説明

ピレン誘導体およびピレン誘導体を用いた有機電子素子

【課題】特定構造のピレン誘導体を用いた有機電子素子および新規な構造のピレン誘導体を提供する。
【解決手段】化学式1の化合物を用いた有機電子素子および新規な構造のピレン誘導体を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定構造のピレン誘導体を用いた有機電子素子に関するものである。また、本発明は、有機電子素子に使われる新規な構造のピレン誘導体に関するものである。
本出願は2005年6月30日に韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10−2005−0057717号の出願日の利益を主張し、その内容全部は本明細書に含まれる。
【背景技術】
【0002】
本明細書において、有機電子素子とは正孔および/または電子を用いた、電極と有機物との間における電荷交換を必要とする素子を意味する。有機電子素子は、動作原理により下記のように大きく2種類に分けられる。第1は、外部の光源から素子に流入した光子によって有機物層から励起子(exciton)が形成され、この励起子が電子と正孔とに分離し、この時に形成された電子と正孔とを各々他の電極に伝達させて正孔と電子を電流源(電圧源)として用いる形態の電子素子である。第2は、2つまたは2つ以上の電極に電圧または電流を加えて、電極と界面をなす有機物半導体に直接正孔および/または電子を注入し、注入された電子と正孔によって動作する形態の電子素子である。
【0003】
有機電子素子の例には、有機発光素子、有機太陽電池、有機感光体(OPC)、有機トランジスタなどがあり、これらは全て素子の駆動のために正孔注入または輸送物質、電子注入または輸送物質、または発光物質を必要とする。以下では主に有機発光素子について具体的に説明するが、前記各有機電子素子における正孔注入または輸送物質、電子注入または輸送物質、または発光物質は、類似する原理で作用する。
【0004】
一般に有機発光現象とは、有機物質を用いて電気エネルギーを光エネルギーに転換させる現象をいう。有機発光現象を用いる有機発光素子は、通常陽極と陰極およびこの間に有機物層を含む構造を有する。ここで有機物層は、有機発光素子の効率と安定性を高めるために各々異なる物質で構成された多層の構造からなる場合が多く、例えば正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層などからなる。このような有機発光素子の構造において、2つの電極の間に電圧をかけるようになれば、陽極では正孔が、陰極では電子が有機物層に注入されるようになって、注入された正孔と電子が結び付いて励起子が形成され、この励起子が再び基底状態に落ちる時に光が発せられる。このような有機発光素子は、自発光、高輝度、高効率、低い駆動電圧、広い視野角、高いコントラスト、高速応答性などの特性を有することが知られている。
【0005】
有機発光素子において有機物層として用いられる材料は、機能によって、発光材料と電荷輸送材料、例えば正孔注入材料、正孔輸送材料、電子輸送材料、電子注入材料などに分類される。また、発光材料は、発光色に応じて青色、緑色、赤色発光材料と、より良い天然色を実現するために必要な黄色および橙色の発光材料などがある。一方、発光材料として1つの物質のみ用いる場合、分子間の相互作用によって最大発光波長が長波長に移動して色純度が落ちたり、発光減衰効果のため素子の効率が減少したりする問題が発生する。したがって、色純度の増加とエネルギー転移による発光効率を増加させるために、発光材料としてホスト/ドーパント系を用いることができる。
【0006】
有機発光素子が前述した優れた特徴を十分に発揮するためには、素子内有機物層をなす物質、例えば正孔注入物質、正孔輸送物質、発光物質、電子輸送物質、電子注入物質などとして、安定、かつ効率的な材料を得ることが先行すべきである。しかし、まだ安定、かつ効率的な有機発光素子用有機物層材料の開発が十分になされていない状態であり、したがって、新しい材料の開発が要求されている。このような材料開発の必要性は前述した他の有機電子素子にも同様である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2003/012890号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明者らは特定構造のピレン誘導体が置換基によって有機発光素子をはじめとする有機電子素子において正孔輸送の役割、電子注入および輸送の役割および/または発光の役割ができるという事実を明らかにした。また、本発明者らは有機電子素子において有機物層材料として使われる新規な構造のピレン誘導体を明らかにした。
ここで、本発明は、特定構造のピレン誘導体を用いた有機電子素子および新規な構造のピレン誘導体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、第1電極、第2電極、および第1電極と第2電極との間に配置された1層以上の有機物層を含む有機電子素子であって、前記有機物層のうち1層以上は下記化学式1の化合物を含む有機電子素子を提供する:
【0010】
【化1】

前記式において、
nは、1または2であり、
Xは、CHまたはNであり、
Yは、n=1である時にNRで、n=2である時にNであり、ここでRは水素、置換または非置換されたアルキル基、および置換または非置換されたアリール基からなる群から選択され、
〜Rは、互いに同一または相異し、各々独立して水素、置換または非置換されたアルキル基、置換または非置換されたアルコキシ基、置換または非置換されたアルケニル基、置換または非置換されたアリール基、置換または非置換されたアリールアミン基、置換または非置換された複素環基、置換または非置換されたシラン基、置換または非置換されたホウ素基、置換または非置換された脂肪族環基、アミン基(−NHR、−NRR’)、ニトリル基(−CN)、ニトロ基(−NO)、ハロゲン基、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エステル基(−COOR)、スルホニル基(−SOR)、スルホキシド基(−SOR)、スルホンアミド基(−SONRR’)、スルホネート基(−SOR)、トリフルオロメチル基(−CF)、および−L−Mからなる群から選択されて、これらは互いに隣接する基と芳香族、脂肪族またはヘテロの縮合環を形成することができ、
前記Lは、アミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換されたC−C60のアルキレン基;アミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換されたC−C60のアリーレン基;またはアミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換された5−7原子の複素環基であり、
前記Mは、アルコール基(−OH)、チオール基(−SH)、リン酸基(−POH)、アミン基(−NHR、−NRR’)、置換または非置換されたポリオレフィン、置換または非置換されたポリビニール、置換または非置換されたポリアクリレート、置換または非置換されたポリチオフェン、置換または非置換されたポリピロール、および置換または非置換されたポリアニリンからなる群から選択され、
前記RおよびR’は、互いに同一または相異し、各々独立して水素、置換または非置換されたC−C60のアルキル基、置換または非置換されたC−C60のアリール基;または置換または非置換された5−7原子の複素環基である。
【0011】
本発明において、前記化学式1は下記化学式2であり得る。
【化2】

前記式において、
mおよびnは、各々1または2であり、
およびXは、各々独立してCHまたはNであり、
およびYは、各々独立してn=1である時にNRで、n=2である時にNであり、ここでRは水素、置換または非置換されたアルキル基、および置換または非置換されたアリール基からなる群から選択され、
〜RおよびR〜R10は、互いに同一または相異し、各々独立して水素、置換または非置換されたアルキル基、置換または非置換されたアルコキシ基、置換または非置換されたアルケニル基、置換または非置換されたアリール基、置換または非置換されたアリールアミン基、置換または非置換された複素環基、置換または非置換されたシラン基、置換または非置換されたホウ素基、置換または非置換された脂肪族環基、アミン基(−NHR、−NRR’)、ニトリル基(−CN)、ニトロ基(−NO)、ハロゲン基、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エステル基(−COOR)、スルホニル基(−SOR)、スルホキシド基(−SOR)、スルホンアミド基(−SONRR’)、スルホネート基(−SOR)、トリフルオロメチル基(−CF)、および−L−Mからなる群から選択されて、これらは互いに隣接する基と芳香族、脂肪族またはヘテロの縮合環を形成することができ、
前記Lは、アミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換されたC−C60のアルキレン基;アミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換されたC−C60のアリーレン基;またはアミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換された5−7原子の複素環基であり、
前記Mは、アルコール基(−OH)、チオール基(−SH)、リン酸基(−POH)、アミン基(−NHR、−NRR’)、置換または非置換されたポリオレフィン、置換または非置換されたポリビニール、置換または非置換されたポリアクリレート、置換または非置換されたポリチオフェン、置換または非置換されたポリピロール、および置換または非置換されたポリアニリンからなる群から選択され、
前記RおよびR’は、互いに同一または相異し、各々独立して水素、置換または非置換されたC−C60のアルキル基、置換または非置換されたC−C60のアリール基;または置換または非置換された5−7原子の複素環基である。
【0012】
また、本発明は、下記化学式3〜8で表示される化合物から選択される化合物を提供する:
【化3】

前記式において、R〜RおよびAは、互いに同一または相異し、各々独立して水素、置換または非置換されたアルキル基、置換または非置換されたアルコキシ基、置換または非置換されたアルケニル基、置換または非置換されたアリール基、置換または非置換されたアリールアミン基、置換または非置換された複素環基、置換または非置換されたシラン基、置換または非置換されたホウ素基、置換または非置換された脂肪族環基、アミン基(−NHR、−NRR’)、ニトリル基(−CN)、ニトロ基(−NO)、ハロゲン基、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エステル基(−COOR)、スルホニル基(−SOR)、スルホキシド基(−SOR)、スルホンアミド基(−SONRR’)、スルホネート基(−SOR)、トリフルオロメチル基(−CF)、および−L−Mからなる群から選択され、これらは互いに隣接する基と芳香族、脂肪族またはヘテロの縮合環を形成することができ、
前記Lは、アミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換されたC−C60のアルキレン基;アミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換されたC−C60のアリーレン基;またはアミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換された5−7原子の複素環基であり、
前記Mは、アルコール基(−OH)、チオール基(−SH)、リン酸基(−POH)、アミン基(−NHR、−NRR’)、置換または非置換されたポリオレフィン、置換または非置換されたポリビニール、置換または非置換されたポリアクリレート、置換または非置換されたポリチオフェン、置換または非置換されたポリピロール、および置換または非置換されたポリアニリンからなる群から選択され、
前記RおよびR’は、互いに同一または相異し、各々独立して水素、置換または非置換されたC−C60のアルキル基、置換または非置換されたC−C60のアリール基;または置換または非置換された5−7原子の複素環基である。
【0013】
【化4】

前記式において、R〜R、AおよびAは、互いに同一または相異し、各々独立して水素、置換または非置換されたアルキル基、置換または非置換されたアルコキシ基、置換または非置換されたアルケニル基、置換または非置換されたアリール基、置換または非置換されたアリールアミン基、置換または非置換された複素環基、置換または非置換されたシラン基、置換または非置換されたホウ素基、置換または非置換された脂肪族環基、アミン基(−NHR、−NRR’)、ニトリル基(−CN)、ニトロ基(−NO)、ハロゲン基、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エステル基(−COOR)、スルホニル基(−SOR)、スルホキシド基(−SOR)、スルホンアミド基(−SONRR’)、スルホネート基(−SOR)、トリフルオロメチル基(−CF)、および−L−Mからなる群から選択され、これらは互いに隣接する基と芳香族、脂肪族またはヘテロの縮合環を形成することができ、
前記Lは、アミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換されたC−C60のアルキレン基;アミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換されたC−C60のアリーレン基;またはアミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換された5−7原子の複素環基であり、
前記Mは、アルコール基(−OH)、チオール基(−SH)、リン酸基(−POH)、アミン基(−NHR、−NRR’)、置換または非置換されたポリオレフィン、置換または非置換されたポリビニール、置換または非置換されたポリアクリレート、置換または非置換されたポリチオフェン、置換または非置換されたポリピロール、および置換または非置換されたポリアニリンからなる群から選択され、
前記RおよびR’は、互いに同一または相異し、各々独立して水素、置換または非置換されたC−C60のアルキル基、置換または非置換されたC−C60のアリール基;または置換または非置換された5−7原子の複素環基である。
【0014】
【化5】

