説明

ファウクス(Faux)エフェクト顔料組成物類

本発明は、水ベースの樹脂系に溶解しない着色剤顆粒を有する、水ベースの樹脂系を有する塗料組成物類に関する。得られる塗料組成物類は、第2の着色剤を放出するのに十分な圧力を適用した後、通常でないが、望ましい効果を生じる。従って、本発明は、それらの使用方法及び製造方法を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水ベースの系に実質的に不溶の着色剤顆粒を含有する顔料組成物類、それらの製造プロセス、及び基材を着色して所望の建築効果を得るために、基材類(substrates)の着色における使用に関する。
【0002】
顔料分散物類を含有する種々の組成物類が知られている。EP−A−0947540は、少なくとも1つの顔料を含む乾燥マスターバッチをクレームし、このマスターバッチは、混合物の重量に基づいて計算して、キャリア中に分散される、粒度分布が1μm未満の、少なくとも1つの顔料の少なくとも80重量%の粒子を含有する。EP−A−0947540のプロセスは、産業プロセスにおいては不利となる、少なくとも1つのターボミキサー及び溶媒類を使用する。さらに、この生成物は、満足な最終生成物を得るためには除去されなければならない微細粉末を含有する。
【0003】
顔料顆粒類自身は知られている。例えば、顔料処方物は、有機顔料45〜60%、分散剤(エトキシル化アミン)2%、ポリエチレンワックス(LMWPE)6.5〜8.6%、及び尿素−アルデヒド樹脂46.5〜29.4%の混合物として、Ciba Specialty Chemicals Inc. から市販されている(異なる特定をされない限り、本明細書全体で全ての部は重量による)。以前に、このような顔料顆粒が分散性であることが必須であると考えられていた。従って、このような顆粒を、区別される、不混和性の相を形成するような様式
で、塗料組成物中で使用することは知られていない。
【0004】
ファウクス(faux)エフェクト顔料はUS−5,536,769から知られている。この特許は、グレインの外観を作成し、天然大理石、みかげ石等を複製するようなファウクス効果が、着色剤類及び液体混合物類の特定のブレンドを利用することによって達成可能であることを教示する。必須成分はプロピレングリコールである。この特許はさらに、油ベースの染料類及び顔料類が好適ではないことも強調する。
【0005】
本発明の目的は、基材に塗布された場合に、ファウクス(faux)効果及び/又は組織(textual)効果を生み出す、新規なラテックス顔料組成物類を提供することである。
【0006】
本発明は、選択される基材上に塗布し、乾燥した後に、独特のファウクス(faux)効果、組織(textual)効果、及び/又は表面効果を生じる水ベースの塗料系に関する。水ベースの塗料類は主にラテックス塗料類であり、ここで、着色剤顆粒類は水相全体に分散される。ラテックス塗料類において、ラテックスバインダーは、連続相である水によって分離される液体〜半固体のポリマーの非常に小さな粒子からなる。水が蒸発すると、ポリマー粒子は互いに接触し、互いに融合するか又は合体して、乾燥時には連続的な塗料フィルムとなる。使用される場合、顔料粒子はさらに、水相に分散され、乾燥塗料フィルムは、顔料と、共に融合するポリマー粒子との混合物からなる。
【0007】
特に、塗料組成物は、水相に溶解しない着色剤顆粒類を含有する水相を有する水ベースの塗料又はコーティング系を含む。コーティングが表面に塗布されると、せん断力又は圧力をコーティングに適用することができ、着色剤顆粒類の変形、配向及び/又は破裂によってカラーバーストを生じ、ファウクス(faux)効果に導く。本発明は、いくつかの利点を有する。ファウクス(faux)効果は、着色剤顆粒類を含有する1つのコーティング物を塗布し、従来のファウクス(faux)塗料技術の多工程を行うことなく、不均一な色効果又はファウクス(faux)効果を得ることによって達成することができる。さらに、カラーバーストが、塗料類が湿潤又は乾燥状態の時に、生み出され得、ユーザーに、湿潤状態でのみで行われる作業を必要とする従来のファウクス(faux)塗料よりも、より多くの作業機会を与えることができる。
【0008】
