説明

ファイル共有装置、ファイル共有装置のファームウェアアップデート方法、コンピュータプログラム

【課題】NAS装置において、ファームウェアに異常が発生した場合であっても、NAS装置のファームウェアを簡単にアップデートできるようにする。
【解決手段】ファイル共有サービスを実現する通常制御回路13から独立して動作する独立制御回路14を設ける。USBポート12にUSBメモリ2が接続されると、独立制御回路14は、USBメモリ2にアクセスし、ファームウェアアップデート用のUSBメモリ2からのファームウェアデータにより、通常制御回路13のファームウェアをアップデートする。通常制御回路13から独立して動作する独立制御回路14によりファームウェアのアップデートが行われるため、ファームウェアに異常が発生した場合であっても、ファームウェアがアップデート可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークに接続してファイル共有サービスを実現するファイル共有装置、ファイル共有装置のファームウェアアップデート方法、コンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
NAS(Network Attached Storage)装置は、ネットワークに接続してファイル共有サービスを実現するファイルサーバ専用機である。このようなNAS装置のファームウェアをアップデートする場合、管理者は、NAS装置とPC(Personal Computer)等の管理端末とをLAN(Local Area Network)を介して接続させ、管理端末を操作することよりファームウェアのアップデートを実行している。また、特許文献1には、NAS装置の保守点検作業を行う際に、必要な情報をUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の外部補助記憶装置に退避させるようにしたものが記載されている。また、特許文献2には、USBメモリを用いて、画像形成装置のファームウェアをアップデートするようにしたものが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−305073号公報
【特許文献2】特開2007−310783号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、管理端末を用いてNAS装置のファームウェアをアップデートする場合、管理端末とNAS装置とがLANを介して通信可能な状態である必要がある。このため、ファームウェアの異常(ファームウェアデータの一部欠損やファームウェアデータを正常にロードできない場合等)が発生し、管理端末とNAS装置との通信ができなくなると、管理端末からNAS装置にファームウェアデータを転送することができず、障害復旧に対処することができなくなる。同様に、USBメモリを用いてファームウェアをアップデートする場合は、ファームウェアの異常により、USBメモリの情報にアクセスできなくなると、USBメモリからNAS装置にファームウェアデータを読み出すことができなくなり、障害復旧に対処することができなくなる。
【0005】
また、管理端末を用いてNAS装置のファームウェアをアップデートする場合、アップデート作業時に、管理端末で複数の工程を要する操作が必要となる。そのため、管理者がNAS装置に関する知識を有している必要があり、NAS装置の操作に精通していない管理者にとって、ファームウェアのアップデート作業が困難となる。
【0006】
上述の課題を鑑み、本発明の目的は、NAS装置においてファームウェアに異常が発生した場合であっても、NAS装置のファームウェアを簡単にアップデートできるようにしたファイル共有装置、ファイル共有装置のファームウェアアップデート方法、コンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するために、本発明に係るファイル共有装置は、ネットワークを介してファイル共有サービスを実現する通常制御回路と、通常制御回路とは独立して動作し通常制御回路のファームウェアのアップデートを行う独立制御回路とを備え、独立制御回路は、自装置に接続された外部補助記憶装置にアクセスするアクセス部と、自装置に接続された外部記憶装置がファームウェアアップデート用であるか否かを判定する判定部と、判定部が、外部記憶装置がファームウェアのアップデート用であると判定した場合に、当該外部記憶装置が記憶するファームウェアデータを用いて通常制御回路のファームウェアをアップデートするアップデート部とを有することを特徴とする。
【0008】