前記式において、R〜RおよびAは、互いに同一または相異し、各々独立して水素、置換または非置換されたアルキル基、置換または非置換されたアルコキシ基、置換または非置換されたアルケニル基、置換または非置換されたアリール基、置換または非置換されたアリールアミン基、置換または非置換された複素環基、置換または非置換されたシラン基、置換または非置換されたホウ素基、置換または非置換された脂肪族環基、アミン基(−NHR、−NRR’)、ニトリル基(−CN)、ニトロ基(−NO)、ハロゲン基、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エステル基(−COOR)、スルホニル基(−SOR)、スルホキシド基(−SOR)、スルホンアミド基(−SONRR’)、スルホネート基(−SOR)、トリフルオロメチル基(−CF)、および−L−Mからなる群から選択され、これらは互いに隣接する基と芳香族、脂肪族またはヘテロの縮合環を形成することができ、
前記Lは、アミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換されたC−C60のアルキレン基;アミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換されたC−C60のアリーレン基;またはアミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換された5−7原子の複素環基であり、
前記Mは、アルコール基(−OH)、チオール基(−SH)、リン酸基(−POH)、アミン基(−NHR、−NRR’)、置換または非置換されたポリオレフィン、置換または非置換されたポリビニール、置換または非置換されたポリアクリレート、置換または非置換されたポリチオフェン、置換または非置換されたポリピロール、および置換または非置換されたポリアニリンからなる群から選択され、
前記RおよびR’は、互いに同一または相異し、各々独立して水素、置換または非置換されたC−C60のアルキル基、置換または非置換されたC−C60のアリール基;または置換または非置換された5−7原子の複素環基である。
【0015】
【化6】

前記式において、R〜R、R〜R10、AおよびAは、互いに同一または相異し、各々独立して水素、置換または非置換されたアルキル基、置換または非置換されたアルコキシ基、置換または非置換されたアルケニル基、置換または非置換されたアリール基、置換または非置換されたアリールアミン基、置換または非置換された複素環基、置換または非置換されたシラン基、置換または非置換されたホウ素基、置換または非置換された脂肪族環基、アミン基(−NHR、−NRR’)、ニトリル基(−CN)、ニトロ基(−NO)、ハロゲン基、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エステル基(−COOR)、スルホニル基(−SOR)、スルホキシド基(−SOR)、スルホンアミド基(−SONRR’)、スルホネート基(−SOR)、トリフルオロメチル基(−CF)、および−L−Mからなる群から選択され、これらは互いに隣接する基と芳香族、脂肪族またはヘテロの縮合環を形成することができ、
前記Lは、アミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換されたC−C60のアルキレン基;アミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換されたC−C60のアリーレン基;またはアミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換された5−7原子の複素環基であり、
前記Mは、アルコール基(−OH)、チオール基(−SH)、リン酸基(−POH)、アミン基(−NHR、−NRR’)、置換または非置換されたポリオレフィン、置換または非置換されたポリビニール、置換または非置換されたポリアクリレート、置換または非置換されたポリチオフェン、置換または非置換されたポリピロール、および置換または非置換されたポリアニリンからなる群から選択され、
前記RおよびR’は、互いに同一または相異し、各々独立して水素、置換または非置換されたC−C60のアルキル基、置換または非置換されたC−C60のアリール基;または置換または非置換された5−7原子の複素環基である。
【0016】
【化7】

前記式において、R〜R、R〜R、A〜Aは、互いに同一または相異し、各々独立して水素、置換または非置換されたアルキル基、置換または非置換されたアルコキシ基、置換または非置換されたアルケニル基、置換または非置換されたアリール基、置換または非置換されたアリールアミン基、置換または非置換された複素環基、置換または非置換されたシラン基、置換または非置換されたホウ素基、置換または非置換された脂肪族環基、アミン基(−NHR、−NRR’)、ニトリル基(−CN)、ニトロ基(−NO)、ハロゲン基、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エステル基(−COOR)、スルホニル基(−SOR)、スルホキシド基(−SOR)、スルホンアミド基(−SONRR’)、スルホネート基(−SOR)、トリフルオロメチル基(−CF)、および−L−Mからなる群から選択され、これらは互いに隣接する基と芳香族、脂肪族またはヘテロの縮合環を形成することができ、
前記Lは、アミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換されたC−C60のアルキレン基;アミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換されたC−C60のアリーレン基;またはアミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換された5−7原子の複素環基であり、
前記Mは、アルコール基(−OH)、チオール基(−SH)、リン酸基(−POH)、アミン基(−NHR、−NRR’)、置換または非置換されたポリオレフィン、置換または非置換されたポリビニール、置換または非置換されたポリアクリレート、置換または非置換されたポリチオフェン、置換または非置換されたポリピロール、および置換または非置換されたポリアニリンからなる群から選択され、
前記RおよびR’は、互いに同一または相異し、各々独立して水素、置換または非置換されたC−C60のアルキル基、置換または非置換されたC−C60のアリール基;または置換または非置換された5−7原子の複素環基である。
【0017】
【化8】

前記式において、R〜R、R〜R10、A〜Aは、互いに同一または相異し、各々独立して水素、置換または非置換されたアルキル基、置換または非置換されたアルコキシ基、置換または非置換されたアルケニル基、置換または非置換されたアリール基、置換または非置換されたアリールアミン基、置換または非置換された複素環基、置換または非置換されたシラン基、置換または非置換されたホウ素基、置換または非置換された脂肪族環基、アミン基(−NHR、−NRR’)、ニトリル基(−CN)、ニトロ基(−NO)、ハロゲン基、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エステル基(−COOR)、スルホニル基(−SOR)、スルホキシド基(−SOR)、スルホンアミド基(−SONRR’)、スルホネート基(−SOR)、トリフルオロメチル基(−CF)、および−L−Mからなる群から選択され、これらは互いに隣接する基と芳香族、脂肪族またはヘテロの縮合環を形成することができ、
前記Lは、アミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換されたC−C60のアルキレン基;アミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換されたC−C60のアリーレン基;またはアミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換された5−7原子の複素環基であり、
前記Mは、アルコール基(−OH)、チオール基(−SH)、リン酸基(−POH)、アミン基(−NHR、−NRR’)、置換または非置換されたポリオレフィン、置換または非置換されたポリビニール、置換または非置換されたポリアクリレート、置換または非置換されたポリチオフェン、置換または非置換されたポリピロール、および置換または非置換されたポリアニリンからなる群から選択され、
前記RおよびR’は、互いに同一または相異し、各々独立して水素、置換または非置換されたC−C60のアルキル基、置換または非置換されたC−C60のアリール基;または置換または非置換された5−7原子の複素環基である。
【0018】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0019】
前記化学式1の化合物の立体構造は、下記図のようにA部分とB部分に分けて考えることができる。
【0020】
【化9】

【0021】
A部分は、ピレンがイミダゾール、ピロール、ピラジンと縮合環をなしながら全体的に平面の構造を有する。
【0022】
イミダゾール、ピロール、およびピラジンは、有機発光素子において電子注入および輸送などに多く用いられる置換基であって、電子注入または輸送や発光の役割に重要な影響を及ぼすことが知られている。このような置換基と縮合環をなしているピレン誘導体A部分はn−タイプの性質を有する。ここで、n−タイプの性質とは、一般的にLUMO準位に沿って伝導特性を有して電子形成によるアニオン特性を有する性質を意味する。
【0023】
また、ピレンは、p−タイプの性質を有することが知られているが、このピレンがイミダゾール、ピロール、またはピラジンと縮合されている場合は、ピレン単独で存在する場合とは異なり新しい分子軌道関数をなして、ピレンに比較してさらに強いp−タイプの性質を有するようになる。ここで、p−タイプの性質とは、HOMO準位に沿って伝導特性を有して正孔形成によるカチオン特性を有する性質を意味する。
【0024】
すなわち、化学式1のうちA部分は、ピレンとイミダゾール、ピロールまたはピラジンが縮合されて、既に知られているピレンとは異なり両性的性質を有するようになる。本発明者らはこのような性質によって、前記化学式1の物質が有機発光素子をはじめとする有機電子素子において正孔輸送、発光、電子注入、および電子輸送の役割を全てすることができるようにするという事実を明らかにした。まだ上記のような構造のピレン誘導体が有機電子素子において前述した機能を全て行うことができるという事実は知られていない。
【0025】
特に、B部分にベンゼン以上の置換基が導入されれば、化学式1のうちA部分とB部分は少しねじ曲がった立体構造を有するようになる。化学式1の化合物が前記の通りにねじ曲がった三次元構造を有する場合、化合物構造内のpi−pi相互作用が減少して、ピレンのように扁平な構造を有する物質が示す励起されたエキシマ(excimer)や励起されたエキシプレックス(exciplex)の形成を抑制する効果を有することができる。
【0026】
化学式1において、A部分が両性的性質を有するため、B部分に多様な置換基を導入することによって全体的な分子の性質をよりn−タイプに、あるいは、よりp−タイプに強くすることができる。また、化学式1のうちA部分内の置換基であるR〜Rの位置に多様な置換基を導入することによって多様なエネルギーバンドギャップを有する化合物を合成することができる。したがって、前記化学式1の化合物は、多様な置換基によって、正孔輸送層、発光層、電子注入、および輸送層から要求される条件をより一層充足させる化合物になり得る。本発明では、前記化学式1の化合物の置換基に応じて適切なエネルギー準位を有する化合物を選択して有機発光素子に用いることによって、駆動電圧が低く光効率が高い素子を実現することができる。
【0027】
前記化学式1および2の置換基を詳細に説明すれば次の通りである。
【0028】
前記化学式1および2のRがアルキル基、R〜R10がアルキル基、アルコキシ基、アルケニル基である場合、炭素数は1〜20であることが好ましい。
【0029】
前記化学式1および2のR〜R10のうちアリール基の例には、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、テトラセニル基、ペンタセニル基、ビフェニル基、テルフェニル基、ピレニル基、ペリレニル基、コロネニル基などがあるが、これらだけに限定されることはない。
【0030】
前記化学式1および2のR〜R10のうちアリールアミン基の例には、ジフェニルアミン基、フェニルナフチルアミン基、ジトリルアミン基、フェニルトリルアミン基、カルバゾリル基、トリフェニルアミン基などがあるが、これらだけに限定されることはない。
【0031】
前記化学式1および2のR〜R10のうち複素環基の例には、ピリジル基、アクリジル基、チエニル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、またはキノリル基などがあるが、これらだけに限定されることはない。
【0032】
前記化学式1および2のR〜R10のうちハロゲン基の例には、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素がある。
【0033】
前記化学式1および2のR〜R10のうちシラン基の例には、シロール基(silole)、シリレン基(silylene)などがあるが、これらだけに限定されることはない。
【0034】
前記化学式1および2のR〜R10のうちハロゲン基の例には、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素がある。
【0035】
前記化学式1および2のR〜R10の置換基が他の置換基を有する場合、これら置換基は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アリール基、アリールアミン基、複素環基、シラン基、ホウ素基、脂肪族環式基、アミン基、ニトリル基、ニトロ基、ハロゲン基、アミド基、エステル基、およびエーテル基からなる群から選択され、これら置換基の種類によって本発明の化合物の前述した物性は変わらない。
【0036】
前記化学式1または化学式2の好ましい例として、本発明では前述した化学式3〜8の新規な構造の化合物を提供する。
【0037】
本発明に係る化学式3で表示される化合物のより具体的な例としては、下記のような化合物があるが、これらだけに限定されることはない。
【0038】
【化10A】