ラテックス塗料組成物類の例は、アクリロニトリル、スチレンのホモポリマー類、アクリロニトリルのコポリマー類、ハロゲン化ビニル樹脂類(例えば塩化ビニル)又はビニルエステル類(例えば、酢酸ビニル)のホモポリマー類及びコポリマー類、酢酸ビニルホモポリマー類及びコポリマー類、アクリル酸及びメタクリル酸、及びそれらのエステル類及び誘導体類のホモポリマー類及びコポリマー類、ポリブタジエン、ブチルゴム、エチレン−プロピレンコポリマー類、ポリエチレン及びポリプロピレンのようなオレフィン性樹脂類、ポリビニルアルコール、エポキシ類、エポキシエステル類、カルボキシル化された天然及び合成ラテックス類、ポリウレタン及び類似の樹脂−ポリマーラテックス系類の樹脂類又はバインダー類に基づくものを含む。
【0009】
このような塗料類及びコーティング物類は当該技術分野で周知であり、典型的には、二酸化チタン含む樹脂バインダー及び顔料、及び他の化学物質類の粒子類を、水中に別個に分散する、エマルション及び分散物又は懸濁物を含む。さらなる任意の成分類は、しばしば、クレー、硫酸バリウム、タルク、界面活性剤類、合着剤等を含む。本発明が、透明なコート系において使用するのに適切であり、この系が本明細書中以下で記載される着色剤顆粒類以外の分散顔料又は着色剤を含有しないことを注記すべきである。
【0010】
本発明の本質的な属性は、従来のラテックスベースの着色剤類と不適合性の着色剤顆粒の存在である。不適合性は、着色剤顆粒がラテックス塗料組成物内で区別される相を形成することを意味する。区別される相は、水系又はラテックス系中で容易に溶解せず、温和な攪拌及び混合に抵抗する、十分な持続性を有するポリマー性物質で、選択される着色剤を完全に覆うことによって生じる。
【0011】
用語「顆粒」は、破砕されているか、非常に微細な粉塵であるか否かにかかわらず、粒、粒子、微粒子、ペレットの固体形態を意味すると理解されるべきである。着色剤類は、顔料類又は染料類であり、その外に顔料類及び/又は染料類の混合物である。顔料類は、エフェクト顔料類を含む有機顔料類及び無機顔料類であり得;これらの色は選択的又は非選択的な光の吸収、反射及び/又は干渉に起因し得る。
【0012】
特に好ましい着色剤顆粒、及びこのような好ましい着色剤顆粒を製造するための手段は、EP−A−1277808(これは本明細書中に参考として組み込まれる)に記載される。顔料顆粒を製造するための実際のプロセスは、この特定の系に限定されず、他の手段によって製造された顔料顆粒物類は市販されている。
【0013】
同時係属中の出願に記載されるプロセスは、ステップ(a)において、顔料及び尿素−アルデヒド樹脂及び/又は尿素−ケトン樹脂が混合されるものを提供する。混合は、別個のホモジナイザー中、又は押出機の注入(供給)ゾーン中で行われ得る。混合が押出機の注入ゾーンで行われる場合、顔料及び樹脂は、注入ゾーンの最初に共に導入され得るか、又は樹脂が最初に添加され、顔料が次いで添加される。しかし、別個のホモジナイザー中で成分類を混合することが好ましい。ホモジナイザーは特に限定されない。原理的には、適切な混合(すなわち成分類の均一な分布)を与える任意のデバイス、例えば、低速ミキサー又は高速ミキサー類、タンブラー類又はブレンダー類を使用することができる。タンブラーが好ましい。
【0014】
混合がホモジナイザー中で行われる場合、顔料及び樹脂は、一般的に、5〜120分、好ましくは10〜30分、最も好ましくは15分、5〜樹脂のガラス遷移温度の温度範囲で、例えば、ラロパル(Laropal:登録商標) A81の場合には、50℃、好ましくは15〜25℃で混合される。
【0015】
尿素−アルデヒド及び/又は尿素−ケトン樹脂に対する顔料の重量比は、一般的に、40:60〜90:10、好ましくは50:50〜80:20の範囲である。
【0016】
尿素−アルデヒド樹脂類及び尿素−ケトン樹脂類は、アミノプラスト樹脂類のクラスに属し、尿素及びアルデヒド類(例えば、アセトアルデヒド、グリオキサール及びホルムアルデヒド、特にホルムアルデヒド)又はケトン類の硬化可能な縮合生成物である。これらは、以下の繰り返し単位によって特徴付けられる。
【0017】
【化1】

【0018】
