説明

ファイル保管制御装置、及びプログラム

【課題】保管依頼者間での扱いに差を生じさせることなく、更に、資源を有効に利用するファイル保管技術を提供する。
【解決手段】ファイル保管制御装置において、保管する対象となる1又は複数のファイルを一時的に格納する保管対象ファイル格納手段と、前記保管対象ファイル格納手段に格納されているファイルのファイルサイズ合計を算出し、当該ファイルサイズ合計と予め定めた機密度比率とを乗算することにより、機密度比率上限ファイルサイズを算出し、合計ファイルサイズが機密度比率上限ファイルサイズを超えずに最大となるファイルの組み合わせを、前記保管対象ファイル格納手段に格納されたファイルから選定するファイル選定手段と、前記ファイル選定手段により選定されたファイルを、高い信頼度を示す指標値に対応するデータセンタに保管し、その他のファイルを、低い信頼度を示す指標値に対応するデータセンタに保管する保管処理手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保管依頼者のファイルをデータセンタに保管する際に、保管依頼者の所属する部門、役職等に応じた評価値に基づいて、複数のデータセンタの中から保管先となるデータセンタを選定し、選定したデータセンタにファイルを保管する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、コスト削減等のために、会社が保有するファイルを会社内のファイルサーバ等に保管することに代えて、外部のデータセンタに保管するケースが増えている。
【0003】
保管対象となるファイルには、文書、画像データ、音声データ、プログラム、ログ情報等、多種多様の種類のファイルが含まれる。また、ファイルサイズも、例えば、文書であっても、通知用の数ページの文書から数百ページに及ぶ説明書等、様々である。
【0004】
更に、ファイルの機密度についても、会社以外の者に公開されても問題のない情報から、会社内、又は、会社内の特定者だけに参照を許可する情報まで、様々な機密度のファイルがある。
【0005】
一方、データセンタについては、設置場所、設備の安全性(保管サーバの信頼度)、データセンタの保管形態(運用・保守者による参照防止策、ファイル転送途中での盗聴防止対策)、運用者スキルファイル、及び、保管・読み出しの通信速度等により、ファイルの保管料、信頼度等がデータセンタ毎に異なっている。
【0006】
データセンタでのファイル保管を利用する会社は、複数のデータセンタと契約し、ファイルのサイズ、及び機密度に応じて保管すべきデータセンタを選定することで、コスト、安全性の最適化を図っている。
【0007】
ここで、複数のデータセンタを評価し、複数のデータセンタの中からファイルを保管するデータセンタを選定する方式に関する先行技術文献として、以下の特許文献1がある。
【0008】
特許文献1に開示された技術では、保管依頼者が、複数のデータセンタについて信頼度と保管料等を評価して、保管するデータセンタを決定している。この技術では、保管依頼者の負担が大きく、また、保管依頼者としては、できるだけ信頼度の高いデータセンタを選択しがちとなり、信頼度と保管料が比例している場合には、保管コストが高くなってしまう問題がある。
【0009】
このような問題に対処するために、保管依頼者の役職、部門(プロジェクト等)の業務内容から予め機密度を設定し、設定された機密度に応じて、保管先のデータセンタを自動選択する方式がある。
【0010】
この方式では、事前に設定された保管依頼者の機密度に応じて、機密度の高いファイルとして保管可能なファイルのサイズを設定するとともに、通信速度、保管料、信頼度等で評価を行って保管先のデータセンタを決定する。例えば、機密度の高い役職、部門の場合、500Mバイトまで機密度の高いファイルを保管でき、機密度の低い、役職、部門の場合は、200Mバイトまで機密度の高いファイルを保管できるといった設定がされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2006−146293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記の従来の技術において、保管依頼者毎の機密度に応じて、機密度の高いファイルとして保管可能なファイルサイズを設定し、通信速度、保管料、信頼度等で評価を行って保管先データセンタを決定する方式には、以下の問題がある。
【0013】
役職や部門に応じて設定した機密度が同じ複数の保管依頼者がそれぞれ、複数のファイルを保管しようとした場合、一方の保管依頼者は全て機密度の高いファイルとして保管できるが、他方は一部のみしか機密度の高いファイルとして保管できない場合が生じ、同じ機密度に対応する保管依頼者でありながら、その扱いに差が出てしまうという問題がある。
【0014】
また、従来技術では、保管依頼者毎に機密度の高いファイルとして保管可能なファイルサイズを設定するため、一方の保管依頼者に対して、機密度の高いファイルとして保管できるファイルサイズに空きがあるにも関わらず、他方の保管依頼者は、空きがなく、ファイルを機密度の低いファイルに対応するデータセンタに保管する必要が生じる可能性があり、資源を有効に利用できないという問題も発生する。
