ファイバウェブを圧縮するための装置
本発明は、ファイバおよび/またはフィラメントから成る材料ウェブを圧縮するための装置であって、材料ウェブを移送する第1の無端ベルトと、第1のベルトと反対の方向に同じ速度で回転する第2の無端ベルトとを備え、これらのベルトは、材料ウェブの搬送方向で第1の領域に円錐圧縮領域を形成して、互いに対して角度を成して走行し、それによりベルト間の材料ウェブが次第に加圧され、また、第1の領域以降には、2つの無端ベルト間の材料ウェブに対して最初に流体を付与するための第1のノズルビームが配置される装置に関する。ベルト1、2は、最初の流体付与の領域D、W、Aでは、互いに平行に走行しないようにされる。あるいは、2つのベルトは、最初の流体付与の領域では、それらが第1の区域AB1では互いに平行に走行し、かつその後の第2の区域AB2では互いに平行に走行しないように案内される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に記載されるファイバウェブを圧縮するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
欧州特許公開第0959076号明細書から、いろいろなタイプの天然ファイバおよび/または合成ファイバからなるファイバウェブのフィイバを圧縮するための装置が知られており、この場合、ファイバウェブのベルト/ドラム型圧縮が行なわれる。この装置は、以下の特徴的要素を備えており、それぞれが以下に示されるように構成される。
【0003】
ファイバウェブを支持する第1の無端ベルトであって、2つのローラ間でテンションが掛けられた状態で案内されて向けられる第1の無端ベルト、
無端ベルトが掛け回される透過性穿刺ドラム、
第1の無端ベルトに割り当てられ、2つのローラ間でテンションが掛けられた状態で案内される第2の無端ベルトであって、第1の無端ベルトの加工ストランドと対向する第2の無端ベルトの加工ストランドが、第1の無端ベルトの方向と同じ方向に駆動される態様で回転するようになっている第2の無端ベルト。
また、2つの無端ベルトの2つの加工ストランドは、それらの長手方向の延在に対して、供給部位で互いに円錐状に方向付けられ、それにより、第1の無端ベルトの加工ストランド上に配置されるファイバウェブ(初期ファイバウェブ、パイル)が前進する無端ベルト間で次第に圧縮され、
2つの無端ベルトは、2つのローラにより、それらを更に強く穿刺ドラムに掛け回すために穿刺ドラムに押し付けられる、
2つのローラ間で、ノズルバーがファイバウェブを湿潤させるためにファイバウェブの方に対向している。
【0004】
前記タイプの装置は、初期ファイバウェブ、すなわち、多量に前進するファイバウェブが、2つの無端ベルト間でゆっくりと増大する態様で、かつ上下から均一な圧力を伴って剪断応力に晒されない状態で圧縮されるとともに、2つの無端ベルト間に強固に保持されるときだけ穿刺ドラムで湿潤されるという利点を有する。
【0005】
この既知の装置は、特にドラムで直接もたらされる集中的な湿潤によって区別される。また、第2の無端ベルトが引き離された後、ドラムで、ドラムに配置されるファイバウェブへ直接方向付けられる第2のノズルバーを用いて穿刺プロセスを直接行なうことができる。しかしながら、この構成は、非常に複雑であり、一部の製品に関しては非常に高価である。
【0006】
欧州登録特許第1126064号明細書から、不織布の圧縮および最初の網状化が簡略化される装置が知られている。この既知の装置は、ベルト間圧縮を行なうとともに、以下の特徴的要素を備え、それぞれが以下に示されるように構成される。
【0007】
ファイバウェブを支持する第1の無端ベルトであって、2つのローラ間でテンションが掛けられた状態で案内されて向けられる第1の無端ベルト、
少なくとも2つのローラ間でテンションが掛けられた状態で案内される第2の無端ベルトであって、第1の無端ベルトの加工ストランドと対向する第2の無端ベルトの加工ストランドが、第1の無端ベルトの方向と同じ方向に駆動される態様で回転するようになっている第2の無端ベルト。
2つの無端ベルトの2つの加工ストランドは、それらの長手方向の延在に対して、供給部位で互いに円錐状に方向付けられ、それにより、第1の無端ベルトの加工ストランド上に配置されるファイバウェブが前進する無端ベルト間で次第に圧縮され、
ガイドローラによって支持されない領域には、互いに回転する2つの無端ベルトに割り当てられ、かつファイバウェブを湿潤させるための吸引機能を備える第1のノズルバーが配置される。
【0008】
この既知の装置は、緩くて強固に相互接続されないファイバから成るファイバウェブの緩慢な圧縮、および、加圧状態での湿潤プロセスを達成することができる。ファイバウェブがこの状態で圧縮されて湿潤されるため、単一のファイバが、湿潤後および更に先で穿刺されるようになっているファイバウェブからの分離後に、圧縮する無端ベルト(圧縮ベルト)に依然として付着されたままになり、このファイバがベルトを汚して最終的にその後のファイバウェブの永久的な最適処理を妨げるといったことが起こる。
【0009】
前述した不都合を回避するため、国際公開第2004/046444号に係るベルト−ドラム圧縮は、圧縮ベルトを案内するローラ間に配置されるノズルバーが、ファイバウェブの搬送方向で見たときに圧縮領域の背後にあるファイバウェブのみとウォータージェットが衝突するように方向付けられるようにする。
【0010】
かかるノズルバーの方向性は、加圧されるファイバウェブの常に効果的な湿潤を達成するが、ファイバウェブは、加圧する無端ベルトからウォータージェットによって引き離される。同時に、圧縮ベルトは、付着するファイバがないように洗い流され、また、これらのファイバはファイバストランドに戻される。しかしながら、前述した手法はベルト−ドラム圧縮プロセスだけにおいて可能である。
【0011】
国際公開第2008/107549号から、不織布の処理のための装置が知られており、この装置では、回転搬送ベルト上に配置されるファイバおよびフィラメントのウェブが、搬送ベルトを貫いて下側からウォータージェットを付与することにより、第2の搬送ベルトの下側へ移送される。2つの搬送ベルトは、不織ウェブの厚さよりも大きい距離を有する。搬送ベルトの異なる速度により、不織ウェブの単位表面当たりの重量に影響を及ぼすことができる。しかしながら、2つの搬送ベルトが異なる速度で移動することにより、不織ウェブの圧縮が行なわれない。圧縮を更なるベルトシステムによってしか行なうことができず、そのため、かなりの構造的支出がもたらされる。
【0012】
独国登録特許第102005055939号明細書は、ファイバウェブを圧縮するのに役立つ流体ジェットを発生させるためのノズルバーを開示する。ノズルストリップは、流体のための出口開口を備える交換可能なノズルストリップを備える。出口開口は、互いに平行に1つの列を成して配置させることができるが、2つ以上の列で配置させることもできる。出口開口の相互の距離および直径は、意図される用途によって決定付けられる。使用される流体は、加圧水であってもよいが、一般的には過熱蒸気であってもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、ファイバおよび/またはフィラメントから成る材料ウェブを圧縮するために設けられ、材料ウェブを移送し、かつガイドローラの周囲でテンションが掛けられる第1の回転無端ベルトと、ガイドローラの周囲でテンションが掛けられかつ第1のベルトと反対の方向に同じ速度で回転する第2の無端ベルトとを備え、第1および第2の無端ベルトが、材料ウェブの搬送方向で第1の領域に円錐圧縮領域を形成して、互いの方へ向けて角度を成して走行し、それにより、ベルト間に配置される材料ウェブが次第に加圧され、第1の領域以降には、2つの無端ベルト間に依然として配置される材料ウェブに対して最初に流体を付与するための第1のノズルビームが配置され、最初の流体付与のこの領域の2つのベルトが、いずれの場合にも、直線方向にテンションが掛けられる態様で走行するように案内される、欧州登録特許第1126064号明細書から知られる装置を改良することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
目的は、請求項1および請求項7のそれぞれに規定される特徴によって達成される。本発明の有利な実施形態はそれぞれの従属請求項から明らかである。
【0015】
