(d,J=2.0Hz,1H),7.76(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]546
【実施例14】
4−(2,4−ジクロロベンジルアミノ)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−[4−(2−ピペリジノエチル)ピペラジン−1−イル]ピリミジン(化合物14)
実施例1と同様にして、参考例3で得られた化合物A3(26mg)及び1−(2−ピペリジノエチル)ピペラジンから、化合物14(16mg,44%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.42−1.64(m,6H),2.43−2.59(m,12H),3.75−3.79(m,4H),4.65(d,J=6.1Hz,2H),4.95(t,J=5.8Hz,1H),6.88−7.00(m,2H),7.16−7.36(m,4H),7.76(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]561
【実施例15】
4−(2,6−ジフルオロベンジルアミノ)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−[4−(3−メチルピペリジノ)ピペリジノ]ピリミジン(化合物15)
アルゴン雰囲気下、参考例4で得られた化合物B1(64mg,0.13mmol)を脱気したトルエン(0.51mL)に溶解し、その溶液にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(O)(24mg,0.020mmol)、ジヒドロキシ(2,4−ジフルオロフェニル)ボラン(32mg,0.20mmol)及び1mol/L重曹水(0.33mL)を加え、100℃で9時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去した。得られた残渣を分取薄層クロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン:トリエチルアミン=10:90:10)で分離精製することにより、化合物15(9.4mg,14%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):0.88(d,J=6.1Hz,3H),1.46−1.98(m,10H),2.14−2.25(m,1H),2.65−2.99(m,5H),4.71(d,J=6.1Hz,2H),4.90−4.95(m,3H),6.81−6.98(m,4H),7.15−7.26(m,2H),7.72(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]514
【実施例16】
4−(2,6−ジフルオロベンジルアミノ)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−[4−(シス−3,5−ジメチルピペリジノ)ピペリジノ]ピリミジン(化合物16)
実施例15と同様にして、参考例6で得られた化合物B3(72mg)及びジヒドロキシ(2,4−ジフルオロフェニル)ボランから、化合物16(18mg,28%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):0.43−0.65(m,1H),0.86(d,J=5.8Hz,6H),1.43−1.92(m,9H),2.52−2.70(m,1H),2.76−2.87(m,4H),4.71(d,J=6.1Hz,2H),4.88−4.93(m,3H),6.83−6.98(m,4H),7.16−7.23(m,2H),7.72(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]528
【実施例17】
4−(2,6−ジフルオロベンジルアミノ)−2−[4−(シス−3,5−ジメチルピペリジノ)ピペリジノ]−5−(2−フルオロフェニル)ピリミジン(化合物17)
実施例15と同様にして、参考例6で得られた化合物B3(91mg)及びジヒドロキシ(2−フルオロフェニル)ボランから、化合物17(38mg,44%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):0.45−0.72(m,1H),0.75−0.96(m,7H),1.45−2.03(m,8H),2.60−2.97(m,5H),4.72(d,J=5.9Hz,2H),4.93−5.06(m,3H),6.83−6.89(m,2H),7.11−7.36(m,5H),7.77(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]510
【実施例18】
4−(2,6−ジフルオロベンジルアミノ)−5−(2−ナフチル)−2−(4−ピペリジノピペリジノ)ピリミジン(化合物18)
実施例15と同様にして、参考例5で得られた化合物B2(50mg)及びジヒドロキシ(2−ナフチル)ボランから、化合物18(21mg,37%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.43−1.65(m,8H),1.87−1.92(m,2H),2.50−2.56(m,5H),2.82(dt,J=2.2,13.0Hz,2H),4.72(d,J=6.2Hz,2H),4.90−4.95(m,2H),5.43(t,J=5.9Hz,1H),6.86(t,J=8.4Hz,2H),7.14−7.23(m,1H),7.42(dd,J=2.1,5.9Hz,1H),7.45−7.53(m,2H),7.76−7.90(m,4H).
APCIMS m/z:[M+H]514
【実施例19】
4−(2,6−ジフルオロベンジルアミノ)−5−(1−ナフチル)−2−(4−ピペリジノピペリジノ)ピリミジン(化合物19)
実施例15と同様にして、参考例5で得られた化合物B2(50mg)及びジヒドロキシ(1−ナフチル)ボランから、化合物19(35mg,63%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.46−1.60(m,8H),1.89−1.94(m,2H),2.54−2.58(m,5H),2.84(dt,J=3.2,10.8Hz,2H),4.63(d,J=5.9Hz,2H),4.77(t,J=5.7Hz,1H),4.92−4.97(m,2H),6.78(t,J=8.1Hz,2H),7.11−7.22(m,1H),7.34−7.40(m,2H),7.46−7.54(m,2H),7.67(d,J=8.5Hz,1H),7.82(s,1H),7.87(t,J=6.8Hz,2H).
APCIMS m/z:[M+H]514
【実施例20】
5−(2−ビフェニル)−4−(2,6−ジフルオロベンジルアミノ)−2−(4−ピペリジノピペリジノ)ピリミジン(化合物20)
実施例15と同様にして、参考例5で得られた化合物B2(63mg)及びジヒドロキシ(2−ビフェニル)ボランから、化合物20(16mg,22%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.41−1.78(m,8H),1.82−1.98(m,2H),2.45−2.80(m,7H),4.41(dd,J=14.6,6.3Hz,1H),4.61(dd,J=14.6,5.9Hz,1H),4.72−4.84(m,3H),6.77−6.87(m,2H),7.13−7.27(m,7H),7.35−7.43(m,3H),7.59(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]540
【実施例21】
5−(3−ビフェニル)−4−(2,6−ジフルオロベンジルアミノ)−2−(4−ピペリジノピペリジノ)ピリミジン(化合物21)
実施例15と同様にして、参考例5で得られた化合物B2(50mg)及びジヒドロキシ(3−ビフェニル)ボランから、化合物21(29mg,48%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.42−1.64(m,8H),1.87−1.91(m,2H),2.52−2.55(m,5H),2.81(dt,J=2.2,13.0Hz,2H),4.73(d,J=6.2Hz,2H),4.88−4.93(m,2H),5.42(t,J=5.9Hz,1H),6.86(t,J=7.8Hz,2H),7.15−7.60(m,10H),7.83(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]540
【実施例22】
5−(4−ビフェニル)−4−(2,6−ジフルオロベンジルアミノ)−2−(4−ピペリジノピペリジノ)ピリミジン(化合物22)
実施例15と同様にして、参考例5で得られた化合物B2(50mg)及びジヒドロキシ(4−ビフェニル)ボランから、化合物22(36mg,61%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.45−1.62(m,8H),1.87−1.91(m,2H),2.52−2.56(m,5H),2.82(dt,J=1.4,10.8Hz,2H),4.73(d,J=6.2Hz,2H),4.89−4.93(m,2H),5.41(t,J=5.9Hz,1H),6.87(t,J=7.8Hz,2H),7.17−7.24(m,1H),7.25−7.48(m,5H),7.63(dt,J=1.9,6.8Hz,4H),7.83(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]540
【実施例23】
4−(2,6−ジフルオロベンジルアミノ)−2−(4−ピペリジノピペリジノ)−5−(2−チエニル)ピリミジン(化合物23)
