ファイバードラム
【課題】 胴体から蓋体が開封されたことを周囲に気付かせることができ、かつ、ドラムハンドリングのしやすいファイバードラムの提供。
【解決手段】 ファイバードラム1は、有底筒状に形成された紙製の胴体3と、胴体3の上面開口4を開閉可能に蓋止する紙製の蓋体6とを備えており、蓋体6の外周面8に筒径方向外向きに突出した周回鍔状の蓋側突部9を設け、胴体3の上面開口4を蓋止したときの蓋体6の蓋側突部9と上下対面する位置の胴体外周面13に、筒径方向外向きに突出した周回鍔状の胴側突部10を設け、上下対面した蓋側突部9と胴側突部10とに、該蓋側突部9および胴側突部10を一連に上下貫通する封印孔11,12をそれぞれ設けた構成にしてある。
【解決手段】 ファイバードラム1は、有底筒状に形成された紙製の胴体3と、胴体3の上面開口4を開閉可能に蓋止する紙製の蓋体6とを備えており、蓋体6の外周面8に筒径方向外向きに突出した周回鍔状の蓋側突部9を設け、胴体3の上面開口4を蓋止したときの蓋体6の蓋側突部9と上下対面する位置の胴体外周面13に、筒径方向外向きに突出した周回鍔状の胴側突部10を設け、上下対面した蓋側突部9と胴側突部10とに、該蓋側突部9および胴側突部10を一連に上下貫通する封印孔11,12をそれぞれ設けた構成にしてある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファイバーボードや積層ライナーその他の紙材を材料として筒状に形成されたファイバードラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、有底筒状に形成された紙製の胴体と、胴体の上面開口を開閉可能に蓋止する紙製の蓋体を備えたファイバードラムが知られており、例えば下記の特許文献1に記載されている。かかるファイバードラムの胴体および蓋体は、それぞれ、一面に接着剤が塗布されたシート状紙材を幾層にも巻回して筒状に形成された筒状体を成している。胴体の上面開口の周縁は、蓋体を冠着するために、小径に絞った絞り部となっている。
このファイバードラムでは、胴体内に商品が収容され、胴体の絞り部に蓋体が冠着されて上面開口が蓋止される。このとき、蓋体の下端部が胴体の絞り部の下部で支持され、蓋体の外周面と胴体の外周面は面一になっている。そして、胴体と蓋体の合わせ目に沿いドラム全周にわたり粘着テープが貼られて封止される。このとき、胴体と蓋体の合わせ目部分が面一であることから、粘着テープによるシールを容易に行なえる。かかる粘着テープはシールと封印を兼ねている。
【0003】
【特許文献1】特開平7−125740号公報(段落[0002]〜[0005]、図6、図7)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来のファイバードラムにおいて、倉庫保管中や輸送中に粘着テープが剥がされ蓋体が開けられて中身が変えられた場合、すなわち内容商品が抜き取られたり別の物が混入されたりした場合、粘着テープが元のように貼り直されると、ドラムが開封されたことに気付かず、そのまま客先に納入されることがある。かかる事態は商取引の信用を損なうおそれのある重大な事態である。
一方で、従来のファイバードラムは蓋体と胴体の外周面が面一であるうえ、これらの合わせ目に比較的薄手の粘着テープが貼着されるだけなので、ドラム取扱い時に手掛かりがなくハンドリングし辛いものであった。
【0005】
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであって、胴体から蓋体が開封されたことを周囲に気付かせることができ、かつ、ドラムハンドリングのしやすいファイバードラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係るファイバードラムは、有底筒状に形成された紙製の胴体と、胴体の上面開口を開閉可能に蓋止する紙製の蓋体とを備えるファイバードラムであって、蓋体の外周面に筒径方向外向きに突出した蓋側突部を設け、胴体の上面開口を蓋止したときの蓋体の蓋側突部と上下対面する位置の胴体外周面に、筒径方向外向きに突出した胴側突部を設け、上下対面した蓋側突部と胴側突部とに、該蓋側突部および胴側突部を一連に上下貫通する封印孔をそれぞれ設けた構成にしてある。
【0007】
また、前記構成において、蓋側突部が蓋体の周方向全周にわたって連続する周回鍔状に形成され、および/または、胴側突部が胴体の周方向全周にわたって連続する周回鍔状に形成されているものである。
【0008】
そして、前記した各構成において、蓋側突部の封印孔および胴側突部の封印孔に挿通される封印部材が、両封印孔に挿通されたときに蓋側突部および胴側突部の最外周面よりも筒径方向の内方に収まる棒状体に形成されているものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るファイバードラムによれば、蓋側突部と胴側突部の両封印孔に一連に挿通した封印部材により胴体と蓋体が封印されるので、封印部材を破断して封印を解かなければ、蓋体を胴体から開けることができない。従って、蓋体が開けられたか否かは封印部材の状態により周囲の取扱者に気付かせることができる。これにより、ファイバードラムの内容が変えられたことに気付かず、そのまま客先に納品するといった事態を未然に防ぐことができる。また、蓋側突部および胴側突部は手を掛ける把手の役目も果たすので、ファイバードラムを楽に取り扱うことができる。