本発明によれば、第1の実施形態では、最初の流体付与の領域で、2つのベルトが互いに対して平行に延在して案内されない。2つのベルト、すなわち、ファイバおよび/またはフィラメントから成る材料ウェブを移送する搬送ベルト、および、加圧効果をもたらす圧縮ベルトは、ウェブの搬送方向で見たときに互いに鋭角を成して相対的に離れるように延びる。ベルトの案内は、ファイバまたはフィラメントのタイプもしくは他の状態に対応して調整できることが好ましい。したがって、ウェブがもはや殆ど加圧状態で保持されない領域で流体付与が行なわれるようにすることができる。特に、2つの直列に配置される、互いに平行な流体用の出口開口の列によって最初の流体付与が行なわれることが想定し得る。この構成では、ノズルバーにおいて、開口を備えるノズルストリップが出口開口の2つの列を有するようにすることができ、あるいは、2つのノズルバーが互いに前後に配置されるようにすることができる。後者の構成により、流体付与を異なる圧力値で行なうことができる。
【0016】
搬送ベルトと圧縮ベルトとの間に加圧状態で配置される材料ウェブに対する2つのノズルバーにより行なわれる最初の流体付与の構成では、材料ウェブが第1のノズルバーの流体ジェットによる付与中には依然として加圧状態で保持されるが第2のノズルバーの流体ジェットの付与中には殆どまたは全くもはや加圧されないような態様で1つのベルトが案内されるようにすることができる。圧縮ベルトによる僅かな加圧プロセスまたは加圧プロセスがもはや行なわれない場合には、圧縮ベルトのスクリーン組織に付着するファイバが、第2のノズルバーの流体ジェットによって材料ウェブへ押し戻され、そこから、複合構造体に組み込まれる。
【0017】
同じ発明思想が以下を提供する第2の実施形態で実現される。すなわち、2つのベルトは、第1の区域では互いに平行に案内され、その後の第2の区域では互いに非平行に案内される。最初の流体付与は、ここでは、単一のノズルバーまたは互いに前後に近接して配置される複数のノズルバーの流体ジェットによるファイバウェブの処理として理解されるべきである。
【0018】
以上の変形例として、以下が与えられる。
【0019】
第2の区域において、2つのベルトには、それらが互いに鋭角を成して離れて延びるようにテンションが掛けられる。
【0020】
2つのベルトは、ガイドローラに一緒に掛け回されるとともに、材料ウェブを加圧状態で保持しつつ更なる共通のガイドローラへ向けて互いに平行に延びる。
【0021】
2つのベルトの非平行案内を第2の区域で調整できる。
【0022】
ベルトのうちの一方の1つのガイドローラは、ベルトが互いに離れるように延びる方向の角度を変えることができるように設定可能である。
【0023】
最初の流体付与は、システム全体内の材料ウェブの全経路に対して互いに前後に近接して配置される複数のノズルバーによって行なわれ、ノズルが第1および/または第2の区域に配置される。
【0024】
第1の区域には第1のノズルバーが配置され、また、第2の区域には第2のノズルバーが配置される。
【0025】
本発明のこの別の実施形態によれば、第2の区域の2つのベルトには互いに鋭角を成して離れて延びるようにテンションが掛けられるようにされる。第1の区域では、2つのベルトが互いに平行に案内され、これは、2つのベルトが第1のガイドローラによって一緒に偏向されるという点において行なうことができ、また、その後、更なるガイドローラにより、圧縮ベルトは、ウェブを移送する搬送ベルトから鋭角を成して離れるように案内される。この区域では、搬送バンドおよび圧縮バンドが互いに離れるように延びる角度の調整を可能にするため、圧縮ベルトは、好ましくは調整可能に支持される更なるガイドローラの方向に走行する。
【0026】
また、第1の区域を形成するため、それぞれが2つのガイドローラの周囲で案内される2つのベルトが、そのように形成された区域で互いに平行に延びるようにすることができる。
【0027】
この構成では、2つのガイドローラにわたる共通の掛け回し動作を同じ方向でまたは交互に行なうことができる。また、これらの構成では、第2のガイドローラを発端として、圧縮ベルトがウェブを移送する搬送ベルトから鋭角を成して離れて案内されるようにする。この第2の区域では、搬送バンドおよび圧縮バンドが互いに離れるように延びる角度の調整を可能にするため、圧縮バンドは、好ましくは調整可能に支持される第2のガイドローラの方向に走行する。
【0028】
本発明の一実施形態によれば、それぞれのノズルバーが第1の区域および第2の区域に同様に配置される。したがって、この第1の区域では、2つの平行なベルト間に加圧状態で保持されるファイバウェブの最初の付与、湿潤が行なわれる。第2の区域には、湿潤された不織布がここでもう一度だけ圧縮ベルトの構造体を介して処理されて圧縮されるように更なるノズルバーが配置される。この場合、この第2の区域において、圧縮ベルトは、不織布を運ぶ搬送ベルトから鋭角を成して離れるように延びる。
【0029】
僅かなまたは中断した加圧が第2の区域で圧縮ベルトにより行なわれる場合には、圧縮ベルトのスクリーン組織に付着するファイバが第2のノズルバーの流体ジェットにより材料ウェブへ押し戻され、そこから、複合構造体に組み込まれる。
【0030】
この構成では、2つの連続する区域での流体付与が、異なる圧力値で、また、異なる孔間隔および孔径で行なわれようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】無端スクリーンベルト(第1の無端ベルト)として形成される搬送ベルトがガイドローラの周囲にテンションが掛けられた状態で保持され、矢印により示されるように時計回り方向に回転することを示す。
【図2】共通のガイドローラと圧縮ベルトと協働するガイドローラとの間の領域の拡大図である。
【図3】ガイドローラと高さ調整可能なガイドローラとの間の領域における図2に係る構成の更なる拡大図である。
【図4】部位Kで、不織布を移送する搬送ベルトと圧縮ベルトとの間の角度が調整される状況を示している。
【図5】共通のガイドローラと調整可能なガイドローラとの間の領域で2つのノズルバーが圧縮ベルトの上側に配置される実施形態を示す。
【図6】図1に示されるバージョンとは異なり、圧縮ベルトを偏向させるガイドローラがいずれも調整できない本発明の一実施形態を示している。
【図7】無端スクリーンベルト(第1の無端ベルト)として形成される搬送ベルトが、ガイドローラの周囲にテンションが掛けられた状態で保持され、矢印により示されるように時計回り方向に回転することを示す。
【図8】搬送ベルトおよび圧縮ベルトが最初に共通のガイドローラの周囲で走行した後にガイドローラの周囲で逆方向に向きが変えられる本発明の一実施形態を示している。
【図9】搬送ベルトおよび圧縮ベルトはそれぞれ、2つのガイドローラの周囲で偏向されつつ同じ方向に延びる実施形態を示す。
【図10】ガイドローラと高さ調整可能なガイドローラとの間の第2の区域における図9に係る構成の拡大図である。
【図11】部位Kで圧縮ベルトを通過する流体ジェットが不織布の表面に衝突するように、不織布を移送する搬送ベルトと圧縮ベルトとの間の角度が調整される状況を示している。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照して、本発明の典型的な実施形態について説明する。この文脈において、用語「ファイバウェブ」とは、パイル生産者により非圧縮形態(最初の圧縮、流体付与の前の材料ウェブ)で供給されるファイバおよび/またはフィラメントの非圧縮パイルを示している。用語「不織布」は、材料ウェブが最初の圧縮を受けた後に材料ウェブのために使用される。
【0033】
無端スクリーンベルト(第1の無端ベルト)として形成される搬送ベルト1は、ガイドローラU、U1の周囲にテンションが掛けられた状態で保持され、矢印により示されるように時計回り方向に回転する(図1)。無端スクリーンベルト(第2のベルト)として形成される更なる−圧縮ベルト2は、ガイドローラU2、U2−Jの周囲にテンションが掛けられた状態で保持され、矢印により示されるように反時計回り方向に回転する。圧縮ベルト2は、搬送ベルト1と同じ速度で走行し、したがって、その加工ストランドの領域ではファイバウェブFを移送する搬送ベルト1の加工ストランドと同期して走行する。ガイドローラU、U1、U2、U2−Jは図示しない機械フレーム部に回転可能に配置される。
【0034】
搬送ベルト1上には、非圧縮ファイバウェブF(パイル)が、例えば図示しないカーディングマシンから供給され、この非圧縮ファイバウェブFはガイドローラUの方向へ搬送ベルトで走行する。図1の左側に示されるガイドローラU1、ガイドローラU、および、ガイドローラU2により、搬送ベルト1および圧縮ベルト2は、ファイバウェブFのための円錐形状に収束する圧縮領域を形成する。搬送ベルト1および圧縮ベルト2の両方がガイドローラUの周囲で偏向されるため、ファイバウェブFはこの共通の掛け回し領域で最も強い圧縮力に晒される。
【0035】
ガイドローラU以後、搬送ベルト1および圧縮ベルト2は、直線方向にテンションが掛けられつつ、互いに鋭角を成して離れるように延びる。圧縮ベルト2はガイドローラU2−Jの方向に走行し、搬送ベルト1は図1に示されない更なるガイドローラの方向に走行する。
【0036】
