説明

ファクシミリ装置及びその画面表示方法

【課題】 ユーザの拡大/縮小等の手間を省くことにより、操作性を向上させる。
【解決手段】 操作パネル19でユーザによって「受信文書のLCD画面表示」が選択されると、そのデータが受信データメモリ14から読み出され、コーデック13で圧縮をデコードされる。その際、受信文書の1頁目のデコードが終わった時点で、CPU15は、そのデコード前の符号量から、符号量が多いほど大きく表示するように、LCD18に表示する縮小率を決定する。続いて、CPU15は、決定した縮小率に合わせて、デコードしたデータの間引き処理を行い、その結果を表示データメモリ16に展開する。そして、CPU15は、表示データメモリ16のデータを、LCDコントローラ17を介して、LCD18に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信文書を画面に表示する機能を有するファクシミリ装置、及びその画面表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般のファクシミリ装置では、受信文書を必ず印刷する。この場合、記録紙の消費量を抑えるために、画像の縮小、先端カット、後端カット等の加工を行うことにより、受信画像が1頁に収まるように出力するファクシミリ装置も知られている(特許文献1)。
【0003】
一方、受信文書を印刷せずにLCDに表示することによって記録紙の無駄を無くせるファクシミリ装置(以下「従来のファクシミリ装置」という。)が、各社から発売されている。ここで用いられるLCDは、大型になるほど高価になるため、5インチ程度と、受信文書に比べてかなり小さくなっている。
【0004】
【特許文献1】特開平8−251315号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図5及び図6は従来のファクシミリ装置におけるLCD画面を示す説明図であり、図5は第一例、図6は第二例である。以下、これらの図面に基づき説明する。
【0006】
LCD画面50は、多数の操作スイッチ51とともに、操作パネル19上に設けられている。LCD画面50に受信文書21を表示するとき、通常のLCD画面50は受信文書21のサイズよりも小さいので、等倍表示では受信文書21の一部しか表示できない。
【0007】
また、受信文書21の全体を表示するには、縮小表示にする必要がある。このとき、図5に示すように、内容が粗い受信文書21に対しては、縮小して全体を表示しても、内容を判読できる。一方、図6に示すように、内容が細かい受信文書22に対しては、縮小すると内容が判読できないので、操作パネル19を使って拡大しなければならない。
【0008】
このように、ユーザは、操作パネル19を使って表示倍率を調整しながら、受信文書21,22をLCD画面50で確認することになる。しかし、受信文書の細かさは文書毎に様々であるので、受信文書毎に表示倍率を調整する手間がユーザに発生する。すなわち、ユーザが受信文書の内容を確認するには、拡大/縮小やスクロールなどの操作が必要になる。
【0009】
そこで、本発明の目的は、ユーザの拡大/縮小等の手間を省くことにより操作性を向上させたファクシミリ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るファクシミリ装置は、受信文書を画面に表示する機能を有するものであり、表示制御手段を備えている。表示制御手段は、1頁分の受信文書について符号量を計数し、その符号量が多いほど受信文書を大きく表示する。詳しく言えば、本発明に係るファクシミリ装置は、受信手段、表示制御手段及び表示手段を備えている。受信手段は、電話回線から受信データを受信して復調する。表示制御手段は、受信手段で復調された受信データに含まれる1頁分の受信文書について符号量を計数し、縮小率が大きいほど大きく表示されるときに、符号量が多いほど縮小率を大きく設定する。表示手段は、表示制御手段で設定された縮小率で受信文書を画面に表示する。
【0011】
受信文書の白画素及び黒画素の相互の変化点が多い程、その受信文書の符号量が増える。すなわち、符号量が多いほど、文書が細かいと言える。したがって、符号量が多いほど、文書が細かいのであるから、自動的に大きく表示する。これにより、ユーザは、細かい部分を見るために拡大表示する手間が不要になる。逆に言えば、符号量が少ないほど、文書が粗いのであるから、自動的に小さく表示する。これにより、ユーザは、全体を見るため縮小表示する手間が不要になる。また、表示制御手段は、ソフトウェアの変更によって実現できるので、既存のファクシミリ装置にも容易に用いることができる。
