説明

ピロロ[3,4−c]ピロールの直接製造方法

【課題】市販のDPPに比較して、粒度分布が狭く、色強度が高く、色度が高く、色調が純粋で、かつ/又は不透明度が高い、不透明顔料のジケトピロロピロールの直接製造方法を提供。
【解決手段】式(I)のピロロ[3,4−c]ピロール(DPP)の直接製造方法は適切なモル比のジスクシナートをニトリルと一緒に有機溶媒中で、かつ強塩基の存在下で加熱して、中間体の縮合生成物を生成し、水との混合物中でれらをコンディショニングする。


顔料組成物及び高分子量有機材料(プラスチック及びペンキなど)を着色するためのこれらの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式(I)のピロロ[3,4−c]ピロール(DPP)の直接製造方法、これらを含む顔料組成物及び高分子量有機材料{プラスチック(エンジニアリング・ポリマー(EPL)を含む)及びペンキなど}を着色するためのこれらの使用に関する。得られる式(I)のDPPは、対応する市販のDPPに比較して、色強度が高く、色度が高く、色調が純粋で、かつ不透明度が高い。
【0002】
顔料の分野では、置換ジケトピロロピロール顔料は、1モルのジスクシナートと、2モルの芳香族ニトリル又は1モルずつの2種の異なる芳香族ニトリルとの反応により製造できることが知られている。米国特許第4,579,949号は、ジスクシナートと芳香族ニトリルとの有機溶媒中で強塩基の存在下で高温での反応、及びこれに続く生じた塩のプロトリシスを記述している。粗ジケトピロロピロールとして知られている、このような方法の生成物は一般に、中〜大粒度を有する。所望の顔料の性質(粒度、粒度分布、粒子形又は多形相など)を得るために、大きめの粒度の粗顔料は更に加工する必要がある。
【0003】
よって粒度の操作は、顔料技術において重要な技術になっている。非常に望ましい顔料は、元々は粗顔料を、顔料コンディショニング工程とも呼ばれる種々の顔料仕上げ方法にかけることにより製造されるが、この方法の目的は、より狭い粒度分布を有する規定の粒度の顔料(好ましくは単一の均質な結晶相にある)を作り出すことにある。ジケトピロロピロールの場合は、高温で水と混和性溶媒との混合物中でプロトリシスした顔料の直接熟成により、又は有機溶媒若しくは有機溶媒混合物中での結晶化により、普通は不透明形状が得られる。非プロトン性溶媒の存在下での塩混練のような機械的処理も、不透明DPP顔料を得るのに適している。
【0004】
EP-A-640,602及びEP-A-640,603は、ある種のシアノ置換ジケトピロロピロール顔料を、pHを9未満に保持するのに充分な量の酸の存在下で水及び/又はアルコール中で、かつ90℃を超える温度で、プロトン化工程を実施することにより、微粒子形状として調製できることを記述している。ジケトピロロピロールの合成に粒子成長調節剤を含めることには触れていない。
【0005】
US-A-5,738,719は、少量のシアノ置換ジケトピロロピロールを、シアノに置換されていないピロロピロールの合成の前又は最中に加えると、実に驚くほど結晶成長抑制が増強されることを記述している。したがってプロトリシスの条件に依存して、再結晶及び熱に対して特に抵抗性であり、かつまたポリオレフィンの反りのない着色に非常に適した、優れた色強度の、高度に透明な顔料形態並びに不透明な顔料形態を製造することができる。
【0006】
US-A-6,057,449は、式(I):
【0007】
【化1】

【0008】
[式中、X1及びX2のそれぞれは、他と独立に、同素環又は複素環芳香族基である]で示される、透明顔料の1,4−ジケトピロロ−[3,4−c]ピロールの直接製造方法を開示しており、この方法は、適切なモル比のジスクシナートを、式(II):
【0009】
【化2】

【0010】
若しくは式(III):
【0011】
【化3】

【0012】
で示されるニトリルと一緒に、又は該ニトリルの混合物と一緒に、有機溶媒中で、かつ強塩基及び有効量の選択された粒子成長抑制剤の存在下で加熱すること、そして次にこの反応生成物からプロトリシスにより式(I)の化合物を得ることを特徴とする。
【0013】
本発明の目的は、対応する市販のDPPに比較して、粒度分布が狭く、色強度が高く、色度が高く、色調が純粋で、かつ/又は不透明度が高い、不透明顔料のジケトピロロピロールの直接製造方法を提供することである。
【0014】
前記の目的は、式(I):
【0015】
【化4】

【0016】
[式中、R1及びR2は、相互に独立に、非置換又は置換の同素環又は複素環芳香族基である]で示される1,4−ジケトピロロ[3,4−c]ピロールの直接製造方法であって、
(a)適切なモル比のジスクシナートを、式(II):
【0017】
【化5】

【0018】
若しくは式(III):
【0019】
【化6】

【0020】
で示されるニトリルと一緒に、又は該ニトリルの混合物と一緒に、有機溶媒中で、かつ強塩基の存在下で加熱して、生成物を生成すること、
(b)工程(a)で得られた中間体の縮合生成物を、水又は水と水混和性溶媒との混合物中で、場合により無機酸の存在下でコンディショニングして、式(I)の化合物を生成すること、及び
(c)場合により、工程(b)で得られた生成物を、非プロトン性溶媒中でコンディショニングすること
を含むことを特徴とする方法であって、式(IV):
【0021】
【化7】

【0022】
[式中、R40、R41及びR42は、相互に独立に、水素、直鎖若しくは分岐のC1-10−アルキル、C1-10−アルコキシ若しくはC1-10−チオアルキル、C5-10−シクロアルキル、C6-10−アリールオキシ、C6-10−アリールチオ、C7-10−アラルキルオキシ、C7-10−アラルキルチオ、ハロゲン、CN、CONR56、C(O)OR7又はSO29である]で示されるニトリル化合物を、合成の開始時に加えること[ここで、式(IVa)、(IVb)及び/又は(IVc):
【0023】
【化8】

【0024】
(式中、R1、R2、R40、R41及びR42は、上記と同義である)で示される、粒子成長調節剤が得られる]、あるいは粒子成長調節剤を、加熱工程(a)、コンディショニング工程(b)又は(c)で加えること[ここで、該粒子成長調節剤は、式(V):
【0025】
【化9】

【0026】
(式中、Xは、O、S又はNR14(ここで、R14は、直鎖若しくは分岐のC1-10−アルキル、C7-10−アラルキル又はC6-10−アリールである)であり;R12及びR13は、相互に独立に、水素、直鎖若しくは分岐のC1-10−アルキル、C1-10−アルコキシ若しくはC1-10−チオアルキル、C5-10−シクロアルキル、C6-10−アリールオキシ、C6-10−アリールチオ、C7-10−アラルキルオキシ、C7-10−アラルキルチオ、ハロゲン、CN、CONR56、C(O)OR7又はSO29である)で示される化合物であるか、又は式(VI):
【0027】
【化10】

