説明

ファイルダウンロード方法および移動通信ネットワークシステムならびに基地局装置

【課題】
基地局の数が増加した場合であっても、保守監視卓から基地局に対してプログラムを効率よくダウンロードする。
【解決手段】
無線基地局(BTS)10の数が増加して1台の移動通信保守監視卓(OMC)30に接続できる許容数を超えた場合、BTSを、OMC30に論理的に直接接続されるBTS10とこのBTSの配下に配置される子無線基地局(S−BTS)20とに分類し、BTS10とS−BTS20とを階層的に接続するように移動通信ネットワークシステムを構成する。このように構成されるシステムにおいて、OMC30は、接続できるBTSを超える台数のBTS10を実質的に接続し、S−BTS20を認識することなくBTS10のみを認識し、BTS10からのプログラムのバージョン報告を受けて、OMC30からBTS10およびS−BTS20が動作するためのプログラムをBTS10にダウンロードする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファイルダウンロード方法および移動通信ネットワークシステムならびに基地局装置に関し、特に通信回線を介してセンタ側から基地局装置へファイルをダウンロードする方法および複数台の基地局装置を含む移動通信ネットワークシステムならびに基地局装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の携帯電話の普及により、無線基地局(以下、BTSという)の数は、増加の一途をたどっている。例えば、地下鉄のホーム、地下街、および公共性の高いビル等においても、携帯電話の使用頻度が高まっており、それに伴い通話品質向上のため無線基地局の数の増加に拍車がかかっている。このような携帯電話の需要増と共に、BTSには機能追加/変更が要求され、これに対応するため、移動通信保守監視卓(以下、OMCという)からのプログラム等のファイルのダウンロード機能によって、BTSの機能追加/変更が実現されている。すなわち、図8に示すように、OMC200と論理的に直接接続されるBTS100〜10Nは、OMC200から運用のためのファイルをダウンロードするように構成される。また、図9は、図8の構成をさらに模式的に示す図であり、OMCにBTS#0〜#11が論理的に接続されている様子を表す。
【0003】
以上のような移動通信ネットワークシステムにおけるファイルダウンロード方法においては、バージョンの管理が重要となる。すなわち、複数のBTSにあっては、設置時期や運用環境等に応じて種々のバージョンのプログラム等が存在することがありうる。そこで新たなプログラム等のファイルをダウンロードするにあたり、適切にバージョンのチェックがなされる必要がある。
【0004】
このようなバージョンのチェックを行うプログラムダウンロード方式の例が、特許文献1に開示されている。このダウンロード方式は、プログラムを保持している中央局と、中央局と通信回線で接続され、中央局からダウンロードされたプログラムを保持し、このプログラムに基づいて処理を行う複数の基地局からなり、中央局が保持するプログラムのバージョンと基地局が保持するプログラムのバージョンが異なる場合に、中央局が保持しているプログラムを基地局へダウンロードする方式である。基地局は、所定のときにプログラムのバージョンデータを中央局に問い合わせ、中央局で保持しているバージョンデータと基地局で保持しているバージョンデータとを比較するバージョンチェック処理手段と、バージョンデータが不一致のときプログラムのダウンロード要求を中央局に送出するダウンロード制御処理手段とを有するものである。
【0005】
また、特許文献2には、特別な設備が不要で、短時間で多くの無線基地局のプログラムを容易に更新することができる無線基地局のプログラムダウンロード方式が開示されている。この方式において、構内交換機は、管理無線基地局を、プログラムが更新されていない無線基地局に順次接続する。管理無線基地局は、無線基地局に自身に記憶されている新たなプログラムを送信する。無線基地局は、受信したプログラムで自身のプログラムを更新する。また、構内交換機は、プログラム書き換えの終わった無線基地局をマスタCSとし、マスタCSから未更新の無線基地局へプログラムをダウンロードさせることで、全無線基地局へのダウンロードを短時間で完了させるものである。
【0006】
【特許文献1】特開平8−6770号公報 (図2、図3)
【特許文献2】特開2000−188769号公報 (図1、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一般に1台のOMCに接続できるBTSの台数には制限がある。このため、BTSの数が増加するとそれに応じてOMCの数も増加させる必要がある。また、図8および図9に示すように、OMCとBTSとは、論理的には直接接続する必要がある。例えば、1台のOMCに100台のBTSが接続できたとする。ある地区に100台のBTSが設置されていた場合は、1台のOMCを配置すればよかった。しかし、BTSの台数が500台に増加した場合、5台のOMCが必要になる。OMCが配置されるオペレーションセンタでは、この場合OMCが1台から5台に増えてしまうことになる。5台のOMCに地区内のBTSの管理が分散されることにより、オペレーションを担当する人員の負荷を増加させると共に、同一の制御を地区内のBTSに実行する場合などにおいて、人為的あるいはシステム上の抜けなどのミスを増加させることになっていた。
【0008】
従来、中央局が保持しているプログラムを基地局へダウンロードする方式は、知られている。しかしながら、基地局に相当するBTSの数が増加した場合であっても、既存のインタフェースをほとんど変更することなく、中央局に相当するOMCからBTSに対してプログラム等のファイルを効率よくダウンロードする方法および移動通信ネットワークシステムは、知られていなかった。