本発明に係るファイル共有装置のファームウェアアップデート方法は、ネットワークを介してファイル共有サービスを実現するファイル共有装置のファームウェアアップデート方法において、ファイル共有サービスを実現する通常制御回路とは独立して動作し通常制御回路のファームウェアのアップデートを行う独立制御回路を設け、独立制御回路が外部機器接続用のポートに接続されたファームウェアアップデート用の外部補助記憶装置にアクdセスする工程と、自装置に接続された外部記憶装置がファームウェアアップデート用であるか否かを判定する工程と、外部記憶装置がファームウェアのアップデート用であると判定した場合に、当該外部記憶装置が記憶するファームウェアデータを用いて通常制御回路のファームウェアをアップデートする工程とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、通常制御回路とは独立して稼動する独立制御回路が設けられ、USBポートにUSBメモリが接続されると、独立制御回路がUSBメモリに自動でアクセスし、ファームウェアのアップデートが可能な場合には、USBメモリ内のファームウェアデータにより、ファームウェアがアップデートされる。このため、NAS装置のファームウェアに異常が発生し、管理端末とNAS装置との通信ができなくなった場合でも、ファームウェアのアップデートを行い、障害から復旧することができる。
【0010】
また、本発明によれば、正常稼動時にUSBメモリが接続された場合、独立制御回路がUSBメモリにアクセスし、ファームウェアのアップデートが可能である場合には、USBメモリ内のファームウェアデータにより、ファームウェアがアップデートされる。このため、USBメモリをUSBポートに接続するという一工程だけで、ファームウェアのアップデートを簡単に実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るLAN型のNAS装置の構成を示すブロック図である。
【図2】独立制御回路の構成を示すブロック図である。
【図3】USBメモリの構成を示すブロック図である。
【図4】ファームウェア異常発生時にファームウェアをアップデートする際の処理を示すフローチャートである。
【図5】正常稼動時にファームウェアをアップデートする際の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るLAN型のNAS装置の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係るNAS装置1は、LANポート11と、USBポート12と、通常制御回路13と、独立制御回路14と、ファームウェア格納データベース15とを有している。
【0013】
LANポート11は、ネットワークに直接接続してファイル共有サービスを行うための通信用ポートである。PC等の管理端末3は、LANポート11を介して接続される。
【0014】
USBポート12は、USB機器を接続するための外部機器接続用のポートである。USBポート12には、USBメモリ2が接続される。ここで、USBメモリは、汎用のUSBポートを介してコンピュータに接続してデータの読み書きを行うフラッシュメモリを用いた外部補助記憶装置である。
【0015】
通常制御回路13は、ファームウェア16に基づいて動作する制御回路である。ファームウェア16は、通常制御回路13内に組み込まれたシステムの制御を行うためのプログラムで、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)等の不揮発性メモリに格納されている。通常制御回路13は、LANポート11やUSBポート12を制御し、ファイル共有サービスの機能を実現する。
【0016】
図2は、独立制御回路14の構成を示すものである。
独立制御回路14は、通常制御回路13とは独立して動作する制御回路である。図2に示すように、独立制御回路14は、アップデート処理部100とファームウェア一時展開用のメモリ107とを有している。アップデート処理部100は、USBメモリ2を用いて、通常制御回路13のファームウェア16のアップデートを実現するものである。アップデート処理部100は、更に、USBメモリアクセス部101と、識別ファイル認識部102と、ファームウェア情報比較部103と、ファームウェア展開部104と、ファームウェア書換部105と、NAS再起動部106とからなる。
【0017】
ファームウェア格納データベース15には、通常制御回路13のファームウェア16に関する情報が格納されている。すなわち、ファームウェア格納データベース15には、ファームウェア16のファームウェアデータ、ファームウェアリビジョン、ファームウェアID、NSA装置の型番、アップデート日時等が格納されている。
【0018】
図3は、USBメモリ2の構成を示すものである。
図3に示すように、USBメモリ2には、アップデート識別ファイル201と、ファームウェア情報202と、アップデート用のファームウェアデータ203とが含まれる。
【0019】
アップデート識別ファイル201は、特有のファイル名が付けられたファイルである。このファイルの有無により、USBポート12に接続されているUSBメモリがファームウェアアップデート用のUSBメモリであるか否かが判断される。
【0020】
ファームウェア情報202は、ファームウェア対応装置型番リスト211と、ファームウェアリビジョン212と、ファームウェアID213の3つのファイルが含まれる。ファームウェア対応装置型番リスト211は、ファームウェアデータ203が対応しているNAS装置型番の情報を持つ。ファームウェアリビジョン212は、ファームウェアのリビジョンの情報を持つ。ファームウェアID213は、ファームウェアリリース日時によらず同ベンダーが扱う全てのファームウェアにおいてユニークなIDを持つ。
