説明

ファイル管理システム、ファイル管理方法及びファイル管理プログラム

【課題】ユーザにデータ記憶領域の移動ポリシーを意識させることなく、データ記憶領域の管理を行なうとともに、ファイル利用時の利便性の向上とファイル記憶にかかるコストの圧縮を図るためのファイル管理システム、ファイル管理方法及びファイル管理プログラムを提供する。
【解決手段】管理サーバ20の制御部21は、ファイルが帰属するグループのアーカイブポリシーに基づいて、ファイル属性、利用履歴を用いて評価値を算出する。この評価値を用いて、アーカイブ対象を特定し、アーカイブ処理を実行する。また、制御部21は、ファイルが帰属するグループの参照支援ポリシーに基づいて、ファイル属性、利用履歴を用いて評価値を算出する。この評価値を用いて、復帰対象を判定した場合、同じグループに属するファイルを特定し、復帰処理を実行する。また、制御部21は、定期的にアーカイブポリシーの設定、参照支援ポリシーの設定を行なう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファイルを記録するデータ記憶領域の管理を行なうためのファイル管理システム、ファイル管理方法及びファイル管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザによって作成されたファイルをファイルサーバ等のデータ記憶装置に蓄積し、必要に応じて参照したり、更新したりすることが多い。しかしながら、蓄積量が多くなった場合には、ファイルサーバにおける容量には限界があるため、新たなデータ記憶装置を準備する必要がある。ここで、ファイルの記憶にかかる費用の削減のために、不要なファイルの削除や、利用頻度が少ないファイルを利用方法に制限があるが低コストの記憶媒体に移動させる場合もある。
【0003】
SAN(Storage Area Network)を利用したストレージ機器に対して、その使用状況などを予測し、予測結果に基づいて管理する技術が検討されている(例えば、特許文献1参照)。この文献に記載された技術では、SANを利用したストレージ機器を管理するために、判定対象、条件に対してアクションを規定したポリシー(ルール)を設定する。そして、ストレージ機器の使用状況に関する情報を収集し、収集した情報に基づいて、ポリシーの判定対象の値を求め、判定対象の値がポリシーの条件を満足するか否かを判定する。ポリシーの条件を満足するとき、ポリシーのアクションを実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−345632号公報(第1頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように、データ記憶領域間にはコストの高低があり、高コストのデータ記憶領域に記憶されたファイルを、低コストのデータ記憶領域にアーカイブすること(例えば、圧縮や低コストの記憶媒体への移動)により、ファイルの記憶にかかるコストを圧縮することができる。しかしながら、一般には、低コストの領域は、利便性が低い。例えば、低コストのデータ記憶領域においては、ユーザが直接アクセスすることができず、データの復帰・解凍や、記憶媒体からのローディング等に時間を要するため、ユーザにおいてはストレスが大きくなる。このため、ユーザは利用の可能性があるファイルを、アーカイブされていない状態に置こうとする傾向にあり、記憶領域の移動によるコストの圧縮が困難である。
【0006】
また、ファイルによって、利用ユーザや利用頻度が異なる。従って、すべてのファイルについて、低コストの領域に移動させるルール(アーカイブポリシー)を画一的に適用したのでは、多様なファイルについて的確な管理を行なうことができない場合がある。更に、各ファイルについて個別にアーカイブポリシーを定めたのでは、ポリシーの設定に作業負担がかかる。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、ユーザにデータ記憶領域の移動ポリシーを意識させることなく、データ記憶領域の管理を行うとともに、ファイル利用時の利便性の向上とファイル記憶にかかるコストの圧縮とを図るためのファイル管理システム、ファイル管理方法及びファイル管理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、ファイル属性を含むファイルを記録するために、第1の記憶領域と第2の記憶領域とから構成されたファイル記憶手段と、前記ファイルの利用履歴情報を記録する履歴情報管理手段と、ファイルがグループ単位でまとめられており、各ファイルが属するグループを特定するためのグループ管理情報が記録されたグループ管理情報記憶手段と、前記グループに対応させて、前記第1の記憶領域と前記第2の記憶領域との間で移動させるファイルを特定するための判定要素に対する重み付け値及び移動要否判定基準値を含む移動ポリシーを記録したポリシー記憶手段と、前記移動ポリシーに基づいて、ファイルの記憶領域を管理する制御手段とを備えたファイル管理システムであって、前記制御手段が、前記グループ管理情報記憶手段を用いて、前記ファイル記憶手段に記録された処理対象ファイルが属するグループを特定する手段と、前記ポリシー記憶手段を用いて、前記グループの移動ポリシーを特定する手段と、前記処理対象ファイルについて、前記移動ポリシーにおける判定要素としてのファイル属性、利用履歴を特定し、前記判定要素の重み付け値を用いて評価値を算出する手段と、前記評価値と、前記移動ポリシーにおいて設定されている移動要否判定基準値とを比較し、この比較結果に基づいて、移動要と判定された処理対象ファイルを他方の記憶領域に移動させる手段とを備えたことを要旨とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のファイル管理システムにおいて、前記移動ポリシーには、判定要素としての利用ユーザに対する重み付け値が記録されており、前記評価値の算出においては、前記履歴情報管理手段の利用履歴に含まれる利用ユーザを特定し、前記判定要素の重み付け値を用いることを要旨とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のファイル管理システムにおいて、前記制御手段が、前記グループ管理情報記憶手段を用いて、グループに属する処理対象ファイルを特定し、前記特定した処理対象ファイルの利用履歴情報を前記履歴情報管理手段から取得し、前記利用履歴情報に基づいて前記グループの移動ポリシーの変更処理を実行する手段を更に備えたことを要旨とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一つに記載のファイル管理システムにおいて、前記移動ポリシーは、利用回数が少ないファイルを前記第1の記憶領域から前記第2の記憶領域に移動させてアーカイブを行なうアーカイブポリシーであり、前記判定要素として、一定期間の処理対象ファイルの利用回数に関する情報を含むことを要旨とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のファイル管理システムにおいて、前記移動ポリシーの変更処理において、利用履歴情報を用いて、予め定められた評価期間における前記グループに属する処理対象ファイルの利用回数についての評価値を算出し、前記利用回数についての評価値と、前記アーカイブポリシーのポリシー変更要否判定基準値との比較結果に応じて、前記利用回数が少ないと判定した場合には、アーカイブを促進する方向に、前記アーカイブポリシーの移動要否判定基準値を変更することを要旨とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一つに記載のファイル管理システムにおいて、前記移動ポリシーは、一定期間内に利用可能性がある処理対象ファイルを、前記第2の記憶領域から前記第1の記憶領域に移動させてアーカイブから復帰させる参照支援ポリシーを含むことを要旨とする。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のファイル管理システムにおいて、前記比較結果に基づいて、移動要と判定された処理対象ファイルと同じグループに属するすべてのファイルを前記第2の記憶領域から前記第1の記憶領域に移動させることを要旨とする。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項6又は7に記載のファイル管理システムにおいて、前記移動ポリシーの変更処理において、前記利用履歴情報を用いて、処理対象ファイルについて、予め定められた評価期間における、ユーザの要求に基づいて復帰させた復帰回数についての評価値を算出し、前記復帰回数についての評価値と、前記参照支援ポリシーのポリシー変更要否判定基準値との比較結果に応じて、前記復帰回数が多いと判定した場合には、アーカイブからの復帰を促進する方向に、前記参照支援ポリシーの移動要否判定基準値を変更することを要旨とする。