【化10B】

【化10C】

【化10D】

【化10E】

【化10F】

【化10G】

【0039】
本発明に係る化学式4で表示される化合物のより具体的な例としては、下記のような化合物があるが、これらだけに限定されることはない。
【0040】
【化11】

【0041】
本発明に係る化学式5で表示される化合物のより具体的な例としては、下記のような化合物があるが、これらだけに限定されることはない。
【0042】
【化12A】

【化12B】

【化12C】

【化12D】

【0043】
本発明に係る化学式6で表示される化合物のより具体的な例としては、下記のような化合物があるが、これらだけに限定されることはない。
【化13A】

【化13B】

【0044】
本発明に係る化学式7で表示される化合物のより具体的な例としては、下記のような化合物があるが、これらだけに限定されることはない。
【0045】
【化14A】

【化14B】

【化14C】

【化14D】

【化14E】

【0046】
前記化学式で、xは2〜10000000で、R11およびR12は各々独立して置換または非置換されたC−C60のアルキルまたは置換または非置換されたC−C60のアリールである。
【0047】
本発明に係る化学式8で表示される化合物のより具体的な例としては、下記のような化合物があるが、これらだけに限定されることはない。
【0048】
【化15】

【0049】
前述した本発明に係る化合物は下記のように製造される。
【0050】
前記化合物は、ピレンを酸化させて、ピレン−4,5−ジオン(Pyrene−4,5−diones)またはピレン−4,5,9,10−テトラオンを製造した後、これを酸条件下で導入しようとする置換基のアルデヒドおよびアミンと還流攪拌してイミダゾール系統の化合物を製造することができる。また、ピレン−4,5−ジオン(Pyrene−4,5−diones)またはピレン−4,5,9,10−テトラオンにジアミンを添加して酸条件下で還流攪拌すればピラジン系統の化合物を得ることができる。また、ピレンアルデヒドを用いてピロール系統の化合物を得ることができ、製造された化合物のアミン基に適当なアリルハライドを導入することができる。
【0051】
本発明の有機電子素子は、前述した化合物を用いて1層以上の有機物層を形成することを除いては、通常の有機電子素子の製造方法および材料によって製造される。以下では有機発光素子について例示する。
【0052】
本発明の1つの実施態様において、有機発光素子は第1電極と第2電極およびこの間に配置された有機物層を含む構造からなり、前述した本発明に係る化合物を有機発光素子の有機物層のうち1層以上に用いるということを除いては、通常の有機発光素子の製造方法および材料を用いて製造される。本発明に係る有機発光素子の構造は図1に示されている。
【0053】
例えば、本発明に係る有機発光素子はスパッタリングや電子ビーム蒸発(e−beam evaporation)のようなPVD(physical vapor deposition)方法を用いて、基板上に金属または伝導性を有する金属酸化物またはこれらの合金を蒸着させて陽極を形成し、その上に正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層を含む有機物層を形成した後、その上に陰極として使用できる物質を蒸着させることによって製造される。このような方法の他、基板上に陰極物質から有機物層、陽極物質を順に蒸着させて有機発光素子を作ることもできる(国際特許出願公開第2003/012890号参照)。
【0054】
前記有機物層は、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、および電子輸送層などを含む多層構造であり得るが、これに限定されず1層構造でもあり得る。また、前記有機物層は、多様な高分子素材を用いて、蒸着法ではなく溶媒使用工程(solvent process)、例えばスピンコーティング、ディップコーティング、ドクターブレード、スクリーン印刷、インクジェット印刷、または熱転写法などの方法によって、さらに少ない数の層に製造することができる。
【0055】
前記陽極物質では、通常、有機物層に正孔注入が円滑になされるように仕事関数が大きい物質が好ましい。本発明で用いられる陽極物質の具体的な例としては、バナジウム、クロム、銅、亜鉛、金のような金属またはこれらの合金;亜鉛酸化物、インジウム酸化物、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)のような金属酸化物;ZnO:AlまたはSnO:Sbのような金属と酸化物の組合せ;ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ[3,4−(エチレン−1,2−ジオキシ)チオフェン](PEDT)、ポリピロールおよびポリアニリンのような伝導性高分子などがあるが、これらだけに限定されることはない。
【0056】
前記陰極物質としては、通常、有機物層に電子注入が容易になるように仕事関数が小さい物質であることが好ましい。陰極物質の具体的な例としては、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウム、チタニウム、インジウム、イットリウム、リチウム、ガドリニウム、アルミニウム、銀、スズ、および鉛のような金属またはこれらの合金;LiF/AlまたはLiO/Alのような多層構造物質などがあるが、これらだけに限定されることはない。
【0057】
正孔注入物質は、低い電圧で陽極から正孔がよく注入される物質であって、正孔注入物質のHOMO(highest occupied molecular orbital)が陽極物質の仕事関数と周辺の有機物層のHOMOとの間であることが好ましい。正孔注入物質の具体的な例としては、金属ポルフィリン、オリゴチオフェン、アリールアミン系列の有機物、ヘキサニトリルヘキサアザトリフェニレン、キナクリドン系列の有機物、ペリレン系列の有機物、アントラキノンおよびポリアニリンとポリチオフェン系列の伝導性高分子などがあるが、これらだけに限定されることはない。
【0058】
正孔輸送物質は、陽極や正孔注入層から正孔を輸送して発光層に移す物質であって、正孔に対する移動性が大きい物質が適している。具体的な例としては、アリールアミン系列の有機物、伝導性高分子、および共役部分と非共役部分が共にあるブロック共重合体などがあるが、これらだけに限定されることはない。
【0059】
発光物質は、正孔輸送層と電子輸送層から正孔と電子が各々輸送されて結合させることによって可視光線領域の光を出す物質であって、蛍光や燐光に対する量子効率が良い物質が好ましい。具体的な例としては、8−ヒドロキシ−キノリンアルミニウム錯体(Alq);カルバゾル系列化合物;二量体化スチリル(dimerized styryl)化合物;BAlq;10−ヒドロキシベンゾキノリン−金属化合物;ベンゾキサゾール、ベンズチアゾールおよびベンズイミダゾール系列の化合物;ポリ(p−フェニレンビニレン)(PPV)系列の高分子;スピロ化合物;ポリフルオレン、ルブレンなどがあるが、これらだけに限定されることはない。
【0060】
電子輸送物質は、陰極から電子がよく注入されて発光層に移す物質であって、電子に対する移動性が大きい物質が適している。具体的な例としては、8−ヒドロキシキノリンのAl錯体;Alqを含む錯体;有機ラジカル化合物;ヒドロキシフラボン−金属錯体などがあるが、これらだけに限定されることはない。
【0061】
本発明に係る有機発光素子は用いられる材料によって、前面発光型、後面発光型、または両面発光型であり得る。
【0062】
本発明に係る化合物は、有機太陽電池、有機感光体、有機トランジスタなどをはじめとする有機電子素子においても有機発光素子に適用されることと類似の原理にしたがって機能することができる。
【発明の効果】
【0063】
本発明に係る特定構造のピレン誘導体は、有機電子素子において、電子または正孔の注入および/または輸送の役割だけでなく、発光の役割、例えば単独発光物質として、適切なホストと共に発光ドーパントとして、または適切なドーパントと共に青色発光ホストとしての役割をすることができる基本構造を有するものであって、多様な置換基を導入することによって有機発光素子をはじめとする有機電子素子の各有機物層の役割により適する化合物の構造を有することができる。また、本発明に係る特定構造のピレン誘導体を有機電子素子に適用する場合、素子の効率、駆動電圧、安定性面で優れた効果を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】図1は、本発明の1つの実施態様に伴う有機発光素子の構造を例示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0065】
[実施例]
以下、製造例および実験例を介して本発明をより詳細に説明するが、本発明は、下記製造例および実験例によって本発明の範囲は限定されない。
【0066】
合成例1.化学式3−3の合成
【化16】

【0067】
〔1−1.化合物Aの合成〕
ピレン(10.0g、49.3mmol)、タングステン酸(HWO、510mg、2.05mmol)、Aliquat 336(0.8mL、1.95mmol)、リン酸(HPO、85%、0.058mL)をクロロベンゼン(30mL)に入れて攪拌させた。この溶液に過酸化水素(H、28%、56mL)をゆっくり滴下して加えて、6時間加熱した。得られた溶液を0℃で冷却した後、沈殿物を濾過して分離した。沈殿物を1.25M水酸化ナトリウム(NaOH、700mL)に溶かした後、ここに活性炭(activated charcoal)を入れて脱色した。酢酸で中性化し、生成された固体を減圧濾過した後、真空乾燥させて前記化合物A(12g、91%)を得た。MS:[M+H]=267
【0068】
〔1−2.化合物Bの合成〕
化合物A(10g、37.6mmol)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO、16.4g、194mmol)をジメチルホルムアミド(DMF、200mL)に溶かして、ヨウ化メチル(MeI、30mL)を添加した後、室温で20時間攪拌した。反応物をエチルアセテートで希釈して水で洗った。続いて、無水硫酸マグネシウム(MgSO)で水分を除去して、減圧下で溶媒を除去した。得られた化合物をヘキサン/エチルアセテート(4:1)溶媒を用いてシリカゲルカラムを通過させた後、溶媒を減圧下で除去して真空乾燥させて、固体の前記化合物B(10.3g、88%)を得た。MS:[M+H]=295
【0069】
〔1−3.化合物Cの合成〕
ナトリウム(Na、1.9g、79mmol)、化合物B(6g、20.4mmol)およびテトラヒドロフラン(THF、150mL)を窒素下で6時間加熱した。反応しなかったナトリウムをMeOHおよびHOで用心深く除去した。続いて、反応物をエチルアセテートで希釈して水で洗った後、無水硫酸マグネシウム(MgSO)で水分を除去して、減圧下で溶媒を除去した。得られた化合物をヘキサン/エチルアセテート(4:1)溶媒を用いてシリカゲルカラムを通過させた後、溶媒を減圧下で除去して真空乾燥させ、所望する固体の前記化合物C(4.5g、95%)を得た。MS:[M+H]=233
【0070】
〔1−4.化合物D(化学式3−3)の合成〕
化合物C(1g、4.3mmol)、アニリン(2g、21.5mmol)、2−ナフタルアルデヒド(0.672g、4.3mmol)、アンモニウムアセテート(0.497g、6.45mmol)、およびトルエン10mLと酢酸10mLを4時間加熱した。室温に降温してから形成された固体を濾過し、濾過物をエタノールと水で洗った後、濾過して、化学式3−3で表示される化合物D(1.34g、収率70%)を得た。MS[M+H]=445。1H NMR(300MHz、DMSO−d):7.29−7.34(m、5H)、7.54(d、1H)、7.65−7.73(m、5H)、7.80−7.89(m、5H)、8.12(d、2H)
【0071】
〔合成例2.化学式3−4の合成〕
化合物C(1g、4.3mmol)、アニリン(2g、21.5mmol)、1−ピレンカルボキシアルデヒド(0.991g、4.3mmol)、アンモニウムアセテート(0.497g、6.45mmol)、およびトルエン10mLと、酢酸10mLを4時間加熱した。室温に降温して形成された固体を濾過して、エタノールと水で洗浄した後、化学式3−4で表示される化合物(1.45g、収率65%)を得た。MS[M+H]=519。1H NMR(300MHz、DMSO−d):7.28−7.32(m、5H)、7.68−7.73(m、6H)、7.88−7.82(m、6H)、8.04−8.18(m、5H)
【0072】
〔合成例3.化学式3−10の合成〕
化合物C(1g、4.3mmol)、アニリン(2g、21.5mmol)、テレフタルアルデヒド(0.289g、2.2mmol)、アンモニウムアセテート(0.497g、6.45mmol)、およびトルエン10mLと、酢酸10mLを4時間加熱した。室温に降温して形成された固体を濾過して、エタノールと水で洗浄した後、化学式3−10で表示される化合物(0.92g、収率60%)を得た。MS[M+H]=711。1H NMR(300MHz、DMSO−d):7.0−7.08(m、4H)、7.28−7.32(m、7H)、7.4(d、2H)、7.5−7.53(m、4H)、7.68−7.73(m、2H)、7.88−7.82(m、4H)、8.08−8.12(m、2H)
【0073】
〔合成例4.化学式4−1の合成〕
化合物C(2.32g、10mmol)、ジアミノマレオニトリル(1.08g、10mmol)、および酢酸10mLを一晩中加熱した。室温に降温して形成された固体を濾過して、エタノールと水で洗浄して、化学式4−1で表示される化合物(2.43g、収率80%)を得た。MS[M+H]=306。
【0074】
〔合成例5.化学式5−21の合成〕
【化17】