【0009】
したがって、本発明の目的は、BTSの数が増加した場合であっても、既存のインタフェースをほとんど変更することなく、OMCからBTSに対してプログラム等のファイルを効率よくダウンロードする方法および移動通信ネットワークシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために、本発明に係るファイルダウンロード方法は、第1のアスペクトによれば、通信回線を介して中央局装置から基地局装置へ基地局装置の運用ファイルをダウンロードする方法である。この方法は、基地局装置に接続される副基地局装置が起動時の運用ファイルの第1のバージョン情報を基地局装置に通知するステップと、基地局装置が受け取った第1のバージョン情報と共に基地局装置の起動時の運用ファイルの第2のバージョン情報を基地局装置が中央局装置に通知するステップと、を含む。また、中央局装置が、受け取った第1のバージョン情報および第2のバージョン情報がそれぞれ最新のバージョン情報であるか否かを判定するステップと、第1のバージョン情報および第2のバージョン情報の少なくとも一つが最新のバージョン情報でないと判定した場合に、最新のバージョン情報の運用ファイルを基地局装置にダウンロードするステップと、を含む。
【0011】
第1の展開形態のファイルダウンロード方法において、中央局装置からダウンロードされた最新のバージョン情報の運用ファイルを基地局装置が副基地局装置にダウンロードするステップと、最新のバージョン情報の運用ファイルを基地局装置からダウンロードされた副基地局装置は、最新のバージョン情報が第1のバージョン情報であるか否かを判定するステップと、判定の結果、最新のバージョン情報が第1のバージョン情報でない場合には、副基地局装置は、ダウンロードされた最新のバージョン情報の運用ファイルによって副基地局装置の運用開始を行うステップと、をさらに含んでもよい。
【0012】
第2の展開形態のファイルダウンロード方法において、基地局装置が副基地局装置から受け取った第1のバージョン情報を記憶するステップと、中央局装置からダウンロードされた最新のバージョン情報の運用ファイルが第1のバージョン情報であるか否かを基地局装置が判定するステップと、をさらに含み、判定の結果、最新のバージョン情報が第1のバージョン情報でない場合には、基地局装置は、中央局装置からダウンロードされた最新のバージョン情報の運用ファイルを副基地局装置にダウンロードするようにしてもよい。
【0013】
第3の展開形態のファイルダウンロード方法において、判定の結果、最新のバージョン情報が第1のバージョン情報である場合に、基地局装置は、副基地局装置に起動許可信号を通知するようにしてもよい。
【0014】
本発明に係る移動通信ネットワークシステムは、第2のアスペクトによれば、基地局装置および副基地局装置の運用ファイルのバージョンを管理し、基地局装置と論理的に直接接続して基地局装置から受け取るバージョン報告と、バージョンの管理内容とに基づいて基地局装置に対して運用ファイルをダウンロードする中央局装置と、を含む。また、副基地局装置に接続し、中央局装置からダウンロードされる運用ファイルを副基地局装置にダウンロードする基地局装置を含む。さらに、基地局装置に接続する副基地局装置を含む。
【0015】
第1の展開形態の移動通信ネットワークシステムにおいて、副基地局装置は、起動時に運用ファイルの第1のバージョン情報を基地局装置に通知する手段を備え、基地局装置は、受け取った第1のバージョン情報と共に基地局装置の起動時の運用ファイルの第2のバージョン情報をバージョン報告として中央局装置に通知する手段を備え、中央局装置は、受け取ったバージョン報告中のバージョン情報がそれぞれ最新のバージョン情報であるか否かを判定する手段と、バージョン報告中のバージョン情報の少なくとも一つが最新のバージョン情報でないと判定した場合に、最新のバージョン情報の運用ファイルを基地局装置にダウンロードする手段と、を備えるようにしてもよい。
【0016】
第2の展開形態の移動通信ネットワークシステムにおいて、基地局装置は、中央局装置からダウンロードされる最新のバージョン情報の運用ファイルを副基地局装置にダウンロードする手段をさらに備え、副基地局装置は、基地局装置からダウンロードされる運用ファイルの最新のバージョン情報が第1のバージョン情報であるか否かを判定する手段と、判定の結果、最新のバージョン情報が第1のバージョン情報でない場合には、ダウンロードされる最新のバージョン情報の運用ファイルによって副基地局装置の運用開始を行う手段と、をさらに備えてもよい。
【0017】
第3の展開形態の移動通信ネットワークシステムにおいて、基地局装置は、副基地局装置から受け取った第1のバージョン情報を記憶する手段と、中央局装置からダウンロードされる最新のバージョン情報の運用ファイルが第1のバージョン情報であるか否かを判定する手段と、判定の結果、最新のバージョン情報が第1のバージョン情報でない場合には、中央局装置からダウンロードされる最新のバージョン情報の運用ファイルを副基地局装置にダウンロードする手段と、をさらに備えてもよい。
【0018】
第4の展開形態の移動通信ネットワークシステムにおいて、判定の結果、最新のバージョン情報が第1のバージョン情報である場合に、基地局装置は、副基地局装置に起動許可信号を通知するようにしてもよい。
【0019】
