説明

ピロロ[3,2−d]ピリミジン誘導体及びこれを有効成分とする医薬組成物

【課題】胃酸分泌を抑制するとともに、ヘリコバクター・ピロリに対する抗菌作用を有する化合物の提供。
【解決手段】次の一般式(I):


[式中、Rは、水素原子、アルキル基、アリールメチル基、トリメチルシリルエトキシメチル基などを示す。R及びRは、同一でも異なってもよく、水素原子、アルキル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルカノイル基、シアノ基、ハロゲン原子などを示す。Rは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基などを示す。Rは、アリールメチル基、ヘテロアリールメチル基等を示す。]で表される化合物又はその薬理上許容される塩、又はこの化合物を有効成分とする医薬である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れた酸分泌抑制作用及びヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)に対する優れた抗菌作用を有する、医薬、特に潰瘍疾患の予防薬又は治療薬として有用な新規なピロロ[3,2-d]ピリミジン誘導体又はその薬理上許容される塩に関し、また該ピロロピリミジン誘導体を有効成分とする医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
消化性潰瘍は、胃粘膜に対する攻撃因子と防御因子とのバランスが崩れることにより発生すると報告されており、攻撃因子である胃酸の分泌抑制は潰瘍予防及び治療に有用である。従来から、胃酸の分泌抑制にはオメプラゾールに代表されるプロトンポンプ阻害剤が広く臨床現場で使用されている。しかしながら、既存のプロトンポンプ阻害剤には効果、副作用の点で問題点が存在する。すなわち、既存のプロトンポンプ阻害剤は、酸性条件下で不安定であることから腸溶製剤として処方されることが多く、その場合、作用の発現までに数時間を要する。また、既存のプロトンポンプ阻害剤は、タンパクと共有結合するため、タンパク−薬物間の解離に時間を要し、体内からの消失が遅れる。そのため、副作用の点、また、薬物消失後のリバウンド効果による再発が懸念され、改良されたプロトンポンプ阻害剤が望まれる。
【0003】
また、近年、ヘリコバクター・ピロリ感染と胃潰瘍や胃がんの関連が明らかになりつつある。そして、潰瘍の治療にあたり、特に再発予防の観点から、潰瘍治療剤とアモキシシリン等の抗菌剤とが併用されるようになってきている。この観点から、胃粘膜に対する攻撃因子である胃酸分泌を強力に抑制するとともに、ヘリコバクター・ピロリに対する抗菌作用を有する化合物を、抗潰瘍性疾患の予防剤又は治療剤として開発することが望まれている。
【0004】
そして、近年、縮環含窒素へテロ環化合物が、プロトン・カリウム-アデノシントリホスファターゼ(H,K-ATPase)阻害活性を有する化合物として、またヘリコバクター・ピロリに対する抗菌作用を有する化合物として注目され、例えば、ピロロ[2,3-d]ピリダジン化合物(特許文献1)、イミダゾ[1,2-a]ピリジン化合物(特許文献2)、イミダゾ[1,2-a]ピラジン化合物(特許文献3)、ピロロ[3,2-b]ピリジン化合物(特許文献4)、ピロロ[2,3-c]ピリジン化合物(特許文献5)、ピロロ[3,2-c]ピリジン化合物(特許文献6)等が提案されているが、より強力で、安全性の高い薬剤の開発が望まれている。
【0005】
【特許文献1】国際公開第00/77003号パンフレット
【特許文献2】国際公開第99/55706号パンフレット
【特許文献3】国際公開第2004/074289号パンフレット
【特許文献4】国際公開第2006/013195号パンフレット
【特許文献5】国際公開第2006/011670号パンフレット
【特許文献6】国際公開第2006/025715号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたもので、温血動物(特に、ヒト)の胃粘膜に対する攻撃因子である胃酸分泌を強力に抑制するとともに、ヘリコバクター・ピロリに対する抗菌作用を有する化合物を提供し、またこれを有効成分とする医薬、特に潰瘍性疾患の予防剤又は治療剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、特定のピロロ[3,2-d]ピリミジン誘導体が、胃酸分泌を強力に抑制し、更にヘリコバクター・ピロリに対する優れた抗菌活性を有することを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明化合物は、次式の一般式(I):
【0008】
【化1】

【0009】
[式中、Rは、水素原子、分岐してもよいアルキル基(炭素数1-10)、二重結合を含む分岐してもよいアルキル基(炭素数2-10)、三重結合を含む分岐してもよいアルキル基(炭素数2-10)、飽和炭素環を含む分岐してもよいアルキル基(炭素数3-10)、分岐してもよいハロアルキル基(炭素数1-10)、分岐してもよいアルコキシアルキル基(炭素数2-10)、分岐してもよいヒドロキシアルキル基(炭素数1-10)、置換基を有してもよいアリールメチル基、又はトリメチルシリルエトキシメチル基を示す。
【0010】
及びRは、同一でも又は異なってもよく、それぞれ水素原子、分岐してもよいアルキル基(炭素数1-10)、飽和炭素環を含む分岐してもよいアルキル基(炭素数3-10)、分岐してもよいハロアルキル基(炭素数1-10)、分岐してもよいアルコキシアルキル基(炭素数2-10)、分岐してもよいヒドロキシアルキル基(炭素数1-10)、分岐してもよいアルコキシカルボニル基(炭素数2-10)、カルボキシル基、アミノ基、カルバモイル基、アルカノイル基、シアノ基、又はハロゲン原子を示す。
【0011】
は、水素原子、分岐してもよいアルキル基(炭素数1-10)、飽和炭素環を含む分岐してもよいアルキル基(炭素数3-10)、分岐してもよいハロアルキル基(炭素数1-10)、分岐してもよいアルコキシ基(炭素数1-10)、分岐してもよいアルコキシアルキル基(炭素数2-10)、分岐してもよいヒドロキシアルキル基(炭素数1-10)、分岐してもよいアルコキシアルコキシアルキル基(炭素数3-10)、分岐してもよいアルコキシカルボニル基(炭素数2-10)、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、−CONR基{但し、R及びRは、同一でも又は異なってもよく、それぞれ水素原子、分岐してもよいアルキル基(炭素数1-10)、飽和炭素環を含む分岐してもよいアルキル基(炭素数3-10)、分岐してもよいアルコキシアルキル基(炭素数2-10)、分岐してもよいヒドロキシアルキル基(炭素数1-10)を示す。}、−NR基{但し、R及びRは同一でも又は異なってもよく、それぞれ水素原子、分岐してもよいアルキル基(炭素数1-10)、分岐してもよいアルカノイル基(炭素数2-10)、置換基を有してもよいアリールカルボニル基、置換基を有してもよいヘテロアリールカルボニル基、分岐してもよいアルキルスルホニル基(炭素数1-10)、ヒドロキシアルキルスルホニル基(炭素数1-10)、アルキルスルフィニル基(炭素数1-10)、置換基を有してもよいアリールスルホニル基、置換基を有してもよいヘテロアリールスルホニル基を示す。}、又は−S(O)nR10{但し、R10 は分岐してもよいアルキル基(炭素数1-10)を、nは0−2を示す。}を示す。
【0012】
は、置換基を有してもよいアリールメチル基、置換基を有してもよいヘテロアリールメチル基、又は次式(a)で示される置換基を示す。
【0013】
【化2】

