説明

ピルフェニドンを合成するための改善された方法

約0.15重量%未満のジブロモベンゼンを有するブロモベンゼンから、ピルフェニドンを合成するための過程が開示される。酢酸エチルまたはn−ブタノールを用いることなくピルフェニドンを合成する過程、ならびに制御されたレベルの酢酸エチル、n−ブタノール、ジ(5−メチル−2−ピリジノン)ベンゼン、および特定の保持時間を有する他の不純物を有するピルフェニドンも開示される。開示されるピルフェニドンを含む製剤剤形も開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に対する相互参照
2009年6月3日に出願された米国仮出願第61/183,588号の利益を本明細書で主張し、その全体の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
背景
本開示は、概して、ピルフェニドンを合成するための方法に関する。より具体的には、本開示は、約0.15重量%未満のジブロモベンゼンを有するブロモベンゼン試薬を用いて、かつハロゲン化銅(I)または(II)の代わりに触媒として酸化銅(I)を用いて、ピルフェニドンを調製するための過程に関する。
【背景技術】
【0003】
ピルフェニドンは、185.23ダルトンの分子量を有する非ペプチド合成分子である。その化学元素はC1211NOとして表され、その構造は既知である。ピルフェニドンの合成は解明されている。ピルフェニドンは、広域スペクトラム抗線維症薬として製造され、臨床的に評価されている。ピルフェニドンは、減少したTNF−α発現、減少したPDGF発現、および減少したコラーゲン発現を介する抗線維症特性を有する。いくつかのピルフェニドン新薬臨床試験開始届(IND)が、現在米国食品医薬品局に申請中である。肺線維症、腎糸球体硬化症、および肝硬変に関する第2相ヒト研究が開始または完了されている。良性前立腺肥大症、肥大瘢痕(ケロイド)、およびリウマチ性関節炎を治療するためにピルフェニドンを使用した他の第2相研究が存在している。
【0004】
ピルフェニドンの1つの重要な用途は、ハーマンスキーパドラック症候群(HPS)関連肺線維症および特発性肺線維症(IPF)等の線維症疾患に罹患する患者に、治療的有用性を提供するものとして知られている。ピルフェニドンは、肺、皮膚、関節、腎臓、前立腺、および肝臓の傷害組織を含む傷害組織と関連する線維症に見られる過度の瘢痕組織を阻止または除去する薬理学的能力を示す。公開および非公開の基礎および臨床研究は、ピルフェニドンが、線維性病変の進行性肥大を安全に遅延または阻害し、既存の線維性病変を除去し、組織傷害に続く新規の線維性病変の形成を阻止し得ることを示唆する。
【0005】
ピルフェニドンがその治療効果を発揮する1つの機構は、サイトカイン作用を調節することによることが理解されている。ピルフェニドンは、線維形成サイトカインおよびTNF−αの強力な阻害剤である。ピルフェニドンは、TGF−β1、bFGF、PDGF、およびEGF等の様々な線維形成サイトカインの過度の生合成または放出を阻害することが十分によく立証されている。非特許文献1。実験報告は、ピルフェニドンが、マクロファージならびに他の細胞からの過度の量のTNF−αの合成および放出を阻止することも示している。非特許文献2。
【0006】
ピルフェニドンは、IPFの治療における使用のために臨床試験で研究されている。したがって、原薬(API)として十分な純度を有するピルフェニドンをもたらし、かつ効率的および経済的な過程を含む合成スキームの必要性が存在する。ピルフェニドンの従前のバッチは、酢酸エチル(例えば、約2ppm)およびブタノールの残留溶媒の痕跡を有することが示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Zhang S et al.,Australian New Eng.J.Ophthal.,26:S74−S76(1998)
【非特許文献2】Cain et al.,Int.J.Immunopharm.,20:685−695(1998)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
ピルフェニドンを調製する方法が本明細書に開示される。より具体的には、ピルフェニドンを合成する方法が本明細書に開示され、ピルフェニドンを形成するのに十分な条件下で、ブロモベンゼン、5−メチル−2−ピリドン、亜酸化銅、および有機溶媒を混合することを含み、ブロモベンゼンは、約0.15重量%未満のジブロモベンゼンを含む。上昇した温度、例えば、少なくとも約100℃で混合を実行することができる。有機溶媒は、ジメチルホルムアミドを含み得る。
【0009】
いくつかの実施形態では、方法は、ピルフェニドンを食塩溶液で洗浄することをさらに含む。食塩溶液は、約10重量%〜約15重量%の塩化ナトリウムを含み得る。様々な実施形態では、方法は、ピルフェニドンを抽出溶媒で抽出することをさらに含む。抽出溶媒は、トルエンを含み得る。
【0010】