【0016】
請求項9に記載の発明は、請求項6又は7に記載のファイル管理システムにおいて、前記移動ポリシーの変更処理において、前記利用履歴情報を用いて、処理対象ファイルと同じグループに属するファイルについて、予め定められた評価期間における、ユーザの要求に基づいて復帰させた復帰回数の合計回数についての評価値を算出し、前記合計回数についての評価値と、前記参照支援ポリシーのポリシー変更要否判定基準値との比較結果に応じて、前記復帰回数の合計回数が多いと判定した場合には、アーカイブからの復帰を促進する方向に、前記参照支援ポリシーの移動要否判定基準値を変更することを要旨とする。
【0017】
請求項10に記載の発明は、ファイル属性を含むファイルを記録するために、第1の記憶領域と第2の記憶領域とから構成されたファイル記憶手段と、前記ファイルの利用履歴情報を記録する履歴情報管理手段と、ファイルが属するグループを特定するためのグループ管理情報が記録されたグループ管理情報記憶手段と、前記グループに対応させて、前記第1の記憶領域と前記第2の記憶領域との間で移動させるファイルを特定するための判定要素に対する重み付け値及び移動要否判定基準値を含む移動ポリシーを記録したポリシー記憶手段と、前記移動ポリシーに基づいて、ファイルの記憶領域を管理する制御手段とを備えたファイル管理システムを用いて、ファイルを管理する方法であって、前記制御手段が、前記グループ管理情報記憶手段を用いて、前記ファイル記憶手段に記録されたファイルが属するグループを特定する段階と、前記ポリシー記憶手段を用いて、前記グループの移動ポリシーを特定する段階と、前記移動ポリシーにおける判定要素としてのファイル属性、利用履歴を特定して評価値を算出する段階と、前記評価値と、前記移動ポリシーにおいて設定されている移動要否判定基準値とを比較し、この比較結果に基づいて、移動要と判定されたファイルを他方の記憶領域に移動させる段階とを実行することを要旨とする。
【0018】
請求項11に記載の発明は、ファイル属性を含むファイルを記録するために、第1の記憶領域と第2の記憶領域とから構成されたファイル記憶手段と、前記ファイルの利用履歴情報を記録する履歴情報管理手段と、ファイルが属するグループを特定するためのグループ管理情報が記録されたグループ管理情報記憶手段と、前記グループに対応させて、前記第1の記憶領域と前記第2の記憶領域との間で移動させるファイルを特定するための判定要素に対する重み付け値及び移動要否判定基準値を含む移動ポリシーを記録したポリシー記憶手段と、前記移動ポリシーに基づいて、ファイルの記憶領域を管理する制御手段とを備えたファイル管理システムを用いて、ファイルを管理するプログラムであって、前記制御手段を、前記グループ管理情報記憶手段を用いて、前記ファイル記憶手段に記録されたファイルが属するグループを特定する手段、前記ポリシー記憶手段を用いて、前記グループの移動ポリシーを特定する手段、前記移動ポリシーにおける判定要素としてのファイル属性、利用履歴を特定して評価値を算出する手段、前記評価値と、前記移動ポリシーにおいて設定されている移動要否判定基準値とを比較し、この比較結果に基づいて、移動要と判定されたファイルを他方の記憶領域に移動させる手段として機能させることを要旨とする。
【0019】
(作用)
請求項1、10又は11に記載の発明によれば、制御手段が、グループ管理情報記憶手段を用いて、ファイル記憶手段に記録されたファイルが属するグループを特定する。次に、ポリシー記憶手段を用いて、グループの移動ポリシーを特定する。次に、処理対象ファイルについて、移動ポリシーにおける判定要素としてのファイル属性、利用履歴を特定して評価値を算出する。そして、評価値と、移動ポリシーにおいて設定されている移動要否判定基準値とを比較し、この比較結果に基づいて、移動要と判定された処理対象ファイルを他方の記憶領域に移動させる。これにより、グループ毎の移動ポリシーに基づいて、ファイルの保存先を決定することができる。更に、ファイル属性や利用履歴を用いて、多様な状況を考慮して移動の要否を判定することができる。
【0020】
請求項2に記載の発明によれば、移動ポリシーには、判定要素としての利用ユーザに対する重み付け値が記録されており、評価値の算出においては、履歴情報管理手段の利用履歴に含まれる利用ユーザを特定し、判定要素の重み付け値を用いる。これにより、ファイルの利用者の属性を考慮して、ファイルの保存先の変更の要否を決定することができる。
【0021】
請求項3に記載の発明によれば、制御手段が、グループ管理情報記憶手段を用いて、グループに属する処理対象ファイルを特定し、特定した処理対象ファイルの利用履歴情報を履歴情報管理手段から取得する。そして、利用履歴情報に基づいてグループの移動ポリシーの変更処理を実行する。これにより、複数のファイルによりグループが構成されている場合、このグループに属するファイルの利用状況を考慮して、的確な移動ポリシーに修正することができる。
【0022】
請求項4に記載の発明によれば、移動ポリシーは、利用回数が少ないファイルを第1の記憶領域から第2の記憶領域に移動させてアーカイブを行なうアーカイブポリシーであり、判定要素として、一定期間の処理対象ファイルの利用回数に関する情報を含む。これにより、移動ポリシーを適用して評価値を算出する対象の一定期間において利用頻度の低いファイルを、第2の記憶領域にアーカイブすることができる。従って、第1の記憶領域に対して、第2の記憶領域を低コストのハードウェアで構成することにより、経済的に効率的なファイル管理を行なうことができる。
【0023】
請求項5に記載の発明によれば、利用履歴情報を用いて、予め定められた評価期間におけるグループに属する処理対象ファイルの利用回数についての評価値を算出する。そして、利用回数についての評価値と、アーカイブポリシーのポリシー変更要否判定基準値との比較結果に応じて、利用回数が少ないと判定した場合には、アーカイブを促進する方向に、アーカイブポリシーの移動要否判定基準値を変更する。これにより、移動ポリシーの変更要否を評価する対象の期間において、処理対象ファイルの利用頻度が低い場合には、アーカイブを促進し、第1の記憶領域における占有を抑制した管理を行なうことができる。
【0024】
請求項6に記載の発明によれば、移動ポリシーは、一定期間内に利用可能性がある処理対象ファイルを、第2の記憶領域から第1の記憶領域に移動させてアーカイブから復帰させる参照支援ポリシーを含む。これにより、利用の可能性があるファイルを、予め第1の記憶領域に移動させておくことができる。従って、アーカイブされたファイルにおいても、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0025】
請求項7に記載の発明によれば、比較結果に基づいて、移動要と判定された処理対象ファイルと同じグループに属するすべてのファイルを第2の記憶領域から第1の記憶領域に移動させる。利用の可能性があるファイルに関連する他のファイルをグループ毎に移動させることができる。従って、ユーザが復帰を要求することがなく関連するファイルを利用することができる。
【0026】
請求項8に記載の発明によれば、移動ポリシーの変更処理において、処理対象ファイルについて、予め定められた評価期間における、ユーザの要求に基づいて復帰させた復帰回数についての評価値を算出する。そして、復帰回数についての評価値と、参照支援ポリシーのポリシー変更要否判定基準値との比較結果に応じて、復帰回数が多いと判定した場合には、アーカイブからの復帰を促進する方向に、参照支援ポリシーの移動要否判定基準値を変更する。これにより、ファイルの利用状況を考慮して、的確な移動ポリシーに修正することができる。
【0027】