【0014】
{但し、R11は分岐してもよいアルキル基(炭素数1-5)、分岐してもよいハロアルキル基(炭素数1-5)、分岐してもよいアルコキシ基(炭素数1-5)、ハロゲン原子、水酸基を示す。Zは−CHR12−基又は−CHR12CHR13−基を示す。該式において、R12及びR13は同一でも又は異なってもよく、それぞれ水素原子、分岐してもよいアルキル基(炭素数1-5)、飽和炭素環を含む分岐してもよいアルキル基(炭素数3-10)、分岐してもよいハロアルキル基(炭素数1-5)、分岐してもよいアルコキシ基(炭素数1-5)、分岐してもよいアルコキシアルキル基(炭素数2-5)、分岐してもよいヒドロキシアルキル基(炭素数1-5)、分岐してもよいアルコキシカルボニル基(炭素数2-5)、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、−CONR1415基又は−NR1617基を示す。該式において、R14及びR15は、同一でも又は異なってもよく、それぞれ水素原子、分岐してもよいアルキル基(炭素数1-5)、飽和炭素環を含む分岐してもよいアルキル基(炭素数3-5)、分岐してもよいアルコキシアルキル基(炭素数2-5)、分岐してもよいヒドロキシアルキル基(炭素数1-5)を示す。また、R16及びR17は同一でも又は異なってもよく、それぞれ水素原子、分岐してもよいアルキル基(炭素数1-5)、分岐してもよいアルカノイル基(炭素数2-5)、置換基を有してもよいアリールカルボニル基、置換基を有してもよいヘテロアリールカルボニル基、分岐してもよいアルキルスルホニル基(炭素数1-5)、置換基を有してもよいアリールスルホニル基、置換基を有してもよいヘテロアリールスルホニル基を示す。}
Xは、−O−、−NH−、−CH−を示す。]
で表される化合物又はその薬理上許容される塩である。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一般式(I)で表される化合物は、胃酸分泌を強力に抑制し、更にヘリコバクター・ピロリに対する優れた抗菌活性を有する。このように、本発明の一般式(I)で表される化合物は、胃酸分泌の抑制作用を有することから、またヘリコバクター・ピロリに対する抗菌作用を有することから、医薬、特に潰瘍性疾患の予防薬又は治療薬として、更には胃炎、逆流性食道炎、胃潰瘍、胃ガン、胃の悪性リンパ腫、胃MALTリンパ腫、十二指腸潰瘍、十二指腸ガン或いは腸炎の予防又は治療への有用性が期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
一般式(I)で示される本発明の化合物について詳述する。一般式(I)のRについて、分岐してもよいアルキル基(炭素数1-10:なお、この発明でいう炭素数は基全体の炭素数を指す。)は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デカニル基等である。二重結合を含む分岐してもよいアルキル基(炭素数2-10)は、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基等である。三重結合を含む分岐してもよいアルキル基(炭素数2-10)は、例えば、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、オクチニル基等である。分岐してもよいハロアルキル基(炭素数1-10)は、例えば、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、モノクロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、2,2,2-トリクロロエチル基等である。飽和炭素環を含む分岐してもよいアルキル基(炭素数3-10)は、例えば、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、2-シクロプロピルエチル基、2-メチルシクロプロピルメチル基、2-(2-メチルシクロプロピル)エチル基、3-(2-メチルシクロプロピル)プロピル基、6-(2-メチルシクロプロピル)ヘキシル基、2-エチルシクロプロピルメチル基、2-プロピルシクロプロピルメチル基、2-ヘキシルシクロプロピルメチル基、シクロブチルメチル基、2-メチルシクロブチルメチル基、シクロペンチルメチル基、2-シクロペンチルエチル基、2-メチルシクロペンチルメチル基、2-(2-メチルシクロペンチル)エチル基、2-エチルシクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、2-シクロヘキシルエチル基、2-メチルシクロヘキシルメチル基、2-(2-メチルシクロヘキシル)エチル基、シクロヘプチルメチル基等である。分岐してもよいアルコキシアルキル基(炭素数2-10)は、例えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基等である。分岐してもよいヒドロキシアルキル基(炭素数1-10)は、例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基等である。
【0017】
一般式(I)のR及びRについて、分岐してもよいアルキル基(炭素数1−10)は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デカニル基等である。飽和炭素環を含む分岐してもよいアルキル基(炭素数3−10)は、例えば、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、2-シクロプロピルエチル基、2-メチルシクロプロピルメチル基、2-(2-メチルシクロプロピル)エチル基、3-(2-メチルシクロプロピル)プロピル基、6-(2-メチルシクロプロピル)ヘキシル基、2-エチルシクロプロピルメチル基、2-プロピルシクロプロピルメチル基、2-ヘキシルシクロプロピルメチル基、シクロブチルメチル基、2-メチルシクロブチルメチル基、シクロペンチルメチル基、2-シクロペンチルエチル基、2-メチルシクロペンチルメチル基、2-(2-メチルシクロペンチル)エチル基、2-エチルシクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、2-シクロヘキシルエチル基、2-メチルシクロヘキシルメチル基、2-(2-メチルシクロヘキシル)エチル基、シクロヘプチルメチル基等である。分岐してもよいハロアルキル基(炭素数1−10)は、例えば、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、モノクロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、2,2,2-トリクロロエチル基等である。分岐してもよいアルコキシアルキル基(炭素数2−10)は、例えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基等である。分岐してもよいヒドロキシアルキル基(炭素数1−10)は、例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基等である。分岐してもよいアルコキシカルボニル基(炭素数2−10)は、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等である。アルカノイル基は、例えば、アセチル基、プロピオニル基等である。また、ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子である。
【0018】
一般式(I)のRについて、分岐してもよいアルキル基(炭素数1−10)は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デカニル基等である。飽和炭素環を含む分岐してもよいアルキル基(炭素数3−10)は、例えば、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、2-シクロプロピルエチル基、2-メチルシクロプロピルメチル基、2-(2-メチルシクロプロピル)エチル基、3-(2-メチルシクロプロピル)プロピル基、6-(2-メチルシクロプロピル)ヘキシル基、2-エチルシクロプロピルメチル基、2-プロピルシクロプロピルメチル基、2-ヘキシルシクロプロピルメチル基、シクロブチルメチル基、2-メチルシクロブチルメチル基、シクロペンチルメチル基、2-シクロペンチルエチル基、2-メチルシクロペンチルメチル基、2-(2-メチルシクロペンチル)エチル基、2-エチルシクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、2-シクロヘキシルエチル基、2-メチルシクロヘキシルメチル基、2-(2-メチルシクロヘキシル)エチル基、シクロヘプチルメチル基等である。分岐してもよいハロアルキル基(炭素数1−10)は、例えば、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、モノクロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、2,2,2-トリクロロエチル基等である。分岐してもよいアルコキシ基(炭素数1−10)は、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基等である。分岐してもよいアルコキシアルキル基(炭素数1−10)は、例えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基等である。分岐してもよいヒドロキシアルキル基(炭素数1−10)は、例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基等である。分岐してもよいアルコキシアルコキシアルキル基(炭素数1−10)は、例えば、メトキシメトキシメチル基、メトキシエトキシメチル基等である。分岐してもよいアルコキシカルボニル基(炭素数1−10)は、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等である。ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子である。
【0019】
−CONR基のR及びRについて、分岐してもよいアルキル基(炭素数1−10)は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デカニル基等である。飽和炭素環を含む分岐してもよいアルキル基(炭素数3−10)は、例えば、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、2-シクロプロピルエチル基、2-メチルシクロプロピルメチル基、2-(2-メチルシクロプロピル)エチル基、3-(2-メチルシクロプロピル)プロピル基、6-(2-メチルシクロプロピル)ヘキシル基、2-エチルシクロプロピルメチル基、2-プロピルシクロプロピルメチル基、2-ヘキシルシクロプロピルメチル基、シクロブチルメチル基、2-メチルシクロブチルメチル基、シクロペンチルメチル基、2-シクロペンチルエチル基、2-メチルシクロペンチルメチル基、2-(2-メチルシクロペンチル)エチル基、2-エチルシクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、2-シクロヘキシルエチル基、2-メチルシクロヘキシルメチル基、2-(2-メチルシクロヘキシル)エチル基、シクロヘプチルメチル基等である。分岐してもよいアルコキシアルキル基(炭素数2−10)は、例えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基等である。分岐してもよいヒドロキシアルキル基(炭素数1−10)は、例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基等)である。
【0020】
−NR基のR及びRについて、分岐してもよいアルキル基(炭素数1−10)は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デカニル基等である。分岐してもよいアルカノイル基(炭素数2−10)は、例えば、アセチル基、プロピオニル基等である。置換基を有してもよいアリールカルボニル基は、例えば、ベンゾイル基等である。置換基を有してもよいヘテロアリールカルボニル基は、例えば、2-ニコチノイル基、3-ニコチノイル基、4-ニコチノイル基等である。分岐してもよいアルキルスルホニル基(炭素数1−10)は、例えば、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基等である。置換基を有してもよいアリールスルホニル基は、例えば、ベンゼンスルホニル基、トルエンスルホニル基等である。置換基を有してもよいヘテロアリールスルホニル基は、例えば、ピリジルスルホニル基等である。
【0021】
−S(O)nR10基のR10について、分岐してもよいアルキル基(炭素数1−10)は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デカニル基等である。
【0022】
一般式(I)のRについて、置換基を有してもよいアリールメチル基は、例えば、ベンジル基、4-フルオロベンジル基、2,6-ジメチルベンジル基、2,6-ジメトキシベンジル基等である。置換基を有してもよいヘテロアリールメチル基は、例えば、2-ピリジルメチル基、3-ピリジルメチル基、4-ピリジルメチル基等である。また、一般式(a)で表される置換基のR11について、分岐してもよいアルキル基(炭素数1−5)は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基である。分岐してもよいハロアルキル基(炭素数1−5)は、例えば、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、モノクロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、2,2,2-トリクロロエチル基等である。分岐してもよいアルコキシ基(炭素数1−5)は、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基等である。ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子である。
【0023】
−CHR12−基及び−CHR12CHR13−基のR12及びR13について、分岐してもよいアルキル基(炭素数1−5)は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基等である。飽和炭素環を含む分岐してもよいアルキル基(炭素数3−5)は、例えば、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、2-シクロプロピルエチル基、2-メチルシクロプロピルメチル基等である。分岐してもよいハロアルキル基(炭素数1−5)は、例えば、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、モノクロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、2,2,2-トリクロロエチル基等である。分岐してもよいアルコキシ基(炭素数1−5)は、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基等である。分岐してもよいアルコキシアルキル基(炭素数2−5)は、例えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基等である。分岐してもよいヒドロキシアルキル基(炭素数1−5)は、例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基等である。分岐してもよいアルコキシカルボニル基(炭素数2−5)は、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等である。、ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子である。
【0024】
−CONR1415基のR14及びR15について、分岐してもよいアルキル基(炭素数1−5)は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基等である。飽和炭素環を含む分岐してもよいアルキル基(炭素数3−5)は、例えば、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、2-シクロプロピルエチル基、2-メチルシクロプロピルメチル基等である。分岐してもよいアルコキシアルキル基(炭素数2−5)は、例えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基等である。分岐してもよいヒドロキシアルキル基(炭素数1−5)は、例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基等である。
【0025】
−NR1617基のR16及びR17について、分岐してもよいアルキル基(炭素数1−5)は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基等である。分岐してもよいアルカノイル基(炭素数2−5)は、例えば、アセチル基、プロピオニル基等である。置換基を有してもよいアリールカルボニル基(炭素数1−5)(例えば、ベンゾイル基等)、置換基を有してもよいヘテロアリールカルボニル基は、例えば、2-ニコチノイル基、3-ニコチノイル基、4-ニコチノイル基等である。分岐してもよいアルキルスルホニル基(炭素数1−5)は、例えば、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基等である。、置換基を有してもよいアリールスルホニル基は、例えば、ベンゼンスルホニル基、トルエンスルホニル基等である。置換基を有してもよいヘテロアリールスルホニル基は、例えば、ピリジルスルホニル基等である。
【0026】
また、前述の基の説明中で、置換基を有してもよいアリールメチル基などにおける置換基としては、分岐してもよいアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基)、分岐してもよいハロアルキル基(例えば、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、モノクロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、2,2,2-トリクロロエチル基等)、分岐してもよいアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基等)、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、水酸基等が挙げられる。
【0027】
本発明の化合物は、いかなる立体異性体、光学異性体、互変異性体及びそれらの任意の混合物等を含むものである。また、本発明化合物は、生体内において代謝されて一般式(I)に変換される化合物及び塩に変換される化合物、いわゆるプロドラッグもすべて含むものである。本発明化合物のプロドラッグを形成する基としては、Prog. Med., 5, 2157, 1985. に記載されている基や広川書店 1990 年刊「医薬品の開発」第7巻分子設計 163 頁に記載されている基が挙げられる。
【0028】
「薬理上許容される塩」の語は、一般式(I)で表される本発明の化合物の生物学的有効性及び特性を保持し、生物学的又はその他の面においても不都合ではない本発明化合物の塩を指す。本発明化合物の付加塩を形成するものとしては、 WILEY-VCH 出版「Hondbook of Pharmaceutical Salts(2002, Camille G.Wermuth and P.Heinrich Stahl)」に記載されているものが挙げられる。例えば、酸付加塩は塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、クエン酸、マロン酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、酒石酸、こはく酸、マンデル酸、リンゴ酸、パントテン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸等が挙げられる。塩基付加塩は水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、アンモニア、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エタノールアミン、ピペリジン、ピリジン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、トリス(ヒドロキシエチル)メチルアミン、リジン、アルギニン、コリン等が挙げられる。
【0029】
上記一般式(I)で表される化合物を、以下に例示する。
(1)4-(4-フルオロベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン
(2)4-(2,6-ジメチルベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン
(3)4-(4-フルオロベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-5-(2-メチルシクロプロピルメチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン
(4)4-(2,6-ジメチルベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-5-(2-メチルシクロプロピルメチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン
(5)4-(4-フルオロベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-5-プロペニル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン
(6)4-(4-フルオロベンジルオキシ)-5-メトキシメチル-6,7-ジメチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン
(7)4-(2,6-ジメチルベンジルオキシ)-5-メトキシメチル-6,7-ジメチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン
(8)4-(4-フルオロベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-5-(2-トリメチルシラニルエトキシメチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン
(9)4-(2,6-ジメチルベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-5-(2-トリメチルシラニルエトキシメチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン
(10)4-(-フルオロベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン
【0030】
(11)4-(2,6-ジメチルベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン
(12)2-クロロ-4-(4-フルオロベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン
(13)4-(4-フルオロベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-カルボニトリル
(14)4-(4-フルオロベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-カルボン酸ジメチルアミド
(15)4-(4-フルオロベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-カルボン酸(2-ヒドロキシプロピル)アミド
(16)2-アミノ-4-(4-フルオロベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン
(17)N-[4-(4-フルオロベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル]アセトアミド
(18)N-[4-(4-フルオロベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル]プロピオンアミド
(19)N-[4-(4-フルオロベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル]ベンズアミド
(20)N-[4-(4-フルオロベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル]メタンスルホンアミド
【0031】
(21)N-[4-(4-フルオロベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル]エタンスルホンアミド
(22)N-[4-(4-フルオロベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル]ベンゼンスルホンアミド
(23)2-アミノ-4-(4-フルオロベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-5-(2-メチルシクロプロピルメチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン
(24)N-[4-(4-フルオロベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-5-(2-メチルシクロプロピルメチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル]メタンスルホンアミド
(25)2-アミノ-4-(2,6-ジメチルベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン
(26)N-[4-(2,6-ジメチルベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル]メタンスルホンアミド
(27)2-アミノ-4-(2,6-ジメチルベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-5-(2-メチルシクロプロピルメチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン
(28)N-[4-(2,6-ジメチルベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-5-(2-メチルシクロプロピルメチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル]メタンスルホンアミド
(29)N-[4-(2,6-ジメトキシベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル]メタンスルホンアミド
(30)N-[4-(インダン-1-イルオキシ)-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル]メタンスルホンアミド
【0032】
(31)N-[4-(5-フルオロインダン-1-イルオキシ)-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル]メタンスルホンアミド
(32)N-[6,7-ジメチル-4-(2-メチルインダン-1-イルオキシ)-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル]メタンスルホンアミド
(33)N-[4-(7-メトキシインダン-1-イルオキシ)-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル]メタンスルホンアミド
(34)N-[6,7-ジメチル-5-プロピル-4-(1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イルオキシ)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル]メタンスルホンアミド
(35)4-(4-フルオロベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-2-メチルスルファニル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン
(36)4-(4-フルオロベンジルオキシ)-2-メタンスルフィニル-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン
(37)4-(4-フルオロベンジルオキシ)-2-メタンスルフォニル-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン
(38)4-(4-フルオロベンジルアミノ)-6,7-ジメチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン
(39)4-(2,6-ジメチルベンジルアミノ)-6,7-ジメチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン
(40)4-(4-フルオロベンジルアミノ)-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン
【0033】
(41)4-(2,6-ジメチルベンジルアミノ)-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン
(42)N-[4-(4-フルオロベンジルアミノ)-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル]メタンスルホンアミド
(43)N-[4-(2,6-ジメチルベンジルアミノ)-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル]メタンスルホンアミド
(44)N-[4-(インダン-1-イルアミノ)-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル]メタンスルホンアミド
(45)4-(4-フルオロベンジルアミノ)-6,7-ジメチル-2-メチルスルファニル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン
(46)4-(4-フルオロベンジルアミノ)-2-メタンスルフィニル-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン
(47)4-(4-フルオロベンジルアミノ)-2-メタンスルフォニル-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン
(48)4-[2-(4-フルオロフェニル)エチル]-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン
(49)4-[2-(2,6-ジメチルフェニル)エチル]-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン
(50)4-[2-(4-フルオロフェニル)エチル]-5-メトキシメチル-6,7-ジメチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン
【0034】
(51)4-[2-(2,6-ジメチルフェニル)エチル]-5-メトキシメチル-6,7-ジメチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン
(52)4-[2-(4-フルオロフェニル)エチル]-6,7-ジメチル-5-(2-トリメチルシラニルエトキシメチル)- 5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン
(53)4-[2-(2,6-ジメチルフェニル)エチル]-6,7-ジメチル-5-(2-トリメチルシラニルエトキシメチル)- 5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン
(54)4-[2-(4-フルオロフェニル)エチル]-6,7-ジメチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン
(55)4-[2-(2,6-ジメチルフェニル)エチル]-6,7-ジメチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン
(56)N-{4-[2-(4-フルオロフェニル)エチル]-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル}メタンスルホンアミド
(57)4-[2-(4-フルオロフェニル)エチル]-6,7-ジメチル-2-メチルスルファニル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン
(58)4-[2-(4-フルオロフェニル)エチル]-2-メタンスルフィニル-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン
(59)4-[2-(4-フルオロフェニル)エチル]-2-メタンスルフォニル-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン
【0035】
本発明化合物は、以下の方法で製造することができる。製造に使用する保護基は WILEY-Interscience 出版「Protective Groups in Organic Synthesis(1999, Theodora W.Greene and Peter G.M.Wuts)」に記載されている保護基等が挙げられる。
【0036】
A.一般式(I)におけるR及びRがメチル基で、Rが水素原子であるピロロ[3,2-d]ピリミジン誘導体の合成は、合成中間体(X)を経て合成される。この合成中間体(X)の製造例を、下記のスキーム1に示す。出発化合物の3-シアノ-2-ブタノン(VI) は文献(例えば、国際公開第03/014067号パンフレット、J.Pharm.Soc.Japan,1956,76,60)記載の方法に従って製造できる。
【0037】
【化3】

