説明

ファイル制御プログラム、ファイル送信プログラム、ファイル送信装置、ファイル制御方法及びファイル送信方法

【課題】 暗号化されたアプリケーションファイルを他の端末に送信する際に、送信先の端末で復号化された平文のアプリケーションファイルが不正に複製等されることを防止するのに効果的な、ファイル制御プログラム等を提供する
【解決手段】 第1の発明にかかるファイル制御プログラムは、暗号化されたアプリケーションファイルとともに送信される、アプリケーションプログラムと制御モジュール(IOインジェクションモジュール等)を起動する実行ファイル(自己解凍exe)、I/Oレベルでアプリケーションファイルを復号化してアプリケーションプログラムによって表示される原データのみをアプリケーションプログラムに読み込ませる制御モジュールからなる。受信側の端末では平文のアプリケーションファイルが生成されてアプリケーションプログラムに読み込まれることがないので、不正な複製や更新等を防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、暗号化されたアプリケーションファイルを他の端末に送信する際に用いられる、ファイル制御プログラム、ファイル送信プログラム、ファイル送信装置、ファイル制御方法及びファイル送信方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
音楽や映像などのデジタルコンテンツのネットワーク配信が普及するようになり、デジタルコンテンツの不正な複製等を制御するデジタル著作権管理(DRM)の重要性が高まっている。デジタル著作権管理には、暗号鍵や電子透かしなどの様々な技術が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
こうした配信したデジタルコンテンツの複製等を制御するニーズは、音楽や映像などに限られるものではなく、文書ファイルやスプレッドシート、プレゼンテーションファイルなどのアプリケーションファイルについても、更新、複製、印刷などを制御したい場合がある。例えば、重要度の高い情報をこれらのアプリケーションファイルの形式で電子メールに添付して送信する際に、情報が無断で加工されたり、漏洩したりすることを防止するために、受信者にはファイルの閲覧のみを許可し、更新や印刷などの処理を禁止したい場合などである。
【0004】
このようなニーズに対しては、図1に示したように、アプリケーションファイルを暗号化するとともに、アプリケーションファイルを閲覧するためのアプリケーションプログラムの更新機能や印刷機能を制限するアドイン情報をあわせて送信することによって、受信者の端末におけるアプリケーションプログラムの機能を制御して、復号化されたアプリケーションファイルが更新されたり印刷されたりすることを防止する技術が提供されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−127349号公報
【特許文献2】特開2007−213421号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図1に示したようなアドイン情報によってアプリケーションプログラムの機能を制御する方法によると、更新や印刷など一定の機能を制限することができるが、受信側でアプリケーションプログラムを起動して閲覧する際には、暗号化されたアプリケーションファイルが復号化され、平文のアプリケーションファイルが生成されてアプリケーションプログラムに読み込まれることになる。
【0007】
ここで生成された平文のアプリケーションファイルを、更新や印刷などの機能が制限されていないアプリケーションプログラムが読み込むと、更新や印刷などが実行できることとなってしまう。そのため、復号化された平文のアプリケーションファイルが不正に複製され、他のコンピュータのアプリケーションプログラムに読み込ませて更新や印刷などが行われるリスクが生じることになる。
【0008】
また、アドイン情報によってアプリケーションプログラムの機能を制御するためには、アプリケーションプログラム毎にアドイン情報の設定を行うことが必要になり、送信先の端末で使用しているアプリケーションプログラムのバージョンの違いなどによって、アプリケーションファイルが表示されなかったり、アドイン情報が適切に反映されずに更新や印刷などの機能の制限が有効とならなかったりするリスクが生じる可能性もある。
【0009】
本発明は、このような課題に対応するためになされたものであり、暗号化されたアプリケーションファイルを他の端末に送信する際に、送信先の端末で復号化された平文のアプリケーションファイルが不正に複製等されることを防止するのに効果的であり、アプリケーションプログラムに応じてその機能を制限するアドイン情報を必ずしも必要としない、ファイル制御プログラム、ファイル送信プログラム、ファイル送信装置、ファイル制御方法及びファイル送信方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願にかかる課題を解決する第1の発明は、第1の端末から送信された暗号化されたアプリケーションファイルを受信する第2の端末において前記アプリケーションファイルに対してアプリケーションプログラムが実行する所定の機能を制御する、前記第1の端末から前記第2の端末に前記アプリケーションファイルと関連付けて送信される、実行ファイルと制御モジュールからなるファイル制御プログラムであって、前記実行ファイルは、前記第2の端末において前記アプリケーションファイルの選択を受け付けると、前記第2の端末に、前記制御モジュールを起動させるステップと、前記アプリケーションファイルの種別を特定し、前記アプリケーションファイルの種別に対応するアプリケーションプログラムを起動させるステップと、を実行させ、前記実行ファイルによって起動された制御モジュールは、前記第2の端末に、前記実行ファイルによって起動されたアプリケーションプログラムによる前記アプリケーションファイルの読出開始を検出するステップと、前記アプリケーションファイルの読出開始を検出すると、前記アプリケーションファイルを復号化して、復号化された前記アプリケーションファイルに含まれるアプリケーションプログラムによって表示される原データを抽出するステップと、前記第2の端末のディスプレイへの出力処理を実行させるために、前記原データを前記アプリケーションプログラムに読み込ませるステップと、を実行させることを特徴とするファイル制御プログラムである。
【0011】
第1の発明にかかるファイル制御プログラムは、受信したアプリケーションファイルを読み出す際に制御モジュールを起動させて、平文のアプリケーションファイルを生成してアプリケーションプログラムに読み込ませるのではなく、アプリケーションプログラムによって表示される原データのみをアプリケーションプログラムに引き渡して読み込ませることによって、平文のアプリケーションファイルが不正に複製されたり、更新されたりすることを防止することができる。また、平文のアプリケーションファイルを用いることなく複製や更新を制限するので、アプリケーションプログラムに応じてその機能を制限するアドイン情報に依存する必要もなくなる。