請求項9に記載の発明によれば、移動ポリシーの変更処理において、利用履歴情報を用いて、処理対象ファイルと同じグループに属するファイルについて、予め定められた評価期間における、ユーザの要求に基づいて復帰させた復帰回数の合計回数についての評価値を算出する。そして、合計回数についての評価値と、参照支援ポリシーのポリシー変更要否判定基準値との比較結果に応じて、復帰回数の合計回数が多いと判定した場合には、アーカイブからの復帰を促進する方向に、参照支援ポリシーの復帰判定基準値を変更する。これにより、ファイル毎の復帰回数が少ない場合であっても、グループ全体で所定の回数の復帰要求があった場合には、参照支援ポリシーを変更することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、ユーザにデータ記憶領域の移動ポリシーを意識させることなく、データ記憶領域の管理を行うとともに、ファイル利用時の利便性の向上とファイル記憶にかかるコストの圧縮とを図るためのファイル管理システム、ファイル管理方法及びファイル管理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施形態のシステム概略図。
【図2】本実施形態のアーカイブポリシーや参照支援ポリシーに用いられる判定要素と、処理の概要の説明図。
【図3】本実施形態の処理手順の説明図であって、(a)はアーカイブ実行処理、(b)は参照支援実行処理の説明図。
【図4】本実施形態の処理手順の説明図であって、(a)はアーカイブポリシー設定処理、(b)は参照支援ポリシー設定処理の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明を具体化した一実施形態を、図1〜図4に従って説明する。本実施形態では、図1に示すデータ記憶部10に記録されたファイルを管理する場合を想定する。ここでは、2つのデータ記憶領域(第1領域11及び第2領域12)を使い分けて、ファイルを管理する。
【0031】
このデータ記憶部10はファイル記憶手段として機能し、ユーザが利用する各種ファイルを記録する。各ファイルには、各ファイルを個別に特定するためのファイル識別子が付与されている。例えば、ファイル識別子としては、ファイルの格納先を示すフォルダ情報とファイル名とを組み合わせた情報を用いることができる。そして、各ファイルのプロパティ領域には、ファイル属性(ファイル名、保管先フォルダ、ファイル種別、管理ユーザ、サイズ、作成日、更新日、参照日)に関する情報が記録されている。
【0032】
このデータ記憶部10には、ユーザが利用するクライアント端末50が接続されており、クライアント端末50を用いて、ユーザによって作成されたファイルが記録される。更に、各ファイルは、ユーザによって参照(閲覧)や更新が行なわれる。
【0033】
このデータ記憶部10には、第1の記憶領域としての第1領域11、第2の記憶領域としての第2領域12が設けられている。第1領域11は、ファイル保管のコストが比較的高いデータ記憶領域である。第2領域12は、第1領域11に比べて、利用方法に制限があるが、ファイル保管のコストが低いデータ記憶領域である。
【0034】
本実施形態では、データ記憶部10は、仮想的なボリュームと、データ記憶領域(第1領域11及び第2領域12)上の物理的なボリュームとの間でデータの位置についての関連付けを行なうためのマッピング・テーブルを作成する。クライアント端末50において作成されたファイルは第1領域11に記録され、保存先フォルダに関連付けてマッピング・テーブルに登録される。そして、第1領域11に記録されたファイルは、後述するアーカイブ処理により第2領域12に移動される。
【0035】
クライアント端末50からデータ記憶部10にアクセスがあった場合、クライアント端末50のディスプレイに、マッピング・テーブルに登録された仮想的なフォルダ構成を表示する。ファイルを参照したり、更新したりする場合には、フォルダ内のファイルを選択する。この場合、データ記憶部10は、マッピング・テーブルを用いて、各ファイルの物理的な保存先を特定する。ここで、クライアント端末50において選択されたファイルが、第1領域11に記録されている場合には、このファイルをそのままクライアント端末50のディスプレイに出力する。一方、選択されたファイルが、第2領域12に記録されている場合には、復帰処理により、このファイルを第2領域12から第1領域11に移動させた後で、クライアント端末50のディスプレイに出力する。
【0036】
データ記憶部10は、ファイルの利用履歴を管理する履歴管理部13に接続される。この履歴管理部13は履歴情報管理手段として機能し、データ記憶部10に記録されたファイルの利用者や利用状況を監視し、利用履歴情報を記録する。本実施形態では、利用履歴情報には、作成履歴、更新履歴、参照履歴に関するレコードが記録される。
【0037】
作成履歴レコードには、ファイル識別子に対して、作成者(ユーザ識別子)及び作成日(作成年月日及び時刻)に関するデータが記録される。
更新履歴レコードには、ファイル識別子に対して、更新者(ユーザ識別子)及び更新日(更新年月日及び時刻)に関するデータが記録される。
参照履歴レコードには、ファイル識別子に対して、参照者(ユーザ識別子)及び参照日(参照年月日及び時刻)に関するデータが記録される。
【0038】
また、第2領域12に記録されたファイルが、ファイルの利用(更新又は参照)のために選択された場合には、このファイルを第1領域11に復帰させる。この場合、履歴管理部13は、第2領域12に記録されていたファイルの復帰履歴情報を記録する。この復帰履歴情報には、復帰されたファイルのファイル識別子に対して、ファイルの選択者(ユーザ識別子)及び復帰日(年月日及び時刻)に関するデータが記録される。
【0039】
管理サーバ20は、ユーザによって登録されたファイルを管理するコンピュータシステムである。本実施形態では、データ記憶部10に登録されたファイルの保存場所(第1領域11又は第2領域12)を管理する処理を実行する。この管理サーバ20は、図1に示すように、制御部21、アーカイブポリシー記憶部22、参照支援ポリシー記憶部23、グループ管理情報記憶部24、ユーザ管理情報記憶部25を備えている。本実施形態では、アーカイブポリシー記憶部22、参照支援ポリシー記憶部23がポリシー記憶手段として機能する。
【0040】
制御部21は、CPU、RAM、ROM(図示せず)等から構成された制御手段を備えており、後述する処理(アーカイブ実行段階、参照支援実行段階、アーカイブポリシー設定段階、参照支援ポリシー設定段階等の各処理)を行なう。そして、制御部21は、アーカイブ実行手段211、参照支援実行手段212、アーカイブポリシー設定手段213、参照支援ポリシー設定手段214として機能する。
【0041】
アーカイブ実行手段211は、アーカイブポリシー記憶部22に記録された移動ポリシー(アーカイブポリシー)に従って、第1領域11に記録されたファイルを第2領域12に移動させる処理を実行する。
【0042】
参照支援実行手段212は、参照支援ポリシー記憶部23に記録された移動ポリシー(参照支援ポリシー)に従って、第2領域12に記録されたファイルを第1領域11に移動させる処理を実行する。
【0043】
アーカイブポリシー設定手段213は、アーカイブポリシー記憶部22に記録されたアーカイブポリシーの変更処理を実行する。このアーカイブポリシー設定手段213は、アーカイブポリシーを変更するためのアーカイブポリシー変更判断テーブルを保持している。このアーカイブポリシー変更判断テーブルには、ファイルの利用状況を判定するための評価期間や、アーカイブポリシーの変更の要否を判定するための基準回数(ポリシー変更要否判定基準値)に関するデータを保持している。なお、本実施形態では、現在から所定日数を遡った期間を、アーカイブポリシーの評価期間として予め定めておく。
【0044】
参照支援ポリシー設定手段214は、参照支援ポリシー記憶部23に記録された参照支援ポリシーの変更処理を実行する。この参照支援ポリシー設定手段214は、参照支援ポリシーを変更するための参照支援ポリシー変更判断テーブルを保持している。この参照支援ポリシー変更判断テーブルには、ファイルの復帰状況を判定するための評価期間や、参照支援ポリシーの変更の要否を判定するための基準回数(ポリシー変更要否判定基準値)に関するデータを保持している。なお、本実施形態では、現在から所定日数を遡った期間を、参照支援ポリシーの評価期間として予め定めておく。
【0045】
アーカイブポリシー記憶部22には、第1領域11に記録されたファイルを第2領域12に移動させるアーカイブ処理対象のファイルを特定する移動ポリシー(アーカイブポリシー)が記録されている。また、参照支援ポリシー記憶部23には、第2領域12に記録されたファイルを第1領域11に移動させる参照支援処理対象のファイルを特定する移動ポリシー(参照支援ポリシー)が記録されている。これらのポリシーは、アーカイブ処理や参照支援処理の各処理が実行される前に予め登録され、ファイルの利用状況に応じて更新される。
