説明

ピロロピリジン誘導体およびBACE阻害剤としてのそれらの使用

本発明は下記の構造式I
【化1】


を有する新規化合物、並びにそれらの薬学的に許容しうる塩、組成物および使用法に関する。これらの新規化合物は認知障害、アルツハイマー病、神経変性および認知症の治療または予防を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規化合物、それらの医薬組成物に関する。さらに、本発明はダウン症候群およびβ−アミロイド血管症、例えばこれらに限定されないが脳アミロイド血管症、遺伝性脳出血、認知機能障害と関係がある疾患、例えばこれらに限定されないが MCI(“軽度の認知機能障害”)、アルツハイマー病、記憶障害、アルツハイマー病と関係がある注意欠陥症候群、アルツハイマー病または血栓性および変性性の混合型認知症、初老期認知症、老人性認知症およびパーキンソン病と関係がある認知症を含む認知症のような疾患と関係がある神経変性、進行性核上麻痺または大脳皮質基底核変性症のようなAβ−関連疾患を治療および/または予防するための治療法に関する
【背景技術】
【0002】
幾つかのグループのβ−セクレターゼ活性を有するアスパラギン酸プロテイナーゼが特定され、単離されている(Hussainら、1999;Linら、2000; Yanら、1999; Sinhaら、1999;およびVassarら、1999)。β−セクレターゼは文献でAsp2(Yanら、1999)、アミロイド前駆体タンパク質(APP)βサイト切断酵素(BACE)(Vassarら、1999)またはメマプシン−2(Linら、2000)としても知られている。BACEはESTデータベース解析 (Hussainら、1999);発現クローニング(Vassarら、1999);予測される線虫(C. elegans)タンパク質の公開データベースによるヒト相同体の同定(Yanら、1999)のような幾つかの実験的方法を使用し、最後にヒト脳由来のタンパク質を精製するために阻害剤(Sinhaら、1999)を利用して特定された。したがって、3種の異なる実験的方法を使用する5つのグループは同一の酵素を同定し、BACEがβ−セクレターゼであることを強く主張している。特許文献1〜17でも言及されている。
【0003】
BACEはN−末端触媒ドメイン、膜貫通ドメインおよび小細胞質ドメインで構成される成熟酵素、ペプシン様アスパラギン酸プロテイナーゼであることがわかった。BACEはpH4.0〜5.0で最適な活性を有し(Vassarら、1999)、ペプスタチンのような標準的なペプシン阻害剤により弱く阻害される。膜貫通ドメインおよび小細胞質ドメインを引いた触媒ドメインは基質ペプチドに対して活性を示すことがわかっている(Linら、2000)。BACEは部分的に活性なプロ酵素として合成される1型膜結合タンパク質であり、脳組織で多量に発現する。それは主要なβ−セクレターゼ活性を示すと思われ、アミロイド−β−タンパク質(Aβ)の製造における律速段階であると考えられる。したがって、それはアルツハイマー病の病変において、さらにアルツハイマー病の治療剤としての薬剤の開発において特に重要である。
【0004】
Aβまたはアミロイド−β−タンパク質はアルツハイマー病の特徴である脳プラークの主要な構成成分である(De Strooperら、1999)。AβはAPP、すなわちアミロイド前駆体タンパク質と呼ばれるクラスIの膜貫通タンパク質の特異的切断により形成する39−42残基のペプチドである。Aβ−セクレターゼ活性はこのタンパク質をMet671およびAsp672残基(APPのイソ型770aaの番号)の間で切断してAβのN−末端を形成する。ペプチドの第2切断γ−セクレターゼと関係があり、AβペプチドのC−末端を形成する。
【0005】
アルツハイマー病(AD)は世界中で2千万人以上を悩ませていると推定され、認知症の最も一般的な病態であると考えられている。アルツハイマー病は凝集したタンパク質分解産物の塊状沈殿物−アミロイドプラークおよび神経原線維変化が脳中で蓄積する進行性認知症である。アミロイドプラークはアルツハイマー病患者に見られる精神的退化の原因であると思われる。
【0006】
アルツハイマー病が発症する可能性は年齢とともに増え、また先進国の高齢化が進むにつれて、この疾患はだんだんと大きな問題になる。これに加えて、家族性アルツハイマー病が存在し、その結果スェーデン型突然変異として知られているAPPの二重突然変異(突然変異したAPPは大幅に改善されたBACEの基質を形成する)を有する個体はADを発症する、さらに若年齢で発症する可能性がかなり高い(スェーデン型APPを含むトランスジェニックげっ歯動物に関する特許文献18および19もまた参照)。結果として、これらの個体を予防するために使用することができる化合物を開発する必要性も大いにある。
【0007】
ダウン症候群においてAPPをコードする遺伝子は染色体21に存在し、それは余分のコピーとして存在する染色体でもある。ダウン症候群患者は若年齢でアルツハイマー病に罹患する傾向があり、40歳以上の人は殆んどアルツハイマー病様の病変を示す(Oyamaら、1994)。これはAPPの過剰発現、そのためこの集団で見られるアルツハイマー病の高い罹患率を引き起こすAPPβレベルの増加をもたらす、これらの患者に存在するAPP遺伝子の余分なコピーによるものと考えられる。すなわち、BACEの阻害剤はダウン症候群患者のアルツハイマー病様の病変を減少させるのに有用となりうる。
【0008】
したがって、BACE活性を軽減または遮断する薬剤は脳中でAβレベルおよびAβフラグメントレベルを減少させ、あるいはAβまたはそのフラグメントが蓄積している場合はアミロイドプラークの形成およびADまたはAβまたはそのフラグメントの蓄積が関与する他の疾患の進行を遅らせるはずである(Yankner、1996;De StrooperおよびKonig、1999)。したがって、BACEはダウン症候群およびβ−アミロイド血管症、例えばこれらに限定されないが脳アミロイド血管症、遺伝性脳出血、認知機能障害と関係がある疾患、例えばこれらに限定されないが MCI(“軽度の認知機能障害”)、アルツハイマー病、記憶障害、アルツハイマー病と関係がある注意欠陥症候群、アルツハイマー病または血栓性および変性性の混合型認知症、初老期認知症、老人性認知症およびパーキンソン病と関係がある認知症を含む認知症のような疾患と関係がある神経変性、進行性核上麻痺または大脳皮質基底核変性症のようなAβが関連する病気を治療および/または予防するための薬剤の重要な開発候補である。
【0009】
したがって、本発明により提供される化合物のような阻害剤でBACEを阻害することによってAβおよびその一部の蓄積を阻害することは有用であろう。
【0010】
Aβの蓄積を阻害するという治療可能性により多くの化合物が単離され、セクレターゼ酵素が特性決定され、それらの阻害剤候補が特定されている(例えば特許文献20〜64を参照)。
【0011】
本発明の化合物は当該技術分野で知られている阻害剤候補と比較して有益な特性、例えば改善された効力を示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】WO96/40885
【特許文献2】EP871720
【特許文献3】米国特許第5,942,400号
【特許文献4】米国特許第5,744,346号
【特許文献5】EP855444
【特許文献6】US 6,319,689
【特許文献7】WO99/64587
【特許文献8】WO99/31236
【特許文献9】EP1037977
【特許文献10】WO00/17369
【特許文献11】WO01/23533
【特許文献12】WO0047618
【特許文献13】WO00/58479
【特許文献14】WO00/69262
【特許文献15】WO01/00663
【特許文献16】WO01/00665
【特許文献17】US 6,313,268
【特許文献18】US 6,245,964
【特許文献19】US 5,877,399
【特許文献20】WO01/23533 A2
【特許文献21】EP0855444
【特許文献22】WO00/17369
【特許文献23】WO00/58479
【特許文献24】WO00/47618
【特許文献25】WO00/77030
【特許文献26】WO01/00665
【特許文献27】WO01/00663
【特許文献28】WO01/29563
【特許文献29】WO02/25276
【特許文献30】US5,942,400
【特許文献31】US6,245,884
【特許文献32】US6,221,667
【特許文献33】US6,211,235
【特許文献34】WO02/02505
【特許文献35】WO02/02506
【特許文献36】WO02/02512
【特許文献37】WO02/02518
【特許文献38】WO02/02520
【特許文献39】WO02/14264
【特許文献40】WO05/058311
【特許文献41】WO05/097767
【特許文献42】WO06/041404
【特許文献43】WO06/041405
【特許文献44】WO06/0065204
【特許文献45】WO06/0065277
【特許文献46】US2006287294
【特許文献47】WO06/138265
【特許文献48】US20050282826
【特許文献49】US20050282825
【特許文献50】US20060281729
【特許文献51】WO06/138217
【特許文献52】WO06/138230
【特許文献53】WO06/138264
【特許文献54】WO06/138265
【特許文献55】WO06/138266
【特許文献56】WO06/099379
【特許文献57】WO06/076284
【特許文献58】US20070004786
【特許文献59】US20070004730
【特許文献60】WO07/011833
【特許文献61】WO07/011810
【特許文献62】US20070099875
【特許文献63】US20070099898
【特許文献64】WO07/049532
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によれば、活性なBACE 阻害剤である新規化合物が提供される。すなわち、本発明の一見地において、遊離塩基としての構造式I
【化1】

