ファイル部材
【課題】簡単かつ低コストな構成で、製造するための材料費を多く必要とせず、ファイル後のクリップ跡も残らない、簡易なファイル部材を提供する。
【解決手段】書類等被ファイリング材のコーナー部に嵌装され、同書類等被ファイリング材をファイルするファイル部材を、上記書類等被ファイリング材コーナー部の表裏両面を挟む相互に連続した表裏一対のカバー部材よりなるものとした。
このような構成の場合、相互に連続した表裏一対のカバー部材を書類等被ファイリング材の例えば右肩部等コーナー部に嵌装し、上記表裏一対の帯状のカバー部材で、当該書類等被ファイリング材のコーナー部をバインディングするだけの極めて簡単な操作により、何ら書類等被ファイリング材の表面を傷付けることなく、書類等被ファイリング材を一体に保持することができるようになる。
【解決手段】書類等被ファイリング材のコーナー部に嵌装され、同書類等被ファイリング材をファイルするファイル部材を、上記書類等被ファイリング材コーナー部の表裏両面を挟む相互に連続した表裏一対のカバー部材よりなるものとした。
このような構成の場合、相互に連続した表裏一対のカバー部材を書類等被ファイリング材の例えば右肩部等コーナー部に嵌装し、上記表裏一対の帯状のカバー部材で、当該書類等被ファイリング材のコーナー部をバインディングするだけの極めて簡単な操作により、何ら書類等被ファイリング材の表面を傷付けることなく、書類等被ファイリング材を一体に保持することができるようになる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願の発明は、書類等複数枚の被ファイリング材のコーナー部を挟んでファイルするファイル部材の構成に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複数枚の書類を一体にファイルするには、バネ機構を用いた金具部材である各種のバインダー式のクリップが多く使用されている(例えば特許文献1を参照)。
【0003】
また、線条部材を曲成して構成したゼムクリップなどの安価なものもある。
【0004】
さらに、最近では、クリアファイルと呼ばれるジャケット型のものも多く使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−193856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記バインダー式のクリップの場合には、バネ機構を用いた金具部材であるため、クリップされた書類の一部が変形し、クリップ跡が残る欠点がある。また、事務用品として比較的コストも高い。
【0007】
また、ゼムクリップの場合には、安価ではあるが、やはりクリップ跡が残るし、枚数が多くなるとクリップしにくくなる欠点がある。
【0008】
さらに、クリアファイル等ジャケット型のファイルの場合には、書類等被ファイリング材の全体を覆うものであるため、それなりに材料費が嵩む問題がある。またファイルする厚さが厚くなると、保持される書類がズレた状態となってしまう欠点がある。
【0009】
本願発明は、このような事情に基いてなされたもので、簡単かつ低コストな構成で、製造するための材料費を多く必要とせず、しかもファイル後のクリップ跡も残らない簡易なファイル部材を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この出願の発明は、上記の目的達成するために、次のような課題解決手段を備えて構成されている。
【0011】
(1) 請求項1の発明
この発明の課題解決手段は、書類等被ファイリング材のコーナー部に嵌装され、同書類等被ファイリング材をファイルするファイル部材であって、上記書類等被ファイリング材コーナー部の表裏両面を挟む相互に連続した表裏一対のカバー部材よりなることを特徴としている。
【0012】
このような構成の場合、相互に連続した表裏一対のカバー部材を、書類等被ファイリング材の例えば右肩部等コーナー部に嵌装し、表裏一対のカバー部材で、当該書類等被ファイリング材のコーナー部をバインディングするだけの極めて簡単な操作により、何ら書類等被ファイリング材の表面を傷付けることなく、書類等被ファイリング材を一体に保持することができる。
【0013】
しかも、当該ファイル部材は、書類等被ファイリング材のコーナー部に嵌装され、同書類等被ファイリング材コーナー部の表裏両面を挟む相互に連続した表裏一対のカバー部材よりなるだけのものであることから、材料費はもちろん、製造に要するコストも極めて安価であり、量産も容易である。
【0014】
そして、各カバー部材両端の連結部を、ファイルすべき被ファイリング材の厚さに合わせて2本の折り目を入れて織り込めば、被ファイリング材が厚くても確実に安定した状態に保持することができる。