ガイドローラU以降のこの領域には、圧縮ベルト2によって覆われるファイバウェブの上側に第1のノズルバーDが配置される。ノズルバーは、ファイバウェブを移送する搬送ベルト1の下側に配置される吸引装置Aと協働して、ファイバウェブへ方向付けられる流体ジェットWにより構造体の最初の僅かな圧縮を行なう。ウォータージェットがノズルバーDにより放出されると、この領域でファイバウェブFが湿潤される。このとき、ファイバウェブFは、僅かに強化された不織布(初期不織布)Vの状態に圧縮され、ガイドローラU2−Jの下側の部位で圧縮ベルト2の領域から出る。その後、流体付与のための図示しない更なる装置、不織布の更なる圧縮および/または構造化へ続く。
【0037】
図2は、共通のガイドローラUと圧縮ベルト2と協働するガイドローラU2−Jとの間の領域の拡大図である。搬送ベルト1および該搬送ベルトと協働する圧縮ベルト2は、共通のガイドローラUに角度αで掛け回される。この領域では、ファイバウェブが最も強い圧縮効果に晒される。ガイドローラU以降、搬送ベルト1および圧縮ベルト2は鋭角βを成して互いから離れるように延びる。圧縮ベルトKを搬送ベルト1の方向から離れるように方向付けるガイドローラU2−Jは、破線によりマークされた範囲内で角度βを調整できるように高さ調整可能な態様(二重矢印)で図示しない機械フレームに配置される。
【0038】
図3は、ガイドローラUと高さ調整可能なガイドローラU2−Jとの間の領域における図2に係る構成の更なる拡大図である。ガイドローラU2−Jを調整することにより設定される角度βは、不織布Vを移送する搬送ベルト1と圧縮ベルト2との間に含まれており、圧縮ベルト2がもはや不織布Vと接触しなくなった後にだけ圧縮ベルト2を通過する流体ジェットWが不織布Vの表面に衝突するようになっている。圧縮ベルト2と不織布Vとの間の最終接触点がKにより示されている。
【0039】
図4は、部位Kで、すなわち、圧縮ベルト2が不織布Vとのその接触を失う部位で、圧縮ベルト2を通過する流体ジェットWが不織布Vの表面に衝突するように、不織布Vを移送する搬送ベルト1と圧縮ベルト2との間の角度βが調整される状況を示している。
【0040】
このように、ガイドローラU2−Jの調整により、不織布Vを移送する搬送ベルト1と圧縮ベルト2との間の角度β、すなわち、圧縮ベルト2がもはや不織布Vと接触しなくなる点Kと圧縮ベルト2を貫く流体ジェットWの通過部分との間の経路を設定できる。
【0041】
また、圧縮ベルト2が不織布Vと依然として接触しているときに圧縮ベルト2を通過する流体ジェットWが不織布Vに衝突するように角度βを設定することもできる。また、この場合、搬送ベルト1および圧縮ベルト2は互いに平行に延びず、角度βが図3または図4に係る状況におけるよりも平坦であるにすぎない。
【0042】
図5に係る実施形態では、共通のガイドローラUと調整可能なガイドローラU2−Jとの間の領域で2つのノズルバーD1、D2が圧縮ベルト2の上側に配置されるようになっている。この場合、吸引装置A1、A2が搬送ベルト1の下側に配置される。第1のノズルバーD1の流体ジェットW1により、不織布が最初に処理されて湿潤され、また、圧縮ベルト2がもはや不織布Vと接触しなくなった後に圧縮ベルト2を通過する第2のノズルバーD2の流体ジェットW2により、付着ファイバが圧縮ベルト2から引き離されて不織布Vへ戻される。
【0043】
図6は、図1に示されるバージョンとは異なり、圧縮ベルト2を偏向させるガイドローラU2がいずれも調整できない本発明の一実施形態を示している。流体ジェットWの最初の付与領域における圧縮ベルト2と不織布を移送する搬送ベルト1との間の角度の調整は、搬送ベルト1を支持するガイドローラU1−Jによって行なわれ、このガイドローラは二重矢印によりマークされる方向で調整できる。
【0044】
ここで、図7−11を参照して、本発明の別の実施形態および対応する変形例について説明する。
【0045】
無端スクリーンベルト(第1の無端ベルト)として形成される搬送ベルト1は、ガイドローラU、U1の周囲にテンションが掛けられた状態で保持され、矢印により示されるように時計回り方向に回転する(図7)。無端スクリーンベルト(第2のベルト)として形成される更なる圧縮ベルト2は、ガイドローラU2、U2P、U2−Jの周囲にテンションが掛けられた状態で保持され、矢印により示されるように反時計回り方向に回転する。圧縮ベルト2は、搬送ベルト1と同じ速度で走行し、したがって、その加工ストランドの領域ではファイバウェブFを移送する搬送ベルト1の加工ストランドと同期して走行する。ガイドローラU、U1、U2、U2−P、U2−Jは図示しない機械フレーム部に回転可能に配置される。
【0046】
搬送ベルト1上には、非圧縮ファイバウェブF(パイル)が、例えば図示しないカーディングマシンから供給され、この非圧縮ファイバウェブFはガイドローラUの方向へ搬送ベルトで走行する。図1の左側に示されるガイドローラU1、ガイドローラU、および、ガイドローラU2により、搬送ベルト1および圧縮ベルト2は、ファイバウェブFのための円錐形状に収束する圧縮領域を形成する。搬送ベルト1および圧縮ベルト2の両方がガイドローラUの周囲で偏向されるため、ファイバウェブFはこの共通の掛け回し領域で圧縮される。
【0047】
第1の区域AB1では、搬送ベルト1および圧縮ベルト2は、それらの間で不織布を加圧状態で保持しつつ平行に走行する。
【0048】
ガイドローラU2−P以後の第2の区域AB2では、搬送ベルト1および圧縮ベルト2は、直線方向にテンションが掛けられつつ、互いに鋭角βを成して離れるように延びる。圧縮ベルト2は調整可能なガイドローラU2−Jの方向に走行し、搬送ベルト1は更なるガイドローラの方向に走行する。ガイドローラU2−Jの調整が二重矢印によって視覚化されている。
【0049】
ガイドローラU以降の第1の区域AB1には、圧縮ベルト2によって覆われるファイバウェブの上側に第1のノズルバーD1が配置される。ノズルバーは、ファイバウェブを移送する搬送ベルト1の下側に配置される吸引装置A1と協働して、ファイバウェブへ方向付けられる流体ジェットW1により構造体の僅かな圧縮を行なう。ウォータージェットがノズルバーD1により放出されると、この領域でファイバウェブが湿潤される。このとき、ファイバウェブFは、僅かに強化された不織布(初期不織布)Vの状態に圧縮されて、ガイドローラUP−Pを通り過ぎ、搬送ベルト1および圧縮ベルト2が直線方向にテンションが掛けられつつ互いに鋭角βを成して離れるように延びる第2の区域AB2に達する。第2の区域AB2では、圧縮ベルト2の上側に第2のノズルバーD2が配置される。不織布Vを移送する搬送ベルト1の下側には吸引装置2が配置される。ここで、不織布Vの処理は、圧縮ベルト2の構造体(スクリーンベルト)を通過した後に不織布Vの表面に達して搬送ベルト1の構造体を通過する流体ジェットW2により行なわれる。ノズルバーD1、D2は、システム全体内のファイバウェブFの全経路に対して互いに前後に近接して配置され、本発明の意義にしたがって与えられるように材料ウェブに対して最初の流体付与を一緒に行なう。
【0050】
図8は、搬送ベルト1および圧縮ベルト2が最初に共通のガイドローラUの周囲で走行した後にガイドローラU2−Pの周囲で逆方向に向きが変えられる本発明の一実施形態を示している。第1の区域AB1では、2つのベルト1、2は、中間のファイバシートを加圧状態で保持しつつ平行に走行する。この後、第1のノズルバーD1の流体ジェットW1が付与される。この場合、吸引装置A1が搬送ベルトの下側に配置される。ガイドローラU2−P以降の第2の区域AB2では、搬送ベルト1および圧縮ベルト2は、直線方向にテンションが掛けられつつ互いから鋭角βを成して離れるように延びる。圧縮ベルト2は調整可能なガイドローラU2−Jの方向に走行し、搬送ベルト1は図2に示されない更なるガイドローラの方向に走行する。
【0051】
図9に係る実施形態において、搬送ベルト1および圧縮ベルト2はそれぞれ、2つのガイドローラU、U1−Pの周囲で偏向されつつ同じ方向に延びる。この第1の区域AB1では、第1のノズルバーD1が吸引装置A1と共に配置される。ガイドローラU1−P以降の第2の区域AB2では、搬送ベルト1および圧縮ベルト2が直線方向にテンションが掛けられつつ互いに鋭角βを成して離間するように延びる。この第2の区域AB2には、不織布Vに対する最初の流体付与を続けるために第2のノズルバーD2が吸引装置A2と共に配置される。ここで、不織布Vの処理は、圧縮ベルト2の構造体(スクリーンベルト)を通過して不織布Vの表面に達するとともに最終的に搬送ベルト1の構造体を通過する流体ジェットW2により行なわれる。
【0052】
このとき、ガイドローラU2−Jの調整により、不織布Vを移送する搬送ベルト1と圧縮ベルト2との間の角度β、すなわち、圧縮ベルト2がもはや不織布Vと接触しなくなる点Kと圧縮ベルト2を貫く流体ジェットW2の通過部分との間の距離を調整することができる(図10)。