【0012】
尚、本発明において用いられるアプリケーションファイルとは、文書作成ソフト、表計算ソフト、プレゼンテーションソフト、電子メールソフトなどのアプリケーションプログラムにおいて利用できる形式のファイルが該当し、対象となるアプリケーションプログラムの種類は特に限定されるものではない。
【0013】
第1の発明は、前記制御モジュールは、前記第2の端末に、前記実行ファイルによって起動されたアプリケーションプログラムによる前記アプリケーションファイルの更新命令を検出するステップと、前記アプリケーションファイルの更新命令を検出すると、前記更新命令によって実行される前記アプリケーションファイルの更新処理を中止させるステップと、を実行させることを特徴とすることもできる。
【0014】
第1の発明の制御モジュールにこのような処理を実行させることによって、アプリケーションプログラムに応じてその機能を制限するアドイン情報に依存することなく、アプリケーションファイルに含まれる原データによって表示された情報の更新を制限することができる。
【0015】
第1の発明は、前記第2の端末に、前記実行ファイルによって起動されたアプリケーションプログラムによる前記アプリケーションファイルの印刷命令を検出するステップと、前記アプリケーションファイルの印刷命令を検出すると、前記印刷命令によって実行されるアプリケーションプログラムの印刷処理を中止させるステップと、を実行させる第2の制御モジュールを含むことを特徴とすることもできる。
【0016】
第1の発明にこのような制御モジュールを加えることによって、アプリケーションプログラムに応じてその機能を制限するアドイン情報に依存することなく、アプリケーションファイルに含まれる原データによって表示された情報の印刷を制限することができる。
【0017】
第1の発明は、前記実行ファイルは、前記第2の端末において前記アプリケーションファイルの選択を受け付けると、前記第2の端末に、前記アプリケーションファイルにアドイン情報が付されているかを確認するステップを実行させ、前記アドイン情報が付されていると確認された場合に、前記アプリケーションプログラムを起動させるステップにおいて、前記第2の端末に、前記アドイン情報を反映させたアプリケーションプログラムを起動させることを特徴とすることもできる。
【0018】
第1の発明において実行ファイルにこのような処理を行わせると、アドイン情報によるアプリケーションプログラムの機能制限を併用することができるので、アプリケーションファイルの不正な複製、更新、印刷が行われるリスクをさらに低減することができる。
【0019】
本願にかかる課題を解決する第2の発明は、第1の発明にかかるファイル制御プログラムをアプリケーションファイルとともに送信するための、ファイル送信プログラムに関する発明である。
【0020】
本願にかかる課題を解決する第2の発明は、第1の端末から第2の端末に暗号化されたアプリケーションファイルを送信する前記第1の端末に備えられるファイル送信プログラムであって、前記第1の端末に、前記第2の端末に送信するアプリケーションファイルの選択を受け付けるステップと、前記ステップで受け付けたアプリケーションファイルを暗号化するステップと、前記アプリケーションファイルと、前記第2の端末において前記アプリケーションファイルに対してアプリケーションプログラムが実行する所定の機能を制御する、実行ファイルと制御モジュールからなるファイル制御プログラムを関連付けて前記第2の端末に送信するステップと、を実行させ、前記ファイル制御プログラムの実行ファイルは、前記第2の端末において前記アプリケーションファイルの選択を受け付けると、前記第2の端末に、前記制御モジュールを起動させるステップと、前記アプリケーションファイルの種別を特定し、前記アプリケーションファイルの種別に対応するアプリケーションプログラムを起動させるステップと、を実行させ、前記実行ファイルによって起動された前記ファイル制御プログラムの制御モジュールは、前記第2の端末に、前記実行ファイルによって起動されたアプリケーションプログラムによる前記アプリケーションファイルの読出開始を検出するステップと、前記アプリケーションファイルの読出開始を検出すると、前記アプリケーションファイルを復号化して、復号化された前記アプリケーションファイルに含まれるアプリケーションプログラムによって表示される原データを抽出するステップと、前記第2の端末のディスプレイへの出力処理を実行させるために、前記原データを前記アプリケーションプログラムに読み込ませるステップと、を実行させることを特徴とするファイル送信プログラムである。
【0021】
第2の発明は、前記ファイル制御プログラムの制御モジュールは、前記第2の端末に、前記実行ファイルによって起動されたアプリケーションプログラムによる前記アプリケーションファイルの更新命令を検出するステップと、前記アプリケーションファイルの更新命令を検出すると、前記更新命令によって実行される前記アプリケーションファイルの更新処理を中止させるステップと、を実行させることを特徴とすることもできる。
【0022】
第2の発明は、前記ファイル制御プログラムは、前記第2の端末に、前記実行ファイルによって起動されたアプリケーションプログラムによる前記アプリケーションファイルの印刷命令を検出するステップと、前記アプリケーションファイルの印刷命令を検出すると、前記印刷命令によって実行されるアプリケーションプログラムの印刷処理を中止させるステップと、を実行させる第2の制御モジュールを含むことを特徴とすることもできる。
【0023】
第2の発明は、前記ファイル制御プログラムの実行ファイルは、前記第2の端末において前記アプリケーションファイルの選択を受け付けると、前記第2の端末に、前記アプリケーションファイルにアドイン情報が付されているかを確認するステップを実行させ、前記アドイン情報が付されていると確認された場合に、前記アプリケーションプログラムを起動させるステップにおいて、前記第2の端末に、前記アドイン情報を反映させたアプリケーションプログラムを起動させることを特徴とすることもできる。
【0024】
本願にかかる課題を解決する第3の発明は、第1の発明にかかるファイル制御プログラムをアプリケーションファイルとともに送信するための、ファイル送信装置に関する発明である。
【0025】