様々な実施形態では、方法は、ブロモベンゼン、5−メチル−2−ピリドン、亜酸化銅、および有機溶媒と塩基を混合することをさらに含む。塩基は、無機塩基であり得る。ある特定の実施形態では、無機塩基は、炭酸塩、より具体的には、炭酸カリウムを含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、方法は、精製ピルフェニドンを形成するために、ピルフェニドンを、ヘプタンおよびトルエンを含む溶媒混合物から結晶化させることをさらに含む。方法はさらに、ピルフェニドン溶液を形成するために、上昇した温度で前記精製ピルフェニドンの少なくとも一部を酸性水溶液中に溶解することと、pHが少なくとも約11になるまで塩基性溶液をピルフェニドン溶液に添加することと、再結晶化ピルフェニドンを形成するために、約20℃未満の温度まで塩基性ピルフェニドン溶液を冷却することによって、精製ピルフェニドンを再結晶化させることと、も含み得る。いくつかの事例では、上昇した温度は、少なくとも約40℃である。様々な事例では、酸性水溶液は、塩酸を含む。いくつかの事例では、塩基性溶液は、水酸化ナトリウムを含む。様々な事例では、塩基性ピルフェニドン溶液は、約10℃未満の温度まで冷却される。いくつかの事例では、ピルフェニドンの精製は、酢酸エチルおよびブタノールの不在下で実行される。ある特定の事例では、本明細書に開示の方法で調製されるピルフェニドンは、少なくとも98%の重量%またはモル比の純度を有し、酢酸エチルおよびブタノールを本質的に含んでいないか、あるいは酢酸エチルおよびブタノールを含んでおらず、本質的に含んでいないということは、本明細書に記載されるように、合成過程中に酢酸エチルもブタノールも意図的に添加されない生成物を説明する。酢酸エチルおよび/またはブタノールを本質的に含んでいないピルフェニドン組成物は、例えば、本明細書に記載の合成過程等の合成過程で使用される試薬または出発原料中に存在するキャリーオーバー不純物である、微量の酢酸エチルおよび/またはブタノールの存在を許容し得る。調製されるピルフェニドンは、少なくとも99%、より好ましくは、少なくとも99.9%の重量%またはモル比の純度を有し得る。
【0012】
別の態様では、約0.1%未満の重量%またはモル比のジ(5−メチル−2−ピリドン)ベンゼン不純物、好ましくは、約0.05%未満の重量%またはモル比のジ(5−メチル−2−ピリドン)ベンゼン不純物を有するピルフェニドンが、本明細書に開示される。
【0013】
さらに別の態様では、液体クロマトグラフィーで分析される時、ピルフェニドンの保持時間と比較して、約1.95の相対保持時間で溶出する約0.1%未満の重量%またはモル比の不純物を有するピルフェニドンが本明細書に開示される。好ましくは、ピルフェニドンは、1.95の相対保持時間を有する約0.05%未満の重量%またはモル比の不純物を有する。
【0014】
さらに別の態様では、液体クロマトグラフィーで分析される時、ピルフェニドンの保持時間と比較して、約1.24の相対保持時間で溶出する約0.1%未満の重量%またはモル比の不純物を有するピルフェニドンが本明細書に開示される。好ましくは、ピルフェニドンは、1.24の相対保持時間を有する約0.05%未満の重量%またはモル比の不純物を有する。
【0015】
別の態様では、本明細書に開示のピルフェニドンおよび薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物が記載される。
【発明を実施するための形態】
【0016】
ピルフェニドンを調製するための改善された過程が本明細書に開示される。該過程は、有機溶媒中で5−メチル−2−ピリドンおよびブロモベンゼンをカップリングするために亜酸化銅触媒を用いることを含む。いずれの特定の理論によっても限定されることを意図するものではないが、ブロモベンゼン中のある量のジブロモベンゼン不純物が二量体型副生成物をもたらす可能性があり、結果として得られるピルフェニドンの精製を複雑にする可能性があるため、ブロモベンゼンの純度は重要であると考えられる。これらの二量体型副生成物は、原薬(API)として販売されるように意図される生成物中に存在することができず、かつそれらは、所望のピルフェニドン生成物から除去するのが困難である。したがって、開示される過程で使用されるブロモベンゼンは、好ましくは、約0.15%未満の重量%もしくはモル比、より好ましくは、約0.1%未満の重量%もしくはモル比、または0.05%未満の重量%もしくはモル比の量のジブロモベンゼンを有する。ピルフェニドンの合成が、以下のスキーム1に示される。
【化1】

【0017】
本開示を通して用いられるように、化合物の不純物および純度は、百分率(%)として報告される。特定の事例に関して別途示されない限り、この百分率を、試料または組成物の重量(例えば、重量%)に基づいて、あるいはモル比に基づいて評価することができる。モル比(例えば、モル百分率)を、高圧/高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、ガスクロマトグラフィー(GC)等のこれらのクロマトグラフ法、またはキャピラリー電気泳動法(CE)を用いて測定することができる。モル比は、存在する全化合物に対する特定の化合物の分子比である。
【0018】
ブロモベンゼンは、好ましくは、純モノブロモベンゼンである。ブロモベンゼンは、好ましくは、1,4−ジブロモベンゼンを含んでいない。ブロモベンゼンは、好ましくは、ジブロモベンゼン(すなわち、1,2−ジブロモベンゼン、1,3−ジブロモベンゼン、および1,4−ジブロモベンゼン)を全く含んでいない。ブロモベンゼンは、好ましくは、トリブロモベンゼン(すなわち、1,2,3−トリブロモベンゼン、1,2,4−トリブロモベンゼン、および1,3,5−トリブロモベンゼン)を含んでいない。ブロモベンゼンは、好ましくは、テトラブロモベンゼン(すなわち、1,2,3,4−テトラブロモベンゼン、1,2,3,5−テトラクロロベンゼン、および1,2,4,5−テトラブロモベンゼン)を含んでいない。ブロモベンゼンは、好ましくは、ペンタブロモベンゼンおよびヘキサブロモベンゼンを含んでいない。