【0053】
図10は、ガイドローラU1−Pと高さ調整可能なガイドローラU2−Jとの間の第2の区域AB2における図9に係る構成の拡大図である。ガイドローラU2−Jの調整により設定される角度βは、不織布Vを移送する搬送ベルト1と圧縮ベルト2との間の角度であり、圧縮ベルト2がもはや不織布Vと接触しなくなった後にだけ圧縮ベルト2を通過する流体ジェットW2が不織布Vの表面に衝突するようになっている。圧縮ベルト2と不織布Vとの間の最終接触点がKにより示されている。
【0054】
図11は、部位Kで、すなわち、圧縮ベルト2が不織布Vとのその接触を失う部位で、圧縮ベルト2を通過する流体ジェットW2が不織布Vの表面に衝突するように、不織布Vを移送する搬送ベルト1と圧縮ベルト2との間の角度βが調整される状況を示している。
【0055】
また、圧縮ベルト2が不織布Vと依然として接触しているときに、圧縮ベルト2を通過する流体ジェットW2が不織布Vに衝突するように第2の区域AB2で角度βを設定することもできる。また、この場合、搬送ベルト1および圧縮ベルト2は互いに平行に延びず、角度βが図10または図11に係る状況におけるよりも平坦であるにすぎない。
【符号の説明】
【0056】
1 搬送ベルト、第1の無端ベルト
2 圧縮ベルト、第2の無端ベルト
F ファイバウェブ、パイル、フィラメントウェブ
V 加圧後の、最初の流体付与後の、不織布、ファイバウェブ、パイル、フィラメントウェブ
U ガイドローラ−搬送ベルト1、圧縮ベルト2
U1 ガイドローラ−搬送ベルト
U2 ガイドローラ−圧縮ベルト
U1−J ガイドローラ−搬送ベルト、調整可能
U2−J ガイドローラ−圧縮ベルト、調整可能
U1−P ガイドローラ−搬送ベルト
U2−P ガイドローラ−圧縮ベルト
D ノズルバー
D1 第1のノズルバー
D2 第2のノズルバー
A 吸引装置
A1 第1の吸引装置
A2 第2の吸引装置
W 流体ジェット
W1 流体ジェット−第1のノズルバーD1
W2 流体ジェット−第2のノズルバーD2
AB1 第1の区域(搬送ベルトおよび圧縮ベルトが平行)
AB2 第2の区域(搬送ベルトおよび圧縮ベルトが鋭角を成す)
α 掛け回し角度−搬送ベルト1、圧縮ベルト2
β 搬送ベルト1と圧縮ベルト2との間の角度
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に記載されるファイバウェブを圧縮するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
欧州特許公開第0959076号明細書から、いろいろなタイプの天然ファイバおよび/または合成ファイバからなるファイバウェブのフィイバを圧縮するための装置が知られており、この場合、ファイバウェブのベルト/ドラム型圧縮が行なわれる。この装置は、以下の特徴的要素を備えており、それぞれが以下に示されるように構成される。
【0003】
ファイバウェブを支持する第1の無端ベルトであって、2つのローラ間でテンションが掛けられた状態で案内されて向けられる第1の無端ベルト、
無端ベルトが掛け回される透過性穿刺ドラム、
第1の無端ベルトに割り当てられ、2つのローラ間でテンションが掛けられた状態で案内される第2の無端ベルトであって、第1の無端ベルトの加工ストランドと対向する第2の無端ベルトの加工ストランドが、第1の無端ベルトの方向と同じ方向に駆動される態様で回転するようになっている第2の無端ベルト。
また、2つの無端ベルトの2つの加工ストランドは、それらの長手方向の延在に対して、供給部位で互いに円錐状に方向付けられ、それにより、第1の無端ベルトの加工ストランド上に配置されるファイバウェブ(初期ファイバウェブ、パイル)が前進する無端ベルト間で次第に圧縮され、
2つの無端ベルトは、2つのローラにより、それらを更に強く穿刺ドラムに掛け回すために穿刺ドラムに押し付けられる、
2つのローラ間で、ノズルバーがファイバウェブを湿潤させるためにファイバウェブの方に対向している。
【0004】
前記タイプの装置は、初期ファイバウェブ、すなわち、多量に前進するファイバウェブが、2つの無端ベルト間でゆっくりと増大する態様で、かつ上下から均一な圧力を伴って剪断応力に晒されない状態で圧縮されるとともに、2つの無端ベルト間に強固に保持されるときだけ穿刺ドラムで湿潤されるという利点を有する。
【0005】
この既知の装置は、特にドラムで直接もたらされる集中的な湿潤によって区別される。また、第2の無端ベルトが引き離された後、ドラムで、ドラムに配置されるファイバウェブへ直接方向付けられる第2のノズルバーを用いて穿刺プロセスを直接行なうことができる。しかしながら、この構成は、非常に複雑であり、一部の製品に関しては非常に高価である。
【0006】
欧州登録特許第1126064号明細書から、不織布の圧縮および最初の網状化が簡略化される装置が知られている。この既知の装置は、ベルト間圧縮を行なうとともに、以下の特徴的要素を備え、それぞれが以下に示されるように構成される。
【0007】
ファイバウェブを支持する第1の無端ベルトであって、2つのローラ間でテンションが掛けられた状態で案内されて向けられる第1の無端ベルト、
少なくとも2つのローラ間でテンションが掛けられた状態で案内される第2の無端ベルトであって、第1の無端ベルトの加工ストランドと対向する第2の無端ベルトの加工ストランドが、第1の無端ベルトの方向と同じ方向に駆動される態様で回転するようになっている第2の無端ベルト。
2つの無端ベルトの2つの加工ストランドは、それらの長手方向の延在に対して、供給部位で互いに円錐状に方向付けられ、それにより、第1の無端ベルトの加工ストランド上に配置されるファイバウェブが前進する無端ベルト間で次第に圧縮され、
ガイドローラによって支持されない領域には、互いに回転する2つの無端ベルトに割り当てられ、かつファイバウェブを湿潤させるための吸引機能を備える第1のノズルバーが配置される。
【0008】
この既知の装置は、緩くて強固に相互接続されないファイバから成るファイバウェブの緩慢な圧縮、および、加圧状態での湿潤プロセスを達成することができる。ファイバウェブがこの状態で圧縮されて湿潤されるため、単一のファイバが、湿潤後および更に先で穿刺されるようになっているファイバウェブからの分離後に、圧縮する無端ベルト(圧縮ベルト)に依然として付着されたままになり、このファイバがベルトを汚して最終的にその後のファイバウェブの永久的な最適処理を妨げるといったことが起こる。
【0009】
前述した不都合を回避するため、国際公開第2004/046444号に係るベルト−ドラム圧縮は、圧縮ベルトを案内するローラ間に配置されるノズルバーが、ファイバウェブの搬送方向で見たときに圧縮領域の背後にあるファイバウェブのみとウォータージェットが衝突するように方向付けられるようにする。
【0010】
かかるノズルバーの方向性は、加圧されるファイバウェブの常に効果的な湿潤を達成するが、ファイバウェブは、加圧する無端ベルトからウォータージェットによって引き離される。同時に、圧縮ベルトは、付着するファイバがないように洗い流され、また、これらのファイバはファイバストランドに戻される。しかしながら、前述した手法はベルト−ドラム圧縮プロセスだけにおいて可能である。
【0011】
国際公開第2008/107549号から、不織布の処理のための装置が知られており、この装置では、回転搬送ベルト上に配置されるファイバおよびフィラメントのウェブが、搬送ベルトを貫いて下側からウォータージェットを付与することにより、第2の搬送ベルトの下側へ移送される。2つの搬送ベルトは、不織ウェブの厚さよりも大きい距離を有する。搬送ベルトの異なる速度により、不織ウェブの単位表面当たりの重量に影響を及ぼすことができる。しかしながら、2つの搬送ベルトが異なる速度で移動することにより、不織ウェブの圧縮が行なわれない。圧縮を更なるベルトシステムによってしか行なうことができず、そのため、かなりの構造的支出がもたらされる。
【0012】
独国登録特許第102005055939号明細書は、ファイバウェブを圧縮するのに役立つ流体ジェットを発生させるためのノズルバーを開示する。ノズルストリップは、流体のための出口開口を備える交換可能なノズルストリップを備える。出口開口は、互いに平行に1つの列を成して配置させることができるが、2つ以上の列で配置させることもできる。出口開口の相互の距離および直径は、意図される用途によって決定付けられる。使用される流体は、加圧水であってもよいが、一般的には過熱蒸気であってもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、ファイバおよび/またはフィラメントから成る材料ウェブを圧縮するために設けられ、材料ウェブを移送し、かつガイドローラの周囲でテンションが掛けられる第1の回転無端ベルトと、ガイドローラの周囲でテンションが掛けられかつ第1のベルトと反対の方向に同じ速度で回転する第2の無端ベルトとを備え、第1および第2の無端ベルトが、材料ウェブの搬送方向で第1の領域に円錐圧縮領域を形成して、互いの方へ向けて角度を成して走行し、それにより、ベルト間に配置される材料ウェブが次第に加圧され、第1の領域以降には、2つの無端ベルト間に依然として配置される材料ウェブに対して最初に流体を付与するための第1のノズルビームが配置され、最初の流体付与のこの領域の2つのベルトが、いずれの場合にも、直線方向にテンションが掛けられる態様で走行するように案内される、欧州登録特許第1126064号明細書から知られる装置を改良することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