本願にかかる課題を解決する第2の発明は、所定の端末に暗号化されたアプリケーションファイルを送信するファイル送信装置であって、前記端末に送信するアプリケーションファイルの選択を受け付ける受付手段と、前記受付手段が受け付けたアプリケーションファイルを暗号化する暗号化手段と、前記アプリケーションファイルと、前記端末において前記アプリケーションファイルに対してアプリケーションプログラムが実行する所定の機能を制御する、実行ファイルと制御モジュールからなるファイル制御プログラムを関連付けて前記第2の端末に送信する送信手段と、を備えていて、前記ファイル制御プログラムの実行ファイルは、前記端末において前記アプリケーションファイルの選択を受け付けると、前記端末に、前記制御モジュールを起動させるステップと、前記アプリケーションファイルの種別を特定し、前記アプリケーションファイルの種別に対応するアプリケーションプログラムを起動させるステップと、を実行させ、前記実行ファイルによって起動された前記ファイル制御プログラムの制御モジュールは、前記端末に、前記実行ファイルによって起動されたアプリケーションプログラムによる前記アプリケーションファイルの読出開始を検出するステップと、前記アプリケーションファイルの読出開始を検出すると、前記アプリケーションファイルを復号化して、復号化された前記アプリケーションファイルに含まれるアプリケーションプログラムによって表示される原データを抽出するステップと、前記端末のディスプレイへの出力処理を実行させるために、前記原データを前記アプリケーションプログラムに読み込ませるステップと、を実行させることを特徴とするファイル送信装置である。
【0026】
第3の発明は、前記ファイル制御プログラムの制御モジュールは、前記第2の端末に、前記実行ファイルによって起動されたアプリケーションプログラムによる前記アプリケーションファイルの更新命令を検出するステップと、前記アプリケーションファイルの更新命令を検出すると、前記更新命令によって実行される前記アプリケーションファイルの更新処理を中止させるステップと、を実行させることを特徴とすることもできる。
【0027】
第3の発明は、前記ファイル制御プログラムは、前記端末に、前記実行ファイルによって起動されたアプリケーションプログラムによる前記アプリケーションファイルの印刷命令を検出するステップと、前記アプリケーションファイルの印刷命令を検出すると、前記印刷命令によって実行されるアプリケーションプログラムの印刷処理を中止させるステップと、を実行させる第2の制御モジュールを含むことを特徴とすることもできる。
【0028】
第3の発明は、前記ファイル制御プログラムの実行ファイルは、前記端末において前記アプリケーションファイルの選択を受け付けると、前記端末に、前記アプリケーションファイルにアドイン情報が付されているかを確認するステップを実行させ、前記アドイン情報が付されていると確認された場合に、前記アプリケーションプログラムを起動させるステップにおいて、前記端末に、前記アドイン情報を反映させたアプリケーションプログラムを起動させることを特徴とすることもできる。
【0029】
本願にかかる課題を解決する第4の発明は、第1の発明にかかるファイル制御プログラムによって実行されるファイル制御方法に関する発明である。
【0030】
本願にかかる課題を解決する第4の発明は、第1の端末から送信された暗号化されたアプリケーションファイルを受信する第2の端末において前記アプリケーションファイルに対してアプリケーションプログラムが実行する所定の機能を制御する、前記第1の端末から前記第2の端末に前記アプリケーションファイルと関連付けて送信される、実行ファイルと制御モジュールによって実行されるファイル制御方法であって、前記第2の端末が、前記アプリケーションファイルの選択を受け付けるステップと、前記第2の端末が、前記実行ファイルによって、前記制御モジュールを起動させるステップと、前記第2の端末が、前記実行ファイルによって、前記アプリケーションファイルの種別を特定し、前記アプリケーションファイルの種別に対応するアプリケーションプログラムを起動させるステップと、前記第2の端末が、前記制御モジュールによって、前記実行ファイルによって起動されたアプリケーションプログラムによる前記アプリケーションファイルの読出開始を検出するステップと、前記第2の端末が、前記制御モジュールによって、前記アプリケーションファイルの読出開始を検出すると、前記アプリケーションファイルを復号化して、復号化された前記アプリケーションファイルに含まれるアプリケーションプログラムによって表示される原データを抽出するステップと、前記第2の端末が、前記制御モジュールによって、前記第2の端末のディスプレイへの出力処理を実行させるために、前記原データを前記アプリケーションプログラムに読み込ませるステップと、を有することを特徴とするファイル制御方法である。
【0031】
本願にかかる課題を解決する第5の発明は、第2の発明にかかるファイル送信プログラム又は第3の発明にかかるファイル送信装置によって実行されるファイル送信方法に関する発明である。
【0032】
本願にかかる課題を解決する第5の発明は、第1の端末から第2の端末に暗号化されたアプリケーションファイルを送信するファイル送信方法であって、前記第1の端末が、前記第2の端末に送信するアプリケーションファイルの選択を受け付けるステップと、前記第1の端末が、前記ステップで受け付けたアプリケーションファイルを暗号化するステップと、前記第1の端末が、前記アプリケーションファイルと、前記第2の端末において前記アプリケーションファイルに対してアプリケーションプログラムが実行する所定の機能を制御する、実行ファイルと制御モジュールからなるファイル制御プログラムを関連付けて前記第2の端末に送信するステップと、を有していて、前記ファイル制御プログラムの実行ファイルは、前記第2の端末において前記アプリケーションファイルの選択を受け付けると、前記第2の端末に、前記制御モジュールを起動させるステップと、前記アプリケーションファイルの種別を特定し、前記アプリケーションファイルの種別に対応するアプリケーションプログラムを起動させるステップと、を実行させ、前記実行ファイルによって起動された前記ファイル制御プログラムの制御モジュールは、前記第2の端末に、前記実行ファイルによって起動されたアプリケーションプログラムによる前記アプリケーションファイルの読出開始を検出するステップと、前記アプリケーションファイルの読出開始を検出すると、前記アプリケーションファイルを復号化して、復号化された前記アプリケーションファイルに含まれるアプリケーションプログラムによって表示される原データを抽出するステップと、前記第2の端末のディスプレイへの出力処理を実行させるために、前記原データを前記アプリケーションプログラムに読み込ませるステップと、を実行させることを特徴とするファイル送信方法である。
【発明の効果】
【0033】
