説明

ピログルタミン酸の誘導体を含む殺生物剤組成物

(a)ピログルタミン酸のエステルおよび/またはアミド、および(b)殺生物剤を含む農薬組成物を示す。該組成物は、5〜40℃の温度で長期間保存しても透明であり、改善された安定性を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農薬の分野に関し、ある種のエステルおよび/またはアミドを含む殺生物剤組成物、およびその殺生物剤用の溶媒または分散剤としての使用に関する。
【背景技術】
【0002】
殺生物剤、および特に駆除薬、例えば殺真菌剤、殺虫剤、および除草剤は、作物を保護し、収穫高を増加させるための農業用の重要な補助剤である。種々のしばしば非常に特異的な要求に応じて、非常に異なった化学構造と挙動を示す多くの活性物質が存在する。それにも関わらず、特に長期間にわたり非常に低温または高温で保存した時に満足な安定性を示すこれら活性物質の水性溶液を製造することが依然として難しいことは当該分野の状態からよく知られている。実際のところ、該溶液は、分離するかまたは結晶を形成する傾向が強く、均質な生成物を得るために適用前に毎回、該組成物中の活性物質を再分散する必要がある。植物処理剤の水性製剤を適用するために通常用いるスプレー装置には種々のフィルターとノズルが存在するため、固体の活性化合物に基づく水性スプレー溶液の適用中に活性化合物が結晶することにより該フィルターとノズルが詰まることに関連するさらなる問題がある。
【0003】
欧州特許出願EP 0453899 B1 (Bayer)は、殺真菌剤として適用することができるアゾール誘導体のための結晶阻害剤としての飽和C6-C20脂肪酸由来のジメチルアミドの使用を開示する。残念ながら、該特許に記載のジメチルアミドは、限られた数の活性物質に有用である。アゾールおよびアゾール誘導体の場合でも、望ましくない結晶化を阻害する能力は周囲温度に限られ、該溶液を約5〜10℃の温度で用いる場合は該生成物はほとんど実用的ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の根本的課題は、活性物質の含有量が市場で得ることができるものと同じかまたはそれより高い生成物の製造を可能にする新規殺生物剤組成物を開発するための適切な新規溶媒を同定することである。該新規溶媒は、安全で環境に優しくなければならず、殺生物剤の化学構造に関わらず、濃縮殺生物剤組成物 (活性物質が平均25%以上)を得ることができなければならない。特に、該組成物は、5〜40℃の温度範囲内で広範囲の殺生物剤の結晶を形成する傾向を減らし、改善された可溶化能と保存安定性を示すべきである。最後に、本発明の別の目的は、特に不透明性と層化(layering)に関して優れたエマルジョン安定性をもたらす特定の共溶媒および乳化剤系を有する乳化可能な濃縮物製剤を設計することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(発明の詳細な説明)
本発明は、(a)ピログルタミン酸のエステルおよび/またはアミド、
(b)殺生物剤、および所望により
(c)油成分または共溶媒、および/または
(d)乳化剤
を含む殺生物剤組成物に関する。
【0006】
驚くべきことに、ピログルタミン酸のエステルおよびアミド、好ましくはジメチルエステル、ジブチルエステル、2-エチルヘキシルエステル、フルフリルエステル、およびジメチルアミドは、最新の脂肪酸由来の他の誘導体に比べて改善された可溶化力を示すことがわかってきた。出願人は、ピログルタミン酸誘導体が劇的条件下でも広範囲の殺生物剤を溶解または分散させることができることをみいだした。このことは保存時間が相の分離または沈殿なしに5〜40℃の温度で少なくとも4週間であることを意味する。共溶媒として油成分、特に該組成物に対するエステル構造を有するものを添加すると、特に不透明性と層化に関してエマルジョン挙動と安定性の増大を示す乳化可能な濃縮物製剤を生じる。
ピログルタミン酸のエステルおよびアミド
【0007】
本発明のエステルおよびアミド(成分a)は、ピドロ酸としても知られるピログルタミン酸由来である。該酸およびその誘導体は、特に米国で栄養補助食品として広く知られ、市販されている。好ましくは、該種は下記一般式(I)で示される:

(I)
[式中、Xは、O[AO]nR1またはNR2R3を表し、[AO]は、C2-C4アルキレンオキシド単位を表し、nは、0または1〜100、好ましくは2〜50、最も好ましくは5〜25の整数を表し、R1は、水素、炭素数1〜22、好ましくは1〜8、最も好ましくは1〜4のアルキルもしくはアルケニルラジカル、または(テトラヒドロ)フルフリル残基を表し、R2およびR3は、それぞれ独立して炭素数1〜22、好ましくは1〜8、最も好ましくは1〜4のアルキルまたはアルケニルラジカルを表す。]。低温と高温の両方で長期間にわたり多数の異なる殺生物剤の最良の溶解または分散性を示す最も好ましい種は、ピログルタミン酸メチルエステル、ピログルタミン酸エチルエステル、ピログルタミン酸プロピルエステル、ピログルタミン酸ブチルエステル、ピログルタミン酸 n-オクチルエステル、ピログルタミン酸-2-エチルヘキシルエステル、ピログルタミン酸フルフリルエステル、ピログルタミン酸テトラヒドロフルフリルエステル、ピログルタミン酸ジメチルアミド、ピログルタミン酸ジエチルアミド、ピログルタミン酸ジプロピルアミド、ピログルタミン酸ジブチルアミド、ピログルタミン酸ジ-n-オクチルアミド、ピログルタミン酸ジ-2-エチルヘキシルアミド、ピログルタミン酸モルホリンアミド、およびそれらの混合物である。アルキルエステルまたはアミドが開示されている限り、ある可能性のある異性体への言及はすべての可能性のある異性体の例示であることに注意すべきである。該エステルに関する限り、これら化合物には、ピログルタミン酸を各アルコキシル化アルコールでエステル化することにより得られるポリアルキレングリコール単位、特にエチレングリコール、またはプロピレングリコール単位またはそれらの混合物も含まれ得る。同様の生成物は、例えばClariantのEP 1951666 B1に記載されている。
殺生物剤
【0008】
本発明の文脈において殺生物剤(成分b)は、植物保護剤、より具体的には、医学、農業、林業、および蚊駆除などの分野で用いる種々の生物を殺滅することができる化学物質である。また、殺生物剤のグループとみなされるものにいわゆる植物成長調節剤がある。通常、殺生物剤は、以下の2つのサブグループに分けられる。
・駆除薬(殺真菌剤、除草剤、殺虫剤、殺藻剤、殺軟体動物剤(moluscicide)、殺ダニ剤、および殺鼠剤を含む)(本明細書にThe Pesticide Handbook、第14版、BCPC 2006を参考文献として含む。)、および
・抗微生物薬(殺菌剤、抗生物質、抗菌剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤、抗原虫剤、および抗寄生生物薬を含む。)。
【0009】
殺生物剤に他の物質(典型的には液体)を加え、該物質を生物の繁殖および成長から保護することもできる。例えば、ある種の4級アンモニウム化合物(quats)をプールの水や産業用水系に加え、殺藻剤として作用させ、該水を藻類の繁殖および成長から保護することができる。
駆除薬
【0010】