【0038】
第1工程:3-シアノ-2-ブタノン(VI)とアミノマロン酸ジエチルとの反応によりエナミン(VII)を得る工程である。反応は、酢酸ナトリウム存在下、メタノール、エタノール等のアルコール類と水の混媒中、又は、ベンゼン、トルエン、エーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4-ジオキサン等の不活性溶媒中で行われる。反応は、0℃から溶媒還流温度で行われる。
第2工程:エナミン(VII)からピロール誘導体(VIII)を得る工程である。反応は通常、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム-t-ブトキシド、水素化ナトリウム、水素化カリウム、トリエチルアミン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の塩基存在下、不活性溶媒中で行われ、好適なものとしてはメタノール、エタノール、エーテル、THF、1,4-ジオキサン、ベンゼン、トルエン等が挙げられる。反応は、0℃から溶媒還流温度で行われる。
【0039】
第3工程:ピロール誘導体(VIII)とホルムアミジンとの反応によりピロロ[3,2-d]ピリミドン(IX)を得る工程である。反応は、不活性溶媒中で行われ、好適なものとしてはメタノール、エタノール、エーテル、THF、1,4-ジオキサン、ベンゼン、トルエン等が挙げられる。反応は、0℃から溶媒還流温度で行われる。
なお、第1〜第3工程は、文献(例えば、J. Org. Chem., 1999,64,8411等)記載の方法に準じて行える。
第4工程:化合物(IX)とオキシ塩化リンとの反応により中間体化合物(X)を得る方法である。反応は通常、無溶媒あるいはベンゼン、トルエン等の不活性溶媒中で行われる。反応は通常、室温から溶媒還流温度で行われる。
【0040】
B.一般式(I)におけるR及びRがメチル基で、Rが分岐してもよいアルキル基、−NR(但し、R及びRは前述と同意である)又は塩素原子であるピロロ[3,2-d]ピリミジン誘導体は、合成中間体(XII)を経て合成される。この合成中間体(XII)の製造例を下記スキーム2に示す。出発化合物の化合物(XII)は文献(例えば、J. Med. Chem., 2000,43,4288等)記載の方法に準じて製造できる。
【0041】
【化4】

【0042】
第5工程:ピロール誘導体(VIII)よりピロロ[3,2-d]ピリミジン誘導体(XI)(但し、R20は分岐してもよいアルキル基、−NH又は水酸基である)を得る工程である。反応は、ピロール誘導体(VIII)を、分岐してもよいアルキルニトリル(但し、R20は分岐してもよいアルキル基)又はシアナミド(但し、R20は−NH)と塩化水素の存在下で反応させるか、或いはシアン酸カリウム(但し、R20は水酸基)と反応させた後、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ水溶液で処理することで行われる。反応は、通常、無溶媒あるいはベンゼン、トルエン、エーテル、THF、1,4-ジオキサン等の不活性溶媒中で行われる。反応は通常、室温から溶媒還流温度で行われる。
第6工程:化合物(XI)とオキシ塩化リンとの反応により化合物(XII)(但し、R21は分岐してもよいアルキル基、−NH又は塩素原子である)を得る工程である。反応は通常、無溶媒あるいはベンゼン、トルエン等の不活性溶媒中で行われる。反応は通常、室温から溶媒還流温度で行われる。
【0043】
C.一般式(I)におけるR、Rがメチル基で、Rが−S(O)nR10(但し、R10、nは前述と同意である。)であるピロロ[3,2-d]ピリミジン誘導体は、合成中間体(XV)を経て合成される。この合成中間体(XV)は、下記のスキーム3の方法により製造することができる。
【0044】
【化5】

【0045】
第7工程:ピロール誘導体(VIII)よりピロロ[3,2-d]ピリミジン誘導体(XIII)を得る工程である。反応は、文献(例えば、J. Med. Chem., 2000,43,4288等)記載の方法に準じて行われる。反応は、ピロール誘導体(VIII)をエトキシカルボニルイソチオシアネートと反応させた後、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ水溶液で処理することで行われる。反応は通常、無溶媒あるいはベンゼン、トルエン、エーテル、THF、1,4-ジオキサン等の不活性溶媒中で、室温から溶媒還流温度で行われる。
【0046】
第8工程:化合物(XIII)と R10−A との反応により化合物(XIV)を得る工程である。反応は通常、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム-t-ブトキシド、水素化ナトリウム、水素化カリウム、トリエチルアミン、DBU、LDA、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の塩基存在下、不活性溶媒中で行われる。不活性溶媒としては、、好適なものとし、エーテル、THF、1,4-ジオキサン、ジクロロメタン、アセトン、ベンゼン、トルエン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO) 等が挙げられる。また、18-クラウン-6 等のクラウンエーテル化合物を添加してもよい。反応は通常、−78℃から溶媒還流温度で行われる。(但し、式中、A はハロゲン原子、メタンスルホニルオキシ基、トルエンスルホニルオキシ基、又はトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を示し、R10は前述と同意である。)
第9工程:化合物(XIV)とN-クロロスクシンイミド(NCS)との反応により化合物(XV)を得る工程である。反応は通常、無溶媒あるいは、エーテル、THF、1,4-ジオキサン等等の不活性溶媒中で行われる。反応は通常、室温から溶媒還流温度で行われる。
【0047】
D.次に、本発明の一般式(I)で表されるピロロ[3,2-d]ピリミジン誘導体を、前述の合成中間体から製造する方法について説明する。
D−1.一般式(I)におけるR及びRがメチル基、−X−基が−O−基であるピロロ[3,2-d]ピリミジン誘導体は、下記のスキーム4の方法に従って製造することができる。
【0048】
【化6】

【0049】
第10工程:7-クロロピロロ[3,2-d]ピリミジン誘導体(XVI)と R−A との反応により化合物(XVII)を得る工程である。反応は通常、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム-t-ブトキシド、水素化ナトリウム、水素化カリウム、トリエチルアミン、DBU、LDA、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の塩基存在下、不活性溶媒中で行われ、好適なものとしてはエーテル、THF、1,4-ジオキサン、ジクロロメタン、アセトン、ベンゼン、トルエン、DMF、DMSO等が挙げられる。また、18-クラウン-6 等のクラウンエーテル化合物を添加してもよい。反応は通常、−78℃から溶媒還流温度で行われる(但し、A、Rは前述と同意である。)。
【0050】
第11工程:化合物(XVII)とR−OH との反応により化合物(XVIII)を得る工程である。反応は通常、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム-t-ブトキシド、水素化ナトリウム、水素化カリウム、トリエチルアミン、DBU、LDA、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の塩基存在下、不活性溶媒中で行われ、好適なものとしてはエーテル、THF、1,4-ジオキサン、ジクロロメタン、アセトン、ベンゼン、トルエン、DMF、DMSO等が挙げられる。また、18-クラウン-6 等のクラウンエーテル化合物を添加してもよい。反応は通常、−78℃から溶媒還流温度で行われる(但し、Rは前述と同意である。)。
【0051】
第12工程:Rがアリル基、メトキシメチル基、ベンジル基、p-メトキシベンジル基、トリメチルシリルエトキシメチル基等の場合、脱保護条件により化合物(XVIII)を得る工程である。脱保護条件としては、例えば、カリウム-t-ブトキシド/DMSOの反応系(Rがアリル基)、プロトン酸及びルイス酸の反応系(Rがメトキシメチル基)、パラジウム炭素等の触媒を使用する接触水素化分解反応(Rがベンジル基)、硝酸二アンモニウムセリウムを用いる反応系(Rがp-メトキシベンジル基)、テトラブチルアンモニウムフロライド、フッ化水素酸等を用いる反応系(Rがトリメチルシリルエトキシメチル基)等が挙げられる。
【0052】
D−2.一般式(I)におけるR及びRがメチル基、−X−基が−NH−基であるピロロ[3,2-d]ピリミジン誘導体は、下記のスキーム5の方法に従って製造することができる。
【0053】
【化7】

【0054】
第13工程:7-クロロピロロ[3,2-d]ピリミジン誘導体(XVII)と R−NHとの反応により化合物(XX)を得る工程である。反応は通常、無溶媒あるいは、エーテル、THF、1,4-ジオキサン、ジクロロメタン、アセトン、ベンゼン、トルエン、キシレン、DMF、DMSO 等の不活性溶媒中で行われる。反応は通常、室温から溶媒還流温度で行われる。
【0055】
D−3.一般式(I)におけるR及びRがメチル基、−X−基が−CH−基であるピロロ[3,2-d]ピリミジン誘導体は、下記のスキーム6の方法に従って製造することができる。
【0056】
【化8】