【0019】
カップリング反応の有機溶媒は、非プロトン性極性溶媒等の任意の相溶性の有機溶媒であり得る。非限定的な例には、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジクロロメタン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、およびその混合物が挙げられる。特定の好ましい実施形態では、有機溶媒は、ジメチルホルムアミドを含む。適切な溶媒の選択は、反応が実施される温度によって決まり得る。反応温度の沸点を超えるか、またはその前後の沸点を有する溶媒が好ましい。
【0020】
反応を上昇した温度で実行することができる。上昇した温度は、室温(約25℃)を超える任意の温度であり、例えば、少なくとも約50℃、少なくとも約70℃、少なくとも約75℃、少なくとも約80℃、少なくとも約85℃、少なくとも約90℃、少なくとも約95℃、少なくとも約100℃、少なくとも約105℃、少なくとも約110℃、少なくとも約115℃、少なくとも約120℃、少なくとも約125℃、少なくとも約少なくとも約130℃、または少なくとも約135℃であることができる。
【0021】
反応を塩基の存在下で実行することができる。いくつかの事例では、塩基は、無機塩基であり得る。無機塩基には、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、およびその混合物が含まれるが、それらに限定されない。一実施形態では、塩基は、炭酸カリウムを含む。
【0022】
カップリング反応からのピルフェニドンの形成時に、ピルフェニドンを任意的に食塩溶液で洗浄することができる。この洗浄するステップは、カップリング反応中に使用または形成される塩を除去し得る。食塩溶液は、塩化ナトリウム溶液、例えば、飽和ブライン溶液であり得る。高濃度塩化ナトリウム溶液は、水層中のピルフェニドンの低収率損失をもたらすが、低濃度塩化ナトリウム溶液は、ジメチルホルムアミドとのより良好な相溶性をもたらす。したがって、最適な塩化ナトリウム溶液の濃度は、水層中のピルフェニドンの損失を最小限に抑えるのに十分高いが、水層中のジメチルホルムアミドの最大量を可能にするのに十分低い。したがって、いくつかの実施形態では、塩化ナトリウム溶液は、溶液の重量に基づいて、約10重量%〜約20重量%の塩化ナトリウムの範囲である。
【0023】
さらに、または代替的に、ピルフェニドンを、有機溶媒で抽出して、カップリング反応からの残留有機溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド)等の不純物を除去することができる。抽出有機溶媒の例には、トルエン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、およびその混合物が挙げられるが、それらに限定されない。ある特定の実施形態では、ピルフェニドンは、トルエンで抽出される。トルエンでの抽出は、残留ジメチルホルムアミドが水層中に残存するのを可能にし得る。
【0024】
ピルフェニドンを沈殿させて、ピルフェニドンのより精製された形態を形成することができる。粗ピルフェニドンを、最小量のトルエンおよびヘプタン中に溶解し、例えば、約50℃〜約100℃まで加熱することができる。溶液を約−5℃〜約5℃まで緩慢に冷却し、ピルフェニドンの沈殿を可能にする。結果として得られる固体ピルフェニドン沈殿物を、濾過を介して収集し、乾燥させることができる。
【0025】
さらに、または代替的に、ピルフェニドンを結晶化し、より精製されたピルフェニドンを形成することができる。結晶化において、少なくとも約35℃、少なくとも約40℃、または約40℃〜約50℃等の上昇した温度で、ピルフェニドンを酸性溶液中に溶解、あるいは部分的に溶解することができる。酸性溶液は、任意の相溶性の無機または有機酸を含み得る。酸性溶液は、好ましくは、無機酸を含む。企図される無機酸の非限定的な例には、硫酸、塩酸、臭化水素酸、硝酸、リン酸、およびその混合物が挙げられる。ある特定の実施形態では、酸性溶液は、塩酸を含む。
【0026】
次に、結果として得られる酸性ピルフェニドン溶液を、ピルフェニドン溶液のpHが少なくとも約11になるまで、塩基性溶液の添加で処理することができる。塩基性溶液は、任意の相溶性の無機または有機塩基を含み得る。塩基性溶液は、好ましくは、無機塩基である。企図される無機塩基の非限定的な例には、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、およびその混合物が挙げられる。ある特定の実施形態では、塩基性溶液は、水酸化ナトリウムを含む。
【0027】
次に、塩基性ピルフェニドン溶液を、約10℃未満、または約0℃〜約9℃まで緩慢に冷却することができる。次に、結果として得られる結晶化ピルフェニドンを、濾過を介して収集し、乾燥させることができる。
【0028】