【0046】
本実施形態では、各移動ポリシーは、1以上のファイルによって構成されるグループ毎に適用される。図2に示すように、グループを特定するためのグループ識別子に関連づけて、各グループに適用される移動ポリシー(アーカイブポリシー、参照支援ポリシー)が記録されている。この移動ポリシーには、ファイル属性や利用履歴に含まれる要素(判定要素)に対して、評価値を算出するための重み付け値及び計数ルール(重み付け方法や移動要の判定方法)が記録されている。更に、移動ポリシーには、ファイル移動(アーカイブ又は復帰)の要否を判定するための移動要否判定基準値が記録されている。なお、各移動ポリシーにおいては、ファイル属性や利用履歴に含まれるすべての要素を用いる必要はなく、一部の要素を用いることが可能である。
【0047】
例えば、アーカイブポリシーにおいては、判定要素として「一定期間の利用回数」、「一定期間内の利用人数」、「一定期間内の復帰要求回数」、「一定期間内の復帰要求人数」等を用いて判断する。
「一定期間の利用回数」を用いて判断するアーカイブポリシーにおいては、重み付け対象として「利用ユーザ」、「利用形態」、「作成者」、「ファイル種別」、「作成日」、「保管先フォルダ」等に応じて異なる重み付け値を設定しておく。ここで、計数ルールにより、利用回数に対して、各重み付け対象に応じた重み付け値を乗算した評価値を、重み付け対象毎に算出する。そして、更に、計数ルールにおいて定められた移動要の判定方法により、各評価値の集約値と移動要否判定基準値との比較結果に応じてアーカイブの要否を決定する。例えば、移動要の判定方法においては、重み付け対象毎に算出した評価値を合計して、移動要否判定基準値を超えた場合に移動要と判定する。なお、集約値としては、評価値の合計値に限定されるものではなく、最大値や平均値を用いることも可能である。
【0048】
ここで、重み付け対象「利用ユーザ」については、「一般」、「役員」等の役職、「管理用ID」等によって、異なる重み付け値を付与する。例えば、役員のように利便性評価への影響が大きいユーザについては大きな重み付け値を付与しておく。
【0049】
重み付け対象「利用形態」については、「参照」、「更新」等によって、異なる重み付け値を付与する。例えば、「更新」に対して「参照」よりも大きな重み付け値を付与しておく。
【0050】
重み付け対象「作成者」については、「利用ユーザと一致」、「利用ユーザと異なる」等によって、異なる重み付け値を付与する。例えば、「利用ユーザと異なる」に対して「利用ユーザと一致」よりも大きな重み付け値を付与しておく。
【0051】
重み付け対象「ファイル種別」については、拡張子等により特定される種類によって、異なる重み付け値を付与する。例えば、PDF(Portable Document Format)ファイルのように、専ら参照にて利用される種別については、小さい重み付け値を付与し、ログファイルのように専ら追記にて利用される種別については、大きな重み付け値を付与しておく。
【0052】
重み付け対象「作成日」については、経過日数により逓減する重み付け値を付与する。
重み付け対象「保管先フォルダ」については、「一般フォルダ」、「バックアップ保存先等、専ら管理用に使用する管理作業用フォルダ」、「公開用フォルダ」等によって、異なる重み付け値を付与する。例えば、「管理作業用フォルダ」、「公開用フォルダ」には、大きな重み付け値を付与して、アーカイブされないようにしておく。
【0053】
「一定期間内の利用人数」を用いて判断するアーカイブポリシーにおいては、重み付け対象としての「利用ユーザ」、「利用形態」、「作成者」等に応じて異なる重み付け値を設定しておく。ここで、計数ルールにより、利用人数に対して、各重み付け対象に応じた重み付け値を乗算した評価値を、重み付け対象毎に算出する。そして、更に、計数ルールにおいて定められた移動要の判定方法により、各評価値の集計値と移動要否判定基準値との比較結果に応じてアーカイブの要否を決定する。
【0054】
また、「一定期間内の復帰要求回数」を用いて判断するアーカイブポリシーにおいては、重み付け対象としての「利用ユーザ」、「利用形態」、「作成者」等に応じて異なる重み付け値を設定しておく。ここで、計数ルールにより、復帰要求回数に対して、各重み付け対象に応じた重み付け値を乗算した評価値を、重み付け対象毎に算出する。そして、更に、計数ルールにおいて定められた移動要の判定方法により、各評価値の集約値と移動要否判定基準値との比較結果に応じてアーカイブの要否を決定する。
【0055】
また、「一定期間内の復帰要求人数」を用いて判断するアーカイブポリシーにおいては、重み付け対象としての「利用ユーザ」、「利用形態」、「作成者」等に応じて異なる重み付け値を設定しておく。ここで、計数ルールにより、復帰要求人数に対して、各重み付け対象に応じた重み付け値を乗算した評価値を、重み付け対象毎に算出する。そして、更に、計数ルールにおいて定められた移動要の判定方法により、各評価値の集約値と移動要否判定基準値との比較結果に応じてアーカイブの要否を決定する。
【0056】
参照支援ポリシーにおいては、判定要素として「利用予定日時」を用いて判断する。「利用予定日時」においては、ファイルの周期的な利用パターン(インターバル、特定日、特定時期(5・10日、末日、特定ファイルの更新後等)で特定される利用予定日時が記録される。この利用パターンは、履歴管理部13に記録された利用履歴に基づいて特定される。ここで、計数ルールにより、現在日時からの利用予定日時までの残り時間(評価値)を算出する。そして、計数ルールにおいて定められた移動要の判定方法により、評価値と移動要否判定基準値(例えば、24時間)との比較結果に応じて復帰の要否を決定する。例えば、残り時間が24時間以下になった場合に復帰させる。
【0057】
グループ管理情報記憶部24はグループ管理情報記憶手段として機能する。このグループ管理情報記憶部24には、各ファイルが属するグループを特定するグループ管理情報が記録されている。このグループ管理情報は、各ファイルが帰属するグループが登録された場合に記録される。このグループ管理情報には、グループ識別子、グループ定義に関するデータが含まれる。
【0058】
グループ識別子データ領域には、各グループを特定するための識別子に関するデータが記録される。
グループ定義データ領域には、このグループに属するファイルを特定するためのデータが記録される。例えば、グループに属するファイルを保存先フォルダによって特定する場合には、ファイルが記録されたフォルダのフォルダ識別子に関するデータが記録される。更に、ファイル属性、特定の保存先フォルダやファイル種別等の組合せを用いて、グループを構成することも可能である。なお、グループ定義により、一つのファイルを複数のグループに帰属させることも可能である。
【0059】
ユーザ管理情報記憶部25には、本システムを利用するユーザのユーザ管理情報が記録されている。このユーザ管理情報は、ユーザの利用者登録が行なわれた場合に記録される。このユーザ管理情報には、ユーザ識別子、役職に関するデータが含まれる。
ユーザ識別子データ領域には、各ユーザを特定するための識別子に関するデータが記録される。
役職データ領域には、このユーザの役職に関するデータが記録される。
【0060】
上記のように構成されたシステムを用いて、ファイル管理を行なう場合の処理手順について、図2〜図4を用いて説明する。ここでは、処理の概要、アーカイブ実行処理、参照支援実行処理、アーカイブポリシー設定処理、参照支援ポリシー設定処理の順番に説明する。
【0061】
(処理の概要)
まず、処理の概要を、図2を用いて説明する。
ここでは、管理サーバ20の制御部21は、アーカイブ実行処理を実行する(ステップS1−1)。具体的には、制御部21のアーカイブ実行手段211が、アーカイブポリシーに従って、ファイルを第1領域11から第2領域12に移動させる処理を実行する。この処理については、図3(a)を用いて後述する。
【0062】
また、管理サーバ20の制御部21は、参照支援実行処理を実行する(ステップS1−2)。具体的には、制御部21の参照支援実行手段212が、参照支援ポリシーに従って、ファイルを第2領域12から第1領域11に移動させる処理を実行する。この処理については、図3(b)を用いて後述する。
【0063】
