説明

ピロロ[2,3−D]ピリミジン化合物

ピロロ[2,3−d]ピリミジン化合物、ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤としてのそれらの使用、これらの化合物を含有する医薬組成物、およびそれらの調製のための方法が、本明細書に記載される。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬学的に活性なピロロ[2,3−d]ピリミジン化合物および類似体を提供する。そのような化合物は、ヤヌスキナーゼ(JAK)を阻害するために有用である。本発明は、そのような化合物を作製するための方法を含む組成物、ならびにJAKによって媒介される状態を治療および予防するための方法も対象とする。
【背景技術】
【0002】
タンパク質キナーゼは、チロシンおよびセリン/トレオニンキナーゼに大きく分類される、タンパク質中の特異的残基のリン酸化を触媒する酵素のファミリーである。突然変異、過剰発現、または不適切な調節、調節異常もしくは調節解除に加えて、成長因子またはサイトカインの過剰産生または産生不足によって生じる不適切なキナーゼ活性は、がん、心血管疾患、アレルギー、喘息および他の呼吸器疾患、自己免疫疾患、炎症性疾患、骨疾患、代謝障害、ならびにアルツハイマー病等の神経性および神経変性障害を包含するがこれらに限定されない多くの疾患に関与するとされている。不適切なキナーゼ活性は、前述のおよび関係する疾患に関与する細胞成長、細胞分化、生存、アポトーシス、有糸分裂誘発、細胞周期制御および細胞移動性に関して様々な生物学的細胞応答を引き起こす。
【0003】
このように、タンパク質キナーゼは、治療的介入の標的として重要なクラスの酵素として出現した。特に、細胞タンパク質チロシンキナーゼのJAKファミリー(Jak1、Jak2、Jak3およびTyk2)は、サイトカインシグナル伝達において中心的役割を果たしている(Kisselevaら、Gene、2002、285、1、Yamaokaら、Genome Biology 2004、5、253))。受容体に結合すると、サイトカインがJAKを活性化し、次いでこれがサイトカイン受容体をリン酸化し、それにより、シグナル伝達分子、とりわけ、最終的に遺伝子発現に至るシグナル伝達性転写因子(STAT)ファミリーのメンバーのためのドッキング部位を作り出す。多数のサイトカインがJAKファミリーを活性化することが公知である。これらのサイトカインは、IFNファミリー(IFN−アルファ、IFN−ベータ、IFN−オメガ、リミチン、IFN−ガンマ、IL−10、IL−19、IL−20、IL−22)、gp130ファミリー(IL−6、IL−11、OSM、LIF、CNTF、NNT−1/BSF−3、G−CSF、CT−1、レプチン、IL−12、IL−23)、ガンマCファミリー(IL−2、IL−7、TSLP、IL−9、IL−15、IL−21、IL−4、IL−13)、IL−3ファミリー(IL−3、IL−5、GM−CSF)、一本鎖ファミリー(EPO、GH、PRL、TPO)、受容体チロシンキナーゼ(EGF、PDGF、CSF−1、HGF)、およびGタンパク質共役受容体(AT1)を包含する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
JAK1、JAK2、JAK3および/またはTyk2を包含するJAK酵素を有効に阻害する代替化合物が依然として必要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、1つには、
【0006】
【化1】

の構造の範囲内に通常入る化合物または薬学的に許容できるその塩
[式中、A環はヘテロシクリルであり、
ここで、A環は、ハロ、カルボキシ、シアノ、オキソ、アリール、ヘテロシクリル、(C〜C)アルキル、−OP(O)(R10、−OR11、−OC(O)R12、−C(O)OR12、−C(O)R13、−C(O)NR1415、−NR1617、−N(R18)C(O)R19、−N(R18)S(O)19、−SO20および−SONR2122からなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよく、(C〜C)アルキルは、ハロ、シアノ、アリール、ヘテロシクリル、−OR23、−OC(O)R24、−NR2526、−C(O)NR2728、−SR29、−SO30、−SONR3132、−N(R33)C(O)R34および−N(R35)S(O)36からなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよく、
10は、ヒドロキシおよび(C〜C)アルコキシからなる群から選択され、
nは1または2であり、
11は、水素、(C〜C)アルキル、ヒドロキシ(C〜C)アルキル、アリール、(C〜C)アルキルアミノカルボニル(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシカルボニル(C〜C)アルキル、ハロ(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、ヘテロシクリルカルボニル(C〜C)アルキルおよびアミノカルボニル(C〜C)アルキルからなる群から選択され、
12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R21、R22、R24、R25、R26、R27、R28、R31、R32、R33、R34、R35およびR36は、水素および(C〜C)アルキルからなる群から独立に選択され、
19は、水素、(C〜C)アルコキシ、ハロ(C〜C)アルキルおよびアリール(C〜C)アルコキシからなる群から選択され、
20は、水素、(C〜C)アルキル、アリール、アリール(C〜C)アルキルおよび(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキルからなる群から選択され、
23は、水素、(C〜C)アルキル、アリール、ヘテロシクリル(C〜C)アルキルおよび(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキルからなる群から選択され、
29は、水素およびヘテロシクリルからなる群から選択され、
30は、水素、(C〜C)アルキルおよび(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキルからなる群から選択され、
ここで、アリールは、どこに存在していても、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、(C〜C)アルキル、ハロ(C〜C)アルキルおよび(C〜C)アルコキシからなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよく、
ここで、ヘテロシクリルは、どこに存在していても、オキソ、シアノ、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキルアミノカルボニルおよび(C〜C)アルキルスルホニル(C〜C)アルキルからなる群から選択される1個または複数の置換基で独立に置換されていてもよい]
を対象とする。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は、ほんの一例として挙げられる下記の記述からより慎重に理解されよう。本発明は、あるクラスのピロロ[2,3−d]ピリミジン化合物を対象とする。特に、本発明は、JAKの阻害剤として有用なピロロ[2,3−d]ピリミジン化合物を対象とする。本発明はそのように限定されていないが、下記の考察および以下で提供する例を通して、本発明の種々の態様の理解が得られるであろう。
【0008】
定義
下記は、本明細書において使用される種々の用語の定義の一覧である。
【0009】
記号
【0010】
【化2】

は、結合点を表す。
【0011】
用語「アルキル」は、直鎖もしくは分枝鎖またはそれらの組合せを有する炭化水素ラジカルを指す。アルキルラジカルは、一価、二価または環式ラジカルであってよい。一価アルキルラジカルの例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル等である。二価アルキルラジカルの例は、
【0012】
【化3】

等を包含する。環式アルキルラジカルの例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等を包含する。
【0013】
用語「アルコキシ」は、アルキル−O−を意味し、ここで、アルキルは上記で定義した通りである。そのような置換基の例は、メトキシ(CH−O−)、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、iso−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ等を包含する。
【0014】
用語「シクロアルキル」は、3から約20個までの炭素原子を含有する、好ましくは3から8個までの炭素原子を含有する飽和カルボシクリル置換基を意味する。シクロアルキルは、単一環式環であっても多重縮合環であってもよい。そのようなシクロアルキル基は、例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロオクチル等の単環構造、またはアダマンタニル等の多環構造を包含する。
【0015】
用語「アリール」は、6から14個までの炭素環原子を含有する芳香族カルボシクリルを意味する。アリールという用語は、単環および多環の両方を内包する。アリールの例は、フェニル、ナフタレニルおよびインデニル等を包含する。
【0016】
用語「アリールアルキル」は、アリールで置換されているアルキルを意味し、ここで、アルキルおよびアリールは上記で定義した通りである。
【0017】
用語アルキルアミノ」は、アルキル置換アミノを意味する。該用語は、モノアルキルおよびジアルキル置換の両方を内包する。
【0018】
用語「カルボキシ」は、
【0019】
【化4】

としても描写され得るOH−C(O)−を意味する。
【0020】
記号「C(O)」は、
【0021】
【化5】

としても描写され得るカルボニルを表す。
【0022】
用語「オキソ」は、二重結合酸素を意味し、=Oとして描写され得る。
【0023】
用語「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」は、OH−を意味する。
【0024】
用語「ヒドロキシアルキル」は、1個または複数のヒドロキシで置換されているアルキルを意味し、ここで、ヒドロキシおよびアルキルは上記で定義した通りである。
【0025】
用語「ハロ」は、ブロモ、クロロ、フルオロまたはヨードを指す。
【0026】
用語「オキシ」は、エーテル置換基を意味し、−O−として描写され得る。
【0027】
用語「スルホニル」はSO−を意味する。
【0028】
用語「チオ」はHS−を意味する。
【0029】
用語「アルキルチオ」は、
【0030】
【化6】

としても描写されるアルキル置換チオであり、ここで、チオおよびアルキルは上記で定義した通りである。
【0031】
用語「ヒドロキシアルキル」は、ヒドロキシ置換アルキルであり、例は、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル等を包含する。
【0032】
用語「ハロアルキル」は、1個または複数のハロで置換されているアルキルであり、例は、フルオロメチル、ブロモメチル、トリフルオロメチル等を包含する。
【0033】
用語「ヘテロシクリル」は、合計3から14個の環原子を含有する、不飽和、飽和または部分飽和環構造を意味する。環原子の少なくとも1個はヘテロ原子(すなわち、酸素、窒素または硫黄)であり、残りの環原子は、炭素、酸素、窒素および硫黄からなる群から独立に選択される。
【0034】
ヘテロシクリルは、典型的には3から7個までの環原子、より典型的には3から6個までの環原子、さらに一層典型的には5から6個の環原子を含有する、単環であってよい。ヘテロシクリルは、2または3個の縮合環であってもよい。ヘテロシクリルの例は、アゼパニル、ジアゼパニル、モルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、テトラヒドロピラニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾフラニル、フリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピロロピリジニル、ピラゾリル、ピラジニル、ピリジニル、キノリニル、テトラゾリル、チアゾリジニル、チアモルホリニル、トリアゾリル、2,7ジアザスピロ[4.5]デカニル等を包含する。
【0035】
置換基がある群から「独立に選択される」と記述されている場合、各置換基は他と無関係に選択される。したがって、各置換基は、他の置換基(複数可)と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0036】
用語「家畜」は、食品もしくは繊維等の製品を作製するための、またはその作業用の農業環境で養育または飼育される動物を指す。いくつかの実施形態において、家畜は、哺乳動物、例えばヒトによる消費に適している。家畜動物の例は、ウシ、ヤギ、ウマ、ブタ、子ヒツジを包含するヒツジ、およびウサギ等の哺乳動物、ならびにニワトリ、アヒルおよびシチメンチョウ等の鳥類を包含する。
【0037】
用語「コンパニオンアニマル」は、ペットまたは家庭動物を指す。コンパニオンアニマルの例は、イヌ、ネコ、ハムスター、モルモット、スナネズミ等を包含するげっ歯類、ウサギ、フェレットおよび鳥類を包含するがこれらに限定されない。
【0038】
語句「治療的に有効な」は、代替療法と典型的に関連する有害な副作用を回避しながら、障害を予防する、またはその重症度を改善する、作用物質の能力を指示している。語句「治療的に有効な」は、語句「治療、予防または寛解に有効な」と同等であると理解されるべきであり、いずれも、代替療法と典型的に関連する有害な副作用を回避しながら、がん、心血管疾患、または疼痛および炎症の重症度、ならびに発生頻度において、各作用物質単独での治療を上回る改善の目標を達成する、併用療法において使用するための各作用物質の量を認定するように意図されている。
【0039】
「治療すること」または「治療」は、疾患、障害もしくは状態に関連する症状の軽減、またはそれらの症状のさらなる進行もしくは悪化の停止を意味する。患者の疾患および状態に応じて、用語「治療」は、本明細書において使用される場合、治癒的、緩和的および予防的治療の1つまたは複数を包含し得る。治療は、本発明の医薬製剤を他の療法と組み合わせて投与することも包含し得る。本発明の化合物を、他の薬物および/または療法と併用して投与してもよい。
【0040】
本発明の化合物
その多くの実施形態の中でも、本発明は、式Iによる構造を有する化合物または薬学的に許容できるその塩:
【0041】
【化7】

[式中、A環はヘテロシクリルであり、
ここで、A環は、ハロ、カルボキシ、シアノ、オキソ、アリール、ヘテロシクリル、(C〜C)アルキル、−OP(O)(R10、−OR11、−OC(O)R12、−C(O)OR12、−C(O)R13、−C(O)NR1415、−NR1617、−N(R18)C(O)R19、−N(R18)S(O)19、−SO20および−SONR2122からなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよく、(C〜C)アルキルは、ハロ、シアノ、アリール、ヘテロシクリル、−OR23、−OC(O)R24、−NR2526、−C(O)NR2728、−SR29、−SO30、−SONR3132、−N(R33)C(O)R34および−N(R35)S(O)36からなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよく、
10は、ヒドロキシおよび(C〜C)アルコキシからなる群から選択され、
nは1または2であり、
11は、水素、(C〜C)アルキル、ヒドロキシ(C〜C)アルキル、アリール、(C〜C)アルキルアミノカルボニル(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシカルボニル(C〜C)アルキル、ハロ(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、ヘテロシクリルカルボニル(C〜C)アルキルおよびアミノカルボニル(C〜C)アルキルからなる群から選択され、
12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R21、R22、R24、R25、R26、R27、R28、R31、R32、R33、R34、R35およびR36は、水素および(C〜C)アルキルからなる群から独立に選択され、
19は、水素、(C〜C)アルコキシ、ハロ(C〜C)アルキルおよびアリール(C〜C)アルコキシからなる群から選択され、
20は、水素、(C〜C)アルキル、アリール、アリール(C〜C)アルキルおよび(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキルからなる群から選択され、
23は、水素、(C〜C)アルキル、アリール、ヘテロシクリル(C〜C)アルキルおよび(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキルからなる群から選択され、
29は、水素およびヘテロシクリルからなる群から選択され、
30は、水素、(C〜C)アルキルおよび(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキルからなる群から選択され、
ここで、アリールは、どこに存在していても、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、(C〜C)アルキル、ハロ(C〜C)アルキルおよび(C〜C)アルコキシからなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよく、
ここで、ヘテロシクリルは、どこに存在していても、オキソ、シアノ、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキルアミノカルボニルおよび(C〜C)アルキルスルホニル(C〜C)アルキルからなる群から選択される1個または複数の置換基で独立に置換されていてもよい]
を包含する。
【0042】
いくつかの実施形態において、本発明は、A環が、置換されていてもよいピペリジニル、ピロリジニル、アゼチジニルおよびピペラジニルからなる群から選択される、式Iによる構造を有する化合物または薬学的に許容できるその塩を包含する。
【0043】
いくつかの実施形態において、本発明は、A環が、ピペリジニル、ピロリジニル、アゼチジニルおよびピペラジニルからなる群から選択され、
ここで、A環は、カルボキシ、シアノ、オキソ、フルオロ、(C〜C)アルキル、フェニル、オキサジアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、テトラゾリル、ピロリジニル、−OP(O)(R10、−OR11、−OC(O)R12、−C(O)OR12、−C(O)R13、−C(O)NR1415、−NR1617、−N(R18)C(O)R19、−N(R18)S(O)19、−SO20および−SONR2122からなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよく、(C〜C)アルキルは、フルオロ、シアノ、フェニル、ピリジニル、ピペラジニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、イソオキサゾリル、ピリミジニル、ピロリジニル、−OR23、−OC(O)R24、−NR2526、−C(O)NR2728、−SR29、−SO30、−SONR3132および−N(R33)C(O)R34からなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよく、
10が、ヒドロキシおよび(C〜C)アルコキシからなる群から選択され、
nが1または2であり、
11が、水素、メチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、アミノカルボニルメチル、エトキシエチル、ジメチルアミノカルボニルアミノ、ジエチルアミノカルボニルメチル、フェニルおよびピロリジニルカルボニルメチルからなる群から選択され、
12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R21、R22、R24、R25、R26、R27、R28、R31、R32、R33およびR34が、水素、メチルおよびエチルからなる群から独立に選択され、
19が、水素、tert−ブトキシ、トリフルオロメチル、メトキシおよびフェニルメトキシからなる群から選択され、
20が、水素、メチル、フェニル、ベンジル、フェニルエチルおよびシクロプロピルメチルからなる群から選択され、
23が、水素、メチル、フェニル、ピリジニルメチルおよびシクロプロピルメチルからなる群から選択され、
29が、水素およびピリジニルからなる群から選択され、
30が、水素、メチル、プロピルおよびシクロプロピルメチルからなる群から選択され、
ここで、フェニルは、どこに存在していても、フルオロ、シアノおよびメトキシからなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよく、
ここで、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、ピリジニル、ピペラジニルおよびピリダジニルは、A環置換基、R23置換基およびR29置換基中のどこに存在していても、オキソ、シアノ、メチル、エチル、メチルスルホニルメチルおよびシクロプロピルアミノカルボニルからなる群から選択される1個または複数の置換基で独立に置換されていてもよい、式Iによる構造を有する化合物または薬学的に許容できるその塩を包含する。
【0044】
一実施形態において、本発明は、式Iaによる構造を有する化合物または薬学的に許容できるその塩:
【0045】
【化8】

[式中、A環は、ピペリジニル、ピロリジニル、アゼチジニルおよびピペラジニルから選択され、
ここで、A環は、ハロ、カルボキシ、シアノ、オキソ、アリール、ヘテロシクリル、(C〜C)アルキル、−OP(O)(R10、−OR11、−OC(O)R12、−C(O)OR12、−C(O)R13、−C(O)NR1415、−NR1617、−N(R18)C(O)R19、−N(R18)S(O)19、−SO20および−SONR2122からなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよく、(C〜C)アルキルは、ハロ、シアノ、アリール、ヘテロシクリル、−OR23、−OC(O)R24、−NR2526、−C(O)NR2728、−SR29、−SO30、−SONR3132、−N(R33)C(O)R34および−N(R35)S(O)36からなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよく、
10は、ヒドロキシおよび(C〜C)アルコキシからなる群から選択され、
nは1または2であり、
11は、水素、(C〜C)アルキル、ヒドロキシ(C〜C)アルキル、アリール、(C〜C)アルキルアミノカルボニル(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシカルボニル(C〜C)アルキル、ハロ(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、ヘテロシクリルカルボニル(C〜C)アルキルおよびアミノカルボニル(C〜C)アルキルからなる群から選択され、
12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R21、R22、R24、R25、R26、R27、R28、R31、R32、R33、R34、R35およびR36は、水素および(C〜C)アルキルからなる群から独立に選択され、
19は、水素、(C〜C)アルコキシ、ハロ(C〜C)アルキルおよびアリール(C〜C)アルコキシからなる群から選択され、
20は、水素、(C〜C)アルキル、アリール、アリール(C〜C)アルキルおよび(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキルからなる群から選択され、
23は、水素、(C〜C)アルキル、アリール、ヘテロシクリル(C〜C)アルキルおよび(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキルからなる群から選択され、
29は、水素およびヘテロシクリルからなる群から選択され、
30は、水素、(C〜C)アルキルおよび(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキルからなる群から選択され、
ここで、アリールは、どこに存在していても、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、(C〜C)アルキル、ハロ(C〜C)アルキルおよび(C〜C)アルコキシからなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよく、
ここで、ヘテロシクリルは、A環置換基、R23置換基およびR29置換基中のどこに存在していても、オキソ、シアノ、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキルアミノカルボニルおよび(C〜C)アルキルスルホニル(C〜C)アルキルからなる群から選択される1個または複数の置換基で独立に置換されていてもよい]
を包含する。
【0046】
いくつかの実施形態において、本発明は、A環が、カルボキシ、シアノ、オキソ、フルオロ、(C〜C)アルキル、フェニル、オキサジアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、テトラゾリル、ピロリジニル、−OP(O)(R10、−OR11、−OC(O)R12、−C(O)OR12、−C(O)R13、−C(O)NR1415、−NR1617、−N(R18)C(O)R19、−N(R18)S(O)19、−SO20および−SONR2122からなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよく、(C〜C)アルキルは、フルオロ、シアノ、フェニル、ピリジニル、ピペラジニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、イソオキサゾリル、ピリミジニル、ピロリジニル、−OR23、−OC(O)R24、−NR2526、−C(O)NR2728、−SR29、−SO30、−SONR3132および−N(R33)C(O)R34からなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよく、
10が、ヒドロキシおよび(C〜C)アルコキシからなる群から選択され、
nが1または2であり、
11が、水素、メチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、アミノカルボニルメチル、エトキシエチル、ジメチルアミノカルボニルアミノ、ジエチルアミノカルボニルメチル、フェニルおよびピロリジニルカルボニルメチルからなる群から選択され、
12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R21、R22、R24、R25、R26、R27、R28、R31、R32、R33およびR34が、水素、メチルおよびエチルからなる群から独立に選択され、
19が、水素、tert−ブトキシ、トリフルオロメチル、メトキシおよびフェニルメトキシからなる群から選択され、
20が、水素、メチル、フェニル、ベンジル、フェニルエチルおよびシクロプロピルメチルからなる群から選択され、
23が、水素、メチル、フェニル、ピリジニルメチルおよびシクロプロピルメチルからなる群から選択され、
29が、水素およびピリジニルからなる群から選択され、
30が、水素、メチル、プロピルおよびシクロプロピルメチルからなる群から選択され、
ここで、フェニルは、どこに存在していても、フルオロ、シアノおよびメトキシからなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよく、
ここで、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、ピリジニル、ピペラジニルおよびピリダジニルは、A環置換基、R23置換基およびR29置換基中のどこに存在していても、オキソ、シアノ、メチル、エチル、メチルスルホニルメチルおよびシクロプロピルアミノカルボニルからなる群から選択される1個または複数の置換基で独立に置換されていてもよい、式Iaによる構造を有する化合物または薬学的に許容できるその塩を包含する。
【0047】
一実施形態において、本発明は、式Ibによる構造を有する化合物または薬学的に許容できるその塩:
【0048】
【化9】