[式中、R1はアリールおよびヘテロアリールから選択され、前記アリールまたはヘテロアリールは場合により1個またはそれ以上のR4で置換され;さらに前記アリールまたはヘテロアリールは場合により4、5、6または7員のシクロアルキル、シクロアルケニルまたはヘテロシクリル基と縮合して二環式環系を形成し、前記二環式環系は場合により1個またはそれ以上のR4で置換され;
R2はアリールおよびヘテロアリールから選択され、前記アリールまたはヘテロアリールは場合により1個またはそれ以上のR4で置換され;さらに前記アリールまたはヘテロアリールは場合により4、5、6または7員のシクロアルキル、シクロアルケニルまたはヘテロシクリル基と縮合して二環式環系を形成し、前記二環式環系は場合により1個またはそれ以上のR4で置換され;
【0014】
R3はハロゲン、ニトロ、CHO、C0-6アルキルCN、OC1-6アルキルCN、C0-6アルキルOR5、OC2-6アルキルOR5、C0-6アルキルNR5R6、OC2-6アルキルNR5R6、OC2-6アルキルOC2-6アルキルNR5R6、C0-6アルキルCO2R5、OC1-6アルキルCO2R5、C0-6アルキルCONR5R6、OC1-6アルキルCONR5R6、OC2-6アルキルNR5(CO)R6、C0-6アルキルNR5(CO)R6、O(CO)NR5R6、NR5(CO)OR6、NR5(CO)NR5R6、O(CO)OR5、O(CO)R5、C0-6アルキルCOR5、OC1-6アルキルCOR5、NR5(CO)(CO)R5、NR5(CO)(CO)NR5R6、C0-6アルキルSR5、C0-6アルキル(SO2)NR5R6、OC1-6アルキルNR5(SO2)R6、OC0-6アルキル(SO2)NR5R6、C0-6アルキル(SO)NR5R6、OC1-6アルキル(SO)NR5R6、C0-6アルキルOSO2R5、C0-6アルキルSO3R5、C0-6アルキルNR5(SO2)NR5R6、C0-6アルキルNR5(SO)R6、OC2-6アルキルNR5(SO)R6、OC1-6アルキルSO2R5、C0-6アルキルSO2R5、C0-6アルキルSOR5、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC6シクロアルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルヘテロシクリルおよびOC2-6アルキルヘテロシクリルから選択され、前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC6シクロアルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルヘテロシクリルまたはOC2-6アルキルヘテロシクリルは場合により1個またはそれ以上のR11で置換され、さらに前記アリールまたはヘテロアリール基はそれぞれ場合により4、5、6または7員のシクロアルキル、シクロアルケニルまたはヘテロシクリル基と縮合して二環式環系を形成し、前記二環式環系は場合により1個またはそれ以上のAで置換され;
WはCまたはNであり;
XはCまたはNであり;
YはCまたはNであり;
ZはCまたはNであり;
但しWおよびXがNである場合、YおよびZはCであり;
WおよびYがNである場合、XおよびZはCであり;
WおよびZがNである場合、XおよびYはCであり;
XおよびYがNである場合、WおよびZはCであり;
XおよびZがNである場合、WおよびYはCであり;
YおよびZがNである場合、WおよびXはCであり;
W、XおよびYがCである場合、ZはNであり;
W、XおよびZがCである場合、YはNであり;
W、YおよびZがCである場合、XはNであり;
X、YおよびZがCである場合、W=Nであり;
mは0、1、2または3であり;
【0015】
R4はハロゲン、ニトロ、SF5、OSF5、CHO、C0-6アルキルCN、OC1-6アルキルCN、C0-6アルキルOR5、OC2-6アルキルOR5、C0-6アルキルNR5R6、OC2-6アルキルNR5R6、OC2-6アルキルOC2-6アルキルNR5R6、C0-6アルキルCO2R5、OC1-6アルキルCO2R5 C0-6アルキルCONR5R6 OC1-6アルキルCONR5R6、OC2-6アルキルNR5(CO)R6、C0-6アルキルNR5(CO)R6、O(CO)NR5R6、NR5(CO)OR6、NR5(CO)NR5R6、O(CO)OR5、O(CO)R5、C0-6アルキルCOR5、OC1-6アルキルCOR5、NR5(CO)(CO)R5、NR5(CO)(CO)NR5R6、C0-6アルキルSR5、C0-6アルキル(SO2)NR5R6、OC1-6アルキルNR5(SO2)R6、OC0-6アルキル(SO2)NR5R6、C0-6アルキル(SO)NR5R6、OC1-6アルキル(SO)NR5R6 C0-6アルキルOSO2R5、SO3R5、C0-6アルキルNR5(SO2)NR5R6、C0-6アルキルNR5(SO)R6、OC2-6アルキルNR5(SO)R6、OC1-6アルキルSO2R5、C0-6アルキルSO2R5、C0-6アルキルSOR5、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC6シクロアルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルヘテロシクリルおよびOC2-6アルキルヘテロシクリルから選択され、前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルヘテロシクリルまたはOC2-6アルキルヘテロシクリルは場合により1個またはそれ以上のR11で置換され、さらに前記アリールまたはヘテロアリール基はそれぞれ場合により4、5、6または7員のシクロアルキル、シクロアルケニルまたはヘテロシクリル基と縮合して二環式環系を形成し、前記二環式環系は場合により1個またはそれ以上のAで置換され;
R5は水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC36シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC6シクロアルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルヘテロシクリルおよびC1-6アルキルNR7R8から選択され、前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC36シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC6シクロアルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリールまたはC0-6アルキルヘテロシクリルは場合により1個またはそれ以上のAで置換され;
R6は水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルOR7、C0-6アルキルC36シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC6シクロアルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルヘテロシクリルおよびC1-6アルキルNR7R8から選択され、前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC36シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC6シクロアルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリールまたはC0-6アルキルヘテロシクリルは場合により1個またはそれ以上のAで置換され;あるいは
R5およびR6は一緒になってN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有し、場合によりAで置換される4〜6員の複素環式環を形成することができ;構造式に2個のR5基が存在する時はいつでも場合により一緒になってN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有し、場合により1個またはそれ以上のAで置換される5または6員の複素環式環を形成することができ;
【0016】
R7およびR8は独立して水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC36シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC6シクロアルキニル、 C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロシクリル および C0-6アルキルヘテロアリールから選択され、前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC36シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC6シクロアルキニル、 C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリールまたはC0-6アルキルヘテロシクリルは場合により1個またはそれ以上のAで置換され;あるいは
R7およびR8は一緒になってN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有し、場合により1個またはそれ以上のAで置換される4〜6員の複素環式環を形成することができ;
Aはオキソ、ハロゲン、ニトロ、SF5、OSF5、CN、OR9、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルヘテロシクリル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、OC2-6アルキルNR9R10、NR9R10、CONR9R10、NR9(CO)R10、O(CO)C1-6アルキル、(CO)OC1-6アルキル、COR9、(SO2)NR9R10、NSO2R9、SO2R9、SOR9、(CO)C1-6アルキルNR9R10、(SO2)C1-6アルキルNR9R10、OSO2R9およびSO3R9から選択され、前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルヘテロシクリル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニルまたはC0-6アルキルC6シクロアルキニルは場合によりハロ、OSO2R9、SO3R9、ニトロ、シアノ、OR9、C1-6アルキル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシまたはトリフルオロメトキシで置換され;
R9およびR10は独立して水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルケニル、C6シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルから選択され、前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルケニル、C6シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルは場合により1、2または3個のヒドロキシ、シアノ、ハロゲンまたはC1-3アルキルオキシで置換され;あるいは
R9およびR10は一緒になってN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有し、場合によりヒドロキシ、C1-3アルキルオキシ、シアノまたはハロゲンで置換される4〜6員の複素環式環を形成することができ;
R11はハロゲン、ニトロ、SF5、OSF5、CHO、C0-6アルキルCN、OC1-6アルキルCN、C0-6アルキルOR8、OC1-6アルキルOR8、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、C0-6アルキルNR5R6、OC2-6アルキルNR5R6、OC2-6アルキルOC2-6アルキルNR5R6、NR5OR6、C0-6アルキルCO2R5、OC1-6アルキルCO2R5、C0-6アルキルCONR5R6、OC1-6アルキルCONR5R6、OC2-6アルキルNR5(CO)R6、C0-6アルキルNR5(CO)R6、O(CO)NR5R6、NR5(CO)OR6、NR5(CO)NR5R6、O(CO)OR5、O(CO)R5、C0-6アルキルCOR5、OC1-6アルキルCOR5、NR5(CO)(CO)R6、NR5(CO)(CO)NR5R6、C0-6アルキルSR5、C0-6アルキル(SO2)NR5R6、OC2-6アルキルNR5(SO2)R6、OC0-6アルキル(SO2)NR5R6、C0-6アルキル(SO)NR5R6、OC1-6アルキル(SO)NR5R6 OSO2R5、SO3R5、C0-6アルキルNR5(SO2)NR5R6、C0-6アルキルNR5(SO)R6、OC2-6アルキルNR5(SO)R6、OC1-6アルキルSO2R5、C0-6アルキルSO2R5、C0-6アルキルSOR5、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC6シクロアルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルヘテロシクリルおよびOC2-6アルキルヘテロシクリルから選択され、前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC6シクロアルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルヘテロシクリルまたはOC2-6アルキルヘテロシクリルは場合により1個またはそれ以上のAで置換される]
の化合物、またはその薬学的に許容しうる塩、溶媒和物または塩の溶媒和物が提供される。
【0017】
本発明の他の見地において、遊離塩基としての式I[式中、R1はアリールおよびヘテロアリールから選択され、前記アリールまたはヘテロアリールは場合により1個またはそれ以上のR4で置換され;
R2はアリールおよびヘテロアリールから選択され、前記アリールまたはヘテロアリールは場合により1個またはそれ以上のR4で置換され;
R3はハロゲン、ニトロ、CHO、C0-6アルキルCN、OC1-6アルキルCN、C0-6アルキルOR5、OC2-6アルキルOR5、C0-6アルキルNR5R6、OC2-6アルキルNR5R6、OC2-6アルキルOC2-6アルキルNR5R6、C0-6アルキルCO2R5、OC1-6アルキルCO2R5、C0-6アルキルCONR5R6、OC1-6アルキルCONR5R6、OC2-6アルキルNR5(CO)R6、C0-6アルキルNR5(CO)R6、O(CO)NR5R6、NR5(CO)OR6、NR5(CO)NR5R6、O(CO)OR5、O(CO)R5、C0-6アルキルCOR5、OC1-6アルキルCOR5、NR5(CO)(CO)R5、NR5(CO)(CO)NR5R6、C0-6アルキルSR5、C0-6アルキル(SO2)NR5R6、OC1-6アルキルNR5(SO2)R6、OC0-6アルキル(SO2)NR5R6、C0-6アルキル(SO)NR5R6、OC1-6アルキル(SO)NR5R6 C0-6アルキルOSO2R5、C0-6アルキルSO3R5、C0-6アルキルNR5(SO2)NR5R6、C0-6アルキルNR5(SO)R6、OC2-6アルキルNR5(SO)R6、OC1-6アルキルSO2R5、C0-6アルキルSO2R5、C0-6アルキルSOR5、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC6シクロアルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルヘテロシクリルおよびOC2-6アルキルヘテロシクリルから選択され、前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC6シクロアルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルヘテロシクリルまたはOC2-6アルキルヘテロシクリルは場合により1個またはそれ以上のR11で置換され、さらに前記アリールまたはヘテロアリール基はそれぞれ場合により4、5、6または7員のシクロアルキル、シクロアルケニルまたはヘテロシクリル基と縮合して二環式環系を形成し、前記二環式環系は場合により1個またはそれ以上のAで置換され;
WはCまたはNであり;
XはCまたはNであり;
YはCまたはNであり;
ZはCまたはNであり;
但しWおよびXがNである場合、YおよびZはCであり;
WおよびYがNである場合、XおよびZはCであり;
WおよびZがNである場合、XおよびYはCであり;
XおよびYがNである場合、WおよびZはCであり;
XおよびZがNである場合、WおよびYはCであり;
YおよびZがNである場合、WおよびXはCであり;
W、XおよびYがCである場合、ZはNであり;
W、XおよびZがCである場合、YはNであり;
W、YおよびZがCである場合、XはNであり;
X、YおよびZがCである場合、W=Nであり;
mは0、1、2または3であり;
【0018】
R4はハロゲン、ニトロ、SF5、OSF5、CHO、C0-6アルキルCN、OC1-6アルキルCN、C0-6アルキルOR5、OC2-6アルキルOR5、C0-6アルキルNR5R6、OC2-6アルキルNR5R6、OC2-6アルキルOC2-6アルキルNR5R6、C0-6アルキルCO2R5、OC1-6アルキルCO2R5 C0-6アルキルCONR5R6 OC1-6アルキルCONR5R6、OC2-6アルキルNR5(CO)R6、C0-6アルキルNR5(CO)R6、O(CO)NR5R6、NR5(CO)OR6、NR5(CO)NR5R6、O(CO)OR5、O(CO)R5、C0-6アルキルCOR5、OC1-6アルキルCOR5、NR5(CO)(CO)R5、NR5(CO)(CO)NR5R6、C0-6アルキルSR5、C0-6アルキル(SO2)NR5R6、OC1-6アルキルNR5(SO2)R6、OC0-6アルキル(SO2)NR5R6、C0-6アルキル(SO)NR5R6、OC1-6アルキル(SO)NR5R6 C0-6アルキルOSO2R5、SO3R5、C0-6アルキルNR5(SO2)NR5R6、C0-6アルキルNR5(SO)R6、OC2-6アルキルNR5(SO)R6、OC1-6アルキルSO2R5、C0-6アルキルSO2R5、C0-6アルキルSOR5、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC6シクロアルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルヘテロシクリルおよびOC2-6アルキルヘテロシクリルから選択され、前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルヘテロシクリルまたはOC2-6アルキルヘテロシクリルは場合により1個またはそれ以上のR11で置換され、さらに前記アリールまたはヘテロアリール基はそれぞれ場合により4、5、6または7員のシクロアルキル、シクロアルケニルまたはヘテロシクリル基と縮合して二環式環系を形成し、前記二環式環系は場合により1個またはそれ以上のAで置換され;
R5は水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC36シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC6シクロアルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルヘテロシクリルおよびC1-6アルキルNR7R8から選択され、前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC36シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC6シクロアルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリールまたはC0-6アルキルヘテロシクリルは場合により1個またはそれ以上のAで置換され;
R6は水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルOR7、C0-6アルキルC36シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC6シクロアルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルヘテロシクリルおよびC1-6アルキルNR7R8から選択され、前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC36シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC6シクロアルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリールまたはC0-6アルキルヘテロシクリルは場合により1個またはそれ以上のAで置換され;あるいは
R5およびR6は一緒になってN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有し、場合によりAで置換される4〜6員の複素環式環を形成することができ;構造式に2個のR5基が存在する時はいつでも場合により一緒になってN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有し、場合により1個またはそれ以上のAで置換される5または6員の複素環式環を形成することができ;
【0019】
R7およびR8は独立して水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC6シクロアルキニル、 C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロシクリル および C0-6アルキルヘテロアリールから選択され、前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC6シクロアルキニル、 C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリールまたはC0-6アルキルヘテロシクリルは場合により1個またはそれ以上のAで置換され;あるいは
R7およびR8は一緒になってN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有し、場合により1個またはそれ以上のAで置換される4〜6員の複素環式環を形成することができ;
Aはオキソ、ハロゲン、ニトロ、SF5、OSF5、CN、OR9、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルヘテロシクリル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、OC2-6アルキルNR9R10、NR9R10、CONR9R10、NR9(CO)R10、O(CO)C1-6アルキル、(CO)OC1-6アルキル、COR9、(SO2)NR9R10、NSO2R9、SO2R9、SOR9、(CO)C1-6アルキルNR9R10、(SO2)C1-6アルキルNR9R10、OSO2R9およびSO3R9から選択され、前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルヘテロシクリル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニルまたはC0-6アルキルC6シクロアルキニルは場合によりハロ、OSO2R9、SO3R9、ニトロ、シアノ、OR9、C1-6アルキル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシまたはトリフルオロメトキシで置換され;
R9およびR10は独立して水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルケニル、C6シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルから選択され、前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルケニル、C6シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルは場合により1、2または3個のヒドロキシ、シアノ、ハロゲンまたはC1-3アルキルオキシで置換され;あるいは
R9およびR10は一緒になってN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有し、場合によりヒドロキシ、C1-3アルキルオキシ、シアノまたはハロゲンで置換される4〜6員の複素環式環を形成することができ;
R11はハロゲン、ニトロ、SF5、OSF5、CHO、C0-6アルキルCN、OC1-6アルキルCN、C0-6アルキルOR8、OC1-6アルキルOR8、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、C0-6アルキルNR5R6、OC2-6アルキルNR5R6、OC2-6アルキルOC2-6アルキルNR5R6、NR5OR6、C0-6アルキルCO2R5、OC1-6アルキルCO2R5、C0-6アルキルCONR5R6、OC1-6アルキルCONR5R6、OC2-6アルキルNR5(CO)R6、C0-6アルキルNR5(CO)R6、O(CO)NR5R6、NR5(CO)OR6、NR5(CO)NR5R6、O(CO)OR5、O(CO)R5、C0-6アルキルCOR5、OC1-6アルキルCOR5、NR5(CO)(CO)R6、NR5(CO)(CO)NR5R6、C0-6アルキルSR5、C0-6アルキル(SO2)NR5R6、OC2-6アルキルNR5(SO2)R6、OC0-6アルキル(SO2)NR5R6、C0-6アルキル(SO)NR5R6、OC1-6アルキル(SO)NR5R6 OSO2R5、SO3R5、C0-6アルキルNR5(SO2)NR5R6、C0-6アルキルNR5(SO)R6、OC2-6アルキルNR5(SO)R6、OC1-6アルキルSO2R5、C0-6アルキルSO2R5、C0-6アルキルSOR5、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC6シクロアルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルヘテロシクリルおよびOC2-6アルキルヘテロシクリルから選択され、前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC6シクロアルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルヘテロシクリルまたはOC2-6アルキルヘテロシクリルは場合により1個またはそれ以上のAで置換される]の化合物、またはその薬学的に許容しうる塩、溶媒和物または塩の溶媒和物が提供される。
【0020】
本発明の他の見地において、XはCまたはNであり;YはCであり;ZはCまたはNであり;そしてWはCである式Iの化合物が提供される。
【0021】
本発明の他の見地において、XはCであり;YはCであり;ZはNであり;そしてWはCである式Iの化合物が提供される。
【0022】
本発明の他の見地において、mは0である式Iの化合物が提供される。
【0023】
本発明の他の見地において、R1はアリールであり、前記アリールは場合により1個のR4で置換される式Iの化合物が提供される。
【0024】
本発明の他の見地において、R1は1個のR4で置換されるフェニルである式Iの化合物が提供される。
【0025】
本発明の他の見地において、R4はC0-6アルキルヘテロアリールであり、前記C0-6アルキルヘテロアリールは場合により1個またはそれ以上のR11で置換される式Iの化合物が提供される。
【0026】
本発明の他の見地において、R4はピリミジルである式Iの化合物が提供される。
【0027】
本発明の他の見地において、R4はピリジルである式Iの化合物が提供される。
【0028】
本発明の他の見地において、R4は1個のR11で置換されるピリジルであり、前記R11はハロである式Iの化合物が提供される。
【0029】
本発明の他の見地において、R4は1個のR11で置換されるピリジルであり、前記R11はC0-6アルキルOR5であり;前記C0-6アルキルOR5はメトキシである式Iの化合物が提供される。
【0030】
本発明の他の見地において、R4はC0-6アルキルアリールであり、前記C0-6アルキルアリールは場合により1個またはそれ以上のR11で置換される式Iの化合物が提供される。
【0031】
本発明の他の見地において、R4は2個のR11で置換されるフェニルであり、前記R11は1個のハロおよび1個のC0-6アルキルOR5であり;前記C0-6アルキルOR5はメトキシである式Iの化合物が提供される。
【0032】
本発明の他の見地において、R2はヘテロアリールである式Iの化合物が提供される。この見地の一態様において、前記ヘテロアリールはピリジルである。
【0033】
本発明の他の見地において、R2は1個のR11で置換されるアリールである式Iの化合物が提供される。この見地の一態様において、前記R11はC0-6アルキルOR5であり;前記C0-6アルキルOR5はメトキシである。
【0034】
本発明の他の見地において、XはNであり;WはCであり;YはCであり;そしてZはCである式Iの化合物が提供される。
【0035】
この見地の一態様において、mは0である。
【0036】
この見地の他の態様において、R1は場合により1個のR4で置換されるC0-6アルキルアリールである。
【0037】
この見地の他の態様において、R1は1個のR4で置換されるフェニルである。
【0038】
この見地の他の態様において、R4はC0-6アルキルヘテロアリールであり、前記C0-6アルキルヘテロアリールは場合により1個またはそれ以上のR11で置換される。
【0039】
この見地の他の態様において、R4はピリミジルである。
【0040】
この見地の他の態様において、R4は1個のR11で置換されるピリジルであり、前記R11はハロである。
【0041】
この見地の他の態様において、R2はヘテロアリールであり、前記ヘテロアリールはピリジルである。
【0042】
この見地の他の態様において、R1はアリールであり、前記アリールは1個のR4で置換され;R2はアリールおよびヘテロアリールから選択され、前記アリールまたはヘテロアリールは場合により1個のR4で置換され;WはCであり;XはCまたはNであり;YはCであり;ZはCまたはNであり;mは0であり;R4はC0-6アルキルOR5、C0-6アルキルアリールおよびC0-6アルキルヘテロアリールから選択され、前記C0-6アルキルアリールまたはC0-6アルキルヘテロアリールは場合により1個またはそれ以上のR11で置換され;R5はC1-6アルキルであり;R8はC1-6アルキルであり;R11はハロゲンおよびC0-6アルキルOR8から選択される。
【0043】
本発明の他の見地において、XはCであり;WはNであり;YはCであり;そしてZはCである式Iの化合物が提供される。
【0044】
この見地の一態様において、mは0である。
【0045】
この見地の他の態様において、R1は場合により1個のR4で置換されるC0-6アルキルアリールである。
【0046】
この見地の他の態様において、R1は1個のR4で置換されるフェニルである。
【0047】
この見地の他の態様において、R4はC0-6アルキルヘテロアリールまたはC0-6アルキルアリールであり、前記C0-6アルキルヘテロアリールまたはC0-6アルキルアリールは場合により1個またはそれ以上のR11で置換される。
【0048】
この見地の他の態様において、R4はC0-6アルキルヘテロアリールであり、前記C0-6アルキルヘテロアリールは場合により1個またはそれ以上のR11で置換される。
【0049】
この見地の他の態様において、R4はピリミジルである。
【0050】
この見地の他の態様において、R4は1個のR11で置換されるピリジルであり、前記R11はハロである。
【0051】
この見地の他の態様において、R4は2個のR11で置換されるフェニルであり、前記R11は独立してハロゲンおよびC0-6アルキルOR8から選択される。
【0052】
この見地の他の態様において、R2はピリジルである。
【0053】
この見地の他の態様において、R1はアリールであり、前記アリールは1個のR4で置換され;R2はヘテロアリールであり;WはNであり;XはCであり;YはCであり;ZはCであり;mは0であり;R4はC0-6アルキルアリールおよびC0-6アルキルヘテロアリールから選択され、前記C0-6アルキルアリールまたはC0-6アルキルヘテロアリールは場合により1個またはそれ以上のR11で置換され;R11はハロゲンおよびC0-6アルキルOR8から選択される。
【0054】
本発明の他の見地において、遊離塩基としての
5−(4−メトキシフェニル)−5−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−7−アミン;
5−[3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−5−(4−メトキシフェニル)−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−7−アミン;
5−(4−メトキシフェニル)−5−[3−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−7−アミン;
5−(4−メトキシフェニル)−5−(3−ピリジン−3−イルフェニル)−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−7−アミン;
5−[3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−5−ピリジン−4−イル−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−7−アミン;
5−ピリジン−4−イル−5−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−7−アミン;
5−(2'−フルオロ−5'−メトキシビフェニル−3−イル)−5−ピリジン−4−イル−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−7−アミン 0.25酢酸塩;
5−(2'−フルオロ−3'−メトキシビフェニル−3−イル)−5−ピリジン−4−イル−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−7−アミン 0.5酢酸塩;
3−ピリジン−4−イル−3−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)−3H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−1−アミン;
3−[3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−3−ピリジン−4−イル−3H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−1−アミン;
7−[3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−7−ピリジン−4−イル−7H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−5−アミン;
7−ピリジン−4−イル−7−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)−7H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−5−アミン;および
7−(2'−フルオロ−3'−メトキシビフェニル−3−イル)−7−ピリジン−4−イル−7H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−5−アミン
から選択される式Iの化合物、またはその薬学的に許容しうる塩、溶媒和物または塩の溶媒和物が提供される。
【0055】
本発明の他の見地において、活性成分として治療的に有効な量の式Iの化合物を薬学的に許容しうる賦形剤、担体または希釈剤と一緒に含有する医薬製剤が提供される。
【0056】
本発明の他の見地において、薬剤として使用される式Iの化合物が提供される。
【0057】
本発明の他の見地において、Aβ−関連疾患を治療または予防するための薬剤としての式Iの化合物の使用が提供される。
【0058】
本発明の他の見地において、Aβ−関連疾患はダウン症候群、β−アミロイド血管症、脳アミロイド血管症、遺伝性脳出血、認知機能障害と関係がある疾患、MCI(“軽度の認知機能障害”)、アルツハイマー病、記憶障害、アルツハイマー病と関係がある注意欠陥症候群、アルツハイマー病と関係がある神経変性、混合型の血管性認知症、 変性性認知症、初老期認知症、老人性認知症、パーキンソン病と関係がある認知症、進行性核上麻痺または大脳皮質基底核変性症であるAβ−関連疾患を治療または予防するための薬剤としての式Iの化合物の使用が提供される。
【0059】
本発明の他の見地において、Aβ−関連疾患を治療または予防するための薬剤の製造における式Iの化合物の使用が提供される。
【0060】
本発明の他の見地において、Aβ−関連疾患はダウン症候群、β−アミロイド血管症、脳アミロイド血管症、遺伝性脳出血、認知機能障害と関係がある疾患、MCI(“軽度の認知機能障害”)、アルツハイマー病、記憶障害、アルツハイマー病と関係がある注意欠陥症候群、アルツハイマー病と関係がある神経変性、混合型の血管性認知症、 変性性認知症、初老期認知症、老人性認知症、パーキンソン病と関係がある認知症、進行性核上麻痺または大脳皮質基底核変性症である、Aβ−関連疾患を治療または予防するための薬剤の製造における式Iの化合物の使用が提供される。
【0061】
本発明の他の見地において、BACEを式Iの化合物と接触させることからなるBACEの活性を阻害する方法が提供される。
【0062】
本発明の他の見地において、治療的に有効な量の式Iの化合物を患者に投与することからなる哺乳動物のAβ−関連疾患を治療または予防する方法が提供される。
【0063】
本発明の他の見地において、Aβ−関連疾患はダウン症候群、β−アミロイド血管症、脳アミロイド血管症、遺伝性脳出血、認知機能障害と関係がある疾患、MCI(“軽度の認知機能障害”)、アルツハイマー病、記憶障害、アルツハイマー病と関係がある注意欠陥症候群、アルツハイマー病と関係がある神経変性、混合型の血管性認知症、変性性認知症、初老期認知症、老人性認知症、パーキンソン病と関係がある認知症、進行性核上麻痺または大脳皮質基底核変性症である、治療的に有効な量の式Iの化合物を患者に投与することからなる哺乳動物のAβ−関連疾患を治療または予防する方法が提供される。