【0015】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、同じ機密度に対応する保管依頼者間での扱いに差を生じさせることなく、更に、資源を有効に利用することを可能としたファイル保管技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の課題を解決するために、本発明は、保管依頼者用端末と複数のデータセンタとに、通信ネットワークを介して接続されるファイル保管制御装置であって、保管依頼者毎に、機密度比率を格納する保管依頼者情報格納手段と、データセンタ毎に、データセンタの信頼度を示す指標値を格納するデータセンタ情報格納手段と、保管依頼者毎に、データセンタに保管する対象となる1又は複数のファイルを一時的に格納する保管対象ファイル格納手段と、前記保管依頼者用端末から受信する保管依頼者識別情報に対応する保管依頼者に関して、前記保管対象ファイル格納手段に格納されているファイルのファイルサイズ合計を算出し、当該ファイルサイズ合計と前記機密度比率とを乗算することにより、機密度比率上限ファイルサイズを算出し、合計ファイルサイズが前記機密度比率上限ファイルサイズを超えずに最大となるファイルの組み合わせを、前記保管対象ファイル格納手段に格納されたファイルから選定するファイル選定手段と、前記ファイル選定手段により選定されたファイルを、高い信頼度を示す指標値に対応するデータセンタに保管し、前記保管対象ファイル格納手段に格納されたファイルのうちの前記ファイル選定手段により選定されたファイル以外のファイルを、低い信頼度を示す指標値に対応するデータセンタに保管する保管処理手段とを備えたことを特徴とするファイル保管制御装置として構成される。
【0017】
前記ファイル保管制御装置は、既にデータセンタに保管されているファイルのファイル名と、ファイルサイズと、保管先データセンタの識別情報とを格納するファイル保管先情報格納手段を備えてもよく、 前記保管依頼者に関して、既にデータセンタに保管されているファイルがある場合において、前記ファイル選定手段は、前記保管対象ファイル格納手段に格納されているファイルのファイルサイズ合計と、前記既にデータセンタに保管されているファイルのファイルサイズ合計との合計を算出し、当該合計と前記機密度比率とを乗算することにより、機密度比率上限ファイルサイズを算出し、合計ファイルサイズが前記機密度比率上限ファイルサイズを超えずに最大となるファイルの組み合わせを、前記保管対象ファイル格納手段に格納されたファイル、及び前記ファイル保管先情報格納手段に記録されているファイルの中から選定し、前記保管処理手段は、前記ファイル選定手段により選定されたファイルを、高い信頼度を示す指標値に対応するデータセンタに保管し、前記保管対象ファイル格納手段に格納されたファイル、及び前記ファイル保管先情報格納手段に記録されているファイルのうちの、前記ファイル選定手段により選定されたファイル以外のファイルを、低い信頼度を示す指標値に対応するデータセンタに保管するように構成してもよい。
【0018】
また、前記ファイル選定手段により選定されたファイルの中に、既に保管されているデータセンタと、ファイル選定により決まる保管先データセンタとが異なるファイルが存在する場合に、前記ファイル選定手段は、前記異なるファイルを、前記既に保管されているデータセンタから取得して、前記保管対象ファイル格納手段に格納し、前記保管処理手段は、当該取得したファイルを、前記ファイル選定により決まる保管先データセンタに保管するようにしてもよい。
【0019】
前記高い信頼度を示す指標値は、前記データセンタ情報格納手段に格納された各データセンタの指標値のうち、最も高い信頼度を示す指標値であり、前記低い信頼度を示す指標値は、前記データセンタ情報格納手段に格納された各データセンタの指標値のうち、最も低い信頼度を示す指標値であるとしてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、従来のように、保管依頼者毎に機密度の高いファイルを保管できる容量(ファイルサイズ)を固定的に設定するのではなく、利用割合(機密度比率)として設定するので、機密度の同じ保管依頼者に対して保管依頼者の保管するファイルサイズに関わらず同じ比率で機密度の高いファイルとして保管できるようになる。
【0021】
また、固定的に容量を設定した従来技術のように、機密度の高いファイルとして保管できる領域に空きが生じることがなくなり、資源を有効に利用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態に係るファイル保管制御装置1を含むファイル保管システムの全体構成図である。
【図2】ファイル保管制御装置1の機能構成図である。
【図3】データセンタ情報格納部16に格納されている情報の一例を示す図である。
【図4】保管依頼者情報格納部17に格納されている情報の一例を示す図である。
【図5】ファイル保管先情報格納部18に記録されている情報の一例を示す図である。
【図6】新規ファイル保管先選定処理について説明するためのフローチャートである。
【図7】新規ファイル保管先選定処理の概要を示す図である。
【図8】データセンタ保管済ファイルを含む選定処理について説明するためのフローチャートである。
【図9】データセンタ保管済ファイルを含む選定処理の概要を示す図である。
【図10】再保管処理の概要を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0024】
(システム構成)
<全体構成>
図1に、本発明の実施の形態に係るファイル保管制御装置1を含むファイル保管システムの全体構成図を示す。
【0025】