[式中、置換基は式Iについて定義した通りである]
を包含する。
【0049】
一実施形態において、本発明は式IIによる構造を有する化合物または薬学的に許容できるその塩:
【0050】
【化10】

[式中、R1a、R1b、R2a、R2b、R3a、R3b、R4a、R4b、R5aおよびR5bは、水素、カルボキシ、シアノ、ハロ、(C〜C)アルキル、アリール、ヘテロシクリル、−OP(O)(R10、−OR11、−OC(O)R12、−C(O)R13、−C(O)NR1415、−NR1617および−N(R18)C(O)R19からなる群から独立に選択され、ここで、(C〜C)アルキルは、ハロ、ヘテロシクリル、−OR23、−NR2526、−C(O)NR2728、−SO30および−SONR3132からなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよく、
10は、ヒドロキシおよび(C〜C)アルコキシからなる群から選択され、
nは1または2であり、
11は、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキルおよびアミノカルボニル(C〜C)アルキルからなる群から選択され、
12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R25、R26、R27、R28、R31およびR32は、水素および(C〜C)アルキルからなる群から独立に選択され、
19は、水素およびアリール(C〜C)アルコキシからなる群から選択され、
23は、水素、(C〜C)アルキル、アリールおよび(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキルからなる群から選択され、
30は、水素、(C〜C)アルキルおよび(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキルからなる群から選択され、
ここで、アリールは、どこに存在していても、1個または複数のハロで置換されていてもよく、
ここで、ヘテロシクリルは、どこに存在していても、(C〜C)アルキルおよび(C〜C)アルキルスルホニル(C〜C)アルキルからなる群から選択される1個または複数の置換基で独立に置換されていてもよい]
を包含する。
【0051】
いくつかの実施形態において、本発明は、R1a、R1b、R2a、R2b、R3a、R3b、R4a、R4b、R5aおよびR5bが、水素、フルオロ、カルボキシ、シアノ、(C〜C)アルキル、フェニル、オキサジアゾリル、−OP(O)(R10、−OR11、−OC(O)R12、−C(O)R13、−C(O)NR1415、−NR1617および−N(R18)C(O)R19からなる群から独立に選択され、ここで、(C〜C)アルキルは、フルオロ、ピリダジニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、−OR23、−C(O)NR2728、−SO30、−SONR3132および−N(R33)C(O)R34からなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよく、
10が、ヒドロキシおよびエトキシからなる群から選択され、
nが1または2であり、
11が、水素、メチル、エチル、tert−ブチル、イソプロピルおよびアミノカルボニルメチルからなる群から選択され、
12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R27、R28、R31、R32、R33およびR34が、水素、メチルおよびエチルからなる群から独立に選択され、
19が、水素およびフェニルメトキシからなる群から選択され、
23が、水素、メチル、シクロプロピルメチルおよびフェニルからなる群から選択され、
30が、水素、メチル、プロピルおよびシクロプロピルメチルからなる群から選択され、
ここで、フェニルは、どこに存在していても、1個または複数のフルオロで置換されていてもよく、
ここで、オキサジアゾリルまたはピリダジニルは、どこに存在していても、メチルおよびメチルスルホニルメチルからなる群から選択される1個または複数の置換基で独立に置換されていてもよい、式IIによる構造を有する化合物または薬学的に許容できるその塩を包含する。
【0052】
いくつかの実施形態において、本発明は、R1a、R1b、R5aおよびR5bが水素であり、
2aおよびR2bが、水素、エチル、メトキシおよびベンジルオキシカルボニルアミノからなる群から独立に選択され、
3aおよびR3bが、水素、シアノ、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル、ヒドロキシプロピル、メチル、エチル、メトキシ、メトキシメチル、メトキシエチル、メチルアミノカルボニル、ジエチルアミノカルボニル、アミノ、アミノカルボニル、アミノカルボニルメチル、フェニル、メチルスルホニルメチルオキサジアゾリル、ピリミジニルメチル、メチルピリダジニル、シクロプロピルメトキシメチルおよびシクロプロピルメチルスルホニルメチルからなる群から独立に選択され、
4aおよびR4bが、水素、ヒドロキシ、カルボキシ、フルオロ、トリフルオロメチル、シアノ、メチル、エトキシ、メチルカルボニル、メチルカルボニルアミノ、メチルカルボニルアミノメチル、メチルスルホニルメチル、ジメチルアミノスルホニルメチル、プロピルスルホニルメチル、ヒドロキシメチル、アミノカルボニル、アミノカルボニルメトキシ、アミノスルホニルメチル、メチルオキサジアゾリル、ピリジニルメチル、ピロリジニルメチルおよびフルオロフェノキシメチルからなる群から独立に選択される、式IIによる構造を有する化合物または薬学的に許容できるその塩を包含する。
【0053】
いくつかの実施形態において、本発明は、R1a、R1b、R5aおよびR5bが水素であり、
2aおよびR2bが、水素、エチル、メトキシおよびベンジルオキシカルボニルアミノからなる群から選択され、
3aおよびR3bが、水素、シアノ、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル、ヒドロキシプロピル、メチル、エチル、メトキシ、メトキシメチル、メトキシエチル、メチルアミノカルボニル、ジエチルアミノカルボニル、アミノ、アミノカルボニル、アミノカルボニルメチル、フェニル、
【0054】
【化11】

からなる群から選択され、
4aおよびR4bが、水素、ヒドロキシ、カルボキシ、フルオロ、トリフルオロメチル、シアノ、メチル、エトキシ、メチルカルボニル、メチルカルボニルアミノ、メチルカルボニルアミノメチル、メチルスルホニルメチル、ジメチルアミノスルホニルメチル、プロピルスルホニルメチル、ヒドロキシメチル、アミノカルボニル、アミノカルボニルメトキシ、アミノスルホニルメチル、
【0055】
【化12】

からなる群から選択される、式IIによる構造を有する化合物または薬学的に許容できるその塩を包含する。
【0056】
いくつかの実施形態において、本発明は、R1a、R1b、R2a、R2b、R3a、R3b、R4a、R4b、R5aおよびR5bが、(C〜C)アルキル、−OP(O)(R10、−OR11、−OC(O)R12および−C(O)NR1415からなる群から独立に選択され、ここで、(C〜C)アルキルは、−OR23で置換されていてもよく、
10が、ヒドロキシおよび(C〜C)アルコキシからなる群から選択され、
nが1または2であり、
11が、水素(C〜C)アルキルおよび(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキルからなる群から選択され、
12、R14およびR15が、水素および(C〜C)アルキルからなる群から独立に選択され、
23が、水素および(C〜C)アルキルからなる群から選択される、式IIによる構造を有する化合物または薬学的に許容できるその塩を包含する。
【0057】
一実施形態において、本発明は、
N−(trans−4−{[(3−メトキシピペリジン−1−イル)スルホニル]メチル}シクロヘキシル)−N−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン;
1−[({trans−4−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロヘキシル}メチル)スルホニル]ピペリジン−3−オール;
(3R)−1−[({trans−4−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロヘキシル}メチル)スルホニル]ピペリジン−3−オール;
(3R)−1−[({(1S,3R,4S)−3−メチル−4−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロヘキシル}メチル)スルホニル]ピペリジン−3−オール;
trans−(R)−1−((4−(メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ)シクロヘキシル)メチルスルホニル)ピペリジン−3−イルピバレート;
(3S)−1−[({trans−4−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロヘキシル}メチル)スルホニル]ピペリジン−3−オール;
ジエチル(3R)−1−[({trans−4−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロヘキシル}メチル)スルホニル]ピペリジン−3−イルホスフェート;
N−[trans−4−({[3−(2−メトキシエトキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}メチル)シクロヘキシル]−N−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン;
N−(trans−4−{[(3−イソブトキシピペリジン−1−イル)スルホニル]メチル}シクロヘキシル)−N−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン;
N−(trans−4−{[(3−エトキシピペリジン−1−イル)スルホニル]メチル}シクロヘキシル)−N−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン;
{1−[({trans−4−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロヘキシル}メチル)スルホニル]ピペリジン−3−イル}メタノール;
N−[trans−4−({[4−(メトキシメチル)ピペリジン−1−イル]スルホニル}メチル)シクロヘキシル]−N−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン;
(1−((Trans−4−(メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ)シクロヘキシル)メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル)メタノール;
(3S)−1−[({(1S,3R,4S)−3−メチル−4−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロヘキシル}メチル)スルホニル]ピペリジン−3−オール;
(3R,4R)−1−[({trans−4−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロヘキシル}メチル)スルホニル]ピペリジン−3,4−ジオール;
1−[({trans−4−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロヘキシル}メチル)スルホニル]ピペリジン−4−オール;
(3R,4S)−1−[({trans−4−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロヘキシル}メチル)スルホニル]ピペリジン−3,4−ジオール;
4−(2−メトキシエチル)−1−[({trans−4−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロヘキシル}メチル)スルホニル]ピペリジン−4−カルボキサミド;および
N−(trans−4−{[(4−メトキシピペリジン−1−イル)スルホニル]メチル}シクロヘキシル)−N−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン
からなる群から選択される化合物または薬学的に許容できるその塩を包含する。
【0058】
一実施形態において、本発明は、式IIaによる構造を有する化合物または薬学的に許容できるその塩:
【0059】
【化13】

[式中、置換基は式IIについて定義した通りである]
を包含する。
【0060】
一実施形態において、本発明は、式IIbによる構造を有する化合物または薬学的に許容できるその塩:
【0061】
【化14】

[式中、置換基は式IIについて定義した通りである]
を包含する。
【0062】
一実施形態において、本発明は、式IIIによる構造を有する化合物または薬学的に許容できるその塩:
【0063】
【化15】

[式中、R6a、R6b、R7a、R7b、R8a、R8b、R9aおよびR9bは、水素、シアノ、ハロ、(C〜C)アルキル、アリール、ヘテロシクリル、−OP(O)(R10、−OR11、−OC(O)R12、−C(O)NR1415、−NR1617、−N(R18)C(O)R19、−SO20および−SONR2122からなる群から独立に選択され、ここで、(C〜C)アルキルは、シアノ、アリール、ヘテロシクリル、−OR23、−NR2526および−SR29からなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよく、
10は、ヒドロキシおよび(C〜C)アルコキシからなる群から選択され、
nは1または2であり、
11は、水素、(C〜C)アルキル、アリール、ハロ(C〜C)アルキル、ヒドロキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキルアミノカルボニル(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、ハロ(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシカルボニル(C〜C)アルキル、アミノカルボニル(C〜C)アルキルおよびヘテロシクリルカルボニル(C〜C)アルキルからなる群から選択され、
12、R16、R17、R18、R21、R22、R25およびR26は、水素および(C〜C)アルキルからなる群から独立に選択され、
19は、水素、(C〜C)アルコキシおよびハロ(C〜C)アルキルからなる群から選択され、
20は、水素、(C〜C)アルキルおよびアリール(C〜C)アルキルからなる群から選択され、
23は、水素、(C〜C)アルキル、アリールおよびヘテロシクリル−(C〜C)アルキルからなる群から選択され、
29は、水素およびヘテロシクリルからなる群から選択され、
ここで、アリールは、どこに存在していても、ハロ、(C〜C)アルコキシおよびシアノからなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよく、
ここで、ヘテロシクリルは、どこに存在していても、(C〜C)アルキルおよびオキソからなる群から選択される1個または複数の置換基で独立に置換されていてもよい]
を包含する。
【0064】
いくつかの実施形態において、本発明は、R6a、R6b、R7a、R7b、R8a、R8b、R9aおよびR9bが、水素、シアノ、フルオロ、(C〜C)アルキル、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、−OR11、−OC(O)R12、−C(O)NR1415、−NR1617、−N(R18)C(O)R19、−SO20および−SONR2122からなる群から独立に選択され、ここで、(C〜C)アルキルは、シアノ、フェニル、イソオキサゾリル、ピペラジニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリジニル、ピロリジニル、−OR23、−NR2526および−SR29からなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよく、
11が、水素、メチル、tert−ブチル、イソプロピル、エトキシエチル、ジメチルアミノカルボニルメチル、ジエチルアミノカルボニルメチル、フェニルおよびピロリジニルカルボニルメチルからなる群から選択され、
12、R16、R17、R18、R21、R22、R25およびR26が、水素、メチルおよびエチルからなる群から独立に選択され、
19が、水素、tert−ブトキシおよびトリフルオロメチルからなる群から選択され、
20が、水素、メチル、ベンジルおよびフェニルエチルからなる群から選択され、
23が、水素、メチル、フェニルおよびピリジニルメチルからなる群から選択され、
29が、水素およびピリジニルからなる群から選択され、
ここで、フェニルは、どこに存在していても、フルオロおよびメトキシからなる群から独立に選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよく、
ここで、イソオキサゾリル、ピリジニルまたはピペラジニルは、どこに存在していても、オキソ、メチルおよびエチルからなる群から選択される1個または複数の置換基で独立に置換されていてもよい、式IIIによる構造を有する化合物または薬学的に許容できるその塩を包含する。
【0065】
いくつかの実施形態において、本発明は、R6a、R6bおよびR9bが水素であり、
7aおよびR7bが、水素、フルオロ、ヒドロキシ、シアノ、メチル、メトキシ、メトキシメチル、ヒドロキシメチル、フェニル、ピリジニルおよび
【0066】
【化16】

からなる群から独立に選択され、
8aおよびR8bが、水素、フルオロ、ヒドロキシ、アミノ、アミノカルボニル、エチルアミノエチル、エトキシエトキシ、ジメチルアミノカルボニルメトキシ、ジエチルアミノカルボニルメトキシ、メチルアミノスルホニル、メチルスルホニル、トリフルオロメチルカルボニルアミノ、ヒドロキシメチル、シアノメチル、フェニル、ベンジル、フルオロフェニル、ピリミジニル、ピリジニル、メチルイソオキサゾリルエチル、ピラゾリルメチル、ピリミジニルメチル、ベンジルスルホニル、ベンジルメチルスルホニル、メトキシベンジルスルホニル、ピリジニルチオメチル、フルオロフェノキシメチル、シアノフェノキシ、ピリジニルメトキシメチル、エチルピリジニルメトキシメチル、ピロリジニルカルボニルメトキシ、
【0067】
【化17】

からなる群から独立に選択され、
9aが、水素、メチル、メトキシメチル、ヒドロキシメチル、メチルピリジニルおよびピロリジニルからなる群から選択される、式IIIによる構造を有する化合物または薬学的に許容できるその塩を包含する。
【0068】
いくつかの実施形態において、本発明は、R6a、R6bおよびR9bが水素であり、
7aおよびR7bが、水素、フルオロ、ヒドロキシ、シアノ、メチル、メトキシ、メトキシメチル、ヒドロキシメチル、フェニル、
【0069】
【化18】

からなる群から独立に選択され、
8aおよびR8bが、水素、フルオロ、ヒドロキシ、アミノ、アミノカルボニル、エチルアミノエチル、エトキシエトキシ、ジメチルアミノカルボニルメトキシ、ジエチルアミノカルボニルメトキシ、メチルアミノスルホニル、メチルスルホニル、トリフルオロメチルカルボニルアミノ、ヒドロキシメチル、シアノメチル、フェニル、ベンジル、
【0070】
【化19】

からなる群から独立に選択され、
9aが、水素、メチル、メトキシメチル、ヒドロキシメチル、
【0071】
【化20】

からなる群から選択される、式IIIによる構造を有する化合物または薬学的に許容できるその塩を包含する。
【0072】
いくつかの実施形態において、本発明は、R6a、R6b、R7a、R7b、R8a、R8b、R9aおよびR9bが、ハロ、(C〜C)アルキル、−OR11および−N(R18)C(O)R19からなる群から独立に選択され、ここで、(C〜C)アルキルは、−OR23で置換されていてもよく、
11が、水素および(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキルからなる群から選択され、
18が、水素および(C〜C)アルキルからなる群から選択され、
19が、水素および(C〜C)アルコキシからなる群から選択され、
23が、水素および(C〜C)アルキルからなる群から選択される、式IIIによる構造を有する化合物または薬学的に許容できるその塩を包含する。
【0073】
一実施形態において、本発明は、
(R)−1−(trans−4−(メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ)シクロヘキシル)メチルスルホニル)ピロリジン−3−オール;
{(3r,4r)−4−メチル−1−[({trans−4−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロヘキシル}メチル)スルホニル]ピロリジン−3−イル}メタノール;
{(3R,4R)−4−メチル−1−[({trans−4−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロヘキシル}メチル)スルホニル]ピロリジン−3−イル}メタノール;
3−メチル−1−[({trans−4−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロヘキシル}メチル)スルホニル]ピロリジン−3−オール;
(3R,4S)−1−[({trans−4−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロヘキシル}メチル)スルホニル]ピロリジン−3,4−ジオール;
N−[trans−4−({[(2R)−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]スルホニル}メチル)シクロヘキシル]−N−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン;
((3S)−1−((3−メチル−4−(メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ)シクロヘキシル)メチルスルホニル)ピロリジン−3−イル)メタノール;
(3R,4R)−1−[({trans−4−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロヘキシル}メチル)スルホニル]ピロリジン−3,4−ジオール;
N−[trans−4−({[(3R)−3−(2−エトキシエトキシ)ピロリジン−1−イル]スルホニル}メチル)シクロヘキシル]−N−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン;
3−メチル−1−[({trans−4−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロヘキシル}メチル)スルホニル]ピロリジン−3−オール;
tert−ブチル{(3S)−1−[({trans−4−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロヘキシル}メチル)スルホニル]ピロリジン−3−イル}カルバメート;
N−[trans−4−({[(3R,4R)−3,4−ジフルオロピロリジン−1−イル]スルホニル}メチル)シクロヘキシル]−N−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン;
N−[trans−4−({[3−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]スルホニル}メチル)シクロヘキシル]−N−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン;および
N−[trans−4−({[(3R)−3−メトキシピロリジン−1−イル]スルホニル}メチル)シクロヘキシル]−N−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン
からなる群から選択される化合物または薬学的に許容できるその塩を包含する。
【0074】
一実施形態において、本発明は、式IIIaによる構造を有する化合物または薬学的に許容できるその塩:
【0075】
【化21】

[式中、置換基は式IIIについて定義した通りである]
を包含する。
【0076】
一実施形態において、本発明は、式IIIbによる構造を有する化合物または薬学的に許容できるその塩:
【0077】
【化22】

[式中、置換基は式IIIについて定義した通りである]
を包含する。
【0078】
一実施形態において、本発明は、式IVによる構造を有する化合物または薬学的に許容できるその塩:
【0079】
【化23】

[式中、R37a、R37b、R38a、R38b、R39aおよびR39bは、水素、ハロ、ヒドロキシ、ヘテロシクリル、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキルスルホニル、アリールスルホニルおよび(C〜C)アルコキシカルボニルアミノからなる群から選択される]
を包含する。
【0080】
いくつかの実施形態において、本発明は、R37a、R37b、R38a、R38b、R39aおよびR39bが、水素、ヒドロキシ、フルオロ、ピリミジニル、ピリジニル、テトラゾリル、シクロプロピルメチルスルホニル、フェニルスルホニルおよびメトキシカルボニルアミノからなる群から独立に選択される、式IVによる構造を有する化合物または薬学的に許容できるその塩を包含する。
【0081】
いくつかの実施形態において、本発明は、R37a、R37b、R38b、R39aおよびR39bが水素であり、
38aが、水素、フルオロ、ヒドロキシ、メトキシカルボニルアミノ、シクロプロピルメチルスルホニル、フェニルスルホニル、ピリミジニル、ピリジニルおよびテトラゾリルからなる群から選択される、式IVによる構造を有する化合物または薬学的に許容できるその塩を包含する。
【0082】
いくつかの実施形態において、本発明は、R37a、R37b、R38b、R39aおよびR39bが水素であり、
38aが、水素、フルオロ、ヒドロキシ、メトキシカルボニルアミノ、
【0083】
【化24】

からなる群から選択される、式IVによる構造を有する化合物または薬学的に許容できるその塩を包含する。
【0084】
一実施形態において、本発明は、式IVaによる構造を有する化合物または薬学的に許容できるその塩:
【0085】
【化25】

[式中、置換基は式IVについて定義した通りである]
を包含する。
【0086】
一実施形態において、本発明は、式IVbによる構造を有する化合物または薬学的に許容できるその塩:
【0087】
【化26】

[式中、置換基は式IVについて定義した通りである]
を包含する。
【0088】
一実施形態において、本発明は、式Vによる構造を有する化合物または薬学的に許容できるその塩:
【0089】
【化27】