【0075】
〔5−1.化合物Eの合成〕
ピレン(8.0g、40.0mmol)を塩化t−ブチル(t−BuCl)200mLに溶かした後、塩化アルミニウム(AlCl、8.0g、60.0mmol)を0℃で添加した。室温で3時間攪拌させた後、この溶液を氷水に注いで反応を終了させた。塩化メチレン(CHCl)で抽出して、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮してヘキサンでカラムを通して無色の固体化合物E(10.0g、86%)を得た。MS:[M+H]=315
【0076】
〔5−2.化合物Fの合成〕
化合物E(10.0g、32.0mmol)を塩化メチレン(CHCl)300mLに溶かして−5℃で塩化アルミニウム(AlCl、8.0g、60.0mmol)を添加した後、塩化アセチル(CHCOCl、5g、64mmol)を加えた。室温で12時間攪拌させた後、この溶液を氷水に注いで反応を終了させた。塩化メチレン(CHCl)で抽出して、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮してヘキサン:ベンゼン=1:1でカラムを通して化合物F(4.4g、40%)を得た。MS:[M+H]=357
【0077】
〔5−3.化合物Gの合成〕
蒸溜水35mLを70℃に維持した後、次亜塩素酸カルシウム(Ca(OCl)、18g、12.5mmol)を入れて、60mL蒸溜水に水酸化カリウム(KOH、3.7g、66mmol)と炭酸カリウム(KCO、13g、94mmol)を溶かした混合溶液を加えた。このように作られた次亜塩素酸カリウム(KOCl)溶液に化合物F(6.4g、18mmol)を90mLジオキサン(dioxane)に溶かして添加した。この混合溶液を1時間攪拌還流させた後、室温まで温度を下げた。蒸溜水(50mL)と塩化メチレン(50mL)を添加して層分離させた後、有機層を除去して残った水層に10%塩酸溶液を入れてpH1に酸性化させた。生成した固体を濾過して水で洗った後、乾燥して化合物G(4.5g、72%)を得た。MS:[M+H]=359
【0078】
〔5−4.化合物Hの合成〕
化合物G(4.4g、12.4mmol)を500mLメタノールに溶かして、5mL硫酸を添加した。12時間攪拌還流させた後、室温に降温してクロロホルムと蒸溜水を入れて層分離させた。水層を除去して、有機層を無水硫酸ナトリウム(NaSO)で水分を除去して、減圧下で溶媒を除去した。得られた化合物をヘキサン/ベンゼン(1:1)溶媒を用いてシリカゲルカラムを通過させた後、溶媒を減圧下で除去して真空乾燥させて所望する化合物(4.16g、90%)を得た。MS:[M+H]=373
得られた化合物(4.16g、11.2mmol)をテトラヒドロフラン(THF)100mLに溶かして、LiAlH(1.37g、36mmol)を加えた。室温で3時間攪拌した後、温度を0℃まで下げて、少量のエチルアセテート(CHCOCHCH)を添加して残ったLiAlHを除去した。この溶液を氷水に注いで反応を終了させた後、塩化メチレン(CHCl)で抽出して、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮して、クロロホルムで再結晶してアルコール形態の化合物(3.3g、83%)を得た。MS:[M+H]=345
得られたアルコール形態の化合物(3.3g、9.6mmol)を300mL塩化メチレンに溶かしてMnO(1.7g、20mmol)を添加した。室温で3時間攪拌した後、セライトを通して濾過し、減圧下で溶媒を除去した。得られた化合物をエチルアセテート/ヘキサン(1:3)溶媒を用いてシリカゲルカラムを通過させた後、溶媒を減圧下で除去して真空乾燥して、所望する化合物H(2.7g、82%)を得た。MS:[M+H]=343
【0079】
〔5−5.化合物Iの合成〕
ナトリウムメトキシド(NaOMe、2.16g、40mmol)を30mLメタノールに加えて−15℃に維持した。この溶液に、化合物H(3.4g、10mmol)とメチルアジドアセテート(NCHCOCH、4.6g、40mmol)をTHF40mLに溶かした溶液を添加した。−15℃に維持した状態で3時間攪拌した後、0℃で3時間攪拌した。この混合溶液を氷水に注ぎ、10分間攪拌した後、生成した固体を濾過して水で洗った後乾燥して、化合物I(3.82g、87%)を得た。MS:[M+H]=440
【0080】
〔5−6.化合物Jの合成〕
化合物I(3.5g、8mmol)をトルエン200mLに溶かした後、3時間攪拌還流した。窒素がこれ以上出ない時点から1時間さらに攪拌還流した後、温度を室温に降温した。生成した固体を濾過して乾燥して、化合物J(1.48g、45%)を得た。MS:[M+H]=412
【0081】
〔5−7.化合物Kの合成〕
化合物J(1.2g、3mmol)をテトラヒドロフラン(THF)100mLと蒸溜水30mLに分散させ、KOH(449mg、8mmol)を加えた後、2時間攪拌還流した。室温に降温した後、THFを減圧下で除去して、残った溶液を6N HClで酸性化させた。生成した固体を濾過して蒸溜水で洗った後、乾燥して酸形態の化合物(1.1g、97%)を得た。MS:[M+H]=398
得られた酸形態の化合物(1.1g、2.9mmol)とCu粉末(135mg)をキノリン15mLに分散させ、2時間220℃で加熱した。室温に降温した後、Cu粉末を濾過して除去した。残った濾液を氷水に注ぎ、2N HClを用いてpH4にした。塩化メチレンで抽出して無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮し、エチルアセテート:ヘキサン=1:4でカラムを通し、化合物K(950mg、92%)を得た。MS:[M+H]=354
【0082】
〔5−8.化合物Lの合成〕
化合物K(710mg、2.0mmol)、ブロモベンゼン(0.31g、2mmol)、t−BuONa(0.77g、8mmol)、Pd(dba)(23mg、0.02mol%)およびP(t−Bu)(10mg、0.02mol%)をトルエン40mLに溶かした後、1時間攪拌還流させた。室温にまで温度を低くした後、蒸溜水と塩化メチレンを入れて層分離させた。水層を除去して有機層だけを取って、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後濾過し、減圧下で溶媒を除去した。得られた化合物をテトラヒドロフラン/ヘキサン(1:3)溶媒を用いてシリカゲルカラムを通過させた後、溶媒を減圧下で除去して真空乾燥させ、所望する化合物L(600mg、70%)を得た。MS:[M+H]=430
【0083】
〔5−9.化合物M(化学式5−21)の合成〕
化合物L(4.30g、10.0mmol)をTHF100mLに溶かしてアルゴンの雰囲気で温度を−78℃に維持した。この溶液に1.6 M t−BuLi(7mL、11.0mmol)をゆっくり加えて−78℃で3時間攪拌した。温度を維持した状態でヨウ素(iodine、I、3.1g、12.0mmol)をゆっくり加えて、−78℃で2時間攪拌した。室温までに温度を上げて、氷水に注いで生成した固体を濾過し、この固体をテトラヒドロフラン/ヘキサン(1:2)溶媒を用いてシリカゲルカラムを通過させた後、溶媒を減圧下で除去して真空乾燥させ、所望する化合物(4.8g、87%)を得た。MS:[M+H]=556
前記によって得られた化合物(555mg、1.0mmol)、1−ナフチルボロン酸(172mg、1.0mmol)および炭酸ナトリウム(234mg、22.1mmol)をTHF(20mL)、エタノール(3mL)および水(10mL)の混合物に懸濁させた。前記懸濁液にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(25mg、0.022mmol)を加えた。前記混合物を約24時間還流して攪拌した後、還流させた混合物を室温に冷却した。有機層を分離して水で洗浄した後、水溶液層をクロロホルムで抽出した。有機抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥して真空内で濃縮させた後、コラム精製して、化合物M(440mg、80%)を得た。MS[M+H]=556
【0084】
〔合成例6.化学式6−2の合成〕
【化18】

【0085】
〔6−1.化合物Nの合成〕
ピレン(2g、10mmol)、過ヨウ素酸ナトリウム(NaIO、17.5g、81.8mmol)、三塩化ルテニウム(RuCl・xHO、0.25g、1.2mmol)、アセトニトリル(MeCN、40mL)、塩化メチレン(CHCl、40mL)および蒸溜水(HO、50.0mL)を30〜40℃で一晩中攪拌させた。常温に冷却した後、蒸溜水200mLに生成物を加えて、生成した沈殿物を減圧濾過して除去した。濾液を塩化メチレン(CHCl)で抽出して、無水硫酸マグネシウム(MgSO)で水分を除去した後、減圧下で溶媒を除去した。塩化メチレン溶媒を用いてシリカゲルカラムを通過させて化合物を得た後、溶媒を減圧下で除去して真空乾燥させ、所望する固体の前記化合物N(0.940g、36%)を得た。MS:[M+H]=263
【0086】
〔6−2.化合物O(化学式6−2)の合成〕
化合物N(0.53g、2mmol)、アニリン(2g、21.5mmol)、1−ナフタルアルデヒド(0.672g、4.3mmol)、アンモニウムアセテート(0.497g、6.45mmol)、およびトルエン10mLと酢酸10mLを12時間加熱した。室温に降温した後、形成された固体を濾過し、濾過物をエタノールと水で洗った後、濾過して、化学式6−2で表示される化合物O(0.75g、収率55%)を得た。MS[M+H]=686。
【0087】
〔合成例7.化学式7−1の合成〕
【化19】

化合物N(2.62g、10mmol)、ジアミノマレオニトリル(2.16g、20mmol)および酢酸10mLを一晩中加熱した。室温に降温して形成された固体を濾過し、エタノールと水で洗浄して、化学式7−1で表示される化合物P(化学式7−1)(2.84g、収率70%)を得た。MS[M+H]=408。
【0088】
〔合成例8.化学式7−20の合成〕
【化20】

【0089】
〔8−1.化合物Qの合成〕
化合物E(3.15g、10mmol)、過ヨウ素酸ナトリウム(NaIO、17.5g、81.8mmol)、三塩化ルテニウム(RuCl・xHO、0.25g、1.2mmol)、アセトニトリル(MeCN、40mL)、塩化メチレン(CHCl、40mL)および蒸溜水(HO、50.0mL)を30〜40℃で一晩中攪拌させた。常温に冷却した後、蒸溜水200mLに生成物を加えて、生成された沈殿物を減圧濾過して除去した。濾液を塩化メチレン(CHCl)で抽出して無水硫酸マグネシウム(MgSO)で水分を除去した後、減圧下で溶媒を除去した。塩化メチレン溶媒を用いてシリカゲルコラムを通過させて化合物を得た後、溶媒を減圧下で除去して真空乾燥させ、所望する固体の前記化合物Q(1.5g、40%)を得た。MS:[M+H]=376
【0090】
〔8−2.化合物R(化学式7−20)の合成〕
化合物Q(3.76g、10mmol)、ジアミノマレオニトリル(2.16g、20mmol)および酢酸10mLを一晩中加熱した。室温に降温して形成された固体を濾過し、エタノールと水で洗浄して、化学式7−20で表示される化合物R(3.63g、収率70%)を得た。MS[M+H]=519。
【0091】
〔合成例9.化学式8−4の合成〕
【化21】