【0010】
また、蓋側突部および/または胴側突部が周回鍔状に形成されている場合は、
蓋側突部および胴側突部が蓋体および胴体の補強材の役目も果たすので、ドラム径方向の耐圧力が大きくなる。従って、複数のファイバードラムを上下段積みした時も、蓋体および胴体が拡径しにくくなり、荷崩れの防止に寄与する。
【0011】
そして、蓋側突部の封印孔および胴側突部の封印孔に挿通される封印部材が所定寸法の棒状体に形成されている場合は、封印部材が両封印孔に挿通されたときに蓋側突部および胴側突部の最外周面よりも筒径方向の内方に収まるので、蓋側突部および胴側突部の最外周面に粘着テープを貼っても両封印孔の近傍部分で膨らむといったことがない。従って、粘着テープによるシール性が損なわれることがなく見栄えもよい。また、運送時に隣のファイバードラムの外周面を傷つけるといったことがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の最良の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下に述べる実施形態は本発明を具体化した一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものでない。ここに、図1は本発明の一実施形態に係るファイバードラムの胴体と蓋体を分離した状態を示す外観図、図2は前記ファイバードラムの一部断面を含む正面図、図3は前記ファイバードラムの半分を省略した平面図、図4は図3における円A内の拡大図である。
各図において、この実施形態に係るファイバードラム1は、有底円筒状の胴体3と、胴体3の上面開口4を開閉可能に蓋止する蓋体6とを備えている。図中、符号Cは胴体3および蓋体6の筒心である。
【0013】
胴体3は一面に接着剤が塗布されたシート状紙材を幾層にも巻回して円筒状に形成されており、その下端は底板部2で封止されている。胴体3の上面開口4の周縁には、蓋体6を冠着するための絞り部5が形成されている。蓋体6も胴体3と同様、一面に接着剤が塗布されたシート状紙材を幾層にも巻回して円筒状に形成されており、その上端は天板部7で封止されている。この蓋体6を胴体3の絞り部5に冠着することにより、胴体3の上面開口4が蓋止される。この場合、絞り部5が設けられていることにより、蓋体6の外周面8と胴体3の外周面13が面一となるようにされている。
【0014】
蓋体6の外周面8の下端部には、外周面8から筒径方向外向きに突出した蓋側突部9が設けられている。胴体3の外周面13には、筒径方向外向きに突出した胴側突部10が設けられている。この胴側突部10は、胴体3の上面開口4を蓋止したときの蓋体6の蓋側突部9と上下対面し、且つ、蓋側突部9の下面が胴側突部10の上面に密接・載置される位置に配置されている。蓋側突部9は蓋体6の筒周方向全周にわたって連続する周回鍔状に形成されており、胴側突部10も胴体3の筒周方向全周にわたって連続する周回鍔状に形成されている。これらの蓋側突部9と胴側突部10は、一面に接着剤が塗布されたシート状紙材を蓋体6と胴体3の外周面に幾層にも巻回して形成される。蓋側突部9はその筒周方向に2ヶ所の封印孔11,11がそれぞれ上下貫通して穿設されている。そして、蓋側突部9と胴側突部10とが上下対面したときに蓋側突部9の封印孔11,11と合致して連通する位置の胴側突部10に、それぞれ上下貫通する封印孔12,12が穿設されている。すなわち、各封印孔11と各封印孔12とは一連に上下連通するように配置されている。
【0015】
上記した構成のファイバードラム1においては、胴体3内に商品が収容され、胴体3の絞り部5に蓋体6が冠着されて上面開口4が蓋止される。このとき、蓋体6の下端面が胴体3の絞り部5の下部で支持される。同時に、蓋体6の蓋側突部9が胴体3の胴側突部10上に載置、支持される。そうして、蓋体6を筒周方向に回して位置を調整し、蓋側突部9の封印孔11と胴側突部10の封印孔12とを筒心C方向(この例では上下方向)に一連に連通させる。この状態で金属線製の封印部材14を封印孔11および封印孔12に通したのち、封印部材14の両端を重ねて封印鉛15で潰止する(図2参照)。かかる作業は周方向2ヶ所の封印孔11,12についてそれぞれ行なわれる。これにより、ファイバードラム1の封印作業が完了する。その後、蓋側突部9と胴側突部10の合わせ目を含む最外周面16,25に全周にわたって粘着テープ(図示省略)を貼ることにより、ファイバードラム1が密封されるのである。
【0016】
上記したように、このファイバードラム1によれば、胴体3と蓋体6が封印部材14および封印鉛15により封印されているので、胴体3から蓋体6を開けようとすると、封印部材14または封印鉛15を破断して封印を解かなければならない。従って、封印部材14または封印鉛15が破断していて封印が解かれていれば、蓋体6が開けられて商品内容が変えられたおそれがあるとして、取扱者に気付かせることができる。これにより、ファイバードラム1の商品内容が変えられたことに気付かず、そのまま客先に納品するといった事態が回避されるのである。