第5の展開形態の移動通信ネットワークシステムにおいて、副基地局装置は、副基地局装置での運用ファイルを保持する第1のファイル保持部と、起動時にファイル保持部に保持してある運用ファイルの第1のバージョン情報を基地局装置に通知し、基地局装置からサービスの運用開始に関わる運用ファイルについての情報を受け取るように制御する第1の制御部と、を備え、基地局装置は、基地局装置での運用ファイルを保持する第2のファイル保持部と、第2のファイル保持部に保持してある運用ファイルと中央局装置からダウンロードされる運用ファイルとのバージョンを比較する第1のバージョン比較部と、副基地局装置から第1のバージョン情報を受け取り、受け取った第1のバージョン情報を、ファイル保持部に保持してある運用ファイルの第2のバージョン情報と共にバージョン報告として中央局装置に送り、中央局装置からダウンロードされる運用ファイルを受け取り、中央局装置からダウンロードされる運用ファイルを必要に応じて副基地局装置にダウンロードするように制御する第2の制御部と、を備え、中央局装置は、運用ファイルと該運用ファイルのバージョンを管理するファイル管理部と、基地局装置から送られるバージョン報告中のバージョンとファイル管理部で管理されているバージョンとを比較する第2のバージョン比較部と、基地局装置からバージョン報告を受け取り、基地局装置に対してファイル管理部で管理している運用ファイルをダウンロードするように制御する第3の制御部と、を備えるようにしてもよい。
【0020】
本発明に係る基地局装置は、第3のアスペクトによれば、副基地局装置と接続し、副基地局装置の起動時の運用ファイルの第1のバージョン情報を受信する手段と、中央局装置と接続し、受信した第1のバージョン情報と共に基地局装置の起動時の運用ファイルの第2のバージョン情報をバージョン報告として通知する手段と、を備える。また、中央局装置からバージョン報告に基づいてダウンロードされる最新のバージョン情報の運用ファイルを受信する手段を備える。さらに、最新のバージョン情報の運用ファイルを必要に応じて副基地局装置にダウンロードする手段を備える。
【0021】
第1の展開形態の基地局装置において、副基地局装置から受け取った第1のバージョン情報を記憶する手段と、中央局装置からダウンロードされる最新のバージョン情報の運用ファイルが第1のバージョン情報であるか否かを判定する手段と、をさらに備え、判定の結果、最新のバージョン情報が第1のバージョン情報でない場合には、中央局装置からダウンロードされる最新のバージョン情報の運用ファイルを副基地局装置にダウンロードするようにしてもよい。
【0022】
第2の展開形態の基地局装置において、判定の結果、最新のバージョン情報が第1のバージョン情報である場合に、基地局装置は、副基地局装置に起動許可信号を通知するようにしてもよい。
【0023】
本発明に係る基地局装置は、第4のアスペクトによれば、運用ファイルを保持するファイル保持部と、ファイル保持部に保持してある運用ファイルと中央局装置からダウンロードされる運用ファイルとのバージョンを比較するバージョン比較部と、を備える。また、副基地局装置から第1のバージョン情報を受け取り、受け取った第1のバージョン情報を、ファイル保持部に保持してある運用ファイルの第2のバージョン情報と共にバージョン報告として中央局装置に送り、中央局装置からバージョン報告に基づいてダウンロードされる運用ファイルを受け取り、ダウンロードされる運用ファイルを必要に応じて副基地局装置にダウンロードするように制御する制御部を備える。
【発明の効果】
【0024】
本発明による第1の効果は、OMCがBTSに対してBTSの運用ファイルをダウンロードする際、OMCは、BTSの論理インタフェースをOMCに接続されたBTSの台数分持つ必要が無く、効率よくダウンロードを行うことができることである。言い換えれば、OMCが持つBTSとの論理インタフェースの数を超えるBTSに運用ファイルのダウンロードを実施することができると言うことである。その理由は、移動通信ネットワークシステムを運用するための機能を持ったBTSにおいて、運用ファイルのダウンロードを行う場合に、そのBTSをBTSとその配下に設置される子無線基地局(以下、S−BTSという)とに分け、BTSとS−BTSを階層的に接続し、OMCからダウンロードを行う場合、OMCは、S−BTSが接続されていることを認識する必要が無いからである。
【0025】
また、本発明による第2の効果は、OMCがBTSに対してBTSの運用ファイルをダウンロードする際、OMCが、OMCに接続されたすべてのBTSを管理する必要が無く、効率よくダウンロードを行うことができることである。その理由は、移動通信ネットワークシステムを運用するための機能を持ったBTSにおいて、ファイルダウンロードを行う場合に、そのBTSをBTSとその配下に設置されるS−BTSとに分け、BTSとS−BTSとを階層的に接続し、OMCからダウンロードを行う場合、OMCは、S−BTSが接続されていることを認識する必要が無いからである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の実施形態に係るファイルダウンロード方法は、OMC(図1の30)と、OMCと離れた位置に設置されたBTS(図1の10)とを含む移動通信ネットワークシステムにおいて実行され、OMCは、BTSが動作するための運用ファイルをダウンロードする。BTSの数が増加して1台のOMCに接続できる許容数を超えた場合、BTSを、OMCに論理的に直接接続されるBTSとこのBTSの配下に配置される子(あるいは副)無線基地局(S−BTS)(図1の20)とに分類し、BTSとS−BTSとを階層的に接続するように移動通信ネットワークシステムを構成する。このように構成されるシステムにおいて、OMCは、接続できるBTSを超える台数のBTSを実質的に接続し、S−BTSを認識することなくBTSのみを認識し、BTSから運用ファイルのバージョン報告を受けて、OMCからBTSおよびS−BTSが動作するための運用ファイルをBTSにダウンロードする。そして、BTSは、BTSとS−BTSとの通信によって必要に応じてS−BTSに対し運用ファイルをダウンロードする。このようなファイルダウンロード方法を実行することで、OMCの台数を増加させることなく、またBTSの移動通信システムを運用するための無線インタフェース機能をほとんど変更することなく、OMCは、BTSとS−BTSとに対して運用ファイルを効率よくダウンロードすることができる。