米国環境保護庁(EPA)は、農薬を「あらゆる害虫の予防、破壊、撃退、または軽減を意図するあらゆる物質または物質の混合物」と定義する。農薬は、食品についてヒトと競合し、特性を破壊し、病気を蔓延させ、または有害である厄介者である微生物、昆虫、植物病原体、雑草、軟体動物、鳥、哺乳動物、魚、線虫 (回虫)を含む害虫に対して用いる化学物質または生物学的物質(例えばウイルスまたは細菌)でありうる。以下の実施例において、本発明の農薬組成物に適した駆除薬を示す。
殺真菌剤
【0011】
殺真菌剤は、3つの主な害虫防除方法の1つ、本願では真菌の化学的防除である。殺真菌剤は、庭園および作物における真菌の蔓延を抑制するのに用いる化合物である。殺真菌剤は、真菌感染症と闘うためにも用いる。殺真菌剤は、接触性または全身性でありうる。接触性殺真菌剤は、表面にスプレーして真菌を殺滅する。全身性殺真菌剤は、真菌が死ぬ前に真菌に吸収されなければならない。タンパク質の適切な殺真菌剤の例には、以下の薬品のクラスおよび対応する例が含まれる。
【0012】
・アミノピリミジン、例えばブピリマート、
・アニリノピリミジン、例えばシプロジニル、メパニピリム、ピリメタニル、
・ヘテロ芳香族、例えばヒメキサゾール、
・ヘテロ芳香族炭化水素、例えばエトリジアゾール、
・クロロフェニル/ニトロアニリン、例えばクロロネブ、ジクロラン、キントゼン、テクナゼン、トルクロホス-メチル、
・ベンザミド殺真菌剤、例えばゾキサミド、
・ベンゼンスルホンアミド、例えばフルスルファミド、
・ベンズイミダゾール、例えばアシベンゾラール、ベノミル、ベンゾチアゾール、カルベンダジム、フベリダゾール、メトラフェノン、プロベナゾール、チアベンダゾール、トリアゾキシド、およびベンズイミダゾール前駆体殺真菌剤、
・カルバメート、例えばプロパモカルブ、ジエトフェンカルブ、
・カルボキサミド、例えばボスカリド、ジクロシメト、エタボキサム、フルトラニル、ペンチオピラド、チフルザミド、
・クロロニトリル、例えばクロロタロニル、
・桂皮酸アミド、例えばジメトモルフ、フルモルフ、
・シアノアセトアミドオキシム、例えばシモキサニル、
・シクロプロパンカルボキサミド、例えばカルプロパミド、
・ジカルボキシイミド、例えばイプロジオン、オクチリノン、プロシミドン、ビンクロゾリン、
・ジメチルジチオカルバメート、例えば、フェルバム、メタム、チラム、ジラム、
・ジニトロアニリン、例えばフルアジナム、
・ジチオカルバメート、例えばマンコッパー、マンコゼブ、マネブ、メチラム、ナバム、プロピネブ、ジネブ、
・ジチオラン、例えばイソプロチオラン、
・グルコピラノシル抗生物質、例えばストレプトマイシン、バリダマイシン、
・グアニジン、例えばドジン、グアザチン、イミノクタジン、
・ヘキソプラノシル抗生物質、例えばカスガマイシン、
・ヒドロキシアニリド、例えばフェンヘキサミド、
・イミダゾール、例えばイマザリル、オキシポコナゾール、ペフラゾアート、プロプロラズ、トリフルミゾール、
・イミダゾリノン、例えばフェナミドン、
・無機物、例えばボルドー(Bordeaux)混合物、水酸化銅、ナフテン酸銅、オレイン酸銅、オキシ塩化銅、硫酸銅(II)、硫酸銅、酢酸銅(II)、炭酸銅(II)、酸化第1銅、硫黄、
・イソベンゾフラノン、例えばフタリド、
・マンデルアミド、例えばマンジプロパミド、
・モルホリン、例えばドデモルフ、フェンプロピモルフ、トリデモルフ、フェンプロピジン、ピペラリン、スピロキサミン、アルジモルフ、
・オルガノチン、例えばフェンチン、
・オキサゾリジノン、例えばオキサジキシル、
・フェニルアミド、例えばベナラキシル、ベナラキシル-M、フララキシル、メタラキシル、メタラキシル-M、オフラセ、
・フェニルピラゾール、例えばフィプロニル、
・フェニルピロール、例えばフルジオキソニル、
・フェニル尿素、例えばペンシクロン、
・ホスホネート、例えばホセチル、
・フタルアミド酸、例えばテクロフタラム、
・フタルイミド、例えばカプタホル、カプタン、ホルペト、
・ピペラジン、例えばトリホリン、
・プロピオンアミド、例えばフェノキサニル、
・ピリジン、例えばピリフェノックス、
・ピリミジン、例えばフェナリモール、ヌアリモール、
・ピロロキノリノン、例えばピロキロン、
・クイル(Qil)、例えばシアゾファミド、
・キナゾリノン、例えばプロキナジド、
・キノリン、例えばキノキシフェン、
・キノン、例えばジチアノン、
・スルファミド、例えばトリルフルアニド、ジクロフルアニド、
・ストロビルリン、例えばアゾキシストロビン、ジモキシストロビン、ファモキサドン、フルオキサストロビン、クレソキシム-メチル、メトミノストロビン、ピコキシストロビン、ピラクロストロビン、トリフロキシストロビン、オリサストロビン、
・チオカルバメート、例えばメタスルホカルブ、
・チオファナート、例えばチオファナート-メチル、
・チオフェンカルボキサミド、例えばシルチオファム、
・トリアゾール殺真菌剤、例えばアザコナゾール、ビテルタノール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール、エポキシコナゾール、フェンブコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホル、フルオトリマゾール、ヘキサコナゾール、イミベンコナゾール、イプコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、ペンコナゾール、プロピコナゾール、プロチオコナゾール、シメコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリチコナゾール、キンコナゾール、
・トリアゾロベンゾチダゾール、例えばトリシクラゾール、
・バリナミドカルバメート、例えばイプロバリカルブ、ベンチアバリカルブ、
・フルオピコリド、
・ペンタクロロフェノール、および
それらの混合物。
除草剤
【0013】
除草剤は、望ましくない植物を殺すのに用いる農薬である。選択的除草剤は、目的とする作物には比較的無害で特定の標的を殺す。そのいくつかは、雑草の成長と干渉することにより作用し、植物ホルモンに基づくことが多い。荒れ地をきれいにするのに用いる除草剤は、非選択的であり、除草剤が接触するすべての植物種を殺す。除草剤は、農業および景観の芝の管理に広く用いられる。除草剤は、高速道路や鉄道の維持のための全植生管理(TVC)プログラムに適用される。それより少ない量が、林業、放牧システム、および野生動物生息地として除外された領域の管理に用いられる。一般的には、種々の薬品種を含む典型的活性成分および対応例を用いることができる。
・アニリド、例えばプロパニル
・アリールオキシカルボン酸、例えばMCPA-チオエチル、
・アリールオキシフェノキシプロパノエート、例えばエロジナホプ-プロパルギル、シハロホプ-ブチル、ジクロホプ、フルアジホプ、ハロキシホプ、キザロホプ、
・クロロアセトアミド、例えばアセトクロール、アラクロール、ブタクロール、ジメテナミド、メトラクロール、プロパクロール、
・シクロヘキサンジオンオキシム、例えばクレトジム、セトキシジム、トラルコキシジム、
・ベンザミド、例えばイソキサベン、
・ベンズイミダゾール、例えばジカムバ、エトフメサート、
・ジニトロアニリン、例えばトリルラリン、ペンジメタリン、
・ジフェニルエーテル、例えばアクロニフェン、オキシフルオルフェン、