本発明によって、文書ファイルなどの暗号化されたアプリケーションファイルを他の端末に送信して閲覧させる場合に、アドイン情報を用いることなく、送信先の端末においてアプリケーションファイルの更新、印刷などの機能を制限することが可能になり、送信先の端末では平文のアプリケーションファイルがアプリケーションプログラムに読み込まれることがないので、復号化されたアプリケーションファイルが不正に複製されることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】暗号化されたアプリケーションファイルを復号化する従来の方法の概要を示す図である。
【図2】本発明によって暗号化されたアプリケーションファイルを復号化する方法の概要を示す図である。
【図3】本発明にかかるファイル制御プログラムによって、アプリケーションファイルを送信する端末及び受信する端末の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明にかかるファイル制御プログラムによって、アプリケーションプログラムの機能を制御する仕組みを示す図である。
【図5】本発明にかかるファイル制御プログラムを構成する自己解凍exeの処理手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明にかかるファイル制御プログラムを構成するIOインジェクションモジュールの処理手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明にかかるファイル制御プログラムによって制御されるアプリケーションプログラムの処理手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明にかかるファイル制御プログラムを構成するIOインジェクションモジュールによって更新処理を制限する処理手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明にかかるファイル制御プログラムを構成するプリントインジェクションモジュールによって印刷処理を制限する処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明を実施するための形態について、図面を用いて以下に詳細に説明する。尚、以下の説明では、本発明の実施形態の一例を示したものであって、本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。
【0036】
図1と図2を用いて、暗号化されたアプリケーションファイルを復号化する従来の方法と、本発明によって暗号化されたアプリケーションファイルを復号化する方法の相違点について説明する。
【0037】
暗号化されたアプリケーションファイルを復号化する従来の方法では、図1に示したように、送信元の端末では、平文のアプリケーションファイルを暗号化するとともに、これを復号化して自己解凍する実行形式のファイルである自己解凍exeと、受信者の端末のアプリケーションファイルを閲覧するためのアプリケーションプログラムにおいて、更新機能や印刷機能を制限するためのアドイン情報を、暗号化されたアプリケーションファイルとあわせて送信する。
【0038】
これらを受信した受信者の端末では、受信したアプリケーションファイルを表示するためのアイコンの選択等の操作が行われると、選択を受けて自己解凍exeが実行される。自己解凍exeによって暗号化されたアプリケーションファイルが復号化され、平文のアプリケーションファイルが生成される。また、自己解凍exeによって受信者の端末のアプリケーションプログラムが起動され、復号化された平文のアプリケーションファイルが読み込まれて、受信者の端末のディスプレイに表示される。
【0039】
また、自己解凍exeによって受信者の端末のアプリケーションプログラムが起動される際には、アプリケーションファイルとあわせて受信したアドイン情報が参照され、受信したアプリケーションファイルの更新や印刷など、アドイン情報に指定された機能の実行を受け付けないようにアプリケーションプログラムが制御される。ディスプレイ上には、例えば、受信したアプリケーションファイルが開かれた場合には、ツールバーの更新ボタンや印刷ボタンが表示されないよう設定される。
【0040】
以上に説明したような従来の方法では、自己解凍exeとアドイン情報を用いることによって、受信者の端末では、ユーザが受信したアプリケーションファイルのアイコンをダブルクリックするなどの選択操作を行えば、暗号化されたアプリケーションファイルが復号化されて表示されるとともに、アプリケーションプログラムによる更新や印刷などの所定の機能が制限されることになる。
【0041】
この方法では、図1にも示したように、アプリケーションプログラムは平文のアプリケーションファイルを読み込んで表示するため、アドイン情報によって更新や印刷などの機能は実行できなくなるものの、アプリケーションプログラムが読み込むために生成された平文のアプリケーションファイルを、同じアプリケーションプログラムを備えた他のコンピュータに複製して読み込ませると、不正に更新や印刷が行われるリスクが生じてしまうことになる。
【0042】
これに対して、図2に示した本発明によって暗号化されたアプリケーションファイルを復号化する方法では、受信者の端末において平文のアプリケーションファイルをアプリケーションプログラムに読み込ませることなく必要な情報を閲覧させることによって、アプリケーションファイルが不正に複製されて更新や印刷が行われるリスクを回避する。具体的には、次のような処理が行われる。
【0043】
送信者の端末では、平文のアプリケーションファイルを暗号化するとともに、これを閲覧する際に起動される実行形式のファイルである自己解凍exe、受信者の端末でアプリケーションファイルを復号化してアプリケーションプログラムにおいて情報を表示するために必要なデータを取り出すIOインジェクションモジュール、受信者の端末で表示された情報の印刷処理が行われることを制限するプリントインジェクションモジュールを、暗号化されたアプリケーションファイルとあわせて送信する。受信者の端末のアプリケーションファイルを閲覧するためのアプリケーションプログラムにおいて、更新機能や印刷機能を制限するためのアドイン情報を、あわせて送信することとしてもよい。これらの暗号化されたアプリケーションファイルとあわせて送信される一群のプログラムが、本発明にかかるファイル制御プログラムとなる。
【0044】
これらを受信した受信者の端末では、受信したアプリケーションファイルを表示させるためのアイコンのダブルクリック等の選択操作が行われると、かかる操作を受けて自己解凍exeが実行される。自己解凍exeによって、IOインジェクションモジュールとプリントインジェクションモジュールが起動されるとともに、暗号化されたアプリケーションファイルに対応する受信者の端末のアプリケーションプログラムを起動させる。
【0045】