【実施例1】
【0027】
図1は、本発明の実施例に係る移動通信ネットワークシステムにおける接続構成を示す図である。図1において、移動通信ネットワークシステム(移動通信網)は、無線基地局(BTS)10、子無線基地局(S−BTS)20、基地局制御局(RNC)32、移動通信交換局(MSC)34、移動通信保守監視卓(OMC)30、及び移動通信端末装置(MS)36により構成される。
【0028】
BTS10は、RNC32からの制御信号によりRNC32からの音声及びデータ(非音声)信号を高周波信号に変換して空間に放射する。また、MS36が音声及びデータ(非音声)信号を高周波信号に変換して空間に放射した高周波信号を受信し、RNC32に送信する。一方、RNC32は、数十台のBTS10を配下に設置して制御する。また、MSC34により制御され、BTS10の無線回線を中心に制御する。さらに、MSC34は、数十台のRNC32と接続され、移動通信網の有線回線交換制御を行っている。
【0029】
OMC30は、MSC34、RNC32、BTS10およびS−BTS20の状態を常に監視し、各装置の状態を確認することができ、それら装置のリセットの実行等を遠隔から制御することが出来る。また、BTS10およびS−BTS20とMS36との間の高周波信号(無線)の状態を監視することが出来る。さらに、OMC30は、移動通信網内の各装置が各装置内に持つ運用のためのプログラム等を格納し、必要に応じて、各装置のプログラム等のファイルを各装置に対して遠隔からダウンロードすることが出来る。
【0030】
S−BTS20は、BTS10を経由するRNC32からの制御信号により、BTS10経由のRNC32からの音声及びデータ(非音声)信号を高周波信号に変換して空間に放射する。また、MS36が音声及びデータ(非音声)信号を高周波信号に変換して空間に放射した高周波信号を受信し、BTS10経由でRNC32に送信する。また、S−BTS20において、S−BTS20が動作するためのプログラム等は、OMC30からBTS10経由でダウンロードされる。
【0031】
図2は、OMC30、BTS10〜1NおよびS−BTS20〜2Mの接続構成を示す図である。上記で、OMC30は、MSC34、RNC32、BTS10およびS−BTS20の状態を監視制御したり、各装置のプログラム等を各装置へ遠隔でダウンロードすることが出来ることを説明したが、OMC30がBTS10およびS−BTS20に対して監視制御したり、BTS10およびS−BTS20のプログラムを遠隔でダウンロードする場合、OMC30とBTS10〜1NおよびS−BTS20〜2Mとは、図2に示すように論理的に直接接続される構成となる。また、1台のBTS10の配下には、複数台のS−BTS20〜2Mを接続する。なお、複数台のS−BTS20〜2Mを接続するBTS10は、移動通信ネットワークシステム内に複数含まれていても良い。図3は、図2の構成をさらに模式的に示す図であり、OMCにBTS#0、#1が接続され、BTS#0にはS−BTS#0〜#4が接続され、BTS#1にはS−BTS#5〜#9が接続されている。
【0032】
次に、OMC、BTSおよびS−BTSの構成について説明する。図4は、本発明の第1の実施例に係る移動通信ネットワークシステムの構成を表すブロック図である。図4では、移動通信ネットワークシステムが、無線基地局(BTS)10、子無線基地局(S−BTS)20、移動通信保守監視卓(OMC)30をそれぞれ1台備える構成の例を示す。
【0033】
まず、BTS10について説明する。BTS10は、制御部41、バージョン比較部42、ファイル保持部43、通信インタフェース部44を備え、これら各部は、バス45で接続される。制御部41は、ファイル保持部43に保持されるプログラムによりBTS10内の各部の制御を行う。また、移動通信端末装置(MS)との接続のための種々の機能を有するが、これは本発明に関わらない部分であり、その説明を省略する。
【0034】
バージョン比較部42は、予めファイル保持部43に保持されるプログラムとOMC30からダウンロードされるプログラムとのバージョンを比較する。
【0035】
ファイル保持部43は、F−ROM等のメモリから構成され、BTS10内の各部の制御を行うためのプログラムを保持する。ファイル保持部43に保持してあるプログラムとOMC30からダウンロードされるプログラムとのバージョンが異なる場合には、ダウンロードされたプログラムに入れ換えて保持する。
【0036】
通信インタフェース部44は、通信路46を介してOMC30との間で信号のやり取りおよびプログラムのダウンロードを行う。なお、通信路46は、物理的な通信路を意味するものではなく、BTS10とOMC30との間の論理的な通信路を意味する。また、通信インタフェース部44は、通信路47を介してS−BTS20との間で信号のやり取りおよびプログラムのダウンロードを行う。
【0037】
次に、S−BTS20について説明する。S−BTS20は、制御部51、バージョン比較部52、ファイル保持部53、通信インタフェース部54を備え、これら各部は、バス55で接続される。制御部51は、ファイル保持部53に保持されるプログラムによりS−BTS20内の各部の制御を行う。また、移動通信端末装置(MS)との接続のための種々の機能を有するが、これは本発明に関わらない部分であり、その説明を省略する。
【0038】