図1に示すように、本発明の実施の形態に関わるファイル保管制御装置1は、会社の社員(保管依頼者A、B、C)が利用する保管依頼者用端末A、B、Cと、ファイルを保管するデータセンタX、Y、Zとに、ネットワーク20(本例では、インターネット)を介して接続されている。
【0026】
図1に示す構成は、ファイル保管制御装置1が、会社内のネットワークの外のネットワーク20に接続されることを想定した構成であるが、ファイル保管制御装置1を会社内に配置し、ファイル保管制御装置1と保管依頼者用端末A、B、Cとを会社内のLAN等で接続した構成としてもよい。
各データセンタは、ファイルを格納するためのファイルサーバ等の装置である。データセンタは、例えば、保管依頼者側の会社とは別の事業者内に設置するものであってもよいし、保管依頼者側の会社内に設置されるものでもよい。保管依頼者用端末A、B、Cはそれぞれ、一般的なPC等である。
【0027】
<ファイル保管制御装置1の構成>
図2に、本発明の実施の形態に係るファイル保管制御装置1の機能構成図を示す。図2に示すように、ファイル保管制御装置1は、保管依頼者用端末IF部11、データセンタIF部12、保管依頼者用ファイル一時格納部13、データセンタ用ファイル一時格納部14、保管先選定処理部15、データセンタ情報格納部16、保管依頼者情報格納部17、及びファイル保管先情報格納部18を有する。
【0028】
保管依頼者用端末IF部11は、保管依頼者用端末(A、B、又はC)との間でファイル送受信等の通信を行うためのIF(インターフェース)機能を有し、保管依頼者用端末からのファイル保管開始指示を受信する機能、また、保管依頼者用端末にファイル保管完了の旨を送信する機能を有している。
【0029】
更に、保管依頼者用端末IF部11は、保管依頼者用端末から受信するログイン情報に含まれる保管依頼者ID及びパスワード(これらを認証情報と呼ぶ)を、保管依頼者情報格納部17に記録されている保管依頼者ID及びパスワードと照合することにより、保管依頼者の認証を行う認証機能を有している。
【0030】
データセンタIF部12は、データセンタ(X、Y、又はZ)との間のファイル送受信等の通信を行うためのIF機能を有している。また、データセンタIF部12は、データセンタ毎にファイルの保管形式が異なる場合には、各々の保管形式に合わせて適宜形式を変更してファイルの送受信を行う。
【0031】
保管依頼者用ファイル一時格納部13は、ファイル保管先データセンタを選定する前に、保管依頼者用端末から受信するファイルを、一時的に保管するための格納部である。保管依頼者用ファイル一時格納部13は、ファイル保管制御装置1におけるハードディスクやメモリ等により実現される。また、保管依頼者用ファイル一時格納部13には、保管依頼者単位に保管依頼者の認証情報と対応付けられたフォルダ(記憶領域)が作成されており、保管依頼者認証に成功した保管依頼者用端末のみが、対応するフォルダにアクセス可能なように構成されている。
【0032】
データセンタ用ファイル一時格納部14は、データセンタにファイルを保管する前に、一時的にファイルを保管する格納部である。データセンタ用ファイル一時格納部14は、ファイル保管制御装置1におけるハードディスクやメモリ等により実現される。また、データセンタ用ファイル一時格納部14にはデータセンタ単位にフォルダ(記憶領域)が作成されており、各フォルダには、当該フォルダに対応するデータセンタに保管するファイルが格納される。
【0033】
保管先選定処理部15は、保管依頼者端末からファイル保管開始指示を受信した保管依頼者用端末IF部1からのファイル保管先選定処理開始指示を契機として、保管依頼者用ファイル一時格納部13に保管されているファイルに関して、データセンタ情報格納部16に格納されている情報、及び保管依頼者情報格納部17等に格納されている情報に基づき、保管先となるデータセンタを選定し、データセンタ用ファイル一時格納部14における、選定したデータセンタに対応するフォルダにファイルを移動する。
【0034】
また、保管先選定処理部15は、ファイル保管先情報格納部18の情報の読み出し、記録、更新を行う機能も有している。なお、保管先選定処理部15の動作については、後に具体例を用いてより詳細に説明する。
【0035】
データセンタ情報格納部16には、データセンタの選定に必要な信頼度等のデータセンタの情報が記録されている。
【0036】
データセンタ情報格納部16の情報は、ファイル保管制御装置1に接続された図示しないコンソール端末を介してファイル保管制御装置1の管理者等により記録される。なお、各データセンタからインターネットを介して信頼度等の情報を受信し各情報を自動更新することとしても構わない。
【0037】
保管依頼者情報格納部17には、保管依頼者を特定するための認証情報(保管依頼者ID、パスワード)、保管依頼者の部門及び役職の情報から設定された機密度比率が記録されている。
【0038】
保管依頼者情報格納部17の各情報は、ファイル保管制御装置1に接続された図示しないコンソール端末を介してファイル保管制御装置1の管理者等により記録される。なお、当該情報を、ファル保管制御装置1を利用する会社の人事情報管理者等が保管依頼者用端末から記録するとしても構わない。
【0039】
ファイル保管先情報格納部18には、データセンタに保管したファイルに関わる情報(サイズ、ファイル名)、保管先データセンタの識別情報、保管日時が記録されている。
【0040】
<データセンタ情報格納部16>