[式中、R40、R41、R42、R43およびR44は、水素、(C〜C)アルキル、ヘテロシクリルおよびヘテロシクリル(C〜C)アルキルからなる群から独立に選択され、
ここで、ヘテロシクリルは、どこに存在していても、シアノ、(C〜C)アルキルおよび(C〜C)シクロアルキルアミノカルボニルからなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよい]
を包含する。
【0090】
いくつかの実施形態において、本発明は、R40、R41、R42、R43およびR44が、水素、メチル、ピリジニルおよびピリジニルメチルからなる群から独立に選択され、
ここで、ピリジニルは、どこに存在していても、シアノ、メチルおよびシクロプロピルアミノカルボニルからなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよい、式Vによる構造を有する化合物または薬学的に許容できるその塩を包含する。
【0091】
いくつかの実施形態において、本発明は、R40、R41およびR43が、水素であり、
42が、メチル、ピリジニル、ピリジニルメチル、メチルピリジニル、シアノピリジニルおよびシクロプロピルアミノカルボニルピリジニルからなる群から選択され、
44が、水素およびメチルからなる群から選択される、式Vによる構造を有する化合物または薬学的に許容できるその塩を包含する。
【0092】
いくつかの実施形態において、本発明は、R40、R41およびR43が水素であり、
42が、メチル、
【0093】
【化28】

からなる群から選択され、
44が、水素およびメチルからなる群から選択される、式Vによる構造を有する化合物または薬学的に許容できるその塩を包含する。
【0094】
一実施形態において、本発明は、式Vaによる構造を有する化合物または薬学的に許容できるその塩:
【0095】
【化29】

[式中、置換基は式Vについて定義した通りである]
を包含する。
【0096】
一実施形態において、本発明は、式Vbによる構造を有する化合物または薬学的に許容できるその塩:
【0097】
【化30】

[式中、置換基は式Vについて定義した通りである]
を包含する。
【0098】
一実施形態において、本発明は、構造:
【0099】
【化31】

を有する化合物または薬学的に許容できるその塩を包含する。
【0100】
一実施形態において、本発明は、式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩を含む医薬組成物を包含する。
【0101】
一実施形態において、本発明は、式Iaの化合物または薬学的に許容できるその塩を含む医薬組成物を包含する。
【0102】
一実施形態において、本発明は、構造:
【0103】
【化32】

を有する化合物または薬学的に許容できるその塩を含む医薬組成物を包含する。
【0104】
一実施形態において、本発明は、そのような治療を必要としている対象における、ヤヌスキナーゼ媒介性状態の治療のための方法であって、対象に、ある量の式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩を投与するステップを含み、化合物の量が、ヤヌスキナーゼ媒介性状態の治療に有効である方法を包含する。
【0105】
一実施形態において、本発明は、そのような治療を必要としている対象における、ヤヌスキナーゼ媒介性状態の治療のための方法であって、対象に、ある量の式Iaの化合物または薬学的に許容できるその塩を投与するステップを含み、化合物の量が、ヤヌスキナーゼ媒介性状態の治療に有効である方法を包含する。
【0106】
一実施形態において、本発明は、そのような治療を必要としている対象における、ヤヌスキナーゼ媒介性状態の治療のための方法であって、対象に、構造:
【0107】
【化33】