【0064】
本発明の他の見地において、哺乳動物はヒトである治療的に有効な量の式Iの化合物を患者に投与することからなる哺乳動物のAβ−関連疾患を治療または予防する方法が提供される。
【0065】
本発明の他の見地において、治療的に有効な量の式Iの化合物および少なくとも1種の認識増強剤、記憶増強剤またはコリンエステラーゼ阻害剤を患者に投与することからなる哺乳動物のAβ−関連疾患を治療または予防する方法が提供される。
【0066】
本発明の他の見地において、Aβ−関連疾患はダウン症候群、β−アミロイド血管症、脳アミロイド血管症、遺伝性脳出血、認知機能障害と関係がある疾患、MCI(“軽度の認知機能障害”)、アルツハイマー病、記憶障害、アルツハイマー病と関係がある注意欠陥症候群、アルツハイマー病と関係がある神経変性、混合型の血管性認知症、変性性認知症、初老期認知症、老人性認知症、パーキンソン病と関係がある認知症、進行性核上麻痺または大脳皮質基底核変性症である、治療的に有効な量の式Iの化合物および少なくとも1種の認識増強剤、記憶増強剤またはコリンエステラーゼ阻害剤を患者に投与することからなる哺乳動物のAβ−関連疾患を治療または予防する方法が提供される。
【0067】
本発明の他の見地において、哺乳動物はヒトである、治療的に有効な量の式Iの化合物および少なくとも1種の認識増強剤、記憶増強剤またはコリンエステラーゼ阻害剤を患者に投与することからなる哺乳動物のAβ−関連疾患を治療または予防する方法が提供される。
【0068】
幾つかの化合物は立体中心および/または幾何異性中心(E−およびZ−異性体)を有し、本発明はそのような光学異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、アトロプ異性体および幾何異性体をすべて包含することは理解されよう。
【0069】
本発明は前記で定義されたような式Iの化合物およびその塩の使用に関する。医薬組成物で使用される塩は薬学的に許容しうる塩であるが、他の塩は式Iの化合物の製造において有用である。
【0070】
本発明は式Iの化合物のありとあらゆる互変異性体に関することは理解されよう。
【0071】
本発明の化合物は薬剤として使用することができる。幾つかの態様において、本発明は薬剤として使用される式Iの化合物またはその薬学的に許容しうる塩、互変異性体または生体内で加水分解可能な前駆体を提供する。幾つかの態様において、本発明はAβ−関連疾患を治療または予防するための薬剤として使用される前記化合物を提供する。幾つかの他の態様において、Aβ−関連疾患はダウン症候群、β−アミロイド血管症、脳アミロイド血管症、遺伝性脳出血、認知機能障害と関係がある疾患、MCI(“軽度の認知機能障害”)、アルツハイマー病、記憶障害、アルツハイマー病と関係がある注意欠陥症候群、アルツハイマー病と関係がある神経変性、混合型の血管性認知症、変性性認知症、初老期認知症、老人性認知症、パーキンソン病と関係がある認知症、進行性核上麻痺または大脳皮質基底核変性症である。
【0072】
幾つかの態様において、本発明はAβ−関連疾患を治療または予防するための薬剤の製造における式Iの化合物またはその薬学的に許容しうる塩、互変異性体または生体内で加水分解可能な前駆体の使用を提供する。幾つかの他の態様において、Aβ−関連疾患は例えばダウン症候群およびβ−アミロイド血管症、例えばこれらに限定されないが脳アミロイド血管症、遺伝性脳出血、認知機能障害と関係がある疾患、例えばこれらに限定されないがMCI(“軽度の認知機能障害”)、アルツハイマー病、記憶障害、アルツハイマー病と関係がある注意欠陥症候群、アルツハイマー病または血栓性および変性性の混合型認知症、初老期認知症、老人性認知症およびパーキンソン病と関係がある認知症を含む認知症のような疾患と関係がある神経変性、進行性核上麻痺または大脳皮質基底核変性症である。
【0073】
幾つかの態様において、本発明はBACEを本発明の化合物と接触させることからなるBACEの活性を阻害する方法を提供する。BACEは主要なβ−セクレターゼ活性を示すと思われ、アミロイド−β−タンパク質(Aβ)の製造における律速段階であると考えられる。したがって、本発明により提供される化合物のような阻害剤でBACEを阻害することはAβおよびその一部の蓄積を阻害するのに有用であろう。Aβおよびその一部の蓄積はアルツハイマー病のような疾患に関係しているため、BACEはダウン症候群およびβ−アミロイド血管症、例えばこれらに限定されないが脳アミロイド血管症、遺伝性脳出血、認知機能障害と関係がある疾患、例えばこれらに限定されないがMCI(“軽度の認知機能障害”)、アルツハイマー病、記憶障害、アルツハイマー病と関係がある注意欠陥症候群、アルツハイマー病または血栓性および変性性の混合型認知症、初老期認知症、老人性認知症およびパーキンソン病と関係がある認知症を含む認知症のような疾患と関係がある神経変性、進行性核上麻痺または大脳皮質基底核変性症のようなAβが関連する病気を治療および/または予防するための薬剤の重要な開発候補である。
【0074】
幾つかの態様において、本発明は治療的に有効な量の式Iの化合物またはその薬学的に許容しうる塩、互変異性体または生体内で加水分解可能な前駆体を哺乳動物(ヒトを含む)に投与することからなる、ダウン症候群およびβ−アミロイド血管症、例えばこれらに限定されないが脳アミロイド血管症、遺伝性脳出血、認知機能障害と関係がある疾患、例えばこれらに限定されないがMCI(“軽度の認知機能障害”)、アルツハイマー病、記憶障害、アルツハイマー病と関係がある注意欠陥症候群、アルツハイマー病または血栓性および変性性の混合型認知症、初老期認知症、老人性認知症およびパーキンソン病と関係がある認知症を含む認知症のような疾患と関係がある神経変性、進行性核上麻痺または大脳皮質基底核変性症のようなAβが関連する病気を治療する方法を提供する。
【0075】
幾つかの態様において、本発明は治療的に有効な量の式Iの化合物またはその薬学的に許容しうる塩、互変異性体または生体内で加水分解可能な前駆体を哺乳動物(ヒトを含む)に投与することからなる、ダウン症候群およびβ−アミロイド血管症、例えばこれらに限定されないが脳アミロイド血管症、遺伝性脳出血、認知機能障害と関係がある疾患、例えばこれらに限定されないがMCI(“軽度の認知機能障害”)、アルツハイマー病、記憶障害
、アルツハイマー病と関係がある注意欠陥症候群、アルツハイマー病または血栓性および変性性の混合型認知症、初老期認知症、老人性認知症およびパーキンソン病と関係がある認知症を含む認知症のような疾患と関係がある神経変性、進行性核上麻痺または大脳皮質基底核変性症のようなAβが関連する病気を予防する方法を提供する。
【0076】
幾つかの態様において、本発明は治療的に有効な量の式Iの化合物またはその薬学的に許容しうる塩、互変異性体または生体内で加水分解可能な前駆体、並びに認識および/または記憶増強剤を哺乳動物(ヒトを含む)に投与することからなる、ダウン症候群およびβ−アミロイド血管症、例えばこれらに限定されないが脳アミロイド血管症、遺伝性脳出血、認知機能障害と関係がある疾患、例えばこれらに限定されないがMCI(“軽度の認知機能障害”)、アルツハイマー病、記憶障害、アルツハイマー病と関係がある注意欠陥症候群、アルツハイマー病または血栓性および変性性の混合型認知症、初老期認知症、老人性認知症およびパーキンソン病と関係がある認知症を含む認知症のような疾患と関係がある神経変性、進行性核上麻痺または大脳皮質基底核変性症のようなAβが関連する病気を治療または予防する方法を提供する。認識増強剤、記憶増強剤およびコリンエステラーゼ阻害剤にはドネペジル(アリセプト(Aricept))、ガランタミン(レミニル(Reminyl)またはラザダイン(Razadyne))、リバスチグミン(エクセロン(Exelon))、タクリン(コグネックス(Cognex))およびメマンチン(ナメンダ(Namenda)、アクスラ(Axura)またはエビクサ(Ebixa))があるが、これらに限定されない。
【0077】
幾つかの態様において、本発明は治療的に有効な量の式Iの化合物またはその薬学的に許容しうる塩、互変異性体または生体内で加水分解可能な前駆体(構成成分は本明細書で定義される通りである)、並びにコリンエステラーゼ阻害剤または抗炎症剤を哺乳動物(ヒトを含む)に投与することからなる、ダウン症候群およびβ−アミロイド血管症、例えばこれらに限定されないが脳アミロイド血管症、遺伝性脳出血、認知機能障害と関係がある疾患、例えばこれらに限定されないがMCI(“軽度の認知機能障害”)、アルツハイマー病、記憶障害、アルツハイマー病と関係がある注意欠陥症候群、アルツハイマー病または血栓性および変性性の混合型認知症、初老期認知症、老人性認知症およびパーキンソン病と関係がある認知症を含む認知症のような疾患と関係がある神経変性、進行性核上麻痺または大脳皮質基底核変性症のようなAβが関連する病気を治療または予防する方法を提供する。
【0078】
幾つかの態様において、本発明は本発明の化合物および非定型抗精神病薬を哺乳動物(ヒトを含む)に投与することからなる、ダウン症候群およびβ−アミロイド血管症、例えばこれらに限定されないが脳アミロイド血管症、遺伝性脳出血、認知機能障害と関係がある疾患、例えばこれらに限定されないがMCI(“軽度の認知機能障害”)、アルツハイマー病、記憶障害、アルツハイマー病と関係がある注意欠陥症候群、アルツハイマー病または血栓性および変性性の混合型認知症、初老期認知症、老人性認知症およびパーキンソン病と関係がある認知症を含む認知症のような疾患と関係がある神経変性、進行性核上麻痺または大脳皮質基底核変性症のようなAβが関連する病気、あるいは本明細書に記載の他の疾患、障害または症状を治療または予防する方法を提供する。非定型抗精神病薬にはオランザピン(商品名:ジプレキサ)、アリピプラゾール(商品名:エビリファイ)、リスペリドン(商品名:リスパダール)、クエチアピン(商品名:セロクエル)、クロザピン(商品名:クロザリル)、ジプラシドン(商品名:ジオドン)およびオランザピン/フルオキセチン(商品名:シンビアックス)があるが、これらに限定されない。
【0079】
幾つかの態様において、本発明の化合物で治療される哺乳動物またはヒトは本明細書に記載のような特定の疾患または障害であると診断されている。これらの症例において、治療される哺乳動物またはヒトはそのような治療を必要としている。しかしながら、診断は前もって行なう必要はない。
【0080】
本発明はまた、活性成分として本明細書で開示される1種またはそれ以上の本発明の化合物を少なくとも1種の薬学的に許容しうる担体、希釈剤または賦形剤を含有する医薬組成物を包含する。
【0081】
本明細書に記載の定義は本明細書全体を通して使用される用語を明確にすることを意図している。「本明細書」なる用語は本明細書全体を意味する。
【0082】
様々な本発明の化合物は特定の幾何異性体または立体異性体として存在することがある。本発明はシスおよびトランス−異性体、R−およびS−エナンチオマー、ジアステレオマー、(D)−異性体、(L)−異性体、これらのラセミ混合物およびこれらの他の混合物を含むこのような化合物をすべて本発明の範囲内に包含することを考慮している。さらに、不斉炭素原子がアルキル基のような置換基に存在することがある。このような異性体およびその混合物はすべて本発明に包含されることを意図している。本明細書に記載の化合物は不斉中心を有することがある。非対称に置換された原子を含有する本発明の化合物は光学的に活性な形態またはラセミ形態で単離することができる。例えばラセミ形態の分割により、光学的に活性な出発物質からの合成により、または光学的に活性な試薬を使用する合成によりラセミ形態の光学的に活性な形態を製造する方法は当該技術分野でよく知られている。必要ならば、ラセミ物質の分離は当該技術分野で知られている方法により行なうことができる。オレフィン、C=N二重結合の多くの幾何異性体などもまた本明細書で開示された化合物に存在することがあり、そのような安定した異性体はすべて本発明に包含される。本発明の化合物のシスおよびトランス幾何異性体は開示されており、異性体の混合物または分離した異性体として単離することができる。特定の立体化学または異性体が具体的に示されていないならば、構造式のすべてのキラル、ジアステレオマー、ラセミ形態およびすべての幾何異性体を意味する。
【0083】
式Iの炭素原子は原子価の要件が満たされる限り1〜3個のケイ素原子と置換できることに留意されたい。
【0084】
置換基との結合が環中の2個の原子を接続する結合と交差するように示される場合、そのような置換基は環上のどの原子とも結合することができる。それを通して置換基が所与の式の化合物の残りと結合される原子を示唆することなく置換基が示される場合、そのような置換基は置換基のどの原子を通しても結合することができる。置換基、置換基の位置および/または変数の組合せはそのような組合せが安定した化合物をもたらす場合に限り許容される。
【0085】
本明細書で使用される「場合により置換される」なる用語は置換が任意であり、そのため指定された原子または部分は未置換であってもよいことを意味する。置換が望ましい場合、そのような置換は指定された原子または部分の通常の原子価を超えず、当該置換が安定した化合物をもたらすことを条件として、指定された原子または部分の幾つかの水素が指定された基の選択原子で置換されることを意味する。例えば置換基がメチル(すなわちCH3)である場合、炭素原子上の3個の水素が置換されうる。そのような置換基の例はハロゲン、CN、NH2、OH、SO、SO2、COOH、OC1-6アルキル、CH2OH、SO2H、C1-6アルキル、OC1-6アルキル、C(=O)C1-6アルキル、C(=O)OC1-6アルキル、C(=O)NH2、C(=O)NHC1-6アルキル、C(=O)N(C1-6アルキル)2、SO2C1-6アルキル、SO2NHC1-6アルキル、SO2N(C1-6アルキル)2、NH(C1-6アルキル)、N(C1-6アルキル)2、NHC(=O)C1-6アルキル、NC(=O)(C1-6アルキル)2、C5-6アリール、OC5-6アリール、C(=O)C5-6アリール、C(=O)OC5-6アリール、C(=O)NHC5-6アリール、C(=O)N(C5-6アリール)2、SO2C5-6アリール、SO2NHC5-6アリール、SO2N(C5-6アリール)2、NH(C5-6アリール)、N(C5-6アリール)2、NC(=O)C5-6アリール、NC(=O)(C5-6アリール)2、C5-6ヘテロシクリル、OC5-6ヘテロシクリル、C(=O)C5-6ヘテロシクリル、C(=O)OC5-6ヘテロシクリル、C(=O)NHC5-6ヘテロシクリル、C(=O)N(C5-6ヘテロシクリル)2、SO2C5-6ヘテロシクリル、SO2NHC5-6ヘテロシクリル、SO2N(C5-6ヘテロシクリル)2、NH(C5-6ヘテロシクリル)、N(C5-6ヘテロシクリル)2、NC(=O)C5-6ヘテロシクリル、NC(=O)(C5-6ヘテロシクリル)2であるが、これらに限定されない。
【0086】
本明細書において単独で、あるいは接尾語または接頭語として使用される「アルキル」は1〜12個の炭素原子を有する分枝鎖状および直鎖状の脂肪族炭化水素基を包含することを意図し、また特定数の炭素原子が付与されている場合はその特定数が対象となる。例えば「C0-6アルキル」は0、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するアルキルを意味する。アルキルの例はメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチルおよび ヘキシルであるが、これらに限定されない。下付き文字が整数0(零)である場合、その下付き文字が指している基は存在しない、すなわち2個の基の間の直接結合であることを示している。
【0087】
本明細書において単独で、あるいは接尾語または接頭語として使用される「アルケニル」は2〜12個の炭素原子を有する分枝鎖状および直鎖状のアルケンまたはオレフィンを含有する脂肪族炭化水素基を包含することを意図し、また特定数の炭素原子が付与されている場合はその特定数が対象となる。例えば「C2-6アルケニル」は2、3、4、5または6個の炭素原子を有するアルケニルを意味する。アルケニルの例はビニル、アリル、1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−メチルブタ−2−エニル、3−メチルブタ−1−エニル、1−ペンテニル、3−ペンテニルおよび4−ヘキセニルであるが、これらに限定されない。
【0088】
本明細書において単独で、あるいは接尾語または接頭語として使用される「アルキニル」は2〜12個の炭素原子を有する分枝鎖状および直鎖状のアルキンを含有する脂肪族炭化水素基を包含することを意図し、また特定数の炭素原子が付与されている場合はその特定数が対象となる。例えば「C2-6アルキニル」は2、3、4、5または6個の炭素原子を有するアルキニルを意味する。アルキニルの例はエチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、3−ブチニル、−ペンチニル、ヘキシニルおよび1−メチルペンタ−2−イニルであるが、これらに限定されない。
【0089】
本明細書で使用される「芳香族」は芳香族特性(例えば4n+2非局在化電子)を有し、約14個までの炭素原子を含有する1個またはそれ以上の不飽和炭素環を有するヒドロカルボニル基を意味する。さらに、「ヘテロ芳香族」は炭素および1個またはそれ以上のヘテロ原子、例えば窒素、酸素または硫黄を含有し、芳香族特性(例えば4n+2非局在化電子)を有する1個またはそれ以上の 不飽和 環を意味する。
【0090】
本明細書で使用される「アリール」なる用語は5〜14個の炭素原子で構成される芳香族環構造を意味する。5、6、7および8個の炭素原子を含有する環構造は単環式芳香族基、例えばフェニルである。8、9、10、11、12、13または14個の炭素原子を含有する環構造は多環式芳香族基、例えばナフチルである。芳香族環は1個またはそれ以上の環位置で上記のような置換基により置換されうる。「アリール」なる用語はまた、2個またはそれ以上の炭素が2個の隣接した環で共通である2個またはそれ以上の環式環を有する多環式環系(当該環は「縮合環」である)を包含し、 そのうち少なくとも1個の環は芳香族であり、例えば他の環式環はシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリールおよび/またはヘテロシクリルである。「オルト」、「メタ」および「パラ」なる用語はそれぞれ1,2−、1,3−および1,4−二置換ベンゼンに適用される。例えば、1,2−ジメチルベンゼンおよびオルト−ジメチルベンゼンなる名称は同義語である。
【0091】
本明細書で使用される「シクロアルキル」なる用語は特定数の炭素原子を有する飽和環基を包含することを意図する。これらは縮合または架橋した多環系を包含することができる。好ましいシクロアルキルはそれらの環構造中に3〜10個の炭素原子を有し、さらに好ましくは環構造中に3、4、5および6個の炭素を有する。例えば、「C3-6シクロアルキル」はシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルのような基を示す。
【0092】
本明細書で使用される「シクロアルケニル」は環中に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有し、そして4〜12個の炭素原子を有する環を含有するヒドロカルビル基を意味する。
【0093】
本明細書で使用される「シクロアルキニル」は環中に少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を有し、そして7〜12個の炭素原子を有する環を含有するヒドロカルビル基を意味する。
【0094】
本明細書で使用される「ハロ」または「ハロゲン」はフルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを意味する。「カウンターイオン」は塩化物、臭化物、水酸化物、酢酸塩、硫酸塩、トシル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩などのような小さな負に帯電したイオン種を示すために使用される。
【0095】
本明細書で使用される「ヘテロシクリル」または「複素環式」または「複素環」なる用語は3〜20個の原子を含有し、そのうち1、2、3、4または5個の環原子は窒素、硫黄または酸素から選択され、特に断りがなければ炭素または窒素結合し、−CH2−基は場合により−C(O)−で置換され;反対の記述がない限り環の窒素または硫黄原子は場合により酸化されてN−オキシドまたはS−オキシドを形成し、あるいは環窒素は場合により四級化され;環−NHは場合によりアセチル、ホルミル、メチルまたはメシルで置換され;そして環は場合により1個またはそれ以上のハロで置換される飽和、不飽和または部分的に飽和の単環式、二環式または三環式環(特に断りがなければ)を意味する。ヘテロシクリルのSおよびO原子の総数が1を超えない場合、これらのヘテロ原子は互いに隣接していないことは理解されよう。前記ヘテロシクリル基が二環式または三環式である場合、少なくとも1個の環は場合によりヘテロ芳香族または芳香族環であるが、但し少なくとも1個の環は非ヘテロ芳香族である。前記ヘテロシクリル基が単環式である場合、それは芳香族であってはならない。ヘテロシクリルの例はピペリジニル、N−アセチルピペリジニル、N−メチルピペリジニル、N−ホルミルピペラジニル、N−メシルピペラジニル、ホモピペラジニル、ピペラジニル、アゼチジニル、オキセタニル、モルホリニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、インドリニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロ−2H−ピラニル、テトラヒドロフラニルおよび2,5−ジオキソイミダゾリジニルであるが、これらに限定されない。
【0096】
本明細書で使用される「ヘテロアリール」または「ヘテロ芳香族」は環員として少なくとも1個のヘテロ原子、例えば硫黄、酸素または窒素を有する芳香族複素環を意味する。ヘテロアリール基には単環および多環系(例えば2、3たは4個の縮合環を有する)がある。ヘテロアリール基の例はピリジル(すなわちピリジニル)、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、フリル(すなわちフラニル)、キノリル、イソキノリル、チエニル、イミダゾリル、チアゾリル、インドリル、ピロリル、オキサゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンズチアゾリル、イソキサゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、インダゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、イソチアゾリル、チアゾリル、ベンゾチエニル、プリニル、カルバゾリル、フルオレノニル、ベンズイミダゾリル、インドリニルなどであるが、これらに限定されない。幾つかの態様において、ヘテロアリール基は1〜約20個の炭素原子を有し、他の態様では約3〜約20個の炭素原子を有する。幾つかの態様において、ヘテロアリール基は3〜約14個、4〜約14個、3〜約7個または5〜6個の 環形成原子を含有する。幾つかの態様において、ヘテロアリールまたはヘテロ芳香族基は1〜約4、1〜約3または1〜2個の ヘテロ原子を有する。幾つかの態様において、ヘテロアリールまたはヘテロ芳香族基は1個のヘテロ原子を有する。
【0097】
本明細書で使用される「保護基」なる表現は反応を引き起こす可能性のある官能基を望ましくない化学変換から保護する一時的な置換を意味する。そのような保護基の例はカルボン酸のエステル、アルコールのシリルエーテル、並びにアルデヒドおよびケトンのそれぞれアセタールおよびケタールである。 保護基の詳細については検討されている(Greene, T.W.、Wuts, P.G.M.の「Protective Groups in Organic Synthesis」,第3版, Wiley, New York(1999年))。
【0098】
本明細書で使用される「薬学的に許容しうる」は過度の毒性、刺激、アレルギー反応、あるいは妥当な利益/リスク比に見合う他の問題または合併症なしに診断医学的判断の範囲内でヒトおよび動物の組織と接触させるのに適した化合物、物質、組成物および/または投与形態を示すために使用される。
【0099】
本明細書で使用される「薬学的に許容しうる塩」は親化合物がその酸性または塩基性塩を製造することにより変更される開示化合物の誘導体を意味する。薬学的に許容しうる塩の例はアミンのような塩基性残基の無機酸または有機酸塩;カルボン酸のような酸性残基のアルカリまたは有機塩などであるが、これらに限定されない。薬学的に許容しうる塩には例えば非毒性の無機酸または有機酸から生成した親化合物の慣用の非毒性塩または第四アンモニウム塩がある。例えば、そのような慣用の非毒性塩には塩酸のような無機酸から誘導されるものがある。
【0100】
本発明の薬学的に許容しうる塩は塩基性または酸性部分を含有する親化合物から慣用の化学的方法により合成することができる。一般に、そのような塩は遊離酸または塩基形態のこれらの化合物を水または有機溶媒、またはこれらの混合物中で化学量論量の適当な塩基または酸と反応させることにより製造することができる;一般に、ジエチルエーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリルのような非水性媒質が使用される。
【0101】
本明細書で使用される「互変異性体」は水素原子の移動により達成される平衡状態で存在する他の構造異性体を意味する。例えば、ケト−エノール互変異性があり、得られる化合物はケトンと不飽和アルコールの両方の特性を有する。
【0102】
本明細書で使用される「安定した化合物」および「安定した構造」は反応混合物からの有用な程度の純度までの単離や有効な治療剤への製剤化に耐え抜くのに十分な程頑強である化合物を示す。
【0103】
本発明の化合物はさらに水和物および溶媒和物を包含する。
【0104】
本発明はさらに同位体で標識された本発明の化合物を包含する。“同位体で標識”または“放射性標識”された化合物は、1個またはそれ以上の原子が典型的に自然界で見られる(すなわち天然に存在する)原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子により置換される本発明の化合物である。本発明の化合物に組込むことができる適当な放射性核種には2H(重水素の代りにDとして記載されることもある)、3H(トリチウムの代りにTとして記載されることもある)、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、18F、35S、36Cl、82Br、75Br、76Br、77Br、123I、124I、125Iおよび131Iがあるが、これらに限定されない。本発明の放射性標識化合物に組込まれる放射性核種は放射性標識化合物の特定の用途により決まる。例えば、試験管内での受容体標識および競合アッセイでは3H、14C、82Br、125I、131I、35Sを組込む化合物が一般に最も有用である。放射性イメージング用では11C、18F、125I、123I、124I、131I、75Br、76Brまたは77Brが一般に最も有用である。
【0105】
「放射性標識化合物」とは少なくとも1個の放射性核種を組込んだ化合物であることは理解されよう。幾つかの態様において、放射性核種は3H、14C、125I、35Sおよび82Brからなる群より選択される。
【0106】
本明細書で定義される認知症治療法は単独療法として適用することができ、または本発明の化合物の他に慣用の化学療法剤を含むことができる。そのような化学療法剤には1種またはそれ以上の次のカテゴリーの薬剤:アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、抗炎症剤、認識および/または記憶増強剤または非定型抗精神病薬がある。
【0107】
このような併用治療は治療の個々の成分を同時に、連続して、または別々に投与することにより行なうことができる。そのような併用製剤は本発明の化合物を含有する。
【0108】
本発明の化合物は経口、非経口、口腔内、膣内、経腸、吸入、吹込、舌下、筋肉内、皮下、局所、鼻内、腹腔内、胸腔内、静脈内、硬膜外、髄腔内、脳室内に、さらに関節への注射により投与することができる。
【0109】
投与量は投与経路、疾患の重症度、患者の年齢および体重や主治医が個々のレジメンおよび投与レベルを特定の患者にとって最適であると決定する際に通常考慮する他の要因に応じて決まる。
【0110】
認知症の治療に使用される本発明の化合物の有効量は温血動物、特にヒトにおいて認知症の症状を軽減するのに、認知症の進行を遅らせるのに、または認知症の症状が悪化する恐れのある患者を減らすのに十分な量である。
【0111】
本発明の化合物から医薬組成物を製造する場合、不活性な薬学的に許容しうる担体は固体または液体である。固体形態の製剤には粉末、錠剤、分散性顆粒剤、カプセル剤、カシェ剤および坐剤がある。
【0112】
固体担体は希釈剤、芳香剤、可溶化剤、潤滑剤、懸濁化剤、結合剤または錠剤崩壊剤としても作用する1種またはそれ以上の物質である;それは封入材料であってもよい。
【0113】
粉末において、担体は微細な固体であり、微細な活性成分と混合される。錠剤において、活性成分は必要な結合特性を有する担体と適当な割合で混合され、所望の形状と大きさに圧縮される。
【0114】
座剤組成物を製造する場合、脂肪酸グリセリドおよびカカオ脂の混合物のような低融点ろうが最初に溶融され、その中に活性成分が例えば撹拌により分散される。次に溶融した均質な混合物は手頃な大きさの金型に注がれ、冷却および固化される。
【0115】
適当な担体には炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、ラクトース、糖、ペクチン、デキストリン、スターチ、トラガカント、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、低融点ろう、カカオ脂などがある。
【0116】
幾つかの態様において、本発明はヒトを含む哺乳動物の治療的処置(予防的処置を含む)のための式Iの化合物またはその薬学的に許容しうる塩を提供する。それは通常、標準的な製剤法に従って医薬組成物として製剤化される。
【0117】
本発明の化合物の他に、本発明の医薬組成物は本明細書で言及される1種またはそれ以上の疾患状態を治療するのに有用な1種またはそれ以上の薬剤を含有するか、または併用投与(同時または連続)することができる。
【0118】
「組成物」なる用語は活性成分または薬学的に許容しうる塩と薬学的に許容しうる担体の製剤を包含することを意図する。例えば、本発明の組成物は当該技術分野で知られている手段により例えば錠剤、カプセル剤、水性または油性液剤、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、鼻腔用スプレー、坐剤、微細粉末、または吸入用エアロゾルまたはネブライザーの形態、さらに非経口用途(静脈内、筋肉内または注入を含む)として無菌の水性または油性液剤または懸濁剤または無菌乳剤に製剤化することができる。
【0119】
液体形態の組成物には液剤、懸濁剤および乳剤がある。非経口投与に適した液体製剤の例として活性化合物の無菌の水または水−プロピレングリコール溶液を挙げることができる。液体組成物はポリエチレングリコール水溶液中で製剤化することもできる。経口投与用水溶液は活性成分を水に溶解し、必要に応じて適当な着色剤、芳香剤、安定剤および増粘剤を加えることにより製造することができる。経口で使用するための水性懸濁剤は微細な活性成分を天然合成ゴム、樹脂、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースのような粘性物質および製剤技術分野で知られている他の懸濁化剤と一緒に水中で分散させることにより製造することができる。
【0120】
医薬組成物は単位投与形態であってよい。そのような形態において、組成物は適当な量の活性成分を含有する単位投与量に分割される。単位投与形態はパッケージが分離量の製剤を含有するパッケージ製剤、例えばパック錠剤、カプセル剤やバイアルまたはアンプル中の散剤であってよい。単位投与形態はカプセル剤、カシェ剤または錠剤そのものであってもよく、あるいは適当な数のこれらのパッケージ形態であってよい。
【0121】
組成物は適当な投与経路および手段に合せて製剤化することができる。薬学的に許容しうる担体または希釈剤には経口、経腸、鼻内、局所(口腔内および舌下を含む)、経膣または非経口(皮下、筋肉内、静脈内、皮内、髄腔内および硬膜外)投与に適した製剤で使用されるものがある。製剤は好都合には単位投与形態で存在することができ、また製薬分野でよく知られている方法により製造することができる。
【0122】
固体組成物用として、使用することができる慣用の非毒性固体担体には例えば医薬品グレードのマンニトール、ラクトース、セルロース、セルロース誘導体、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルク、グルコース、スクロース、炭酸マグネシウムなどがある。薬学的に投与可能な液体組成物は例えば上記で定義されたような活性化合物および任意の補助薬を例えば水、食塩水、水性デキストロース、グリセロール、エタノールなどのような担体中に溶解し、分散させるなどして溶液または懸濁液を生成することにより製造することができる。必要に応じて、投与される医薬組成物は少量の非毒性補助物質、例えば湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤など、例えば酢酸ナトリウム、ソルビタンモノラウレート、トリエタノールアミン酢酸ナトリウム、ソルビタンモノラウレート、トリエタノールアミンオレエートなどを含有することもできる。 そのような投与形態を製造するための実際の方法は当業者に知られており、または明らかである;例えばRemington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Company, Easton, Pennsylvania, 15版(1975年)を参照。
【0123】
本発明の化合物は様々な方法で誘導体化することができる。 本明細書で使用される化合物の「誘導体」は塩(例えば薬学的に許容しうる塩)、錯体(例えばシクロデキストリンのような化合物との包接錯体またはクラスレート、またはMn2+およびZn2+のような金属イオンとの配位錯体)、遊離酸または塩基、多形形態の化合物、溶媒和物(例えば水和物)、プロドラッグまたは脂質、カップリングパートナーおよび保護基を包含する。「プロドラッグ」とは例えば生体内で生物学的に活性な化合物に変換される化合物を意味する。
【0124】
本発明の化合物の塩は好ましくは生理学的に十分に許容され、非毒性である。塩の多くの例は当業者に知られている。そのような塩はすべて本発明の範囲内であり、言及される化合物には化合物の塩形態が含まれる。
【0125】
化合物がアミン官能基を含有する場合、これらは当業者によく知られている方法に従って例えばアルキル化剤と反応させることにより第4アンモニウム塩を形成することができる。そのような第4アンモニウム化合物は本発明の範囲内である。
【0126】
アミン官能基を含有する化合物はまた、N−オキシドを形成することができる。本明細書で言及されるアミン官能基を含有する化合物はまた、N−オキシドを包含する。
【0127】
化合物が幾つかのアミン官能基を含有する場合、1個またはそれ以上の窒素原子を酸化してN−オキシドを形成することができる。N−オキシドの特定の例は第3アミンまたは窒素含有複素環の窒素原子のN−オキシドである。
【0128】
N−オキシドは相当するアミンを過酸化水素または過酸(例えばペルオキシカルボン酸)のような酸化剤で処理することにより形成することができ、例えばJerry MarchのAdvanced Organic Chemistry, 第4版, Wiley Interscience(1992年)を参照。さらに詳しくは、N−オキシドはL. W. Deady(Syn. Comm., 7, 509〜514(1977年))の方法に従ってアミン化合物を例えばジクロロメタンのような不活性溶媒中でm−クロロペルオキシ安息香酸(MCPBA)と反応させることにより製造することができる。
【0129】
化合物がキラル中心を含有する場合、エナンチオマー、エピマーおよびジアステレオマーのような個々の光学異性体、並びに化合物のラセミ混合物はすべて本発明の範囲内である。
【0130】
化合物は幾つかの異なる幾何異性体および互変異性体で存在することができ、言及される化合物はそのような異性体をすべて包含する。誤解を避けるために、化合物が幾つかの幾何異性体または互変異性体の何れかで存在し、1種だけが明記または明示される場合でも、すべての他のものは本発明の範囲に包含される。
【0131】
投与される化合物の量は治療する患者に応じて変動し、1日あたり約100ng/kg体重〜100mg/kg体重の範囲であり、好ましくは1日あたり10pg/kg〜10mg/kgである。例えば、投与量はこの開示および当該技術分野の知識から当業者により容易に確認されうる。すなわち、当業者は本発明の方法で投与される組成物中における化合物や任意の添加剤、賦形剤および/または担体の量を決定することができる。
【0132】
本発明の化合物は試験管内でβ−セクレターゼ(BACEを含む)活性を阻害することがわかった。β−セクレターゼの阻害剤はAβペプチドの生成または凝集を阻止するのに有用であり、そのためAβペプチドのレベルおよび/または蓄積の増加と関係があるアルツハイマー病や他の神経変性疾患の治療において有益な効果を示すことがわかった。したがって、本発明の化合物はアルツハイマー病および認知症と関係がある疾患の治療で使用することができると考えられる。そのため、本発明の化合物およびそれらの塩はアルツハイマー病のような加齢に伴う疾患やダウン症候群およびβ−アミロイド血管症のようなAβが関連する病気に対して活性を示すことが予想される。本発明の化合物は単独の薬剤として使用する可能性が最も高いが、様々な認識増強剤と組合せて使用することも考えられる。
【0133】
製造法
本発明はまた、遊離塩基としての式(I)の化合物またはその薬学的に許容しうる塩を製造する方法に関する。そのような方法の次の説明全体を通して、有機合成分野の当業者により容易に理解されるように必要に応じて適当な保護基が加えられ、その後種々の反応物質および中間体から除去されることは理解されよう。そのような保護基を使用するための慣用の手順および適当な保護基の例は例えばT.W. Greene、P.G.M Wutzの「Protective Groups in Organic Synthesis」, 第3版, Wiley−Interscience, New York(1999年)に記載されている。反応混合物を加熱するために別法としてマイクロ波を使用することができることは理解されよう。
【0134】
本発明の他の見地は下記工程:
(i) 相当する式(II)
【化2】