アプリケーションプログラムを起動されて暗号化されたアプリケーションファイルを読み込もうとすると、IOインジェクションモジュールが動作して暗号化されたアプリケーションファイルを復号化し、そのからその中に含まれるアプリケーションプログラムによって表示される原データ(テキストやイメージなど、アプリケーションファイルが開かれた際に表示される情報に対応するデータ)を取り出して、平文のデータとしてアプリケーションプログラムに読み込ませる。
【0046】
このように、受信者の端末では、復号化された平文のアプリケーションファイルを生成してアプリケーションプログラムに読み込ませるのではなく、平文のデータのみによって必要な情報の表示が行われるので、受信者にはアプリケーションファイルによって表示される内容を確認させることができる一方で、平文のアプリケーションファイルが不正に複製されるリスクを回避することができる。
【0047】
また、IOインジェクションモジュールは、アプリケーションプログラムで表示しているデータの更新命令を受け付けた場合には、暗号化されたアプリケーションファイルに対する更新処理の実行を制御する。これによって、受信されたアプリケーションファイルが更新されるのを防止することができるが、従来の方式を併用して、アドイン情報によってアプリケーションプログラムの更新機能を制御する(アプリケーションプログラムを起動したら表示される更新ボタンをアクティブにしない等)こととしてもよい。
【0048】
さらに、プリントインジェクションモジュールは、アプリケーションプログラムで表示しているデータの印刷命令を受け付けた場合には、印刷処理の実行を制御する。これによって、受信されたアプリケーションファイルによって表示された情報が印刷されるのを防止することができるが、従来の方式を併用して、アドイン情報によってアプリケーションプログラムの印刷機能を制御する(アプリケーションプログラムを起動したら表示される印刷ボタンをアクティブにしない等)こととしてもよい。
【0049】
図3のブロック図は、本発明にかかるファイル制御プログラムによって、アプリケーションファイルを送信する端末(送信者端末)及び受信する端末(受信者端末)の構成を示すものである。
【0050】
送信者端末10には、アプリケーション実行部11、ファイル送信部12、暗号化処理部13、ファイル格納部14、プログラム格納部15が備えられている。受信者端末20には、アプリケーション実行部21、ファイル受信部22、印刷処理部23、ファイル格納部24、プリンタ25が備えられている。
【0051】
送信者端末10と受信者端末20は、CPU、メインメモリ、HDDを少なくとも備えた、ネットワークに接続可能なコンピュータである。ここでネットワークの種別は特に限定されるものではなく、インターネットの他に、社内LANなどのクローズなネットワークであってもよい。
【0052】
アプリケーション実行部11、ファイル送信部12、暗号化処理部13、アプリケーション実行部21、ファイル受信部22、印刷処理部23は、いずれも機能的に特定されるものである。これらの各部を動作させるためには、各々の機能に対応するHDDに格納されたアプリケーションプログラムがメインメモリ等のメモリ領域に読み出されて、CPUが演算処理を実行することによって、各々の機能が実現される。
【0053】
ファイル格納部14とファイル格納部24は、いずれも文書作成ソフトや表計算ソフトなどのアプリケーションプログラムで生成されたファイル(アプリケーションファイル)を格納する記憶領域であって、HDD等の所定の記憶領域が割り当てられる。プログラム格納部15は、受信者端末20に送信してアプリケーション実行部21の所定の機能を制御させる実行ファイルや制御モジュールを格納する記憶領域であって、HDD等の所定の記憶領域が割り当てられる。
【0054】
以上の構成を前提にして、送信者端末10から受信者端末20に暗号化されたアプリケーションファイルを送信し、端末20において所定の機能を制限する際の、本発明にかかるファイル制御プログラム及びファイル送信プログラムの処理手順について説明する。
【0055】
送信者端末10から暗号化されたアプリケーションファイルを送信する際には、文書作成ソフト等であるアプリケーション実行部11を起動して、送信するアプリケーションファイルをファイル格納部14から読み出す。読み出されたアプリケーションファイルを送信したい場合には、メール送信の選択ボタン等を選択して、電子メールのメーラ等であるファイル送信部12を起動させる。ファイル送信部12では、暗号化処理部13を起動して読み出されたアプリケーションファイルを暗号化し、暗号化されたアプリケーションファイルを受信者端末20に送信する。
【0056】
あるいは、アプリケーション実行部11を起動させることなくファイル送信部12を起動させて、送信するアプリケーションファイルを指定して、ファイル格納部14から読み出すこととしてもよい。ファイル送信部12では、暗号化処理部13を起動して読み出されたアプリケーションファイルを暗号化し、暗号化されたアプリケーションファイルを受信者端末20に送信する。
【0057】
ここで、受信者端末20のアプリケーション実行部21において所定の機能を制御するための制御モジュールとその制御モジュール等を起動する実行ファイルからなるファイル制御プログラムを、暗号化されたアプリケーションファイルとあわせて受信者端末20に送信する。これらのプログラムはプログラム格納部15から読み出されて、ファイル送信部12から送信される。ファイル制御プログラムとあわせて、アプリケーション実行部21において所定の機能を制御するアドイン情報を送信することとしてもよい。
【0058】
受信者端末20では、送信者端末10から送信されたアプリケーションファイルと実行ファイル及び制御モジュールをファイル受信部21で受信する。ここで受信したアプリケーションファイルを閲覧するために、アイコンをダブルクリックする等の選択操作が行われると、実行ファイル(自己解凍exe)が動作して、文書作成ソフト等であるアプリケーション実行部21が起動される。また、受信した制御モジュール(IOインジェクションモジュールとプリントインジェクションモジュール)も起動され、メインメモリ等の記憶領域に展開される。
【0059】
制御モジュールのうち、IOインジェクションモジュールが実行されると、暗号化されたアプリケーションファイルを取り出すI/Oレベルでアプリケーションファイルが復号化されて、復号化されたデータの中から、アプリケーションプログラムによって表示される原データである平文のデータが抽出される。これをアプリケーション実行部21に読み込ませることによって、平文のアプリケーションファイルを生成して読み込むことなく、必要な情報が受信者端末20に表示される。
【0060】