を有するある量の化合物または薬学的に許容できるその塩を投与するステップを含み、化合物の量が、ヤヌスキナーゼ媒介性状態の治療に有効である方法を包含する。
【0108】
一実施形態において、ヤヌスキナーゼ媒介性状態は、アルツハイマー病、関節炎、自己免疫性甲状腺障害、がん、糖尿病、白血病、T細胞前リンパ球性白血病、リンパ腫、骨髄増殖性障害、ループス、多発性骨髄腫、多発性硬化症、骨関節炎、敗血症、乾癬性関節炎、前立腺がん、T細胞自己免疫疾患、炎症性疾患、慢性および急性同種移植片拒絶反応、骨髄移植、脳卒中、喘息、慢性閉塞性肺疾患、アレルギー、気管支炎、ウイルス性疾患、またはI型糖尿病および糖尿病による合併症である。
【0109】
一実施形態において、ヤヌスキナーゼ媒介性状態は、喘息、クローン病、ドライアイ、ブドウ膜炎、炎症性腸疾患、臓器移植拒絶反応、乾癬、関節リウマチおよび潰瘍性結腸炎からなる群から選択される。
【0110】
式Iの化合物の薬学的に許容できる塩は、その酸付加塩および塩基塩を包含する。
【0111】
適切な酸付加塩は、非毒性塩を形成する酸から形成される。例は、酢酸塩、アジピン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、重炭酸塩/炭酸塩、重硫酸塩/硫酸塩、ホウ酸塩、カンシル酸塩、クエン酸塩、シクラミン酸塩、エジシル酸塩、エシル酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グロクロン酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヒベンズ酸塩、塩酸塩/塩化物、臭化水素酸塩/臭化物、ヨウ化水素酸塩/ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ナフチル酸塩、2−ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロチン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸塩/リン酸水素塩/リン酸二水素塩、ピログルタミン酸塩、サッカリン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、トリフルオロ酢酸塩およびキシナホ酸塩(xinofoate)を包含する。
【0112】
適切な塩基塩は、非毒性塩を形成する塩基から形成される。例は、アルミニウム塩、アルギニン塩、ベンザチン塩、カルシウム塩、コリン塩、ジエチルアミン塩、ジオールアミン塩、グリシン塩、リジン塩、マグネシウム塩、メグルミン塩、オラミン塩、カリウム塩、ナトリウム塩、トロメタミン塩および亜鉛塩を包含する。
【0113】
酸および塩基のヘミ塩、例えばヘミ硫酸塩およびヘミカルシウム塩も形成され得る。適切な塩についての総説は、Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use、StahlおよびWermuth著(Wiley−VCH、2002)を参照されたい。
【0114】
式Iの化合物の薬学的に許容できる塩は、(i)式Iの化合物を所望の酸もしくは塩基と反応させることによる、(ii)式Iの化合物の適切な前駆体から酸もしくは塩基に不安定な保護基を除去することによる、または所望の酸もしくは塩基を使用し、適切な環式前駆体、例えばラクトンもしくはラクタムを開環することによる、または、(iii)適切な酸もしくは塩基との反応により、または適切なイオン交換カラムを利用し、式Iの化合物の1種の塩を別の塩に変換することによる、3つの方法の1つまたは複数によって調製できる。3つの反応はいずれも、典型的には溶液中で行われる。得られた塩を、析出させ、濾過によって収集してよく、または溶媒の蒸発によって回収してもよい。得られた塩におけるイオン化の程度は、完全なイオン化からほぼ非イオン化まで様々であってよい。
【0115】
本発明の化合物は、完全非結晶から完全結晶の範囲にわたる、固体状態の連続で存在し得る。用語「非結晶」は、材料が分子レベルで長距離秩序を欠き、温度に応じて、固体または液体の物理的特性を呈し得る状態を指す。典型的には、そのような材料は、弁別的なX線回折パターンを生じさせず、固体の特性を呈するが、より正式には液体として記述される。加熱すると、状態変化、典型的には二次(「ガラス転移」)を特徴とする、固体から液体特性への変化が起こる。用語「結晶」は、材料が分子レベルで規則正しい内部構造を有し、明確なピークを持つ弁別的なX線回折パターンを生じさせる固相を指す。そのような材料は、十分に加熱すると液体の特性も呈するが、固体から液体への変化は、相変化、典型的には一次(「融点」)を特徴とする。
【0116】
本発明の化合物は、非溶媒和および溶媒和形態でも存在し得る。用語「溶媒和物」は、本明細書において、本発明の化合物と、1種または複数の薬学的に許容できる溶媒分子、例えばエタノールとを含む分子錯体を記述するために使用される。用語「水和物」は、前記溶媒が水である場合に用いられる。
【0117】
現在認められている有機水和物の分類体系は、単離部位、チャネルまたは金属イオン配位水和物を定義するものであり、Polymorphism in Pharmaceutical Solids、K.R.Morris著(H.G.Brittain編、Marcel Dekker、1995)を参照されたい。単離部位水和物は、有機分子を介在させることにより、水分子が互いの直接接触から単離されているものである。チャネル水和物において、水分子は格子チャネル中にあり、そこで他の水分子に隣接している。金属イオン配位水和物において、水分子は金属イオンと結合している。
【0118】
溶媒または水が密接に結合している場合、錯体は湿度とは無関係に明確な化学量論を有することになる。しかしながら、チャネル溶媒和物および吸湿性化合物のように、溶媒または水の結合が弱い場合、水/溶媒含有量は湿度および乾燥条件に依存することになる。そのような事例では、非化学量論が基準となる。
【0119】
薬物および少なくとも1種の他の成分が化学量論的または非化学量論的量で存在している多成分錯体(塩および溶媒和物以外)も、本発明の範囲内に包含される。この種の錯体は、クラスレート(薬物−宿主包接錯体)および共結晶を包含する。後者は、典型的には、非共有結合性相互作用によって一緒に結合された中性分子構成要素の結晶錯体として定義されるが、中性分子と塩との錯体であってもよい。共結晶は、溶融結晶化によって、溶媒からの再結晶によって、または成分を一緒に物理的に粉砕することによって調製でき、Chem Commun、17、1889〜1896、O.AlmarssonおよびM.J.Zaworotko著(2004)を参照されたい。多成分錯体の一般的な総説については、J Pharm Sci、64(8)、1269〜1288、Haleblian著(1975年8月)を参照されたい。
【0120】
本発明の化合物は、適切な条件にさらされている場合、中間状態(中間相または液晶)で存在することもある。中間状態は、真の結晶状態と真の液体状態(溶融または溶液のいずれか)との間の中間体である。温度変化の結果として起こるメソモルフィズムは「サーモトロピック」として記述され、水または別の溶媒等の第二の成分の添加によって生じるものは「リオトロピック」として記述される。リオトロピック中間相を形成する可能性を有する化合物は「両親媒性」として記述され、イオン(−COONa、−COOまたは−SONa等)または非イオン(−N(CH等)極性頭部基を保有する分子からなる。さらなる情報については、Crystals and the Polarizing Microscope、N.H.HartshorneおよびA.Stuart著、第4版(Edward Arnold、1970)を参照されたい。
【0121】
以後、式Iの化合物へのすべての言及は、その塩、溶媒和物、多成分錯体および液晶への、ならびに、その塩の溶媒和物、多成分錯体および液晶への言及を包含する。
【0122】
本発明の化合物は、以後定義する通りのすべての多形およびその晶癖、プロドラッグおよびその異性体(光学、幾何および互変異性体を包含する)を包含する、以上に定義した通りの式Iの化合物、ならびに式Iの同位体標識化合物を包含する。
【0123】
指示されている通り、式Iの化合物のいわゆる「プロドラッグ」も本発明の範囲内である。故に、それ自体は薬理活性をほとんどまたは全く有し得ない式Iの化合物のある特定の誘導体は、体内または体表面に投与すると、例えば加水分解開裂によって、所望の活性を有する式Iの化合物に変換することができる。そのような誘導体を「プロドラッグ」と称する。プロドラッグの使用に関するさらなる情報は、Pro−drugs as Novel Delivery Systems、第14巻、ACS Symposium Series(T.HiguchiおよびW.Stella)ならびにBioreversible Carriers in Drug Design、Pergamon Press、1987(E.B.Roche編、American Pharmaceutical Association)において見ることができる。
【0124】
本発明に従うプロドラッグは、例えば、式Iの化合物中に存在する適切な官能基を、例えばDesign of Prodrugs、H.Bundgaard著(Elsevier、1985)において記載されている通りの「プロ部分」として当業者に既知のある特定の部分で置き換えることによって生成することができる。
【0125】
本発明に従うプロドラッグのいくつかの例は、(i)式Iの化合物がカルボン酸官能基(−COOH)を含有する場合、そのエステル、例えば、式(I)の化合物のカルボン酸官能基の水素が、(C〜C)アルキルによって置き換えられている化合物、(ii)式Iの化合物がアルコール官能基(−OH)を含有する場合、そのエーテル、例えば、式Iの化合物のアルコール官能基の水素が、(C〜C)アルカノイルオキシメチルによって置き換えられている化合物、および(iii)式Iの化合物が第一級または第二級アミノ官能基(−NHまたは−NHR、ここでR≠H)を含有する場合、そのアミド、例えば、場合によって、式Iの化合物のアミノ官能基の一方または両方の水素が、(C〜C10)アルカノイルによって置き換えられている化合物を包含する。上述の例および他のプロドラッグ型の例に従う置き換え基(replacement group)のさらなる例は、前述の参考文献において見ることができる。その上、式Iのある特定の化合物は、それ自体が式Iの他の化合物のプロドラッグとして作用し得る。
【0126】
式Iの化合物の代謝産物、すなわち、薬物の投与時にインビボで形成される化合物も本発明の範囲内に包含される。本発明に従う代謝産物のいくつかの例は、(i)式Iの化合物がメチル基を含有する場合、そのヒドロキシメチル誘導体(−CH→−CHOH)、(ii)式Iの化合物がアルコキシ基を含有する場合、そのヒドロキシ誘導体(−OR→−OH)、(iii)式Iの化合物が第三級アミノ基を含有する場合、その第二級アミノ誘導体(−NR→NHRまたは−NHR)、(iv)式Iの化合物が第二級アミノ基を含有する場合、その第一級誘導体(−NHR→−NH)、(v)式Iの化合物がフェニル部分を含有する場合、そのフェノール誘導体(−Ph→−PhOH)、および(vi)式Iの化合物がアミド基を含有する場合、そのカルボン酸誘導体(−CONH→COOH)を包含する。
【0127】
1個または複数の不斉炭素原子を含有する式Iの化合物は、2つ以上の立体異性体として存在し得る。式Iの化合物がアルケニルまたはアルケニレン基を含有する場合、幾何シス/トランス(またはZ/E)異性体が考えられる。構造異性体が低エネルギー障壁を介して相互変換可能である場合、互変異性化(「互変異性」)が起こり得る。これは、例えば、イミノ、ケトもしくはオキシム基を含有する式Iの化合物中ではプロトン互変異性の形態を、または芳香族部分を含有する化合物中ではいわゆる原子価互変異性の形態をとり得る。要するに、単一の化合物が複数種の異性を呈し得るということになる。
【0128】
本発明の範囲内に包含されるのは、複数種の異性を呈する化合物およびその1つまたは複数の混合物を包含する、式Iの化合物のすべての立体異性体、幾何異性体および互変異性形態である。対イオンが光学活性、例えばd−乳酸もしくはl−リジン、またはラセミ、例えばdl−酒石酸もしくはdl−アルギニンである酸付加塩または塩基塩も包含される。
【0129】
シス/トランス異性体は、当業者に周知の従来の技術、例えばクロマトグラフィーおよび分別結晶によって分離することができる。
【0130】
個々の鏡像異性体の調製/単離のための従来の技術は、適切な光学的に純粋な前駆体からのキラル合成、または、例えばキラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用するラセミ体(または塩もしくは誘導体のラセミ体)の分割を包含する。
【0131】
代替として、ラセミ体(またはラセミ前駆体)を、適切な光学活性化合物、例えばアルコールと、または、式Iの化合物が酸性もしくは塩基性部分を含有する場合、1−フェニルエチルアミンもしくは酒石酸等の塩基もしくは酸と反応させてもよい。得られたジアステレオマー混合物は、クロマトグラフィーおよび/または分別結晶によって分離することができ、ジアステレオ異性体の一方または両方を、当業者に周知の手段によって対応する純粋な鏡像異性体(複数可)に変換することができる。
【0132】
本発明のキラル化合物(およびそのキラル前駆体)は、0から50体積%まで、典型的には2%から20体積%までのイソプロパノールと、0から5体積%までのアルキルアミン、典型的には0.1%のジエチルアミンとを含有する炭化水素、典型的にはヘプタンまたはヘキサンからなる移動相を用いる不斉樹脂上でのクロマトグラフィー、典型的にはHPLCを使用して、鏡像異性的に富化された形態で取得することができる。溶離物の濃縮により、富化混合物が得られる。
【0133】
任意のラセミ体が結晶化する場合、2つの異なる種類の結晶が考えられる。第一の種類は、両方の鏡像異性体を含有する1つの均質な形態の結晶が等モル量で生成される、上記で言及したラセミ化合物(真のラセミ体)である。第二の種類は、それぞれ単一の鏡像異性体を含む2つの形態の結晶が等モル量で生成される、ラセミ混合物または集塊である。ラセミ混合物中に存在する結晶形態はいずれも同一の物理的特性を有するが、真のラセミ体と比較して異なる物理的特性を有し得る。ラセミ混合物は、当業者に公知の従来の技術によって分離することができ、例えば、Stereochemistry of Organic Compounds、E.L.ElielおよびS.H.Wilen著(Wiley、1994)を参照されたい。
【0134】
本発明は、1個または複数の原子が、同じ原子番号を有するが、原子質量または質量数が自然界において優勢な原子質量または質量数とは異なる原子によって置き換えられている、式Iの薬学的に許容できる同位体標識化合物をすべて包含する。本発明の化合物への包含に適した同位体の例は、HおよびH等の水素、11C、13Cおよび14C等の炭素、36Cl等の塩素、18F等のフッ素、123Iおよび125I等のヨウ素、13Nおよび15N等の窒素、15O、17Oおよび18O等の酸素、32P等のリン、ならびに35S等の硫黄の同位体を包含する。式Iのある特定の同位体標識化合物、例えば放射性同位体を組み込んだものは、薬物および/または基質組織分布研究において有用である。放射性同位体であるトリチウム、すなわちH、および炭素−14、すなわち14Cは、それらの組み込みの容易性および即時の検出手段を考慮すると、この目的のために特に有用である。重水素、すなわちH等のより重い同位体による置換は、より優れた代謝安定性、例えばインビボ半減期の増大または必要用量の減少から生じるある特定の治療上の利点をもたらし得るため、一部の状況において好ましい場合がある。11C、18F、15Oおよび13N等の陽電子放射同位体による置換は、基質受容体占有率を調査するための陽電子放射断層撮影法(Topography)(PET)研究において有用となり得る。式Iの同位体標識化合物は、概して、当業者に公知である従来の技術によって、または、先に用いた非標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を使用し、添付の実施例および調製において記載されている過程に類似した過程によって調製できる。
【0135】
本発明に従う薬学的に許容できる溶媒和物は、結晶化の溶媒が同位体で置換されていてよいもの、例えば、DO、d−アセトン、d−DMSOを包含する。
【0136】
以上に定義した通りの式Iの中間化合物、そのすべての塩、溶媒和物および錯体、ならびに、式Iの化合物について以上に定義したその塩のすべての溶媒和物および錯体も本発明の範囲内である。本発明は、前述の種のすべての多形およびその晶癖を包含する。
【0137】
本発明に従って式Iの化合物を調製する場合、この目的のための特色の最良の組合せを提供する式Iの化合物の形態を常法に従って選択することは当業者に知られている。そのような特色は、中間体形態の融点、溶解度、処理可能性および収率、ならびに結果として単離時に生成物を精製し得る容易性を包含する。
【0138】
医薬組成物
本明細書において記載されている1種または複数の化合物、または薬学的に許容できるその塩もしくは互変異性体を、薬学的に許容できる担体、添加剤、結合剤、賦形剤等と混合することによって調製できる、様々なJAK関連状態を治療するまたは寛解させるための組成物も提供され得る。本発明の医薬組成物は、中でも、従来の造粒、混合、溶解、カプセル化、凍結乾燥、乳化または湿式粉砕過程等、当業者に周知の方法によって製造され得る。組成物は、例えば、顆粒剤、散剤、錠剤、カプセルシロップ剤、坐剤、注射剤、乳剤、エリキシル剤、懸濁剤または液剤の形態であってもよい。本組成物は、例えば、経口投与、経粘膜投与、経直腸投与、局所投与または皮下投与、および髄腔内、静脈内、筋肉内、腹腔内、鼻腔内、眼内または脳室内注射による、種々の投与経路用に製剤化され得る。本発明の化合物(複数可)を、持続放出製剤としての注射等、全身にではなく局所的に投与してもよい。下記の剤形は、例として挙げられるものであり、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0139】
経口、口腔および舌下投与では、散剤、懸濁剤、顆粒剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、ジェルキャップ剤およびカプレット剤が固体剤形として許容できる。これらは、例えば、本発明の1種もしくは複数の化合物、または薬学的に許容できるその塩もしくは互変異性体を、デンプンまたは他の添加物等の少なくとも1種の添加物または添加剤と混合することによって調製され得る。適切な添加物または添加剤は、スクロース、ラクトース、セルロース糖、マンニトール、マルチトール、デキストラン、ソルビトール、デンプン、寒天、アルギン酸塩、キチン、キトサン、ペクチン、トラガカントゴム、アラビアゴム、ゼラチン、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、合成もしくは準合成のポリマーもしくはグリセリド、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル−セルロース、および/またはポリビニルピロリドンである。場合により、経口剤形は、不活性賦形剤、またはステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤、またはパラベンもしくはソルビン酸等の保存剤、またはアスコルビン酸、トコフェロールもしくはシステイン等の酸化防止剤、崩壊剤、結合剤、増粘剤、緩衝剤、甘味料、香味剤または着香剤等、投与に役立つ他の原料を含有し得る。加えて、識別のために染料または顔料を添加してもよい。錠剤および丸剤を、当技術分野において公知の適切なコーティング材料でさらに処理してもよい。
【0140】
経口投与用の液体剤形は、水等の不活性賦形剤を含有し得る、薬学的に許容できる乳剤、シロップ剤、エリキシル剤、懸濁剤、スラリー剤および液剤の形態であってもよい。医薬製剤は、油、水、アルコール、およびこれらの組合せ等であるがこれらに限定されない滅菌液を使用し、液体懸濁剤または液剤として調製され得る。経口または非経口投与では、薬学的に適切な界面活性剤、懸濁化剤、乳化剤を添加してもよい。
【0141】
上記で注記した通り、懸濁剤は油を包含し得る。そのような油は、ピーナッツ油、ゴマ油、綿実油、トウモロコシ油、オリーブ油、および油の混合物を包含するがこれらに限定されない。懸濁調製物は、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル等の脂肪酸のエステル、脂肪酸グリセリドおよびアセチル化脂肪酸グリセリドも含有し得る。懸濁製剤は、エタノール、イソプロピルアルコール、ヘキサデシルアルコール、グリセロールおよびプロピレングリコール等であるがこれらに限定されないアルコールを包含し得る。ポリ(エチレングリコール)等であるがこれに限定されないエーテル、鉱油およびワセリン等の石油炭化水素、ならびに水を、懸濁製剤において使用してもよい。
【0142】
化合物は、皮膚または粘膜に、局所的に、真皮(内)にまたは経皮的に投与することもできる。この目的のための典型的な製剤は、ゲル剤、ヒドロゲル剤、ローション剤、液剤、クリーム剤、軟膏剤、撒布剤、包帯剤、泡沫剤、フィルム剤、皮膚パッチ剤、ウエハー剤、インプラント剤、スポンジ、繊維、絆創膏およびマイクロ乳剤を包含する。リポソームを使用してもよい。典型的な担体は、アルコール、水、鉱油、流動ワセリン、白色ワセリン、グリセリン、ポリエチレングリコールおよびプロピレングリコールを包含する。浸透促進剤を組み込んでもよく、例えば、J Pharm Sci、88(10)、955〜958、FinninおよびMorgan著(1999年10月)を参照されたい。
【0143】
局所投与の他の手段は、エレクトロポレーション、イオントフォレーシス、フォノフォレーシス、ソノフォレーシスおよび顕微針または無針(例えば、Powderject(商標)、Bioject(商標)等)注射による送達を包含する。
【0144】
局所投与用の製剤は、即時および/または調節放出となるように製剤化することができる。調節放出製剤は、遅延、持続、パルス、制御、標的およびプログラム放出を包含する。
【0145】
経鼻投与では、医薬製剤は、適切な溶媒、ならびに、場合により、安定剤、抗菌剤、酸化防止剤、pH調節剤、界面活性剤、バイオアベイラビリティー(bioavailablity)調節剤およびこれらの組合せ等であるがこれらに限定されない他の化合物を含有するスプレー剤またはエアゾール剤であってもよい。エアゾール製剤用の推進剤は、圧縮空気、窒素、二酸化炭素、または炭化水素ベースの低沸点溶媒を包含し得る。本発明の化合物(複数可)は、ネブライザー等からエアゾールスプレー提示の形態で好都合に送達される。
【0146】
注射用剤形は、一般に、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を使用して調製され得る水性懸濁剤または油懸濁剤を包含する。注射用形態は、溶液相、または溶媒もしくは賦形剤を用いて調製される懸濁剤の形態であってもよい。許容できる溶媒またはビヒクルは、滅菌水、リンゲル液または等張生理食塩水を包含する。代替として、滅菌油を溶媒または懸濁化剤として用いてもよい。一般に、天然または合成油、脂肪酸、モノ−、ジ−またはトリ−グリセリドを包含する油または脂肪酸は、不揮発性である。
【0147】
注射では、医薬製剤は、上述した適切な溶液での再構成に適した粉末であってもよい。これらの例は、フリーズドライ、回転乾燥もしくは噴霧乾燥粉末、非晶質粉末、顆粒、沈殿物または粒子を包含するがこれらに限定されない。注射では、製剤は、安定剤、pH調節剤、界面活性剤、バイオアベイラビリティー調節剤およびこれらの組合せを場合により含有し得る。化合物は、ボーラス注射または持続注入等の注射による非経口投与用に製剤化され得る。注射用の単位剤形は、アンプル内または複数回用量容器内にあってもよい。
【0148】
経直腸投与では、医薬製剤は、腸管、S状結腸曲および/または直腸中における化合物の放出のための、坐剤、軟膏剤、浣腸剤、錠剤またはクリーム剤の形態であってもよい。経直腸坐剤は、1種もしくは複数の本発明の化合物、または該化合物の薬学的に許容できる塩もしくは互変異性体を、通常の保存温度では固相で存在し、直腸内等の体内で薬物を放出するのに適した温度では液相で存在する適切なビヒクル、例えばココアバターまたはポリエチレングリコールと混合することによって調製される。軟ゼラチン型の製剤および坐剤の調製において、油を用いてもよい。ペクチン、カルボマー、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースまたはカルボキシメチルセルロース等の懸濁化剤、ならびに緩衝剤および保存剤も含有し得る懸濁製剤の調製において、水、生理食塩水、デキストロース水溶液および関係する糖溶液、ならびにグリセロールを用いてもよい。
【0149】
上述した代表的な剤形の他に、薬学的に許容できる添加剤および担体(carries)が一般に当業者に公知であり、故に、本発明に包含される。そのような添加剤および担体は、例えば、「Remingtons Pharmaceutical Sciences」、Mack Pub.Co.、New Jersey(1991)において記載されている。
【0150】
本発明の製剤は、短時間作用型、高速放出型、長時間作用型および持続放出型となるように設計され得る。故に、医薬製剤は、制御放出用または緩徐放出用に製剤化されてもよい。
【0151】
本組成物は、例えば、ミセルもしくはリポソーム、または他の何らかのカプセル化形態も含んでよく、長期の保存および/または送達効果を提供するために長期放出形態で投与され得る。したがって、医薬製剤を、ペレットまたはシリンダーに圧縮し、デポー注射剤として、またはステント等のインプラント剤として、筋肉内または皮下に埋め込んでよい。そのようなインプラント剤は、シリコーンおよび生分解性ポリマー等の公知の材料を用い得る。
【0152】
組成物は、投与方法に応じて、例えば、約0.1重量%から約90重量%以上までの活性材料を含有し得る。組成物が投薬量単位を含む場合、各単位は、例えば、約0.1から500mg以上までの活性成分を含有し得る。成体ヒト治療に用いられる場合の投薬量は、投与の経路および頻度に応じて、例えば1日当たり約0.1から1000mgまでの範囲となり得る。
【0153】
具体的な投薬量は、JAK関連状態の状態、対象の年齢、体重、全身の健康状態、性別および食習慣、投薬間隔、投与経路、排泄率、ならびに薬物の組合せに応じて調整され得る。有効量を含有する上記剤形は、いずれも十分に常法に従う実験の限度内であり、したがって、十分に本発明の範囲内である。一般に、総日用量は、典型的には、単回または分割用量で、約1mg/kg/日から約500mg/kg/日までの範囲となり得る。典型的には、ヒト用の投薬量は、単回または複数回用量で、1日当たり約5mgから約100mgまでの範囲となり得る。
【0154】
治療有効用量または量は、投与経路および剤形に応じて変動し得る。本発明のいくつかの組成物は、高い治療指数を呈する製剤である。治療指数は、LD50とED50との比として表現され得る毒性効果と治療効果との用量比である。LD50は、母集団の50%の致死用量であり、ED50は、母集団の50%において治療的に有効な用量である。LD50およびED50は、動物細胞培養または実験モデルにおける標準的な薬学的手順によって決定できる。
【0155】
単独の、または、シクロスポリンA、ラパマイシン、タクロリムス、シロリムス、エベロリムス、ミコフェノレート(例えばCellcept(登録商標)、Myfortic(登録商標)等)、アザチオプリン、ブレキナル、デオキシスペルグアリン、レフルノミド、スフィンゴシン−1−リン酸受容体アゴニスト(例えばフィンゴリモド、KRP−203等)、LEA−29Y、抗IL−2受容体抗体(例えばダクリズマブ等)、抗CD3抗体(例えばOKT3等)、抗T細胞免疫グロブリン(immunogloblin)(例えばAtGam等)、アスピリン、CD28−B7遮断分子(例えばベラタセプト、アバタセプト等)、CD40−CD154遮断分子(例えば抗CD40抗体等)、タンパク質キナーゼC阻害剤(例えばAEB−071等)、アセトアミノフェン、イブプロフェン、ナプロキセン、ピロキシカム、メトトレキサート、抗炎症ステロイド(例えばプレドニゾロンまたはデキサメタゾン)もしくはPCT出願第PCT/IB2007/002468号において開示されているものを包含し得るがこれらに限定されない1種もしくは複数の追加の作用物質と組み合わせた、化合物(I)等のJAK阻害剤の医薬調製物。これらの組合せは、同じまたは別個の剤形の一部として、同じまたは異なる投与経路を介して、同じまたは異なる投与スケジュールで、標準的な医薬実務に従って投与され得る。
【0156】
包装材内に収容された提供化合物を含む医薬組成物と、本明細書において記載されている通り、JAK関連状態を治療するために前記医薬組成物を使用できることを指示するラベルまたは添付文書とを含む製造品も提供される。
【0157】
治療方法
一実施形態において、本発明は、哺乳動物、すなわちヒトまたは非ヒト哺乳動物等の対象において、JAKに関連する状態を治療または予防する方法であって、有効量の1種または複数の本明細書において記載されている化合物を該対象に投与するステップを含む方法を提供する。JAK関連状態は、JAK1、JAK2、JAK3および/またはTyk2に関係し得る。治療され得る適切な非ヒト対象は、家庭内または野生動物、イヌ、ネコ等のコンパニオンアニマル、ウマ、雌ウシおよび他の反すう動物、ブタ、家禽、ウサギ等を包含する家畜、霊長類、例えば、アカゲザルおよびカニクイ(cynomolgus)ザル(カニクイ(crab−eating)またはオナガザルとしても公知である)を包含するマカク、マーモセット、タマリン等のサル、チンパンジーおよびオランウータンを包含する類人猿、ならびにラット、マウス、スナネズミ、モルモット等のげっ歯類を包含する。一実施形態において、化合物は、場合により薬学的に許容できる担体中、薬学的に許容できる形態で投与される。
【0158】
JAK/STATシグナル伝達は、アレルギー、喘息、移植片(同種移植片)拒絶反応等の自己免疫疾患、関節リウマチ、筋萎縮性側索硬化症および多発性硬化症等の多くの異常免疫応答の媒介、ならびに白血病およびリンパ腫等の固形および血液悪性腫瘍に関与するとされている。JAK/STAT経路の薬学的介入の総説については、Frank、(1999)、Mol.Med.5:432:456およびSeidelら、(2000)、Oncogene 19:2645〜2656を参照されたい。
【0159】
JAK3は特に、様々な生物学的過程に関与するとされている。例えば、IL−4およびIL−9によって誘発されるマウス肥満細胞の増殖および生存は、JAK3およびガンマ鎖シグナル伝達に依存することが示されている。Suzukiら、(2000)、Blood 96:2172〜2180。JAK3は、IgE受容体媒介性肥満細胞脱顆粒応答においても重大な役割を果たしており(Malaviyaら、(1999)、Biochem.Biophys.Res.Commun.257:807〜813)、JAK3キナーゼの阻害は、アナフィラキシーを包含するI型過敏性反応を予防することが示されている(Malaviyaら、(1999)、J.Biol.Chem.274:27028〜27038)。JAK3阻害は、同種移植片拒絶反応に対する免疫抑制を招くことも示されている(Kirken、(2001)、Transpl.Proc.33:3268〜3270)。JAK3キナーゼは、関節リウマチ(Muller−Ladnerら、(2000)、J.Immunal.164:3894〜3901)、家族性筋萎縮性側索硬化症(Trieuら、(2000)、Biochem Biophys.Res.Commun.267:22〜25)、白血病(Sudbeckら、(1999)、Clin.Cancer Res.5:1569〜1582)、T細胞リンパ腫の一形態である菌状息肉腫(Nielsenら、(1997)、Prac.Natl.Acad.Sci.USA 94:6764〜6769)および異常な細胞成長(Yuら、(1997)、J.Immunol.159:5206〜5210、Catlett−Falconeら、(1999)、Immunity 10:105〜115)の初期および後期段階に関わる機序にも関与するとされている。
【0160】
JAK3を包含するJAKキナーゼは、小児がんの最も一般的な形態である急性リンパ性白血病に罹患した小児由来の初代白血病細胞において多量に発現し、研究により、ある特定の細胞におけるSTAT活性化とアポトーシスを調節するシグナルとの相関関係が示された(Demoulinら、(1996)、Mol.Cell.Biol.16:4710〜6、Jurlanderら、(1997)、Blood 89:4146〜52、Kanekoら、(1997)、Clin.Exp.Immun.109:185〜193、およびNakamuraら、(1996)、J.Biol.Chem.271:19483〜8)。該キナーゼは、リンパ球の分化、機能および生存にとって重要であることも公知である。JAK−3は特に、リンパ球、マクロファージおよび肥満細胞の機能において不可欠な役割を果たしている。このJAKキナーゼの重要性を前提として、JAK3に対して選択的なものを包含するJAK経路を変調する化合物は、リンパ球、マクロファージまたは肥満細胞の機能が関わっている状態を治療するために有用となり得る(Kudlaczら、(2004)Am.J.Transplant 4:51〜57、Changelian(2003)Science 302:875〜878)。
【0161】
JAK経路の標的化、またはJAKキナーゼ、特にJAK3の変調が治療的に有用となると企図されている状態は、関節炎、喘息、自己免疫疾患、がんまたは腫瘍、糖尿病、ある特定の眼疾患、障害または状態、炎症、腸炎、アレルギーまたは状態、神経変性疾患、乾癬、移植拒絶反応、およびウイルス感染を包含する。JAK3の阻害に有益となり得る状態を以下でさらに詳細に論じる。
【0162】
したがって、記載されている化合物、薬学的に許容できる塩および医薬組成物を使用して、下記のような様々な状態を治療することができる。
【0163】
いくつかの実施形態において、本発明の方法および組成物は、関節炎、関節リウマチ、強直性脊椎炎、線維筋痛、脊椎関節症(spondyloarthopathy)、痛風性関節炎、腰部脊椎関節症、手根管症候群、乾癬性関節炎、スクレロドーマ(sclerodoma)、イヌ股関節形成不全、全身性エリテマトーデス、若年性関節炎、骨関節炎、腱炎および滑液包炎等、結合組織および関節障害の治療を含む。
【0164】
他の実施形態において、本発明の方法および組成物は、アルツハイマー病、多発性硬化症(MS)、パーキンソン病、運動ニューロン疾患、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、脳虚血、外傷性負傷によって引き起こされる神経変性疾患、AIDSの神経学的合併症、脊髄損傷、ならびにいくつかの末梢神経障害および神経変性障害等、神経炎症および神経変性障害の治療を含む。
【0165】
他の実施形態において、本発明の方法および組成物は、単一臓器または単一細胞型自己免疫障害として指定されるものを包含する自己免疫疾患または障害、例えば、橋本甲状腺炎、自己免疫性溶血性貧血、悪性貧血の自己免疫性萎縮性胃炎、自己免疫性脳脊髄炎、自己免疫性精巣炎、グッドパスチャー症候群、自己免疫性血小板減少症、交感性眼炎、重症筋無力症、グレーブス病、原発性胆汁性肝硬変、慢性劇症肝炎、潰瘍性結腸炎および膜性糸球体症、シェーグレン症候群、ライター症候群、多発性筋炎・皮膚筋炎、全身性硬化症、結節性多発動脈炎、多発性硬化症および水疱性類天疱瘡、ならびに、コーガン症候群、ウェゲナー肉芽腫、自己免疫性脱毛症および甲状腺炎を包含する、O細胞(液性)ベースまたはT細胞ベースであってもよい追加の自己免疫疾患の治療を含む。
【0166】
他の実施形態において、本発明の方法および組成物は、I型糖尿病、若年発症糖尿病および糖尿病による合併症を包含する糖尿病の治療を含む。
【0167】
他の実施形態において、本発明の方法および組成物は、消化管/胃腸管がん、結腸がん、肝がん、皮膚がん、乳がん、卵巣がん、前立腺がん、リンパ腫、白血病(急性骨髄性白血病および慢性骨髄性白血病を包含する)、T細胞前リンパ球性白血病、腎臓がん、肺がん、筋肉がん、骨がん、膀胱がん、脳腫瘍、転移性黒色腫、カポジ肉腫、骨髄腫(多発性骨髄腫を包含する)、骨髄増殖性障害、増殖性糖尿病網膜症、および血管新生関連障害(固形腫瘍を包含する)を包含するがんまたは腫瘍の治療を含む。
【0168】
他の実施形態において、本発明の方法および組成物は、喘息、気管支炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気道過敏性、気管支喘息、アレルギー性喘息、内因性喘息、外因性喘息、塵埃喘息、嚢胞性線維症、肺水腫、肺塞栓症、肺炎、肺サルコイドーシス(sarcoisosis)、珪肺症、肺線維症、呼吸器不全、急性呼吸窮迫症候群および肺気腫等の呼吸器障害の治療を含む。
【0169】
他の実施形態において、本発明の方法および組成物は、エプスタイン・バーウイルス、B型肝炎、C型肝炎、HIV、HTLV1、水痘帯状疱疹ウイルスおよびヒトパピローマウイルス等のウイルス感染の治療を含む。
【0170】
他の実施形態において、本発明の方法および組成物は、座瘡、乾癬、湿疹、熱傷、ツタウルシ、アメリカツタウルシ、皮膚炎、アトピー性皮膚炎、掻痒および強皮症等の皮膚障害の治療を含む。
【0171】
他の実施形態において、本発明の方法および組成物は、手術後の疼痛および腫脹、手術後の感染、ならびに手術後の炎症等、手術による障害の治療を含む。
【0172】
他の実施形態において、本発明の方法および組成物は、膵島移植拒絶反応、骨髄移植拒絶反応、移植片対宿主病、骨髄、軟骨、角膜、心臓、椎間板、島、腎臓、肢、肝臓、肺、筋肉、筋芽細胞、神経、膵臓、皮膚、小腸または気管等の臓器および細胞移植拒絶反応、慢性および急性同種移植片拒絶反応、ならびに異種移植を包含する、移植拒絶反応の治療を含む。
【0173】
他の実施形態において、本発明の方法および組成物は、炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、クローン病、胃炎、過敏性腸症候群、下痢、便秘、赤痢、潰瘍性結腸炎、胃食道(gastric esophageal)逆流、胃潰瘍、胃静脈瘤、潰瘍、胸焼け、セリアック病、直腸炎、好酸球性胃腸炎および肥満細胞症等の胃腸障害の治療を含む。
【0174】
他の実施形態において、本発明の方法および組成物は、網膜症、ブドウ膜炎、眼球光恐怖症、眼組織への急性損傷、結膜炎、加齢黄斑変性糖尿病性網膜症、網膜剥離、緑内障、卵黄様黄斑ジストロフィー2型、脳回転状網膜脈絡膜萎縮、結膜炎、角膜感染、フックスジストロフィー、虹彩角膜内皮症候群、円錐角膜、格子状ジストロフィー、地図・点・指紋状ジストロフィー、眼ヘルペス、翼状片、近視、遠視、白内障、角結膜炎、春季カタル、角膜炎、ヘルペス性角膜炎、円錐角膜炎、角膜上皮ジストロフィー、角膜白斑、眼天疱瘡(premphigus)、モーレン潰瘍、強膜炎、グレーブス眼症、フォークト・小柳・原田症候群、乾性角結膜炎(ドライアイ)、小水疱、虹彩毛様体炎、サルコイドーシス、内分泌性眼障害、交感性眼炎、アレルギー性結膜炎、および眼性新血管形成等の眼科障害の治療を含む。
【0175】
他の実施形態において、本発明の方法および組成物は、慢性疼痛、急性疼痛、関節痛、侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛、異痛、痛覚過敏、灼熱痛、月経痛、腎臓結石、頭痛、片頭痛、副鼻洞性頭痛、緊張性頭痛、歯痛、重症筋無力症、多発性硬化症、サルコイドーシス、ベーチェット症候群、筋炎、多発性筋炎、歯肉炎、過敏症、負傷後に起こる腫脹、閉鎖性頭部外傷、子宮内膜症、血管炎、敗血症、グルタミン酸神経毒性または低酸素症、脳卒中における虚血/再灌流傷害、心筋虚血(ischemica)、腎虚血、心臓発作、脳卒中、心臓肥大、冠動脈疾患、アテローム硬化症および動脈硬化、臓器低酸素症、ならびに血小板凝集、脳卒中等を包含するがこれらに限定されない疼痛の治療を含む。
【0176】
JAK阻害に関連し、治療され得る疾患および障害の追加例は、WO2007/077949、米国特許公開第US2007/0259904号、同第US2007/0207995号、同第US2007/0203162号および同第US2006/0293311号において開示されているものを包含する。
【0177】
本明細書において記載されている化合物を、臓器移植拒絶反応の予防のために予防的に使用してもよい。例えば、本発明の化合物および医薬製剤を、臓器移植手術等の外科手術手技の前、最中および/または後に投与してもよい。
【0178】
別の実施形態は、JAK−1、JAK−2、JAK−3および/またはTyk−2を包含するJAK酵素を阻害する方法であって、JAK酵素を、非治療的量または治療有効量のいずれかの量の本化合物の1種または複数と接触させるステップを包含する方法を提供する。そのような方法は、インビボまたはインビトロで起こり得る。インビトロでの接触は、種々の量または濃度の選択された酵素に対する1種または複数の化合物の効能を決定するためのスクリーニングアッセイを伴い得る。治療有効量の1種または複数の化合物とのインビボでの接触は、該接触が起こる動物における、記載されている状態の治療または臓器移植拒絶反応の予防を伴い得る。JAK酵素および/または宿主動物に対する1種または複数の化合物の効果を決定または計測することもできる。JAK活性を決定するための方法は、実施例において記載されているもの、およびWO99/65908、WO99/65909、WO01/42246、WO02/00661、WO02/096909、WO2004/046112またはWO2007/012953において開示されているものを包含する。
【0179】
化学合成
本発明の化合物の調製のための代表的手順を、以下のスキームにおいて概説する。出発材料は、購入してもよいし、当業者に公知の方法を使用して調製してもよい。同様に、種々の中間体の調製も、当技術分野において公知の方法を使用して達成できる。以下の実施例によって実証される通り、本発明に含まれる化合物を生成するために、出発材料は様々であってもよく、追加ステップを用いてもよい。加えて、典型的には、異なる溶媒および試薬を使用して、上記の転換を達成することができる。さらに、ある特定の状況では、反応を実施する順序を変更することが有利となり得る。上記の転換を達成するためには、反応基の保護が必要な場合もある。一般に、保護基の必要性、およびそのような基を結合させ、除去するために必要な条件は、有機合成の当業者には明らかとなるであろう。保護基が用いられる場合、一般に脱保護も要求される。適切な保護基、ならびにProtecting Groups in Organic Synthesis、GreeneおよびWuts著に記載されているもの等の保護および脱保護のための方法論は、当技術分野において公知であり、理解されている。
【0180】
本明細書において記載されている化合物は、本願の実施例において説明される通りに合成され得る。A環の環式アミンは、Sigma Aldrich等の商用供給源から入手できる。
【0181】
一般的合成手順1
本明細書において記載されている化合物は、下記の一般的スキームIに従って合成することもできる。
【0182】
【化34】