〔式中、R、R、R及びRは、独立して、互いに水素又は有機基、例えば、直鎖又は分枝のC〜C−アルキル基である〕。尿素−アルデヒド樹脂類、特に、尿素−ホルムアルデヒド樹脂類が好ましい。尿素−ホルムアルデヒド樹脂類を製造するために使用される原材料類に関する関連情報は、B. Meyer: Urea-Formaldehyde Resins, Addison-Wesley, London 1979中に見出すことができる。最も好ましいものは、ラロパル(LAROPAL:登録商標) A81(BASF AG,軟化点:80〜95℃)及びA101(BASF AG,軟化点:95〜110℃)である。
【0019】
概して、尿素−ホルムアルデヒド樹脂類及び尿素−ケトン樹脂類と適合性であり、本出願に従うプロセスで加工であるなら、顔料顆粒を処方するために、任意の有機顔料又は無機顔料が使用され得る。本明細書に基づいて、粗顔料又は未仕上顔料が使用され得るが、好ましくは、色素形態の顔料が使用される。形状は、所望の色効果に基づき、例えば、異種同形体、小板様又はフレーク様、又は均一な針状であってもよい。例えば、US−5,985,019に記載されるような顆粒類は、さらに、本発明のプロセスに従って加工することができる。
【0020】
好適な有機顔料類は、例えば、W. Herbst, K. Hunger, Industrial Organic Pigments, 2nd revised edition、1995中に記載される。本発明の顔料組成物類の、特に適切な有機顔料類は、アゾ、アゾメチン、メチン、アントラキノン、フタロシアニン、ペリノン、ペリレン、ナフトール、ベンズイミダゾリン、ジケトピロロピロール、チオインジゴ、イミノイソインドリン、ジオキサジン、イミノイソインドリノン、キナクリドン、フラバトロン、インダントロン、アントラピリミジン及びキノフタロン顔料、又はそれらの混合物又は固溶液からなる群から選択される有機顔料類であり;特に、アゾ、ジオキサジン、ジケトピロロピロール、キナクリドン、フタロシアニン、インダントロン又はイミノイソインドリノン顔料、又はそれらの混合物又は固溶液からなる群から選択される有機顔料類である。
【0021】
著名な有機顔料は、Colour Indexに記載される顔料類であり、C.I.Pigment Red 202、Pigment Red 122、Pigment Red 179、Pigment Red 170、Pigment Red 144、Pigment Red 177、Pigment Red 254、Pigment Red 255、Pigment Red 264、Pigment Brown 23、Pigment Yellow 109、Pigment Yellow 110、Pigment Yellow 147、Pigment Yellow 191:1、Pigment Yellow 74、Pigment Yellow 83、Pigment Yellow 13、Pigment Orange 61、Pigment Orange 71、Pigment Orange 73、Pigment Orange 48、Pigment Orange 49、Pigment Blue 15、Pigment Blue 60、Pigment Violet 23、Pigment Violet 37、Pigment Violet 19、Pigment Green 7、及びPigment Green 36、又はそれらの混合物又は固溶液からなる群を含む。
【0022】
適切な無機顔料類は、カーボンブラック、金属酸化物類、混合金属酸化物類、アンチモン黄色、クロム酸鉛、クロム酸鉛硫酸塩(lead chromate sulfate)、モリブデン酸鉛、群青、コバルトブルー、マンガンブルー、酸化クロムグリーン、水和・酸化クロムグリーン、コバルトグリーン、金属スルフィド類、カドミウムスルホセレニド類、亜鉛フェライト、チタン酸ニッケル及びバナジン酸ビスマス、及びそれらの混合物からなる群から選択される
【0023】
