説明

ピロリジン誘導体の合成方法

【課題】本発明の目的は、カイニン酸などの合成に適用可能であり、短工程かつ各工程の変換効率が高い効率的なピロリジンジカルボン酸化合物の合成方法を提供することである。
【解決手段】 本発明により、例えば式B−I:


[式中、L、ZおよびR22は、明細書中に定義したとおりである]の化合物を原料として、式I:


[式中、R、R、R、R、RおよびZは、明細書中に定義されたとおりである]の化合物を製造する方法が提供される。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中、RおよびRは、独立に、水素原子およびC1−6アルキルから選択され、ここで当該アルキルは、ハロゲン原子、ヒドロキシ、C1−6アルコキシおよびアリールから選択される1以上の置換基により置換されていてもよく;R、RおよびRは、独立に、水素原子、C1−10アルキル、C2−10アルケニルおよびC2−10アルキニルから選択され、ここで当該アルキル、アルケニルおよびアルキニルは、ハロゲン原子、ヒドロキシ、カルボキシ、C1−6アルコキシカルボニルおよびアリールから選択される1以上の置換基により置換されていてもよく;および、Zは、水素原子または2級アミノ基の保護基である]
の化合物の製造方法であって、
式A−IまたはA−XI:
【化2】

[式中、R21はエステル形成基であり;R22はRの定義と同様であり(但し、Rに含まれうる官能基は保護基により保護されていてもよい);Zは2級アミノ基の保護基であり;Xは脱離基である]
の化合物を塩基の存在下、式A−II:
【化3】

[式中、R21、R22およびZは、既に定義したとおりである]
の化合物に変換する工程;および、式A−IIの化合物を式Iの化合物に変換する工程を含む、前記製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の式Iの化合物の製造方法であって、
a−1)式A−IまたはA−XI:
【化4】

[式中、R21、R22、ZおよびXは、請求項1に定義したとおりである]
の化合物を塩基の存在下、式A−II:
【化5】

[式中、R21、R22およびZは、既に定義したとおりである]
の化合物に変換する工程;
a−2)式A−IIの化合物を塩基の存在下、式A−III:
【化6】

[式中、R21、R22およびZは、既に定義したとおりであり;R23はエステル形成基である]
の化合物に変換する工程;
a−3)式A−IIIの化合物を、式A−IV:
【化7】

[式中、R21、R22、R23およびZは、既に定義したとおりである]
の化合物に酸化する工程;
a−4)式A−IVの化合物を式A−V
【化8】

[式中、R21、R22、R23およびZは、既に定義したとおりであり;R24およびR25は、それぞれRおよびRの定義と同様である(但し、R24およびR25に含まれうる官能基は保護基により保護されていてもよい)]
の化合物に変換する工程;
を含み、さらに式A−Vの化合物が保護基を含む場合は脱保護の工程、および/またはエステルをカルボキシル基に変換する工程を含んでもよい、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
工程a−1において式A−IaまたはA−XIa:
【化9】

[式中、R21、R22、ZおよびXは、請求項1に定義したとおりである]
の化合物を使用し、最終生成物として式Ia:
【化10】

[式中、R、R、R、R、RおよびZは、請求項1に定義したとおりである]
の化合物を得る、請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
式A−IまたはA−XI:
【化11】

[式中、R21、R22、ZおよびXは、請求項1に定義したとおりである]]
の化合物を製造する方法であって、
b−1)式B−I:
【化12】

[式中、R22は、既に定義したとおりであり;Zはヒドロキシの保護基であり;Lは脱離基である]
の化合物をアルキル化し、および窒素原子上に置換基を導入することにより、式B−II:
【化13】

[式中、R22およびZは、既に定義したとおりであり;R31はエステル形成基であり;Zは、C1−6アルキルまたは窒素原子の保護基である]
の化合物に変換する工程;
b−2)式B−IIの化合物を還元することにより、式B−III:
【化14】

[式中、R22、R31、ZおよびZは、既に定義したとおりである]
の化合物に変換する工程;
b−3)式B−IIIの化合物を、式B−IV:
【化15】

[式中、R21、R22、R31、ZおよびZは、既に定義したとおりであり;Zは、C1−6アルキルスルホニル(当該アルキルスルホニルは1以上のハロゲン原子で置換されていてもよい)、アリールスルホニル(当該アリールスルホニルは、ニトロ、シアノ、ハロゲン原子およびC1−6ハロアルキルから選択される1以上の置換基により置換されていてもよい)から選択されるか、またはZとして請求項1で定義される2級アミノ基の保護基である]
の化合物に変換する工程;
b−4)式B−IVの化合物を、式B−V:
【化16】

[式中、R21、R22、ZおよびZは、既に定義したとおりである]
の化合物に変換する工程;および
b−5)式B−Vの化合物を、式A−IまたはA−XIの化合物に変換する工程;
を含み、さらに任意の段階においてZを、Zとして定義される基に変換する工程を含んでいてもよい前記製造方法。
【請求項5】
工程b−1において式B−Ia:
【化17】