【0015】
(2) 請求項2の発明
請求項2の発明の課題解決手段は、上記請求項1の発明の課題解決手段の構成において、表裏一対のカバー部材間端部には、書類等被ファイリング材の間に嵌挿されて挟まれる中間部材が設けられていることを特徴としている。
【0016】
このように、表裏一対のカバー部材間端部に、書類等被ファイリング材の間に嵌挿されて挟まれる中間部材が設けられていると、上記ファイルリング後に、当該中間部材が書類等被ファイリング材の間に挟まれて強く圧接され、ファイル部材が書類等被ファイリング材から離れにくくなり、より安定したファイル状態を維持することができるようになる。
【0017】
(3) 請求項3の発明
請求項3の発明の課題解決手段は、上記請求項1又は2の発明の課題解決手段の構成において、表側カバー部材と裏側カバー部材は、その相互の幅が、部分的に又は全体に亘って異なっていることを特徴としている。
【0018】
上記請求項1又は2の発明のように構成した場合、表側カバー部材と裏側カバー部材の幅が全体に亘って同一であると、両部材が重なって広げる時に捲りにくい。
【0019】
ところが、それらの内の何れか一方側の幅が、部分的に又は全体に亘って他方側のものよりも大きく形成されるか、または逆に小さく形成されるなどして、相互に異っていると、相互に重ならない部分ができるので、捲りやすくなり、表裏カバー部材間を広げて、書類等被ファイリング材の右肩部等コーナー部に嵌装するのが容易になる。
【0020】
(4) 請求項4の発明
請求項4の発明の課題解決手段は、上記請求項1,2又は3の発明の課題解決手段の構成において、表側カバー部材には、名刺等係止用の係止部が設けられていることを特徴としている。
【0021】
一般に、或る会社から或る会社に書類(例えば見積り書など)を届ける場合、クリップ等で止められた書類上に、担当者の名刺等を添付して届けることが多い。
【0022】
そこで、上記請求項1,2又は3の発明の構成のファイル部材の場合にも、上記のように表側カバー部材に、名刺等係止用の係止部を設けると、そのようなニーズに適切に対応することができる。
【発明の効果】
【0023】
以上の結果、本願発明によると、簡単かつ低コストな構成で、書類等を傷付けることのない便利なファイル部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本願発明の第1の実施の形態に係るファイル部材の使用状態における平面図である。
【図2】同ファイル部材のみの少し開いた状態の斜視図である。
【図3】同ファイル部材の使用状態における断面図(図1のA−A)である。
【図4】同ファイル部材の両端側の折り目部を2本とし、書類等被ファイリング材の厚さに対応できるようにした場合の要部の構成を示す斜視図である。
【図5】本願発明の第2の実施の形態に係るファイル部材の第1のタイプの構成を示す斜視図である。
【図6】同ファイル部材の第2のタイプの1つの構成を示す斜視図である。
【図7】同ファイル部材の第2のタイプの他の1つの構成を示す斜視図である。
【図8】本願発明の第3の実施の形態に係るファイル部材の構成を示す斜視図である。
【図9】本願発明の第4の実施の形態に係るファイル部材の第1のタイプの構成を示す平面図である。
【図10】同本願発明の第4の実施の形態に係るファイル部材の第2のタイプの構成を示す平面図である。
【図11】同本願発明の第4の実施の形態に係るファイル部材の第3のタイプの構成を示す平面図である。
【図12】本願発明の第5の実施の形態に係るファイル部材の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付の図面を参照して、本願発明のファイル部材を実施するためのいくつかの具体的な実施の形態について説明する。
【0026】
(第1の実施の形態)
先ず、図1〜図4は、本願発明の第1の実施の形態に係るファイル部材の構成を示している。
【0027】
この実施の形態のファイル部材1は、図1に示すように、書類等被ファイリング材2のコーナー部2a部分に襷状に嵌装され、同書類等被ファイリング材2をファイルするファイル部材であって、図2、図3に示すように、上記書類等被ファイリング材2のコーナー部2aの表裏両面を挟む相互に連続した表裏一対の帯状のカバー部材1A,1Bよりなっている。
【0028】
表裏一対の帯状のカバー部材1A,1Bは、所望の幅W1,W2を有し、その左右両端L,R側部分には、表裏一対の帯状のカバー部材1A,1Bが相互に挟圧力を保って重合されるように、相互に90°の角度で直交する1本のシャープな折り目Cが形成されている。
【0029】