・グリシン誘導体グリホサート、その作用に抵抗するように遺伝的に修飾されている作物における雑草防除および無耕農業の草の前処理(burndown)に用いる浸透性非選択的(あらゆる種類の植物を殺す)除草剤、
・ヒドロキシベンゾニトリル、例えばプロモキシニル、
・イミダゾリノン、例えばフェナミドン、イマザピク、イマザモックス、イマザピク、イマザピル、イマザキン、
・イソキサゾリジノン、例えばクロマゾン、
・パラコート、例えばビピリジリウム、
・フェニルカルバメート、例えばデスメジファム、フェンメヂファム、
・フェニルピラゾール、例えばピラフルフェン-エチル、
・フェニルピラゾリン、例えばピノキサデン、
・ピリジンカルボン酸または合成オーキシン、例えばピクロラム、クロピラリド、およびトリクロピル、
・ピリミジニルオキシ安息香酸、例えばビスピリバック(bispyrtbac)-ナトリウム、
・スルホニル尿素(sulfonyurea)、例えばアミドスルフロン、アジムスルフロン、ベンスルフロン-メチル、クロールスルフロン、フラザスルフロン、ホラムスルフロン、フルピルスルフロン-メチル-ナトリウム、ピコスルフロン、リムスルフロン、スルホスルフロン、トリベヌロン-メチル、トリフロキシスルフロン(trifloxysurlfuron)ナトリウム、トリフルスルフロン、トリトスルフロン、
・トリアゾロピリミジン、例えばペノキススラム、メトスラム、フロラスラム、
・トリケトン、例えばメソトリオン、スルコトリオン、
・尿素、例えばジウロン、リヌロン、
・フェノキシカルボン酸、例えば2,4-D、MCPA、MCPB、メコプロプ、
・トリアジン、例えばアトラジン、シマジン、テルブチラジン、
およびそれらの混合物。
殺虫剤
【0014】
殺虫剤は、すべての発育型の昆虫に対して用いる農薬である。殺虫剤には昆虫の卵と幼虫に用いる殺卵剤と殺幼虫剤が含まれる。殺虫剤は、農業、医学、産業、および家庭で用いられる。以下に適切な薬品種と殺虫剤の例を示す。
【0015】
・アバメクチン、エマメクチン、
・アントラニル酸ジアミド、例えばリナキシピル、
・合成オーキシン、例えばアベルメクチン、
・アミジン、例えばアミトラズ、
・アントラニル酸ジアミド、例えばリナキシピル、
・カルバメート、例えばアルジカルブ、カルボフラン、カルバリル、メトミル、2-(1-メチルプロピル)フェニルメチルカルバメート、
・塩素化殺虫剤、例えばカムフェクロール、DDT、ヘキサクロロシクロヘキサン、ガンマ-ヘキサクロロシクロヘキサン、メトキシクロール、ペンタクロロフェノール、TDE、アルドリン、クロルダン、クロルデコン、ジエルドリン、エンドスルファン、エンドリン、ヘプタクロール、ミレックス、
・幼若ホルモン様物質、例えばピリプロキシフェン、
・ネオニコチノイド、例えばイミダクロプリド、クロチアニジン、チアクロプリド、チアメトキサム、
・有機リン化合物、例えばアセフェート、アジンホス-メチル、ベンスルリド、クロル-エトキシホス、クロルピリホス、クロルピリホス-メチル、ジアジノン、ジクロルボス(DDVP)、ジクロトホス、ジメトアート、ジスルホトン、デトプロプ(dthoprop)、フェナミホス、フェニトロチオン、フェンチオン、ホスチアザド、マラチオン、メタミドホス、エチダチオン、メチル-パラチオン、メビンホス、ナレド、オメトアート、オキシデメトン-メチル、パラチオン、ホラート、ホサロン、ホスメト、ホステブピリム、ピリミホス-メチル、プロフェノホス、テルブホス、テトラクロルビンホス、トリブホス、トリクロルホン、
・オキサジアジン、例えばインドキサカルブ、
・植物毒由来化合物、例えばデリス(ロテノン)、ピレトリム、ニーム(アザジラクチン)、ニコチン、カフェイン、
・フェロモン、例えばクエルレ(cuellure)、メチルオイゲノール、
・ピレスロイド、例えばアレトリン、ビフェントリン、デルタメトリン、ペルメトリン、レスメトリン、スミトリン、テトラメトリン、トラロメトリン、トランスフルトリン、
・選択的摂食阻害剤、例えばフルニカミド、ピメトロジン、
・スピノシン、例えばスピノサド、
およびそれらの混合物。
植物成長調節剤
【0016】
植物ホルモン(フィトホルモンとしても知られる)は、植物の成長を調節する化学薬品である。植物ホルモンは、植物内で産生されるシグナル分子であり、きわめて低濃度で生じる。ホルモンは、標的細胞の細胞プロセスを、局所的に、他の場所に移動したときは植物の他の場所で調節する。動物と違って植物にはホルモンを生成および分布する腺がない。植物ホルモンは、植物を形作り、種の成長、開花の時、花の雌雄、葉と果実の老化に影響を及ぼす。植物ホルモンは、組織が上への成長および下への成長、葉の形成と幹の成長、果実の発育と成熟、植物の寿命、および植物の死に影響を及ぼす。ホルモンは植物の成長に不可欠であり、ホルモンが欠乏すると植物はほとんど未分化な細胞の塊である。以下に適切な植物成長調節剤を示す。
【0017】
・アビグリシン、
・シアナミド、
・ジベレリン、例えばジベレリン酸、
・第4級アンモニウム、例えばクロルメコートクロリド、メピコートクロリド、
・エチレン発生剤、例えばエテホン。
殺鼠剤
【0018】
殺鼠剤は齧歯類を殺すことを意図した害虫駆除化学薬品の分類にはいる。齧歯類は、その食性が腐食動物としての境遇を反映するため毒で殺すことが難しい。齧歯類は、何かのかけらを食べ、待ち、病気にならなければ食べ続ける。有効な殺鼠剤は、致死濃度で無味無臭で遅効性でなければならない。以下に適切な殺鼠剤の例を示す。
【0019】
・抗凝固剤は、慢性(致死量を摂取して1〜2週間後(希にそれより早く)に死亡する)、単用量(第2世代)または多用量(第1世代)蓄積性殺鼠剤として定義される。致死量の抗凝固剤、例えばブロジファクム、クマテトラリル、またはワルファリンにより致死的内部出血が起きる。有効用量のこれら物質は、抗ビタミンKであり、酵素K1-2,3-エポキシド還元酵素 (この酵素は4-ヒドロキシクマリン/4-ヒドロキシチアクマリン誘導体により特異的に阻害される)およびK1-キノン-還元酵素(この酵素はインダンジオン誘導体により特異的に阻害される)を阻害し、その生物から活性ビタミンK1の供給源を奪う。これは、ビタミンKサイクルの崩壊をもたらし、必須血液凝固因子(主として凝固因子II(プロトロンビン)、VII (プロコンベルチン)、IX (クリスマス因子)、およびX (スチュアート因子))の産生不能をもたらす。この特異的代謝障害に加え、毒性用量の4-ヒドロキシクマリン/4-ヒドロキシチアクマリンおよびインダンジオン抗凝固剤は小血管(毛細血管)に対する損傷を生じてその透過性を増大し、広範性内部出血(haemorrhagias)を生じる。この効果は徐々であり、幾日かの経過で生じ、いかなる侵害知覚、例えば痛みや激しい苦痛も伴わない。中毒の最終段階で、消耗した齧歯類は、循環血液量減少性ショックまたは重症の貧血となり、静かに死亡する。殺鼠抗凝固剤は、一般に高濃度(通常、0.005〜0.1%)が必要で、致死用量まで蓄積するために何日にもわたり連続摂取する必要がある、単回摂取後の作用が弱いかまたは不活性であり、4-ヒドロキシクマリン(ジフェナクム、ブロジファクム、ブロマジオロン、およびフロクマフェン)、または4-ヒドロキシ-1-ベンゾチイン(benzotiin)-2-オン(4-ヒドロキシ-1-チアクマリン(間違って4-ヒドロキシ-1-チオクマリンということがある。その理由は複素環化合物の項参照)の誘導体、すなわちジフェチアロンである第2世代薬より毒性が低い第1世代の薬剤(4-ヒドロキシクマリン型:ワルファリン、クマテトラリル;インダジオン形:ピンドン、ジファシノン、クロロファシノン)がある。