【0028】
(式中、R15及びR16は、相互に独立に、水素、直鎖若しくは分岐のC1-10−アルキル、C1-10−アルコキシ若しくはC1-10−チオアルキル、C5-10−シクロアルキル、C6-10−アリールオキシ、C6-10−アリールチオ、C7-10−アラルキルオキシ、C7-10−アラルキルチオ、ハロゲン、CN、CONR56、C(O)OR7又はSO29である)で示される化合物である]を特徴とする方法[ここで、
5及びR6は、水素、直鎖若しくは分岐のC1-10−アルキル、C5-10−シクロアルキル又はC6-10−アリールであり、
7は、水素、直鎖若しくは分岐のC1-10−アルキル、C5-10−シクロアルキル、C7-10−アラルキル又はC6-10−アリールであり、
9は、水素、直鎖若しくは分岐のC1-10−アルキル、C5-10−シクロアルキル、C7-10−アラルキル、C6-10−アリール又はNR1011であり、ここで
10及びR11は、水素、直鎖若しくは分岐のC1-10−アルキル、C7-10−アラルキル又はC6-10−アリールである]により解決されている。式(IV)のニトリルは、式(II)及び(III)のニトリルとは異なり、そして式(I)のDPP化合物は、式(VI)のDPP化合物とは異なる。
【0029】
1−C18アルキルは、典型的には直鎖であるか、又は可能な場合は分岐であり、そしてC1−C18アルキルの例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2,2−ジメチルプロピル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル及び2−エチルヘキシル、n−ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル及びオクタデシルである。メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2,2−ジメチルプロピル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル及び2−エチルヘキシル、n−ノニル、及びデシルのようなC1-10−アルキルが好ましい。メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル又はtert−ブチルのようなC1−C4アルキルが、特に好ましい。
【0030】
直鎖であっても分岐であってもよいC1−C18アルコキシの例は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシ、2−ペントキシ、3−ペントキシ、2,2−ジメチルプロポキシ、n−ヘキソキシ、n−ヘプトキシ、n−オクトキシ、1,1,3,3−テトラメチルブトキシ及び2−エチルヘキソキシであり、そしてここで、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、イソブトキシ及びtert−ブトキシのようなC1−C4アルコキシが好ましい。
【0031】
「C2-18−アルキルカルバモイル基」という用語は、「−C(O)−NH−C1-18−アルキル」基を意味する。「C2-18−アルコキシカルボニル基」という用語は、「−C(O)−O−C1-18−アルキル」基を意味する。「C2-18−アルカノイルアミノ基」という用語は、「−NH−C(O)−O−C1-18−アルキル」基を意味する。
【0032】
「C1-10−アルキルチオ基」という用語は、エーテル結合の酸素原子が、硫黄原子により置換されていることを除いて、「C1-10−アルコキシ基」と同じ基を意味する。
【0033】
「C6-10−アリール基」という用語は、典型的にはフェニル、1−ナフチル又は2−ナフチルであり、これらは非置換であっても置換されていてもよい。「C6-10−アリールオキシ基」及び「C6-10−アリールチオ基」という用語は、それぞれ「C6-10−アリール−O−」及び「C6-10−アリール−S−」を意味する。
【0034】
「C7-10−アラルキル基」という用語は、典型的にはベンジル、2−ベンジル−2−プロピル、β−フェニル−エチル又はα,α−ジメチルベンジルである。「C6-10−アラルキルオキシ基」及び「C6-10−アラルキルチオ基」という用語は、それぞれ「C6-10−アラルキル−O−」及び「C6-10−アラルキル−S−」を意味する。
【0035】
「C5-10−シクロアルキル基」という用語は、典型的にはシクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロヘプチルであり、これらは非置換であっても置換されていてもよい。
【0036】
上述の置換基は、C1-8−アルキル、ヒドロキシル基、メルカプト基、C1−C8アルコキシ、C1−C8アルキルチオ、ハロゲン、シアノ基又はアミノ基により置換されていてもよい。
【0037】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を意味し、好ましくは塩素である。
【0038】
本発明の方法は、種々の不透明ジケトピロロピロール顔料の製造のための容易さと経済性における進歩を提供する。このアプローチは、不透明ジケトピロロ[3,4−c]ピロール顔料の製造のために顔料工業において現在実施されている困難なコンディショニング方法の必要性を排除する。
【0039】
結晶成長調節剤の存在によって、成長制御剤なしに合成される市販の顔料よりも高い不透明度/隠蔽力を示すDPP粒子が得られる。通常、高い不透明度は、鈍いアスペクト角、低い色度、色相の青さ(赤色DPP顔料の場合)、そして色強度が弱いことに関連している。本発明の場合には、色調が純粋で、色相は黄色が濃く、色度がかなり強く、そして色強度が市販のDPP顔料よりも高いか、又は少なくとも同等である。
【0040】
「直接」又は「直接に」という表現は、顔料製品の製造法を説明するために本明細書において使用されるとき、その顔料製品の比表面積が、特定の望まれる性質を持つ顔料としての使用に適したものにする範囲内になることを意味する。
【0041】
1及びR2基は、同一であっても異なっていてもよいが、好ましくは同一である。同素環芳香族基としてのR1及びR2は、好ましくは単環〜四環式基であり、最も好ましくは、フェニル、ジフェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリルなどのような単環〜二環式基である。複素環芳香族基のR1及びR2は、好ましくは単環〜三環式基である。これらの基は、全体が複素環であっても、又は1つの複素環と1つ以上の縮合ベンゼン環を含んでいてもよく、シアノ基が、それぞれ複素環残基と同素環残基の両方に結合していてもよい。複素環芳香族基の例は、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、トリアジニル、フリル、ピロリル、チオフェニル、キノリル、クマリニル、ベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ジベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ジベンゾチオフェニル、インドリル、カルバゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、インダゾリル、ベンゾチアゾリル、ピリダジニル、シンノリル、キナゾリル、キノキサリル、フタラジニル、フタラジンジオニル、フタラミジル、クロモニル、ナフトラクタミル、キノロニル、オルト−スルホベンズイミジル、マレイミジル、ナフタリジニル、ベンゾイミダゾロニル、ベンゾオキサゾロニル、ベンゾチアゾロニル、ベンゾチアゾチオニル、キナゾロニル、キノキサロニル、フタラゾニル、ジオキソピリミジニル、ピリドニル、イソキノロニル、イソキノリニル、イソチアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、インダゾロニル、アクリドニル、キナゾリンジオニル、キノキサリンジオニル、ベンゾオキサジンジオニル、ベンゾオキサジノニル及びナフタルイミジルである。同素環と複素環の両方の芳香族基は、US-A-6,057,449に記載されるような、通常の非水溶性置換基を含んでいてもよい。
【0042】
1及びR2が、相互に独立に、下記式:
【0043】
【化11】

【0044】
[式中、
31、R32及びR33は、相互に独立に、水素、カルバモイル、C2-18−アルキルカルバモイル、C2-18−アルコキシカルボニル、C2-18−アルカノイルアミノ、ハロゲン、C1−C24アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C18アルキルチオ、C1−C18アルキルアミノ、ジ(C1−C18アルキル)アミノ、−CN、−NO2、フェニル、トリフルオロメチル、C5−C6シクロアルキル、−C=N−(C1−C24アルキル)、下記式:
【0045】
【化12】

【0046】
で示される基、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピペラジニル、ピロリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、モルホリニル、ピペリジニル又はピロリジニルであり、
2は、−C(O)−NH−、−C(O)−O−、−NH−C(O)−、特に−CH2−、−CH(CH3)−、−C(CH32−、−CH=N−、−N=N−、−O−、−S−、−SO−、−SO2−又は−NR38−であり、
34及びR35は、相互に独立に、水素、ハロゲン、C1-6−アルキル、C1-6−アルコキシ又は−CNであり、R36及びR37は、相互に独立に、水素、ハロゲン又はC1-6−アルキルであり、そしてR38は、水素又はC1−C6アルキルである]で示される基である、式(I)のピロロ[3,4−c]ピロールが好ましく、そして
1及びR2が、相互に独立に、式(Ib):
【0047】
【化13】

【0048】
[式中、R31及びR32は、相互に独立に、水素、メチル、tert−ブチル、塩素、臭素、CN又はフェニルである]で示される基である、式(I)のDPPが特に好ましい。
【0049】
本発明の式(I)の化合物の製造に使用される好ましい出発物質は、式(II)又は(III)の均質なニトリルである。また、R1及びR2が、それぞれ他と独立に、フェニル若しくは該フェニル(1個若しくは2個の塩素原子により、1個若しくは2個のメチル基により、メトキシにより、トリフルオロメチルにより、シアノにより、メトキシカルボニルにより、メチルにより、tert−ブチルにより、ジメチルアミノにより又はシアノフェニルにより置換されている);ナフチル、ビフェニリル;ピリジル若しくは該ピリジル(アミルオキシにより置換されている);フリル又はチエニルである、式(II)及び/又は(III)のニトリルを使用することも好ましい。
【0050】
具体的には、使用される出発物質は、式(Ia):
【0051】
【化14】