の化合物を式M−R1(式中、Mはリチウムのような金属を示す)の有機金属種、例えばグリニャール試薬と反応させ、次に窒素−硫黄結合を切断する(特に断りがなければR1、R2、R3、Z、Y、X、Wおよびmは式(I)で定義された通りである)ことからなる式(I)の化合物、またはその薬学的に許容しうる塩または生体内で加水分解可能なエステルの製造法を提供する。R12は一般にアリールまたはアルキル、例えばt−ブチルである。
【0135】
工程(i)において、式(I)の化合物は式(II)の化合物を式M−R1(式中、Mは例えばリチウムのような金属である)または式LnM−R1(式中、Lはハロゲンのようなリガンドであり、そしてnは0またはそれ以上である)の適当な有機金属試薬、例えば有機亜鉛試薬またはグリニャール試薬で処理し、次に塩酸のような適当な酸で処理することにより製造することができる。反応は−105℃〜室温の温度においてジエチルエーテルまたはテトラヒドロフランのような適当な溶媒中で行なうことができる。
【0136】
(ia) 式(II)の化合物はチタン(IV)エトキシドのような適当なルイス酸の存在下、式(IIa)の化合物を式(IIb)(式中、R12は一般にアリールまたはアルキル、例えばt−ブチルである)の化合物で処理することにより得られる(スキーム1)。反応は室温〜還流温度においてジエチルエーテルまたはテトラヒドロフランのような適当な溶媒中で行なうことができる。
【0137】
スキーム1
【化3】