そして、同ファイル部材1は、図1に示すよにう、例えば上記表裏一対の帯状のカバー部材1A,1Bの左側端部L部分が書類等被ファイリング材2の上辺Uの左右方向中央部から左半分寄り部分、右側端部R部分が側辺Sの上下方向中央部分に位置するような状態で、書類等被ファイリング材2に嵌装される。
【0030】
また、以上の場合において、上記表裏一対の帯状のカバー部材1A,1Bの何れか一方又は両方の内側面の一部には、例えば「付箋」などに使用されている剥離自在な粘着剤を必要に応じて塗布して置く。
【0031】
このような構成の場合、同図1のように、上記相互に連続した表裏一対の帯状のカバー部材1A,1Bを書類等被ファイリング材2の例えば右肩部等コーナー部2aに嵌装し、図3のように、表裏一対の帯状のカバー部材1A,1Bで、当該書類等被ファイリング材2のコーナー部2aをバインディングするだけの極めて簡単な操作により、クリップのように書類等被ファイリング材2の表面を傷付けることなく、同書類等被ファイリング材2をクリップと略同様に安定して一体に保持することができる。
【0032】
この場合において、上記表裏一対の帯状のカバー部材1A,1Bの何れか一方又は両方の内側に、上述のような粘着剤が塗布されていると、ファイリング時にファイル部材1が粘着剤によって確実に書類等被ファイリング材2に固定され、より安定して保持される。
【0033】
しかも、当該ファイル部材1は、書類等被ファイリング材2のコーナー部2aに嵌装され、同書類等被ファイリング材2のコーナー部2aの表裏両面を挟む相互に連続した表裏一対の帯状のカバー部材1A,1Bよりなるだけのものであることから、材料費はもちろん、製造に要するコストも極めて安価であり、量産も容易である。
【0034】
また、以上のような構成の場合、表面が汚れても裏返すと、再び美しくなるので、再度利用することができる。したがって、社内回覧などでの利用にも適している。
【0035】
なお、上記ファイル部材1は、種々の材質のもので形成することができるが、例えば硬質の紙材、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの合成樹脂材で形成すると、安価で、製造も容易である。
【0036】
また、種々のカラー設定も可能で、特に合成樹脂製の場合、透明体とすることもできる。
【0037】
さらに、表面側帯状のカバー部材1Aの上面に届先への「挨拶状」等の文面、裏面側帯状のカバー部材1Bの下面に送付元の社名、所在地、電話番号等の印刷をすることも可能であり、それらによって、単なるファイル部材としての機能に留まらず、従来の封筒に代るファイル部材としての機能をも発揮するようになる。
【0038】
また、上記の説明では、左右両端側の折り目Cを1本として、比較的厚さの薄い被ファイリング材2に対応するものとしたが、上記各帯状のカバー部材1A,1B両端L,Rの連結部をファイルすべき被ファイリング材2の厚さに合わせて、図4のように所定の幅Tで2本の折り目C1,C2を形成するようにすれば、被ファイリング材2の厚さが厚くても確実に安定した状態に保持することができるようになる。
【0039】
さらに、上述の被ファイリング材2としては、通常のA4,B5サイズの文書の外に、例えば各種見積書、製品資料、カタログ等も対象となる。
【0040】
また、取引先等外部に回す書類だけでなく、社内の回覧物にも有効に利用することができる。
【0041】
さらに、また上記ファイル部材は、クリアファイルや封筒の代りというだけでなく、デザインを良くすることにより、またメッセージ伝達機能を付加することにより、封筒やクリアファイル自体に嵌装するリボン、またはメッセージ用具として活用することもできる。
【0042】
(第2の実施の形態)
次に図5〜図7は、本願発明の第2の実施の形態に係るファイル部材の構成を示している。
【0043】
この実施の形態のファイル部材は、上記図1〜図4の第1の実施の形態のファイル部材の構成における表裏一対の帯状のカバー部材1A,1Bの幅W1,W2の何れか一方の幅を全体に亘って、または部分的に他方のものと異なるようにすることによって、書類等の被ファイリング材2に嵌装する時に、ファイル部材1の帯状のカバー部材1A,1B間を開きやすくしたものである。
【0044】
(1) 第1のタイプ
先ず図5は、上記図1〜図4の第1の実施の形態のファイル部材の構成における表裏一対の帯状のカバー部材1A,1Bの幅W1,W2の何れか一方の幅を全体に亘って、他方のものと異なるようにすることによって、書類等の被ファイリング材2に嵌装する時に、ファイル部材1の帯状のカバー部材1A,1B間を開きやすくしたものである。
【0045】
(2) 第2のタイプ
次に図6,図7は、上記図1〜図4の第1の実施の形態のファイル部材の構成における表裏一対の帯状のカバー部材1A,1Bの幅W1,W2の何れか一方の幅を部分的に他方のものと異なるようにすることによって、書類等の被ファイリング材2に嵌装する時に、ファイル部材1の帯状のカバー部材1A,1B間を開きやすくしたものである。