【0012】
なお、「縮小率が大きいほど大きく表示される」とは、縮小率が%で示されるときに縮小率が70%→80%→90%と大きくなるほど、受信文書が大きく表示されることをいう。例えば縮小率が50%ならば、元の大きさの半分に表示される。また、100%の以上の縮小率とはすなわち拡大率のことであるから、本発明における縮小率には拡大率も含まれるものとする。
【0013】
また、表示制御手段は、1頁分の受信文書を複数の領域に分割して各領域毎に符号量を計数し、これらの符号量の中で最も多いものを選び、選ばれた符号量が多いほど受信文書を大きく表示する、としてもよい。詳しく言えば、表示制御手段は、受信手段で復調された受信データに含まれる1頁分の受信文書を複数の領域に分割して各領域毎に符号量を計数し、これらの符号量の中で最も多いものを選び、縮小率が大きいほど大きく表示されるときに、選ばれた符号量が多いほど縮小率を大きく設定する、としてもよい。
【0014】
1頁分の中に細かい領域と粗い領域とを併せ持つ受信文書もある。このような受信文書では、受信文書全体の符号量を基準にすると、細かい領域が見にくくなるおそれがある。そこで、1頁分の受信文書を複数の領域に分割して各領域毎に符号量を計数し、これらの符号量の中で最も多いものを基準にすることにより、最も細かい領域が良く見えるように大きく表示する。
【0015】
本発明に係るファクシミリ装置の画面表示方法は、前述の本発明に係るファクシミリ装置の動作を、方法の発明として表現したものである。
【0016】
換言すると、本発明は、受信文書を画面表示することができるファクシミリ装置において、ユーザが受信文書毎に表示倍率を調整しなくても、その表示倍率を自動選択できるようにしたことを特徴としている。
【0017】
ファクシミリの符号化方式である、MH(modified Huffman)、MR(modified READ)符号は、白画素⇔黒画素の変化点が多い程符号量が増える。これは、「符号量が多い=文書が細かい」と置き換えることができる。よって、受信文書の符号量を計数して、符号量に応じて、表示倍率を自動で設定することにより、ユーザの手間を省くことができる。
【0018】
なお、MHとは、モノクロの画像データなどを圧縮/伸長する一次元逐次符号化方式の一つである。MRとは、モノクロの画像データなどを圧縮/伸長する二次元逐次符号化方式の一つであり、READはrelative element address designateの略である。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明によれば次の効果を奏する。第一の効果は、ファクシミリ装置が自動で受信文書の細かさを判断し、画面表示する倍率を調整するので、ユーザの表示倍率調整の手間が省けることである。第二の効果は、通常のファクシミリ装置で使用しているMH、MRなどの符号化方式で蓄積されたデータの量に基づいて、受信文書の細かさを判断しているので、既存のファクシミリ装置に対する追加及び変更が少ないことである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は、本発明に係るファクシミリ装置の第一実施形態を示すブロック図である。以下、この図面に基づき説明する。
【0021】
本実施形態のファクシミリ装置10は、網制御部11、モデム12、コーデック13、受信データメモリ14、CPU15、表示データメモリ16、LCDコントローラ17、LCD18、操作パネル19等を備えている。
【0022】
網制御部11は、電話回線の閉結/開放、着信検出などを行う。モデム12は、送信データを電話回線に通すために変調し、電話回線を通ってきた受信データを復調する。コーデック13は、送信するデータをMHやMRなどの符号化方式を用いて圧縮し、圧縮されたデータを伸長する。受信データメモリ14は、コーデック13で圧縮されたデータを蓄積する。CPU15は、受信データメモリ14に蓄積された受信文書の符号量の計数や、受信文書データを縮小するための間引き処理を行う。なお、符号量は、データ量とも呼ばれる。表示データメモリ16は、コーデック13で伸長された受信文書データや、CPU15で間引き処理された受信文書データを蓄積する。LCDコントローラ17は、CPU15から送られてきた情報をLCD18に表示するための制御を行う。LCD18は、時刻及び電話番号などの文字情報や、受信文書などの画像情報を表示する。操作パネル19は、図5及び図6に示すように、LCD画面50、多数の操作スイッチ51等を有する。