臨床試験で用いられ、かつ原薬として用いられるピルフェニドンにおいて、例えば、規制要件のために、痕跡溶媒レベルを最小限に抑えることが重要である。したがって、一態様では、例えば、任意のステップにおいて、酢酸エチルおよび/またはブタノールの使用なしで調製されるピルフェニドンは、酢酸エチルまたはブタノールを本質的に含んでいないか、あるいは酢酸エチルまたはブタノールを含んでいない。いくつかの事例では、ピルフェニドンは、約30ppm未満のトルエン、ヘプタン、またはそれら両方を有し、好ましくは、約20ppm未満のトルエン、ヘプタン、またはそれら両方を有する。調製されるピルフェニドンは、少なくとも98%の重量%もしくはモル比の純度を有し、好ましくは、少なくとも99%の重量%もしくはモル比、または少なくとも99.5%の重量%もしくはモル比、または少なくとも99.6%の重量%もしくはモル比、少なくとも99.7%の重量%もしくはモル比、少なくとも99.8%の重量%もしくはモル比、または少なくとも99.9%の重量%もしくはモル比の純度を有し得る。
【0029】
例えば、本明細書に開示の方法を用いて調製される、本開示の明細書に記載のピルフェニドンは、さらに、または代替的に、約0.1%未満の重量%またはモル比、約0.05%未満の重量%またはモル比、約0.04%未満の重量%またはモル比、約0.03%未満の重量%またはモル比、約0.02%未満の重量%またはモル比、あるいは約0.01%未満の重量%またはモル比のジ(5−メチル−2−ピリジノン)ベンゼン不純物を有し得る。かかるジ(5−メチル−2−ピリジノン)ベンゼン不純物の例には、
【化2】

の1つ以上が含まれる。
【0030】
ピルフェニドンは、さらに、または代替的に、液体クロマトグラフィーで分析される時、ピルフェニドンの保持時間と比較して、約1.95の相対保持時間(RRT)を有する約0.1%未満の重量%もしくはモル比、約0.05%未満の重量%もしくはモル比、約0.04%未満の重量%もしくはモル比、約0.03%未満の重量%もしくはモル比、約0.02%未満の重量%もしくはモル比、または約0.01%未満の重量%もしくはモル比の不純物を有し得る。ピルフェニドンは、さらに、または代替的に、液体クロマトグラフィーで分析される時、ピルフェニドンの保持時間と比較して、約1.24の相対保持時間(RRT)を有する約0.1%未満の重量%もしくはモル比、約0.05%未満の重量%もしくはモル比、約0.04%未満の重量%もしくはモル比、約0.03%未満の重量%もしくはモル比、約0.02%未満の重量%もしくはモル比、または約0.01%未満の重量%もしくはモル比の不純物を有し得る。
【0031】
ピルフェニドンの液体クロマトグラフィー(LC)分析のための例示的方法は、220nmおよび310nmで稼動するUV検出器、ならびにZORBAX SB−Aq C−18、5.0μm、250mm×4.6mmカラムを装備した、Hewlett−Packard 11000液体クロマトグラフを用いることである。移動相は、1.0mL/分の流速ならびに35℃のカラム温度でカラムを通って送られる、移動相A(MPA)(1000mLの水中、200μLのリン酸)および移動相B(MPB)(アセトニトリル)である。MPAおよびMPBの混合物は、以下の通り、25分の稼動にわたって勾配プロファイルであった。
【表1】

【0032】
薬学的組成物
本明細書に記載のピルフェニドンを単独で投与することが可能である一方で、ピルフェニドンを薬学的組成物として製剤化することが好ましくあり得る。とりわけ、薬学的組成物は、炎症状態、例えば、p38活性もしくはサイトカイン活性、あるいは任意のその組み合わせと関連する状態を治療または阻止するのに有用であり得る。薬学的組成物は、状態を治療または改善するために、生体外もしくは生体内、あるいはそれらの両方で、対象に投与することができる任意の組成物である。好ましい実施形態では、薬学的組成物を生体内投与することができる。対象は、1つ以上の細胞もしくは組織、または有機体を含み得る。好ましい対象は、哺乳動物である。哺乳動物には、非限定的な例として、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ラクダ、バッファロー、ネコ、イヌ、ラット、マウス、およびヒト等の任意の哺乳動物が含まれる。極めて好ましい対象哺乳動物は、ヒトである。
【0033】
ある実施形態では、薬学的組成物を、特定の投与方法および剤形に応じて、担体、溶媒、安定剤、補助剤、希釈剤等の薬学的に許容される賦形剤で製剤化することができる。概して、薬学的組成物は、生理学的に相溶性のpHを達成するために製剤化されるべきであり、製剤および投与経路に応じて、約3のpH〜約11のpHの間、好ましくは、約pH3〜約pH7であり得る。代替実施形態では、pHが約pH5.0〜約pH8の範囲に調整されることが望ましくあり得る。より具体的には、薬学的組成物は、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤とともに、本明細書に記載されるような少なくとも1つの治療的または予防的に有効な量の化合物を含み得る。任意で、薬学的組成物は、細菌感染の治療または阻止に有用である第2の活性成分(例えば、抗細菌剤もしくは抗菌剤等の防腐剤)を含み得る。
【0034】
例えば、非経口または経口投与のための製剤は、最も典型的には、固体、液体溶液、乳液、または懸濁液であるが、一方で、肺投与のための吸入可能な製剤は、概して、粉末製剤が概して好ましい、液体または粉末である。好ましい薬学的組成物を、投与前に生理学的に相溶性の溶媒で再構成される凍結乾燥固体として製剤化することができる。代替薬学的組成物を、シロップ、クリーム、軟膏、錠剤等として製剤化することができる。
【0035】
「薬学的に許容される賦形剤」という用語は、本明細書に記載の化合物等の薬学的薬剤の投与のための賦形剤を指す。用語は、過度の毒性なしで投与することができる任意の薬学的賦形剤を指す。
【0036】