実施例15と同様にして、参考例5で得られた化合物B2(50mg)及びジヒドロキシ(2−チエニル)ボランから、化合物23(25mg,53%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.41−1.60(m,8H),1.85−1.90(m,2H),2.51−2.55(m,5H),2.80(dt,J=3.2,10.8Hz,2H),4.73(d,J=6.2Hz,2H),4.87−4.92(m,2H),5.66(t,J=5.9Hz,1H),6.87(t,J=7.8Hz,2H),6.98(dd,J=0.8,3.2Hz,1H),7.09(dd,J=3.5,5.1Hz,1H),7.15−7.24(m,1H),7.29(dd,J=1.1,5.1Hz,1H),7.88(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]470
【実施例24】
4−(2,6−ジフルオロベンジルアミノ)−5−(5−メチル−2−チエニル)−2−(4−ピペリジノピペリジノ)ピリミジン(化合物24)
実施例15と同様にして、参考例5で得られた化合物B2(50mg)及びジヒドロキシ(5−メチル−2−チエニル)ボランから、化合物24(23mg,48%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.44−1.59(m,8H),1.84−1.89(m,2H),2.48(s,3H),2.50−2.52(m,5H),2.79(dt,J=3.2,12.1Hz,2H),4.72(d,J=5.9Hz,2H),4.86−4.91(m,2H),5.68(t,J=7.8Hz,1H),6.73(m,2H),6.86(t,J=7.8Hz,2H),7.20(t,J=8.1Hz,1H),7.84(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]484
【実施例25】
4−(2,6−ジフルオロベンジルアミノ)−2−(4−ピペリジノピペリジノ)−5−(3−チエニル)ピリミジン(化合物25)
実施例15と同様にして、参考例5で得られた化合物B2(50mg)及びジヒドロキシ(3−チエニル)ボランから、化合物25(21mg,45%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.42−1.64(m,8H),1.85−1.90(m,2H),2.47−2.55(m,5H),2.79(dt,J=3.2,13.0Hz,2H),4.73(d,J=5.9Hz,2H),4.86−4.91(m,2H),5.43(t,J=5.9Hz,1H),6.87(t,J=8.1Hz,2H),7.09(dd,J=1.1,5.1Hz,1H),7.17−7.24(m,2H),7.42(dd,J=3.0,5.1Hz,1H),7.83(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]470
【実施例26】
4−(2,6−ジフルオロベンジルアミノ)−5−(2−メチルフェニル)−2−(4−ピペリジノピペリジノ)ピリミジン(化合物26)
実施例15と同様にして、参考例5で得られた化合物B2(50mg)及びジヒドロキシ(2−メチルフェニル)ボランから、化合物26(20mg,42%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.45−1.65(m,8H),1.87−1.92(m,2H),2.12(s,3H),2.53−2.56(m,5H),2.81(dt,J=2.2,13.2Hz,2H),4.64−4.72(m,3H),4.87−4.92(m,2H),6.83(t,J=8.1Hz,2H),7.09−7.28(m,5H),7.66(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]478
【実施例27】
4−(2,6−ジフルオロベンジルアミノ)−5−(3−メチルフェニル)−2−(4−ピペリジノピペリジノ)ピリミジン(化合物27)
実施例15と同様にして、参考例5で得られた化合物B2(50mg)及びジヒドロキシ(3−メチルフェニル)ボランから、化合物27(28mg,54%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.44−1.64(m,8H),1.85−1.90(m,2H),2.38(s,3H),2.51−2.55(m,5H),2.80(dt,J=2.2,13.0Hz,2H),4.70(d,J=5.9Hz,2H),4.86−4.91(m,2H),5.38(t,J=7.8Hz,1H),6.86(t,J=8.1Hz,2H),7.08−7.33(m,5H),7.76(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]478
【実施例28】
4−(2,6−ジフルオロベンジルアミノ)−5−(4−メチルフェニル)−2−(4−ピペリジノピペリジノ)ピリミジン(化合物28)
実施例15と同様にして、参考例5で得られた化合物B2(50mg)及びジヒドロキシ(4−メチルフェニル)ボランから、化合物28(23mg,44%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.45−1.59(m,8H),1.85−1.90(m,2H),2.38(s,3H),2.51−2.55(m,5H),2.79(dt,J=3.2,10.8Hz,2H),4.70(d,J=5.9Hz,2H),4.86−4.91(m,2H),5.33(t,J=7.8Hz,1H),6.85(t,J=8.1Hz,2H),7.16−7.24(m,5H),7.75(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]478
【実施例29】
4−(2,6−ジフルオロベンジルアミノ)−5−(2−フルオロフェニル)−2−(4−ピペリジノピペリジノ)ピリミジン(化合物29)
実施例15と同様にして、参考例5で得られた化合物B2(71mg)及びジヒドロキシ(2−フルオロフェニル)ボランから、化合物29(61mg,83%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.47−1.80(m,8H),1.95(d,J=11.9Hz,2H),2.52−2.86(m,7H),4.72(d,J=5.9Hz,2H),4.93(d,J=13.4Hz,2H),5.02(t,J=5.9Hz,1H),6.80−6.90(m,2H),7.08−7.36(m,5H),7.77(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]482
【実施例30】
4−(2,6−ジフルオロベンジルアミノ)−5−(3−フルオロフェニル)−2−(4−ピペリジノピペリジノ)ピリミジン(化合物30)
実施例15と同様にして、参考例5で得られた化合物B2(50mg)及びジヒドロキシ(3−フルオロフェニル)ボランから、化合物30(32mg,60%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.42−1.64(m,8H),1.86−1.91(m,2H),2.51−2.55(m,5H),2.81(dt,J=2.2,13.2Hz,2H),4.72(d,J=6.2Hz,2H),4.87−4.91(m,2H),5.33(t,J=5.9Hz,1H),6.87(t,J=8.1Hz,2H),6.98−7.10(m,3H),7.15−7.24(m,1H),7.34−7.42(m,1H),7.77(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]482
【実施例31】
4−(2,6−ジフルオロベンジルアミノ)−5−(4−フルオロフェニル)−2−(4−ピペリジノピペリジノ)ピリミジン(化合物31)
実施例15と同様にして、参考例5で得られた化合物B2(50mg)及びジヒドロキシ(4−フルオロフェニル)ボランから、化合物31(36mg,67%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.42−1.64(m,8H),1.86−1.91(m,2H),2.51−2.55(m,5H),2.80(dt,J=2.2,13.2Hz,2H),4.70(d,J=6.2Hz,2H),4.86−4.91(m,2H),5.20(t,J=5.9Hz,1H),6.86(t,J=8.1Hz,2H),7.10−7.28(m,5H),7.72(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]482
【実施例32】
5−(2−クロロフェニル)−4−(2,6−ジフルオロベンジルアミノ)−2−(4−ピペリジノピペリジノ)ピリミジン(化合物32)
実施例15と同様にして、参考例5で得られた化合物B2(78mg)及びジヒドロキシ(2−クロロフェニル)ボランから、化合物32(37mg,49%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.46−1.69(m,8H),1.80−2.03(m,2H),2.57−2.64(m,5H),2.76−2.87(m,2H),4.65−4.80(m,3H),4.93(d,J=13.2Hz,2H),6.78−6.89(m,2H),7.12−7.33(m,4H),7.43−7.51(m,1H),7.71(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]498
【実施例33】
5−(3−クロロフェニル)−4−(2,6−ジフルオロベンジルアミノ)−2−(4−ピペリジノピペリジノ)ピリミジン(化合物33)
実施例15と同様にして、参考例5で得られた化合物B2(75mg)及びジヒドロキシ(3−クロロフェニル)ボランから、化合物33(12mg,15%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.41−1.80(m,8H),1.85−2.10(d,J=12.2Hz,2H),2.50−2.85(m,7H),4.71(d,J=5.9Hz,2H),4.92(d,J=13.4Hz,2H),5.30(t,J=5.9Hz,1H),6.82−6.92(m,2H),7.16−7.38(m,5H),7.74(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]498