【0092】
〔9−1.化合物Sの合成〕
化合物E(10.0g、32.0mmol)を塩化メチレン(CHCl)300mLに溶かして−5℃で塩化アルミニウム(AlCl、4.0g、30.0mmol)を添加した後、塩化アセチル(CHCOCl、25g、320mmol)を加えた。室温で12時間攪拌させた後、この溶液を氷水に注いで反応を終了させた。塩化メチレン(CHCl)で抽出して、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮させてヘキサン:ベンゼン=1:1でコラムして、化合物S(9.5g、75%)を得た。MS:[M+H]=399
【0093】
〔9−2.化合物Tの合成〕
蒸溜水35mLを70℃に維持した後、次亜塩素酸カルシウム(Ca(OCl)、18g、12.5mmol)を入れて、60mL蒸溜水に水酸化カリウム(KOH、3.7g、66mmol)と炭酸カリウム(KCO、13g、94mmol)を溶かした混合溶液を加えた。このように作られた次亜塩素酸カリウム(KOCl)溶液に化合物S(7.0g、18mmol)を90mLジオキサン(dioxane)に溶かして添加した。この混合溶液を1時間攪拌還流させた後、室温にまで温度を低くした。蒸溜水(50mL)と塩化メチレン(50mL)を添加して層分離させた後、有機層を除去して残った水層に10%塩酸溶液を入れてpH1に酸性化させた。生成した固体を濾過して水で洗った後、乾燥して化合物T(5.1g、72%)を得た。MS:[M+H]=403
【0094】
〔9−3.化合物Uの合成〕
化合物T(5.0g、12.4mmol)を500mLメタノールに溶かして、5mL硫酸を添加した。12時間攪拌還流させた後、室温に降温した後、クロロホルムと蒸溜水を入れて層分離させた。水層を除去して、有機層を無水硫酸ナトリウム(NaSO)で水分を除去して、減圧下で溶媒を除去した。得られた化合物をヘキサン/ベンゼン(1:1)溶媒を用いてシリカゲルカラムを通過させた後、溶媒を減圧下で除去して真空乾燥させ、所望する化合物(4.8g、90%)を得た。MS:[M+H]=431
得られた化合物(5.0g、11.6mmol)をテトラヒドロフラン(THF)100mLに溶かして、LiAlH(1.37g、36mmol)を加えた。室温で3時間攪拌した後、温度を0℃に下げて、少量のエチルアセテート(CHCOCHCH)を添加して残ったLiAlHを除去した。この溶液を氷水に注いで反応を終了させた後、塩化メチレン(CHCl)で抽出して、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮し、クロロホルムで再結晶して、アルコール形態の(3.6g、83%)を得た。MS:[M+H]=375
得られたアルコール形態の化合物(1.87g、5mmol)を300mL塩化メチレンに溶かしてMnO(1.7g、20mmol)を添加した。室温で3時間攪拌した後、セリットに通過させて濾過し、減圧下で溶媒を除去した。得られた化合物をエチルアセテート/ヘキサン(1:3)溶媒を用いてシリカゲルコラムを通過させた後、溶媒を減圧下で除去して真空乾燥させ、所望する化合物U(1.5g、82%)を得た。MS:[M+H]=371
【0095】
〔9−4.化合物Vの合成〕
ナトリウムメトキシド(NaOMe、2.16g、40mmol)を30mLメタノールに加えて−15℃に維持した。この溶液に、化合物U(1.85g、5mmol)とメチルアジドアセテート(NCHCOCH、4.6g、40mmol)をTHF40mLに溶かした溶液を添加した。−15℃に維持した状態で3時間攪拌した後、0℃で3時間攪拌した。この混合溶液を氷水に注ぎ、10分間攪拌した後、生成した固体を濾過して水で洗った後、乾燥して化合物V(2.45g、87%)を得た。MS:[M+H]=565
【0096】
〔9−5.化合物Wの合成〕
化合物V(4.5g、8mmol)をトルエン300mLに溶かした後、3時間攪拌還流した。窒素がこれ以上出ない時点から1時間さらに攪拌還流した後、温度を室温に降温した。生成した固体を濾過して、乾燥して化合物W(1.62g、40%)を得た。MS:[M+H]=509
【0097】
〔9−6.化合物Xの合成〕
化合物W(1.52g、3mmol)をテトラヒドロフラン(THF)100mLと蒸溜水30mLに分散させ、KOH(900mg、16mmol)を加えた後6時間攪拌還流した。室温に降温した後、THFを減圧して除去して、残った溶液を6N HClで酸性化させた。生成した固体を濾過して蒸溜水で洗った後、乾燥して酸形態の化合物(1.4g、97%)を得た。MS:[M+H]=481
得られた酸形態の化合物(1.4g、2.9mmol)とCu粉末(300mg)をキノリン30mLに分散させ、2時間220℃で加熱した。室温に降温した後、Cu粉末を濾過して除去した。残った濾液を氷水に注ぎ、2N HClを用いてpH4にした。塩化メチレンで抽出して無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮して、エチルアセテート:ヘキサン=1:2でカラムを通して化合物X(1.05g、92%)を得た。MS:[M+H]=393
【0098】
〔9−7.化合物Yの合成〕
化合物X(393mg、1.0mmol)、ブロモベンゼン(0.31g、2mmol)、t−BuONa(0.77g、8mmol)、Pd(dba)(23mg、0.02mol%)およびP(t−Bu)(10mg、0.02mol%)をトルエン40mLに溶かした後、3時間攪拌還流させた。室温にまで温度を低くした後、蒸溜水と塩化メチレンを入れて層分離させた。水層を除去して有機層だけを取って、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濾過して、減圧下で溶媒を除去した。得られた化合物をテトラヒドロフラン/ヘキサン(1:2)溶媒を用いてシリカゲルカラムを通過させた後、溶媒を減圧下で除去して真空乾燥させ、所望する化合物Y(327mg、60%)を得た。MS:[M+H]=545
【0099】
〔9−8.化合物Z(化学式8−4)の合成〕
化合物Y(2.7g、5.0mmol)をTHF100mLに溶かしてアルゴンの雰囲気で温度を−78℃に維持した。この溶液に1.6 M t−BuLi(7mL、11.0mmol)をゆっくり加えて−78℃で3時間攪拌した。温度を維持した状態でヨウ素(iodine、I、3.1g、12.0mmol)をゆっくり加えて、−78℃で2時間攪拌した。室温にまで温度を上げて、氷水に注いで生成した固体を濾過し、この固体をテトラヒドロフラン/ヘキサン(1:1)溶媒を用いてシリカゲルカラムを通過させた後、溶媒を減圧下で除去して真空乾燥させ、所望する化合物(2.78g、70%)を得た。MS:[M+H]=797
前記によって得られた化合物(400mg、0.5mmol)、1−ナフチルボロン酸(172mg、1.0mmol)および炭酸ナトリウム(234mg、22.1mmol)をTHF(20mL)、エタノール(3mL)および水(10mL)の混合物に懸濁させた。前記懸濁液にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(25mg、0.022mmol)を加えた。前記混合物を約24時間還流して攪拌した後、還流させた混合物を室温に冷却した。有機層を分離して水で洗浄した後、水溶液層をクロロホルムで抽出した。有機抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥して真空内で濃縮した後、カラム精製して化合物Z(300mg、75%)を得た。MS[M+H]=798
【0100】
〔実験例1〕
ITO(インジウムスズ酸化物)が1000Åの厚さで薄膜コーティングされたガラス基板(Corning 7059 glass)を分散剤を溶かした蒸溜水に入れて超音波で洗浄した。洗剤はフィッシャー社(Fischer Co.)製を用い、蒸溜水はミリポア社(Millipore Co.)製のフィルタで2回こした蒸留水を使用した。ITOを30分間洗浄した後、蒸溜水で2回繰り返して超音波洗浄を10分間行った。蒸溜水洗浄が終わった後、イソプロピルアルコール、アセトン、メタノール溶剤の順で超音波洗浄をして乾燥させた。
前記ITO電極上にヘキサニトリルヘキサアザトリフェニレン(500Å)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(NPB)(400Å)、前記製造例で製造された化学式3−3の化合物(300Å)および下記化学式の電子輸送物質(200Å)を順次熱真空蒸着して正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層を順に形成させた。
【0101】
【化22】

【0102】
前記電子輸送層上に12Åの厚さのフッ化リチウム(LiF)と2000Åの厚さのアルミニウムを順次蒸着して陰極を形成して、有機発光素子を製造した。
前記の過程で有機物の蒸着速度は0.4〜0.7Å/secを維持し、陰極のフッ化リチウムは0.3Å/sec、アルミニウムは2Å/secの蒸着速度を維持し、蒸着時の真空度は2×10−7〜5×10−8torrを維持した。
前記で製造された有機発光素子に4.5Vの順方向電界を加えた結果、50mA/cmの電流密度で1931 CIE color coordinate基準でx=0.15、y=0.20に該当する青色光が観察され、5.4Vの順方向電界を加えた結果、100mA/cmの電流密度で1.3cd/Aの青色光が観察された。
【0103】
〔実験例2〕
ITO電極上にヘキサニトリルヘキサアザトリフェニレン(500Å)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(NPB)(400Å)、Alq(300Å)および前記製造例で製造された化学式3−3の化合物(200Å)を順次熱真空蒸着して正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層を順に形成し、前記電子輸送層上に12Åの厚さのフッ化リチウム(LiF)と2000Åの厚さのアルミニウムを順次蒸着して陰極を形成したことを除いては実験例1と同一の方法で有機発光素子を製造した。
前記で製造された有機発光素子に6.2Vの順方向電界を加えた結果、50mA/cmの電流密度で1931 CIE color coordinate基準でx=0.34、y=0.56に該当する緑色光が観察され、7.2Vの順方向電界を加えた結果、100mA/cmの電流密度で3.0cd/Aの緑色光が観察された。
【0104】
〔実験例3〕
ITO電極上にヘキサニトリルヘキサアザトリフェニレン(80Å)および下記化学式の正孔注入物質(800Å)で2層の正孔注入層を形成し、その上に前記製造例で製造された化学式3−3の化合物(300Å)を用いて正孔輸送層を形成し、その上にAlq(300Å)および下記化学式の電子輸送物質(200Å)を順次熱真空蒸着して発光層、電子輸送層を形成し、前記電子輸送層上に12Åの厚さのフッ化リチウム(LiF)と2000Åの厚さのアルミニウムを順次蒸着して陰極を形成したことを除いては実験例1と同一の方法で有機発光素子を製造した。
【0105】
【化23】