図3に、データセンタ情報格納部16に格納されている情報の一例を示す。図3に示すように、本例のデータセンタ情報格納部16には、データセンタ毎に保管料、及び信頼度が記録されている。
【0041】
保管料は、単位期間あたり、又は単位ファイルサイズあたり、又はその双方を合わせて算出される、データセンタにファイルを保管するためにかかる料金である。また、信頼度としては、10段階に分けたうちの何段階目(大きい数字のほうが信頼度が高い)の信頼度であるかが記録されている。例えば、信頼度10は、信頼度6よりも信頼度が高い。信頼度は、例えば、データセンタの運営会社の規模、データセンタ開設期間、会社評価等の情報に基づいて、ファイル保管制御装置1の管理者等が評価し事前に記録しておくものである。一般に、保管料が高ければ、信頼度も高くなることから、保管料を信頼度として使用することも可能である。
【0042】
なお、上記の信頼度は、相対的なものである。本実施の形態で使用されるデータセンタは、どれも実用上のセキュリティは確保されたものであり、信頼度が低いと評価されたデータセンタに、機密度の高いファイルを格納したとしても、通常の運用においてセキュリティには特段の問題は生じないものとする。
【0043】
<保管依頼者情報格納部17>
図4に保管依頼者情報格納部17に格納されている情報の一例を示す。図4に示すように、本例における保管依頼者情報格納部17には、保管依頼者単位に保管依頼者ID、パスワード、及び機密度比率が記録されている。
【0044】
機密度比率は、例えば、保管依頼者が所属する部門、もしくは役職に応じて予め定められた値であり、対応する保管依頼者が保管を希望するファイルの合計サイズのうち、信頼度の高いデータセンタに保管できるサイズの割合を示す値である。
【0045】
例えば、部門に応じて機密度比率を定める場合においては、機密度の高い情報を扱う可能性が高いと考えられる順に、人事部門は100%、秘書室は100%、経理部門は90%、研究部門は50%、開発部は20%といったように機密度比率を定めることができる。
【0046】
また、役職に応じて機密度比率を定める場合においては、機密度の高い情報を扱う可能性が高いと考えられる順に、取締役は100%、部長は70%、課長は40%、担当者は20%といったように機密度比率を定めることができる。
【0047】
また、部門と役職の両方に応じて機密度比率を定めてもよく、その場合、例えば、保管依頼者が所属する部門に応じて定められた機密度比率と、保管依頼者の役職に応じて定められた機密度比率のうち、高い方の機密度比率を、当該保管依頼者の機密度比率として設定することができる。例えば、上記の例において、保管依頼者の所属部門が「経理部」、役職が「担当」の場合は、当該保管依頼者の機密度比率として、経理部の機密度比率「90%」が設定される。
【0048】
機密度比率は、上記に限らず任意に設定にすることが可能であり、プロジェクト単位等別のグループ単位を加えて設定することも可能である。また、保管依頼者IDやパスワードは、個人単位以外に、部門単位、プロジェクト単位に設定することも可能である。
【0049】
<ファイル保管先情報格納部>
図5に、ファイル保管先情報格納部18に記録されている情報の一例を示す。図5に示す情報は、一例として、保管依頼者Bに関しての情報である。
【0050】
図5に示すように、ファイル保管先情報格納部18には、保管されたファイル名、ファイルサイズ、保管先データセンタ、及び保管日時が記録されている。これらの情報は、ファイルの保管先データセンタの選定結果に基づき、保管先選定処理部15により記録される。なお、これらの情報は、ファイルがデータセンタへ正常に保管されたことを確認した後に記録するのが望ましい。
【0051】
上述した各機能を有するファイル保管制御装置1は、メモリやハードディスク等の記憶手段及びCPUを備える一般的なコンピュータに、各機能部に対応する処理を行うためのプログラムを搭載することにより実現できる。当該プログラムは、可搬メモリやディスク等の記録媒体から上記コンピュータにインストールしてもよいし、ネットワーク上のサーバから上記コンピュータにダウンロードし、インストールすることとしてもよい。
【0052】
また、本発明の実施の形態に係るファイル保管制御装置1の内部の機能区分は、図2に示すものに限られるわけではなく、本実施の形態に示す動作を実現できる構成であれば、どのような機能区分でもよい。
【0053】
(ファイル保管制御装置1の動作)
以下、上述した構成を有するファイル保管制御装置1の動作を、フローチャート等を参照しながら説明する。
【0054】
<新規ファイル保管先選定処理>
まず、図6に示すフローチャートを参照して、新規ファイル保管先選定処理について説明する。また、処理の概要を示す図7も適宜参照する。
【0055】
以下の処理では、一例として、保管依頼者B(保管依頼者IDがBである保管依頼者)が、新規にファイルの保管の依頼を行うものとする。
【0056】
また、ファイルの保管先となるデータセンタとして、信頼度の高いデータセンタとして、信頼度の最も高いデータセンタを用い、信頼度の低いデータセンタとして、信頼度の最も低いデータセンタを用いることとする。
【0057】
また、図6のフローチャートに示す動作の前提として、ファイル保管制御装置1は、保管依頼者用端末Bからの認証情報を伴ったアクセスを受け、認証に成功しており、保管依頼者用端末Bから、保管対象ファイルを受信しているものとし、保管対象ファイルは、保管依頼者用ファイル一時格納部13の該当フォルダに格納されているものとする。ここで格納されているファイルは、図7に、新規保管ファイルとして示されているファイル(あ)〜ファイル(お)の5つのファイルである。なお。図7には、各ファイルのサイズも示されている。