バージョン比較部52は、予めファイル保持部53に保持されるプログラムとBTS10からダウンロードされるプログラムとのバージョンを比較する。
【0039】
ファイル保持部53は、F−ROM等のメモリから構成され、S−BTS20内の各部の制御を行うためのプログラムを保持する。ファイル保持部53に保持してあるプログラムとBTS10からダウンロードされるプログラムとのバージョンが異なる場合に、ダウンロードされたプログラムに入れ換えて保持する。
【0040】
通信インタフェース部54は、通信路47を介してBTS10との間で信号のやり取りおよびプログラムのダウンロードを行う。
【0041】
さらに、OMC30について説明する。OMC30は、制御部61、バージョン比較部62、ファイル保持部63、ファイル管理部64、通信インタフェース部65を備え、これら各部は、バス66で接続される。
【0042】
制御部61は、ファイル保持部63に保持されるプログラムによりOMC30内の各部の制御を行う。また、基地局制御局、移動通信交換局、BTS10およびS−BTS20の状態を常に監視し、各装置の状態を確認し、それら装置のリセットの実行等を遠隔から制御する。また、BTS10およびS−BTS20と移動通信端末装置(MS)との間の高周波信号(無線)の状態を監視する等の機能を有するが、これは本発明に関わらない部分であり、その説明を省略する。
【0043】
バージョン比較部62は、予めファイル管理部64に保持されるプログラムとBTS10から報告されるプログラムとのバージョンを比較する。
【0044】
ファイル保持部63は、OMC30内の各部の制御を行うためのプログラムを保持する。
【0045】
ファイル管理部64は、配下にあるBTS10およびS−BTS20の保持するプログラムのバージョンおよび最新のバージョンのプログラムを保持し管理する。
【0046】
通信インタフェース部65は、通信路46を介してBTS10との間で信号のやり取りおよびプログラムのダウンロードを行う。
【0047】
次に、以上のように構成される移動通信ネットワークシステムの通信シーケンスについて説明する。図5は、本発明の第1の実施例に係るOMC、BTSおよびS−BTS間の通信シーケンスを表すフローチャートである。図5において、OMCに接続されるBTS#0は、S−BTS#0およびS−BTS#1をBTS#0の配下に接続し、プログラムをダウンロードする。なお、図5では、BTS#0およびS−BTS#1は、ダウンロードされるプログラムと同一の新プログラムを格納し、S−BTS#0は、ダウンロードされるプログラムと異なる旧プログラムを格納していると仮定して以下の説明を行う。
【0048】
始めに、ステップS10、S12、S15において、それぞれBTS#0、S−BTS#0、およびS−BTS#1は、電源が投入されると、BTS#0、S−BTS#0、およびS−BTS#1内に格納されたプログラムによりそれぞれ起動する(ステップS11、S13、S16)。BTS#0およびS−BTS#1は、新プログラムを格納しているので、新プログラムで起動し、S−BTS#0は、旧プログラムを格納しているので、旧プログラムで起動することになる。
【0049】
起動したS−BTS#0およびS−BTS#1は、BTS#0に対して起動に使用したプログラムのバージョン報告をそれぞれ送信する(ステップS14、S17)。また、起動したBTS#0は、S−BTS#0およびS−BTS#1からバージョン報告を受信し、さらにBTS#0自身の起動に使用したプログラムのバージョンを確認し、OMCに対して、BTS#0、S−BTS#0、およびS−BTS#1の各起動に使用したプログラムのバージョンを報告する(ステップS18)。
【0050】
BTS#0から送信されたバージョン報告を受信したOMCは、OMC内に格納されているBTSのプログラムとバージョン報告とによりBTS#0から報告されたプログラムのバージョンの比較を行う(ステップS19)。なお、OMCは、BTSの新プログラムをOMC内に格納しており、BTSが新プログラムで起動するべきものであると認識しているものとする。
【0051】
OMCは、バージョン比較の結果、バージョンが一致していれば、その旨をBTS#0に伝える(ステップS20。ただし、図5の例では、S−BTS#0のバージョンが違っているのでステップS20には進まない)。BTS#0は、サービスを開始する(ステップS21)。さらに、BTS#0は、不図示の起動許可信号をS−BTS#0およびS−BTS#1に伝え、S−BTS#0およびS−BTS#1は、サービスを開始する。
【0052】
OMCは、バージョン比較の結果、バージョンが不一致であれば(図5の例では、S−BTS#0のバージョンが違っている)、BTS#0に対してダウンロード開始信号を送信する(ステップS22)。ダウンロード開始信号を受信したBTS#0は、ダウンロード開始応答をOMCへ送信する(ステップS23)。
【0053】
BTSよりダウンロード開始応答を受信したOMCは、BTS#0に対してプログラムダウンロードを実行する(ステップS24)。BTS#0は、OMCよりプログラムダウンロードされたプログラムを受信してBTS#0内に格納し、プログラムの転送が終わると、プログラムダウンロード終了報告をOMCに対して送信する(ステップS25)。
【0054】
この後、BTS#0は、OMCより受信したプログラムをS−BTS#0へダウンロードし(ステップS26)、また、S−BTS#1へダウンロードする(ステップS27)。BTS#0は、OMCからダウンロードされたプログラムとBTS#0に格納され現在起動しているプログラムとのバージョン比較を実行する(ステップS28)。その結果、OMCからダウンロードされたプログラムと現在起動しているプログラムとのバージョンが一致しているためOMCからダウンロードされたプログラムを廃棄し(ステップS29)、サービスの運用を開始する(ステップS30)。