目的は、請求項1および請求項7のそれぞれに規定される特徴によって達成される。本発明の有利な実施形態はそれぞれの従属請求項から明らかである。
【0015】
本発明によれば、第1の実施形態では、最初の流体付与の領域で、2つのベルトが互いに対して平行に延在して案内されない。2つのベルト、すなわち、ファイバおよび/またはフィラメントから成る材料ウェブを移送する搬送ベルト、および、加圧効果をもたらす圧縮ベルトは、ウェブの搬送方向で見たときに互いに鋭角を成して相対的に離れるように延びる。ベルトの案内は、ファイバまたはフィラメントのタイプもしくは他の状態に対応して調整できることが好ましい。したがって、ウェブがもはや殆ど加圧状態で保持されない領域で流体付与が行なわれるようにすることができる。特に、2つの直列に配置される、互いに平行な流体用の出口開口の列によって最初の流体付与が行なわれることが想定し得る。この構成では、ノズルバーにおいて、開口を備えるノズルストリップが出口開口の2つの列を有するようにすることができ、あるいは、2つのノズルバーが互いに前後に配置されるようにすることができる。後者の構成により、流体付与を異なる圧力値で行なうことができる。
【0016】
搬送ベルトと圧縮ベルトとの間に加圧状態で配置される材料ウェブに対する2つのノズルバーにより行なわれる最初の流体付与の構成では、材料ウェブが第1のノズルバーの流体ジェットによる付与中には依然として加圧状態で保持されるが第2のノズルバーの流体ジェットの付与中には殆どまたは全くもはや加圧されないような態様で1つのベルトが案内されるようにすることができる。圧縮ベルトによる僅かな加圧プロセスまたは加圧プロセスがもはや行なわれない場合には、圧縮ベルトのスクリーン組織に付着するファイバが、第2のノズルバーの流体ジェットによって材料ウェブへ押し戻され、そこから、複合構造体に組み込まれる。
【0017】
同じ発明思想が以下を提供する第2の実施形態で実現される。すなわち、2つのベルトは、第1の区域では互いに平行に案内され、その後の第2の区域では互いに非平行に案内される。最初の流体付与は、ここでは、単一のノズルバーまたは互いに前後に近接して配置される複数のノズルバーの流体ジェットによるファイバウェブの処理として理解されるべきである。
【0018】
以上の変形例として、以下が与えられる。
【0019】
第2の区域において、2つのベルトには、それらが互いに鋭角を成して離れて延びるようにテンションが掛けられる。
【0020】
2つのベルトは、ガイドローラに一緒に掛け回されるとともに、材料ウェブを加圧状態で保持しつつ更なる共通のガイドローラへ向けて互いに平行に延びる。
【0021】
2つのベルトの非平行案内を第2の区域で調整できる。
【0022】
ベルトのうちの一方の1つのガイドローラは、ベルトが互いに離れるように延びる方向の角度を変えることができるように設定可能である。
【0023】
最初の流体付与は、システム全体内の材料ウェブの全経路に対して互いに前後に近接して配置される複数のノズルバーによって行なわれ、ノズルが第1および/または第2の区域に配置される。
【0024】
第1の区域には第1のノズルバーが配置され、また、第2の区域には第2のノズルバーが配置される。
【0025】
本発明のこの別の実施形態によれば、第2の区域の2つのベルトには互いに鋭角を成して離れて延びるようにテンションが掛けられるようにされる。第1の区域では、2つのベルトが互いに平行に案内され、これは、2つのベルトが第1のガイドローラによって一緒に偏向されるという点において行なうことができ、また、その後、更なるガイドローラにより、圧縮ベルトは、ウェブを移送する搬送ベルトから鋭角を成して離れるように案内される。この区域では、搬送バンドおよび圧縮バンドが互いに離れるように延びる角度の調整を可能にするため、圧縮ベルトは、好ましくは調整可能に支持される更なるガイドローラの方向に走行する。
【0026】
また、第1の区域を形成するため、それぞれが2つのガイドローラの周囲で案内される2つのベルトが、そのように形成された区域で互いに平行に延びるようにすることができる。
【0027】
この構成では、2つのガイドローラにわたる共通の掛け回し動作を同じ方向でまたは交互に行なうことができる。また、これらの構成では、第2のガイドローラを発端として、圧縮ベルトがウェブを移送する搬送ベルトから鋭角を成して離れて案内されるようにする。この第2の区域では、搬送バンドおよび圧縮バンドが互いに離れるように延びる角度の調整を可能にするため、圧縮バンドは、好ましくは調整可能に支持される第2のガイドローラの方向に走行する。
【0028】
本発明の一実施形態によれば、それぞれのノズルバーが第1の区域および第2の区域に同様に配置される。したがって、この第1の区域では、2つの平行なベルト間に加圧状態で保持されるファイバウェブの最初の付与、湿潤が行なわれる。第2の区域には、湿潤された不織布がここでもう一度だけ圧縮ベルトの構造体を介して処理されて圧縮されるように更なるノズルバーが配置される。この場合、この第2の区域において、圧縮ベルトは、不織布を運ぶ搬送ベルトから鋭角を成して離れるように延びる。
【0029】
僅かなまたは中断した加圧が第2の区域で圧縮ベルトにより行なわれる場合には、圧縮ベルトのスクリーン組織に付着するファイバが第2のノズルバーの流体ジェットにより材料ウェブへ押し戻され、そこから、複合構造体に組み込まれる。
【0030】
この構成では、2つの連続する区域での流体付与が、異なる圧力値で、また、異なる孔間隔および孔径で行なわれようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】無端スクリーンベルト(第1の無端ベルト)として形成される搬送ベルトがガイドローラの周囲にテンションが掛けられた状態で保持され、矢印により示されるように時計回り方向に回転することを示す。
【図2】共通のガイドローラと圧縮ベルトと協働するガイドローラとの間の領域の拡大図である。
【図3】ガイドローラと高さ調整可能なガイドローラとの間の領域における図2に係る構成の更なる拡大図である。
【図4】部位Kで、不織布を移送する搬送ベルトと圧縮ベルトとの間の角度が調整される状況を示している。
【図5】共通のガイドローラと調整可能なガイドローラとの間の領域で2つのノズルバーが圧縮ベルトの上側に配置される実施形態を示す。
【図6】図1に示されるバージョンとは異なり、圧縮ベルトを偏向させるガイドローラがいずれも調整できない本発明の一実施形態を示している。
【図7】無端スクリーンベルト(第1の無端ベルト)として形成される搬送ベルトが、ガイドローラの周囲にテンションが掛けられた状態で保持され、矢印により示されるように時計回り方向に回転することを示す。
【図8】搬送ベルトおよび圧縮ベルトが最初に共通のガイドローラの周囲で走行した後にガイドローラの周囲で逆方向に向きが変えられる本発明の一実施形態を示している。
【図9】搬送ベルトおよび圧縮ベルトはそれぞれ、2つのガイドローラの周囲で偏向されつつ同じ方向に延びる実施形態を示す。
【図10】ガイドローラと高さ調整可能なガイドローラとの間の第2の区域における図9に係る構成の拡大図である。
【図11】部位Kで圧縮ベルトを通過する流体ジェットが不織布の表面に衝突するように、不織布を移送する搬送ベルトと圧縮ベルトとの間の角度が調整される状況を示している。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照して、本発明の典型的な実施形態について説明する。この文脈において、用語「ファイバウェブ」とは、パイル生産者により非圧縮形態(最初の圧縮、流体付与の前の材料ウェブ)で供給されるファイバおよび/またはフィラメントの非圧縮パイルを示している。用語「不織布」は、材料ウェブが最初の圧縮を受けた後に材料ウェブのために使用される。
【0033】