【0183】
いくつかの合成法において、本発明の化合物の合成中、官能基を保護および脱保護する必要がある場合がある。本願において、保護基は、PgまたはPg1等、文字Pg単独でまたは数字表示を加えて指示される。当業者であれば、化合物の保護および脱保護が、例えば「Protective Groups in Organic Synthesis」TW GreeneおよびPGM Wuts著、John Wiley&Sons Inc(1999)ならびにその中の参考文献において記載されている通りの従来の方法によって達成され得ることを認識する。
【0184】
スキームIにおいて、4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(a)は市販品を入手できる(GL Synthesis,Inc.、Worchester、MA)。4−[(メチルアミノ)−シクロヘキシル]メタノール(b)は、テトラヒドロフラン等の非プロトン性無水溶媒中で起こり得る水素化アルミニウムリチウム等の還元剤での処理により、対応するカルボン酸、4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]シクロヘキサンカルボン酸から取得できる。(a)から(b)への変換は、典型的には約0から60℃の間の温度範囲で起こり得、反応の完了には数時間を要し得る。
【0185】
スキームIに示す通り、構造(c)の化合物は、トリエチルアミンおよび/または炭酸カリウム等の適切な塩基の存在下、極性非プロトン性溶媒、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、ジオキサン水溶液および/またはジメチルスルホキシド等の適切な溶媒中における、4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(a)と4−[(メチルアミノ)−シクロヘキシル]メタノール(b)との反応によって合成され得る。この反応は、最大約90℃の高温で起こり得、反応は最大数時間以上にわたって起こり得る。
【0186】
構造(d)の化合物は、構造(c)の化合物から、上記に示した通りに合成され得る。例えば、構造(d)の化合物は、塩化メチレン等の極性非プロトン性溶媒中、臭化チオニルまたは三臭化リン等の臭素化試薬を使用して非保護シクロヘキシルメチルブロミドを得、これに塩化トシル等の適切な保護試薬を添加して構造(d)の保護化合物を生じさせ得ることで合成できる。
【0187】
構造(e)の化合物は、構造(c)の化合物から、保護過程を使用して調製され得る。例えば、PgおよびPg1がいずれもトシルである場合、(e)は、1ステップ反応において、塩化メチレン等の極性非プロトン性溶媒、DMAP等の触媒、およびトリエチルアミン等の弱塩基の存在下、構造(c)の非保護化合物を塩化トシルで処理すると調製できる。
【0188】
構造(f)の化合物は、構造(e)の化合物から、適切な求核試薬を使用するS−アルキル化によって合成され得る。故に、保護基(Pg1)がトシルまたはメシル等の適切なヒドロキシル保護基である構造(e)の化合物を、ジメチルスルホキシドまたはN−メチルピロリジン等の極性溶媒中、チオ酢酸カリウムと反応させて、構造(f)の化合物を生じさせることができる。この反応は、最大75℃の高温で起こり得、最大2時間以上にわたって起こり得る。
【0189】
構造(g)の化合物は、式(f)の化合物から、酸化手順によって合成され得る。酸化ステップは本スキームにとって重大なものではなく、多くの酸化条件、例えば、「Handbook of Reagents for Organic Synthesis−Oxidising and Reducing Agents」、S.D.BurkeおよびR.L.Danheiser編において記載されているものが当業者に公知である。いくつかの実施形態において、水で湿らされていてもよい構造(f)の化合物をギ酸で処理し、続いて過酸化水素をゆっくり添加してもよい。そのような反応は、室温で撹拌しながら、最大約15時間以上にわたって起こり、構造(g)の化合物を生じさせることができる。代替として、Oxone(登録商標)(DuPont)を酢酸等の極性溶媒中で用いてもよい。一実施形態において、反応は酢酸カリウムの存在下で実施され、式(g)の化合物のカリウム塩が生成される。
【0190】
構造(g)の化合物は、構造(e)の化合物から、極性溶媒中、亜硫酸ナトリウム等の適切な硫黄求核試薬で処理すると直接合成できる。代替として、構造(g)の化合物は、構造(d)の化合物から、亜硫酸ナトリウムで求核置換すると合成できる。
【0191】
N,N−ジメチルホルムアミド等の極性共溶媒を加えた塩化メチレン等の極性非プロトン性溶媒中、塩化チオニル等の塩素化剤での式(g)のスルホン酸の処理により、適切な塩素化合物を提供することができる。この反応は、還流条件下で起こり得る。次いで、塩素化合物を、テトラヒドロフラン等の非プロトン性無水溶媒中で、未希釈のガス状形態であってもよい適切なアミンと反応させるか、またはテトラヒドロフラン等の非プロトン性無水溶媒に溶解して、構造(h)の化合物を提供することができる。いくつかの実施形態において、この反応は室温で起こり得る。場合により、トリエチルアミン等の無水弱塩基を使用して、反応中に生じた塩酸を拭き取ってもよい。
【0192】
本発明の式Iaの化合物は、Pgが適切な保護基である式(h)の化合物から、当業者に公知の脱保護手順によって調製され得る。例えば、保護基(Pg)がトシルである場合、適切な脱保護条件は、メタノールまたはイソプロパノール等のプロトン性溶媒ならびに場合によりテトラヒドロフランおよび水等の混和性共溶媒中における、水酸化リチウムまたは水酸化カリウム等の塩基との反応を伴う。この脱保護反応は、ほぼ室温で数時間以上にわたって起こり得、それにより、式Iaの脱保護アミンを生成することができる。
【0193】
一般的合成手順2
本明細書において記載されている化合物は、下記の一般的スキーム2に従って合成した。
【0194】
【化35】

【0195】
実施例において、Tsは、下記の構造を有するトシル基を指し、ここで、
【0196】
【化36】

は、結合点を指示する。
【0197】
【化37】

【0198】
ステップ1:((1r,4r)−4−(メチル(7−トシル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ)シクロヘキシル)メタンスルホン酸(4.2g、8.75mmol)、ジクロロメタン(80mL)およびN,N’−ジメチルホルムアミド(300μL)で満たした250mlの丸底フラスコに、塩化チオニル(10mL)を22〜28℃で10分間かけてゆっくり添加した(反応は発熱性であり、添加中にガスが発生した)。反応混合物を3時間加熱還流した。反応物を室温に冷却し、N下で終夜撹拌した。溶媒のほとんどを、減圧下、次いで高真空下で少なくとも2時間蒸発させて乾燥褐色固体を生じさせ、これを全く精製することなく直ちに次のステップに使用した。
【0199】
ステップ2:2mL(125μmol)の、無水N,N’−ジメチルホルムアミド中のステップ1から新たに調製したスルホニルクロリド(0.0625M)を、200μmolの適切なアミン、RNHで満たしたバイアルに添加し、続いて100μLのトリエチルアミンを添加した。反応混合物を室温で16時間振とうした後、溶媒を減圧下で蒸発させた。2mLの5%NaCOおよび2mLの酢酸エチルの溶液をバイアルに添加した。混合物をボルテックスし、遠心分離した。有機相を収集し、減圧下で濃縮乾固した。
【0200】
ステップ3:試料を1mLのMeOH/THF/H2O(2/2/1、v/v/v)に再溶解した。0.1mLの2N水酸化リチウム(200μmol)を添加し、反応混合物を室温で終夜撹拌した。溶媒を除去し、試料を1.5mLのジメチルスルホキシドで希釈し、HPLCによって精製した。
【0201】
一般的合成手順3
本明細書において記載されている化合物は、下記の一般的スキーム3に従って合成することもできる。
【0202】
【化38】

【実施例】
【0203】
(実施例1)
【0204】
【化39】

(R)−1−(trans−4−(メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ)シクロヘキシル)−メチルスルホニル)ピロリジン−3−オール
ステップ1:(R)−1−(trans−4−(メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ)シクロヘキシル)メチルスルホニル)ピロリジン−3−オールの合成
Trans−4−(メチル(7−トシル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ)シクロヘキシル)メタンスルホン酸(0.5g、1.04mmol)を、ジクロロメタン(4mL)およびN,N’−ジメチルホルムアミド(50μL)の溶液に懸濁した。系を窒素でフラッシュし、塩化チオニル(0.38mL、5.22mmol)を滴下添加した。反応混合物を40〜45℃で2時間加熱し、真空濃縮し、残留物をクロロホルム(5mL)に溶解した。トリエチルアミン(0.3mL)、続いてクロロホルム(5mL)中の(3R)−3−ピロリジノール(383mg、4.18mmol)の溶液を添加した。反応混合物を、窒素下室温で終夜撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和NaHCO水溶液で洗浄した。有機層をブラインで洗浄し、真空濃縮した。残留物を、テトラヒドロフラン(3mL)、メタノール(3mL)および水(1mL)の混合物に溶解した。水酸化リチウム(50mg、2.08mmol)を添加し、反応混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を蒸発させ、水を添加した。得られた沈殿物を濾過し、水で洗浄した。生成物を白色固体(210mg、51%)として単離した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.19-1.45 (m, 2 H) 1.63-1.99 (m, 7 H)
2.05 (d, J=11.27 Hz, 2 H) 2.90-3.06 (m, 2 H) 3.08-3.23 (m, 4 H) 3.25-3.46 (m, 3
H) 4.29 (br s, 1 H) 4.68 (br s, 1 H) 5.06 (d, J=3.07 Hz, 1 H) 6.53 (br s, 1 H)
7.01-7.29 (m, 1 H) 8.09 (s, 1 H) 11.60 (br s, 1 H). LCMS m/z 394.1 (C18H27N5O3SのM+H計算値は394.18).LCMS(C−18カラム、勾配溶離10分クロマトグラフ、95:5から5:95 水/アセトニトリル、保持時間3.02分)。
【0205】
(実施例2)
【0206】
【化40】

(1−((Trans−4−(メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ)シクロヘキシル)−メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル)メタノール
ステップ1:(1−((Trans−4−(メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ)シクロヘキシル)メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル)メタノールの合成
Trans−4−(メチル(7−トシル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ)−シクロヘキシル)メタンスルホン酸(0.5g、1.04mmol)を、ジクロロメタン(4mL)およびN,N’−ジメチルホルムアミド(50μL)の溶液に懸濁した。系を窒素でフラッシュし、塩化チオニル(0.38mL、5.22mmol)を滴下添加した。反応混合物を40〜45℃で2時間加熱し、真空濃縮し、残留物をクロロホルム(5mL)に溶解した。トリエチルアミン(0.3mL)、続いてクロロホルム(5mL)中の4−(ヒドロキシメチル)ピペリジン(507mg、4.18mmol)の溶液を添加した。反応混合物を、窒素下室温で終夜撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和NaHCO水溶液で洗浄した。有機層をブラインで洗浄し、真空濃縮した。残留物を、テトラヒドロフラン(3mL)、メタノール(3mL)および水(1mL)の混合物に溶解した。水酸化リチウム(50mg、2.08mmol)を添加し、反応混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を蒸発させ、分取逆相HPLCによって精製した(生成物を210nmで収集した)。合わせた画分を蒸発させ、得られた固体をメタノールに溶解し、次いでビカーボネートカラムに通して濾過した。得られた沈殿物を濾過し、水で洗浄した。生成物を白色固体(81mg)として単離した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.04-1.21 (m, 2 H) 1.23-1.39 (m, 2 H)
1.48 (br s, 1 H) 1.65-1.80 (m, 6 H) 1.87 (d, J=10.92 Hz, 1 H) 2.03 (br s, 2 H)
2.65-2.82 (m, 2 H) 2.85-3.01 (m, 2 H) 3.17 (s, 3 H) 3.28 (d, J=3.76 Hz, 2 H)
3.60 (d, J=11.95 Hz, 2 H) 4.53 (br s, 1 H) 4.66 (br s, 1 H) 6.55 (br s, 1 H)
7.13 (d, J=2.73 Hz, 1 H) 8.10 (s, 1 H) 11.66 (br s, 1 H). LCMS m/z 422.1 (C20H31N5O3SのM+H計算値は422.21).LCMS(C−18カラム、勾配溶離10分クロマトグラフ、95:5から5:95 水/アセトニトリル、保持時間3.37分)。
【0207】
表1中の化合物は、一般的合成手順1に従って合成した。
【0208】
【表1−1】

【0209】
【表1−2】

【0210】
【表1−3】

【0211】
【表1−4】

【0212】
【表1−5】

【0213】
【表1−6】

【0214】
(実施例40)
【0215】
【化41】

(3R)−1−[({trans−4−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]−シクロヘキシル}メチル)スルホニル]ピペリジン−3−オール
((1r,4r)−4−(メチル(7−トシル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ)シクロヘキシル)メタンスルホン酸(250mg、0.52mmol)を、ジクロロメタン(4mL)およびN,N’−ジメチルホルムアミド(100μL)の溶液に懸濁した。系を窒素でフラッシュし、塩化チオニル(0.15mL、2.1mmol)を滴下添加した。反応混合物を40〜45℃で2時間加熱し、真空濃縮し、残留物をクロロホルム(10mL)に溶解した。ジイソプロピルエチルアミン(0.25mL、1.4mmol)、続いて(R)−3−ヒドロキシピペリジン塩酸塩の溶液(100mg、0.727mmol)を添加した。反応混合物を真空濃縮した。残留物を、テトラヒドロフラン(3mL)およびメタノール(3mL)の混合物に溶解した。水酸化リチウム(10mg、0.4mmol)を添加し、反応混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を蒸発させ、水を添加した。得られた沈殿物を濾過し、水およびジエチルエーテルで順次洗浄した。生成物を白色固体(58mg、85%)として単離した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.09 - 1.36 (m, 2 H) 1.37 - 1.53 (m, 1
H) 1.60 - 1.75 (m, 4 H) 1.78 - 1.93 (m, 2 H) 2.04 (d, J=10.92 Hz, 2 H) 2.60
(dd, J=10.75, 8.36 Hz, 1 H) 2.72 - 2.82 (m, 1 H) 2.75 - 2.84 (m, 1 H) 2.95 (t,
J=6.49 Hz, 2 H) 3.16 (s, 3 H) 3.26 - 3.41 (m, 2 H) 3.44 - 3.62 (m, 2 H) 4.58 -
4.75 (m, 1 H) 5.01 (d, J=4.10 Hz, 1 H) 6.53 (d, J=2.73 Hz, 1 H) 7.12 (d, J=3.07
Hz, 1 H) 8.09 (s, 1 H) 11.60 (br. s., 1 H)
【0216】
表2中の化合物は、一般的合成手順2に従って合成した。
【0217】
【表2−1】

【0218】
【表2−2】

【0219】
【表2−3】

【0220】
【表2−4】

【0221】
【表2−5】

【0222】
【表2−6】

【0223】
【表2−7】

【0224】
【表2−8】

【0225】
【表2−9】

【0226】
【表2−10】

【0227】
【表2−11】

【0228】
【表2−12】

【0229】
【表2−13】

【0230】
【表2−14】

【0231】
(実施例128)
【0232】
【化42】

4−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−メチル−安息香酸
ステップ1:4−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−メチル−安息香酸の合成
水(400mL)中の4−アミノ−3−メチル安息香酸(35.1g、232mmol)の混合物を、2.5N NaOH(200mL、500mmol)およびクロロギ酸ベンジル(37.0mL、259mmol)で処理した。1時間後、150mLの水を添加し、得られた混合物を氷酢酸(15mL)で処理し、固体を濾過によって収集した。濾過ケーキを水ですすぎ、得られた固体を酢酸エチル/2−メチルテトラヒドロフランに溶かした。有機物をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。得られた固体を真空下で乾燥させて、45.1gの表題化合物を生じさせた。LCMS m/z = 307.9 MH+, 保持時間= 2.508分.
【0233】
ステップ2:4−(ベンジルオキシカルボニル−メチル−アミノ)−3−メチル−安息香酸メチルエステルの合成
【0234】
【化43】

N,N−ジメチルホルムアミド(150mL)中の60%水素化ナトリウム(13.1g、330mmol)の冷蔵(氷/水浴)スラリーに、N,N−ジメチルホルムアミド(250mL)中の4−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−メチル−安息香酸(45.1g、158mmol)の溶液を滴下添加した。添加は約1時間かけて完了した。2時間後、氷浴を取り外し、混合物を撹拌して周囲温度とした。1時間後、ヨードメタン(44ml、680mmol)を添加した。混合物を16時間撹拌し、氷酢酸(1.0mL)を添加し、混合物を濃縮した。得られた懸濁液を水で処理し、ジエチルエーテル(3×250mL)で抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。得られた油を、0→35%酢酸エチル/ヘプタンを使用するクロマトグラフィー(SiO)にかけて、45.2gの表題化合物を得た。LCMS m/z = 313.9 MH+, 保持時間= 3.134分.
【0235】
ステップ3:(cis,cis)−3−メチル−4−メチルアミノ−シクロヘキサンカルボン酸メチルエステル塩酸塩の合成
【0236】
【化44】

4−(ベンジルオキシカルボニル−メチル−アミノ)−3−メチル−安息香酸メチルエステル(45.0g、144mmol)、氷酢酸(250mL)および5%ロジウム−アルミナの混合物を、48PSIのH下で2時間撹拌した。反応物をNでパージし、H圧を再度48PSIに調整した。60℃の加熱マントルを使用して混合物を加熱し、48時間撹拌した。混合物を冷却し、セライトに通して濾過し、濾過ケーキをメタノールですすいだ。濾液を濃HCl(14ml、168mmol)で処理し、混合物を濃縮した。トルエンおよびメタノールを添加し、混合物を再度濃縮した。得られた橙色/褐色油を、45mLのメタノールおよび250mLのジエチルエーテルで処理した。得られた固体を濾過し、10%メタノール/ジエチルエーテル(100ml)、ジエチルエーテル(100mL)で洗浄し、乾燥させて、16.9gの表題化合物を生じさせた。MS m/z = 186.1 MH+.
【0237】
ステップ4:(cis,cis)−N−(4−メトキシカルボニル−2−メチル−シクロヘキシル)−N−メチル−フタルアミド酸メチルエステルの調製
【0238】
【化45】

3−メチル−4−メチルアミノ−シクロヘキサンカルボン酸メチルエステル塩酸塩(16.8g、75.8mmol)を、ジクロロメタン(175mL)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(34mL、200mmol)で処理した。氷/水浴を使用して混合物を冷蔵し、75mLのジクロロメタン中の2−クロロカルボニル−安息香酸メチルエステル(18.1g、90.9mmol)の溶液を20分間かけて添加した。冷却浴を取り外し、混合物を追加で1時間撹拌した。水を添加し、層を分離し、有機物を濃縮し、得られた油を、0→60%酢酸エチル/ヘプタンを使用するクロマトグラフィー(SiO)にかけて、22.6gの表題化合物を生じさせた。LCMS m/z = 347.9 MH+, 2.543分.
【0239】
ステップ5:(cis,trans)−N−4−メトキシカルボニル−2−メチル−シクロヘキシル)−N−メチル−フタルアミド酸メチルエステルの調製
【0240】
【化46】