第2世代の薬剤は、第1世代の薬剤よりはるかに毒性が高く、一般に餌中に低濃度で適用され(通常、0.001〜0.005%のオーダーで)、餌を単回摂取後に致死的であり、第1世代の抗凝固剤に耐性になった齧歯類の系統にも有効であり、第2世代の抗凝固剤を「スーパーワルファリン」ということがある。抗凝固剤殺鼠剤は、抗生物質、最も一般的にはスルファキノキサリンにより増強される。この組み合わせ(例えば、ワルファリン0.05%+スルファキノキサリン 0.02%、またはジフェナクム0.005%+スルファキノキサリン0.02%など)の目的は、抗生物質/静菌剤がビタミンKの供給源である腸管/消化管共生微生物叢を抑制することである。すなわち、共生細菌は殺され、その代謝は害され、ビタミンKの産生は減少し、その効果は抗凝固剤の作用に論理的に関与する。{びせいぶつ そう}スルファキノキサリン以外の抗生物質、例えばコ-トリモキサゾール、テトラサイクリン、ネオマイシンまたはメトロニダゾールを用いることができる。殺鼠餌に用いるさらなる相乗作用は、抗凝固剤とビタミンD活性を有する化合物、すなわち、コレカルシフェロールまたはエルゴカルシフェロールの組み合わせである(下記参照)。用いる典型的処方は、例えばワルファリン0.025〜0.05%+コレカルシフェロール0.01%である。ある国では、固定3成分殺鼠剤、すなわち、抗凝固剤+抗生物質+ビタミンD、例えばジフェナクム0.005%+スルファキノキサリン0.02%+コレカルシフェロール0.01%さえある。第2世代抗凝固剤と抗生物質および/またはビタミンDの組み合わせは、最も耐性な齧歯類系統に対しても有効であると考えられる。ある第2世代抗凝固剤(すなわち、ブロジファクムおよびジフェチアロン)は、餌中濃度0.0025〜0.005%できわめて毒性が高く、耐性な齧歯類系統の存在は知られておらず、あらゆる他の誘導体に対して耐性な齧歯類でもこの最も毒性の抗凝固剤の適用により確実に駆除される。ビタミンK1は、抗凝固剤毒に事故でまたは故意に(ペットを毒で攻撃、自殺目的)暴露されたペットまたはヒトに解毒剤として示唆され、有効に用いられてきた。さらに、これらの毒のあるものは肝機能を阻害することにより作用し、中毒が進行した段階では種々の血液凝固因子および循環血の全用量が不足するので、輸血(所望により凝固因子が存在する)で不注意に毒を摂取したヒトの生命を救うことができ、これはいくつかのより古い毒において利点がある。
【0020】
・金属リン化物は、齧歯類を殺す手段として用いられ、単用量急速作用殺鼠剤(一般的に単回餌摂取の1〜3日間以内に死亡する。)と考えられる。食物とリン化物(通常リン化亜鉛)からなる餌を齧歯類がそれを食べる可能性があるところに置く。齧歯類の消化系中の酸は、リン化物と反応し、毒性ホスフィンガスを発生する。この害虫防除方法は、齧歯類がある抗凝固剤に耐性である場合に、例えば特に家ネズミと野ネズミを防除するために用いることができ、リン化亜鉛餌もほとんどの第2世代抗凝固剤より安価であり、齧歯類が大発生している場合に、その集団を最初に大量のリン化亜鉛餌を適用して減らし、次いで最初の速効性毒で生き残った集団の残りを抗凝固剤液の長期摂取により根絶する。逆に、抗凝固剤餌の毒作用に生き残った個々の齧歯類(残存集団)は、該齧歯類に無毒の餌を1または2週間前給餌し(これは餌に対する不安を克服し、特にラットを根絶する場合に特定の場所で特定の餌を与えることにより齧歯類が給餌に慣れるために重要である)、次いで餌のすべての消費が終わるまで(通常2〜4日間以内)前給餌に用いたのと同じ種類の毒餌を適用することにより根絶することができる。作用機序の異なる殺鼠剤を交互に用いるこの方法は、餌の受容/食味が良ければ(すなわち、齧歯類が容易に餌を食べる)、その領域の齧歯類集団の事実上またはほぼ100%の根絶をもたらす。
【0021】
・リン化物はかなり即効性のラット毒であり、通常、ラットは毒を食べた建物ではなく空き地で死ぬ。典型的な例には、リン化アルミニウム(燻蒸剤のみ)、リン化カルシウム(燻蒸剤のみ)、リン化マグネシウム(燻蒸剤のみ)、およびリン化亜鉛(餌中)がある。リン化亜鉛は、典型的には約0.75〜2%の量を齧歯類の餌に加える。該餌には、加水分解により遊離したホスフィンに特徴的な強い刺激性のニンニク様の臭いがある。この臭いは齧歯類にとって魅力的(または少なくとも拒絶しない)であり、他の哺乳動物には拒絶作用があるが、鳥(特に野生の七面鳥)は、臭いに敏感ではないため、餌を食べ、巻き添え被害にあう。
【0022】
・高カルシウム血症。カルシフェロール(ビタミンD)、コレカルシフェロール(ビタミンD3)、およびエルゴカルシフェロール(ビタミンD2)は殺鼠剤として用いられ、身体のカルシウムおよびリン酸の恒常性に影響を及ぼすという哺乳動物にとって有益であるのと同じ理由で齧歯類に毒性がある。ビタミンDは、微量(1日に数IU/kg体重で、わずかミリグラムにも満たない。)が不可欠であり、ほとんどの脂溶性ビタミンと同様に、大用量で毒性があり、容易にいわゆるビタミン過剰症(簡単に言えばビタミン中毒である)を生じる。中毒が充分重症であれば(すなわち、毒物の用量が十分高ければ)、最終的に死を招く。殺鼠剤餌を摂取した齧歯類では、主として餌からのカルシウムの吸収増加によりカルシウムレベルが上昇することにより高カルシウム血症が生じ、骨マトリックス固定カルシウムはイオン化形に動員され(主として、一部が結晶タンパク質と結合した炭酸1水素カリウムカチオン、[CaHCO3])、血漿に溶解して循環し、致死量を摂取後、遊離カルシウムレベルは、血管、腎臓、胃壁、および肺が鉱化/石灰化する(組織の石灰化、カルシウム塩/複合体の結晶を形成し、組織を損傷する。)ほど充分に上昇し、さらに心臓疾患(心筋は、遊離カルシウムレベルの変動に感受性であり、この変動は心筋の収縮性と、動脈と静脈の興奮伝達に影響を及ぼす)と出血(毛細血管の損傷による)、およびおそらく腎不全をもたらす。単回用量または累積的(用いる濃度に応じて、通常の0.075%の餌濃度は、大部分の餌を単回摂取後のほとんどの齧歯類に致死的である)、亜慢性(通常餌を摂取して数日間〜1週間以内に死亡する)であると考えられる。適用濃度は単独で使用する場合は0.075%コレカルシフェロールおよび0.1%エルゴカルシフェロールである。カルシフェロールの毒性学には、抗凝固剤毒物と相乗作用があるという重要な特徴がある。これは、同じ餌中の抗凝固剤とカルシフェロールの混合物が餌中の抗凝固剤とカルシフェロールの毒性の合計より毒性が高く、餌中のかなり低いカルシフェロール含有量で(抗凝固剤でも同様)大きな高カルシウム血症作用が達成することができることを意味する。カルシフェロールが存在する場合はより明らかな抗凝固/出血作用がみられる。有効濃度のカルシフェロールはほとんどの有効濃度の抗凝固剤より高価であるため、この相乗作用はほとんど低カルシフェロール餌で用いられる。実際に、殺鼠剤餌へのカルシフェロールの歴史的に最初の適用は、ワルファリン0.025%+エルゴカルシフェロール0.1%を含む1970年代初期のSorex product Sorexa(登録商標)D(今日のSorexa(登録商標)Dとは処方が異なる)にさかのぼる。今日、Sorexa(登録商標)CDは、0.0025%ジフェナクム+0.075%コレカルシフェロール混合物を含む。カルシフェロール0.075〜0.1%(例えば、Quintox(登録商標)(0.075%コレカルシフェロール含有))のみ、またはカルシフェロール0.01〜0.075%と抗凝固剤の混合物を含む多くの他のブランドの製品が市販されている。