【0017】
また、蓋側突部9および胴側突部10は手を掛ける把手の役目も果たすので、ファイバードラム1のハンドリングがしやすくなる。また、周回鍔状に形成された蓋側突部9および胴側突部10は蓋体6および胴体3の開口部近傍位置の補強材の役目も果たすので、径方向の耐圧力が大きくなる。従って、複数のファイバードラム1,1を上下段積みした場合でも、蓋体6および胴体3の開口部が拡がらず荷崩れしにくくなる。
【0018】
尚、上記の実施形態では、封印部材14および封印鉛15をドラムの封印に使用したが、本発明では、金属線の封印部材14および封印鉛15に替え、汎用のインシュロックを封印部材として用いることも可能である。このインシュロックは、所要の幅と長さを備えた可撓性帯状本体の一端に係止孔が形成されており、この係止孔に挿通係止させるために可撓性帯状本体の一面にその長手方向に沿って所定ピッチで係止突起が形成されていて、可撓性帯状本体を封印孔11および封印孔12に通して蓋側突部9および胴側突部10にル−プ状に巻付けたのち所要の係止突起を係止孔に係止させることにより、蓋側突部9と胴側突部10を結束するように構成されている。
【0019】
ところで、上記の実施形態において、封印に用いた、封印部材14および封印鉛15またはインシュロックは、蓋側突部9および胴側突部10に巻き付けられるので、それらの巻き付け部分は必ず蓋側突部9の最外周面16や胴側突部10の最外周面25よりも外方に突出している。そのために、粘着テープを貼った場合には前記突出位置で粘着テープが膨れてしまう。これにより、粘着テープによるシール性が低下したり、見栄えを損なったり、運送時の荷締め付けによって隣のファイバードラムの外周面を傷つけることがあり、ドラム交換や返品を受けるおそれがある。
【0020】
このような場合、図5に示すような封印部材17を使用するとよい。この封印部材17はステンレス鋼や高強度合成樹脂などから成る棒状体であって、直線棒状の胴部18と、胴部18の上端に形成されていて封印孔11よりも大径の頭部19と、胴部18の下端に形成されていて突起先端が封印孔12よりも大径である抜け止め突起20とからなっている。前記の頭部19および抜け止め突起20は、封印部材17が両封印孔11,12に挿通されたときに蓋側突部9の最外周面16および胴側突部10の最外周面25よりも筒径方向の内方に収まる幅寸法に形成されている。封印部材17は蓋側突部9の封印孔11および胴側突部10の封印孔12に一連に挿通され、抜け止め突起20が封印孔12から抜け出たのちに拡がって胴側突部10の下面に抜け止め係止される。これにより、蓋体6と胴体3とが封印されるのである。因みに、蓋側突部9および胴側突部10の径方向の厚さWが約8mmである場合、封印孔11,12の孔径は約5mmにしてある。
【0021】
この封印部材17で封印すると、封印部材17のいずれの部分も蓋側突部9および胴側突部10の最外周面16,25から横に突出していないので、合わせ目に貼った粘着テープは蓋側突部9および胴側突部10の最外周面16,25で全周にわたって平坦になることからシール性が増す。また、トラックの荷台にファイバードラム1を積んで運搬する際に荷締め付け作業をしたときも、隣のドラムの外面を傷つけにくい。そのうえ、封印作業とテープ貼着作業のどちらを先に行ってもよいので、作業段取りの融通をつけやすいという利点もある。
【0022】
一方で、図6および図7に示すように、シート状紙材を巻いて蓋側突部9および胴側突部10を形成する際の接着剤固化前に、封印孔11a,12aの形成目標位置の両側で蓋側突部9および胴側突部10を蓋体6および胴体3に向けて(矢印22方向)プレス絞りすることにより、プレスされない部分が外向きに膨出した膨出部21,23が得られる。かかる膨出部21,23の形成過程で封印孔11a,12aが形成される。
これらの封印孔11aおよび封印孔12aは既述した封印孔11および封印孔12よりも大径に形成することができる。従って、封印孔11a,12aに挿入される封印部材17aの胴部18a、頭部19a、および抜け止め突起20aは、既述の封印部材17よりも大きく強度の高いものを用いることができる。この封印部材17aに関しても、封印孔11b,12bに挿通されたときにいずれの部分も蓋側突部9および胴側突部10の最外周面16,25から外方へ突出しないように構成するとよい。
【0023】
更には、図8および図9に示すように、蓋側突部9と胴側突部10における蓋体6と胴体3に隣接する部分を切り欠いて、上下連通する封印孔11b,封印孔12bを形成することも可能である。これらの封印孔11b,封印孔12bは、蓋体6および胴体3の周方向に幅広く形成することができる。これに伴って、封印孔11b,12bに挿入される封印部材17bは、その胴部18b、頭部19b、および抜け止め突起20bが既述の封印部材17,17aよりも幅広いものを用いることができる。この封印部材17bについても、封印孔11b,12bに挿通されたときにいずれの部分も蓋側突部9および胴側突部10の最外周面16,25から外方へ突出しないように構成しておくことが望ましい。