メタノール(65mL)中の(cis,cis)−N−(4−メトキシカルボニル−2−メチル−シクロヘキシル)−N−メチル−フタルアミド酸メチルエステル(20.0g、57.6mmol)の溶液を、1,5−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデカ−5−エン(4.0mL、26mmol)で処理した。溶液をほぼ5等分に分配し、これを個々に、密閉管中、マイクロ波照射を使用して95℃に加熱した。6時間後、混合物を合わせ、濃縮し、得られた油を、0→75%酢酸エチル/ヘプタンを使用するクロマトグラフィー(SiO)にかけて、17.71gの表題化合物を生じさせた。LCMS m/z = 347.9 MH+, 2.537分.
【0241】
ステップ6:(cis,trans)−2−ヒドロキシメチル−N−(4−ヒドロキシメチル−2−メチル−シクロヘキシル)−N−メチル−ベンズアミドの調製
【0242】
【化47】

2−プロパノール(14mL)および水(3mL)中の(cis,trans)−N−4−メトキシカルボニル−2−メチル−シクロヘキシル)−N−メチル−フタルアミド酸メチルエステル(0.540g、1.5mmol)の混合物を、水素化ホウ素ナトリウム(0.312g、5.3mmol)で処理した。21時間後、氷酢酸(0.5mL)を慎重に添加し、得られた混合物をSiOに吸着させ、0→10%メタノール/ジクロロメタンを使用するクロマトグラフィー(SiO)にかけて、0.384gの表題化合物を生じさせた。LCMS m/z = 292.0 MH+, 1.840分.
【0243】
ステップ7:(trans,trans)−3−メチル−4−{メチル−[7−(トルエン−4−スルホニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−アミノ}−シクロヘキシル)−メタノールの調製
【0244】
【化48】

n−ブチルアルコール(20mL)中の(cis,trans)−2−ヒドロキシメチル−N−(4−ヒドロキシメチル−2−メチル−シクロヘキシル)−N−メチル−ベンズアミド(1.70g、5.8mmol)の混合物を、氷酢酸(0.1mL、1.8mmol)で処理した。密閉管中、マイクロ波照射を使用して混合物を120℃に加熱した。1時間後、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(2.5mL、14mmol)および化合物4−クロロ−7−トシル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(2.00g、6.5mmol)を添加した。マイクロ波照射を使用して混合物を再度120℃に加熱した。8時間後、混合物を冷却し、濃縮し、10→50%(酢酸エチル中10%メタノール)/ヘプタンを使用するクロマトグラフィー(SiO)にかけて、1.92gの表題化合物を生じさせた。LCMS m/z 428.9 MH+, 2.569分.
【0245】
ステップ8:(trans,trans)−トルエン−4−スルホン酸−3−メチル−4−{メチル−[7−(トルエン−4−スルホニル)−7H−ピロロ[2,3−]ピリミジン−4−イル]−アミノ}−シクロヘキシルメチルエステルの調製
【0246】
【化49】

ジクロロメタン(50mL)中の(trans,trans)−3−メチル−4−{メチル−[7−(トルエン−4−スルホニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−アミノ}−シクロヘキシル)−メタノール(1.92g、4.5mmol)の混合物を、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(2.2mL、13mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(0.060g、0.5mmol)およびp−トルエンスルホニルクロリド(1.86g、9.5mmol)で処理した。混合物を50℃の浴中で2.5時間加熱した。次いで、氷/水浴を使用して混合物を冷蔵し、追加のN,N−ジイソプロピルエチルアミン(2.2mL、13mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(0.085g、0.7mmol)およびp−トルエンスルホニルクロリド(1.86g、9.5mmol)を添加した。混合物を、周囲温度に加温しながら終夜撹拌した。24時間後、混合物を濃縮し、0→75%酢酸エチル/ヘプタンを使用するクロマトグラフィー(SiO)にかけて、1.11gの表題化合物を生じさせた。LCMS m/z 582.9 MH+, 3.693分.
【0247】
ステップ9:(trans,trans)−チオ酢酸S−(3−メチル−4−{メチル−[7−(トルエン−4−スルホニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−アミノ}−シクロヘキシルメチル)エステルの調製
【0248】
【化50】

メチルスルホキシド(8mL)中の(trans,trans)−トルエン−4−スルホン酸3−メチル−4−{メチル−[7−(トルエン−4−スルホニル)−7H−ピロロ[2,3−]ピリミジン−4−イル]−アミノ}−シクロヘキシルメチルエステル(1.10g、1.9mmol)の混合物を、チオ酢酸カリウム(0.237g、2.1mmol)で処理した。終夜撹拌後、この溶液を飽和NaHCO溶液(15mL)に添加した。得られた固体を濾過し、HOで洗浄し、0→50%酢酸エチル/ヘプタンを使用するクロマトグラフィー(SiO)にかけて、0.747gの表題化合物を得た。LCMS m/z 487.2 MH+, 3.778分.
【0249】
ステップ10:(trans,trans)−(3−メチル−4−{メチル−[7−(トルエン−4−スルホニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−アミノ}−シクロヘキシル)−メタンスルホン酸の調製
【0250】
【化51】

ギ酸(4mL)中の(trans,trans)−チオ酢酸S−(3−メチル−4−{メチル−[7−(トルエン−4−スルホニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−アミノ}−シクロヘキシルメチル)エステル(0.740g、1.5mmol)の混合物を、約30%Hで滴下処理した。1時間後、この混合物を、水(9mL)中のメタ重亜硫酸ナトリウム(0.540g、2.8mmol)の混合物に添加した。次いで、得られた混合物のpHを、50%NaOH溶液(約5.0mL)を使用して約5に調整した。液体をデカントし、固体を、0→15%メタノール/ジクロロメタンを使用するクロマトグラフィー(SiO)にかけて、0.658gの表題化合物を得た。LCMS m/z 492.9 MH+, 2.029分.
【0251】
ステップ11:(trans,trans)−N−メチル−C−(3−メチル−4−{メチル−[7−(トルエン−4−スルホニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−アミノ}−シクロヘキシル)−メタンスルホンアミドの調製
【0252】
【化52】

ステップ11a:ジクロロメタン(5.0mL)中の(trans,trans)−(3−メチル−4−{メチル−[7−(トルエン−4−スルホニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−アミノ}−シクロヘキシル)−メタンスルホン酸(0.519g、1.1mmol)の混合物を、N,N−ジメチルホルムアミド(0.1mL)および塩化チオニル(0.30mL、4mmol)で処理した。40℃のアルミニウムブロックを使用して、混合物を加熱した。30分後、反応物を濃縮して残留物を生じさせ、これをジクロロメタンで処理し、再度濃縮し、高真空下で乾燥させて、763mgの粗固体を生じさせ、これをさらに精製することなく使用した。
【0253】
ステップ11b:ステップ11aの固体の一部(539mg)を、クロロホルム(10mL)で処理し、テトラヒドロフラン中のメチルアミンの2.0M溶液(5.0mL、10mmol)を添加した。40℃のアルミニウムブロックを使用して、混合物を加熱した。1.5時間後、反応物を濃縮し、残留物を酢酸エチルと水とに分配した。有機層を分離し、濃縮し、得られた残留物を、0→75%酢酸エチル/ヘプタンを使用するクロマトグラフィー(SiO)にかけて、0.301gの表題化合物を生じさせた。LCMS m/z 505.9 MH+, 2.659分.
【0254】
ステップ12:(trans,trans)−N−メチル−C−{3−メチル−4−[メチル−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−アミノ]−シクロヘキシル}−メタンスルホンアミドの調製
【0255】
【化53】

テトラヒドロフラン(3.5mL)およびメタノール(3.5mL)中の(trans,trans)−N−メチル−C−(3−メチル−4−{メチル−[7−(トルエン−4−スルホニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−アミノ}−シクロヘキシル)−メタンスルホンアミド(0.295g、0.58mmol)の混合物を、HO(1.0mL)中のLiOH(38.4mg、1.6mmol)で処理した。終夜撹拌後、1滴の氷酢酸を添加し、混合物を濃縮した。残留物を、0→15%メタノール/酢酸エチルを使用するクロマトグラフィー(SiO)にかけて固体を生じさせ、これをメタノール/ジエチルエーテルから濾過して、0.082gの表題化合物を得た。LCMS m/z 352.0 MH+, 1.639分.
【0256】
キラルパックAD−H 30×250mmカラムを使用して、この材料の異性体を精製した。70ml/分で40%MeOH/60%COを用いる溶離。
【0257】
表3中の化合物は、一般的合成手順3に従って合成した。
【0258】
【表3】

【0259】
(実施例133)
【0260】
【化54】

((3S)−1−((3−メチル−4−(メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ)シクロヘキシル)メチルスルホニル)ピロリジン−3−イル)メタノール
ステップA:(3−メチル−4−(メチル(7−トシル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ)シクロヘキシル)メタンスルホニルクロリドの調製
(3−メチル−4−(メチル(7−トシル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ)シクロヘキシル)メタンスルホン酸(0.400g、0.81mmol)、CHCl(10mL)およびDMF(50uL)の混合物を、塩化チオニルで処理し、40℃に加温した。1.5時間後、混合物を冷却し、トルエン(5mL)で処理し、濃縮した。得られた材料をEt2Oで細砕し、乾燥させて(3−メチル−4−(メチル(7−トシル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ)シクロヘキシル)メタンスルホニルクロリドを得、これを追加操作なしで直ちに使用した。C22H27ClN4O4S2のMS (ESI) (MH)+ m/z = 512.
【0261】
ステップB:((3S)−1−((3−メチル−4−(メチル(7−トシル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ)シクロヘキシル)メチルスルホニル)ピロリジン−3−イル)メタノールの調製
(S)−ピロリジン−3−イルメタノール(0.150g、1.5mmol)、CHCl(5mL)およびDIEA(0.5mL、3mmol)の混合物を、(3−メチル−4−(メチル(7−トシル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ)シクロヘキシル)メタンスルホニルクロリド(0.208g、0.41mmol)、CHCl(3.0mL)およびDMF(1.5mL)の混合物で処理した。1時間後、混合物を濃縮し、得られた残留物を、CHCl中0→8%MeOHを使用するクロマトグラフィーにかけた。生成物画分をプールし、濃縮して、((3S)−1−((3−メチル−4−(メチル(7−トシル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ)シクロヘキシル)メチルスルホニル)ピロリジン−3−イル)メタノール(0.126g(54%)を生じさせた。C27H37N5O5S2のMS (ESI) (MH)+ m/z = 576.
【0262】
ステップC:((3S)−1−((3−メチル−4−(メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ)シクロヘキシル)メチルスルホニル)ピロリジン−3−イル)メタノールの調製
((3S)−1−((3−メチル−4−(メチル(7−トシル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ)シクロヘキシル)メチルスルホニル)ピロリジン−3−イル)メタノール(0.050g、0.09mmol)、LiOH(0.009g、0.4mmol)、MeOH(1.5mL)、THF(1.5mL)およびH2O(1.0mL)の混合物を、終夜撹拌した。次いで、混合物を1滴のAcOHで処理し、混合物を濃縮した。得られた混合物を、逆相クロマトグラフィーを使用して精製して、表題化合物を得た。C20H31N5O3SのMS (ESI) (MH)+ m/z = 422.
【0263】
(実施例134)
【0264】
【化55】

trans−(R)−1−((4−(メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ)シクロヘキシル)メチルスルホニル)ピペリジン−3−イルピバレート
trans−(R)−1−((4−(メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ)シクロヘキシル)メチルスルホニル)ピペリジン−3−オール(0.400g、0.98mmol)、DMF(10mL)およびDIEA(0.25mL、1.4mmol)の混合物を、塩化ピバロイル(0.10mL、0.81mmol)で処理し、混合物を周囲温度で終夜撹拌した。混合物を濃縮し、得られた残留物を、CHCl中0→5%MeOHを使用するSiO上でのクロマトグラフィーにかけた。所望の生成物画分をプールし、濃縮して、表題化合物(0.182g、38%)を得た。C24H37N5O4SのMS (ESI) (MH)+ m/z = 492.
【0265】
(実施例135)
【0266】
【化56】

{(3r,4r)−4−メチル−1−[({trans−4−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロヘキシル}メチル)スルホニル]ピロリジン−3−イル}メタノール
((1r,4r)−4−(メチル(7−トシル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ)−シクロヘキシル)メタンスルホン酸(0.5g、1.04mmol)を、ジクロロメタン(4mL)およびN,N’−ジメチルホルムアミド(50μL)の溶液に懸濁した。系を窒素でフラッシュし、塩化チオニル(0.38mL、5.22mmol)を滴下添加した。反応混合物を40〜45℃で2時間加熱し、真空濃縮し、残留物をクロロホルム(5mL)に溶解した。ジイソプロピルエチルアミン(5mL)、続いてクロロホルム(5mL)中の((3r,4r)−4−メチルピロリジン−3−イル)メタノール(241mg、2.09mmol)の溶液を添加した。反応混合物を、窒素下室温で終夜撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和NaHCO水溶液で洗浄した。有機層をブラインで洗浄し、真空濃縮した。残留物を、テトラヒドロフラン(10mL)、メタノール(10mL)および水(2mL)の混合物に溶解した。水酸化リチウム(100mg)を添加し、反応混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を蒸発させ、水を添加した。得られた沈殿物を濾過し、水およびジエチルエーテルで順次洗浄した。生成物を白色固体(273mg、62%)として単離した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 0.98 (d, J=6.59 Hz, 3 H) 1.22 - 1.33
(m, 2 H) 1.67 (d, J=7.32 Hz, 4 H) 1.85 (d, J=4.76 Hz, 2 H) 1.88 (br. s., 1 H)
1.95 - 2.06 (m, 3 H) 2.81 (t, J=9.15 Hz, 1 H) 2.98 (d, J=6.22 Hz, 2 H) 3.02 -
3.11 (m, 1 H) 3.14 (s, 3 H) 3.35 - 3.41 (m, 1 H) 3.42 - 3.49 (m, 2 H) 4.68 (t,
J=5.12 Hz, 2 H) 6.51 (br. s., 1 H) 7.08 - 7.13 (m, 1 H) 8.07 (s, 1 H) 11.58
(br. s., 1 H). LCMS m/z 423.1 (C20H31N5O3SのM+H計算値は423).LCMS(C−18カラム、勾配溶離5分クロマトグラフ、95:5から5:95 水/アセトニトリル、保持時間1.77分)。
【0267】
(実施例136)
【0268】
【化57】

N−メチル−N−(trans−4−{[(4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル]メチル}シクロヘキシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン
((1r,4r)−4−(メチル(7−トシル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ)シクロヘキシル)−メタンスルホン酸(1g、2.09mmol)を、ジクロロメタン(4mL)およびN,N’−ジメチルホルムアミド(50μL)の溶液に懸濁した。系を窒素でフラッシュし、塩化チオニル(0.75mL、10mmol)を滴下添加した。反応混合物を40〜45℃で2時間加熱し、真空濃縮し、残留物をクロロホルム(5mL)に溶解した。トリエチルアミン(0.5mL)、続いてクロロホルム(5mL)中の1−メチルピペラジン(0.7mL、6.27mmol)の溶液を添加した。反応混合物を、窒素下室温で終夜撹拌した。反応混合物を真空濃縮した。残留物を、テトラヒドロフラン(3mL)、メタノール(3mL)および水(1mL)の混合物に溶解した。水酸化リチウム(250mg)を添加し、反応混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を蒸発させ、分取逆相HPLCによって精製した。合わせた画分を蒸発させ、得られた固体をメタノールに溶解し、次いでビカーボネートカラムに通して濾過した。得られた沈殿物を濾過し、水で洗浄した。生成物を白色固体(105mg)として単離した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.12 - 1.41 (m, 2 H) 1.55 - 1.74 (m, 4
H) 1.84 (d, J=3.52 Hz, 1 H) 1.91 - 2.03 (m, 2 H) 2.15 (s, 3 H) 2.45 (dt,
J=3.76, 1.93 Hz, 3 H) 2.91 (d, J=6.45 Hz, 2 H) 3.03 - 3.19 (m, 7 H) 3.27 (s, 1
H) 4.46 - 4.78 (m, 1 H) 6.47 (d, J=3.52 Hz, 1 H) 7.06 (d, J=3.71 Hz, 1 H) 8.03
(s, 1 H) 11.53 (d, J=1.17 Hz, 1 H).
【0269】
(実施例137)
【0270】
【化58】

3−メチル−1−[({trans−4−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロヘキシル}メチル)スルホニル]ピロリジン−3−オール
((1r,4r)−4−(メチル(7−トシル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ)シクロヘキシル)−メタンスルホン酸(1g、2.09mmol)を、ジクロロメタン(4mL)およびN,N’−ジメチルホルムアミド(50μL)の混合物に懸濁した。系を窒素でフラッシュし、塩化チオニル(0.75mL、10mmol)を滴下添加した。反応混合物を40〜45℃で2時間加熱し、真空濃縮し、残留物をクロロホルム(5mL)に溶解した。トリエチルアミン(5mL)、続いてクロロホルム(5mL)中の2−メチルピロリジン−3−オール(241mg、2.09mmol)の溶液を添加した。反応混合物を真空濃縮した。残留物を、テトラヒドロフラン(10mL)、メタノール(10mL)および水(2mL)の混合物に溶解した。水酸化リチウム(100mg)を添加し、反応混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を蒸発させ、水を添加した。得られた沈殿物を濾過し、水およびジエチルエーテルで順次洗浄した。生成物を白色固体(200mg、23%)として単離した。1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.21 - 1.29 (m, 5 H) 1.62 - 1.70 (m, 4
H) 1.74 - 1.82 (m, 2 H) 1.83 - 1.87 (m, 1 H) 2.01 (ddd, J=10.30, 6.73, 3.30 Hz,
2 H) 2.46 (br. s., 3 H) 2.94 (qd, J=13.92, 6.05 Hz, 2 H) 3.06 - 3.09 (m, 1 H)
3.10 - 3.15 (m, 3 H) 3.27 - 3.36 (m, 2 H) 4.79 (s, 1 H) 6.48 (d, J=2.20 Hz, 1
H) 7.05 - 7.08 (m, 1 H) 8.04 (s, 1 H) 11.49 (br. s., 1 H). LCMS m/z 409.8 (C19H29N5O3SのM+H計算値は409).LCMS(C−18カラム、勾配溶離5分クロマトグラフ、95:5から5:95 水/アセトニトリル、保持時間1.36分)。
【0271】
(実施例138)
【0272】
【化59】

N−(trans−4−{[(3−イソブトキシピペリジン−1−イル)スルホニル]メチル}シクロヘキシル)−N−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン
((1r,4r)−4−(メチル(7−トシル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ)シクロヘキシル)−メタンスルホン酸(1g、2mmol)を、ジクロロメタン(100mL)およびN,N’−ジメチルホルムアミド(100μL)の溶液に懸濁した。系を窒素でフラッシュし、オキサリルクロリド(0.73mL、8.36mmol)を滴下添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、真空濃縮し、残留物をクロロホルム(100mL)に溶解した。ジイソプロピルエチルアミン(3.7mL、20.9mmol)、続いて固体3−イソブトキシピペリジン(657mg、4.18mmol)を添加した。反応混合物を真空濃縮した。残留物を、テトラヒドロフラン(20mL)、メタノール(20mL)および水(5mL)の混合物に溶解した。水酸化リチウム(500mg)を添加し、反応混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を蒸発させ、水を添加した。得られた沈殿物を濾過し、水およびヘキサンで順次洗浄した。生成物を淡黄色固体(831mg、90%)として単離した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 0.85 (d, J=6.59 Hz, 7 H) 1.25 (d,
J=4.39 Hz, 1 H) 1.28 (d, J=6.95 Hz, 1 H) 1.34 - 1.45 (m, 2 H) 1.65 - 1.75 (m, 6
H) 1.83 (br. s., 1 H) 1.87 (br. s., 1 H) 2.02 (d, J=12.81 Hz, 2 H) 2.86 (dd,
J=11.53, 7.50 Hz, 1 H) 2.90 - 3.01 (m, 3 H) 3.13 - 3.25 (m, 6 H) 3.44 (dd,
J=10.98, 2.93 Hz, 1 H) 6.51 (br. s., 1 H) 7.08 - 7.12 (m, 1 H) 8.07 (s, 1 H)
11.58 (br. s., 1 H). LCMS m/z 464.9 (C23H37N5O3SのM+H計算値は463.2).LCMS(C−18カラム、勾配溶離5分クロマトグラフ、95:5から5:95 水/アセトニトリル、保持時間2.2分)。
【0273】
(実施例139)
【0274】
【化60】