殺ダニ剤、軟体動物駆除剤、およびネマチシド(nematicide)
【0023】
殺ダニ剤は、ダニを殺す駆除薬である。抗生物質殺ダニ剤、カルバメート殺ダニ剤、ホルマミジン殺ダニ剤、ダニ成長調節剤、有機塩素、ペルメトリン、および有機リン殺ダニ剤がすべてこのカテゴリーに入る。軟体動物駆除剤は、軟体動物、例えば蛾(moth)、ナメクジ、およびカタツムリを駆除するのに用いる駆除薬である。これらの物質には、メタアルデヒド、メチオカルブ、および硫酸アルミニウムが含まれる。ネマチシドは、寄生線虫(蠕虫(worm)門)を殺すのに用いられる化学農薬の一つである。ネマチシドは、油を抽出した後のニーム種子の残渣であるニームの木の種子ケーキから得られる。ニームの木は、世界中で種々の名前で知られているが、古代からインドで最初に栽培された。
抗微生物薬
【0024】
以下に、本発明の農薬組成物に適した抗微生物薬の例を示す。主に用いられる殺菌消毒剤が適用される。
【0025】
・活性塩素(すなわち、次亜塩素酸塩、クロルアミン、ジクロロイソシアヌレート、およびトリクロロイソシアヌレート、湿塩素、二酸化塩素など)、
・活性酸素(パーオキシド、例えば過酢酸、過硫酸カリウム、過ホウ酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、および過酸化水素尿素)、
・ヨウ素(ヨードポビドン(ポビドンヨード、ベタジン)、ルゴール溶液、ヨードチンキ、ヨウ素化非イオン性界面活性剤)、
・濃縮アルコール(主としてエタノール、1-プロパノール(n-プロパノールともいう)、および2-プロパノール(イソプロパノールともいう)およびそれらの混合物;さらに2-フェノキシエタノール、および1-および2-フェノキシプロパノールを用いる)、
・フェノール物質(例えばフェノール(「石炭酸」ともいう)、クレゾール(液体カリウム石けんと組み合わせて「リゾール」という)、ハロゲン化(塩素化、臭素化)フェノール、例えばヘキサクロロフェン、トリクロサン、トリクロロフェノール、トリブロモフェノール、ペンタクロロフェノール、ジブロモール、およびそれらの塩)、
・陽イオン性界面活性剤、例えばある種の第4級アンモニウムカチオン(例えば、塩化ベンザルコニウム、セチルトリメチルアンモニウムブロミドまたはクロリド、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド、セチルピリジニウムクロリド、ベンゼトニウムクロリド)など、非第4級化合物、例えばクロルヘキシジン、グルコプロタミン、オクテニジン2塩酸塩など)、
・強酸化剤、例えばオゾン、および過マンガン酸溶液、
・重金属およびその塩、例えば銀コロイド、硝酸銀、塩化水銀、フェニル水銀塩、硫酸銅、オキシ塩化銅など。重金属とその塩は、最も毒性が強く、環境的に有害な殺菌剤であるので、その使用は強く抑制または禁止される;さらにまた
・適切な濃強酸(リン酸、硝酸、硫酸、アミド硫酸、トルエンスルホン酸)、および
・アルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム)、pH<1または>13、特に上昇した温度(60℃以上)以下で細菌を殺す。
【0026】
消毒薬(すなわち、ヒトまたは動物の身体、皮膚、粘膜、外傷などに用いることができる殺菌剤)として、上記殺菌剤は、適切な条件下(主に、濃度、pH、温度、およびヒト/動物に対する毒性)で用いることができるものが少ない。それらの中で、以下のものが重要である。
【0027】
・ある種の適切に希釈された塩素調製物(例えば、Daquin溶液、0.5%次亜塩素酸ナトリウムまたはカリウム溶液(pHをpH7〜8に調製)、または0.5〜1%ナトリウムベンゼンスルホクロルアミド(クロラミンB)溶液)、
・ヨウ素調製物、例えば種々のガレニクス(galenics)中のヨードポビドン(軟膏、溶液、創傷プラスター)、従来はルゴール溶液、
・過酸化物、例えば過酸化尿素溶液(pHを0.1〜0.25%過酢酸溶液で緩衝)、
・主として皮膚の消毒に用いる消毒添加剤を含むか含まないアルコール、
・弱有機酸、例えばソルビン酸、安息香酸、乳酸、およびサリチル酸、
・ある種のフェノール化合物、例えばヘキサクロロフェン、トリクロサン、およびジブロモール、および
・陽イオン活性化合物、例えば0.05〜0.5%ベンザルコニウム、0.5〜4%クロルヘキシジン、0.1〜2%オクテニジン溶液。
【0028】
殺菌抗生物質は細菌を殺し、静菌抗生物質は、細菌の成長や複製を遅くするだけである。ペニシリンは、セファロスポリン同様殺菌剤である。アミノグリコシド系抗生物質は、殺菌的(細胞壁前駆体を破壊して溶菌をもたらす)または静菌的(30sリボソームサブユニットと結合して不正確なタンパク質合成をもたらす)に作用しうる。本発明の他の殺菌構成物質には、フルオロキノロン、ニトロフラン、バンコマイシン、モノバクタム、コ-トリモキサゾール、およびメトロニダゾールが含まれる。好ましい活性物質は、全身的または一部全身的作用機序を有するもの(例えばアゾキシストロビン)である。
【0029】
全体として、以下からなる群から選ばれる殺生物剤が好ましい:アゾール、オキシフルオルフェン、プロパニル、クロルピリホス、ビフェントリン、ノバルロン、フェンメヂファム、デルタメトリン、アセトクロル、ラムダ-シハロトリン、グリホサートおよびその塩、グルホシナートおよびその塩、およびこれらの種の混合物。
油成分
【0030】
多くの場合において、生成物の乳化力を支持するために殺生物剤組成物に油成分 (所望により成分c)を加えることが好都合である。適切な生成物には、以下のものが含まれる:炭素数6〜18、好ましくは8〜10の脂肪アルコールに基づくGuerbetアルコール、直鎖C6-C22脂肪酸と直鎖または分岐C6-C22脂肪酸アルコールのエステル、または分岐C6-C13-カルボン酸と直鎖または分岐C6-C22脂肪酸アルコールのエステル、例えば、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸ミリスチル、ステアリン酸ミリスチル、イソステアリン酸ミリスチル、オレイン酸ミリスチル、ベヘン酸ミリスチル、エルカ酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸セチル、イソステアリン酸セチル、オレイン酸セチル、ベヘン酸セチル、エルカ酸セチル、ミリスチン酸ステアリル、パルミチン酸ステアリル、ステアリン酸ステアリル、イソステアリン酸ステアリル、オレイン酸ステアリル、ベヘン酸ステアリル、エルカ酸ステアリル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸イソステアリル、オレイン酸イソステアリル、ベヘン酸イソステアリル、オレイン酸イソステアリル、ミリスチン酸オレイル、パルミチン酸オレイル、ステアリン酸オレイル、イソステアリン酸オレイル、オレイン酸オレイル、ベヘン酸オレイル、エルカ酸オレイル、ミリスチン酸ベヘニル、パルミチン酸ベヘニル、ステアリン酸ベヘニル、イソステアリン酸ベヘニル、オレイン酸ベヘニル、ベヘン酸ベヘニル、エルカ酸ベヘニル、ミリスチン酸エルシル、パルミチン酸エルシル、ステアリン酸エルシル、イソステアリン酸エルシル、オレイン酸エルシル、ベヘン酸エルシル、およびエルカ酸エルシル。