【0021】
ファームウェアをアップデートする際には、管理者はUSBメモリ2をUSBポート12に接続する。USBポート12にUSBメモリ2が接続されると、図2における独立制御回路14のUSBメモリアクセス部101は、USBメモリ2のルートディレクトリをアクセスする。そして、識別ファイル認識部102は、USBメモリ2のルートディレクトリに、特有のファイル名のアップデート識別ファイル201が存在するか否かを判定する。ルートディレクトリ内にアップデート識別ファイル201が存在する場合には、ファームウェア情報比較部103は、NAS装置1のファームウェア格納データベース15に格納されているNAS装置の型番、ファームウェアのリビジョン、ファームウェアIDと、ファームウェア情報202から読み取られたファームウェア対応装置型番リスト211、ファームウェアリビジョン212、ファームウェアID213とを比較する。ファームウェア対応装置型番リストの判定結果から、このファームウェアがそのNAS装置に対応したものか否かが判定でき、ファームウェアリビジョンの比較結果から、ファームウェアのバージョンが上がっているか否かが判断でき、ファームウェアIDの比較結果からそれまでインストールされていたファームウェアと異なるか否かが判定できる。この比較結果に応じて、アップデートの可否が判断され、アップデート可能な場合には、ファームウェア展開部104は、USBメモリ2内のファームウェアデータ203を独立制御回路14のメモリ107に一時展開し、ファームウェア書換部105は、展開したファームウェアデータをファームウェア格納データベース15に上書きする。上書き完了後、NAS再起動部106は、NAS装置1を再起動する。これにより、ファームウェア16のアップデートが完了する。なお、このファームウェアのアップデートは、ファームウェア異常発生時に、障害復旧に対処するために行う他、正常稼動時に、最新のファームウェアにアップデートするために行われる。
【0022】
図4及び図5は、本発明の第1の実施形態のNAS装置1の処理を示すフローチャートであり、図4は、ファームウェア異常発生時に、ファームウェアをアップデートする際の処理を示し、図5は、正常稼動時に、ファームウェアをアップデートするときの処理を示している。先ず、図4のファームウェア異常発生時の処理について説明する。
【0023】
図4において、NAS装置1のファームウェア16に異常が発生している場合、管理者がUSBメモリ2をUSBポート12に接続すると(ステップS1)、独立制御回路14がUSBメモリ2のルートディレクトリのファイル名を確認し(ステップS2)、ルートディレクトリ内にアップデート識別ファイル201が存在するか否かを判定する(ステップS3)。
【0024】
ステップS3で、アップデート識別ファイル201が存在する場合には、独立制御回路14は、ルートディレクトリ内のファームウェア情報202を読み出し(ステップS4)、ファームウェアID213を検出する(ステップS5)。ステップS3で、ルートディレクトリ内にアップデート識別ファイル201が存在しない場合には、独立制御回路14は、USBポート12に接続されたUSBメモリ2がファームウェアアップデート用ではないと判断するが、ファームウェア異常により通常制御回路13へ後工程の処理を渡せないため、そのまま処理を終了する(ステップS6)。
【0025】
次に、ステップS5で、独立制御回路14がファームウェアID213を検出すると、独立制御回路14は、NAS装置1内のファームウェア格納データベース15に格納されているファームウェアIDと、USBメモリ2内に格納されているファームウェアID213が同じであるか否かを判定する(ステップS7)。
【0026】
ステップS7で、ファームウェアIDが同じでない場合には、独立制御回路14はファームウェア対応装置型番リスト211とNAS装置1内のファームウェア格納データベース15に格納されているNAS装置型番とを比較し(ステップS8)、NAS装置型番がファームウェア対応装置型番リスト211に存在するか否かを判定する(ステップS9)。ステップS7で、NAS装置1内のファームウェア格納データベース15に格納されているファームウェアIDと、USBメモリ2内に格納されているファームウェアID213が同じ場合には、独立制御回路14は処理を終了する(ステップS6)。
【0027】
ステップS9で、NAS装置型番がファームウェア対応装置型番リスト211に存在する場合は、独立制御回路14は、ファームウェアデータ203を独立制御回路14のメモリ107に一時展開する(ステップS10)。そして、独立制御回路14は、展開したファームウェアデータを独立制御回路14によりファームウェア格納データベース15に上書きし(ステップS11)、上書き完了後、NAS装置1を再起動させる(ステップS12)。ステップS9で、NAS装置型番がファームウェア対応装置型番リスト211に存在しない場合は、独立制御回路14は処理を終了する(ステップS6)。
【0028】
ステップS12で、NAS装置1を再起動させると、独立制御回路14は、処理をステップS2にリターンし、再度USBメモリ2にアクセスし、ステップS2〜ステップS7の処理を行うが、既に前述のステップS11にてファームウェアデータを上書きしているため、ステップS7のファームウェアID213を検出する際に、独立制御回路14は、同じファームウェアID213であると判断し、処理を終了することになる(ステップS6)。