【実施例34】
5−(4−クロロフェニル)−4−(2,6−ジフルオロベンジルアミノ)−2−(4−ピペリジノピペリジノ)ピリミジン(化合物34)
実施例15と同様にして、参考例5で得られた化合物B2(61mg)及びジヒドロキシ(4−クロロフェニル)ボランから、化合物34(10mg,9%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.41−1.80(m,8H),1.85−2.07(m,2H),2.45−2.85(m,7H),4.70(d,J=5.9Hz,2H),4.91(d,J=13.2Hz,2H),5.23(t,J=5.9Hz,1H),6.82−6.91(m,2H),7.16−7.26(m,3H),7.31−7.40(m,2H),7.73(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]498
【実施例35】
4−(2,6−ジフルオロベンジルアミノ)−5−(2−メトキシフェニル)−2−(4−ピペリジノピペリジノ)ピリミジン(化合物35)
実施例15と同様にして、参考例5で得られた化合物B2(71mg)及びジヒドロキシ(2−メトキシフェニル)ボランから、化合物35(7mg,9%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.40−1.85(m,8H),1.96−2.01(m,2H),2.50−2.85(m,7H),3.72(s,3H),4.58−4.83(m,2H),4.95(d,J=13.5Hz,2H),5.09(t,J=6.2Hz,1H),6.83−7.04(m,4H),7.14−7.36(m,3H),7.75(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]494
【実施例36】
4−(2,6−ジフルオロベンジルアミノ)−5−(3−メトキシフェニル)−2−(4−ピペリジノピペリジノ)ピリミジン(化合物36)
実施例15と同様にして、参考例5で得られた化合物B2(63mg)及びジヒドロキシ(3−メトキシフェニル)ボランから、化合物36(9.3mg,14%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.41−1.80(m,8H),1.85−2.05(m,2H),2.45−2.90(m,7H),3.81(s,3H),4.70(d,J=5.9Hz,2H),4.91(d,J=13.4Hz,2H),5.43(t,J=5.9Hz,1H),6.81−6.91(m,5H),7.15−7.36(m,2H),7.78(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]494
【実施例37】
4−(2,6−ジフルオロベンジルアミノ)−5−(4−メトキシフェニル)−2−(4−ピペリジノピペリジノ)ピリミジン(化合物37)
実施例15と同様にして、参考例5で得られた化合物B2(61mg)及びジヒドロキシ(4−メトキシフェニル)ボランから、化合物37(9.4mg,15%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.37−1.72(m,8H),1.77−1.96(m,2H),2.45−2.66(m,5H),2.75−2.84(m,2H),3.83(s,3H),4.70(d,J=6.2Hz,2H),4.90(d,J=13.2Hz,2H),5.28(t,J=6.1Hz,1H),6.81−6.98(m,4H),7.14−7.24(m,3H),7.73(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]494
【実施例38】
4−(2,6−ジフルオロベンジルアミノ)−2−(4−ピペリジノピペリジノ)−5−(3−ピリジル)ピリミジン(化合物38)
実施例15と同様にして、参考例5で得られた化合物B2(50mg)及びジヒドロキシ(3−ピリジル)ボランから、化合物38(17mg,33%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.47−1.60(m,8H),1.87−1.91(m,2H),2.51−2.55(m,5H),2.81(dt,J=3.2,10.8Hz,2H),4.72(d,J=5.9Hz,2H),4.87−4.92(m,2H),5.16(t,J=7.8Hz,1H),6.86(t,J=8.1Hz,2H),7.16−7.24(m,5H),7.75(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]465
【実施例39】
5−(2−ベンゾフラニル)−4−(2,6−ジフルオロベンジルアミノ)−2−(4−ピペリジノピペリジノ)ピリミジン(化合物39)
実施例15と同様にして、参考例5で得られた化合物B2(55mg)及びジヒドロキシ(2−ベンゾフラニル)ボランから、化合物39(5.9mg,10%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.38−1.80(m,8H),1.80−1.97(m,2H),2.41−2.63(m,5H),2.79−2.88(m,2H),4.86(d,J=6.1Hz,2H),4.93(brd,J=13.7Hz,2H),6.64−6.68(m,2H),6.86−6.93(m,2H),7.19−7.32(m,3H),7.46−7.54(m,2H),8.26(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]504
【実施例40】
4−(2,6−ジフルオロベンジルアミノ)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−(4−ピペリジノピペリジノ)ピリミジン(化合物40)
実施例15と同様にして、参考例5で得られた化合物B2(50mg)及びジヒドロキシ(2,4−ジフルオロフェニル)ボランから、化合物40(28mg,50%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.45−1.64(m,8H),1.86−1.91(m,2H),2.51−2.55(m,5H),2.81(dt,J=2.4,13.2Hz,2H),4.72(d,J=5.9Hz,2H),4.87−4.92(m,3H),6.82−6.98(m,4H),7.16−7.25(m,2H),7.73(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]500
【実施例41】
4−(2,6−ジフルオロベンジルアミノ)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−(4−ピペリジノピペリジノ)ピリミジン(化合物41)
実施例15と同様にして、参考例5で得られた化合物B2(50mg)及びジヒドロキシ(2,5−ジフルオロフェニル)ボランから、化合物41(24mg,43%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.44−1.64(m,8H),1.86−1.91(m,2H),2.51−2.55(m,5H),2.81(dt,J=2.2,13.2Hz,2H),4.73(d,J=5.9Hz,2H),4.88−4.93(m,2H),4.99(t,J=5.4Hz,1H),6.86(t,J=8.1Hz,2H),6.92−7.24(m,4H),7.77(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]500
【実施例42】
4−(2,6−ジフルオロベンジルアミノ)−2−(4−ピペリジノピペリジノ)−5−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリミジン(化合物42)
実施例15と同様にして、参考例5で得られた化合物B2(60mg)及びジヒドロキシ[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ボランから、化合物42(45mg、65%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.35−1.75(m,8H),1.80−1.92(m,2H),2.40−2.63(m,5H),2.81(dt,J=2.0,12.0Hz,2H),4.72(d,J=5.9Hz,2H),4.81−4.95(m,2H),5.23(t,J=5.9Hz,1H),6.80−6.94(m,2H),7.12−7.30(m,1H),7.42−7.63(m,4H),7.77(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]532
【実施例43】
5−(3−シアノフェニル)−4−(2,6−ジフルオロベンジルアミノ)−2−(4−ピペリジノピペリジノ)ピリミジン(化合物43)
実施例15と同様にして、参考例5で得られた化合物B2(81mg)及びジヒドロキシ(3−シアノフェニル)ボランから、化合物43(13mg,17%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.45−1.60(m,4H),1.71−1.75(m,4H),1.97−2.03(m,2H),2.67−2.87(m,7H),4.72(d,J=6.1Hz,2H),4.93(d,J=13.2Hz,2H),5.15−5.20(m,1H),6.83−6.93(m,2H),7.17−7.28(m,1H),7.52−7.64(m,4H),7.77(m,1H).