あるいは、着色剤顆粒は、染料類を用いて上述のように製造することができる。受容可能な反応性染料クラス群は、本質的に任意の反応性染料を使用され得るが、反応性染料類、溶液染料類、直接染料類、例えば、モノクロロトリアジン、モノフルオロトリアジン、テトラクロロピリミジン、2,3−ジクロロキノキサリン、ジクロロフタラジン、5−クロロジフルオロピリミジニル、β−スルファト−エチルスルファモイル、β−クロロエチルスルファモイル、スルファトエチルスルホン、及びビニルスルホン反応性染料類を含む。本発明において有用な反応性染料類の例は、限定されないが、Colour Index Reactive Yellow 7、Reactive Yellow 18、Reactive Yellow 22、Reactive Yellow 55、Reactive Yellow 86、Reactive Orange 4、Reactive Orange 12、Reactive Orange 13、Reactive Orange 35、Reactive Orange 66、Reactive Red 2、Reactive Red 3、Reactive Red 5、Reactive Red 6、Reactive Red 11、Reactive Red 31、Reactive Green 8、Reactive Blue 4、Reactive Blue 5、Reactive Blue 9、Reactive Blue 13、Reactive Blue 49、Reactive Blue 63、Reactive Blue 71、Reactive Blue 72、Reactive Blue 62、Reactive Blue 96、Reactive Blue 99、Reactive Blue 109、Reactive Blue 122、Reactive Blue 140、Reactive Blue 161、Reactive Blue 162、Reactive Blue 163、Reactive Blue 166、Reactive Blue 198、Reactive Violet 1、Reactive Brown 9、Reactive Brown 10、Reactive Brown 17、Reactive Brown 22、Reactive Brown 23、Reactive Black 8、及びReactive Black 14を含む。このリストは例示を意味し、網羅的ではない。上述の染料類の多くは、Ciba Specialty Chemicals、Dystar、Cariant及びBASFから市販されている。
【0024】
用語「それらの混合物類」は、さらに、例えば、US−5,976,238に記載されるような無機顔料及び有機顔料の混合物類を含み、その外に、染料類の混合物類、又は染料類及び顔料類の混合物類を含む。
【0025】
本発明において使用される顔料類は、角度に依存する色変化を示すゴニオクロマティック(goniochromatic)効果のような特別な性質を有することができるか、又は効果として、メタメリズムを示す顔料であることができる。これらの顔料類は、通常、エフェクト顔料類と称される。特に、強力なゴニオクロマティック効果は、干渉顔料類、特に、半透明層類を含むものと共に得られる。真珠効果又は光沢効果を示す顔料類が、また、使用され得、それらはマイカ及び金属フレーク類を含み、場合により、薄い誘電層類でコーティングされる。染料類は、溶解状態、分散状態又は液晶状態において、使用され得る。場合により処理されたマイカは、慣用のファウクス(faux)効果のため、特に適切である。
【0026】
上述の全ての顔料類及び染料類は当該技術分野で周知である。
【0027】
本発明のファウクス(faux)効果を用いて形成されるコーティング物は、平坦仕上げ、サテン仕上げ、エッグシェル仕上げ、半光沢仕上げ及び高光沢仕上げのような種々の光沢レベル類を有することができる。
【0028】
押出成形は、共回転2軸押出機類、特に、同時に共回転する互いに密接にかみ合う2軸の押出機類、及び逆回転2軸押出機類で、行い得る。適切な軸設計を有する1軸押出機類も同様に使用され得る。軸設計の適切性は、以下に記載されるように典型的な2軸押出機類との比較によって容易に調べられる。
【0029】
典型的な2軸押出機は、14〜52、好ましくは、30〜50のL/D比を有する。出力は、押し出される成分の特性、例えば、有機顔料及び無機顔料の特性及び使用される押出機の直径に強く依存するが、16〜25mmの直径を有する押出機が使用される場合、その出力は、一般的に、0.5kg/h〜30kg/h、好ましくは、1kg/h〜20kg/hの範囲である。
【0030】
押出機の温度プロフィールは、使用される樹脂及び顔料に依存し、その外に、押出機のレイアウト及び軸の設計に依存する。概して、温度プロフィールは、70℃、好ましくは、110℃から、樹脂の分解温度まで、例えば、LAROPAL(登録商標)A81では、140℃までである。
【0031】