【0106】
前記で製造された有機発光素子に6.7Vの順方向電界を加えた結果、50mA/cmの電流密度で1931 CIE color coordinate基準でx=0.34、y=0.51に該当する緑色光が観察され、7.7Vの順方向電界を加えた結果、100mA/cmの電流密度で3.9cd/Aの緑色光が観察された。
【0107】
〔実験例4〕
実験例3で各層の厚さを変化させ、ITO電極上にヘキサニトリルヘキサアザトリフェニレン(80Å)、実験例3に記載された化学式の正孔注入物質(1000Å)、化学式3−3の化合物(100Å)を用いて正孔輸送層を形成し、Alq(300Å)および実験例3に記載された化学式の電子輸送物質(200Å)を順次熱真空蒸着して各々発光層、電子輸送層を形成したことを除いては実験例3と同一の方法で有機発光素子を製造した。
前記で製造された有機発光素子に4.8Vの順方向電界を加えた結果、50mA/cmの電流密度で1931 CIE color coordinate基準でx=0.34、y=0.54に該当する緑色光が観察され、5.6Vの順方向電界を加えた結果、100mA/cmの電流密度で4.1cd/Aの緑色光が観察された。
【0108】
〔実験例5〕
ITO電極上に化学式4−1の化合物(80Å)および実験例3に記載された化学式の正孔注入物質(800Å)で2層の正孔注入層を形成し、その上に4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(NPB)(300Å)、Alq(300Å)および実験例3に記載された電子輸送物質(200Å)を順次熱真空蒸着して正孔輸送層、発光層、電子輸送層を順に形成させ、前記電子輸送層上に12Åの厚さのフッ化リチウム(LiF)と2000Åの厚さのアルミニウムを順次蒸着して陰極を形成したことを除いては実験例3と同一の方法で有機発光素子を製造した。
前記で製造された有機発光素子に5.0Vの順方向電界を加えた結果、50mA/cmの電流密度で1931 CIE color coordinate基準でx=0.35、y=0.56に該当する緑色光が観察され、5.7Vの順方向電界を加えた結果、100mA/cmの電流密度で3.0cd/Aの緑色光が観察された。
【0109】
〔実験例6〕
ITO電極上にヘキサニトリルヘキサアザトリフェニレン(80Å)および実験例3に記載された化学式の正孔注入物質(1000Å)で2層の正孔注入層を形成し、その上に前記製造例で製造された化学式5−21の化合物(100Å)を用いて正孔輸送層を形成し、その上にAlq(300Å)および実験例3に記載された化学式の電子輸送物質(200Å)を順次熱真空蒸着して発光層および電子輸送層を形成し、前記電子輸送層上に12Åの厚さのフッ化リチウム(LiF)と2000Åの厚さのアルミニウムを順次蒸着して陰極を形成したことを除いては実験例4と同一の方法で有機発光素子を製造した。
前記で製造された有機発光素子に4.7Vの順方向電界を加えた結果、50mA/cmの電流密度で1931 CIE color coordinate基準でx=0.34、y=0.51に該当する緑色光が観察され、5.9Vの順方向電界を加えた結果、100mA/cmの電流密度で4.3cd/Aの緑色光が観察された。
【0110】
〔実験例7〕
ITO電極上に化学式7−1の化合物(80Å)および実験例3に記載された化学式の正孔注入物質(800Å)で2層の正孔注入層を形成し、その上に4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(NPB)(300Å)、Alq(300Å)および実験例3に記載された電子輸送物質(200Å)を順次熱真空蒸着して正孔輸送層、発光層、電子輸送層を順に形成させ、前記電子輸送層上に12Åの厚さのフッ化リチウム(LiF)と2000Åの厚さのアルミニウムを順次蒸着して陰極を形成したことを除いては実験例3と同一の方法で有機発光素子を製造した。
前記で製造された有機発光素子に4.1Vの順方向電界を加えた結果、50mA/cmの電流密度で1931 CIE color coordinate基準でx=0.34、y=0.56に該当する緑色光が観察され、5.0Vの順方向電界を加えた結果、100mA/cmの電流密度で2.8cd/Aの緑色光が観察された。
【0111】
〔実験例8〕
ITO電極上に化学式7−20の化合物(80Å)および実験例3に記載された化学式の正孔注入物質(800Å)で2層の正孔注入層を形成し、その上に4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(NPB)(300Å)、Alq(300Å)および実験例3に記載された電子輸送物質(200Å)を順次熱真空蒸着して正孔輸送層、発光層、電子輸送層を順に形成させ、前記電子輸送層上に12Åの厚さのフッ化リチウム(LiF)と2000Åの厚さのアルミニウムを順次蒸着して陰極を形成したことを除いては実験例3と同一の方法で有機発光素子を製造した。
前記で製造された有機発光素子に4.7Vの順方向電界を加えた結果、50mA/cmの電流密度で1931 CIE color coordinate基準でx=0.34、y=0.56に該当する緑色光が観察され、5.6Vの順方向電界を加えた結果、100mA/cmの電流密度で3.1cd/Aの緑色光が観察された。
【0112】
〔実験例9〕
前記ITO電極上にヘキサニトリルヘキサアザトリフェニレン(500Å)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(NPB)(400Å)、前記製造例で製造された化学式8−4の化合物(300Å)および下記化学式の電子輸送物質(200Å)を順次熱真空蒸着して正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層を順に形成させ、前記電子輸送層上に12Åの厚さのフッ化リチウム(LiF)と2000Åの厚さのアルミニウムを順次蒸着して陰極を形成したことを除いては実験例1と同一の方法で有機発光素子を製造した。
前記で製造された有機発光素子に4.5Vの順方向電界を加えた結果、50mA/cmの電流密度で1931 CIE color coordinate基準でx=0.16、y=0.22に該当する青色光が観察され、5.7Vの順方向電界を加えた結果、100mA/cmの電流密度で2.1cd/Aの青色光が観察された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極、第2電極、および第1電極と第2電極との間に配置された1層以上の有機物層を含む有機発光素子であって、前記有機物層のうち1層以上は下記化学式1の化合物を含む有機発光素子:
【化1】

前記式において、
nは、1または2であり、
Xは、CHまたはNであり、
Yは、n=1である時にNRで、n=2である時にNであり、ここでRは水素、置換または非置換されたアルキル基、および置換または非置換されたアリール基からなる群から選択され、
〜Rは、互いに同一または相異し、各々独立して水素、置換または非置換されたアルキル基、置換または非置換されたアルコキシ基、置換または非置換されたアルケニル基、置換または非置換されたアリール基、置換または非置換されたアリールアミン基、置換または非置換された複素環基、置換または非置換されたシラン基、置換または非置換されたホウ素基、置換または非置換された脂肪族環基、アミン基(−NHR、−NRR’)、ニトリル基(−CN)、ニトロ基(−NO)、ハロゲン基、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エステル基(−COOR)、スルホニル基(−SOR)、スルホキシド基(−SOR)、スルホンアミド基(−SONRR’)、スルホネート基(−SOR)、トリフルオロメチル基(−CF)、および−L−Mからなる群から選択され、これらは互いに隣接する基と芳香族、脂肪族またはヘテロの縮合環を形成することができ、
前記Lは、アミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換されたC−C60のアルキレン基;アミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換されたC−C60のアリーレン基;またはアミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換された5−7原子の複素環基であり、
前記Mは、アルコール基(−OH)、チオール基(−SH)、リン酸基(−POH)、アミン基(−NHR、−NRR’)、置換または非置換されたポリオレフィン、置換または非置換されたポリビニール、置換または非置換されたポリアクリレート、置換または非置換されたポリチオフェン、置換または非置換されたポリピロール、および置換または非置換されたポリアニリンからなる群から選択され、
前記RおよびR’は、互いに同一または相異し、各々独立して水素、置換または非置換されたC−C60のアルキル基、置換または非置換されたC−C60のアリール基;または置換または非置換された5−7原子の複素環基である。
【請求項2】
前記化学式1の化合物が、下記化学式2の化合物である請求項1に記載の有機発光素子:
【化2】

前記式において、
mおよびnは、各々1または2であり、
およびXは、各々独立してCHまたはNであり、
およびYは、各々独立してn=1である時にNRで、n=2である時にNであり、ここでRは水素、置換または非置換されたアルキル基、および置換または非置換されたアリール基からなる群から選択され、
〜RおよびR〜R10は、互いに同一または相異し、各々独立して水素、置換または非置換されたアルキル基、置換または非置換されたアルコキシ基、置換または非置換されたアルケニル基、置換または非置換されたアリール基、置換または非置換されたアリールアミン基、置換または非置換された複素環基、置換または非置換されたシラン基、置換または非置換されたホウ素基、置換または非置換された脂肪族環基、アミン基(−NHR、−NRR’)、ニトリル基(−CN)、ニトロ基(−NO)、ハロゲン基、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エステル基(−COOR)、スルホニル基(−SOR)、スルホキシド基(−SOR)、スルホンアミド基(−SONRR’)、スルホネート基(−SOR)、トリフルオロメチル基(−CF)、および−L−Mからなる群から選択され、これらは互いに隣接する基と芳香族、脂肪族またはヘテロの縮合環を形成することができ、
前記Lは、アミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換されたC−C60のアルキレン基;アミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換されたC−C60のアリーレン基;またはアミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換された5−7原子の複素環基であり、
前記Mは、アルコール基(−OH)、チオール基(−SH)、リン酸基(−POH)、アミン基(−NHR、−NRR’)、置換または非置換されたポリオレフィン、置換または非置換されたポリビニール、置換または非置換されたポリアクリレート、置換または非置換されたポリチオフェン、置換または非置換されたポリピロール、および置換または非置換されたポリアニリンからなる群から選択され、
前記RおよびR’は、互いに同一または相異し、各々独立して水素、置換または非置換されたC−C60のアルキル基、置換または非置換されたC−C60のアリール基;または置換または非置換された5−7原子の複素環基である。
【請求項3】
前記化学式1の化合物が、下記化学式3〜8から選択される化合物である請求項1に記載の有機発光素子:
【化3】

【化4】

【化5】

【化6】

【化7】

【化8】

前記化学式3〜8において、R〜R10、およびA〜Aは、互いに同一または相異し、各々独立して水素、置換または非置換されたアルキル基、置換または非置換されたアルコキシ基、置換または非置換されたアルケニル基、置換または非置換されたアリール基、置換または非置換されたアリールアミン基、置換または非置換された複素環基、置換または非置換されたシラン基、置換または非置換されたホウ素基、置換または非置換された脂肪族環基、アミン基(−NHR、−NRR’)、ニトリル基(−CN)、ニトロ基(−NO)、ハロゲン基、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エステル基(−COOR)、スルホニル基(−SOR)、スルホキシド基(−SOR)、スルホンアミド基(−SONRR’)、スルホネート基(−SOR)、トリフルオロメチル基(−CF)、および−L−Mからなる群から選択され、これらは互いに隣接する基と芳香族、脂肪族またはヘテロの縮合環を形成することができ、
前記Lは、アミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換されたC−C60のアルキレン基;アミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換されたC−C60のアリーレン基;またはアミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換された5−7原子の複素環基であり、
前記Mは、アルコール基(−OH)、チオール基(−SH)、リン酸基(−POH)、アミン基(−NHR、−NRR’)、置換または非置換されたポリオレフィン、置換または非置換されたポリビニール、置換または非置換されたポリアクリレート、置換または非置換されたポリチオフェン、置換または非置換されたポリピロール、および置換または非置換されたポリアニリンからなる群から選択され、
前記RおよびR’は、互いに同一または相異し、各々独立して水素、置換または非置換されたC−C60のアルキル基、置換または非置換されたC−C60のアリール基;または置換または非置換された5−7原子の複素環基である。
【請求項4】
前記有機物層は、電子注入および輸送層を含み、この電子注入および輸送層が前記化学式1の化合物を含む請求項1〜請求項3のうち何れか1項に記載の有機発光素子。
【請求項5】
前記有機物層は、発光層を含み、この発光層が前記化学式1の化合物を含む請求項1〜請求項3のうち何れか1項に記載の有機発光素子。
【請求項6】
前記有機物層は、正孔注入層または正孔輸送層を含み、前記正孔注入層または正孔輸送層が前記化学式1の化合物を含む請求項1〜請求項3のうち何れか1項に記載の有機発光素子。
【請求項7】
前記有機物層は、電子注入および輸送と発光を同時に行う層を含み、この層が前記化学式1の化合物を含む請求項1〜請求項3のうち何れか1項に記載の有機発光素子。
【請求項8】
第1電極、第2電極、および第1電極と第2電極との間に配置された1層以上の有機物層を含む有機太陽電池であって、前記有機物層のうち1層以上は下記化学式1の化合物を含む有機太陽電池:
【化9】