【0057】
第14工程:7-クロロピロロ[3,2-d]ピリミジン誘導体(XVII)とR−CH−9−BBNのようなホウ素化合物との鈴木−宮浦反応により化合物(XXI)を得る工程である。反応は炭酸ナトリウム、リン酸カリウム等のアルカリ水溶液及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロライド、[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロライド、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、パラジウム炭素等のパラジウム触媒存在下、THF、1,4-ジオキサン、ベンゼン、トルエン、DMF、DMSO等の不活性溶媒中で行われる。反応は通常、室温から溶媒還流温度で行われる。
【0058】
第15工程:Rがアリル基、メトキシメチル基、ベンジル基、p-メトキシベンジル基、トリメチルシリルエトキシメチル基等の場合、脱保護条件により化合物(XXII)を得る工程である。脱保護条件としては、例えば、カリウム-t-ブトキシド/DMSOの反応系(Rがアリル基)、プロトン酸及びルイス酸の反応系(Rがメトキシメチル基)、パラジウム炭素等の触媒を使用する接触水素化分解反応(Rがベンジル基)、硝酸二アンモニウムセリウムを用いる反応系(Rがp-メトキシベンジル基)、テトラブチルアンモニウムフロライド、フッ化水素酸等を用いる反応系(Rがトリメチルシリルエトキシメチル基)等が挙げられる。
【0059】
各反応終了後、各反応の目的化合物は、常法に従って反応混合物から採取される。例えば、不溶物が存在する場合は、適宜ろ過し、溶剤を減圧留去することによって又は溶剤を減圧留去した後、残留物に水を加え酢酸エチルのような水不混和性有機溶媒で抽出し、無水硫酸マグネシウム等で乾燥した後、溶媒を留去することにより得ることができ、必要ならば、常法、例えば、再結晶、カラムクロマトグラフィー等でさらに精製することができる。
【0060】
本発明のピロロ[3,2-d]ピリミジン誘導体は、すぐれた酸分泌抑制作用及びヘリコバクター ピロリーに対するすぐれた抗菌活性を有し、消化性潰瘍、急性又は慢性胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃炎、逆流性食道炎、胃食道反射疾患、消化不良、胃酸過多症、治療剤又は外科手術の際の潰瘍性疾患の予防剤或はヘリコバクター・ピロリに対する抗菌剤として有用である。
【0061】
本発明の一般式(I)で示される化合物又はその薬理学的に許容される塩を上記の医薬品として用いる場合、適宜の薬理学的に許容される担体、賦形剤(例えば、デンプン、乳糖、白糖、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム等)、結合剤(例えば、デンプン、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、アルギン酸、ゼラチン、ポリビニルピリドン等)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク等)、崩壊剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、タルク等)、希釈剤(例えば、生理食塩水等)等と混合し、常法により散剤、細粒剤、カプセル剤、錠剤、外用剤又は注射剤等の形態で経口的又は非経口的に投与することができる。
【0062】
本発明の前記組成物の投与量は投与ルート、対象疾患、患者の症状、体重あるいは年齢、用いる化合物によっても異なり、投与目的に応じて適宜設定することができる。通常、成人に経口投与する場合、0.01から1000mg/kg体重/日、好ましくは0.05から500mg/kg体重/日を、一日1から数回に分けて投与するのが好ましい。
【0063】
本発明の一般式(I)で示される化合物又はその薬理上許容される塩は、また、他の薬剤、特に、消化器疾患に用いられる治療剤と併用し、潰瘍性疾患の予防又は治療に用いることができる。この他の薬剤としては、例えば、ジアゼパム、クロルジアゼポキシドのような鎮静薬:炭酸水素ナトリウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウムのような制酸薬:シメチジン、ラニチジン、ファモチジン、ラフチジン、ニザチジン、ロキサチジンのようなヒスタミンH遮断薬:オメプラゾール、エソメプラゾール、パントプラゾール、ラべプラゾール、テナトプラゾール、イラプラゾール、ランソプラゾールのようなプロトンポンプ阻害薬:トロスピウム、ソリフェナシン、トルテロジン、チオトロピウム、シメトロピウム、オキシトロピウム、イプラトロピウム、チクイジウム、ダリフェナシン、イミダフェナシンのようなムスカリン受容体遮断薬:ウロガストロン、プログルミド、セクレチンのような抗ガストリン薬:アズレンスルホン酸ナトリウム、アズロキサ、L-グルタミン、テプレノン、レバミピド、ポラプレジンク、エカベト、プラウノトール、セトラキサート、スクラルファートのような粘膜保護・組織修復促進薬:ミソプロストールやエンプロスチルのようなプロスタグランジン系薬:ドラセトロン、パロノセトロン、アロセトロン、アザセトロン、ラモセトロン、ミトラザピン、グラニセトロン、トロピセトロン、オンダンセトロン、インジセトロンのようなセロトニン5−HT受容体遮断薬:テガセロド、モサプリド、シニタプリド、オキシトリプタンのようなセロトニン5−HT受容体作用薬:メトクロプラミド、ドンぺリドン、レボスルピリドのようなドパミンD受容体遮断薬:エリスロマイシン、ミテンシナル、SLV−305、アチルモチンのようなモチリン作用薬:ジアセチルグリセロール、3-ブロモ-5-メチル-2-フェニルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-オールのようなGIP阻害薬:アラニジピン、ラシジピン、ファロジピン、アゼルニジピン、クリニジピン、ロメリジン、ジルチアゼム、ガルロパミル、エフォニジピン、ニソルジピン、アムロジピン、レルカニジピン、ベバントロール、ニカルジピン、イスラジピン、ベニジピン、ベラパミル、ニトレンジピン、バルニジピン、プロパフェノン、マニジピン、ベプリジル、ニフェジピン、ニルバジピン、ニモジピン、ファスジルのようなカルシウムチャンネル拮抗薬:ピナシジル、チリソロール、ニコランジル、NS-8、レチガビンのようなカリウムチャンネル開口薬:バクロフェン、AZD−3355のようなGABA作用薬:GAS−360、SGS−742のようなGABA遮断薬:ネパデュタント、TAK−637、MK−869、ラネピタント、ダピタントのようなタキキニン遮断薬:GW−274150、チラルギニン、グアニジオエチルジスルフィド、ニトロフルルビプロフェンのようなNO合成酵素阻害薬:AMG−517、GW−705498のようなバニロイド受容体1遮断薬:スクアルアミン、DY−9760のようなカルモジュリン遮断薬:ドブタミン、デノパミン、キサモテロール、デノパミン、ドカルパミン、キサモテロールのようなβ1作用薬:サルブタモール、テルブタリン、アルホルモテロール、メルアドリン、マブテロール、リトドリン、フェノテロール、クレンブテロール、ホルモテロール、プロカテロール、ピルブテロール、バムブテロール、ツロブテロール、ドペキサミン、レボサルブタモールのようなβ2作用薬:イソプロテレノール、テルブタリンのようなβ作用薬:クロニジン、メデトミジン、ロフェキシジン、モキソニジン、チザニジン、グアンファシン、グアナベンズ、タリペキソール、デキスメデトミジンのようなα2作用薬:ボンセタン、アトラセンタン、アンブリセンタン、クラゾセンタン、シタックスセンタン、ファンドセンタン、ダルセンタンのようなエンドセリンA遮断薬:モルヒネ、フェンタニル、ロペラミドのようなオピオイドμ作用薬、ナロキソン、ブプレノルフィン、アルビモパンのようなオピオイドμ遮断薬:Z−338、KW−5092のようなアセチルコリンエステラーゼ放出刺激薬:YF−476、S−0509のようなCCK−B遮断薬:NN−2501、A−770077のようなグルカゴン遮断薬:クラリスロマイシン、ロキシスロマイシン、ロキタマイシン、フルリスロマイシン、テリスロマイシン、アモキシシリン、アンピシリン、テモシリン、バカンピシリン、アスポキシシリン、スルタミシリン、ピペラシリン、レナンピシリン、テトラサイクリン、メトロニダゾール、次クエン酸ビスマス、次サリチル酸ビスマスのような抗ヘリコバクター・ピロリ薬等が挙げられる。
【0064】
以下に、本発明の一般式(I)で表される化合物の薬理作用の試験例、並びに本発明の一般式(I)で表される化合物の合成中間体の製造例を示す参考例及び一般式(I)で表される化合物の製造例を示す実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。
〔試験例〕
試験例1:H-K ATPase阻害作用の評価
本郷らの方法{Japan J.Pharmacol.,52,295(1990)}に従い、新鮮なブタの胃粘膜層より調整したミクロソーム画分をH-K ATPase標品として用いた。タンパク濃度に換算して20-40μg/mLの酵素標品を含む2mM BIS-Tris酢酸緩衝液(pH5.5または7.4)0.49mLに、DMSOに溶解した被験化合物溶液0.01mLを加えて、37℃で30分間インキュベーションした。75mM BIS-Tris酢酸緩衝液(10mM KCl、4mM MgCl2を含む、pH7.4)で調整した4mMアデノシントリホスフェート2ナトリウム溶液0.5mLを加えることにより酵素反応を開始した。15分間酵素反応を行い、15%トリクロロ酢酸溶液1mLを加えて、反応を停止させた。反応液を2000gで10分間遠心分離した後、上清中のアデノシントリホスフェートの加水分解により生成した無機リン酸をFiske-Subbarowの方法{J.Biol.Chem.,66,375(1925)}で比色定量した。また、KClの存在しない反応溶液中の無機リン酸量も同様に測定し、KCl存在下での無機リン酸量から差し引くことによって、この差をH-K ATPase活性とした。コントロール活性値と被験化合物各濃度における活性値から阻害率(%)を求め、H-K ATPaseに対する50%阻害濃度(IC50)を求めた。その結果を表1に示す。
【0065】
試験例2:ヘリコバクター ピロリ増殖抑制作用
DMSOに溶解した被験化合物溶液を含む(培養液中におけるDMSO最終濃度は1%)10%Fetal Bovine Serum(FBS)含有Brain Heart Infusion Broth(BHI-ブロス)中に、前培養したH.pylori菌液(ATCC43504株、培養生菌数;2.5×106CFU/mL)を添加し、37℃、微好気条件下(5%O2、10%CO2、85%N2)、24時間の振とう培養を行った。なお、被験物質を含まないDMSOを添加したものを、コントロールとして同様に実施した。培養後の菌液より、BHI-ブロスにて適宜希釈系列を作成し、それぞれの希釈菌液0.1mLを、馬血液寒天培地上に塗布し、37℃、微好気条件下、さらに7日間培養した。寒天培地上に形成されたH.pyloriのコロニー数を計測し、希釈倍率を乗じて、各菌液中の生菌数を求め、コントロールにおけるH.pyloriの増殖生菌数を90%抑制する被験物質の濃度(MIC90)を算出した。その結果を表1に示す。
【0066】
【表1】