【0055】
S−BTS#1は、OMCからBTS#0経由でダウンロードされたプログラムとS−BTS#1に格納され現在起動しているプログラムとのバージョン比較を実行する(ステップS35)。その結果、OMCからBTS#0経由でダウンロードされたプログラムと現在起動しているプログラムとのバージョンが一致しているためOMCからBTS#0経由でダウンロードされたプログラムを廃棄し(ステップS36)、サービスの運用を開始する(ステップS37)。
【0056】
一方、S−BTS#0は、OMCからBTS#0経由でダウンロードされたプログラムとS−BTS#0に格納され現在起動しているプログラムとのバージョン比較を実行する(ステップS31)。その結果、OMCからBTS#0経由でダウンロードされたプログラムと現在起動しているプログラムとのバージョンが不一致となる。したがって、システムリセットが実行されても消えないS−BTS#0内のメモリ(F−ROM等)へ、OMCからBTS#0経由でダウンロードされたプログラムを格納する。更に、S−BTS#0は、システムリセットによる再起動を行い(ステップS32、S33)、OMCからBTS#0経由でダウンロードされた新プログラムでサービスの運用を開始する(ステップS34)。
【0057】
以上のように、第1の実施例におけるBTSは、S−BTSのプログラムのバージョンを保持することなく、OMCからダウンロードされたプログラムをS−BTSにダウンロードすればよい。S−BTSは、ダウンロードされるプログラムが最新のものであってバージョンアップが必要か、廃棄するものか、を判断し、ダウンロードされた新プログラムか、格納され現在起動しているプログラムかのいずれかによってサービスの運用を開始する。
【実施例2】
【0058】
図6は、本発明の第2の実施例に係る移動通信ネットワークシステムの構成を表すブロック図である。図6では、移動通信ネットワークシステムが、無線基地局(BTS)10a、子無線基地局(S−BTS)20a、移動通信保守監視卓(OMC)30をそれぞれ1台備える構成の例を示す。図6において、図4と同一の符号は、同一物あるいは相当物を表し、その説明を省略する。
【0059】
BTS10aにおいて、バージョン比較部42aが図4のバージョン比較部42と異なる。バージョン比較部42aは、予めファイル保持部43に保持されるプログラムとOMC30からダウンロードされるプログラムとのバージョンを比較すると共に、S−BTS20aより報告されるS−BTS20aのプログラムのバージョンを保持し、OMC30からダウンロードされるプログラムのバージョンと比較する機能を付加している。
【0060】
一方、S−BTS20aにおいては、図4のバージョン比較部52が省略される。
【0061】
次に、以上のように構成される移動通信ネットワークシステムの通信シーケンスについて説明する。図7は、本発明の第2の実施例に係るOMC、BTSおよびS−BTS間の通信シーケンスを表すフローチャートである。図7において、BTS#0、S−BTS#0、およびS−BTS#1の一部の機能が図5に示した機能と異なる。図7において、ステップS18aを除くステップS25までは、図5と同じであり、説明を省略する。ただし、ステップS18aにおいて、BTS#0が、OMCに対して、BTS#0、S−BTS#0、およびS−BTS#1の起動に使用したプログラムのバージョンをバージョン報告として報告する際、S−BTS#0およびS−BTS#1から報告されたバージョン報告の内容をBTS#0内部に保持する。
【0062】
BTS#0は、プログラムダウンロード終了報告をOMCに送信(ステップS25)後、OMCより受信したプログラムとBTS#0に格納され現在起動しているプログラムとのバージョンを比較する。また、OMCより受信したプログラムとステップS18aにおいてBTS#0が内部に保持したバージョン報告の内容であるS−BTS#0およびS−BTS#1のプログラムとのバージョンを比較する(ステップS28a)。
【0063】
BTS#0は、ステップS28aにおいて比較の結果、一致していれば(BTS#0の場合)、OMCからダウンロードされたプログラムを廃棄し(ステップS29)、サービスの運用を開始する(ステップS30)。もし不一致なら(図7の例では一致しているので、不一致とはならない)、OMCからダウンロードされたプログラムを保持し、システムリセットによる再起動を行い、OMCからダウンロードされた新プログラムにてサービスの運用を開始する。
【0064】
また、BTS#0は、ステップS28aにおいて比較の結果、一致していれば(S−BTS#1の場合)、OMCからダウンロードされたプログラムをS−BTS#1にはダウンロードせず、起動許可信号を送信する(ステップS27a)。起動許可信号を受信したS−BTS#1は、サービスの運用を開始する(ステップS37)。
【0065】
さらに、BTS#0は、ステップS28aにおいて比較の結果、不一致なら(S−BTS#0の場合)、S−BTS#0へOMCからダウンロードされたプログラムを転送する(ステップS26a)。プログラムを受け取ったS−BTS#0は、S−BTS#0に格納され現在起動しているプログラムとのバージョン比較を行う必要はなく、OMCからダウンロードされたプログラムを保持し、システムリセットを行い(ステップS32)、OMCからダウンロードされた新プログラムによって再起動し(ステップS33)、サービスの運用を開始する(ステップS34)。
【0066】