前記式において、
nは、1または2であり、
Xは、CHまたはNであり、
Yは、n=1である時にNRで、n=2である時にNであり、ここでRは水素、置換または非置換されたアルキル基、および置換または非置換されたアリール基からなる群から選択され、
〜Rは、互いに同一または相異し、各々独立して水素、置換または非置換されたアルキル基、置換または非置換されたアルコキシ基、置換または非置換されたアルケニル基、置換または非置換されたアリール基、置換または非置換されたアリールアミン基、置換または非置換された複素環基、置換または非置換されたシラン基、置換または非置換されたホウ素基、置換または非置換された脂肪族環基、アミン基(−NHR、−NRR’)、ニトリル基(−CN)、ニトロ基(−NO)、ハロゲン基、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エステル基(−COOR)、スルホニル基(−SOR)、スルホキシド基(−SOR)、スルホンアミド基(−SONRR’)、スルホネート基(−SOR)、トリフルオロメチル基(−CF)、および−L−Mからなる群から選択され、これらは互いに隣接する基と芳香族、脂肪族またはヘテロの縮合環を形成することができ、
前記Lは、アミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換されたC−C60のアルキレン基;アミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換されたC−C60のアリーレン基;またはアミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換された5−7原子の複素環基であり、
前記Mは、アルコール基(−OH)、チオール基(−SH)、リン酸基(−POH)、アミン基(−NHR、−NRR’)、置換または非置換されたポリオレフィン、置換または非置換されたポリビニール、置換または非置換されたポリアクリレート、置換または非置換されたポリチオフェン、置換または非置換されたポリピロール、および置換または非置換されたポリアニリンからなる群から選択され、
前記RおよびR’は、互いに同一または相異し、各々独立して水素、置換または非置換されたC−C60のアルキル基、置換または非置換されたC−C60のアリール基;または置換または非置換された5−7原子の複素環基である。
【請求項9】
前記化学式1の化合物が、下記化学式2の化合物である請求項8に記載の有機太陽電池:
【化10】

前記式において、
mおよびnは、各々1または2であり、
およびXは、各々独立してCHまたはNであり、
およびYは、各々独立してn=1である時にNRで、n=2である時にNであり、ここでRは水素、置換または非置換されたアルキル基、および置換または非置換されたアリール基からなる群から選択され、
〜RおよびR〜R10は、互いに同一または相異し、各々独立して水素、置換または非置換されたアルキル基、置換または非置換されたアルコキシ基、置換または非置換されたアルケニル基、置換または非置換されたアリール基、置換または非置換されたアリールアミン基、置換または非置換された複素環基、置換または非置換されたシラン基、置換または非置換されたホウ素基、置換または非置換された脂肪族環基、アミン基(−NHR、−NRR’)、ニトリル基(−CN)、ニトロ基(−NO)、ハロゲン基、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エステル基(−COOR)、スルホニル基(−SOR)、スルホキシド基(−SOR)、スルホンアミド基(−SONRR’)、スルホネート基(−SOR)、トリフルオロメチル基(−CF)、および−L−Mからなる群から選択され、これらは互いに隣接する基と芳香族、脂肪族またはヘテロの縮合環を形成することができ、
前記Lは、アミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換されたC−C60のアルキレン基;アミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換されたC−C60のアリーレン基;またはアミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換された5−7原子の複素環基であり、
前記Mは、アルコール基(−OH)、チオール基(−SH)、リン酸基(−POH)、アミン基(−NHR、−NRR’)、置換または非置換されたポリオレフィン、置換または非置換されたポリビニール、置換または非置換されたポリアクリレート、置換または非置換されたポリチオフェン、置換または非置換されたポリピロール、および置換または非置換されたポリアニリンからなる群から選択され、
前記RおよびR’は、互いに同一または相異し、各々独立して水素、置換または非置換されたC−C60のアルキル基、置換または非置換されたC−C60のアリール基;または置換または非置換された5−7原子の複素環基である。
【請求項10】
前記化学式1の化合物が、下記化学式3〜8から選択される化合物である請求項8に記載の有機太陽電池:
【化11】

【化12】

【化13】

【化14】

【化15】

【化16】

前記化学式3〜8において、R〜R10、およびA〜Aは、互いに同一または相異し、各々独立して水素、置換または非置換されたアルキル基、置換または非置換されたアルコキシ基、置換または非置換されたアルケニル基、置換または非置換されたアリール基、置換または非置換されたアリールアミン基、置換または非置換された複素環基、置換または非置換されたシラン基、置換または非置換されたホウ素基、置換または非置換された脂肪族環基、アミン基(−NHR、−NRR’)、ニトリル基(−CN)、ニトロ基(−NO)、ハロゲン基、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エステル基(−COOR)、スルホニル基(−SOR)、スルホキシド基(−SOR)、スルホンアミド基(−SONRR’)、スルホネート基(−SOR)、トリフルオロメチル基(−CF)、および−L−Mからなる群から選択され、これらは互いに隣接する基と芳香族、脂肪族またはヘテロの縮合環を形成することができ、
前記Lは、アミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換されたC−C60のアルキレン基;アミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換されたC−C60のアリーレン基;またはアミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換された5−7原子の複素環基であり、
前記Mは、アルコール基(−OH)、チオール基(−SH)、リン酸基(−POH)、アミン基(−NHR、−NRR’)、置換または非置換されたポリオレフィン、置換または非置換されたポリビニール、置換または非置換されたポリアクリレート、置換または非置換されたポリチオフェン、置換または非置換されたポリピロール、および置換または非置換されたポリアニリンからなる群から選択され、
前記RおよびR’は、互いに同一または相異し、各々独立して水素、置換または非置換されたC−C60のアルキル基、置換または非置換されたC−C60のアリール基;または置換または非置換された5−7原子の複素環基である。
【請求項11】
第1電極、第2電極、および第1電極と第2電極との間に配置された1層以上の有機物層を含む有機感光体であって、前記有機物層のうち1層以上は下記化学式1の化合物を含む有機感光体:
【化17】

前記式において、
nは、1または2であり、
Xは、CHまたはNであり、
Yは、n=1である時にNRで、n=2である時にNであり、ここでRは水素、置換または非置換されたアルキル基、および置換または非置換されたアリール基からなる群から選択され、
〜Rは、互いに同一または相異し、各々独立して水素、置換または非置換されたアルキル基、置換または非置換されたアルコキシ基、置換または非置換されたアルケニル基、置換または非置換されたアリール基、置換または非置換されたアリールアミン基、置換または非置換された複素環基、置換または非置換されたシラン基、置換または非置換されたホウ素基、置換または非置換された脂肪族環基、アミン基(−NHR、−NRR’)、ニトリル基(−CN)、ニトロ基(−NO)、ハロゲン基、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エステル基(−COOR)、スルホニル基(−SOR)、スルホキシド基(−SOR)、スルホンアミド基(−SONRR’)、スルホネート基(−SOR)、トリフルオロメチル基(−CF)、および−L−Mからなる群から選択され、これらは互いに隣接する基と芳香族、脂肪族またはヘテロの縮合環を形成することができ、
前記Lは、アミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換されたC−C60のアルキレン基;アミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換されたC−C60のアリーレン基;またはアミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換された5−7原子の複素環基であり、
前記Mは、アルコール基(−OH)、チオール基(−SH)、リン酸基(−POH)、アミン基(−NHR、−NRR’)、置換または非置換されたポリオレフィン、置換または非置換されたポリビニール、置換または非置換されたポリアクリレート、置換または非置換されたポリチオフェン、置換または非置換されたポリピロール、および置換または非置換されたポリアニリンからなる群から選択され、
前記RおよびR’は、互いに同一または相異し、各々独立して水素、置換または非置換されたC−C60のアルキル基、置換または非置換されたC−C60のアリール基;または置換または非置換された5−7原子の複素環基である。
【請求項12】
前記化学式1の化合物が、下記化学式2の化合物である請求項11に記載の有機感光体:
【化18】

前記式において、
mおよびnは、各々1または2であり、
およびXは、各々独立してCHまたはNであり、
およびYは、各々独立してn=1である時にNRで、n=2である時にNであり、ここでRは水素、置換または非置換されたアルキル基、および置換または非置換されたアリール基からなる群から選択され、
〜RおよびR〜R10は、互いに同一または相異し、各々独立して水素、置換または非置換されたアルキル基、置換または非置換されたアルコキシ基、置換または非置換されたアルケニル基、置換または非置換されたアリール基、置換または非置換されたアリールアミン基、置換または非置換された複素環基、置換または非置換されたシラン基、置換または非置換されたホウ素基、置換または非置換された脂肪族環基、アミン基(−NHR、−NRR’)、ニトリル基(−CN)、ニトロ基(−NO)、ハロゲン基、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エステル基(−COOR)、スルホニル基(−SOR)、スルホキシド基(−SOR)、スルホンアミド基(−SONRR’)、スルホネート基(−SOR)、トリフルオロメチル基(−CF)、および−L−Mからなる群から選択され、これらは互いに隣接する基と芳香族、脂肪族またはヘテロの縮合環を形成することができ、
前記Lは、アミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換されたC−C60のアルキレン基;アミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換されたC−C60のアリーレン基;またはアミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換された5−7原子の複素環基であり、
前記Mは、アルコール基(−OH)、チオール基(−SH)、リン酸基(−POH)、アミン基(−NHR、−NRR’)、置換または非置換されたポリオレフィン、置換または非置換されたポリビニール、置換または非置換されたポリアクリレート、置換または非置換されたポリチオフェン、置換または非置換されたポリピロール、および置換または非置換されたポリアニリンからなる群から選択され、
前記RおよびR’は、互いに同一または相異し、各々独立して水素、置換または非置換されたC−C60のアルキル基、置換または非置換されたC−C60のアリール基;または置換または非置換された5−7原子の複素環基である。
【請求項13】
前記化学式1の化合物が、下記化学式3〜8から選択される化合物である請求項11に記載の有機感光体:
【化19】