【0067】
〔参考例〕
参考例1
3-アミノ-4,5-ジメチル-1H-ピロール-2-カルボン酸エチルエステルの製造例
3-シアノ-2-ブタノン34.4gのメタノール1500mL及び水300mL混合液に、アミノマロン酸ジエチルエステル塩酸塩112.4gと酢酸ナトリウム43.6gを加え、室温で20時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、メタノールを留去後、残留水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。粗生成物のエタノール1500mL溶液にナトリウムエトキシド14.5gを加え、80℃にて4時間撹拌した。反応液を減圧濃縮後、残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)に付し、表題化合物52.3gを黄色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 1.29-1.33(m,3H), 1.84(s,3H), 2.13(s,3H), 4.02-4.26(m,4H), 4.25(m,2H), 7.63-7.96(br,1H).
【0068】
参考例2
6,7-ジメチル-3,5-ジヒドロピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オンの製造例
3-アミノ-4,5-ジメチル-1H-ピロール-2-カルボン酸エチルエステル7.50gのエタノール60mL溶液に、ホルムアミジン酢酸塩6.40gを加え、16時間加熱還流した。反応液を放冷後、析出結晶をろ取し、得られた結晶をエタノール洗浄、乾燥し、表題化合物5.24gを灰色結晶として得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ= 2.06(s,3H), 2.25(s.3H), 7.71(s,1H), 11.47(br-s,2H).
参考例3
4-クロロ-6,7-ジメチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンの製造例
6,7-ジメチル-3,5-ジヒドロピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン5.24gとオキシ塩化リン75mL混合液を130℃にて20時間撹拌した。反応液を減圧濃縮後、残渣に氷及び飽和炭酸水素ナトリウム水を加え、pHを約8とした。酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮し、表題化合物5.26gを黄色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 2.29(s,3H), 2.50(s,3H), 8.65(br-s,1H), 8.69(s,1H).
【0069】
参考例4
4-クロロ-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンの製造例
4-クロロ-6,7-ジメチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン411mgのDMF6mL溶液に氷冷下で水素化ナトリウム110mgを加え、30分間撹拌した。反応液に臭化n−プロパン0.23mLを加え、室温で5時間攪拌した。反応液を飽和塩化アンモニウム水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)に付し、表題化合物434mgを淡黄色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 0.98(t,3H,J=7.6Hz), 1.76-1.82(m,2H), 2.30(s,3H), 2.44(s,3H), 4.36(t,J=8.2Hz,2H), 8.61(s,1H).
参考例5
4-クロロ-6,7-ジメチル-5-(2-メチルシクロプロピルメチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンの製造例
4-クロロ-6,7-ジメチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンと1-ブロモメチル-2-メチルシクロプロパンを用いて、参考例4と同様にして、表題化合物を黄色油状物として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 0.27-0.31(m,1H), 0.50-0.55(m,1H), 0.76-0.91(m,2H), 0.99(d,J=5.6Hz,3H), 2.31(s,3H), 2.46(s, 3H), 4.39(d,J=6.3Hz, 2H), 8.62(s,1H).
【0070】
参考例6
5-アリル-4-クロロ-6,7-ジメチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンの製造例
4-クロロ-6,7-ジメチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンと臭化アリルを用いて、参考例4と同様にして、表題化合物を黄色油状物として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 2.32(s,3H), 2.41(s,3H), 4.66(d,J=16.8Hz,1H), 5.07-5.09(m,1H), 5.16(d, J=10.7Hz,1H), 5.96-6.03
(m,1H), 8.63(s,1H).
参考例7
4-クロロ-5-メトキシメチル-6,7-ジメチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンの製造例
4-クロロ-6,7-ジメチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンとクロロメチルメチルエーテルを用いて、参考例4と同様にして、表題化合物を黄色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 2.31(s,3H), 2.51(s,3H), 3.32(s,3H), 5.80(s,2H), 8.68(s,1H).
【0071】
参考例8
4-クロロ-6,7-ジメチル-5-(2-トリメチルシラニルエトキシメチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンの製造例
4-クロロ-6,7-ジメチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンと2-(クロロメトキシ)エチルトリメチルシランを用いて、参考例4と同様にして、表題化合物を黄色油状物として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ=−0.01(s,9H), 0.94(t,J=8.3Hz,2H), 2.35(s,3H), 2.56(s,3H), 3.62(t,J=8.1Hz,2H), 5.86 (s,2H), 8.71 (s,1H).
参考例9
6,7-ジメチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2,4-ジオールの製造例
3-アミノ-4,5-ジメチル-1H-ピロール-2-カルボン酸エチルエステル4.64gの酢酸100mL及び水10mL溶液にシアン酸カリウム6.21gの水20mL溶液を加え、室温で22時間撹拌した。反応液を放冷後、析出結晶をろ取した。結晶をジエチルエーテル及び水洗浄し、乾燥した。得られた結晶の6%水酸化ナトリウム100mL混合液を3時間加熱還流した。反応液に12N塩酸を加え、pHを約6とした。析出結晶をろ取後、水洗浄、乾燥し、表題化合物1.87gを紫色結晶として得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ= 1.92(s,3H), 2.13(s,3H), 10.36(br-s,1H), 10.67(br-s,1H), 11.39(br-s,1H).
【0072】
参考例10
2,4-ジクロロ-6,7-ジメチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンの製造例
6,7-ジメチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2,4-ジオールとオキシ塩化リンを用いて、参考例3と同様にして、表題化合物を黄色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 2.25(s,3H), 2.51(s,3H), 8.65(br-s,1H).
参考例11
2,4-ジクロロ-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンの製造例
2,4-ジクロロ-6,7-ジメチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンと臭化n−プロパンを用いて、参考例4と同様にして、表題化合物を白色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 0.66(t,J=7.3Hz,3H), 1.41-1.51(m,2H), 1.94(s,3H), 2.12(s,3H), 4.01(t,J=7.8Hz,2H).
【0073】
参考例12
2-アミノ-6,7-ジメチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オールの製造例
3-アミノ-4,5-ジメチル-1H-ピロール-2-カルボン酸エチルエステル17.21gのメタノール110mL溶液に1,3-ビス(tert-ブトキシカルボニル)-2-メチル-2-チオシュードウレア34.28g及び酢酸34mLを加え、室温で21.5時間撹拌した。析出結晶をろ取後、水洗浄し、乾燥した。この結晶の塩化メチレン230mL溶液にトリフルオロ酢酸115mLを加え、室温で15時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、得られた結晶のエタノール230mL及び1N水酸化ナトリウム230mL混合液を3.5時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮しエタノールを留去した。残留水層に10%塩酸を加え、pHを約6とした。析出結晶をろ取後、水洗浄、乾燥し、表題化合物16.82gを白色結晶として得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ= 1.99(s,3H), 2.20(s,3H), 7.36(br-s,2H), 11.72(br-s,1H).
【0074】
参考例13
2-アミノ-4-クロロ-6,7-ジメチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンの製造例
2-アミノ-6,7-ジメチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オールとオキシ塩化リンを用いて、参考例3と同様にして、表題化合物を黄色結晶として得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ= 2.02(s,3H), 2.31(s,3H), 6.08(br-s,2H), 11.14(br-s,1H).
参考例14
2-アミノ-4-クロロ-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンの製造例
2-アミノ-4-クロロ-6,7-ジメチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン3.50gのDMF45mL溶液に、臭化n−プロパン0.23mL、炭酸カリウム、ヨウ化カリウム0.296gを加え、80℃で15.5時間撹拌した。反応液を水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)に付し、表題化合物3.48gを黄色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 0.94(t,J=7.3Hz,3H), 1.70-1.78(m,2H), 2.16(s,3H), 2.34(s,3H), 4.22(t,J=7.8Hz,2H), 4.81(br-s,2H).
【0075】
参考例15
2-アミノ-4-クロロ-6,7-ジメチル-5-(2-メチルシクロプロピルメチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンの製造例
2-アミノ-4-クロロ-6,7-ジメチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンと1-ブロモメチル-2-メチルシクロプロパンを用いて、参考例14と同様にして、表題化合物を黄色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 0.23-0.28(m,1H), 0.46-0.51(m,1H), 0.83-0.87(m,2H), 0.98(d,J=5.9Hz,3H), 2.17 (s,3H), 2.36 (s.3H), 4.24(d,J=6.3Hz,2H), 4.77(br-s,2H).
参考例16
N-(4-クロロ-6,7-ジメチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)メタンスルホンアミドの製造例
2-アミノ-4-クロロ-6,7-ジメチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン2.00gののピリジン50mL溶液に、氷冷下、塩化メタンスルホニル1.6mLを加え、室温で4.5時間撹拌した。反応液を減圧濃縮後、残渣を水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)に付し、表題化合物0.48gを白色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 2.19(s,3H), 2.45(s,3H), 3.54(s,3H), 8.12(br-s,1H).
【0076】
参考例17
2-メルカプト-6,7-ジメチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オールの製造例
3-アミノ-4,5-ジメチル-1H-ピロール-2-カルボン酸エチルエステル10.00gとエトキシカルボニルイソチオシアネート7.20gのベンゼン270mL溶液を、2.5時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮し、析出結晶をろ取し、n-ヘキサン洗浄後、乾燥した。得られた結晶の6%水酸化カリウム450mL混合液を16時間加熱還流した。反応液を放冷後、濃塩酸を加え、pHを約5とした。析出結晶をろ取後、水洗浄、乾燥し、表題化合物7.69gを紫色結晶として得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ= 2.00 (s,3H), 2.17 (s.3H), 11.77(br-s,1H), 11.82(br-s,1H), 12.43(br-s,1H).
参考例18
6,7-ジメチル-2-メチルスルファニル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オールの製造例
2-メルカプト-6,7-ジメチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オール7.69gのアセトン700mL懸濁液に、炭酸カリウム4.40g、ヨードメタン3.9mLを加え、室温で21時間撹拌した。反応液をろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)に付し、表題化合物3.83gを灰色結晶として得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ= 2.03 (s,3H), 2.22 (s.3H), 2.52(s,3H), 11.50(br-s,1H), 11.85(br-s,1H).
【0077】
参考例19
4-クロロ-6,7-ジメチル-2-メチルスルファニル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンの製造例
トリフェニルホスフィン18.58gのTHF145mL溶液に、N-クロロスクシンイミド9.46gを加え、室温で1時間撹拌した。反応液に6,7-ジメチル-2-メチルスルファニル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オール4.94gのTHF95 mL溶液を加え、15時間加熱還流した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)に付し、表題化合物4.43gを黄色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 2.22 (s,3H), 2.45 (s.3H), 2.64(s,3H), 8.03(br-s,1H).
参考例20
4-クロロ-6,7-ジメチル-2-メチルスルファニル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンの製造例
4-クロロ-6,7-ジメチル-2-メチルスルファニル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンと臭化n−プロパンを用いて、参考例4と同様にして、表題化合物を黄色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 0.95(t,J=7.2Hz,3H), 1.72-1.78(m,2H), 2.23(S,3H), 2.39(S,3H), 2.63(S,3H), 4.29(t,J=7.2Hz, 2H).
【0078】
〔実施例〕
実施例1
4-(4-フルオロベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンの製造
4-フルオロベンジルアルコール220mg及び18-クラウン-6-エーテル50mgをTHF8mLに溶解し、カリウムt-ブトキシド400mgを加え、室温で40分間撹拌した。反応液に、参考例4で得た4-クロロ-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン200mgを加え、室温で18.5時間撹拌した。反応液を飽和塩化アンモニウム水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)に付し、表題化合物170mgを淡黄色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 0.79(t,J=7.3Hz,3H), 1.61-1.69(m,2H), 2.27(S,3H), .35(S,3H), 4.14-4.17(m,2H), 5.53(S,2H),
7.05-7.09(m,2H), 7.43-7.47(m,2H), 8.43(S,1H).
【0079】
実施例2
4-(2,6-ジメチルベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンの製造
参考例4で得た4-クロロ-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンと2,6-ジメチルベンジルアルコールを用いて、実施例1と同様にして、表題化合物を白色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ=0.61(t,J=7.3Hz,3H), 1.55(m,2H), 2.27(s,3H), 2.32(s,3H), 2.43(s,6H), 4.01(t,J=7.6Hz,2H),
5.61(s,2H), 7.08(d,J=7.3Hz,2H), 7.16(m,1H), 8.50(s,1H).
実施例3
4-(4-フルオロベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-5-(2-メチルシクロプロピルメチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンの製造
参考例5で得た4−クロロ-6,7-ジメチル-5-(2-メチルシクロプロピルメチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンと4-フルオロベンジルアルコールを用いて、実施例1と同様にして、表題化合物を白色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 0.12-0.17(m,1H), 0.36-0.41(m,1H), 0.62(m,1H), 0.79-0.81(m,1H), 0.90(d,J=5.6Hz,3H), 2.29 (s,3H), 2.38(s,3H), 4.09(dd,J=7.2Hz,14.6Hz,1H), 4.21(dd,J=6.3Hz,14.6Hz,1H), 5.50-5.59(m,2H), 7.04-7.10(m,2H), 7.44-7.48(m,2H), 8.47 (s,1H).
【0080】
実施例4
4-(2,6-ジメチルベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-5-(2-メチルシクロプロピルメチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンの製造
参考例5で得た4-クロロ-6,7-ジメチル-5-(2-メチルシクロプロピルメチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンと2,6-ジメチルベンジルアルコールを用いて、実施例1と同様にして、表題化合物を白色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 0.03-0.06(m,1H), 0.20-0.25(m1H), 0.45(m,1H), 0.64-0.70(m,IH), 0.80(d,3H,J=5.8Hz), 2.28
(s,3H), 2.35(s,3H), 2.44(s,6H), 3.93(dd,J=7.0Hz,1H), 4.11(dd, J=6.3Hz,14.6Hz,1H), 5.60-5.68(m,1H), 7.07(d,
J=7.3Hz,1H), 7.18(t,J=6.8Hz,1H), 8.50(s,1H).
実施例5
4-(4-フルオロベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-5-プロペニル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンの製造
参考例6で得た5-アリル-4-クロロ-6,7-ジメチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンと4-フルオロベンジルアルコールを用いて、実施例1と同様にして、表題化合物を淡黄色油状物として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 1.46(dd,J=1.7Hz,6.8Hz,3H), 2.27(s,3H), 2.32(s,3H), 5.51(s,2H), 5.83-5.86(m,1H), 6.65(dd,
J=2.0Hz,8.1Hz,1H), 7.02-7.07(m,2H), 7.39-7.43(m,2H), 8.48(s,1H).
【0081】
実施例6
4-(4-フルオロベンジルオキシ)-5-メトキシメチル-6,7-ジメチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンの製造
参考例7で得た4-クロロ-5-メトキシメチル-6,7-ジメチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンと4-フルオロベンジルアルコールを用いて、実施例1と同様にして、表題化合物を黄色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 2.28(s.3H), 2.42(s,3H), 3.14(s,3H), 5.58(s,2H), 5.61(s,2H), 7.05-7.10(m,2H), 7,45-7,49
(m,2H), 8,51(s,1H).
実施例7
4-(2,6-ジメチルベンジルオキシ)-5-メトキシメチル-6,7-ジメチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンの製造
参考例7で得た4-クロロ-5-メトキシメチル-6,7-ジメチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンと2,6-ジメチルベンジルアルコールを用いて、実施例1と同様にして、表題化合物を黄色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 2.28(s.3H), 2.40(s,3H), 2.44(s.6H), 3.03(s,3H), 5.47(s,2H), 5.65(s,2H), 7.08 (d,J=7.6Hz,2H),
7.19(m,1H), 8.55(s,1H).
【0082】
実施例8
4-(4-フルオロベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-5-(2-トリメチルシラニルエトキシメチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンの製造
参考例8で得た4-クロロ-6,7-ジメチル-5-(2-トリメチルシラニルエトキシメチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンと4-フルオロベンジルアルコールを用いて、実施例1と同様にして、表題化合物を黄色油状物として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ=−0.12(s,9H), 0.77(t,J=8.1Hz,2H), 2.28(s,3H), 2.43(s,3H), 3.39(t,J=8.1Hz,2H), 5.57(s.2H), 5.64 (s.2H), 7.02-7.09(m,2H), 7.45-7.49(m,2H), 8.51(s,1H).
実施例9
4-(2,6-ジメチルベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-5-(2-トリメチルシラニルエトキシメチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンの製造
参考例8で得た4-クロロ-6,7-ジメチル-5-(2-トリメチルシラニルエトキシメチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンと2,6-ジメチルベンジルアルコールを用いて、実施例1と同様にして、表題化合物を黄色油状物として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ=−0.13(s,9H), 0.69(t,J=8.3Hz,2H), 2.28(s,3H), 2.40(s,3H), 2.44(s,6H), 3.27(t,J=7.8Hz,2H), 5.50 (s,2H), 5.64 (s.2H), 7.05-7.20(m,3H), 8.54(s,1H).
【0083】
実施例10
4-(4-フルオロベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンの製造
実施例8で得た化合物150mgをTHF1mLに溶解し、テトラブチルアンモニウムフロライドTHF溶液1.1mLを加え、5時間加熱還流した。反応液を水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)に付し、表題化合物53mgを白色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 2.27(s,3H), 2.41(s,3H), 5.53(s.2H), 7.05-7.09(m,2H), 7.44-7.48(m,2H), 8.13(br-s,1H), 8.52 (s,1H).
実施例11
4-(2,6-ジメチルベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンの製造
実施例9で得た化合物とテトラブチルアンモニウムフロライドTHF溶液を用いて、実施例10と同様にして、表題化合物を白色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 2.27(s,3H), 2.38(s,3H), 2.43(s,6H), 5.61(s,2H), 7.09(d,J=7.3Hz,2H), 7.20(t,J=8.1Hz,1H), 8.04 (br-s,1H), 8.56(s,1H).
【0084】
実施例12
2-クロロ-4-(4-フルオロベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンの製造
参考例11で得た2,4-ジクロロ-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンと4-フルオロベンジルアルコールを用いて、実施例1と同様にして、表題化合物を黄色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 0.78(t,J=7.6Hz,3H), 1.60-1.67(m,2H), 2.22(s,3H), 2.33(s,3H), 4.11(t,J=7.5Hz,2H), 5.52(s,2H), 7.08(t,2H,J=8.5Hz), 7.44-7.47(m,2H).
実施例13
4-(4-フルオロベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-カルボニトリルの製造
実施例12で得た化合物1.74gのN,N-ジメチルアセトアミド20mL溶液に、アルゴン気流下、シアン化亜鉛500mg、亜鉛粉末100mg、1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン280mg、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム230mgを加え、130℃で3時間撹拌した。反応液を水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)に付し、表題化合物510mgを白色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 0.81(t,J=7.6Hz,3H), 1.64-1.70(m,2H), 2.27(s,3H), 2.38(s,3H), 4.18(t,J=7.6Hz,2H), 5.55(s,2H), 7.07-7.11(m,2H), 7.45-7.49(m,2H).
【0085】
実施例14
4-(4-フルオロベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-カルボン酸ジメチルアミドの製造
実施例13で得た化合物113mgのエタノール3mL溶液に、10%水酸化ナトリウム水1mLを加え、3時間加熱還流した。反応液を飽和塩化アンモニウム水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣のDMF3mL溶液に、ジメチルアミン塩酸塩81mg、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩96mg、炭酸カリウム138mg、1-ヒドロキシ-1H-ベンゾトリアゾール一水和物78mgを加え、室温で2時間撹拌した。反応液を水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)に付し、表題化合物77mgを淡黄色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 0.79(t,J=7.2Hz,3H), 1.66(m,2H), 2.27(s,3H), 2.36(s,3H), 2.97(s,3H), 3.16(s,3H), 4.17(t,J=7.2Hz,
2H), 5.55(s,2H), 7.04-7.09(m,2H), 7.43-7.46(m,2H).
実施例15
4-(4-フルオロベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-カルボン酸(2-ヒドロキシプロピル)アミドの製造
実施例13で得た化合物と1-アミノ-2-プロパノールを用いて、実施例14と同様にして、表題化合物を淡褐色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 0.79(t,J=7.6Hz,3H), 1.27(d,J=6.0Hz,3H), 1.64-1.70(m,2H), 2.29(s,3H), 2.37(s,3H), 3.22(br-s, 1H), 3.41-3.47(m,1H), 3.62-3.68(m,1H), 4.11(br-s,1H), 4.18(t,J=7.6Hz,2H), 5.62(s,2H), 7.05-7.09(m,2H), 7.47-7.50(m,2H), 8.44(br-s,1H).
【0086】
実施例16
2-アミノ-4-(4-フルオロベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンの製造
参考例14で得た2−アミノ-4-クロロ-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンと4-フルオロベンジルアルコールを用いて、実施例1と同様にして、表題化合物を黄色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 0.76(t,J=7.3Hz,3H), 1.57-1.66(m,2H), 2.15(s,3H), 2.27(s,3H), 4.04(t,J=7.3Hz,3H), 4.64(br-s,
2H), 5.43 (s,2H), 7.04-7.08(m,2H), 7.40-7.44(m,2H).
実施例17
N-[4-(4-フルオロベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル]アセトアミドの製造
実施例16で得た化合物198mgのピリジン6mL溶液に、無水酢酸0.09mLを加え、15時間加熱還流した。反応液を水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)に付し、表題化合物143mgを白色結晶として得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ= 0.72(t,J=7.3Hz,3H), 1.54-1.60(m,2H), 2.10(s,3H), 2.19(s,3H), 2.32(s,3H), 4.11(t,2H,
J=7.6Hz), 5.52(s,2H), 7.22(t,J=8.8Hz,2H), 7.61-7.65(m,2H), 10.03(br-s,1H).
【0087】
実施例18
N-[4-(4-フルオロベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル]プロピオンアミドの製造
実施例16で得た化合物と無水プロピオン酸を用いて、実施例17と同様にして、表題化合物を白色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 0.79(t,J=7.3Hz,3H), 1.26(t,J=7.6Hz,3H), 1.61-1.70(m,2H), 2.19(s,3H), 2.32(s,3H), 2.85(br-s,2H),
4.11(t,J=7.6Hz,2H), 5.50(s,2H), 7.07(t,J=8.5Hz,2H), 7.43-7.47(m,2H), 7.78(br-s,1H).
実施例19
N-[4-(4-フルオロベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル]ベンズアミドの製造
実施例16の化合物と無水安息香酸を用いて、実施例17と同様にして、表題化合物を白色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 0.79(t,J=7.3Hz,3H), 1.62-1.68(m,2H), 2.22(s,3H), 2.33(s,3H), 4.13(t,J=7.6Hz,3H), 5.56(s,2H), 7.06(t,J=8.8Hz,2H), 7.46-7.54(m,5H), 7.94(d,J=7.3Hz,2H), 8.48(br-s,1H).
【0088】
実施例20
N-[4-(4-フルオロベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル]メタンスルホンアミドの製造
実施例16で得た化合物300mgの塩化メチレン3mL溶液に、氷冷下、トリエチルアミン0.25mL、塩化メタンスルホニル0.14mLを加え、氷冷下で45分間撹拌した。反応液を水中に注ぎ、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣のメタノール10mL溶液に、10%水酸化ナトリウム2.5mLを加え、室温で3時間撹拌した。反応液を水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)に付し、表題化合物363mgを黄色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 0.76(t,J=11.2Hz,18,5Hz,3H), 1.60-1.63(m,2H), 2.11(s,3H), 2.27(s,3H), 3.32(s, 3H), 4.04(m, 2H), 5.48(s,2H), 7.04(t,J=9.0Hz,2H), 7.41(m,2H).
【0089】
実施例21
N-[4-(4-フルオロベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル]エタンスルホンアミドの製造
実施例16で得た化合物200mgの塩化メチレン2mL溶液に、氷冷下、トリエチルアミン0.1mL、塩化エタンスルホニル0.14mLを加え、氷冷下で1.5時間、室温で40分間撹拌した。反応液を水中に注ぎ、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)に付し、表題化合物72mgを白色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 0.78(t,J=7.6Hz,3H), 1.41(t,J=7.6Hz,3H), 1.60-1.66(m,2H), 2.14(s,3H), 2.30(s,3H), 3.52 (m, 2H), 4.08(t,J=7.6Hz,2H), 5.50(s,2H), 7.07(t,J=8.8Hz,2H), 7.41-7.45(m,2H).
実施例22
N-[4-(4-フルオロベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル]ベンゼンスルホンアミドの製造
実施例16で得た化合物と塩化ベンゼンスルホニルを用いて、実施例21と同様にして、表題化合物を黄色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 0.73(t,J=7.6Hz,3H), 1.53-1.59(m,2H), 2.12(s,3H), 2.27(s,3H), 4.00(t,J=7.3Hz,2H), 5.32(s,2H),
7.05(t,J=8.8Hz,2H), 7.33-7.36(m,2H), 7.42-7.51(m,3H), 8.10-8.12(m,2H).
【0090】
実施例23
2-アミノ-4-(4-フルオロベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-5-(2-メチルシクロプロピルメチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンの製造
参考例15で得た2-アミノ-4-クロロ-6,7-ジメチル-5-(2-メチルシクロプロピルメチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンと4-フルオロベンジルアルコールを用いて、実施例1と同様にして、表題化合物を黄色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 0.11-0.14(m,1H), 0.32-0.37(m,1H), 0.58(m,1H), 0.75(m,1H), 0.89(d,J=6.0Hz,3H), 2.18(s,3H), 2.29(s,3H), 3.97(dd,J=6.8Hz,14.8Hz,1H), 4.10(dd,J=4.8Hz,14.8Hz,1H), 4.89(br-s,2H), 5.41-5.50(m,2H), 7.04-7.09 (m,2H), 7.26-7.45(m,2H).
実施例24
N-[4-(4-フルオロベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-5-(2-メチルシクロプロピルメチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル]メタンスルホンアミドの製造
実施例23で得た化合物と塩化メタンスルホニルを用いて、実施例20と同様にして、表題化合物を黄色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 0.14-0.18(m,1H), 0.34-0.36(m,1H), 0.59(m,1H), 0.75(m,1H), 0.90(d,J=6.0Hz,3H), 2,15(s,3H), 2.33(s,3H), 3.36(s,3H), 4.01(dd,J=6.8Hz,14.8Hz,1H), 4.13(dd,J=6.4Hz,14.8Hz,1H), 5.48-5.57(m,2H), 7.05-7.10 (m,2H), 7.24-7.46(m,2H).
【0091】
実施例25
2-アミノ-4-(2,6-ジメチルベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンの製造
参考例14で得た2-アミノ-4-クロロ-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンと2,6-ジメチルベンジルアルコールを用いて、実施例1と同様にして、表題化合物を黄色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 0.59(t,J=7.3Hz,3H), 1.46-1.55(m,2H), 2.15(s,3H), 2.24(s,3H), 2.42(s,6H,)3.90(t,J=7.6Hz,2H), 4.62(br-s,2H), 5.51(s,2H), 7.06(d,J=7.6Hz,2H), 7.13-7.17(m,1H).
実施例26
N-[4-(2,6-ジメチルベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル]メタンスルホンアミドの製造
実施例25で得た化合物と塩化メタンスルホニルを用いて、実施例20と同様にして、表題化合物を淡黄色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 0.59(t,J=7.3Hz,3H), 1.48-1.55(m,2H), 2.13(s,3H), 2.27(s,3H), 2.40(s,6H), 3.41(s,3H), 3.93 (t, J=7.6Hz,2H), 5.59(s,2H), 7.07(d,J=7.3Hz,2H), 7.16-7.19(m,1H).
【0092】
実施例27
2-アミノ-4-(2,6-ジメチルベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-5-(2-メチルシクロプロピルメチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンの製造
参考例15で得た2-アミノ-4-クロロ-6,7-ジメチル-5-(2-メチルシクロプロピルメチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンと2,6-ジメチルベンジルアルコールを用いて、実施例1と同様にして、表題化合物を淡黄色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ=−0.01-0.04(m,1H), 0.18-0.22(m,1H), 0.40-0.46(m,1H), 0.61-0.67(m,1H), 0.79(d,J=5.9Hz,3H), 2.16(s,3H), 2.26(s,3H), 2.43(s,6H), 3.82(dd,J=7.1Hz,14.6Hz,1H), 3.99(dd,J=6.3Hz,14.9Hz,1H), 4.61(br-s,2H), 5.53(m, 2H), 7.05-7.18 (m,3H).
実施例28
N-[4-(2,6-ジメチルベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-5-(2-メチルシクロプロピルメチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル]メタンスルホンアミドの製造
実施例27の化合物と塩化メタンスルホニルを用いて、実施例20と同様にして、表題化合物を黄色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ=−0.01-0.06(m,1H), 0.16-0.21(m,1H), 0.39-0.43(m,1H), 0.61-0.65(m,1H), 0.79(d,J=5.9Hz,3H), 2.14(s,3H), 2.29(s,3H), 2.41(s,6H), 3.42(s,3H), 3.84(dd,J=7.3Hz,14.9Hz,1H), 4.01(dd,J=6.3Hz,14.6Hz,1H), 5.62 (m, 2H), 7.07-7.20(m,3H).
【0093】
実施例29
N-[4-(2,6-ジメトキシベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル]メタンスルホンアミドの製造
参考例14で得た2-アミノ-4-クロロ-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンと2,6-ジメトキシベンジルアルコールを用いて、実施例1と同様にして得られた2-アミノ-4-(2,6-ジメトキシベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンを用いて、実施例20と同様にして、表題化合物を淡赤色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 0.61(t,J=7.3Hz,3H), 1.55(m,2H), 2.12(s,3H), 2.25(s,3H), 3.42(s,3H), 3.80(s,6H), 3.93(t,J=7.6Hz,2H), 5.61(s,2H), 6.57(d,J=8.5Hz,2H), 7.30(t,J=8.5Hz,1H).
実施例30
N-[4-(インダン-1-イルオキシ)-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル]メタンスルホンアミドの製造
参考例14で得た2-アミノ-4-クロロ-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンと1-インダノールを用いて、実施例29と同様にして、表題化合物を白色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 0.71(t,J=7.6Hz,3H), 1.54-1.59(m,2H), 2.14(s,3H), 2.28(s,3H), 2.23-2.31(m,1H), 2.67-2.76 (m,1H), 2.93-3.01(m,1H), 3.11-3.18(m,1H), 3.43(s,3H), 3.97-4.02(m,2H), 6.72-6.74(m,1H), 7.20-7.32(m,3H), 7.50 (d,J=7.8Hz,1H).
【0094】
実施例31
N-[4-(5-フルオロインダン-1-イルオキシ)-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル]メタンスルホンアミドの製造
参考例14で得た2-アミノ-4-クロロ-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンと5-フルオロ-1-インダノールを用いて、実施例29と同様にして、表題化合物を赤色油状物として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 0.72(t,J=7.5Hz,3H), 1.53-1.59(m,2H), 2.13(s,3H), 2.28(s,3H), 2.30-2.35(m,1H), 2.69-2.75
(m,1H), 2.96-2.97(m,1H), 3.10-3.16(m,1H), 3.42(s,3H), 3.97-4.02(m,2H), 6.66-6.69(m,1H), 6.92(t,J=8.8Hz,1H), 6.98 (d,J=8.8Hz,1H), 7.47-7.50(m,1H).
実施例32
N-[6,7-ジメチル-4-(2-メチルインダン-1-イルオキシ)-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル]メタンスルホンアミドの製造
参考例14で得た2-アミノ-4-クロロ-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンと2-メチル-1-インダノールを用いて、実施例29と同様にして、表題化合物を黄色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 0.72(t,J=7.5Hz,3H), 1.25 (d,J=6.8Hz,3H), 1.55-1.60(m,2H), 2.15(s,3H), 2.29(s,3H), 2.58-2.63 (m, 1H), 2.71-2.76(m,1H), 3.26-3.31(m,1H), 3.41(s,3H), 3.98-4.06(m,2H), 6.41(d,J=4.4Hz,1H), 7.18-7.20(m,1H), 7.26-
7.30(m,1H), 7.42(d,J=8.8Hz,1H).
【0095】
実施例33
N-[4-(7-メトキシインダン-1-イルオキシ)-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル]メタンスルホンアミドの製造
参考例14で得た2-アミノ-4-クロロ-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンと7-メトキシ-1-インダノールを用いて、実施例29と同様にして、表題化合物を黄色油状物として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 0.95(t,J=7.3Hz,3H), 1.72-1.78(m,2H), 2.14(s,3H), 2.21-2.27(m,1H), 2.33(s,3H), 2.40-2.47 (m, 1H), 2.81-2.88(m,1H), 3.06-3.14(m,1H), 3.70(s,3H), 3.76(s,3H), 4.09-4.15(m,2H), 5.10(d,J=5.8Hz,1H), 5.45(m,1H), 6.69(d,J=8.1Hz,1H), 6.87(d,J=7.3Hz,1H), 7.23(t,J=8.0Hz,1H).
実施例34
N-[6,7-ジメチル-5-プロピル-4-(1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イルオキシ)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル]メタンスルホンアミドの製造
参考例14で得た2−アミノ-4-クロロ-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンと1,2,3,4-テトラヒドロナフトールを用いて、実施例29と同様にして、表題化合物を淡黄色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 0.63(t,J=7.6Hz,3H), 1.46-1.55(m,2H), 1.91-2.02(m,2H), 2.13-2.27(m,2H), 2.13(s,3H), 2.27 (s, 3H), 2.78-2.95(m,2H), 3.40(s,3H), 3.96-4.01(m,2H), 6.55-6.57(m,1H), 7.13-7.16(m,2H), 7.21-7.26(m,1H), 7.37(d,
J=7.3Hz,1H).
【0096】
実施例35
4-(4-フルオロベンジルオキシ)-6,7-ジメチル-2-メチルスルファニル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンの製造
参考例20で得た4-クロロ-6,7-ジメチル-2-メチルスルファニル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンと4-フルオロベンジルアルコールを用いて、実施例1と同様にして、表題化合物を白色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 0.77(t,J=7.3Hz,3H), 1.60-1.66(m,2H), 2.21(s,3H), 2.31(s,3H), 2.63(s,3H), 4.10(t,J=7.3Hz,2H), 5.52(s,2H), 7.04-7.08(m,2H), 7.41-7.45(m,2H).
実施例36
4-(4-フルオロベンジルオキシ)-2-メタンスルフィニル-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンの製造
実施例35で得た化合物300mgのTHF4mL溶液に、氷冷下m-クロロ過安息香酸216mgを加え、2時間撹拌した。反応液に20%亜硫酸水素ナトリウムを加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)に付し、表題化合物222mgを淡黄色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 0.81(t,J=7.3Hz,3H), 1.65-1.71(m,2H), 2.28(s,3H), 2.37(s,3H), 2.92(s,3H), 4.19(t,J=7.6Hz,2H), 5.61(s,2H), 7.06-7.10(m,2H), 7.46-7.50(m,2H).
【0097】
実施例37
4-(4-フルオロベンジルオキシ)-2-メタンスルフォニル-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンの製造
実施例35で得た化合物300mgのTHF4mL溶液に、氷冷下m-クロロ過安息香酸721mgを加え、室温で17時間撹拌した。反応液に20%亜硫酸水素ナトリウムを加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)に付し、表題化合物218mgを白色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 0.80(t,J=7.3Hz,3H), 1.64-1.69(m,2H), 2.72(s,3H), 2.38(s,3H), 3.38(s,3H), 4.20(t,J=7.3Hz,2H),
5.62(s,2H), 7.06-7.10(m,2H), 7.48-7.51(m,2H).
実施例38
4-(4-フルオロベンジルアミノ)-6,7-ジメチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンの製造
参考例3で得た4-クロロ-6,7-ジメチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン200mgと4-フルオロベンジルアミン151mgのキシレン4mL溶液を15時間加熱還流した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水中に注ぎ、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)に付し、表題化合物290mgを黄色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 2.12(s,3H), 2.30(s,3H), 4.75(d,J=5.6Hz,2H),6.78(t,J=8.8Hz,2H), 7.23(m,2H), 8.20(s,1H), 8.84
(br-s,1H), 11.76(br-s,1H).
【0098】
実施例39
4-(2,6-ジメチルベンジルアミノ)-6,7-ジメチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンの製造
参考例3で得た4-クロロ-6,7-ジメチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンと2,6-ジメチルベンジルアミンを用いて、実施例38と同様にして、表題化合物を黄色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 2.15(s,3H), 2.30(s,3H), 2.36(s.6H), 4.83(d,J=4.9Hz,2H), 6.74-6.81(m,3H), 8.14(br-s,1H), 8.02 (s,1H), 11.93(br-s,1H).
実施例40
4-(4-フルオロベンジルアミノ)-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンの製造
参考例4で得た4-クロロ-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンと4-フルオロベンジルアミンを用いて、実施例38と同様にして、表題化合物を白色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 0.86(t,J=7.3Hz,3H), 1.66-1.76(m,2H), 2.25(s,3H), 2.33(s,3H), 4.02(t,2H,J=7.6Hz), 4.79(d, 2H, J=4.4Hz), 4.82(br-s,1H), 7.04(t,2H,J=8.5Hz), 7.34-7.38(m,2H), 8.43(s,1H).
【0099】
実施例41
4-(2,6-ジメチルベンジルアミノ)-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンの製造
参考例4で得た4-クロロ-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンと2,6-ジメチルベンジルアミンを用いて、実施例38と同様にして、表題化合物を黄色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 0.72(t,J=7.3Hz,3H), 1.60-1.65(m,2H), 2.24(s,3H), 2.30(s,3H), 2.42(s,6H), 3.88(t,2H,
J=7.3Hz), 4.37(br-s,1H), 4.76(d,J=3.7Hz,2H), 7.08-7.17(m,3H), 8,49(s,1H).
実施例42
N-[4-(4-フルオロベンジルアミノ)-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル]メタンスルホンアミドの製造
N-(4-クロロ-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)メタンスルホンアミドと4-フルオロベンジルアミンを用いて、実施例38と同様にして、表題化合物を白色結晶として得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ= 0.76(t,J=7.3Hz,3H), 1.52-1.57(m,2H), 2.02(s,3H), 2.26(s,3H), 2.78(br-s,3H), 4.21(t,J=7.1Hz, 2H), 4.76(d,J=5.4Hz,2H), 7.09-7.13(m,2H), 7.41-7.45(m,2H).
【0100】
実施例43
N-[4-(2,6-ジメチルベンジルアミノ)-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル]メタンスルホンアミドの製造
N-(4-クロロ-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)メタンスルホンアミドと2,6-ジメチルベンジルアミンを用いて、実施例38と同様にして、表題化合物を淡黄色結晶として得た。
1H-NMR(CD3OD)δ= 0.67(t,J=7.3Hz,3H), 1.51-1.56(m,2H), 2.09(s,3H), 2.28(s,3H), 2.40(s,6H), 3.25(s,3H), 4.04(t,J=7.6Hz,2H), 4.91(s,2H), 7.06-7.14(m,3H).
実施例44
N-[4-(インダン-1-イルアミノ)-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル]メタンスルホンアミドの製造
N-(4-クロロ-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)メタンスルホンアミドと1-アミノインダンを用いて、実施例38と同様にして、表題化合物を白色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 0.84(t,J=7.3Hz,3H), 1.70-1.75(m,2H), 1.87-1.96(m,1H), 2.09(s,3H), 2.27(s,3H), 2.80-3.02(m, 3H), 3.26(s,3H), 3.90-3.93(m,2H), 5.17(d,J=7.8Hz,1H), 5.92-5.98(m,1H), 7.20-7.33(m,4H).
【0101】
実施例45
4-(4-フルオロベンジルアミノ)-6,7-ジメチル-2-メチルスルファニル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンの製造
参考例20で得た4-クロロ-6,7-ジメチル-2-メチルスルファニル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンと4-フルオロベンジルアミンを用いて、実施例38と同様にして、表題化合物を黄色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 0.83(t,J=7.6Hz,3H), 1.67-1.72(m,2H), 2.19(s,3H), 2.29(s,3H), 2.56(s,3H), 3.96(t, J=7.6Hz, 2H), 4.77-4.83(m,3H), 7.00-7.04(m,2H), 7.32-7.36(m,2H).
実施例46
4-(4-フルオロベンジルアミノ)-2-メタンスルフィニル-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンの製造
実施例45の化合物とm-クロロ過安息香酸を用いて、実施例36と同様にして、表題化合物を淡黄色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 0.89(t,J=7.3Hz,3H), 1.72-1.78(m,2H), 2.26(s,3H), 2.34(s,3H), 2.84(s,3H), 4.05(t, J=7.6Hz,2H), 4.80-4.83(m,2H), 5.13(m,1H), 7.01-7.05(m,2H), 7.34-7.38(m,2H).
【0102】
実施例47
4-(4-フルオロベンジルアミノ)-2-メタンスルフォニル-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンの製造
実施例45の化合物とm-クロロ過安息香酸を用いて、実施例37と同様にして、表題化合物を淡黄色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 0.87(t,J=7.3Hz,3H), 1.72-1.77(m,2H), 2.25(s,3H), 2.36(s,3H), 3.29(s,3H), 4.06 (t,J=7.6Hz,2H), 4.82(d,J=5.1Hz,2H), 5.12(m,1H), 7.02-7.06(m,2H), 7.36-7.40(m,2H).
実施例48
4-[2-(4-フルオロフェニル)エチル]-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンの製造
4-フルオロスチレン287mgのTHF15mL溶液に、アルゴン気流下、9-ボラビシクロ[3.3.1]/ノナン/THF溶液11.2mLを加え、3時間加熱還流した。反応液を室温まで放冷後、3Mリン酸カリウム2.3mL、DMF17.8mLを加え、室温で20分間撹拌した。反応液に、参考例4で得た4-クロロ-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン500mg、ジフェニルホスフィノフェロセンパラジウムジクロライド161mgを加え、50℃で1.5時間撹拌した。反応液に水、酢酸エチルを加え、不溶物をろ過により除いた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)に付し、表題化合物316mgを黄色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 0.92(t,J=7.6Hz,3H), 1.62-1.71(m,2H), 2.30(s,3H), 2.41(s,3H), 3.14-3.18(m,2H), 3.30-3.34(m, 2H), 4.06(t,J=8.1Hz,2H), 6.94-6.98(m,2H), 7.14-7.18(m,2H), 8.84(s,1H).
【0103】
実施例49
4-[2-(2,6-ジメチルフェニル)エチル]-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンの製造
2,6-ジメチルスチレンと参考例4で得た4-クロロ-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンを用いて、実施例48と同様にして、表題化合物を黄色油状物として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 0.89(t,J=7.3Hz,3H), 1.61-1.67(m,2H), 2.30(s,3H), 2.34(s,6H), 2.39(s,3H), 3.21-3.28(m,4H), 4.02(t,J=7.8Hz,2H), 7.03-7.04(m,3H), 8.88(s,1H).
実施例50
4-[2-(4-フルオロフェニル)エチル]-5-メトキシメチル-6,7-ジメチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンの製造
4-フルオロスチレンと参考例7で得た4-クロロ-5-メトキシメチル-6,7-ジメチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンを用いて、実施例48と同様にして、表題化合物を黄色油状物として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 2.30(s,3H), 2.47(s,3H), 3.13-3.17(m,2H), 3.25(s,3H), 3.38-3.42(m,2H), 5.39(s,2H), 6.94-6.98 (m,2H), 7.17-7.21(m,2H), 8.89(s,1H).
【0104】
実施例51
4-[2-(2,6-ジメチルフェニル)エチル]-5-メトキシメチル-6,7-ジメチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンの製造
2,6-ジメチルスチレンと参考例7で得た4-クロロ-5-メトキシメチル-6,7-ジメチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンを用いて、実施例48と同様にして、表題化合物を黄色油状物として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 2.30(s,3H), 2.32(s,6H), 2.45(s,3H), 3.21(s,3H), 3.24-3.34(m,4H), 5.30(s,2H), 7.00-7.03(m,3H), 8.94(s,1H).
実施例52
4-[2-(4-フルオロフェニル)エチル]-6,7-ジメチル-5-(2-トリメチルシラニルエトキシメチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンの製造
4-フルオロスチレンと実施例8で得た4-クロロ-6,7-ジメチル-5-(2-トリメチルシラニルエトキシメチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンを用いて、実施例48と同様にして、表題化合物を黄色油状物として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ=−0.05(s,9H), 0.87(t,J=8.3Hz,2H), 2.30(s,3H), 2.46(s,3H), 3.16(t,J=8.5Hz,2H), 3.40-3.49 (m,4H), 5.40(s.2H), 6.96(m,2H), 7.18-7.21(m,2H), 8.88(s,1H).
【0105】
実施例53
4-[2-(2,6-ジメチルフェニル)エチル]-6,7-ジメチル-5-(2-トリメチルシラニルエトキシメチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンの製造
2,6-ジメチルスチレンと実施例8で得た4-クロロ-6,7-ジメチル-5-(2-トリメチルシラニルエトキシメチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンを用いて、実施例48と同様にして、表題化合物を黄色油状物として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ=−0.06(s,9H), 0.83(t,J=7.3Hz,2H), 2.30(s,3H), 2.33(s,6H), 2.44(s,3H), 3.29-3.44 (m, 6H), 5.30 (s,.2H), 6.99-7.02(m,3H), 8.93(s,1H).
実施例54
4-[2-(4-フルオロフェニル)エチル]-6,7-ジメチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンの製造
実施例52で得た化合物とテトラブチルアンモニウムフロライドTHF溶液を用いて、実施例10と同様にして、表題化合物を白色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 2.25(s,3H), 2.35(s,3H), 3.13-3.21(m,4H), 6.92(t,J=8.8Hz,2H), 7.06-7.10(m,2H), 7.40(br-s,1H), 8.88(s,1H).
【0106】
実施例55
4-[2-(2,6-ジメチルフェニル)エチル]-6,7-ジメチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンの製造
実施例53で得た化合物とテトラブチルアンモニウムフロライドTHF溶液を用いて、実施例10と同様にして、表題化合物を白色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 2.16(s,6H), 2.23(s,3H), 2.24(s,3H), 3.12- 3.22(m,4H), 6.81(br-s,1H), 6.96(d,J=7.8Hz,2H), 7.04 (t,J=8.3Hz,1H), 8.87(s,1H).
実施例56
N-{4-[2-(4-フルオロフェニル)エチル]-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル}メタンスルホンアミドの製造
4-フルオロスチレンとN-(4-クロロ-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H -ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)メタンスルホンアミドを用いて、実施例48と同様にして、表題化合物を白色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 0.90(t,J=7.3Hz,3H), 1.59-1.64(m,2H), 2.20(s,3H), 2.36(s,3H), 3.14-3.18(m,2H), 3.25-3.29(m, 2H), 3.50(s,3H), 4.01(t,J=7.8Hz,2H), 6.93-6.98(m,2H), 7.12-7.16(m,2H).
【0107】
実施例57
4-[2-(4-フルオロフェニル)エチル]-6,7-ジメチル-2-メチルスルファニル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンの製造
4-フルオロスチレンと参考例20で得た4-クロロ-6,7-ジメチル-2-メチルスルファニル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンを用いて、実施例48と同様にして、表題化合物を白色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 0.88(t,J=7.6Hz,3H), 1.53-1.64(m,2H), 2.23(s,3H), 2.35(s,3H), 2.66(s,3H), 3.14-3.28 (m,4H), 4.00(t,J=8.1Hz,2H), 6.93-6.97(m,2H), 7.13-7.17(m,2H).
実施例58
4-[2-(4-フルオロフェニル)エチル]-2-メタンスルフィニル-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンの製造
実施例57とm-クロロ過安息香酸を用いて、実施例36と同様にして、表題化合物を黄色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 0.94(t,J=7.6Hz,3H), 1.65-1.71(m,2H), 2.32(s,3H), 2.43(s,3H), 2.92(s,3H), 3.19-3.23 (m, 2H), 3.39-3.43(m,2H), 4.09(t,J=7.8Hz,2H), 6.93-6.97(m,2H), 7.12-7.16(m,2H).
【0108】
実施例59
4-[2-(4-フルオロフェニル)エチル]- 2-メタンスルフォニル-6,7-ジメチル-5-プロピル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジンの製造
実施例57とm-クロロ過安息香酸を用いて、実施例37と同様にして、表題化合物を淡黄色結晶として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ= 0.93(t,J=7.3Hz,3H), 1.64-1.70(m,2H), 2.31(s,3H), 2.44(s,3H), 3.21-3.25(m,2H), 3.38 (s,3H), 3.40-3.44(m,2H), 4.11(t,J=8.1Hz,2H), 6.93-6.97(m,2H), 7.13-7.17(m,2H).
また、表2に記載する化合物についても、上記実施例若しくは製造法に記載の方法と同様にして製造することができる。
【0109】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の一般式(I):
【化1】