無端スクリーンベルト(第1の無端ベルト)として形成される搬送ベルト1は、ガイドローラU、U1の周囲にテンションが掛けられた状態で保持され、矢印により示されるように時計回り方向に回転する(図1)。無端スクリーンベルト(第2のベルト)として形成される更なる−圧縮ベルト2は、ガイドローラU2、U2−Jの周囲にテンションが掛けられた状態で保持され、矢印により示されるように反時計回り方向に回転する。圧縮ベルト2は、搬送ベルト1と同じ速度で走行し、したがって、その加工ストランドの領域ではファイバウェブFを移送する搬送ベルト1の加工ストランドと同期して走行する。ガイドローラU、U1、U2、U2−Jは図示しない機械フレーム部に回転可能に配置される。
【0034】
搬送ベルト1上には、非圧縮ファイバウェブF(パイル)が、例えば図示しないカーディングマシンから供給され、この非圧縮ファイバウェブFはガイドローラUの方向へ搬送ベルトで走行する。図1の左側に示されるガイドローラU1、ガイドローラU、および、ガイドローラU2により、搬送ベルト1および圧縮ベルト2は、ファイバウェブFのための円錐形状に収束する圧縮領域を形成する。搬送ベルト1および圧縮ベルト2の両方がガイドローラUの周囲で偏向されるため、ファイバウェブFはこの共通の掛け回し領域で最も強い圧縮力に晒される。
【0035】
ガイドローラU以後、搬送ベルト1および圧縮ベルト2は、直線方向にテンションが掛けられつつ、互いに鋭角を成して離れるように延びる。圧縮ベルト2はガイドローラU2−Jの方向に走行し、搬送ベルト1は図1に示されない更なるガイドローラの方向に走行する。
【0036】
ガイドローラU以降のこの領域には、圧縮ベルト2によって覆われるファイバウェブの上側に第1のノズルバーDが配置される。ノズルバーは、ファイバウェブを移送する搬送ベルト1の下側に配置される吸引装置Aと協働して、ファイバウェブへ方向付けられる流体ジェットWにより構造体の最初の僅かな圧縮を行なう。ウォータージェットがノズルバーDにより放出されると、この領域でファイバウェブFが湿潤される。このとき、ファイバウェブFは、僅かに強化された不織布(初期不織布)Vの状態に圧縮され、ガイドローラU2−Jの下側の部位で圧縮ベルト2の領域から出る。その後、流体付与のための図示しない更なる装置、不織布の更なる圧縮および/または構造化へ続く。
【0037】
図2は、共通のガイドローラUと圧縮ベルト2と協働するガイドローラU2−Jとの間の領域の拡大図である。搬送ベルト1および該搬送ベルトと協働する圧縮ベルト2は、共通のガイドローラUに角度αで掛け回される。この領域では、ファイバウェブが最も強い圧縮効果に晒される。ガイドローラU以降、搬送ベルト1および圧縮ベルト2は鋭角βを成して互いから離れるように延びる。圧縮ベルトKを搬送ベルト1の方向から離れるように方向付けるガイドローラU2−Jは、破線によりマークされた範囲内で角度βを調整できるように高さ調整可能な態様(二重矢印)で図示しない機械フレームに配置される。
【0038】
図3は、ガイドローラUと高さ調整可能なガイドローラU2−Jとの間の領域における図2に係る構成の更なる拡大図である。ガイドローラU2−Jを調整することにより設定される角度βは、不織布Vを移送する搬送ベルト1と圧縮ベルト2との間に含まれており、圧縮ベルト2がもはや不織布Vと接触しなくなった後にだけ圧縮ベルト2を通過する流体ジェットWが不織布Vの表面に衝突するようになっている。圧縮ベルト2と不織布Vとの間の最終接触点がKにより示されている。
【0039】
図4は、部位Kで、すなわち、圧縮ベルト2が不織布Vとのその接触を失う部位で、圧縮ベルト2を通過する流体ジェットWが不織布Vの表面に衝突するように、不織布Vを移送する搬送ベルト1と圧縮ベルト2との間の角度βが調整される状況を示している。
【0040】
このように、ガイドローラU2−Jの調整により、不織布Vを移送する搬送ベルト1と圧縮ベルト2との間の角度β、すなわち、圧縮ベルト2がもはや不織布Vと接触しなくなる点Kと圧縮ベルト2を貫く流体ジェットWの通過部分との間の経路を設定できる。
【0041】
また、圧縮ベルト2が不織布Vと依然として接触しているときに圧縮ベルト2を通過する流体ジェットWが不織布Vに衝突するように角度βを設定することもできる。また、この場合、搬送ベルト1および圧縮ベルト2は互いに平行に延びず、角度βが図3または図4に係る状況におけるよりも平坦であるにすぎない。
【0042】
図5に係る実施形態では、共通のガイドローラUと調整可能なガイドローラU2−Jとの間の領域で2つのノズルバーD1、D2が圧縮ベルト2の上側に配置されるようになっている。この場合、吸引装置A1、A2が搬送ベルト1の下側に配置される。第1のノズルバーD1の流体ジェットW1により、不織布が最初に処理されて湿潤され、また、圧縮ベルト2がもはや不織布Vと接触しなくなった後に圧縮ベルト2を通過する第2のノズルバーD2の流体ジェットW2により、付着ファイバが圧縮ベルト2から引き離されて不織布Vへ戻される。
【0043】
図6は、図1に示されるバージョンとは異なり、圧縮ベルト2を偏向させるガイドローラU2がいずれも調整できない本発明の一実施形態を示している。流体ジェットWの最初の付与領域における圧縮ベルト2と不織布を移送する搬送ベルト1との間の角度の調整は、搬送ベルト1を支持するガイドローラU1−Jによって行なわれ、このガイドローラは二重矢印によりマークされる方向で調整できる。
【0044】
ここで、図7−11を参照して、本発明の別の実施形態および対応する変形例について説明する。
【0045】
無端スクリーンベルト(第1の無端ベルト)として形成される搬送ベルト1は、ガイドローラU、U1の周囲にテンションが掛けられた状態で保持され、矢印により示されるように時計回り方向に回転する(図7)。無端スクリーンベルト(第2のベルト)として形成される更なる圧縮ベルト2は、ガイドローラU2、U2P、U2−Jの周囲にテンションが掛けられた状態で保持され、矢印により示されるように反時計回り方向に回転する。圧縮ベルト2は、搬送ベルト1と同じ速度で走行し、したがって、その加工ストランドの領域ではファイバウェブFを移送する搬送ベルト1の加工ストランドと同期して走行する。ガイドローラU、U1、U2、U2−P、U2−Jは図示しない機械フレーム部に回転可能に配置される。
【0046】
搬送ベルト1上には、非圧縮ファイバウェブF(パイル)が、例えば図示しないカーディングマシンから供給され、この非圧縮ファイバウェブFはガイドローラUの方向へ搬送ベルトで走行する。図1の左側に示されるガイドローラU1、ガイドローラU、および、ガイドローラU2により、搬送ベルト1および圧縮ベルト2は、ファイバウェブFのための円錐形状に収束する圧縮領域を形成する。搬送ベルト1および圧縮ベルト2の両方がガイドローラUの周囲で偏向されるため、ファイバウェブFはこの共通の掛け回し領域で圧縮される。
【0047】
第1の区域AB1では、搬送ベルト1および圧縮ベルト2は、それらの間で不織布を加圧状態で保持しつつ平行に走行する。
【0048】
ガイドローラU2−P以後の第2の区域AB2では、搬送ベルト1および圧縮ベルト2は、直線方向にテンションが掛けられつつ、互いに鋭角βを成して離れるように延びる。圧縮ベルト2は調整可能なガイドローラU2−Jの方向に走行し、搬送ベルト1は更なるガイドローラの方向に走行する。ガイドローラU2−Jの調整が二重矢印によって視覚化されている。
【0049】
ガイドローラU以降の第1の区域AB1には、圧縮ベルト2によって覆われるファイバウェブの上側に第1のノズルバーD1が配置される。ノズルバーは、ファイバウェブを移送する搬送ベルト1の下側に配置される吸引装置A1と協働して、ファイバウェブへ方向付けられる流体ジェットW1により構造体の僅かな圧縮を行なう。ウォータージェットがノズルバーD1により放出されると、この領域でファイバウェブが湿潤される。このとき、ファイバウェブFは、僅かに強化された不織布(初期不織布)Vの状態に圧縮されて、ガイドローラUP−Pを通り過ぎ、搬送ベルト1および圧縮ベルト2が直線方向にテンションが掛けられつつ互いに鋭角βを成して離れるように延びる第2の区域AB2に達する。第2の区域AB2では、圧縮ベルト2の上側に第2のノズルバーD2が配置される。不織布Vを移送する搬送ベルト1の下側には吸引装置2が配置される。ここで、不織布Vの処理は、圧縮ベルト2の構造体(スクリーンベルト)を通過した後に不織布Vの表面に達して搬送ベルト1の構造体を通過する流体ジェットW2により行なわれる。ノズルバーD1、D2は、システム全体内のファイバウェブFの全経路に対して互いに前後に近接して配置され、本発明の意義にしたがって与えられるように材料ウェブに対して最初の流体付与を一緒に行なう。
【0050】
図8は、搬送ベルト1および圧縮ベルト2が最初に共通のガイドローラUの周囲で走行した後にガイドローラU2−Pの周囲で逆方向に向きが変えられる本発明の一実施形態を示している。第1の区域AB1では、2つのベルト1、2は、中間のファイバシートを加圧状態で保持しつつ平行に走行する。この後、第1のノズルバーD1の流体ジェットW1が付与される。この場合、吸引装置A1が搬送ベルトの下側に配置される。ガイドローラU2−P以降の第2の区域AB2では、搬送ベルト1および圧縮ベルト2は、直線方向にテンションが掛けられつつ互いから鋭角βを成して離れるように延びる。圧縮ベルト2は調整可能なガイドローラU2−Jの方向に走行し、搬送ベルト1は図2に示されない更なるガイドローラの方向に走行する。