【化20】

【化21】

【化22】

【化23】

【化24】

前記化学式3〜8において、R〜R10、およびA〜Aは、互いに同一または相異し、各々独立して水素、置換または非置換されたアルキル基、置換または非置換されたアルコキシ基、置換または非置換されたアルケニル基、置換または非置換されたアリール基、置換または非置換されたアリールアミン基、置換または非置換された複素環基、置換または非置換されたシラン基、置換または非置換されたホウ素基、置換または非置換された脂肪族環基、アミン基(−NHR、−NRR’)、ニトリル基(−CN)、ニトロ基(−NO)、ハロゲン基、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エステル基(−COOR)、スルホニル基(−SOR)、スルホキシド基(−SOR)、スルホンアミド基(−SONRR’)、スルホネート基(−SOR)、トリフルオロメチル基(−CF)、および−L−Mからなる群から選択され、これらは互いに隣接する基と芳香族、脂肪族またはヘテロの縮合環を形成することができ、
前記Lは、アミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換されたC−C60のアルキレン基;アミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換されたC−C60のアリーレン基;またはアミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換された5−7原子の複素環基であり、
前記Mは、アルコール基(−OH)、チオール基(−SH)、リン酸基(−POH)、アミン基(−NHR、−NRR’)、置換または非置換されたポリオレフィン、置換または非置換されたポリビニール、置換または非置換されたポリアクリレート、置換または非置換されたポリチオフェン、置換または非置換されたポリピロール、および置換または非置換されたポリアニリンからなる群から選択され、
前記RおよびR’は、互いに同一または相異し、各々独立して水素、置換または非置換されたC−C60のアルキル基、置換または非置換されたC−C60のアリール基;または置換または非置換された5−7原子の複素環基である。
【請求項14】
化学式3で表示される化合物:
【化25】

前記式において、R〜RおよびAは、互いに同一または相異し、各々独立して水素、置換または非置換されたアルキル基、置換または非置換されたアルコキシ基、置換または非置換されたアルケニル基、置換または非置換されたアリール基、置換または非置換されたアリールアミン基、置換または非置換された複素環基、置換または非置換されたシラン基、置換または非置換されたホウ素基、置換または非置換された脂肪族環基、アミン基(−NHR、−NRR’)、ニトリル基(−CN)、ニトロ基(−NO)、ハロゲン基、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エステル基(−COOR)、スルホニル基(−SOR)、スルホキシド基(−SOR)、スルホンアミド基(−SONRR’)、スルホネート基(−SOR)、トリフルオロメチル基(−CF)、および−L−Mからなる群から選択され、これらは互いに隣接する基と芳香族、脂肪族またはヘテロの縮合環を形成することができ、
前記Lは、アミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換されたC−C60のアルキレン基;アミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換されたC−C60のアリーレン基;またはアミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換された5−7原子の複素環基であり、
前記Mは、アルコール基(−OH)、チオール基(−SH)、リン酸基(−POH)、アミン基(−NHR、−NRR’)、置換または非置換されたポリオレフィン、置換または非置換されたポリビニール、置換または非置換されたポリアクリレート、置換または非置換されたポリチオフェン、置換または非置換されたポリピロール、および置換または非置換されたポリアニリンからなる群から選択され、
前記RおよびR’は、互いに同一または相異し、各々独立して水素、置換または非置換されたC−C60のアルキル基、置換または非置換されたC−C60のアリール基;または置換または非置換された5−7原子の複素環基である。
【請求項15】
下記化学式4で表示される化合物:
【化26】

前記式において、R〜R、AおよびAは、互いに同一または相異し、各々独立して水素、置換または非置換されたアルキル基、置換または非置換されたアルコキシ基、置換または非置換されたアルケニル基、置換または非置換されたアリール基、置換または非置換されたアリールアミン基、置換または非置換された複素環基、置換または非置換されたシラン基、置換または非置換されたホウ素基、置換または非置換された脂肪族環基、アミン基(−NHR、−NRR’)、ニトリル基(−CN)、ニトロ基(−NO)、ハロゲン基、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エステル基(−COOR)、スルホニル基(−SOR)、スルホキシド基(−SOR)、スルホンアミド基(−SONRR’)、スルホネート基(−SOR)、トリフルオロメチル基(−CF)、および−L−Mからなる群から選択され、これらは互いに隣接する基と芳香族、脂肪族またはヘテロの縮合環を形成することができ、
前記Lは、アミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換されたC−C60のアルキレン基;アミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換されたC−C60のアリーレン基;またはアミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換された5−7原子の複素環基であり、
前記Mは、アルコール基(−OH)、チオール基(−SH)、リン酸基(−POH)、アミン基(−NHR、−NRR’)、置換または非置換されたポリオレフィン、置換または非置換されたポリビニール、置換または非置換されたポリアクリレート、置換または非置換されたポリチオフェン、置換または非置換されたポリピロール、および置換または非置換されたポリアニリンからなる群から選択され、
前記RおよびR’は、互いに同一または相異し、各々独立して水素、置換または非置換されたC−C60のアルキル基、置換または非置換されたC−C60のアリール基;または置換または非置換された5−7原子の複素環基である。
【請求項16】
下記化学式5で表示される化合物:
【化27】

前記式において、R〜RおよびAは、互いに同一または相異し、各々独立して水素、置換または非置換されたアルキル基、置換または非置換されたアルコキシ基、置換または非置換されたアルケニル基、置換または非置換されたアリール基、置換または非置換されたアリールアミン基、置換または非置換された複素環基、置換または非置換されたシラン基、置換または非置換されたホウ素基、置換または非置換された脂肪族環基、アミン基(−NHR、−NRR’)、ニトリル基(−CN)、ニトロ基(−NO)、ハロゲン基、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エステル基(−COOR)、スルホニル基(−SOR)、スルホキシド基(−SOR)、スルホンアミド基(−SONRR’)、スルホネート基(−SOR)、トリフルオロメチル基(−CF)、および−L−Mからなる群から選択され、これらは互いに隣接する基と芳香族、脂肪族またはヘテロの縮合環を形成することができ、
前記Lは、アミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換されたC−C60のアルキレン基;アミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換されたC−C60のアリーレン基;またはアミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換された5−7原子の複素環基であり、
前記Mは、アルコール基(−OH)、チオール基(−SH)、リン酸基(−POH)、アミン基(−NHR、−NRR’)、置換または非置換されたポリオレフィン、置換または非置換されたポリビニール、置換または非置換されたポリアクリレート、置換または非置換されたポリチオフェン、置換または非置換されたポリピロール、および置換または非置換されたポリアニリンからなる群から選択され、
前記RおよびR’は、互いに同一または相異し、各々独立して水素、置換または非置換されたC−C60のアルキル基、置換または非置換されたC−C60のアリール基;または置換または非置換された5−7原子の複素環基である。
【請求項17】
下記化学式6で表示される化合物:
【化28】

前記式において、R〜R、R〜R10、AおよびAは、互いに同一または相異し、各々独立して水素、置換または非置換されたアルキル基、置換または非置換されたアルコキシ基、置換または非置換されたアルケニル基、置換または非置換されたアリール基、置換または非置換されたアリールアミン基、置換または非置換された複素環基、置換または非置換されたシラン基、置換または非置換されたホウ素基、置換または非置換された脂肪族環基、アミン基(−NHR、−NRR’)、ニトリル基(−CN)、ニトロ基(−NO)、ハロゲン基、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エステル基(−COOR)、スルホニル基(−SOR)、スルホキシド基(−SOR)、スルホンアミド基(−SONRR’)、スルホネート基(−SOR)、トリフルオロメチル基(−CF)、および−L−Mからなる群から選択され、これらは互いに隣接する基と芳香族、脂肪族またはヘテロの縮合環を形成することができ、
前記Lは、アミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換されたC−C60のアルキレン基;アミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換されたC−C60のアリーレン基;またはアミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換された5−7原子の複素環基であり、
前記Mは、アルコール基(−OH)、チオール基(−SH)、リン酸基(−POH)、アミン基(−NHR、−NRR’)、置換または非置換されたポリオレフィン、置換または非置換されたポリビニール、置換または非置換されたポリアクリレート、置換または非置換されたポリチオフェン、置換または非置換されたポリピロール、および置換または非置換されたポリアニリンからなる群から選択され、
前記RおよびR’は、互いに同一または相異し、各々独立して水素、置換または非置換されたC−C60のアルキル基、置換または非置換されたC−C60のアリール基;または置換または非置換された5−7原子の複素環基である。
【請求項18】
下記化学式7で表示される化合物:
【化29】

前記式において、R〜R、R〜R、A〜Aは、互いに同一または相異し、各々独立して水素、置換または非置換されたアルキル基、置換または非置換されたアルコキシ基、置換または非置換されたアルケニル基、置換または非置換されたアリール基、置換または非置換されたアリールアミン基、置換または非置換された複素環基、置換または非置換されたシラン基、置換または非置換されたホウ素基、置換または非置換された脂肪族環基、アミン基(−NHR、−NRR’)、ニトリル基(−CN)、ニトロ基(−NO)、ハロゲン基、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エステル基(−COOR)、スルホニル基(−SOR)、スルホキシド基(−SOR)、スルホンアミド基(−SONRR’)、スルホネート基(−SOR)、トリフルオロメチル基(−CF)、および−L−Mからなる群から選択され、これらは互いに隣接する基と芳香族、脂肪族またはヘテロの縮合環を形成することができ、
前記Lは、アミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換されたC−C60のアルキレン基;アミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換されたC−C60のアリーレン基;またはアミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換された5−7原子の複素環基であり、
前記Mは、アルコール基(−OH)、チオール基(−SH)、リン酸基(−POH)、アミン基(−NHR、−NRR’)、置換または非置換されたポリオレフィン、置換または非置換されたポリビニール、置換または非置換されたポリアクリレート、置換または非置換されたポリチオフェン、置換または非置換されたポリピロール、および置換または非置換されたポリアニリンからなる群から選択され、
前記RおよびR’は、互いに同一または相異し、各々独立して水素、置換または非置換されたC−C60のアルキル基、置換または非置換されたC−C60のアリール基;または置換または非置換された5−7原子の複素環基である。
【請求項19】
化学式8で表示される化合物:
【化30】

前記式において、R〜R、R〜R10、A〜Aは、互いに同一または相異し、各々独立して水素、置換または非置換されたアルキル基、置換または非置換されたアルコキシ基、置換または非置換されたアルケニル基、置換または非置換されたアリール基、置換または非置換されたアリールアミン基、置換または非置換された複素環基、置換または非置換されたシラン基、置換または非置換されたホウ素基、置換または非置換された脂肪族環基、アミン基(−NHR、−NRR’)、ニトリル基(−CN)、ニトロ基(−NO)、ハロゲン基、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エステル基(−COOR)、スルホニル基(−SOR)、スルホキシド基(−SOR)、スルホンアミド基(−SONRR’)、スルホネート基(−SOR)、トリフルオロメチル基(−CF)、および−L−Mからなる群から選択され、これらは互いに隣接する基と芳香族、脂肪族またはヘテロの縮合環を形成することができ、
前記Lは、アミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換されたC−C60のアルキレン基;アミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換されたC−C60のアリーレン基;またはアミン基(−NHR、−NRR’)、アミド基(−NHCOR、−CONHR、−CONRR’)、エーテル基(−COR)、およびエステル基(−COOR)からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換された5−7原子の複素環基であり、
前記Mは、アルコール基(−OH)、チオール基(−SH)、リン酸基(−POH)、アミン基(−NHR、−NRR’)、置換または非置換されたポリオレフィン、置換または非置換されたポリビニール、置換または非置換されたポリアクリレート、置換または非置換されたポリチオフェン、置換または非置換されたポリピロール、および置換または非置換されたポリアニリンからなる群から選択され、
前記RおよびR’は、互いに同一または相異し、各々独立して水素、置換または非置換されたC−C60のアルキル基、置換または非置換されたC−C60のアリール基;または置換または非置換された5−7原子の複素環基である。

【図1】
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【公開番号】特開2012−109578(P2012−109578A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−270239(P2011−270239)
【出願日】平成23年12月9日(2011.12.9)
【分割の表示】特願2007−542934(P2007−542934)の分割
【原出願日】平成18年6月27日(2006.6.27)
【出願人】(500239823)エルジー・ケム・リミテッド (1,221)
【Fターム(参考)】