【0052】
[式中、R20、R21及びR22のそれぞれは、相互に独立に、水素、フッ素、塩素、臭素、カルバモイル、シアノ、トリフルオロメチル、C2-10−アルキルカルバモイル、C1-10−アルキル、C1-10−アルコキシ、C1-10−アルキルメルカプト、C2-10−アルコキシカルボニル、C2-10−アルカノイルアミノ、C1-10−モノアルキルアミノ、C1-18−ジアルキルアミノ、フェニル若しくはフェノキシ、フェニルメルカプト、フェノキシカルボニル、フェニルカルバモイル又はベンゾイルアミノであり、それぞれ非置換であるか、又はハロゲン、C1-4−アルキル若しくはC1-4−アルコキシにより置換されている(ただし、R20、R21及びR22の少なくとも1つは、水素である)]で示されるニトリルである。
【0053】
好ましくは、使用される出発物質は、R20が水素であり、そしてR21及びR22の両方が水素であるか、あるいはR21又はR22の一方が、塩素、臭素、C1-4−アルキル、シアノ、C1-4−アルコキシであるか、又はフェニル、フェノキシ、カルバモイル若しくはC1-4−アルキルカルバモイル(それぞれ非置換であるか、又は塩素若しくはメチルにより置換されている)であるか、又はフェニルカルバモイル(非置換であるか、又は塩素、メチル若しくはメトキシにより置換されている)であり、そしてもう一方が水素である、式(Ia)のニトリルである。本発明の方法の更に別の好ましい実施態様では、式(II)又は式(III)の1つのニトリルだけが使用される。
【0054】
本発明の好ましい実施態様は、R1及びR2が、それぞれ他と独立に、フェニル若しくは該フェニル(1個若しくは2個の塩素原子により、1個若しくは2個のメチル基により、メトキシにより、トリフルオロメチルにより、シアノにより、メトキシカルボニルにより、メチルにより、tert−ブチルにより、ジメチルアミノにより又はシアノフェニルにより置換されている);ナフチル、ビフェニリル;ピリジル若しくは該ピリジル(アミルオキシにより置換されている);フリル又はチエニル(フェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、3,5−ジクロロフェニル、4−メチルフェニル、4−メトキシフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、3−シアノフェニル、4−シアノフェニル、4−メトキシカルボニルフェニル、4−メチルフェニル、4−tert−ブチルフェニル、4−ジメチルアミノフェニル、4−(パラ−シアノフェニル)フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、4−ビフェニリル、2−ピリジル、6−アミルオキシ−3−ピリジル、2−フリル又は2−チエニルなど)である方法に関する。
【0055】
本発明の特に好ましい実施態様は、R1及びR2が、それぞれ他と独立に、フェニル、3−又は4−クロロフェニル、3−又は4−メチルフェニル、4−tert−ブチルフェニル、4−ビフェニリル、3−又は4−シアノフェニルである、方法に関する。
【0056】
本発明の方法に使用されるジスクシナートは、コハク酸ジアルキル、コハク酸ジアリール又はコハク酸モノアルキル−モノアリールを含む。コハク酸ジアルキル及びコハク酸ジアリールはまた、非対称性であってもよい。しかし好ましくは対称性のジスクシナート、最も好ましくは対称性コハク酸ジアルキルが使用される。コハク酸ジアリール又はコハク酸モノアリール−モノアルキルが使用されるならば、アリールは、好ましくは非置換であるか、又はハロゲン(塩素など)、C1-6−アルキル(エチル、メチル、イソプロピル又はtert−ブチルなど)若しくはC1-6−アルコキシ(メトキシ又はエトキシなど)により置換されているフェニルを意味する。アリールの好ましい意味は、非置換フェニルである。コハク酸ジアルキル又はコハク酸モノアルキル−モノアリールが使用されるならば、アルキルは、非分岐であっても分岐であってもよく、好ましくは分岐しており、そして好ましくは1〜18個、特に1〜12個、更に特定して1〜8個、更に好ましくは1〜5個の炭素原子を含んでいてよい。分岐アルキルは、好ましくはsec−又はtert−アルキル、例えば、イソプロピル、sec−ブチル、tert−ブチル、tert−アミル及びシクロヘキシルである。
【0057】
ジスクシナートの例は、コハク酸ジメチル、コハク酸ジエチル、コハク酸ジプロピル、コハク酸ジブチル、コハク酸ジペンチル、コハク酸ジヘキシル、コハク酸ジヘプチル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジイソプロピル、コハク酸ジ−sec−ブチル、コハク酸ジ−tert−ブチル、コハク酸ジ−tert−アミル、コハク酸ジ−[1,1−ジメチルブチル]、コハク酸ジ−[1,1,3,3−テトラメチルブチル]、コハク酸ジ−[1,1−ジメチルペンチル]、コハク酸ジ−[1−メチル−エチルブチル]、コハク酸ジ−[1,1−ジエチルプロピル]、コハク酸ジフェニル、コハク酸ジ−[4−メチルフェニル]、コハク酸ジ−[4−クロロフェニル]、コハク酸モノエチル−モノフェニル、及びコハク酸ジシクロヘキシルである。最も好ましくは、出発物質のジスクシナートは、コハク酸ジイソプロピルである。
【0058】
ジスクシナート及び式(II)又は(III)のニトリルは、既知化合物であり、そして既知の方法により製造することができる。
【0059】
典型的には、ニトリル及びジスクシナートは、化学量論比率で使用される。ジスクシナートと反応させるニトリルを、化学量論比率だけよりも多く使用すると有利であろう。最終生成物の収率が、ジスクシナートについて過剰のニトリルを使用することにより改善しうることが見い出されたが、この場合に、最適量は各反応物質に応じて決定しなければならないが、ジスクシナートに対して必要とされる化学量論量の10倍以内であろう。通常、過剰のニトリルは回収することができる。ニトリルについて過剰のジスクシナートは、収率に対してしばしば好ましい影響を及ぼしうるが、この場合に過剰量は、ジスクシナートの化学量論的に必要とされる量の2倍以内であろう。
【0060】
ジスクシナートとニトリルとの反応は、有機溶媒中で行われる。適切な溶媒の例は、1〜10個の炭素原子を含む第1級、第2級若しくは第3級アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノール、2−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−3−ペンタノール、2−メチル−2−ヘキサノール、3−エチル−3−ペンタノール、2,4,4−トリメチル−2−ペンタノール;又はエチレングリコール若しくはジエチレングリコールのようなグリコール;更にはテトラヒドロフラン若しくはジオキサンのようなエーテル、又はエチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル若しくはジエチレングリコールモノエチルエーテルのようなグリコールエーテル;並びにアセトニトリル、ベンゾニトリル、ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ニトロベンゼン、N−メチルピロリドンのような双極性非プロトン性溶媒;脂肪族若しくは芳香族炭化水素(ベンゼン、又はアルキル、アルコキシ若しくはハロゲンにより置換されているベンゼン、例えば、トルエン、キシレン、アニソール若しくはクロロベンゼン);又はピリジン、ピコリン若しくはキノリンのような芳香族複素環化合物である。更には、反応が起こる温度範囲で液体であれば、式(II)又は(III)のニトリルを同時に溶媒として使用することもできる。上記溶媒の混合物も使用することができる。反応物質1重量部当たり、5〜20重量部の溶媒を使用するのが便利である。
【0061】
本発明の方法において、アルコール、特に第2級又は第3級アルコールを溶媒として使用するのが好ましい。好ましい第3級アルコールは、tert−ブタノール及びtert−アミルアルコールである。これらの好ましい溶媒と、芳香族炭化水素(トルエン又はキシレンなど)、又はハロゲン置換ベンゼン(クロロベンゼンなど)との混合物もまた有用である。
【0062】
本発明の方法は、強塩基の存在下で行われる。適切な強塩基は、特にアルカリ金属自体(リチウム、ナトリウム又はカリウムなど)、又はアルカリ金属アミド(リチウムアミド、ナトリウムアミド又はカリウムアミドなど)、又はアルカリ金属水素化物(水素化リチウム、水素化ナトリウム又は水素化カリウムなど)、又は好ましくは1〜10個の炭素原子を含む第1級、第2級若しくは第3級脂肪族アルコールから誘導されたアルカリ土類金属アルコラート若しくはアルカリ金属アルコラート(例えば、リチウムメチラート、ナトリウムメチラート若しくはカリウムメチラート、又はリチウムエチラート、ナトリウムエチラート若しくはカリウムエチラート、リチウムn−プロピラート、ナトリウムn−プロピラート若しくはカリウムn−プロピラート、リチウムイソプロピラート、ナトリウムイソプロピラート若しくはカリウムイソプロピラート、リチウムn−ブチラート、ナトリウムn−ブチラート若しくはカリウムn−ブチラート、リチウムsec−ブチラート、ナトリウムsec−ブチラート若しくはカリウムsec−ブチラート、リチウムtert−ブチラート、ナトリウムtert−ブチラート若しくはカリウムtert−ブチラート、リチウム2−メチル−2−ブチラート、ナトリウム2−メチル−2−ブチラート若しくはカリウム2−メチル−2−ブチラート、リチウム2−メチル−2−ペンチラート、ナトリウム2−メチル−2−ペンチラート若しくはカリウム2−メチル−2−ペンチラート、リチウム3−メチル−3−ペンチラート、ナトリウム3−メチル−3−ペンチラート若しくはカリウム3−メチル−3−ペンチラート、リチウム3−エチル−3−ペンチラート、ナトリウム3−エチル−3−ペンチラート若しくはカリウム3−エチル−3−ペンチラート、又はリチウム3−エチル−3−ペンチラート、ナトリウム3−エチル−3−ペンチラート若しくはカリウム3−エチル−3−ペンチラート)である。更に、これらの塩基の混合物も使用することができる。
【0063】
好ましい強塩基は、アルカリ金属アルコラートであって、このアルカリ金属は、好ましくはナトリウム又はカリウムであり、そしてこのアルコラートは、好ましくは第2級又は第3級アルコールから誘導される。よって特に好ましい強塩基は、例えば、ナトリウムイソプロピラート又はカリウムイソプロピラート、ナトリウムsec−ブチラート又はカリウムsec−ブチラート、ナトリウムtert−ブチラート又はカリウムtert−ブチラート及びナトリウムtert−アミラート又はカリウムtert−アミラートである。更に、アルカリ金属アルコラートは、適切なアルコールを、アルカリ金属、アルカリ金属水素化物又はアルカリ金属アミドと反応させることによりその場で製造することができる。