【0046】
この場合において、先ず図6のものは、何れか一方側の帯状のカバー部材、例えば1B側に部分的な突片2bを形成したもの、また図7のものは、例えば1B側に部分的な凹部(切り欠き部)2cを形成したものである。
【0047】
(第3の実施の形態)
次に図8は、本願発明の第3の実施の形態に係るファイル部材の構成を示している。
【0048】
この実施の形態のファイル部材は、上記図1〜図4、図5〜図7の第1,第2の実施の形態のファイル部材の構成における表裏一対の帯状のカバー部材1A,1Bの両端L,R部分の内側に、図8に示すような折り目部から他端側に延びる舌部状の(所定長さの)中間部材3,3を設けたものである。
【0049】
このような構成によると書類等被ファイリング材2に嵌装された時に、上記舌部状の中間部材3が、書類等被ファイリング材2の中間に挟み込まれて上下両面側から挟圧されることになる。
【0050】
したがって、図1のように嵌装されたファイル部材1が嵌装後安定した状態に保持され、容易には抜け難くなる。
【0051】
(第4の実施の形態)
次に図9〜図11は、本願発明の第4の実施の形態に係るファイル部材の構成を示している。
【0052】
この実施の形態では、上述した図1〜図4の第1の実施の形態、図5〜図7の第2の実施の形態、図8の第3の実施の形態各々の構成において、さらに表面側帯状のカバー部材1A部分に、名刺係止部(名刺ホルダー部)を設けたものである。
【0053】
(1) 第1のタイプ
先ず図9に示すものは、図示のように、上述した表面側帯状のカバー部材1A中央の対角位置に、名刺Nの上下幅、対角長に対応して、その左上端、右下端各角部を挿入できる切り込み4a,4bを形成し、名刺Nを書類等被ファイリング材2の左右方向に水平に係止できるようにしたものである。
【0054】
このようにすると、名刺Nを添付した状態で、書類等をファイルし、取引先等に届けることができるようになり、さらに高機能なファイリング部材となる。
【0055】
また、この場合において、表面側帯状のカバー部材1Aにおける名刺Nの下方面部分に、「御礼」、「感謝」、「真心」などの美しい書体の「文字」、心のこもった「メッセージ」などを入れて置くと、受け取り先の担当者が名刺Nを取り外した時に、同文字やメッセージに心を打たれることになり、非常に印象の良いものとなる。
【0056】
(2) 第2のタイプ
次に図10のものは、上記第1のタイプのものと同様の名刺対角方向の切り込み4a,4bを、名刺Nが帯状のカバー部材1Aに沿った斜め方向に係止されるように設けたものである。
【0057】
この場合の切り込みは、図示4a,4b位置のみに限らず、仮想線で示す4c,4d位置であってもかまわない。
【0058】
(3) 第3のタイプ
さらに図11のものは、上記第1,第2のタイプのように名刺を係止するに際し、単なる直線的な切り込みに変えて、例えば半円形の切り込み4a,4b、4c,4dとし、円弧状の押え片5a,5bで挟んで保持できるようにしたものである。
【0059】
このような構成によると、名刺の保持状態にエレガントさが生じ、一段と受け取り側の印象が良くなる。
【0060】
また、単なる直線的な切り込みの場合に比べて、名刺Nを係止するのも容易になる。
【0061】
(第5の実施の形態)
以上の第1〜第4の実施の形態では、それらの何れにあっても、ファイル部の表側カバー部材、裏側カバー部材共に帯状のカバー部材1A,1Bで構成した。
【0062】
しかし、これらは、必ずしも帯状でなければならないものではなく、例えば図12に示すような、コーナー部が開放されていない三角形状の袋状片1A′,1B′構造のものであっても良い。
【0063】
このような三角形状の袋状片1A′,1B′に、上述した図5〜図7、図8、図9〜図11と同様の構成を採用すると、全く同様の作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0064】
1はファイル部材、1Aは表側帯状のカバー部材、1Bは裏側帯状のカバー部材、2は書類等被ファイリング材、2aコーナー部、3は中間部材、4a,4bは切り込み、5a,5bは押え片である。
【技術分野】
【0001】
この出願の発明は、書類等複数枚の被ファイリング材のコーナー部を挟んでファイルするファイル部材の構成に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複数枚の書類を一体にファイルするには、バネ機構を用いた金具部材である各種のバインダー式のクリップが多く使用されている(例えば特許文献1を参照)。
【0003】