[式中、Rは、水素原子、分岐してもよいアルキル基(炭素数1-10)、二重結合を含む分岐してもよいアルキル基(炭素数2-10)、三重結合を含む分岐してもよいアルキル基(炭素数2-10)、飽和炭素環を含む分岐してもよいアルキル基(炭素数3-10)、分岐してもよいハロアルキル基(炭素数1-10)、分岐してもよいアルコキシアルキル基(炭素数2-10)、分岐してもよいヒドロキシアルキル基(炭素数1-10)、置換基を有してもよいアリールメチル基、又はトリメチルシリルエトキシメチル基を示す。
及びRは、同一でも又は異なってもよく、それぞれ水素原子、分岐してもよいアルキル基(炭素数1-10)、飽和炭素環を含む分岐してもよいアルキル基(炭素数3-10)、分岐してもよいハロアルキル基(炭素数1-10)、分岐してもよいアルコキシアルキル基(炭素数2-10)、分岐してもよいヒドロキシアルキル基(炭素数1-10)、分岐してもよいアルコキシカルボニル基(炭素数2-10)、カルボキシル基、アミノ基、カルバモイル基、アルカノイル基、シアノ基、又はハロゲン原子を示す。
は、水素原子、分岐してもよいアルキル基(炭素数1-10)、飽和炭素環を含む分岐してもよいアルキル基(炭素数3-10)、分岐してもよいハロアルキル基(炭素数1-10)、分岐してもよいアルコキシ基(炭素数1-10)、分岐してもよいアルコキシアルキル基(炭素数2-10)、分岐してもよいヒドロキシアルキル基(炭素数1-10)、分岐してもよいアルコキシアルコキシアルキル基(炭素数3-10)、分岐してもよいアルコキシカルボニル基(炭素数2-10)、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、−CONR基{但し、R及びRは、同一でも又は異なってもよく、それぞれ水素原子、分岐してもよいアルキル基(炭素数1-10)、飽和炭素環を含む分岐してもよいアルキル基(炭素数3-10)、分岐してもよいアルコキシアルキル基(炭素数2-10)、分岐してもよいヒドロキシアルキル基(炭素数1-10)を示す。}、−NR基{但し、R及びRは同一でも又は異なってもよく、それぞれ水素原子、分岐してもよいアルキル基(炭素数1-10)、分岐してもよいアルカノイル基(炭素数2-10)、置換基を有してもよいアリールカルボニル基、置換基を有してもよいヘテロアリールカルボニル基、分岐してもよいアルキルスルホニル基(炭素数1-10)、ヒドロキシアルキルスルホニル基(炭素数1-10)、アルキルスルフィニル基(炭素数1-10)、置換基を有してもよいアリールスルホニル基、置換基を有してもよいヘテロアリールスルホニル基を示す。}、又は−S(O)nR10{但し、R10 は分岐してもよいアルキル基(炭素数1-10)を、nは0−2を示す。}を示す。
は、置換基を有してもよいアリールメチル基、置換基を有してもよいヘテロアリールメチル基、又は次式(a)で示される置換基を示す。
【化2】