また、管理サーバ20の制御部21は、アーカイブポリシーの設定処理を実行する(ステップS1−3)。具体的には、制御部21のアーカイブポリシー設定手段213が、ファイルの利用状況に応じて、アーカイブポリシーを修正する処理を実行する。この処理については、図4(a)を用いて後述する。
【0064】
また、管理サーバ20の制御部21は、参照支援ポリシーの設定処理を実行する(ステップS1−4)。具体的には、制御部21の参照支援ポリシー設定手段214は、ファイルの利用状況に応じて、参照支援ポリシーを修正する処理を実行する。この処理については、図4(b)を用いて後述する。
【0065】
(アーカイブ実行処理)
次に、図3(a)を用いて、アーカイブ実行処理を説明する。このアーカイブ実行処理は、所定の周期で定期的に実行される。ここでは、データ記憶部10の第1領域11に記録されている各ファイルを順次、処理対象ファイルとして特定し、以下の処理を繰り返す。
【0066】
まず、管理サーバ20の制御部21は、処理対象ファイルが帰属するグループの特定処理を実行する(ステップS2−1)。具体的には、制御部21のアーカイブ実行手段211は、グループ管理情報記憶部24に記録された各グループ定義と、処理対象ファイルの属性情報等とを比較する。そして、アーカイブ実行手段211は、処理対象ファイルの属性情報が含まれるグループ定義を特定することにより、この処理対象ファイルが帰属するグループのグループ識別子を取得する。
【0067】
次に、管理サーバ20の制御部21は、帰属グループのアーカイブポリシーの特定処理を実行する(ステップS2−2)。具体的には、制御部21のアーカイブ実行手段211は、特定したグループのグループ識別子に関連付けられたアーカイブポリシーを、アーカイブポリシー記憶部22から取得する。
【0068】
次に、管理サーバ20の制御部21は、アーカイブポリシーの判定要素の特定処理を実行する(ステップS2−3)。具体的には、制御部21のアーカイブ実行手段211は、取得したアーカイブポリシーにおいて設定されている判定要素、重み付け対象を特定する。
【0069】
次に、管理サーバ20の制御部21は、ファイル属性、利用履歴の取得処理を実行する(ステップS2−4)。具体的には、制御部21のアーカイブ実行手段211は、処理対象ファイルのプロパティ領域に記録されたファイル属性を取得する。更に、アーカイブ実行手段211は、履歴管理部13から、処理対象ファイルの利用履歴情報を取得する。そして、アーカイブ実行手段211は、アーカイブポリシーにおいて設定された判定要素、重み付け対象について、ファイル属性、利用履歴情報に含まれる属性値、履歴値を特定する。
【0070】
次に、管理サーバ20の制御部21は、判定要素に基づいて評価値の算出処理を実行する(ステップS2−5)。具体的には、制御部21のアーカイブ実行手段211は、アーカイブポリシーにおける判定要素に応じて、重み付け値、計数ルールを取得する。そして、アーカイブ実行手段211は、計数ルール、重み付け値、ファイル属性、利用履歴情報に含まれる属性値、履歴値を用いて評価値を算出する。例えば、予め定められた一定期間内の利用回数を取得し、ファイルが格納されたフォルダに対応する重み付け値や、利用ユーザの属性(役職)に対応する重み付け値、利用形態(参照、更新)に対応する重み付け値を加味して、評価値を算出する。
【0071】
次に、管理サーバ20の制御部21は、アーカイブ対象かどうかについての判定処理を実行する(ステップS2−6)。具体的には、制御部21のアーカイブ実行手段211は、算出した評価値と、アーカイブの移動要否判定基準値とを比較する。評価値が判定要素に対応した移動要否判定基準値よりも大きい場合には、アーカイブ対象と判定する。
【0072】
アーカイブ対象と判定した場合(ステップS2−6において「YES」の場合)、管理サーバ20の制御部21は、アーカイブ処理を実行する(ステップS2−7)。具体的には、制御部21のアーカイブ実行手段211は、処理対象ファイルを第1領域11から第2領域12に移動させる。
【0073】
一方、アーカイブ対象でないと判定した場合(ステップS2−6において「NO」の場合)、管理サーバ20の制御部21は、アーカイブ処理(ステップS2−7)をスキップして、このファイルについての処理を終了する。
そして、第1領域11に記録されたすべてのファイルについて、上記処理を繰り返す。
【0074】
(参照支援実行処理)
次に、図3(b)を用いて、参照支援実行処理を説明する。この参照支援実行処理は、所定の周期で定期的に実行される。ここでは、データ記憶部10の第2領域12に記録されている各ファイルを順次、処理対象ファイルとして特定し、以下の処理を繰り返す。
【0075】
まず、管理サーバ20の制御部21は、処理対象ファイルが帰属するグループの特定処理を実行する(ステップS3−1)。具体的には、制御部21の参照支援実行手段212は、グループ管理情報記憶部24において、処理対象ファイルが帰属するグループのグループ識別子を取得する。
【0076】
次に、管理サーバ20の制御部21は、帰属グループの参照支援ポリシーの特定処理を実行する(ステップS3−2)。具体的には、制御部21の参照支援実行手段212は、特定したグループのグループ識別子に関連付けられた参照支援ポリシーを、参照支援ポリシー記憶部23から取得する。
【0077】
次に、管理サーバ20の制御部21は、参照支援ポリシーの判定要素の特定処理を実行する(ステップS3−3)。具体的には、制御部21の参照支援実行手段212は、取得した参照支援ポリシーにおいて設定されている判定要素を特定する。
【0078】
次に、管理サーバ20の制御部21は、ファイル属性、利用履歴の取得処理を実行する(ステップS3−4)。具体的には、制御部21の参照支援実行手段212は、処理対象ファイルのプロパティ領域に記録されたファイル属性を取得する。更に、参照支援実行手段212は、履歴管理部13から、処理対象ファイルの利用履歴情報を取得する。そして、参照支援実行手段212は、ファイル属性、利用履歴情報において、参照支援ポリシーにおいて設定された判定要素の重み付け対象について、ファイル属性、利用履歴情報に含まれる属性値、履歴値を特定する。例えば、特定日、特定時期については、現在日時を比較して利用予定日時までの残り時間を取得する。また、インターバルについては、前回利用日と現在日時とを比較して経過日数を取得する。
【0079】
次に、管理サーバ20の制御部21は、判定要素に基づいて評価値の算出処理を実行する(ステップS3−5)。具体的には、制御部21の参照支援実行手段212は、参照支援ポリシーにおける判定要素に応じて、重み付け値、計数ルールを取得する。そして、参照支援実行手段212は、計数ルール、重み付け値、ファイル属性、利用履歴情報に含まれる属性値、履歴値を用いて評価値を算出する。
【0080】
この場合、例えば、ファイルが格納されたフォルダについての重み付け値や、ユーザの要求による復帰回数についての重み付け値を参照支援ポリシーから取得し、これらを用いて評価値を算出するようにしてもよい。また、利用ユーザの属性(役職)に対する重み付け値を用いるようにしてもよい。また、予め定められた一定期間内のユーザの要求による復帰回数を取得し、ファイルが格納されたフォルダに対応する重み付け値や、利用ユーザの属性(役職)に対応する重み付け値を加味して、評価値を算出するようにしてもよい。
【0081】
次に、管理サーバ20の制御部21は、復帰対象かどうかについての判定処理を実行する(ステップS3−6)。具体的には、制御部21の参照支援実行手段212は、算出した評価値と、復帰の移動要否判定基準値とを比較する。評価値が判定要素に対応した移動要否判定基準値よりも大きい場合には、復帰対象と判定する。
【0082】
復帰対象と判定した場合(ステップS3−6において「YES」の場合)、管理サーバ20の制御部21は、同じグループに属するファイルの特定処理を実行する(ステップS3−7)。具体的には、制御部21の参照支援実行手段212は、グループ管理情報記憶部24を用いて、処理対象ファイルが属するグループのグループ識別子に関連付けられたグループ定義を用いて、同じグループに帰属するファイルのファイル識別子を特定する。
【0083】
次に、管理サーバ20の制御部21は、復帰処理を実行する(ステップS3−8)。具体的には、制御部21の参照支援実行手段212は、処理対象ファイル及び先のステップにおいて特定したファイル識別子のファイルを、第2領域12から第1領域11に移動させる。
【0084】