【0064】
強塩基は、1モルのジスクシナートに基づいて、好ましくは約0.1〜約10モル、最も好ましくは約1.9〜約4.0モルの量で使用される。化学量論量の塩基で充分であろうが、過剰の塩基は収率に有利な影響を及ぼすことが見い出されている。
【0065】
調節されていない形状のものの粒度に対する式(I)の1,4−ジケトピロロ[3,4−c]ピロールの粒度の調節は、式(I)のDPP化合物の重量に対して0.1%という少量の粒子成長調節剤を含めることで目立つようになる。調節剤のレベルは、10重量%もの高さであってもよい。粒子成長調節剤は、10%を超える量で存在することができるが、該量を超えて使用すると、色に悪い影響を及ぼすことがある。
【0066】
様々な程度の粒度及び透明度を有する種々の顔料は、0.1%超(例えば、0.2%)〜約10%の範囲の粒子成長調節剤を必要とする。顔料の式(I)の1,4−ジケトピロロ[3,4−c]ピロールを製造するためのニトリルとジスクシナートとの反応、及び/又はコンディショニング工程の間に組み込まれる調節剤の好ましい範囲は、顔料の1,4−ジケトピロロ[3,4−c]ピロールを直接製造するのに必要な最少量から約10重量%までの粒子成長調節剤、例えば、0.1%〜約10重量%である。粒子成長調節剤の好ましい範囲は、0.5〜4重量%、最も好ましい範囲は、0.5%〜2重量%である。
【0067】
1,4−ジケトピロロ[3,4−c]ピロール生成物の表面積は、反応中に存在する粒子成長調節剤の量に正比例しており、そして粒度に反比例している。即ち、生成物の表面積は、粒度成長調節剤の量が増加するほど上昇する。式(I)の1,4−ジケトピロロ[3,4−c]ピロールを顔料としての直接使用に適したものにするためには、反応生成物の表面積は、少なくとも15m2/グラム、例えば、約15〜約50m2/グラム、好ましくは約20〜50m2/グラムの範囲にすべきである。表面積は、窒素吸収又は別の適切な方法により測定することができる。
【0068】
好ましい実施態様は、反応容器にニトリルと塩基を充填すること、そして次に反応温度の範囲でジスクシナートを添加することであるが、この添加順序は収率に特に有利な作用を及ぼす。また、ジスクシナートとニトリルを同時に塩基に添加することもできる。本発明の方法は、バッチ方式だけでなく、連続的にも行うことができる。
【0069】
詳細には、アルキル基を含むジスクシナートと、低級アルコール(メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール又はtert−ブタノールなど)から誘導されたアルコラートを使用するとき、高収量を得るためには反応中に生成した低級アルコールを反応媒体から連続的に除去することが必要となろう。
【0070】
アルコールを溶媒として、そしてアルコラートを塩基として使用するならば、同じアルキル残基を有するアルコールとアルコラートを選択するのが有利であることが判る。同様に、更にジスクシナートもこのようなアルキル基を含むならば有利であろう。
【0071】
「結晶成長を調節すること」という用語は、適切な顔料としてのサイズ及び/又は狭い粒度分布を有するように顔料粒子の合成を制御すること、並びに結晶の成長を具体的に望まれる形状(小板状、針状、立方晶、小葉状、プリズム状及び他の幾何学形状など)及び/又は具体的に望まれるレオロジーの粒子が生成するように誘導することを意味する。その結果、結晶成長のより良好な制御により、狭い粒度分布及び/又は良好な結晶形状を持つか、あるいは両方を併せ持つ試料を得ることができる。この作用は、有機顔料の化学構造、反応媒体の選択及び本発明の粒子成長調節剤の濃度と化学構造により影響を受けうる。
【0072】
コンディショニング工程a)は、0.0〜100.0%、好ましくは20.0〜50.0%の水混和性溶媒を含む水中で、1℃〜還流温度、好ましくは還流温度近くのコンディショニング温度で、場合により無機酸の存在下で行われる。
【0073】
一般に、水混和性溶媒は、水混和性アルコール、ポリオール、ニトリル、有機酸、アミド、エステル、エーテル、ケトン、アミン又はこれらの溶媒の混合物から選択される。特に適切な水混和性溶媒は、アルコール、特にC1-4−アルキルアルコール(メタノール、エタノール、n−及びイソプロパノールなど)、ポリオール(エチレングリコール、ジエチレングリコールのようなグリコール、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル又はジエチレングリコールモノエチルエーテルのようなグリコールエーテル、テトラヒドロフラン(THF)及びジオキサンなど)、有機酸(酢酸など)、ケトン(アセトンなど)、アミン[モノ−、ジ−又はトリアルキルアミン(プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、ビス(1−メチル)プロピルアミン、1,1−ジメチルエチルアミン及び2−エチルヘキシルアミンなど)、芳香族アミン(アニリン、トルイジン又はフェニレンジアミンなど)など]、及びこれらの混合物を含む。
【0074】
適切な無機酸は、塩酸、硫酸及びリン酸である。
【0075】
コンディショニング工程b)は、0.0〜99.0%水の存在下の非プロトン性の水混和性溶媒中で、又は高沸点の非混和性溶媒中で、又はこれらの混合物中で、1℃〜沸点のコンディショニング温度、最も好ましくは溶媒の沸点よりも10〜20℃低い温度で行われる。
【0076】
適切な非プロトン性の水混和性溶媒は、アセトニトリル、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ガンマ−ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、及びこれらの混合物を含む。非混和性溶媒は、ジフェニルエーテル(ダウサーム(Dowtherm)(登録商標)Eなど)、非混和性アルコール(ペンタノール、ヘキサノール及びヘプタノールなど)、非混和性芳香族溶媒(トルエン、キシレン、o−ジクロロベンゼンなど)、非混和性ケトン、非混和性エーテル及び環状エーテル、非混和性アミン及び芳香族アミン、非混和性アミド及びエステル並びにこれらの混合物を含む。
【0077】
式(V)又は(VI)の粒子成長調節剤は、加熱工程(a)、コンディショニング工程(b)又はコンディショニング工程(c)において加えることができる。
【0078】
本発明の方法は、好ましい実施態様に基づいて、更に詳細に以下に説明される:
【0079】
プロセスA−1:
式(I)のDPPの合成は、0.1〜20.0%、好ましくは0.5〜5.0%の式(IV)のベンゾニトリル誘導体の存在下で行われるが、ここで、ベンゾニトリル誘導体は、合成の開始時に加えられる。即ち、式(IV)のニトリルは、例えば、式(II)及び(III)のニトリル並びに塩基と一緒に反応容器に充填され、次にジスクシナートが加えられるか、又は式(IV)のニトリルは、ジスクシナート及びニトリルと同時に塩基に加えられる。
【0080】
コンディショニングは、0.0〜100.0%、好ましくは20.0〜50.0%の水混和性溶媒を含む水中で、1℃〜還流温度、好ましくは還流温度に近いコンディショニング温度で行われる。
【0081】
プロセスA−2:
式(I)のDPPの合成は、0.1〜20.0%、好ましくは0.25〜2.0%の式(V)又は(VI)のDPP誘導体の存在下で行われるが、ここで、DPP誘導体は、好ましくはDPP合成の開始時又は終了時に、コンディショニングの直前に加えられる。コンディショニングは、0.0〜100.0%、好ましくは20.0〜50.0%の水混和性溶媒を含む水中で、1℃〜還流温度、好ましくは還流温度に近いコンディショニング温度で行われる。
【0082】
プロセスB−1:
式(I)のDPPの合成は、0.1〜20.0%、好ましくは0.5〜5.0%の式(IV)のニトリルの存在下で行われるが、ここで、ニトリルは、好ましくは合成の開始時に加えられる。
【0083】
最初のコンディショニングは、0.0〜100.0%、好ましくは20.0〜50.0%の水混和性溶媒を含む水中で、1℃〜還流温度、好ましくは0〜40℃のコンディショニング温度で、場合により1.0〜99.0%、好ましくは5.0〜20.0%の無機酸の存在下で行われる。
【0084】
適切な無機酸は、塩酸、リン酸、及び特に硫酸を含む。
【0085】
2回目のコンディショニングは、0.0〜99.0%の水の存在下の非プロトン性の水混和性溶媒中で、1℃〜沸点のコンディショニング温度、最も好ましくは溶媒の沸点よりも10〜20℃低い温度で、あるいは高沸点の非混和性溶媒中で、室温〜沸点のコンディショニング温度、好ましくは溶媒の沸点の10〜20℃低い温度で行われる。
【0086】
プロセスB−2:
式(I)のDPPの合成は、0.1〜20.0%、好ましくは0.25〜2.0%の式(V)又は(VI)のDPP誘導体の存在下で行われるが、ここで、式(V)又は(VI)のDPP誘導体は、DPP合成の開始時又は終了時に、最初のコンディショニングの直前に加えられる。
【0087】
最初のコンディショニングは、0.0〜100.0%、好ましくは20.0〜50.0%の水混和性溶媒を含む水中で、1℃〜還流温度、好ましくは0〜40℃のコンディショニング温度で、場合により1.0〜99.0%、好ましくは5.0〜20.0%の無機酸の存在下で行われる。
【0088】
2回目のコンディショニングは、0.0〜99.0%の水の存在下の非プロトン性の水混和性溶媒中で、1℃〜沸点のコンディショニング温度、最も好ましくは溶媒の沸点よりも10〜20℃低い温度で、あるいは高沸点の非混和性溶媒中で、室温〜沸点のコンディショニング温度、好ましくは溶媒の沸点の10〜20℃低い温度で行われる。
【0089】
プロセスC:
式(I)のDPPの合成は、式(IVa)、(IVb)、(IVc)、(V)又は(VI)の結晶成長誘導剤の添加なしに行われる。
【0090】
最初のコンディショニングは、0.0〜100.0%、好ましくは20.0〜50.0%の水混和性溶媒を含む水中で、1℃〜還流温度、好ましくは1°〜40℃のコンディショニング温度で、場合により1.0〜99.0%、好ましくは5.0〜20.0%の無機酸の存在下で行われる。
【0091】
2回目のコンディショニングは、0.0〜99.0%の水の存在下の非プロトン性の水混和性溶媒中で、1℃〜沸点のコンディショニング温度、最も好ましくは溶媒の沸点よりも10〜20℃低い温度で、あるいは高沸点の非混和性溶媒中で、室温〜沸点のコンディショニング温度、好ましくは溶媒の沸点の10〜20℃低い温度で、0.1〜20.0%、好ましくは0.25〜2.0%の式(V)又は(VI)のDPP誘導体の存在下で行われる。
【0092】
式(IV):
【0093】
【化15】