以上のように、第2の実施例におけるBTSは、S−BTSのプログラムのバージョンを保持し、OMCからダウンロードされたプログラムのバージョンと比較することで、バージョンアップが必要なS−BTSには、プログラムをダウンロードし、バージョンアップの不要なS−BTSには、起動許可信号を送るようにする。したがって、S−BTSは、ダウンロードされるプログラムか、起動許可信号かに応じ、ダウンロードされた新プログラムか、格納され現在起動しているプログラムかのいずれかによってサービスの運用を開始すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施例に係る移動通信ネットワークシステムにおける接続構成を示す図である。
【図2】本発明の実施例に係るOMC、BTSおよびS−BTSの接続構成を示す図である。
【図3】本発明の実施例に係るOMC、BTSおよびS−BTSの接続構成を模式的に示す図である。
【図4】本発明の第1の実施例に係る移動通信ネットワークシステムの構成を表すブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施例に係るOMC、BTSおよびS−BTS間の通信シーケンスを表すフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施例に係る移動通信ネットワークシステムの構成を表すブロック図である。
【図7】本発明の第2の実施例に係るOMC、BTSおよびS−BTS間の通信シーケンスを表すフローチャートである。
【図8】従来のOMC、BTSおよびS−BTSの接続構成を示す図である。
【図9】従来のOMC、BTSおよびS−BTSの接続構成を模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0068】
10、10a、11〜1N 無線基地局(BTS)
20、20a、21〜2M 子無線基地局(S−BTS)
30 移動通信保守監視卓(OMC)
32 基地局制御局(RNC)
34 移動通信交換局(MSC)
36 移動通信端末装置(MS)
41、51、61 制御部
42、42a、52、62 バージョン比較部
43、53、63 ファイル保持部
44、54、65 通信インタフェース部
45、55、66 バス
46、47 通信路
64 ファイル管理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信回線を介して中央局装置から基地局装置へ基地局装置の運用ファイルをダウンロードする方法であって、
基地局装置に接続される副基地局装置が起動時の運用ファイルの第1のバージョン情報を前記基地局装置に通知するステップと、
前記基地局装置が受け取った前記第1のバージョン情報と共に前記基地局装置の起動時の運用ファイルの第2のバージョン情報を前記基地局装置が前記中央局装置に通知するステップと、
前記中央局装置が、受け取った前記第1のバージョン情報および前記第2のバージョン情報がそれぞれ最新のバージョン情報であるか否かを判定するステップと、
前記第1のバージョン情報および前記第2のバージョン情報の少なくとも一つが前記最新のバージョン情報でないと判定した場合に、前記最新のバージョン情報の運用ファイルを前記基地局装置にダウンロードするステップと、
を含むことを特徴とするファイルダウンロード方法。
【請求項2】
前記中央局装置からダウンロードされた前記最新のバージョン情報の運用ファイルを前記基地局装置が前記副基地局装置にダウンロードするステップと、
前記最新のバージョン情報の運用ファイルを前記基地局装置からダウンロードされた前記副基地局装置は、前記最新のバージョン情報が前記第1のバージョン情報であるか否かを判定するステップと、
前記判定の結果、前記最新のバージョン情報が前記第1のバージョン情報でない場合には、前記副基地局装置は、ダウンロードされた前記最新のバージョン情報の運用ファイルによって前記副基地局装置の運用開始を行うステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項1記載のファイルダウンロード方法。
【請求項3】
前記基地局装置が前記副基地局装置から受け取った前記第1のバージョン情報を記憶するステップと、
前記中央局装置からダウンロードされた前記最新のバージョン情報の運用ファイルが前記第1のバージョン情報であるか否かを前記基地局装置が判定するステップと、
をさらに含み、
前記判定の結果、前記最新のバージョン情報が前記第1のバージョン情報でない場合には、前記基地局装置は、前記中央局装置からダウンロードされた前記最新のバージョン情報の運用ファイルを前記副基地局装置にダウンロードすることを特徴とする請求項1記載のファイルダウンロード方法。
【請求項4】
前記判定の結果、前記最新のバージョン情報が前記第1のバージョン情報である場合に、前記基地局装置は、前記副基地局装置に起動許可信号を通知することを特徴とする請求項3記載のファイルダウンロード方法。
【請求項5】
基地局装置および副基地局装置の運用ファイルのバージョンを管理し、前記基地局装置と論理的に直接接続して前記基地局装置から受け取るバージョン報告と、前記バージョンの管理内容とに基づいて前記基地局装置に対して運用ファイルをダウンロードする中央局装置と、
前記副基地局装置に接続し、前記中央局装置からダウンロードされる前記運用ファイルを前記副基地局装置にダウンロードする基地局装置と、
前記基地局装置に接続する副基地局装置と、
を含むことを特徴とする移動通信ネットワークシステム。
【請求項6】
前記副基地局装置は、起動時に運用ファイルの第1のバージョン情報を前記基地局装置に通知する手段を備え、
前記基地局装置は、受け取った前記第1のバージョン情報と共に前記基地局装置の起動時の運用ファイルの第2のバージョン情報を前記バージョン報告として前記中央局装置に通知する手段を備え、
前記中央局装置は、受け取った前記バージョン報告中のバージョン情報がそれぞれ最新のバージョン情報であるか否かを判定する手段と、