一方、復帰対象でないと判定した場合(ステップS3−6において「NO」の場合)、管理サーバ20の制御部21は、同じグループに属するファイルの特定処理(ステップS3−7)、復帰処理(ステップS3−8)をスキップして、このファイルについての処理を終了する。
そして、第2領域12に記録されたすべてのファイルについて、上記の処理を繰り返す。
【0085】
(アーカイブポリシー設定処理)
次に、図4(a)を用いて、アーカイブポリシー設定処理を説明する。このアーカイブポリシー設定処理は、アーカイブ実行処理の実行周期より長い時間間隔で定期的に実行される。ここでは、グループ管理情報記憶部24に記録されている各グループを順次、処理対象グループとして特定し、以下の処理を繰り返す。
【0086】
まず、管理サーバ20の制御部21は、処理対象グループに属するファイルの特定処理を実行する(ステップS4−1)。具体的には、制御部21のアーカイブポリシー設定手段213は、グループ管理情報記憶部24から、処理対象グループのグループ識別子に関連付けられたグループ定義を用いて処理対象ファイルを特定する。処理対象グループに複数のファイルが属している場合には、すべてのファイルを処理対象ファイルとして特定する。
【0087】
次に、管理サーバ20の制御部21は、処理対象ファイルの利用回数の算出処理を実行する(ステップS4−2)。具体的には、制御部21のアーカイブポリシー設定手段213は、履歴管理部13から、すべての処理対象ファイルについての利用履歴情報を取得する。ここでは、アーカイブポリシーの評価期間の利用履歴情報を取得するものとする。そして、アーカイブポリシー設定手段213は、利用履歴情報において、評価期間内における利用回数(参照回数及び更新回数の合計値)を算出する。
【0088】
次に、管理サーバ20の制御部21は、利用が少ないかどうかについての判定処理を実行する(ステップS4−3)。アーカイブポリシー設定手段213は、算出した利用回数と、アーカイブポリシーの変更の要否を判定するための基準回数(アーカイブポリシーのポリシー変更要否判定基準値)とを比較する。そして、利用回数が基準回数以下の場合には、利用が少ないと判定する。
【0089】
利用が少ないと判定した場合(ステップS4−3において「YES」の場合)、管理サーバ20の制御部21は、ポリシー変更処理を実行する(ステップS4−4)。具体的には、制御部21のアーカイブポリシー設定手段213は、このグループのアーカイブポリシーにおいて、アーカイブ判定基準値を下げる方向に補正する。ここでは、元のアーカイブ判定基準値に対して、1未満の補正係数を乗算することにより、アーカイブポリシーのアーカイブ判定基準値を低い値に更新する。
【0090】
一方、利用が少なくないと判定した場合(ステップS4−3において「NO」の場合)、管理サーバ20の制御部21は、ポリシー変更処理(ステップS4−4)をスキップし、このグループについての処理を終了する。
そして、すべてのグループについての処理を終了するまで繰り返す。
【0091】
(参照支援ポリシー設定処理)
次に、図4(b)を用いて、参照支援ポリシー設定処理を説明する。この参照支援ポリシー設定処理は、参照支援実行処理の実行周期より長い時間間隔で定期的に実行される。ここでは、グループ管理情報記憶部24に記録されている各グループを順次、処理対象グループとして特定し、以下の処理を繰り返す。
【0092】
まず、管理サーバ20の制御部21は、処理対象グループに属するファイルの特定処理を実行する(ステップS5−1)。具体的には、制御部21の参照支援ポリシー設定手段214は、グループ管理情報記憶部24から、処理対象グループのグループ識別子に関連付けられたグループ定義を用いて処理対象ファイルを特定する。処理対象グループに複数のファイルが属している場合には、すべてのファイルを処理対象ファイルとして特定する。
【0093】
次に、管理サーバ20の制御部21は、処理対象ファイルの復帰回数の算出処理を実行する(ステップS5−2)。具体的には、制御部21の参照支援ポリシー設定手段214は、履歴管理部13から、処理対象ファイルの復帰履歴情報を取得する。ここでは、参照支援ポリシーの評価期間における、ユーザの要求に基づく復帰履歴情報を取得するものとする。そして、参照支援ポリシー設定手段214は、復帰履歴情報において、この評価期間内における復帰回数を算出する。
【0094】
次に、管理サーバ20の制御部21は、復帰が多いかどうかについての判定処理を実行する(ステップS5−3)。具体的には、制御部21の参照支援ポリシー設定手段214は、算出した復帰回数と、参照支援ポリシーの変更の要否を判定するための基準回数(参照支援ポリシーのポリシー変更要否判定基準値)とを比較する。そして、復帰回数が基準回数以上の場合には、復帰が多いと判定する。
【0095】
復帰が多いと判定した場合(ステップS5−3において「YES」の場合)、管理サーバ20の制御部21は、ポリシー変更処理を実行する(ステップS5−4)。具体的には、制御部21の参照支援ポリシー設定手段214は、このグループの参照支援ポリシーにおいて、復帰判定基準値を下げる方向に補正する。ここでは、元の復帰判定基準値に対して、1未満の補正係数を乗算することにより、参照支援ポリシーの復帰判定基準値を低い値に更新する。
【0096】
一方、復帰が多くないと判定した場合(ステップS5−3において「NO」の場合)、管理サーバ20の制御部21は、ポリシー変更処理(ステップS5−4)をスキップし、このグループについての処理を終了する。
そして、すべてのグループについての処理を終了するまで繰り返す。
【0097】
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、管理サーバ20の制御部21は、帰属グループのアーカイブポリシーを特定し(ステップS2−2)、アーカイブポリシーの判定要素を特定する(ステップS2−3)。更に、管理サーバ20の制御部21は、ファイル属性、利用履歴の取得処理を実行する(ステップS2−4)。そして、管理サーバ20の制御部21は、判定要素に基づいて評価値の算出処理を実行する(ステップS2−5)。アーカイブ対象と判定した場合(ステップS2−6において「YES」の場合)、管理サーバ20の制御部21は、アーカイブ処理を実行する(ステップS2−7)。これにより、ファイル属性や利用状況等の多様な状況を考慮して、アーカイブを行なうことができる。従って、高性能な第1領域11が、利用度の低いファイルによって占有されることを抑制した管理を行なうことができる。
【0098】
(2)本実施形態では、管理サーバ20の制御部21は、処理対象ファイルが帰属するグループを特定し(ステップS2−1)、帰属グループのアーカイブポリシーを特定する(ステップS2−2)。アーカイブポリシーはグループ毎に特定されるので、多様な移動ポリシーを効率的に設定することができる。
【0099】
(3)本実施形態では、管理サーバ20の制御部21は、帰属グループの参照支援ポリシーを特定し(ステップS3−2)、参照支援ポリシーの判定要素を特定する(ステップS3−3)。更に、管理サーバ20の制御部21は、ファイル属性、利用履歴の取得処理を実行する(ステップS3−4)。そして、管理サーバ20の制御部21は、判定要素に基づいて評価値の算出処理を実行する(ステップS3−5)。復帰対象と判定した場合(ステップS3−6において「YES」の場合)、管理サーバ20の制御部21は、同じグループに属するファイルを特定し(ステップS3−7)、復帰処理を実行する(ステップS3−8)。これにより、第2領域12に記録されたファイルであって、利用可能性があるファイルを、予め第1領域11に移動させておくことができる。従って、ユーザは、ファイル移動を意識することなく、速やかにファイルを利用することができる。
【0100】
(4)本実施形態では、管理サーバ20の制御部21は、処理対象ファイルが帰属するグループを特定し(ステップS3−1)、帰属グループの参照支援ポリシーを特定する(ステップS3−2)。これにより、参照支援ポリシーはグループ毎に特定されるので、多様な移動ポリシーを効率的に設定することができる。
【0101】
(5)本実施形態では、管理サーバ20の制御部21は、処理対象グループに属するファイルの特定処理を実行する(ステップS4−1)。そして、利用が少ないと判定した場合(ステップS4−3において「YES」の場合)、管理サーバ20の制御部21は、ポリシー変更処理を実行する(ステップS4−4)。これにより、利用状況に応じて、アーカイブポリシーを修正し、的確なアーカイブを行なうことができる。
【0102】