以下のものも適している:直鎖C6-C22脂肪酸と分岐アルコール、特に2-エチルヘキサノールのエステル、C18-C38-アルキルヒドロキシカルボン酸と直鎖または分岐C6-C22脂肪酸アルコールのエステル、特にリンゴ酸ジオクチル;直鎖および/または分岐脂肪酸と多価アルコール(例えば、プロピレングリコール、二量体ジオール、または三量体トリオールなど)、および/またはGuerbetアルコールのエステル;C6-C10脂肪酸に基づくトリグリセリド、C6-C18脂肪酸に基づく液体モノ/ジ/トリグリセリド混合物;C6-C22脂肪酸アルコールおよび/またはGuerbetアルコールと芳香族カルボン酸、特に安息香酸のエステル;C2-C12-ジカルボン酸と炭素数1〜22の直鎖または分岐アルコールのエステル(Cetiol(登録商標)B)または炭素数2〜10の、2〜6個のヒドロキシル基を有するポリオール、植物油、分岐第1級アルコール、置換シクロヘキサン、直鎖および分岐C6-C22脂肪アルコールカーボネート、ジカプリルイルカーボネート(Cetiol(登録商標)CC)、炭素数6〜18、好ましくは8〜10の脂肪アルコールに基づくGuerbetカーボネート、安息香酸と直鎖および/または分岐C6-C22-アルコールのエステル(例えばCetiol(登録商標)AB)、炭素数6〜22/アルキル基の直鎖または分岐対称または不斉ジアルキルエーテル、例えばジカプリルイルエーテル(Cetiol(登録商標)OE)、ポリオールとエポキシ化脂肪酸エステルの開環生成物、シリコン油(シクロメチコン、シリコンメチコングレードなど)、脂肪族またはナフテン炭化水素、例えばスクアラン、スクアレン、またはジアルキルシクロヘキサン、および/または鉱物油。好ましい油成分/共溶媒は、エステル構造、好ましくはアジピン酸エステル(Cetiol(登録商標)B、Agnique DiME 6)、植物油のメチルエステル(Agnique(登録商標)ME 18RD-F、Ag-nique(登録商標)ME 12C-F)、アルキルエステル (Agnique(登録商標)Ae 3-2EH)、(全製品ともCognis GmbHから市販されている)。
乳化剤
【0031】
多くの場合、生成物の安定性を支持するために殺生物剤組成物に乳化剤 (所望により成分d)を加えるのが好都合である。乳化剤の最初の好ましい群には、例えば以下のような非イオン性界面活性剤が含まれる。
【0032】
・2〜30molエチレンオキシド、および/または0〜5molプロピレンオキシドを、直鎖C8-22脂肪アルコール、C12-22脂肪酸、およびアルキル基の炭素数が8〜15のアルキルフェノールに加えた生成物;
・1〜30molエチレンオキシドをグリセロールに付加した生成物のC12/18脂肪酸モノエステルおよびジエステル;
・炭素数6〜22の飽和および不飽和脂肪酸のグリセロールモノおよびジエステルおよびソルビタンモノおよびジエステル、およびそのエチレンオキシド付加生成物;
・石油および/または水素化石油への15〜60molエチレンオキシド付加生成物;
・ポリオールエステル、特にポリグリセロールエステル、例えば、ポリグリセロールポリリシンオレイン酸エステル、ポリグリセロール ポリ-12-ヒドロキシステアリン酸エステルまたはポリグリセロールジメラート(merate)イソステアレート。以下のようなこれらクラスの種々の化合物の混合物も適している:
・2〜15molエチレンオキシドをひまし油および/または水素化ひまし油に付加した生成物;
・直鎖、分岐、不飽和もしくは飽和C6/22脂肪酸、リシノール酸および12-ヒドロキシステアリン酸、およびグリセロール、ポリグリセロール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、糖アルコール(例えばソルビトール)、アルキルグルコシド(例えばメチルグルコシド、ブチルグルコシド、ラウリルグルコシド)、およびポリグルコシド(例えばセルロース)に基づく部分エステル;
・サッカロースエステルのアルコキシル化生成物、
・モノ、ジ、およびトリアルキルホスフェート、およびモノ-、ジ-、および/またはトリ-PEG-アルキルホスフェート、およびその塩;
・羊毛脂アルコール;
・ポリシロキサン/ポリアルキルポリエーテルコポリマーおよび対応する誘導体;
・ペンタエリスリトール、脂肪酸、クエン酸、および脂肪アルコールの混合エステル、および/またはC6-22脂肪酸、メチルグルコース、およびポリオール、好ましくはグリセロールまたはポリグリセロールの混合エステル、
・ポリアルキレングリコール、および
・炭酸グリセロール。
【0033】
エチレンオキシド、および/またはプロピレンオキシドを、脂肪アルコール、脂肪酸、アルキルフェノール、脂肪酸のグリセロールモノ-およびジエステル、およびソルビタンモノ-およびジエステル、またはひまし油に付加した生成物は、既知の市販製品である。それらは、アルコキシル化の平均温度がエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドと付加反応を行う基質の量の割合に対応する同族体混合物である。エチレンオキシドのグリセロールとの付加生成物のC12/18脂肪酸モノエステルおよびジエステルは、化粧品処方の脂質層増強剤として知られている。好ましい乳化剤を以下により詳細に記載する。
部分的グリセリド
【0034】
適切な部分的グリセリドの典型例には以下のものがある:ヒドロキシステアリン酸モノグリセリド、ヒドロキシステアリン酸ジグリセリド、イソステアリン酸モノグリセリド、イソステアリン酸ジグリセリド、オレイン酸モノグリセリド、オレイン酸ジグリセリド、リシノール酸モノグリセリド、リシノール酸ジ-グリセリド、リノール酸モノグリセリド、リノール酸ジグリセリド、リノレン酸モノグリセリド、リノレン酸ジグリセリド、エルカ酸モノグリセリド、エルカ酸ジグリセリド、コハク酸モノグリセリド、コハク酸ジグリセリド、クエン酸モノグリセリド、クエン酸ジグリセリド、リンゴ酸モノグリセリド、リンゴ酸ジグリセリド、およびそれらの技術的混合物(生成プロセス由来の少量のトリグリセリドをまだ含むことがある)。1〜30、好ましくは5〜10molエチレンオキシドの、示した部分的グリセリドとの付加生成物も適している。
ソルビタンエステル
【0035】
適切なソルビタンエステルには以下のものがある:ソルビタンモノイソステアリン酸エステル、ソルビタンセスキイソステアリン酸エステル、ソルビタンジイソステアリン酸エステル、ソルビタントリイソステアリン酸エステル、ソルビタンモノオレイン酸エステル、ソルビタンセスキオレイン酸エステル、ソルビタンジ-オレイン酸エステル、ソルビタントリオレイン酸エステル、ソルビタンモノエルカ酸エステル、ソルビタンセスキエルカ酸エステル、ソルビタンジエルカ酸エステル、ソルビタントリエルカ酸エステル、ソルビタンモノリシノール酸エステル、ソルビタンセスキリシノール酸エステル、ソルビタンジリシノール酸エステル、ソルビタントリリシノール酸エステル、ソルビタンモノヒドロキシステアリン酸エステル、ソルビタンセスキヒドロキシステアリン酸エステル、ソルビタンジヒドロキシステアリン酸エステル、ソルビタントリヒドロキシステアリン酸エステル、ソルビタンモノ酒石酸エステル、ソルビタンセスキ酒石酸エステル、ソルビタンジ酒石酸エステル、ソルビタントリ酒石酸エステル、ソルビタンモノクエン酸エステル、ソルビタンセスキクエン酸エステル、ソルビタンジクエン酸エステル、ソルビタントリクエン酸エステル、ソルビタンモノマレイン酸エステル、ソルビタンセスキマレイン酸エステル、ソルビタンジマレイン酸エステル、ソルビタントリマレイン酸エステル、およびそれらの技術的混合物。1〜30、好ましくは5〜10molエチレンオキシドと、示したソルビタンエステルとの付加生成物も適している。