表示されたデータの更新命令を受け付けた場合には、IOインジェクションモジュールによって暗号化されたアプリケーションファイルのアプリケーション実行部21による更新処理が抑止される。また、表示されたデータの印刷命令を受け付けた場合には、プリントインジェクションモジュールによって印刷処理部23の印刷処理が抑止され、プリンタ20には印刷データが送信されない。
【0061】
図4は、受信者の端末において、本発明にかかるファイル制御プログラムがアプリケーションプログラムの機能を制御する仕組みを示したものである。この図と、図5〜図9のフローチャートを用いて、本発明にかかるファイル制御プログラムによる処理手順について説明する。
【0062】
実行形式のファイルである自己解凍exeは、図4に示したように、IOインジェクションモジュール、プリントインジェクションモジュール、アプリケーションプログラムの起動処理を実行する。IOインジェクションモジュールとプリントインジェクションモジュールは、自己解凍exeとともに暗号化されたアプリケーションファイルと関連付けて受信したモジュールが起動されるが、アプリケーションプログラムは受信者端末に格納されたプログラムの中から選択することが必要になるため、暗号化されたアプリケーションファイルの拡張子等からファイルの種別を読み取って、起動させるアプリケーションプログラムを選択する。また、アドイン情報が付されている場合には、アドイン情報を反映して所定の機能を制限した状態で、アプリケーションプログラムを起動する。
【0063】
図5のフローチャートは、実行ファイルである自己解凍exeの処理手順を示したものである。受信者端末で受信したアプリケーションファイルを閲覧するために、アイコンのダブルクリック等の選択操作が行われると、実行ファイルである自己解凍exeの動作が開始される。
【0064】
自己解凍exeは、IOインジェクションモジュールとプリントインジェクションモジュールを起動する(S01、S02)。さらに、自己解凍exeと関連付けられて受信した暗号化されたアプリケーションファイルを取り出すが、自己解凍exeによってアプリケーションファイルが復号化されないように抑止され、暗号化されたアプリケーションファイルの拡張子等からファイル種別を特定して(S03)、ファイル種別に対応するアプリケーションプログラムの起動までが実行される(S04)。
【0065】
また、暗号化されたアプリケーションファイルとあわせてアドイン情報を受信している場合には(S05)、アドイン情報を読み出して、起動されるアプリケーションプログラムに引き渡す(S06)。アプリケーションプログラムは、アドイン情報によって更新や印刷など所定の機能が制限された状態で起動される。
【0066】
アプリケーションプログラムが起動されると、受信者端末のフォルダに格納されたアプリケーションファイルのアイコンをダブルクリックした場合と同様の処理が行われ、取り出したアプリケーションファイルの読み込みが開始される。
【0067】
図6のフローチャートは、この後に動作する制御モジュールであるIOインジェクションモジュールの処理手順を示したものである。上述のようにアプリケーションファイルの読み込みが開始されると、ここで先に起動されたIOインジェクションモジュールが動作し、読込処理を検出して(S11)、OSのRead処理においてI/Oレベルで暗号化されたアプリケーションファイルの復号化を実行する(S12)。
【0068】
このように、IOインジェクションモジュールは、暗号化されたアプリケーションファイルの復号化、アプリケーションプログラムとのデータの受渡し、後に説明するアプリケーションファイルの更新機能の抑止などの機能を、I/Oレベルにおいて実行するので、こうした機能のためにアプリケーションプログラム側を加工することが不要となり、アドイン情報を付してアプリケーションプログラムの機能制限等の加工を行うことが、必須の要件とはならなくなるものである。
【0069】
IOインジェクションモジュールは、アプリケーションファイルを復号化したデータの中から、アプリケーションプログラムによって表示される原データ(テキストやイメージなど、アプリケーションファイルが開かれた際に表示される情報に対応するデータ)である平文のデータを抽出する(S13)。ここで起動されたアプリケーションプログラムに対しては、復号化されたデータが平文のファイル形式で読み込まれるのではなく、I/Oレベルにおいて平文のデータが抽出されて引き渡される(S14)。
【0070】
自己解凍exeによって起動されたアプリケーションプログラムでは、図7のフローチャートに示した手順で処理が行われる。起動されたアプリケーションプログラムを操作するために表示する画面が生成されるが(S21)、ここで自己解凍exeからアドイン情報を受け付けている場合には(S22)、アドイン情報に指定された機能を制限するよう設定するとともに、更新ボタンや印刷ボタンを操作できないように表示するなど、アプリケーションプログラムの操作画面にアドイン情報を反映する(S23)。
【0071】
また、受信した暗号化されたアプリケーションファイルの読み込みを開始するが(S24)、ここでIOインジェクションモジュールが動作して、読み込もうとしたアプリケーションファイルがファイル形式で読み込まれるのではなく、IOインジェクションモジュールから平文のデータを受け付けることになる(S25)。ここで受け付けた平文のデータが、アプリケーションプログラムに読み込まれて画面の中に組み込まれ、受信者端末のディスプレイに表示される(S26)。
【0072】
ここでアプリケーションプログラムによって表示された平文のデータを更新しようとした場合、図4に示したように、IOインジェクションモジュールが暗号化されたアプリケーションファイルのI/Oレベルにおいて更新されたデータの書き出しを制限し、更新処理を抑止するので、受信したアプリケーションファイルの更新が制限される。
【0073】
図8のフローチャートは、制御モジュールであるIOインジェクションモジュールによって更新処理を制限する処理手順を示している。表示されている平文のデータの一部を変更する操作が行われた後に、アプリケーションプログラムが変更された平文のデータへの更新命令を受け付けると、I/OレベルでIOインジェクションモジュールがこれを検出して(S31)、暗号化されたアプリケーションファイルに対する更新処理を抑止する(S32)。
【0074】
また、アプリケーションプログラムによって表示された平文のデータを印刷しようとした場合、図4に示したように、プリントインジェクションモジュールがプリンタへのI/Oレベルにおいて印刷処理を抑止するので、受信したアプリケーションファイルの印刷が制限される。
【0075】
図9のフローチャートは、制御モジュールであるプリントインジェクションモジュールによって印刷処理を制限する処理手順を示している。表示されている平文のデータの印刷命令を受け付けると、I/OレベルでIOインジェクションモジュールがこれを検出して(S41)、印刷スプールに対する印刷データの送出を中断させることによって、印刷処理を抑止する(S42)。