また、線条部材を曲成して構成したゼムクリップなどの安価なものもある。
【0004】
さらに、最近では、クリアファイルと呼ばれるジャケット型のものも多く使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−193856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記バインダー式のクリップの場合には、バネ機構を用いた金具部材であるため、クリップされた書類の一部が変形し、クリップ跡が残る欠点がある。また、事務用品として比較的コストも高い。
【0007】
また、ゼムクリップの場合には、安価ではあるが、やはりクリップ跡が残るし、枚数が多くなるとクリップしにくくなる欠点がある。
【0008】
さらに、クリアファイル等ジャケット型のファイルの場合には、書類等被ファイリング材の全体を覆うものであるため、それなりに材料費が嵩む問題がある。またファイルする厚さが厚くなると、保持される書類がズレた状態となってしまう欠点がある。
【0009】
本願発明は、このような事情に基いてなされたもので、簡単かつ低コストな構成で、製造するための材料費を多く必要とせず、しかもファイル後のクリップ跡も残らない簡易なファイル部材を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この出願の発明は、上記の目的達成するために、次のような課題解決手段を備えて構成されている。
【0011】
(1) 請求項1の発明
この発明の課題解決手段は、書類等被ファイリング材のコーナー部に嵌装され、同書類等被ファイリング材をファイルするファイル部材であって、上記書類等被ファイリング材コーナー部の表裏両面を挟む相互に連続した表裏一対のカバー部材よりなることを特徴としている。
【0012】
このような構成の場合、相互に連続した表裏一対のカバー部材を、書類等被ファイリング材の例えば右肩部等コーナー部に嵌装し、表裏一対のカバー部材で、当該書類等被ファイリング材のコーナー部をバインディングするだけの極めて簡単な操作により、何ら書類等被ファイリング材の表面を傷付けることなく、書類等被ファイリング材を一体に保持することができる。
【0013】
しかも、当該ファイル部材は、書類等被ファイリング材のコーナー部に嵌装され、同書類等被ファイリング材コーナー部の表裏両面を挟む相互に連続した表裏一対のカバー部材よりなるだけのものであることから、材料費はもちろん、製造に要するコストも極めて安価であり、量産も容易である。
【0014】
そして、各カバー部材両端の連結部を、ファイルすべき被ファイリング材の厚さに合わせて2本の折り目を入れて織り込めば、被ファイリング材が厚くても確実に安定した状態に保持することができる。
【0015】
(2) 請求項2の発明
請求項2の発明の課題解決手段は、上記請求項1の発明の課題解決手段の構成において、表裏一対のカバー部材間端部には、書類等被ファイリング材の間に嵌挿されて挟まれる中間部材が設けられていることを特徴としている。
【0016】
このように、表裏一対のカバー部材間端部に、書類等被ファイリング材の間に嵌挿されて挟まれる中間部材が設けられていると、上記ファイルリング後に、当該中間部材が書類等被ファイリング材の間に挟まれて強く圧接され、ファイル部材が書類等被ファイリング材から離れにくくなり、より安定したファイル状態を維持することができるようになる。
【0017】
(3) 請求項3の発明
請求項3の発明の課題解決手段は、上記請求項1又は2の発明の課題解決手段の構成において、表側カバー部材と裏側カバー部材は、その相互の幅が、部分的に又は全体に亘って異なっていることを特徴としている。
【0018】
上記請求項1又は2の発明のように構成した場合、表側カバー部材と裏側カバー部材の幅が全体に亘って同一であると、両部材が重なって広げる時に捲りにくい。
【0019】
ところが、それらの内の何れか一方側の幅が、部分的に又は全体に亘って他方側のものよりも大きく形成されるか、または逆に小さく形成されるなどして、相互に異っていると、相互に重ならない部分ができるので、捲りやすくなり、表裏カバー部材間を広げて、書類等被ファイリング材の右肩部等コーナー部に嵌装するのが容易になる。
【0020】
(4) 請求項4の発明
請求項4の発明の課題解決手段は、上記請求項1,2又は3の発明の課題解決手段の構成において、表側カバー部材には、名刺等係止用の係止部が設けられていることを特徴としている。
【0021】
一般に、或る会社から或る会社に書類(例えば見積り書など)を届ける場合、クリップ等で止められた書類上に、担当者の名刺等を添付して届けることが多い。
【0022】