薬学的に許容される賦形剤は、投与される特定の組成物によって、ならびに組成物を投与するために使用される特定の方法によってある程度決定される。したがって、薬学的組成物の多種多様の好適な製剤が存在する(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciencesを参照)。
【0037】
好適な賦形剤は、タンパク質、多糖類、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、高分子アミノ酸、アミノ酸共重合体、および不活性ウイルス粒子等の大きく、緩慢に代謝された巨大分子を含む担体分子であり得る。他の例示的賦形剤には、抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸)、キレート剤(例えば、EDTA)、炭水化物(例えば、デキストリン、ヒドロキシアルキルセルロース、および/またはヒドロキシアルキルメチルセルロース)、ステアリン酸、液体(例えば、油、水、生理食塩水、グリセロール、および/またはエタノール)湿潤剤もしくは乳化剤、pH緩衝物質等が含まれる。リポソームは、薬学的に許容される賦形剤の定義内にも含まれる。
【0038】
本明細書に記載の薬学的組成物を、所望の投与方法に好適な任意の形態で製剤化することができる。経口使用を意図する時、例えば、錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性もしくは油懸濁液、非水溶液、分散可能な粉末もしくは顆粒(微粉化粒子もしくはナノ粒子を含む)、乳液、硬もしくは軟カプセル、シロップ、またはエリキシル剤を調製することができる。経口使用を意図する組成物を、当分野に既知の薬学的組成物の製造に関する任意の方法に従って調製することができ、かかる組成物は、口当たりのいい調製物を得るために、甘味剤、香味剤、着色剤、および保存剤を含む1つ以上の作用物質を含有し得る。
【0039】
錠剤と併せての使用に特に好適な薬学的に許容される賦形剤には、例えば、セルロース、炭酸カルシウムもしくは炭酸ナトリウム、ラクトース、カルシウム、またはリン酸ナトリウム等の不活性希釈剤、架橋ポビドン、トウモロコシデンプン、またはアルギン酸等の崩壊剤、ポビドン、デンプン、ゼラチン、またはアカシア等の結合剤、およびステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、またはタルク等の潤滑剤が含まれる。
【0040】
錠剤は、コーティングされないか、あるいは消化管における分解および吸着を遅延させ、その結果、より長い時間にわたって持続的作用をもたらすために、マイクロカプセル化を含む既知の技術によってコーティングされる場合もある。例えば、モノステアリン酸グリセリンまたはジステアリン酸グリセリル等の時間遅延物質を、単独で、またはワックスとともに、コーティング剤として、あるいはマトリックスとして採用することができる。
【0041】
活性成分が、不活性固体希釈剤、例えば、セルロース、ラクトース、リン酸カルシウム、もしくはカオリンと混合される硬ゼラチンカプセルとして、または活性成分が、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ピーナッツ油、液体パラフィン、もしくはオリーブ油等の非水または油媒体と混合される軟ゼラチンカプセルとして、経口使用のための製剤を提示することもできる。
【0042】
別の実施形態では、薬学的組成物を、懸濁液の製造に好適な少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤との混合物中の実施形態の化合物を含む懸濁液として製剤化することができる。
【0043】
さらに別の実施形態では、薬学的組成物を、好適な賦形剤の添加による懸濁液の調製に好適な分散可能な粉末および顆粒として製剤化することができる。
【0044】
懸濁液に関連する使用に好適な賦形剤には、懸濁化剤(例えば、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントガム、アカシアガム)、分散剤または湿潤剤(例えば、天然由来のリン脂質(例えば、レシチン)、脂肪酸とのアルキレンオキシドの縮合生成物(例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン)、長鎖脂肪族アルコールとのエチレンオキシドの縮合生成物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)、脂肪酸およびヘキシトール無水物に由来する部分エステルとのエチレンオキシドの縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート))、ならびに増粘剤(例えば、カルボマー、蜜ワックス、固形パラフィン、またはセチルアルコール)が含まれる。懸濁液は、1つ以上の防腐剤(例えば、酢酸、メチル安息香酸またはn−プロピルp−ヒドロキシ安息香酸)、1つ以上の着色剤、1つ以上の香味剤、およびサッカロースまたはサッカリン等の1つ以上の甘味剤も含有し得る。
【0045】
薬学的組成物は、水中油型乳液の形態でもあり得る。油性相は、オリーブ油またはラッカセイ油等の植物油、液体パラフィン等の鉱油、またはそれらの混合物であり得る。好適な乳化剤には、アカシアガムおよびトラガカントガム等の天然由来のガム、脂肪酸に由来する大豆レシチン、エステル、または部分エステル等の天然由来のリン脂質、ソルビタンモノオレエート等のヘキシトール無水物、ならびにポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等のエチレンオキシドでのこれらの部分エステルの縮合生成物が含まれる。乳液は、甘味剤および香味剤も含有し得る。シロップおよびエリキシル剤を、グリセロール、ソルビトール、またはサッカロース等の甘味剤で製剤化することができる。かかる製剤は、粘滑剤、防腐剤、香味剤、または着色剤も含有し得る。