場合により、押出機は、溶融物を脱気及び/又はろ過するための特別の手段を備えることができる。
【0032】
押出は、砕き、例えば、破壊又は切断し、場合により、磨砕し、及び/又はふるう。
【0033】
薄く広げるコーティング物のための、磨砕され、ふるわれる顔料組成物類は、500μm未満の最大粒径を有し、好ましくは、顔料組成物類の粒子径は、100〜500μmの範囲である。
【0034】
本発明は、さらに、有機又は無機の、高分子量又は低分子量の物質、特に、本発明の顔料顆粒類を、染色的に有効量で、一般的に、有機物質又は無機物質に基づいて0.01〜70重量%、通常は0.01〜30重量%、特に0.01〜10重量%で、含む高分子量の有機物質に関する。本発明に従う顔料顆粒類の量は、好ましくは、有機物質又は無機物質に基づいて、0.1〜30重量%、最も好ましくは、0.3〜10重量%である。
【0035】
従って、本発明のさらなる実施形態は、全てが水ベースである、塗料系類及びコーティング物質類の製造のための本発明の顔料顆粒類の使用に関する。顔料顆粒類が基材表面上に区別される相効果生み出し、乾燥後でさえ、その相効果を保持することが必須である。
【0036】
透明なコート組成物を含む、慣用の水ベースの塗料系は、染色的に有効量を追加することによって、上述の着色剤顆粒類を備える。着色剤顆粒類は、単一で、又は2つ以上の固有的に着色される形態の混合物として、使用され得る。この塗料系を塗布するための手段は、塗料系が、着色剤顆粒類及び塗料系内の、場合により追加される任意の顔料の比較的均一な分散物を確保するためにブレンドされる点では、慣用的である。このブレンドは、着色剤顆粒類の破裂又は破砕を避けるような様式で行われる。それから、ブレンド系は、好ましくは、壁、天井、紙、又は塗料が使用され得る任意の他の表面のような基材に、ブラシ、ローラー又はスポンジ、又は適切な表面被覆を提供し、分散する着色剤顆粒類を破砕しない任意の他の手段を用いて、塗布される。
【0037】
次いで、湿潤塗料フィルム又は乾燥塗料フィルムは、基材上に所望のファウクス(faux)効果を生み出すように、着色剤顆粒類の視覚的態様を変化するのに適切な任意の手段に付される。1つの可能性は、本発明がその例に限定される様式にはないが、顆粒類内の着色剤を、識別可能なように、及び/又は所望の広がり程度にわたって放出され広がるように、着色剤顆粒類を、機械的及び/又は熱的に変形し、及び/又は破砕することである。場合により、ファウクス(faux)効果を有する塗料フィルムは、その下にあるフィルムを密閉し保護するために、クリヤーコートで被覆される。
【0038】
以下の実施例は本発明の種々の実施形態を示すが、本発明の範囲はそれらに限定されない。
【0039】
実施例1:Pigment Red 254 500g及び尿素−アルデヒド樹脂(Laropal:登録商標) A81、BASFから)500gの混合物を15分間混転する。その後、L/D=14(D=16mm;r=250rpm)、出力1.1kg/hを有する共回転2軸押出機内で混合物を計量(is metered)する。温度プロフィールを130℃に設定する。次いで押出物を破砕し、磨砕し、500μm未満の粒径を有する粒子にふるった。処方物中のPigment Red 254の濃度は65重量%である。
【0040】
実施例2:実施例1で製造される顔料顆粒類10gを、水上に浮かぶラテックス塗料系に添加し、塗料系の全重量に基づいて、2重量%になるようにする。得られる塗料系を多くの基材上にローラーを介して塗布する。塗布する最初には、目に見える色はベースペイントのそれである。次いで、海綿、ブラシ又はブレードによって、それぞれの基材上の乾燥塗料フィルムにせん断を与え、取り囲まれた顔料類をつぶし、その中の色を露出させる。次いで、得られるコーティング物をクリヤーコートで被覆して、恒久的に触れることができる仕上げ面を生み出す。
【0041】
実施例3:実施例1で製造する顔料顆粒類5g及び実施例1に類似して製造する顔料顆粒5gからなる混合物10g(但し、Pigment Red 254の代わりにPigment Blue 15を用いる)を、水に浮かぶラテックス塗料系に添加すること以外は、実施例2を繰り返す。
【0042】