APCIMS m/z:[M+H]489
【実施例44】
4−(2,6−ジフルオロベンジルアミノ)−5−(2−フリル)−2−(4−ピペリジノピペリジノ)ピリミジン(化合物44)
アルゴン雰囲気下、参考例5で得られた化合物B2(72mg,0.15mmol)を、脱気したTHF(0.6mL)に溶解し、その溶液にジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(6.4mg,7.7μmol)及び2−(トリブチルスタンニル)フラン(58μL,0.19mmol)を加え、80℃で6時間攪拌した。反応液を冷却した後、飽和フッ化カリウム水溶液及びジエチルエーテルを加え、さらに30分間攪拌した。減圧濾過により生成した固体を取り除き、得られた濾液をジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去した。得られた残渣を分取薄層クロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン:トリエチルアミン=25:75:10)で分離精製することにより、化合物44(23mg,32%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.35−1.72(m,8H),1.77−1.95(m,2H),2.40−2.67(m,5H),2.70−2.93(m,2H),4.81(d,J=5.9Hz,2H),4.87−4.92(m,2H),6.33(dd,J=3.6,0.7Hz,1H),6.38(t,J=5.9Hz,1H),6.44(dd,J=3.3,2.0Hz,1H),6.78−6.93(m,2H),7.10−7.28(m,1H),7.42−7.47(m,1H),8.08(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]454
【実施例45】
4−(2,6−ジフルオロベンジルアミノ)−5−(2−ヒドロキシフェニル)−2−(4−ピペリジノピペリジノ)ピリミジン(化合物45)
実施例35で得られた化合物35(31mg,0.064mmol)に、1.0mol/L三臭化ホウ素−ジクロロメタン溶液(0.51mL,0.51mmol)を0℃で加え、同温度で3時間攪拌した。反応液に飽和重曹水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた残渣を分取薄層クロマトグラフィー(メタノール:クロロホルム=10:90)で分離精製することにより、化合物45(11mg,37%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.41−2.08(m,10H),2.72−2.81(m,7H),4.69(d,J=5.6Hz,2H),4.91(d,J=12.9Hz,2H),5.11(t,J=5.9Hz,1H),6.82−7.30(m,7H),7.76(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]480
【実施例46】
4−(2,6−ジフルオロベンジルアミノ)−5−(2−ニトロフェニル)−2−(4−ピペリジノピペリジノ)ピリミジン(化合物46)
参考例7で得られた化合物E1(26mg,0.069mmol)をDMF(0.14mL)に溶解し、その溶液に4−ピペリジノピペリジン(23mg,0.14mmol)及びトリエチルアミン(97μL,0.69mmol)を加え、100℃で3時間攪拌した。反応液に飽和重曹水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去した。得られた残渣を分取薄層クロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン:トリエチルアミン=25:75:10)で分離精製することにより、化合物46(27mg,76%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.43−1.63(m,8H),1.88−1.93(m,2H),2.49−2.71(m,5H),2.76−2.85(m,2H),4.60−4.93(m,5H),6.82−6.88(m,2H),7.20−7.27(m,1H),7.34(d,J=7.6Hz,1H),7.49−7.54(m,1H),7.61−7.66(m,2H),7.95(d,J=7.9Hz,1H).
APCIMS m/z:[M+H]509
【実施例47】
4−(2,6−ジフルオロベンジルアミノ)−5−フェニル−2−(4−ピペリジノピペリジノ)ピリミジン(化合物47)
実施例46と同様にして、参考例8で得られた化合物E2(62mg)及び4−ピペリジノピペリジンから、化合物47(65mg,74%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.38−1.73(m,8H),1.81−1.95(m,2H),1.40−1.68(m,5H),2.80(dt,J=2.0,12.0Hz,2H),4.71(d,J=6.1Hz,2H),4.85−4.97(m,2H),5.34(t,J=6.1Hz,1H),6.77−6.95(m,2H),7.10−7.52(m,6H),7.77(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]464
【実施例48】
4−(2,4−ジフルオロベンジルアミノ)−5−(3−メチル−2−チエニル)−2−(4−ピペリジノピペリジノ)ピリミジン(化合物48)
実施例46と同様にして、参考例9で得られた化合物E3(57mg)及び4−ピペリジノピペリジンから、化合物48(42mg、54%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.42−1.62(m,8H),1.86−1.91(m,2H),2.04(s,3H),2.47−2.56(m,5H),2.80(dt,J=1.9,13.0Hz,2H),4.69(d,J=5.9Hz,2H),4.88−4.93(m,2H),5.10(t,J=5.9Hz,1H),6.85(t,J=7.8Hz,2H),6.92(d,J=5.1Hz,1H),7.16−7.25(m,2H),7.77(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]484
【実施例49】
4−(2,6−ジフルオロベンジルアミノ)−2−(4−ピペリジノピペリジノ)−5−(2−チアゾリル)ピリミジン(化合物49)
実施例46と同様にして、参考例10で得られた化合物E4(30mg)及び4−ピペリジノピペリジンから、化合物49(35mg、84%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.36−1.75(m,8H),1.80−1.93(m,2H),2.43−2.65(m,5H),2.83(dt,J=2.0,12Hz,2H),4.85(d,J=5.9Hz,2H),4.83−5.03(m,2H),6.78−6.93(m,2H),7.04(d,J=3.5Hz,1H),7.10−7.30(m,1H),7.67(d,J=3.5Hz,1H),8.39(s,1H),9.55(brd,1H).
APCIMS m/z:[M+H]471
【実施例50】
4−(2,6−ジフルオロベンジルアミノ)−2−(4−ピペリジノピペリジノ)−5−(2−ピリジル)ピリミジン(化合物50)
実施例46と同様にして、参考例11で得られた化合物E5(9.6mg)及び4−ピペリジノピペリジンから、化合物50(13mg、100%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.30−1.75(m,8H),1.80−1.95(m,2H),2.38−2.63(m,5H),2.82(dt,J=2.0,13Hz,2H),4.86(d,J=5.9Hz,2H),4.81−5.02(m,2H),6.78−6.95(m,2H),6.98−7.08(m,1H),7.10−7.30(m,1H),7.50−7.71(m,2H),8.43(s,1H),8.47(d,J=4.8Hz,1H),10.3(brd,1H).