そこで、上記請求項1,2又は3の発明の構成のファイル部材の場合にも、上記のように表側カバー部材に、名刺等係止用の係止部を設けると、そのようなニーズに適切に対応することができる。
【発明の効果】
【0023】
以上の結果、本願発明によると、簡単かつ低コストな構成で、書類等を傷付けることのない便利なファイル部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本願発明の第1の実施の形態に係るファイル部材の使用状態における平面図である。
【図2】同ファイル部材のみの少し開いた状態の斜視図である。
【図3】同ファイル部材の使用状態における断面図(図1のA−A)である。
【図4】同ファイル部材の両端側の折り目部を2本とし、書類等被ファイリング材の厚さに対応できるようにした場合の要部の構成を示す斜視図である。
【図5】本願発明の第2の実施の形態に係るファイル部材の第1のタイプの構成を示す斜視図である。
【図6】同ファイル部材の第2のタイプの1つの構成を示す斜視図である。
【図7】同ファイル部材の第2のタイプの他の1つの構成を示す斜視図である。
【図8】本願発明の第3の実施の形態に係るファイル部材の構成を示す斜視図である。
【図9】本願発明の第4の実施の形態に係るファイル部材の第1のタイプの構成を示す平面図である。
【図10】同本願発明の第4の実施の形態に係るファイル部材の第2のタイプの構成を示す平面図である。
【図11】同本願発明の第4の実施の形態に係るファイル部材の第3のタイプの構成を示す平面図である。
【図12】本願発明の第5の実施の形態に係るファイル部材の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付の図面を参照して、本願発明のファイル部材を実施するためのいくつかの具体的な実施の形態について説明する。
【0026】
(第1の実施の形態)
先ず、図1〜図4は、本願発明の第1の実施の形態に係るファイル部材の構成を示している。
【0027】
この実施の形態のファイル部材1は、図1に示すように、書類等被ファイリング材2のコーナー部2a部分に襷状に嵌装され、同書類等被ファイリング材2をファイルするファイル部材であって、図2、図3に示すように、上記書類等被ファイリング材2のコーナー部2aの表裏両面を挟む相互に連続した表裏一対の帯状のカバー部材1A,1Bよりなっている。
【0028】
表裏一対の帯状のカバー部材1A,1Bは、所望の幅W1,W2を有し、その左右両端L,R側部分には、表裏一対の帯状のカバー部材1A,1Bが相互に挟圧力を保って重合されるように、相互に90°の角度で直交する1本のシャープな折り目Cが形成されている。
【0029】
そして、同ファイル部材1は、図1に示すよにう、例えば上記表裏一対の帯状のカバー部材1A,1Bの左側端部L部分が書類等被ファイリング材2の上辺Uの左右方向中央部から左半分寄り部分、右側端部R部分が側辺Sの上下方向中央部分に位置するような状態で、書類等被ファイリング材2に嵌装される。
【0030】
また、以上の場合において、上記表裏一対の帯状のカバー部材1A,1Bの何れか一方又は両方の内側面の一部には、例えば「付箋」などに使用されている剥離自在な粘着剤を必要に応じて塗布して置く。
【0031】
このような構成の場合、同図1のように、上記相互に連続した表裏一対の帯状のカバー部材1A,1Bを書類等被ファイリング材2の例えば右肩部等コーナー部2aに嵌装し、図3のように、表裏一対の帯状のカバー部材1A,1Bで、当該書類等被ファイリング材2のコーナー部2aをバインディングするだけの極めて簡単な操作により、クリップのように書類等被ファイリング材2の表面を傷付けることなく、同書類等被ファイリング材2をクリップと略同様に安定して一体に保持することができる。
【0032】
この場合において、上記表裏一対の帯状のカバー部材1A,1Bの何れか一方又は両方の内側に、上述のような粘着剤が塗布されていると、ファイリング時にファイル部材1が粘着剤によって確実に書類等被ファイリング材2に固定され、より安定して保持される。
【0033】
しかも、当該ファイル部材1は、書類等被ファイリング材2のコーナー部2aに嵌装され、同書類等被ファイリング材2のコーナー部2aの表裏両面を挟む相互に連続した表裏一対の帯状のカバー部材1A,1Bよりなるだけのものであることから、材料費はもちろん、製造に要するコストも極めて安価であり、量産も容易である。
【0034】
また、以上のような構成の場合、表面が汚れても裏返すと、再び美しくなるので、再度利用することができる。したがって、社内回覧などでの利用にも適している。
【0035】
なお、上記ファイル部材1は、種々の材質のもので形成することができるが、例えば硬質の紙材、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの合成樹脂材で形成すると、安価で、製造も容易である。
