説明

ファイバ型狭帯域波長選択フィルタ

【課題】低損失であって、複数の狭帯域信号を選択的に透過させることができるとともに、設計の自由度が高いファイバ型狭帯域波長選択フィルタを提供する。
【解決手段】複数の狭帯域信号を選択的に透過させるファイバ型ファブリーペローエタロンと、このファイバ型ファブリーペローエタロンで選択された信号のうち不要な信号を選択的に遮断するファイバグレーティングとを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、任意の波長の狭帯域信号を選択的に透過させるファイバ型狭帯域波長選択フィルタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
光ファイバ通信において、ある波長範囲に複数の信号があり、特定の信号のみを透過させる場合、誘電体多層膜フィルタやファブリーペローエタロン、ファイバグレーティングなどの波長フィルタが用いられている。特に、信号の波長帯域が0.1nm以下と狭い場合にはファブリーペローエタロンが用いられているが、空間結合させる必要があり、損失や組み立てコストに関して実用上の課題があった。これらの課題を解決する手段として、下記非特許文献1に開示されているファイバ型ファブリーペローエタロンが利用されている。
【0003】
【非特許文献1】電子情報通信学会 「2005総合大会講演論文集」p.216 2005年3月7日発行
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、非特許文献1のファイバ型ファブリーペローエタロンは、透過波長間隔が一定であるため、特定の信号のみを透過させる場合、複数のファイバ型ファブリーペローエタロンを組み合わせる必要があり、特定の信号のみを透過するフィルタとしては、設計の自由度が低いという問題があった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、低損失であって、複数の狭帯域信号を選択的に透過させることができるとともに、設計の自由度が高いファイバ型狭帯域波長選択フィルタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のファイバ型狭帯域波長選択フィルタは、複数の狭帯域信号を選択的に透過させるファイバ型ファブリーペローエタロンと、前記ファイバ型ファブリーペローエタロンで選択された信号のうち不要な信号を選択的に遮断するファイバグレーティングとを備えている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、低損失であって、複数の狭帯域信号を選択的に透過させることができるとともに、設計の自由度が高いファイバ型狭帯域波長選択フィルタを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るファイバ型狭帯域波長選択フィルタを説明する。本実施形態のファイバ型狭帯域波長選択フィルタは、複数の狭帯域信号を選択的に透過させるファイバ型ファブリーペローエタロンと、このファイバ型ファブリーペローエタロンで選択された信号のうち不要な信号を選択的に遮断するファイバグレーティングとを備えている。
【0009】
ファイバ型ファブリーペローエタロンは、透過型の狭帯域波長フィルタである。このファイバ型ファブリーペローエタロンは、例えば、円筒状の結晶化ガラス母材の中心軸に、シングルモード光ファイバを挿入しながら母材を加熱延伸し、光ファイバを結晶化ガラス内部に融着させることによって作製することができる。
【0010】
ファイバグレーティングは、光ファイバに紫外線を照射すると屈折率が上昇する光誘起屈折率変化という現象を利用したものであり、その周期に対応した特定の波長のみを反射(遮断)するデバイスである。このファイバグレーティングの形成は、側面から照射された紫外線による干渉縞を石英などからなる光ファイバに形成し、その干渉縞のパターンを光誘起屈折率変化によって光ファイバ中に書き込むことによって行うが、二光束干渉法によるもの、フェーズマスク法によるものがある。
【0011】
二光束干渉法とは、図1に示すように、紫外線などの所定波長の照射光12をビームスプリッタ13で二方向に分け、それぞれをミラー14、15で反射させ光ファイバのコア11に照射し、光の干渉により干渉縞16を形成し、周期的な屈折率変化を与える方法である。光源にはコヒーレンスの高いレーザなどの照射光12が必要であるが、照射光12の入射角を変えることで任意の反射波長のファイバグレーティングを作製できるため、フェーズマスク法に比べ作製の自由度は高い。
【0012】
フェーズマスク法とは、例えば、図2に示すように、干渉縞21の2倍の周期で溝22からなる回折格子を形成したフェーズマスク(位相マスク)23を介して、紫外線などの所定波長の照射光24を光ファイバのコア25に照射することによって、干渉光24aを発生させ、干渉パターンを形成する方法である。なお、この方法では、グレーティングの周期に応じた複数のフェーズマスクが必要となり、二光束干渉法と比べるとコスト的に不利ではあるが、安定した特性が得られ、量産性に優れていることから、利用されることが多い。
【0013】
これらの方法により、ファイバ長手方向に周期が一定なユニフォームグレーティングと呼ばれるピークが鋭い波長特性を有するもの(図1、図2の光ファイバのコア11、254の場合)や、長手方向に周期が変化しているチャープトグレーティングと呼ばれる広帯域な波形が得られるもの(図3の干渉縞31を有する光ファイバのコア32)などいろいろな種類のグレーティングを形成できる。
【実施例】
【0014】
次に、本発明の実施例に係るファイバ型狭帯域波長選択フィルタについて、図を用いて説明する。
【0015】
本発明に係る実施例で用いたファイバ型ファブリーペローエタロンは、日本電気硝子(株)製のもの(上記非特許文献1に記載のFIX−FFPEと同様のもの)である。図4に、このファイバ型ファブリーペローエタロンにおける透過スペクトルの波形のグラフを示す。このグラフから、低損失で複数の狭帯域信号を選択的に透過できていることがわかる。
【0016】
本発明に係る実施例で用いたファイバグレーティングは、特開2005−181980号公報の実施例1において開示されているものを用いた。図5に、本実施例で用いたファイバグレーティングにおける反射スペクトルの波形のグラフを示す。
【0017】
図6は、本発明の実施例に係るファイバ型狭帯域波長選択フィルタのスペクトルを示したグラフである。この図6のグラフは、図4におけるファイバ型ファブリーペローエタロンの透過スペクトルと、図5におけるファイバグレーティングの反射スペクトルとを合成したものと同様となっている。したがって、低損失のまま、ファイバ型ファブリーペローエタロンを倒壊した信号の中でも特定の信号を選択して透過できていることがわかる。
【0018】
なお、本発明は、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で設計変更できるものであり、上記実施形態や実施例に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】ファイバグレーティングの形成方法の二光束干渉法を説明するための図である。
【図2】ファイバグレーティングの形成方法のフェーズマスク法を説明するための図である。
【図3】二光束干渉法又はフェーズマスク法で形成したチャープトグレーティングを示す図である。
【図4】本発明の実施例で用いたファイバ型ファブリーペローエタロンにおける透過スペクトルの波形を示すグラフである。
【図5】図1のグラフと、本発明の実施例で用いたファイバグレーティングにおける反射スペクトルの波形を示すグラフである。
【図6】本発明の実施例に係るファイバ型狭帯域波長選択フィルタのスペクトルの波形を示すグラフである。
【符号の説明】
【0020】
11、25、32 コア
12、24 照射光
13 ビームスプリッタ
14、15 ミラー
16、21、31 干渉縞
22 溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の狭帯域信号を選択的に透過させるファイバ型ファブリーペローエタロンと、
前記ファイバ型ファブリーペローエタロンで選択された信号のうち不要な信号を選択的に遮断するファイバグレーティングとを備えていることを特徴とするファイバ型狭帯域波長選択フィルタ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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