APCIMS m/z:[M+H]465
【実施例51】
4−(2,4−ジフルオロベンジルアミノ)−5−(2−フルオロフェニル)−2−(4−ピペリジノピペリジノ)ピリミジン(化合物51)
工程1
参考例12で得られた化合物F1a(38mg,0.15mmol)、2,4−ジフルオロベンジルアミン(89μL,0.75mmol)及び炭酸カリウム(21mg,0.15mmol)の混合物を、100℃で6時間攪拌した。反応液を冷却した後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を1mol/L塩酸及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去した。得られた残渣を分取薄層クロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=7:1)で精製することにより、4−(2,4−ジフルオロベンジルアミノ)−5−(2−フルオロフェニル)−2−メチルチオピリミジン(化合物F1b)(35mg,65%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):2.51(s,3H),4.69(d,J=5.9Hz,2H),5.00−5.15(m,1H),6.72−6.90(m,2H),7.12−7.45(m,5H),7.92(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]362
工程2
上記で得られた化合物F1b(33mg,0.091mmol)をトルエン(0.66mL)に懸濁させ、mCPBA(24mg,0.14mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、飽和重曹水を加え分液した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去した。得られた残渣に4−ピペリジノピペリジン(30mg,0.18mmol)及びエタノール(0.60mL)を加え、110℃に加熱し、エタノールを留去した。反応混合物を2時間加熱攪拌し、冷却した後、分取薄層クロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル:トリエチルアミン=30:10:1)で精製することにより、化合物51(38mg,86%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.35−1.78(m,8H),1.80−1.92(m,2H),2.39−2.63(m,5H),2.79(dt,J=2.0,13.0Hz,2H),4.63(d,J=5.9Hz,2H),4.73−4.95(m,3H),6.70−6.89(m,2H),7.08−7.41(m,5H),7.80(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]482
実施例51の工程1と同様にして、参考例12〜参考例14でそれぞれ得られた化合物F1a〜F3a及び対応するアミンをそれぞれ反応させ、次いで実施例51の工程2と同様にして、3−クロロ過安息香酸による処理及び4−ピペリジノピペリジンとの反応を行うことにより、化合物52〜化合物71を得た。
【実施例52】
4−(2,6−ジクロロベンジルアミノ)−5−(2−フルオロフェニル)−2−(4−ピペリジノピペリジノ)ピリミジン(化合物52)
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.35−1.70(m,8H),1.78−1.95(m,2H),2.48−2.68(m,5H),2.84(dt,J=1.5,13.0Hz,2H),4.85−5.08(m,5H),7.07−7.36(m,7H),7.79(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]514
【実施例53】
4−(ブチルアミノ)−5−(2−フルオロフェニル)−2−(4−ピペリジノピペリジノ)ピリミジン(化合物53)
H−NMR(CDCl)δ(ppm):0.92(t,J=7.2Hz,3H),1.10−1.80(m,12H),1.82−1.95(m,2H),2.40−2.64(m,5H),2.81(dt,J=2.5,13.0Hz,2H),3.42(dd,J=13.0,7.1Hz,2H),4.50(brd,1H),4.80−4.92(m,2H),7.07−7.40(m,4H),7.76(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]412
【実施例54】
4−(N−ブチル−N−メチルアミノ)−5−(2−フルオロフェニル)−2−(4−ピペリジノピペリジノ)ピリミジン(化合物54)
H−NMR(CDCl)δ(ppm):0.84(t,J=7.1Hz,3H),1.03−1.25(m,2H),1.35−1.95(m,12H),2.42−2.68(m,5H),2.71(s,3H),2.82(dt,J=1.0,13.0Hz,2H),3.29(t,J=7.4Hz,2H),4.75−4.98(m,2H),7.03−7.34(m,4H),7.77(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]426
【実施例55】
5−(2−フルオロフェニル)−4−(3−メチルブチルアミノ)−2−(4−ピペリジノピペリジノ)ピリミジン(化合物55)
H−NMR(CDCl)δ(ppm):0.92(d,J=6.6Hz,6H),1.32−1.95(m,13H),2.40−2.64(m,5H),2.82(dt,J=2.1,13.0Hz,2H),3.37−3.51(m,2H),4.47(t,J=5.1Hz,1H),4.79−4.92(m,2H),7.07−7.40(m,4H),7.75(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]426
【実施例56】
4−ブチルアミノ−5−フェニル−2−(4−ピペリジノピペリジノ)ピリミジン(化合物56)
H−NMR(CDCl)δ(ppm):0.93(t,J=7.2Hz,3H),1.13−1.75(m,12H),1.80−1.93(m,2H),2.40−2.64(m,5H),2.81(dt,J=1.0,12.0Hz,2H),3.23(dd,J=13.0,7.1Hz,2H),4.72−4.92(m,3H),7.19−7.45(m,5H),7.76(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]394
【実施例57】
4−(N−ブチル−N−メチルアミノ)−5−フェニル−2−(4−ピペリジノピペリジノ)ピリミジン(化合物57)
H−NMR(CDCl)δ(ppm):0.83(t,J=7.1Hz,3H),1.03−1.25(m,2H),1.35−1.95(m,12H),2.40−2.64(m,5H),2.69(s,3H),2.81(dt,J=2.3,13.0Hz,2H),3.23(t,J=7.6Hz,2H),4.75−4.90(m,2H),7.18−7.42(m,5H),7.81(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]408
【実施例58】
4−(4−クロロ−2−フルオロベンジルアミノ)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−(4−ピペリジノピペリジノ)ピリミジン(化合物58)
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.26−1.70(m,8H),1.78−1.92(m,2H),2.39−2.63(m,5H),2.78(dt,J=2.4,13.0Hz,2H),4.62(d,J=5.9Hz,2H),4.70−4.95(m,3H),6.78−7.10(m,4H),7.15−7.35(m,2H),7.75(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]516
【実施例59】
5−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−(2−ニトロベンジルアミノ)−2−(4−ピペリジノピペリジノ)ピリミジン(化合物59)
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.15−2.00(m,10H),2.50−2.68(m,5H),2.79(dt,J=2.0,13Hz,2H),4.65−4.82(m,2H),4.88(d,J=6.3Hz,2H),5.26(t,J=6.3Hz,1H),6.85−7.03(m,2H),7.14−7.31(m,1H),7.35−7.72(m,3H),7.75(s,1H),8.01(dd,J=1.0,7.9Hz,1H).