【符号の説明】
【0076】
10 送信者端末
11 アプリケーション実行部
12 ファイル送信部
13 暗号化処理部
14 ファイル格納部
20 受信者端末
21 アプリケーション実行部
22 ファイル受信部
23 印刷処理部
24 ファイル格納部
25 プリンタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端末から送信された暗号化されたアプリケーションファイルを受信する第2の端末において前記アプリケーションファイルに対してアプリケーションプログラムが実行する所定の機能を制御する、前記第1の端末から前記第2の端末に前記アプリケーションファイルと関連付けて送信される、実行ファイルと制御モジュールからなるファイル制御プログラムであって、
前記実行ファイルは、前記第2の端末において前記アプリケーションファイルの選択を受け付けると、前記第2の端末に、
前記制御モジュールを起動させるステップと、
前記アプリケーションファイルの種別を特定し、前記アプリケーションファイルの種別に対応するアプリケーションプログラムを起動させるステップと、
を実行させ、
前記実行ファイルによって起動された制御モジュールは、前記第2の端末に、
前記実行ファイルによって起動されたアプリケーションプログラムによる前記アプリケーションファイルの読出開始を検出するステップと、
前記アプリケーションファイルの読出開始を検出すると、前記アプリケーションファイルを復号化して、復号化された前記アプリケーションファイルに含まれるアプリケーションプログラムによって表示される原データを抽出するステップと、
前記第2の端末のディスプレイへの出力処理を実行させるために、前記原データを前記アプリケーションプログラムに読み込ませるステップと、
を実行させること
を特徴とするファイル制御プログラム。
【請求項2】
前記制御モジュールは、前記第2の端末に、
前記実行ファイルによって起動されたアプリケーションプログラムによる前記アプリケーションファイルの更新命令を検出するステップと、
前記アプリケーションファイルの更新命令を検出すると、前記更新命令によって実行される前記アプリケーションファイルの更新処理を中止させるステップと、
を実行させること
を特徴とする請求項1記載のファイル制御プログラム。
【請求項3】
前記第2の端末に、
前記実行ファイルによって起動されたアプリケーションプログラムによる前記アプリケーションファイルの印刷命令を検出するステップと、
前記アプリケーションファイルの印刷命令を検出すると、前記印刷命令によって実行されるアプリケーションプログラムの印刷処理を中止させるステップと、
を実行させる第2の制御モジュールを含むこと
を特徴とする請求項1又は2記載のファイル制御プログラム。
【請求項4】
前記実行ファイルは、前記第2の端末において前記アプリケーションファイルの選択を受け付けると、前記第2の端末に、
前記アプリケーションファイルにアドイン情報が付されているかを確認するステップを実行させ、
前記アドイン情報が付されていると確認された場合に、前記アプリケーションプログラムを起動させるステップにおいて、前記第2の端末に、前記アドイン情報を反映させたアプリケーションプログラムを起動させること
を特徴とする請求項1乃至3記載のファイル制御プログラム。
【請求項5】
第1の端末から第2の端末に暗号化されたアプリケーションファイルを送信する前記第1の端末に備えられるファイル送信プログラムであって、
前記第1の端末に、
前記第2の端末に送信するアプリケーションファイルの選択を受け付けるステップと、
前記ステップで受け付けたアプリケーションファイルを暗号化するステップと、
前記アプリケーションファイルと、前記第2の端末において前記アプリケーションファイルに対してアプリケーションプログラムが実行する所定の機能を制御する、実行ファイルと制御モジュールからなるファイル制御プログラムを関連付けて前記第2の端末に送信するステップと、
を実行させ、
前記ファイル制御プログラムの実行ファイルは、前記第2の端末において前記アプリケーションファイルの選択を受け付けると、前記第2の端末に、
前記制御モジュールを起動させるステップと、
前記アプリケーションファイルの種別を特定し、前記アプリケーションファイルの種別に対応するアプリケーションプログラムを起動させるステップと、
を実行させ、
前記実行ファイルによって起動された前記ファイル制御プログラムの制御モジュールは、前記第2の端末に、
前記実行ファイルによって起動されたアプリケーションプログラムによる前記アプリケーションファイルの読出開始を検出するステップと、
前記アプリケーションファイルの読出開始を検出すると、前記アプリケーションファイルを復号化して、復号化された前記アプリケーションファイルに含まれるアプリケーションプログラムによって表示される原データを抽出するステップと、
前記第2の端末のディスプレイへの出力処理を実行させるために、前記原データを前記アプリケーションプログラムに読み込ませるステップと、
を実行させること
を特徴とするファイル送信プログラム。
【請求項6】
前記ファイル制御プログラムの制御モジュールは、前記第2の端末に、
前記実行ファイルによって起動されたアプリケーションプログラムによる前記アプリケーションファイルの更新命令を検出するステップと、
前記アプリケーションファイルの更新命令を検出すると、前記更新命令によって実行される前記アプリケーションファイルの更新処理を中止させるステップと、
を実行させること
を特徴とする請求項5記載のファイル送信プログラム。
【請求項7】
前記ファイル制御プログラムは、前記第2の端末に、
前記実行ファイルによって起動されたアプリケーションプログラムによる前記アプリケーションファイルの印刷命令を検出するステップと、
前記アプリケーションファイルの印刷命令を検出すると、前記印刷命令によって実行されるアプリケーションプログラムの印刷処理を中止させるステップと、
を実行させる第2の制御モジュールを含むこと
を特徴とする請求項5又は6記載のファイル送信プログラム。
【請求項8】
前記ファイル制御プログラムの実行ファイルは、前記第2の端末において前記アプリケーションファイルの選択を受け付けると、前記第2の端末に、
前記アプリケーションファイルにアドイン情報が付されているかを確認するステップを実行させ、
前記アドイン情報が付されていると確認された場合に、前記アプリケーションプログラムを起動させるステップにおいて、前記第2の端末に、前記アドイン情報を反映させたアプリケーションプログラムを起動させること
を特徴とする請求項5乃至7いずれかに記載のファイル送信プログラム。
【請求項9】
所定の端末に暗号化されたアプリケーションファイルを送信するファイル送信装置であって、