【0029】
続いて、図5の正常稼動時に、ファームウェアをアップデートする場合の処理について説明する。
【0030】
図5において、NAS装置1が正常稼動中に、管理者がUSBメモリ2をUSBポート12に接続すると(ステップS101)、独立制御回路14がUSBメモリ2のルートディレクトリのファイル名を確認し(ステップS102)、ルートディレクトリ内にアップデート識別ファイル201が存在するか否かを判定する(ステップS103)。
【0031】
ステップS103で、アップデート識別ファイル201が存在する場合には、独立制御回路14は、ルートディレクトリ内のファームウェア情報202を読み出し(ステップS104)、ファームウェアID213を検出する(ステップS105)。ステップS103で、ルートディレクトリ内にアップデート識別ファイル201が存在しない場合には、独立制御回路14は、USBポート12に接続されたUSBメモリ2がファームウェアアップデート用ではないと判断し、後の工程を、通常制御回路13に渡して、メモリ共有サービスを実現するための通常処理に移る(ステップS106)。
【0032】
ステップS105で、独立制御回路14がファームウェアID213を検出すると、独立制御回路14は、NAS装置1内のファームウェア格納データベース15に格納されているファームウェアIDと、USBメモリ2内に格納されているファームウェアID213とを比較し、双方のファームウェアIDが同じであるか否かを判定する(ステップS107)。
【0033】
ステップS107で、ファームウェアIDが同じでない場合には、独立制御回路14はファームウェア対応装置型番リスト211とNAS装置1内のファームウェア格納データベース15に格納されているNAS装置型番とを比較し(ステップS108)、NAS装置型番がファームウェア対応装置型番リスト211に存在するか否かを判定する(ステップS109)。ステップS107で、NAS装置1内のファームウェア格納データベース15に格納されているファームウェアIDと、USBメモリ2内に格納されているファームウェアID213が同じ場合には、独立制御回路14は処理を終了する(ステップS110)。
【0034】
ステップS109で、NAS装置型番がファームウェア対応装置型番リスト211に存在する場合は、独立制御回路14は、ファームウェアリビジョン212を検出し(ステップS111)、NAS装置1内のファームウェア格納データベース15に格納されているファームウェアリビジョンが、USBメモリ2内に格納されているファームウェアリビジョン212より小さいか否かを判定する(ステップS112)。ステップS112で、NAS装置1内のファームウェア格納データベース15に格納されているファームウェアリビジョンが、USBメモリ2内に格納されているファームウェアリビジョン212より小さい場合には、独立制御回路14は、ファームウェアデータ203を独立制御回路14のメモリ107に一時展開する(ステップS113)。そして、独立制御回路14は、展開したファームウェアデータを独立制御回路14によりファームウェア格納データベース15に上書きし(ステップS114)、上書き完了後、独立制御回路14によりNAS装置1を再起動させる(ステップS115)。
【0035】
ステップS109で、NAS装置型番がファームウェア対応装置型番リスト211に存在しない場合は、独立制御回路14は処理を終了する(ステップS110)。また、ステップS112で、NAS装置1内のファームウェア格納データベース15に格納されているファームウェアリビジョンが、USBメモリ2内に格納されているファームウェアリビジョン212より小さくない場合には、独立制御回路14は処理を終了する(ステップS110)。
【0036】
なお、ステップS112で、NAS装置1内のファームウェア格納データベース15に格納されているファームウェアリビジョンがUSBメモリ2内に格納されているファームウェアリビジョン212より小さいか否かを判定しているのは、正常稼動時には、ファームウェアのリビジョンが下がることがないようにアップデートするためである。前述の異常動作時には、ファームウェアのリビジョンが下げる必要がある場合もあるため、このような処理は行われていない。
【0037】
ステップS115で、NAS装置1を再起動させると、独立制御回路14は、処理をステップS102にリターンし、再度USBメモリ2にアクセスし、ステップS102〜ステップS107の処理を行うが、既に前述のステップS114にてファームウェアデータを上書きしている。このため、ステップS107のファームウェアIDの比較の際に、独立制御回路14は、同じファームウェアIDと判断し、処理を終了することになる(ステップS110)。
【0038】