【0023】
図2は、ファクシミリ装置10の動作を示すフローチャートである。以下、図1及び図2に基づき、ファクシミリ装置10の動作を説明する。
【0024】
まず、図1に基づき、全体の動作について説明する。操作パネル19を介してユーザによって「受信文書のLCD画面表示」が選択されると、そのデータが受信データメモリ14から読み出され、コーデック13で圧縮を解凍(デコード)される。その際、受信文書の1頁目のデコードが終わった時点で、CPU15は、そのデコード前の符号量から、図2のフローチャートに従って、LCD18に表示する縮小率を決定する。続いて、CPU15は、決定した縮小率に合わせて、デコードしたデータの間引き処理を行い、その結果を表示データメモリ16に展開する。そして、CPU15は、表示データメモリ16のデータを、LCDコントローラ17を介して、LCD18に表示させる。
【0025】
次に、図2のフローチャートについて詳述する。動作の主体はCPU15である。また、符号量のしきい値d1,d2,・・・,dnは、d1>d2>・・・>dn>0である。縮小率X1,X2,・・・,Xn,Xn+1は、100%≧X1>X2>・・・>Xn>Xn+1>0%である。縮小率が大きいほど大きく表示される。
【0026】
受信文書の1頁目のデコードが終わった時点で(ステップ101)、そのデコード前の符号量dを計数する(ステップ102)。続いて、ステップ103においてd≦d1であるか否かを判断し、d>d1であれば縮小率X=X1とし(ステップ104)、d≦d1であればステップ105へ進む。ステップ105においてd≦d2であるか否かを判断し、d>d2であれば縮小率X=X2とし(ステップ106)、d≦d2であれば次のステップへ進む。・・・・。ステップ107においてd≦dnであるか否かを判断し、d>dnであれば縮小率X=Xnとし(ステップ108)、d≦dnであれば縮小率X=Xn+1とする(ステップ109)。これで図2に示す動作が終了する。
【0027】
次に、ファクシミリ装置10の作用を説明する。受信文書の白画素及び黒画素の相互の変化点が多い程、その受信文書の符号量が増える。すなわち、符号量が多いほど、文書が細かいと言える。したがって、ファクシミリ装置10では、符号量が多いほど、文書が細かいのであるから、自動的に大きく表示する。これにより、ユーザは、細かい部分を見るために拡大表示する手間が不要になる。逆に言えば、符号量が少ないほど、文書が粗いのであるから、自動的に小さく表示する。これにより、ユーザは、全体を見るため縮小表示する手間が不要になる。また、このようなファクシミリ装置10の動作は、ソフトウェアの変更によって実現できるので、既存のファクシミリ装置にも容易に用いることができる。
【0028】
なお、特許請求の範囲における「受信手段」、「表示制御手段」、「表示手段」は、それぞれ「網制御部11及びモデム12」、「CPU15及びそのプログラム」、「LCDコントローラ17及びLCD18」に相当する。
【0029】
図3及び図4は本発明に係るファクシミリ装置の第二実施形態を示し、図3は動作を示すフローチャート、図4はLCD画面を示す説明図である。以下、この図面に基づき説明する。ただし、第一実施形態と同じ部分は説明を省略する。
【0030】
図4に示す受信文書20は、1頁の前半が細かく、後半が粗くなっている。このような受信文書20について、第一実施形態のように縮小率の判定を1頁全体で行うと、粗いと判定して小さく表示する(縮小率を小さくする)ため、ユーザが判読し難くなってしまう。
【0031】
この問題を解決する動作を図3に示す。動作の主体はCPU15である。まず、前半頁分がデコードされた時点で(ステップ201)、デコード前の符号量を記憶する(ステップ202)。続いて、後半分のデコードが完了すると(ステップ203)、そのデコード前の符号量を記憶するとともに(ステップ204)、その符号量と先に記憶した前半分の符号量とを比較し(ステップ205)、大きい方を受信文書20の符号量とする(ステップ206,207)。そして、第一実施形態と同様に、図2のフローチャートに従って、LCD18に表示する縮小率Xを決定する。第二実施形態では、1頁を半分で分割したが、必要に応じ分割数を増やしてもよい。
【0032】