【0024】
そして、本発明は、図10に示すように、胴体3aに絞り部5がなく、蓋体6の外周面8と胴体3aの外周面13aとが面一でなく、蓋体6が胴体3aの上面開口4aを被って外周面13aに冠着される構造のファイバードラム1aにも適用可能である。この場合も、既述したファイバードラム1と同じ蓋体6を用いてある。また、胴体3a上部の外周面13aには、紙材製の外巻部24が形成されている。外巻部24の外周面には上記と同様に封印孔12を有する胴側突部10が設けられている。蓋体6の外周面8の下端部には上記と同様に封印孔11を有する蓋側突部9が設けられており、蓋側突部9は胴側突部10の上面に載置されるようになっている。
このファイバードラム1aでは、蓋体6の下端面が外巻部24の上面に載置されて確りと支持されているので、蓋体6と胴体3aに対し蓋側突部9と胴側突部10を上下離間して配置することが可能である。その場合に、ファイバードラム1aの上に別のファイバードラムを段積みしても、胴体3aの上部が変形することはない。
【0025】
また、上記した各実施形態では、蓋体6および胴体3,3aの周方向全周にわたって連続する周回鍔状の蓋側突部9および胴側突部10を例示したが、本発明の蓋側突部および胴側突部は周回鍔状に限るものでない。すなわち、図11に示すファイバードラム1bのように、蓋体6の外周面に4つの蓋側突部9a,9a,9a,9aを筒周方向に適宜離間して設けたものも本発明に含まれる。各蓋側突部9aには封印孔11がそれぞれ形成されている。図11では蓋側突部9a,9a,9a,9aに隠れて見えないが、蓋側突部9a,9a,9a,9aの下方位置における胴体3,3aの外周面13,13aに、封印孔を有する胴側突部がそれぞれ設けられている。各蓋側突部9a、およびこれと対をなす胴側突部は、蓋体6の外周面8と胴体3,3aの外周面13,13aにシート状紙材を積層して形成される。尚、蓋側突部9aと胴側突部の設置数は4対に限らず、1〜3対、あるいは5対以上であっても構わない。
【0026】
そして、本発明では、蓋側突部が蓋体の筒周方向全周にわたって連続する周回鍔状に形成され、複数の胴側突部が胴体の外周面に筒周方向に適宜離間して設けられてよい。あるいは、胴側突部が胴体の筒周方向全周にわたって連続する周回鍔状に形成され、複数の蓋側突部が蓋体の外周面に筒周方向に適宜離間して設けられても構わない。また、上記では蓋側突部および胴側突部を紙材で構成した結果、封印部材および粘着テープ以外の、ファイバードラム全体が紙材で構成されているため、素材別の分別収集が実施されている現在、用済み後はドラム全体を紙材の廃棄物としてそのまま処分することができる。他方で、本発明には、蓋側突部および/または胴側突部を合成樹脂で形成したものも含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施形態に係るファイバードラムの胴体と蓋体を分離した状態を示す外観図である。
【図2】前記ファイバードラムの一部断面を含む正面図である。
【図3】前記ファイバードラムの半分を省略した平面図である。
【図4】図3における円A内の拡大図である。
【図5】前記ファイバードラムを棒状の封印部材で封印する態様を示す部分態様図である。
【図6】図3における円A内に対応した別の態様の拡大図である。
【図7】前記別の態様に係るファイバードラムを棒状の封印部材で封印する態様を示す部分態様図である。
【図8】図3における円A内に対応した更に別の態様の拡大図である。
【図9】前記更に別の態様に係るファイバードラムを棒状の封印部材で封印する態様を示す部分態様図である。
【図10】本発明の他の実施形態に係るファイバードラムの一部断面を含む正面図である。
【図11】本発明の更に他の実施形態に係るファイバードラムの平面図である。
【符号の説明】
【0028】
1,1a,1b ファイバードラム
2 底板部
3,3a 胴体
4,4a 上面開口
6 蓋体
8 外周面
9,9a 蓋側突部
10 胴側突部
11,11a,11b 封印孔
12,12a,12b 封印孔
13,13a 外周面
14 封印部材
16,25 最外周面
17,17a,17b 封印部材
C 筒心
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファイバーボードや積層ライナーその他の紙材を材料として筒状に形成されたファイバードラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、有底筒状に形成された紙製の胴体と、胴体の上面開口を開閉可能に蓋止する紙製の蓋体を備えたファイバードラムが知られており、例えば下記の特許文献1に記載されている。かかるファイバードラムの胴体および蓋体は、それぞれ、一面に接着剤が塗布されたシート状紙材を幾層にも巻回して筒状に形成された筒状体を成している。胴体の上面開口の周縁は、蓋体を冠着するために、小径に絞った絞り部となっている。