【0046】
さらに、薬学的組成物は、無菌の注入可能な水性乳液または油性懸濁液等の無菌の注入可能な調製物の形態であり得る。当業者は、上述の分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を含むそれらの好適な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いて、この乳液または懸濁液を製剤化することができる。無菌の注入可能な調製物は、1,2−プロパンジオール中の溶液等の非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の無菌の注入可能な溶液または懸濁液であり得る。
【0047】
無菌の注入可能な調製物を、凍結乾燥粉末として調製することもできる。採用することができる許容される媒体および溶媒の中には、水、リンガー溶液、および等張塩化ナトリウム溶液が含まれる。加えて、無菌の固定油を溶媒または懸濁化媒体として採用することができる。このために、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含む、任意の無菌性固定油を採用することができる。加えて、脂肪酸(例えば、オレイン酸)を同様に注入可能物の調製において使用することができる。
【0048】
薬学的組成物の安定した水溶性剤形を得るために、本明細書に記載の化合物の薬学的に許容される塩を、0.3M溶液のコハク酸、またはより好ましくは、クエン酸等の有機もしくは無機酸の水溶液中に溶解することができる。可溶性塩形態が利用可能でない場合、化合物を好適な共溶媒または共溶媒の組み合わせに溶解することができる。好適な共溶媒の例には、全容積の約0〜約60%の範囲の濃度のアルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール300、ポリソルベート80、グリセリン等が挙げられる。一実施形態では、活性化合物は、DMSO中に溶解され、水で希釈される。
【0049】
薬学的組成物は、水または等張生理食塩水もしくはデキストロース溶液等の適切な水性媒体中の活性成分の塩形態の溶液の形態でもあり得る。例えば、エステル化、グリコシル化、PEG化等によって、それらを送達により好適にする(例えば、溶解度、生物活性、嗜好性を増大させ、拒否反応を低下させる等)化学的もしくは生化学的部分の置換または添加によって修飾された化合物も企図される。
【0050】
好ましい実施形態では、本明細書に記載のピルフェニドンを、低溶解度の化合物に好適な脂質ベースの製剤の経口投与のために製剤化することができる。脂質ベースの製剤は、概して、かかる化合物の経口バイオアベイラビリティを強化することができる。
【0051】
そのようなものとして、好ましい薬学的組成物は、中鎖脂肪酸およびそのプロピレングリコールエステル(例えば、カプリルおよびカプリン脂肪酸等の食用脂肪酸のプロピレングリコールエステル)からなる群から選択される少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤、ならびにポリオキシル40水素化ヒマシ油等の薬学的に許容される界面活性剤とともに、治療的または予防的に有効な量の本明細書に記載のピルフェニドンを含む。
【0052】
好ましい代替実施形態では、シクロデキストリンを水溶解度エンハンサーとして添加することができる。好ましいシクロデキストリンには、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシエチル、グルコシル、マルトシル、ならびにα−、β−、およびγ−シクロデキストリンのマルトトリオシル誘導体が含まれる。特に好ましいシクロデキストリン溶解度エンハンサーは、実施形態の化合物の水溶解度特性をさらに改善するために、上述の組成物のいずれかに添加することができるヒドロキシプロピル−o−シクロデキストリン(BPBC)である。一実施形態では、組成物は、約0.1%〜約20%のヒドロキシプロピル−o−シクロデキストリン、より好ましくは、約1%〜約15%のヒドロキシプロピル−o−シクロデキストリン、さらにより好ましくは、約2.5%〜約10%のヒドロキシプロピル−o−シクロデキストリンを含む。採用される溶解度エンハンサーの量は、組成物中の本発明の化合物の量によって決まる。
【0053】
薬学的組成物は、好適な投与計画とともに用いる時に、所望の治療効果を達成するのに十分な総量の活性成分を含有する。より具体的には、いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、治療的に有効な量を含有する。単位剤形を得るために担体物質と合わせることができるピルフェニドンの総量は、治療する宿主および特定の投与方法によって異なる。好ましくは、組成物は、0.01〜100mg/kg体重/日の用量のピルフェニドンが組成物を受容する患者に投与されるように、企図される投与計画を考慮して製剤化される。総日用量が、分割された日用量(例えば、1日2回、1日3回、1日4回)で提供され、治療量以下の投薬量を含有する複数の剤形として投与されてもよい(例えば、1つの剤形につき267mgで、合計9つの剤形が投与されるように、1日3回摂取で3つの剤形として投与される、例えば、2403mg/日のピルフェニドン)。