実施例4:Pigment Blue 15を、青色の干渉マイカ(Iriodin(登録商標)9225 WR、Merck Darmstadt/Germany)に置換することの違いをもって、実施例3を繰り返す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水相及び前記水相に溶解しない、分散する着色剤顆粒類を含み、前記着色剤顆粒類が、好ましくは、さらにラテックスバインダーを含む、塗料組成物。
【請求項2】
前記着色剤顆粒が、着色剤及び尿素−アルデヒド樹脂及び/又は尿素−ケトン樹脂の均一ブレンドである、請求項1に記載の塗料組成物。
【請求項3】
前記着色剤が、アゾ、アゾメチン、メチン、アントラキノン、フタロシアニン、ペリノン、ペリレン、ナフトール、ベンズイミダゾロン、ジケトピロロピロール、チオインジゴ、イミノイソインドリン、ジオキサジン、イミノイソインドリノン、キナクリドン、フラバトロン、インダントロン、アントラピリミジン及びキノフタロン顔料類、及びこれらの混合物類又は固溶液類からなる群から選択される有機顔料であるか又はこの有機顔料を含む、特に、アゾ、ジオキサジン、ジケトピロロピロール、キナクリドン、フタロシアニン、インダントロン又はイミノイソインドリノン顔料、又はこれらの混合物又は固溶液からなる群から選択される有機顔料であるか又はこの有機顔料を含む、請求項1又は2に記載の塗料組成物。
【請求項4】
前記着色剤が、カーボンブラック、金属酸化物類、混合金属酸化物類、アンチモン黄色、クロム酸鉛、クロム酸鉛硫酸塩、モリブデン酸鉛、群青、コバルトブルー、マンガンブルー、酸化クロムグリーン、水和・酸化クロムグリーン、コバルトグリーン、金属スルフィド類、カドミウムスルホセレニ類、亜鉛フェライト、チタン酸ニッケル及びバナジン酸ビスマス、及びそれらの混合物からなる群から選択される無機顔料であるか又はこの無機顔料を含む、請求項1又は2に記載の塗料組成物。
【請求項5】
前記着色剤が、好ましくは、半透明層を含む多層干渉構造物、及び場合により誘電性物質で被覆され、好ましくは、前記誘電性物質上にさらなる半透明層を有するマイカ又は金属フレーク類からなる群から選択されるエフェクト顔料であるか、このエフェクト顔料を含む、請求項1又は2に記載の塗料組成物。
【請求項6】
前記着色剤が、反応性染料類、溶液染料類、直接染料類及びそれらの混合物類からなる群から選択される染料であるか、この染料を含む、請求項1又は2に記載の塗料組成物。
【請求項7】
前記着色剤顆粒類が、少なくとも1つの顔料又は染料及び尿素−アルデヒド樹脂を含み、尿素−アルデヒド樹脂に対する、顔料又は染料の重量比が、好ましくは、40:60〜90:10の範囲である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の塗料組成物。
【請求項8】
基材上に請求項1に記載の塗料組成物を塗布する工程を含む、基材を被覆するためのプロセス。
【請求項9】
ファウクスエフェクトパターンが前記基材上で目視できるように、場合により乾燥後に、前記被覆を、前記着色剤顆粒類の視覚的態様を変化させる手段に付する工程をさらに含む、請求項8に記載のプロセス。
【請求項10】
着色剤顆粒を水ベーズの塗料系に、溶解させることなく分散させる工程を含み、前記着色剤顆粒が、好ましくは、ラテックスバインダーをさらに含む、塗料組成物を製造するためのプロセス。
【請求項11】
前記着色剤顆粒が、少なくとも1つの顔料又は染料及び尿素−アルデヒド樹脂を含み、尿素−アルデヒド樹脂に対する顔料又は染料の重量比が、好ましくは、40:60〜90:10の範囲である、請求項10に記載のプロセス。

【公表番号】特表2006−518403(P2006−518403A)
【公表日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−502012(P2006−502012)
【出願日】平成16年2月9日(2004.2.9)
【国際出願番号】PCT/EP2004/050097
【国際公開番号】WO2004/074382
【国際公開日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【出願人】(396023948)チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Specialty Chemicals Holding Inc.
【Fターム(参考)】