(6)本実施形態では、管理サーバ20の制御部21は、処理対象グループに属するファイルの特定処理を実行する(ステップS5−1)。そして、ユーザの要求に基づく復帰が多いと判定した場合(ステップS5−3において「YES」の場合)、管理サーバ20の制御部21は、ポリシー変更処理を実行する(ステップS5−4)。これにより、利用状況に応じて、参照支援ポリシーを修正し、的確な復帰を行なうことができる。
【0103】
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 上記実施形態では、定期的にアーカイブポリシー設定処理や参照支援ポリシー設定処理を実行する。ここで、これらの処理を繰り返すことにより、ファイルの利用頻度に応じた適切な移動ポリシーが生成されることになる。そこで、生成された移動ポリシーを用いて、シミュレーションを行ない、データ記憶領域の設計に利用することも可能である。具体的には、移動ポリシーの変更状況を監視し、変更頻度が基準値以下になった場合に、移動ポリシーの収束と判定する。そして、新たにデータ記憶部において、利用されるファイル量を予測し、収束した移動ポリシーの判定基準値(アーカイブ判定基準値、復帰判定基準値)を用いて、シミュレーションを行なう。このシミュレーションにより、第1領域に記録されるファイル容量と、第2領域に記録されるファイル容量とを算出する。これにより、利用頻度を考慮したデータ記憶領域の設計を行なうことができる。
【0104】
・ 上記実施形態では、データ記憶部10に、データ記憶領域(11、12)を設けた。これらのデータ記憶領域(11、12)を実現するためのハードウェアは、上述の構成に限定されるものではない。例えば、第2領域12としては、磁気テープや光磁気ディスクのような記録媒体を用いることも可能である。又、データ記憶部10においては、ファイルを圧縮して記録するようにしてもよい。そして、ファイルの参照や更新を行なう場合には、データ記憶部10において解凍して第1領域11にファイルを展開する。この場合、圧縮されていないファイルが記録された領域が第1領域11として機能し、圧縮ファイルが記録される領域が第2領域12として機能する。
【0105】
・ 上記実施形態では、アーカイブポリシーや参照支援ポリシーにおける判定要素は、上記の組み合わせに限定されるものではなく、他の判定要素を加えたり、一部の判定要素のみを利用したりすることも可能である。
【0106】
・ 上記実施形態では、アーカイブポリシー設定手段213は、ファイルの利用状況に応じて、アーカイブポリシー記憶部22に記録されたアーカイブポリシーの変更処理を実行する。また、参照支援ポリシー設定手段214は、復帰状況に応じて、参照支援ポリシー記憶部23に記録された参照支援ポリシーの変更処理を実行する。ここで、全体的な傾向の場合にはアーカイブポリシーを変更し、個別の復帰の場合には、参照支援ポリシーを変更するようにしてもよい。例えば、特定のファイルにおいて、復帰回数が所定回数(復帰基準回数)以上の場合には、復帰を促進する方向に参照支援ポリシーを変更する。一方、特定のグループにおいて、復帰回数が基準以上の場合には、アーカイブを抑制する方向にアーカイブポリシーを変更する。
【0107】
・ 上記実施形態では、グループ管理情報記憶部24には、各ファイルが属するグループを特定するグループ管理情報が記録されている。ここで、グループ構成をファイルの利用状況や復帰状況に応じて変更するようにしてもよい。例えば、管理サーバ20の制御部21は、同じグループに属する各ファイルの利用状況を特定し、各ファイルの利用状況を比較する。ここで、同じグループに属する他のファイルと、利用回数が大きく異なるファイルやファイル群を検知した場合には、制御部21は、これらのファイルを対象グループから分割して、新たなグループを構成する。そして、制御部21は、このグループのグループ定義をグループ管理情報記憶部24に登録する。
【0108】
また、類似した利用状況のグループを統合するようにしてもよい。この場合には、管理サーバ20の制御部21は、各グループに属するファイルの利用状況を特定し、この利用状況を比較する。利用状況が所定範囲で共通しているグループを検知した場合には、制御部21は、これらを同じグループにするためのグループ定義をグループ管理情報記憶部24に登録する。
【0109】
・ 上記実施形態では、アーカイブポリシーにおいて、「一定期間の利用回数」、「一定期間内の利用人数」、「一定期間内の復帰要求回数」等を用いて判断する。ここでは、判定要素としての「利用ユーザ」、「利用形態」、「作成者」、「ファイル種別」、「作成日」、「保管先フォルダ」等に応じて異なる重み付け値を設定しておく。また、参照支援ポリシーにおいて、判定要素として「利用予定日時」を用いて判断する。これらのポリシーに用いられる判定要素は、これらに限定されるものではない。例えば、ファイルのサイズ範囲に対して、異なる重み付け値を設定するようにしてもよい。例えば、アーカイブポリシー記憶部22において、サイズが大きいファイルについて、アーカイブを促進する場合には、サイズに対して重み付け値が大きくなるように設定しておく。これにより、第1の記憶領域において、サイズが大きいファイルによる占有を抑制することができる。また、参照支援ポリシー記憶部23において、サイズが大きいファイルについて、アーカイブからの復帰を促進する場合には、サイズに対して重み付け値が大きくなるように設定しておく。これにより、復帰に時間がかかるサイズが大きいファイルの自動復帰を促進して、利便性を向上させることができる。
【0110】
・ 上記実施形態では、アーカイブポリシー設定処理において、管理サーバ20の制御部21は、処理対象ファイルの利用回数の算出処理を実行する(ステップS4−2)。ここで、利用回数に対して、重み付け値を設定してもよい。この場合、ポリシー変更基準情報記憶部に、ポリシー変更の要否を判定する評価値を算出するための重み付け値及び計数ルールを記録しておく。ここでは、アーカイブポリシーと同様に、「評価期間の利用回数」等を用いて、ポリシー変更の要否を判断する。ここでは、利用回数に対して、各判定要素に応じた重み付け値を乗算した評価値を、判定要素毎に算出する。この評価値と判定基準値との比較に応じて参照支援ポリシーの変更の要否を決定する。更に、アーカイブポリシーと同様に、「評価期間内の利用人数」、「評価期間内の復帰要求回数」、「評価期間内の復帰要求回数」等を用いて、ポリシー変更の要否を判断するようにしてもよい。
【0111】
・ 上記実施形態では、参照支援ポリシー設定処理において、管理サーバ20の制御部21は、処理対象ファイルの復帰回数の算出処理を実行する(ステップS5−2)。ここで、復帰回数に対して、重み付け値を設定してもよい。この場合、ポリシー変更基準情報記憶部に、ポリシー変更の要否を判定する評価値を算出するための重み付け値及び計数ルールを記録しておく。例えば、「評価期間内の復帰要求回数」、「評価期間内の復帰要求人数」、「評価期間内の利用回数」、「評価期間内の利用人数」等を用いて判断する。
【0112】
「評価期間内の復帰要求回数」、「評価期間内の利用回数」を用いて判定する場合、判定要素としての「利用ユーザ」、「利用形態」、「作成者」等に応じて異なる重み付け値を設定しておく。そして、復帰要求回数や利用回数に対して、各判定要素に応じた重み付け値を乗算した評価値を、判定要素毎に算出する。この評価値と判定基準値との比較に応じて参照支援ポリシーの変更の要否を決定する。
【0113】
また、「評価期間内の復帰要求人数」、「評価期間内の利用人数」を用いて判定する場合、判定要素としての「利用ユーザ」、「利用形態」、「作成者」等に応じて異なる重み付け値を設定しておく。そして、復帰要求人数や利用人数に対して、各判定要素に応じた重み付け値を乗算した評価値を、判定要素毎に算出する。この評価値と判定基準値との比較に応じて参照支援ポリシーの変更の要否を決定する。
【0114】
・ 上記実施形態では、復帰が多いと判定した場合(ステップS5−3において「YES」の場合)、管理サーバ20の制御部21は、ポリシー変更処理を実行する(ステップS5−4)。これに代えて、グループの処理対象ファイルを拡大するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0115】