このように、本発明の第1の実施形態では、NAS装置1のファームウェア16に異常が発生している際には、管理者がNAS装置1に対応しているファームウェアデータ203を格納しているUSBメモリ2をUSBポート12に接続すると、独立制御回路14がUSBメモリ2にアクセスし、ファームウェアのアップデートが可能と判断した場合は、独立制御回路14がファームウェアデータ203をファームウェア格納データベース15に上書きするように構成されている。このため、管理端末3からNAS装置1に接続できない場合でも、ファームウェアデータ203を格納しているUSBメモリ2をUSBポート12に接続することで、ファームウェアのアップデートが実施され、ファームウェアの異常に対処することができる。
【0039】
また、NAS装置1が正常稼動している際も、管理者がNAS装置1に対応しているファームウェアデータを格納しているUSBメモリ2をUSBポート12に接続すると、独立制御回路14がUSBメモリ2にアクセスし、ファームウェアのアップデートが可能と判断した場合は、独立制御回路14がファームウェアデータ203をファームウェア格納データベース15に上書きするように構成されている。このため、管理端末3からNAS装置に接続できない場合でも、ファームウェアデータを格納しているUSBメモリ2をUSBポート12に接続するだけの一工程で、ファームウェアのアップデートが簡単に実施できる。
【0040】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。例えば、上述の実施形態では、ファームウェアをアップデートするための外部記憶装置として、USBメモリを使用しているが、ファームウェアをアップデートするための外部記憶装置は、USBメモリに限定されるものではなく、カード状のフラッシュメモリ等を用いるようにしても良い。
【符号の説明】
【0041】
1:NAS装置
2:USBメモリ
3:管理端末
11:LANポート
12:USBポート
13:通常制御回路
14:独立制御回路
15:ファームウェア格納データベース
16:ファームウェア
100:アップデート処理部
101:USBメモリアクセス部
102:識別ファイル認識部
103:ファームウェア情報比較部
104:ファームウェア展開部
105:ファームウェア書換部
106:NAS再起動部
107:メモリ
201:アップデート識別ファイル
202:ファームウェア情報
203:ファームウェアデータ
211:ファームウェア対応装置型番リスト
212:ファームウェアリビジョン
213:ファームウェアID

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介してファイル共有サービスを実現する通常制御回路と、
前記通常制御回路と独立して動作し前記通常制御回路のファームウェアのアップデートを行う独立制御回路とを備え、
前記独立制御回路は、自装置に接続された外部補助記憶装置にアクセスするアクセス部と、
前記自装置に接続された外部記憶装置がファームウェアアップデート用であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部が、前記外部記憶装置がファームウェアのアップデート用であると判定した場合に、当該外部記憶装置が記憶するファームウェアデータを用いて前記通常制御回路のファームウェアをアップデートするアップデート部とを有する
ことを特徴とするファイル共有装置。
【請求項2】
前記ファームウェアアップデート用の外部補助記憶装置は、特有のファイル名を有するアップデート識別ファイルを含み、
前記判定部は、前記自装置に外部記憶装置が接続されると、当該接続された外部記憶装置内に前記アップデート識別ファイルのファイル名を有するファイルが存在するか否かを判定し、当該接続された外部記憶装置内に前記アップデート識別ファイルのファイル名のファイルが存在すれば、当該自装置に接続された外部記憶装置はファームウェアアップデート用であると判定する
ことを特徴とする請求項1に記載のファイル共有装置。
【請求項3】
ネットワークを介してファイル共有サービスを実現するファイル共有装置のファームウェアアップデート方法において、
前記ファイル共有サービスを実現する通常制御回路と独立して動作し、前記通常制御回路のファームウェアのアップデートを行う独立制御回路を設け、
前記独立制御回路が外部機器接続用のポートに接続された前記ファームウェアアップデート用の外部補助記憶装置にアクセスする工程と、
前記自装置に接続された外部記憶装置がファームウェアアップデート用であるか否かを判定する工程と、
前記外部記憶装置がファームウェアのアップデート用であると判定した場合に、当該外部記憶装置が記憶するファームウェアデータを用いて前記通常制御回路のファームウェアをアップデートする工程とを含む
ことを特徴とするファイル共有装置のファームウェアアップデート方法。
【請求項4】
請求項3に記載したファイル共有装置のファームウェアアップデート方法をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−227813(P2011−227813A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−98833(P2010−98833)
【出願日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(000232140)NECフィールディング株式会社 (373)
【Fターム(参考)】