このファイバードラムでは、胴体内に商品が収容され、胴体の絞り部に蓋体が冠着されて上面開口が蓋止される。このとき、蓋体の下端部が胴体の絞り部の下部で支持され、蓋体の外周面と胴体の外周面は面一になっている。そして、胴体と蓋体の合わせ目に沿いドラム全周にわたり粘着テープが貼られて封止される。このとき、胴体と蓋体の合わせ目部分が面一であることから、粘着テープによるシールを容易に行なえる。かかる粘着テープはシールと封印を兼ねている。
【0003】
【特許文献1】特開平7−125740号公報(段落[0002]〜[0005]、図6、図7)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来のファイバードラムにおいて、倉庫保管中や輸送中に粘着テープが剥がされ蓋体が開けられて中身が変えられた場合、すなわち内容商品が抜き取られたり別の物が混入されたりした場合、粘着テープが元のように貼り直されると、ドラムが開封されたことに気付かず、そのまま客先に納入されることがある。かかる事態は商取引の信用を損なうおそれのある重大な事態である。
一方で、従来のファイバードラムは蓋体と胴体の外周面が面一であるうえ、これらの合わせ目に比較的薄手の粘着テープが貼着されるだけなので、ドラム取扱い時に手掛かりがなくハンドリングし辛いものであった。
【0005】
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであって、胴体から蓋体が開封されたことを周囲に気付かせることができ、かつ、ドラムハンドリングのしやすいファイバードラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係るファイバードラムは、有底筒状に形成された紙製の胴体と、胴体の上面開口を開閉可能に蓋止する紙製の蓋体とを備えるファイバードラムであって、蓋体の外周面に筒径方向外向きに突出した蓋側突部を設け、胴体の上面開口を蓋止したときの蓋体の蓋側突部と上下対面する位置の胴体外周面に、筒径方向外向きに突出した胴側突部を設け、上下対面した蓋側突部と胴側突部とに、該蓋側突部および胴側突部を一連に上下貫通する封印孔をそれぞれ設けた構成にしてある。
【0007】
また、前記構成において、蓋側突部が蓋体の周方向全周にわたって連続する周回鍔状に形成され、および/または、胴側突部が胴体の周方向全周にわたって連続する周回鍔状に形成されているものである。
【0008】
そして、前記した各構成において、蓋側突部の封印孔および胴側突部の封印孔に挿通される封印部材が、両封印孔に挿通されたときに蓋側突部および胴側突部の最外周面よりも筒径方向の内方に収まる棒状体に形成されているものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るファイバードラムによれば、蓋側突部と胴側突部の両封印孔に一連に挿通した封印部材により胴体と蓋体が封印されるので、封印部材を破断して封印を解かなければ、蓋体を胴体から開けることができない。従って、蓋体が開けられたか否かは封印部材の状態により周囲の取扱者に気付かせることができる。これにより、ファイバードラムの内容が変えられたことに気付かず、そのまま客先に納品するといった事態を未然に防ぐことができる。また、蓋側突部および胴側突部は手を掛ける把手の役目も果たすので、ファイバードラムを楽に取り扱うことができる。
【0010】
また、蓋側突部および/または胴側突部が周回鍔状に形成されている場合は、
蓋側突部および胴側突部が蓋体および胴体の補強材の役目も果たすので、ドラム径方向の耐圧力が大きくなる。従って、複数のファイバードラムを上下段積みした時も、蓋体および胴体が拡径しにくくなり、荷崩れの防止に寄与する。
【0011】
そして、蓋側突部の封印孔および胴側突部の封印孔に挿通される封印部材が所定寸法の棒状体に形成されている場合は、封印部材が両封印孔に挿通されたときに蓋側突部および胴側突部の最外周面よりも筒径方向の内方に収まるので、蓋側突部および胴側突部の最外周面に粘着テープを貼っても両封印孔の近傍部分で膨らむといったことがない。従って、粘着テープによるシール性が損なわれることがなく見栄えもよい。また、運送時に隣のファイバードラムの外周面を傷つけるといったことがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の最良の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下に述べる実施形態は本発明を具体化した一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものでない。ここに、図1は本発明の一実施形態に係るファイバードラムの胴体と蓋体を分離した状態を示す外観図、図2は前記ファイバードラムの一部断面を含む正面図、図3は前記ファイバードラムの半分を省略した平面図、図4は図3における円A内の拡大図である。
各図において、この実施形態に係るファイバードラム1は、有底円筒状の胴体3と、胴体3の上面開口4を開閉可能に蓋止する蓋体6とを備えている。図中、符号Cは胴体3および蓋体6の筒心である。
【0013】