{但し、R11は分岐してもよいアルキル基(炭素数1-5)、分岐してもよいハロアルキル基(炭素数1-5)、分岐してもよいアルコキシ基(炭素数1-5)、ハロゲン原子、水酸基を示す。Zは−CHR12−基又は−CHR12CHR13−基を示す。該式において、R12及びR13は同一でも又は異なってもよく、それぞれ水素原子、分岐してもよいアルキル基(炭素数1-5)、飽和炭素環を含む分岐してもよいアルキル基(炭素数3-10)、分岐してもよいハロアルキル基(炭素数1-5)、分岐してもよいアルコキシ基(炭素数1-5)、分岐してもよいアルコキシアルキル基(炭素数2-5)、分岐してもよいヒドロキシアルキル基(炭素数1-5)、分岐してもよいアルコキシカルボニル基(炭素数2-5)、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、−CONR1415基又は−NR1617基を示す。該式において、R14及びR15は、同一でも又は異なってもよく、それぞれ水素原子、分岐してもよいアルキル基(炭素数1-5)、飽和炭素環を含む分岐してもよいアルキル基(炭素数3-10)、分岐してもよいアルコキシアルキル基(炭素数2-5)、分岐してもよいヒドロキシアルキル基(炭素数1-5)を示す。また、R16、R17は同一でも又は異なってもよく、それぞれ水素原子、分岐してもよいアルキル基(炭素数1-5)、分岐してもよいアルカノイル基(炭素数2-5)、置換基を有してもよいアリールカルボニル基、置換基を有してもよいヘテロアリールカルボニル基、分岐してもよいアルキルスルホニル基(炭素数1-5)、置換基を有してもよいアリールスルホニル基、置換基を有してもよいヘテロアリールスルホニル基を示す。}
Xは、−O−、−NH−、−CH−を示す。]
で表される化合物又はその薬理上許容される塩。
【請求項2】
一般式(II):
【化3】