前記バージョン報告中のバージョン情報の少なくとも一つが前記最新のバージョン情報でないと判定した場合に、前記最新のバージョン情報の運用ファイルを前記基地局装置にダウンロードする手段と、
を備えることを特徴とする請求項5記載の移動通信ネットワークシステム。
【請求項7】
前記基地局装置は、前記中央局装置からダウンロードされる前記最新のバージョン情報の運用ファイルを前記副基地局装置にダウンロードする手段をさらに備え、
前記副基地局装置は、
前記基地局装置からダウンロードされる運用ファイルの前記最新のバージョン情報が前記第1のバージョン情報であるか否かを判定する手段と、
前記判定の結果、前記最新のバージョン情報が前記第1のバージョン情報でない場合には、ダウンロードされる前記最新のバージョン情報の運用ファイルによって前記副基地局装置の運用開始を行う手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項5記載の移動通信ネットワークシステム。
【請求項8】
前記基地局装置は、
前記副基地局装置から受け取った前記第1のバージョン情報を記憶する手段と、
前記中央局装置からダウンロードされる前記最新のバージョン情報の運用ファイルが前記第1のバージョン情報であるか否かを判定する手段と、
前記判定の結果、前記最新のバージョン情報が前記第1のバージョン情報でない場合には、前記中央局装置からダウンロードされる前記最新のバージョン情報の運用ファイルを前記副基地局装置にダウンロードする手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項5記載の移動通信ネットワークシステム。
【請求項9】
前記判定の結果、前記最新のバージョン情報が前記第1のバージョン情報である場合に、前記基地局装置は、前記副基地局装置に起動許可信号を通知することを特徴とする請求項8記載の移動通信ネットワークシステム。
【請求項10】
前記副基地局装置は、
前記副基地局装置での運用ファイルを保持する第1のファイル保持部と、
起動時に前記ファイル保持部に保持してある運用ファイルの第1のバージョン情報を前記基地局装置に通知し、前記基地局装置からサービスの運用開始に関わる運用ファイルについての情報を受け取るように制御する第1の制御部と、
を備え、
前記基地局装置は、
前記基地局装置での運用ファイルを保持する第2のファイル保持部と、
前記第2のファイル保持部に保持してある運用ファイルと前記中央局装置からダウンロードされる運用ファイルとのバージョンを比較する第1のバージョン比較部と、
前記副基地局装置から第1のバージョン情報を受け取り、受け取った第1のバージョン情報を、前記ファイル保持部に保持してある運用ファイルの第2のバージョン情報と共にバージョン報告として前記中央局装置に送り、前記中央局装置からダウンロードされる運用ファイルを受け取り、前記中央局装置からダウンロードされる運用ファイルを必要に応じて前記副基地局装置にダウンロードするように制御する第2の制御部と、
を備え、
前記中央局装置は、
運用ファイルと該運用ファイルのバージョンを管理するファイル管理部と、
前記基地局装置から送られる前記バージョン報告中のバージョンと前記ファイル管理部で管理されているバージョンとを比較する第2のバージョン比較部と、
前記基地局装置から前記バージョン報告を受け取り、前記基地局装置に対して前記ファイル管理部で管理している運用ファイルをダウンロードするように制御する第3の制御部と、
を備えることを特徴とする請求項5記載の移動通信ネットワークシステム。
【請求項11】
副基地局装置と接続し、前記副基地局装置の起動時の運用ファイルの第1のバージョン情報を受信する手段と、
中央局装置と接続し、受信した前記第1のバージョン情報と共に基地局装置の起動時の運用ファイルの第2のバージョン情報をバージョン報告として通知する手段と、
前記中央局装置から前記バージョン報告に基づいてダウンロードされる最新のバージョン情報の運用ファイルを受信する手段と、
前記最新のバージョン情報の運用ファイルを必要に応じて前記副基地局装置にダウンロードする手段と、
を備えることを特徴とする基地局装置。
【請求項12】
前記副基地局装置から受け取った前記第1のバージョン情報を記憶する手段と、
前記中央局装置からダウンロードされる前記最新のバージョン情報の運用ファイルが前記第1のバージョン情報であるか否かを判定する手段と、をさらに備え、
前記判定の結果、前記最新のバージョン情報が前記第1のバージョン情報でない場合には、前記中央局装置からダウンロードされる前記最新のバージョン情報の運用ファイルを前記副基地局装置にダウンロードすることを特徴とする請求項11記載の基地局装置。
【請求項13】
前記判定の結果、前記最新のバージョン情報が前記第1のバージョン情報である場合に、前記基地局装置は、前記副基地局装置に起動許可信号を通知することを特徴とする請求項12記載の基地局装置。
【請求項14】
運用ファイルを保持するファイル保持部と、
前記ファイル保持部に保持してある運用ファイルと中央局装置からダウンロードされる運用ファイルとのバージョンを比較するバージョン比較部と、
副基地局装置から第1のバージョン情報を受け取り、受け取った第1のバージョン情報を、前記ファイル保持部に保持してある運用ファイルの第2のバージョン情報と共にバージョン報告として前記中央局装置に送り、前記中央局装置から前記バージョン報告に基づいてダウンロードされる運用ファイルを受け取り、前記ダウンロードされる運用ファイルを必要に応じて前記副基地局装置にダウンロードするように制御する制御部と、
を備えることを特徴とする基地局装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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