【0058】
ファイル保管制御装置1の保管依頼者用端末IF部11が、保管依頼者用端末Bからファイル保管開始指示を受信したときに、保管先選定処理部15は、保管依頼者用端末IF部11から保管先選定処理開始指示を受信する。その後に、以下の処理が開始される。
【0059】
図6のステップ1において、保管先選定処理部15は、保管依頼者用ファイル一時格納部13の該当フォルダに格納されている保管対象ファイルのファイルサイズの合計を算出する。
【0060】
図7に示したとおり、保管依頼者Bに関して、保管依頼者用ファイル一時格納部13には、ファイル(あ)(10M)、ファイル(い)(20M)、ファイル(う)(30M)、ファイル(え)(40M)、ファイル(お)(50M)の5つのファイルが格納されているので、合計サイズは150Mバイトである。
【0061】
続いて、図6のステップ2において、保管先選定処理部15は、該当する保管依頼者Bの保管依頼者IDに対応する機密度比率を、保管依頼者情報格納部17から取得し、当該機密度比率と合計サイズとを乗算することにより、信頼度の高いデータセンタに保管できるファイル(これを、信頼度高データセンタ用ファイルと呼ぶ)の合計サイズ(これを、機密度比率上限ファイルサイズと呼ぶ)を算出する。本例では、保管依頼者Bの機密度比率が60%なので、機密度比率上限ファイルサイズは150×0.6=90Mバイトとなる。
【0062】
次に、ステップ3において、保管先選定処理部15は、保管対象ファイルの中から、機密度比率上限ファイルサイズを超えず、なおかつ、合計サイズが最大となるファイルの組み合わせを選定する。保管依頼者Bに関する本例では、ファイル(あ)(10M)、ファイル(う)(30M)、及び、ファイル(お)(50M)の組み合わせは、機密度比率上限ファイルサイズ(90M)を超えず、なおかつ、合計サイズが最大となるファイルの組み合わせに該当し、当該組み合わせが選定される。これらの選定されたファイルは、信頼度の高いデータセンタに格納されることになる。上記以外のファイルは(本例では、ファイル(い)(20M)、及びファイル(え)(40M))であり、これらを信頼度低データセンタ用ファイルと呼ぶ)、信頼度の低いデータセンタに格納されることになる。ここでの処理の概要は、図7に示すとおりである。
【0063】
また、保管依頼者Bの例において、機密度比率上限サイズ(90M)を超えず、なおかつ、合計サイズが最大となるファイルの組み合わせとして、ファイル(え)(40M)、及びファイル(お)(50M)の組み合わせも存在するため、信頼度高のデータセンタに保管するファイルとしてファイル(え)(40M)、及びファイル(お)(50M)を選択し、信頼度低のデータセンタに保管するファイルとして、ファイル(あ)(10M)、ファイル(い)(20M)、及びファイル(う)(30M)の組み合わせを選定することも可能である。
【0064】
上記のように、機密度比率上限ファイルサイズを超えず、なおかつ、合計サイズが最大となるファイルの組み合わせが複数ある場合、例えば、最初に算出されたファイルの組み合わせを選択する等、予め定めた方法で1つの組み合わせを選定してよい。また、ファイル数の多少の条件を加えて選定してもよい。この場合、例えば、ファイル数が多いほうの組み合わせを信頼度高データセンタ用のファイルの組み合わせとして選定する。また、ファイル数が同じになる場合には、例えば、ファイルサイズが最小のファイルを含む等の条件を加えることも可能である。
【0065】
なお、ファイルの組み合わせ方法は、小さいファイルサイズのファイルから順に選定して組み合わせたり(上記の例ではファイル(あ)、ファイル(い)、ファイル(う)を信頼度高のデータセンタに格納し、ファイル(え)、ファイル(お)を信頼度低のデータセンタに格納する)、逆に、大きいファイルサイズのファイルから順に選定して組み合わせる(上記の例では、ファイル(お)、ファイル(え)を信頼度高のデータセンタに格納し、ファイル(う)、ファイル(い)、ファイル(あ)を信頼度低データセンタに格納する)ことも可能である。更に、小さいファイル順、大きいファイル順から選定した中で、機密度比率上限ファイルサイズに近い方を選定する(上記の例では、ファイル(お)、ファイル(え)の合計サイズが90MBとなる大きい順からの選定とする)こととしてもよい。
【0066】
次に、保管先選定処理部15は、データセンタ情報格納部16に記録されているデータセンタのうち、信頼度が最も高いデータセンタXと、信頼度が最も低いデータセンタZを判定し(図6のステップ4)、ステップ3での選定結果に基づき、信頼度高データセンタ用ファイルとして選定されたファイルを、データセンタ用ファイル一時格納部14における信頼度高のデータセンタXに対応するフォルダに格納し(ステップ5)、その他のファイルを信頼度低のデータセンタZのフォルダに格納する(ステップ6)。
【0067】
保管先選定処理部15は、データセンタ用一時格納部14にファイルを保管した後、データセンタIF部12にファイルの各データセンタへの保管を指示する。データセンタへの保管指示を受けたデータセンタIF部12は、データセンタ用ファイル一時格納部14に格納されているファイルを、インターネット20を介して、該当の各データセンタに送信することにより保管を実行する。
【0068】