【0051】
図9に係る実施形態において、搬送ベルト1および圧縮ベルト2はそれぞれ、2つのガイドローラU、U1−Pの周囲で偏向されつつ同じ方向に延びる。この第1の区域AB1では、第1のノズルバーD1が吸引装置A1と共に配置される。ガイドローラU1−P以降の第2の区域AB2では、搬送ベルト1および圧縮ベルト2が直線方向にテンションが掛けられつつ互いに鋭角βを成して離間するように延びる。この第2の区域AB2には、不織布Vに対する最初の流体付与を続けるために第2のノズルバーD2が吸引装置A2と共に配置される。ここで、不織布Vの処理は、圧縮ベルト2の構造体(スクリーンベルト)を通過して不織布Vの表面に達するとともに最終的に搬送ベルト1の構造体を通過する流体ジェットW2により行なわれる。
【0052】
このとき、ガイドローラU2−Jの調整により、不織布Vを移送する搬送ベルト1と圧縮ベルト2との間の角度β、すなわち、圧縮ベルト2がもはや不織布Vと接触しなくなる点Kと圧縮ベルト2を貫く流体ジェットW2の通過部分との間の距離を調整することができる(図10)。
【0053】
図10は、ガイドローラU1−Pと高さ調整可能なガイドローラU2−Jとの間の第2の区域AB2における図9に係る構成の拡大図である。ガイドローラU2−Jの調整により設定される角度βは、不織布Vを移送する搬送ベルト1と圧縮ベルト2との間の角度であり、圧縮ベルト2がもはや不織布Vと接触しなくなった後にだけ圧縮ベルト2を通過する流体ジェットW2が不織布Vの表面に衝突するようになっている。圧縮ベルト2と不織布Vとの間の最終接触点がKにより示されている。
【0054】
図11は、部位Kで、すなわち、圧縮ベルト2が不織布Vとのその接触を失う部位で、圧縮ベルト2を通過する流体ジェットW2が不織布Vの表面に衝突するように、不織布Vを移送する搬送ベルト1と圧縮ベルト2との間の角度βが調整される状況を示している。
【0055】
また、圧縮ベルト2が不織布Vと依然として接触しているときに、圧縮ベルト2を通過する流体ジェットW2が不織布Vに衝突するように第2の区域AB2で角度βを設定することもできる。また、この場合、搬送ベルト1および圧縮ベルト2は互いに平行に延びず、角度βが図10または図11に係る状況におけるよりも平坦であるにすぎない。
【符号の説明】
【0056】
1 搬送ベルト、第1の無端ベルト
2 圧縮ベルト、第2の無端ベルト
F ファイバウェブ、パイル、フィラメントウェブ
V 加圧後の、最初の流体付与後の、不織布、ファイバウェブ、パイル、フィラメントウェブ
U ガイドローラ−搬送ベルト1、圧縮ベルト2
U1 ガイドローラ−搬送ベルト
U2 ガイドローラ−圧縮ベルト
U1−J ガイドローラ−搬送ベルト、調整可能
U2−J ガイドローラ−圧縮ベルト、調整可能
U1−P ガイドローラ−搬送ベルト
U2−P ガイドローラ−圧縮ベルト
D ノズルバー
D1 第1のノズルバー
D2 第2のノズルバー
A 吸引装置
A1 第1の吸引装置
A2 第2の吸引装置
W 流体ジェット
W1 流体ジェット−第1のノズルバーD1
W2 流体ジェット−第2のノズルバーD2
AB1 第1の区域(搬送ベルトおよび圧縮ベルトが平行)
AB2 第2の区域(搬送ベルトおよび圧縮ベルトが鋭角を成す)
α 掛け回し角度−搬送ベルト1、圧縮ベルト2
β 搬送ベルト1と圧縮ベルト2との間の角度
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファイバおよび/またはフィラメントから成る材料ウェブを圧縮するための装置であって、
材料ウェブを移送しかつガイドローラの周囲でテンションが掛けられる第1の無端ベルトと、
前記ガイドローラの周囲でテンションが掛けられかつ前記第1の無端ベルトと反対の方向に同じ速度で回転する第2の無端ベルトと
を備え、
前記第1の無端ベルトおよび前記第2の無端ベルトが、材料ウェブの搬送方向で第1の領域に円錐圧縮領域を形成して、互いの方へ向けて角度を成して走行し、それにより、前記第1の無端ベルトおよび前記第2の無端ベルトの間に配置される材料ウェブが次第に加圧され、前記第1の領域以降には、前記第1の無端ベルトおよび前記第2の無端ベルトの間に依然として配置される材料ウェブに対して最初に流体を付与するための第1のノズルビームが配置され、最初の流体付与のこの領域における前記第1の無端ベルトおよび前記第2の無端ベルトが、いずれの場合にも、直線方向にテンションが掛けられる態様で走行するように案内される装置において、
前記第1の無端ベルト(1)および前記第2の無端ベルト(2)が、最初の流体付与の前記領域(D、W、A)では、それらが互いに平行に走行しないように案内されることを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記第1の無端ベルト(1)および前記第2の無端ベルト(2)が、最初の流体付与(D、W、A)の前記領域では、互いに鋭角(β)を成して離れるように延びかつテンションが掛けられることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の無端ベルトおよび前記第2の無端ベルトが、材料ウェブを加圧状態に保持し、かつ、ガイドローラ(U)に共に掛け回され、その後、最初の流体付与(D、W、A)の前記領域で、それぞれの更なるガイドローラ(U1−J、U2−J)へ向けて走行することを特徴とする、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の無端ベルト(1)および前記第2の無端ベルト(2)の非平行案内が最初の流体付与(D、W、A)の前記領域で調整できることを特徴とする、請求項1、2または3に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の無端ベルト(1)および前記第2の無端ベルト(2)のうちの一方の1つの前記ガイドローラ(U1−J、U2−J)は、前記第1の無端ベルト(1)および前記第2の無端ベルト(2)が互いに離れるように延びる方向の角度(β)を変えることができるように設定可能であることを特徴とする、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
最初の流体付与の前記領域では、第2のノズルバー(D2)が前記第1のノズルバー(D1)に隣接して配置されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
ファイバおよび/またはフィラメントから成る材料ウェブを圧縮するための装置であって、
材料ウェブを移送しかつガイドローラの周囲でテンションが掛けられる第1の無端ベルトと、
ガイドローラの周囲でテンションが掛けられかつ前記第1の無端ベルトと反対の方向に同じ速度で回転する第2の無端ベルトと
を備え、
前記第1の無端ベルトおよび前記第2の無端ベルトが、材料ウェブの搬送方向で第1の領域に円錐圧縮領域を形成して、互いに対して角度を成して延び、それにより、前記第1の無端ベルトおよび前記第2の無端ベルトの間に配置される材料ウェブが次第に加圧され、前記圧縮領域以降には、前記第1の無端ベルトおよび前記第2の無端ベルトの間に依然として配置される材料ウェブに対して最初に流体を付与するためのノズルビームが配置され、前記最初の流体付与のこの領域における前記第1の無端ベルトおよび前記第2の無端ベルトが、いずれの場合にも、直線方向にテンションが掛けられる態様で走行するように案内される装置において、
前記第1の無端ベルト(1)および前記第2の無端ベルト(2)が、最初の流体付与の前記領域(D、W、A)では、それらが第1の区域(AB1)では互いに平行に延び、その後の第2の区域(AB2)では互いに平行に延びないように案内されることを特徴とする装置。
【請求項8】
前記第1の無端ベルト(1)および前記第2の無端ベルト(2)が、前記第2の区域(AB2)では、それらが鋭角(β)を成して離れて延びるようにテンションが掛けられることを特徴とする、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記第1の無端ベルト(1)および前記第2の無端ベルト(2)が、ガイドローラ(U)に共に掛け回され、材料ウェブを加圧状態に保持しつつ、更なる共通のガイドローラ(U1−P、U2−P)へ互いに平行に延びることを特徴とする、請求項7または8に記載の装置。
【請求項10】