【0036】
また、種々のカラー設定も可能で、特に合成樹脂製の場合、透明体とすることもできる。
【0037】
さらに、表面側帯状のカバー部材1Aの上面に届先への「挨拶状」等の文面、裏面側帯状のカバー部材1Bの下面に送付元の社名、所在地、電話番号等の印刷をすることも可能であり、それらによって、単なるファイル部材としての機能に留まらず、従来の封筒に代るファイル部材としての機能をも発揮するようになる。
【0038】
また、上記の説明では、左右両端側の折り目Cを1本として、比較的厚さの薄い被ファイリング材2に対応するものとしたが、上記各帯状のカバー部材1A,1B両端L,Rの連結部をファイルすべき被ファイリング材2の厚さに合わせて、図4のように所定の幅Tで2本の折り目C1,C2を形成するようにすれば、被ファイリング材2の厚さが厚くても確実に安定した状態に保持することができるようになる。
【0039】
さらに、上述の被ファイリング材2としては、通常のA4,B5サイズの文書の外に、例えば各種見積書、製品資料、カタログ等も対象となる。
【0040】
また、取引先等外部に回す書類だけでなく、社内の回覧物にも有効に利用することができる。
【0041】
さらに、また上記ファイル部材は、クリアファイルや封筒の代りというだけでなく、デザインを良くすることにより、またメッセージ伝達機能を付加することにより、封筒やクリアファイル自体に嵌装するリボン、またはメッセージ用具として活用することもできる。
【0042】
(第2の実施の形態)
次に図5〜図7は、本願発明の第2の実施の形態に係るファイル部材の構成を示している。
【0043】
この実施の形態のファイル部材は、上記図1〜図4の第1の実施の形態のファイル部材の構成における表裏一対の帯状のカバー部材1A,1Bの幅W1,W2の何れか一方の幅を全体に亘って、または部分的に他方のものと異なるようにすることによって、書類等の被ファイリング材2に嵌装する時に、ファイル部材1の帯状のカバー部材1A,1B間を開きやすくしたものである。
【0044】
(1) 第1のタイプ
先ず図5は、上記図1〜図4の第1の実施の形態のファイル部材の構成における表裏一対の帯状のカバー部材1A,1Bの幅W1,W2の何れか一方の幅を全体に亘って、他方のものと異なるようにすることによって、書類等の被ファイリング材2に嵌装する時に、ファイル部材1の帯状のカバー部材1A,1B間を開きやすくしたものである。
【0045】
(2) 第2のタイプ
次に図6,図7は、上記図1〜図4の第1の実施の形態のファイル部材の構成における表裏一対の帯状のカバー部材1A,1Bの幅W1,W2の何れか一方の幅を部分的に他方のものと異なるようにすることによって、書類等の被ファイリング材2に嵌装する時に、ファイル部材1の帯状のカバー部材1A,1B間を開きやすくしたものである。
【0046】
この場合において、先ず図6のものは、何れか一方側の帯状のカバー部材、例えば1B側に部分的な突片2bを形成したもの、また図7のものは、例えば1B側に部分的な凹部(切り欠き部)2cを形成したものである。
【0047】
(第3の実施の形態)
次に図8は、本願発明の第3の実施の形態に係るファイル部材の構成を示している。
【0048】
この実施の形態のファイル部材は、上記図1〜図4、図5〜図7の第1,第2の実施の形態のファイル部材の構成における表裏一対の帯状のカバー部材1A,1Bの両端L,R部分の内側に、図8に示すような折り目部から他端側に延びる舌部状の(所定長さの)中間部材3,3を設けたものである。
【0049】
このような構成によると書類等被ファイリング材2に嵌装された時に、上記舌部状の中間部材3が、書類等被ファイリング材2の中間に挟み込まれて上下両面側から挟圧されることになる。
【0050】
したがって、図1のように嵌装されたファイル部材1が嵌装後安定した状態に保持され、容易には抜け難くなる。
【0051】
(第4の実施の形態)
次に図9〜図11は、本願発明の第4の実施の形態に係るファイル部材の構成を示している。
【0052】
この実施の形態では、上述した図1〜図4の第1の実施の形態、図5〜図7の第2の実施の形態、図8の第3の実施の形態各々の構成において、さらに表面側帯状のカバー部材1A部分に、名刺係止部(名刺ホルダー部)を設けたものである。
【0053】
(1) 第1のタイプ
先ず図9に示すものは、図示のように、上述した表面側帯状のカバー部材1A中央の対角位置に、名刺Nの上下幅、対角長に対応して、その左上端、右下端各角部を挿入できる切り込み4a,4bを形成し、名刺Nを書類等被ファイリング材2の左右方向に水平に係止できるようにしたものである。
【0054】