続いて、例えば、ファイル保管制御装置1が、各データセンタから保管を完了したことを示す通知を受けた後、保管先選定処理部15は、ファイル保管先情報格納部18に、保管したファイルのファイル保管先、保管日時、ファイル情報(ファイル名、ファイルサイズ)を記録する(ステップ7)。また、保管先選定処理部15は、保管依頼者端末IF部11に保管依頼者への保管完了の旨の送信を指示し、指示を受けた保管依頼者端末IF部11は、該当する保管依頼者端末に保管完了を通知する。なお、本例では、ステップ7の処理により、図5に示すとおりの情報が記録される。
【0069】
上記の例では、保管対象ファイルを、信頼度高データセンタ用のファイルと、信頼度低データセンタ用ファイルとの2段階に分類したが、3段階(高、中、低)以上の段階に分類し、対応する複数のデータセンタに保管してもよい。また、2段階に分類する場合において、例えば、信頼度高データセンタ用のファイルを、予め定めた信頼度以上の信頼度を有する複数のデータセンタに均等に保管し、信頼度低データセンタ用のファイルを、予め定めた信頼度未満の信頼度を有する複数のデータセンタに均等に保管することとしてもよい。この場合、予め定めた信頼度以上の信頼度を有する複数のデータセンタをまとめて、これまでに説明した信頼度の高いデータセンタとみなし、予め定めた信頼度未満の信頼度を有する複数のデータセンタをまとめて、これまでに説明した信頼度の低いデータセンタとみなすことができる。
【0070】
また、上記の例では、機密度比率にデータセンタの信頼度を対応させていたが、機密度比率にデータセンタの保管料、通信速度等を対応させてもよい。つまり、例えば、機密度比率が100パーセントであれば、全てのファイルを保管料が高額であるデータセンタに保管する、といった制御を行うことができる。
【0071】
<データセンタ保管済ファイルを含む選定処理>
上述した新規ファイル保管先選定処理では、データセンタに未だファイルが保管されておらず、新規にデータセンタにファイルを保管する場合について説明したが、データセンタに既に保管済のファイルがある場合において、更にファイル保管指示がなされた場合、追加のファイルのみならず、保管済みファイルも含めて、保管依頼者の機密度比率に基づき、ファイルの保管先となるデータセンタを再選定する処理を行う。
【0072】
以下、データセンタに既に保管済のファイルがある場合におけるデータセンタ選定処理を、図8のフローチャートを参照して説明する。また、処理の概要を示す図9を、適宜参照する。
【0073】
以下では、上述した保管依頼者Bの新規ファイル保管処理の後に、追加で2ファイル(ファイル(か)(80M)、ファイル(き)(100M))が、保管対象ファイルとなる例について説明する。以下の処理の前提として、保管依頼者端末Bからのログイン認証は完了しており、保管依頼者端末Bからの指示により、上記2ファイル(ファイル(か)(80M)、ファイル(き)(100M))が、保管依頼者用端末ファイル一時格納部13に保管されており、また、ファイル保管先情報格納部18には、図5に示すとおりに、既にデータセンタに保管済みの5ファイルの情報が記載されているものとする。
【0074】
ファイル保管制御装置1の保管依頼者用端末IF部11が、保管依頼者用端末Bからファイル保管開始指示を受信したときに、保管先選定処理部15は、保管依頼者用端末IF部11から保管先選定処理開始指示を受信する。その後に、以下の処理が開始される。
【0075】
図8のステップ21において、保管先選定処理部15は、保管依頼者用ファイル一時格納部13の該当フォルダに格納されている保管対象ファイルの合計サイズと、ファイル保管先情報格納部18に、保管済みファイルとして記録されているファイルの合計サイズとの合計を算出する。図9に示すとおり、本例では、この合計サイズは330Mになる。
【0076】
続いて、図8のステップ22において、保管先選定処理部15は、該当する保管依頼者Bの保管依頼者IDに対応する機密度比率を、保管依頼者情報格納部17から取得し、当該機密度比率と上記の合計とを乗算することにより、信頼度の高いデータセンタに保管できるファイル(信頼度高データセンタ用ファイル)の合計サイズ(機密度比率上限ファイルサイズ)を算出する。本例では、0.6×330=198Mとなる。
【0077】
次に、ステップ23において、保管先選定処理部15は、対象ファイル(新規に保管するファイルと、既に保管済みのファイル)の中から、機密度比率上限ファイルサイズ(198M)を超えず、なおかつ、合計サイズが最大となるファイルの組み合わせを選定する。
【0078】
本例では、機密度比率上限ファイルサイズ(198M)を超えず、なおかつ、合計サイズが最大となるファイルの組み合わせとして、ファイル(あ)(10M)、ファイル(い)(20M)、ファイル(う)(30M)、ファイル(お)(50M)、ファイル(か)(80M)の組み合わせを選定する。これにより、信頼度低データセンタ用ファイルは、ファイル(え)(40M)とファイル(き)(100M)の組み合わせとなる。この処理は、図9に示すとおりである。
【0079】
図8のステップ24において、保管先選定処理部15は、データセンタに保管済みのファイルの中で、既に保管されているデータセンタと、ステップ23のファイル選定結果に対応する保管先データセンタとが異なるファイルがあるか否かを判定し、ある場合には、ステップ25の再保管処理に進む。
【0080】
再保管処理は、既に保管されているデータセンタとファイル選定結果での保管先データセンタとが異なるファイルを、既に保管されているデータセンタから取得し(既に保管されているデータセンタから削除)、ファイル保管制御装置1の保管依頼者用ファイル一時格納部13に格納する処理である。