【0094】
[式中、R40、R41及びR42は、相互に独立に、水素、直鎖若しくは分岐のC1-10−アルキル、C1-10−アルコキシ若しくはC1-10−チオアルキル、C5-10−シクロアルキル、C6-10−アリールオキシ、C6-10−アリールチオ、C7-10−アラルキルオキシ、C7-10−アラルキルチオ、ハロゲン、CN、CONR56、C(O)OR7又はSO29であり;ここで、R5及びR6は、水素、直鎖若しくは分岐のC1-10−アルキル、C5-10−シクロアルキル又はC6-10−アリールであり、R7は、水素、直鎖若しくは分岐のC1-10−アルキル、C5-10−シクロアルキル又はC6-10−アリールであり、R9は、水素、直鎖若しくは分岐のC1-10−アルキル、C5-10−シクロアルキル、C7-10−アラルキル、C6-10−アリール又はNR1011であり、ここでR10及びR11は、水素、直鎖若しくは分岐のC1-10−アルキル、C7-10−アラルキル又はC6-10−アリールである]で示されるニトリル化合物は、プロセスA−1及びB−1では合成の開始時に加えられ、そしてここで、式(IVa)、(IVb)及び/又は(IVc):
【0095】
【化16】

【0096】
[式中、R1、R2、R40、R41及びR42は、上記と同義である]で示される粒子成長調節剤が得られる。式(IV)のニトリルは、式(II)及び(III)のニトリル並びに塩基と一緒に反応容器に充填され、次にジスクシナートが加えられるか、又は式(IV)のニトリルは、ジスクシナート並びに式(II)及び(III)のニトリルと同時に塩基に加えられるのが好ましく、ここで式(IVa)及び(IVb)の結晶成長調節剤が生成されるのが好ましい。更に式(II)及び(III)のニトリルは同一であって、そのため式(IVa)又は(IVb)の1種のみの結晶成長調節剤が生成することが好ましい。
【0097】
最も好ましいのは、式(IVa):
【0098】
【化17】

【0099】
[式中、R31は、o−、m−又はp−C1-10−アルコキシ(特にo−、m−又はp−C1-4−アルコキシ)、シアノ(特にm−CN)、o−又はm−クロロであり、そしてR21は、水素、p−フェニル、C1-10−アルキル(特にm−又はp−メチル及びp−tert−ブチル)、p−又はm−クロロ、シアノ(特にm−シアノ)である]で示される化合物である。
【0100】
式(V):
【0101】
【化18】

【0102】
[式中、Xは、O、S又はNR14(ここで、R14は、直鎖若しくは分岐のC1-10−アルキル、C7-10−アラルキル又はC6-10−アリールである)であり;R12及びR13は、相互に独立に、水素、直鎖若しくは分岐のC1-10−アルキル、C1-10−アルコキシ若しくはC1-10−チオアルキル、C5-10−シクロアルキル、C6-10−アリールオキシ、C6-10−アリールチオ、C7-10−アラルキルオキシ、C7-10−アラルキルチオ、ハロゲン、CN、CONR56、C(O)OR7又はSO29であり;ここで、R5及びR6は、水素、直鎖若しくは分岐のC1-10−アルキル、C5-10−シクロアルキル又はC6-10−アリールであり、R7は、水素、直鎖若しくは分岐のC1-10−アルキル、C5-10−シクロアルキル又はC6-10−アリールであり、R9は、水素、直鎖若しくは分岐のC1-10−アルキル、C5-10−シクロアルキル、C7-10−アラルキル、C6-10−アリール又はNR1011であり、ここで、R10及びR11は、水素、直鎖若しくは分岐のC1-10−アルキル、C7-10−アラルキル又はC6-10−アリールである]で示されるDPP誘導体は、プロセスA−2、B−2及びCにおける結晶成長誘導剤として特に好ましい。最も好ましいのは、Xが、O又はNR14(ここで、R14は、C1-4−アルキル又はベンジルである)であり;R12及びR13が、相互に独立に、水素、C1-4−アルキル、C1-4−アルコキシ若しくはC1-4−チオアルキル、ハロゲン、CN又はSO29であり;ここで、R9が、C1-4−アルキル、フェニル、ベンジル又はNR1011であり、ここで、R10及びR11が、水素、C1-4−アルキル、ベンジル又はフェニルである、式(V)の化合物である。R12及びR13が同一である化合物は、特に好ましい。3,5,6−トリフェニル−1H−フロ[3,4−c]ピロール−1,4−(5H)−ジオン(US-A-5,354,869)を除く、XがO又はSである、式(V)の化合物は、新規であり、そして本発明の更に別の実施態様を表す。
【0103】
式(VI):
【0104】
【化19】