10…データ記憶部、11…第1領域、12…第2領域、13…履歴管理部、20…管理サーバ、21…制御部、211…アーカイブ実行手段、212…参照支援実行手段、213…アーカイブポリシー設定手段、214…参照支援ポリシー設定手段、22…アーカイブポリシー記憶部、23…参照支援ポリシー記憶部、24…グループ管理情報記憶部、25…ユーザ管理情報記憶部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファイル属性を含むファイルを記録するために、第1の記憶領域と第2の記憶領域とから構成されたファイル記憶手段と、
前記ファイルの利用履歴情報を記録する履歴情報管理手段と、
ファイルがグループ単位でまとめられており、各ファイルが属するグループを特定するためのグループ管理情報が記録されたグループ管理情報記憶手段と、
前記グループに対応させて、前記第1の記憶領域と前記第2の記憶領域との間で移動させるファイルを特定するための判定要素に対する重み付け値及び移動要否判定基準値を含む移動ポリシーを記録したポリシー記憶手段と、
前記移動ポリシーに基づいて、ファイルの記憶領域を管理する制御手段とを備えたファイル管理システムであって、
前記制御手段が、
前記グループ管理情報記憶手段を用いて、前記ファイル記憶手段に記録された処理対象ファイルが属するグループを特定する手段と、
前記ポリシー記憶手段を用いて、前記グループの移動ポリシーを特定する手段と、
前記処理対象ファイルについて、前記移動ポリシーにおける判定要素としてのファイル属性、利用履歴を特定し、前記判定要素の重み付け値を用いて評価値を算出する手段と、
前記評価値と、前記移動ポリシーにおいて設定されている移動要否判定基準値とを比較し、この比較結果に基づいて、移動要と判定された処理対象ファイルを他方の記憶領域に移動させる手段と
を備えたことを特徴とするファイル管理システム。
【請求項2】
前記移動ポリシーには、判定要素としての利用ユーザに対する重み付け値が記録されており、
前記評価値の算出においては、前記履歴情報管理手段の利用履歴に含まれる利用ユーザを特定し、前記判定要素の重み付け値を用いることを特徴とする請求項1に記載のファイル管理システム。
【請求項3】
前記制御手段が、
前記グループ管理情報記憶手段を用いて、グループに属する処理対象ファイルを特定し、前記特定した処理対象ファイルの利用履歴情報を前記履歴情報管理手段から取得し、
前記利用履歴情報に基づいて前記グループの移動ポリシーの変更処理を実行する手段を更に備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のファイル管理システム。
【請求項4】
前記移動ポリシーは、利用回数が少ないファイルを前記第1の記憶領域から前記第2の記憶領域に移動させてアーカイブを行なうアーカイブポリシーであり、前記判定要素として、一定期間の処理対象ファイルの利用回数に関する情報を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のファイル管理システム。
【請求項5】
前記移動ポリシーの変更処理において、
利用履歴情報を用いて、予め定められた評価期間における前記グループに属する処理対象ファイルの利用回数についての評価値を算出し、
前記利用回数についての評価値と、前記アーカイブポリシーのポリシー変更要否判定基準値との比較結果に応じて、利用回数が少ないと判定した場合には、アーカイブを促進する方向に、前記アーカイブポリシーの移動要否判定基準値を変更することを特徴とする請求項4に記載のファイル管理システム。
【請求項6】
前記移動ポリシーは、一定期間内に利用可能性がある処理対象ファイルを、前記第2の記憶領域から前記第1の記憶領域に移動させてアーカイブから復帰させる参照支援ポリシーを含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のファイル管理システム。
【請求項7】
前記比較結果に基づいて、移動要と判定された処理対象ファイルと同じグループに属するすべてのファイルを前記第2の記憶領域から前記第1の記憶領域に移動させることを特徴とする請求項6に記載のファイル管理システム。
【請求項8】
前記移動ポリシーの変更処理において、
前記利用履歴情報を用いて、処理対象ファイルについて、予め定められた評価期間における、ユーザの要求に基づいて復帰させた復帰回数についての評価値を算出し、
前記復帰回数についての評価値と、前記参照支援ポリシーのポリシー変更要否判定基準値との比較結果に応じて、復帰回数が多いと判定した場合には、アーカイブからの復帰を促進する方向に、前記参照支援ポリシーの移動要否判定基準値を変更することを特徴とする請求項6又は7に記載のファイル管理システム。
【請求項9】
前記移動ポリシーの変更処理において、
前記利用履歴情報を用いて、処理対象ファイルと同じグループに属するファイルについて、予め定められた評価期間における、ユーザの要求に基づいて復帰させた復帰回数の合計回数についての評価値を算出し、
前記合計回数についての評価値と、前記参照支援ポリシーのポリシー変更要否判定基準値との比較結果に応じて、復帰回数の合計回数が多いと判定した場合には、アーカイブからの復帰を促進する方向に、前記参照支援ポリシーの移動要否判定基準値を変更することを特徴とする請求項6又は7に記載のファイル管理システム。
【請求項10】
ファイル属性を含むファイルを記録するために、第1の記憶領域と第2の記憶領域とから構成されたファイル記憶手段と、
前記ファイルの利用履歴情報を記録する履歴情報管理手段と、
ファイルがグループ単位でまとめられており、各ファイルが属するグループを特定するためのグループ管理情報が記録されたグループ管理情報記憶手段と、
前記グループに対応させて、前記第1の記憶領域と前記第2の記憶領域との間で移動させるファイルを特定するための判定要素に対する重み付け値及び移動要否判定基準値を含む移動ポリシーを記録したポリシー記憶手段と、
前記移動ポリシーに基づいて、ファイルの記憶領域を管理する制御手段とを備えたファイル管理システムを用いて、ファイルを管理する方法であって、
前記制御手段が、
前記グループ管理情報記憶手段を用いて、前記ファイル記憶手段に記録された処理対象ファイルが属するグループを特定する段階と、
前記ポリシー記憶手段を用いて、前記グループの移動ポリシーを特定する段階と、
前記処理対象ファイルについて、前記移動ポリシーにおける判定要素としてのファイル属性、利用履歴を特定し、前記判定要素の重み付け値を用いて評価値を算出する段階と、
前記評価値と、前記移動ポリシーにおいて設定されている移動要否判定基準値とを比較し、この比較結果に基づいて、移動要と判定された処理対象ファイルを他方の記憶領域に移動させる段階と
を実行することを特徴とするファイル管理方法。
【請求項11】
ファイル属性を含むファイルを記録するために、第1の記憶領域と第2の記憶領域とから構成されたファイル記憶手段と、
前記ファイルの利用履歴情報を記録する履歴情報管理手段と、
ファイルがグループ単位でまとめられており、各ファイルが属するグループを特定するためのグループ管理情報が記録されたグループ管理情報記憶手段と、
前記グループに対応させて、前記第1の記憶領域と前記第2の記憶領域との間で移動させるファイルを特定するための判定要素に対する重み付け値及び移動要否判定基準値を含む移動ポリシーを記録したポリシー記憶手段と、
前記移動ポリシーに基づいて、ファイルの記憶領域を管理する制御手段とを備えたファイル管理システムを用いて、ファイルを管理するプログラムであって、
前記制御手段を、
前記グループ管理情報記憶手段を用いて、前記ファイル記憶手段に記録された処理対象ファイルが属するグループを特定する手段、
前記ポリシー記憶手段を用いて、前記グループの移動ポリシーを特定する手段、
前記処理対象ファイルについて、前記移動ポリシーにおける判定要素としてのファイル属性、利用履歴を特定し、前記判定要素の重み付け値を用いて評価値を算出する手段、
前記評価値と、前記移動ポリシーにおいて設定されている移動要否判定基準値とを比較し、この比較結果に基づいて、移動要と判定された処理対象ファイルを他方の記憶領域に移動させる手段
として機能させることを特徴とするファイル管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−73393(P2013−73393A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−211484(P2011−211484)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(592131906)みずほ情報総研株式会社 (187)