前記第1の無端ベルト(1)および前記第2の無端ベルト(2)の非平行案内が前記第2の区域(AB2)で調整できることを特徴とする、請求項7〜9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記第1の無端ベルト(1)および前記第2の無端ベルト(2)のうちの一方の1つのガイドローラ(U1−J)が、前記第1の無端ベルト(1)および前記第2の無端ベルト(2)が互いに離れるように延びる方向の角度(β)を変えることができるように設定可能であることを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記最初の流体付与が複数のノズルバー(D1、D2)によって行なわれ、これらのノズルバー(D1、D2)がシステム全体内の材料ウェブの全経路に対して互いに前後に近接して配置され、前記ノズルバーが前記第1の区域(AB1)および/または第2の区域(AB2)に配置されることを特徴とする、請求項7〜11のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
第1のノズルバー(D1)が前記第1の区域(AB1)に配置され、第2のノズルバー(D1)が前記第2の区域(AB2)に配置されることを特徴とする、請求項7〜12のいずれか1項に記載の装置。
【請求項1】
ファイバおよび/またはフィラメントから成る材料ウェブを圧縮するための装置であって、
材料ウェブを移送しかつガイドローラの周囲でテンションが掛けられる第1の無端ベルトと、
前記ガイドローラの周囲でテンションが掛けられかつ前記第1の無端ベルトと反対の方向に同じ速度で回転する第2の無端ベルトと
を備え、
前記第1の無端ベルトおよび前記第2の無端ベルトが、材料ウェブの搬送方向で第1の領域に円錐圧縮領域を形成して、互いの方へ向けて角度を成して走行し、それにより、前記第1の無端ベルトおよび前記第2の無端ベルトの間に配置される材料ウェブが次第に加圧され、前記第1の領域以降には、前記第1の無端ベルトおよび前記第2の無端ベルトの間に依然として配置される材料ウェブに対して最初に流体を付与するための第1のノズルビームが配置され、最初の流体付与のこの領域における前記第1の無端ベルトおよび前記第2の無端ベルトが、いずれの場合にも、直線方向にテンションが掛けられる態様で走行するように案内される装置において、
前記第1の無端ベルト(1)および前記第2の無端ベルト(2)が、最初の流体付与の前記領域(D、W、A)では、それらが互いに平行に走行しないように案内されることを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記第1の無端ベルト(1)および前記第2の無端ベルト(2)が、最初の流体付与(D、W、A)の前記領域では、互いに鋭角(β)を成して離れるように延びかつテンションが掛けられることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の無端ベルトおよび前記第2の無端ベルトが、材料ウェブを加圧状態に保持し、かつ、ガイドローラ(U)に共に掛け回され、その後、最初の流体付与(D、W、A)の前記領域で、それぞれの更なるガイドローラ(U1−J、U2−J)へ向けて走行することを特徴とする、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の無端ベルト(1)および前記第2の無端ベルト(2)の非平行案内が最初の流体付与(D、W、A)の前記領域で調整できることを特徴とする、請求項1、2または3に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の無端ベルト(1)および前記第2の無端ベルト(2)のうちの一方の1つの前記ガイドローラ(U1−J、U2−J)は、前記第1の無端ベルト(1)および前記第2の無端ベルト(2)が互いに離れるように延びる方向の角度(β)を変えることができるように設定可能であることを特徴とする、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
最初の流体付与の前記領域では、第2のノズルバー(D2)が前記第1のノズルバー(D1)に隣接して配置されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
ファイバおよび/またはフィラメントから成る材料ウェブを圧縮するための装置であって、
材料ウェブを移送しかつガイドローラの周囲でテンションが掛けられる第1の無端ベルトと、
ガイドローラの周囲でテンションが掛けられかつ前記第1の無端ベルトと反対の方向に同じ速度で回転する第2の無端ベルトと
を備え、
前記第1の無端ベルトおよび前記第2の無端ベルトが、材料ウェブの搬送方向で第1の領域に円錐圧縮領域を形成して、互いに対して角度を成して延び、それにより、前記第1の無端ベルトおよび前記第2の無端ベルトの間に配置される材料ウェブが次第に加圧され、前記圧縮領域以降には、前記第1の無端ベルトおよび前記第2の無端ベルトの間に依然として配置される材料ウェブに対して最初に流体を付与するためのノズルビームが配置され、前記最初の流体付与のこの領域における前記第1の無端ベルトおよび前記第2の無端ベルトが、いずれの場合にも、直線方向にテンションが掛けられる態様で走行するように案内される装置において、
前記第1の無端ベルト(1)および前記第2の無端ベルト(2)が、最初の流体付与の前記領域(D、W、A)では、それらが第1の区域(AB1)では互いに平行に延び、その後の第2の区域(AB2)では互いに平行に延びないように案内されることを特徴とする装置。
【請求項8】
前記第1の無端ベルト(1)および前記第2の無端ベルト(2)が、前記第2の区域(AB2)では、それらが鋭角(β)を成して離れて延びるようにテンションが掛けられることを特徴とする、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記第1の無端ベルト(1)および前記第2の無端ベルト(2)が、ガイドローラ(U)に共に掛け回され、材料ウェブを加圧状態に保持しつつ、更なる共通のガイドローラ(U1−P、U2−P)へ互いに平行に延びることを特徴とする、請求項7または8に記載の装置。
【請求項10】
前記第1の無端ベルト(1)および前記第2の無端ベルト(2)の非平行案内が前記第2の区域(AB2)で調整できることを特徴とする、請求項7〜9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記第1の無端ベルト(1)および前記第2の無端ベルト(2)のうちの一方の1つのガイドローラ(U1−J)が、前記第1の無端ベルト(1)および前記第2の無端ベルト(2)が互いに離れるように延びる方向の角度(β)を変えることができるように設定可能であることを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記最初の流体付与が複数のノズルバー(D1、D2)によって行なわれ、これらのノズルバー(D1、D2)がシステム全体内の材料ウェブの全経路に対して互いに前後に近接して配置され、前記ノズルバーが前記第1の区域(AB1)および/または第2の区域(AB2)に配置されることを特徴とする、請求項7〜11のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
第1のノズルバー(D1)が前記第1の区域(AB1)に配置され、第2のノズルバー(D1)が前記第2の区域(AB2)に配置されることを特徴とする、請求項7〜12のいずれか1項に記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2012−523502(P2012−523502A)
【公表日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−503859(P2012−503859)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際出願番号】PCT/DE2010/000337
【国際公開番号】WO2010/115400
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(511239030)トリュッツシュラー ノンヴォーフェンス ゲーエムベーハー (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際出願番号】PCT/DE2010/000337
【国際公開番号】WO2010/115400
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(511239030)トリュッツシュラー ノンヴォーフェンス ゲーエムベーハー (1)
【Fターム(参考)】
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