APCIMS m/z:[M+H]509
【実施例60】
5−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−(4−フルオロベンジルアミノ)−2−(4−ピペリジノピペリジノ)ピリミジン(化合物60)
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.38−1.99(m,10H),2.46−2.70(m,5H),2.80(dt,J=1.2,13Hz,2H),4.61(d,J=5.7Hz,2H),4.71−4.90(m,3H),6.85−7.10(m,4H),7.16−7.40(m,3H),7.77(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]482
【実施例61】
4−(2−クロロ−6−フルオロベンジルアミノ)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−(4−ピペリジノピペリジノ)ピリミジン(化合物61)
APCIMS m/z:[M+H]516
【実施例62】
4−(4−クロロフェネチルアミノ)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−(4−ピペリジノピペリジノ)ピリミジン(化合物62)
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.38−1.78(m,8H),1.85−1.99(m,2H),2.43−2.65(m,5H),2.75−2.93(m,4H),3.62(q,J=5.9Hz,2H),4.43(d,J=5.9Hz,1H),4.79−4.92(m,2H),6.82−6.93(m,2H),7.02−7.32(m,5H),7.73(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]512
【実施例63】
4−(2−クロロフェネチルアミノ)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−(4−ピペリジノピペリジノ)ピリミジン(化合物63)
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.35−1.73(m,8H),1.85−1.99(m,2H),2.44−2.66(m,5H),2.75−2.93(m,2H),3.02(t,J=6.0Hz,2H),3.68(q,J=6.0Hz,2H),4.50(d,J=6.0Hz,1H),4.82−4.93(m,2H),6.82−6.93(m,2H),7.10−7.37(m,5H),7.72(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]512
【実施例64】
4−(2,4−ジクロロフェネチルアミノ)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−(4−ピペリジノピペリジノ)ピリミジン(化合物64)
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.34−1.75(m,8H),1.85−2.00(m,2H),2.43−2.67(m,5H),2.84(dt,J=1.2,12.0Hz,2H),3.00(t,J=6.1Hz,2H),3.66(q,J=6.1Hz,2H),4.46(d,J=6.1Hz,1H),4.80−4.98(m,2H),6.81−6.99(m,2H),7.02−7.22(m,3H),7.36(d,J=2.0Hz,1H),7.75(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]546
【実施例65】
5−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−(4−フルオロフェネチルアミノ)−2−(4−ピペリジノピペリジノ)ピリミジン(化合物65)
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.35−1.77(m,8H),1.84−2.00(m,2H),2.40−2.70(m,5H),2.73−2.98(m,4H),3.62(q,J=5.9Hz,2H),4.42(d,J=5.9Hz,1H),4.79−4.96(m,2H),6.80−7.25(m,7H),7.75(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]596
【実施例66】
5−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−(2,2−ジフェニルエチルアミノ)−2−(4−ピペリジノピペリジノ)ピリミジン(化合物66)
APCIMS m/z:[M+H]554
【実施例67】
5−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−(3,3−ジメチルブチルアミノ)−2−(4−ピペリジノピペリジノ)ピリミジン(化合物67)
APCIMS m/z:[M+H]458
【実施例68】
4−(4−tert−ブチルシクロヘキシルアミノ)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−(4−ピペリジノピペリジノ)ピリミジン(化合物68)
APCIMS m/z:[M+H]512
【実施例69】
4−(N−ブチル−N−メチルアミノ)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−(4−ピペリジノピペリジノ)ピリミジン(化合物69)
APCIMS m/z:[M+H]444
【実施例70】
5−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−(4−メタンスルホニルベンジルアミノ)−2−(4−ピペリジノピペリジノ)ピリミジン(化合物70)
APCIMS m/z:[M+H]542
【実施例71】
4−(2,6−ジクロロフェネチルアミノ)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−(4−ピペリジノピペリジノ)ピリミジン(化合物71)
APCIMS m/z:[M+H]546
【実施例72】
4−(2,4−ジフルオロベンジルアミノ)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−[4−(1−メチルピペリジニオ)ピペリジノ]ピリミジンヨージド(化合物72)
実施例2で得られる化合物2(1.43g)をジクロロメタン(11mL)に溶解し、その溶液にヨウ化メチル(0.712mL,11.4mmol)を加え、室温で24時間攪拌した。反応液を濃縮し、得られた残渣をエタノールで2時間リスラリーした。析出した結晶を濾取して乾燥し、化合物72(1.26g,69%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.62−2.02(m,8H),2.26(brd,J=11.5Hz,2H),3.08(s,3H),3.12(brt,J=12.5Hz,2H),3.73−3.77(m,4H),4.48−4.57(m,1H),4.60(d,J=5.9Hz,2H),4.91−4.99(m,3H),6.75−7.00(m,4H),7.20−7.34(m,2H),7.72(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]642
【実施例73】
4−(2,4−ジフルオロベンジルアミノ)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−[4−(1−エチルピペリジニオ)ピペリジノ]ピリミジンヨージド(化合物73)
実施例72と同様にして、実施例2で得られる化合物2(0.198g)及びヨウ化エチル(1.59mL,19.9mmol)から、化合物73(81.3mg,31%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.44(t,J=6.3Hz,3H),1.63−1.93(m,4H),1.93−2.13(m,4H),2.17−2.36(m,2H),3.14(brt,J=12.5Hz,2H),3.48−3.66(m,6H),4.16−4.24(m,1H),4.61(brd,J=5.9Hz,2H),4.95(brd,J=12.5Hz,2H),5.03(t,J=6.0Hz,1H),6.76−7.00(m,4H),7.22−7.37(m,2H),7.70(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]656
【実施例74】
4−(2,4−ジフルオロベンジルアミノ)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−[4−(1−プロピルピペリジニオ)ピペリジノ]ピリミジンヨージド(化合物74)
実施例72と同様にして、実施例2で得られる化合物2(0.188g)及びヨウ化プロピル(0.81mL,8.31mmol)から、化合物74(43.2mg,17%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.06(t,J=7.2Hz,3H),1.70−2.12(m,10H),2.26(brd,J=11.0Hz,2H),3.17(brt,J=12.3Hz,2H),3.32−3.38(m,2H),3.59−3.63(m,4H),4.25−4.34(m,1H),4.61(d,J=5.8Hz,2H),4.96(brd,J=13.5Hz,2H),5.06(t,J=5.9Hz,1H),6.75−7.01(m,4H),7.21−7.37(m,2H),7.71(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]670
【実施例75】
2−[4−(1−アリルピペリジニオ)ピペリジノ]−4−(2,4−ジフルオロベンジルアミノ)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリミジンブロミド(化合物75)
実施例72と同様にして、実施例2で得られる化合物2(0.214g)及び臭化アリル(0.816mL,9.44mmol)から、化合物75(0.198g,74%)を得た。
H−NMR(CDOD)δ(ppm):1.70−1.90(m,4H),1.91−2.18(m,4H),2.28(brd,J=10.6Hz,2H),3.06(brt,J=12.2Hz,2H),3.50−3.67(m,4H),4.07−4.23(m,3H),4.61(brd,J=5.9Hz,2H),4.93(brd,J=13.2Hz,2H),5.16(t,J=5.8Hz,1H),5.67(d,J=10.2Hz,1H),5.78(d,J=16.8Hz,1H),5.98−6.13(m,1H),6.75−7.00(m,4H),7.22−7.40(m,2H),7.69(s,1H).