【0138】
(ib) 式(IIa)の化合物は例えば式(IIe)(式中、Kはそれぞれ水素またはハロゲンである)の化合物を金属化またはハロゲン金属交換して式(IId)(式中、Lはハロゲンのようなリガンドであり、そしてnは0〜6である)の中間体を得、それを単離することなくさらに例えばR. K. DieterのTetrahedron, 55, 4177〜4236(1999年)に記載のようにして式(IIc)(式中、LGはN(CH3)(OCH3)またはハロゲンまたは他の適当な脱離基である)の化合物と反応させることにより得られる(スキーム2)。
【0139】
スキーム2
【化4】

【0140】
反応は式(IIe)(式中、Kは沃素または臭素のようなハロゲンである)の化合物を当該技術分野で知られている標準法により適当な金属化試薬、例えばt−ブチルリチウムまたはn−ブチルリチウムのようなアルキルリチウムまたはイソプロピルマグネシウム臭素化物、マグネシウム、亜鉛またはマンガンで処理し、さらに場合により必要に応じて生成した中間体を金属塩または金属錯体、例えばシアン化銅・臭素化ジリチウムで処理して式(IId)の新しい中間体を得、次に中間体(IId)を式(IIc)(式中、LGは例えば塩素のようなハロゲンまたはN(CH3)(OCH3)である)の化合物で処理して金属化することにより行なうことができ、場合により必要に応じてこの変換は例えば上記文献に記載のようにしてパラジウム塩または錯体のような遷移金属触媒の存在下で行なうことができる。反応は−105℃〜室温の温度においてジエチルエーテルまたはテトラヒドロフランのような適当な溶媒中で行なうことができる。
【0141】
別法として、式(IIa)の化合物を得る方法は式(IIh)(式中、R13はハロゲン、CONH2またはCOOR14であり、前記R14は水素またはアルキルである)の化合物を上記の(IIe)の(IIa)への変換のように反応させて式(IIf)(式中、R13は上記で定義された通りである)の化合物を得、次に式(IIf)の化合物を例えばJerry MarchのAdvanced Organic Chemistry, 第4版, Wiley Interscience(1992年)に記載の既知方法により(IIa)に変換することによる(スキーム3)。
【0142】
スキーム3
【化5】

【0143】
(ii) 少なくとも1個のR4がアリールまたはヘテロアリールである場合、式(I)の化合物を製造するための別法は金属触媒クロスカップリング反応によりR4をR1および/またはR2に結合させることからなり、例えば式(Ia)
【化6】

(式中、LGは脱離基、例えば塩素、臭素または沃素のようなハロゲン、あるいはアルキル−、アリール−またはハロアルキル−スルホネート、例えばトリフレートである)の化合物から出発し、それを例えばF. DiederichおよびP. J. Stangの「Metal Catalyzed Cross−coupling Reactions」, Wiley VCH, Weinheim(1998年)に記載のようにして遷移金属触媒の存在下でアリール−またはヘテロアリール−ボロン酸またはエステルまたはスタンナンを示す式T−R4(式中、R4は上記で定義された通りである)の化合物と反応させる。
【0144】
工程(ii)において、反応は式(Ia)の化合物のような適当な化合物を適当なアリールボロン酸またはエステルまたはスタンナンとカップリングさせることにより行なうことができる。反応は場合によりトリフェニルホスフィン、トリ−t−ブチルホスフィンまたは2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニルのような適当なリガンドと一緒に適当なパラジウム触媒、例えば[1,1'−ビス( ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)クロライド、テトラキス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(0)、パラジウムジフェニルホスフィンフェロセンジクロライド、酢酸パラジウム(II)またはビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)を使用して、あるいは亜鉛およびナトリウムトリフェニルホスフィントリメタスルホネートと一緒にニッケル触媒、例えば木炭上のニッケルまたは1,2−ビス( ジフェニルホスフィノ)エタンニッケルジクロライドを使用して行なうことができる。フッ化セシウム、アルキルアミン、例えばトリエチルアミン、あるいはアルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩または水酸化物、例えば炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウムまたは水酸化ナトリウムのような適当な塩基を反応で使用することができ、反応は+20℃〜+160℃の範囲の温度において適当な溶媒、例えばトルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、水、エタノールまたはN,N−ジメチルホルムアミド、またはこれらの混合物中で行なうことができる。
【0145】
式(IIb)、(IIc)、(IIe)、(IIh)およびT−R4の化合物は商業的に入手できる化合物であり、または文献で知られており、または当該技術分野で知られている標準法により製造される。
【0146】
一般法
使用した出発物質は商業的に可能であり、または文献記載の方法に従って製造した。
1H NMRスペクトルは1Hについて400MHzで作動するZ−グラジエント付き4核プローブヘッドを備えたBruker DPX400 NMR分光計、または試料注入時にBEST 215液体ハンドラーを使用し、1Hについて400MHzで作動するZ−グラジエント付き3mmフローインジェクションSEI 1H/D−13Cプローブヘッドを備えたBruker av400 NMR分光計において表示した重水素化溶媒中で測定した。化学シフトはppmで示す。共鳴多重度は一重線、二重線、三重線、四重線、多重線および幅広いピークについてそれぞれs、d、t、q、mおよびbrと示す。
【0147】
LC−MS分析はWaters Alliance 2795 HPLC、Waters PDA 2996ダイオードアレイ検出器、Sedex 75 ELS検出器およびZQシングル四重極質量分析計で構成されるLC−MSシステムにおいて行なった。質量分析計は陽イオンまたは陰イオンモードで操作するエレクトロスプレーイオン源(ES)を備えている。キャピラリー電圧を3.2kVに、コーン電圧を30Vにそれぞれ設定した。質量分析計は0.3秒のスキャン時間でm/z 100〜700をスキャンした。ダイオードアレイ検出器は200〜400nmをスキャンした。ELS検出器の温度を40℃に調整し、圧力を1.9バールに設定した。分離はX−Terra MS C8、3.0mm×50mm、3.5μm(Waters)において1ml/分の流量で行なった。100%A(A:5%アセトニトリル中の10mM酢酸アンモニウム、または5%アセトニトリル中の8mMギ酸)で開始し、100%B(B:アセトニトリル)で終了する直線グラジエントを適用した。カラムオーブン温度を40℃に設定した。
【0148】
あるいは、LC−MS分析はWatersサンプルマネージャ2777C、Waters 1525μバイナリポンプ、Waters 1500 カラムオーブン、Waters ZQ シングル四重極質量分析計、Waters PDA 2996ダイオードアレイ検出器およびSedex 85 ELS検出器で構成されるLC−MSシステムにおいて行なった。質量分析計は陽イオンまたは陰イオンモードで操作するエレクトロスプレーイオン源(ES)を備えている。質量分析計は0.3秒のスキャン時間でm/z 100〜700をスキャンした。キャピラリー電圧を3.4kVに、コーン電圧を30Vにそれぞれ設定した。ダイオードアレイ検出器は200〜400nmをスキャンした。ELS検出器の温度を40℃に調整し、圧力を1.9バールに設定した。分離のために100%A(A:5%アセトニトリル中の10mM酢酸アンモニウム、または5%アセトニトリル中の8mMギ酸)で開始し、100%B(B:アセトニトリル)で終了する直線グラジエントを適用した。使用したカラムはGemini C18、3.0mm x 50mm、3μm(Phenomenex)であり、1ml/分の流量で行なった。カラムオーブン温度を40℃に設定した。
【0149】
GC−MS:化合物の同定はAgilent Technologies社により供給されるGC−MSシステム(GC 6890、5973N MSD)において行なった。使用したカラムはVF−5 MS、内径0.25mm×15m、0.25μm(Varian社)である。40℃(保持1分間)で開始し、300℃(保持1分間)で終了する25℃/分の直線温度グラジエントを適用した。質量分析計は化学イオン化(CI)イオン源を備えており、反応ガスはメタンである。質量分析計は電子衝撃(EI)イオン源を備えており、電子電圧を70eVに設定した。質量分析計はm/z 50〜500をスキャンし、スキャン速度を3.25スキャン/秒に設定した。
【0150】
あるいは、化合物の同定はAgilent Technologies社により供給されるGC−MSシステム(GC 6890、5973N MSD)において行なった。質量分析計はSIM社製の直接導入プローブ(DIP)インターフェースを備えている。質量分析計は化学イオン化(CI)イオン源を備えており、反応ガスはメタンである。質量分析計は電子衝撃(EI)イオン源を備えており、電子電圧を70eVに設定した。質量分析計はm/z 50〜500をスキャンし、スキャン速度を3.25スキャン/秒に設定した。40℃(保持1分間)で開始し、300℃(保持1分間)で終了する25℃/分の直線温度グラジエントを適用した。使用したカラムはVF−5 MS、内径0.25mm×30m、0.25μm(Varian社)である。
【0151】
分取用−HPLC:分取用クロマトグラフィーはダイオードアレイ検出器を備えたWaters自動精製HPLCにおいて行なった。カラム:XTerra MS C8、19×300mm、10μm。アセトニトリル/MilliQ水中の0.1M酢酸アンモニウムおよび5%アセトニトリルでグラジエント溶離した。流量:20mL/分。別法として、精製はWaters Symmetry(登録商標)カラム(C18、5μm、100mm×19mm)を備えたShimadzu SPD−10A UV−vis.−検出器を有する半分取用Shimadzu LC−8A HPLCにおいて行なった。アセトニトリル/MilliQ水中の0.1%トリフルオロ酢酸でグラジエント溶離した。流量:10mL/分。別法として、他のカラムを使用した;Atlantis C18、19×100mm、5μmカラム。アセトニトリル/MilliQ水中の0.1M酢酸アンモニウムおよび5%アセトニトリルでグラジエント溶離した。流量:15mL/分。
【0152】
マイクロ波照射は2450MHzで連続照射するCreator(登録商標)、Initiator(登録商標)またはSmith Synthesizer(登録商標)シングルモードマイクロ波キャビティにおいて行なった。
【0153】
薄層クロマトグラフィー(TLC)はMerch TLC−プレート(シリカゲル60 F254)において行ない、UVでスポットを確認した。カラムクロマトグラフィーはRediSep(登録商標)順相フラッシュカラムを使用するCombi Flash(登録商標)Companion(登録商標)において、またはMerckシリカゲル60(0.040〜0.063mm)を使用して行なった。
【0154】
化合物はAdvanced Chemistry Development社(ACD/Labs;カナダ・オンタリオ州トロント, www.acdlabs.com, 2005)製のACD/命名ソフトウエア・バージョン9.0、またはOpenEye製のLexichemソフトウエア・バージョン1.4を使用して命名した。
【0155】
次の略語を使用した:
h 時間
THF テトラヒドロフラン
下記に幾つかの本発明の化合物の例を示すが、本発明はそれらに限定されない。
【実施例】
【0156】
〔実施例1〕3−(3−ブロモベンゾイル)ピリジン−2−カルボニトリル
【化7】

高活性亜鉛(Rieke亜鉛)のTHF懸濁液(100mg/mL、12.7mL、19.4ミリモル)をアルゴン雰囲気下、無水THF(20mL)中における3−ブロモ−2−シアノピリジン(1.189g、6.497ミリモル)の溶液にシリンジで加えた。混合物を室温で4時間、次に50℃で15分間攪拌した。残留する亜鉛粉末を−20℃でフラスコの底に一晩沈降させた。上部の溶液を別のフラスコに移し、−20℃まで冷却した。これにTHF中におけるシアン化銅・ジ(臭化リチウム)錯体の1M溶液(6.82mL)を加え、得られた混合物を−20℃で5 分間、次に0℃で35分間攪拌してから−30℃に冷却して塩化3−ブロモベンゾイル(1.78g、8.12ミリモル)を加えた。混合物を6時間攪拌し、その間に温度は−30℃から0℃に上昇した。飽和塩化アンモニウム溶液を加えて反応をクエンチし、酢酸エチルを加えた。相を分離し、有機相を1M炭酸ナトリウム溶液およびブラインで洗浄した。溶液を硫酸マグネシウム上で乾燥し、蒸発させた。濃度を増加させてヘプタン中の酢酸エチル(0〜50%)でグラジエント溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製して1.18g(収率63%)の表題化合物を得た。1H NMR(CDCl3)δ8.92 (dd, 1H), 7.98 (dd, 1H), 7.96 (t, 1H), 7.84 − 7.81 (m, 1H), 7.73 − 7.70 (m, 1H), 7.68 (dd, 1H), 7.43 (t, 1H);MS(CI) m/z M+ 287, 289。
【0157】
〔実施例2〕N−[(1E)−(3−ブロモフェニル)(2−シアノピリジン−3−イル)メチレン]−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド
【化8】