ポリグリセロールエステル
【0036】
適切なポリグリセロールエステルの典型例には以下のものがある:ポリグリセリル-2ジポリヒドロキシステアリン酸(Dehymuls(登録商標)PGPH)、ポリグリセリン-3-ジイソステアリン酸(Lameform(登録商標)TGI)、ポリグリセリル-4イソステアリン酸エステル(Isolan(登録商標)GI 34)、ポリグリセリル-3 オレイン酸、ジイソステアロイル ポリグリセリル-3ジイソステアリン酸(Iso-lan(登録商標)PDI)、ポリグリセリル-3 メチルグルコースジステアリン酸(Tego Care(登録商標)450)、ポリグリセリル-3蜜ロウ(Cera Bellina(登録商標))、ポリグリセリル-4 カプリン酸エステル (ポリグリセロール カプリン酸エステル T2010/90)、ポリグリセリル-3 セチルエーテル(Chimexane(登録商標)NL)、ポリグリセリル-3ジステアリン酸(Cremophor(登録商標)GS 32)、およびポリグリセリルポリリシノール酸(Admul(登録商標)WOL 1403)、ポリグリセリルジメラートイソステアリン酸、およびそれらの混合物。他の適切なポリオールエステルの例には、トリメチルオールプロパンまたはペンタエリスリトールとラウリン酸、ココ脂肪酸、獣脂脂肪酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸エステル、ベヘン酸など(所望により1〜30molエチレンオキシドと反応させる)のモノ-、ジ-、およびトリエステルがある。
アルキル(アルケニル)オリゴグリコシド
【0037】
好ましい乳化剤でもあるアルキルまたはアルケニルオリゴグリコシドは、炭素数5または6のアルドースまたはケトース、好ましくはグルコースを含むアルドースまたはケトース由来でありうる。したがって、好ましいアルキルおよび/またはアルケニル オリゴグリコシドは、アルキルまたはアルケニルオリゴグルコシドである。これらの物質は、総称して「アルキルポリグリコシド」(APG)としても知られる。本発明のアルキル(アルケニル)オリゴグリコシドは下記式(II)に対応する。
R5O[G]p (II)
[式中、R5は、炭素数6〜22のアルキルまたはアルケニルラジカルである。Gは炭素数5または6の糖単位である。pは1〜10の数である。]。一般式(II)中の指数pは、オリゴマー形成度(DP度)、すなわちモノ-およびオリゴ-グリコシドの分配を示し、1〜10の数である。特定の化合物中のpは、常に整数でなければならず、とりわけ、1〜6の値が想定される。あるアルキルオリゴグリコシドのp値は、分析的に決定され、計算された量であり、ほとんど端数がある。平均オリゴマー形成度p1.1〜3.0のアルキル(アルケニル)オリゴグリコシドを用いるのが好ましい。平均オリゴマー形成度が1.7以下、より具体的には1.2〜1.4のアルキル(アルケニル)オリゴグリコシドが応用的観点から好ましい。アルキルまたはアルケニルラジカルR5は、炭素数4〜22、好ましくは8〜16の第1アルコール由来でありうる。典型例には以下のものがある:ブタノール、カプロイック(caproic)アルコール、カプリル(caprylic)アルコール、カプリック(capric)アルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、パルミトレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、ペトロセリニルアルコール、アラキルアルコール、ガドレイルアルコール、ベヘニルアルコール、エルシルアルコール、およびその技術的混合物(例えば、技術的脂肪酸メチルエステルの水素化またはRoelenオキソ合成由来のアルデヒドの水素化において形成される)。DP1〜3の水素化C8-C16ココナッツ油アルコールに基づくアルキルオリゴグリコシドが好ましい。アルキルオリゴグリコシドのアルキル化生成物、例えば、DP1.2〜1.4の、1〜10molエチレンオキシドおよび/または1〜5molプロピレンオキシドのC8-C10またはC12-C18アルキルオリゴグルコシドへの付加物も適している。
アルコキシル化植物油
【0038】
適切な乳化剤は、3〜80molエチレンオキシドでエトキシ化したひまし油、菜種油、ダイズ油 (Agnique(登録商標)CSO 35、Agnique(登録商標)SBO 10、Agnique(登録商標)SBO 60))である。
アルコキシル化コポリマー
【0039】
典型的コポリマーは、C2-C22直鎖または分岐アルコールのエトキシ化およびプロポキシ化ブロックおよび/またはランダムポリマーである。
種々の乳化剤
【0040】
典型的陰イオン性乳化剤は、脂肪族C12-22脂肪酸、例えばパルミチン酸、ステアリン酸またはベヘン酸、およびC12-22ジカルボン酸、例えばアゼライン酸またはセバシン酸である。他の適切な乳化剤は、両性イオン界面活性剤である。両性イオン界面活性剤は、分子中に、少なくとも1の第4級アンモニウム基および少なくとも1のカルボン酸基および1のスルホン酸基を含む界面活性化合物である。特に適した両性イオン界面活性剤は、いわゆるベタイン、例えばアルキルまたはアシル基の炭素数が8〜18の、N-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、例えばココアルキルジメチルアンモニウムグリシネート、N-アシルアミノプロピル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、例えばココアシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート、および2-アルキル-3-カルボキシメチル-3-ヒドロキシエチルイミダゾリン、ならびにココアシルアミノエチル ヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネートである。ココアミドプロピルベタインのCTFA名で知られる脂肪酸アミド誘導体が特に好ましい。両性界面活性剤も適切な乳化剤である。両性界面活性剤は、C8/18アルキルまたはアシル基に加えて、分子中に少なくとも1の遊離アミノ基および少なくとも1の-COOH-または-SO3H-基を含み、内部塩を形成することができる界面活性化合物である。適切な両性界面活性剤の例には以下のものがある:アルキル基中の炭素数が8〜18である、N-アルキルグリシン、N-アルキルプロピオン酸、N-アルキルアミノ酪酸、N-アルキルイミノジプロピオン酸、N-ヒドロキシエチル-N-アルキルアミドプロピルグリシン、N-アルキルタウリン、N-アルキルサルコシン、2-アルキルアミノプロピオン酸、およびアルキルアミノ酢酸。特に好ましい両性界面活性剤は、N-ココアルキルアミノプロピオネート、ココアルキルアミノエチルアミノプロピオネート、およびC12/18アシルサルコシンである。