前記端末に送信するアプリケーションファイルの選択を受け付ける受付手段と、
前記受付手段が受け付けたアプリケーションファイルを暗号化する暗号化手段と、
前記アプリケーションファイルと、前記端末において前記アプリケーションファイルに対してアプリケーションプログラムが実行する所定の機能を制御する、実行ファイルと制御モジュールからなるファイル制御プログラムを関連付けて前記第2の端末に送信する送信手段と、
を備えていて、
前記ファイル制御プログラムの実行ファイルは、前記端末において前記アプリケーションファイルの選択を受け付けると、前記端末に、
前記制御モジュールを起動させるステップと、
前記アプリケーションファイルの種別を特定し、前記アプリケーションファイルの種別に対応するアプリケーションプログラムを起動させるステップと、
を実行させ、
前記実行ファイルによって起動された前記ファイル制御プログラムの制御モジュールは、前記端末に、
前記実行ファイルによって起動されたアプリケーションプログラムによる前記アプリケーションファイルの読出開始を検出するステップと、
前記アプリケーションファイルの読出開始を検出すると、前記アプリケーションファイルを復号化して、復号化された前記アプリケーションファイルに含まれるアプリケーションプログラムによって表示される原データを抽出するステップと、
前記端末のディスプレイへの出力処理を実行させるために、前記原データを前記アプリケーションプログラムに読み込ませるステップと、
を実行させること
を特徴とするファイル送信装置。
【請求項10】
前記ファイル制御プログラムの制御モジュールは、前記第2の端末に、
前記実行ファイルによって起動されたアプリケーションプログラムによる前記アプリケーションファイルの更新命令を検出するステップと、
前記アプリケーションファイルの更新命令を検出すると、前記更新命令によって実行される前記アプリケーションファイルの更新処理を中止させるステップと、
を実行させること
を特徴とする請求項9記載のファイル送信装置。
【請求項11】
前記ファイル制御プログラムは、前記端末に、
前記実行ファイルによって起動されたアプリケーションプログラムによる前記アプリケーションファイルの印刷命令を検出するステップと、
前記アプリケーションファイルの印刷命令を検出すると、前記印刷命令によって実行されるアプリケーションプログラムの印刷処理を中止させるステップと、
を実行させる第2の制御モジュールを含むこと
を特徴とする請求項9又は10記載のファイル送信装置。
【請求項12】
前記ファイル制御プログラムの実行ファイルは、前記端末において前記アプリケーションファイルの選択を受け付けると、前記端末に、
前記アプリケーションファイルにアドイン情報が付されているかを確認するステップを実行させ、
前記アドイン情報が付されていると確認された場合に、前記アプリケーションプログラムを起動させるステップにおいて、前記端末に、前記アドイン情報を反映させたアプリケーションプログラムを起動させること
を特徴とする請求項9乃至11いずれかに記載のファイル送信装置。
【請求項13】
第1の端末から送信された暗号化されたアプリケーションファイルを受信する第2の端末において前記アプリケーションファイルに対してアプリケーションプログラムが実行する所定の機能を制御する、前記第1の端末から前記第2の端末に前記アプリケーションファイルと関連付けて送信される、実行ファイルと制御モジュールによって実行されるファイル制御方法であって、
前記第2の端末が、前記アプリケーションファイルの選択を受け付けるステップと、
前記第2の端末が、前記実行ファイルによって、前記制御モジュールを起動させるステップと、
前記第2の端末が、前記実行ファイルによって、前記アプリケーションファイルの種別を特定し、前記アプリケーションファイルの種別に対応するアプリケーションプログラムを起動させるステップと、
前記第2の端末が、前記制御モジュールによって、前記実行ファイルによって起動されたアプリケーションプログラムによる前記アプリケーションファイルの読出開始を検出するステップと、
前記第2の端末が、前記制御モジュールによって、前記アプリケーションファイルの読出開始を検出すると、前記アプリケーションファイルを復号化して、復号化された前記アプリケーションファイルに含まれるアプリケーションプログラムによって表示される原データを抽出するステップと、
前記第2の端末が、前記制御モジュールによって、前記第2の端末のディスプレイへの出力処理を実行させるために、前記原データを前記アプリケーションプログラムに読み込ませるステップと、
を有することを特徴とするファイル制御方法。
【請求項14】
第1の端末から第2の端末に暗号化されたアプリケーションファイルを送信するファイル送信方法であって、
前記第1の端末が、前記第2の端末に送信するアプリケーションファイルの選択を受け付けるステップと、
前記第1の端末が、前記ステップで受け付けたアプリケーションファイルを暗号化するステップと、
前記第1の端末が、前記アプリケーションファイルと、前記第2の端末において前記アプリケーションファイルに対してアプリケーションプログラムが実行する所定の機能を制御する、実行ファイルと制御モジュールからなるファイル制御プログラムを関連付けて前記第2の端末に送信するステップと、
を有していて、
前記ファイル制御プログラムの実行ファイルは、前記第2の端末において前記アプリケーションファイルの選択を受け付けると、前記第2の端末に、
前記制御モジュールを起動させるステップと、
前記アプリケーションファイルの種別を特定し、前記アプリケーションファイルの種別に対応するアプリケーションプログラムを起動させるステップと、
を実行させ、
前記実行ファイルによって起動された前記ファイル制御プログラムの制御モジュールは、前記第2の端末に、
前記実行ファイルによって起動されたアプリケーションプログラムによる前記アプリケーションファイルの読出開始を検出するステップと、
前記アプリケーションファイルの読出開始を検出すると、前記アプリケーションファイルを復号化して、復号化された前記アプリケーションファイルに含まれるアプリケーションプログラムによって表示される原データを抽出するステップと、
前記第2の端末のディスプレイへの出力処理を実行させるために、前記原データを前記アプリケーションプログラムに読み込ませるステップと、
を実行させること
を特徴とするファイル送信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−191551(P2010−191551A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−33311(P2009−33311)
【出願日】平成21年2月16日(2009.2.16)
【出願人】(397067853)株式会社インテリジェントウェイブ (20)
【Fターム(参考)】