[式中、R22、ZおよびLは、請求項4に定義したとおりである]
の化合物を使用し、最終生成物として式A−IaまたはA−XIa:
【化18】

[式中、R21、R22、ZおよびXは、請求項4に定義したとおりである]
の化合物を得る、請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
Xが、ハロゲン原子、−NR、−N515253、−OR10または−S(O)11であり;RおよびRは、独立に、C1−6アルキル(当該アルキルは、ハロゲン原子から選択される1以上の置換基により置換されていてもよい)、アリール(当該アリールは、ニトロ、シアノ、ハロゲン原子およびC1−6ハロアルキルから選択される1以上の置換基により置換されていてもよい)、C7−14アラルキル、C1−6アルキルカルボニル(当該アルキルカルボニルは、ハロゲン原子から選択される1以上の置換基により置換されていてもよい)、アリールカルボニル(当該アリールカルボニルは、ニトロ、シアノ、ハロゲン原子およびC1−6ハロアルキルから選択される1以上の置換基により置換されていてもよい)、C7−14アラルキルカルボニル、−COOR11、アリールスルホニル(当該アリールスルホニルは、ニトロ、シアノ、ハロゲン原子およびC1−6ハロアルキルから選択される1以上の置換基により置換されていてもよい)およびC1−10アルキルスルホニル(当該アルキルは、ハロゲン原子から選択される1以上の置換基により置換されていてもよい)から選択され;R10は、C1−6アルキル、アリール、C7−14アラルキル、C1−6アルキルカルボニル、アリールカルボニル、C7−14アラルキルカルボニル、C1−6アルキルスルホニル、アリールスルホニルまたはC7−14アラルキルスルホニルであり;R11は、C1−20アルキル(当該アルキルは、ハロゲン原子から選択される1以上の置換基により置換されていてもよい)、アリール(当該アリールは、ニトロ、シアノ、ハロゲン原子およびC1−6ハロアルキルから選択される1以上の置換基により置換されていてもよい)またはC7−14アラルキルであり;R51、R52およびR52は、独立に、C1−10アルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニルおよびC7−14アラルキルから選択される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
式A−Ia:
【化19】

[式中、R21、R22およびZは、請求項1に定義したとおりである]
の化合物を製造する方法であって、
c−1)式C−I:
【化20】

[式中、R32は、C1−6アルキル、アリールまたはC7−14アラルキルであり;R35は、水素原子、C1−6アルキル、アリールおよびC7−14アラルキルであり;R33およびR34は、独立に、水素原子およびC1−6アルキル、アリールおよびC7−14アラルキルから選択される]
の化合物をアルデヒド:R22CHO(式中、R22は既に定義したとおりである)と反応させ、さらに保護基を導入することにより、式C−II:
【化21】

[式中、R22、R32、R33、R34およびR35は、既に定義したとおりであり;Zは、ヒドロキシの保護基である]
の化合物に変換する工程;
c−2)式C−IIの化合物を還元することにより、式C−III:
【化22】

[式中、R22、R32、R33、R34、R35およびZは、既に定義したとおりである]
の化合物に変換する工程;
c−3)式C−IIIの化合物を、グリシン誘導体またはその塩と反応させ、さらに保護基を導入することにより、式C−IV:
【化23】

[式中、R21、R22、R35、ZおよびZは、既に定義したとおりである]
の化合物に変換する工程;
c−4)式C−IVの化合物を、脱保護およびエステル化により式C−V:
【化24】

[式中、R21、R22、R35およびZは、既に定義したとおりであり;R36は、水素原子、C1−6アルキル、アリールまたはC7−14アラルキルである]
の化合物に変換する工程;および
c−4)式C−Vの化合物を触媒存在下、式A−Iaの化合物に変換する工程;
を含む前記製造方法。
【請求項8】
式A−Ia:
【化25】

[式中、R21、R22およびZは、請求項1に定義したとおりである]
の化合物を製造する方法であって、
d−1)請求項7に記載した式C−IVの化合物を、酸化することにより式D−I:
【化26】

[式中、R21、R22、ZおよびZは、請求項7に定義したとおりである]
の化合物に変換する工程;
d−2)式D−Iの化合物を、式D−II:
【化27】

[式中、R21、R22、ZおよびZは、既に定義したとおりであり;R37はエステル形成基である]
の化合物に変換する工程;
d−3)式D−IIの化合物を、式A−Iaの化合物に変換する工程;
を含む前記製造方法。
【請求項9】
式D−IIの化合物が、式D−II−cis:
【化28】

[式中、R21、R22、R37、ZおよびZは、請求項8に定義したとおりである]
の化合物である、請求項8に記載の製造方法。
【請求項10】
工程d−3が、式D−IIの化合物を、ヒドロキシ基の脱保護、およびチオール:R38−SH(式中、R38は、C1−20アルキル、アリールまたはC7−20アラルキルである)と反応させることにより、式D−III:
【化29】

[式中、R21、R22およびZは、請求項8に定義したとおりであり、R38は、既に定義したとおりである]
の化合物に変換する工程;および式D−IIIの化合物を、式A−Iaの化合物に変換する工程;
を含む、請求項8に記載の製造方法。
【請求項11】
式A−IまたはA−XII:
【化30】

[式中、R21、R22およびZは請求項1に定義したとおりであり;X11は、アミノ、ヒドロキシ、または請求項1もしくは6においてXとして定義された基である]
の化合物またはその塩。
【請求項12】
式A−II:
【化31】

[式中、R21、R22およびZは請求項1に定義したとおりである]
の化合物またはその塩。
【請求項13】
式C−VI:
【化32】

[式中、R21、R22およびZは請求項1に定義したとおりであり;Rは、−CH=CHR35、−CH=CHCO37またはホルミルであり;Rは、水素原子、Zまたは−COCH=CHR36であり;Z、R35、R36およびR37は、請求項7または8に定義したとおりである]
の化合物またはその塩。

【公開番号】特開2008−1625(P2008−1625A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−171949(P2006−171949)
【出願日】平成18年6月21日(2006.6.21)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成18年2月1日に公開の日本薬学会 年会Webページ
【出願人】(504137912)国立大学法人 東京大学 (1,942)
【Fターム(参考)】