殺生物剤組成物
【0041】
殺生物剤の性質に応じて、生成物は以下の組成を示しうる:
(a) 約0.1%b.w.〜約99%b.w.、好ましくは約15%b.w.〜約70%b.w.、最も好ましくは約20%b.w.〜約45%b.w.のピログルタミン酸エステルおよび/またはアミド、
(b) 約1%b.w.〜約99.1%b.w.、好ましくは約5%b.w.〜約75%b.w.、最も好ましくは約15%b.w.〜約40%b.w.の殺生物剤、
(c) 0〜約50、好ましくは約5〜約30、より好ましくは約10〜約25%b.w.の油成分/共溶媒、および
(d)0%b.w.〜約15%b.w.、好ましくは約5〜約10%b.w.の乳化剤
(所望により水および/またはポリオールを加えて数字を100%b.w.とする)。該組成物は、約0.5〜約5%、好ましくは約0.5〜約1%の活性物質を含む末端使用者のための水性製剤を提供するための水で希釈する駆除薬濃縮液である。
産業的応用
【0042】
本発明の最後の態様は、殺生物剤の溶媒または分散剤としての、ピログルタミン酸のエステルおよび/またはアミド、具体的には、ピログルタミン酸メチルエステル、ピログルタミン酸エチルエステル、ピログルタミン酸プロピルエステル、ピログルタミン酸ブチルエステル、ピログルタミン酸 n-オクチルエステル、ピログルタミン酸-2-エチルヘキシルエステル、ピログルタミン酸フルフリルエステル、ピログルタミン酸テトラヒドロフルフリルエステル、ピログルタミン酸ジメチルアミド、ピログルタミン酸ジエチルアミド、ピログルタミン酸ジプロピルアミド、ピログルタミン酸ジブチルアミド、ピログルタミン酸ジ-n-オクチルアミド、ピログルタミン酸ジ-2-エチルヘキシルアミド、およびそれらの混合物の使用に関する。
【実施例】
【0043】
実施例1〜5
安定性
種々の乳化可能な濃縮物を設計し、殺生物剤、ジ-メチルアミド、共溶媒、および乳化剤を混合することにより製造した。次に、該濃縮物を水で5%に希釈した。20℃で24時間保存した、種々の水の硬度の5%b.w.エマルジョンの特性を評価した。該エマルジョンの安定性を時間に応じて測定した。層化については、(++)は「層化なし」を、(+)は、「約1mlの層化」を示す。混濁度では、(++)は乳白色エマルジョンを、(+)はわずかに乳白色のエマルジョンを示す。結果を表1に示す。量は濃縮物の組成を反映する。
表1
【0044】
【表1】

【0045】
実施例は、最適化された溶媒混合物および乳化剤系により優れた乳化挙動が得られることを示す。
実施例6
比較実施例C1およびC2
溶解度
【0046】
25℃における、種々のジアルキルアミド中の2殺真菌剤、1除草剤、および2殺虫剤の溶解度を試験した。活性物質の溶解度は25%b.w.であった。各殺生物剤の最小目標溶解度を表2に示す。
表2
【0047】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ピログルタミン酸のエステルおよび/またはアミド、および
(b)殺生物剤
を含む殺生物剤組成物。
【請求項2】
成分(a)として、一般式(I):

(I)
[式中、Xは、O[AO]nR1またはNR2R3を表し、[AO]はC2-C4アルキレンオキシド単位を表し、nは、0または1〜100の整数を表し、R1は、水素、炭素数1〜22のアルキルもしくはアルケニルラジカル、または(テトラヒドロ)フルフリル残基を表し、R2およびR3は、独立してそれぞれ水素または炭素数1〜22のアルキルまたはアルケニルラジカルを表す。]
で示されるエステルおよび/またはアミドを含むことを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項3】
成分(a)として以下からなる群から選ばれるエステルを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の組成物:ピログルタミン酸メチルエステル、ピログルタミン酸エチルエステル、ピログルタミン酸プロピルエステル、ピログルタミン酸ブチルエステル、ピログルタミン酸 n-オクチルエステル、ピログルタミン酸-2-エチルヘキシルエステル、ピログルタミン酸フルフリルエステル、ピログルタミン酸テトラヒドロフルフリルエステルまたはそれらの混合物。
【請求項4】
成分(a)として以下からなる群から選ばれるアミドを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の組成物:ピログルタミン酸ジメチルアミド、ピログルタミン酸ジエチルアミド、ピログルタミン酸ジプロピルアミド、ピログルタミン酸ジブチルアミド、ピログルタミン酸ジ-n-オクチルアミド、ピログルタミン酸ジ-2-エチルヘキシルアミドまたはそれらの混合物。
【請求項5】
除草剤、殺真菌剤、殺虫剤、および植物成長調節物質からなる群から選ばれる殺生物剤(成分(b))を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
アゾール、オキシフルオルフェン、プロパニル、クロルピリホス、ビフェントリン、ノバルロン、フェンメヂファム、デルタメトリン、アセトクロル、ラムダ-シハロトリン、グリホサートおよびその塩、ならびにグルホシナートおよびその塩からなる群から選ばれる殺生物剤を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
所望の成分(c)として油成分または共溶媒を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
所望の成分(d)として乳化剤を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の組成物。
【請求項9】
(a)0.1%b.w.〜99%b.w.のピログルタミン酸のエステルおよび/またはアミド、
(b)1%b.w.〜99.1%b.w.の殺生物剤、
(c)0%b.w.〜50%b.w.の油成分または共溶媒、および
(d)0%b.w.〜15%b.w.の乳化剤
を含む、所望により水および/またはポリオールを加えて100%b.w.とする、請求項1〜8のいずれかに記載の組成物。
【請求項10】
活性物質の含有量が5%b.w.〜50%b.w.であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の組成物。
【請求項11】
殺生物剤用の溶媒または分散剤としてのピログルタミン酸のエステルおよび/またはアミド使用。

【公表番号】特表2013−513629(P2013−513629A)
【公表日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543510(P2012−543510)
【出願日】平成22年12月6日(2010.12.6)
【国際出願番号】PCT/EP2010/007404
【国際公開番号】WO2011/072811
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(505066718)コグニス・アイピー・マネージメント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (191)
【氏名又は名称原語表記】Cognis IP Management GmbH
【Fターム(参考)】