チタン(IV)エトキシド(1M溶液、THF中、18.7mL)をアルゴン雰囲気下で無水THF(10mL)中における3−(3−ブロモベンゾイル)ピリジン−2−カルボニトリル(2.680g、9.334ミリモル)およびt−ブチルスルフィンアミド(1.244g、10.27ミリモル)の溶液に加えた。混合物を50℃で70時間加熱した。室温まで冷却した後、混合物をメタノール(20mL)で希釈し、100滴の水を加えた。得られた混合物を約1時間放置し、硫酸ナトリウムのパッドを通してろ過した。ろ過ケーキを飽和炭酸水素ナトリウム水溶液およびジクロロメタンに取った。混合物を一晩攪拌し、相を分離し、水相をジクロロメタンで抽出した。抽出物を上記のろ液と混合し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発させた。濃度を増加させてジクロロメタン中のアセトニトリル(0〜20%)でグラジエント溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製して2.52g(収率69%)の表題化合物を得た。1H NMR(CDCl3)δ8.81 (d, 1H), 7.76 (m, 2H), 7.68 (m, 1H), 7.62 (dd, 1H), 7.43 (d, 1H), 7.32 (t, 1H), 1.39 (br. s., 9H)。
【0158】
〔実施例3〕5−(3−ブロモフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−7−アミン
【化9】

ブチルリチウム(2.5M、ヘキサン中、0.947mL)をアルゴン雰囲気下、−78℃で無水THF中における4−ブロモアニソール(483mg、2.58ミリモル)の溶液に滴加した。混合物をその温度で30分間攪拌し、次にTHF(10mL)中におけるN−[(1E)−(3−ブロモフェニル)(2−シアノピリジン−3−イル)メチレン]−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(実施例2、840mg、2.15ミリモル)の溶液を滴加した。攪拌を−78℃で3時間、次に−25℃で1時間続けた。水を加えて反応をクエンチし、混合物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濃縮した。残留物をメタノール(20mL)に溶解し、これにジエチルエーテル中の2M塩酸(2.5mL)を加えた。混合物を室温で22時間攪拌し、濃縮した。残留物をジクロロメタンおよび飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に分配し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮した。濃度を増加させてジクロロメタン中の酢酸エチル(0〜50%)、最後に酢酸エチル−ジクロロメタン(45:50)中におけるメタノール中の2Mアンモニア(5%)でグラジエント溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製して115mg(収率14%)の表題化合物を得た。1H NMR(CDCl3)δ8.62 (dd, 1H), 7.88 (dd, 1H), 7.46 (t, 1H), 7.37 (m, 2H), 7.26 (m, 1H), 7.21 (m, 2H), 7.14 (t, 1H), 6.81 (m, 2H), 3.78 (s, 3H);MS(ESI) m/z 394, 396 [M+1]+
【0159】
〔実施例4〕5−(3−ブロモフェニル)−5−ピリジン−4−イル−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−7−アミン
【化10】

t−ブチルリチウム(1.5M溶液、ペンタン中、2.15mL)を−100℃でアルゴン雰囲気下、無水THF(10mL)で希釈した。これに無水THF(8mL)中における4−ヨードピリジン(330mg、1.773ミリモル)の溶液を滴加し、混合物を−100℃で5分間攪拌し、次に温度を−100℃以下に維持しながらTHF(10mL)中におけるN−[(1E)−(3−ブロモフェニル)(2−シアノピリジン−3−イル)メチレン]−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(実施例2、629mg、1.612ミリモル)の溶液を滴加した。混合物を1.5時間攪拌し、その間に−75℃まで加温した。水を加えて反応をクエンチし、混合物を酢酸エチルで希釈した。相を分離し、水相を酢酸エチルで抽出した。合一した抽出物を飽和ナトリウム炭酸水素水溶液およびブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、蒸発させた。残留物をメタノール(10mL)に溶解し、室温においてジエチルエーテル中の2M塩酸で一晩処理した。溶媒を蒸発させ、残留物を飽和炭酸水素水溶液およびジクロロメタンに取った。相を分離し、水相を酢酸エチルで抽出した。合一した有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発させた。濃度を増加させてジクロロメタン中の2Mメタノール性アンモニア(0〜5%)でグラジエント溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製して406mg(収率69%)の表題化合物を得た。1H NMR(CDCl3)δ8.67 (dd, 1H), 8.53 (m, 2H), 7.90 (dd, 1H), 7.41 (m, 3H), 7.23 (m, 3H), 7.18 (m, 1H);MS(ESI) m/z 365, 367 [M+1]+
【0160】
〔実施例5〕5−(4−メトキシフェニル)−5−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−7−アミン
【化11】

1,2−ジメトキシエタン、水およびエタノールの混合物(6:3:1、5mL)中における5−(3−ブロモフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−7−アミン(実施例3、85mg、0.215ミリモル)、ピリミジン−5−イルボロン酸(35mg、0.280ミリモル)、[1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロライドジクロロメタン付加物(18mg、0.022ミリモル)および炭酸セシウム(210mg、0.645ミリモル)の混合物をアルゴン雰囲気下、130℃でマイクロ波照射により15分間加熱した。周囲温度まで冷却した後、酢酸塩を炭酸水素ナトリウムで処理して遊離塩基を遊離させた後、混合物をろ過し、真空下で濃縮し、分取用HPLCにより精製して22mg(収率26%)を得た。1H NMR(CDCl3)δ9.17 (s, 1H), 8.86 (s, 2H), 8.63 (dd, 1H), 7.92 (dd, 1H), 7.55 (m, 1H), 7.48−7.40 (m, 3H), 7.36 (dd, 1H), 7.26 (m, 2H), 6.82 (m, 2H), 3.78 (s, 3H);MS(ESI) m/z 394 [M+1]+
【0161】
〔実施例6〜12〕
実施例5に記載の手順と同様にして、適当なブロモフェニルピロロピリジンアミン誘導体を適当なボロン酸またはエステルと反応させて実施例6〜12の化合物を得た。表Iに示す。
【0162】
【表1】

【0163】
【表2】

【0164】
〔実施例13〕3−(3−ブロモベンゾイル)ピリジン−4−カルボニトリル
【化12】

THF中における高活性亜鉛(Rieke亜鉛)の懸濁液(100mg/mL、33mL、50ミリモル)をアルゴン雰囲気下で無水THF(100mL)中における3−ブロモ−4−シアノピリジン(3.02g、16.5ミリモル)の溶液にシリンジで加えた。混合物を50℃で3時間攪拌し、過剰の亜鉛粉末を−20℃で2日間沈降させた。上部の溶液を別のフラスコに移し、−20℃まで冷却し、これにTHF中におけるシアン化銅・ジ(臭化リチウム)錯体の1M溶液(17.3mL)を加え、得られた混合物を−20℃で5 分間、次に0℃で30分間攪拌してから−30℃に冷却して塩化3−ブロモベンゾイル(1.78g、8.12ミリモル)を加えた。混合物を16時間攪拌し、その間に温度は−30℃から室温に上昇した。飽和塩化アンモニウム溶液を加えて反応をクエンチし、混合物を酢酸エチルで抽出した。合一した有機相を1M炭酸ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、蒸発させた。濃度を増加させてヘプタン中の酢酸エチル(0〜50%)でグラジエント溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製して2.1gの表題化合物を含有する異なる種の混合物を得た。MS(CI) m/z 287, 289 [M+1]+
【0165】
〔実施例14〕N−[(1E)−(3−ブロモフェニル)(4−シアノピリジン−3−イル)メチレン]−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド
【化13】

3−(3−ブロモベンゾイル)ピリジン−4−カルボニトリルを含有する混合物から出発し、実施例2に記載のようにして表題化合物を製造した。1H NMR(CDCl3)δ8.88 (m, 1H), 8.70 (br s, 1H), 7.75 (br. s., 1H), 7.68 (m, 1H), 7.63 (m, 1H), 7.43 (m, 1H), 7.33 (br s, 9H)。
【0166】
〔実施例15〕3−(3−ブロモフェニル)−3−ピリジン−4−イル−3H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−1−アミン
【化14】

表題化合物はN−[(1E)−(3−ブロモフェニル)(4−シアノピリジン−3−イル)メチレン]−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(実施例14)から出発し、実施例4に記載のようにして62%の収率で製造した。1H NMR(DMSO−d6)δ9.17 (d, 1H), 8.73 (d, 1H), 8.47 (m, 2H), 7.83 (dd, 1H), 7.50 (t, 1H), 7.46 (m, 1H), 7.40 (m, 1H), 7.33 (m, 2H),
7.28 (t, 1H), 7.21 (br. s., 2H)。
【0167】
〔実施例16〜17〕
実施例5に記載の手順と同様にして、3−(3−ブロモフェニル)−3−ピリジン−4−イル−3H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−1−アミンを適当なボロン酸またはエステルと反応させて実施例16〜17の化合物を得た。表IIに示す。
【0168】
【表3】

【0169】
〔実施例18〕N−[(1E)−(3−ブロモフェニル)(4−シアノピリジン−3−イル)メチレン]−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド
【化15】

臭化イソプロピルマグネシウムの溶液(1M、テトラヒドロフラン中、5.27ml、5.27ミリモル)をアルゴン雰囲気下、−60℃で無水テトラヒドロフラン(20mL)中における2−ヨードニコチノニトリル(1.102g、4.79ミリモル)の溶液に加えた。温度を−60〜−40℃に維持しながら混合物を30分間攪拌した。次に、混合物を−78℃まで冷却し、無水テトラヒドロフラン(20mL)中における塩化3−ブロモベンゾイル(2.103g、9.58ミリモル)の冷却(−78℃)溶液に加えた。温度をゆっくりと室温に上昇させながら、得られた混合物を一晩攪拌した。水を加えて反応をクエンチし、混合物を酢酸エチルで抽出し、合一した抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥し、蒸発させた。残留物をヘプタン中の酢酸エチル(0〜50%)でグラジエント溶離するフラッシュクロマトグラフィーにより精製して1.140g(収率83%)の表題
化合物を得た。MS(CI) m/z 287, 289 [M+1]+
【0170】
〔実施例19〕N−[(1E)−(3−ブロモフェニル)(3−シアノピリジン−2−イル)メチレン]−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド
【化16】

表題化合物はN−[(1E)−(3−ブロモフェニル)(4−シアノピリジン−3−イル)メチレン]−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミドを出発物質として使用し、実施例2に記載の手順と同様にして27%の収率で製造した。1H NMR(DMSO−d6)δ8.91 (dd, 1H), 8.46 (dd,
1H), 7.84 (m, 1H), 7.73 (dd, 1H), 7.66 (m, 1H), 7.46 (m, 2H), 3.32 (s, 3H), 1.28 (s, 9H)。
【0171】
〔実施例20〕7−(3−ブロモフェニル)−7−ピリジン−4−イル−7H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−5−アミン
【化17】

表題化合物はN−[(1E)−(3−ブロモフェニル)(3−シアノピリジン−2−イル)メチレン]−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミドを出発物質として使用し、実施例4に記載の手順と同様にして63%の収率で製造した。1H NMR(DMSO−d6)δ8.70 (dd, 1H), 8.46 (m, 2H), 8.18 (dd, 1H), 7.75 (t, 1H), 7.65 (m, 1H), 7.52 (dd, 1H), 7.49 (m, 2H), 7.43 (m, 1H), 7.27 (t, 1H), 7.15 (br s, 2H);MS (ES) m/z 365, 367 [M+1]+
【0172】
〔実施例21〜23〕
実施例5に記載の手順と同様にして、7−(3−ブロモフェニル)−7−ピリジン−4−イル−7H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−5−アミンを適当なボロン酸またはエステルと反応させて実施例21〜23の化合物を得た。表IIIに示す。
【0173】
【表4】