胴体3は一面に接着剤が塗布されたシート状紙材を幾層にも巻回して円筒状に形成されており、その下端は底板部2で封止されている。胴体3の上面開口4の周縁には、蓋体6を冠着するための絞り部5が形成されている。蓋体6も胴体3と同様、一面に接着剤が塗布されたシート状紙材を幾層にも巻回して円筒状に形成されており、その上端は天板部7で封止されている。この蓋体6を胴体3の絞り部5に冠着することにより、胴体3の上面開口4が蓋止される。この場合、絞り部5が設けられていることにより、蓋体6の外周面8と胴体3の外周面13が面一となるようにされている。
【0014】
蓋体6の外周面8の下端部には、外周面8から筒径方向外向きに突出した蓋側突部9が設けられている。胴体3の外周面13には、筒径方向外向きに突出した胴側突部10が設けられている。この胴側突部10は、胴体3の上面開口4を蓋止したときの蓋体6の蓋側突部9と上下対面し、且つ、蓋側突部9の下面が胴側突部10の上面に密接・載置される位置に配置されている。蓋側突部9は蓋体6の筒周方向全周にわたって連続する周回鍔状に形成されており、胴側突部10も胴体3の筒周方向全周にわたって連続する周回鍔状に形成されている。これらの蓋側突部9と胴側突部10は、一面に接着剤が塗布されたシート状紙材を蓋体6と胴体3の外周面に幾層にも巻回して形成される。蓋側突部9はその筒周方向に2ヶ所の封印孔11,11がそれぞれ上下貫通して穿設されている。そして、蓋側突部9と胴側突部10とが上下対面したときに蓋側突部9の封印孔11,11と合致して連通する位置の胴側突部10に、それぞれ上下貫通する封印孔12,12が穿設されている。すなわち、各封印孔11と各封印孔12とは一連に上下連通するように配置されている。
【0015】
上記した構成のファイバードラム1においては、胴体3内に商品が収容され、胴体3の絞り部5に蓋体6が冠着されて上面開口4が蓋止される。このとき、蓋体6の下端面が胴体3の絞り部5の下部で支持される。同時に、蓋体6の蓋側突部9が胴体3の胴側突部10上に載置、支持される。そうして、蓋体6を筒周方向に回して位置を調整し、蓋側突部9の封印孔11と胴側突部10の封印孔12とを筒心C方向(この例では上下方向)に一連に連通させる。この状態で金属線製の封印部材14を封印孔11および封印孔12に通したのち、封印部材14の両端を重ねて封印鉛15で潰止する(図2参照)。かかる作業は周方向2ヶ所の封印孔11,12についてそれぞれ行なわれる。これにより、ファイバードラム1の封印作業が完了する。その後、蓋側突部9と胴側突部10の合わせ目を含む最外周面16,25に全周にわたって粘着テープ(図示省略)を貼ることにより、ファイバードラム1が密封されるのである。
【0016】
上記したように、このファイバードラム1によれば、胴体3と蓋体6が封印部材14および封印鉛15により封印されているので、胴体3から蓋体6を開けようとすると、封印部材14または封印鉛15を破断して封印を解かなければならない。従って、封印部材14または封印鉛15が破断していて封印が解かれていれば、蓋体6が開けられて商品内容が変えられたおそれがあるとして、取扱者に気付かせることができる。これにより、ファイバードラム1の商品内容が変えられたことに気付かず、そのまま客先に納品するといった事態が回避されるのである。
【0017】
また、蓋側突部9および胴側突部10は手を掛ける把手の役目も果たすので、ファイバードラム1のハンドリングがしやすくなる。また、周回鍔状に形成された蓋側突部9および胴側突部10は蓋体6および胴体3の開口部近傍位置の補強材の役目も果たすので、径方向の耐圧力が大きくなる。従って、複数のファイバードラム1,1を上下段積みした場合でも、蓋体6および胴体3の開口部が拡がらず荷崩れしにくくなる。
【0018】
尚、上記の実施形態では、封印部材14および封印鉛15をドラムの封印に使用したが、本発明では、金属線の封印部材14および封印鉛15に替え、汎用のインシュロックを封印部材として用いることも可能である。このインシュロックは、所要の幅と長さを備えた可撓性帯状本体の一端に係止孔が形成されており、この係止孔に挿通係止させるために可撓性帯状本体の一面にその長手方向に沿って所定ピッチで係止突起が形成されていて、可撓性帯状本体を封印孔11および封印孔12に通して蓋側突部9および胴側突部10にル−プ状に巻付けたのち所要の係止突起を係止孔に係止させることにより、蓋側突部9と胴側突部10を結束するように構成されている。
【0019】
ところで、上記の実施形態において、封印に用いた、封印部材14および封印鉛15またはインシュロックは、蓋側突部9および胴側突部10に巻き付けられるので、それらの巻き付け部分は必ず蓋側突部9の最外周面16や胴側突部10の最外周面25よりも外方に突出している。そのために、粘着テープを貼った場合には前記突出位置で粘着テープが膨れてしまう。これにより、粘着テープによるシール性が低下したり、見栄えを損なったり、運送時の荷締め付けによって隣のファイバードラムの外周面を傷つけることがあり、ドラム交換や返品を受けるおそれがある。
【0020】