【0105】
[式中、R15及びR16は、相互に独立に、水素、直鎖若しくは分岐のC1-10−アルキル、C1-10−アルコキシ若しくはC1-10−チオアルキル、C5-10−シクロアルキル、C6-10−アリールオキシ、C6-10−アリールチオ、C7-10−アラルキルオキシ、C7-10−アラルキルチオ、ハロゲン、CN、CONR56、C(O)OR7、SO210であり、ここで、
5及びR6は、水素、直鎖若しくは分岐のC1-10−アルキル、C5-10−シクロアルキル又はC6-10−アリールであり、
7は、水素、直鎖若しくは分岐のC1-10−アルキル、C5-10−シクロアルキル又はC6-10−アリールであり、
9は、水素、直鎖若しくは分岐のC1-10−アルキル、C5-10−シクロアルキル、C6-10−アリール又はNR1011であり、ここで、
10及びR11は、水素、直鎖若しくは分岐のC1-10−アルキル又はC6-10−アリールであり、ここで
15及びR16は、好ましくは相互に異なる]で示されるDPPは、プロセスA−2、B−2及びCにおける結晶成長調節剤として特に好ましい。R15が、水素、4−フェニル、3−又は4−クロロ、3−又は4−メチル、4−tert−ブチル、3−又は4−シアノであり、そしてここでR16が、o−、m−又はp−C1-10−アルコキシ(特にo−、m−又はp−C1-4−アルコキシ)、シアノ(特にm−CN)、o−又はm−クロロである、式(VI)のDPPは、特に好ましい(ここで、R15及びR16は、相互に異なる)。
【0106】
本発明は、非常に不透明で飽和型のC.I.ピグメント レッド254、非常に不透明で熱安定型のC.I.ピグメント レッド255並びに非常に強く飽和型のC.I.ピグメント レッド272の製造方法を提供する。
【0107】
式(I)の化合物は、高分子量有機材料のための着色料として使用され、かつこれらが得られる形状で直接使用することができる。
【0108】
最終用途に応じて、式(I)の化合物の混合物を製造することが有利であるかもしれない。これは、例えば、プロトリシスの前に相互に独立に製造した異なる反応混合物を混合し、これらを一緒にプロトリシスにかけ、次に生じた式(I)の化合物の混合物を単離することにより行うことができる。また、式(I)の2つ以上の化合物を一緒に沈殿させることもできる。
【0109】
本発明は、
a)式(I)の1,4−ジケトピロロ[3,4−c]ピロール;及び
b)結晶成長誘導有効量の式(IVa)、(IVb)及び/若しくは(IVc)又は(V)又は(VI)の化合物
を含むことを特徴とする顔料組成物に関する。
【0110】
粒子成長調節剤は、ジケトピロロピロールの重量に基づいて0.1〜10重量%の間の量で存在する。粒子成長調節剤の更に有用な範囲は、0.5%〜4%、特に0.5%〜2重量%の粒子成長調節剤である。
【0111】
式(I)の化合物を含む本発明の顔料組成物で着色することができる高分子量の有機材料は、例えば、セルロースエーテル及びエステル(エチルセルロース、ニトロセルロース、酢酸セルロース又は酪酸セルロースなど)、天然樹脂又は合成樹脂[重合樹脂又は縮合樹脂など、例えば、アミノプラスト、特に尿素/ホルムアルデヒド及びメラミン/ホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂、フェノールプラスチック、ポリカーボネート、ポリオレフィン(ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセトニトリルなど)、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリウレタン又はポリエステル、ゴム、カゼイン、シリコーン及びシリコーン樹脂など]である(個々に、又は混合物として)。
【0112】
上記高分子量の有機化合物が、プラスチック、融解物又は紡糸液の形、ラッカー、ペンキ又は塗装用インキの形であるかは重要でない。最終用途に応じて、本発明の顔料をトナー又は配合物の形状で使用することが有利である。言及された高分子量有機化合物は、個々に、又は混合物として存在することができる。式(I)の化合物を含む本発明の顔料組成物は、着色すべき高分子量の有機材料に基づいて、約0.01〜約30%、好ましくは約0.1〜約10%(重量)の量で使用される。
【0113】
例えば、プラスチック、フィラメント、ラッカー又は印刷インキに得られる着色は、優れた着色力、良好な分散性、上塗り、移染、熱、光及び大気の影響に対する良好な堅牢度、並びに良好な光沢を有する。
【0114】
高分子量有機物質は、式(I)の顔料を含む本発明の顔料組成物で、例えば、このような顔料を、所望であればマスターバッチの形で、ロールミル及び混合又は粉砕装置を用いてこれらの物質中に混ぜ込むことにより着色される。着色材料は次に、既知の方法(カレンダーがけ、加圧、押出、刷毛がけ、注型又は射出成形など)により所望の最終形状にされる。軟質成形品を製造するため、又はその脆性を縮小するために、出発操作の前に可塑剤をその高分子量化合物に組み込むことが望ましい。適切な可塑剤は、例えば、リン酸、フタル酸又はセバシン酸のエステルである。可塑剤は、本発明の顔料の組み込みの前又は後に組み込むことができる。更に、異なる色調を得るために、本発明の顔料に加えて、充填剤又は他の着色成分(白色、カラー、又は黒色顔料など)を任意の所望の量で、高分子量有機物質に加えることができる。
【0115】
本発明の方法により製造される顔料は、ポリ塩化ビニル及びポリオレフィン(ポリエチレン及びポリプロピレンなど)、エンジニアリング・ポリマー(ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリカーボネート、ポリスチレン、ABS、PET、ポリアミドなど)の着色に、並びにラッカー及びペンキ(特に原色自動車用仕上げ塗り用)の着色に特に適している。この目的に使用されるとき、本発明の方法により製造された顔料は、良好な一般的な顔料の性質(高い分散性、高い飽和度及び純度、並びに高い耐移染、耐熱、耐光及び耐候堅牢度など)を持つ。
【0116】
以下の実施例は、説明を目的とするものであり、本発明の範囲をいかなる形においても限定することを意図するものでない。部及び百分率は、他に記載がなければ重量による。
【0117】
実施例
比較実施例1(EP-A-640,603)
ガラススターラー、温度計、窒素注入管、バブルカウンター及び添加ロートを取り付けた200ml四つ口丸底フラスコに、t−アミルアルコール60.0g及び固体ナトリウム5.24gを注ぎ入れた。この混合物を130℃(外部温度)まで加熱して、三塩化鉄(III)少量を加えた。固体ナトリウムが完全に消失したら、4−クロロベンゾニトリル15.21g、ジイソプロピルスクシンイミド14.27g及びt−アミルアルコール42.70gの混合物を2時間以内に加えた。温度を85℃(内部温度)まで下げて、反応混合物を2時間撹拌した。温度を40℃まで下げて、反応混合物を、脱塩水300mlとメタノール300mlとの混合物を含む次の反応器に40℃で15分以内に移した。温度を還流温度(78℃)に設定して、顔料を18時間コンディショニングした。濾過及び真空下オーブン中での乾燥後、鮮紅色の顔料16.03g(83%)を得た(比較実施例(CC−1)のC.I.ピグメント レッド254)。
【0118】
実施例1
ガラススターラー、温度計、窒素注入管、バブルカウンター、添加ロート及び還流冷却器を取り付けた1500ml四つ口丸底反応器に、トルエン800ml、前もって脱塩水350mlに溶解した水酸化ナトリウム14.1g、臭化テトラエチルアンモニウム3.5g及び4−ヒドロキシベンゾニトリル40.0gを注ぎ入れた。激しく撹拌しながら、2−ブロモプロパン82.7gを5分以内に加えた。このエマルションを18時間、加熱還流した。有機相を分離して、1mol/lのNaOH溶液300ml及び飽和NaCl溶液300mlで抽出した。溶媒を留去した。この不純な固体をヘキサン110ml中で再結晶した。収量:28.3g(52.3%)純粋な4−イソプロポキシベンゾニトリル。
【0119】
ガラススターラー、温度計、窒素注入管、還流冷却器、バブルカウンター及び二重壁添加ロートを取り付けた750ml四つ口丸底反応器に、t−アミルアルコール300.0g及び固体ナトリウム10.29gを注ぎ入れた。この混合物を130℃(外部温度)まで加熱して、三塩化鉄(III)少量を加えた。金属ナトリウムが完全に消失したら、4−クロロベンゾニトリル30.13g、4−イソプロポキシベンゾニトリル1.21g、ジイソプロピルスクシンイミド33.84g及びt−アミルアルコール60.0mlの混合物を2時間以内に加えた。温度を85℃(内部)まで下げて、反応混合物を更に2時間撹拌した。温度を40℃まで下げて、反応混合物を次の反応器に30分以内に移して、脱塩水500mlとメタノール500mlとの混合物中に40℃で注ぎ入れた。顔料を18時間、還流温度(78℃)でコンディショニングした。濾過及び乾燥後、赤色の顔料粉末29.58g(75%)を得た。
【0120】
顔料粉末25.0gをダウサームE 500ml中に注ぎ入れ、160℃で5時間更にコンディショニングした。濾過、洗浄及び乾燥後、鮮紅色の顔料23.30g(総収率70%)を得たが、これは比較実施例の生成物に比較して、マストーン(mass tone)で、わずかに高い不透明度と共に、より純粋で、鮮やかかつ濃い黄色の色調を示した。白色減衰物(5:95)では、顔料はCC−1よりもかなり高い色強度を示し、そして耐候安定性(2000時間 WOM)はCC−1に匹敵した。X線回折スペクトルは、CC−1と同様であったが、わずかに広いピーク幅が平均粒度の小ささを示した。ジョイス・レーブル(Joyce-Loebl)測定では、CC−1よりも狭い粒度分布を示した。
【0121】
実施例2
ガラススターラー、温度計、窒素注入管、還流冷却器、バブルカウンター及び二重壁添加ロートを取り付けた750ml四つ口丸底反応器に、t−アミルアルコール100.0g及び固体ナトリウム3.43gを注ぎ入れた。この混合物を130℃(外部温度)まで加熱して、三塩化鉄(III)少量を加えた。金属ナトリウムが完全に消失したら、下記式:
【0122】
【化20】

【0123】
で示されるピロリドン11.24gを加えた(EP-A-0,511,165)。温度を90℃まで下げて、t−アミルアルコール25mlに溶解した2−メトキシベンゾニトリル7.32gを3時間以内に加えた。反応混合物を更に1時間撹拌して、メタノール250mlと脱塩水250mlを含むビーカーに注ぎ入れた。この懸濁液を濾過して、生じた固体を注意深くメタノールと水で洗浄した。乾燥後、赤橙色の3−(2−メトキシフェニル)−6−フェニルピロロ[3,4−c]ピロール5.36g(31.3%)を得た。
【0124】
ガラススターラー、温度計、窒素注入管、還流冷却器、バブルカウンター及び二重壁添加ロートを取り付けた250ml四つ口丸底反応器に、t−アミルアルコール60.0g及び固体ナトリウム5.24gを注ぎ入れた。この混合物を130℃(外部温度)まで加熱して、三塩化鉄(III)少量を加えた。金属ナトリウムが完全に消失したら、3−(2−メトキシフェニル)−6−フェニルピロロ[3,4−c]ピロール0.356g、並びに4−クロロベンゾニトリル14.19g、ジイソプロピルスクシンイミド10.72g及びt−アミルアルコール32.7gの混合物を2時間以内に加えた。温度を85℃(内部)まで下げて、反応混合物を更に2時間撹拌した。温度を40℃まで下げて、反応混合物を、脱塩水300ml、メタノール300ml及び硫酸120mlの混合物を含む次の反応器に40℃で15分以内に移した。顔料を40℃で18時間コンディショニングした。濾過及び乾燥後、暗赤色の顔料粉末13.01g(67%)を得た。
【0125】
顔料粉末をジメチルアセトアミド300ml中に注ぎ入れ、更に140℃で5時間コンディショニングした。濾過、洗浄及び乾燥後、鮮紅色の顔料11.53g(総収率60%)を得たが、これは比較実施例に比較して、マストーンで、高い不透明度と共に、より純粋で、鮮やかかつ濃い黄色の色調を示した。白色減衰物(5:95)では、顔料はCC−1よりもわずかに高い色強度を示し、そして耐候安定性(2000時間 WOM)はCC−1に匹敵した。X線回折スペクトルは、CC−1と同様であったが、ジョイス・レーブル測定では、CC−1よりも狭い粒度分布を示した。
【0126】
実施例3
ガラススターラー、温度計、窒素注入管、還流冷却器、バブルカウンター及び二重壁添加ロートを取り付けた250ml四つ口丸底反応器に、t−アミルアルコール60.0g及び固体ナトリウム5.24gを注ぎ入れた。この混合物を130℃(外部温度)まで加熱して、三塩化鉄(III)少量を加えた。金属ナトリウムが完全に消失したら、4−クロロベンゾニトリル14.63g、ジイソプロピルスクシンイミド10.72g及びt−アミルアルコール32.7gの混合物を2時間以内に加えた。温度を85℃(内部)まで下げて、反応混合物を更に2時間撹拌した。温度を40℃まで下げて、反応混合物を、脱塩水300ml、メタノール300ml及び硫酸120mlの混合物を含む次の反応器に40℃で15分以内に移した。顔料を40℃で18時間コンディショニングした。濾過及び乾燥後、暗赤色の顔料粉末16.5g(85%)を得た。
【0127】
ガラススターラー、温度計、窒素注入管、還流冷却器、バブルカウンター及び二重壁添加ロートを取り付けた四つ口丸底反応器に、t−アミルアルコール100.0g及び固体ナトリウム3.43gを注ぎ入れた。この混合物を130℃(外部温度)まで加熱して、三塩化鉄(III)少量を加えた。金属ナトリウムが完全に消失したら、下記式:
【0128】
【化21】