【0174】
アッセイ
化合物を少なくとも1種の次のアッセイで試験した:
β−セクレターゼ酵素
IGEN切断−、蛍光−、TR−FRET−およびBiaCoreアッセイで使用した酵素は下記の通りである:
ヒトβ−セクレターゼ(AA 1−AA 460)の可溶部分をASP2−Fc10−1−IRES−GFP−neoK哺乳動物発現ベクターにクローニングした。遺伝子をIgG1(アフィニティタグ)のFcドメインと融合させ、HEK293細胞に安定にクローニングした。精製sBACE−Fcはトリス緩衝液(pH9.2)中で保存し、95%の純度を有する。
【0175】
IGEN切断アッセイ
酵素を40mMのMES(pH5.0)で43μg/mlに希釈した。IGEN基質を40mMのMES(pH5.0)で12μMに希釈した。化合物をジメチルスルホキシドで所望濃度に希釈した(アッセイの最終ジメチルスルホキシド濃度は5%である)。アッセイはGreiner 製の96ウェルPCRプレート(#650201)において行なった。ジメチルスルホキシド中の化合物(3μL)および酵素(27μL)をプレートに加え、10分間予備インキュベートした。基質(30μL)を使用して反応を開始した。酵素の最終希釈は20μg/mlであり、基質の最終濃度は6μMであった。室温(RT)で20分間反応させた後、10μLの反応混合物を取り出し、それを0.2MのTrizma−HCl(pH8.0)で1:25に希釈することにより反応を停止した。50μLの1:5000希釈のネオエピトープ抗体を50μLの1:25希釈の反応混合物に加えることにより生成物を定量した(すべての抗体およびストレプトアビジン被覆ビーズを0.5%BSAおよび0.5%Tween20を含有するPBSで希釈した)。次に、100μLの0.2mg/mLストレプトアビジン被覆ビーズ(Dynabeads M−280)および1:5000希釈のルテニル化ヤギ抗ウサギ(Ru−GαR)抗体を加えた。混合物をRTで振とうしながら2時間インキュベートした後、BioVeris M8アナライザーにおいて電気化学発光について測定した。ジメチルスルホキシド対照を100%の活性レベルと定義し、酵素を除いて(代りに40mMのMES緩衝液(pH5.0)を使用して)0%の活性と定義した。
【0176】
蛍光アッセイ
酵素を40mMのMES(pH5.0)で52μg/mlに希釈した。基質(Dabcyl−Edans)を40mMのMES(pH5.0)で30μMに希釈した。化合物をジメチルスルホキシドで所望の濃度に希釈した(アッセイの最終ジメチルスルホキシド濃度は5%である)。アッセイはCorning 384ウェルの丸底で低容量の非結合表面プレート(Corning #3676)において行なった。ジメチルスルホキシド中の化合物1μLと共に酵素(9μL)をプレートに加え、10分間予備インキュベートした。基質(10μL)を加え、反応をRTにおいて暗所で25分間進行させた。酵素の最終希釈は23μg/mlであり、基質の最終濃度は15μM(25μMのKm)である。生成物の蛍光はVictor IIプレートリーダーにおいてEdans標識ペプチドについてのプロトコルを使用して360nmの励起波長および485nmの発光波長で測定した。ジメチルスルホキシド対照を100%の活性レベルと定義し、酵素を除いて(代りに40mMのMES緩衝液(pH5.0)を使用して)0%の活性と定義した。
【0177】
TR−FRETアッセイ
酵素を反応緩衝液(Na酢酸塩、chaps、トリトンx−100、EDTA、pH4.5)で6μg/mLに、基質(ユーロピウム)CEVNLDAEFK(Qsy7)を200nMに希釈した。化合物をジメチルスルホキシドで所望の濃度に希釈した(アッセイの最終ジメチルスルホキシド濃度は5%である)。アッセイはCostar 384ウェルの丸底で低容量の非結合表面プレート(Corning #3676)において行なった。酵素(9μL)およびジメチルスルホキシド中の化合物(1μL)をプレートに加え、混合し、10分間予備インキュベートした。基質(10μL)を加え、反応をRTにおいて暗所で15分間進行させた。7μLのNa酢酸塩(pH9)を加えて反応を停止した。生成物の蛍光はVictor
IIプレートリーダーにおいて340nmの励起波長および615nmの発光波長で測定した。酵素の最終濃度は2.7μg/mlであり、基質の最終濃度は100nM(290nMのKm)である。ジメチルスルホキシド対照を100%の活性レベルと定義し、酵素を除いて(代りに反応緩衝液を使用して)0%の活性と定義した。
【0178】
BACEのBiacoreセンサーチップ作製
BACEを3000装置においてペプチドの遷移状態のアイソスター(TSI)またはスクランブル形態のペプチドTSIをBiacore CM5センサーチップの表面と結合させることによりアッセイした。CM5センサーチップの表面はペプチドを結合させるために使用することができる4個の異なるチャンネルを有する。スクランブルペプチドKFES−スタチン−ETIAEVENVをチャ
ンネル1と結合させ、TSI阻害剤のKTEEISEVN−スタチン−VAEFを同じチップのチャンネル2と結合させた。2種のペプチドを0.2mg/mLで20mMのナトリウム酢酸塩(pH4.5)に溶解し、次に溶液を14K rpmで遠心分離して粒状物を除去した。デキストラン層上のカルボキシル基を0.5MのN−エチル−N'−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミドおよび0.5MのN−ヒドロキシスクシンイミドの1対1混合物を5μL/分で7分間注入することにより活性化した。次に、対照ペプチドのストック溶液を5μL/分でチャンネル1に7分間注入し、次に1Mエタノールアミンを5μL/分で7分間注入することにより残りの活性化カルボキシル基をブロックした。
【0179】
BACEのBiacoreアッセイプロトコル
BACEのBiacoreアッセイはナトリウム酢酸塩緩衝液(pH4.5)(ジメチルスルホキシドを除いたランニング緩衝液を使用)でBACEを0.5μMに希釈することにより行なった。希釈したBACEをジメチルスルホキシド、またはジメチルスルホキシドで最終濃度を5%ジメチルスルホキシドにした化合物と混合した。BACE/阻害剤の混合物をRTで30分間インキュベートしてからCM5 Biacoreチップのチャンネル1および2に20μL/分の速度で注入した。BACEをチップに結合させ、そのシグナルを反応単位(RU)で測定した。チャンネル2でTSI阻害剤に結合するBACEは特定のシグナルを示した。BACE阻害剤の存在はBACEと結合してチップ上でペプチドTSIとの相互作用を阻害するためシグナルを減少させた。チャンネル1との結合は非特異的であり、チャンネル2の反応から引いた。ジメチルスルホキシド対照を100%と定義し、化合物の効果をジメチルスルホキシド対照の阻害率として表した。
【0180】
β−セクレターゼ全細胞アッセイ
HEK293−APP695の作製
ヒト全長APP695のcDNAをコード化するpcDNA3.1プラスミドをトランスフェクション試薬のリポフェクタミン(Invitrogen)を使用して製造業者のプロトコルに従ってHEK−293細胞に安定にトランスフェクションした。0.1〜0.5mg/mLのゼオシンを使用してコロニーを選択した。限界希釈法によるクローニングを行なって均一な細胞系を作製した。社内で開発されたELISAアッセイを使用してAPP発現および馴化培地に分泌されたAβのレベルによりクローンを特性決定した。
【0181】
HEK293−APP695の細胞培養
ヒト野生型APPを安定に発現するHEK293細胞(HEK293−APP695)を4500g/Lのグルコース、グルタマックス(GlutaMax)およびピルビン酸ナトリウムを含有し、10%FBS、1%非必須アミノ酸および0.1mg/mLの選択用抗生物質ゼオシンを補足したDMEM培地において37℃、5%CO2で培養した。
【0182】
Aβ40放出アッセイ
HEK293−APP695細胞を80〜90%のコンフルエンスで収穫し、0.2×106細胞/mLの濃度で100mLの細胞懸濁液/ウェルを96−ウェルの黒色で透明な平底のポリ−D−リシン被覆プレートに接種した。37℃、5%CO2で一晩インキュベーションした後、細胞培地をペニシリンおよびストレプトマイシン(それぞれ100U/mL、100μg/mL)を含み、最終ジメチルスルホキシド濃度が1%の試験化合物を含有する細胞培地と交換した。細胞を試験化合物に37℃、5%CO2で24時間暴露した。放出されたAβの量を定量するために、100μLの細胞培地を丸底のポリプロピレン96−ウェルプレート(アッセイプレート)に移した。ATPアッセイのために細胞プレートを下記のようにして保存した。アッセイプレートに、0.5%BSAおよび0.5%Tween−20と一緒にDPBS 中で0.5μg/mLのウサギ抗−Aβ40抗体および0.5μg/mLのビオチニル化モノクロナールマウス6E10 抗体を含有する50μL/ウェルの一次検出溶液を加え、4℃で一晩インキュベートした。次に、0.5μg/mLのルテニル化ヤギ抗ウサギ抗体および0.2mg/mLのストレプトアビジン被覆ビーズ(Dynabeads M−280)を含有する50μL/ウェルの二次検出溶液を加えた。プレートをRTで1〜2時間激しく振とうした。次に、プレートをBioVeris M8アナライザーにおいて電気化学発光について測定した。
【0183】
SH−SY5Yの細胞培養
SH−SY5Y細胞をグルタマックスを含有し、1mMのHEPES、10%FBSおよび1%非必須アミノ酸を補足した1:1のDMEM/F−12において37℃、5%CO2で培養した。
【0184】
sAPPβ放出アッセイ
SH−SY5Y細胞を80〜90%のコンフルエンスで収穫し、1.5×106細胞/mLの濃度で100mLの細胞懸濁液/ウェルを96−ウェルの黒色で透明な平底の組織培養プレートに接種した。37℃、5%CO2で7時間インキュベーションした後、細胞培地をペニシリンおよびストレプトマイシン(それぞれ100U/mL、100μg/mL)を含み、最終ジメチルスルホキシド濃度が1%の試験化合物を含有する90μlの細胞培地と交換した。細胞を試験化合物に37℃、5%CO2で18時間暴露した。細胞培地に放出されたsAPPβを測定するために、Meso Scale Discovery(MSD)社製のsAPPβマイクロプレートを使用してアッセイは製造業者のプロトコルに従って行なった。簡単に言えば、25μLの細胞培地を予めブロックされたMSD sAPPβマイクロプレートに移した。ATPアッセイのために細胞プレートを下記のようにして保存した。sAPPβをRTで1時間振とう中にマイクロプレートのウェルにスポットされた抗体により捕獲した。多数回の洗浄後、SULFO−TAG標識検出抗体(25μL/ウェル、最終濃度1nM)をアッセイプレートに加え、そのプレートをRTで振とうしながら1時間インキュベートした。多数回の洗浄後、150μl/ウェルのRead緩衝液Tをプレートに加えた。RTで10分後、プレートをSECTOR(登録商標)イメージャーにおいて電気化学発光について測定した。
【0185】
ATPアッセイ
上記したように、Aβ40またはsAPPβの分析用培地を細胞プレートから移した後、プレートを使用して全細胞ATPを測定するCambrex BioScience社製のViaLight(登録商標)Plus細胞増殖/細胞毒性キットにより細胞毒性を分析した。アッセイは製造業者のプロトコルに従って行なった。簡単に言えば、50μLの細胞溶解試薬を各ウェルに加えた。プレートをRTで10分間インキュベートした。100μLの再構成したViaLight(登録商標)Plus ATP試薬を加えて2分後に、発光をWallac Victor2 1420マルチラベルカウンターにおいて測定した。
【0186】
結果
本発明の化合物の典型的なKi値は約1〜約100,000nMの範囲である。例示した最終化合物の生物学的データを下記の表IIIに示す。
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊離塩基としての式I
【化1】