FABMS m/z:[M−Br]540
【実施例76】
4−(2,4−ジフルオロベンジルアミノ)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−[4−(1,2−ジメチルピペリジニオ)ピペリジノ]ピリミジンヨージド(化合物76)
実施例72と同様にして、実施例3で得られる化合物3(0.813g)及びヨウ化メチル(1.97mL,31.6mmol)から、化合物76(0.596g,58%)を得た。
H−NMR(DMSO−d)δ(ppm):1.25(d,J=6.4Hz,3H),1.42−1.89(m,2H),2.05−2.09(m,2H),2.81−2.94(m,2H),2.95(s,3H),3.03−3.11(m,1H),3.22(brd,J=12.8Hz,1H),3.66−3.73(m,1H),3.88(brd,J=11.3Hz,1H),4.48(brd,J=11.3Hz,2H),4.73(brd,J=5.7Hz,2H),7.03−7.43(m,7H),7.69(s,1H).
APCIMS m/z:[M+H]656
【実施例77】
4−(2,4−ジフルオロベンジルアミノ)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−[4−(1,3−ジメチルピペリジニオ)ピペリジノ]ピリミジンヨージド(化合物77)
実施例72と同様にして、実施例1で得られる化合物1(0.881g)及びヨウ化メチル(2.13mL,34.2mmol)から、化合物77(0.659g,58%)を得た。
H−NMR(DMSO−d)δ(ppm):0.88−0.91(m,3H),1.04−1.13(m,1H),1.49−2.23(m,9H),2.72−2.90(m,6H),3.10(brt,J=11.5Hz,1H),3.37−3.46(m,2H),3.56−3.71(m,1H),4.47(brd,J=5.5Hz,2H),4.77(brd,J=12.5Hz,2H),7.02−7.25(m,4H),7.31−7.42(m,3H),7.68(s,1H).
APCIMS m/z:[M−I]528
製剤例1:錠剤
常法により、次の組成からなる錠剤を調製する。
処方 化合物3 20 mg
ラクトース 143.4mg
馬鈴薯デンプン 30 mg
ヒドロキシプロピルセルロース 6 mg
ステアリン酸マグネシウム 0.6mg
200 mg
製剤例2:注射剤
常法により、次の組成からなる注射剤を調製する。
処方 化合物40 2 mg
精製ダイズ油 200 mg
精製卵黄レシチン 24 mg
注射用グリセリン 50 mg
注射用蒸留水 1.72mL
2.00 mL
【産業上の利用可能性】
本発明により、抗炎症作用(例えば、細胞浸潤抑制作用等)、TARC及び/またはMDCの機能調節作用(例えば、TARC及び/またはMDCのT細胞への結合阻害作用等)を有し、例えばアレルギー性疾患、自己免疫疾患、移植時の拒絶反応等のT細胞の関与する疾患[例えば、喘息、アレルギー性鼻炎、慢性鼻炎、花粉症、結膜炎、じんま疹、乾癬、アトピー性皮膚炎、皮膚そう痒症、皮膚カンジダ症、口腔内カンジダ症、関節リウマチ、各種膠原病、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、臓器移植時の細胞拒絶反応、癌、成人T細胞白血病(ATL)等の白血病、好酸球性肺炎、好酸球性副鼻腔炎、好酸球性増多性鼻炎、間質性膀胱炎、子宮内膜症、チャーグ−シュトラウス症候群、敗血症、疼痛、神経痛、インスリン依存性糖尿病(IDDM)、菌状息肉腫(Mycosis fungoides)、接触性皮膚炎、皮膚T細胞リンパ腫等]等の治療及び/または予防、癌の転移抑制等に有用なピリミジン誘導体もしくはその四級アンモニウム塩、またはそれらの薬理学的に許容される塩が提供される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)

[式中、Arは置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の芳香族複素環基を表し、
は−NR(式中、Rは水素原子または置換もしくは非置換の低級アルキルを表し、Rは置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のアラルキルまたは置換もしくは非置換の芳香族複素環アルキルを表す)または式(II)

(式中、−−−は単結合または二重結合を表し、kは0から4の整数を表し、aは0から置換可能な数を表し、Rは置換もしくは非置換の低級アルキルを表し、aが2以上の整数であるときそれぞれのRは同一でも異なっていてもよい)を表し、
Aは単結合、式(III)

(式中、mは0から2の整数を表し、nは0から4の整数を表し、aは0から置換可能な数を表し、Rは置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換の脂環式複素環基または置換もしくは非置換の芳香族複素環アルキルを表し、aが2以上の整数であるときそれぞれのRは同一でも異なっていてもよい)または式(IV)

(式中、aは0から置換可能な数を表し、m、n及びR5aはそれぞれ前記m、n及びRと同義である)を表し、
(a)Aが式(III)または式(IV)であるとき、
Qは−NR(式中、RおよびRは同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換の脂環式複素環基、置換もしくは非置換の脂環式複素環アルキルまたは置換もしくは非置換の芳香族複素環アルキルを表す)または置換もしくは非置換の脂環式複素環基を表し、
(b)Aが単結合であるとき、
Qは置換もしくは非置換のピペリジン−4−イルアミノ、置換もしくは非置換のペルヒドロアゼピン−4−イルアミノまたは−N(R)−(CH−NR10(式中、pは1、2または4を表し、Rは水素原子または置換もしくは非置換の低級アルキルを表し、R及びR10は同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換の脂環式複素環基、置換もしくは非置換の脂環式複素環アルキルまたは置換もしくは非置換の芳香族複素環アルキルを表すか、またはRとR10が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の脂環式複素環基を表す)を表す]で表されるピリミジン誘導体もしくはその四級アンモニウム塩、またはそれらの薬理学的に許容される塩。
【請求項2】
が−NR3A(式中、Rは前記と同義であり、R3Aは置換もしくは非置換のアラルキルまたは置換もしくは非置換の芳香族複素環アルキルを表す)である請求の範囲1記載のピリミジン誘導体もしくはその四級アンモニウム塩、またはそれらの薬理学的に許容される塩。
【請求項3】
3Aが置換アラルキルである請求の範囲2記載のピリミジン誘導体もしくはその四級アンモニウム塩、またはそれらの薬理学的に許容される塩。
【請求項4】
Aが式(III)

(式中、m、n、a及びRはそれぞれ前記と同義である)または式(IV)

(式中、m、n、a及びR5aはそれぞれ前記と同義である)である請求の範囲1〜3のいずれかに記載のピリミジン誘導体もしくはその四級アンモニウム塩、またはそれらの薬理学的に許容される塩。
【請求項5】
が1または2であり、mが1である請求の範囲4記載のピリミジン誘導体もしくはその四級アンモニウム塩、またはそれらの薬理学的に許容される塩。
【請求項6】
Aが式(IIIA)

(式中、mは前記と同義である)である請求の範囲1〜3のいずれかに記載のピリミジン誘導体もしくはその四級アンモニウム塩、またはそれらの薬理学的に許容される塩。
【請求項7】
が1である請求の範囲6記載のピリミジン誘導体もしくはその四級アンモニウム塩、またはそれらの薬理学的に許容される塩。
【請求項8】
Qが−NR(式中、R及びRはそれぞれ前記と同義である)、置換もしくは非置換の1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−1−イル、置換もしくは非置換の1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−イルまたは式(V)