このようにすると、名刺Nを添付した状態で、書類等をファイルし、取引先等に届けることができるようになり、さらに高機能なファイリング部材となる。
【0055】
また、この場合において、表面側帯状のカバー部材1Aにおける名刺Nの下方面部分に、「御礼」、「感謝」、「真心」などの美しい書体の「文字」、心のこもった「メッセージ」などを入れて置くと、受け取り先の担当者が名刺Nを取り外した時に、同文字やメッセージに心を打たれることになり、非常に印象の良いものとなる。
【0056】
(2) 第2のタイプ
次に図10のものは、上記第1のタイプのものと同様の名刺対角方向の切り込み4a,4bを、名刺Nが帯状のカバー部材1Aに沿った斜め方向に係止されるように設けたものである。
【0057】
この場合の切り込みは、図示4a,4b位置のみに限らず、仮想線で示す4c,4d位置であってもかまわない。
【0058】
(3) 第3のタイプ
さらに図11のものは、上記第1,第2のタイプのように名刺を係止するに際し、単なる直線的な切り込みに変えて、例えば半円形の切り込み4a,4b、4c,4dとし、円弧状の押え片5a,5bで挟んで保持できるようにしたものである。
【0059】
このような構成によると、名刺の保持状態にエレガントさが生じ、一段と受け取り側の印象が良くなる。
【0060】
また、単なる直線的な切り込みの場合に比べて、名刺Nを係止するのも容易になる。
【0061】
(第5の実施の形態)
以上の第1〜第4の実施の形態では、それらの何れにあっても、ファイル部の表側カバー部材、裏側カバー部材共に帯状のカバー部材1A,1Bで構成した。
【0062】
しかし、これらは、必ずしも帯状でなければならないものではなく、例えば図12に示すような、コーナー部が開放されていない三角形状の袋状片1A′,1B′構造のものであっても良い。
【0063】
このような三角形状の袋状片1A′,1B′に、上述した図5〜図7、図8、図9〜図11と同様の構成を採用すると、全く同様の作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0064】
1はファイル部材、1Aは表側帯状のカバー部材、1Bは裏側帯状のカバー部材、2は書類等被ファイリング材、2aコーナー部、3は中間部材、4a,4bは切り込み、5a,5bは押え片である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
書類等被ファイリング材のコーナー部に嵌装され、同書類等被ファイリング材をファイルするファイル部材であって、上記書類等被ファイリング材コーナー部の表裏両面を挟む相互に連続した表裏一対のカバー部材よりなることを特徴とするファイル部材。
【請求項2】
表裏一対のカバー部材間端部には、書類等被ファイリング材の間に嵌挿されて挟まれる中間部材が設けられていることを特徴とする請求項1記載のファイル部材。
【請求項3】
表側カバー部材と裏側カバー部材は、その相互の幅が、部分的に又は全体に亘って異っていることを特徴とする請求項1又は2記載のファイル部材。
【請求項4】
表側カバー部材には、名刺等係止用の係止部が設けられていることを特徴とする請求項1,2又は3記載のファイル部材。
【請求項1】
書類等被ファイリング材のコーナー部に嵌装され、同書類等被ファイリング材をファイルするファイル部材であって、上記書類等被ファイリング材コーナー部の表裏両面を挟む相互に連続した表裏一対のカバー部材よりなることを特徴とするファイル部材。
【請求項2】
表裏一対のカバー部材間端部には、書類等被ファイリング材の間に嵌挿されて挟まれる中間部材が設けられていることを特徴とする請求項1記載のファイル部材。
【請求項3】
表側カバー部材と裏側カバー部材は、その相互の幅が、部分的に又は全体に亘って異っていることを特徴とする請求項1又は2記載のファイル部材。
【請求項4】
表側カバー部材には、名刺等係止用の係止部が設けられていることを特徴とする請求項1,2又は3記載のファイル部材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−171156(P2012−171156A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−34129(P2011−34129)
【出願日】平成23年2月21日(2011.2.21)
【出願人】(502443105)有限会社アスラック (15)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月21日(2011.2.21)
【出願人】(502443105)有限会社アスラック (15)
【Fターム(参考)】
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