このような場合、図5に示すような封印部材17を使用するとよい。この封印部材17はステンレス鋼や高強度合成樹脂などから成る棒状体であって、直線棒状の胴部18と、胴部18の上端に形成されていて封印孔11よりも大径の頭部19と、胴部18の下端に形成されていて突起先端が封印孔12よりも大径である抜け止め突起20とからなっている。前記の頭部19および抜け止め突起20は、封印部材17が両封印孔11,12に挿通されたときに蓋側突部9の最外周面16および胴側突部10の最外周面25よりも筒径方向の内方に収まる幅寸法に形成されている。封印部材17は蓋側突部9の封印孔11および胴側突部10の封印孔12に一連に挿通され、抜け止め突起20が封印孔12から抜け出たのちに拡がって胴側突部10の下面に抜け止め係止される。これにより、蓋体6と胴体3とが封印されるのである。因みに、蓋側突部9および胴側突部10の径方向の厚さWが約8mmである場合、封印孔11,12の孔径は約5mmにしてある。
【0021】
この封印部材17で封印すると、封印部材17のいずれの部分も蓋側突部9および胴側突部10の最外周面16,25から横に突出していないので、合わせ目に貼った粘着テープは蓋側突部9および胴側突部10の最外周面16,25で全周にわたって平坦になることからシール性が増す。また、トラックの荷台にファイバードラム1を積んで運搬する際に荷締め付け作業をしたときも、隣のドラムの外面を傷つけにくい。そのうえ、封印作業とテープ貼着作業のどちらを先に行ってもよいので、作業段取りの融通をつけやすいという利点もある。
【0022】
一方で、図6および図7に示すように、シート状紙材を巻いて蓋側突部9および胴側突部10を形成する際の接着剤固化前に、封印孔11a,12aの形成目標位置の両側で蓋側突部9および胴側突部10を蓋体6および胴体3に向けて(矢印22方向)プレス絞りすることにより、プレスされない部分が外向きに膨出した膨出部21,23が得られる。かかる膨出部21,23の形成過程で封印孔11a,12aが形成される。
これらの封印孔11aおよび封印孔12aは既述した封印孔11および封印孔12よりも大径に形成することができる。従って、封印孔11a,12aに挿入される封印部材17aの胴部18a、頭部19a、および抜け止め突起20aは、既述の封印部材17よりも大きく強度の高いものを用いることができる。この封印部材17aに関しても、封印孔11b,12bに挿通されたときにいずれの部分も蓋側突部9および胴側突部10の最外周面16,25から外方へ突出しないように構成するとよい。
【0023】
更には、図8および図9に示すように、蓋側突部9と胴側突部10における蓋体6と胴体3に隣接する部分を切り欠いて、上下連通する封印孔11b,封印孔12bを形成することも可能である。これらの封印孔11b,封印孔12bは、蓋体6および胴体3の周方向に幅広く形成することができる。これに伴って、封印孔11b,12bに挿入される封印部材17bは、その胴部18b、頭部19b、および抜け止め突起20bが既述の封印部材17,17aよりも幅広いものを用いることができる。この封印部材17bについても、封印孔11b,12bに挿通されたときにいずれの部分も蓋側突部9および胴側突部10の最外周面16,25から外方へ突出しないように構成しておくことが望ましい。
【0024】
そして、本発明は、図10に示すように、胴体3aに絞り部5がなく、蓋体6の外周面8と胴体3aの外周面13aとが面一でなく、蓋体6が胴体3aの上面開口4aを被って外周面13aに冠着される構造のファイバードラム1aにも適用可能である。この場合も、既述したファイバードラム1と同じ蓋体6を用いてある。また、胴体3a上部の外周面13aには、紙材製の外巻部24が形成されている。外巻部24の外周面には上記と同様に封印孔12を有する胴側突部10が設けられている。蓋体6の外周面8の下端部には上記と同様に封印孔11を有する蓋側突部9が設けられており、蓋側突部9は胴側突部10の上面に載置されるようになっている。
このファイバードラム1aでは、蓋体6の下端面が外巻部24の上面に載置されて確りと支持されているので、蓋体6と胴体3aに対し蓋側突部9と胴側突部10を上下離間して配置することが可能である。その場合に、ファイバードラム1aの上に別のファイバードラムを段積みしても、胴体3aの上部が変形することはない。
【0025】
また、上記した各実施形態では、蓋体6および胴体3,3aの周方向全周にわたって連続する周回鍔状の蓋側突部9および胴側突部10を例示したが、本発明の蓋側突部および胴側突部は周回鍔状に限るものでない。すなわち、図11に示すファイバードラム1bのように、蓋体6の外周面に4つの蓋側突部9a,9a,9a,9aを筒周方向に適宜離間して設けたものも本発明に含まれる。各蓋側突部9aには封印孔11がそれぞれ形成されている。図11では蓋側突部9a,9a,9a,9aに隠れて見えないが、蓋側突部9a,9a,9a,9aの下方位置における胴体3,3aの外周面13,13aに、封印孔を有する胴側突部がそれぞれ設けられている。各蓋側突部9a、およびこれと対をなす胴側突部は、蓋体6の外周面8と胴体3,3aの外周面13,13aにシート状紙材を積層して形成される。尚、蓋側突部9aと胴側突部の設置数は4対に限らず、1〜3対、あるいは5対以上であっても構わない。