N−[trans−4−({[3−(2−メトキシエトキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}メチル)シクロヘキシル]−N−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン
((1r,4r)−4−(メチル(7−トシル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ)シクロヘキシル)−メタンスルホン酸(1g、2mmol)を、ジクロロメタン(100mL)およびN,N’−ジメチルホルムアミド(100μL)の溶液に懸濁した。系を窒素でフラッシュし、オキサリルクロリド(0.73mL、8.36mmol)を滴下添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、真空濃縮し、残留物をクロロホルム(100mL)に溶解した。ジイソプロピルエチルアミン(3.7mL、20.9mmol)、続いて3−(2−メトキシエトキシ)ピペリジン(637mg、4.0mmol)を添加した。反応混合物を真空濃縮した。残留物を、テトラヒドロフラン(20mL)、メタノール(20mL)および水(5mL)の混合物に溶解した。水酸化リチウム(500mg)を添加し、反応混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を蒸発させ、水を添加した。得られた沈殿物を濾過し、水およびヘキサンで順次洗浄した。生成物を淡黄色固体(735mg、75%)として単離した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.25 (br. s., 1 H) 1.25 - 1.33 (m, 2
H) 1.42 (d, J=6.95 Hz, 2 H) 1.45 (br. s., 1 H) 1.64 - 1.76 (m, 5 H) 1.83 (br.
s., 1 H) 1.85 (d, J=6.22 Hz, 1 H) 2.02 (d, J=10.98 Hz, 2 H) 2.89 - 3.00 (m, 4
H) 3.15 (s, 3 H) 3.20 - 3.28 (m, 4 H) 3.37 - 3.46 (m, 4 H) 3.51 - 3.60 (m, 2 H)
6.51 (br. s., 1 H) 7.06 - 7.12 (m, 1 H) 8.07 (s, 1 H) 11.58 (br. s., 1
H). LCMS m/z 466.3 (C23H37N5O3SのM+H計算値は466.2).LCMS(C−18カラム、勾配溶離5分クロマトグラフ、95:5から5:95 水/アセトニトリル、保持時間1.5分)。
【0275】
(実施例140)
【0276】
【化61】

ジエチル(3R)−1−[({trans−4−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロヘキシル}メチル)スルホニル]ピペリジン−3−イルホスフェート
(3R)−1−[({trans−4−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロヘキシル}−メチル)スルホニル]ピペリジン−3−オール(100mg、0.24mmol)を、ジクロロメタン(5mL)に懸濁した。ジイソプロピルエチルアミン(0.05mL、0.3mmol)、続いてジエチルクロロホスフェート(0.036mL、0.24mmol)を添加した。反応混合物を窒素下で終夜撹拌した。メタノール(1mL)をフラスコに添加し、反応混合物を真空濃縮し、得られた残留物を分取(preperative)逆相HPLCによって精製した(100mg、75%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.19 (t, J=6.95 Hz, 6 H) 1.23 - 1.29
(m, 3 H) 1.40 - 1.49 (m, 1 H) 1.64 - 1.76 (m, 5 H) 1.80 (d, J=12.81 Hz, 1 H)
1.87 (d, J=3.66 Hz, 1 H) 2.02 (d, J=10.98 Hz, 2 H) 2.58 (dd, J=10.98, 8.42 Hz,
1 H) 2.73 - 2.81 (m, 1 H) 2.88 - 2.99 (m, 2 H) 3.15 (s, 3 H) 3.44 - 3.55 (m, 2
H) 4.05 - 4.12 (m, 2 H) 4.14 - 4.21 (m, 2 H) 5.00 (d, J=4.03 Hz, 1 H) 6.79 (br.
s., 1 H) 7.27 (dd, J=3.66, 2.20 Hz, 1 H) 8.23 (s, 1 H). LCMS m/z 544.8 (C23H38N5O6PSのM+H計算値は543.2).LCMS(C−18カラム、勾配溶離5分クロマトグラフ、95:5から5:95 水/アセトニトリル、保持時間1.81分)。
【0277】
(実施例141)
【0278】
【化62】

(3R)−1−[({trans−4−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロヘキシル}メチル)スルホニル]ピペリジン−3−イルジヒドロゲンホスフェート
(3R)−1−[({trans−4−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロヘキシル}−メチル)スルホニル]ピペリジン−3−オール(100mg、0.24mmol)を、ジクロロメタン(5mL)に懸濁した。ジイソプロピルエチルアミン(0.05mL、0.3mmol)、続いてジエチルクロロホスフェート(0.036mL、0.24mmol)を添加した。反応混合物を窒素下で終夜撹拌した。メタノール(1mL)をフラスコに添加し、反応混合物を真空濃縮した。残留物をジクロロメタン(10mL)に溶解し、ブロモトリメチルシラン(2mL、14.4mmol)を添加した。反応混合物を、窒素下室温で18時間撹拌し、次いで真空濃縮した。残留物を逆相HPLCによって精製した(2mg、5%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.28 (br. s., 1 H) 1.50 (br. s., 1 H)
1.63 - 1.72 (m, 2 H) 1.86 (d, J=2.56 Hz, 1 H) 2.02 (d, J=10.98 Hz, 1 H) 2.83
(s, 1 H) 2.94 (td, J=14.46, 6.59 Hz, 2 H) 3.14 (s, 2 H) 3.47 (br. s., 9 H) 3.52
(br. s., 11 H) 6.51 (br. s., 1 H) 7.09 (d, J=2.93 Hz, 1 H). LCMS m/z 488.8 (C19H30N5O6PSのM+H計算値は487.5).LCMS(C−18カラム、勾配溶離5分クロマトグラフ、95:5から5:95 水/アセトニトリル、保持時間1.23分)。
【0279】
生物学的評価
JAK酵素アッセイ
材料
組換えJAK1(カタログ番号PV4775)、JAK2(カタログ番号PV4210)およびJAK3(カタログ番号PV3855)は、(Invitrogen Corporation、Madison、WI)から購入した。この研究において使用したTyk2(His−Tyk2(888〜1182、C936S、C1142S))は、Pfizer Laboratoriesで発現および精製された。アデノシン5’−三リン酸(ATP)は、(Sigma Chemical Company、St.Louis、MO)から入手した。JAK2およびJAK3アッセイに使用したJAKtideペプチド(ペプチド配列、FITC−KGGEEEEYFELVKK)ならびにJAK1およびTyk2アッセイに使用したIRS−1ペプチド(ペプチド配列、5−FAM−KKSRGDYMTMQIG)は、(American Peptide Company、Sunnyvale、CA)から購入した。コーティング試薬3は、(Caliper Life Sciences、Hopkinton、MA)から購入した。
【0280】
方法
ペプチド移動度シフトアッセイを使用して、JAKtide(JAK2およびJAK3)またはIRS−1ペプチド(JAK1およびTyk2)のリン酸化を定量化した。反応は、384ウェルプレート(Matrical MP−101)中、総体積10μLで行った。反応混合物は、20mMのHEPES、pH7.4、10mMの塩化マグネシウム、0.01%のウシ血清アルブミン(BSA)、0.0005%のツイン20、ATP(JAK2およびJAK3については4μM、JAK1については40μM、ならびにTyk2については7μM))、2%のDMSOおよび1μMのペプチド基質(JAK2およびJAK3についてはJAKtide、ならびにJAK1およびTyk2についてはIRS−1ペプチド)を含有していた。化合物を100%ジメチルスルホキシド中で連続希釈し、二通りまたは四通りの11点用量応答で試験した(10μLの反応物当たり200nlの化合物/DMSOを添加した)。2nMのJAK2、1nMのJAK3、12nMのTyk2または20nMのJAK1の最終濃度まで酵素を添加することによって反応を開始した。アッセイを、JAK1については240分間、JAK2については150分間、JAK3については90分間およびTyk2については70分間実行した。20uLの140mM HEPES、22.5mM EDTAおよび0.15%コーティング試薬3を用いて、規定の時間にアッセイを停止した。(Caliper Life Sciences)製のラボチップ3000(LC3000)機器にプレートを載置して、リン酸化ペプチドの形成を計測した。(Caliper Life Sciences)製のヒッツウェル解析ソフトウェア(Hits Well Analyzer Software)を使用してデータを解析して、形成された生成物の量を取得した。
【0281】
次いで、阻害のない酵素を含まない対照に基づいて各データ点が阻害%として表現される内部アプリケーションに、データをインポートした。次いで、4パラメータロジスティック方程式(方程式1)を使用して用量−応答データを当てはめて、IC50を決定する。
方程式1:
【0282】
【数1】

式中、最大値は当てはめられた阻害のない値であり、最小値は当てはめられた完全阻害値であり、sは傾斜因子である。
【0283】
このプロトコルを使用して、下記の結果を生み出した。
【0284】
【表4−1】

【0285】
【表4−2】

【0286】
【表4−3】

【0287】
【表4−4】

【0288】
マウスコラーゲン誘発性関節炎モデル
8〜10週齢の雄DBA/1マウス(18〜22g)をHarlan Laboratories(Indianapolis、IN)から入手し、食物および水を自由に摂取させる。完全フロイントアジュバント(Sigma、St.Louis、MO)中で乳化した50μgのニワトリII型コラーゲン(Marie Griffiths博士、University of Utah)の皮下注射によりマウスを免疫化し、21日後、不完全フロイントアジュバント(Sigma)中50μgの同じ抗原で追加免疫する。50mMのクエン酸一水和物、pH3(Fisher Scientific、Pittsburgh、PA)を含有する0.5%のメチルセルロース/0.025%のツイン20(Sigma)に化合物を再懸濁する。経口強制飼養によってマウスにビヒクルまたは可変用量の化合物を投与し、免疫化35日後から始めて毎日、疾患をモニターする。重症度を各足において0から3(12/マウスの最大スコア)[ここで、0=無症状、1=足の指の赤みまたは腫脹、2=足全体のひどい腫脹または変形、3=関節強直である]でスコア付けし、各治療群についての平均重症度スコアとして表現する。疾病重症度の経時変化から曲線下面積(AUC)を化合物の各用量について算出し、制御活性のパーセントを効能の尺度として使用する。
【0289】
本明細書において使用される場合、「a」または「an」への言及は、「1つまたは複数」を意味する。全体を通して、数字の指示がなければ、複数形および単数形は交換可能なものとして扱われるべきである。
【0290】
当業者には理解されるであろう通り、ありとあらゆる目的のために、特に書面による明細を提供するという観点から、本明細書において開示されるすべての範囲は、ありとあらゆる可能な部分的範囲およびその部分的範囲の組合せ、ならびに該範囲を構成する個々の値、特に整数値も含む。収載されている任意の範囲は、同範囲を十分に記述し、かつ、少なくとも2等分、3等分、4等分、5等分、10等分等に細分化することができるものとして容易に認識され得る。非限定的な例として、本明細書において論じられる各範囲は、下部3分の1、中部3分の1および上部3分の1等に容易に細分化され得る。例えば、範囲C〜Cは、部分的範囲C〜C、C〜C、C〜C、C〜C等、ならびに、C(メチル(methl))、C(エチル)、C(プロピル)、C(ブチル)、C(ペンチル)およびC(ヘキシル)を個々に包含する。これも当業者には理解されるであろう通り、「最大」、「少なくとも」、「より大きい」、「未満」、「を超える」「以上」等の言い回しはすべて、列挙されている数字を包含し、その後上記で論じた部分的範囲に細分化され得る範囲を指す。同じように、本明細書において開示されているすべての比率は、より広い比率の範囲内に入るすべての部分的比率も包含する。
【0291】
マーカッシュ群等、一般的なようにメンバーが一緒にグループ化されている場合、本発明は収載されている全群を全体としてだけでなく、群の各メンバーを個々に包含し、かつ主群のすべての可能な亜群も含むことも、当業者であれば容易に認識するであろう。加えて、あらゆる目的のために、本発明は、主群だけでなく、群メンバーの1つまたは複数が存在しない主群も含む。本発明は、特許請求されている発明における群メンバーのいずれか1つまたは複数の明白な除外も想定している。
【0292】
当業者には理解されるであろう通り、成分の量、分子量等の特性、反応条件等を表現しているものを包含するすべての数字は近似であり、いずれの場合も用語「約」によって修飾されているものとして理解される。これらの値は、本発明の本教示を利用して当業者が取得することが求められている所望の特性に応じて、様々であってよい。そのような値は、そのそれぞれの試験計測値において見られる標準偏差によって必然的に生じる変動性を本質的に含有することも理解される。
【0293】
上記の実施形態の詳細な記述は、本発明、その原理およびその実践的用途を他の当業者に知らせることのみを意図されており、その結果、他の当業者は特定の使用の要件に最適となり得るように本発明をその多数の形態に適応させ、適用することができる。したがって、本発明は、上記の実施形態に限定されず、様々に修正され得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物
【化1】

または薬学的に許容できるその塩
[式中、A環はヘテロシクリルであり、
ここで、A環は、ハロ、カルボキシ、シアノ、オキソ、アリール、ヘテロシクリル、(C〜C)アルキル、−OP(O)(R10、−OR11、−OC(O)R12、−C(O)OR12、−C(O)R13、−C(O)NR1415、−NR1617、−N(R18)C(O)R19、−N(R18)S(O)19、−SO20および−SONR2122からなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよく、前記(C〜C)アルキルは、ハロ、シアノ、アリール、ヘテロシクリル、−OR23、−OC(O)R24、−NR2526、−C(O)NR2728、−SR29、−SO30、−SONR3132、−N(R33)C(O)R34および−N(R35)S(O)36からなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよく、
10は、ヒドロキシおよび(C〜C)アルコキシからなる群から選択され、
nは1または2であり、
11は、水素、(C〜C)アルキル、ヒドロキシ(C〜C)アルキル、アリール、(C〜C)アルキルアミノカルボニル(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシカルボニル(C〜C)アルキル、ハロ(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、ヘテロシクリルカルボニル(C〜C)アルキルおよびアミノカルボニル(C〜C)アルキルからなる群から選択され、
12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R21、R22、R24、R25、R26、R27、R28、R31、R32、R33、R34、R35およびR36は、水素および(C〜C)アルキルからなる群から独立に選択され、
19は、水素、(C〜C)アルコキシ、ハロ(C〜C)アルキルおよびアリール(C〜C)アルコキシからなる群から選択され、
20は、水素、(C〜C)アルキル、アリール、アリール(C〜C)アルキルおよび(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキルからなる群から選択され、
23は、水素、(C〜C)アルキル、アリール、ヘテロシクリル(C〜C)アルキルおよび(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキルからなる群から選択され、
29は、水素およびヘテロシクリルからなる群から選択され、
30は、水素、(C〜C)アルキルおよび(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキルからなる群から選択され、
ここで、アリールは、どこに存在していても、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、(C〜C)アルキル、ハロ(C〜C)アルキルおよび(C〜C)アルコキシからなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよく、
ここで、ヘテロシクリルは、どこに存在していても、オキソ、シアノ、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキルアミノカルボニルおよび(C〜C)アルキルスルホニル(C〜C)アルキルからなる群から選択される1個または複数の置換基で独立に置換されていてもよい]。
【請求項2】
A環が、置換されていてもよいピペリジニル、ピロリジニル、アゼチジニルおよびピペラジニルからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
A環が、ピペリジニル、ピロリジニル、アゼチジニルおよびピペラジニルからなる群から選択され、
ここで、A環は、カルボキシ、シアノ、オキソ、フルオロ、(C〜C)アルキル、フェニル、オキサジアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、テトラゾリル、ピロリジニル、−OP(O)(R10、−OR11、−OC(O)R12、−C(O)OR12、−C(O)R13、−C(O)NR1415、−NR1617、−N(R18)C(O)R19、−N(R18)S(O)19、−SO20および−SONR2122からなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよく、前記(C〜C)アルキルは、フルオロ、シアノ、フェニル、ピリジニル、ピペラジニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、イソオキサゾリル、ピリミジニル、ピロリジニル、−OR23、−OC(O)R24、−NR2526、−C(O)NR2728、−SR29、−SO30、−SONR3132および−N(R33)C(O)R34からなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよく、
10が、ヒドロキシおよび(C〜C)アルコキシからなる群から選択され、
nが1または2であり、
11が、水素、メチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、アミノカルボニルメチル、エトキシエチル、ジメチルアミノカルボニルアミノ、ジエチルアミノカルボニルメチル、フェニルおよびピロリジニルカルボニルメチルからなる群から選択され、
12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R21、R22、R24、R25、R26、R27、R28、R31、R32、R33およびR34が、水素、メチルおよびエチルからなる群から独立に選択され、
19が、水素、tert−ブトキシ、トリフルオロメチル、メトキシおよびフェニルメトキシからなる群から選択され、
20が、水素、メチル、フェニル、ベンジル、フェニルエチルおよびシクロプロピルメチルからなる群から選択され、
23が、水素、メチル、フェニル、ピリジニルメチルおよびシクロプロピルメチルからなる群から選択され、
29が、水素およびピリジニルからなる群から選択され、
30が、水素、メチル、プロピルおよびシクロプロピルメチルからなる群から選択され、
ここで、フェニルは、どこに存在していても、フルオロ、シアノおよびメトキシからなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよく、
ここで、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、ピリジニル、ピペラジニルおよびピリダジニルは、A環置換基、R23置換基およびR29置換基中のどこに存在していても、オキソ、シアノ、メチル、エチル、メチルスルホニルメチルおよびシクロプロピルアミノカルボニルからなる群から選択される1個または複数の置換基で独立に置換されていてもよい、
請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
式Iaの化合物
【化2】

または薬学的に許容できるその塩
[式中、A環は、ピペリジニル、ピロリジニル、アゼチジニルおよびピペラジニルから選択され、
ここで、A環は、ハロ、カルボキシ、シアノ、オキソ、アリール、ヘテロシクリル、(C〜C)アルキル、−OP(O)(R10、−OR11、−OC(O)R12、−C(O)OR12、−C(O)R13、−C(O)NR1415、−NR1617、−N(R18)C(O)R19、−N(R18)S(O)19、−SO20および−SONR2122からなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよく、前記(C〜C)アルキルは、ハロ、シアノ、アリール、ヘテロシクリル、−OR23、−OC(O)R24、−NR2526、−C(O)NR2728、−SR29、−SO30、−SONR3132、−N(R33)C(O)R34および−N(R35)S(O)36からなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよく、
10は、ヒドロキシおよび(C〜C)アルコキシからなる群から選択され、
nは1または2であり、
11は、水素、(C〜C)アルキル、ヒドロキシ(C〜C)アルキル、アリール、(C〜C)アルキルアミノカルボニル(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシカルボニル(C〜C)アルキル、ハロ(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、ヘテロシクリルカルボニル(C〜C)アルキルおよびアミノカルボニル(C〜C)アルキルからなる群から選択され、
12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R21、R22、R24、R25、R26、R27、R28、R31、R32、R33、R34、R35およびR36は、水素および(C〜C)アルキルからなる群から独立に選択され、
19は、水素、(C〜C)アルコキシ、ハロ(C〜C)アルキルおよびアリール(C〜C)アルコキシからなる群から選択され、
20は、水素、(C〜C)アルキル、アリール、アリール(C〜C)アルキルおよび(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキルからなる群から選択され、
23は、水素、(C〜C)アルキル、アリール、ヘテロシクリル(C〜C)アルキルおよび(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキルからなる群から選択され、
29は、水素およびヘテロシクリルからなる群から選択され、
30は、水素、(C〜C)アルキルおよび(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキルからなる群から選択され、
ここで、アリールは、どこに存在していても、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、(C〜C)アルキル、ハロ(C〜C)アルキルおよび(C〜C)アルコキシからなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよく、
ここで、ヘテロシクリルは、A環置換基、R23置換基およびR29置換基中のどこに存在していても、オキソ、シアノ、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキルアミノカルボニルおよび(C〜C)アルキルスルホニル(C〜C)アルキルからなる群から選択される1個または複数の置換基で独立に置換されていてもよい]。
【請求項5】
A環が、カルボキシ、シアノ、オキソ、フルオロ、(C〜C)アルキル、フェニル、オキサジアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、テトラゾリル、ピロリジニル、−OP(O)(R10、−OR11、−OC(O)R12、−C(O)OR12、−C(O)R13、−C(O)NR1415、−NR1617、−N(R18)C(O)R19、−N(R18)S(O)19、−SO20および−SONR2122からなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよく、前記(C〜C)アルキルは、フルオロ、シアノ、フェニル、ピリジニル、ピペラジニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、イソオキサゾリル、ピリミジニル、ピロリジニル、−OR23、−OC(O)R24、−NR2526、−C(O)NR2728、−SR29、−SO30、−SONR3132および−N(R33)C(O)R34からなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよく、
10が、ヒドロキシおよび(C〜C)アルコキシからなる群から選択され、
nが1または2であり、
11が、水素、メチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、アミノカルボニルメチル、エトキシエチル、ジメチルアミノカルボニルアミノ、ジエチルアミノカルボニルメチル、フェニルおよびピロリジニルカルボニルメチルからなる群から選択され、
12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R21、R22、R24、R25、R26、R27、R28、R31、R32、R33およびR34が、水素、メチルおよびエチルからなる群から独立に選択され、
19が、水素、tert−ブトキシ、トリフルオロメチル、メトキシおよびフェニルメトキシからなる群から選択され、
20が、水素、メチル、フェニル、ベンジル、フェニルエチルおよびシクロプロピルメチルからなる群から選択され、
23が、水素、メチル、フェニル、ピリジニルメチルおよびシクロプロピルメチルからなる群から選択され、
29が、水素およびピリジニルからなる群から選択され、
30が、水素、メチル、プロピルおよびシクロプロピルメチルからなる群から選択され、
ここで、フェニルは、どこに存在していても、フルオロ、シアノおよびメトキシからなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよく、
ここで、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、ピリジニル、ピペラジニルおよびピリダジニルは、A環置換基、R23置換基およびR29置換基中のどこに存在していても、オキソ、シアノ、メチル、エチル、メチルスルホニルメチルおよびシクロプロピルアミノカルボニルからなる群から選択される1個または複数の置換基で独立に置換されていてもよい、
請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
式IIの化合物
【化3】