【実施例】
【0054】
ブロモベンゼンおよび5−メチル−2−ピリドンのカップリング
5−メチル−2−ピリドン(1.0当量)、炭酸カリウム(1.2当量)、酸化銅(I)(0.05当量)、ブロモベンゼン(少なくとも98%、好ましくは、少なくとも99%、または少なくとも99.8%の純度を有する、1.8当量)、およびジメチルホルムアミド(2.0容積当量)を不活性反応器内に装填した。この混合物を125℃まで約18時間加熱した。試料を収集し、反応完了に関して分析した。反応完了が十分でなかった場合、反応を125℃でさらに2時間維持した。次に、反応混合物を25℃まで冷却し、スラリーを形成した。
【0055】
結果として得られたスラリーを、塩を除去するためにNutscheフィルタで濾過した。濾過ケーキをトルエンで2回すすいだ。母液および処理液を容器(A)内に収集した。塩化ナトリウム溶液(15%)を生成物溶液中に装填した。pHを32%の水酸化ナトリウム溶液を用いて11.5以上に調整した。次に、混合物を撹拌した。撹拌が停止した後、混合物を少なくとも30分間沈下させ、2つの相に分離させた。有機層を分離し、水層をトルエンで抽出した。トルエン抽出液を有機層に添加した。次に、合わせた有機物を15%の塩化ナトリウム溶液で洗浄し、少なくとも15分間撹拌した。撹拌を停止し、層を少なくとも30分間沈下させた。有機層を水層から分離し、次に、炭素を、Zetaカーボンフィルタを通して20〜25℃で2時間流動させることによって処理した。次に、炭素処理した溶液を真空下で濃縮し、全ての水および大半のトルエンを除去した。
【0056】
次に、ヘプタンを濃縮した溶液に添加し、それを約80℃まで加熱した。溶液を少なくとも7時間にわたって約0℃まで緩慢に冷却した。Nutscheフィルタ/乾燥器を用いて、溶液から沈殿したピルフェニドンを濾過によって収集し、乾燥させた。ピルフェニドンケーキをトルエンおよびヘプタンの混合物で2回洗浄し(0℃で)、次に、約42℃の温度で真空乾燥させた。粗ピルフェニドンが約85%の収率で形成された。
【0057】
ピルフェニドンの結晶化
ピルフェニドン、32%の塩酸溶液、および脱イオン水を不活性反応器内に装填した。混合物を約45℃まで加熱し、次に、pHが少なくとも11になるまで、32%の水酸化ナトリウム溶液を混合物中に滴定した。滴定中、混合物の温度を約45℃に維持した。少なくとも11のpHに到達した時に、次に、混合物を少なくとも2時間にわたって5℃まで緩慢に冷却した。ピルフェニドンをこの冷却した溶液から結晶化させ、Nutscheフィルタ/乾燥器内で単離した。ピルフェニドンケーキを脱イオン水で2回洗浄した(5℃で)。次に、ピルフェニドンを約45℃の温度で、濾過/乾燥器内で真空乾燥させた。また、ピルフェニドンを、150μm未満に粒径を減少させるために、環状ミルを通して製粉した。
【0058】
次に、結果として得られたピルフェニドンを分析し、約10〜13ppmで観察された唯一の残留溶媒は、トルエンおよびヘプタンであった。酢酸エチルもブタノールもピルフェニドン中で検出されなかった。精製ピルフェニドン中のビス複合体の量は、0.03%以下であった。精製ピルフェニドンの全ての不純物は、約0.05%未満であった。
【0059】
前述の記述は、明瞭な理解のために示されているに過ぎず、本発明の範囲内の修正が当業者にとって明らかであり得るため、そこから不必要な限定が理解されるべきではない。
【0060】
本明細書を通して、方法がステップ、成分、または物質を含むものとして説明される場合、組成物もまた、別途記載されない限り、列挙されるステップ、成分、または物質の任意の組み合わせから本質的に成るか、あるいはそれらから成ってもよいことが企図される。
【0061】
本明細書に開示の方法、およびその個々のステップの実践は、手作業で、および/または電子装置の補助を得て実行することができる。特定の実施形態を参照して過程が説明されたが、当業者は、該方法と関連する行為を実行する他の手段が使用されてもよいことを容易に理解するであろう。例えば、別途記載されない限り、該方法の範囲または精神から逸脱することなく、様々なステップの順序を変更することができる。加えて、個々のステップのいくつかを組み合わせるか、省略するか、あるいはさらなるステップにさらに細分することができる。
【0062】
本明細書で引用される全ての特許出願、刊行物、および参考文献は、参照により本明細書に完全に組み込まれる。本開示と組み込まれる特許出願、刊行物、および参考文献との間に不一致がある場合、本開示が優先されるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピルフェニドンを合成する方法であって、
ピルフェニドンを形成するのに十分な条件下で、ブロモベンゼン、5−メチル−2−ピリドン、亜酸化銅、および有機溶媒を混合することを含み、
前記ブロモベンゼンは、約0.15重量%未満またはモル比のジブロモベンゼンを含む、方法。
【請求項2】