【0026】
そして、本発明では、蓋側突部が蓋体の筒周方向全周にわたって連続する周回鍔状に形成され、複数の胴側突部が胴体の外周面に筒周方向に適宜離間して設けられてよい。あるいは、胴側突部が胴体の筒周方向全周にわたって連続する周回鍔状に形成され、複数の蓋側突部が蓋体の外周面に筒周方向に適宜離間して設けられても構わない。また、上記では蓋側突部および胴側突部を紙材で構成した結果、封印部材および粘着テープ以外の、ファイバードラム全体が紙材で構成されているため、素材別の分別収集が実施されている現在、用済み後はドラム全体を紙材の廃棄物としてそのまま処分することができる。他方で、本発明には、蓋側突部および/または胴側突部を合成樹脂で形成したものも含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施形態に係るファイバードラムの胴体と蓋体を分離した状態を示す外観図である。
【図2】前記ファイバードラムの一部断面を含む正面図である。
【図3】前記ファイバードラムの半分を省略した平面図である。
【図4】図3における円A内の拡大図である。
【図5】前記ファイバードラムを棒状の封印部材で封印する態様を示す部分態様図である。
【図6】図3における円A内に対応した別の態様の拡大図である。
【図7】前記別の態様に係るファイバードラムを棒状の封印部材で封印する態様を示す部分態様図である。
【図8】図3における円A内に対応した更に別の態様の拡大図である。
【図9】前記更に別の態様に係るファイバードラムを棒状の封印部材で封印する態様を示す部分態様図である。
【図10】本発明の他の実施形態に係るファイバードラムの一部断面を含む正面図である。
【図11】本発明の更に他の実施形態に係るファイバードラムの平面図である。
【符号の説明】
【0028】
1,1a,1b ファイバードラム
2 底板部
3,3a 胴体
4,4a 上面開口
6 蓋体
8 外周面
9,9a 蓋側突部
10 胴側突部
11,11a,11b 封印孔
12,12a,12b 封印孔
13,13a 外周面
14 封印部材
16,25 最外周面
17,17a,17b 封印部材
C 筒心
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有底筒状に形成された紙製の胴体と、胴体の上面開口を開閉可能に蓋止する紙製の蓋体とを備えるファイバードラムであって、蓋体の外周面に筒径方向外向きに突出した蓋側突部を設け、胴体の上面開口を蓋止したときの蓋体の蓋側突部と上下対面する位置の胴体外周面に、筒径方向外向きに突出した胴側突部を設け、上下対面した蓋側突部と胴側突部とに、該蓋側突部および胴側突部を一連に上下貫通する封印孔をそれぞれ設けたことを特徴とするファイバードラム。
【請求項2】
蓋側突部が蓋体の周方向全周にわたって連続する周回鍔状に形成され、および/または、胴側突部が胴体の周方向全周にわたって連続する周回鍔状に形成されている請求項1に記載のファイバードラム。
【請求項3】
蓋側突部の封印孔および胴側突部の封印孔に挿通される封印部材が、両封印孔に挿通されたときに蓋側突部および胴側突部の最外周面よりも筒径方向の内方に収まる棒状体に形成されている請求項1または請求項2に記載のファイバードラム。
【請求項1】
有底筒状に形成された紙製の胴体と、胴体の上面開口を開閉可能に蓋止する紙製の蓋体とを備えるファイバードラムであって、蓋体の外周面に筒径方向外向きに突出した蓋側突部を設け、胴体の上面開口を蓋止したときの蓋体の蓋側突部と上下対面する位置の胴体外周面に、筒径方向外向きに突出した胴側突部を設け、上下対面した蓋側突部と胴側突部とに、該蓋側突部および胴側突部を一連に上下貫通する封印孔をそれぞれ設けたことを特徴とするファイバードラム。
【請求項2】
蓋側突部が蓋体の周方向全周にわたって連続する周回鍔状に形成され、および/または、胴側突部が胴体の周方向全周にわたって連続する周回鍔状に形成されている請求項1に記載のファイバードラム。
【請求項3】
蓋側突部の封印孔および胴側突部の封印孔に挿通される封印部材が、両封印孔に挿通されたときに蓋側突部および胴側突部の最外周面よりも筒径方向の内方に収まる棒状体に形成されている請求項1または請求項2に記載のファイバードラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−76706(P2007−76706A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−268432(P2005−268432)
【出願日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(592001506)太陽シールパック株式会社 (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(592001506)太陽シールパック株式会社 (2)
【Fターム(参考)】
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