[式中、R1はアリールおよびヘテロアリールから選択され、前記アリールまたはヘテロアリールは場合により1個またはそれ以上のR4で置換され;さらに前記アリールまたはヘテロアリールは場合により4、5、6または7員のシクロアルキル、シクロアルケニルまたはヘテロシクリル基と縮合して二環式環系を形成し、前記二環式環系は場合により1個またはそれ以上のR4で置換され;
R2はアリールおよびヘテロアリールから選択され、前記アリールまたはヘテロアリールは場合により1個またはそれ以上のR4で置換され;さらに前記アリールまたはヘテロアリールは場合により4、5、6または7員のシクロアルキル、シクロアルケニルまたはヘテロシクリル基と縮合して二環式環系を形成し、前記二環式環系は場合により1個またはそれ以上のR4で置換され;
R3はハロゲン、ニトロ、CHO、C0-6アルキルCN、OC1-6アルキルCN、C0-6アルキルOR5、OC2-6アルキルOR5、C0-6アルキルNR5R6、OC2-6アルキルNR5R6、OC2-6アルキルOC2-6アルキルNR5R6、C0-6アルキルCO2R5、OC1-6アルキルCO2R5、C0-6アルキルCONR5R6、OC1-6アルキルCONR5R6、OC2-6アルキルNR5(CO)R6、C0-6アルキルNR5(CO)R6、O(CO)NR5R6、NR5(CO)OR6、NR5(CO)NR5R6、O(CO)OR5、O(CO)R5、C0-6アルキルCOR5、OC1-6アルキルCOR5、NR5(CO)(CO)R5、NR5(CO)(CO)NR5R6、C0-6アルキルSR5、C0-6アルキル(SO2)NR5R6、OC1-6アルキルNR5(SO2)R6、OC0-6アルキル(SO2)NR5R6、C0-6アルキル(SO)NR5R6、OC1-6アルキル(SO)NR5R6、C0-6アルキルOSO2R5、C0-6アルキルSO3R5、C0-6アルキルNR5(SO2)NR5R6、C0-6アルキルNR5(SO)R6、OC2-6アルキルNR5(SO)R6、OC1-6アルキルSO2R5、C0-6アルキルSO2R5、C0-6アルキルSOR5、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC6シクロアルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルヘテロシクリルおよびOC2-6アルキルヘテロシクリルから選択され、前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC6シクロアルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルヘテロシクリルまたはOC2-6アルキルヘテロシクリルは場合により1個またはそれ以上のR11で置換され、さらに前記アリールまたはヘテロアリール基はそれぞれ場合により4、5、6または7員のシクロアルキル、シクロアルケニルまたはヘテロシクリル基と縮合して二環式環系を形成し、前記二環式環系は場合により1個またはそれ以上のAで置換され;
WはCまたはNであり;
XはCまたはNであり;
YはCまたはNであり;
ZはCまたはNであり;
但しWおよびXがNである場合、YおよびZはCであり;
WおよびYがNである場合、XおよびZはCであり;
WおよびZがNである場合、XおよびYはCであり;
XおよびYがNである場合、WおよびZはCであり;
XおよびZがNである場合、WおよびYはCであり;
YおよびZがNである場合、WおよびXはCであり;
W、XおよびYがCである場合、ZはNであり;
W、XおよびZがCである場合、YはNであり;
W、YおよびZがCである場合、XはNであり;
X、YおよびZがCである場合、W=Nであり;
mは0、1、2または3であり;
R4はハロゲン、ニトロ、SF5、OSF5、CHO、C0-6アルキルCN、OC1-6アルキルCN、C0-6アルキルOR5、OC2-6アルキルOR5、C0-6アルキルNR5R6、OC2-6アルキルNR5R6、OC2-6アルキルOC2-6アルキルNR5R6、C0-6アルキルCO2R5、OC1-6アルキルCO2R5 C0-6アルキルCONR5R6 OC1-6アルキルCONR5R6、OC2-6アルキルNR5(CO)R6、C0-6アルキルNR5(CO)R6、O(CO)NR5R6、NR5(CO)OR6、NR5(CO)NR5R6、O(CO)OR5、O(CO)R5、C0-6アルキルCOR5、OC1-6アルキルCOR5、NR5(CO)(CO)R5、NR5(CO)(CO)NR5R6、C0-6アルキルSR5、C0-6アルキル(SO2)NR5R6、OC1-6アルキルNR5(SO2)R6、OC0-6アルキル(SO2)NR5R6、C0-6アルキル(SO)NR5R6、OC1-6アルキル(SO)NR5R6、C0-6アルキルOSO2R5、SO3R5、C0-6アルキルNR5(SO2)NR5R6、C0-6アルキルNR5(SO)R6、OC2-6アルキルNR5(SO)R6、OC1-6アルキルSO2R5、C0-6アルキルSO2R5、C0-6アルキルSOR5、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC6シクロアルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルヘテロシクリルおよびOC2-6アルキルヘテロシクリルから選択され、前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルヘテロシクリルまたはOC2-6アルキルヘテロシクリルは場合により1個またはそれ以上のR11で置換され、さらに前記アリールまたはヘテロアリール基はそれぞれ場合により4、5、6または7員のシクロアルキル、シクロアルケニルまたはヘテロシクリル基と縮合して二環式環系を形成し、前記二環式環系は場合により1個またはそれ以上のAで置換され;
R5は水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC36シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC6シクロアルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルヘテロシクリルおよびC1-6アルキルNR7R8から選択され、前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC6シクロアルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリールまたはC0-6アルキルヘテロシクリルは場合により1個またはそれ以上のAで置換され;
R6は水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルOR7、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC6シクロアルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルヘテロシクリルおよびC1-6アルキルNR7R8から選択され、前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC6シクロアルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリールまたはC0-6アルキルヘテロシクリルは場合により1個またはそれ以上のAで置換され;あるいは
R5およびR6は一緒になってN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有し、場合によりAで置換される4〜6員の複素環式環を形成することができ;構造式に2個のR5基が存在する時はいつでも場合により一緒になってN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有し、場合により1個またはそれ以上のAで置換される5または6員の複素環式環を形成することができ;
R7およびR8は独立して水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC6シクロアルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロシクリル および C0-6アルキルヘテロアリールから選択され、前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC6シクロアルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリールまたはC0-6アルキルヘテロシクリルは場合により1個またはそれ以上のAで置換され;あるいは
R7およびR8は一緒になってN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有し、場合により1個またはそれ以上のAで置換される4〜6員の複素環式環を形成することができ;
Aはオキソ、ハロゲン、ニトロ、SF5、OSF5、CN、OR9、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルヘテロシクリル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、OC2-6アルキルNR9R10、NR9R10、CONR9R10、NR9(CO)R10、O(CO)C1-6アルキル、(CO)OC1-6アルキル、COR9、(SO2)NR9R10、NSO2R9、SO2R9、SOR9、(CO)C1-6アルキルNR9R10、(SO2)C1-6アルキルNR9R10、OSO2R9およびSO3R9から選択され、前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルヘテロシクリル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニルまたはC0-6アルキルC6シクロアルキニルは場合によりハロ、OSO2R9、SO3R9、ニトロ、シアノ、OR9、C1-6アルキル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシまたはトリフルオロメトキシで置換され;
R9およびR10は独立して水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルケニル、C6シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルから選択され、前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルケニル、C6シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルは場合により1、2または3個のヒドロキシ、シアノ、ハロゲンまたはC1-3アルキルオキシで置換され;あるいは
R9およびR10は一緒になってN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有し、場合によりヒドロキシ、C1-3アルキルオキシ、シアノまたはハロゲンで置換される4〜6員の複素環式環を形成することができ;
R11はハロゲン、ニトロ、SF5、OSF5、CHO、C0-6アルキルCN、OC1-6アルキルCN、C0-6アルキルOR8、OC1-6アルキルOR8、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、C0-6アルキルNR5R6、OC2-6アルキルNR5R6、OC2-6アルキルOC2-6アルキルNR5R6、NR5OR6、C0-6アルキルCO2R5、OC1-6アルキルCO2R5、C0-6アルキルCONR5R6、OC1-6アルキルCONR5R6、OC2-6アルキルNR5(CO)R6、C0-6アルキルNR5(CO)R6、O(CO)NR5R6、NR5(CO)OR6、NR5(CO)NR5R6、O(CO)OR5、O(CO)R5、C0-6アルキルCOR5、OC1-6アルキルCOR5、NR5(CO)(CO)R6、NR5(CO)(CO)NR5R6、C0-6アルキルSR5、C0-6アルキル(SO2)NR5R6、OC2-6アルキルNR5(SO2)R6、OC0-6アルキル(SO2)NR5R6、C0-6アルキル(SO)NR5R6、OC1-6アルキル(SO)NR5R6、OSO2R5、SO3R5、C0-6アルキルNR5(SO2)NR5R6、C0-6アルキルNR5(SO)R6、OC2-6アルキルNR5(SO)R6、OC1-6アルキルSO2R5、C0-6アルキルSO2R5、C0-6アルキルSOR5、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC6シクロアルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルヘテロシクリルおよびOC2-6アルキルヘテロシクリルから選択され、前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC6シクロアルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルヘテロシクリルまたはOC2-6アルキルヘテロシクリルは場合により1個またはそれ以上のAで置換される]
の化合物、またはその薬学的に許容しうる塩、溶媒和物または塩の溶媒和物。
【請求項2】
R1はアリールおよびヘテロアリールから選択され、前記アリールまたはヘテロアリールは場合により1個またはそれ以上のR4で置換され;
R2はアリールおよびヘテロアリールから選択され、前記アリールまたはヘテロアリールは場合により1個またはそれ以上のR4で置換され;
R3はハロゲン、ニトロ、CHO、C0-6アルキルCN、OC1-6アルキルCN、C0-6アルキルOR5、OC2-6アルキルOR5、C0-6アルキルNR5R6、OC2-6アルキルNR5R6、OC2-6アルキルOC2-6アルキルNR5R6、C0-6アルキルCO2R5、OC1-6アルキルCO2R5、C0-6アルキルCONR5R6、OC1-6アルキルCONR5R6、OC2-6アルキルNR5(CO)R6、C0-6アルキルNR5(CO)R6、O(CO)NR5R6、NR5(CO)OR6、NR5(CO)NR5R6、O(CO)OR5、O(CO)R5、C0-6アルキルCOR5、OC1-6アルキルCOR5、NR5(CO)(CO)R5、NR5(CO)(CO)NR5R6、C0-6アルキルSR5、C0-6アルキル(SO2)NR5R6、OC1-6アルキルNR5(SO2)R6、OC0-6アルキル(SO2)NR5R6、C0-6アルキル(SO)NR5R6、OC1-6アルキル(SO)NR5R6、C0-6アルキルOSO2R5、C0-6アルキルSO3R5、C0-6アルキルNR5(SO2)NR5R6、C0-6アルキルNR5(SO)R6、OC2-6アルキルNR5(SO)R6、OC1-6アルキルSO2R5、C0-6アルキルSO2R5、C0-6アルキルSOR5、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC6シクロアルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルヘテロシクリルおよびOC2-6アルキルヘテロシクリルから選択され、前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC6シクロアルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルヘテロシクリルまたはOC2-6アルキルヘテロシクリルは場合により1個またはそれ以上のR11で置換され、さらに前記アリールまたはヘテロアリール基はそれぞれ場合により4、5、6または7員のシクロアルキル、シクロアルケニルまたはヘテロシクリル基と縮合して二環式環系を形成し、前記二環式環系は場合により1個またはそれ以上のAで置換され;
WはCまたはNであり;
XはCまたはNであり;
YはCまたはNであり;
ZはCまたはNであり;
但しWおよびXがNである場合、YおよびZはCであり;
WおよびYがNである場合、XおよびZはCであり;
WおよびZがNである場合、XおよびYはCであり;
XおよびYがNである場合、WおよびZはCであり;
XおよびZがNである場合、WおよびYはCであり;
YおよびZがNである場合、WおよびXはCであり;
W、XおよびYがCである場合、ZはNであり;
W、XおよびZがCである場合、YはNであり;
W、YおよびZがCである場合、XはNであり;
X、YおよびZがCである場合、W=Nであり;
mは0、1、2または3であり;
R4はハロゲン、ニトロ、SF5、OSF5、CHO、C0-6アルキルCN、OC1-6アルキルCN、C0-6アルキルOR5、OC2-6アルキルOR5、C0-6アルキルNR5R6、OC2-6アルキルNR5R6、OC2-6アルキルOC2-6アルキルNR5R6、C0-6アルキルCO2R5、OC1-6アルキルCO2R5 C0-6アルキルCONR5R6 OC1-6アルキルCONR5R6、OC2-6アルキルNR5(CO)R6、C0-6アルキルNR5(CO)R6、O(CO)NR5R6、NR5(CO)OR6、NR5(CO)NR5R6、O(CO)OR5、O(CO)R5、C0-6アルキルCOR5、OC1-6アルキルCOR5、NR5(CO)(CO)R5、NR5(CO)(CO)NR5R6、C0-6アルキルSR5、C0-6アルキル(SO2)NR5R6、OC1-6アルキルNR5(SO2)R6、OC0-6アルキル(SO2)NR5R6、C0-6アルキル(SO)NR5R6、OC1-6アルキル(SO)NR5R6、C0-6アルキルOSO2R5、SO3R5、C0-6アルキルNR5(SO2)NR5R6、C0-6アルキルNR5(SO)R6、OC2-6アルキルNR5(SO)R6、OC1-6アルキルSO2R5、C0-6アルキルSO2R5、C0-6アルキルSOR5、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC6シクロアルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルヘテロシクリルおよび
OC2-6アルキルヘテロシクリルから選択され、前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルヘテロシクリルまたはOC2-6アルキルヘテロシクリルは場合により1個またはそれ以上のR11で置換され、さらに前記アリールまたはヘテロアリール基はそれぞれ場合により4、5、6または7員のシクロアルキル、シクロアルケニルまたはヘテロシクリル基と縮合して二環式環系を形成し、前記二環式環系は場合により1個またはそれ以上のAで置換され;
R5は水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC6シクロアルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルヘテロシクリルおよびC1-6アルキルNR7R8から選択され、前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC6シクロアルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリールまたはC0-6アルキルヘテロシクリルは場合により1個またはそれ以上のAで置換され;
R6は水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルOR7、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC6シクロアルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルヘテロシクリルおよびC1-6アルキルNR7R8から選択され、前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC6シクロアルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリールまたはC0-6アルキルヘテロシクリルは場合により1個またはそれ以上のAで置換され;あるいは
R5およびR6は一緒になってN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有し、場合によりAで置換される4〜6員の複素環式環を形成することができ;構造式に2個のR5基が存在する時はいつでも場合により一緒になってN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有し、場合により1個またはそれ以上のAで置換される5または6員の複素環式環を形成することができ;
R7およびR8は独立して水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC6シクロアルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロシクリル および C0-6アルキルヘテロアリールから選択され、前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC6シクロアルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリールまたはC0-6アルキルヘテロシクリルは場合により1個またはそれ以上のAで置換され;あるいは
R7およびR8は一緒になってN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有し、場合により1個またはそれ以上のAで置換される4〜6員の複素環式環を形成することができ;
Aはオキソ、ハロゲン、ニトロ、SF5、OSF5、CN、OR9、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルヘテロシクリル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、OC2-6アルキルNR9R10、NR9R10、CONR9R10、NR9(CO)R10、O(CO)C1-6アルキル、(CO)OC1-6アルキル、COR9、(SO2)NR9R10、NSO2R9、SO2R9、SOR9、(CO)C1-6アルキルNR9R10、(SO2)C1-6アルキルNR9R10、OSO2R9およびSO3R9から選択され、前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルヘテロシクリル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニルまたはC0-6アルキルC6シクロアルキニルは場合によりハロ、OSO2R9、SO3R9、ニトロ、シアノ、OR9、C1-6アルキル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシまたはトリフルオロメトキシで置換され;
R9およびR10は独立して水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6
シクロアルキル、C3-6シクロアルケニル、C6シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルから選択され、前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルケニル、C6シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルは場合により1、2または3個のヒドロキシ、シアノ、ハロゲンまたはC1-3アルキルオキシで置換され;あるいは
R9およびR10は一緒になってN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有し、場合によりヒドロキシ、C1-3アルキルオキシ、シアノまたはハロゲンで置換される4〜6員の複素環式環を形成することができ;
R11はハロゲン、ニトロ、SF5、OSF5、CHO、C0-6アルキルCN、OC1-6アルキルCN、C0-6アルキルOR8、OC1-6アルキルOR8、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、C0-6アルキルNR5R6、OC2-6アルキルNR5R6、OC2-6アルキルOC2-6アルキルNR5R6、NR5OR6、C0-6アルキルCO2R5、OC1-6アルキルCO2R5、C0-6アルキルCONR5R6、OC1-6アルキルCONR5R6、OC2-6アルキルNR5(CO)R6、C0-6アルキルNR5(CO)R6、O(CO)NR5R6、NR5(CO)OR6、NR5(CO)NR5R6、O(CO)OR5、O(CO)R5、C0-6アルキルCOR5、OC1-6アルキルCOR5、NR5(CO)(CO)R6、NR5(CO)(CO)NR5R6、C0-6アルキルSR5、C0-6アルキル(SO2)NR5R6、OC2-6アルキルNR5(SO2)R6、OC0-6アルキル(SO2)NR5R6、C0-6アルキル(SO)NR5R6、OC1-6アルキル(SO)NR5R6 OSO2R5、SO3R5、C0-6アルキルNR5(SO2)NR5R6、C0-6アルキルNR5(SO)R6、OC2-6アルキルNR5(SO)R6、OC1-6アルキルSO2R5、C0-6アルキルSO2R5、C0-6アルキルSOR5、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC6シクロアルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルヘテロシクリルおよびOC2-6アルキルヘテロシクリルから選択され、前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC6シクロアルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルヘテロシクリルまたはOC2-6アルキルヘテロシクリルは場合により1個またはそれ以上のAで置換される、遊離塩基としての請求項1記載の化合物、またはその薬学的に許容しうる塩、溶媒和物または塩の溶媒和物。
【請求項3】
XはCまたはNであり;YはCであり;ZはCまたはNであり;そしてWはCである請求項1または2記載の化合物。
【請求項4】
XはCであり;YはCであり;ZはNであり;そしてWはCである請求項3記載の化合物。
【請求項5】
mは0である請求項4記載の化合物。
【請求項6】
R1はアリールであり、前記アリールは場合により1個のR4で置換される請求項4または5記載の化合物。
【請求項7】
R1は1個のR4で置換されるフェニルである請求項6記載の化合物。
【請求項8】
R4はC0-6アルキルヘテロアリールであり、前記C0-6アルキルヘテロアリールは場合により1個またはそれ以上のR11で置換される請求項4〜7の何れか一項記載の化合物。
【請求項9】
R4はピリミジルである請求項8記載の化合物。
【請求項10】
R4はピリジルである請求項8記載の化合物。
【請求項11】
R4は1個のR11で置換されるピリジルであり、前記R11はハロである請求項8記載の化合物。
【請求項12】
R4は1個のR11で置換されるピリジルであり、前記R11はC0-6アルキルOR5であり;前記C0-6アルキルOR5はメトキシである請求項8記載の化合物。
【請求項13】
R4はC0-6アルキルアリールであり、前記C0-6アルキルアリールは場合により1個またはそれ以上のR11で置換される請求項4〜7の何れか一項記載の化合物。
【請求項14】
R4は2個のR11で置換されるフェニルであり、前記R11は1個のハロおよび1個のC0-6アルキルOR5であり;前記C0-6アルキルOR5はメトキシである請求項13記載の化合物。
【請求項15】
R2はヘテロアリールである請求項4〜14の何れか一項記載の化合物。
【請求項16】
ヘテロアリールはピリジルである請求項15記載の化合物。
【請求項17】
R2は1個のR11で置換されるアリールである請求項4〜14の何れか一項記載の化合物。
【請求項18】
R11はC0-6アルキルOR5であり;前記C0-6アルキルOR5はメトキシである請求項17記載の化合物。
【請求項19】
XはNであり;WはCであり;YはCであり;そしてZはCである請求項1〜3の何れか一項記載の化合物。
【請求項20】
mは0である請求項19記載の化合物。
【請求項21】
R1は場合により1個のR4で置換されるC0-6アルキルアリールである請求項19または20記載の化合物。
【請求項22】
R1は1個のR4で置換されるフェニルである請求項21記載の化合物。
【請求項23】
R4はC0-6アルキルヘテロアリールであり、前記C0-6アルキルヘテロアリールは場合により1個またはそれ以上のR11で置換される請求項22記載の化合物。
【請求項24】
R4はピリミジルである請求項23記載の化合物。
【請求項25】
R4は1個のR11で置換されるピリジルであり、前記R11はハロである請求項23記載の化合物。
【請求項26】
R2はヘテロアリールである請求項19〜25の何れか一項記載の化合物。
【請求項27】
ヘテロアリールはピリジルである請求項26記載の化合物。
【請求項28】
R1はアリールであり、前記アリールは1個のR4で置換され;
R2はアリールおよびヘテロアリールから選択され、前記アリールまたはヘテロアリールは場合により1個のR4で置換され;
WはCであり;
XはCまたはNであり;
YはCであり;
ZはCまたはNであり;
mは0であり;
R4はC0-6アルキルOR5、C0-6アルキルアリールおよびC0-6アルキルヘテロアリールから選択され、前記C0-6アルキルアリールまたはC0-6アルキルヘテロアリールは場合により1個またはそれ以上のR11で置換され;
R5はC1-6アルキルであり;
R8はC1-6アルキルであり;
R11はハロゲンおよびC0-6アルキルOR8から選択される請求項1または2記載の化合物。
【請求項29】
XはCであり;WはNであり;YはCであり;そしてZはCである請求項1記載の化合物。
【請求項30】
mは0である請求項29記載の化合物。
【請求項31】
R1は場合により1個のR4で置換されるC0-6アルキルアリールである請求項29記載の化合物。
【請求項32】
R1は1個のR4で置換されるフェニルである請求項29記載の化合物。
【請求項33】
R4はC0-6アルキルヘテロアリールまたはC0-6アルキルアリールであり、前記C0-6アルキルヘテロアリールまたはC0-6アルキルアリールは場合により1個またはそれ以上のR11で置換される請求項29記載の化合物。
【請求項34】
R4はC0-6アルキルヘテロアリールであり、前記C0-6アルキルヘテロアリールは場合により1個またはそれ以上のR11で置換される請求項29記載の化合物。
【請求項35】
R4はピリミジルである請求項29記載の化合物。
【請求項36】
R4は1個のR11で置換されるピリジルであり、前記R11はハロである請求項29記載の化合物。
【請求項37】
R4は2個のR11で置換されるフェニルであり、前記R11はハロゲンおよびC0-6アルキルOR8から選択される請求項29記載の化合物。
【請求項38】
R2はピリジルである請求項29記載の化合物。
【請求項39】
R1はアリールであり、前記アリールは1個のR4で置換され;
R2はヘテロアリールであり;
WはNであり;
XはCであり;
YはCであり;
ZはCであり;
mは0であり;
R4はC0-6アルキルアリールおよびC0-6アルキルヘテロアリールから選択され、前記C0-6アルキルアリールまたはC0-6アルキルヘテロアリールは場合により1個またはそれ以上のR11で置換され;
R11は独立してハロゲンおよびC0-6アルキルOR8から選択される請求項29記載の化合物。
【請求項40】
遊離塩基としての
5−(4−メトキシフェニル)−5−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−7−アミン;
5−[3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−5−(4−メトキシフェニル)−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−7−アミン;
5−(4−メトキシフェニル)−5−[3−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−7−アミン;
5−(4−メトキシフェニル)−5−(3−ピリジン−3−イルフェニル)−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−7−アミン;
5−[3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−5−ピリジン−4−イル−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−7−アミン;
5−ピリジン−4−イル−5−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−7−アミン;
5−(2'−フルオロ−5'−メトキシビフェニル−3−イル)−5−ピリジン−4−イル−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−7−アミン0.25酢酸塩;
5−(2'−フルオロ−3'−メトキシビフェニル−3−イル)−5−ピリジン−4−イル−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−7−アミン0.5酢酸塩;
3−ピリジン−4−イル−3−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)−3H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−1−アミン;
3−[3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−3−ピリジン−4−イル−3H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−1−アミン;
7−[3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−7−ピリジン−4−イル−7H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−5−アミン;
7−ピリジン−4−イル−7−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)−7H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−5−アミン;および
7−(2'−フルオロ−3'−メトキシビフェニル−3−イル)−7−ピリジン−4−イル−7H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−5−アミン
から選択される化合物、またはその薬学的に許容しうる塩、溶媒和物または塩の溶媒和物。
【請求項41】
活性成分として治療的に有効な量の請求項1〜40の何れか一項記載の化合物を薬学的に許容しうる賦形剤、担体または希釈剤と一緒に含有する医薬製剤。
【請求項42】
薬剤として使用される請求項1〜40の何れか一項記載の化合物。
【請求項43】
Aβ−関連疾患を治療または予防するための薬剤としての請求項1〜40の何れか一項記載の化合物の使用。
【請求項44】
Aβ−関連疾患はダウン症候群、β−アミロイド血管症、脳アミロイド血管症、遺伝性脳出血、認知機能障害と関係がある疾患、MCI(“軽度の認知機能障害”)、アルツハイマー病、記憶障害、アルツハイマー病と関係がある注意欠陥症候群、アルツハイマー病と関係がある神経変性、混合型の血管性認知症、 変性性認知症、初老期認知症、老人性認知症、パーキンソン病と関係がある認知症、進行性核上麻痺または大脳皮質基底核変性症であるAβ−関連疾患を治療または予防するための薬剤としての請求項1〜40の何れか一項記載の化合物の使用。
【請求項45】
Aβ−関連疾患を治療または予防するための薬剤の製造における請求項1〜40の何れか一項記載の化合物の使用。
【請求項46】
Aβ−関連疾患はダウン症候群、β−アミロイド血管症、脳アミロイド血管症、遺伝性脳出血、認知機能障害と関係がある疾患、MCI(“軽度の認知機能障害”)、アルツハイマー病、記憶障害、アルツハイマー病と関係がある注意欠陥症候群、アルツハイマー病と関係がある神経変性、混合型の血管性認知症、変性性認知症、初老期認知症、老人性認知症
、パーキンソン病と関係がある認知症、進行性核上麻痺または大脳皮質基底核変性症であるAβ−関連疾患を治療または予防するための薬剤の製造における請求項1〜40の何れか一項記載の化合物の使用。
【請求項47】
BACEを請求項1〜40の何れか一項記載の化合物と接触させることからなるBACEの活性を阻害する方法。
【請求項48】
治療的に有効な量の請求項1〜40の何れか一項記載の化合物を患者に投与することからなる哺乳動物のAβ−関連疾患を治療または予防する方法。
【請求項49】
Aβ−関連疾患はダウン症候群、β−アミロイド血管症、脳アミロイド血管症、遺伝性脳出血、認知機能障害と関係がある疾患、MCI(“軽度の認知機能障害”)、アルツハイマー病、記憶障害、アルツハイマー病と関係がある注意欠陥症候群、アルツハイマー病と関係がある神経変性、混合型の血管性認知症、変性性認知症、初老期認知症、老人性認知症、パーキンソン病と関係がある認知症、進行性核上麻痺または大脳皮質基底核変性症である請求項48記載の方法。
【請求項50】
哺乳動物はヒトである請求項48記載の方法。
【請求項51】
治療的に有効な量の請求項1〜40の何れか一項記載の化合物および少なくとも1種の認識増強剤、記憶増強剤またはコリンエステラーゼ阻害剤を患者に投与することからなる哺乳動物のAβ−関連疾患を治療または予防する方法。
【請求項52】
Aβ−関連疾患はダウン症候群、β−アミロイド血管症、脳アミロイド血管症、遺伝性脳出血、認知機能障害と関係がある疾患、MCI(“軽度の認知機能障害”)、アルツハイマー病、記憶障害、アルツハイマー病と関係がある注意欠陥症候群、アルツハイマー病と関係がある神経変性、混合型の血管性認知症、変性性認知症、初老期認知症、老人性認知症、パーキンソン病と関係がある認知症、進行性核上麻痺または大脳皮質基底核変性症である請求項51記載の方法。
【請求項53】
哺乳動物はヒトである請求項51記載の方法。

【公表番号】特表2010−526879(P2010−526879A)
【公表日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−508340(P2010−508340)
【出願日】平成20年5月14日(2008.5.14)
【国際出願番号】PCT/SE2008/050563
【国際公開番号】WO2009/022961
【国際公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【出願人】(506025512)アステックス・セラピューティクス・リミテッド (42)
【氏名又は名称原語表記】ASTEX THERAPEUTICS LIMITED
【Fターム(参考)】