前記ピルフェニドンを食塩溶液で洗浄することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記食塩溶液は、前記溶液の全重量に基づいて、約10重量%〜約15重量%の範囲の塩化ナトリウムを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ピルフェニドンを抽出有機溶媒で抽出することをさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記抽出有機溶媒は、トルエンを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記混合することは、上昇した温度下で実行される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記温度は、少なくとも約100℃である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
塩基を、前記ブロモベンゼン、5−メチル−2−ピリドン、亜酸化銅、および有機溶媒と混合することをさらに含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記塩基は、無機塩基である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記無機塩基は、炭酸塩を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記炭酸塩は、炭酸カリウムを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記有機溶媒は、ジメチルホルムアミドを含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
精製ピルフェニドンを形成するために、前記ピルフェニドンを、ヘプタンおよびトルエンを含む溶媒混合物から結晶化させることをさらに含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
ピルフェニドン溶液を形成するために、上昇した温度で、前記精製ピルフェニドンの少なくとも一部を酸性水溶液中に溶解することと、
塩基性溶液を、pHが少なくとも約11になるまで、前記ピルフェニドン溶液に添加することと、
再結晶化ピルフェニドンを形成するために、前記塩基性ピルフェニドン溶液を、約20℃未満の温度まで冷却することと、によって、前記精製ピルフェニドンを再結晶化させることをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記上昇した温度は、少なくとも約40℃である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記酸性水溶液は、塩酸を含む、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
前記塩基性溶液は、水酸化ナトリウムを含む、請求項14〜16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記塩基性ピルフェニドン溶液を約10℃未満の温度まで冷却することを含む、請求項14〜17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
酢酸エチルおよびブタノールの不在下で、前記精製することを実行することを含む、請求項13〜18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
少なくとも98%の重量%またはモル比の純度を有し、酢酸エチルおよびブタノールを本質的に含んでいない、請求項19に記載の方法によって調製されるピルフェニドン。
【請求項21】
少なくとも99%の重量%またはモル比の純度を有する、請求項20に記載のピルフェニドン。
【請求項22】
少なくとも99.9%の重量%またはモル比の純度を有する、請求項21に記載のピルフェニドン。
【請求項23】
約0.1%未満の重量%またはモル比のジ(5−メチル−2−ピリジノン)ベンゼン不純物を有する、ピルフェニドン。
【請求項24】
約0.05%未満の重量%またはモル比のジ(5−メチル−2−ピリドン)ベンゼン不純物を有する、請求項23に記載のピルフェニドン。
【請求項25】
液体クロマトグラフィーで分析される時、ピルフェニドンの保持時間と比較して、約1.95の相対保持時間で溶出する、約0.1%未満の重量%またはモル比の不純物を有する、ピルフェニドン。
【請求項26】
約1.95の相対保持時間で溶出する、約0.05%未満の重量%またはモル比の前記不純物を有する、請求項25に記載のピルフェニドン。
【請求項27】
液体クロマトグラフィーで分析される時、ピルフェニドンの保持時間と比較して、約1.24の相対保持時間で溶出する、約0.1%未満の重量%またはモル比の不純物を有する、ピルフェニドン。
【請求項28】
約1.24の相対保持時間で溶出する、約0.05%未満の重量%またはモル比の前記不純物を有する、請求項27に記載のピルフェニドン。
【請求項29】
請求項20〜28のいずれか1項に記載のピルフェニドンおよび薬学的に許容される賦形剤を含む、薬学的組成物。

【公表番号】特表2012−528877(P2012−528877A)
【公表日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−514087(P2012−514087)
【出願日】平成22年6月2日(2010.6.2)
【国際出願番号】PCT/US2010/037090
【国際公開番号】WO2010/141600
【国際公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(502191619)インターミューン, インコーポレイテッド (25)
【Fターム(参考)】