【0081】
この処理の概要は、図10に示すとおりである。本例では、ファイル(い)(20M)が再保管処理の対象となっており、図10に示すように、ファイル(い)(20M)が、データセンタZから保管依頼者用ファイル一時格納部13に移動させられる。
【0082】
より詳細には、図8のステップ25の再保管処理において、保管先選定処理部15は、データセンタIF部11に保管依頼者ID(本例ではB)、対象ファイル情報(本例では、ファイル名(い)、保管先データセンタZ)の情報とともにデータセンタからの対象ファイルの取得を指示する。
【0083】
指示を受けたデータセンタIF部11は、指示されたデータセンタから対象ファイルを取得し、保管依頼者IDをもとに特定した保管依頼者用ファイル一時格納部13の該当するフォルダに取得した対象ファイルを保管する。その後、データセンタIF部11は、保管先選定処理部15に処理継続を指示する。これにより、再保管処理が終了する。
【0084】
次に、データセンタに保管済みのファイルの中で、既に保管されているデータセンタと、ステップ23のファイル選定結果での保管先データセンタとが異なるファイルがない場合、又は、再保管処理が終了した場合、保管先選定処理部15は、データセンタ情報格納部16に記録されているデータセンタのうち、信頼度が最も高いデータセンタXと、信頼度が最も低いデータセンタZを判定し(図8のステップ26)、信頼度高データセンタ用ファイルとして選定されたファイルを、データセンタ用ファイル一時格納部14における信頼度高のデータセンタXに対応するフォルダに格納し(ステップ27)、その他のファイルを信頼度低のデータセンタZのフォルダに格納する(ステップ28)。この処理は図10にも示されている。
【0085】
なお、既にデータセンタに保管済みであり、再保管の必要のないファイルについては保管依頼者用ファイル一時格納部13にファイルがない為、データセンタ用一時格納部14への保管は行わない。
【0086】
保管先選定処理部15は、データセンタ用一時格納部14にファイルを保管した後、データセンタIF部12にファイルの各データセンタへの保管を指示する。データセンタへの保管指示を受けたデータセンタIF部12は、データセンタ用ファイル一時格納部14に格納されているファイルを、インターネット20を介して、該当の各データセンタに送信することにより保管を実行する。
【0087】
続いて、例えば、ファイル保管制御装置1が、各データセンタから保管を完了したことを示す通知を受けた後、保管先選定処理部15は、ファイル保管先情報格納部18に、保管したファイルのファイル保管先、保管日時、ファイル情報(ファイル名、ファイルサイズ)を記録する(ステップ29)。また、既に記録されているファイルの場合には、ファイルの保管先、保管日時を更新する。また、保管先選定処理部15は、保管依頼者端末IF部11に保管依頼者への保管完了の旨の送信を指示し、指示を受けた保管依頼者端末IF部11は、該当する保管依頼者端末に保管完了を通知する。
【0088】
このような処理により、本例では、図10に示すとおりの情報がデータセンタXとデータセンタZに保管されることになる。
【0089】
なお、上記のファイル選定処理において、再保管に伴う通信料を削減するために、再保管処理を行わない(又は、再保管のファイルを少なくする)組み合わせを優先して選定することとしてもよい。更に、再保管処理を必要とする場合を少なくするために、機密度比率に一定の割合(±10%等)の幅をもたせて、再保管処理を必要としないファイルの組合せの範囲を広げてもよい。
【0090】
(その他の例)
これまでに説明した例では、保管依頼者情報格納部17に格納されている機密度比率には変更がないことを前提していたが、実際には、人事異動等で機密度比率には変更が生じる。そのような場合、変更された機密度比率に基づいて、上述したデータセンタ保管済みファイルを含む場合の選定処理を行えばよい。この場合、追加のファイルがないだけで、処理内容は、上記の選定処理と同じである。
【0091】
例えば、人事異動に伴い保管依頼者情報格納部17の機密度比率が変更された場合、機密度比率を変更した会社の人事担当者が、ファイル保管制御装置1に対して、保管依頼者ID単位の再保管処理の指示を行い、当該指示を契機として、ファイル保管制御装置1がデータセンタ保管済ファイルを含む選定処理を行うことで、変更後の機密度比率に応じたファイル保管を実現できる。
【0092】
なお、人事異動に伴い機密度比率を変更しないこととしてもよく、また、人事異動に影響されないように部門ごとにユーザIDを共有し、部門ごとに機密度比率を設定してファイルを保管することとしてもよい。
【0093】
本発明は、上記の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲内において、種々変更・応用が可能である。
【符号の説明】
【0094】
1 ファイル保管制御装置
A、B、C 保管依頼者用端末
X、Y、Z データセンタ
20 ネットワーク
11 保管依頼者用端末IF部
12 データセンタIF部
13 保管依頼者用ファイル一時格納部
14 データセンタ用ファイル一時格納部
15 保管先選定処理部
16 データセンタ情報格納部
17 保管依頼者情報格納部
18 ファイル保管先情報格納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