または薬学的に許容できるその塩
[式中、R1a、R1b、R2a、R2b、R3a、R3b、R4a、R4b、R5aおよびR5bは、水素、カルボキシ、シアノ、ハロ、(C〜C)アルキル、アリール、ヘテロシクリル、−OP(O)(R10、−OR11、−OC(O)R12、−C(O)R13、−C(O)NR1415、−NR1617および−N(R18)C(O)R19からなる群から独立に選択され、ここで、前記(C〜C)アルキルは、ハロ、ヘテロシクリル、−OR23、−NR2526、−C(O)NR2728、−SO30および−SONR3132からなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよく、
10は、ヒドロキシおよび(C〜C)アルコキシからなる群から選択され、
nは1または2であり、
11は、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキルおよびアミノカルボニル(C〜C)アルキルからなる群から選択され、
12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R25、R26、R27、R28、R31およびR32は、水素および(C〜C)アルキルからなる群から独立に選択され、
19は、水素およびアリール(C〜C)アルコキシからなる群から選択され、
23は、水素、(C〜C)アルキル、アリールおよび(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキルからなる群から選択され、
30は、水素、(C〜C)アルキルおよび(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキルからなる群から選択され、
ここで、アリールは、どこに存在していても、1個または複数のハロで置換されていてもよく、
ここで、ヘテロシクリルは、どこに存在していても、(C〜C)アルキルおよび(C〜C)アルキルスルホニル(C〜C)アルキルからなる群から選択される1個または複数の置換基で独立に置換されていてもよい]。
【請求項7】
1a、R1b、R2a、R2b、R3a、R3b、R4a、R4b、R5aおよびR5bが、水素、フルオロ、カルボキシ、シアノ、(C〜C)アルキル、フェニル、オキサジアゾリル、−OP(O)(R10、−OR11、−OC(O)R12、−C(O)R13、−C(O)NR1415、−NR1617および−N(R18)C(O)R19からなる群から独立に選択され、ここで、前記(C〜C)アルキルは、フルオロ、ピリダジニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、−OR23、−C(O)NR2728、−SO30、−SONR3132および−N(R33)C(O)R34からなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよく、
10が、ヒドロキシおよびエトキシからなる群から選択され、
nが1または2であり、
11が、水素、メチル、エチル、tert−ブチル、イソプロピルおよびアミノカルボニルメチルからなる群から選択され、
12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R27、R28、R31、R32、R33およびR34が、水素、メチルおよびエチルからなる群から独立に選択され、
19が、水素およびフェニルメトキシからなる群から選択され、
23が、水素、メチル、シクロプロピルメチルおよびフェニルからなる群から選択され、
30が、水素、メチル、プロピルおよびシクロプロピルメチルからなる群から選択され、
ここで、フェニルは、どこに存在していても、1個または複数のフルオロで置換されていてもよく、
ここで、オキサジアゾリルまたはピリダジニルは、どこに存在していても、メチルおよびメチルスルホニルメチルからなる群から選択される1個または複数の置換基で独立に置換されていてもよい、
請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
1a、R1b、R5aおよびR5bが水素であり、
2aおよびR2bが、水素、エチル、メトキシおよびベンジルオキシカルボニルアミノからなる群から独立に選択され、
3aおよびR3bが、水素、シアノ、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル、ヒドロキシプロピル、メチル、エチル、メトキシ、メトキシメチル、メトキシエチル、メチルアミノカルボニル、ジエチルアミノカルボニル、アミノ、アミノカルボニル、アミノカルボニルメチル、フェニル、メチルスルホニルメチルオキサジアゾリル、ピリミジニルメチル、メチルピリダジニル、シクロプロピルメトキシメチルおよびシクロプロピルメチルスルホニルメチルからなる群から独立に選択され、
4aおよびR4bが、水素、ヒドロキシ、カルボキシ、フルオロ、トリフルオロメチル、シアノ、メチル、エトキシ、メチルカルボニル、メチルカルボニルアミノ、メチルカルボニルアミノメチル、メチルスルホニルメチル、ジメチルアミノスルホニルメチル、プロピルスルホニルメチル、ヒドロキシメチル、アミノカルボニル、アミノカルボニルメトキシ、アミノスルホニルメチル、メチルオキサジアゾリル、ピリジニルメチル、ピロリジニルメチルおよびフルオロフェノキシメチルからなる群から独立に選択される、
請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
1a、R1b、R5aおよびR5bが水素であり、
2aおよびR2bが、水素、エチル、メトキシおよびベンジルオキシカルボニルアミノからなる群から選択され、
3aおよびR3bが、水素、シアノ、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル、ヒドロキシプロピル、メチル、エチル、メトキシ、メトキシメチル、メトキシエチル、メチルアミノカルボニル、ジエチルアミノカルボニル、アミノ、アミノカルボニル、アミノカルボニルメチル、フェニル、
【化4】

からなる群から選択され、
4aおよびR4bが、水素、ヒドロキシ、カルボキシ、フルオロ、トリフルオロメチル、シアノ、メチル、エトキシ、メチルカルボニル、メチルカルボニルアミノ、メチルカルボニルアミノメチル、メチルスルホニルメチル、ジメチルアミノスルホニルメチル、プロピルスルホニルメチル、ヒドロキシメチル、アミノカルボニル、アミノカルボニルメトキシ、アミノスルホニルメチル、
【化5】

からなる群から選択される、
請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
1a、R1b、R2a、R2b、R3a、R3b、R4a、R4b、R5aおよびR5bが、(C〜C)アルキル、−OP(O)(R10、−OR11、−OC(O)R12および−C(O)NR1415からなる群から独立に選択され、ここで、前記(C〜C)アルキルは、−OR23で置換されていてもよく、
10が、ヒドロキシおよび(C〜C)アルコキシからなる群から選択され、
nが1または2であり、
11が、水素、(C〜C)アルキルおよび(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキルからなる群から選択され、
12、R14およびR15が、水素および(C〜C)アルキルからなる群から独立に選択され、
23が、水素および(C〜C)アルキルからなる群から選択される、
請求項6に記載の化合物。
【請求項11】
式IIIの化合物
【化6】

または薬学的に許容できるその塩[式中、
6a、R6b、R7a、R7b、R8a、R8b、R9aおよびR9bは、水素、シアノ、ハロ、(C〜C)アルキル、アリール、ヘテロシクリル、−OP(O)(R10、−OR11、−OC(O)R12、−C(O)NR1415、−NR1617、−N(R18)C(O)R19、−SO20および−SONR2122からなる群から独立に選択され、ここで、前記(C〜C)アルキルは、シアノ、アリール、ヘテロシクリル、−OR23、−NR2526および−SR29からなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよく、
10は、ヒドロキシおよび(C〜C)アルコキシからなる群から選択され、
nは1または2であり、
11は、水素、(C〜C)アルキル、アリール、ハロ(C〜C)アルキル、ヒドロキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキルアミノカルボニル(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、ハロ(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシカルボニル(C〜C)アルキル、アミノカルボニル(C〜C)アルキルおよびヘテロシクリルカルボニル(C〜C)アルキルからなる群から選択され、
12、R16、R17、R18、R21、R22、R25およびR26は、水素および(C〜C)アルキルからなる群から独立に選択され、
19は、水素、(C〜C)アルコキシおよびハロ(C〜C)アルキルからなる群から選択され、
20は、水素、(C〜C)アルキルおよびアリール(C〜C)アルキルからなる群から選択され、
23は、水素、(C〜C)アルキル、アリールおよびヘテロシクリル−(C〜C)アルキルからなる群から選択され、
29は、水素およびヘテロシクリルからなる群から選択され、
ここで、アリールは、どこに存在していても、ハロ、(C〜C)アルコキシおよびシアノからなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよく、
ここで、ヘテロシクリルは、どこに存在していても、(C〜C)アルキルおよびオキソからなる群から選択される1個または複数の置換基で独立に置換されていてもよい]。
【請求項12】
6a、R6b、R7a、R7b、R8a、R8b、R9aおよびR9bが、水素、シアノ、フルオロ、(C〜C)アルキル、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、−OR11、−OC(O)R12、−C(O)NR1415、−NR1617、−N(R18)C(O)R19、−SO20および−SONR2122からなる群から独立に選択され、ここで、前記(C〜C)アルキルは、シアノ、フェニル、イソオキサゾリル、ピペラジニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリジニル、ピロリジニル、−OR23、−NR2526および−SR29からなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよく、
11が、水素、メチル、tert−ブチル、イソプロピル、エトキシエチル、ジメチルアミノカルボニルメチル、ジエチルアミノカルボニルメチル、フェニルおよびピロリジニルカルボニルメチルからなる群から選択され、
12、R16、R17、R18、R21、R22、R25およびR26が、水素、メチルおよびエチルからなる群から独立に選択され、
19が、水素、tert−ブトキシおよびトリフルオロメチルからなる群から選択され、
20が、水素、メチル、ベンジルおよびフェニルエチルからなる群から選択され、
23が、水素、メチル、フェニルおよびピリジニルメチルからなる群から選択され、
29が、水素およびピリジニルからなる群から選択され、
ここで、フェニルは、どこに存在していても、フルオロおよびメトキシからなる群から独立に選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよく、
ここで、イソオキサゾリル、ピリジニルまたはピペラジニルは、どこに存在していても、オキソ、メチルおよびエチルからなる群から選択される1個または複数の置換基で独立に置換されていてもよい、
請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
6a、R6bおよびR9bが水素であり、
7aおよびR7bが、水素、フルオロ、ヒドロキシ、シアノ、メチル、メトキシ、メトキシメチル、ヒドロキシメチル、フェニル、ピリジニルおよび
【化7】

からなる群から独立に選択され、
8aおよびR8bが、水素、フルオロ、ヒドロキシ、アミノ、アミノカルボニル、エチルアミノエチル、エトキシエトキシ、ジメチルアミノカルボニルメトキシ、ジエチルアミノカルボニルメトキシ、メチルアミノスルホニル、メチルスルホニル、トリフルオロメチルカルボニルアミノ、ヒドロキシメチル、シアノメチル、フェニル、ベンジル、フルオロフェニル、ピリミジニル、ピリジニル、メチルイソオキサゾリルエチル、ピラゾリルメチル、ピリミジニルメチル、ベンジルスルホニル、ベンジルメチルスルホニル、メトキシベンジルスルホニル、ピリジニルチオメチル、フルオロフェノキシメチル、シアノフェノキシ、ピリジニルメトキシメチル、エチルピリジニルメトキシメチル、ピロリジニルカルボニルメトキシ、
【化8】

からなる群から独立に選択され、
9aが、水素、メチル、メトキシメチル、ヒドロキシメチル、メチルピリジニルおよびピロリジニルからなる群から選択される、
請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
6a、R6bおよびR9bが水素であり、
7aおよびR7bが、水素、フルオロ、ヒドロキシ、シアノ、メチル、メトキシ、メトキシメチル、ヒドロキシメチル、フェニル、
【化9】

からなる群から独立に選択され、
8aおよびR8bが、水素、フルオロ、ヒドロキシ、アミノ、アミノカルボニル、エチルアミノエチル、エトキシエトキシ、ジメチルアミノカルボニルメトキシ、ジエチルアミノカルボニルメトキシ、メチルアミノスルホニル、メチルスルホニル、トリフルオロメチルカルボニルアミノ、ヒドロキシメチル、シアノメチル、フェニル、ベンジル、
【化10】

からなる群から独立に選択され、
9aが、水素、メチル、メトキシメチル、ヒドロキシメチル、
【化11】

からなる群から選択される、
請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
6a、R6b、R7a、R7b、R8a、R8b、R9aおよびR9bが、ハロ、(C〜C)アルキル、−OR11および−N(R18)C(O)R19からなる群から独立に選択され、ここで、前記(C〜C)アルキルは、−OR23で置換されていてもよく、
11が、水素および(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキルからなる群から選択され、
18が、水素および(C〜C)アルキルからなる群から選択され、
19が、水素および(C〜C)アルコキシからなる群から選択され、
23が、水素および(C〜C)アルキルからなる群から選択される、
請求項11に記載の化合物。
【請求項16】
式IVの化合物
【化12】

または薬学的に許容できるその塩[式中、R37a、R37b、R38a、R38b、R39aおよびR39bは、水素、ハロ、ヒドロキシ、ヘテロシクリル、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキルスルホニル、アリールスルホニルおよび(C〜C)アルコキシカルボニルアミノからなる群から選択される]。
【請求項17】
37a、R37b、R38a、R38b、R39aおよびR39bが、水素、ヒドロキシ、フルオロ、ピリミジニル、ピリジニル、テトラゾリル、シクロプロピルメチルスルホニル、フェニルスルホニルおよびメトキシカルボニルアミノからなる群から独立に選択される、
請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
37a、R37b、R38b、R39aおよびR39bが水素であり、
38aが、水素、フルオロ、ヒドロキシ、メトキシカルボニルアミノ、シクロプロピルメチルスルホニル、フェニルスルホニル、ピリミジニル、ピリジニルおよびテトラゾリルからなる群から選択される、
請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
37a、R37b、R38b、R39aおよびR39bが水素であり、
38aが、水素、フルオロ、ヒドロキシ、メトキシカルボニルアミノ、
【化13】

からなる群から選択される、
請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
式Vの化合物
【化14】

または薬学的に許容できるその塩
[式中、R40、R41、R42、R43およびR44は、水素、(C〜C)アルキル、ヘテロシクリルおよびヘテロシクリル(C〜C)アルキルからなる群から独立に選択され、
ここで、ヘテロシクリルは、どこに存在していても、シアノ、(C〜C)アルキルおよび(C〜C)シクロアルキルアミノカルボニルからなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよい]。
【請求項21】
40、R41、R42、R43およびR44が、水素、メチル、ピリジニルおよびピリジニルメチルからなる群から独立に選択され、
ここで、ピリジニルは、どこに存在していても、シアノ、メチルおよびシクロプロピルアミノカルボニルからなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよい、
請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
40、R41およびR43が、水素であり、
42が、メチル、ピリジニル、ピリジニルメチル、メチルピリジニル、シアノピリジニルおよびシクロプロピルアミノカルボニルピリジニルからなる群から選択され、
44が、水素およびメチルからなる群から選択される、
請求項21に記載の化合物。
【請求項23】
40、R41およびR43が水素であり、
42が、メチル、
【化15】

からなる群から選択され、
44が、水素およびメチルからなる群から選択される、
請求項22に記載の化合物。
【請求項24】
構造:
【化16】

を有する化合物または薬学的に許容できるその塩。
【請求項25】
N−(trans−4−{[(3−メトキシピペリジン−1−イル)スルホニル]メチル}シクロヘキシル)−N−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン;
1−[({trans−4−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロヘキシル}メチル)−スルホニル]ピペリジン−3−オール;
(3R)−1−[({trans−4−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロヘキシル}−メチル)スルホニル]ピペリジン−3−オール;
(3R)−1−[({(1S,3R,4S)−3−メチル−4−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]−シクロヘキシル}メチル)スルホニル]ピペリジン−3−オール;
trans−(R)−1−((4−(メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ)シクロヘキシル)−メチルスルホニル)ピペリジン−3−イルピバレート;
(3S)−1−[({trans−4−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロヘキシル}−メチル)スルホニル]−ピペリジン−3−オール;
ジエチル(3R)−1−[({trans−4−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]−シクロヘキシル}メチル)スルホニル]ピペリジン−3−イルホスフェート;
N−[trans−4−({[3−(2−メトキシエトキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}メチル)シクロヘキシル]−N−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン;
N−(trans−4−{[(3−イソブトキシピペリジン−1−イル)スルホニル]メチル}シクロヘキシル)−N−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン;
N−(trans−4−{[(3−エトキシピペリジン−1−イル)スルホニル]メチル}シクロヘキシル)−N−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン;
{1−[({trans−4−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロヘキシル}メチル)−スルホニル]ピペリジン−3−イル}メタノール;
N−[trans−4−({[4−(メトキシメチル)ピペリジン−1−イル]スルホニル}メチル)シクロヘキシル]−N−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン;
(1−((Trans−4−(メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ)シクロヘキシル)−メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル)メタノール;
(3S)−1−[({(1S,3R,4S)−3−メチル−4−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]−シクロヘキシル}メチル)スルホニル]ピペリジン−3−オール;
(3R,4R)−1−[({trans−4−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロヘキシル}−メチル)スルホニル]ピペリジン−3,4−ジオール;
1−[({trans−4−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロヘキシル}メチル)−スルホニル]ピペリジン−4−オール;
(3R,4S)−1−[({trans−4−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロヘキシル}−メチル)スルホニル]ピペリジン−3,4−ジオール;
4−(2−メトキシエチル)−1−[({trans−4−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]−シクロヘキシル}メチル)スルホニル]ピペリジン−4−カルボキサミド;
N−(trans−4−{[(4−メトキシピペリジン−1−イル)スルホニル]メチル}シクロヘキシル)−N−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン;
(R)−1−(trans−4−(メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ)シクロヘキシル)−メチルスルホニル)−ピロリジン−3−オール;
{(3r,4r)−4−メチル−1−[({trans−4−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]−シクロヘキシル}メチル)−スルホニル]ピロリジン−3−イル}メタノール;
{(3R,4R)−4−メチル−1−[({trans−4−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]−シクロヘキシル}メチル)−スルホニル]ピロリジン−3−イル}メタノール;
3−メチル−1−[({trans−4−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロヘキシル}−メチル)スルホニル]−ピロリジン−3−オール;
(3R,4S)−1−[({trans−4−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロヘキシル}−メチル)スルホニル]−ピロリジン−3,4−ジオール;
N−[trans−4−({[(2R)−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]スルホニル}メチル)シクロヘキシル]−N−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン;
((3S)−1−((3−メチル−4−(メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ)シクロヘキシル)−メチルスルホニル)−ピロリジン−3−イル)メタノール;
(3R,4R)−1−[({trans−4−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロヘキシル}−メチル)スルホニル]−ピロリジン−3,4−ジオール;
N−[trans−4−({[(3R)−3−(2−エトキシエトキシ)ピロリジン−1−イル]スルホニル}メチル)シクロヘキシル]−N−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン;
3−メチル−1−[({trans−4−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロヘキシル}−メチル)スルホニル]−ピロリジン−3−オール;
tert−ブチル{(3S)−1−[({trans−4−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]−シクロヘキシル}メチル)−スルホニル]ピロリジン−3−イル}カルバメート;
N−[trans−4−({[(3R,4R)−3,4−ジフルオロピロリジン−1−イル]スルホニル}メチル)シクロヘキシル]−N−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン;
N−[trans−4−({[3−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]スルホニル}メチル)シクロヘキシル]−N−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン;および
N−[trans−4−({[(3R)−3−メトキシピロリジン−1−イル]スルホニル}メチル)シクロヘキシル]−N−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン
からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物、または
薬学的に許容できるその塩。
【請求項26】
請求項1から25のいずれか一項に記載の式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩と、薬学的に許容できる担体とを含む医薬組成物。
【請求項27】
請求項1から26のいずれか一項に記載の式Iaの化合物または薬学的に許容できるその塩と、薬学的に許容できる担体とを含む医薬組成物。
【請求項28】
構造:
【化17】

を有する化合物または薬学的に許容できるその塩を含む医薬組成物。
【請求項29】
そのような治療を必要としている対象における、ヤヌスキナーゼ媒介性状態の治療のための方法であって、前記対象に、ある量の請求項1から25のいずれか一項に記載の式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩を投与するステップを含み、前記化合物の量が、前記ヤヌスキナーゼ媒介性状態の治療に有効である方法。
【請求項30】
そのような治療を必要としている対象における、ヤヌスキナーゼ媒介性状態の治療のための方法であって、前記対象に、ある量の請求項1から25のいずれか一項に記載の式Iaの化合物または薬学的に許容できるその塩を投与するステップを含み、前記化合物の量が、前記ヤヌスキナーゼ媒介性状態の治療に有効である方法。
【請求項31】
そのような治療を必要としている対象における、ヤヌスキナーゼ媒介性状態の治療のための方法であって、前記対象に、構造:
【化18】

を有するある量の化合物または薬学的に許容できるその塩を投与するステップを含み、前記化合物の量が、前記ヤヌスキナーゼ媒介性状態の治療に有効である方法。
【請求項32】
前記ヤヌスキナーゼ媒介性状態が、アルツハイマー病、関節炎、自己免疫性甲状腺障害、がん、糖尿病、白血病、T細胞前リンパ球性白血病、リンパ腫、骨髄増殖性障害、ループス、多発性骨髄腫、多発性硬化症、骨関節炎、敗血症、乾癬性関節炎、前立腺がん、T細胞自己免疫疾患、炎症性疾患、慢性および急性同種移植片拒絶反応、骨髄移植、脳卒中、喘息、慢性閉塞性肺疾患、アレルギー、気管支炎、ウイルス性疾患、またはI型糖尿病および糖尿病による合併症である、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
前記ヤヌスキナーゼ媒介性状態が、喘息、クローン病、ドライアイ、ブドウ膜炎、炎症性腸疾患、臓器移植拒絶反応、乾癬、関節リウマチおよび潰瘍性結腸炎からなる群から選択される、請求項29に記載の方法。

【公表番号】特表2013−508266(P2013−508266A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−533715(P2012−533715)
【出願日】平成22年10月1日(2010.10.1)
【国際出願番号】PCT/IB2010/054447
【国際公開番号】WO2011/045702
【国際公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(593141953)ファイザー・インク (302)
【Fターム(参考)】