【0129】
で示されるピロリドン11.56gを加えた(EP-A-0,511,165)。温度を90℃まで下げて、t−アミルアルコール25mlに溶解した3−メトキシ−ベンゾニトリル7.32gを3時間以内に加えた。反応混合物を更に1時間撹拌して、メタノール250mlと脱塩水250mlを含むビーカーに注ぎ入れた。この懸濁液を濾過して、生じた固体を注意深くメタノールと水で洗浄した。乾燥後、赤橙色の3−(4−クロロフェニル)−6−(3−メトキシフェニル)ピロロ[3,4−c]ピロール6.60g(43.0%)を得た。
【0130】
顔料粉末15.0g及び3−(4−クロロフェニル)−6−(3−メトキシフェニル)ピロロ[3,4−c]ピロール0.15gを、ジメチルアセトアミド300ml中に注ぎ入れ、140℃で5時間再結晶した。濾過、洗浄及び乾燥後、鮮紅色の顔料14.7gを得たが、これは比較実施例に比較して、マストーンで、はるかに高い不透明度と共に、より純粋で、鮮やかかつ濃い黄色の色調を示した。白色減衰物(5:95)では、顔料はCC−1よりも高い色強度を示し、そして耐候安定性(2000時間 WOM)はCC−1に匹敵した。X線回折スペクトルは、CC−1と同様であったが、わずかに広いピーク幅が平均粒度の小ささを示した。ジョイス・レーブル測定では、CC−1よりも狭い粒度分布を示した。
【0131】
実施例4
ガラススターラー、温度計、窒素注入管、還流冷却器、バブルカウンター及び二重壁添加ロートを取り付けた250ml四つ口丸底反応器に、t−アミルアルコール150.0g及び固体ナトリウム5.15gを注ぎ入れた。この混合物を130℃(外部温度)まで加熱して、三塩化鉄(III)少量を加えた。金属ナトリウムが完全に消失したら、4−クロロベンゾニトリル15.17g、3−メトキシベンゾニトリル0.50g、ジイソプロピルスクシンイミド16.92g及びt−アミルアルコール30.0mlの混合物を2時間以内に加えた。温度を85℃(内部)まで下げて、反応混合物を更に2時間撹拌した。温度を40℃まで下げて、反応混合物を、脱塩水300ml、メタノール300ml及び硫酸120mlの混合物を含む次の反応器に40℃で30分以内に移した。顔料を40℃で18時間コンディショニングした。濾過及び乾燥後、赤色の顔料粉末15.20g(77%)を得た。顔料粉末15.0gをジメチルアセトアミド300ml中に注ぎ入れ、更に140℃で5時間コンディショニングした。濾過、洗浄及び乾燥後、鮮紅色の顔料14.20g(総収率72%)を得たが、これの色及び堅牢度は実施例3の顔料に非常に近かった。
【0132】
実施例5
3−(4−クロロフェニル)−6−(3−メトキシフェニル)ピロロ[3,4−c]ピロール0.15gの代わりに、下記式:
【0133】
【化22】

【0134】
で示されるDPP誘導体0.15gを使用した(EP 01810773.0)ことを除いて、実施例3を繰り返した。鮮紅色の顔料を得たが、これは比較実施例に比較して、マストーンで、より純粋で、鮮やかかつ濃い黄色の色調を示した。その不透明度は、CC−1と同様であった。白色減衰物(95:5)では、顔料はかなり高い色強度を示した。X線回折スペクトルは、CC−1と同様であったが、広いピーク幅が平均粒度の小ささを示した。
【0135】
実施例6
3−(4−クロロフェニル)−6−(3−メトキシフェニル)ピロロ[3,4−c]ピロール0.15gの代わりに、下記式:
【0136】
【化23】

【0137】
で示されるDPP化合物0.15gを使用した(WO 9608587)ことを除いて、実施例3を繰り返した。鮮紅色の顔料を得たが、これは比較実施例に比較して、マストーンで、より純粋で、鮮やかかつ濃い黄色の色調を示した。不透明度は、CC−1と同様であった。白色減衰物(95:5)では、顔料はCC−1よりもかなり高い色強度を示し、そして耐侯安定性(2000時間 WOM)はCC−1に匹敵した。X線回折スペクトルは、CC−1と同様であったが、広いピーク幅が平均粒度の小ささを示した。
【0138】
実施例7
3−メトキシベンゾニトリルを4−イソプロポキシベンゾニトリルにより置換したことを除いて、実施例4を繰り返した。鮮紅色の顔料を得たが、これは比較実施例に比較して、マストーンで、高い不透明度と共に、より純粋で、鮮やかかつ濃い黄色の色調を示した。白色減衰物(5:95)では、顔料はCC−1よりも高い色強度を示し、そして耐候安定性(2000時間 WOM)はCC−1に匹敵した。X線回折スペクトルは、CC−1と同様であった。ジョイス・レーブル測定では、CC−1よりも狭い粒度分布を示した。
【0139】
実施例8
ジメチルアセトアミドをジメチルホルムアミドにより置換したことを除いて、実施例7を繰り返した。鮮紅色の顔料を得たが、これは比較実施例に比較して、マストーンで、わずかに高い不透明度と共に、より純粋で、鮮やかかつ濃い黄色の色調を示した。白色減衰物(5:95)では、顔料はCC−1よりもかなり高い色強度を示し、そして耐候安定性(2000時間 WOM)はCC−1に匹敵した。X線回折スペクトルは、CC−1と同様であったが、広いピーク幅が平均粒度の小ささを示した。ジョイス・レーブル測定では、CC−1よりも明らかに狭い粒度分布を示した。
【0140】
実施例9
コンディショニングを水/メタノール(1:1)中で還流温度(78℃)で18時間で実現したことを除いて、実施例4を繰り返した。赤橙色の顔料粉末を得たが、これは比較実施例に比較して、かなり濃い黄色の色調を示した。不透明度は、CC−1よりもわずかに低かった。白色減衰物(95:5)では、色強度はCC−1よりもかなり強かった。X線回折スペクトルは、CC−1と同様であったが、広いピーク幅が平均粒度の小ささを示した。
【0141】
試験方法
非処理顔料4.0gを、後述のように製造したAMペンキ46.0gに加えた。顔料濃度8%のこのペンキを、ガラスビーズ(直径2mm)200gによりスカンデックス(Skandex)中で1時間分散させた。この分散ペンキをマイラー(Mylar)シート上に垂らして伸ばし(100μm)、そしてガラス板上で流し出した。10分後、マイラーシート及びガラス板を130℃で熱風炉中で30分間乾燥させた。マイラーシートの以下の色の性質を、データカラー(Datacolor)3890比色計を用いて測定した:明度L*、色度C*、色相h及び不透明度(黒色に対するΔTrとして)。コントラスト紙はきれいで新しい標準的なレネタ(Leneta)とした。顔料5部と白色顔料95部を含む白色減衰物は、以下のとおり製造した:前もって製造したマストーンペンキ3.27gを、白色AMペンキ(以下の説明)26.73gに加え、簡単なガラススターラーで混合することにより、白色減衰物30gを得たが、これをマイラーシート上に垂らして伸ばした(100μm)。マイラーシートから、色強度を評価した。
【0142】
AMペンキの製造
マストーン:
60.00重量部 バイエル・アルキダール(Bayer Alkydal)F310
(溶媒のナフトール中60%)
16.00重量部 サイテック・サイメル(Cytec Cymel)327
(イソブタノール中90%)
19.00重量部 キシロール
2.00重量部 ブタノール
2.00重量部 1−メトキシ−2−プロパノール
1.00重量部 シリコーン油A(キシロール中1%)
【0143】
白色減衰物:
20.00重量部 二酸化チタン クロノス(Kronos)2310
47.67重量部 バイエル・アルキダールF310(溶媒のナフトール中60%)
12.75重量部 サイテック・サイメル327(ブタノール中90%)
0.50重量部 エーロシル(Aerosil)200
1.59重量部 1−メトキシ−2−プロパノール
1.59重量部 ブタノール
15.10重量部 キシロール
0.80重量部 シリコーン油A(キシロール中1%)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化24】