なお、本発明は、言うまでもないが、上記第一及び第二実施形態に限定されるものではない。例えば、LCDの代わりに、ELディスプレイなどを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に係るファクシミリ装置の第一実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1のファクシミリ装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明に係るファクシミリ装置の第二実施形態を示すフローチャートである。
【図4】図3のファクシミリ装置におけるLCD画面を示す説明図である。
【図5】従来のファクシミリ装置におけるLCD画面の第一例を示す説明図である。
【図6】従来のファクシミリ装置におけるLCD画面の第二例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0034】
10 ファクシミリ装置
11 網制御部
12 モデム
13 コーデック
14 受信データメモリ
15 CPU
16 表示データメモリ
17 LCDコントローラ
18 LCD
19 操作パネル
20,21,22 受信文書
50 LCD表示画面
51 操作スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信文書を画面に表示する機能を有するファクシミリ装置において、
1頁分の前記受信文書について符号量を計数し、当該符号量が多いほど前記受信文書を大きく表示する表示制御手段を、
備えたことを特徴とするファクシミリ装置。
【請求項2】
電話回線から受信データを受信して復調する受信手段と、
この受信手段で復調された受信データに含まれる1頁分の受信文書について符号量を計数し、縮小率が大きいほど大きく表示されるときに当該符号量が多いほど前記縮小率を大きく設定する表示制御手段と、
この表示制御手段で設定された縮小率で前記受信文書を画面に表示する表示手段と、
を備えたファクシミリ装置。
【請求項3】
受信文書を画面に表示する機能を有するファクシミリ装置において、
1頁分の前記受信文書を複数の領域に分割して各領域毎に符号量を計数し、これらの符号量の中で最も多いものを選び、選ばれた当該符号量が多いほど前記受信文書を大きく表示する表示制御手段を、
備えたことを特徴とするファクシミリ装置。
【請求項4】
電話回線から受信データを受信して復調する受信手段と、
この受信手段で復調された受信データに含まれる1頁分の受信文書を複数の領域に分割して各領域毎に符号量を計数し、これらの符号量の中で最も多いものを選び、縮小率が大きいほど大きく表示されるときに、選ばれた当該符号量が多いほど前記縮小率を大きく設定する表示制御手段と、
この表示制御手段で設定された縮小率で前記受信文書を画面に表示する表示手段と、
を備えたファクシミリ装置。
【請求項5】
受信文書を画面に表示する機能を有するファクシミリ装置の画面表示方法において、
1頁分の前記受信文書について符号量を計数し、当該符号量が多いほど前記受信文書を大きく表示する、
ことを特徴とするファクシミリ装置の画面表示方法。
【請求項6】
電話回線から受信データを受信して復調し、
復調された受信データに含まれる1頁分の受信文書について符号量を計数し、縮小率が大きいほど大きく表示されるときに当該符号量が多いほど前記縮小率を大きく設定し、
設定された縮小率で前記受信文書を画面に表示する、
ファクシミリ装置の画面表示方法。
【請求項7】
受信文書を画面に表示する機能を有するファクシミリ装置の画面表示方法において、
1頁分の前記受信文書を複数の領域に分割して各領域毎に符号量を計数し、これらの符号量の中で最も多いものを選び、選ばれた当該符号量が多いほど前記受信文書を大きく表示する、
ことを特徴とするファクシミリ装置の画面表示方法。
【請求項8】
電話回線から受信データを受信して復調し、
復調された受信データに含まれる1頁分の受信文書を複数の領域に分割して各領域毎に符号量を計数し、これらの符号量の中で最も多いものを選び、縮小率が大きいほど大きく表示されるときに、選ばれた当該符号量が多いほど前記縮小率を大きく設定し、
設定された縮小率で前記受信文書を画面に表示する、
ファクシミリ装置の画面表示方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2006−109041(P2006−109041A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−292287(P2004−292287)
【出願日】平成16年10月5日(2004.10.5)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】