保管依頼者用端末と複数のデータセンタとに、通信ネットワークを介して接続されるファイル保管制御装置であって、
保管依頼者毎に、機密度比率を格納する保管依頼者情報格納手段と、
データセンタ毎に、データセンタの信頼度を示す指標値を格納するデータセンタ情報格納手段と、
保管依頼者毎に、データセンタに保管する対象となる1又は複数のファイルを一時的に格納する保管対象ファイル格納手段と、
前記保管依頼者用端末から受信する保管依頼者識別情報に対応する保管依頼者に関して、前記保管対象ファイル格納手段に格納されているファイルのファイルサイズ合計を算出し、当該ファイルサイズ合計と前記機密度比率とを乗算することにより、機密度比率上限ファイルサイズを算出し、合計ファイルサイズが前記機密度比率上限ファイルサイズを超えずに最大となるファイルの組み合わせを、前記保管対象ファイル格納手段に格納されたファイルから選定するファイル選定手段と、
前記ファイル選定手段により選定されたファイルを、高い信頼度を示す指標値に対応するデータセンタに保管し、前記保管対象ファイル格納手段に格納されたファイルのうちの前記ファイル選定手段により選定されたファイル以外のファイルを、低い信頼度を示す指標値に対応するデータセンタに保管する保管処理手段と
を備えたことを特徴とするファイル保管制御装置。
【請求項2】
前記ファイル保管制御装置は、既にデータセンタに保管されているファイルのファイル名と、ファイルサイズと、保管先データセンタの識別情報とを格納するファイル保管先情報格納手段を備え、
前記保管依頼者に関して、既にデータセンタに保管されているファイルがある場合において、
前記ファイル選定手段は、前記保管対象ファイル格納手段に格納されているファイルのファイルサイズ合計と、前記既にデータセンタに保管されているファイルのファイルサイズ合計との合計を算出し、当該合計と前記機密度比率とを乗算することにより、機密度比率上限ファイルサイズを算出し、合計ファイルサイズが前記機密度比率上限ファイルサイズを超えずに最大となるファイルの組み合わせを、前記保管対象ファイル格納手段に格納されたファイル、及び前記ファイル保管先情報格納手段に記録されているファイルの中から選定し、
前記保管処理手段は、前記ファイル選定手段により選定されたファイルを、高い信頼度を示す指標値に対応するデータセンタに保管し、前記保管対象ファイル格納手段に格納されたファイル、及び前記ファイル保管先情報格納手段に記録されているファイルのうちの、前記ファイル選定手段により選定されたファイル以外のファイルを、低い信頼度を示す指標値に対応するデータセンタに保管する
ことを特徴とする請求項1に記載のファイル保管制御装置。
【請求項3】
前記ファイル選定手段により選定されたファイルの中に、既に保管されているデータセンタと、ファイル選定により決まる保管先データセンタとが異なるファイルが存在する場合に、
前記ファイル選定手段は、前記異なるファイルを、前記既に保管されているデータセンタから取得して、前記保管対象ファイル格納手段に格納し、前記保管処理手段は、当該取得したファイルを、前記ファイル選定により決まる保管先データセンタに保管する
ことを特徴とする請求項2に記載のファイル保管制御装置。
【請求項4】
前記高い信頼度を示す指標値は、前記データセンタ情報格納手段に格納された各データセンタの指標値のうち、最も高い信頼度を示す指標値であり、前記低い信頼度を示す指標値は、前記データセンタ情報格納手段に格納された各データセンタの指標値のうち、最も低い信頼度を示す指標値である
ことを特徴とする請求項1ないし3のうちいずれか1項に記載のファイル保管制御装置。
【請求項5】
コンピュータを、保管依頼者用端末と複数のデータセンタとに、通信ネットワークを介して接続されるファイル保管制御装置として機能させるためのプログラムであって、
前記コンピュータは、
保管依頼者毎に、機密度比率を格納する保管依頼者情報格納手段と、
データセンタ毎に、データセンタの信頼度を示す指標値を格納するデータセンタ情報格納手段と、
保管依頼者毎に、データセンタに保管する対象となる1又は複数のファイルを一時的に格納する保管対象ファイル格納手段と、
を備え、前記コンピュータを、
前記保管依頼者用端末から受信する保管依頼者識別情報に対応する保管依頼者に関して、前記保管対象ファイル格納手段に格納されているファイルのファイルサイズ合計を算出し、当該ファイルサイズ合計と前記機密度比率とを乗算することにより、機密度比率上限ファイルサイズを算出し、合計ファイルサイズが前記機密度比率上限ファイルサイズを超えずに最大となるファイルの組み合わせを、前記保管対象ファイル格納手段に格納されたファイルから選定するファイル選定手段、
前記ファイル選定手段により選定されたファイルを、高い信頼度を示す指標値に対応するデータセンタに保管し、前記保管対象ファイル格納手段に格納されたファイルのうちの前記ファイル選定手段により選定されたファイル以外のファイルを、低い信頼度を示す指標値に対応するデータセンタに保管する保管処理手段、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2011−204165(P2011−204165A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−73221(P2010−73221)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000102717)エヌ・ティ・ティ・ソフトウェア株式会社 (43)