[式中、R1及びR2は、相互に独立に、非置換又は置換の同素環又は複素環芳香族基である]で示される1,4−ジケトピロロ[3,4−c]ピロールの直接製造方法であって、
(a)適切なモル比のジスクシナートを、式(II):
【化25】


若しくは式(III):
【化26】


で示されるニトリルと一緒に、又は該ニトリルの混合物と一緒に、有機溶媒中で、かつ強塩基の存在下で加熱して、中間体の縮合生成物を生成すること、
(b)工程(a)で得られた中間体の縮合生成物を、水又は水と水混和性溶媒との混合物中で、場合により無機酸の存在下でコンディショニングして、式(I)の化合物を生成すること、及び
(c)場合により、工程(b)で得られた生成物を、非プロトン性溶媒中でコンディショニングすること
を含むことを特徴とする方法であり、
式(IV):
【化27】


[式中、R40、R41及びR42は、相互に独立に、水素、直鎖若しくは分岐のC1-10−アルキル、C1-10−アルコキシ若しくはC1-10−チオアルキル、C5-10−シクロアルキル、C6-10−アリールオキシ、C6-10−アリールチオ、C7-10−アラルキルオキシ、C7-10−アラルキルチオ、ハロゲン、CN、CONR56、C(O)OR7又はSO29である]で示されるニトリル化合物を、合成の開始時に加えること[ここで、式(IVa)、(IVb)及び/又は(IVc):
【化28】


(式中、R1、R2、R40、R41及びR42は、上記と同義である)で示される、粒子成長調節剤が得られる]、あるいは
粒子成長調節剤を、加熱工程(a)、コンディショニング工程(b)又は(c)で加えること[ここで、該粒子成長調節剤は、式(V):
【化29】


(式中、Xは、O、S又はNR14(ここで、R14は、直鎖若しくは分岐のC1-10−アルキル、C7-10−アラルキル又はC6-10−アリールである)であり;R12及びR13は、相互に独立に、水素、直鎖若しくは分岐のC1-10−アルキル、C1-10−アルコキシ若しくはC1-10−チオアルキル、C5-10−シクロアルキル、C6-10−アリールオキシ、C6-10−アリールチオ、C7-10−アラルキルオキシ、C7-10−アラルキルチオ、ハロゲン、CN、CONR56、C(O)OR7又はSO29である)で示される化合物であるか、又は
式(VI):
【化30】


(式中、R15及びR16は、相互に独立に、水素、直鎖若しくは分岐のC1-10−アルキル、C1-10−アルコキシ若しくはC1-10−チオアルキル、C5-10−シクロアルキル、C6-10−アリールオキシ、C6-10−アリールチオ、C7-10−アラルキルオキシ、C7-10−アラルキルチオ、ハロゲン、CN、CONR56、C(O)OR7又はSO29である(ここで、
5及びR6は、水素、直鎖若しくは分岐のC1-10−アルキル、C5-10−シクロアルキル又はC6-10−アリールであり、
7は、水素、直鎖若しくは分岐のC1-10−アルキル、C5-10−シクロアルキル、C7-10−アラルキル又はC6-10−アリールであり、
9は、水素、直鎖若しくは分岐のC1-10−アルキル、C5-10−シクロアルキル、C7-10−アラルキル、C6-10−アリール又はNR1011であり、ここで
10及びR11は、水素、直鎖若しくは分岐のC1-10−アルキル、C7-10−アラルキル又はC6-10−アリールである)で示される化合物である]を特徴とする方法。
【請求項2】
0.1〜20.0%、好ましくは0.5〜5.0%の式(IV)のニトリル化合物が、工程(a)の開始時に加えられる、請求項1記載の方法。
【請求項3】
0.1〜20.0%、好ましくは0.25〜2.0%の式(V)又は(VI)のDPP化合物が、工程(a)の開始時又は終了時に加えられる、請求項1記載の方法。
【請求項4】
工程(a)の生成物が、0〜100%、好ましくは20.0〜50.0%の水混和性溶媒を含む水中でコンディショニングされる(ここで、水混和性溶媒は、アルコール、ポリオール、ニトリル、有機酸、アミド、エステル、エーテル、ケトン、アミン又はこれらの溶媒の混合物から選択される)、請求項2又は3記載の方法。
【請求項5】
コンディショニング工程(b)が、1〜99%、好ましくは5.0〜20.0%の無機酸(塩酸、硫酸又はリン酸など)の存在下で行われる、請求項4記載の方法。
【請求項6】
コンディショニング工程(b)で得られる生成物が、次に、0〜99%の水の存在下の非プロトン性水混和性溶媒(N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド及びジメチルアセトアミドなど)中で、又は高沸点を持つ非混和性溶媒中でコンディショニングされる、請求項5記載の方法。
【請求項7】
工程(a)の生成物が、0〜100%、好ましくは20.0〜50.0%の水混和性溶媒を含む水中でコンディショニングされる(ここで、水混和性溶媒は、アルコール、ポリオール、ニトリル、有機酸、アミド、エステル、エーテル、ケトン、アミン又はこれらの溶媒の混合物から選択される)、請求項1記載の方法。
【請求項8】
コンディショニング工程(b)が、1〜99%、好ましくは5.0〜20.0%の無機酸(塩酸、硫酸又はリン酸など)の存在下で行われる、請求項7記載の方法。
【請求項9】
コンディショニング工程(b)で得られる生成物が、次に、0〜99%の水の存在下の非プロトン性水混和性溶媒(N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなど)、又は高沸点を持つ非混和性溶媒、及び0.1〜20.0%、好ましくは0.25〜2.0%の式(V)又は(VI)のDPP化合物中でコンディショニングされる、請求項8記載の方法。
【請求項10】
式(II)又は式(III)のニトリルが、式(Ia):
【化31】


[式中、R20、R21及びR22は、相互に独立に、水素、フッ素、塩素、臭素、カルバモイル、シアノ、トリフルオロメチル、C2-10−アルキルカルバモイル、C1-10−アルキル、C1-10−アルコキシ、C1-10−アルキルメルカプト、C2-10−アルコキシカルボニル、C2-10−アルカノイルアミノ、C1-10−モノアルキルアミノ、C1-20−ジアルキルアミノ、フェニル若しくはフェノキシ、フェニルメルカプト、フェノキシカルボニル、フェニルカルバモイル又はベンゾイルアミノであり、それぞれ非置換であるか、又はハロゲン、C1-4−アルキル若しくはC1-4−アルコキシにより置換されている(ただし、R20、R21及びR22の少なくとも1つは、水素である)]で示される、請求項1〜10のいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項の方法により得られる、式(I)の1,4−ジケトピロロ[3,4−c]ピロール。
【請求項12】
a)請求項1記載の式(I)の1,4−ジケトピロロ[3,4−c]ピロール;及び
b)結晶成長誘導有効量の式(IVa)、(IVb)及び/若しくは(IVc)又は(V)又は(VI)の化合物
を含むことを特徴とする、顔料組成物。
【請求項13】
請求項11記載の1,4−ジケトピロロ[3,4−c]ピロール又は請求項12記載の顔料組成物で着色された、高分子量有機材料。
【請求項14】
結晶成長調節剤としての式(IVa)、(IVb)及び/若しくは(IVc)又は(V)又は(VI)の化合物の使用。
【請求項15】
式(V):
【化32】


[式中、Xは、O又はS(ここで、R14は、直鎖若しくは分岐のC1-10−アルキル、C7-10−アラルキル又はC6-10−アリールである)であり;R12及びR13は、相互に独立に、水素、直鎖若しくは分岐のC1-10−アルキル、C1-10−アルコキシ若しくはC1-10−チオアルキル、C5-10−シクロアルキル、C6-10−アリールオキシ、C6-10−アリールチオ、C7-10−アラルキルオキシ、C7-10−アラルキルチオ、ハロゲン、CN、CONR56、C(O)OR7又はSO29である(ここで、R5及びR6は、水素、直鎖若しくは分岐のC1-10−アルキル、C5-10−シクロアルキル又はC6-10−アリールであり、R7は、水素、直鎖若しくは分岐のC1-10−アルキル、C5-10−シクロアルキル又はC6-10−アリールであり、R9は、水素、直鎖若しくは分岐のC1-10−アルキル、C5-10−シクロアルキル、C7-10−アラルキル、C6-10−アリール又はNR1011であり、ここでR10及びR11は、水素、直鎖若しくは分岐のC1-10−アルキル、C7-10−アラルキル又はC6-10−アリールである)]で示される、DPP誘導体(ただし、3,5,6−トリフェニル−1H−フロ[3,4−c]ピロール−1,4−(5H)−ジオンは除外される)。

【公開番号】特開2010−222368(P2010−222368A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−128646(P2010−128646)
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【分割の表示】特願2003−526922(P2003−526922)の分割
【原出願日】平成14年9月3日(2002.9.3)
【出願人】(396023948)チバ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Holding Inc.
【Fターム(参考)】