〔式中、kは1から4の整数を表し、aは0から置換可能な数を表し、Yは単結合、−S−、−O−、−C(=O)−または−N(R12)−(式中、R12は水素原子または置換もしくは非置換の低級アルカノイルを表す)を表し、R11は水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のモノ低級アルキルアミノ、置換もしくは非置換のジ低級アルキルアミノ、置換もしくは非置換の低級アルコキシ、ヒドロキシ、置換もしくは非置換の低級アルカノイル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換のアリールオキシ、置換もしくは非置換のアラルキルオキシ、置換もしくは非置換のアロイル、置換もしくは非置換の低級アルコキシカルボニル、置換もしくは非置換のモノ低級アルキルアミノカルボニル、置換もしくは非置換のジ低級アルキルアミノカルボニル、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、アミノ、ニトロ、置換もしくは非置換の低級アルキルスルフィニル、置換もしくは非置換の低級アルキルスルホニル、メルカプトまたは低級アルキルチオを表し、aが2以上の数であるときそれぞれのR11は同一でも異なっていてもよい〕である請求の範囲1〜7のいずれかに記載のピリミジン誘導体もしくはその四級アンモニウム塩、またはそれらの薬理学的に許容される塩。
【請求項9】
Qが置換もしくは非置換のピペリジノである請求の範囲1〜7のいずれかに記載のピリミジン誘導体もしくはその四級アンモニウム塩、またはそれらの薬理学的に許容される塩。
【請求項10】
Aが単結合である請求の範囲1〜3のいずれかに記載のピリミジン誘導体もしくはその四級アンモニウム塩、またはそれらの薬理学的に許容される塩。
【請求項11】
Arが置換もしくは非置換のアリールである請求の範囲1〜10のいずれかに記載のピリミジン誘導体もしくはその四級アンモニウム塩、またはそれらの薬理学的に許容される塩。
【請求項12】
Arが置換もしくは非置換のフェニル、置換もしくは非置換のナフチル、置換もしくは非置換のビフェニル、置換もしくは非置換のチエニル、置換もしくは非置換のチアゾリル、置換もしくは非置換のベンゾフラニル、置換もしくは非置換のフリルまたは置換もしくは非置換のピリジルである請求の範囲1〜10のいずれかに記載のピリミジン誘導体もしくはその四級アンモニウム塩、またはそれらの薬理学的に許容される塩。
【請求項13】
が水素原子である請求の範囲1〜12のいずれかに記載のピリミジン誘導体もしくはその四級アンモニウム塩、またはそれらの薬理学的に許容される塩。
【請求項14】
四級アンモニウム塩が、Q中のいずれかの窒素原子にZ−El(式中、Zは置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニルまたは置換もしくは非置換のアラルキルを表し、Elは脱離基を表す)が付加することにより形成される四級アンモニウム塩である請求の範囲1〜13のいずれかに記載のピリミジン誘導体もしくはその四級アンモニウム塩、またはそれらの薬理学的に許容される塩。
【請求項15】
請求の範囲14記載のピリミジン誘導体の四級アンモニウム塩またはその薬理学的に許容される塩。
【請求項16】
請求の範囲1〜14のいずれかに記載のピリミジン誘導体もしくはその四級アンモニウム塩、またはそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬。
【請求項17】
請求の範囲1〜14のいずれかに記載のピリミジン誘導体もしくはその四級アンモニウム塩、またはそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する抗炎症剤。
【請求項18】
請求の範囲1〜14のいずれかに記載のピリミジン誘導体もしくはその四級アンモニウム塩、またはそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分として含有するthymus and activation−regulated chemokine(TARC)及び/またはmacropharge−derived chemokine(MDC)の関与する疾患の治療及び/または予防剤。
【請求項19】
請求の範囲15記載のピリミジン誘導体の四級アンモニウム塩またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬。
【請求項20】
請求の範囲15記載のピリミジン誘導体の四級アンモニウム塩またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する抗炎症剤。
【請求項21】
請求の範囲15記載のピリミジン誘導体の四級アンモニウム塩またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有するthymus and activation−regulated chemokine(TARC)及び/またはmacropharge−derived chemokine(MDC)の関与する疾患の治療及び/または予防剤。
【請求項22】
抗炎症剤の製造のための請求の範囲1〜14のいずれかに記載のピリミジン誘導体もしくはその四級アンモニウム塩、またはそれらの薬理学的に許容される塩の使用。
【請求項23】
thymus and activation−regulated chemokine(TARC)及び/またはmacropharge−derived chemokine(MDC)の関与する疾患の治療及び/または予防剤の製造のための請求の範囲1〜14のいずれかに記載のピリミジン誘導体もしくはその四級アンモニウム塩、またはそれらの薬理学的に許容される塩の使用。
【請求項24】
抗炎症剤の製造のための請求の範囲15記載のピリミジン誘導体の四級アンモニウム塩またはその薬理学的に許容される塩の使用。
【請求項25】
thymus and activation−regulated chemokine(TARC)及び/またはmacropharge−derived chemokine(MDC)の関与する疾患の治療及び/または予防剤の製造のための請求の範囲15記載のピリミジン誘導体の四級アンモニウム塩またはその薬理学的に許容される塩の使用。
【請求項26】
請求の範囲1〜14のいずれかに記載のピリミジン誘導体もしくはその四級アンモニウム塩、またはそれらの薬理学的に許容される塩の有効量を投与する行程を含む炎症の治療及び/または予防方法。
【請求項27】
請求の範囲1〜14のいずれかに記載のピリミジン誘導体もしくはその四級アンモニウム塩、またはそれらの薬理学的に許容される塩の有効量を投与する行程を含むthymus and activation−regulated chemokine(TARC)及び/またはmacropharge−derived chemokine(MDC)の関与する疾患の治療及び/または予防方法。
【請求項28】
請求の範囲15記載のピリミジン誘導体の四級アンモニウム塩またはその薬理学的に許容される塩の有効量を投与する行程を含む炎症の治療及び/または予防方法。
【請求項29】
請求の範囲15記載のピリミジン誘導体の四級アンモニウム塩またはその薬理学的に許容される塩の有効量を投与する行程を含むthymus and activation−regulated chemokine(TARC)及び/またはmacropharge−derived chemokine(MDC)の関与する疾患の治療及び/または予防方法。

【国際公開番号】WO2004/074260
【国際公開日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【発行日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−502779(P2005−502779)
【国際出願番号】PCT/JP2004/001962
【国際出願日】平成16年2月20日(2004.2.20)
【出願人】(000001029)協和醗酵工業株式会社 (276)
【Fターム(参考)】