[式中、R及びRは前述と同意である。R及びRは、同一でも又は異なってもよく、それぞれ水素原子、分岐してもよいアルキル基(炭素数1-5)、飽和炭素環を含む分岐してもよいアルキル基(炭素数3-10)、分岐してもよいハロアルキル基(炭素数1-5)を示す。
は、水素原子、−NHSO18基{但し、R18は分岐してもよいアルキル基(炭素数1-5)、置換基を有してもよいアリール基を示す。}、又は−S(O)nCH基{但し、nは0−2を示す。}を示す。]
表される化合物又はその薬理上許容される塩。
【請求項3】
一般式(III):
【化4】

[式中、R及びRは前述と同意である。R及びRは、同一でも又は異なってもよく、それぞれ水素原子、分岐してもよいアルキル基(炭素数1-5)、飽和炭素環を含む分岐してもよいアルキル基(炭素数3-10)、分岐してもよいハロアルキル基(炭素数1-5)を示す。
は、水素原子、−NHSO18基{但し、R18は分岐してもよいアルキル基(炭素数1-5)、置換基を有してもよいアリール基を示す。}、又は−S(O)nCH基{但し、nは0−2を示す。}を示す。]
で表される化合物又はその薬理上許容される塩。
【請求項4】
一般式(IV):
【化5】

[式中、R及びRは前述と同意である。R及びRは、同一でも又は異なってもよく、それぞれ水素原子、分岐してもよいアルキル基(炭素数1-5)、飽和炭素環を含む分岐してもよいアルキル基(炭素数3-10)、分岐してもよいハロアルキル基(炭素数1-5)を示す。
は、水素原子、−NHSO18基{但し、R18は分岐してもよいアルキル基(炭素数1-5)、置換基を有してもよいアリール基を示す。}、又は−S(O)nCH基{但し、nは0−2を示す。}を示す。]
で表される化合物又はその薬理上許容される塩。
【請求項5】
一般式(V):
【化6】

[式中、R及びRは前述と同意である。R19は分岐してもよいアルキル基(炭素数1-5)を示す。]
で表される化合物又はその薬理上許容される塩。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の化合物又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれかに記載の化合物又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する潰瘍性疾患の予防剤又は治療剤。
【請求項8】
請求項1〜5のいずれかに記載の化合物又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有するヘリコバクター・ピロリによる感染と関係のある疾患の予防剤又は治療剤。
【請求項9】
請求項1〜5のいずれかに記載の化合物又はその薬理上許容される塩と、鎮静薬、制酸薬、ヒスタミンH受容体遮断薬、プロトンポンプ阻害薬、ムスカリン受容体遮断薬、抗ガストリン薬、粘膜保護・組織修復促進薬、プロスタグランジン系薬、消化管運動賦活薬、GIP(Gastric inhibitory polypeptide)阻害薬、カルシウムチャンネル拮抗薬、カリウムチャンネル開口薬、GABA作用薬、GABA遮断薬、タキキニン遮断薬、NO合成酵素阻害薬、バニロイド受容体1遮断薬、カルモジュリン遮断薬、β1作用薬、β2作用薬、β作用薬、α2作用薬、エンドセリンA遮断薬、オピオイドμ作用薬、オピオイドμ遮断薬、アセチルコリンエステラーゼ放出刺激薬、CCK−B遮断薬、グルカゴン遮断薬、抗ヘリコバクター・ピロリ薬の中から選択される、少なくとも1種の薬物を含有する医薬組成物。
【請求項10】
請求項9記載の医薬組成物を有効成分として含有する潰瘍性疾患の予防剤又は治療剤。
【請求項11】
請求項9記載の医薬組成物を有効成分として含有するヘリコバクター・ピロリによる感染と関係のある疾患の予防剤又は治療剤。

【公開番号】特開2008−222557(P2008−222557A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−58632(P2007−58632)
【出願日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【出願人】(592086318)壽製薬株式会社 (24)
【Fターム(参考)】